JP2023039253A - 弁体、流路切換弁、及び自動車用熱媒体システム - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動軸が圧入される圧入固定筒付近の弁本体を形成する合成樹脂に、割れや亀裂が生じるのを抑制することができる弁体、及びこれを使用した流路切換弁を提供する。【解決手段】液体が流れる流路の連通状態を変化させる弁体であって、合成樹脂で形成され、内部に金属製の圧入固定筒41を備えた弁本体と、弁本体の圧入固定筒に圧入固定される駆動軸23とを備え、圧入固定筒、及び駆動軸のどちらか一方、或いは両方に所定形状の空間からなる非圧入部47が形成されている。駆動軸の圧入によって圧入固定筒が膨らむように変形しても、非圧入部で変形を吸収することができ、駆動軸が圧入される圧入固定筒付近の弁本体を形成する合成樹脂に、割れや亀裂が生じるのを抑制できる。【選択図】図10

Description

本発明は液体の流路に設けられる弁体、及びこの弁体を使用した流路切換弁、及びこの流路切換弁を使用した熱媒体システムに係り、例えば、内燃機関やリチウム電池等の熱源を冷却する冷却水を種々の熱補機類に分配するために用いられる弁体、及びこの弁体を使用した流路切換弁、及びこの流路切換弁を使用した自動車用熱媒体システムに関するものである。
一般的な自動車においては、内燃機関を冷却する冷却水の熱を外部に放熱するために冷却水をラジエータに循環させる、或いは車室内を暖房するために温度の高い冷却水を暖房装置に循環させるといった目的のために、流路切換弁を使用して各種熱補機類に冷却水を分配することが行われている。
このような自動車の内燃機関を冷却する冷却水を各種熱補機類に分配する流路切換弁としては、例えば特開2018-66402号公報(特許文献1)に記載されている。この特許文献1に記載された流路切換弁は、一方に閉塞壁を有し他方に開放部を備える有底円筒状の弁体をハウジング本体内に回転可能に収容し、この弁体の回転位置に応じて流路を切り換えるロータリー式流路切換弁あって、ハウジング本体に形成した連通路の開口部と弁本体の外側周部に形成した開口部との重なり合いにより開弁し、弁本体の開放端である流入口から流入した冷却水を弁本体の開口部、及びハウジング本体の連通路を介して自動車の各種熱補機類に分配する構成となっている。
特開2018-66402号公報
ところで、特許文献1の図10、図11にあるような流路切換弁に使用される弁体においては、合成樹脂で形成された弁本体に、金属で形成された駆動軸を圧入して一体化している。ここで、合成樹脂製の弁本体に金属製の駆動軸を直接的に圧入する構成では、両者の間で十分な固定力を得ることが難しい。
このため、合成樹脂製の弁本体に金属製の圧入固定筒(金属インサート)をインサートモールドして一体化し、この圧入固定筒の全長に亘って金属製の駆動軸を圧入して、駆動軸と弁本体とを強固に固定する構成としている。尚、圧入固定筒の外周囲には、弁本体から脱落しないように、抜け止め等が形成されている。
そして、金属製の駆動軸を金属製の圧入固定筒に圧入する場合は、圧入工程での駆動軸の移動によって、圧入固定筒が外周方向の外側に向けて押し広げられる。このため、金属製の圧入固定筒は膨らむように変形するので、この変形を合成樹脂製の弁本体で吸収してやることが必要である。しかしながら、弁本体を形成する合成樹脂では、圧入固定筒の変形を吸収することはそれほど期待できない。
このため、圧入固定筒の外側の合成樹脂に亀裂が入ったり、割れたりして、製品としての歩留まりが悪いという課題があった。特に、圧入固定筒を一体成型する場合のモールド成形による強度低下領域(例えば、ウェルド部分、ボイド部分、ガス溜まり部分)に、割れや亀裂が生じ易い傾向にある。
本発明の目的は、駆動軸が圧入される圧入固定筒付近の弁本体を形成する合成樹脂に、割れや亀裂が生じるのを抑制することができる弁体、及びこの弁体を使用した流路切換弁、及びこの流路切換弁を使用した自動車用熱媒体システムを提供することにある。
本発明の主たる特徴は、液体が流れる流路の連通状態を変化させる弁体であって、合成樹脂で形成され、内部に金属製の圧入固定筒を備えた弁本体と、弁本体の圧入固定筒に圧入固定される駆動軸とを備え、圧入固定筒、及び駆動軸のどちらか一方、或いは両方に所定形状の空間からなる非圧入部が形成されている、ところにある。
本発明によれば、駆動軸が圧入される圧入固定筒付近の弁本体を形成する合成樹脂に、割れや亀裂が生じるのを抑制することができる弁体、及びこれを使用した流路切換弁を提供することができる。
本発明の流路切換弁が適用される一例としての自動車用熱媒体システムの構成図である。 本発明が適用される流路切換弁の上面図である。 図2に示す流路切換弁の分解斜視図である。 本発明が適用される弁本体の全体斜視図である。 図4に示す弁本体をA-Aの位置で軸方向に断面した断面図である。 流路切換弁のハウジング本体の一部を断面した断面斜視図である。 図2に示す流路切換弁の下面図である。 図2に示す流路切換弁をB-Bの位置で軸方向に断面した断面図である。 図2に示す流路切換弁をC-Cの位置で軸方向に断面した断面図である。 本発明の第1の実施形態になる流路切換弁の弁体の要部断面を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態になる流路切換弁の弁体の要部断面を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態になる流路切換弁の弁体の要部断面を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態になる流路切換弁の弁体の要部断面を示す断面図である。 本発明の第5の実施形態になる流路切換弁の弁体の要部断面を示す断面図である。 本発明の第6の実施形態になる流路切換弁の弁体の要部断面を示す断面図である。 本発明の第7の実施形態になる流路切換弁の弁体の要部断面を示す断面図である。 本発明の第8の実施形態になる流路切換弁の弁体の要部断面を示す断面図である。 本発明の第9の実施形態になる流路切換弁の弁体の要部断面を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明が適用される流路切換弁の構成について図1~図9を用いて説明するが、上述した様に以下の説明では熱媒体として内燃機関の冷却水を使用する場合を例示的に示している。しかしながら、本発明は内燃機関の冷却水に限定されず、リチウム電池のような熱源を冷却する熱媒体にも適用可能なものである。
図1において、内燃機関01のシリンダジャケットには冷却水ポンプ02から冷却水が供給されており、シリンダジャケットを冷却した冷却水は流路切換弁10に送られ、一部はサーモスタットを介して常時循環用として再び冷却水ポンプ02の吸入側に戻されている。また、残りの冷却水は暖房装置03やラジエータ04、及びオイルクーラ05等の熱補機類に送られている。尚、これらの熱補機類は例示的に示しているものであり、これ以外の熱補機類を使用しても差し支えないものである。
そして、これらの熱補機類への冷却水の分配は、電子流路切換手段06によって制御されている。例えば、この電子流路切換手段06には、流路切換弁10に設けた水温センサ07からの水温情報、内燃機関01の運転状態情報、車室内の各種操作機器の操作状態情報が入力されており、電子流路切換手段06によって演算された制御信号に応じて各熱補機類への流路を切り換えるものである。
流路切換弁10には後述するように電動モータが内蔵されており、この電動モータは電子流路切換手段06からの制御信号によって、その回転が制御されるものである。電動モータには弁本体が固定されており、弁本体を回転させることで流路切換弁10に形成した各熱補機類に接続される連通路に冷却水を流し、内燃機関からの冷却水を各熱補機類に分配するものである。
