JP2023038670A - 回転機 - Google Patents

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Abstract

【課題】巻線に渦電流が流れることを抑制するようにした回転機を提供する。【解決手段】電線50を構成する複数の導電性フィルム51は、それぞれの厚み方向が、複数の磁極から生じる磁束の向きに対して交差するように配置されている。複数の導電性フィルム51は、それぞれ、厚み方向の導電率に比べて長手方向の導電率の方が大きく、かつ幅方向の導電率に比べて長手方向の導電率の方が大きくなるように構成されている。よって、複数の磁極から生じる磁束が複数の導電性フィルム51を通過する際に、複数の導電性フィルム51において、厚み方向、或いは幅方向に渦電流が流れることを抑えることができる。【選択図】図4

Description

本発明は、回転機に関するものである。
従来、巻線用の電線としては、複数本の分割素線で構成されているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。複数本の分割素線は、それぞれ、導体芯線とこの導体芯線を覆う電気絶縁性被膜とを備える。このため、電動機の磁極から発生される磁束に基づいて電線に渦電流が電線の断面に生じることを抑えることができる。
特開2006-100077号公報
上記特許文献1では、電線に渦電流が流れること抑えるために、複数本の分割素線によって巻線用の電線を構成することが記載されている。
本発明者は、上記特許文献1の巻線用の電線を参考して、回転機において、渦電流が生じることを抑えるために、複数の導電性フィルムによって巻線を構成することについて検討した。
本発明は上記点に鑑みて、巻線を複数の導電性フィルムを有して構成するようにした回転機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、回転機であって、軸線(Sa)を中心とする円周方向に並べられている複数の磁極(44a~44l、45a~45l)を有し、かつ前記軸線を中心として回転自在に構成されているロータ(3)と、
電線(50)が相毎に巻かれている複数相の巻線(30A~30L、31A~31L)を備え、前記複数相の巻線が前記円周方向に並べられているステータコイル(32)と、を備え、
前記ロータが前記軸線を中心として回転する場合には、前記複数の磁極から生じる磁束によって前記複数相の巻線に電流を発生させ、前記複数相の巻線に電流が流れる場合には、前記複数相の巻線から生じる回転磁界によって前記ロータの前記複数の磁極に回転力を発生させるようになっており、
前記複数相の巻線がそれぞれ延びる方向を長手方向としたとき、前記複数相の巻線のうち1つの巻線は、前記長手方向に延びる複数の導電性フィルム(51、51A、51C、51D)を備え、
前記長手方向に交差して、かつ前記複数の導電性フィルムのそれぞれの厚みを形成する方向を厚み方向とした場合に、前記複数の導電性フィルムが前記厚み方向に積層された状態に配置されており、
前記1つの巻線は、前記厚み方向に、前記複数の磁極のうち少なくとも1つの磁極から生じる磁束の方向が交差するように配置されている。
したがって、巻線を複数の導電性フィルムを有して構成するようにした回転機を提供することができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態における回転機を軸線に直交する面で切断した断面構成を示す図であり、ステータコアの複数のティース部、複数の巻線、およびロータの複数の永久磁石の説明を補助するための断面図である。 図1の回転機においてII-II断面図であり、ステータコアの複数のティース部、複数の巻線、およびロータの複数の永久磁石の説明を補助するための断面図である。 図1の回転機の複数の巻線を構成するステータコイルを示す図であり、複数の巻線の説明を補助するための図である。 図1の巻線を構成する電線の構造を示す正面図であり、電線を構成する導電性フィルム、および絶縁層の配置関係の説明を補助するための図である。 図1の巻線を構成する電線の構造を示す斜視図であり、電線、導電性フィルムの長手方向、厚み方向、幅方向の説明を補助するための図である。 図4の導電性フィルムを構成するカーボンナノチューブをその径方向外側から視た正面図であり、カーボンナノチューブの延び方向の説明を補助するための図である。 図6のカーボンナノチューブのうち延び方向の一方側の端部を延び方向の一方側から視た図である。 図1のステータの巻線、ティース部、および永久磁石をティース部の軸線を含んで径方向に延びる面で切断した断面図であり、導電性フィルムの厚み方向と磁束の方向との関係を説明するための図である。 第1実施形態の電線の渦電流損失との対比のためにシミュレーションの対象となる銅製角線の構造を示す斜視図である。 第1実施形態の電線の渦電流損失との対比のためにシミュレーションの対象となる銅製分割線の構造を示す斜視図である。 第1実施形態の電線の渦電流損失を求めるためのシミュレーションの対象となるフィルム積層線を示す斜視図である。 第2実施形態の巻線を構成する電線の構造を示す正面図であり、複数の巻線を構成する導電性フィルム、および絶縁層の配置関係の説明を補助するための図である。 第3実施形態の巻線を構成する電線の構造を示す正面図であり、複数の巻線を構成する導電性フィルムの構造の説明を補助するための図である。 第4実施形態の巻線を構成する電線の構造を示す正面図であり、複数の巻線を構成する導電性フィルムの構造の説明を補助するための図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
