JP2023040911A - モデル材クリア組成物および光造形用組成物セット - Google Patents

モデル材クリア組成物および光造形用組成物セット Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性に優れ、重合性成分の黄変が抑制された、高透明かつクリスタル調の色味を示すモデル材を得ることができる、マテリアルジェット光造形用モデル材クリア組成物を提供する。【解決手段】ジシクロペンテニル基およびジシクロペンタニル基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有するエチレン性不飽和単量体(A1)、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤およびα-ヒドロキシアセトフェノン系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも1つの光重合開始剤、ヒンダードアミン系重合禁止剤、フェノール系酸化防止剤を含み、前記開始剤、重合禁止剤および酸化防止剤の含有率(質量%)が、式(1)光重合開始剤の含有率≧重合禁止剤の含有率≧酸化防止剤の含有率、及び式(2)1≦√光重合開始剤の含有率/√[(重合禁止剤の含有率×10)2+(酸化防止剤の含有率×100)2]≦800を満たす、モデル材クリア組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、マテリアルジェット光造形法によりモデル材を造形するために用いられるモデル材クリア組成物、および、前記モデル材クリア組成物を含んでなるマテリアルジェット光造形用組成物セットに関する。
従来、光硬化性樹脂組成物に紫外線等の光を照射して所定の形状を有する硬化層を連続的に形成することにより、立体造形物を作製する三次元光造形法が広く知られている。中でも、ノズルから光硬化性樹脂組成物を吐出させ、その直後に紫外線等の光を照射して該樹脂組成物を硬化させることにより、所定の形状を有する硬化層を積層して立体造形物を作製するマテリアルジェット方式(インクジェット方式)による光造形法(以下、「マテリアルジェット光造形法」ともいう)は、3Dプリンタにより自由に立体造形物を作製できる造形法として広く注目されている。
マテリアルジェット光造形法に用いるモデル材クリア組成物には、その用途に特有の性能が要求される。かかる要求性能としては、例えば、長期間保存した後であっても粘度変化が小さいこと、透明性(透過性)が高く黄色味の少ない硬化物を、寸法精度よく提供すること等が挙げられる。
特許文献1には、インクジェット光造形法によりモデル材を造形するために使用される、非水溶性単官能エチレン性不飽和単量体(A)と、二官能以上の多官能エチレン性不飽和単量体(B)と、オリゴマー(C)と、光重合開始剤(D)と、表面調整剤(E)とを、それぞれ特定量で含有する、モデル材用樹脂組成物が記載されている。このモデル材用樹脂組成物は、保存安定化剤(F)として酸化防止剤を含有させてよく、そのことで、熱エネルギーにより重合性化合物が重合することで生じるヘッド詰まりを防止することができる。
特許文献1のモデル材用樹脂組成物は硬化する際の収縮率が小さく、インクジェット光造形法により寸法精度が良好な造形物を提供する。一方で、特許文献1には、インクの保存安定性、造形物の透明性又は色味を向上させることに関しては、記載されていない。
特許文献2には、560nm~650nmの波長範囲の光を吸収する黄変調整剤を特定量で含有する三次元成形用光硬化性透明インク組成物が記載されている。特許文献2の透明インク組成物は、黄変調整剤が黄色光の補色光を反射することで、光の補色原理を利用して、硬化物が黄変することを回避する。光の補色原理は、母材が黄色味を帯びていることを前提とし、黄変調整剤が補色を付加することで母材の黄色味を打ち消すというものである。
一方、特許文献2には、透明インク組成物の単量体等の重合性成分が光硬化する際に発生する黄変に関しては、解決手段が示されていない。そのため、特許文献2の透明インク組成物には、重合性成分の変更によって硬化物の黄色味が強くなった場合、黄変調整剤により色味が暗くなってしまう問題がある。
特許文献3には、重合性化合物として含まれる窒素原子含有エチレン性不飽和単量体の含有量を少なくした、クリアインクを含むモデル材インクセットが記載されている。特許文献3のモデル材インクセットでは、カラーインクおよびクリアインクの光硬化物である造形物の強度を十分に高めると共に、造形物の色変化を防止することができる。
特開2017-31249号公報 特表2020-528018号公報 国際公開第2018/164012号
近年、マテリアルジェット光造形法によって得られる立体造形物にはより高い外観的特性が求められる傾向にあり、黄色味がさらに低減された、高透明かつクリスタル調の色味を示すモデル材が求められている。ここでクリスタル調とは、クリスタルガラス様の色味を指し、クリスタルガラスとは、高品位の無色透明ガラスである。
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、保存安定性に優れ、重合性成分の光硬化による黄変の発生が抑制された、高透明かつクリスタル調の色味を示すモデル材を得ることができる、マテリアルジェット光造形用モデル材クリア組成物を提供することにある。
本発明は、以下の好適な形態を提供するものである。
[1]エチレン性不飽和化合物(A)、光重合開始剤、重合禁止剤および酸化防止剤を含んでなる、マテリアルジェット光造形法において使用されるモデル材クリア組成物であって、
前記エチレン性不飽和化合物(A)が、
ジシクロペンテニル基およびジシクロペンタニル基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有するエチレン性不飽和単量体(A1)を含み、
前記光重合開始剤がアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤およびα-ヒドロキシアセトフェノン系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも1つの光重合開始剤であり、
前記重合禁止剤がヒンダードアミン系重合禁止剤であり、
前記酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤であり、
前記開始剤、重合禁止剤および酸化防止剤の含有率(質量%)が下記式(1)および(2)
光重合開始剤の含有率≧重合禁止剤の含有率≧酸化防止剤の含有率・・・(1)
1≦√光重合開始剤の含有率/√[(重合禁止剤の含有率×10)+(酸化防止剤の含有率×100)]≦800 ・・・(2)
を満たす、モデル材クリア組成物。
[2]エチレン性不飽和単量体(A1)は、エチレン性不飽和化合物(A)の総質量に対して30質量%以上の量で含まれる、[1]に記載のモデル材クリア組成物。
[3]エチレン性不飽和化合物(A)は、
分子内に脂肪族環状構造を有し、かつ、ウレタン基を有するエチレン性不飽和化合物(A2)を更に含む、[1]又は[2]に記載のモデル材クリア組成物。
[4]エチレン性不飽和化合物(A2)は、エチレン性不飽和化合物(A)の総質量に対して10質量%以上の量で含まれる、[3]に記載のモデル材クリア組成物。
[5]エチレン性不飽和化合物(A)は、
エチレン性不飽和単量体(A3)(但し、前記エチレン性不飽和単量体(A1)およびエチレン性不飽和化合物(A2)を除く)を更に含む、[1]~[4]のいずれかに記載のモデル材クリア組成物。
[6]前記光重合開始剤が2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニル-フォスフィンオキサイドおよび1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンからなる群から選択される少なくとも1つの光重合開始剤である、[1]~[5]のいずれかに記載のモデル材クリア組成物。
[7]前記光重合開始剤の含有率が、0.5~15質量%である[1]~[6]のいずれかに記載のモデル材クリア組成物。
[8]前記重合禁止剤の含有率が、0.01~5質量%である[1]~[7]のいずれかに記載のモデル材クリア組成物。
[9]前記酸化防止剤の含有率が、0.001~3質量%である[1]~[8]のいずれかに記載のモデル材クリア組成物。
[10]表面調整剤をさらに含む[1]~[9]のいずれかに記載のモデル材クリア組成物。
[11]530~620nmに吸収波長をもつ色材をさらに含む[1]~[10]に記載のモデル材クリア組成物。
[12]60℃の環境下にて30日間保存した前記モデル材クリア組成物の、保存前のモデル材クリア組成物に対する粘度変化率が10%未満である、[1]~[11]のいずれかに記載のモデル材クリア組成物。
[13]厚さ2mmにおいて、Lab表色系のL値が90以上であり、a値が-2以上2未満であり、b値が-10以上4未満である光硬化物を提供する、[1]~[12]のいずれかに記載のモデル材クリア組成物。
[14][1]~[13]のいずれかに記載のモデル材クリア組成物を光硬化させて得られる光硬化物。
[15][1]~[13]のいずれかに記載のモデル材クリア組成物と、マテリアルジェット光造形法において使用されるモデル材カラー組成物とを含んでなる、マテリアルジェット光造形用組成物セット。
[16][1]~[13]のいずれかに記載のモデル材クリア組成物と、マテリアルジェット光造形法によりサポート材を造形するためのサポート材組成物とを含んでなる、マテリアルジェット光造形用組成物セット。
[17]マテリアルジェット光造形法において使用されるモデル材カラー組成物をさらに含む[16]に記載のマテリアルジェット光造形用組成物セット。
[18]マテリアルジェット光造形法により、[1]~[13]のいずれかに記載のモデル材クリア組成物または[15]~[17]のいずれかに記載のマテリアルジェット光造形用組成物セットを光硬化させて得られる光造形物。
本発明によれば、保存安定性に優れ、重合性成分の光硬化による黄変の発生が抑制された、高透明かつクリスタル調の色味を示すモデル材を得ることができる、マテリアルジェット光造形用モデル材クリア組成物が、提供される。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。
[エチレン性不飽和化合物(A)]
本発明のモデル材クリア組成物はエチレン性不飽和化合物(A)を含む。エチレン性不飽和化合物(A)は、エネルギー線により硬化する特性を有するエチレン性二重結合を分子内に少なくとも1個有する重合性化合物である。エチレン性不飽和化合物(A)は、重合性のモノマー、オリゴマーおよびポリマーのいずれであってもよい。また、エチレン性不飽和化合物は、分子内にエチレン性二重結合を1個有する単官能エチレン性不飽和化合物であってもよいし、分子内にエチレン性二重結合を2個以上有する多官能エチレン性不飽和化合物であってもよい。
<エチレン性不飽和単量体(A1)>
本発明のモデル材クリア組成物は、エチレン性不飽和化合物(A)として、ジシクロペンテニル基およびジシクロペンタニル基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有するエチレン性不飽和単量体(A1)(以下、単に「エチレン性不飽和単量体(A1)」ともいう)を含む。理由は定かではないが、ジシクロペンテニル基およびジシクロペンタニル基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有するエチレン性不飽和単量体(A1)から得られる硬化物は、硬化の際に照射される紫外線等の光による黄変が生じ難い傾向にある。このため、モデル材組成物が重合性化合物としてエチレン性不飽和単量体(A1)を含むことにより、該モデル材組成物を光照射により硬化する際の色変化(特に黄変)が生じ難くなり、黄色味を抑えた透明性に優れるモデル材(光造形物)を得ることができる。
エチレン性不飽和単量体(A1)としては、ジシクロペンテニル基およびジシクロペンタニル基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有し、かつ、エチレン性二重結合を分子内に少なくとも1個有する重合性モノマーであれば特に限定されず、単官能モノマーであっても、多官能モノマーであってもよい。エチレン性不飽和単量体(A1)としては、例えば、ジシクロペンテニル基およびジシクロペンタニル基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有する(メタ)アクリレートが挙げられ、具体的には、例えば、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、エトキシ化ジシクロペンテニルアクリレート、エトキシ化ジシクロペンテニルメタクリレート、アルコキシ化ジシクロペンテニルアクリレート、アルコキシ化ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルメタクリレート、エトキシ化ジシクロペンタニルアクリレート、エトキシ化ジシクロペンタニルメタクリレート、アルコキシ化ジシクロペンタニルアクリレート、アルコキシ化ジシクロペンタニルメタクリレート等が挙げられる。中でも、ジシクロペンテニル基およびジシクロペンタニル基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレートがより好ましく、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートがさらに好ましく、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートが特に好ましい。これらのエチレン性不飽和単量体(A1)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの双方またはいずれかを表し、以下「(メタ)アクリルアミド」等においても同様である。
