JP2023038845A - 全固体リチウムイオン電池用電解質添加剤、固体電解質及び全固体リチウムイオン電池 - Google Patents

全固体リチウムイオン電池用電解質添加剤、固体電解質及び全固体リチウムイオン電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2023038845A
JP2023038845A JP2021145771A JP2021145771A JP2023038845A JP 2023038845 A JP2023038845 A JP 2023038845A JP 2021145771 A JP2021145771 A JP 2021145771A JP 2021145771 A JP2021145771 A JP 2021145771A JP 2023038845 A JP2023038845 A JP 2023038845A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolyte
solid
lithium ion
ion battery
lithium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021145771A
Other languages
English (en)
Inventor
召 劉
Zhao Liu
国清 官
Kunikiyo Kan
佳佳 王
Jiajia Wang
喜岩 岳
Xiyan Yue
和治 関
Kazuharu Seki
里提 阿布
Liti Abu
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hirosaki University NUC
Ziqoo Co Ltd
Original Assignee
Hirosaki University NUC
Ziqoo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hirosaki University NUC, Ziqoo Co Ltd filed Critical Hirosaki University NUC
Priority to JP2021145771A priority Critical patent/JP2023038845A/ja
Publication of JP2023038845A publication Critical patent/JP2023038845A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】全固体リチウムイオン電池に優れた電池容量とサイクル安定性を付与することができる固体電解質を製造するために好適に使用できる電解質添加剤及び固体電解質を提供する。【解決手段】本発明の電解質添加剤は、全固体リチウムイオン電池用の電解質に添加するものであって、層状リチウム化合物を含有する。本発明の全固体リチウムイオン電池用固体電解質は、前記電解質添加剤と、ベース材料と、電解質とを含む。本発明の電解質添加剤は、全固体リチウムイオン電池に優れた電池容量とサイクル安定性を付与することができる固体電解質を製造するために好適に使用できる。【選択図】なし

Description

本発明は、全固体リチウムイオン電池用電解質添加剤、固体電解質及び全固体リチウムイオン電池に関する。
全固体リチウムイオン電池(AS-LiB)は、最も有望な次世代エネルギー貯蔵装置として大きな期待が寄せられている。AS-LiBにおける固体電解質として、ポリエチレンオキサイド(PEO)をベース材料(ベースポリマー)とし、これに金属塩(例えば、イミド系リチウム塩であるリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、LiTFSI))を溶解させた高分子ゲル複合固体電解質(SSE)が知られている。斯かる固体電解質は、柔軟性を有し、良好な界面性能を示すことから、全固体リチウムイオン電池用の固体電解質として広く研究が進められている。
例えば、非特許文献1には、高イオン伝導性の三次元LLZAO-PEO/LiTFSI固体電解質が開示されており。このような固体電解質によって、バッテリー性能を向上させることが期待される。
Chemical Engineering Journal、2020,394:124993
一方、近年では、電池容量が大きく、しかも、サイクル数が増えても安定した電池容量を有する全固体リチウムイオン電池が求められているところ、斯かる全固体リチウムイオン電池を提供することができる固体電解質の開発も求められている。斯かる固体電解質は、全固体リチウムイオン電池の実用化を大きく前進させるものであるから、非常に利用価値の高い電池材料であるといえる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、全固体リチウムイオン電池に優れた電池容量とサイクル安定性を付与することができる固体電解質を製造するために好適に使用できる電解質添加剤及び固体電解質を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、層状リチウム化合物を構成成分とすることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、以下の項に記載の主題を包含する。
