JP2023040315A - 劣化診断システム、劣化診断方法、プログラム、及び電力システム - Google Patents

劣化診断システム、劣化診断方法、プログラム、及び電力システム Download PDF

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Abstract

【課題】自己発熱の状況から電子部品の劣化を診断する。【解決手段】劣化診断システム1は、電力変換システム2の劣化診断を行うシステムである。電力変換システム2は、複数の電子部品を備える。電力変換システム2は、第1電力と第2電力との間で少なくとも一方向に電力を変換する。劣化診断システム1は、診断部111を備える。診断部111は、複数の電子部品のうちの少なくとも一部の対象部品について劣化診断を行う。診断部111は、温度情報に基づいて、対象部品への通電時における対象部品の自己発熱を参照して劣化診断を行う。温度情報は、対象部品の温度の測定結果に関する情報である。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に劣化診断システム、劣化診断方法、プログラム、及び電力システムに関する。より詳細には、本開示は、第1電力と第2電力との間で電力を変換する電力変換システムの劣化診断を行うための劣化診断システム、劣化診断方法、プログラム、及び電力システムに関する。
特許文献1には、電力変換システム(インバータ)の故障又は劣化を検知する劣化診断システム(故障検知システム)が記載されている。特許文献1に記載の劣化診断システムでは、ハンダ層に発生したクラックにより電子部品(半導体モジュール)の熱抵抗が増加することをもって、電子部品の劣化を検知している。
特許第3668708号公報
本開示の目的は、自己発熱の状況から電子部品の劣化を診断することができる劣化診断システム、劣化診断方法、プログラム、及び電力システムを提供することにある。
本開示の一態様に係る劣化診断システムは、電力変換システムの劣化診断を行う劣化診断システムである。前記電力変換システムは、複数の電子部品を備える。前記電力変換システムは、第1電力と第2電力との間で少なくとも一方向に電力を変換する。前記劣化診断システムは、診断部を備える。前記診断部は、前記複数の電子部品のうちの少なくとも一部の対象部品について劣化診断を行う。前記診断部は、温度情報に基づいて、前記対象部品への通電時における前記対象部品の自己発熱を参照して前記劣化診断を行う。前記温度情報は、前記対象部品の温度の測定結果に関する情報である。
本開示の一態様に係る劣化診断方法は、電力変換システムの劣化診断を行う劣化診断方法である。前記電力変換システムは、複数の電子部品を備える。前記電力変換システムは、第1電力と第2電力との間で少なくとも一方向に電力を変換する。前記劣化診断方法は、診断ステップを有する。前記診断ステップは、前記複数の電子部品のうちの少なくとも一部の対象部品について劣化診断を行うステップである。前記診断ステップでは、温度情報に基づいて、前記対象部品への通電時における前記対象部品の自己発熱を参照して前記劣化診断を行う。前記温度情報は、前記対象部品の温度の測定結果に関する情報である。
本開示の一態様に係るプログラムは、前記劣化診断方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
本開示の一態様に係る電力システムは、前記劣化診断システムと、電力変換システムと、を備える。前記電力変換システムは、第1電力と第2電力との間で少なくとも一方向に電力を変換する。
本開示によれば、自己発熱の状況から電子部品の劣化を診断することができる、という効果がある。
図1は、実施形態に係る劣化診断システム及び電力システムの概略構成図である。 図2は、同上の電力システムに用いられる電力変換システムを下方から見た斜視図であって、カバーが閉じられた状態を示す斜視図である。 図3は、同上の電力システムに用いられる電力変換システムを上方から見た斜視図であって、カバーが開かれた状態を示す斜視図である。 図4Aは、比較例に係る劣化診断システムに関し、対象部品の温度変化を示すグラフである。図4Bは、実施形態に係る劣化診断システムに関し、対象部品の温度変化を示すグラフである。 図5Aは、比較例に係る劣化診断システムに関し、対象部品の別の温度変化を示すグラフである。図5Bは、実施形態に係る劣化診断システムに関し、対象部品の別の温度変化を示すグラフである。 図6は、同上の劣化診断システムの動作例1における温度変化を示すグラフである。 図7は、同上の劣化診断システムの動作例1を示すフローチャートである。 図8は、同上の劣化診断システムの動作例2における温度変化を示すグラフである。 図9は、同上の劣化診断システムの動作例2を示すフローチャートである。
(実施形態)
以下、実施形態に係る劣化診断システム及び電力システムについて、図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、下記の実施形態及び変形例に限定されない。下記の実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
また、下記の実施形態等において説明する各図は、いずれも模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(1)概要
まず、本実施形態に係る劣化診断システム1及び電力システム10の概要について、図1を参照して説明する。
本実施形態に係る劣化診断システム1は、電力変換システム2の劣化診断を行うためのシステムであって、図1に示すように、電力変換システム2と共に電力システム10を構成している。すなわち、電力システム10は、劣化診断システム1と、電力変換システム2と、を備えている。
