JP2019131640A - サポート材用組成物及びそれを含む光造形用インクセット - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた水除去性とサポート力とを兼ね備えたサポート材を実現可能で、且つ、低温安定性に優れたサポート材用組成物を提供する。【解決手段】本発明に係るサポート材用組成物は、インクジェット光造形法により、造形物を形成するモデル材を支持するサポート材に使用されるサポート材用組成物であって、オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールと、水溶性単官能エチレン性不飽和単量体と、光重合開始剤とを含有し、前記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールの含有量が、前記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、15質量部以上75質量部以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット光造形法により、造形物を支持するサポート材に使用されるサポート材用組成物に関する。
近年、3Dプリンターを用いて造形物を作製する複数の方式が提案されている。その中でも、3Dプリンターによるインクジェット技術を用いたインクジェット光造形法が知られている。インクジェット光造形法は、インクジェットヘッドから吐出した硬化性インクに、紫外線等の光を照射して硬化し、積層して造形物を作製する方式である。インクジェット光造形法は、硬化性インクの微細な液滴を吐出して積層面を形成するため、高精度でなめらかな表面の造形物を得ることができ、精度が求められる造形物の作製に適している。
インクジェット光造形法では、底面部から立体的な造形物が形成されるため、そのまま造形することが難しい形状、例えば、庇(ひさし)等の形状の立体的な造形物を作製するために、造形物を形成するためのモデル材用インク、及び、作製時の造形物の形状を支えるためのサポート材用インクが、硬化性インクとして用いられる。このサポート材用インクが硬化したサポート材(サポート材硬化物)は最終的に除去され、モデル材用インクから形成される最終造形物が得られる。そのサポート材の除去方法の一つとして、サポート材を水により溶解して取り除く方法が挙げられる。例えば、特許文献1には、水溶性単官能エチレン性不飽和単量体と、オキシプロピレン基を含むアルキレンオキサイド付加物と、光重合開始剤とを含むサポート材が提案されている。
特許文献1に記載のサポート材は、水溶性に優れたオキシプロピレン基を含むアルキレンオキサイド付加物が一定量以上含まれている場合には、水溶性単官能エチレン性不飽和単量体が紫外線により重合した重合体に水溶解性を付与することができ、サポート材を水で除去できる。
特開2012−111226号公報
特許文献1に記載のサポート材に含まれるオキシプロピレン基を含むアルキレンオキサイド付加物、例えば、ポリプロピレングリコールは親水性が高いため、サポート材中の含有量を高くする程、サポート材は水で容易に除去可能となる。一方で、オキシプロピレン基を含むアルキレンオキサイド付加物、例えば、ポリプロピレングリコールのサポート材中の含有量が高くなる程、ポリプロピレングリコール(オキシプロピレン基を含むアルキレンオキサイド付加物)を含むサポート材は、空気中の水分を多量に取り込むため、自立性が低下し、サポート材のサポート力が低下するという問題がある。ここで、親水性とは、水との親和性が大きく、水に溶けやすい又は水に分散しやすい特性を意味する。
本発明は、優れた水除去性とサポート力とを兼ね備えたサポート材を実現するサポート材用組成物を提供するものである。
本発明のサポート材用組成物は、インクジェット光造形法により、造形物を形成するモデル材を支持するサポート材に使用されるサポート材用組成物であって、オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールを含有し、前記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールの含有量が、前記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、15質量部以上75質量部以下である。
本発明によれば、優れた水除去性とサポート力とを兼ね備えたサポート材を実現するサポート材用組成物を提供することができる。
以下、本発明のサポート材用組成物の実施形態について説明する。
本実施形態のサポート材用組成物は、インクジェット光造形法により、造形物を形成するモデル材を支持するサポート材に使用され、オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールを含有し、上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールの含有量が、上記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、15質量部以上75質量部以下である。本実施形態のサポート材用組成物は、立体造形物の作製時に、立体造形物を形成するモデル材を支持するサポート材として使用される。
本実施形態のサポート材用組成物は、オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールを、上記含有量で含有しているため、優れた水除去性とサポート力とを兼ね備えたサポート材を提供することができる。また、本実施形態のサポート材用組成物は、オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールを、上記含有量で含有しているため、低温安定性に優れたサポート材用組成物を提供することができる。上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールは水溶性ではあるが、サポート材を形成した時の、サポート材のサポート力を低下させるほどの親水性を有さない。但し、上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールは水溶性であるため、サポート材を形成した時の、サポート材の水除去性に優れている。ここで、水溶性とは、水に溶解し得る又は水に分散し得る特性を意味する。また、上記サポート材用組成物は、低温時に凝固(固化)して流動性を失うこともなく、低温安定性に優れている。
より具体的には、本実施形態のサポート材用組成物は、上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールと、水溶性単官能エチレン性不飽和単量体と、光重合開始剤とを含有している。これにより、優れた水除去性とサポート力とを兼ね備えたサポート材を実現可能で、且つ、低温安定性に優れたサポート材用組成物を提供することができる。