項1
全固体リチウムイオン電池用の電解質に添加する電解質添加剤であって、
層状リチウム化合物を含有する、全固体リチウムイオン電池用電解質添加剤。
項2
前記層状リチウム化合物がLiInCl及びLiMnOからなる群より選ばれる少なくとも1種である、項1に記載の電解質添加剤。
項3
全固体リチウムイオン電池用固体電解質であって、
項1又は2に記載の電解質添加剤と、ベース材料と、電解質とを含む、全固体リチウムイオン電池用固体電解質。
項4
前記ベース材料がポリエチレンオキサイドを含む、項3に記載の固体電解質。
項5
項3又は4に記載の固体電解質を備える、全固体リチウムイオン電池。
本発明の全固体リチウムイオン電池用電解質添加剤は、全固体リチウムイオン電池に優れた電池容量と優れたサイクル安定性を付与することができる固体電解質を製造するための添加剤として好適に使用できる。
試験例1及び比較試験例1で得られた固体電解質を備えた電池の性能(充放電容量及び充放電サイクル耐性)を示している。 試験例2で得られた固体電解質を備えた電池の性能(充放電容量及び充放電サイクル耐性)を示している。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
1.電解質用添加剤
本発明の全固体リチウムイオン電池用電解質添加剤(以下、「電解質添加剤」と略記する)は、全固体リチウムイオン電池用の電解質に添加する電解質添加剤であって、層状リチウム化合物を含有するものである。斯かる電解質添加剤は、全固体リチウムイオン電池に優れた電池容量とサイクル安定性を付与することができる固体電解質を製造するための添加剤として好適に使用できる。優れたサイクル安定性とは、例えば、充放電が繰り返されても電池の性能が低下しにくいことを意味し、特には、充放電が繰り返されても容量が低下にくい性質を有していることを意味する。
本発明の電解質添加剤は、層状リチウム化合物を主成分として含有することができる。例えば、本発明の電解質添加剤は、層状リチウム化合物を50質量%以上含むことができ、70質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことがさらに好ましく、95質量%以上含むことが特に好ましい。本発明の電解質添加剤は、層状リチウム化合物のみであってもよい。
層状リチウム化合物は、リチウム化合物が層状に形成されたものであって例えば、シート状、膜状、薄片状に形成されたリチウム化合物を挙げることができる。層状リチウム化合物が層状に形成されているかどうかは、例えば、層状リチウム化合物を電子顕微鏡等で観察することで確認することができる。層状リチウム化合物は、ナノシート状であることが好ましい。
層状リチウム化合物を形成するためのリチウム化合物は、種々のリチウムを含有する化合物を挙げることができ、例えば、リチウムを含む酸化物、リチウムを含む塩等を挙げることができる。リチウムを含む酸化物は、リチウム以外に他の金属が含まれた、いわゆる複合酸化物であってもよく、また、リチウムを含む塩もリチウム以外に他の金属が含まれていてもよい。
層状リチウム化合物がリチウムを含む酸化物である場合、その具体例として、LiMnO、LiMoO、LiHfO、LiZrO、LiScO、LiCoO、LiFeO、LiNiO、LiTiO、LiVO、LiScOが挙げられる。層状リチウム化合物がリチウムを含む塩である場合は、例えば、リチウムを含むハロゲン化合物を挙げることができ、その具体例として、LiGaCl、LiGaBr、LiGaI、LiAlCl、LiAlBr、LiAlIが挙げられる。
層状リチウム化合物は、リチウムを含む酸化物及びリチウムを含むハロゲン化物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、LiMnOであることがさらに好ましい。この場合、本発明の電解質添加剤は、全固体リチウムイオン電池の電池容量及びサイクル安定性がより向上しやすい。
層状リチウム化合物は、例えば、粉末状であってもよいし、塊状、顆粒状、ペレット状であってもよい。
層状リチウム化合物を製造する方法は特に限定されず、例えば、公知の方法によって製造することができる。あるいは、層状リチウム化合物は、市販品等からも入手することができる。
層状リチウム化合物は、例えば、溶液燃焼反応(SCR)によって製造することができる。この溶液燃焼反応では、具体的に、金属を含む酸化剤と、燃料とを含む水溶液を加熱して自己発火させることで層状リチウム化合物を製造することができる。層状リチウム化合物がリチウムを含む酸化物である場合は、特に溶液燃焼反応を利用することが好適である。溶液燃焼反応で得られる生成物は、例えば、酸化剤に含まれる金属の酸化物である。
溶液燃焼反応で使用する酸化剤は、少なくともLiを含む化合物を使用する。Liを含む化合物は、例えば、リチウムの塩化物、ハロゲン化物、無機酸塩、有機酸塩等を広く使用することができる。リチウムの無機酸塩としては、リチウムの硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩及びリン酸水素塩等からなる群より選ばれる1種以上を挙げることができる。中でもリチウムの硝酸塩が好ましい。リチウムの有機酸塩としては、リチウムの酢酸塩、シュウ酸塩、蟻酸塩、コハク酸塩等からなる群より選ばれる1種以上を挙げることができる。
