JP2023038071A - 移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の移動体は、多方向において段差を乗り越えて移動可能ではなかった。【解決手段】シャシ2と、平面視においてシャシ2の周囲に周方向に並ぶようにして配置されており、それぞれ、アーム回転軸を中心に上下に回転可能であってシャシ2の外周面から外側に突出するようにシャシ2に対して支持されている、少なくとも3つのアームと、少なくとも3つのアームのそれぞれに対応するように設けられており、一のアームをシャシ2に対して回転させるアーム回転部71と、3つのアームのそれぞれにおいて、シャシ2の外周面から外側に離れた位置にアームによって支持されている車輪50と、対応する車輪50を用いて移動体1を移動させる移動機構60とを備え、移動機構60による車輪50の駆動状態に応じて多方向に移動可能に構成されている、移動体1は、多方向において段差を乗り越えて移動可能である。【選択図】図1
Description
この発明は、複数の車輪を有し多方位に移動可能な移動体に関する。
従来、複数の車輪を有し、種々の目的に用いられる移動体の構成が提案されている。例えば、自律走行可能なロボットなどにも移動体の構成が利用される場合がある。このような移動体が不整地を走行するためには、段差などの障害物を乗り越える機構が必要である。
段差を乗り越えるように構成された移動体としては、車輪を支持するアームを用いて車輪の駆動機構を上下させるものがある(例えば、下記特許文献1参照)。
なお、基台の下部に、支軸が往復運動可能に構成された移動部が複数設けられているものも知られている(例えば、下記特許文献2参照)。
ところで、例えば特許文献1に記載されているような車輪を利用した移動体においては、車輪の向きに応じた所定の方向においてのみ、段差を乗り越えることができるように構成されている。しかしながら、上記のような移動体については、移動体自体が精密な位置決めを行えることや、小回りが利くことが要求される場合がある。このようなニーズに応えるために、移動体が、多方向において段差を乗り越えて移動可能な構成を有することが望ましい。
なお、例えば特許文献2に記載されているような移動体は、全方位に移動可能であって、全方位で障害物の乗り越えが可能であるが、6つ以上の可動部を有するものであり、全体として構造が複雑なものとなっている。
この発明は、簡素な構成とすることができ多方向において段差を乗り越えて移動可能な移動体を提供することを目的としている。
本第一の発明の移動体は、シャシと、平面視においてシャシの周囲に周方向に並ぶようにして配置されており、それぞれ、アーム回転軸を中心に上下に回転可能であってシャシの外周面から外側に突出するようにシャシに対して支持されている、少なくとも3つのアームと、少なくとも3つのアームのそれぞれに対応するように設けられており、一のアームをシャシに対して回転させることが可能なアーム回転部と、3つのアームのそれぞれにおいて、シャシの外周面から外側に離れた位置にアームによって支持されている車輪と、車輪に対応するように設けられており、対応する車輪を用いて移動体を移動させる移動機構とを備え、移動機構による車輪の駆動状態に応じて多方向に移動可能に構成されている、移動体である。
かかる構成により、簡素な構成により、多方向において段差を乗り越えて移動可能にすることができる。
また、本第二の発明の移動体は、第一の発明に対して、移動機構は、対応する車輪を車軸を中心に回転させる駆動アクチュエータと、対応する車輪を操舵する操舵アクチュエータとを有し、移動機構に対応する車輪は、アームに対して操舵可能に支持されている、移動体である。
かかる構成により、移動体を確実に多方向に移動させることができる。
また、本第三の発明の移動体は、第一又は二の発明に対して、移動機構に対応する車輪は、オムニホイールである、移動体である。
かかる構成により、少ない数のアクチュエータにより、移動体を多方向に移動可能に構成することができる。
また、本第四の発明の移動体は、第一から三のいずれかの発明に対して、シャシと路面との間に位置するように配置された少なくとも1つの補助輪をさらに備える、移動体である。
かかる構成により、シャシの姿勢を容易に維持することができる。
また、本第五の発明の移動体は、第一から四のいずれかの発明に対して、3つのアームのそれぞれのアーム回転軸は、略水平であって、かつ、平面視において他の2つのアームのアーム回転軸と略60度の角度をなすように配置されており、平面視において、3つのアームのそれぞれについてのアーム回転軸に対して垂直であって車輪を通る直線は、共通の一箇所を通過するように構成されており、平面視において、3つのアームのそれぞれにより支持されている車輪は、共通の一箇所を中心とする円周上にある、移動体である。
