JP2023041176A - ステアリング装置の制御装置、ステアリング装置の制御方法、及びステアリングシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者の違和感を抑えながら車両挙動の悪化を抑止できる、ステアリング装置の制御装置、ステアリング機構の制御方法、及びステアリングシステムを提供する。【解決手段】本発明に係る制御装置は、操舵操作入力部材の操作量に対して車輪の操舵角を独立に制御可能に構成されたステアリング装置を備えた車両に設けられ、車両の実ヨーレイトに関する物理量が、操舵操作入力部材の操作量と車両の走行状態とに基づく推定ヨーレイトに関する物理量よりも大きいときに、操舵操作入力部材の操作量に係わらず、車輪の操舵角を中立位置付近に切り戻すための制御信号を操舵アクチュエータへ出力する。【選択図】図2

Description

本発明は、ステアリング装置の制御装置、ステアリング装置の制御方法、及びステアリングシステムに関する。
特許文献1の車両姿勢制御装置は、所定の目標方向に対する車両の進行方向の角度を制御するために、前記車両の姿勢を制御する車両姿勢制御装置であって、目標すべり角β*と車体すべり角βとの差(β*-β)を角度差Δβとし、角度差Δβの符号と実ヨーレイトγの符号との関係に応じて車両の前輪及び後輪の少なくとも一方を制御する。
特許第5817359号公報
ところで、車輪(操舵輪)の操舵角及び車速などの情報に基づく規範のヨーレイト(換言すれば、推定ヨーレイト)と実際のヨーレイトとの間に差が生じ、その差に基づいて車輪の操舵角を制御する場合がある。
例えば、運転者は旋回方向に操作しているのに、車輪の操舵角が逆方向を向いているカウタステア状態からのステアリングホイール操作となる走行状態も考えられ、運転者に違和感を与え、また、運転者のステアリングホイール操作に混乱が生じるおそれがあった。
本発明は、従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転者の違和感を抑えながら車両挙動の悪化を抑止できる、ステアリング装置の制御装置、ステアリング装置の制御方法、及びステアリングシステムを提供することにある。
本発明によれば、その1つの態様において、車両の実ヨーレイトに関する物理量が、操舵操作入力部材の操作量と車両の走行状態とに基づく推定ヨーレイトに関する物理量よりも大きいときに、前記操舵操作入力部材の操作量に係わらず、車輪の操舵角を中立位置付近に切り戻すための制御信号を操舵アクチュエータへ出力する。
本発明によれば、運転者の違和感を抑えながら車両挙動の悪化を抑止できる。
車両のステアリングシステムの一態様を示す構成図である。 操舵制御のプロセスの一態様を示すフローチャートである。 ステアリングホイールの操作角、前輪の操舵角、ヨーレイトの相関の一態様を示すタイムチャートである。
以下、本発明に係るステアリング装置の制御装置、ステアリング装置の制御方法、及びステアリングシステムの実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、車両100が搭載するステアリングシステム200の一態様を示す構成図である。
車両100は、4個の車輪101-104を備えた4輪自動車である。
ステアリングシステム200は、ステアリング装置300と、ステアリング装置300のアクチュエータを制御するための制御装置400とを有する。
ステアリング装置300は、運転者が操作する操舵操作部材であるステアリングホイール301と、ステアリングホイール301に反力トルクを付与する反力アクチュエータ302と、車両100の操舵輪である前輪101,102の操舵角を変更可能な操舵装置305とを有する。
操舵装置305は、前輪101,102に操舵部材303を介して操舵トルク(換言すれば、操舵力)を付与する操舵アクチュエータ304を備える。
ステアリング装置300は、反力アクチュエータ302及び操舵アクチュエータ304として、たとえば電動モータを用いる。
係るステアリング装置300は、ステアリングホイール301と、操舵輪である前輪101,102、すなわち、操舵装置305とが機械的に分離していて、ステアリングホイール301の操作角(換言すれば、操作量)に対して前輪101,102の操舵角(換言すれば、タイヤ角)を独立に制御可能に構成した、ステアバイワイヤ式のステアリング装置である。