溶液燃焼反応で使用する酸化剤は、少なくともLiを含む化合物の他、Li以外の金属を含む化合物を併用することもできる。斯かるLi以外の金属を含む化合物も、例えば、塩化物、ハロゲン化物、無機酸塩、有機酸塩等を広く使用することができる。Li以外の金属の無機酸塩としては、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩及びリン酸水素塩等からなる群より選ばれる1種以上を挙げることができる。中でも硝酸塩が好ましい。
上述のLi以外の金属としては、Mn、Mo、Hf、Zr、Sc、Co、Fe、Ni、Ti、V等が挙げられ、中でも、Mnが好ましい。
酸化剤は、Liの硝酸塩と、Li以外の硝酸塩との混合物であることが好ましく、Liの硝酸塩と、Mnの硝酸塩との混合物であることが特に好ましい。Liの硝酸塩と、Li以外の硝酸塩との混合物において、両者の割合は、例えば、Liの硝酸塩と、Li以外の硝酸塩との比が1:10~10:1、好ましくは3:7~7:3である。
溶液燃焼反応において、燃料は、例えば、公知の溶液燃焼反応で使用され得る公知の燃料を使用することができ、例えば、糖類が挙げられ、好ましくはショ糖である。
溶液燃焼反応において、燃料の使用量は、例えば、酸化剤に対して10~300質量%とすることができ、好ましくは20~200質量%、より好ましくは30~150質量%、さらに好ましくは40~120質量%である。
溶液燃焼反応で使用する水溶液の濃度は特に限定されず、例えば、公知の溶液燃焼反応と同様とすることができる。
溶液燃焼反応において、自己発火させる際の温度は特に限定されず、使用する酸化剤の性質等に応じて適宜設定することができる。例えば、100℃以上、好ましくは200℃以上であり、また、1000℃以下、好ましくは800℃以下である。
溶液燃焼反応の自己発火で得られる生成物は、例えば、アモルファス状であるので、この生成物を、さらに焼成処理することが好ましい。これにより、結晶化が進んで、十分の結晶化した層状リチウム化合物を得ることができる。
焼成の方法は特に限定されず、例えば、200~800℃、好ましくは300~600℃の条件で行うことができる。焼成時間が特に限定されず、焼成温度に応じて適宜の範囲で設定することができる。焼成は、例えば、空気中で行うことができ、また、不活性ガス雰囲気下で行うこともできる。
上記焼成により、層状構造を有するリチウム化合物が得られ、例えば、前述のLiMnO等が得られる。
層状リチウム化合物がリチウムを含む塩である場合は、上記溶液燃焼反応の他、種々の製造方法を採用することができ、例えば、公知の金属ハロゲン化物の製造方法を広く適用することができる。このような方法で、リチウムを含むハロゲン化合物を層状リチウム化合物として得ることができる。
本発明の電解質添加剤は、全固体リチウムイオン電池用に使用される電解質への添加剤として使用することができ、全固体リチウム二次電池用の電解質への添加剤として特に好適に使用することができる。
2.全固体リチウムイオン電池用固体電解質
本発明の固体電解質は、前述の電解質添加剤と、ベース材料と、電解質とを含む。ベース材料の種類は、特に限定されない。例えば、公知の全固体リチウムイオン電池用固体電解質を形成するためのベース材料を広く採用することができる。
固体電解質のベース材料としては、例えば、Li10GeP12、xLiS-(1-x)P(0.6≦x≦0.85)及びNa11SnPS12等の硫化物系電解質;NaPSe;Li3xLa2/3-xTiO(0≦x≦0.16)等の酸化物系電解質;、Li1+xAlTi2-x(PO(0≦x≦0.5)(LATP);LiLa12(3≦x≦7.5、M=Ta,Nb,Zr);NaZrSiPO12;ポリマーベースの電解質;等を挙げることができる。ポリマーベースの電解質としては、例えば、ポリエチレンオキサイド(PEO)あるいは、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)を挙げることができる。
電解質用添加剤による効果が発揮されやすいという観点から、ベース材料はポリマーであることが好ましく、中でもポリエチレンオキサイド及びポリビニリデンフルオライド等のポリマーを含むことが好ましく、ポリエチレンオキサイドを含むことが特に好ましい。
電解質用添加剤は、ベース材料中において凝集体を形成しにくく、より均一に分散しやすいものであり、ポリエチレンオキサイド等のポリマー中でもより分散がしやすい。これにより、電解質用添加剤による効果が発揮されやすい。ベース材料がポリエチレンオキサイドである場合、電解質用添加剤により、ポリエチレンオキサイドの結晶化が抑制されることから、電解質用添加剤による効果が発揮されやすくなると考えられる。
固体電解質に含まれる電解質の種類は特に限定されず、例えば、全固体リチウムイオン電池用固体電解質に適用される公知の電解質を挙げることができる。電解質としては、LiPF、LiClO、LiTFSI、NaClO、NaBF等が例示される。その他、固体電解質としては、公知の無機電解質と混合してなるハイブリッド電解質を挙げることもできる。固体電解質には、前記電解質用添加剤及びベース材料及び他の電解質以外に、例えば、全固体リチウムイオン電池用固体電解質に適用されている各種添加剤をさらに含むこともできる。
