JP2023040532A - 光偏向器 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電アクチュエータの駆動時に加わる応力を緩和し、この圧電アクチュエータの限界振れ角を向上させることを可能とした光偏向器を提供する。【解決手段】反射面を含むミラー部2と、ミラー部2の周囲に位置して、ミラー部2を一の中心軸の軸回りに揺動させる圧電アクチュエータ4と、圧電アクチュエータ4の一端側と連結されたインナーフレーム6と、圧電アクチュエータ4の他端側と連結されたアウターフレーム7とを備え、圧電アクチュエータ4は、インナーフレーム6とアウターフレーム7との間に設けられた圧電素子31cにより駆動される圧電カンチレバー部34を含み、インナーフレーム6と圧電カンチレバー部34とが連結する位置において、圧電カンチレバー部34の中心軸とは交差する方向にインナーフレーム6の一部が突出した突出部6dが設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、光偏向器に関する。
従来、レーザー光等の光ビームを偏向・走査する光偏向器の例として、ガルバノミラーやポリゴンミラーが一般的に用いられている。このうち、ガルバノミラーは、偏光用の平面ミラーを回転軸に取り付け、電気信号に応じて電磁モータを駆動してミラーの回転角を可変にした光偏向器である。このガルバノミラーは、非共振型の光偏向器なので、ノコギリ歯型やランダムな電気信号で駆動できる。一方、ポリゴンミラーは、偏光用の多面ミラーを回転軸に取り付けた光偏向器であり、ガルバノミラーに比べ高速に走査可能である。
しかしながら、ガルバノミラーやポリゴンミラーは、駆動源に電磁モータを使用しているため、小型化や軽量化が困難であり、省スペースを必要とするアプリケーションに使用することが困難である。
これに対して、半導体製造技術を応用してシリコンやガラスを微細加工するマイクロマシニング技術(いわゆるMEMS技術)を用いて、半導体基板上にミラーや弾性体等の機構部品を一体的に形成した光偏向器(マイクロミラーともいう。)が提案されている(例えば、下記特許文献1,2を参照。)。
具体的に、この光偏向器では、支持板上に、圧電体の上部及び下部に電極を有した複数の圧電素子を配置し、この圧電素子の上に弾性体を接続させた圧電アクチュエータを用いている。圧電アクチュエータは、上下電極間に印加される交流電圧により圧電体に上下に直線往復振動を生じさせ、この振動が弾性体を介して反射板へと伝わり、回転支持体を中心として反射板を左右に偏向させる。
このような光偏向器では、その全体が微小な機械構造体で構成されたMEMSデバイスであるため、小型化や軽量化が容易である。さらに、半導体プロセスと同様に1枚のウェハから複数のデバイスを同時に作製できるため、量産が容易でコストを抑えることが可能である。
特開2008-040240号公報 特開2019-144416号公報
ところで、非共振型の圧電アクチュエータでは、共振型の圧電アクチュエータと比べて、駆動電圧当たりの振れ角効率が悪くなる。
一方、振れ角効率を良くするためには、非共振の圧電アクチュエータの支持体となるSi基板の厚みを薄くする必要がある。しかしながら、Si基板の厚みを薄くすると、構造上脆くなってしまうため、デバイス自体が破損し易くなる。また、非共振の圧電アクチュエータの限界振れ角が低下することなる。
なお、限界触れ角とは、光偏向器の試験において、圧電アクチュエータの駆動電圧を基準周波数で徐々に増大して、ミラー部の振れ角を徐々に増大していく過程において、光偏向器の何れかの部位が破損して、振れ角のそれ以上の増大が困難になったときの振れ角のことを言う。
特に、非共振の圧電アクチュエータでは、カンチレバーの先端にあるインナーフレームとの連結位置において応力が加わり易く、繰り返し加わる応力によって破損し易くなっている。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、圧電アクチュエータの駆動時に加わる応力を緩和し、この圧電アクチュエータの限界振れ角を向上させることを可能とした光偏向器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 反射面を含むミラー部と、