制御装置400は、MCU(Micro Controller Unit)401などを備えた電子制御装置である。
操舵アクチュエータ304が電動モータである場合、制御装置400は、MCU401とともに、電動モータへの通電を制御するためのプリドライバやインバータを備えることができ、また、制御装置400とは別に、プリドライバやインバータを含む駆動回路を設けたシステムとすることができる。
なお、MCU401は、マイクロコンピュータ、プロセッサ、処理装置、演算装置などと言い換えることができる。
制御装置400のMCU401は、車両100及びステアリング装置300の状態に関する情報である状態情報を各種センサから取得し、取得した状態情報に基づいて、反力アクチュエータ302の制御信号及び操舵アクチュエータ304の制御信号を演算し、演算した制御信号を出力することで、反力トルク、及び、操舵トルク、すなわち、前輪101,102の操舵角σを制御する。
車両100は、車両100の走行状態を検出するセンサとして、車輪101-104それぞれの車輪速を検出する車輪速センサ403-406、車両100のヨーレイトγを検出するヨーレイトセンサ407、車両100の前後加速度及び横加速度を検出する加速度センサ408を備える。
また、ステアリング装置300は、ステアリング装置300の動作状態を検出するセンサとして、ステアリングホイール301の操作角θを検出する操作角センサ411、前輪101,102の操舵角σを検出する操舵角センサ412を備える。
操作角センサ411は、ステアリングホイール301の中立位置を0degとして検出する。
そして、操作角センサ411は、ステアリングホイール301が中立位置から左へ操作されたとき操作角θをプラスの角度として検出し、ステアリングホイール301が中立位置から右へ操作されたとき操作角θをマイナスの角度として検出する。
同様に、操舵角センサ412は、前輪101,102の中立位置を0degとして検出する。
そして、操舵角センサ412は、前輪101,102が中立位置から左へ操舵されたとき操舵角σをプラスの角度として検出し、前輪101,102が中立位置から右へ操舵されたとき操舵角σをマイナスの角度として検出する。
なお、操舵輪である前輪101,102の中立位置は、前輪101,102が左右のどちらにも操舵されておらず、車両100が直進状態となる位置である。
また、ステアリングホイール301の中立位置は、ステアリングホイール301が左右のどちらにも操作されておらず、前輪101,102を中立位置とする位置である。
ヨーレイトセンサ407は、左ヨー発生時は変化率をプラスの値として検出し、右ヨー発生時は変化率をマイナスの値として検出する。
ここで、MCU401は、ステアリングホイール301の操作角θの情報などを取得し、取得した情報に基づいて前輪101,102の目標操舵角σtgを演算する。
そして、MCU401は、操舵角センサ412が検出する実際の操舵角σが目標操舵角σtgに近づくように操舵アクチュエータ304の制御信号を演算し、演算した制御信号を操舵アクチュエータ304へ出力する。
つまり、MCU401は、ステアリングホイール301の操作角θに関する物理量に基づいて、操舵アクチュエータ304へ制御信号を出力するコントロール部を構成する。
なお、操舵アクチュエータ304が電動モータである場合、たとえば、MCU401、プリドライバ、及びインバータによって操舵アクチュエータ304が駆動制御される。
また、MCU401は、車両100が不安定な挙動になったときに、ステアリングホイール301の操作角θに係らずに前輪101,102の操舵角σを修正することで、車両100の挙動を安定させる操舵制御を実施する。
詳細には、MCU401は、車両100がオーバーステア状態になったときに、運転者によるステアリングホイール301の操作とは独立に、前輪101,102の操舵角σを中立位置付近に切り戻すための制御信号を操舵アクチュエータ304へ出力する。
これにより、運転者がオーバーステア状態を感知してステアリングホイール301を操作する前に、操舵角σが修正されてヨーレイトの増加が抑制されるため、運転者がオーバーステア状態に対応し易くなり、車両100の挙動を安定させることができる。