本発明のモデル材クリア組成物におけるエチレン性不飽和単量体(A1)の含有量は、エチレン性不飽和化合物(A)の総質量に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは41質量%以上、特に好ましくは45質量%以上、とりわけ好ましくは50質量%以上である。エチレン性不飽和化合物(A)の総質量に対するエチレン性不飽和単量体(A1)の含有量が上記下限以上であると、モデル材クリア組成物の光硬化時における黄変抑制効果に優れ、得られるモデル材において黄色味が少なく、高い透明性を実現できる。したがって、得られるモデル材の透明性が向上しやすくなる観点からは、エチレン性不飽和単量体(A1)の含有量は多いほど好ましい。一方、例えば、後述するエチレン性不飽和化合物(A2)やエチレン性不飽和単量体(A3)等との関係において含有量を調整することにより得られるモデル材において黄色味を抑え、高い透明性を確保しながら、強度などの機械的特性を制御しやすくなる。したがって、エチレン性不飽和単量体(A1)の含有量は、エチレン性不飽和化合物(A)の総質量に対して、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下、特に好ましくは70質量%以下、とりわけ好ましくは69質量%以下、より特に好ましくは65質量%以下である。
<エチレン性不飽和単量体(A2)>
本発明のモデル材クリア組成物は、好ましくは、エチレン性不飽和化合物(A)として、分子内に脂肪族環状構造を有し、かつ、ウレタン基を有するエチレン性不飽和化合物(A2)(以下、単に「エチレン性不飽和化合物(A2)」ともいう)を含む。モデル材クリア組成物がエチレン性不飽和化合物(A2)を含むことにより、得られるモデル材に所望の強度を付与しやすい。
エチレン性不飽和化合物(A2)としては、分子内に脂肪族環状構造を有し、かつ、少なくとも1個のウレタン基と、少なくとも1個のエチレン性二重結合を有する重合性化合物であれば特に限定されず、モノマー、オリゴマーおよびポリマーのいずれであってもよい。本明細書において、脂肪族環状構造とは炭素原子が環状に結合した構造であって、芳香族性を有しない飽和または不飽和の炭素環を含む構造を意味し、例えば、シクロアルカン骨格、シクロアルケン骨格、アダマンタン骨格、ノルボルナン骨格、イソホロン骨格、トリシクロデカン骨格等が挙げられる。
エチレン性不飽和化合物(A2)としては、例えば、上記で例示したような脂肪族環状構造を有するウレタン(メタ)アクリレート、脂肪族環状構造を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。具体的には、例えば、ジシクロヘキシルメタン構造を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、イソホロン構造を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、シクロヘキシルメタン構造を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。中でも、脂肪族環状構造を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく、ジシクロへキシルメタン構造を有する(メタ)アクリレートオリゴマーおよびイソホロン構造を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーがより好ましく、ジシクロへキシルメタン構造を有する(メタ)アクリレートオリゴマーがさらに好ましく、ジシクロへキシルメタン構造を有するアクリレートオリゴマーが特に好ましい。エチレン性不飽和化合物(A2)としてオリゴマーを用いることにより、適度な強度を持つモデル材が得やすくなる。これらのエチレン性不飽和化合物(A2)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書中において「オリゴマー」とは、重量平均分子量(M)が500~10,000のものをいう。オリゴマーの好ましい重量平均分子量(M)は800以上であり、より好ましくは1,000を超える。重量平均分子量(M)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
本発明のモデル材クリア組成物におけるエチレン性不飽和化合物(A2)の含有量は、エチレン性不飽和化合物(A)の総質量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは11質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、特に好ましくは18質量%以上、とりわけ好ましくは20質量%以上である。エチレン性不飽和化合物(A)の総質量に対するエチレン性不飽和化合物(A2)の含有量が上記下限以上であると、得られるモデル材の強度が向上しやすい。一方、例えば、重合性化合物としてエチレン性不飽和単量体(A1)を用いることによるモデル材の着色(黄変)抑制効果および透明性向上効果を十分に発揮するために、エチレン性不飽和化合物(A2)の含有量は、エチレン性不飽和化合物(A)の総質量に対して、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、特に好ましくは35質量%以下、とりわけ好ましくは29質量%以下、より特に好ましくは25質量%以下である。
<(A1)と(A2)との質量比>
本発明のモデル材クリア組成物において、エチレン性不飽和単量体(A1)とエチレン性不飽和化合物(A2)との質量比〔エチレン性不飽和単量体(A1)/エチレン性不飽和化合物(A2)〕は、用いる重合性化合物の種類、所望するモデル材の機械的特性等に応じて適宜決定し得る。前記エチレン性不飽和単量体(A1)とエチレン性不飽和化合物(A2)との質量比は、例えば、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2以上であり、また、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、さらに好ましくは7以下、特に好ましくは5以下である。エチレン性不飽和単量体(A1)とエチレン性不飽和化合物(A2)との質量比が上記範囲内であると、得られるモデル材において黄色味が少なく、高い透明性を確保しながら、適度な機械的特性を付与しやすくなる。
なお、モデル材クリア組成物がエチレン性不飽和単量体(A1)、エチレン性不飽和化合物(A2)またはモデル材クリア組成物がエチレン性不飽和単量体(A1)及びエチレン性不飽和化合物(A2)を複数種含む場合、それぞれの重合性化合物の総質量における質量比が上記範囲内であることが好ましい。
<エチレン性不飽和単量体(A3)>
本発明のモデル材クリア組成物は、好ましくは、エチレン性不飽和化合物(A)として、エチレン性不飽和単量体(A1)およびエチレン性不飽和化合物(A2)以外のエチレン性不飽和単量体(A3)(以下、単に「エチレン性不飽和単量体(A3)」ともいう)を含む。エチレン性不飽和単量体(A3)は、エチレン性不飽和化合物(A2)と同様にモデル材クリア組成物から得られるモデル材に所望の強度を付与しやすい。エチレン性不飽和化合物(A2)とエチレン性不飽和単量体(A3)とを組み合わせて用いることにより、エチレン性不飽和単量体(A1)を用いることによるモデル材の着色(黄変)抑制効果および透明性向上効果を十分に確保しながら、得られるモデル材に高い強度を付与しやすい。これにより、黄色味が少なく、透明性が高く外観的特性に優れるとともに、適度な機械的特性を有するモデル材を得ることができる。
エチレン性不飽和単量体(A3)は、エチレン性不飽和単量体(A1)およびエチレン性不飽和化合物(A2)とは異なる、分子内に少なくとも1個のエチレン性二重結合を有する重合性化合物であれば特に限定されず、モノマー、オリゴマーおよびポリマーのいずれであってもよい。また、単官能モノマーであっても、多官能モノマーであってもよい。エチレン性不飽和単量体(A3)としては、例えば、シクロペンテニル基およびシクロペンタニル基以外の脂肪族環状構造を有し、かつ、ウレタン基およびアミド基を含まない単官能(メタ)アクリレート、シクロペンテニル基、シクロペンタニル基以外の脂肪族環状構造を有し、かつ、ウレタン基およびアミド基を含まない2官能以上の(メタ)アクリレート、分子内に脂肪族環状構造を有しないエチレン性不飽和化合物、例えば、直鎖状または分枝状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、分子内に芳香族環状構造または複素環構造を有する(メタ)アクリレート、ならびに(メタ)アクリルアミド類およびN-ビニルラクタム類などの窒素原子を含有する単官能エチレン性不飽和単量体等が挙げられる。これらのエチレン性不飽和単量体(A3)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において、芳香族環状構造は炭素原子が環状に結合した芳香族の環状構造を、複素環構造は炭素原子および1以上のヘテロ原子が環状に結合した構造をいう。
本発明においてエチレン性不飽和単量体(A3)は、ウレタン基およびアミド基に加えて芳香族基およびビニルエーテル基も有しない、エチレン性不飽和単量体であることが好ましい。また、エチレン性不飽和単量体(A3)は、シクロヘキシル基、4-t-ブチルシクロヘキシル基、3,5,5-トリメチルシクロヘキシル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、ジシクロペンタジエニル基および1,4-シクロヘキサンジメタノール基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有することが好ましく、ウレタン基およびアミド基並びに芳香族基およびビニルエーテル基を含まず、かつ、シクロヘキシル基、4-t-ブチルシクロヘキシル基、3,5,5-トリメチルシクロヘキシル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、ジシクロペンタジエニル基および1,4-シクロヘキサンジメタノール基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有することがより好ましい。エチレン性不飽和単量体(A3)が前記構造を有すると、モデル材クリア組成物のガラス転移温度が高まりやすく、得られるモデル材に所望の強度を付与しやすい。
また、本発明においてエチレン性不飽和単量体(A3)は、分子内に窒素原子を有し、かつ、脂肪族環状構造を有しないエチレン性不飽和単量体であることが好ましい。エチレン性不飽和単量体(A3)が前記構造を有すると、得られるモデル材の硬度が向上しやすい。エチレン性不飽和単量体(A3)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド類、N-ビニルラクタム類、N-ビニルホルムアミド等が挙げられる。