回転機1は、電動機および発電機のうち一方として作動するモータジェネレータであって、図1および図2に示すように、ステータ2、およびロータ3を備える。ステータ2は、磁性体によって構成されているステータコア20を備える。ステータコア20は、軸線Saを中心とする円環状に形成されている環状部22を備える。
環状部22には、ティース部23a、23b、23c、23d、23e、23f、23g、23h、23i、23j、23k、23l、24a、24b、24c、24d、24e、24f、24g、24h、24i、24j、24k、24lが設けられている。
以下、ティース部23a、23b、23c、23d、23e、23f、23g、23h、23i、23j、23k、23l、24a、24b、24c、24d、24e、24f、24g、24h、24i、24j、24k、24lをティース部23a~24lとする。
ティース部23a~24lは、環状部22から軸線Saを中心とする径方向内側に突出するように形成されている。ティース部23a~24lは、軸線Saを中心とする円周方向に同一間隔で並べられている。
ティース部23a、23b、23c、23d、23e、23f、23g、23h、23i、23j、23k、23lは、それらの記載順に、時計回りに並べられている。
ティース部24a、24b、24c、24d、24e、24f、24g、24h、24i、24j、24k、24lは、ティース部23a、23lの間において、それらの記載順に、時計回りに並べられている。
ティース部23a、23c、23e、23g、23i、23k、24a、24c、24e、24g、24i、24kには、電線が正巻方向へ巻き回されて形成された巻線30A、30C・・・30K、31A、31C・・・31Kが設けられている。
巻線30A、30C・・・30K、31A、31C・・・31Kは、巻線30A、30C、30E、30G、30I、30K、31A、31C、31E、31G、31I、31Kを省略して記載したものである。
ティース部23b、23d、23f、23h、23j、23l、24b、24d、24f、24h、24j、24lには、電線が逆巻方向へ巻き回されて形成された巻線30B、30D・・・30L、31B、31D・・・31Lが設けられている。
巻線30B、30D・・・30L、31B、31D・・・31Lは、巻線30B、30D、30F、30H、30J、30L、31B、31D、31F、31H、31J、31Lを省略して記載したものである。
本実施形態では、ティース部の基部側(すなわち、環状部22側)からティース部の先端部へ向かって右回り(すなわち、時計回り)の方向を正巻方向とする。ティース部の基部側からティース部の先端部へ向かって左回り(すなわち、反時計回り)の方向を、正巻方向と逆方向の逆巻方向とする。
本実施形態の巻線30A、30C・・・30K、31A、31C・・・31Kを構成する電線50は、複数の導電性フィルム51によって構成されている。巻線30B、30D・・・30L、31B、31D・・・31Lを構成する電線50は、複数の導電性フィルム51によって構成されている。電線50の構造の説明は後述する。
巻線30A、30B、30G、30H、31A、31B、31G、31Hは、直列接続されて、図3に示すU相巻線32aを構成している。巻線30C、30D、30I、30J、31C、31D、31I、31Jは、直列接続されて、図3に示すV相巻線32bを構成している。巻線30E、30F、30K、30L、31E、31F、31K、31Lは、直列接続されて、図3に示すW相巻線32cを構成している。
以上により、U相巻線32a、V相巻線32b、およびW相巻線32cは、図3に示すように、スター結線されて、三相(すなわち、複数相の)ステータコイル32を構成している。
図1のロータ3は、ロータコア40、および永久磁石41a~41l、42a~42l、円板部45、および回転軸47を備える。
永久磁石41a~41lは、永久磁石41a、41b、41c、41d、41e、41f、41g、41h、41i、41j、41k、41lを省略したものである。永久磁石42a~42l、永久磁石42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42h、42i、42j、42k、42lを省略したものである。
ロータコア40は、磁性体によって軸線Saを中心とする円環状に形成されている。ロータコア40は、軸線Saを中心とする円周方向に回転自在になるように支持されている。永久磁石41a~41l、42a~42lは、それぞれ、ロータコア40内に内蔵されている。
永久磁石41a~41l、42a~42lは、それらの記載順に、軸線Saを中心とする円周方向において時計回りに並べられている。
永久磁石41a~41l、42a~42lは、それぞれ、巻線30A~30L、31A~31Lに対して磁束を発生させる磁極44a~44l、45a~45lを形成する。
磁極44a~44lは、44a、44b、44c、44d、44e、44f、44g、44h、44i、44j、44k、44lを省略したものである。磁極45a~45lは、45a、45b、45c、45d、45e、45f、45g、45h、45i、45j、45k、45lを省略したものである。
磁極44a~44l、45a~45lは、ロータコア40のうち軸線Saを中心とする径方向外側に形成されている。磁極44a~44l、45a~45lは、軸線Saを中心とする円周方向に並べられている。
永久磁石41a~41l、42a~42lのうち軸線Saを中心とする円周方向に隣り合う2つの永久磁石のうち一方側の永久磁石は、S極が径方向内側に配置され、N極が径方向内側に配置されている。上記2つの永久磁石のうち一方側の永久磁石以外の他方の永久磁石は、N極が径方向内側に配置され、S極が径方向内側に配置されている。