かかる構成により、簡素な機器構成により、移動体を移動させる方向又は段差の位置に応じたアーム回転部及び移動機構の動作を、移動体の向きにかかわらず、容易に規定することができる。
本発明に係る移動体は、簡素な構成とすることができ多方向において段差を乗り越えて移動可能なものである。
以下、移動体等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
なお、以下において、移動体の構造についての説明の便宜上、移動体が水平面である路面に接地している状態を基準として方向を示す場合がある。すなわち、路面に垂直な方向を上下方向と称することがある。また、平面視において移動体の中央部(厳密に中央であることを意味しない)を通る方向を径方向と称することがある。移動体の中央部を中心とする円弧に沿う方向を周方向と称することがある。このように各方向を示すことは、あくまで説明の便宜のために行うものであって、本発明に係る移動体の使用時における向き、姿勢等を限定するものではない。
(実施の形態)
本実施の形態において、移動体は、操舵機構が搭載された車輪が取り付けられている3組のアームがシャシの外周面から外側に突出するように設けられているものである。各アームは、アーム回転軸を中心に上下に回転可能に指示されている。このような構成により、移動体は、多方向から段差を乗り越えられるようになっている。移動体は、操舵機構を用いて、全方向に移動可能である。なお、本実施の形態において、車輪はオムニホイールであってもよく、この場合は、操舵機構は設けられていなくてもよい。以下、このように構成された移動体1について説明する。
図1は、本実施の形態の一例に係る移動体1の構成を示す斜視図である。図2は、同移動体1の平面図である。
なお、以下の説明において、移動体1の細かな部分の構成の図示は省略されている。例えば、シャシ2のうち、車輪の懸架に係る部分以外の構造は、移動体1の用途などに応じて適宜設定されればよい。また、図2において、一点鎖線は、アーム回転軸、アーム回転軸に対して垂直であって車輪を通る直線、又は中央部Cを中心とする円周Tを示す。
移動体1は、シャシ2と、3つのアーム11,21,31(以下、これらを区別せずにそれぞれをアーム10と総称することがある)と、3つの車輪51,52,53(以下、これらを区別せずにそれぞれを車輪50と総称することがある)と、移動機構60と、アーム回転部71と、3つの補助輪81とを備える。
移動体1は、通常、略平坦な路面R(図3に示す)の上に配置され、路面R上を移動可能である。移動体1は、例えば、シャシ2に搭載された、図示しない制御部(例えば、コンピュータや電気回路により構成されていればよい。)、周囲の状況を検知するセンサ部、及び各部の電源として用いられるバッテリー等を有している。移動体1は、例えば、所定のプログラムや、センサ部による検知結果や、外部から受信した指示等に基づいて行われる制御部の制御に基づいて、路面R上を多方向に自律的に移動可能に構成されている。ここで、多方向に移動可能であるとは、シャシ2の向きを所定の方向に保ったままで、前後左右や斜め方向など、様々な方向に移動可能であることをいう。なお、移動体1は自律移動可能なものに限られない。例えば予め設定されたプログラムやシーケンス等に基づいて種々のアクチュエータ等が機能するように構成されていることにより路面R上を移動可能であってもよい。また、外部から各アクチュエータを動作させるための指示が送られることにより路面R上を移動可能であってもよい。
シャシ2は、移動体1の本体であると言ってもよいし、移動体1のフレームであると言ってもよい。本実施の形態において、シャシ2は、例えば、平面視で多角形形状に構成されている。シャシ2は、平面視において、大まかに三角形といえる形状を有している。より具体的には、後述のように3つのアーム10が取り付けられる側面部同士が、大まかに60度の角度をなしている。なお、シャシ2は、部分的に又は全体的に丸みを帯びた形状を有していてもよい。