電力変換システム2は、第1電力と第2電力との間で少なくとも一方向に電力を変換する。第1電力及び第2電力の各々は、交流電力又は直流電力である。ここで、本実施形態では、電力変換システム2がPCS(Power Conditioning Subsystem)である場合を想定している。そのため、例えば、第1電力が直流電力であり、第2電力が交流電力である。より詳細には、第1電力は、太陽電池、燃料電池、ガスエンジン等の発電電力であり、第2電力は、電力系統からの系統電力である。すなわち、本実施形態では、電力変換システム2は、第1電力と第2電力との間で少なくとも一方向(第1電力から第2電力に変換する方向)に電力を変換する。つまり、本実施形態に係る電力変換システム2は、DC-ACコンバータを含む。なお、第1電力と第2電力とが逆であってもよい。すなわち、第1電力が交流電力であり、第2電力が直流電力であってもよい。この場合、電力変換システム2は、第2電力を第1電力に変換することになる。
要するに、本実施形態に係る劣化診断システム1は、電力変換システム2の劣化診断を行うシステムである。電力変換システム2は、複数の電子部品222(図3参照)を備える。電力変換システム2は、第1電力と第2電力との間で少なくとも一方向に電力を変換する。劣化診断システム1は、図1に示すように、診断部111を備える。診断部111は、複数の電子部品222のうちの少なくとも一部の対象部品200(図3参照)について劣化診断を行う。診断部111は、対象部品200の温度情報に基づいて、対象部品200への通電時における対象部品200の自己発熱を参照して劣化診断を行う。温度情報は、対象部品200の温度の測定結果に関する情報である。
本実施形態に係る劣化診断システム1では、上述したように、対象部品200への通電時における対象部品200の温度(表面温度T1)を測定している。すなわち、測定結果は、対象部品200の表面温度T1を含む。そのため、診断部111は、対象部品200の自己発熱の状況から対象部品200の劣化診断を行うことができる。
(2)詳細
次に、本実施形態に係る劣化診断システム1及び電力システム10の詳細について、図1~図3を参照して説明する。
本実施形態に係る電力システム10は、図1に示すように、劣化診断システム1と、電力変換システム2と、を備えている。劣化診断システム1と電力変換システム2とは、例えば、インターネット等のネットワーク3を介して通信可能に構成されている。
(2.1)前提
本実施形態では、電力変換システム2の後述の電力変換部(DC-ACコンバータ)22を構成する複数の電子部品222(図3参照)のうちの1つが対象部品200(図3参照)であると仮定する。ただし、対象部品200は1つに限らず、2つ以上であってもよい。
本開示でいう「対象部品」は、電力変換システム2を構成する複数の電子部品222のうち、電力変換システム2の機能を劣化させる要因となり得る電子部品222をいう。対象部品200は、例えば、スイッチング素子、ヒューズ、抵抗器及び電解コンデンサを含む。本実施形態では一例として、対象部品200は、スイッチング素子である。
また、本開示でいう「劣化」は、対象部品200の性能又は品質等が低下することを意味し、例えば、対象部品200の内部抵抗が増加することを意味する。
また、本開示でいう「温度情報」は、対象部品200の温度の測定結果に関する情報であって、対象部品200の温度(表面温度T1)そのものであってもよいし、対象部品200の温度を加工したものであってもよい。本実施形態では一例として、温度情報は、後述の測定期間(Δtb)における対象部品200の温度上昇率R1(=ΔT/Δtb)を含む。
また、本開示でいう「通電情報」は、対象部品200が通電されているか否かを示す情報であって、例えば、対象部品200がスイッチング素子の場合、スイッチング素子のオン/オフ情報であってもよいし、スイッチング素子を流れる電流値であってもよい。本実施形態では一例として、通電情報は、スイッチング素子のオン/オフ情報を含む。
(2.2)劣化診断システム
次に、本実施形態に係る劣化診断システム1の構成について、図1を参照して説明する。
本実施形態に係る劣化診断システム1は、図1に示すように、制御部11と、測定部12と、記憶部13と、通信部14と、を備えている。
(2.2.1)制御部
制御部11は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。すなわち、コンピュータシステムの1以上のメモリに記録されたプログラムを、1以上のプロセッサが実行することにより、制御部11(後述の診断部111を含む)の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよく、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御部11は、測定部12及び通信部14を各別に制御するように構成されている。制御部11は、測定部12を制御することによって、対象部品200の表面温度T1、及び電力変換システム2の後述の筐体20の内部温度T2を測定させる。また、制御部11は、通信部14を制御することによって、電力変換システム2の後述の通信部24との間で通信を行わせる。ここで、対象部品200の表面温度T1は、自己発熱と周囲温度との和である。
制御部11は、図1に示すように、診断部111を有している。診断部111は、上述したように、複数の電子部品222(図3参照)のうちの少なくとも一部の対象部品200(図3参照)について劣化診断を行う。診断部111は、対象部品200の温度情報に基づいて、対象部品200への通電時における対象部品200の自己発熱を参照して対象部品200の劣化診断を行う。具体的には、診断部111は、測定期間Δtb(図6参照)において測定部12により測定した対象部品200の表面温度T1から、測定期間Δtbにおける温度上昇率R1(=ΔT/Δtb)を算出し、この温度上昇率R1と基準値Rsとを比較する。そして、診断部111は、温度上昇率R1が基準値Rs未満の場合には対象部品200が劣化していない(対象部品200が正常)と診断(判断)する。また、診断部111は、温度上昇率R1が基準値Rs以上の場合には対象部品200が劣化している(対象部品200が異常)と診断(判断)する。ここで、対象部品200の表面温度T1は、対象部品200の自己発熱と周囲温度との和であるため、本実施形態では、診断部111は、対象部品200の自己発熱を間接的に参照することになる。また、対象部品200の自己発熱は、対象部品200の内部抵抗が増加することによって上昇する。