図2は流路切換弁10の外観を示しており、ハウジング本体11には、シリンダジャケットに繋がる接続パイプ12A、暖房装置03に繋がる接続パイプ12B、ラジエータ04に繋がる接続パイプ12C、オイルクーラ05に繋がる接続パイプ12Dが設けられている。また、流路切換弁10には内燃機関01から冷却水が流入しており、ハウジング本体11の内部に設けられた弁本体によって、接続パイプ12A~12Dに冷却水が分配されている。
流路切換弁10にはワックスが封入されたサーモスタットを覆うカバー17が設けられており、接続パイプ12Aに流れる冷却水を温度によって制御している。また、流路切換弁10のハウジング本体11の頂部には電子流路切換手段06が固定されており、ハウジング本体11の内部に収納された電動モータを制御している。
図3は、図2に示す流路切換弁10を分解して斜め方向から眺めた構成を示している。ハウジング本体11には中空円筒状の弁本体14を収納する弁収納部(図6、図7等参照)と、電動モータ15が収納されるモータ収納部16が形成されている。また、ハウジング本体11には、外側から電子流路切換手段06が固定ボルトによって固定され、いわゆる機電一体型に構成されている。
更に、ハウジング本体11の周囲には、シリンダジャケットに繋がる接続パイプ12A、暖房装置03に繋がる接続パイプ12B、ラジエータ04に繋がる接続パイプ12C、オイルクーラ05に繋がる接続パイプ12Dが取り付けられている。尚、接続パイプ12Cにはサーモスタット13を覆うカバー17が一体的に形成されている。ここで、ハウジング本体11と各接続パイプ12B~12Dの間には、シール部材18と圧縮ばね19が配置されている。シール部材18は、両端が開口した円形筒状に形成されており、圧縮ばね19によって、その先端面は弁本体14の外側周部20に押圧、接触されている。
弁本体14は有底円筒状に形成された合成樹脂から形成されており、その外側周部20に上述した各接続パイプ12A~12Dに接続される開口部21が形成されている。したがって、冷却水ポンプ02から圧送されて内燃機関から流れてきた矢印CAで示す冷却水は、開口部21を介して各接続パイプ12A~12Bに流れ出るものである。
弁本体14の一方には閉塞壁22が設けられており、この閉塞壁22は駆動軸23に固定されており、駆動軸23の回転に同期してハウジング本体11の弁収納部内で回転されるものである。この回転に同期して弁本体14は、各接続パイプ12A~12Dとの接続関係を選択(流路の切り換え)するものである。尚、弁本体14の回転状態によって開口部21はシール部材18の開口との重なり度合いを制御できるので、流量を制御するように動作される場合もある。
電動モータ15と弁本体14とはウォームギア機構で連結されている。すなわち、弁本体14が固定された駆動軸23の反対側の端部には、ウォームホイール24が固定されており、このウォームホイール24はウォーム軸の一方に形成されたウォーム25と噛み合わされている。また、ウォーム軸の他方に形成されたウォームホイール26は電動モータ15に固定されたウォーム27と噛み合わされている。したがって、電動モータ15が回転すると、この回転はウォーム27⇒ウォームホイール26⇒ウォーム25⇒ウォームホイール24を経て駆動軸23に伝えられ、最終的に弁本体14を回転させるものである。
また、電動モータ15やウォームギア機構を覆うようにして、電子流路切換手段06を備えたカバーがハウジング本体11に固定されている。電子流路切換手段06からの制御信号は、電動モータ15に与えられて所定の回転動作を行うように動作される。
図4、図5は弁本体14の構成を示しており、全体が合成樹脂でモールド成形によって作られている。そして、弁本体14は、一方に閉塞壁22が形成され、他方に開放部31が形成された有底円筒状に形成されている。弁本体14の円形の外側周部20には複数の開口部21が形成されており、これらは、各接続パイプ12A~12Dと選択的に接続され、開放部31から外側周部20の内部に流入してくる冷却水を、各接続パイプ12A~12Dに流出させる構成となっている。外側周部20に形成した開口部21と各接続パイプ12A~12Dの接続状態の選択は、接続される熱補機類によって適切に組み合わされるものである。
閉塞壁22は、中央付近に外側周部20の軸方向内側に突入している円形状の駆動軸固定部32が形成されており、この駆動軸固定部32に図3に示す駆動軸23が固定されるようになっている。駆動軸固定部32にはインサートモールドした金属製の圧入固定筒(図8参照)が埋設されており、この圧入固定筒に駆動軸23が圧入されて弁本体14と駆動軸23が一体化されている(この構成については図8で説明する)。したがって、電動モータ15の回転はウォームギア機構を介して減速、増力されて駆動軸23に与えられ、更に弁本体14を回転させることになる。
駆動軸固定部32の周囲の閉塞壁22は、第1の領域部である平坦領域部33と、第2の領域部である傾斜領域部34の2領域に分割されている。傾斜領域部34は閉塞壁22の外周縁から弁本体14の軸線上に位置する駆動軸固定部32に向けて、所定の傾きで弁本体14の開放部31側に向けて傾斜形状に形成されている。一方、平坦領域部33は、弁本体14の径方向に沿って、軸方向と直交する平坦形状に形成されている。
したがって、平坦領域部33と傾斜領域部34の間には段差が形成され、この段差部分に、軸方向で見て略直角三角形の形状に形成された、被規制部として機能する第1の規制壁35Mi、及び第2の規制壁35Mxが軸方向に沿って形成されることになる。第1の規制壁35Mi、及び第2の規制壁35Mxは径方向に放射状に形成されており、後述する第1の規制片39Mi、及び第2の規制片39Mxと面接触する形状となっている。
また、この第1の規制壁35Mi、及び第2の規制壁35Mxは、平坦領域部33から弁本体14の軸線方向で開放部31側に向けて内側に延びているため、弁収納部28の内部形状の大きさに影響を与えないものである。
ここで、第1の規制壁35Miは、後述する第1の規制部と協働して初期回転位置である第1の規制位置を決める機能を備え、第2の規制壁35Mxは、後述する第2の規制部と協働して最大回転位置である第2の規制位置を決める機能を備えるものである。そして、これらの規制位置の角度は任意であるが、平坦領域部33の角度で、約170°程度に決められている。
また、傾斜領域部34を形成しているが、この傾斜領域部34は、平坦領域部とされていても良いものであり、上述の平坦領域部33と段差が形成され、この部分に第1の規制壁35Mi、及び第2の規制壁35Mxが形成されれば良いものである。ただ、傾斜領域部34を形成することで、ハウジング本体11に形成した連通路29に向けて、冷却水を流れ易くしているものである。
次に、弁本体14が収納される弁収納部28の構成について図6、図7を用いて説明する。
図6、図7において、ハウジング本体11には軸方向に直角な断面が円形状の弁収納部28が形成されており、弁収納部28は、円筒形の側面壁36、及び側面壁36の一方を塞ぐ端面壁37より構成されており、端面壁37の反対側は開放端となっている。したがって、弁本体14が弁収納部28に収納された状態で、弁本体14の閉塞壁22側が弁収納部28の端面壁37に対向するように収納されるものである。
端面壁37の中央付近には、弁収納部28の内側に向けて軸方向に延びる軸受固定部38が形成されており、この軸受固定部38によって、図3に示す駆動軸23が回転可能に軸支されるものである。また、端面壁37から軸方向で内側に向けて軸受固定部38の所定位置まで延びる、規制部として機能する第1の規制片39Mi、及び第2の規制片39Mxが、端面壁37と一体的に形成されている。