前述のとおり、上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールの含有量は、上記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、15質量部以上75質量部以下である。上記含有量が15質量部を下回ると、サポート材の親水性が低下するため、サポート材の水除去性が低下し、上記含有量が75質量部を上回ると、重合性成分の水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の添加量が低下しサポート材が軟化して自立性が低下するため、サポート材のサポート力が低下する。
上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコール以外の各成分の含有量は、上記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、上記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の含有量は19質量部以上80質量部以下であることが好ましく、上記光重合開始剤の含有量は2質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
本実施形態のサポート材用組成物は、表面調整剤を更に含有することが好ましく、上記表面調整剤の含有量は、上記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、0.005質量部以上3.0質量部以下であることが好ましい。上記表面調整剤を含有することにより、サポート材用組成物の表面張力を調整し、インクジェットで用いられるサポート材用組成物に適した表面張力にする効果がある。
本実施形態のサポート材用組成物は、水溶性有機溶剤を更に含有することが好ましく、上記水溶性有機溶剤の含有量は、上記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましい。上記水溶性有機溶剤を含有することにより、サポート材用組成物の粘度を調整し、インクジェットで用いられるサポート材用組成物に適した粘度にする効果がある。
本実施形態のサポート材用組成物は、保存安定化剤を更に含有することが好ましい。これにより、上記サポート材用組成物を長期間保存しても、上記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の重合を抑制でき、上記サポート材用組成物をインクジェットプリンターで吐出した際のヘッド詰まりを防止することができる。
以下、本実施形態のサポート材用組成物の各成分について説明する。
<オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコール>
上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールは、サポート材に適度の親水性を付与するための水溶性樹脂であり、これを添加することにより水除去性とサポート力とを兼ね備えたサポート材を得ることができる。上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールは、オキシブチレン基を含んでいれば、特にそのアルキレン部分の構造は限定されず、例えば、オキシブチレン基(オキシテトラメチレン基)のみを有するポリブチレングリコール単体であってもよく、また、オキシブチレン基と他のオキシアルキレン基とを共に有するポリブチレンポリオキシアルキレングリコール(例えば、ポリブチレンポリエチレングリコール)であってもよい。但し、特許文献1に記載のオキシプロピレン基を含むアルキレンオキサイド付加物を除く場合には、上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールは、オキシブチレン基と、オキシプロピレン基を除くオキシアルキレン基とを共に有するポリブチレンポリオキシアルキレングリコールとなる。
上記ポリブチレングリコールは、下記化学式(1)で示され、上記ポリブチレンポリエチレングリコールは、下記化学式(2)で示される。
HO(CH2CH2CH2CH2O)nH (1)
HO(CH2CH2CH2CH2O)m(C24O)nH (2)
上記化学式(1)において、nは5〜400の整数であることが好ましく、5〜250であることがより好ましい。上記化学式(2)において、mは5〜300の整数であることが好ましく、nは2〜150の整数であることが好ましい。より好ましくは、mは6〜200、nは3〜100である。また、化学式(1)及び化学式(2)中のオキシブチレン基は、直鎖であっても良いが、分岐していても良い。
<水溶性単官能エチレン性不飽和単量体>
上記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体は、重合してサポート材の構成成分となりサポート力を発揮するものである。上記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体は、水溶性ではあるが、サポート材に硬さを付与し、サポート能力を向上させる。
上記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体としては、例えば、炭素数(C)5〜15の水酸基含有(メタ)アクリレート〔例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等〕、数平均分子量(Mn)200〜1000のアルキレンオキサイド付加物含有(メタ)アクリレート〔例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、モノアルコキシ(C1〜4)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、モノアルコキシ(C1〜4)ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びPEG−PPGブロックポリマーのモノ(メタ)アクリレート等〕、C3〜15の(メタ)アクリルアミド誘導体〔例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−(エチルメタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド及びN−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等〕、及び(メタ)アクリロイルモルホリン等が使用できる。上記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前述のとおり、上記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の含有量は、上記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、19質量部以上80質量部以下であることが好ましい。上記含有量が19質量部を下回ると、サポート材のサポート力が低下する傾向があり、上記含有量が80質量部を上回ると、サポート材の水除去性が低下する傾向がある。