ところで、対象部品200の表面温度T1は、対象部品200に電流が流れることによって上昇する。すなわち、対象部品200の表面温度T1は、対象部品200が通電されることによって上昇する。したがって、診断部111は、対象部品200が通電されたタイミングを測定期間Δtb(図6参照)の開始タイミングとする必要がある。本実施形態に係る劣化診断システム1では、通信部14が電力変換システム2の通信部24と通信することによって、上述の通電情報を取得する。したがって、診断部111は、電力変換システム2から受け取った通電情報に基づいて、対象部品200の劣化診断を行うことになる。なお、測定期間Δtbの長さについては、電力変換システム2からの通電情報(対象部品200への通電をオフした情報)に基づいて決定してもよいし、予め決められていてもよい。
また、対象部品200の表面温度T1は、対象部品200が置かれる環境の環境温度(周囲温度)によって異なる。具体的には、環境温度が高くなることで対象部品200の表面温度T1も高くなり、環境温度が低くなることで対象部品200の表面温度T1も低くなる。本実施形態に係る電力変換システム2では、後述するように、対象部品200は筐体20(図3参照)に収容されている。すなわち、電力変換システム2は、複数の電子部品222(対象部品200を含む)を収容する筐体20を更に備えている。そのため、診断部111は、対象部品200の劣化診断を行う際に、筐体20の内部温度T2を参照することが好ましい。これにより、診断部111は、筐体20の内部環境に応じた劣化診断を行うことができる。
さらに、対象部品200の表面温度T1は、対象部品200を含む電力変換システム2の動作状態によっても異なる。例えば、電力変換システム2の稼働率が高い場合には、対象部品200の表面温度T1も高くなるが、電力変換システム2の稼働率が低い場合には、対象部品200の表面温度T1はあまり高くならない。したがって、診断部111は、対象部品200の劣化診断を行う際に、電力変換システム2を同じ稼働条件で動作させることが好ましい。言い換えると、劣化診断の診断中における電力変換システム2の動作条件が同じであることが好ましい。これにより、測定部12は、対象部品200の表面温度T1を同じ条件で測定することができる。ここで、電力変換システム2の稼働条件(動作条件)は、電力変換システム2の入力電圧、入力電流、出力電圧及び出力電流で規定される。この場合、電力変換システム2の入力電圧、入力電流、出力電圧及び出力電流の各々が所望の値であれば、電力変換システム2の稼働条件が同じであるとみなすことができる。
また、対象部品200の表面温度T1は、後述の換気装置23の動作状態によっても異なる。例えば、換気装置23が正常に動作している場合には、筐体20の内部温度T2を所望の温度に制御することができ、対象部品200の表面温度T1は、この内部温度T2に応じた温度になる。一方、換気装置23が正常に動作していない場合には、筐体20の内部温度T2を所望の温度に制御することができず、筐体20の内部温度T2が所望の温度よりも高い(又は低い)温度になる。そして、対象部品200の表面温度T1は、この内部温度T2に応じた温度になる。このように、対象部品200の表面温度T1は、換気装置23の動作状態によっても異なるため、診断部111は、対象部品200の劣化診断を行う際に、換気装置23の動作状態を参照することが好ましい。これにより、診断部111は、対象部品200が収容される筐体20の内部環境に応じた劣化診断を行うことができる。
(2.2.2)測定部
測定部12は、対象部品200の表面温度T1、及び電力変換システム2の後述の筐体20(図2参照)の内部温度T2を測定するように構成されている。測定部12は、図1に示すように、センシング部121を有している。
センシング部121は、例えば、少なくとも1つの熱電対を含む。本実施形態では、センシング部121が少なくとも1つの対象部品200の表面温度T1、及び筐体20の内部温度T2を測定するため、センシング部121は、少なくとも2つの熱電対を含む。少なくとも2つの熱電対は、少なくとも1つの対象部品200の表面(基板221と反対側の面)に取り付けられると共に、筐体20の内部空間2000(図2参照)の中心部分に配置されている。
(2.2.3)記憶部
記憶部13は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能な不揮発性メモリを含む。記憶部13は、基準値Rsを記憶する。基準値Rsは、対象部品200の温度上昇率R1の比較対象である。また、記憶部13は、対象部品200の温度上昇率R1と、対象部品200の種類(例えば名称)と、対象部品200の表面温度T1の測定開始時における筐体20の内部温度T2と、を対応付けて記憶する。
(2.2.4)通信部
通信部14は、電力変換システム2(の通信部24)との間で通信可能な通信インターフェースである。通信部14は、直接的、又はネットワーク3若しくは中継器等を介して間接的に、電力変換システム2(の通信部24)と通信するように構成されている。本実施形態では、通信部14は、インターネット等のネットワーク3を介して電力変換システム2(の通信部24)と通信可能である。これにより、劣化診断システム1では、電力変換システム2から、後述の換気装置23の動作情報を取得することができる。ここでいう「動作情報」は、換気装置23が動作しているか否かを示す情報であって、例えば、換気装置23の後述のファン231の回転数に関する情報を含む。
(2.3)電力変換システム
次に、本実施形態に係る電力変換システム2の構成について、図1~図3を参照して説明する。
本実施形態に係る電力変換システム2は、図1に示すように、制御部21と、電力変換部22と、換気装置23と、通信部24と、を備えている。また、本実施形態では、電力変換システム2は、図2及び図3に示すように、筐体20を更に備えている。
(2.3.1)制御部
