JP2019206113A - サポート材組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた水除去性とサポート力とを兼ね備えたサポート材を実現可能で、且つ、低温安定性に優れたサポート材組成物を提供する。【解決手段】本発明に係るサポート材組成物は、インクジェット光造形法により、造形物を形成するモデル材を支持するサポート材に使用されるサポート材組成物であって、重量平均分子量が300以上のオキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールと、水溶性単官能エチレン性不飽和単量体と、光重合開始剤とを含有し、前記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の含有量が、前記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、15質量部以上80質量部以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット光造形法により、造形物を支持するサポート材に使用されるサポート材組成物に関する。
近年、3Dプリンターを用いて造形物を造形する複数の方式が提案されている。その中でも、3Dプリンターとしてインクジェット技術を用いたインクジェット光造形法が知られている。インクジェット光造形法は、インクジェットヘッドから吐出した硬化性組成物に、紫外線等の光を照射して硬化し、積層して造形物を造形する方式である。インクジェット光造形法は、微細な硬化性組成物を吐出して積層面を造形するため、高精度でなめらかな表面の造形物を得ることができ、精度が求められる造形物の造形に適している。
インクジェット光造形法では、底面から立体的な造形物が形成されるため、そのまま積層することが難しい。例えば、庇(ひさし)等の形状の立体的な造形物を造形するために、造形物を形成するためのモデル材組成物、及び、造形時の造形物の形状を支えるサポート材組成物が、硬化性組成物として用いられる。このサポート材組成物が硬化したサポート材(サポート材硬化物)は造形後に除去され、モデル材組成物から形成される最終造形物が得られる。そのサポート材の除去方法の一つとして、サポート材を水により溶解して取り除く方法が挙げられる。例えば、特許文献1には、水溶性単官能エチレン性不飽和単量体と、オキシプロピレン基を含むアルキレンオキサイド付加物と、光重合開始剤とを含むサポート材が提案されている。
特許文献1に記載のサポート材は、水溶性に優れたオキシプロピレン基を含むアルキレンオキサイド付加物が一定量以上含まれている場合には、水溶性単官能エチレン性不飽和単量体が紫外線により重合した重合体に水溶解性を付与することができ、サポート材を水で除去できる。
特開2012−111226号公報
特許文献1に記載のサポート材に含まれるオキシプロピレン基を含むアルキレンオキサイド付加物、例えば、ポリプロピレングリコールは親水性が高いため、サポート材中の含有量を高くする程、造形後サポート材は水で容易に除去可能となる。一方で、オキシプロピレン基を含むアルキレンオキサイド付加物、例えば、ポリプロピレングリコールのサポート材中の含有量が高くなる程、ポリプロピレングリコール(オキシプロピレン基を含むアルキレンオキサイド付加物)を含むサポート材は、空気中の水分を多量に取り込むため、自立性が低下し、サポート材のサポート力が低下するという問題がある。ここで、親水性とは、水との親和性が大きく、水に溶けやすい又は水に分散しやすい特性を意味する。
本発明は、優れた水除去性とサポート力とを兼ね備えたサポート材を実現するサポート材組成物を提供するものである。
本発明のサポート材組成物は、インクジェット光造形法により、造形物を形成するモデル材を支持するサポート材に使用されるサポート材組成物であって、
前記サポート材は、造形後に除去されるものであり、
重量平均分子量が300以上のオキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールと、
水溶性単官能エチレン性不飽和単量体を含有し、
前記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の含有量が、前記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、15質量部以上80質量部以下であるサポート材組成物を提供する。
本発明によれば、優れた水除去性とサポート力とを兼ね備えたサポート材を実現するサポート材組成物を提供することができる。
以下、本発明のサポート材組成物の実施形態について説明する。
本実施形態のサポート材組成物は、インクジェット光造形法により、造形物を形成するモデル材を支持するサポート材に使用されるサポート材組成物であって、
前記サポート材は、造形後に除去されるものであり、
重量平均分子量が300以上のオキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールと、
水溶性単官能エチレン性不飽和単量体を含有し、
前記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の含有量が、前記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、15質量部以上80質量部以下であるサポート材組成物を提供する。本実施形態のサポート材組成物は、立体造形物の造形時に、立体造形物を形成するモデル材を支持するサポート材として使用される。
ある一形態においては、前記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールの含有量が、前記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、15質量部以上75質量部以下であることが好ましい。
本実施形態のサポート材組成物は、オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールを、上記含有量で含有しているため、優れた水除去性とサポート力とを兼ね備えたサポート材を提供することができる。また、本実施形態のサポート材組成物は、オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールを、上記含有量で含有しているため、低温安定性に優れたサポート材組成物を提供することができる。上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールは水溶性ではあるが、サポート材を形成した時の、サポート材のサポート力を低下させるほどの親水性を有さない。但し、上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールは水溶性であるため、サポート材を形成した時の、サポート材の水除去性に優れている。ここで、水溶性とは、水に溶解し得る又は水に分散し得る特性を意味する。また、上記サポート材組成物は、低温時に凝固(固化)して流動性を失うこともなく、低温安定性に優れている。