前記ミラー部の周囲に位置して、前記ミラー部を一の中心軸の軸回りに揺動させる圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータの一端側と連結されたインナーフレームと、
前記圧電アクチュエータの他端側と連結されたアウターフレームとを備え、
前記圧電アクチュエータは、前記インナーフレームと前記アウターフレームとの間に設けられた圧電素子により駆動される圧電カンチレバー部を含み、
前記インナーフレームと前記圧電カンチレバー部とが連結する位置において、前記圧電カンチレバー部の中心軸とは交差する方向に前記インナーフレームの一部が突出した突出部が設けられていることを特徴とする光偏向器。
〔2〕 前記インナーフレームは、前記圧電カンチレバー部の中心軸とは交差する方向に延在する延在部を介して前記圧電カンチレバー部と連結され、
前記突出部は、前記延在部から当該延在部が延在する方向に突出して設けられていることを特徴とする前記〔1〕に記載の光偏向器。
〔3〕 反射面を含むミラー部と、
前記ミラー部の周囲に位置して、前記ミラー部を第1の中心軸の軸回りに揺動させる第1の圧電アクチュエータと、
前記第1の圧電アクチュエータの周囲に位置して、前記ミラー部を前記第1の中心軸とは直交する第2の中心軸の軸周りに揺動させる第2の圧電アクチュエータと、
前記ミラー部と前記第1の圧電アクチュエータの一端との間を連結するトーションバーと、
前記第1の圧電アクチュエータの他端と前記第2の圧電アクチュエータの一端との間を連結するインナーフレームと、
前記第2の圧電アクチュエータの周囲に位置して、前記第2の圧電アクチュエータの他端と連結されたアウターフレームとを備え、
前記第1の圧電アクチュエータは、前記トーションバーと前記インナーフレームとの間に設けられた圧電素子により共振状態で駆動される第1の圧電カンチレバー部を含み、
前記第2の圧電アクチュエータは、前記インナーフレームと前記アウターフレームとの間に設けられた圧電素子により非共振状態で駆動される第2の圧電カンチレバー部を含み、
前記インナーフレームと前記第2の圧電カンチレバー部とが連結する位置において、前記第2の圧電カンチレバー部の中心軸とは交差する方向に前記インナーフレームの一部が突出した突出部が設けられていることを特徴とする光偏向器。
〔4〕 前記インナーフレームは、前記第2の圧電カンチレバー部の中心軸とは交差する方向に延在する延在部を介して前記第2の圧電カンチレバー部と連結され、
前記突出部は、前記延在部から当該延在部が延在する方向に突出して設けられていることを特徴とする前記〔3〕に記載の光偏向器。
〔5〕 前記突出部は、前記中心軸とは直交する方向に突出して設けられていることを特徴とする前記〔1〕~〔4〕の何れか一項に記載の光偏向器。
以上のように、本発明によれば、圧電アクチュエータの駆動時に加わる応力を緩和し、この圧電アクチュエータの限界振れ角を向上させることを可能とした光偏向器を提供することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る光偏向器の構成を示す平面図である。 図1に示す光偏向器の断面構造を示し、(A)は図1中に示す線分A-Aによる光偏向器の断面図、(B)は、光偏向器を構成する各層の積層構造を示す断面図である。 突出部がある場合のインナーフレームと第2の圧電カンチレバー部との連結位置における応力分布を示す図である。 突出部がない場合のインナーフレームと第2の圧電カンチレバー部との連結位置における応力分布を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る光偏向器の構成を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る光偏向器の構成を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を光偏向器の平面内における第2の中心軸の方向(横方向)、Y軸方向を光偏向器の平面内において第2の方向と直交する第1の中心軸の方向(縦方向)、Z軸方向を光偏向器の平面内に対して直交する厚み方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態として、例えば図1及び図2に示す光偏向器1について説明する。