制御部21は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。すなわち、コンピュータシステムの1以上のメモリに記録されたプログラムを、1以上のプロセッサが実行することにより、制御部21の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよく、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御部21は、電力変換部22、換気装置23及び通信部24を各別に制御するように構成されている。制御部21は、電力変換部22(のスイッチング素子)を制御することによって、第1電力を第2電力に変換させる。制御部21は、換気装置23を制御することによって、筐体20の内部温度T2を所望の温度に制御させる。また、制御部21は、通信部24を制御することによって、劣化診断システム1の通信部14との間で通信を行わせる。
(2.3.2)電力変換部
電力変換部22は、上述したように、第1電力として太陽電池等から供給される直流電力(発電電力)を、第2電力として電力系統に供給される交流電力に変換するDC-ACコンバータを含む。すなわち、電力変換部22(電力変換システム2)は、図3に示すように、DC-ACコンバータとして機能させるための複数(図示例では6つ)の電子部品222が実装された基板221を備えている。
基板221は、例えば、プリント配線板である。複数の電子部品222は、上述したように、スイッチング素子、ヒューズ、抵抗器及び電解コンデンサを含む。本実施形態では、図3に示すように、複数の電子部品222のうちの1つが対象部品200である。電力変換部22を構成する基板221は、図3に示すように、筐体20に収容されている。言い換えると、基板221に実装された複数の電子部品222(対象部品200を含む)は、筐体20に収容されている。
(2.3.3)換気装置
換気装置23は、筐体20の内部空間2000(図3参照)と外部との間で換気を行うための装置である。すなわち、本実施形態に係る電力変換システム2は、筐体20の内部空間2000と外部との間で換気を行う換気装置23を更に備えている。
換気装置23は、図1及び図3に示すように、ファン231を有している。ファン231は、筐体20の内部で、かつ後述の排気口2612(図2参照)と対向する位置に設けられている。ファン231は、後述の吸気口2611(図2参照)を通して筐体20の内部空間2000に取り込まれた空気を、排気口2612を通して外部に放出するように構成されている。すなわち、ファン231は、筐体20の内部空間2000と外部との間で空気を循環させるように構成されている。これにより、筐体20の内部空間2000の内部温度T2を所望の温度に制御することができる。
(2.3.4)通信部
通信部24は、劣化診断システム1の通信部14との間で通信可能な通信インターフェースである。通信部24は、直接的、又はネットワーク3若しくは中継器等を介して間接的に、通信部14と通信するように構成されている。本実施形態では、通信部24は、インターネット等のネットワーク3を介して通信部14と通信可能である。これにより、電力変換システム2は、通信部14,24を介して、例えば、診断部111の診断結果等を劣化診断システム1から取得することができる。
(2.3.5)筐体
筐体20は、例えば、金属製であって、図2及び図3に示すように、一方向(図2の上下方向)に長い矩形の箱状である。筐体20は、ボディ25と、カバー26と、を有している。
ボディ25は、図3に示すように、後壁251、上壁252、下壁253、右壁254及び左壁255にて、中空の直方体状に形成されている。ボディ25の一面2501には、開口部258が設けられている。カバー26は、複数(図示例では4個)のヒンジ99を介してボディ25に取り付けられている。カバー26は、ボディ25の開口部258を覆う閉位置と、ボディ25の開口部258を開放する開位置と、の間で開閉可能である。
カバー26は、図2に示すように、カバー本体261と、ルーバ262と、笠部263と、を有している。カバー本体261は、一方向(図2の上下方向)に長い矩形の板状である。カバー本体261には、吸気口2611と、排気口2612と、が設けられている。吸気口2611は、排気口2612の上部に位置している。吸気口2611は、ルーバ262により覆われている。排気口2612は、笠部263により覆われている。吸気口2611と排気口2612とは、筐体20の内部空間2000を経由してつながっている。
ここで、上述した換気装置23のファン231は、排気口2612と対向している。そのため、ファン231を作動させることにより、吸気口2611から筐体20の内部空間2000に取り込まれた空気が、ファン231を通って排気口2612から外部に放出される。これにより、筐体20の内部空間2000と外部との間で空気を循環させることができ、その結果、筐体20の内部温度T2を所望の温度に制御することができる。この場合において、ファン231の作動時間を制御することにより、筐体20の内部温度T2を所望の温度に制御することができる。
ルーバ262は、図2に示すように、複数の羽根2621を有している。複数の羽根2621は、制御部21からの制御信号に従って開閉可能に構成されている。すなわち、複数の羽根2621は、カバー本体261に設けられた吸気口2611を塞ぐ第1位置と、吸気口2611を開放する第2位置と、の間で開閉可能である。本実施形態では、複数の羽根2621を有するルーバ262により開閉部が構成されている。また、本実施形態では、吸気口2611により開口部が構成されている。
(3)温度制御
次に、換気装置23による対象部品200の温度制御について、図4A~図5Bを参照して説明する。以下では、対象部品200が抵抗器である場合を例に説明する。
(3.1)制御例1
まず、換気装置23による対象部品200の温度(表面温度T1)の制御例1について、図4A及び図4Bを参照して説明する。
図4Aは、比較例に係る劣化診断システムに関し、対象部品の温度変化を示すグラフである。図4Aでは、破線a1が夏場における対象部品の温度変化を示しており、実線b1が冬場における対象部品の温度変化を示している。また、図4Aでは、期間P1~P3のいずれにおいても換気装置23を動作させている。さらに、図4Aでは、期間P2が対象部品の温度(表面温度)を測定する測定期間である。
対象部品の温度(表面温度)は、上述したように、環境温度(周囲温度)の影響を受けるため、図4Aに示すように、測定期間(期間P2)の開始時における対象部品の温度が夏場と冬場とで異なっている。そのため、夏場と冬場とで対象部品の劣化診断の精度が異なる可能性がある。したがって、季節にかかわらず、一定の精度で対象部品の劣化診断を行うためには、測定期間の開始時における対象部品の温度を一定に制御することが好ましい。