具体的には、永久磁石41a、41c、41e、41g、41i、41k、42a、42c、42e、42g、42i、42kは、それぞれ、S極が軸線Saを中心とする径方向外側に配置され、N極が軸線Saを中心とする径方向内側に配置されている。
永久磁石41b、41d、41f、41h、41j、41l、42b、42d、42f、42h、42j、42lは、それぞれ、N極が軸線Saを中心とする径方向外側に配置され、S極が軸線Saを中心とする径方向内側に配置されている。
図1中の永久磁石41a~41l、42a~42lのうち斜線のハッチングを記載した部分がN極を示し、永久磁石41a~41l、42a~42lのうち斜線の白色に記載した部分がS極を示している。
また、ロータ3の円板部45は、磁性体によって軸線Saを中心とする円盤状に形成されて、ロータコア40の中空部に嵌め込まれている。このことにより、円板部45は、ロータコア40を支持することになる。
回転軸47は、軸線Saを中心とする円柱状に形成されている。回転軸47は、円板部45から軸線方向一方側に延びるように形成されている。軸線方向は、軸線Saが延びる方向である。
回転軸47は、軸受け49a、49bを介してロータハウジング48によって回転自在に支持されている。このことにより、ロータ3が軸受け49a、49bによって回転自在に支持されていることになる。軸受け49a、49bは、回転軸47に対して軸線方向を中心とする径方向外側に配置されている。軸受け49a、49bは、互いに軸線方向にずれて配置されている。
ロータハウジング48は、軸線方向を中心とする円筒状に配置されている。ロータハウジング48は、軸受け49a、49bに対して軸線方向を中心とする径方向外側に配置されている。
次に、本実施形態の電線の構造について図4、図5、図6を参照して説明する。
本実施形態の電線50は、図4に示すように、複数の導電性フィルム51および複数の絶縁層53を備えるフィルム積層線である。複数の導電性フィルム51は、それぞれ、導電性と可撓性とを有する膜である。複数の導電性フィルム51は、それぞれ、電線50の長手方向に延びるように形成されている。電線50の長手方向は、駆動電流の通電方向を示している。
複数の導電性フィルム51は、それぞれ、積層されている。複数の導電性フィルム51は、それぞれの長手方向が沿うように形成されている。導電性フィルム51は、それぞれの幅方向が沿うように配置されている。
ここで、長手方向は、図5に示すように、電線50、および複数の導電性フィルム51が延びる方向であり、厚み方向は、複数の導電性フィルム51のそれぞれにおいて、長手方向に対して交差し、かつ厚みを成す方向である。具体的には、厚み方向は、複数の導電性フィルム51のそれぞれにおいて、長手方向に対して直交し、かつ厚みを成す方向である。
複数の導電性フィルム51において、幅方向は、厚み方向に交差し、かつ長手方向に交差する方向である。具体的には、複数の導電性フィルム51において、幅方向は、厚み方向に直交し、かつ長手方向に直交する方向である。
複数の絶縁層53は、それぞれ、複数の導電性フィルム51とともに厚み方向に積層されている。具体的には、複数の絶縁層53は、複数の導電性フィルム51に対して1つずつ交互に厚み方向に並べられている。ここで、複数の絶縁層53は、それぞれ、電気絶縁性の樹脂材料によって薄膜状に形成されている。
本実施形態では、複数の絶縁層53は、それぞれ、複数の導電性フィルム51のそれぞれの厚み方向一方側の表面に電気絶縁性の樹脂材料を含浸させることにより形成されている。
このことにより、複数の導電性フィルム51および複数の絶縁層53が積層されることにより、電線50が構成されることになる。複数の絶縁層53は、後述するように、電線50において渦電流が生じることを抑える役割を果たす。
本実施形態では、複数の絶縁層53としては、電気絶縁性材料からなる電気絶縁性フィルムが用いられる。電気絶縁性フィルムは、それぞれ、電気絶縁性と可撓性とを有する膜である。
電気絶縁性フィルムを構成する電気絶縁性の樹脂材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、モノマーキャストナイロン、ジュラコン、ポリカーボネート等を用いることができる。
本実施形態では、複数の導電性フィルム51は、それぞれ、複数のカーボンナノチューブを備える。複数のカーボンナノチューブは、それぞれの延び方向Esが電線50の長手方向に沿うように配置されている。
延び方向Esは、図6、図7に示すように、カーボンナノチューブ52の径方向Kaに対して直交する方向である。すなわち、延び方向Esは、カーボンナノチューブ52の軸線Sbが延びる方向である。このため、複数のカーボンナノチューブのそれぞれの延び方向Esが電線50の長手方向に一致することになる。
このように複数の導電性フィルム51が構成されるため、複数の導電性フィルム51は、それぞれ、長手方向の導電率が厚み方向の導電率に比べて大きく、かつ長手方向の導電率が幅方向の導電率に比べて大きくなっている。
すなわち、複数の導電性フィルム51は、それぞれ、厚み方向の導電率が長手方向の導電率に比べて小さく、かつ幅方向の導電率が長手方向の導電率に比べて小さくなっている。
このような複数の導電性フィルム51における導電率の異方性を用いて複数の導電性フィルム51の表面に電気絶縁性を形成する効果を期待することができる。
なお、本実施形態の電線50は、厚み方向の寸法が20μmであり、かつ幅方向寸法が8mmである導電性フィルム51が60枚、積層された状態に配置されている。
本実施形態では、図8に示すように、巻線30A~30L、31A~31Lは、導電性フィルム51の厚み方向に永久磁石41a~41l、42a~42lから発生される磁束Maの方向が交差するように配置されている。