図2は、車両100の挙動安定化のための操舵制御のプロセスを示すフローチャートである。
MCU401は、ステップS501で、操作角センサ411が検出したステアリングホイール301の操作角θの情報に基づき、前輪101,102の目標操舵角σtg_a(基本の操舵角指令値)を演算する。
詳細には、MCU401は、操作角θにステアリングギア比を乗算して、目標操舵角σtg_aを求める。
次いで、MCU401は、ステップS502で、車両100のヨーレイトを、操舵角センサ412が検出した前輪101,102の操舵角σと、車両100の走行状態とから推定し、推定結果を推定ヨーレイトγiとする処理を実施する。
なお、推定ヨーレイトγiは、車両100がオーバーステア状態になっていないときに発生する規範ヨーレイトである。
車両100のヨーレイトを、操舵角σ及び車両100の走行状態とから推定する手法としては、公知の様々な手法を適用できる。
たとえば、MCU401は、操舵角センサ412が検出した前輪101,102の操舵角σと、車輪速センサ403-406の出力信号から求めた車両100の車速Vとに基づき、数式1にしたがって、推定ヨーレイトγiを求めることができる。
Figure 2023041176000002
数式1において、「A」はスタビリティファクタ、「l」(Lの小文字)はホイールベースである。
次いで、MCU401は、ステップS503で、ヨーレイトセンサ407が検出した実ヨーレイトγと、ステップS502において求めた推定ヨーレイトγiとを比較する。
詳細には、MCU401は、推定ヨーレイトγiの絶対値に閾値α(α≧0)を加算した値よりも、実ヨーレイトγの絶対値が大きいか否かを判断する。
換言すれば、MCU401は、ステップS503で、実ヨーレイトγが推定ヨーレイトγiよりも大きく、かつ、実ヨーレイトγと推定ヨーレイトγiとの差が閾値αよりも大きいか否かを判断する。
なお、実ヨーレイトγは、ヨーレイトセンサ407による検出値に限定されず、MCU401は、車両100の走行状態に関する物理量に基づき実ヨーレイトγを求めることができる。
たとえば、MCU401は、車両100の横加速度(求心加速度)の検出値と車速Vから実ヨーレイトγを求めることができる。
ここで、車両100がオーバーステア状態ではない場合、推定ヨーレイトγiに実ヨーレイトγが近似するため、(|γi|+α)<|γ|は成立しない。
そこで、MCU401は、(|γi|+α)<|γ|が成立しない場合、車両100が操舵角σに見合った挙動を示す安定状態であって、挙動安定化のための操舵角σの修正は不要と判断してステップS504に進む。
MCU401は、ステップS504で、目標操舵角σtg_aを修正するための補正値である補正操舵角σ_cに零を設定し、目標操舵角σtg_aの修正処理をキャンセルする。
つまり、MCU401は、後で詳細に説明するように、目標操舵角σtg_aの絶対値を補正操舵角σ_cだけ減算した結果を最終的な目標操舵角σtgとする。
このため、補正操舵角σ_cが零であれば、目標操舵角σtg_a=目標操舵角σtgとなり、実質的に目標操舵角σtg_aは修正されないことになる。
一方、車両100がオーバーステア状態になると、実ヨーレイトγが推定ヨーレイトγiよりも大きくなって、(|γi|+α)<|γ|が成立するようになる。
そこで、MCU401は、(|γi|+α)<|γ|が成立する場合、ヨーレイトの増加を抑制するための目標操舵角σtg_aの修正処理を実施するために、ステップS505に進む。
MCU401は、ステップS505で、ステアリングホイール301の操作角θに係らずに、前輪101,102の操舵角σを中立位置付近に切り戻すための補正操舵角σ_cを算出する。
つまり、MCU401は、実ヨーレイトγが推定ヨーレイトγiよりも大きくなったときに、前輪101,102の操舵角σを中立位置付近に切り戻す制御を実施することで、車両100の挙動姿勢の悪化(ヨーレイトの増加)を抑制する。
MCU401は、ステップS505で、数式2-数式4にしたがって、目標操舵角σtg_aを修正するための補正操舵角σ_cを算出する。
Figure 2023041176000003
数式2において、K(V)は、車速Vに応じて変更される制御ゲインである。
Figure 2023041176000004