図4Bは、本実施形態に係る劣化診断システム1に関し、対象部品200の温度変化を示すグラフである。図4Bでは、期間P1,P3において換気装置23を動作させ、期間P2において換気装置23を停止させている。すなわち、本実施形態に係る劣化診断システム1では、測定期間Δtb(図6参照)としての期間P2において、換気装置23のファン231を停止させている。言い換えると、測定期間Δtbにおけるファン231の回転数が一定(ゼロ)である。
本実施形態に係る劣化診断システム1では、図4Bの実線c1に示すように、測定期間Δtbとしての期間P2の開始時における対象部品200の温度(表面温度T1)が一定となるように、夏場と冬場とで換気装置23の制御を異ならせている。具体的には、本実施形態では、例えば、夏場における換気装置23の動作時間が冬場における換気装置23の動作時間よりも短くなるように、換気装置23の動作を制御している。これにより、季節にかかわらず、測定期間Δtbの開始時における対象部品200の温度を一定に制御することができる。要するに、本実施形態に係る劣化診断システム1では、劣化診断の開始時(測定期間Δtbの開始時)における筐体20の内部温度T2が一定である。
(3.2)制御例2
次に、換気装置23による対象部品200の温度(表面温度T1)の制御例2について、図5A及び図5Bを参照して説明する。
図5Aは、比較例に係る劣化診断システムに関し、対象部品の温度変化を示すグラフである。図5Aでは、破線a2が換気装置23の換気能力が低下している場合における対象部品の温度変化を示しており、実線b2が換気装置23の換気能力が正常な場合における対象部品の温度変化を示している。また、図5Aでは、期間P1~P3のいずれにおいても換気装置23を動作させている。さらに、図5Aでは、期間P2が対象部品の温度(表面温度)を測定する測定期間である。
図5Aに示すように、測定期間である期間P2において換気装置23を動作させた場合、換気装置23の換気能力に応じて対象部品の温度が変化してしまう。すなわち、換気装置23の換気能力が低下している場合には、破線a2に示すように、対象部品の温度上昇率が大きくなり、換気装置23の換気能力が正常な場合には、実線b2に示すように、対象部品の温度上昇率が小さくなる。したがって、測定期間である期間P2においては、対象部品200の温度上昇率R1が換気装置23の換気能力の影響を受けないように、換気装置23を停止させることが好ましい。
本実施形態に係る劣化診断システム1では、測定期間Δtbである期間P2において換気装置23を停止させており、その結果、図5Bの実線c2に示すように、対象部品200の温度(表面温度T1)の温度上昇率R1が変化する。これにより、換気装置23の換気能力にかかわらず、一定条件で対象部品200の温度測定が可能になる。
(4)動作
次に、本実施形態に係る劣化診断システム1の動作について、図6~図9を参照して説明する。
(4.1)動作例1
まず、劣化診断システム1の動作例1について、図6及び図7を参照して説明する。
図6において、「Ta」は外気温であり、「Tb」は筐体20の内部空間2000の設定温度の上限値であり、「Tc」は対象部品200の飽和温度であり、「Td」は筐体20の内部空間2000の設定温度の下限値である。また、図6において、破線d1は対象部品200の表面温度(部品温度)T1を示し、実線e1は筐体20の内部温度T2を示している。
時刻t0以前では電力変換システム2を停止させており、時刻t0において電力変換システム2の動作を開始させている。この場合において、上述したように、電力変換システム2を同じ稼働条件(動作条件)で動作させることが好ましい。ここで、時刻t0以前、及び時刻t0から時刻t1までの期間では、換気装置23を停止させている。
時刻t1から時刻t2までの期間である冷却期間Δtaにおいて、換気装置23(のファン231)を動作させることにより、筐体20の内部温度T2を低下させる(ステップST1)。また、冷却期間Δtaでは、ルーバ(開閉部)262を第2位置(吸気口2611を開放する位置)とすることが好ましい。このとき、対象部品200の表面温度T1は、筐体20の内部温度T2の低下に伴って低下する。時刻t2では、換気装置23の換気能力によって、筐体20の内部温度T2が下限値Tdに達する。このとき、対象部品200の表面温度T1も最小値になる。
次に、時刻t2から時刻t3までの期間である測定期間Δtbにおいて、測定部12は、対象部品200の表面温度T1を測定する(ステップST2)。また、測定期間Δtbでは、ルーバ(開閉部)262を第1位置(吸気口2611を塞ぐ位置)とすることが好ましい。このとき、換気装置23(のファン231)は、停止している。診断部111は、測定期間Δtbにおける測定部12の測定結果から、測定期間Δtbにおける対象部品200の表面温度T1の温度上昇率R1(=ΔT/Δtb)を算出する。そして、診断部111は、記憶部13から基準値Rsを読み出して、温度上昇率R1と基準値Rsとを比較する(ステップST3)。ここで、換気装置23の停止直後では、筐体20の内部温度T2が下限値Tdで安定しているため、他の電子部品222からの発熱の影響を受けることなく、対象部品200の自己発熱による温度測定が可能になる。
診断部111は、温度上昇率R1が基準値Rs以上の場合(ステップST3:Yes)、対象部品200が劣化していると診断(判定)する(ステップST4)。一方、診断部111は、温度上昇率R1が基準値Rs未満の場合(ステップST3:No)、対象部品200が正常である(劣化していない)と診断(判定)する(ステップST5)。ここで、動作例1では、ステップST3~ST5が診断ステップである。
劣化診断システム1は、同様に、時刻t4から時刻t6までの期間、及び時刻t7から時刻t9までの期間において、対象部品200の表面温度T1を測定し、この測定結果から対象部品200の表面温度T1の温度上昇率R1を算出して対象部品200の劣化診断を行う。