アーム10は、例えば、平面視において直線状の梁状の部材である。アーム10は、通常時(例えば、水平面である路面上を移動する場合をいう)において長手方向が略水平になるようにシャシ2の径方向外側に配置されている。平面視において、アーム11,21,31は、それぞれ、シャシ2の周囲に周方向に、時計回りの方向においてこの順に並ぶようにして、配置されている。本実施の形態において、3つのアーム10のそれぞれは、互いに長手方向の長さが略同じになるように構成されている。また、3つのアーム10のそれぞれは、平面視において他の2つのアーム10と略120度の角度をなすように配置されている。すなわち、平面視において、アーム11とアーム21とがなす角と、アーム21とアーム31とがなす角と、アーム31とアーム21とがなす角とは、いずれも略120度になるように構成されている。3つのアーム10は、上述のように平面視で大まかに三角形をなしているシャシ2の3つの側面部にそれぞれ配置されている。本実施の形態において、アーム10は、シャシ2の外周面から外側に突出するように、シャシ2に対して支持されている。すなわち、アーム10は、シャシ2の外周面から放射状に外側に向けて突出する方向すなわち径方向が長手方向となるように設けられている。なお、各アーム10の長さ、互いの位置関係、シャシ2から外側に向けて突出している方向などは、これに限られない。
なお、アーム10は、湾曲していたり、平面視において板状やA字状に構成されているような部材であったりするなど、直線状ではない形状を有するものであってもよい。
また、本実施の形態において、各アーム10は、アーム回転軸(本実施の形態において、後述のアーム回転部71の回転軸)を中心に回転可能となるように、シャシ2に対して支持されている。本実施の形態においては、アーム回転軸は、各アーム10の径方向内側の端部近傍を通っている。アーム回転軸は、略水平に配された軸である。アーム10は、長手方向が略水平な状態からアーム回転軸を中心にシャシ2に対して上下に回転可能である。すなわち、アーム10は、アーム回転軸を中心にして、アーム回転軸から離れた部位が上下に変位するように、シャシ2に対して回転可能である。
ここで、本実施の形態においては、平面視において、3つのアーム10のそれぞれのアーム回転軸は、それぞれのアーム10の長手方向に対して略垂直である。それぞれのアーム回転軸は、平面視において他の2つのアーム10のアーム回転軸と略60度の角度をなすように配置されている。また、平面視において、3つのアーム10のそれぞれについてのアーム回転軸に対して垂直であって後述の車輪50を通る直線は、共通の一箇所を通過するように構成されている。なお、各アーム回転軸が共通の一箇所を通過するとは、大まかに解釈すればよく、2つのアーム10についての直線の交点同士が厳密には互いにずれているような状態を許容する表現である。すなわち、本実施の形態において、3つのアーム10は、シャシ2の中央部分(図2において斜線部Cで示す箇所)から見て120度ずつ間隔を空けて周方向に互いに等間隔に並ぶように配置されている。3つのアーム10は、シャシ2の中央部分から見て放射状に、シャシ2から突出するようにして配置されている。
車輪50は、3つのアーム10のそれぞれにおいて、シャシ2の外周面から外側に離れた位置に設けられている。本実施の形態においては、3つのアーム10のそれぞれの径方向外側の端部(先端部)近傍において、1つの車輪50が支持されている。
より具体的には、アーム11の先端部には車輪51が、アーム21の先端部には車輪52が、アーム31の先端部には車輪53が、それぞれ配置されている。移動体1の全体として、車輪51,52,53が、時計回りの方向においてこの順に並ぶように配置されている。各車輪50とシャシ2の中央部分との距離は、大まかに、略等しくなっている。換言すると、3つのアーム10のそれぞれにより支持されている車輪50は、共通の一箇所を中心とする円周T上にある。なお、車輪50の位置はこれに限られない。アーム10の長さやアーム10の数、シャシ2の形状に応じて変更されていてもよい。また、各アーム10について、2つ以上の車輪50が設けられていてもよいし、1つの車輪50に加えて、それは異なる車輪が設けられていてもよい。
移動機構60は、3つのアーム10のそれぞれの車輪50に対応するように設けられている。すなわち、3つの車輪50のそれぞれが、移動機構60により駆動されるようになっている。移動機構60は、それが対応する車輪50を用いて、移動体1を移動させるように構成されている。例えば、制御部が各移動機構60の動作を制御することにより、移動体1が移動する。また、例えば、各移動機構60が、外部からの指示に応じて駆動することにより、移動体1が移動可能となっていてもよい。
本実施の形態において、移動機構60は、駆動アクチュエータ61と、操舵アクチュエータ63とを有している。