この第1の規制片39Mi、及び第2の規制片39Mxは板状に形成されており、その斜辺は、軸受固定部38の軸方向の所定位置から端面壁37の外周縁まで延びており、軸方向で見て略直角三角形の形状に形成されている。したがって、第1の規制片39Mi、及び第2の規制片39Mxと、第1の規制壁35Mi、及び第2の規制壁35Mxの形状は、ほぼ同じ形状となっている。
そして、弁本体14を弁収納部28に組み込んだ状態で、第1の規制片39Mi、及び第2の規制片39Mxは、弁本体14の傾斜領域部34に収納され、傾斜領域部34の形成範囲では弁本体14の回転動作に規制をかけず、弁本体14が更に回転して第1の規制壁35Mi、及び第2の規制壁35Mxと当接することで、弁本体14の回転動作に規制をかけるものである。
図7に示しているように、第1の規制片39Mi、及び第2の規制片39Mxは軸受固定部38の中心から放射状に半径方向に延びており、第1の規制壁35Mi、及び第2の規制壁35Mxと当接する場合は、面接触するようになっている。このため、規制片39Mi、39Mx、及び規制壁35Mi、35Mxの単位面積当たりに作用する応力を小さくでき、耐久性を高めることができる。
図8に図2のB-B断面を示し、図9に図2のC-C断面を示している。図8、図9において、ハウジング本体11内に形成された弁収納部28には弁本体14が収納されている。弁本体14の駆動軸固定部32には駆動軸23が固定されており、この駆動軸23はハウジング本体11の軸受固定部38に挿通されて滑り軸受40で軸支されている。弁本体14の駆動軸固定部32の内部には、金属製の円筒形状の圧入固定筒41が、合成樹脂で作られた駆動軸固定部32にインサートモールドされて一体化されている。
弁本体14が固定された部分の反対側の駆動軸23の端部には、ウォームホイール24が固定され、ウォーム25から回転運動が伝えられている。これらのウォームホイール24、ウォーム25は電子流路切換手段06が設けられたカバー42で、液密的に覆われている。また、ハウジング本体11の弁収納部28の開放端側の内周面には、環状の滑り軸受43が嵌入、固定されており、弁本体14の開放部31の外側周部20を摺動自在に支持している。
更に、弁本体14の傾斜領域部34に対向する端面壁部37には、軸受固定部38の滑り軸受40の部分と、ハウジング本体11とカバー42で形成される空間を連通する圧力抜き通路44が形成されている。これによって、滑り軸受40付近の圧力を大気側に逃がすようにしている。
ここで、図9に示すように、暖房装置03に繋がる接続パイプ12Bが取り付けられる連通路29は、端面壁37付近に形成されているので、冷却水の流れを円滑にするため、弁本体14の傾斜領域部34の作動範囲内に連通路29を形成して流路抵抗を小さくするように構成されている。したがって、冷却水は傾斜領域部34の傾斜面に沿って連通路29に流れることができるので、この部分での流路抵抗を大きく受けず円滑に連通路29に流すことができる。
以上において、内燃機関からの冷却水CAは、図8においてはラジエータ04に向けて接続パイプ12Cに流れると共に、オイルクーラ05に向けて接続パイプ12Dに流れるものである。同様に、図9に示すように、内燃機関からの冷却水CAは暖房装置03に向けて接続パイプ12Bに流れるものである。尚、これらの接続パイプ12A~12Dと弁本体14に形成した各開口部21とは、弁本体14の回転状態に応じて選択的に接続されるものである。
ところで、図8、及び図9に示しているように、駆動軸固定部32に埋設されている圧入固定筒41には、圧入固定筒41の軸方向の全長に亘って駆動軸23が圧入されている。そして、金属製の駆動軸23を金属製の圧入固定筒41に圧入する場合は、圧入工程での駆動軸23の移動によって圧入固定筒41が外周方向外側に向けて押し広げられる。このため、金属製の圧入固定筒41は膨らむように変形するので、この変形を合成樹脂製の弁本体14で吸収してやることが必要である。しかしながら、弁本体14を形成する合成樹脂では、圧入固定筒の変形を吸収するほどの変形は期待できない。このため、圧入固定筒41の外側の合成樹脂に亀裂が入ったり、割れたりして、製品としての歩留まりが悪いという課題があった。
したがって、本発明では、駆動軸23が圧入される圧入固定筒41付近の駆動軸固定部32を形成する合成樹脂に割れや亀裂が生じるのを抑制するために、合成樹脂で形成された駆動軸固定部32に埋設された圧入固定筒41と、圧入固定筒41の圧入孔に圧入される駆動軸23とを備えたものにおいて、圧入固定筒41と駆動軸23のちらか一方、或いは両方に、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒の変形を逃がす所定形状の空間からなる非圧入部を設ける構成を提案するものである。以下、本発明における代表的な実施形態を説明する。
次に図10を用いて本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態は、駆動軸23を圧入固定筒41の途中まで圧入して、駆動軸23の先端面23Fと圧入固定筒41の圧入孔41Hの間に、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がす非圧入部47を形成することを特徴としている。尚、以下の実施形態では、駆動軸23と圧入固定筒41の圧入孔41Hとが接触している部分は、「圧入領域」として取り扱うこととして説明を進める。
図10において、軸受固定部38の内部には滑り軸受40が設けられており、この滑り軸受40によって駆動軸23が回転可能に軸支されている。駆動軸23は、金属製であり、本実施形態では亜鉛を含まないステンレス材で作られている。また、滑り軸受40の弁本体14の側の軸受固定部38には、シール材45が介装されており、同様に、滑り軸受40の弁本体14とは反対の側の軸受固定部38には、シール材46が介装されている。これによって、冷却水がカバー42の側に漏れるのを防止している。
合成樹脂製の弁本体14の中央部には、円錐台形状の駆動軸固定部32が形成されており、その中央部付近に、金属製の圧入固定筒41がインサートモールドによって一体的に埋設されている。圧入固定筒41の外周部には、抜け止め用の環状突起41Pが形成されており、これによって、圧入固定筒41が駆動軸固定部32から脱落しない構成とされている。駆動軸固定部32の軸受固定部38の反対側の先端面32Fと、圧入固定筒41の軸受固定部38の反対側の先端面41Fは、同一面(いわゆる面一の面)の位置関係とされている。
そして、駆動軸23は、圧入固定筒41の圧入孔41Hに、所定の締め代で圧入されて固定されている。ただ、駆動軸23の圧入側の先端面23Fは、圧入固定筒41の先端面41Fに達せず、所定の距離(D1)を有する非圧入部47を形成するために圧入固定筒41の途中までした圧入されていない。
この理由は、駆動軸23の先端面23Fと圧入固定筒41の先端面41Fとの間の圧入孔41Hによって形成される所定形状の空間からなる非圧入部47を形成することで、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形を逃がす機能を持たせている。尚、所定形状とは、圧入固定筒41の変形を逃がす機能を備える形状であれば、その形状は特に問わないものである。以下の他の実施形態においても同様である。
つまり、駆動軸23を圧入固定筒41の圧入孔41Hに圧入していくと、圧入固定筒41には駆動軸23の圧入による膨張、変形を生じるが、この変形は所定形状の空間からなる非圧入部47によって吸収され、圧入固定筒41の外周に存在する駆動軸固定部32の合成樹脂に作用する、圧入固定筒41の変形による力を逃がすことができる。これによって、駆動軸固定部32の圧入固定筒41の外周に位置する合成樹脂に亀裂や割れが発生することを抑制することができる。