動作例1に係る劣化診断システム1では、上述したように、測定部12は、測定期間Δtbにおいて、対象部品200への通電時(電力変換システム2の動作時)における対象部品200の表面温度T1を測定している。そして、診断部111は、測定部12の測定結果に基づいて対象部品200の表面温度T1の温度上昇率R1を算出し、この温度上昇率R1から対象部品200の劣化診断を行っている。したがって、動作例1に係る劣化診断システム1によれば、対象部品200の自己発熱の状況から対象部品200の劣化診断を行うことができる。
(4.2)動作例2
次に、劣化診断システム1の動作例2について、図8及び図9を参照して説明する。
図8において、「Ta」は外気温であり、「Tb」は筐体20の内部空間2000の飽和温度であり、「Tc」は対象部品200の飽和温度である。また、図8において、破線d2は対象部品200の表面温度T1を示し、実線e2は筐体20の内部温度T2を示している。
時刻t0以前では電力変換システム2の動作を停止させており、時刻t0において電力変換システム2の動作を開始させている。この場合において、上述したように、電力変換システム2を同じ稼働条件(動作条件)で動作させることが好ましい。
時刻t0から時刻t1までの期間において電力変換システム2を動作させた後、時刻t1から時刻t2までの期間において電力変換システム2を停止させる(ステップST11)。このとき、診断部111は、電力変換システム2を停止させてから一定時間(ここでは時刻1から時刻t2までの時間)が経過しているか否かを判定する(ステップST12)。診断部111は、電力変換システム2を停止させてから一定時間が経過していなければ(ステップST12:No)、電力変換システム2を停止させ続ける(ステップST11)。一方、診断部111は、電力変換システム2を停止させてから一定時間が経過していれば(ステップST12:Yes)、時刻t3において対象部品200の表面温度T1、及び筐体20の内部温度T2が安定したことをもって、対象部品200の表面温度T1を測定部12に測定させる(ステップS13)。なお、時刻t3以降においては、電力変換システム2を動作させている。
時刻t3から時刻t4までの期間である測定期間Δtbにおいて、測定部12は、対象部品200の表面温度T1を測定する(ステップST13)。このとき、換気装置23(のファン231)は、停止している。診断部111は、測定部12の測定結果から、測定期間Δtbにおける対象部品200の表面温度T1の温度上昇率R1(=ΔT/Δtb)を算出する。そして、診断部111は、記憶部13から基準値Rsを読み出して、温度上昇率R1と基準値Rsとを比較する(ステップST14)。
診断部111は、温度上昇率R1が基準値Rs以上の場合(ステップST14:Yes)、対象部品200が劣化していると診断(判定)する(ステップST15)。一方、診断部111は、温度上昇率R1が基準値Rs未満の場合(ステップST14:No)、対象部品200が正常である(劣化していない)と診断(判定)する(ステップST16)。ここで、動作例2では、ステップST14~ST16が診断ステップである。
動作例2に係る劣化診断システム1では、上述したように、測定部12は、測定期間Δtbにおいて、対象部品200への通電時(電力変換システム2の動作時)における対象部品200の表面温度T1を測定している。そして、診断部111は、測定部12の測定結果に基づいて対象部品200の表面温度T1の温度上昇率R1を算出し、この温度上昇率R1から対象部品200の劣化診断を行っている。したがって、動作例2に係る劣化診断システム1によれば、対象部品200の自己発熱の状況から対象部品200の劣化診断を行うことができる。
(5)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上述の実施形態に係る劣化診断システム1と同様の機能は、劣化診断方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
一態様に係る劣化診断方法は、電力変換システム2の劣化診断を行う劣化診断方法である。電力変換システム2は、複数の電子部品222(図3参照)を備える。電力変換システム2は、第1電力と第2電力との間で少なくとも一方向に電力を変換する。劣化診断方法は、診断ステップ(ST3~ST5、及びST14~ST16)を有する。診断ステップは、複数の電子部品222のうちの少なくとも一部の対象部品200(図3参照)について劣化診断を行うステップである。診断ステップでは、対象部品200の温度情報に基づいて、対象部品200への通電時における対象部品200の自己発熱を参照して対象部品200の劣化診断を行う。温度情報は、対象部品200の温度(表面温度T1)の測定結果に関する情報である。また、一態様に係るプログラムは、上述の劣化診断方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における劣化診断システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における劣化診断システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。更に、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、劣化診断システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは劣化診断システム1に必須の構成ではない。劣化診断システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、劣化診断システム1の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
反対に、上述の実施形態において、複数の装置(劣化診断システム1及び電力変換システム2)に分散されている電力システム10の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、劣化診断システム1と電力変換システム2とに分散されている電力システム10の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