エチレン性不飽和単量体(A3)としては、具体的には、例えば、シクロヘキシルアクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシルアクリレート、3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ヒドロキシプロピルアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、N-ビニルカプロラクタム、ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙げられる。中でも、シクロヘキシルアクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシルアクリレート、3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、アクリロイルモルホリン、N-ビニルカプロラクタム、ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマルアクリレートおよびフェノキシエチルアクリレートからなる群より選択される1種を含むことが好ましく、3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、アクリロイルモルホリン、トリプロピレングリコールジアクリレートがより好ましい。これらのエチレン性不飽和単量体(A3)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、アクリロイルモルホリンはガラス転移温度が高く、高い硬化性を有するため、得られるモデル材に高い硬度を付与することができるため、好ましい。また、アクリロイルモルホリンは希釈剤としても好適に機能するため、モデル材クリア組成物の粘度を適度な範囲に維持したまま、得られるモデル材の耐脆性を向上させるために有用となるオリゴマー成分、例えばエチレン性不飽和化合物(A2)等をモデル材クリア組成物中により多く配合し得るため、アクリロイルモルホリンを含むことにより、高い硬度と適度な靱性とをバランスよく併せ持つモデル材を得ることができる。
本発明のモデル材クリア組成物におけるエチレン性不飽和単量体(A3)の含有量は、エチレン性不飽和化合物(A)の総質量に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、とりわけ好ましくは21質量%以上である。エチレン性不飽和化合物(A)の総質量に対するエチレン性不飽和単量体(A3)の含有量が上記下限以上であると、得られるモデル材の強度が向上しやすい。一方、例えば、重合性化合物としてエチレン性不飽和単量体(A1)を用いることによるモデル材の着色(黄変)抑制効果および透明性向上効果を十分に発揮するために、エチレン性不飽和単量体(A3)の含有量は、エチレン性不飽和化合物(A)の総質量に対して、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、特に好ましくは35質量%以下、とりわけ好ましくは30質量%未満である。
<(A1)と(A3)との質量比>
本発明のモデル材クリア組成物において、エチレン性不飽和単量体(A1)とエチレン性不飽和単量体(A3)との質量比〔エチレン性不飽和単量体(A1)/エチレン性不飽和単量体(A3)〕は、用いる重合性化合物の種類、所望するモデル材の機械的特性等に応じて適宜決定し得る。前記エチレン性不飽和単量体(A1)とエチレン性不飽和単量体(A3)との質量比は、好ましくは1.5以上、より好ましくは1.8以上、さらに好ましくは2を超え、また、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、さらに好ましくは7以下、特に好ましくは5以下である。エチレン性不飽和単量体(A1)とエチレン性不飽和単量体(A3)との質量比が上記範囲内であると、得られるモデル材において黄色味を抑え、高い透明性を確保しながら、バランスのよい機械的特性を付与しやすくなる。
なお、モデル材クリア組成物がエチレン性不飽和単量体(A1)、エチレン性不飽和単量体(A3)またはエチレン性不飽和単量体(A1)およびはエチレン性不飽和単量体(A3)を複数種含む場合、それぞれの重合性化合物の総質量における質量比が上記範囲内であることが好ましい。
<(A2)と(A3)との質量比>
本発明のモデル材クリア組成物において、エチレン性不飽和化合物(A2)とエチレン性不飽和単量体(A3)との質量比〔エチレン性不飽和化合物(A2)/エチレン性不飽和単量体(A3)〕は、用いる重合性化合物の種類、所望するモデル材の機械的特性等に応じて適宜決定し得る。前記エチレン性不飽和化合物(A2)とエチレン性不飽和単量体(A3)との質量比は、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.8以上であり、また、好ましくは2.5以下、より好ましくは2以下、さらに好ましくは1.4以下である。エチレン性不飽和化合物(A2)とエチレン性不飽和単量体(A3)との質量比が上記範囲内であると、得られるモデル材に適度な強度を付与しやすい。
なお、モデル材クリア組成物がエチレン性不飽和化合物(A2)、エチレン性不飽和単量体(A3)またはエチレン性不飽和化合物(A2)およびエチレン性不飽和単量体(A3)を複数種含む場合、それぞれの重合性化合物の総質量における質量比が上記範囲内であることが好ましい。
<(A1)と、(A2)及び(A3)との、質量比>
本発明のモデル材クリア組成物において、エチレン性不飽和単量体(A1)の総質量と、エチレン性不飽和化合物(A2)およびエチレン性不飽和単量体(A3)の総質量との比〔エチレン性不飽和単量体(A1)/エチレン性不飽和化合物(A2)+エチレン性不飽和単量体(A3)〕は、用いる重合性化合物の種類、所望するモデル材の機械的特性等に応じて適宜決定し得る。前記質量比は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.9以上、さらに好ましくは1以上、特に好ましくは1を超え、また、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下である。エチレン性不飽和単量体(A1)と、エチレン性不飽和化合物(A2)およびエチレン性不飽和単量体(A3)との質量比が上記範囲内であると、得られるモデル材において黄色味の少ない、高い透明性を確保しながら、バランスのよい機械的特性を付与しやすくなる。
<(A)以外の重合性化合物>
本発明のモデル材クリア組成物は、重合性化合物としてエチレン性不飽和化合物(A)以外の他の重合性化合物を含んでいてもよい。そのような他の重合性化合物としては、例えば、オキシラン化合物、オキセタン化合物等の含酸素環状化合物、アジリジン化合物、アセチジン化合物等の含窒素環状化合物などが挙げられる。本発明のモデル材クリア組成物がエチレン性不飽和化合物(A)以外の重合性化合物を含む場合、その含有量はエチレン性不飽和化合物(A)の総質量に対して、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
<(A)の含有量>
本発明のモデル材クリア組成物に使用するエチレン性不飽和化合物(A)の含有量は、モデル材クリア組成物の総質量に基づいて、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。モデル材クリア組成物におけるエチレン性不飽和化合(A)の含有量が上記下限以上であると、得られるモデル材に、黄色味の抑えられた高い透明性とバランスのよい機械的特性とを付与しやすいモデル材クリア組成物が得られる。エチレン性不飽和化合(A)の含有量の上限は特に限定されるものではないが、モデル材クリア組成物の総質量に基づいて、通常99質量%以下、好ましくは98質量%以下である。
<重合性化合物の含有量>
本発明のモデル材クリア組成物に使用する重合性化合物の含有量は、モデル材クリア組成物の総質量に基づいて、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上であり、また、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99.5質量%以下である。
[添加剤組成物(B)]
本発明のモデル材クリア組成物は、特定の光重合開始剤、特定の重合禁止剤および特定の酸化防止剤を含む、添加剤組成物(B)を含む。添加剤組成物(B)を含むことで、インクの保存安定性及び硬化性、及び硬化物の透明性等に優れた特性が実現される。特に、前記開始剤、前記重合禁止剤および前記酸化防止剤の含有率(質量%)が下記式(1)および(2)を満たすことで、モデル材クリア組成物の硬化性を確保するとともに保存安定性が向上し、エチレン性不飽和単量体の光硬化による黄変の発生が抑制され、高透明性かつクリスタル調の色味を付与しやすくなる。
光重合開始剤の含有率≧重合禁止剤の含有率≧酸化防止剤の含有率・・・(1)
1≦√光重合開始剤の含有率/√[(重合禁止剤の含有率×10)+(酸化防止剤の含有率×100)]≦800 ・・・(2)
前記式(2)の上限値は、好ましくは760、より好ましくは520、さらに好ましくは440である。前記式(2)の上限値が上記値であると、モデル材クリア組成物の硬化性が向上し、より少ない積算光量でモデル材クリア組成物を硬化させることができる。また、前記式(2)の下限値は、好ましくは1.3、より好ましくは6.3、さらに好ましくは10.0である。前記式(2)の下限値が上記値であると、長期間保存した場合において、モデル材クリア組成物の粘度変化率が小さくなり、モデル材クリア組成物の保存安定性が高まる。
<光重合開始剤>
本発明に使用する光重合開始剤は、α-ヒドロキシアセトフェノン系光重合開始剤およびアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤から選なる群から選択される少なくとも1つの光重合開始剤である。前記光重合開始剤としては、可視光に吸収を持たない開始剤または硬化後に黄色味が消える(フォトブリーチング)光重合開始剤であることが好ましい。前記光重合開始剤としては、具体的には、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル〕-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2,2’-ジヒドロキシ-2,2’-ジメチル-1,1’-[メチレンビス(4,1-フェニレン)]ビス(プロパン-1-オン)、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニル-フォスフィンオキサイド等が挙げられる。中でも、モデル材クリア組成物を光硬化させる際に得られるモデル材が黄変しにくい点および得られたモデル材が高い耐光性等を有し経時的に黄変しにくい点から、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、および、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニル-フォスフィンオキサイドからなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。これらの光重合開始剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、光重合開始剤としては、市販されている製品を用いてもよく、例えば、Omnirad TPO(IGM RESINS社製)、Omnirad 819(IGM RESINS社製)、Omnirad 184(IGM RESINS社製)等が挙げられる。
モデル材クリア組成物における光重合開始剤の含有量は、モデル材クリア組成物の総質量に基づいて、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは3.0質量%以上であり、また、好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下、さらに好ましくは5.0質量%以下である。光重合開始剤の含有量が上記範囲内であると、未反応の重合成分を低減させて、モデル材の硬化性を十分に高めることができるとともに、未反応の光重合開始剤が残存することにより生じるモデル材の経時的な黄変を抑制することができる。
<重合禁止剤>
本発明の重合禁止剤は、ヒンダードアミン系重合禁止剤(HALS)である。重合禁止剤は、モデル材クリア組成物の保存安定性を高めることができる。また、重合禁止剤は熱エネルギーにより重合性化合物が重合することで生じるヘッド詰まりを防止することができる。前記重合禁止剤としては、ピペリジン骨格を有する化合物が好ましく、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン骨格を有する化合物がより好ましい。上記の中でも2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシ基を有する化合物が好ましい。具体的には、例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシルのエステル、1分子中に2つの2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシ基を有する化合物、例えば、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジニ-4-イル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)等が挙げられる。中でも、保存安定性を高める点から、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシルからなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。これらの重合禁止剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、重合禁止剤としては、市販されている製品を用いてもよく、例えば、H-TEMPO(エボニック デグサ ジャパン社製)、IRGASTAB UV-10(BASF社製)、TINUVIN 111 FDL(BASF社製)、TINUVIN 144(BASF社製)、TINUVIN 292(BASF社製)等が挙げられる。