より具体的には、本実施形態のサポート材組成物は、上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールと、水溶性単官能エチレン性不飽和単量体と、光重合開始剤とを含有している。これにより、優れた水除去性とサポート力とを兼ね備えたサポート材を実現可能で、且つ、低温安定性に優れたサポート材組成物を提供することができる。
前述のとおり、上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールの含有量は、上記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、15質量部以上75質量部以下である。上記含有量が15質量部を下回ると、サポート材の親水性が低下するため、サポート材の水除去性が低下し、上記含有量が75質量部を上回ると、重合性成分の水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の添加量が低下しサポート材が軟化して自立性が低下するため、サポート材のサポート力が低下する。
上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコール以外の各成分の含有量は、上記サポート材用組成物の全質量100質量部に対して、上記光重合開始剤の含有量は1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
本実施形態のサポート材組成物は、表面調整剤を更に含有することが好ましく、上記表面調整剤の含有量は、上記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、0.005質量部以上3.0質量部以下であることが好ましい。上記表面調整剤を含有することにより、サポート材組成物の表面張力を調整し、インクジェットで用いられるサポート材組成物に適した表面張力にする効果がある。
本実施形態のサポート材組成物は、水溶性有機溶剤を更に含有することが好ましく、上記水溶性有機溶剤の含有量は、上記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましい。上記水溶性有機溶剤を含有することにより、サポート材組成物の粘度を調整し、インクジェットで用いられるサポート材組成物に適した粘度にする効果がある。
本実施形態のサポート材組成物は、硬化性組成物の保存安定化剤を更に含有することが好ましい。これにより、硬化性組成物である上記サポート材組成物を長期間保存しても、上記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の重合を抑制でき、上記サポート材組成物をインクジェットプリンターで吐出した際のヘッド詰まりを防止することができる。
以下、本実施形態のサポート材組成物の各成分について説明する。
サポート材組成物は、インクジェット光造形法により造形物を形成するモデル材を支持するサポート材に使用され、造形後に除去される。サポート材組成物は、光硬化によりサポート材を与える、サポート材組成物である。モデル材を作成後、サポート材をモデル材から物理的に剥離することにより、または、サポート材を有機溶媒もしくは水に溶解させることにより、モデル材から除去することができる。本実施形態におけるサポート材用組成物は、ラジカル重合により硬化する事が好ましい。
<オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコール>
上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールは、サポート材に適度の親水性を付与するための水溶性樹脂であり、これを添加することによりに水除去性とサポート力とを兼ね備えたサポート材を得ることができる。上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールは、オキシブチレン基を含んでいれば、特にそのアルキレン部分の構造は限定されず、例えば、オキシブチレン基(オキシテトラメチレン基)のみ有するポリブチレングリコール単体であってもよく、また、オキシブチレン基と他のオキシアルキレン基とを共に有するポリブチレンポリオキシアルキレングリコール(例えば、ポリブチレンポリエチレングリコール)であってもよい。但し、特許文献1に記載のオキシプロピレン基を含むアルキレンオキサイド付加物を除く場合には、上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールは、オキシブチレン基と、オキシプロピレン基を除くオキシアルキレン基とを共に有するポリブチレンポリオキシアルキレングリコールとなる。
上記ポリブチレングリコールは、下記化学式(1)で示され、上記ポリブチレンポリエチレングリコールは、下記化学式(2)で示される。
Figure 2019206113
Figure 2019206113
Figure 2019206113
上記化学式(2)において、mは5〜300の整数であることが好ましく、nは2〜150の整数であることが好ましい。より好ましくは、mは6〜200、nは3〜100である。また、化学式(1)及び化学式(2)中のオキシブチレン基は、直鎖であっても良いが、分岐していても良い。
上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールの重量平均分子量は、300以上であり、3000より小さいことが好ましく、更に、800以上であり、2000より小さいことがより好ましい。成分の重量平均分子量が300より小さいと、サポート材用組成物を硬化した際にサポート材のブリーディングが生じる。ブリーディングとは、硬化したサポート材内部から液体成分がサポート材表面に浸みだす現象である。また、ポリアルキレングリコールの重量平均分子量が3000より小さいことにより、サポート材用組成物の吐出安定性に優れる。