駆動アクチュエータ61は、対応する車輪50を、車軸を中心に回転させる。駆動アクチュエータ61は、例えば、種々のモータである。なお、駆動アクチュエータ61は、車輪50の回転数すなわち車軸の回転数を検知可能なエンコーダ等の検知手段を有しているものであってもよいし、ステッピングモータ等の回転角を制御可能なモータ等であってもよい。また、駆動アクチュエータ61は、駆動源となるモータと、モータのトルクを車軸に伝達する伝達機構(例えば、歯車等を用いたものなど)とを含んで構成されているものであってもよい。また、車輪50が自在回転可能となるようにクラッチを有するものであってもよい。
操舵アクチュエータ63は、対応する車輪50を、操舵軸(図示せず)まわりに回転させて操舵する。すなわち、本実施の形態において、移動機構60に対応する車輪50は、アーム10に対して操舵可能に支持されている。操舵軸は、例えば、水平面に対して略垂直な姿勢になっている。操舵アクチュエータ63は、回転角を制御可能なアクチュエータである。操舵アクチュエータ63は、例えば、サーボモータやステッピングモータであるが、これに限られず、エンコーダ等を備えて回転角を制御可能に構成されたモータ等のアクチュエータであってもよい。また、車輪50が操舵軸周りに自在回転可能となるようにクラッチを有するものであってもよい。
本実施の形態においては、すべての車輪50が、駆動アクチュエータ61により回転可能であって、かつ、操舵アクチュエータ63により操舵可能である。各移動機構60による各車輪50の駆動状態(車軸周りに回転させたり操舵軸周りに回転させたりすること)に応じて、移動体1が多方向に移動可能である。
アーム回転部71は、少なくとも3つのアーム10のそれぞれに対応するように設けられている。各アーム回転部71は、一のアーム10を、アーム回転部71を中心にシャシ2に対して回転させることができるように構成されている。例えば、制御部がアーム回転部71の動作を制御することにより、対応するアーム10が回転する。また、例えば、アーム回転部71が、外部からの指示に応じて駆動することにより、対応するアーム10が回転可能となっていてもよい。
なお、アーム回転部71は、回転角を制御可能なアクチュエータである。アーム回転部71は、例えば、サーボモータやステッピングモータであるが、これに限らない。例えば、アーム回転部71は、エンコーダ等を備えて回転角を制御可能に構成されたモータ等のアクチュエータであってもよい。また、アーム回転部71は、油圧アクチュエータを用いてアーム10を回転させるようなものであってもよい。また、アーム回転部71は、アーム10をシャシ2に対して回転可能に支持する支持軸と、アーム10の一部とシャシ2との間に配置されて両者の距離を変更する直動式のアクチュエータとを含んで構成されていてもよい。
補助輪81は、シャシ2と路面Rとの間に位置するように配置されている。本実施の形態においては、補助輪81は、シャシ2のうち路面Rに対抗する面に配置されている。補助輪81は、例えば、いわゆる自在キャスターのように移動体1の移動方向に応じて垂直軸周りに回転可能に構成されているものとすることができるが、これに限られない。本実施の形態においては、3つの補助輪81が設けられている。3つの補助輪81は、それぞれ、各アーム回転軸に対して垂直であってシャシ2の中央部分を通る直線上に配置されている。これにより、移動体1は、一以上の車輪50が路面R等から離れている状態においても一以上の補助輪81によってシャシ2が安定的に支持されるように構成されている。なお、補助輪81の数や位置はこれに限られず、1つ又は2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
上述のように、移動体1において、車輪50が先端部に取り付けられているアーム10がシャシ2から放射状に突出するように配置されており、各車輪50が移動機構60により動作可能であるので、多方向に移動可能であって、かつ、その方向にある段差を乗り越えられる。加えて、車輪50を接地面に接地させた状態で、3つのアーム10をシャシ2に対して回転させることにより、シャシ2の姿勢を調整することができる。したがって、例えば姿勢を安定させて搬送させるニーズにも容易に応じることができる。
移動方向にある段差を乗り越える場合には、例えば、以下のようにアーム10をシャシ2に対して回転させるようにすればよい。
本実施の形態において、移動体1は、アーム10をアーム回転部71によりシャシ2に対して回転させることにより、そのアーム10に支持されている車輪50を当該シャシ2に対して上下に変位させることができる。少なくとも1つのアーム10が上方に回転すると、当該アーム10に支持されている車輪50が、路面Rから上方に離れる(浮く)。また、1つ以上のアーム10が下方に回転すると、路面Rから上方にシャシ2が持ち上げられる。