モデル材クリア組成物における重合禁止剤の含有量は、モデル材クリア組成物の総質量に基づいて、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、また、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、さらに好ましくは1.0量%以下である。重合禁止剤の含有量が上記範囲内であると、より保存安定性が高く、ヘッド詰まりが抑制されたモデル材クリア組成物をえることができる。
<酸化防止剤>
本発明の酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤である。本発明においてフェノール系酸化防止剤とは、基本骨格としてフェノール性水酸基を有する酸化防止剤を意味し、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、モノ-、ジ-またはトリ-(α-メチルベンジル)フェノール、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,5-ジ-tert-ブチルハイドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルハイドロキノン、トリエチレングリコール-ビス-[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサンジオール-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、ペンタエリトリトール=テトラキス[3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジルフォスフォネート-ジエチルエステル、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4-2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]o-クレゾール、N,N’-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)-ベンゾトリアゾール、メチル-3-[3-t-ブチル-5-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネート-ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、2,4-ジ-t-ブチルフェニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、4-メトキシフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、1,4-ジヒドロキシベンゼン等が挙げられる。中でも、1,4-ジヒドロキシベンゼン、4-メトキシフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾールが好ましく4-メトキシフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾールがより好ましい。フェノール系酸化防止剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、フェノール系酸化防止剤としては、市販されている製品を用いてもよく、例えば、ヒドロキノンモノメチルエーテル(東京化成工業社製)、ブチルヒドロキシトルエン(東京化成工業社製)等が挙げられる。
モデル材クリア組成物における酸化防止剤の含有量は、モデル材クリア組成物の総質量に基づいて、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.2量%以下である。酸化防止剤の含有量が上記範囲内であると、酸化反応等によるモデル材の経時的な変色による劣化を抑制し、透明性に優れたモデル材を実現することができる。
モデル材クリア組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要により、その他の添加剤を含有させることができる。その他の添加剤としては、例えば、表面調整剤、保存安定化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、連鎖移動剤、充填剤、希釈溶媒、増粘剤等が挙げられる。
<表面調整剤>
添加剤組成物(B)は表面調整剤を含んでもよい。表面調整剤は、モデル材クリア組成物の表面張力を適切な範囲に調整する成分であり、その種類は特に限定されない。モデル材クリア組成物の表面張力を適切な範囲にすることで、吐出性を安定化させることができるとともに、モデル材クリア組成物とサポート材組成物との界面混じりを抑制することができる。その結果、寸法精度が良好なモデル材を得ることができる。
表面調整剤としては、例えば、シリコーン系化合物等が挙げられる。シリコーン系化合物としては、例えば、ポリジメチルシロキサン構造を有するシリコーン系化合物等が挙げられる。具体的には、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリアラルキル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。これらとして、商品名でBYK-300、BYK-302、BYK-306、BYK-307、BYK-310、BYK-315、BYK-320、BYK-322、BYK-323、BYK-325、BYK-330、BYK-331、BYK-333、BYK-337、BYK-344、BYK-370、BYK-375、BYK-377、BYK-UV3500、BYK-UV3510、BYK-UV3570(以上、ビックケミー社製)、TEGO-Rad2100、TEGO-Rad2200N、TEGO-Rad2250、TEGO-Rad2300、TEGO-Rad2500、TEGO-Rad2600、TEGO-Rad2700(以上、デグサ社製)、グラノール100、グラノール115、グラノール400、グラノール410、グラノール435、グラノール440、グラノール450、B-1484、ポリフローATF-2、KL-600、UCR-L72、UCR-L93(共栄社化学社製)等を用いてもよい。また、シリコーン系化合物以外の表面調整剤(例えば、フッ素系表面調整剤等)を用いてもよい。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
モデル材クリア組成物が表面調整剤を含有する場合、その含有量は、モデル材クリア組成物の総質量に基づいて、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下である。表面調整剤の含有量が上記の範囲内である場合、モデル材クリア組成物の表面張力を適切な範囲に調整しやすい。
[着色剤(C)]
本発明のモデル材クリア組成物は、通常、着色剤を含まないが、顔料、染料または顔料と染料とを少量含んでもよい。本発明のモデル材クリア組成物における着色剤の含有量は、モデル材クリア組成物の総質量に基づいて、通常0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下であり、さらに好ましくは0.001質量%以下であり、特に好ましくは0.0001質量%以下であり、その下限は0質量%以上である。着色剤としては、例えば、530~620nmに吸収波長をもつ色材が挙げられ、具体的には、アントラキノン系、フタロシアニン系の色材が挙げられ、例えば、1-ヒドロキシ-4-トルイジノアントラキノンであり、好ましくは1-ヒドロキシ-4-トルイジノアントラキノンである。これらの着色剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、2種類以上の着色剤を混合し、530~620nmに吸収波長をもつように調整してもよい。また、着色剤としては、市販されている製品を用いてもよく、例えば、キニザリンブルー(東京化成工業社製)等が挙げられる。
[モデル材クリア組成物の特性]
本発明のモデル材クリア組成物は、マテリアルジェット光造形法に用いるため、25℃において1mPa・s以上500mPa・s未満の粘度を有することが好ましい。マテリアルジェットノズルからの吐出性を良好にする観点から、25℃における粘度が10~400mPa・sであることが好ましく、20~300mPa・sであることがより好ましく、25~100mPa・sがさらに好ましい。上記粘度の測定は、JIS Z 8803に準拠し、R100型粘度計を用いて行うことができる。モデル材クリア組成物の粘度は、重合性化合物の種類およびその配合比率、希釈溶媒や増粘剤の種類およびその添加量等を調整することにより制御することができる。
また、本発明のモデル材クリア組成物は、好ましくは、60℃の環境下にて30日間保存した場合に、モデル材クリア組成物の粘度が10%を超えて変化しない。モデル材クリア組成物の上記粘度変化率が10%を超えると、時間が経過した場合に、モデル材クリア組成物の吐出性が悪化する可能性がある。モデル材クリア組成物の上記粘度変化は、好ましくは、5%未満、より好ましくは3%未満である。
本発明のモデル材クリア組成物の表面張力は、好ましくは24~34mN/mであり、より好ましくは28~30mN/mである。表面張力が上記範囲内であると、マテリアルジェットの高速吐出時においてもノズルからの吐出液滴を正常に形成することができ、適切な液滴量を確保しやすく、造形精度が向上しやすくなる。本発明においてモデル材クリア組成物の表面張力は、表面調整剤の種類およびその配合量等を調整することにより制御することができる。
本発明のモデル材クリア組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、混合攪拌装置等を用いて、モデル材クリア組成物を構成する成分を均一に混合することにより製造することができる。
[マテリアルジェット光造形用組成物セット]
本発明のモデル材クリア組成物は、無色で透明性に優れるモデル材の作製に好適であり、モデル材カラー組成物との組み合わせにおいて、種々の外観や表面質感を有するモデル材を提供し得る。したがって、本発明は、本発明のモデル材クリア組成物と、マテリアルジェット光造形法において使用されるモデル材カラー組成物とを含んでなる、マテリアルジェット光造形用組成物セットも対象とする。
[モデル材カラー組成物]
本発明のモデル材クリア組成物は、従来公知の種々のモデル材カラー組成物と組み合わせて使用することができる。本発明のモデル材クリア組成物とともに好適に使用し得るモデル材カラー組成物として、エチレン性不飽和単量体(D)を含む、好ましくは、モデル材カラー組成物の総質量に基づいて、30質量%以上85質量%以下の(メタ)アクリレート系エチレン性不飽和単量体(D1)と、10質量%以上50質量%以下の、(メタ)アクリレート系化合物ではない窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(D2)とを含む、モデル材カラー組成物が挙げられる。
本発明のマテリアルジェット光造形用組成物セットに含まれるモデル材カラー組成物は、エチレン性不飽和単量体(D)を含有する。エチレン性不飽和単量体(D)は、エネルギー線により硬化する特性を有するエチレン性二重結合を分子内に少なくとも1個有する重合性モノマーである。エチレン性不飽和単量体(D)は分子内にエチレン性二重結合を1個有する単官能エチレン性不飽和単量体であってもよいし、分子内にエチレン性二重結合を2個以上有する多官能エチレン性不飽和単量体であってもよい。エチレン性不飽和単量体(D)としては、例えば(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド類、N-ビニルラクタム類、ビニルエーテル、マレイミド等が挙げられる。