なお、図1は、光偏向器1の構成を示す平面図である。図2は、光偏向器1の断面構造を示し、(A)は図1中に示す線分A-Aによる光偏向器1の断面図、(B)は、光偏向器1を構成する各層の積層構造を示す断面図である。
本実施形態の光偏向器1は、図1及び図2に示すように、ミラー部2と、ミラー部2の周囲に位置して、ミラー部2を第1の中心軸(本実施形態ではY軸に沿った方向)AYの軸回りに揺動させる第1の圧電アクチュエータ3と、第1の圧電アクチュエータ3の周囲に位置して、ミラー部2を第1の中心軸AYとは直交する第2の中心軸(本実施形態ではX軸に沿った方向)AXの軸周りに揺動させる第2の圧電アクチュエータ4と、ミラー部2と第1の圧電アクチュエータ3との間を連結するトーションバー5と、第1の圧電アクチュエータ3と第2の圧電アクチュエータ4との間を連結するインナーフレーム6と、第2の圧電アクチュエータ4の周囲に位置して、第2の圧電アクチュエータ4と連結されたアウターフレーム7とを備えている。
また、本実施形態の光偏向器1は、MEMS技術を用いて、支持体となる半導体基板の上に、ミラー部2と、第1及び第2の圧電アクチュエータ3,4と、トーションバー5及びインナーフレーム6と、アウターフレーム7とを一体的に形成したマイクロミラーからなる。
例えば、本実施形態の光偏向器1は、支持体となるSi基板11の一面(下面)に、SiO層12と、Si/SiO層13とが順に積層され、Si基板11の他面(上面)に、Pt層14と、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)層15と、Pt層16とが順に積層された構造を有している。
このうち、ミラー部2は、Si/SiO層13、SiO層12、Si基板11及びPt層14の積層体により構成されている。一方、第1及び第2の圧電アクチュエータ3,4は、Si基板11、Pt層14、PZT層15及びPt層16の積層体により構成されている。一方、トーションバー5及びインナーフレーム6は、Si/SiO層13、SiO層12、Si基板11及びPt層14の積層体により構成されているが、Pt層14を省略することも可能である。一方、アウターフレーム7は、Si/SiO層13、SiO層12、Si基板11、Pt層14、PZT層15及びPt層16の積層体により構成されている。また、ミラー部2と、第1及び第2の圧電アクチュエータ3,4と、トーションバー5及びインナーフレーム6とを構成するSi/SiO層13の厚みは、アウターフレーム7を構成するSi/SiO層13の厚みよりも薄くなっている。
ミラー部2は、反射体となるPt層14により構成された平面視で円形状の反射面2aと、Si基板11、SiO層12及びSi/SiO層13により構成されたミラーフレーム2bとを有している。
本実施形態の光偏向器1は、ミラー部2と、この周囲を囲む略矩形枠状のアウターフレーム7との間に空間Kを有している。また、本実施形態の光偏向器1は、ミラー部2を挟んで第2の中心軸AXの方向に対称に配置された一対の第1の圧電アクチュエータ3とミラー部2との間が一対のトーションバー5を介して連結されると共に、ミラー部2を挟んで第2の中心軸AXの方向に対称に配置された一対の第2の圧電アクチュエータ4と一対の第1の圧電アクチュエータ3との間がインナーフレーム6を介して連結された構造を有している。
したがって、本実施形態の光偏向器1では、ミラー部2を挟んで一対のトーションバー5、一対の第1の圧電アクチュエータ3、インナーフレーム6及び一対の第2の圧電アクチュエータ4が、それぞれ対称に配置された構造となっている。
なお、一対の第2の圧電アクチュエータ4とアウターフレーム7との連結位置は、アウターフレーム7の対角方向に対称に配置された構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではなく、第1の中心軸AYの方向に対称に配置された構成であってもよい。