上述の実施形態では、対象部品200の表面温度T1、及び筐体20の内部温度T2を熱電対により測定しているが、対象部品200の表面温度T1については、例えば、熱画像センサにより測定してもよい。すなわち、熱電対と熱画像センサとを組み合わせて、対象部品200の表面温度T1、及び筐体20の内部温度T2を測定してもよい。この構成によれば、1つの熱画像センサにより、複数の対象部品200の表面温度T1をまとめて測定することができる。
上述の実施形態では、劣化診断システム1と電力変換システム2とがネットワーク3を介して通信しているが、劣化診断システム1と電力変換システム2とが直接通信してもよい。
上述の実施形態では、図6に示すように、対象部品200の表面温度T1が下限値に達するタイミングと、筐体20の内部温度T2が下限値Tdに達するタイミングと、が一致しているが、異なっていてもよい。例えば、筐体20の内部温度T2が下限値に達した後に、対象部品200の表面温度T1が下限値に達してもよい。
上述の実施形態では、診断部111は、対象部品200の温度上昇率R1(相対値)から対象部品200の劣化を診断しているが、診断部111は、例えば、対象部品200の表面温度T1(絶対値)から対象部品200の劣化を診断してもよい。
上述の実施形態では、対象部品200の表面温度T1を測定する測定期間Δtbにおいて換気装置23のファン231を停止させているが、各測定期間Δtbにおいてファン231の動作条件が同じであればよく、ファン231の回転数が一定であればよい。
上述の実施形態では、劣化診断において対象部品200の表面温度T1を参照しており、対象部品200の自己発熱を間接的に参照しているが、対象部品200の自己発熱を直接的に参照してもよい。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る劣化診断システム(1)は、電力変換システム(2)の劣化診断を行う劣化診断システム(1)である。電力変換システム(2)は、複数の電子部品(222)を備える。電力変換システム(2)は、第1電力と第2電力との間で少なくとも一方向に電力を変換する。劣化診断システム(1)は、診断部(111)を備える。診断部(111)は、複数の電子部品(222)のうちの少なくとも一部の対象部品(200)について劣化診断を行う。診断部(111)は、温度情報に基づいて、対象部品(200)への通電時における対象部品(200)の自己発熱を参照して劣化診断を行う。温度情報は、対象部品(200)の温度(表面温度T1)の測定結果に関する情報である。
この態様によれば、対象部品(200)の自己発熱の状況から対象部品(200)の劣化を診断することができる。
第2の態様に係る劣化診断システム(1)では、第1の態様において、測定結果は、対象部品(200)の表面温度(T1)を含む。
この態様によれば、対象部品(200)の表面温度(T1)から、対象部品(200)の劣化を診断することができる。
第3の態様に係る劣化診断システム(1)では、第1又は第2の態様において、温度情報は、対象部品(200)の温度上昇率(R1)を含む。
この態様によれば、対象部品(200)の温度上昇率(R1)から対象部品(200)の劣化を診断することができる。
第4の態様に係る劣化診断システム(1)では、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、診断部(111)は、対象部品(200)の通電状態に関する通電情報に基づいて、劣化診断を行う。
この態様によれば、対象部品(200)への通電時における温度情報に基づいて、対象部品(200)の劣化を診断することができる。
第5の態様に係る劣化診断システム(1)では、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、電力変換システム(2)は、筐体(20)を更に備える。筐体(20)は、複数の電子部品(222)を収容する。診断部(111)は、筐体(20)の内部温度(T2)を参照して劣化診断を行う。
この態様によれば、対象部品(200)が収容される筐体(20)の内部環境に応じた劣化診断を行うことができる。
第6の態様に係る劣化診断システム(1)では、第5の態様において、電力変換システム(2)は、換気装置(23)を更に備える。換気装置(23)は、筐体(20)の内部空間(2000)と外部との間で換気を行う。診断部(111)は、換気装置(23)の動作状態を参照して劣化診断を行う。
この態様によれば、対象部品(200)が収容される筐体(20)の内部環境に応じた劣化診断を行うことができる。
第7の態様に係る劣化診断システム(1)では、第6の態様において、換気装置(23)は、ファン(231)を有する。ファン(231)は、筐体(20)の内部空間(2000)と外部との間で空気を循環させる。劣化診断システム(1)では、測定期間(Δtb)におけるファン(231)の回転数が一定である。測定期間(Δtb)は、対象部品(200)の温度を測定する期間である。
この態様によれば、対象部品(200)の温度を同じ条件で測定することができる。
第8の態様に係る劣化診断システム(1)では、第7の態様において、測定期間(Δtb)に、ファン(231)を停止させている。
この態様によれば、換気装置(23)の性能が劣化診断に与える影響を低減することができる。
第9の態様に係る劣化診断システム(1)では、第5~第8の態様のいずれか1つにおいて、劣化診断の開始時における筐体(20)の内部温度(T2)が一定である。
この態様によれば、筐体(20)の内部環境の影響を低減することができる。
第10の態様に係る劣化診断システム(1)では、第5~第9の態様のいずれか1つにおいて、筐体(20)は、開閉部(262)を有する。開閉部(262)は、筐体(20)に設けられた開口部(2611)を塞ぐ第1位置と、開口部(2611)を開放する第2位置と、の間で開閉可能である。
この態様によれば、開閉部(262)によって筐体(20)の内部空間(2000)を密閉することができる。
第11の態様に係る劣化診断システム(1)では、第10の態様において、対象部品(200)の温度を測定する測定期間(Δtb)の前の冷却期間(Δta)において開閉部(262)を第2位置とし、測定期間(Δtb)において開閉部(262)を第1位置とする。
この態様によれば、周囲環境の影響を低減することができる。