本実施形態のサポート材用組成物において、上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールと、上記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の好ましい含有質量比率は、オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコール:水溶性単官能エチレン不飽和単量体=3:16〜15:4である。
<光重合開始剤>
上記光重合開始剤は、エネルギー線によって単量体の重合反応又は架橋反応を開始させるものであり、本実施形態のサポート材用組成物が上記光重合開始剤を含むことにより、インクジェット光造形法により吐出された上記サポート材用組成物をエネルギー線の照射によって硬化させることができる。
上記光重合開始剤に照射されるエネルギー線としては、例えば、200〜400nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、LED光線又はイオンビーム等から適宜選択して使用することができる。中でも低消費電力の観点からLED光線が望ましい。
上記光重合開始剤としては、低エネルギーで重合を開始させることができれば特に限定されないが、アシルフォスフィンオキサイド化合物、α−アミノアルキルフェノン化合物、及びチオキサントン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む光重合開始剤を用いることが好ましい。特に、アシルフォスフィンオキサイド化合物とチオキサントン化合物との組み合わせ、α−アミノアルキルフェノン化合物とチオキサントン化合物との組み合わせが好ましい。
上記アシルフォスフィンオキサイド化合物としては、具体的には、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、4−メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、4−エチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、4−イソプロピルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、1−メチルシクロヘキサノイルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。市場で入手可能なアシルフォスフィンオキサイド化合物としては、例えば、BASF社製の“DAROCURE TPO”等が挙げられる。
上記α−アミノアルキルフェノン化合物としては、具体的には、例えば、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メトキシチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−2−オン等が挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。市場で入手可能なα−アミノアルキルフェノン化合物としては、例えば、BASF社製の“IRGACURE 369”、“IRGACURE 907”等が挙げられる。
上記チオキサントン化合物としては、具体的には、例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。市場で入手可能なチオキサントン化合物としては、例えば、日本化薬社製の“MKAYACURE DETX−S”、ダブルボンドケミカル社製の“Chivacure ITX”等が挙げられる。
前述のとおり、上記光重合開始剤の含有量は、上記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、2質量部以上20質量部以下であることが好ましい。上記含有量が2質量部を下回ると、サポート材の硬化性が低下する傾向があり、上記含有量が20質量部を上回ると、上記サポート材用組成物の低温安定性が低下する傾向がある。即ち、上記サポート材用組成物が低温となって溶解度が下がると、光重合開始剤が溶けきらなくなり析出する傾向がある。
本実施形態のサポート材用組成物は、その他の成分として、表面調整剤、水溶性有機溶剤、保存安定化剤等の添加剤を含んでいてもよい。
<表面調整剤>
上記表面調整剤としては、シリコーン化合物、フッ素化合物等が挙げられる。これらの中でもシリコーン化合物が好ましい。上記表面調整剤を含有することにより、サポート材用組成物の表面張力を調整し、インクジェットで用いられるサポート材用組成物に適した表面張力にする効果がある。
上記シリコーン化合物としては、具体的には、例えば商品名として、ビックケミー社製のBYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−344、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−UV3500、BYK−UV3510、BYK−UV3570;エボニック・ジャパン社製のTEGO−Rad2100、TEGO−Rad2200N、TEGO−Rad2250、TEGO−Rad2300、TEGO−Rad2500、TEGO−Rad2600、TEGO−Rad2700;共栄社化学社製のグラノール100、グラノール115、グラノール400、グラノール410、グラノール435、グラノール440、グラノール450、B−1484、ポリフローATF−2、KL−600、UCR−L72、UCR−L93等が挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。
前述のとおり、上記表面調整剤の含有量は、上記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、0.005質量部以上3.0質量部以下であることが好ましい。上記含有量が0.005質量部を下回ると、表面調整剤の効果を発揮できない傾向があり、上記含有量が3.0質量部を上回ると、上記サポート材用組成物において未溶解物が生じたり、泡立ちを引き起こす傾向がある。