本発明のマテリアルジェット光造形用組成物セットに含まれるモデル材カラー組成物は、エチレン性不飽和単量体(D)として、好ましくは、(メタ)アクリレート系エチレン性不飽和単量体(D1)(以下、単に「エチレン性不飽和単量体(D1)」ともいう)を含む。エチレン性不飽和単量体(D1)は、単官能の(メタ)アクリレート(単官能エチレン性不飽和単量体)であってもよいし、多官能の(メタ)アクリレート(多官能エチレン性不飽和単量体)であってもよい。(メタ)アクリレートとしては、直鎖状または分枝状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、分子内に脂肪族環状構造および/または芳香族環状構造を有する(メタ)アクリレート、複素環構造を有する(メタ)アクリレート、直鎖状または分枝状のアルキレン基を有する(メタ)アクリレート、直鎖状または分枝状のアルキレングリコール基を有するアルキレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルキル(メタ)アクリレートにおける直鎖状または分枝状のアルキル基としては、好ましくは炭素数4~30、より好ましくは炭素数6~25のアルキル基が挙げられ、具体的には、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルへキシル基、ノニル基、イソノニル基、ラウリル基、ステアリル基、イソステアリル基、t-ブチル基等が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートは、通常、単官能の(メタ)アクリレートである。
脂肪族環状構造および/または芳香族環状構造を有する(メタ)アクリレートは、分子内に脂環式基および/または芳香族炭化水素基を有しており、これらの基として、好ましくは炭素数6~20、より好ましくは炭素数8~14の脂環式基および芳香族炭化水素基が挙げられる。脂環式基としては、例えば、シクロヘキシル基、4-t-ブチルシクロヘキシル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、トリシクロデシル基、アダマンチル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、例えばフェノキシエチル基、エトキシ化フェニル基(例えば2-(2-エトキシエトキシ)フェニル)基、フェニルフェノール基、フルオレン基等が挙げられる。脂肪族環状構造および/または芳香族環状構造を有する(メタ)アクリレートは、単官能または多官能のいずれであってもよいが、好ましくは単官能の(メタ)アクリレートである。
複素環構造を有する(メタ)アクリレートは、分子内に複素環式基を有しており、該複素環式基としては、好ましくは炭素数5~20、より好ましくは炭素数5~14の複素環式基が挙げられる。複素環構造を有する(メタ)アクリレートとしては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、4-(メタ)アクリロイルオキシメチル-2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン、4-(メタ)アクリロイルオキシメチル-2-シクロヘキシル-1,3-ジオキソラン等が挙げられる。複素環構造を有する(メタ)アクリレートは、単官能または多官能のいずれであってもよいが、好ましくは単官能の(メタ)アクリレートである。
直鎖状または分枝状のアルキレン基を有する(メタ)アクリレートにおけるアルキレン基としては、好ましくは炭素数2~30、より好ましくは炭素数3~20のアルキレン基が挙げられる。このようなアルキレン基としては、例えばペンタエリスリトール基、ジペンタエリスリトール基、ジメチロールトリシクロデカン基等が挙げられる。直鎖状または分枝状のアルキレン基を有する(メタ)アクリレートとしては、具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。直鎖状または分枝状のアルキレン基を有する(メタ)アクリレートは、通常、多官能の(メタ)アクリレートであり、好ましくは2~10個、より好ましくは2~6個の(メタ)アクリレート基を有する多官能(メタ)アクリレートである。
直鎖状または分枝状のアルキレングリコール基を有する(メタ)アクリレートにおけるアルキレングリコール基としては、好ましくは炭素数4~25、より好ましくは炭素数6~20のアルキレングリコール基が挙げられる。アルキレングリコール基としては、例えばトリプロピレングリコール基、1,6-ヘキサンジオール基、ネオペンチルグリコール基、1,9-ノナンジオール基、3-メチル-1,5-ペンタンジオール基、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール基、ペンタエリスリトール基、ジエチレングリコール基、トリエチレングリコール基等の(n)エチレングリコール基、ジプロピレングリコール基、トリプロピレングリコール基等の(n)プロピレングリコール基が挙げられる。直鎖状または分枝状のアルキレングリコール基を有する(メタ)アクリレートとしては、具体的には、上記アルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート、上記アルキレングリコールのトリ(メタ)アクリレートが挙げられる。直鎖状または分枝状のアルキレングリコール基を有する(メタ)アクリレートは、単官能または多官能のいずれであってもよいが、好ましくは多官能の(メタ)アクリレートであり、より好ましくは1~6個、さらに好ましくは2または3個の(メタ)アクリレート基を有する多官能(メタ)アクリレートである。
モデル材カラー組成物は、該組成物の粘度を低下させ、マテリアルジェットにおける吐出性を高めやすい観点、および、得られるモデル材の強度および硬度を高めやすい観点から、エチレン性不飽和単量体(D1)として、好ましくは脂肪族環状構造および/または芳香族環状構造を有する(メタ)アクリレート系エチレン性不飽和単量体を、より好ましくは脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート系エチレン性不飽和単量体を、さらに好ましくはイソボルニル(メタ)アクリレートおよび/またはシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含む。
モデル材カラー組成物に含まれるエチレン性不飽和単量体(D1)の含有量は、モデル材カラー組成物の総質量に基づいて、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、特に好ましくは45質量%以上であり、また、好ましくは85質量%以下、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下、特に好ましくは65質量%以下である。エチレン性不飽和単量体(D1)の含有量が上記下限以上であると、モデル材カラー組成物の粘度が制御しやすく、ノズルからの良好な吐出性を確保しやすい。また、エチレン性不飽和単量体(D1)の含有量が上記上限以下であると、得られるモデル材に高い強度および硬度を付与しやすく、寸法安定性が向上しやすい。
本発明のマテリアルジェット光造形用組成物セットに含まれるモデル材カラー組成物は、エチレン性不飽和単量体(D)として、好ましくは、(メタ)アクリレート系化合物ではない、窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(D2)(以下、単に「窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(D2)」ともいう)を含む。本明細書において、エチレン性不飽和単量体(D2)は(メタ)アクリレートではなく、窒素原子を含有する(メタ)アクリレートは窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(D2)には包含されない。
モデル材カラー組成物に含まれる、窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(D2)は、単官能の窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(単官能エチレン性不飽和単量体)であってもよいし、多官能の窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(多官能エチレン性不飽和単量体)であってもよい。窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(D2)としては、例えば(メタ)アクリルアミド類、N-ビニルラクタム類、マレイミド、N-ビニルホルムアミドが挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリルアミド類としては、下記式(3):
Figure 2023040911000001
[式中、Qはn価の連結基を表し、Qはそれぞれ独立して水素原子または1価の有機基を表し、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、nは1または2以上の整数を表す]
で示される単官能または多官能の(メタ)アクリルアミド化合物、および、下記式(4):
Figure 2023040911000002
[式中、Qは置換基を有してもよい、N原子と共に脂環式構造を形成する2価の連結基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す]
で示される単官能化合物が挙げられる。(メタ)アクリルアミド類は、モデル材カラー組成物の粘度を適度に下げ、吐出性を向上しやすい観点から単官能であることが好ましい。
式(3)または式(4)で示される単官能の化合物としては、例えば、式(3)中のQが好ましくは炭素数1~10の直鎖状または分枝状のアルキル基であり、Qが好ましくは炭素数1~10の直鎖状または分枝状のアルキル基および/または水素原子である(メタ)アクリルアミド〔例えば、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド等〕、式(3)中のQが好ましくは炭素数2~10の直鎖状または分枝状のヒドロキシアルキル基を有し、Qが水素原子であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド〔例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ヒドロキシプロピルアクリルアミド等〕、式(3)中のQが好ましくは炭素数3~20の脂環式基を有し、Qが好ましくは炭素数1~10の直鎖状または分枝状のアルキル基および/または水素原子である(メタ)アクリルアミド、式(4)中のQが好ましくは炭素数4~20を有し脂環式基を構成する(メタ)アクリルアミド〔例えば、アクリロイルモルホリン〕等が挙げられる。
N-ビニルラクタム類としては、単官能または多官能のいずれであってもよいが、例えば下記式(5):
Figure 2023040911000003
[式中、mは1~5の整数を表す]
で示される化合物が挙げられる。原材料を入手しやすい観点から、mは2~4の整数であることが好ましく、2または4であることがより好ましい。このようなN-ビニルラクタム類としては、具体的にはN-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム等が挙げられる。
得られるモデル材の強度および硬度を高めやすい観点から、モデル材カラー組成物は窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(D2)として、好ましくは(メタ)アクリルアミド類およびN-ビニルラクタム類からなる群から選択される少なくとも1種を、より好ましくは(メタ)アクリルアミド類を、さらに好ましくは式(4)中のQが炭素数4~20を有し脂環式基を構成する(メタ)アクリルアミド類を、特に好ましくはアクリロイルモルホリンを含む。
モデル材カラー組成物に含まれる窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(D2)の含有量は、モデル材カラー組成物の総質量に基づいて、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(D2)の含有量が上記下限以上であると、得られるモデル材に高い強度および硬度を付与しやすく、寸法安定性が向上しやすい。また、窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(D2)の含有量が上記上限以下であると、モデル材カラー組成物の粘度が制御しやすく、ノズルからの良好な吐出性を確保しやすい。
本発明のマテリアルジェット光造形用組成物セットに含まれるモデル材カラー組成物は、エチレン性不飽和単量体(D)として、単官能エチレン性不飽和単量体および二官能以上のエチレン性不飽和単量体を含有することが好ましい。単官能エチレン性不飽和単量体としては、上記に述べた単官能の(メタ)アクリレート、単官能の窒素原子含有エチレン性不飽和単量体が挙げられる。二官能以上のエチレン性不飽和単量体としては、上記に述べた多官能の(メタ)アクリレート、多官能の窒素原子含有エチレン性不飽和単量体が挙げられる。本発明のマテリアルジェット光造形用組成物セットに含まれるモデル材カラー組成物が単官能エチレン性不飽和単量体に加えて二官能以上のエチレン性不飽和単量体を含有する場合、得られるモデル材の靭性や強度を向上させやすい。