固体電解質に含まれる本発明の電解質用添加剤の含有量は特に限定されない。例えば、電解質用添加剤は、ベース材料、必要に応じて添加される前記添加剤及び電解質用添加剤の総質量に対して、0.1~60質量%とすることができる。この場合、固体電解質を全固体リチウムイオン電池に適用した場合に、全固体リチウムイオン二次電池の電気化学的安定性をより高くすることができ、充放電容量及び充放電サイクル耐性も向上しやすい。電解質用添加剤は、ベース材料、電解質及び電解質用添加剤の総質量に対して、0.2~30質量%とすることが好ましく、0.5~20質量%とすることがより好ましく、1~10質量%とすることが特に好ましい。
固体電解質に含まれる電解質の含有量も特に限定されず、例えば、公知の固体電解質における電解質の添加量と同様とすることができる。例えば、ベース材料に対する電解質の含有量は1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上とすることができ、また、ベース材料に対する電解質の含有量は50質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下とすることができる。
なお、固体電解質がその他に添加剤を含む場合、その含有量は、例えば、固体電解質中の全質量に対して5質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは、0.1質量%以下、特に好ましくは0.05質量%以下とすることができる。
固体電解質の製造方法は特に限定されず、例えば、公知の固体電解質の製造方法と同様の方法で、本発明の固体電解質を製造することができる。
例えば、ベース材料、本発明の電解質用添加剤、及び、電解質等を所定の配合量で混合することで、電解質原料を調製し、この電解質原料を製膜することで、固体電解質を製造することができる。電解質原料の調製は、乾式及び湿式のいずれの方式で行ってもよい。乾式である場合は、電解質原料は、例えば、粉末状で得られ、湿式である場合は、電解質原料は、例えば、ペースト状で得られる。ペースト状で得られた場合は、適宜、乾燥処理を行うことができる。
電解質原料を製膜する方法は特に限定されず、プレス法等の公知の方法で製膜することが可能である。
固体電解質の厚さも特に限定されず、例えば、公知の全固体リチウムイオン二次電池の固体電解質と同様の厚みとすることができる。例えば、固体電解質の厚みは、30~150μmとすることができる。
3.全固体リチウムイオン電池
本発明の全固体リチウムイオン電池は、前述の本発明の固体電解質を備える。つまり、本発明の全固体リチウムイオン電池は、前記電解質添加剤を含有する固体電解質を構成要素として含む。本発明の全固体リチウムイオン電池は、固体電解質に本発明の電解質添加剤が含まれる限りは、その他の構成は特に限定されず、例えば、公知と同様の構成とすることができる。例えば、全固体リチウムイオン電池は、カソード、アノード及びセパレータを備えることができる。電池の大きさ及び形状は、電池の用途に応じて適宜決定することができる。
カソードは、例えば、金属箔に活物質が担持された構造を有することができる。金属箔としては、アルミニウム、チタン、白金、モリブデン、ステンレス、銅等が挙げられる。金属箔の形状は、例えば、多孔質体、箔、板、繊維からなるメッシュ等が挙げられる。カソードの活物質としては、公知の活物質を広く適用することができ、例えば、LiFePO、LiCoO、LiNiMnCo(0.3≦x≦0.95、0.025≦y≦0.4、0.025≦y≦0.4)、LiNi1-y-zCoAl(0.05≦y≦0.15、0<z≦0.05)、LiMn、LiMPO(M=Co、Ni)、LiFePOF、V、Li(1.5≦x≦5.5)、Li1-XVOPO(0.5≦x≦0.92)、LiTi12、LiFeMO(M=Mn、Si)、S、Se、SeS、Na(PO、NaMnP、NaFePO、NaMnZr(PO等を挙げることができる。
カソードには、その他、導電助剤及びバインダー等を含むこともできる。導電助剤としては、全固体リチウムイオン電池において使用されている公知の材料を使用することができ、例えば、導電性カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、気相成長カーボンファイバー、カーボンナノチューブ等の炭素材料を挙げることができる。バインダーとしては、全固体リチウムイオン電池において使用されている公知の材料を使用することができ、例えば、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)等を挙げることができる。
アノードは、例えば、金属箔に活物質が担持された構造を有することができる。金属箔としては、アルミニウム、チタン、白金、モリブデン、ステンレス、銅等が挙げられる。金属箔の形状は、例えば、多孔質体、箔、板、繊維からなるメッシュ等が挙げられる。アノードの活物質としては、Li、Na、K、Mg、Al、Zn等の金属;グラファイトおよび他の炭素材料;Si(C)ベース、Si(O)ベース又はSnベースの合金あるいは金属酸化物;LiTi12;等を挙げることができる。
セパレータとしては、全固体リチウムイオン電池に適用されている公知のセパレータを使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリイミド;ポリビニルアルコール;末端アミノ化ポリエチレンオキシドポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂;アクリル樹脂;ナイロン;芳香族アラミド;無機ガラス;セラミックス等の材質からなり、多孔質膜、不織布、織布等の形態の材料を用いることができる。