Figure 2023041176000005
MCU401は、数式2によって、実ヨーレイトγと推定ヨーレイトγiとの差に比例する第1補正操舵角σ_c1を求める。
また、数式2において、第1補正操舵角σ_c1の符合は、実ヨーレイトγの符合及び推定ヨーレイトγiの符合に応じて定められる。
つまり、実ヨーレイトγの符合と推定ヨーレイトγiの符合とが同じであれば、換言すれば、実ヨーレイトγのヨー発生方向と推定ヨーレイトγiのヨー発生方向とが同じであれば、第1補正操舵角σ_c1はプラスの値として算出される。
逆に、実ヨーレイトγの符合と推定ヨーレイトγiの符合とが異なれば、換言すれば、実ヨーレイトγのヨー発生方向と推定ヨーレイトγiのヨー発生方向とが異なれば、第1補正操舵角σ_c1はマイナスの値として算出される。
なお、MCU401は、実ヨーレイトγが推定ヨーレイトγiよりも大きく、かつ、実ヨーレイトγと推定ヨーレイトγiとの差が閾値αよりも大きいときに、ステップS505に進むから、数式2における実ヨーレイトγと推定ヨーレイトγiとの差は、閾値αよりも大きな値である。
つまり、MCU401は、実ヨーレイトγと推定ヨーレイトγiとの差が閾値αよりも大きいときに、目標操舵角σtg_aを修正する。
そして、MCU401は、目標操舵角σtg_aの修正によって実ヨーレイトγと推定ヨーレイトγiとの差が閾値αよりも小さくなると、換言すれば、ヨーレイト差が収束すると、補正操舵角σ_cを零として、ステアリングホイール301の操作角θに基づく目標操舵角σtg_aに操舵角σを制御する状態に復帰する。
また、MCU401は、数式3によって、第1補正操舵角σ_c1と、0degとの大きい方の値を、第2補正操舵角σ_c2にセットする。
したがって、第1補正操舵角σ_c1>0が成立するとき、第2補正操舵角σ_c2は、第2補正操舵角σ_c2=第1補正操舵角σ_c1に設定される。
一方、第1補正操舵角σ_c1≦0が成立するとき、第2補正操舵角σ_c2は、第2補正操舵角σ_c2=0degに設定される。
更に、MCU401は、数式4によって、第2補正操舵角σ_c2と、目標操舵角σtg_aの絶対値との小さい方を、補正操舵角σ_cとする。
MCU401は、後述するように、補正操舵角σ_cで目標操舵角σtg_aの絶対値を減らす補正を実施して最終的な目標操舵角σtgを求める。
したがって、補正操舵角σ_cが目標操舵角σtg_aの絶対値と同じ角度であるときに、目標操舵角σtgは、0deg、すなわち、中立位置になる。
一方、補正操舵角σ_cが目標操舵角σtg_aの絶対値よりも大きい角度に設定される場合、目標操舵角σtgは、中立位置を超えて目標操舵角σtg_aとは反対側の角度になる。
ここで、数式4における、第2補正操舵角σ_c2と目標操舵角σtg_aの絶対値との小さい方を補正操舵角σ_cとする処理は、補正操舵角σ_cを目標操舵角σtg_aの絶対値以下とする処理となる。
したがって、補正操舵角σ_cによる補正処理において、目標操舵角σtgが中立位置を超えて逆側の角度になることが抑止され、目標操舵角σtgは中立位置を超えない範囲で中立位置に近づく方向に修正される。
なお、MCU401は、中立位置を含む左右の所定範囲内を補正許容範囲とし、目標操舵角σtgが、中立位置を僅かに超えて補正されることを許容することができる。
MCU401は、ステップS504またはステップS505で補正操舵角σ_cを設定すると、ステップS506に進み、数式5にしたがって、目標操舵角σtg_aを補正操舵角σ_cで修正して最終的な目標操舵角σtgを求める。
そして、MCU401は、前輪101,102の操舵角σを目標操舵角σtgにするための制御信号を操舵アクチュエータ304に出力する。
Figure 2023041176000006
数式5によれば、ステアリングホイール301の操作角θに応じた目標操舵角σtg_aの絶対値を、補正操舵角σ_cの絶対値だけ減算し、減算結果に、舵角方向を示す目標操舵角σtg_aの符合を乗算した結果を、最終的な目標操舵角σtgとする。
このようにして、MCU401は、実ヨーレイトγが推定ヨーレイトγiよりも大きくなったオーバーステア状態において、ステアリングホイール301の操作角θに係わらず、前輪101,102の操舵角σを中立位置付近に切り戻す操舵制御を実施する。