ここで、電線50のうち幅方向の一方側、或いは他方側に形成されて長手方向に延びるように形成されている面を、図5および図8に示すように、厚み面55とする。巻線30A~30L、31A~31Lは、それぞれの厚み面55に永久磁石41a~41l、42a~42lから発生される磁束Maの方向に対して交差するように配置されている。
図8は、1巻きの巻線30A、永久磁石41a、およびティース部23aを軸線Saを含んで軸線Saを中心とする径方向に延びる面で切断した断面図である。図8は、説明の便宜上、1巻きの巻線30Aの模式図を示したが、実際には、巻線30Aとしては、複数巻きの巻線が採用されている。
次に、本実施形態の回転機1の作動について説明する。
まず、回転機1が電動機として作動する場合には、図示しないインバータ回路からステータコイル32に駆動電流としての三相交流電流が流れると、巻線30A~30L、31A~31Lに回転磁界が発生する。
巻線30A~30Lは、巻線30A、30B、30C、30D、30E、30F、30G、30H、30I、30J、30K、30Lを省略したものである。巻線31A~31Lは、巻線31A、31B、31C、31D、31E、31F、31G、31H、31I、31J、31K、31Lを省略したものである。
回転磁界は、巻線30A~30L、31A~31Lにおいて軸線Saを中心として回転する磁界である。このため、ロータ3の磁極44a~44l、45a~45lには、巻線30A~30L、31A~31Lから生じる回転磁界に伴って回転する回転力が発生する。このため、ロータ3が回転してこのロータ3の回転力が回転軸47から出力される。
磁極44a~44lは、磁極44a、44b、44c、44d、44e、44f、44g、44h、44i、44j、44k、44lを省略したものである。磁極45a~45lは、磁極45a、45b、45c、45d、45e、45f、45g、45h、45i、45j、45k、45lを省略したものである。
一方、回転機1が発電機として作動する場合には、外部から回転軸47に回転力が加わり、ロータ3が回転する。この際に、磁極44a~44l、45a~45lから生じる磁束によって巻線30A~30L、31A~31Lに三相交流電流を発生させることができる。このことにより、巻線30A~30L、31A~31Lから三相交流電力を出力することができる。
ここで、回転機1が三相交流電動機および三相交流発電機の一方として作動する際に、巻線30A~30L、31A~31Lを構成する複数の導電性フィルム51には、ロータ3の複数の磁極4a~44l、45a~45lから発生される磁束が通過する。
本実施形態では、複数の導電性フィルム51は、上述の如く、それぞれの厚み方向に磁極44a~44l、45a~45lから発生される磁束Maの方向が交差するように配置されている。
複数の絶縁層53は、上述の如く、複数の導電性フィルム51に対して1つずつ交互に厚み方向に並べられている。したがって、磁極44a~44l、45a~45lから発生される磁束に起因して渦電流が複数の導電性フィルム51に生じることを複数の絶縁層53hが抑えることができる。すなわち、複数の導電性フィルム51を通過する磁束が変化しても、渦電流が複数の導電性フィルム51に生じることを複数の絶縁層53hが抑えることができる。
さらに、複数の導電性フィルム51は、上述の如く、それぞれ、長手方向の導電率が厚み方向の導電率に比べて大きく、かつ長手方向の導電率が幅方向の導電率に比べて大きくなっている。
このため、複数の導電性フィルム51において、磁極44a~44l、45a~45lから発生される磁束に起因して渦電流が厚み方向、および幅方向に生じることを抑えることができる。すなわち、複数の導電性フィルム51を通過する磁束が変化しても、渦電流が厚み方向、および幅方向に生じることを複数の導電性フィルム51自体によって抑えることができる。
本発明者は、回転機1において、カーボンナノチューブ52からなる複数の導電性フィルム51を備える電線50によって巻線30A~30L、31A~31Lを構成して渦電流損失を生じることを抑えることについて検討した。
そこで、以上説明した本実施形態によれば、回転機1は、軸線Saを中心とする円周方向に並べられている磁極44a~44l、45a~45lを有し、かつ軸線Saを中心として回転自在に構成されているロータ3を備える。
回転機1は、電線50が相毎に巻かれている3相の巻線30A~30L、31A~31Lを備え、巻線30A~30L、31A~31Lがロータ3に対して軸線Saを中心とする径方向において、円周方向に並べられているステータコイル32を備える。
3相の巻線30A~30L、31A~31Lに交流電流が流れる際に3相の巻線30A~30L、31A~31Lから生じる回転磁界によってロータ3の磁極44a~44l、45a~45lに回転力を発生させるようになっている。
電線50は、複数の導電性フィルム51を備え、複数の導電性フィルム51がそれぞれ長手方向に延びるように積層された状態に配置されることにより、電線50が長手方向に延びるように形成されている。
複数の導電性フィルム51は、それぞれの厚み方向に、複数の磁極44a~44l、45a~45lから生じる磁束Maの方向が交差するように配置されている。
複数の導電性フィルム51は、それぞれ、複数のカーボンナノチューブを備える。複数のカーボンナノチューブのそれぞれの延び方向Esが電線50の長手方向に一致する。この場合に、複数の導電性フィルム51は、それぞれ、厚み方向の導電率に比べて長手方向の導電率の方が大きく、かつ幅方向の導電率に比べて長手方向の導電率の方が大きくなるように構成されている。
したがって、複数の導電性フィルム51において、厚み方向の導電率、幅方向の導電率は、長手方向の導電率に比べて小さい。よって、磁極44a~44l、45a~45lから生じる磁束が複数の導電性フィルム51を通過する際に、複数の導電性フィルム51において、厚み方向、或いは幅方向に渦電流が流れることを抑えることができる。