二次電池を組み立てる方法も特に制限はなく、公知の二次電池の組み立て方法と同様の方法で二次電池を得ることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
(実施例1)
溶液燃焼反応(SCR)によってLiMnOを合成した。まず、酸化剤として硝酸リチウム(LiNO)及び硝酸マンガン(Mn(NO)と、燃料としてショ糖とを含む水溶液を調製した。この水溶液中、硝酸リチウム及び硝酸マンガンとのモル比2:1(LiNO:Mn(NO)は2:1とし、酸化剤と燃料との質量比は1:1とした。前記水溶液を100℃に加熱することにより、水をゆっくりと蒸発させてシロップ状の反応物を得た。その後、さらに加熱により温度を上昇させると200℃で泡が形成され、さらに加熱すると反応物が自己発火した。この自己発火によりアモルファス状生成物を得た。次いで、アモルファス状生成物を、乳棒を用いて乳鉢で粉砕し、得られた粉砕物をアルミニウムるつぼ内において400℃の環境下、1時間にわたって空気中で焼成した。これにより、十分に結晶化したLiMnOを得た。LiMnOが生成していることはX線回折スペクトル等から確認できた。
(試験例1)
ポリエチレンオキサイド(PEO)と、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiFTSI)との質量比8:1(PEO:LiFTSI)の混合物をあらかじめ調製した。この混合物に、電解質添加剤として実施例1で合成したLiMnOとを、LiMnOの含有割合が7.5質量%となるように添加し、乳鉢にてブロック状になるまで混合処理した。次いで、得られたブロックを80℃の真空オーブンに12時間保持した後、ブロックを油圧プレスにて40MPaで1時間加圧することで、フィルム状の固体電解質を得て、これを直径16mmの円片に切断した。
この固体電解質を用いて、アルゴン雰囲気下、2025型のコインセル(全固体リチウムイオン電池)を組み立てた。コインセルのカソードは、正極活物質として市販のLiFePO、導電助剤としてSuper P、バインダーとしてPVDFを8:1:1の質量比率になるように計量し、適量のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を加えて室温で12時間混練し、得られたスラリーをAl製の集電板に塗布して120℃の真空乾燥機中で12時間乾燥することで製作した。コインセルのアノードは、厚さ0.1mmのリチウム金属を使用した。カソード及びアノードはいずれも直径12mmの円片に切断して使用した。組み立てたコインセルの定電流充放電特性を、バッテリーテストシステム(LAND CT2001Aモデル、LANHEElectronic.Ltd)により評価した。測定条件は、60℃、電圧範囲2.5~4.0V、電流密度0.2Cとした。
(試験例2)
コインセルのカソードにおいて、LiFePO4をLiNi0.8Co0.1Mn0.1O2に変更したこと以外は試験例1と同様の方法でコインセルを組み立て、定電流充放電特性を評価した。
(比較試験例1)
電解質添加剤を使用しなかったこと以外は試験例1と同様の方法でコインセルを組み立て、定電流充放電特性を評価した。
図1は、試験例1及び比較試験例1で得られた固体電解質を備えた電池の性能(充放電容量及び充放電サイクル耐性)を示している。また、図2は、試験例2で得られた固体電解質を備えた電池の性能(充放電容量及び充放電サイクル耐性)を示している。
図1及び図2の結果から、電解質添加剤(LiMnO)を含有する固体電解質を備えるコインセル(試験例1及び試験例2)は、電解質添加剤を含有しない固体電解質を備えるコインセル(比較試験例1)に比べて高い電池容量を有しており、また、サイクル数が増えても容量の急速な減少は見られず、クーロン効率も安定していた。
Figure 2023038845000001
表1には、電解質添加剤(LiMnO)を含有する固体電解質を備えるコインセルの各種性能を示している。比較として、既存材料である従来の電解質添加剤(Ref.1に記載の電解質添加剤及びRef.2に記載の電解質添加剤)を使用して形成したコインセルの各種性能を示している。この表1から、電解質添加剤(LiMnO)は、既存材料と比較して高いリチウムイオン伝導度を有しており、導電率も既存材料と遜色ないことがわかった。

Claims (5)

  1. 全固体リチウムイオン電池用の電解質に添加する電解質添加剤であって、
    層状リチウム化合物を含有する、全固体リチウムイオン電池用電解質添加剤。
  2. 前記層状リチウム化合物がLiMnOからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の電解質添加剤。
  3. 全固体リチウムイオン電池用固体電解質であって、
    請求項1又は2に記載の電解質添加剤と、ベース材料と、電解質とを含む、全固体リチウムイオン電池用固体電解質。
  4. 前記ベース材料がポリエチレンオキサイドを含む、請求項3に記載の固体電解質。
  5. 請求項3又は4に記載の固体電解質を備える、全固体リチウムイオン電池。