そして、係る操舵制御によれば、運転者の違和感を抑えながら車両挙動の悪化を抑止できる。
つまり、実ヨーレイトγと推定ヨーレイトγiとの比較に基づく操舵角制御によって、前輪101,102の操舵角σが中立位置を超えて変化すると、運転者は旋回方向に操作しているのに前輪101,102の操舵角σが逆方向を向いているカウタステア状態となり、しかも、運転者は、カウタステア状態になっていることを認識できない。
したがって、係る状態からの運転者のステアリングホイール301の操作は、運転者に違和感を与え、また、運転者の操舵操作に混乱が生じるおそれがある。
これに対し、MCU401は、目標操舵角σtgを、中立位置を超えない範囲で修正するから、運転者によるステアリングホイール301の操作方向と、前輪101,102の操舵の方向とが逆になることを抑止できる。
したがって、MCU401は、運転者の違和感を抑えながら、ヨーレイトの増加を抑制して車両挙動の悪化を抑止できる。
また、MCU401は、ヨーレイト差に基づき目標操舵角σtgの修正を開始した後に、運転者がステアリングホイール301の操作角θを変更する操作を行っても、ヨーレイト差が閾値αを下回るようになるまでは(換言すれば、ヨーレイト差が収束するまでは)、ヨーレイト差による目標操舵角σtgの修正を継続する。
したがって、運転者が車両100のオーバーステア状態を感知して、ステアリングホイール301を旋回方向とは逆側に向けて操作したとしても、係る操作が不十分でヨーレイト差が減らなければ、MCU401は操舵角σの修正介入を実施するから、ヨーレイト差の収束を早期に実現できる。
そして、MCU401は、目標操舵角σtgの修正によってヨーレイト差が減ると(換言すれば、ヨーレイト差が収束すると)、補正操舵角σ_cを零とすることで、前輪101,102の操舵角σがステアリングホイール301の操作角θに応じた角度に制御される状態に復帰させる。
したがって、ヨーレイト差が収束した後は、ステアリングホイール301の操作角θに応じた操舵角に制御されるようになり、運転者の違和感を抑制できる。
本発明では、操舵装置305を操舵制御させて車両挙動の悪化を抑止しているため、制動装置を制御することによりヨーレイト差を収束させる場合に比べ、実際に車輪の操舵角を変化させることができるため、ヨーレイト差の収束をより早期に実現できる。
図3は、MCU401が、実ヨーレイトγと推定ヨーレイトγiとの比較に基づき前輪101,102の操舵角σを修正する制御を実施するときの、ステアリングホイール301の操作角θ、前輪101,102の操舵角σ、及び、ヨーレイトの変化を示すタイムチャートである。
図3の時刻t1のときに、実ヨーレイトγが推定ヨーレイトγiよりも大きくなることで、MCU401は、ヨーレイト差に応じた操舵角σの修正制御を開始し、前輪101,102の操舵角σを中立位置付近に切り戻す制御を実施する。
係る操舵角σの修正制御によって、実ヨーレイトγの増加が抑止されてヨーレイト差が縮小し、時刻t2のときにヨーレイト差が収束すると、MCU401は、ヨーレイト差に応じた操舵角σの修正制御を停止し、ステアリングホイール301の操作角に応じた操舵角に制御される状態に復帰する。
なお、MCU401は、実ヨーレイトγが推定ヨーレイトγiよりも大きくなっている状況のときに、運転者が、ステアリングホイール301を旋回方向とは逆側に向けて操作した場合、数式4の処理をキャンセルすることで、目標操舵角σtgを、中立位置を超えて反対側にまで修正可能にすることができる。
つまり、運転者が、車両100のオーバーステア状態を感知して、旋回方向とは逆側に向けてステアリングホイール301を操作しているときに、MCU401が、目標操舵角σtgを、中立位置を超えて反対側にまで修正しても、運転者の違和感は抑えられ、また、運転者のステアリングホイール301の操作を支援することになる。
そこで、MCU401は、運転者によるステアリングホイール301の操作方向に合わせて、前輪101,102の操舵角σを、中立位置を超えて反対側にまで切るための制御信号を操舵アクチュエータ304へ出力する。