以上により、3相の巻線30A~30L、31A~31Lに渦電流が流れることを抑制するようにした回転機1を提供することができる。
このように構成される本実施形態では、次の(a)の効果を得ることができる。
(a)複数の絶縁層53は、厚み方向において、複数の導電性フィルム51に対して1つずつ交互に配置されている。このため、複数の導電性フィルム51において、厚み方向に渦電流が流れることをより一層抑えることができる。これにより、3相の巻線30A~30L、31A~31L(すなわち、U相巻線32a、V相巻線32b、W相巻線32c)に渦電流が流れることをより一層抑制することができる。
次に、銅製角線50A、銅製分割線50B、およびフィルム積層線50Cを電線として用いた場合に生じる渦電流損失をシミュレーションにより求めた結果について図9、図10、図11を参照して説明する。
図9は、銅製角線50Aに磁束Maを与えた例を示している。銅製角線50Aは、図9に示すように、厚み方向が1.2mmであり、幅方向1.0mmであり、長手方向が160mmである銅製角材からなる電線である。
図10は、銅製分割線50Bに磁束Maを与えた例を示している。銅製分割線50Bは、図10に示すように、厚み方向が0.24mmであり、幅方向0.25mmであり、長手方向が160mmである銅製分割素線51Bが20本並べられて角柱状に構成されている。図10の銅製分割線50Bは、銅製分割素線51Bが厚み方向に5本並べられ、かつ幅方向に4本並べられている。
図11は、フィルム積層線50Cに磁束Maを与えた例を示している。フィルム積層線50Cは、図11に示すように、厚み方向が20μmであり、幅方向1mmであり、長手方向が160mmである複数の導電性フィルムが本実施形態の電線50と同様に積層されている。複数の導電性フィルムは、本実施形態の導電性フィルム51と同様に、複数のカーボンナノチューブの延び方向が長手方向に沿うように配置されている。
ここで、銅製角線50A、銅製分割線50B、フィルム積層線50Cに生じる渦電流損失を求めるためのシミュレーション結果によれば、銅製角線50Aに生じる渦電流損失を100としたとき、銅製分割線50Bに生じる渦電流損失は3.84となる。さらに、フィルム積層線50Cに生じる渦電流損失は0.04となる。
以上により、フィルム積層線50C(すなわち、本実施形態の電線50)を用いることにより、銅製角線50A、或いは銅製分割線50Bに比べて、渦電流損失が小さくなることが分かる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、カーボンナノチューブを備える複数の導電性フィルム51によって電線50を構成した例について説明した。しかし、これに代えて、金属材料からなる複数の導電性フィルム51Dによって電線50を構成した本第2実施形態について図12を参照して説明する。
本実施形態の電線50は、上記第1実施形態の電線50において、複数の導電性フィルム51に代わる複数の導電性フィルム51Dを備える。複数の導電性フィルム51Dは、それぞれ、銅、アルミニウム、鉄等の導電性の金属材料によって薄膜状に形成されている。
本実施形態の電線50は、上記第1実施形態の電線50と同様に、複数の絶縁層53を備える。複数の絶縁層53は、図12に示すように、複数の導電性フィルム51Dに対して1つずつ交互に厚み方向に並べられている。
本実施形態では、このように構成される複数の導電性フィルム51Dが電線50の長手方向に延びるように形成されている。このような複数の導電性フィルム51Dを備える電線50がティース部23a~24lに巻かれることにより巻線30A~30L、31A~31Lが形成されている。
巻線30A~30L、31A~31Lは、上記第1実施形態と同様に、導電性フィルム51の厚み方向に、磁極44a~44l、45a~45lから生じる磁束Maの方向が交差するように配置されている。
このため、複数の絶縁層53が、磁極44a~44l、45a~45lから生じる磁束に起因して巻線30A~30L、31A~31L(すなわち、U相巻線32a、V相巻線32b、W相巻線32c)に、渦電流が流れることを抑えることができる。
(第3実施形態)
上記第1複数の絶縁層53を複数の導電性フィルム51に対して1つずつ交互に配置することにより電線50を構成する例について説明した。
しかし、これに代えて、複数の導電性フィルム51Aのそれぞれに厚み方向一方側および他方側に絶縁層57a、57bを設けた本第3実施形態について図13を参照して説明する。
本実施形態の電線50は、複数の導電性フィルム51に代わる複数の導電性フィルム51Aによって構成されている。複数の導電性フィルム51Aは、上記第1実施形態の複数の導電性フィルム51と同様に、長手方向の導電率が厚み方向の導電率に比べて大きくなっており、かつ長手方向の導電率が幅方向の導電率に比べて大きくなっている。
複数の導電性フィルム51Aのそれぞれの厚み方向一方側には、図13に示すように、厚み方向一方側に凸となる複数の凸部55aと、厚み方向他方側に凹む複数の凹部55cとが設けられている。本実施形態では、複数の凸部55aと複数の凹部55cとが電線50の長手方向に1つずつ交互に並べられている。
複数の導電性フィルム51Aのそれぞれの厚み方向他方側には、厚み方向他方側に凸となる複数の凸部55bと、厚み方向一方側に凹む複数の凹部55dとが設けられている。本実施形態では、複数の凸部55bと複数の凹部55dとが電線50の長手方向に1つずつ交互に並べられている。
隣り合う2つの導電性フィルム51Aのうち一方側の導電性フィルム51Aの複数の凸部55bの先端部は、それぞれ、一方側の導電性フィルム51A以外の他方の導電性フィルム51Aの複数の凸部55aの先端部に接触している。