モデル材カラー組成物における単官能エチレン性不飽和単量体の含有量は、モデル材カラー組成物の総質量に基づいて、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上であり、また、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下である。モデル材カラー組成物における単官能エチレン性不飽和単量体の含有量が上記下限以上であると、モデル材カラー組成物の粘度を低減させ吐出性を高めやすい。また、単官能エチレン性不飽和単量体の含有量が上記上限以下である場合、得られるモデル材の強度および硬度を高めやすく、また、モデル材表面のべたつきを抑制しやすい。
モデル材カラー組成物における二官能以上のエチレン性不飽和単量体の含有量は、モデル材カラー組成物の総質量に基づいて、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下である。モデル材カラー組成物における二官能以上のエチレン性不飽和単量体の含有量が上記下限以上であると、得られるモデル材の靭性が向上しやすく、モデル材にバランスよい機械的特性を付与しやすい。また、二官能以上のエチレン性不飽和単量体の含有量が上記上限以下であると、モデル材カラー組成物の光硬化時における硬化収縮を抑制しやすく、得られるモデル材の寸法精度(あるいは反り防止性)が向上しやすい。
本発明の好ましい一態様において、モデル材カラー組成物は、上記に述べた好ましくは脂肪族環状構造を有する単官能の(メタ)アクリレートと、多官能の(メタ)アクリレートと、単官能の窒素原子含有エチレン性不飽和単量体とを含有することが好ましい。モデル材カラー組成物が脂肪族環状構造を有する単官能の(メタ)アクリレートと、多官能の(メタ)アクリレートとを含有する場合、該組成物の粘度を低減させ吐出性を高めやすいと同時に、得られるモデル材の靭性が向上しやすく、モデル材にバランスよい機械的特性を付与しやすい。さらに、モデル材カラー組成物が単官能の窒素原子含有エチレン性不飽和単量体を含有する場合には、得られるモデル材の強度が向上しやすい。
この態様において、上記効果を得やすい観点から、モデル材カラー組成物における脂肪族環状構造を有する単官能の(メタ)アクリレートの含有量は、モデル材カラー組成物の総質量に基づいて、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは75質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。また、多官能の(メタ)アクリレートの含有量は、モデル材カラー組成物の総質量に基づいて、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。さらに、単官能の窒素原子含有エチレン性不飽和単量体の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
本発明のマテリアルジェット光造形用組成物セットに含まれるモデル材カラー組成物は、重合性オリゴマーをさらに含有することが好ましい。モデル材カラー組成物が重合性オリゴマーを含有することにより、モデル材の靭性が向上しやすく、バランスのよい機械的強度を確保し得るため、曲げても割れにくいモデル材が得られる。また、モデル材の表面のタック性も低減しやすくなる。
重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好適に用いられる重合性オリゴマーは、得られるモデル材に強度と靱性を付与することができ、材料選択の幅が広く、様々な特性を有する材料を選択できる観点から、好ましくはウレタン基を有する重合性オリゴマーであり、より好ましくはウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーである。
ウレタン基を有する重合性オリゴマーは、モデル材カラー組成物の粘度を低粘度に設計しやすく、得られるモデル材の硬度および強度を高めやすく、硬化収縮を低減しやすい観点から、カプロラクトン変性された重合性オリゴマーであることが好ましい。モデル材カラー組成物が重合性オリゴマーを含有する場合、該重合性オリゴマーは、得られるモデル材の硬度および強度を高めやすい観点から、カプロラクトン変性されたイソホロンジイソシアネート系の重合性オリゴマーであることが好ましい。
モデル材カラー組成物が重合性オリゴマーを含有する場合、その含有量は、モデル材カラー組成物の総質量に基づいて、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、また、好ましくは45質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。重合性オリゴマーの含有量が上記下限以上であると、モデル材表面のタック性を十分に低減しやすい。重合性オリゴマーの含有量が上記上限以下であると、モデル材カラー組成物の良好な吐出性を確保しやすい。
モデル材カラー組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要により、その他の添加剤を含有させることができる。その他の添加剤としては、例えば、光重合開始剤、表面調整剤、保存安定化剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、充填剤等が挙げられる。これらの成分は、特に限定されず、当該分野で従来用いられている公知の化合物を適宜選択して用いることができる。光重合開始剤および保存安定化剤としては、モデル材クリア組成物が含み得る光重合開始剤および保存安定化剤として先に例示したものと同様のものを同様の量で、モデル材カラー組成物においても好適に用い得る。モデル材クリア組成物が含む添加剤とモデル材カラー組成物が含む添加剤は、互いに同じであっても、異なっていてもよい。
モデル材カラー組成物が表面調整剤を含有し得る表面調整剤としては、モデル材クリア組成物が含み得る表面調整剤として先に例示したものと同様のものが挙げられる。モデル材カラー組成物が表面調整剤を含有する場合、その含有量は、モデル材カラー組成物の総質量に基づいて、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。表面調整剤の含有量が上記の範囲内である場合、モデル材カラー組成物の表面張力を適切な範囲に制御しやすい。
本発明のマテリアルジェット光造形用組成物セットを構成するモデル材クリア組成物およびモデル材カラー組成物はいずれも表面調整剤を含むことが好ましい。その場合、モデル材カラー組成物に含まれる表面調整剤の量(モデル材カラー組成物の総質量に対する表面調整剤の含有量(質量%))が、モデル材クリア組成物に含まれる表面調整剤の量(モデル材クリア組成物の総質量に対する表面調整剤の含有量(質量%))よりも少ないことが好ましい。モデル材カラー組成物に含まれる表面調整剤の量がモデル材クリア組成物に含まれる表面調整剤の量より少ないと、モデル材クリア組成物とモデル材カラー組成物との界面における該組成物間のはじき合いが抑えられる。これにより、得られるモデル材におけるクリアモデル材とカラーモデル材との境界がはっきりし、外観的に優れるモデル材を得ることができる。この場合、モデル材カラー組成物に含まれる表面調整剤の量は、モデル材カラー組成物およびモデル材クリア組成物を構成する重合性化合物の種類やそれらの比率等に応じて適宜決定すればよい。本発明の一態様において、モデル材カラー組成物に含まれる表面調整剤の量(質量%)は、本発明のモデル材クリア組成物に含まれる表面調整剤の量(質量%)に対して、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上、さらに好ましくは40%以上であり、また、好ましくは85%以下、より好ましくは70%以下、さらに好ましくは60%以下である。
本発明のマテリアルジェット光造形用組成物セットにおけるモデル材カラー組成物は、通常、顔料を含む、着色された組成物である。モデル材カラー組成物の構成は特に限定されないが、該構成は好ましくはシアン、マゼンタおよびイエローを含み、より好ましくはホワイトおよび/またはブラックをさらに含む。
シアンは、色味および発色、ならびに顔料分散の容易さの観点から、C.I.Pigment Blue15:3およびC.I.Pigment Blue15:4からなる群から選択される少なくとも1種の顔料を含むことが好ましい。
マゼンタは、色味および発色、ならびに顔料分散の容易さの観点から、C.I.Pigment Red122、C.I.Pigment Red202およびC.I.Pigment Violet19からなる群から選択される少なくとも1種の顔料を含むことが好ましい。
イエローは、色味および発色、ならびに顔料分散の容易さの観点から、C.I.Pigment Yellow150およびC.I.Pigment Yellow155からなる群から選択される少なくとも1種の顔料を含むことが好ましい。
ホワイトは、色味および隠ぺい性、ならびに顔料分散の容易さの観点から、酸化チタンを含むことが好ましい。インクの光安定性を向上しやすい観点から、酸化チタンはルチル型酸化チタンであることがより好ましい。
ブラックは、色味および発色、ならびに顔料分散の容易さの観点から、カーボンブラックを含むことが好ましい。
モデル材カラー組成物における顔料の含有量は、モデル材カラー組成物の所望される色味や、用いる顔料の種類に応じて適宜設定すればよいが、モデル材カラー組成物の総質量に基づいて、通常0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上である。モデル材カラー組成物における顔料の含有量の上限も特に限定されず、モデル材カラー組成物の総量に基づいて、通常5質量%以下、好ましくは3質量%以下である。
モデル材カラー組成物の粘度は、マテリアルジェット光造形法に用いるため、25℃で1mPa・s以上500mPa・s未満の粘度を有することが好ましい。マテリアルジェットノズルからの吐出性を良好にする観点から、25℃における粘度が10~400mPa・sであることが好ましく、20~300mPa・sであることがより好ましく、25~100mPa・sがさらに好ましい。上記粘度の測定は、JIS Z 8803に準拠し、R100型粘度計を用いて行うことができる。モデル材カラー組成物の粘度は、重合性化合物の種類およびその配合比率、希釈溶媒や増粘剤の種類およびその添加量等を調整することにより制御することができる。
本発明のモデル材カラー組成物の表面張力は、好ましくは24~34mN/mであり、より好ましくは28~30mN/mである。表面張力が上記範囲内であると、マテリアルジェットの高速吐出時においてもノズルからの吐出液滴を正常に形成することができ、適切な液滴量を確保しやすく、造形精度が向上しやすくなる。本発明においてモデル材カラー組成物の表面張力は、表面調整剤の種類およびその配合量等を調整することにより制御することができる。
本発明において、モデル材カラー組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、混合攪拌装置等を用いて、モデル材カラー組成物を構成する成分を均一に混合することにより製造することができる。
[サポート材組成物]
また、本発明のモデル材クリア組成物は、複雑な形状や緻密な形状を高い精度で造形するために、本発明のモデル材クリア組成物は、立体造形中にモデル材を支持するためのサポート材と組み合わせて用いることが好ましい。したがって、本発明は、本発明のモデル材クリア組成物と、マテリアルジェット光造形法によりサポート材を造形するためのサポート材組成物とを含んでなるマテリアルジェット光造形用組成物セットも対象とする。
サポート材組成物は、光硬化によりサポート材を与える、サポート材用の光硬化性組成物である。モデル材を作製後、サポート材をモデル材から物理的に剥離することにより、または、サポート材を有機溶媒もしくは水に溶解させることにより、モデル材から除去することができる。本発明のモデル材クリア組成物やマテリアルジェット光造形用組成物セットは、サポート材組成物として従来公知の種々の組成物との組み合わせにおいて用いることができる。サポート材を除去する際にモデル材を破損することがなく、環境に優しく、細部まできれいにかつ容易にサポート材を除去することができるため、本発明の光造形用組成物セットを構成するサポート材組成物は水溶性であることが好ましい。
そのような水溶性のサポート材組成物としては、例えば、単官能エチレン性不飽和単量体、ならびに、オキシエチレン基およびオキシプロピレン基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有するポリアルキレングリコールを含むものが挙げられる。