一方、実ヨーレイトγが推定ヨーレイトγiよりも大きくなっている状況のときに、運転者が、ステアリングホイール301を旋回方向とは同じ側に向けて操作しているか、または、ステアリングホイール301の操作角θを一定に保持している場合、MCU401は、数式4の処理を実施することで、目標操舵角σtgを、中立位置を超えて反対側にまで修正しないようにする。
また、MCU401が、補正操舵角σ_cに基づく目標操舵角σtgの修正制御をキャンセルして、ステアリングホイール301の操作量に応じた目標操舵角σtg_aに応じた操舵制御に復帰する条件は、ヨーレイト差の収束に限定されない。
たとえば、MCU401は、実ヨーレイトγが推定ヨーレイトγiよりも大きくなってヨーレイト差に基づく目標操舵角σtgの修正を開始したときの目標操舵角σtg_aを、基準目標操舵角σtg_abとして定め、その後、MCU401は、補正操舵角σ_cによって基準目標操舵角σtg_abを補正して目標操舵角σtgを求める。
そして、MCU401は、補正操舵角σ_cによって基準目標操舵角σtg_abを補正して求めた目標操舵角σtgが、ステアリングホイール301の操作量に基づく目標操舵角σtg_aに一致するようになったときに、補正操舵角σ_cによる目標操舵角σtgの修正制御をキャンセルし、目標操舵角σtg_aをそのまま目標操舵角σtgとする操舵制御に復帰する。
換言すれば、MCU401は、補正操舵角σ_cによる目標操舵角σtgの修正制御を開始した後、前輪101,102の操舵角σがステアリングホイール301の操作角θに応じた値になったときに、ステアリングホイール301の操作角に基づいて操舵アクチュエータ304へ制御信号を出力するように切り替えることができる。
たとえば、MCU401が、ヨーレイト差の発生に基づく補正操舵角σ_cによる目標操舵角σtgの修正制御を開始した後に、運転者がオーバーステア状態を感知してステアリングホイール301を操作することで、前輪101,102の操舵角σがステアリングホイール301の操作角θに応じた値になると、その後は、ステアリングホイール301の操作角θに応じた操舵角σに制御されることになる。
係る構成によれば、MCU401が、ヨーレイト差の発生に基づき目標操舵角σtgを修正することで、ヨーレイト差の発生当初からヨーレイトの増加を抑え込み、また、オーバーステア状態を遅れて感知した運転者が、ステアリングホイール301を操作することで、本来のステアリングホイール301の操作角に応じて操舵角σが制御される状態へとスムースに移行させることができる。
なお、MCU401は、前輪101,102の操舵角σがステアリングホイール301の操作角θに応じた値になる前にヨーレイト差が収束したときは、ヨーレイト差の収束に基づき、補正操舵角σ_cによる目標操舵角σtgの修正制御をキャンセルする。
上記実施形態で説明した各技術的思想は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合わせて使用することができる。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
たとえば、ステアバイワイヤ式のステアリング装置300は、ステアリングホイール301と前輪101,102とをクラッチなどで機械的に結合するバックアップ機構を備えたステアリング装置とすることができる。
また、反力アクチュエータ302または操舵アクチュエータ304を電動モータに限定するものではなく、たとえば、アクチュエータとしてソレノイドを用いるステアリング装置とすることができる。
また、操舵操作入力部材を、ステアリングホイール301に限定するものではなく、ステアリング装置は、操舵操作入力部材として、たとえばジョイスティックを採用することができる。
また、MCU401は、実ヨーレイトγと推定ヨーレイトγiとの差の閾値αや数式2における制御ゲインK(V)を、車両100が走行している路面の摩擦係数、車両の積載重量、タイヤの摩耗度合い、車速、カーブの曲率、運転者の運転技術の習熟度などに基づき変更することができる。
つまり、MCU401は、車両100がオーバーステア状態になり易い条件である場合や、運転者の運転技術の習熟度が低い場合に、ヨーレイト差に基づく操舵角σの修正をより早いタイミングから開始し、及び/または、ヨーレイト差に対する操舵角σの修正幅をより大きくすることができる。