例えば、本実施の形態においては、移動体1は、アーム10が上方に回転することで浮いた車輪50が段部に近づくように移動して車輪50を段上に乗せる。また、移動体1は、アーム10が下方に回転することで、進行方向において低くなる段差を越えたことにより浮いた車輪50が段の下に接地するようにする。これに合わせて、移動体1は、各アーム10が上下に回転することにより、シャシ2が上昇又は降下するようにする。移動体1の移動方向や段差の位置に応じて、回転させるアーム10やその回転方向の変更が適宜行われることで、その段差を乗り越える一連の動作が行われる。これにより、移動体1を、多方向に、段差を乗り越えさせたうえで移動させることができる。
図3は、同移動体1の段差乗り越え動作の一例を示す図である。
図3においては、路面R上の移動体1が路面R上にある段部Bを乗り越える場面を側方から示す図である。
移動体1が段部Bに向けて移動する場合を想定する。なお、この場合の段部Bは、移動体1が設置している路面Rから高い位置に上面があるものである。路面Rと段部Bとの段差は、十分に幅のあるものである。
移動体1の向きは、移動方向(図3において紙面の右方向)において前側に、車輪53が位置する状態であるものとする。この場合、例えば、図3において示されるステップS1からステップS9まで順にたどるように、移動体1が動作する。
まず、移動体1が段部Bの手前まで移動する(S1)。そして、アーム31がシャシ2に対して上方に回転する。この場合、車輪53が路面から浮いた状態になる。換言すると、車輪50がいずれも路面Rに略接触している状態から、移動方向において前方にあるアーム31が上方に回転方向に回転する。そうすると、車輪51,52と補助輪81とでシャシ2の姿勢が維持されると共に、車輪53が面Rから上方に離れる状態となる。
次に、移動体1が移動方向に移動して、浮いた車輪53が段部Bの上に来た後、アーム31が回転して車輪53が段部Bに接地する(S2)。そして、各アーム10が下方に回転することでシャシ2が上昇し、段部Bの上面に補助輪81が載るように、移動体1が移動する(S3)。さらに移動体1が移動方向に移動すると(S4)、アーム11,21が上方に回転して車輪51,52が浮くことで、シャシ2が補助輪81と車輪53とで支持される状態になる。そして、さらに移動体1が移動方向に移動し、アーム11,21画家法に回転することで、すべての車輪50が段部Bの上面に接地した状態になる(S5)。この場合において、補助輪81も段部Bの上面に極めて近接している状態とすることが望ましい。
移動方向において段部Bの先端部から路面Rへの下りの段差に差し掛かると、車輪53が段部Bから路面Rの上方に突き出た状態になり、シャシ2が補助輪81と車輪51,52とで支持されている状態になる。ここで、アーム31がシャシ2に対して下方に回転すし、車輪53が路面Rに接地するようになる。移動体1が移動方向に移動することで、車輪50によって、シャシ2が路面Rや段部Bから浮いた状態となる(S7)。
その後、移動体1が移動方向に進んで補助輪81が段部Bの上方から離れると、各アーム10が上方に回転することでシャシ2が降下し、補助輪81と車輪53とが路面Rに接地している状態となる(S8)。移動体1が移動方向にさらに進み、車輪51,52が段部Bを抜けると、アーム11及びアーム21がシャシ2に対して下方に回転し、車輪51,52が路面Rに接地する(S9)。このようにすることにより、移動体1が段部Bを乗り越えられる。
なお、段差への進入の向きは、このように図3を用いて説明した向きに限られない。例えば、これらとは異なる方法で1つ以上のアーム10がシャシ2に対して回転するようにすることで、いずれかの車輪50が浮いた状態となったり、シャシ2が上昇又は下降した状態となることにより、段差が乗り越え可能になる。本実施の形態においては、3つのアーム30が、平面視において互いに異なる向きで配置されていることにより、移動体1が移動する方向又は段差の位置に応じて、段差を乗り越えて移動するためのアーム回転部71及び移動機構60の動作を、移動体1の向きにかかわらず容易に規定することができる。
なお、本実施の形態において、アーム10が回転して、車輪50がシャシ2に対して上昇又は下降するのに伴って、操舵アクチュエータ63及び操舵軸はシャシ2に対して傾く。このような傾いた状態となることによって操舵アクチュエータ63及び操舵軸にかかる負荷を小さくするため、アーム10の回転角度は所定の角度以内(例えば、10度以内)にすることが好ましい。アーム10の回転角度を制限するための制限部材を設けるようにしてもよい。
なお、移動体の構成は、上述の実施の形態のものに限られない。以下、本実施の形態の変形例について説明する。