サポート材組成物に含まれる単官能エチレン性不飽和単量体は、エネルギー線により硬化する特性を有する分子内にエチレン性二重結合を1個有する重合性モノマーであり、好ましくは水溶性単官能エチレン性不飽和単量体である。サポート材組成物に含まれる単官能エチレン性不飽和単量体としては、例えば、炭素数2~15の水酸基含有(メタ)アクリレート〔例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等〕、数平均分子量(Mn)200~1,000の水酸基含有(メタ)アクリレート〔例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、モノアルコキシ(炭素数1~4)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、モノアルコキシ(炭素数1~4)ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、PEG-PPGブロックポリマーのモノ(メタ)アクリレート等〕、炭素数3~15の(メタ)アクリルアミド誘導体〔例えば(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等〕、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
サポート材組成物に含まれる単官能エチレン性不飽和単量体の含有量は、サポート材組成物の硬化性を向上させ、かつ、サポート材組成物を光硬化させて得られるサポート材をすばやく水に溶解させやすい観点から、サポート材組成物の総量に基づいて、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。また、上記含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。
サポート材組成物は、好ましくは、オキシエチレン基およびオキシプロピレン基からなる群から選択される少なくとも1つの基を含む、ポリアルキレングリコールを含む。オキシエチレン基およびオキシプロピレン基からなる群から選択される少なくとも1つの基を含む、ポリアルキレングリコールは、活性水素化合物に少なくともエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドからなる群から選択される少なくとも1つが付加したものである。ポリアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。活性水素化合物としては、1~4価のアルコール、アミン化合物等が挙げられる。中でも、2価アルコールまたは水が好ましい。
サポート材組成物における前記ポリアルキレングリコールの含有量は、サポート材組成物を光硬化させて得られるサポート材の水への溶解性を高めやすい観点から、サポート材組成物の総量に基づいて、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。また、上記含有量は、立体造形物を造形中にサポート材からポリアルキレングリコールが浸み出す現象を防止し、造形の精細性を高めやすい観点から、好ましくは49質量%以下であり、より好ましくは45質量%以下である。
前記ポリアルキレングリコールの数平均分子量(M)は、好ましくは100~5,000である。ポリアルキレングリコールの(M)が前記範囲内であると、光硬化前の前記ポリアルキレングリコールと相溶し、かつ、光硬化後の前記ポリアルキレングリコールと相溶し難い。その結果、サポート材組成物を光硬化させて得られるサポート材の自立性を高め、かつ、サポート材の水への溶解性を高めることができる。ポリアルキレングリコールの(M)は、好ましくは200~3,000、より好ましくは400~2,000である。
サポート材組成物には、必要により、その他の添加剤を含有させることができる。その他の添加剤としては、例えば、光重合開始剤、水溶性有機溶剤、酸化防止剤、着色剤、顔料分散剤、保存安定化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、充填剤等が挙げられる。
光重合開始剤としては、モデル材クリア組成物に含まれ得る光重合開始剤として先に例示した化合物を同様に使用し得る。サポート材組成物が光重合開始剤を含有する場合、その含有量は、サポート材組成物の総量に基づいて、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。光重合開始剤の含有量が上記範囲内であると、未反応の重合成分を低減させて、サポート材の硬化性を十分に高めやすい。
水溶性有機溶剤は、サポート材組成物を光硬化させて得られるサポート材の水への溶解性を向上させる成分である。また、サポート材組成物を低粘度に調整し得る成分である。サポート材組成物が水溶性有機溶剤を含有する場合、その含有量は、サポート材組成物の総量に基づいて、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。また、上記含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。サポート材組成物中の水溶性有機溶剤の量が多すぎると、サポート材組成物を光硬化させる際に、水溶性有機溶剤の浸み出しが生じ、サポート材の上層に成形されたモデル材の寸法精度が悪化する場合がある。水溶性有機溶剤の含有量が上記上限以下であると、そのような浸み出しを抑制しやすい。また、サポート材組成物中の水溶性有機溶剤の含有量が上記下限以上であると、サポート材の水による除去性を向上させやすく、かつ、サポート材組成物を低粘度に制御しやすい。
水溶性有機溶剤としては、例えば、直鎖状または分枝状のアルキレン基を有するアルキレングリコールモノアセテート〔例えば、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート、トリエチレングリコールモノアセテート、トリプロピレングリコールモノアセテート、テトラエチレングリコールモノアセテート、テトラプロピレングリコールモノアセテート等〕、直鎖状または分枝状のアルキレン基を有するアルキレングリコールモノアルキルエーテル〔例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラプロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル等〕、直鎖状または分枝状のアルキレン基を有するアルキレングリコールジアセテート〔例えば、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、トリプロピレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、テトラプロピレングリコールジアセテート等〕、直鎖状または分枝状のアルキレン基を有するアルキレングリコールジアルキルエーテル〔例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジプロピルエーテル、テトラエチレングリコールジプロピルエーテル、テトラプロピレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、テトラプロピレングリコールジブチルエーテル等〕、直鎖状または分枝状のアルキレン基を有するアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート〔例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等〕などが挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、サポート材の水による除去性を向上させやすく、かつ、サポート材組成物を低粘度に制御しやすい観点から、水溶性有機溶剤は、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、または、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであることがより好ましい。
本発明におけるサポート材組成物の粘度は、マテリアルジェットノズルからの吐出性を良好にする観点から、25℃において1~500mPa・sであることが好ましく、10~400mPa・sであることがより好ましく、25~100mPa・sがさらに好ましい。上記粘度の測定は、JIS Z 8 803に準拠し、R100型粘度計を用いて行うことができる。
本発明において、サポート材組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、混合攪拌装置等を用いて、サポート材組成物を構成する成分を均一に混合することにより製造することができる。
[光造形物の製造方法]
本発明のモデル材クリア組成物、または、マテリアルジェット光造形用組成物セットを用いて、マテリアルジェット方式による光造形法により立体造形物(モデル材または光造形品)を作製できる。
光造形物を製造する製造方法としては、本発明のモデル材クリア組成物、または、光造形用組成物セットを用いて、マテリアルジェット方式による光造形法により立体造形物を製造する方法である限り特に限定されず、公知の方法を採用し得る。例えば、モデル材クリア組成物を光硬化させてモデル材を得ると共に、サポート材組成物を光硬化させてサポート材を得る工程と、モデル材からサポート材を除去する工程とを含む方法により、立体造形物であるモデル材を得ることができる。
前記製造方法において、例えば、作製する物体の3次元CADデータをもとに、マテリアルジェット方式で積層して立体造形物を構成するモデル材クリア組成物のデータ、および、作製途上の立体造形物を支持するサポート材組成物のデータを作製し、さらにマテリアルジェット方式の3Dプリンタで各組成物を吐出するスライスデータを作製し、作製したスライスデータに基づきモデル材用およびサポート材用の各組成物を吐出後、光硬化処理を層ごとに繰り返し、モデル材クリア組成物の硬化物(モデル材)およびサポート材組成物の硬化物(サポート材)からなる光造形物を作製することができる。
モデル材クリア組成物およびサポート材組成物を硬化させる光としては、例えば、遠赤外線、赤外線、可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、α線、γ線およびエックス線等の活性エネルギー線が挙げられる。中でも、硬化作業の容易性および効率性の観点から、好ましくは近紫外線または紫外線である。
光源としては、従来公知の高圧水銀灯、メタルハライドランプ、UV-LEDなどが挙げられる。これらの中でも、設備を小型化することができ、かつ、消費電力が小さいという観点からは、LED方式であることが好ましい。光量は、モデル材の硬度および寸法精度の観点から、200~1000mJ/cmが好ましい。光源としてUV-LEDを用いる場合、光が深層まで届きやすくなり、得られるモデル材の硬度および寸法精度を向上させることができることから、中心波長が385~415nmのものを用いることが好ましい。
立体造形物を構成する各層の厚みは、造形精度の観点からは薄いほうが好ましいが、造形速度とのバランスからは5~30μmが好ましい。
得られる立体造形物は、モデル材とサポート材とが組み合わされたものである。かかる立体造形物からサポート材を除去してモデル材である立体造形物を得ることができる。サポート材の除去は、例えば、サポート材を溶解させる除去溶剤に得られた立体造形物を浸漬し、サポート材を柔軟にした後、ブラシなどでモデル材表面からサポート材を除去して行うことが好ましい。サポート材の除去溶剤には水、水溶性溶剤、例えばグリコール系溶剤、アルコール系溶剤などを用いてもよい。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[光硬化物]
本発明のモデル材クリア組成物の光硬化物は、黄色味が低減された、高透明かつクリスタル調の色味を示す。本発明のモデル材クリア組成物の光硬化物は、厚さ2mmにおいて、Lab表色系のL値が90以上、好ましくは95以上であり、a値が-2以上、2未満、好ましくは-1以上、1未満であり、b値が-10以上、4未満、好ましくは-5以上、2未満、より好ましくは-2以上、1未満である。ここで、Lは明るさを表し、Lの値の範囲は0~100であり、ここで0は黒を表し、100は白を表す;aは赤から緑の範囲を表し、bは青から黄の範囲を表し、aおよびbの範囲は両方とも+60から-60であり、ここで+60aは赤で、徐々に-60aに移行して緑になり;同様に、+60bは黄で、-60bは青である。Lab色差の値は、分光測色計、例えば、コニカミノルタ社製「CM-5」(商品名)を用いて測定することができる。
本発明のモデル材クリア組成物の光硬化物は、高透明である。モデル材クリア組成物の光硬化物における透明性は、濁度計、例えば、日本電色工業社製「NDH2000」(商品名)を用いた全光線透過率測定により評価することができる。本発明のモデル材クリア組成物の光硬化物における全光線透過率は、厚さ2mmにおいて、80以上、好ましくは85以上である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。例中の「%」は、特記ない限り、質量%である。