一対の第1の圧電アクチュエータ3は、それぞれ平面視で第1の中心軸AYの方向に延在しながら長半円弧状に形成されると共に、互いの両端部が一対のトーションバー5と連結されることによって、ミラー部2の周囲を囲むように全体として長円リング状に形成されている。
一対のトーションバー5は、それぞれ平面視で第1の中心軸AYの方向に延在しながら直線状に形成されると共に、ミラー部2と一対の第1の圧電アクチュエータ3との間を第1の中心軸AYに沿って連結している。
各第1の圧電アクチュエータ3は、駆動用の圧電素子31aと検知用の圧電素子31bとが設けられた第1の圧電カンチレバー部32を有している。
圧電素子31a,31bは、振動板となるSi基板11の上に、下部電極となるPt層14と、圧電体となるPZT層15と、上部電極となるPt層16とを積層することによって構成されている。
駆動用の圧電素子31aは、第1の圧電カンチレバー部32が延在する方向に複数(本実施形態では3つ)並んで配置されている。また、3つの圧電素子31aは、中央の圧電素子31aを挟んで両端の圧電素子31aが第1の中心軸AYの方向に対称に配置されている。
一対の第1の圧電アクチュエータ3の間では、何れか一方の第1の圧電カンチレバー部32に設けられた中央の圧電素子31aと、何れか他方の第1の圧電カンチレバー部32に設けられた両端の圧電素子31aとが一対の接続配線33aを介して電気的に接続されている。
検知用の圧電素子31bは、複数の圧電素子31aと共に、第1の圧電カンチレバー部32が延在する方向の一端側(-Y軸側)に並んで配置されている。
インナーフレーム6は、平面視で第1の中心軸AYの方向に延在しながら長半円弧状に形成されると共に、互いの両端部が一対のトーションバー5と連結されることによって、一対の第1の圧電アクチュエータ3の周囲を囲むように全体として長円リング状に形成されている。
また、インナーフレーム6は、平面視で第1の中心軸AYの方向に延在しながら直線状に形成された一対の連結部6aを介して一対の第1の圧電アクチュエータ3とインナーフレーム6との間を第1の中心軸AYに沿って連結している。
また、インナーフレーム6は、平面視で第2の中心軸AXの方向に延在しながら直線状に形成された一対の連結部6bを介して一対の第1の圧電アクチュエータ3とインナーフレーム6との間を第2の中心軸AXに沿って連結している。
また、インナーフレーム6は、平面視で第1の中心軸AYの方向の両端から互いに逆向きに、第2の中心軸AXの方向に延在しながら直線状に形成された一対の延在部6cを介して一対の第2の圧電アクチュエータ4と連結されている。
一対の第2の圧電アクチュエータ4は、それぞれ平面視で第1の中心軸AYの方向に延在しながら、インナーフレーム6とアウターフレーム7との間を連結している。
各第2の圧電アクチュエータ4は、駆動用の圧電素子31cが設けられた第2の圧電カンチレバー部34を有している。すなわち、この第2の圧電アクチュエータ4は、インナーフレーム6とアウターフレーム7との間に、第1の中心軸AYの方向に延在しながら直線状に形成された一対の第2の圧電カンチレバー部34が配置された構造を有している。
圧電素子31cは、上述した圧電素子31a,31bと同様に、振動板となるSi基板11の上に、下部電極となるPt層14と、圧電体となるPZT層15と、上部電極となるPt層16とを積層することによって構成されている。また、圧電素子31cは、第2の圧電カンチレバー部34が延在する方向の一端側と他端側との間に亘って設けられている。
アウターフレーム7の面上には、圧電素子31a,31b,31cの各々に対応した複数(本実施形態では6つ)の電極パッド35a,35b,35cが設けられている。複数の電極パッド35a,35b,35cは、第2の中心軸AXの方向の両側に位置して、それぞれ第1の中心軸AYの方向に並んで配置されている。
駆動用の圧電素子31aは、一対の接続配線33aと電気的に接続されると共に、一方の連結部6bから一方のインナーフレーム6、一方の第2の圧電アクチュエータ4及びアウターフレーム7の面上において引き回された一対の接続配線33bを介して一対の電極パッド35aと電気的に接続されている。これにより、一対の電極パッド35a、一対の接続配線33b及び一対の接続配線33aを介して圧電素子31aに駆動電圧(例えば正弦波などの交流電圧)を印加することが可能となっている。