変形例1は、次のようである。すなわち、車輪として、オムニホイールが用いられていてもよく、複数のオムニホイールの駆動態様によって移動体が多方向に移動可能になっていてもよい。この場合、移動機構60として、車輪を操舵するための操舵アクチュエータ63は用いられなくてもよい。すなわち、移動機構60として、車輪を回転させるための駆動アクチュエータ61が少なくとも設けられていればよい。
図4は、本実施の形態の変形例1に係る移動体201の構成を示す斜視図である。
変形例1に係る移動体201は、すべての車輪251,252,253がオムニホイールであって、それらに対応する移動機構として駆動アクチュエータ61のみが設けられている点が上述の実施の形態に係る移動体1とは相違している。すなわち、車輪251,252,253は、各アーム10に1つずつ取り付けられている。なお、各車輪251,252,253の車軸は、アーム回転軸に対して略垂直であるが、これとは異なる方向であってもよい。
本変形例によれば、各アーム10をシャシ2に対して回転させることで、上述と同様に段差乗り越えを行うことができる。また、車輪251,252,253を駆動することにより、移動体1を多方向に移動させることができる。移動体201は操舵アクチュエータ63を有しないので、移動体201の構成を簡素化することができる。
変形例2は、次のようである。すなわち、シャシの下方に一端部が位置するシーソー型のアームのそれぞれにおいて当該アームの回転中心を挟んで両側に少なくとも1つずつ車輪又は補助輪を設けるように構成してもよい。
図5は、本実施の形態の変形例2に係る移動体301の構成を示す斜視図である。図6は、同移動体301の構成を示す平面図である。
変形例2に係る移動体301においては、上述の3つのアーム10のそれぞれに代えて、長手方向略中央部にアーム回転軸が通るように支持されたアーム310(アーム311,321,331)が用いられている点が、移動体1とは相違している。各アーム310は、上述の実施の形態と同様の位置にあるアーム回転軸により回転可能に、シャシ2に対して支持されている。平面視において、アーム310は、シャシ2の中央部から放射状をなすように、周方向に略均等な感覚で配置されている。各アーム310の外側の先端部はシャシ2から外側に離れた位置にあり、各アーム310の内側の先端部はシャシ2の下側に位置している。
各アーム310は、アーム回転軸に沿う方向から見て、アーム回転軸が通る中央部から端部に向かうにつれて下に向かうように折れ曲がった形状を有している。したがって、各アーム310は、所定の回転範囲において内側の先端部がシャシ2に干渉することなく上下方向に回転可能である。すなわち、外側の先端部が上方に変位するように各アーム310が回転する場合、内側の先端部は下方に変位する。
本実施の形態において、各アーム310の外側の先端部には、車輪50が支持されている。各車輪50は、移動機構60によって、車軸周りに回転したり、操舵軸周りに回転したりすることができるようになっている。すなわち、移動機構60は、対応する車輪50を用いて移動体301を多方向に移動させることができる。
また、各アーム310の内側の先端部には、補助輪381が設けられている。補助輪381は、例えば、自在キャスターであるが、これに限られない。なお、内側の先端部にも、移動機構60によって駆動される車輪50が支持されていてもよい。
ここで、移動体301においても、各アーム310を回転させることで、登りの段差に近い車輪50を路面から浮かせて段差を越えられるようにしたり、下りの段差に近い車輪50を路面に接地させてスムーズに段差を越えられるようにしたりすることができる。例えば、各アーム310をシャシ2に対して回転させることで、各アーム310の車輪50や補助輪381のうち一方が接地する状態を維持しながら段差を乗り越えられるようにすることができる。
変形例3は、次のようである。すなわち、各アームは、平行リンク機構等のリンク機構により各車輪の位置を上下方向において変位可能に支持するものであってもよい。
図7は、本実施の形態の変形例3に係る移動体に用いられるアーム210の構成を示す平面図である。
変形例3において、アーム210は、第一リンク211と、第一リンク211に略平行な第二リンク212と、車輪50を支持する支持部材215とで構成されている。第一リンク211の先端部と第二リンク212の先端部は、支持部材215に取り付けられており、平行リンク機構が構成されている。車輪50は、駆動アクチュエータ61、操舵アクチュエータ63、操舵軸64と共に支持部材215に支持されている。第一リンク211と第二リンク212との少なくとも一方は、アーム回転部71により、シャシ2に対してアーム回転軸を中心に回転可能になっている。