第12の態様に係る劣化診断システム(1)では、第1~第11の態様のいずれか1つにおいて、劣化診断の診断中における電力変換システム(2)の動作条件が同じである。
この態様によれば、対象部品(200)の温度を同じ条件で測定することができる。
第13の態様に係る劣化診断方法は、電力変換システム(2)の劣化診断を行う劣化診断方法である。電力変換システム(2)は、複数の電子部品(222)を備える。電力変換システム(2)は、第1電力と第2電力との間で少なくとも一方向に電力を変換する。劣化診断方法は、診断ステップ(ST3~ST5,ST14~ST16)を有する。診断ステップ(ST3~ST5,ST14~ST16)は、複数の電子部品(222)のうちの少なくとも一部の対象部品(200)について劣化診断を行うステップである。診断ステップ(ST3~ST5,ST14~ST16)では、温度情報に基づいて、対象部品(200)への通電時における対象部品(200)の自己発熱を参照して劣化診断を行う。温度情報は、対象部品(200)の温度(T1)の測定結果に関する情報である。
この態様によれば、対象部品(200)の自己発熱の状況から対象部品(200)の劣化を診断することができる。
第14の態様に係るプログラムは、第13の態様に係る劣化診断方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
この態様によれば、対象部品(200)の自己発熱の状況から対象部品(200)の劣化を診断することができる。
第15の態様に係る電力システム(10)は、第1~第12の態様のいずれか1つの劣化診断システム(1)と、電力変換システム(2)と、を備える。電力変換システム(2)は、第1電力と第2電力との間で少なくとも一方向に電力を変換する。
この態様によれば、対象部品(200)の自己発熱の状況から対象部品(200)の劣化を診断することができる。
第2~第12の態様に係る構成については、劣化診断システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1 劣化診断システム
2 電力変換システム
10 電力システム
20 筐体
23 換気装置
111 診断部
200 対象部品
222 電子部品
231 ファン
262 ルーバ(開閉部)
2000 内部空間
2611 吸気口(開口部)
R1 温度上昇率
T1 表面温度(温度)
T2 内部温度
Δta 冷却期間
Δtb 測定期間
ST3~ST5,ST14~ST16 診断ステップ

Claims (15)

  1. 複数の電子部品を備え、第1電力と第2電力との間で少なくとも一方向に電力を変換する電力変換システムの劣化診断を行う劣化診断システムであって、
    前記複数の電子部品のうちの少なくとも一部の対象部品について劣化診断を行う診断部を備え、
    前記診断部は、前記対象部品の温度の測定結果に関する温度情報に基づいて、前記対象部品への通電時における前記対象部品の自己発熱を参照して前記劣化診断を行う、
    劣化診断システム。
  2. 前記測定結果は、前記対象部品の表面温度を含む、
    請求項1に記載の劣化診断システム
  3. 前記温度情報は、前記対象部品の温度上昇率を含む、
    請求項1又は2に記載の劣化診断システム。
  4. 前記診断部は、前記対象部品の通電状態に関する通電情報に基づいて、前記劣化診断を行う、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の劣化診断システム。
  5. 前記電力変換システムは、前記複数の電子部品を収容する筐体を更に備え、
    前記診断部は、前記筐体の内部温度を参照して前記劣化診断を行う、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の劣化診断システム。
  6. 前記電力変換システムは、前記筐体の内部空間と外部との間で換気を行う換気装置を更に備え、
    前記診断部は、前記換気装置の動作状態を参照して前記劣化診断を行う、
    請求項5に記載の劣化診断システム。
  7. 前記換気装置は、前記内部空間と外部との間で空気を循環させるためのファンを有し、
    前記対象部品の温度を測定する測定期間における前記ファンの回転数が一定である、
    請求項6に記載の劣化診断システム。
  8. 前記測定期間に、前記ファンを停止させている、
    請求項7に記載の劣化診断システム。
  9. 前記劣化診断の開始時における前記内部温度が一定である、
    請求項5~8のいずれか1項に記載の劣化診断システム。
  10. 前記筐体は、前記筐体に設けられた開口部を塞ぐ第1位置と、前記開口部を開放する第2位置と、の間で開閉可能な開閉部を有する、
    請求項5~9のいずれか1項に記載の劣化診断システム。
  11. 前記対象部品の温度を測定する測定期間の前の冷却期間において前記開閉部を前記第2位置とし、前記測定期間において前記開閉部を前記第1位置とする、
    請求項10に記載の劣化診断システム。
  12. 前記劣化診断の診断中における前記電力変換システムの動作条件が同じである、
    請求項1~11のいずれか1項に記載の劣化診断システム。
  13. 複数の電子部品を備え、第1電力と第2電力との間で少なくとも一方向に電力を変換する電力変換システムの劣化診断を行う劣化診断方法であって、
    前記複数の電子部品のうちの少なくとも一部の対象部品について劣化診断を行う診断ステップを有し、
    前記診断ステップでは、前記対象部品の温度の測定結果に関する温度情報に基づいて、前記対象部品への通電時における前記対象部品の自己発熱を参照して前記劣化診断を行う、
    劣化診断方法。
  14. 請求項13に記載の劣化診断方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
  15. 請求項1~12のいずれか1項に記載の劣化診断システムと、
    第1電力と第2電力との間で少なくとも一方向に電力を変換する電力変換システムと、を備える、
    電力システム。
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