<水溶性有機溶剤>
上記水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、3,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,5−ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、スルホラン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−チオジエタノール、3−ピリジルカルビノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールn−プロピルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、トリエチレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールn−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールn−ヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル等が挙げられる。
上記水溶性有機溶剤を含有することにより、サポート材用組成物の粘度を調整し、インクジェットで用いられるサポート材用組成物に適した粘度にする効果がある。
前述のとおり、上記水溶性有機溶剤の含有量は、上記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましい。上記含有量が30質量部を上回ると、サポート材から水溶性有機溶剤が分離して滲み出してしまい、サポート能力が低下する傾向がある。
<保存安定化剤>
上記保存安定化剤としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物(HALS)、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。具体的には、ハイドロキノン、メトキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノブチルエーテル、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl、t−ブチルカテコール、ピロガロール等が挙げられる。これらの保存安定化剤は、単独で又は複数組み合わせて用いることができる。
上記保存安定化剤の中でも、HALS、メトキノン及びハイドロキノンが好ましい。特に、HALSとメトキノンとの組み合わせ、HALSとハイドロキノンとの組み合わせで用いることが好ましい。
上記保存安定化剤の含有量は、通常、上記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、0.005質量部以上1質量部以下として用いられる。より好ましくは、0.05質量部以上0.5質量部以下である。
本実施形態のサポート材用組成物は、任意のモデル材用組成物と共に使用される。また、本実施形態のサポート材用組成物は、任意のモデル材用組成物と組み合わせて光造形用インクセットを構成することもできる。
以下、上記実施形態のサポート材用組成物と共に用いることができるモデル材用組成物の実施形態について具体的に説明する。
本実施形態のモデル材用組成物は、単官能エチレン性不飽和単量体(a)と、二官能以上の多官能エチレン性不飽和単量体(b)と、オリゴマー(c)と、光重合開始剤(d)と、表面調整剤(e)と、を含有する。
本実施形態のモデル材用組成物における特に好ましい組成は、上記モデル材用組成物の全質量100質量部に対して、19〜49質量部の単官能エチレン性不飽和単量体(a)と、15〜50質量部の二官能以上の多官能エチレン性不飽和単量体(b)と、10〜45質量部のオリゴマー(c)と、3〜15質量部の光重合開始剤(d)と、0.005〜3.0質量部の表面調整剤(e)と、を含有する。
<単官能エチレン性不飽和単量体(a)>
単官能エチレン性不飽和単量体(a)は、光照射により重合して、モデル材用組成物を硬化させる成分である。上記(a)成分の含有量は、上記モデル材用組成物の全質量100質量部に対して、19〜49質量部とする。上記(a)成分の含有量が19質量部未満であると、モデル材用組成物を光硬化させて得られるモデル材は、硬化収縮が大きくなる。その結果、モデル材の寸法精度が悪化する。一方、上記(a)成分の含有量が49質量部を超えると、モデル材用組成物を光硬化させて得られるモデル材には、硬化性不足が生じる。その結果、モデル材の寸法精度が悪化する。上記(a)成分の含有量は、25質量部以上であることが好ましく、47質量部以下であることが好ましい。
上記(a)成分は、エネルギー線により硬化する特性を有する分子内にエチレン性二重結合を1個有する重合性モノマーである。上記(a)成分としては、例えば、炭素数4〜30の直鎖又は分岐のアルキル(メタ)アクリレート〔例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート等〕、炭素数6〜20の脂環含有(メタ)アクリレート〔例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等〕、炭素数5〜20の複素環含有(メタ)アクリレート〔例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、アダマンチル(メタ)アクリレート等〕、アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記(a)成分が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各(a)成分の含有量の合計として定める。
これらの中でも、モデル材用組成物の硬化性を向上させる観点から、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、及び、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートであることが好ましい。更に、モデル材用組成物が光硬化時の温度(50〜90℃)に耐え得る耐熱性を有することにより、モデル材の寸法精度を向上させる観点から、イソボルニル(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
<二官能以上の多官能エチレン性不飽和単量体(b)>