特に、圧入固定筒41を駆動軸固定部32とインサートモールドする場合は、駆動軸固定部32の先端面32Fとは反対側からゲートによって合成樹脂を注入するが、駆動軸固定部32の先端32Fと圧入固定筒41の先端面41Fの側に、強度低下領域(例えば、ウェルド部分、ボイド部分、ガス溜まり部分)が発生して、割れや亀裂が生じ易い。このため、本実施形態では、駆動軸固定部32の先端32Fと圧入固定筒41の先端面41Fの側に、圧入による圧入固定筒41の変形、膨張による力を逃がす非圧入部47を形成することで、強度低下領域の割れや亀裂の発生を抑制することができる。
尚、非圧入部47の駆動軸23の軸方向長さ(D1)は、圧入による固定力を確保し、しかも駆動軸23の圧入による変形、膨張による力を逃がすことができる長さに決められていれば良いものである。
次に図11を用いて本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、圧入される駆動軸23の途中から先端面23Fまでを細くして小径部48を形成し、この駆動軸23の小径部48と圧入固定筒41の圧入孔41Hの間に、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がす非圧入部49を形成することを特徴としている。
尚、図11において、図10と同じ参照番号は同じ部品を示しており、その機能も同じであるので、重複する説明は省略する場合もある。
図11において、合成樹脂製の弁本体14の中央部には、円錐台形状の駆動軸固定部32が形成されており、その中央部付近に、金属製の圧入固定筒41がインサートモールドによって一体的に埋設されている。圧入固定筒41の外周部には、抜け止め用の環状突起41Pが形成されており、これによって、圧入固定筒41が駆動軸固定部32から脱落しない構成とされている。駆動軸固定部32の軸受固定部38の反対側の先端面32Fと、圧入固定筒41の軸受固定部38の反対側の先端面41Fは、同一面(いわゆる面一の面)の位置関係とされている。
そして、駆動軸23は、圧入固定筒41の圧入孔41Hに、所定の締め代で圧入されて固定されている。ただ、駆動軸23の圧入領域の圧入側の途中から先端面23Fまでの間は、所定の長さ(D2)の小径部48とされ、圧入固定筒41の圧入孔41Hとの間に、環状の空間からなる非圧入部49が形成されている。非圧入部49の軸方向に沿った断面は矩形状である。尚、このような環状の空間も所定形状の一例である。
このように、駆動軸23の途中から先端面23Fまでの間に、圧入固定筒41の圧入孔41Hと小径部48による環状の空間からなる非圧入部49を形成することで、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がす機能を持たせている。尚、駆動軸23の先端面23Fは、圧入固定筒41の先端面41Fに達しており面一の関係とされている。
そして、駆動軸23を圧入固定筒41の圧入孔41Hに圧入していくと、圧入固定筒41には駆動軸23の圧入による膨張、変形を生じるが、この変形は環状の空間からなる非圧入部49によって吸収され、圧入固定筒41の外周に存在する駆動軸固定部32の合成樹脂に作用する、圧入固定筒41の変形による力を逃がすことができる。これによって、駆動軸固定部32の圧入固定筒41の外周に位置する合成樹脂に亀裂や割れが発生することを抑制することができる。
本実施形態においても、圧入固定筒41を駆動軸固定部32とインサートモールドする場合は、駆動軸固定部32の先端面32Fとは反対側からゲートによって合成樹脂を注入するが、駆動軸固定部32の先端32Fと圧入固定筒41の先端面41Fの側に、強度低下領域(例えば、ウェルド部分、ボイド部分、ガス溜まり部分)が発生して、割れや亀裂が生じ易い。このため、本実施形態では、駆動軸固定部32の先端側に位置する小径部48と圧入固定筒41の圧入孔41Hの間に、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形、膨張による力を逃がす非圧入部49を形成することで、強度低下領域の割れや亀裂の発生を抑制することができる。
次に図12を用いて本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、圧入される駆動軸23の途中から先端面23Fまでを徐々に直径を短くしてテーパ部50を形成し、この駆動軸23のテーパ部50と圧入固定筒41の圧入孔41Hの間に、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がす非圧入部51を形成することを特徴としている。
尚、図12において、図10と同じ参照番号は同じ部品を示しており、その機能も同じであるので、重複する説明は省略する場合もある。
図12において、合成樹脂製の弁本体14の中央部には、円錐台形状の駆動軸固定部32が形成されており、その中央部付近に、金属製の圧入固定筒41がインサートモールドによって一体的に埋設されている。圧入固定筒41の外周部には、抜け止め用の環状突起41Pが形成されており、これによって、圧入固定筒41が駆動軸固定部32から脱落しない構成とされている。駆動軸固定部32の軸受固定部38の反対側の先端面32Fと、圧入固定筒41の軸受固定部38の反対側の先端面41Fは、同一面(いわゆる面一の面)の位置関係とされている。
そして、駆動軸23は、圧入固定筒41の圧入孔41Hに、所定の締め代で圧入されて固定されている。ただ、駆動軸23の圧入領域の圧入側の途中から先端面23Fまでの間は、徐々に直径が短くなる所定の長さ(D3)のテーパ部50とされ、圧入固定筒41の圧入孔41Hとの間に、環状の空間からなる非圧入部51が形成されている。非圧入部51の軸方向に沿った断面は三角形状である。尚、このような環状の空間も所定形状の一例である。
このように、駆動軸23の途中から先端面23Fまでの間に、テーパ部50による環状の空間からなる非圧入部51を形成することで、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がす機能を持たせている。尚、駆動軸23の先端面23Fは、圧入固定筒41の先端面41Fに達しており面一の関係とされている。
そして、駆動軸23を圧入固定筒41の圧入孔41Hに圧入していくと、圧入固定筒41には駆動軸23の圧入による膨張、変形を生じるが、この変形は環状の空間からなる非圧入部51によって吸収され、圧入固定筒41の外周に存在する駆動軸固定部32の合成樹脂に作用する、圧入固定筒41の変形による力を逃がすことができる。これによって、駆動軸固定部32の圧入固定筒41の外周に位置する合成樹脂に亀裂や割れが発生することを抑制することができる。
本実施形態においても、圧入固定筒41を駆動軸固定部32とインサートモールドする場合は、駆動軸固定部32の先端面32Fとは反対側からゲートによって合成樹脂を注入するが、駆動軸固定部32の先端32Fと圧入固定筒41の先端面41Fの側に、強度低下領域(例えば、ウェルド部分、ボイド部分、ガス溜まり部分)が発生して、割れや亀裂が生じ易い。このため、本実施形態では、駆動軸23の先端側のテーパ部50と圧入固定筒41の圧入孔41Hの間に、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形、膨張による力を逃がす非圧入部51を形成することで、強度低下領域の割れや亀裂の発生を抑制することができる。
次に図13を用いて本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態は、駆動軸23の途中に小径部52を設け、更にこれより先端側に再び圧入部53を形成し、更にこれから先の先端面23Fまでを徐々に直径を小さくしてテーパ部55を形成している。そして、この駆動軸23の小径部52と圧入固定筒41の圧入孔41Hの間、及びテーパ部55と圧入固定筒41の圧入孔41Hの間に、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がす非圧入部53、56を形成することを特徴としている。