上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールは、2種類以上使用されてもよい。2種類以上のポリアルキレングリコールが使用される場合、重量平均分子量が300より小さい又は3000より大きいポリアルキレングリコールの含有量は、少量が好ましい。
サポート材用組成物におけるポリアルキレングリコールの含有量は、サポート材用組成物100質量部に対して、15〜75質量部であることが好ましく、より好ましくは17質量部以上であり、さらに好ましくは20質量部以上であり、より好ましくは72質量部以下であり、さらに好ましくは70質量部以下である。ポリアルキレングリコールの含有量が、上記範囲内であると、サポート材のサポート力を低下させずにサポート材の水または水溶性溶媒による除去性を向上させることができる。
<水溶性単官能エチレン性不飽和単量体>
上記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体は、重合してサポート材の構成成分となりサポート力を発揮するものである。上記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体は、水溶性であるため、サポート材の除去性を向上させ、また、サポート材に硬さを付与し、サポート能力を向上させる。
上記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体としては、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。例えば、炭素数(C)5〜15の水酸基含有(メタ)アクリレート[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等];数平均分子量(Mn)200〜1000のアルキレンオキサイド付加物含有(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、モノアルコキシ(C1〜4)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、モノアルコキシ(C1〜4)ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びPEG−PPGブロックポリマーのモノ(メタ)アクリレート等];C3〜15の(メタ)アクリルアミド誘導体[(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−(エチルメタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド及びN−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等]、及び(メタ)アクリロイルモルホリン等が使用できる。上記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前述のとおり、上記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の含有量は、上記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、15質量部以上80質量部以下であることが好ましい。上記含有量が15質量部を下回ると、サポート材のサポート力が低下する傾向があり、上記含有量が80質量部を上回ると、サポート材の水除去性が低下する傾向がある。
本実施形態のサポート材組成物において、上記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールと、上記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の好ましい含有質量比率は、オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコール:水溶性単官能エチレン不飽和単量体=3:16〜15:4である。
<光重合開始剤>
上記光重合開始剤は、エネルギー線によって単量体の重合反応又は架橋反応を開始させるものであり、本実施形態のサポート材組成物が上記光重合開始剤を含むことにより、インクジェット光造形法により吐出された上記サポート材組成物をエネルギー線の照射によって硬化させることができる。
上記光重合開始剤に照射されるエネルギー線としては、例えば、200〜400nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、LED光線又はイオンビーム等から適宜選択して使用することができる。中でも低消費電力の観点からLED光線が望ましい。
上記光重合開始剤としては、低エネルギーで重合を開始させることができれば特に限定されないが、アシルフォスフィンオキサイド化合物、α−アミノアルキルフェノン化合物、及びチオキサントン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む光重合開始剤を用いることが好ましい。特に、アシルフォスフィンオキサイド化合物とチオキサントン化合物との組み合わせ、α−アミノアルキルフェノン化合物とチオキサントン化合物との組み合わせが好ましい。
上記アシルフォスフィンオキサイド化合物としては、具体的には、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、4−メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、4−エチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、4−イソプロピルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、1−メチルシクロヘキサノイルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。市場で入手可能なアシルフォスフィンオキサイド化合物としては、例えば、BASF社製の“DAROCURE TPO”等が挙げられる。
上記α−アミノアルキルフェノン化合物としては、具体的には、例えば、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メトキシチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−2−オン等が挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。市場で入手可能なα−アミノアルキルフェノン化合物としては、例えば、BASF社製の“IRGACURE 369”、“IRGACURE 907”等が挙げられる。