二官能以上の多官能エチレン性不飽和単量体(b)は、光照射により重合して、モデル材用組成物を硬化させる成分である。上記(b)成分の含有量は、モデル材用組成物の全質量100質量部に対して、15〜50質量部とする。上記(b)成分の含有量が15質量部未満であると、モデル材用組成物を光硬化させて得られるモデル材には、硬化性不足が生じる。その結果、モデル材の寸法精度が悪化する。一方、上記(b)成分の含有量が50質量部を超えると、モデル材用組成物を光硬化させて得られるモデル材は、硬化収縮が大きくなる。その結果、モデル材の寸法精度が悪化する。上記(b)成分の含有量は、20質量部以上であることが好ましく、45質量部以下であることが好ましい。
上記(b)成分は、エネルギー線により硬化する特性を有する分子内にエチレン性二重結合を2個以上有する重合性モノマーである。上記(b)成分としては、例えば、炭素数10〜25の直鎖又は分岐のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート又はアルキレングリコールトリ(メタ)アクリレート〔例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等〕、炭素数10〜30の脂環含有ジ(メタ)アクリレート〔例えば、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等〕等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記(b)成分が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各(b)成分の含有量の合計として定める。
これらの中でも、モデル材用組成物の硬化性を向上させる観点から、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、及び、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートであることが好ましい。更に、モデル材用組成物が光硬化時の温度(50〜90℃)に耐え得る耐熱性を有することにより、モデル材の寸法精度を向上させる観点から、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、又は、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
<オリゴマー(c)>
オリゴマー(c)は、光照射により重合してモデル材用組成物を硬化させ、且つ、該硬化により得られるモデル材の破断強度を高める成分である。上記(c)成分の含有量は、モデル材用組成物の全質量100質量部に対して、10〜45質量部とする。上記(c)成分の含有量が10質量部未満であると、モデル材用組成物を光硬化させて得られるモデル材には、硬化収縮がやや大きくなる。その結果、モデル材の寸法精度が悪化する可能性がある。また、モデル材用組成物を光硬化させて得られるモデル材の破断強度が劣る。一方、上記(c)成分の含有量が45質量部を超えると、モデル材用組成物の粘度が高くなる。そのため、モデル材用組成物をインクジェットヘッドから吐出させる際、ジェッティング特性が悪化して、飛行曲がりを起こす可能性がある。その結果、モデル材用組成物を光硬化させて得られるモデル材の寸法精度が悪化する可能性がある。上記(c)成分の含有量は、15質量部以上であることが好ましく、30質量部以下であることが好ましい。
上記(c)成分としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。これらの中でも、モデル材用組成物の硬化性を向上させる観点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、及び、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーから選択される1種以上であることが好ましい。更に、モデル材用組成物が光硬化時の温度(50〜90℃)に耐え得る耐熱性を有することにより、モデル材の寸法精度を向上させる観点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであることがより好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記(c)成分が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各(c)成分の含有量の合計として定める。
本明細書中において「オリゴマー」は、重量平均分子量が800〜10000である。ここで、重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
<光重合開始剤(d)>
光重合開始剤(d)は、紫外線、近紫外線又は可視光領域の波長の光を照射するとラジカル反応を促進する化合物であれば、特に限定されない。上記(d)成分としては、例えば、炭素数14〜18のベンゾイン化合物〔例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等〕、炭素数8〜18のアセトフェノン化合物〔例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等〕、炭素数14〜19のアントラキノン化合物〔例えば、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等〕、炭素数13〜17のチオキサントン化合物〔例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等〕、炭素数16〜17のケタール化合物〔例えば、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等〕、炭素数13〜21のベンゾフェノン化合物〔例えば、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等〕、炭素数22〜28のアシルフォスフィンオキサイド化合物〔例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド〕、これらの化合物の混合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、モデル材用組成物を光硬化させて得られるモデル材が黄変しにくいという耐光性の観点から、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドであることが好ましい。また、入手可能なアシルフォスフィンオキサイド化合物としては、例えば、BASF社製の“DAROCURE TPO”等が挙げられる。