尚、図13において、図10と同じ参照番号は同じ部品を示しており、その機能も同じであるので、重複する説明は省略する場合もある。
図13において、合成樹脂製の弁本体14の中央部には、円錐台形状の駆動軸固定部32が形成されており、その中央部付近に、金属製の圧入固定筒41がインサートモールドによって一体的に埋設されている。圧入固定筒41の外周部には、抜け止め用の環状突起41Pが形成されており、これによって、圧入固定筒41が駆動軸固定部32から脱落しない構成とされている。駆動軸固定部32の軸受固定部38の反対側の先端面32Fと、圧入固定筒41の軸受固定部38の反対側の先端面41Fは、同一面(いわゆる面一の面)の位置関係とされている。
そして、駆動軸23は、圧入固定筒41の圧入孔41Hに、所定の締め代で圧入されて固定されている。ただ、駆動軸23の圧入側の途中には所定の長さ(D4)に亘って小径部52が形成され、その先には再び圧入部53が形成されている。そして、小径部52と圧入固定筒41の圧入孔41Hとの間に、環状の空間からなる非圧入部54が形成されている。非圧入部54の軸方向に沿った断面は矩形状である。尚、このような環状の空間も所定形状の一例である。
また、この圧入部53から駆動軸23の先端面23Fまでは、所定の長さ(D5)に亘ってテーパ部55とされ、圧入固定筒41の圧入孔41Hとの間に、環状の空間からなる非圧入部56が形成されている。非圧入部56の軸方向に沿った断面は略三角形状である。
このように、駆動軸23の途中から先端面23Fまでの間に、小径部52によって形成された環状の空間からなる非圧入部54と、圧入部53から先端面23Fに至るテーパ部55によって形成された環状の空間からなる非圧入部56とを形成することで、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がす機能を持たせている。尚、駆動軸23の先端面23Fは、圧入固定筒41の先端面41Fに達しており面一の関係とされている。
そして、駆動軸23を圧入固定筒41の圧入孔41Hに圧入していくと、圧入固定筒41には駆動軸23の圧入による膨張、変形を生じるが、この変形は環状の空間からなる非圧入部54、及び非圧入部56によって吸収され、圧入固定筒41の外周に存在する駆動軸固定部32の合成樹脂に作用する、圧入固定筒41の変形による力を逃がすことができる。これによって、駆動軸固定部32の圧入固定筒41の外周に位置する合成樹脂に亀裂や割れが発生することを抑制することができる。
本実施形態においても、圧入固定筒41を駆動軸固定部32とインサートモールドする場合は、駆動軸固定部32の先端面32Fとは反対側からゲートによって合成樹脂を注入するが、駆動軸固定部32の先端32Fと圧入固定筒41の先端面41Fの側に、強度低下領域(例えば、ウェルド部分、ボイド部分、ガス溜まり部分)が発生して、割れや亀裂が生じ易い。このため、本実施形態では、駆動軸23の先端側のテーパ部55と圧入固定筒41の圧入孔41Hの間に、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形、膨張による力を逃がす非圧入部56を形成することで、強度低下領域の割れや亀裂の発生を抑制することができる。
更に、本実施形態では、圧入固定筒41の軸方向中央付近(ここでは、抜け止め用の環状突起41Pが存在する領域)にも、非圧入部54が形成されている。このため、駆動軸23の先端側に圧入部53を形成したことによって、圧入固定筒41の膨張、変形を生じても、非圧入部54によって膨張、変形による力は吸収され、圧入固定筒41の外周に存在する駆動軸固定部32の合成樹脂に作用する、圧入固定筒41の変形による力を逃がすことができる。これによって、駆動軸固定部32の圧入固定筒41の外周に位置する合成樹脂に亀裂や割れが発生することを抑制することができる。
次に図14を用いて本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態は、圧入される駆動軸23の途中に圧入部57を形成し、この圧入部57から軸受固定部38側(駆動軸の先端とは反対側)の駆動軸23を小径部58とし、更に圧入部57から先端面23Fまでを徐々に直径を小さくしてテーパ部59を形成し、駆動軸23の小径部58と圧入固定筒41の圧入孔41Hの間、及びテーパ部59と圧入固定筒41の圧入孔41Hの間に、駆動軸23の圧入部57による圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がす非圧入部60、61を形成することを特徴としている。
尚、図14において、図10と同じ参照番号は同じ部品を示しており、その機能も同じであるので、重複する説明は省略する場合もある。
図14において、合成樹脂製の弁本体14の中央部には、円錐台形状の駆動軸固定部32が形成されており、その中央部付近に、金属製の圧入固定筒41がインサートモールドによって一体的に埋設されている。圧入固定筒41の外周部には、抜け止め用の環状突起41Pが形成されており、これによって、圧入固定筒41が駆動軸固定部32から脱落しない構成とされている。駆動軸固定部32の軸受固定部38の反対側の先端面32Fと、圧入固定筒41の軸受固定部38の反対側の先端面41Fは、同一面(いわゆる面一の面)の位置関係とされている。
そして、駆動軸23の途中、ここでは先端側には圧入部57が形成されており、この圧入部57は圧入固定筒41の圧入孔41Hに、所定の締め代で圧入されて固定されている。そして、圧入部57より軸受固定部38の側の駆動軸23は、小径部58とされて圧入固定筒41の圧入孔41Hとの間に環状の空間からなる所定の長さ(D6)の非圧入部60が形成されている。非圧入部60の軸方向に沿った断面は矩形形状である。尚、このような環状の空間も所定形状の一例である。
また、駆動軸23の途中に形成された圧入部57から先端面23Fまでの間は、徐々に直径が短くなる所定の長さ(D7)のテーパ部59とされ、圧入固定筒41の圧入孔41Hとの間に、環状の空間からなる非圧入部61が形成されている。非圧入部61の軸方向に沿った断面は三角形状である。
このように、駆動軸23の途中に形成した圧入部57から固定部58の側の駆動軸23を小径部58として、小径部58による環状の空間からなる非圧入部60と、圧入部57から先端面23Fまでのテーパ部50による環状の空間からなる非圧入部61を形成することで、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がす機能を持たせている。尚、駆動軸23の先端面23Fは、圧入固定筒41の先端面41Fに達しており面一の関係とされている。
そして、駆動軸23を圧入固定筒41の圧入孔41Hに圧入していくと、圧入固定筒41には駆動軸23の圧入による膨張、変形を生じるが、この変形は環状の空間からなる非圧入部60、61によって吸収され、圧入固定筒41の外周に存在する駆動軸固定部32の合成樹脂に作用する、圧入固定筒41の変形による力を逃がすことができる。これによって、駆動軸固定部32の圧入固定筒41の外周に位置する合成樹脂に亀裂や割れが発生することを抑制することができる。
本実施形態においても、圧入固定筒41を駆動軸固定部32とインサートモールドする場合は、駆動軸固定部32の先端面32Fとは反対側からゲートによって合成樹脂を注入するが、駆動軸固定部32の先端32Fと圧入固定筒41の先端面41Fの側に、強度低下領域(例えば、ウェルド部分、ボイド部分、ガス溜まり部分)が発生して、割れや亀裂が生じ易い。このため、本実施形態では、駆動軸23の先端側のテーパ部59と圧入固定筒41の圧入孔41Hの間に、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形、膨張による力を逃がす非圧入部61を形成することで、強度低下領域の割れや亀裂の発生を抑制することができる。