一方側の導電性フィルム51Aの複数の凹部55dと他方の導電性フィルム51Aの複数の凹部55cとの間に、それぞれ、間隔58が形成されている。
このため、複数の凸部55a、55bと凹部55c、55dとは、隣り合う2つの導電性フィルム51Aの間で接触する面積を減らすことができる。このため、複数の凸部55aと複数の凹部55cとは、隣り合う2つの導電性フィルム51Aの間で厚み方向に電流が流れることを抑える電気絶縁層である絶縁層57aを構成する。
複数の凸部55bと複数の凹部55dとは、隣り合う2つの導電性フィルム51Aの間で電流が流れることを抑える絶縁層57bを構成する。
複数の導電性フィルム51Aのそれぞれにおいて、絶縁層57a、57bの間には、駆動電流が流れる中間層57cが形成される。
このように構成される本実施形態では、巻線30A~30L、31A~31Lは、それぞれの厚み方向に、磁極44a~44l、45a~45lから生じる磁束が交差するように配置されている。
ここで、複数の導電性フィルム51Aは、上記第1実施形態と同様に、それぞれ、厚み方向の導電率の方が長手方向の導電率に比べて小さく、かつ幅方向の導電率の方が長手方向の導電率に比べて大きくなるように構成されている。
このように本実施形態では、複数の導電性フィルム51Aを備える電線50によって、巻線30A~30L、31A~31Lが形成されている。
このため、巻線30A~30L、31A~31Lに磁極44a~44l、45a~45lから生じる磁束が通過しても、磁束に起因して巻線30A~30L、31A~31Lにおいて、厚み方向、幅方向に渦電流が流れることを抑えることができる。
本実施形態では、上述の如く、複数の導電性フィルム51Aのそれぞれにおいて、中間層57cに対して厚み方向一方側、厚み方向他方側に絶縁層57a、57bが形成されている。
よって、磁極44a~44l、45a~45lから生じる磁束に起因して巻線30A~30L、31A~31L(すなわち、U相巻線32a、V相巻線32b、W相巻線32c)に渦電流が流れることを絶縁層57a、57bが、より一層抑えることができる。
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、複数の絶縁層53を複数の導電性フィルム51に対して1つずつ交互に配置することにより電線50を構成する例について説明した。
しかし、これに代えて、電線50が複数の導電性フィルム51のうち2つの導電性フィルム51の間に導電性フィルム51Cを備える構成になっている本第4実施形態について図14を参照して説明する。
図14において、2つの導電性フィルム51の間に導電性フィルム51Cが配置されている電線50の一部を示している。
2つの導電性フィルム51は、第1導電性フィルム、第3導電性フィルムとして、それぞれ、複数のカーボンナノチューブを備える。複数のカーボンナノチューブは、それぞれの延び方向Esが電線50の長手方向に沿うように配置されている
導電性フィルム51Cは、第2導電性フィルムとして、複数のカーボンナノチューブのそれぞれの延び方向Esが厚み方向に沿うように配置されている。
このため、2つの導電性フィルム51は、それぞれ、導電性フィルム51Cに比べて、カーボンナノチューブの延び方向Esの分布において、複数のカーボンナノチューブのうちより多くのカーボンナノチューブが長手方向に沿うように配置されている。
これにより、2つの導電性フィルム51は、導電性フィルム51Cに比べて、長手方向の導電率が大きくなっている。すなわち、導電性フィルム51Cは、2つの導電性フィルム51に比べて長手方向の導電率が低くなっている。
これに加えて、2つの導電性フィルム51は、導電性フィルム51Cに比べて、厚み方向の導電率が小さくなっている。すなわち、導電性フィルム51Cは、2つの導電性フィルム51に比べて厚み方向の導電率が大きくなっている。
このように本実施形態では、2つの導電性フィルム51、導電性フィルム51Cを備える電線50によって巻線30A~30L、31A~31Lが形成されている。
本実施形態では、2つの導電性フィルム51および導電性フィルム51Cは、それぞれの厚み方向に、巻線30A~30L、31A~31Lに、磁極44a~44l、45a~45lから生じる磁束の方向が交差するように配置されている。
2つの導電性フィルム51は、それぞれ、厚み方向の導電率が長手方向の導電率に比べて小さく、かつ幅方向の導電率が長手方向の導電率に比べて小さくなっている。
上記第1実施形態と同様に、磁極44a~44l、45a~45lから生じる磁束に起因して巻線30A~30L、31A~31L(すなわち、U相巻線32a、V相巻線32b、W相巻線32c)に渦電流が流れることをより一層抑えることができる。
本実施形態では、2つの導電性フィルム51の間に導電性フィルム51Cが配置されてている。このため、導電性フィルム51Cは、2つの導電性フィルム51の間で駆動電流が流れることを抑える電気絶縁層として機能することができる。
(他の実施形態)
(1)上記第1~第4実施形態では、回転機1を電動機および発電機のうちいずれか一方として作動させるモータジェネレータとした例について説明した。
しかし、これに代えて、回転機1を発電機として作動させずに、専ら電動機として作動させるようにしてもよい。或いは、回転機1を電動機として作動させずに、専ら発電機として作動させるようにしてもよい。つまり、回転機1を電動機専用機としてもよく、或いは、回転機1を発電機専用機としてもよい。
また、ロータ3が軸線Saを中心として回転することにより、複数の磁極から生じる磁束によって複数の巻線に電流を発生させる直流発電機としてもよい。さらに、複数の磁極を形成するロータと、複数のステータコイルとを備えるのであれば、交流電動機や直流発電機に限らず、ステッピングモータを回転機としてもよい。