JP2021145771A 2021-09-07 2021-09-07 全固体リチウムイオン電池用電解質添加剤、固体電解質及び全固体リチウムイオン電池 Pending JP2023038845A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021145771A JP2023038845A (ja) 2021-09-07 2021-09-07 全固体リチウムイオン電池用電解質添加剤、固体電解質及び全固体リチウムイオン電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021145771A JP2023038845A (ja) 2021-09-07 2021-09-07 全固体リチウムイオン電池用電解質添加剤、固体電解質及び全固体リチウムイオン電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023038845A true JP2023038845A (ja) 2023-03-17

Family

ID=85514763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021145771A Pending JP2023038845A (ja) 2021-09-07 2021-09-07 全固体リチウムイオン電池用電解質添加剤、固体電解質及び全固体リチウムイオン電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023038845A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101850901B1 (ko) 젤 고분자 전해질을 포함하는 전고체 리튬이차전지 및 그의 제조방법
JP5268134B2 (ja) 正極活物質の製造方法およびそれを用いた非水電解質電池
EP2203948B1 (en) Positive electrode active material, lithium secondary battery, and manufacture methods therefore
WO2019135319A1 (ja) 固体電解質材料、および、電池
EP2921455A1 (en) Oxyfluoride compounds for lithium-cells and batteries
EP3117474B1 (en) Cathode for lithium batteries
Li et al. Hierarchical porous onion-shaped LiMn 2 O 4 as ultrahigh-rate cathode material for lithium ion batteries
JP2000277116A (ja) リチウム二次電池
WO2009096255A1 (ja) 正極活物質、正極及び非水二次電池
Yuan et al. Surfactant-assisted hydrothermal synthesis of V2O5 coated LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2 with ideal electrochemical performance
KR20150131031A (ko) 고전압 리튬 이온 배터리
JP7535703B2 (ja) 電池
JP7165899B2 (ja) 固体電解質材料、および、電池
JP2002015735A (ja) リチウム二次電池正極活物質用リチウム鉄複合酸化物、その製造方法およびそれを用いたリチウム二次電池
CN112400242A (zh) 负极材料以及电池
KR20220065673A (ko) 정극 활물질의 제조 방법, 정극 활물질 및 리튬 이온 전지의 제조 방법
JP2004014296A (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質
JP5900852B2 (ja) 鉄含有複合リン酸フッ化物、その製造方法、及びそれを正極活物質として用いた二次電池
KR101791524B1 (ko) 리튬 이온 배터리용 고전압 나노 복합체 캐소드 (4.9v)의 제조 방법
CN109980221B (zh) 一种高压锂离子电池正极材料及其制备方法和应用
EP4205215A2 (en) Solid electrolyte material and solid-state battery made therewith
JP2002246025A (ja) 非水電解質二次電池用電極活物質、それを含む電極及び電池
JP4479874B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質の製造法、並びに非水電解質二次電池
KR101598186B1 (ko) 양극 활물질용 복합금속산화물의 제조방법 및 이를 이용한 전극, 리튬 이차전지, 커패시터
JP2023038845A (ja) 全固体リチウムイオン電池用電解質添加剤、固体電解質及び全固体リチウムイオン電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240618