更に、本実施形態では、圧入固定筒41の軸受固定部38の側にも、非圧入部60が形成されている。このため、駆動軸23の先端側に圧入部57を形成したことによって、圧入固定筒41の膨張、変形を生じても、非圧入部60によって膨張、変形による力は吸収され、圧入固定筒41の外周に存在する駆動軸固定部32の合成樹脂に作用する、圧入固定筒41の変形による力を逃がすことができる。これによって、駆動軸固定部32の圧入固定筒41の外周に位置する合成樹脂に亀裂や割れが発生することを抑制することができる。
次に図15を用いて本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態は、圧入される駆動軸23の先端面23Fから、駆動軸23の軸線に沿って軸受固定部38に向けて空間を形成して非圧入部62とすることで、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がすことを特徴としている。
尚、図15において、図10と同じ参照番号は同じ部品を示しており、その機能も同じであるので、重複する説明は省略する場合もある。
図15おいて、合成樹脂製の弁本体14の中央部には、円錐台形状の駆動軸固定部32が形成されており、その中央部付近に、金属製の圧入固定筒41がインサートモールドによって一体的に埋設されている。圧入固定筒41の外周部には、抜け止め用の環状突起41Pが形成されており、これによって、圧入固定筒41が駆動軸固定部32から脱落しない構成とされている。駆動軸固定部32の軸受固定部38の反対側の先端面32Fと、圧入固定筒41の軸受固定部38の反対側の先端面41Fは、同一面(いわゆる面一の面)の位置関係とされている。駆動軸23の軸線に沿って軸受固定部38に向けて空間を形成して非圧入部62とすることで、
そして、駆動軸23の先端面23Fから、駆動軸23の軸線に沿って軸受固定部38に向けて非圧入部62となる空間が形成されている。非圧入部62となる空間は、駆動軸23の軸線に沿って所定の長さ(D8)の深さを備え、駆動軸23の直径より短い直径とされている。また、駆動軸23に形成された空間も所定形状の一例である。
このように、駆動軸23の先端部分に形成した空間からなる非圧入部62を形成することで、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がす機能を持たせている。尚、駆動軸23の先端面23Fは、圧入固定筒41の先端面41Fに達しており面一の関係とされている。
そして、駆動軸23を圧入固定筒41の圧入孔41Hに圧入していくと、圧入固定筒41には駆動軸23の圧入による膨張、変形を生じるが、この変形は駆動軸23に形成された空間からなる非圧入部62によって吸収され、圧入固定筒41の外周に存在する駆動軸固定部32の合成樹脂に作用する、圧入固定筒41の変形による力を逃がすことができる。これによって、駆動軸固定部32の圧入固定筒41の外周に位置する合成樹脂に亀裂や割れが発生することを抑制することができる。
本実施形態においても、圧入固定筒41を駆動軸固定部32とインサートモールドする場合は、駆動軸固定部32の先端面32Fとは反対側からゲートによって合成樹脂を注入するが、駆動軸固定部32の先端32Fと圧入固定筒41の先端面41Fの側に、強度低下領域(例えば、ウェルド部分、ボイド部分、ガス溜まり部分)が発生して、割れや亀裂が生じ易い。このため、本実施形態では、駆動軸23の先端側に、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形、膨張による力を逃がす非圧入部62を形成することで、強度低下領域の割れや亀裂の発生を抑制することができる。
尚、駆動軸23の先端に形成されたテーパ部によって、圧入固定筒41の圧入孔41Hとの間に形成されたの非圧入部63は、上述した他の実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
以上に説明した幾つかの実施形態では、駆動軸の側に所定形状の空間からなる非圧入部を形成したが、圧入固定筒の側に、所定形状の空間からなる非圧入部を形成することもできる。以下では、圧入固定筒の側に、所定形状の空間からなる非圧入部を形成する実施形態について説明を行う。尚、同じ参照番号は同じ部品を示しており、その機能も同じであるので、重複する説明は省略する場合もある。
次に図16を用いて本発明の第7の実施形態について説明する。本実施形態は、駆動軸23が圧入される圧入固定筒41の先端面41Fに、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がすため、駆動軸23の先端部分を囲む環状の空間からなる非圧入部64を形成することを特徴としている。
尚、図16において、図10と同じ参照番号は同じ部品を示しており、その機能も同じであるので、重複する説明は省略する場合もある。
図16において、合成樹脂製の弁本体14の中央部には、円錐台形状の駆動軸固定部32が形成されており、その中央部付近に、金属製の圧入固定筒41がインサートモールドによって一体的に埋設されている。圧入固定筒41の外周部には、抜け止め用の環状突起41Pが形成されており、これによって、圧入固定筒41が駆動軸固定部32から脱落しない構成とされている。駆動軸固定部32の軸受固定部38の反対側の先端面32Fと、圧入固定筒41の軸受固定部38の反対側の先端面41Fは、同一面(いわゆる面一の面)の位置関係とされている。
駆動軸23は、圧入固定筒41の圧入孔41Hに、所定の締め代で圧入されて固定されている。そして、駆動軸23の途中から先端面23Fまでの間に位置する、圧入固定筒41の圧入孔41Hは、駆動軸23との間に所定の長さ(D8)を有し、環状の空間を形成する所定の直径を有する拡大孔41E-1とされている。つまり、駆動軸23の直径に対して、圧入固定筒41の拡大孔41E-1の直径の方が大きく設定されており、これによって環状の空間が形成されている。尚、このような環状の空間も所定形状の一例である。
この環状の空間が、上述した駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形、膨張による力を逃がす非圧入部64となり、強度低下領域の割れや亀裂の発生を抑制することができる。このように、駆動軸23の途中から先端面23Fまでの間に、拡大孔41E-1による環状の空間からなる非圧入部64を形成することで、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がす機能を持たせている。尚、駆動軸23の先端面23Fは、圧入固定筒41の先端面41Fに達しており面一の関係とされている。
そして、駆動軸23を圧入固定筒41の圧入孔41Hに圧入していくと、圧入固定筒41には駆動軸23の圧入による膨張、変形を生じるが、この変形は、圧入固定筒41の環状の空間からなる非圧入部64によって吸収され、圧入固定筒41の外周に存在する駆動軸固定部32の合成樹脂に作用する、圧入固定筒41の変形による力を逃がすことができる。これによって、駆動軸固定部32の圧入固定筒41の外周に位置する合成樹脂に亀裂や割れが発生することを抑制することができる。
本実施形態においても、圧入固定筒41を駆動軸固定部32とインサートモールドする場合は、駆動軸固定部32の先端面32Fとは反対側からゲートによって合成樹脂を注入するが、駆動軸固定部32の先端32Fと圧入固定筒41の先端面41Fの側に、強度低下領域(例えば、ウェルド部分、ボイド部分、ガス溜まり部分)が発生して、割れや亀裂が生じ易い。このため、本実施形態では、駆動軸23と圧入固定筒41の拡大孔41E-1の側に、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形、膨張による力を逃がす非圧入部64を形成することで、強度低下領域の割れや亀裂の発生を抑制することができる。