(2)上記第1~第4実施形態では、磁極44a~44l、45a~45lといった24個の磁極を備える回転機1について説明した。しかし、これに限らず、回転機1の磁極の個数は複数であれば、24未満でもよく、或いは24以上でもよい。
(3)上記第1~第4実施形態では、相数が3相である3相の巻線30A~30L、31A~31Lを備える回転機1について説明したが、しかし、これに限らず、回転機1の相数は3以下でもよく、或いは、4以上でもよい。すなわち、Nを2、或いは4以上の整数であるとしたとき、N相交流回転機を回転機1としてもよい。
(4)上記第3実施形態では、複数の導電性フィルム51Aを積層して電線50を構成した例について説明した。これに代えて、複数の導電性フィルム51Aに対して1つずつ交互に複数の電気絶縁層を積層してもよい。複数の電気絶縁層は、電気絶縁性樹脂材料によって構成され、隣り合う2つの導電性フィルム51Aの間に電流が流れることを抑える役割を果たす。
(5)上記第4実施形態では、導電性フィルム51Cが2つの導電性フィルム51の間で配置されている電線50について説明した。しかし、これに代えて、複数の導電性フィルム51、51Cに対して1つずつ交互に複数の電気絶縁層を積層してもよい。すなわち、電線50において、隣り合う導電性フィルム51、51Cの間に電気絶縁層を配置してもよい。
(6)上記第1実施形態では、導電性フィルム51が複数のカーボンナノチューブによって構成されている例について説明した。上記第2実施形態では、導電性フィルム51Aが複数のカーボンナノチューブによって構成されている例について説明した。上記第4実施形態では、導電性フィルム51Cがカーボンナノチューブによって構成されている例について説明した。
しかし、これに代えて、カーボンナノチューブ以外のカーボン(例えば、黒鉛、カーボンナノウォール)によって導電性フィルムを構成してもよい。
(7)上記第4実施形態では、2つの導電性フィルム51は複数のカーボンナノチューブの延び方向Esが電線50の長手方向に沿うように配置されている例について説明した。さらに、上記第4実施形態では、導電性フィルム51Cは、複数のカーボンナノチューブの延び方向Esが厚み方向に沿うように配置されている例について説明した。
しかし、2つの導電性フィルム51は、導電性フィルム51Cに比べて、カーボンナノチューブの延び方向の分布において、より多くのカーボンナノチューブが長手方向に沿うように配置されているのであれば、次のように構成してもよい。
すなわち、2つの導電性フィルム51のそれぞれを構成する複数のカーボンナノチューブは、長手方向に交差するカーボンナノチューブを備えてもよい。また、導電性フィルム51Cを構成する複数のカーボンナノチューブは、厚み方向に交差するカーボンナノチューブを備えるようにしてもよい。
(8)上記第1~第4実施形態では、回転機1において、ロータ3をステータ2に対して軸線Saを中心とする径方向内側に配置した例について説明した。しかし、これに代えて、ロータ3をステータ2に対して軸線Saを中心とする径方向外側に配置してもよい。
或いは、回転機1において、ロータ3をステータ2に対して軸線方向一方側、或いは他方側に配置してもよい。この場合、軸線方向とは、軸線Saが延びる方向である
(9)上記第1~第4実施形態では、磁極44a~44l、45a~45lを永久磁石41a~41l、42a~42lによって形成した例について説明した。しかし、これに代えて、永久磁石41a~41l、42a~42lに代わる複数の電磁石によって磁極44a~44l、45a~45lを形成してもよい。
(10)上記第1実施形態では、複数の導電性フィルム51のそれぞれの厚み方向一方側の表面に電気絶縁性の樹脂材料を含浸させることにより複数の絶縁層53を形成した例について説明した。
しかし、これに限らず、複数のカーボンナノチューブをフィルム状に固定化する際に、電気絶縁性の固定剤を使用してもよい。この場合、複数の絶縁層53と同様に、複数の導電性フィルム51のそれぞれにおいて、厚み方向一方側の電気絶縁性を形成することができる。
(11)上記第1~第4実施形態では、U相巻線32a、V相巻線32b、およびW相巻線32cをスター結線してステータコイル32を構成した例について説明した。しかし、これに限らず、U相巻線32a、V相巻線32b、およびW相巻線32cをデルタ結線してステータコイル32を構成してもよい。
(12)上記第1実施形態では、U相巻線32a、V相巻線32b、およびW相巻線32cを複数の導電性フィルム51を備える例について説明した。しかし、これに代えて、U相巻線32a、V相巻線32b、およびW相巻線32cのうち1つの巻線が複数の導電性フィルム51を備えるようにしてもよい。
(13)上記第2実施形態では、U相巻線32a、V相巻線32b、およびW相巻線32cを複数の導電性フィルム51Dによって構成した例について説明した。しかし、これに代えて、U相巻線32a、V相巻線32b、およびW相巻線32cのうち1つの巻線が複数の導電性フィルム51Dを備えるようにしてもよい。
(14)上記第3実施形態では、U相巻線32a、V相巻線32b、およびW相巻線32cを複数の導電性フィルム51Aによって構成した例について説明した。しかし、これに代えて、U相巻線32a、V相巻線32b、およびW相巻線32cのうち1つの巻線が複数の導電性フィルム51Aを備えるようにしてもよい。
(15)上記第4実施形態では、U相巻線32a、V相巻線32b、およびW相巻線32cを複数の導電性フィルム51、51Cによって構成した例について説明した。しかし、これに代えて、U相巻線32a、V相巻線32b、およびW相巻線32cのうち1つの巻線が複数の導電性フィルム51、51Cを備えるようにしてもよい。