上記チオキサントン化合物としては、具体的には、例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。市場で入手可能なチオキサントン化合物としては、例えば、日本化薬社製の“MKAYACURE DETX−S”、ダブルボンドケミカル社製の“Chivacure ITX”等が挙げられる。
前述のとおり、上記光重合開始剤の含有量は、上記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。上記含有量が1質量部を下回ると、サポート材の硬化性が低下する傾向があり、上記含有量が20質量部を上回ると、上記サポート材組成物の低温安定性が低下する、即ち、低温で溶解度が下がり光重合開始剤が溶けきらなくなり析出する傾向がある。
本実施形態のサポート材組成物は、その他の成分として、表面調整剤、水溶性有機溶剤、保存安定化剤等の添加剤を含んでいてもよい。
<表面調整剤>
上記表面調整剤としては、シリコーン化合物、フッ素化合物等が挙げられる。これらの中でもシリコーン化合物が好ましい。上記表面調整剤を含有することにより、サポート材組成物の表面張力を調整し、インクジェットで用いられるサポート材組成物に適した表面張力にする効果がある。
上記シリコーン化合物としては、具体的には、例えば、ビックケミー社製のBYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−344、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−UV3500、BYK−UV3510、BYK−UV3570;デグサ社製のTEGO−Rad2100、TEGO−Rad2200N、TEGO−Rad2250、TEGO−Rad2300、TEGO−Rad2500、TEGO−Rad2600、TEGO−Rad2700;共栄社化学社製のグラノール100、グラノール115、グラノール400、グラノール410、グラノール435、グラノール440、グラノール450、B−1484、ポリフローATF−2、KL−600、UCR−L72、UCR−L93等が挙げられる。これらは単独で又は複数混合して使用してもよい。
前述のとおり、上記表面調整剤の含有量は、上記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、0.005質量部以上3.0質量部以下であることが好ましい。上記含有量が0.005質量部を下回ると、表面調整剤の効果を発揮できない傾向があり、上記含有量が3.0質量部を上回ると、上記サポート材組成物において未溶解物が生じる、又は、泡立ちを引き起こす傾向がある。
<水溶性有機溶剤>
上記水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、3,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,5−ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、スルホラン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−チオジエタノール、3−ピリジルカルビノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールn−プロピルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、トリエチレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールn−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールn−ヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル等が挙げられる。
上記水溶性有機溶剤を含有することにより、サポート材組成物の粘度を調整し、インクジェットで用いられるサポート材組成物に適した粘度にする効果がある。
前述のとおり、上記水溶性有機溶剤の含有量は、上記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましい。上記含有量が30質量部を上回ると、サポート材から水溶性有機溶剤が分離して滲み出してしまい、サポート能力が低下する傾向がある。
<保存安定化剤>
上記保存安定化剤としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物(HALS)、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。具体的には、ハイドロキノン、メトキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノブチルエーテル、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl、t−ブチルカテコール、ピロガロール等が挙げられる。これらの保存安定化剤は、単独で又は複数組み合わせて用いることができる。
上記保存安定化剤の中でも、HALS、メトキノン及びハイドロキノンが好ましい。特に、HALSとメトキノンとの組み合わせ、HALSとハイドロキノンとの組み合わせで用いることが好ましい。
上記保存安定化剤の含有量は、通常、上記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、0.005質量部以上1質量部以下として用いられる。より好ましくは、0.05質量部以上0.5質量部以下である。
本実施形態に係るサポート材組成物は、任意のモデル材組成物と共に使用される。本実施形態に係るサポート材が支持するモデル材(造形物)を形成するモデル材組成物は、重合性化合物である硬化性成分を含む。具体的には、単官能又は多官能エチレン性不飽和単量体、光重合開始剤を含む。上記モデル材組成物は、その他にも、色材、分散剤、ゲル化防止剤、表面調整剤、溶剤等を含んでいても良く、特に限定されない。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、特に指摘がない場合、下記において、「部」は「質量部」を意味する。
表1に、下記の実施例及び比較例において、サポート材組成物に使用した成分をまとめた。
Figure 2019206113
(実施例1〜13及び比較例1〜10)