次に図17を用いて本発明の第8の実施形態について説明する。本実施形態は、駆動軸23が圧入される圧入固定筒41の軸方向中央付近に、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がすため、駆動軸23の周囲を囲む環状の空間からなる非圧入部65を形成することを特徴としている。
尚、図17において、図10と同じ参照番号は同じ部品を示しており、その機能も同じであるので、重複する説明は省略する場合もある。
図17において、合成樹脂製の弁本体14の中央部には、円錐台形状の駆動軸固定部32が形成されており、その中央部付近に、金属製の圧入固定筒41がインサートモールドによって一体的に埋設されている。圧入固定筒41の外周部には、抜け止め用の環状突起41Pが形成されており、これによって、圧入固定筒41が駆動軸固定部32から脱落しない構成とされている。駆動軸固定部32の軸受固定部38の反対側の先端面32Fと、圧入固定筒41の軸受固定部38の反対側の先端面41Fは、同一面(いわゆる面一の面)の位置関係とされている。
駆動軸23は、圧入固定筒41の圧入孔41Hに、所定の締め代で圧入されて固定されている。そして、駆動軸23の途中に位置する圧入固定筒41の圧入孔41Hは、駆動軸23との間に所定の長さ(D9)を有し、環状の空間を形成する所定の直径を有する拡大孔41E-2とされている。つまり、駆動軸23の直径に対して、圧入固定筒41の拡大孔41E-2の直径の方が大きく設定されており、これによって長さ(D9)の環状の空間が形成されている。尚、このような環状の空間も所定形状の一例である。
この環状の空間が、上述した駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形、膨張による力を逃がす非圧入部65となり、圧入固定筒41の周囲の合成樹脂の割れや亀裂の発生を抑制することができる。このように、駆動軸23の途中に、拡大孔41E-2による環状の空間からなる非圧入部64を形成することで、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がす機能を持たせている。尚、駆動軸23の先端面23Fは、圧入固定筒41の先端面41Fに達しており面一の関係とされている。
そして、駆動軸23を圧入固定筒41の圧入孔41Hに圧入していくと、圧入固定筒41には駆動軸23の圧入による膨張、変形を生じるが、この変形は、圧入固定筒41の環状の空間からなる非圧入部65によって吸収され、圧入固定筒41の周囲に存在する駆動軸固定部32の合成樹脂に作用する、圧入固定筒41の変形による力を逃がすことができる。これによって、駆動軸固定部32の圧入固定筒41の外周に位置する合成樹脂に亀裂や割れが発生することを抑制することができる。
また、図13、図14に示す実施形態と同様に、駆動軸23の先端面23Fまでの間は、徐々に直径が短くなる所定の長さのテーパ部66とされ、圧入固定筒41の圧入孔41Hとの間に、環状の空間からなる非圧入部67が形成されている。非圧入部61の軸方向に沿った断面は三角形状である。
本実施形態においても、圧入固定筒41を駆動軸固定部32とインサートモールドする場合は、駆動軸固定部32の先端面32Fとは反対側からゲートによって合成樹脂を注入するが、駆動軸固定部32の先端32Fと圧入固定筒41の先端面41Fの側に、強度低下領域(例えば、ウェルド部分、ボイド部分、ガス溜まり部分)が発生して、割れや亀裂が生じ易い。このため、本実施形態では、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形、膨張による力を逃がす非圧入部67を形成することで、強度低下領域の割れや亀裂の発生を抑制することができる。
次に図18を用いて本発明の第9の実施形態について説明する。本実施形態は、駆動軸23が圧入される圧入固定筒41の軸受固定部38の側(駆動軸の先端とは反対側)に、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がすため、駆動軸23の周囲を囲む環状の空間からなる非圧入部68を形成することを特徴としている。
尚、図18において、図10と同じ参照番号は同じ部品を示しており、その機能も同じであるので、重複する説明は省略する場合もある。
図18において、合成樹脂製の弁本体14の中央部には、円錐台形状の駆動軸固定部32が形成されており、その中央部付近に、金属製の圧入固定筒41がインサートモールドによって一体的に埋設されている。圧入固定筒41の外周部には、抜け止め用の環状突起41Pが形成されており、これによって、圧入固定筒41が駆動軸固定部32から脱落しない構成とされている。駆動軸固定部32の軸受固定部38の反対側の先端面32Fと、圧入固定筒41の軸受固定部38の反対側の先端面41Fは、同一面(いわゆる面一の面)の位置関係とされている。
駆動軸23は、圧入固定筒41の圧入孔41Hに、所定の締め代で圧入されて固定されている。そして、駆動軸23の軸受固定部38の側の圧入固定筒41の圧入孔41Hは、駆動軸23との間に所定の長さ(D10)を有し、環状の空間を形成する所定の直径を有する拡大孔41E-3とされている。つまり、駆動軸23の直径に対して、圧入固定筒41の拡大孔41E-3の直径の方が大きく設定されており、これによって長さ(D10)の環状の空間が形成されている。尚、このような環状の空間も所定形状の一例である。
この環状の空間が、上述した駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形、膨張による力を逃がす非圧入部68となり、圧入固定筒41の周囲の合成樹脂の割れや亀裂の発生を抑制することができる。このように、駆動軸23の途中に、拡大孔41E-3による環状の空間からなる非圧入部64を形成することで、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形によって生じる力を逃がす機能を持たせている。尚、駆動軸23の先端面23Fは、圧入固定筒41の先端面41Fに達しており面一の関係とされている。
そして、駆動軸23を圧入固定筒41の圧入孔41Hに圧入していくと、圧入固定筒41には駆動軸23の圧入による膨張、変形を生じるが、この変形は、圧入固定筒41の環状の空間からなる非圧入部68によって吸収され、圧入固定筒41の周囲に存在する駆動軸固定部32の合成樹脂に作用する、圧入固定筒41の変形による力を逃がすことができる。これによって、駆動軸固定部32の圧入固定筒41の外周に位置する合成樹脂に亀裂や割れが発生することを抑制することができる。
また、図13、図14に示す実施形態と同様に、駆動軸23の先端面23Fまでの間は、徐々に直径が短くなる所定の長さのテーパ部69とされ、圧入固定筒41の圧入孔41Hとの間に、環状の空間からなる非圧入部70が形成されている。非圧入部70の軸方向に沿った断面は三角形状である。
本実施形態においても、圧入固定筒41を駆動軸固定部32とインサートモールドする場合は、駆動軸固定部32の先端面32Fとは反対側からゲートによって合成樹脂を注入するが、駆動軸固定部32の先端32Fと圧入固定筒41の先端面41Fの側に、強度低下領域(例えば、ウェルド部分、ボイド部分、ガス溜まり部分)が発生して、割れや亀裂が生じ易い。このため、本実施形態では、駆動軸23の圧入に起因する圧入固定筒41の変形、膨張による力を逃がす非圧入部70を形成することで、強度低下領域の割れや亀裂の発生を抑制することができる。