上記(d)成分の含有量は、モデル材用組成物の全質量100質量部に対して、3〜15質量部である。上記(d)成分の含有量が上記範囲であると、モデル材用組成物の硬化性が良好となり、モデル材の寸法精度が向上する。上記(d)成分の含有量は、5質量部以上であることが好ましく、13質量部以下であることが好ましい。上記(d)成分が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各(d)成分の含有量の合計として定める。
<表面調整剤(e)>
表面調整剤(e)は、モデル材用組成物の表面張力を適切な範囲に調整するために含有させる。モデル材用組成物の表面張力を適切な範囲に調整することにより、モデル材用組成物とサポート材用組成物とが界面で混ざり合うこと(いわゆるブリーディング)を抑制することができる。その結果、モデル材用組成物とサポート材用組成物とを用いて、寸法精度が良好な光造形品を得ることができる。この効果を得るため、上記(e)成分の含有量は、モデル材用組成物の全質量100質量部に対して、0.005〜3.0質量部とする。
上記(e)成分としては、例えば、シリコーン系化合物等が挙げられる。シリコーン系化合物としては、例えば、ポリジメチルシロキサン構造を有するシリコーン系化合物等が挙げられる。具体的には、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリアラルキル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。具体的には、例えば商品名として、ビックケミー社製のBYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−344、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−UV3500、BYK−UV3510、BYK−UV3570;エボニック・ジャパン社製のTEGO−Rad2100、TEGO−Rad2200N、TEGO−Rad2250、TEGO−Rad2300、TEGO−Rad2500、TEGO−Rad2600、TEGO−Rad2700;共栄社化学社製のグラノール100、グラノール115、グラノール400、グラノール410、グラノール435、グラノール440、グラノール450、B−1484、ポリフローATF−2、KL−600、UCR−L72、UCR−L93等を用いてもよい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記(e)成分が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各(e)成分の含有量の合計として定める。
<保存安定化剤(f)>
本実施形態のモデル材用組成物は、更に、保存安定化剤(f)を含有することが好ましい。保存安定化剤(f)は、モデル材用組成物の保存安定性を高めることができる。また、熱エネルギーにより重合性化合物が重合することで生じるヘッド詰まりを防止することができる。これらの効果を得るため、上記(f)成分の含有量は、モデル材用組成物の全質量100質量部に対して、0.05〜3.0質量部であることが好ましい。
上記(f)成分としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物(HALS)、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。具体的には、ハイドロキノン、メトキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノブチルエーテル、TEMPO、4−ヒドロキシ−TEMPO、TEMPOL、クペロンAl、IRGASTAB UV-10、IRGASTAB UV-22、FIRSTCURE ST−1(ALBEMARLE社製)、t−ブチルカテコール、ピロガロール、BASF社製のTINUVIN 111 FDL、TINUVIN 144、TINUVIN 292、TINUVIN XP40、TINUVIN XP60、TINUVIN 400等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記(f)成分が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各(f)成分の含有量の合計として定める。
<アミン変性された反応性オリゴマー(g)>
本実施形態のモデル材用組成物は、更にアミン変性された反応性オリゴマー(g)を含有することができる。アミン変性された反応性オリゴマー(g)は、分子内に少なくとも1つ以上のアミノ基(第三級アミン骨格)を有する反応性オリゴマーである。このような反応性オリゴマー(g)としては、例えば、アミン変性ポリエーテル(メタ)アクリレート、アミン変性ポリエステル(メタ)アクリレート、アミン変性エポキシ(メタ)アクリレート、アミン変性ウレタン(メタ)アクリレート等のアミン変性オリゴマーが挙げられる。これらは、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
使用するアミン変性された反応性オリゴマー(g)の重量平均分子量は、好ましくは500以上、より好ましくは600以上であることが、モデル材の硬化収縮低減の点から望ましい。また、アミン変性された反応性オリゴマー(g)の重量平均分子量は、好ましくは2000以下、より好ましくは1500以下であることが、モデル材用組成物の低粘度化の点から望ましい。ここで、重量平均分子量は、オリゴマー単体をGPCにより測定(溶媒:テトラヒドロフラン)したポリスチレン換算の分子量である。
アミン変性された反応性オリゴマー(g)の含有量は、モデル材用組成物の全質量に対して、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であることが、モデル材用組成物の硬化性の点から望ましい。また、アミン変性された反応性オリゴマー(g)の含有量は、モデル材用組成物の全質量に対して、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下であることが、モデル材用組成物又は造形物の吸湿性を増加させない点から望ましい。
上記モデル材用組成物には、必要により、その他の添加剤を含有させることができる。その他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、充填剤等が挙げられる。
本実施形態のモデル材用組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、上記(a)〜(e)成分、及び、必要により、上記(f)成分、上記(g)成分、その他の添加剤を、混合攪拌装置等を用いて均一に混合することにより、製造することができる。