検知用の圧電素子31bは、一方の連結部6aから他方のインナーフレーム6、他方の第2の圧電アクチュエータ4及びアウターフレーム7の面上において引き回された一対の接続配線33cを介して一対の電極パッド35bと電気的に接続されている。これにより、第1の圧電カンチレバー部32の変形に伴って圧電素子31bから出力される電圧を一対の接続配線33c及び一対の電極パッド35bを介して検知することが可能となっている。
駆動用の圧電素子31cは、アウターフレーム7の面上において引き回された一対の接続配線33dを介して一対の電極パッド35cと電気的に接続されている。これにより、一対の電極パッド35c及び一対の接続配線33dを介して圧電素子31cに駆動電圧(例えば正弦波などの交流電圧)を印加することが可能となっている。
以上のような構成を有する本実施形態の光偏向器1では、一対の第1の圧電アクチュエータ3の圧電駆動によって、ミラー部2を第1の中心軸AYの軸周りに揺動させることが可能である。
具体的には、駆動用の圧電素子31aに駆動電圧を印加し、第1の圧電カンチレバー部32を屈曲させることで、ミラー部2を第1の中心軸AYの軸周りに揺動させることが可能である。
また、本実施形態の光偏向器1では、第1の圧電アクチュエータ3が共振型の圧電アクチュエータとして、駆動用の圧電素子31aに対して共振周波数付近の駆動電圧を印加する。このとき、検知用の圧電素子31bが第1の圧電カンチレバー部32の屈曲状態を検知しながら、第1の圧電カンチレバー部32が共振するように、駆動用の圧電素子31aに印加される駆動電圧を制御する。これにより、第1の圧電カンチレバー部32(第1の圧電アクチュエータ3)を共振状態で駆動(共振駆動)させながら、ミラー部2をより大きな偏向角で揺動させることが可能である。
一方、本実施形態の光偏向器1では、一対の第2の圧電アクチュエータ4の圧電駆動によって、ミラー部2を第2の中心軸AXの軸周りに揺動させることが可能である。
具体的には、駆動用の圧電素子31cに駆動電圧を印加し、第2の圧電カンチレバー部34を屈曲させることで、ミラー部2を第2の中心軸AXの軸周りに揺動させることが可能である。
また、本実施形態の光偏向器1では、第2の圧電アクチュエータ4が非共振型の圧電アクチュエータとして、第2の圧電カンチレバー部34が共振しない周波数で、駆動用の圧電素子31cに対して駆動電圧を印加する。これにより、第2の圧電カンチレバー部34(第2の圧電アクチュエータ4)を非共振状態で駆動(非共振駆動)させながら、ミラー部2を第2の中心軸AXの軸周りに揺動させることが可能である。
ところで、本実施形態の光偏向器1では、上述したインナーフレーム6の延在部6cと第2の圧電カンチレバー部34とが連結する位置において、第2の圧電カンチレバー部34の中心軸とは交差する方向にインナーフレーム6の一部が突出した突出部6dが設けられている。
具体的に、この突出部6dは、インナーフレーム6の延在部6cと連続しながら、第1の中心軸AYの方向に延在する第2の圧電カンチレバー部34の中心軸とは直交する方向(第2の中心軸AXの方向)に突出して設けられている。
本実施形態の光偏向器1では、このような突出部6dを設けることによって、非共振型の第2の圧電アクチュエータ4を駆動させた際に、インナーフレーム6の延在部6cと第2の圧電カンチレバー部34とが連結する位置に加わる第1の中心軸AYの方向の応力を緩和させることが可能である。
これにより、本実施形態の光偏向器1では、第2の圧電アクチュエータ4を破損し難くすると共に、この第2の圧電アクチュエータ4の限界振れ角を向上させることが可能である。
ここで、突出部6dの有無による応力緩和の効果をシミュレーションにより求めた。そのシミュレーション結果を図3及び図4に示す。
なお、図3は、突出部6dがある場合のインナーフレーム6と第2の圧電カンチレバー部34との連結位置における応力分布を示す図である。図4は、突出部6dがない場合のインナーフレーム6と第2の圧電カンチレバー部34との連結位置における応力分布を示す図である。