ところで、上述した非圧入部を形成する所定形状の空間の中で、外部に開放された空間においては、流体に含まれる異物を貯留する働きも備えており、これによって弁本体が回転するときのシール部分に異物が噛み込まれる現象が発生するのを抑制することができる。
尚、上述した実施形態では、駆動軸、或いは圧入固定孔に非圧入部を形成した実施形態を示したが、駆動軸、及び圧入固定孔の両方に非圧入部を形成することも可能である。この場合は、第1の実施形態から第6の実施形態の何れかと、第7の実施形態~第9の実施形態の何れかと組み合わせれば良い。
以上述べた通り、本発明によれば、液体が流れる流路の連通状態を変化させる弁体であって、合成樹脂で形成され、内部に金属製の圧入固定筒を備えた弁本体と、弁本体の圧入固定筒に圧入固定される駆動軸とを備え、駆動軸の軸線に対する径方向における圧入固定筒、及び駆動軸のどちらか一方、或いは両方に隙間による非圧入部が形成されている、ことを特徴としている。
これによれば、駆動軸が圧入される圧入固定筒付近の弁本体を形成する合成樹脂に、割れや亀裂が生じるのを抑制することができる弁体、及びこれを使用した流路切換弁を提供することができる。
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10…流路切換弁、11…ハウジング本体、12A、12B、12C、12D…接続パイプ、13…サーモスタット、14…弁本体、15…電動モータ、16…モータ収納部、17…カバー、18…シール部材、19…圧縮ばね、20…外側周部、21…開口部、22…閉塞壁、23…駆動軸、24…ウォームホイール、25…ウォーム、26…ウォームホイール、27…ウォーム、28…弁収納部、29…連通路、30…内部通路、31…開放部、32…固定部、33…平坦領域部、34…傾斜領域部、35Mi…第1の規制壁、35Mx…第2の規制壁、36…側面壁、37…端面壁、38…軸受固定部、39Mi…第1の規制片、39Mx…第2の規制片、40…滑り軸受、41…圧入固定筒、41H…圧入孔、47…非圧入部、48…小径部、50…テーパ部、52…小径部、53…圧入部、49、51、54、60、62、64、65、68…非圧入部。

Claims (19)

  1. 液体が流れる流路の連通状態を変化させる弁体であって、
    合成樹脂で形成され、内部に金属製の圧入固定筒を備えた弁本体と、
    前記弁本体の前記圧入固定筒の圧入孔に圧入固定される金属製の駆動軸とを備え、
    前記圧入固定筒、及び前記駆動軸のどちらか一方、或いは両方に、所定形状の空間からなる非圧入部が形成されている
    ことを特徴とする弁体。
  2. 請求項1に記載の弁体であって、
    前記非圧入部は、前記駆動軸の軸線に対する径方向の前記圧入固定筒、及び前記駆動軸のどちらか一方、或いは両方に形成されている
    ことを特徴とする弁体。
  3. 請求項2に記載の弁体であって、
    金属製の前記圧入固定筒は、合成樹脂製の前記弁本体に埋設されて一体化されている
    ことを特徴とする弁体。
  4. 請求項3に記載の弁体であって、
    前記弁本体は、一端が閉塞壁によって閉塞され、他端が開放部によって開放された軸線方向に延びる有底円筒状に形成され、その外側周部に流体が流出する開口部が形成されており、更に前記圧入固定筒は、前記閉塞壁の中央付近に設けられている
    ことを特徴とする弁体。
  5. 請求項3に記載の弁体であって、
    金属製の前記圧入固定筒は、前記弁本体にインサートモールドされて一体化されている
    ことを特徴とする弁体。
  6. 請求項5に記載の弁体であって、
    前記駆動軸は、亜鉛を含まないステンレス材で形成されている
    ことを特徴とする弁体。
  7. 請求項5に記載の弁体であって、
    前記駆動軸は、前記圧入固定筒の前記圧入孔の途中まで圧入され、前記駆動軸の先端面と前記圧入固定筒の前記圧入孔の間に、前記非圧入部となる前記空間が形成されている
    ことを特徴とする弁体。
  8. 請求項5に記載の弁体であって、
    前記駆動軸は、前記圧入固定筒の前記圧入孔に圧入される圧入領域と、前記圧入領域より小径とされた小径部を備え、
    前記駆動軸の前記小径部と前記圧入固定筒の前記圧入孔の間に、前記非圧入部となる環状の前記空間が形成されている
    ことを特徴とする弁体。
  9. 請求項8に記載の弁体であって、
    前記駆動軸の前記小径部は、前記駆動軸の先端側に形成されているか、或いは前記先端側とは反対側に形成されている
    ことを特徴とする弁体。
  10. 請求項5に記載の弁体であって、
    前記駆動軸は、前記圧入固定筒の前記圧入孔に圧入される圧入領域と、前記圧入領域より先端側に向けて徐々に直径が短くされたテーパ部を備え、
    前記駆動軸の前記テーパ部と前記圧入固定筒の前記圧入孔の間に、前記非圧入部となる環状の前記空間が形成されている
    ことを特徴とする弁体。
  11. 請求項5に記載の弁体であって、
    前記圧入固定筒の前記圧入孔に圧入される前記駆動軸には途中に小径部が設けられており、前記小径部と前記圧入固定筒の前記圧入孔の間に、前記非圧入部となる環状の前記空間が形成され、前記小径部の軸方向の両端で前記駆動軸が前記圧入固定筒の前記圧入孔に圧入されている
    ことを特徴とする弁体。
  12. 請求項1に記載の弁体であって、
    前記駆動軸の先端側の前記駆動軸の内部には、前記駆動軸の軸線に沿って前記非圧入部となる前記空間が形成されている
    ことを特徴とする弁体。
  13. 請求項5に記載の弁体であって、
    前記駆動軸が圧入される前記圧入固定筒の前記圧入孔には、前記駆動軸を囲む環状の空間からなる前記非圧入部が形成されている
    ことを特徴とする弁体。
  14. 請求項13に記載の弁体であって、
    前記圧入孔に形成される前記非圧入部は、前記駆動軸と前記圧入孔の圧入領域の途中に形成されている
    ことを特徴とする弁体。
  15. 請求項13に記載の弁体であって、
    前記圧入孔に形成される前記非圧入部は、前記駆動軸の先端側の前記圧入孔に形成されているか、或いは前記先端側とは反対側の前記圧入孔に形成されている
    ことを特徴とする弁体。
  16. 請求項1乃至請求項15の何れか1項に記載の弁体であって、
    前記非圧入部は、前記駆動軸の前記圧入孔への圧入による前記圧入固定筒の変形を逃がす前記空間である
    ことを特徴とする弁体。
  17. 一端が閉塞壁によって閉塞され、他端が開放部によって開放された軸線方向に延びる有底円筒状に形成され、その外側周部に流体が流出する開口部が形成された弁体と、
    前記弁本体の軸線を中心にして前記弁体が回転可能に収納される弁収納部、及び前記弁収納部に開口され外部の補機類と接続される連通路を備えたハウジングとを備え、
    前記弁体は、請求項1乃至請求項16の何れか1項に記載された弁体である
    ことを特徴とする流路切換弁。
  18. 熱源を冷却する熱媒体となる流体を加圧して圧送する流体ポンプと、前記流体ポンプからの前記流体を複数の補機類に送る流路切換弁、或いは前記複数の補機類からの流体を前記流体ポンプに送る流路切換弁を備える自動車用熱媒体システムであって、
    前記流路切換弁として、請求項17に記載の流路切換弁を使用したことを特徴とする自動車用熱媒体システム。
  19. 請求項18に記載の自動車用熱媒体システムにおいて、
    前記熱源は内燃機関であり、また前記補機類は少なくともラジエータ、暖房装置、及びオイルクーラであり、
    前記流路切換弁は、前記内燃機関の冷却水を前記ラジエータ、暖房装置、及びオイルクーラに選択的に分配する
    ことを特徴とする自動車用熱媒体システム。
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