このようにして製造された本実施形態のモデル材用組成物は、インクジェットヘッドからの吐出性を良好にする観点から、25℃における粘度が、70mPa・s以下であることが好ましい。モデル材用組成物の粘度の測定は、日本工業規格(JIS)Z 8803に準拠し、R100型粘度計を用いて行うことができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、特に指摘がない場合、下記において、「部」は「質量部」を意味する。
表1に、下記の実施例及び比較例において、サポート材用組成物に使用した成分を示す。
Figure 2019131640
(実施例1〜10及び比較例1〜8)
先ず、実施例1〜10及び比較例1〜8のサポート材用組成物を次のようにして調製した。即ち、プラスチック製ビンに、表2〜3に示す成分(A)〜(G)を表2〜3に示す配合量(単位:質量部)で計り取り、これらを混合することにより各サポート材用組成物を調製した。
Figure 2019131640
Figure 2019131640
次に、上記実施例1〜10及び比較例1〜8のサポート材用組成物について、下記に示す方法によって、サポート材用組成物の低温安定性、サポート材用組成物を硬化したサポート材硬化物の高温高湿条件安定性(サポート力)及び水除去性を評価した。
<サポート材用組成物の低温安定性>
低温でのサポート材用組成物の安定性について評価した。融点が低い材料(例えばPEG等)の場合、低温では、融点を下回り凍った状態となり、液体状態を維持しない。また、低温で溶解度が下がり光重合開始剤が溶けきらなくなり、析出する傾向にある。具体的には、各サポート材用組成物をガラス瓶に入れ、そのサポート材用組成物入りガラス瓶を温度10℃に設定した恒温槽中で24時間保管した。その後、保管後のサポート材用組成物の状態を目視で確認して、下記基準でサポート材用組成物の低温安定性を評価した。
サポート材用組成物が液体状を維持している場合:低温安定性は優良(○)
サポート材用組成物が一部凝固(固化)している場合:低温安定性は良(△)
サポート材用組成物が凝固(固化)している場合:低温安定性は不良(×)
<サポート材硬化物のサポート力>
ガラス板上に、縦30mm、横30mm、厚さ5mmの額縁状のシリコンゴムにより枠を形成し、その枠の中に各サポート材用組成物を流し込み、メタルハライドランプにより積算光量500mJ/cm2の紫外線を照射し、サポート材硬化物を作製した。続いて、上記硬化物をガラス製シャーレに入れ、その硬化物入りシャーレを温度40℃、相対湿度90%の恒温槽中に2時間放置した。その後、放置後の上記硬化物の状態を目視で確認して、下記基準でサポート材硬化物のサポート力を評価した。
硬化物の表面に液体状物質の発生がなく、硬化物の軟化も確認されない場合:サポート力は優良(○)
硬化物の表面に液体状物質がわずかに発生し、硬化物の軟化が若干確認された場合:サポート力は良(△)
硬化物の表面に液体状物質が発生し、硬化物の軟化が確認された場合:サポート力は不良(×)
<サポート材硬化物の水除去性>
上記サポート材硬化物のサポート力の評価の場合と同様にして、サポート材硬化物を作製した。次に、上記硬化物を、50mLのイオン交換水を満たしたビーカーに入れ、水温を25℃に維持しながら超音波洗浄機で処理し、上記硬化物が溶解するまでの時間を測定し、下記基準でサポート材硬化物の水除去性を評価した。
硬化物が完全に溶解するまでに30分を要した場合:水除去性は優良(○)
硬化物が完全に溶解するまでに1時間を要した場合:水除去性は良(△)
硬化物が完全に溶解するまでに2時間を要した場合:水除去性は不良(×)
以上の結果を表4〜5に示す。
Figure 2019131640
Figure 2019131640
表4〜5から、実施例1〜10のサポート材用組成物は、全ての評価項目で満足できる結果を得たことが分かる。一方、水溶性樹脂としてポリエチレングリコールを用いた比較例1〜3では、全てサポート力は優れているものの、比較例2及び3では、低温安定性が劣り、水溶性樹脂としてポリプロピレングリコールを用いた比較例4〜6では、全て低温安定性は優れているものの、比較例5及び6では、サポート力が劣った。また、PTMGの含有量が15質量部を下回った比較例7では水除去性が劣り、PTMGの含有量が75質量部を超えた比較例8では、サポート力が劣った。また、比較例5及び6では、親水性の高いPPGを比較的多く使用しているため、サポート材硬化物の表面に液体状物質が発生し、サポート材硬化物の軟化も認められサポート能力が低下したと考えられる。
次に、上記で作製したサポート材用組成物と、下記のように作製したモデル材用組成物とを組み合わせてサポート材とモデル材とからなる硬化物を形成し、サポート材とモデル材との密着性、サポート材の水除去性、及びサポート材用組成物とモデル材用組成物とのブリーディングを評価した。
先ず、表6に示す成分(a)〜(g)を、表7及び表8に示す配合量(単位:質量部)で計り取り、これらを混合することにより、モデル材用組成物M1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、M8、M9及びM10を調製した。
Figure 2019131640
Figure 2019131640
Figure 2019131640
次に、表9及び表10に示すように、上記で作製したモデル材用組成物と、先に実施例2〜6及び比較例7で作製したサポート材用組成物とを組み合わせて、下記のようにして、モデル材とサポート材とからなる光造形硬化物を作製した。
先ず、ガラス板(アズワン社製、商品名“GLASS PLATE”、縦200mm、横200mm、厚さ5mm)の上面四辺に厚さ1mmのスペーサーを配し、10cm×10cmの正方形に仕切った。この正方形内に各サポート材用組成物を注入した後、照射手段として紫外線LED(日亜化学工業社製、“NCCU001E”)を用い、全照射光量が500mJ/cm2となるように紫外線を照射して硬化させ、サポート材を得た。
次に、上記サポート材の周囲四辺に厚さ1mmのスペーサーを配し、10cm×10cmの正方形に仕切った。この正方形内に各モデル材用組成物を注入した後、照射手段として紫外線LED(日亜化学工業社製、“NCCU001E”)を用い、全照射光量が500mJ/cm2となるように紫外線を照射して硬化させ、モデル材を得た。
続いて、上記で作製したモデル材とサポート材とからなる光造形硬化物を用いて、サポート材とモデル材との密着性及びサポート材の水除去性を評価した。
<密着性>
作製した光造形硬化物を、30℃の恒温槽に12時間放置した後、モデル材とサポート材との密着性の様子を目視にて確認し、下記基準でサポート材とモデル材との密着性を評価した。
モデル材とサポート材とが密着していた場合:密着性は優良(○)