突出部6dがない場合、図4に示すように、インナーフレーム6と第2の圧電カンチレバー部34との連結位置(図4中の囲み部分B)において、応力が集中していることがわかる。
これに対して、突出部6dがある場合、図3に示すように、第1の中心軸AYの方向に応力が緩和されていることがわかる。これにより、突出部6dがない場合に比べて、最大応力を約20%低減し、限界振れ角が約20%向上することがわかった。
なお、上記特許文献2には、圧電カンチレバーの先端側端部の角部に達する突出リブを設けることによって、外側圧電アクチュエータの結合強度を確保しつつ、反射部の限界振れ角を増大することができる光偏向器が開示されている。
上記特許文献2に記載の発明では、このような突出リブを設けることによって、外側圧電アクチュエータからインナーフレーム及び外側圧電アクチュエータに伝わるX方向の応力を緩和している。したがって、上記特許文献2に記載の発明は、インナーフレーム6の延在部6cと第2の圧電カンチレバー部34とが連結する位置に加わる第1の中心軸AYの方向の応力を緩和させる本実施形態の光偏向器1とは、その応力緩和の方向が異なっている。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、例えば図5に示す光偏向器1Aについて説明する。
なお、図5は、光偏向器1Aの構成を示す平面図である。また、以下の説明では、上記光偏向器1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
本実施形態の光偏向器1Aは、図5に示すように、インナーフレーム6と一対の第2の圧電アクチュエータ4との連結位置と、一対の第2の圧電アクチュエータ4とアウターフレーム7との連結位置とが、第2の中心軸AXの方向を挟んで第1の中心軸AYの方向に対称に配置された構成を有している。それ以外は、上記光偏向器1と基本的に同じ構成を有している。
本実施形態の光偏向器1Aでは、上記光偏向器1と同様に、インナーフレーム6の延在部6cと第2の圧電カンチレバー部34とが連結する位置において、第2の圧電カンチレバー部34の中心軸とは交差(本実施形態では直交)する方向にインナーフレーム6の一部が突出した突出部6dが設けられている。
本実施形態の光偏向器1Aでは、このような突出部6dを設けることによって、非共振型の第2の圧電アクチュエータ4を駆動させた際に、インナーフレーム6の延在部6cと第2の圧電カンチレバー部34とが連結する位置に加わる応力を緩和することが可能である。
これにより、本実施形態の光偏向器1Aでは、第2の圧電アクチュエータ4を破損し難くすると共に、この第2の圧電アクチュエータ4の限界振れ角を向上させることが可能である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態として、例えば図6に示す光偏向器1Bについて説明する。
なお、図6は、光偏向器1Bの構成を示す平面図である。また、以下の説明では、上記光偏向器1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
本実施形態の光偏向器1Bは、図6に示すように、インナーフレーム6の湾曲した形状に沿って、第2の圧電アクチュエータ4を構成する第2の圧電カンチレバー部34が湾曲した形状を有している。それ以外は、上記光偏向器1と基本的に同じ構成を有している。
具体的に、インナーフレーム6は、直線状に延在した直線領域E1と、この直線領域E1から両端に向かって円弧状に湾曲した曲線領域E2とを有している。第2の圧電カンチレバー部34は、このインナーフレーム6の形状に沿って、直線状に延在した直線領域E3と、この直線領域E3から両端に向かって円弧状に湾曲した曲線領域E4とを有している。
また、インナーフレーム6と第2の圧電カンチレバー部34との直線領域E1,E3における間隔W1が一定となり、インナーフレーム6と第2の圧電カンチレバー部34との曲線領域E2,E4における間隔W2が一定となっている。さらに、本実施形態では、W1=W2となっている。なお、曲線領域E2,E4においては、インナーフレーム6又は第2の圧電カンチレバー部34の接線に対して垂直な方向の幅を間隔W2としている。