先ず、実施例1〜13及び比較例1〜10のサポート材組成物を次のようにして調製した。即ち、プラスチック製ビンに、表2〜3に示す成分(A)〜(G)を表2〜3に示す配合量(単位:質量部)で計り取り、これらを混合することにより各サポート材組成物を調製した。
Figure 2019206113
Figure 2019206113
次に、上記実施例1〜13及び比較例1〜10のサポート材組成物について、下記に示す方法によって、サポート材組成物の低温安定性、サポート材組成物を硬化したサポート材硬化物の高温高湿条件安定性(サポート力)及び水除去性を評価した。
<サポート材組成物の低温安定性>
低温でのサポート材組成物の安定性について評価した。融点が高い材料(例えばPEG等)の場合、低温では、融点を下回り凍った状態となり、液体状態を維持しない。また、低温で溶解度が下がり光重合開始剤が溶けきらなくなり、析出する傾向にある。具体的には、各サポート材組成物をガラス瓶に入れ、そのサポート材組成物入りガラス瓶を温度10℃に設定した恒温槽中で24時間保管した。その後、保管後のサポート材組成物の状態を目視で確認して、下記基準でサポート材組成物の低温安定性を評価した。
サポート材組成物が液体状を維持している場合:低温安定性A(優良)
サポート材組成物が一部凝固(固化)している場合:低温安定性B(良)
サポート材組成物が凝固(固化)している場合:低温安定性C(不良)
<サポート材硬化物のサポート力>
ガラス板上に、縦30mm、横30mm、厚さ5mmの額縁状のシリコンゴムにより枠を形成し、その枠の中に各サポート材組成物を流し込み、メタルハライドランプにより積算光量500mJ/cm2の紫外線を照射し、サポート材硬化物を作製した。続いて、上記硬化物をガラス製シャーレに入れ、その硬化物入りシャーレを温度40℃、相対湿度90%の恒温槽中に2時間放置した。その後、放置後の上記硬化物の状態を目視で確認して、下記基準でサポート材硬化物のサポート力を評価した。
硬化物の表面に液体状物質の発生がなく、硬化物の軟化も確認されない場合:サポート
力A(優良)
硬化物の表面に液体状物質がわずかに発生し、硬化物の軟化が若干確認された場合:サ
ポート力B(良)
硬化物の表面に液体状物質が発生し、硬化物の軟化が確認された場合:サポート力C(
不良)
<サポート材硬化物の水除去性>
上記サポート材硬化物のサポート力の評価の場合と同様にして、サポート材硬化物を作製した。次に、上記硬化物を、50mLのイオン交換水を満たしたビーカーに入れ、水温を25℃に維持しながら超音波洗浄機で処理し、上記硬化物が溶解するまでの時間を測定し、下記基準でサポート材硬化物の水除去性を評価した。
硬化物が完全に溶解するまでに30分を要した場合:水除去性A(優良)
硬化物が完全に溶解するまでに1時間を要した場合:水除去性B(良)
硬化物が完全に溶解するまでに2時間を要した場合:水除去性C(不良)
以上の結果を表4〜5に示す。
Figure 2019206113
Figure 2019206113
表4〜5から、実施例1〜13のサポート材組成物は、全ての評価項目で満足できる結果を得たことが分かる。一方、水溶性樹脂としてポリエチレングリコールを用いた比較例1〜3では、全てサポート力は優れているものの、比較例2及び3では、低温安定性が劣り、水溶性樹脂としてポリプロピレングリコールを用いた比較例4〜6では、全て低温安定性は優れているものの、比較例5及び6では、サポート力が劣った。また、PTMGの含有量が15質量部を下回った比較例7では水除去性が劣り、PTMGの含有量が75質量部を超えた比較例8では、サポート力が劣った。また、比較例5及び6では、親水性の高いPPGを比較的多く使用しているため、サポート材硬化物の表面に液体状物質が発生し、サポート材硬化物の軟化も認められサポート能力が低下したと考えられる。
比較例9及び10では重量平均分子量が300未満のPTMGを比較的多く使用しているため、サポート材硬化物の表面に液体状物質が発生し、サポート材硬化物の軟化も認められサポート力が低下したと考えられる。
本発明は、優れた水除去性とサポート力とを兼ね備えたサポート材を実現可能で、且つ、低温安定性に優れたサポート材組成物を提供でき、インクジェット光造形法に使用されるサポート材用インクに広く適用できる。

Claims (6)

  1. インクジェット光造形法により、造形物を形成するモデル材を支持するサポート材に使用されるサポート材組成物であって、
    前記サポート材は、造形後に除去されるものであり、
    重量平均分子量が300以上のオキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールと、
    水溶性単官能エチレン性不飽和単量体を含有し、
    前記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の含有量が、前記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、15質量部以上80質量部以下であるサポート材組成物。
  2. 前記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールの含有量が、前記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、15質量部以上75質量部以下である請求項1に記載のサポート材組成物。
  3. 前記サポート材組成物は光重合開始剤を含有し、
    前記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、前記光重合開始剤の含有量が、1質量部以上20質量部以下である請求項1又は2に記載のサポート材組成物。
  4. 前記サポート材組成物は、表面調整剤を更に含有し、
    前記表面調整剤の含有量が、前記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、0.005質量部以上3.0質量部以下である請求項1〜3に記載のサポート材組成物。
  5. 前記サポート材組成物は、水溶性有機溶剤を更に含有し、
    前記水溶性有機溶剤の含有量が、前記サポート材組成物の全質量100質量部に対して、30質量部以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のサポート材組成物。
  6. 前記サポート材組成物は、保存安定化剤を更に含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のサポート材組成物。
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