モデル材とサポート材とが密着していたが、モデル材とサポート材との界面を爪でひっかくと剥がれが生じた場合:密着性は良(△)
モデル材とサポート材との界面で剥がれが生じ、モデル材の硬化収縮でモデル材が反るように剥がれた場合:密着性は不良(×)
<水除去性>
上記光造形硬化物を、50mLのイオン交換水を満たしたビーカーに入れ、水温を25℃に維持しながら超音波洗浄機で処理し、上記硬化物が溶解するまでの時間を測定し、下記基準でサポート材の水除去性を評価した。
硬化物が完全に溶解するまでに30分を要した場合:水除去性は優良(○)
硬化物が完全に溶解するまでに1時間を要した場合:水除去性は良(△)
硬化物が完全に溶解するまでに2時間を要した場合:水除去性は不良(×)
次に、上記モデル材用組成物と、先に実施例2〜6及び比較例7で作製したサポート材用組成物とを組み合わせて、ブリーディングを評価した。
<ブリーディング>
先ず、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルム(東洋紡社製、“A4300”、縦100mm、横150mm、厚さ188μm)の上に、表9及び表10に示す組み合わせのモデル材用組成物及びサポート材用組成物を、マイクロピペットを用いて、各0.02mL滴下した。この際、モデル材用組成物及びサポート材用組成物の滴下位置を、それぞれの液滴の中心部同士の距離が10mmとなるように設定し、且つ、それぞれの液滴は独立するように滴下した。その後、それぞれの液滴は徐々に濡れ広がり、約10秒後にそれぞれの液滴が結合した。この際、それぞれの液滴の界面の状態を上方から目視により観察し、下記の基準でブリーディングを評価した。
モデル材用組成物からなる層とサポート材用組成物からなる層との界面が上面視で直線状になり、ブリーディングを起こさなかった場合:ブリーディング評価は優良(○)
モデル材用組成物からなる層とサポート材用組成物からなる層との界面において、モデル材用組成物がサポート材用組成物側に移動することにより、にじみが生じた場合(M→S):ブリーディング評価は不良(×)
モデル材用組成物からなる層とサポート材用組成物からなる層との界面において、サポート材用組成物がモデル材用組成物側に移動することにより、にじみが生じた場合(S→M):ブリーディング評価は不良(×)
以上の結果を表9及び表10に示す。
Figure 2019131640
Figure 2019131640
<密着性>
表9及び表10の結果から分かるように、光造形硬化物1〜6、9〜11は、モデル材とサポート材とが密着していた。一方、モデル材用組成物の(a)成分の含有量が19質量部を下回った光造形硬化物7、及び、モデル材用組成物の(b)成分の含有量が50質量部を上回った光造形硬化物8は、モデル材とサポート材との界面で剥がれが生じた。このように、モデル材とサポート材との密着性が悪いと、光造形硬化物の寸法精度が悪化する。
<水除去性>
表9及び表10の結果から分かるように、本発明に係る実施形態のサポート材用組成物を用いた光造形硬化物1〜10では、全て水除去性は優れていた。一方、比較例7のサポート材用組成物を用いた光造形硬化物11では、水除去性は劣っていた。
<ブリーディング>
表9及び表10の結果から分かるように、光造形硬化物1〜8、11では、モデル材用組成物からなる層とサポート材用組成物からなる層との界面が直線状になり、ブリーディングを起こさなかった。一方、モデル材用組成物の(e)成分の含有量が0.005質量部を下回った光造形硬化物9、及び、モデル材用組成物の(e)成分の含有量が3.0質量部を上回った光造形硬化物10では、ブリーディングが生じた。
本発明は、優れた水除去性とサポート力とを兼ね備えたサポート材を実現可能で、且つ、低温安定性に優れたサポート材用組成物を提供でき、インクジェット光造形法に使用されるサポート材用インクに広く適用できる。

Claims (9)

  1. インクジェット光造形法により、造形物を形成するモデル材を支持するサポート材に使用されるサポート材用組成物であって、
    オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールを含有し、
    前記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールの含有量が、前記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、15質量部以上75質量部以下であるサポート材用組成物。
  2. 前記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールと、水溶性単官能エチレン性不飽和単量体と、光重合開始剤とを含有する請求項1に記載のサポート材用組成物。
  3. 前記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、前記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の含有量が19質量部以上80質量部以下であり、前記光重合開始剤の含有量が、2質量部以上20質量部以下である請求項2に記載のサポート材用組成物。
  4. 表面調整剤を更に含有し、
    前記表面調整剤の含有量が、前記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、0.005質量部以上3.0質量部以下である請求項2又は3に記載のサポート材用組成物。
  5. 水溶性有機溶剤を更に含有し、
    前記水溶性有機溶剤の含有量が、前記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、30質量部以下である請求項2〜4のいずれか1項に記載のサポート材用組成物。
  6. 保存安定化剤を更に含有する請求項2〜5のいずれか1項に記載のサポート材用組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のサポート材用組成物と、モデル材用組成物とを含む光造形用インクセット。
  8. 前記モデル材用組成物は、単官能エチレン性不飽和単量体と、二官能以上の多官能エチレン性不飽和単量体と、オリゴマーと、光重合開始剤と、表面調整剤とを含む請求項7に記載の光造形用インクセット。
  9. 前記モデル材用組成物の全質量100質量部に対して、19〜49質量部の単官能エチレン性不飽和単量体と、15〜50質量部の二官能以上の多官能エチレン性不飽和単量体と、10〜45質量部のオリゴマーと、3〜15質量部の光重合開始剤と、0.005〜3.0質量部の表面調整剤とを含む請求項7又は8に記載の光造形用インクセット。
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