さらに、本実施形態の光偏向器1Bでは、上述したインナーフレーム6の湾曲した形状に沿って、第1の圧電カンチレバー部32(第1の圧電アクチュエータ3)が湾曲した形状を有している。
具体的に、第1の圧電カンチレバー部32は、インナーフレーム6の形状に沿って、直線状に延在した直線領域E5と、この直線領域E5から両端に向かって円弧状に湾曲した曲線領域E6とを有している。
また、インナーフレーム6と第1の圧電カンチレバー部32との直線領域E1,E5における間隔W3が一定となり、インナーフレーム6と第1の圧電カンチレバー部32との曲線領域E2,E6における間隔W4が一定となっている。さらに、本実施形態では、W3=W4となっている。なお、曲線領域E2,E6においては、インナーフレーム6又は第2の圧電カンチレバー部34の接線に対して垂直な方向の幅を間隔W4としている。
本実施形態の光偏向器1Bでは、上述したインナーフレーム6が曲線領域E2を含むことで、インナーフレーム6を直線領域E1のみで構成する場合よりも、応力緩和やチップサイズの縮小化を図ることが可能である。
また、本実施形態の光偏向器1Bでは、上述したインナーフレーム6の湾曲した形状に沿って、第2の圧電カンチレバー部34(第2の圧電アクチュエータ4)が湾曲した形状を有することで、第2の圧電カンチレバー部34の長さを確保しながら、インナーフレーム6と第2の圧電カンチレバー部34との曲線領域E2,E4における間隔W2を狭めることができる。
これにより、本実施形態の光偏向器1Bでは、第2の圧電カンチレバー部34(第2の圧電アクチュエータ4)を直線領域E3のみで構成する場合よりも、第2の圧電アクチュエータ4の駆動電圧当たりの振れ角効率を良くし、一次共振周波数を高めることが可能である。また、チップサイズの縮小化を図ることが可能である。
本実施形態の光偏向器1Bでは、上記光偏向器1と同様に、インナーフレーム6の延在部6cと第2の圧電カンチレバー部34とが連結する位置において、第2の圧電カンチレバー部34の中心軸とは交差する方向にインナーフレーム6の一部が突出した突出部6dが設けられている。
なお、本実施形態では、第2の圧電カンチレバー部34の中心軸とは曲線領域E4の中心が同じ曲率で延長したものとする。
本実施形態の光偏向器1Bでは、このような突出部6dを設けることによって、非共振型の第2の圧電アクチュエータ4を駆動させた際に、インナーフレーム6の延在部6cと第2の圧電カンチレバー部34とが連結する位置に加わる応力を緩和することが可能である。
これにより、本実施形態の光偏向器1Bでは、第2の圧電アクチュエータ4を破損し難くすると共に、この第2の圧電アクチュエータ4の限界振れ角を向上させることが可能である。
以上のように、上記実施形態において、突出部6dは、第2の圧電カンチレバー部34と交差する延在部6cから当該延在部6cが延在する方向に突出して設けられている。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記突出部6dは、その先端が角張った形状となっているが、その先端が丸みを帯びた形状や、その先端を尖形とした形状とすることも可能である。また、上記突出部6dと第2の圧電カンチレバー部34との連結位置における角部(隅部)は、直角に接続された形状となっているが、斜めに接続された形状や、湾曲しながら接続された形状とすることも可能である。
また、本発明が適用される光偏向器については、上述したミラー部2を第1の中心軸AY及び第2の中心軸AXの軸回りに揺動させる二軸タイプのものに必ずしも限定されるものではなく、一軸タイプのものであってもよい。
すなわち、本発明は、少なくとも反射面を含むミラー部と、ミラー部の周囲に位置して、ミラー部を一の中心軸の軸回りに揺動させる圧電アクチュエータと、圧電アクチュエータの一端側と連結されたインナーフレームと、圧電アクチュエータの他端側と連結されたアウターフレームとを備える光偏向器に対して適用可能である。この場合、インナーフレームと圧電アクチュエータの圧電カンチレバー部とが連結する位置において、圧電カンチレバー部の中心軸とは交差する方向にインナーフレームの一部が突出した突出部を設けた構成とすればよい。