100…車両、101,102…前輪(操舵輪)、200…ステアリングシステム、300…ステアリング装置(ステアバイワイヤ)、301…ステアリングホイール(操舵操作入力部材)、303…操舵部材、304…操舵アクチュエータ、305…操舵装置、400…制御装置、401…MCU(コントロール部)、407…ヨーレイトセンサ、411…操作角センサ、412…操舵角センサ

Claims (6)

  1. 車両のステアリング装置であって、操舵操作入力部材と、前記車両の車輪に操舵力を付与する操舵アクチュエータを備えた操舵装置と、を有し、前記操舵操作入力部材の操作量に対して前記車輪の操舵角を独立に制御可能に構成された前記ステアリング装置を備えた、前記車両に設けられ、
    前記操舵操作入力部材の操作量に関する物理量に基づいて前記操舵アクチュエータへ制御信号を出力するコントロール部を備える、ステアリング装置の制御装置であって、
    前記コントロール部は、
    前記車両の実ヨーレイトに関する物理量を取得し、
    前記操舵操作入力部材の操作量と前記車両の走行状態とに基づく推定ヨーレイトに関する物理量を取得し、
    前記実ヨーレイトに関する物理量が前記推定ヨーレイトに関する物理量よりも大きいときに、前記操舵操作入力部材の操作量に係わらず、前記車輪の操舵角を中立位置付近に切り戻すための制御信号を前記操舵アクチュエータへ出力する、
    ステアリング装置の制御装置。
  2. 請求項1記載のステアリング装置の制御装置であって、
    前記コントロール部は、前記車輪の操舵角を中立位置に切り戻すための制御信号を前記操舵アクチュエータへ出力する、
    ステアリング装置の制御装置。
  3. 請求項2記載のステアリング装置の制御装置であって、
    前記コントロール部は、
    前記車輪の操舵角が、前記操舵操作入力部材の操作量に応じた値になったときに、前記操舵操作入力部材の操作量に基づいて前記操舵アクチュエータへ制御信号を出力するように切り替える、
    ステアリング装置の制御装置。
  4. 請求項2記載のステアリング装置の制御装置であって、
    前記コントロール部は、
    前記操舵操作入力部材の操作方向に合わせて、前記車輪の操舵角を、中立位置を超えて反対側に至るまで変位させるための制御信号を前記操舵アクチュエータへ出力する、
    ステアリング装置の制御装置。
  5. 車両のステアリング装置であって、操舵操作入力部材と、前記車両の車輪に操舵力を付与する操舵アクチュエータを備えた操舵装置と、を有し、前記操舵操作入力部材の操作量に対して前記車輪の操舵角を独立に制御可能に構成された前記ステアリング装置を制御するためのステアリング装置の制御方法であって、
    前記車両の実ヨーレイトに関する物理量を取得するステップと、
    前記操舵操作入力部材の操作量と前記車両の走行状態とに基づく推定ヨーレイトに関する物理量を取得するステップと、
    前記実ヨーレイトに関する物理量が前記推定ヨーレイトに関する物理量よりも大きいとき、前記操舵操作入力部材の操作量に係わらず、前記車輪の操舵角を中立位置付近に切り戻すための制御信号を前記操舵アクチュエータへ出力するステップと、
    を含む、
    ステアリング装置の制御方法。
  6. 車両に取り付けられる操舵操作入力部材と、
    前記車両の車輪に操舵力を付与する操舵アクチュエータを備える操舵装置と、
    前記操舵操作入力部材の操作量に関する物理量に基づいて前記操舵アクチュエータへ制御信号を出力するコントロール部を備える制御装置と、
    を有し、
    前記操舵操作入力部材の操作量に対して前記車輪の操舵角を独立に制御可能に構成されたステアリングシステムであって、
    前記コントロール部は、
    前記車両の実ヨーレイトに関する物理量を取得し、
    前記操舵操作入力部材の操作量と前記車両の走行状態とに基づく推定ヨーレイトに関する物理量を取得し、
    前記実ヨーレイトに関する物理量が前記推定ヨーレイトに関する物理量よりも大きいときに、前記操舵操作入力部材の操作量に係わらず、前記車輪の操舵角を中立位置付近に切り戻すための制御信号を前記操舵アクチュエータへ出力する、
    ステアリングシステム。
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