[(1)モデル材クリア組成物]
(1-1.モデル材クリア組成物の調製)
実施例および比較例において用いたモデル材クリア組成物を構成する成分の詳細を表1に示す。
Figure 2023040911000004
以下の表2~4に示す各組成に従い、各モデル材クリア組成物を構成する成分を、それぞれ、混合攪拌装置を用いて均一に混合、撹拌して、実施例1~22および比較例1~4の各モデル材クリア組成物を調製した。
Figure 2023040911000005
Figure 2023040911000006
Figure 2023040911000007
(1-2.モデル材クリア組成物の評価方法)
実施例1~22および比較例1~4の各モデル材クリア組成物の粘度、保存安定性および硬化性を、以下に示す方法に従い評価した。各評価結果を表5~6に示す。
<1-2-1.粘度の評価方法>
JIS Z8803に準拠した方法により、R100型粘度計(東機産業社製)を用いて、温度25℃およびコーン回転数5rpmの条件下で、調製したモデル材クリア組成物の粘度(単位:mPa・s)を測定した。このとき測定した粘度を初期の粘度とし、以下の粘度変化率の評価に用いた。
<1-2-2.粘度変化率の評価方法>
粘度を測定した上記モデル材クリア組成物を、密閉したガラス瓶において60℃環境下30日間保存し、組成物の保存後の粘度を測定した。測定した保存前後の粘度から粘度変化率を求めた。粘度変化率の計算式は下記の式から求めた。
粘度変化率(%)={(保存後の粘度-初期の粘度)/(初期の粘度)}×100
測定した粘度変化率について、以下の評価基準に従い評価した。
〔粘度変化率の評価基準〕
◎:粘度変化率が3%未満
○:粘度変化率が3%以上、5%未満
△:粘度変化率が5%以上、10%未満
×:粘度変化率が10%以上
<1-2-3.硬化性の評価方法>
ガラス板(商品名「GLASS PLATE」、アズワン社製、200mm×200mm×厚さ5mm)の上面四辺に試験片の厚み(1mm)を有するスペーサーを配置し、試験片形状の型枠(20mm×20mm)に仕切った。型枠内に調製したモデル材クリア組成物を注型した後、別の上記ガラス板を重ねて乗せた。次いで、照射手段として中心波長385nmのUV-LEDにより上面下面にそれぞれ紫外線を所定の積算光量となるように照射し硬化させた。その後、硬化物をガラス板から離型し各試験片(20mm×20mm)を得た。
得られた試験片が、所定の積算光量で硬化しているかを確認した。測定された硬化性について、以下の評価基準に従い評価した。
〔硬化性の評価基準〕
◎:積算光量5J/cmで硬化した。
〇:積算光量7.5J/cmで硬化した。
△:積算光量15J/cmで硬化した。
×:積算光量15J/cmで未硬化部分がある
[(2)モデル材クリア組成物の硬化物]
(2-1.硬化物の作製および評価方法)
実施例1~22および比較例1~4のモデル材クリア組成物を光硬化させて、硬化物を作製し、各硬化物の引張強さ、色味および全光線透過率を評価した。硬化物の作製方法および評価方法を以下に示す。また、各評価結果を表5~6に示す。
<2-1-1.引張強さの評価方法>
実施例1~22および比較例1~4のモデル材クリア組成物を、それぞれ、紫外線硬化型インクジェット方式の造形装置を使用して、JIS K 7139:2009「プラスチック-試験片」に規定された多目的試験片タイプA1形状に準拠して造形したものを測定試料として、JIS K7162:1994「プラスチック-引っ張り特性の試験方法 第2部:型成形、押し出し成型および注型プラスチックの試験条件」に従い引張強さを測定した(造形条件:1層積層厚32μm、照度1000mW/cm、1層積算光量800mJ/cm)。
測定された引張強さについて、以下の評価基準に従い評価した。
〔評価基準〕
〇:30MPa以上の値を示した。
△:20MPa以上30MPa未満の値を示した。
×:20MPa未満の値を示した。
<2-1-2.硬化物の色味の評価方法>
実施例1~22および比較例1~4のモデル材クリア組成物から本明細書の段落[0152]に記載の方法で試験片を作成した。分光測色計「CM-5」(コニカミノルタ社製)を用い、この試料のLab色差を測定した。
測定したLab色差のL値、a値およびb値について、以下の評価基準に従い評価した。L、aおよびb値は、試料の色の色相、つまり色の色空間座標を表す。
〔Lの評価基準〕
〇:Lの値が95以上であった。
△:Lの値が90以上、95未満であった。
×:Lの値が90未満であった。
〔aの評価基準〕
〇:aの値が-2以上、2未満であった。
×:aの値が-2未満、2以上であった。
〔bの評価基準〕
◎:bの値が-2以上、1未満であった。
〇:bの値が-5以上、-2未満、または1以上、2未満であった。
△:bの値が-10以上、-5未満、または2以上、4未満であった。
×:bの値が-10未満、4以上であった。
<2-1-3.全光線透過率の評価>
実施例1~22および比較例1~4のモデル材クリア組成物から本明細書の段落[0152]に記載の方法で試験片を作成した。濁度計「NDH2000」(日本電色工業社製)を用い、この試料の全光線透過率を測定した。
測定した全光線透過率について、以下の評価基準に従い評価した。
〔全光線透過率の評価基準〕
〇:全光線透過率が85以上であった。
△:全光線透過率が80以上、85未満であった。
×:全光線透過率80未満であった。
<2-1-4.クリスタル調の評価>
得られたLab色差のL値、a値およびb値ならびに全光線透過率から、モデル材クリア組成物のクリスタル調について、以下の評価基準に従い評価した。
〔クリスタル調の評価基準〕
〇:L、a、bおよび全光線透過率のいずれの評価も◎もしくは〇であった。
△:L、a、bおよび全光線透過率のいずれか一つ以上の評価に△があり、×はなかった。
×:L、a、bおよび全光線透過率のいずれか一つ以上の評価に×があった。
[(3)実験結果]
実施例1~22および比較例1~4のモデル材クリア組成物の粘度、保存安定性および硬化性、並びに実施例1~22および比較例1~4のモデル材クリア組成物を光硬化させて作製した硬化物の引張強さ、色味および全光線透過率の評価結果を表5~6に示す。比較例2に関しては完全に硬化しなかったため一部評価を行わなかった。
Figure 2023040911000008
Figure 2023040911000009
表5および表6を参照して、本発明に従うモデル材クリア組成物は、一定以上の保存安定性および硬化性を有すると同時に、発明に従うモデル材クリア組成物の硬化物は、一定以上の引張強さを有し、黄色味が少なく、高透明かつクリスタル調のクリアなモデル材となることが確認された。
[(4)色材を配合したモデル材クリア組成物の硬化物]
(4-1.色材を配合したモデル材クリア組成物の硬化物の作製)
実施例2およびに比較例1のモデル材クリア組成物に、表7に示す割合に従い、色材(キニザリンブルー)を配合し、実施例23および比較例5の組成物を調製した。
(4-2.色材を配合した硬化物の評価方法)
実施例1~22および比較例1~4と同様の方法により、実施例23および比較例5のモデル材クリア組成物を硬化させた。次いで、実施例1~22および比較例1~4と同様の評価基準に従い、該硬化物の色味、全光線透過率およびクリスタル調を評価した。硬化物の色味および全光線透過率の評価結果を表7に示す。また、比較対象として実施例2および比較例1から作製した硬化物の色味および全光線透過率を再び表7に示す。
Figure 2023040911000010
表7を参照して、実施例23の通り色材を配合することで、本発明に従うモデル材クリア組成物の硬化物は、L、aおよび全光線透過率を損なうことなく、bを改善でき、より優れたクリスタル調のクリアなモデル材となることが確認された。一方、比較例5の通りbの絶対値が大きい組成物に色材を配合しbを改善しても、Lおよび全光線透過率を損ない、クリスタル調のクリアなモデル材が得られないことが確認された。

Claims (18)

  1. エチレン性不飽和化合物(A)、光重合開始剤、重合禁止剤および酸化防止剤を含んでなる、マテリアルジェット光造形法において使用されるモデル材クリア組成物であって、
    前記エチレン性不飽和化合物(A)が、
    ジシクロペンテニル基およびジシクロペンタニル基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有するエチレン性不飽和単量体(A1)を含み、
    前記光重合開始剤がアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤およびα-ヒドロキシアセトフェノン系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも1つの光重合開始剤であり、
    前記重合禁止剤がヒンダードアミン系重合禁止剤であり、
    前記酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤であり、
    前記開始剤、重合禁止剤および酸化防止剤の含有率(質量%)が下記式(1)および(2)
    光重合開始剤の含有率≧重合禁止剤の含有率≧酸化防止剤の含有率・・・(1)
    1≦√光重合開始剤の含有率/√[(重合禁止剤の含有率×10)+(酸化防止剤の含有率×100)]≦800 ・・・(2)
    を満たす、モデル材クリア組成物。
  2. エチレン性不飽和単量体(A1)は、エチレン性不飽和化合物(A)の総質量に対して30質量%以上の量で含まれる、請求項1に記載のモデル材クリア組成物。
  3. エチレン性不飽和化合物(A)は、
    分子内に脂肪族環状構造を有し、かつ、ウレタン基を有するエチレン性不飽和化合物(A2)を更に含む、請求項1又は2に記載のモデル材クリア組成物。
  4. エチレン性不飽和化合物(A2)は、エチレン性不飽和化合物(A)の総質量に対して10質量%以上の量で含まれる、請求項3に記載のモデル材クリア組成物。
  5. エチレン性不飽和化合物(A)は、
    エチレン性不飽和単量体(A3)(但し、前記エチレン性不飽和単量体(A1)およびエチレン性不飽和化合物(A2)を除く)を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のモデル材クリア組成物。
  6. 前記光重合開始剤が2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニル-フォスフィンオキサイドおよび1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンからなる群から選択される少なくとも1つの光重合開始剤である、請求項1~5のいずれかに記載のモデル材クリア組成物。
  7. 前記光重合開始剤の含有率が、0.5~15質量%である請求項1~6のいずれかに記載のモデル材クリア組成物。
  8. 前記重合禁止剤の含有率が、0.01~5質量%である請求項1~7のいずれかに記載のモデル材クリア組成物。
  9. 前記酸化防止剤の含有率が、0.001~3質量%である請求項1~8のいずれかに記載のモデル材クリア組成物。
  10. 表面調整剤をさらに含む請求項1~9のいずれかに記載のモデル材クリア組成物。
  11. 530~620nmに吸収波長をもつ色材をさらに含む請求項1~10のいずれかに記載のモデル材クリア組成物。
  12. 60℃の環境下にて30日間保存した前記モデル材クリア組成物の、保存前のモデル材クリア組成物に対する粘度変化率が10%未満である、請求項1~11のいずれかに記載のモデル材クリア組成物。
  13. 厚さ2mmにおいて、Lab表色系のL値が90以上であり、a値が-2以上2未満であり、b値が-10以上4未満である光硬化物を提供する、請求項1~12のいずれか一項に記載のモデル材クリア組成物。
  14. 請求項1~13のいずれかに記載のモデル材クリア組成物を光硬化させて得られる光硬化物。
  15. 請求項1~13のいずれかに記載のモデル材クリア組成物と、マテリアルジェット光造形法において使用されるモデル材カラー組成物とを含んでなる、マテリアルジェット光造形用組成物セット。
  16. 請求項1~13のいずれかに記載のモデル材クリア組成物と、マテリアルジェット光造形法によりサポート材を造形するためのサポート材組成物とを含んでなる、マテリアルジェット光造形用組成物セット。
  17. マテリアルジェット光造形法において使用されるモデル材カラー組成物をさらに含む請求項16に記載のマテリアルジェット光造形用組成物セット。
  18. マテリアルジェット光造形法により、請求項1~13のいずれかに記載のモデル材クリア組成物または請求項15~17のいずれかに記載のマテリアルジェット光造形用組成物セットを光硬化させて得られる光造形物。
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