また、上記第2の圧電アクチュエータ4については、第2の中心軸AXの方向に向かって複数の第2の圧電カンチレバー部34が並んで配置されると共に、互いに隣り合う第2の圧電カンチレバー部34の一端と他端とを第2の中心軸AXの方向に延在する連結部を介して折り返し連結したミアンダ構造を有していてもよい。
1,1A…光偏向器 2…ミラー部 2a…反射面 3…第1の圧電アクチュエータ 4…第2の圧電アクチュエータ 5…トーションバー 6…インナーフレーム 6d…突出部 7…アウターフレーム 11…Si基板 12…SiO層 13…Si/SiO層 14…Pt層 15…PZT層 16…Pt層 31a,31b,31c…圧電素子 32…第1の圧電カンチレバー部 33a,33b,33c,33d…接続配線 34…第2の圧電カンチレバー部 35a,35b,35c…電極パッド AX…第2の中心軸 AY…第1の中心軸 K…空間

Claims (5)

  1. 反射面を含むミラー部と、
    前記ミラー部の周囲に位置して、前記ミラー部を一の中心軸の軸回りに揺動させる圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータの一端側と連結されたインナーフレームと、
    前記圧電アクチュエータの他端側と連結されたアウターフレームとを備え、
    前記圧電アクチュエータは、前記インナーフレームと前記アウターフレームとの間に設けられた圧電素子により駆動される圧電カンチレバー部を含み、
    前記インナーフレームと前記圧電カンチレバー部とが連結する位置において、前記圧電カンチレバー部の中心軸とは交差する方向に前記インナーフレームの一部が突出した突出部が設けられていることを特徴とする光偏向器。
  2. 前記インナーフレームは、前記圧電カンチレバー部の中心軸とは交差する方向に延在する延在部を介して前記圧電カンチレバー部と連結され、
    前記突出部は、前記延在部から当該延在部が延在する方向に突出して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  3. 反射面を含むミラー部と、
    前記ミラー部の周囲に位置して、前記ミラー部を第1の中心軸の軸回りに揺動させる第1の圧電アクチュエータと、
    前記第1の圧電アクチュエータの周囲に位置して、前記ミラー部を前記第1の中心軸とは直交する第2の中心軸の軸周りに揺動させる第2の圧電アクチュエータと、
    前記ミラー部と前記第1の圧電アクチュエータの一端との間を連結するトーションバーと、
    前記第1の圧電アクチュエータの他端と前記第2の圧電アクチュエータの一端との間を連結するインナーフレームと、
    前記第2の圧電アクチュエータの周囲に位置して、前記第2の圧電アクチュエータの他端と連結されたアウターフレームとを備え、
    前記第1の圧電アクチュエータは、前記トーションバーと前記インナーフレームとの間に設けられた圧電素子により共振状態で駆動される第1の圧電カンチレバー部を含み、
    前記第2の圧電アクチュエータは、前記インナーフレームと前記アウターフレームとの間に設けられた圧電素子により非共振状態で駆動される第2の圧電カンチレバー部を含み、
    前記インナーフレームと前記第2の圧電カンチレバー部とが連結する位置において、前記第2の圧電カンチレバー部の中心軸とは交差する方向に前記インナーフレームの一部が突出した突出部が設けられていることを特徴とする光偏向器。
  4. 前記インナーフレームは、前記第2の圧電カンチレバー部の中心軸とは交差する方向に延在する延在部を介して前記第2の圧電カンチレバー部と連結され、
    前記突出部は、前記延在部から当該延在部が延在する方向に突出して設けられていることを特徴とする請求項3に記載の光偏向器。
  5. 前記突出部は、前記中心軸とは直交する方向に突出して設けられていることを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の光偏向器。
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