(16)上記第4実施形態では、巻線30A~30L、31A~31Lは、それぞれ、厚み方向に磁極44a~44l、45a~45lから生じる磁束の方向が交差するように配置した例について説明した。
しかし、これに代えて、巻線30A~30L、31A~31Lは、それぞれ、厚み方向に磁極44a~44l、45a~45lのうち1つの磁極から生じる磁束の方向が交差するように配置してもよい。
(17)上記第3実施形態では、複数のカーボンナノチューブを備える複数の導電性フィルム51Aにおいて複数の凸部55a、55bと複数の凹部55c、55dとを設けて絶縁層57a、絶縁層57aを形成した例について説明した。
しかし、上記第2実施形態で説明した金属材料からなる複数の導電性フィルム51Dにおいて、複数の凸部55a、55bと複数の凹部55c、55dとを設けて絶縁層57a、絶縁層57aを形成してもよい。
(18)上記第4実施形態では、2つの導電性フィルム51の間に導電性フィルム51Cを備える電線50について説明した。しかし、これに加えて、複数の絶縁層53を、2つの導電性フィルム51および導電性フィルム51Cに対して1つずつ交互に配置することにより電線50を構成してもよい。
(19)なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
1 回転機
44a~45l 磁極
3 ロータ
30A~30L、31A~31L 巻線
32 ステータコイル
41a~42l 永久磁石
50 電線
51 導電性フィルム
Sa 軸線

Claims (11)

  1. 回転機であって、
    軸線(Sa)を中心とする円周方向に並べられている複数の磁極(44a~44l、45a~45l)を有し、かつ前記軸線を中心として回転自在に構成されているロータ(3)と、
    電線(50)が相毎に巻かれている複数相の巻線(30A~30L、31A~31L)を備え、前記複数相の巻線が前記円周方向に並べられているステータコイル(32)と、を備え、
    前記ロータが前記軸線を中心として回転する場合には、前記複数の磁極から生じる磁束によって前記複数相の巻線に電流を発生させ、前記複数相の巻線に電流が流れる場合には、前記複数相の巻線から生じる回転磁界によって前記ロータの前記複数の磁極に回転力を発生させるようになっており、
    前記複数相の巻線がそれぞれ延びる方向を長手方向としたとき、前記複数相の巻線のうち1つの巻線は、前記長手方向に延びる複数の導電性フィルム(51、51A、51C、51D)を備え、
    前記長手方向に交差して、かつ前記複数の導電性フィルムのそれぞれの厚みを形成する方向を厚み方向とした場合に、前記複数の導電性フィルムが前記厚み方向に積層された状態に配置されており、
    前記1つの巻線は、前記厚み方向に、前記複数の磁極のうち少なくとも1つの磁極から生じる磁束の方向が交差するように配置されている回転機。
  2. 前記厚み方向に交差し、かつ前記長手方向に交差する方向を幅方向とした場合において、
    前記複数の導電性フィルムは、それぞれ、前記厚み方向の導電率の方が前記長手方向の導電率に比べて小さく、かつ前記幅方向の導電率の方が前記長手方向の導電率に比べて小さくなるように構成されている請求項1に記載の回転機。
  3. 前記複数の導電性フィルムは、それぞれ、カーボンを有して構成されている請求項1または2に記載の回転機。
  4. 前記複数の導電性フィルムは、それぞれ、複数のカーボンナノチューブを備える請求項2に記載の回転機。
  5. 前記複数のカーボンナノチューブは、それぞれ、前記長手方向に沿うように配置されている請求項4に記載の回転機。
  6. 前記複数の導電性フィルムは、第1導電性フィルム(51)、第2導電性フィルム(51C)、および第3導電性フィルム(51)を備え、前記第1導電性フィルムおよび前記第3導電性フィルムの間に前記第2導電性フィルムが配置されており、
    前記第1導電性フィルム、前記第3導電性フィルムは、前記第2導電性フィルムに比べて、前記複数のカーボンナノチューブが延びる方向(Es)の分布において、前記複数のカーボンナノチューブのうちより多くのカーボンナノチューブが前記長手方向に沿うように配置されている請求項4に記載の回転機。
  7. 前記複数の導電性フィルム(51D)は、それぞれ、金属材料によって構成されている請求項1に記載の回転機。
  8. 前記複数の導電性フィルムは、それぞれ、互いに隣り合う第1導電性フィルム(51A)および第2導電性フィルム(51A)を備え、
    前記第1導電性フィルムおよび前記第2導電性フィルムのうち一方の導電性フィルムのうち前記厚み方向の一方側には、前記厚み方向の一方側に凸となる凸部(55a、55b)と、前記厚み方向の他方側に凹む凹部(55c、55d)とが設けられており、
    前記凸部の先端部が前記他方の導電性フィルムに接触し、かつ前記凹部と前記他方の導電性フィルムとの間に、間隔(58)が形成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の回転機。
  9. 前記1つの巻線は、電気絶縁性材料によって膜状に形成されている複数の絶縁層(53)を備え、
    前記複数の絶縁層は、前記複数の導電性フィルムに対して1つずつ交互に前記厚み方向に並べられている請求項1ないし8のいずれかに記載の回転機。
  10. 前記電気絶縁性材料は、樹脂材料である請求項9に記載の回転機。
  11. 前記複数の絶縁層は、それぞれ、可撓性を有するフィルムである請求項9に記載の回転機。
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