アーム210は、第一リンク211や第二リンク212がシャシ2に対して回転するのに伴って、支持部材215が姿勢を保ったまま上限に変位するように構成されている。このようにアーム210が回転する前後で、車輪50の操舵軸64の角度は変化しない。したがって、アーム210の回転角が大きくなっても、操舵軸64や操舵アクチュエータ63などに対する負荷が大きくなることを防止することができる。
(その他)
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものである。
例えば、補助輪は、必ずしも設けられていなくてもよい。例えば、上述の実施の形態において、シャシの路面に対抗する面に、1つ以上のアームが上方に回転した場合に車輪に代えて路面に接触するように構成された当接部が設けられていてもよい。この場合、当接部は、例えば回転可能にシャシに保持された球状部材を有するものであってもよいし、シャシに対して固定されており、路面に対して摺接するように設けられたものであってもよい。当接部は、路面との間の摩擦係数が小さくなるように構成されていることが好ましい。
アームの数は3つに限られず、4つ以上のアームが設けられていてもよい。上述の実施の形態においては、3つのアームが平面視においてY型をなすように配置されているが、これに限られない。例えば、4つのアームが平面視においてX型をなすようにシャシの周囲に配置されていてもよい。アーム数を増加させることにより、走行時の安定性や、障害物を乗り越える際の安定性を向上させることができる。
上述の実施の形態等に係る各構成を適宜組み合わせた実施の形態を構成してもよい。例えば、上述の実施の形態等の構成そのものに限られず、上述の実施の形態等のそれぞれの構成要素について、適宜、他の実施の形態等の構成要素と置換したり組み合わせたりしてもよい。また、上述の実施の形態等について、一部の構成要素や機能が省略されていてもよい。
なお、上記のような移動体の構造は、例えば、屋外・屋内搬送ロボットや、ロボットアーム付き移動作業ロボットの足回り装置として、幅広く活用することが可能である。
以上のように、本発明に係る移動体は、簡素な構造とすることができ、多方向において段差を乗り越えて移動可能であり、移動体等として有用である。
1,201,301 移動体、2 シャシ、10,11,21,31,210,310,311,321,331 アーム、50,51,52,53,251,252,253 車輪、60 移動機構、61 駆動アクチュエータ、63 操舵アクチュエータ、71 アーム回転部、81 補助輪、R 路面
Claims (5)
- シャシと、
平面視において前記シャシの周囲に周方向に並ぶようにして配置されており、それぞれ、アーム回転軸を中心に上下に回転可能であって前記シャシの外周面から外側に突出するように前記シャシに対して支持されている、少なくとも3つのアームと、
前記少なくとも3つのアームのそれぞれに対応するように設けられており、一の前記アームを前記シャシに対して回転させることが可能なアーム回転部と、
前記3つのアームのそれぞれにおいて、前記シャシの外周面から外側に離れた位置に当該アームによって支持されている車輪と、
前記車輪に対応するように設けられており、対応する車輪を用いて移動体を移動させる移動機構とを備え、
前記移動機構による前記車輪の駆動状態に応じて多方向に移動可能に構成されている、移動体。 - 前記移動機構は、対応する車輪を車軸を中心に回転させる駆動アクチュエータと、対応する車輪を操舵する操舵アクチュエータとを有し、
前記移動機構に対応する車輪は、前記アームに対して操舵可能に支持されている、請求項1に記載の移動体。 - 前記移動機構に対応する車輪は、オムニホイールである、請求項1又は2に記載の移動体。
- 前記シャシと路面との間に位置するように配置された少なくとも1つの補助輪をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載の移動体。
- 前記3つのアームのそれぞれのアーム回転軸は、略水平であって、かつ、平面視において他の2つのアームのアーム回転軸と略60度の角度をなすように配置されており、
平面視において、前記3つのアームのそれぞれについての前記アーム回転軸に対して垂直であって前記車輪を通る直線は、共通の一箇所を通過するように構成されており、
平面視において、前記3つのアームのそれぞれにより支持されている前記車輪は、前記共通の一箇所を中心とする円周上にある、請求項1から4のいずれかに記載の移動体。
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- 2021-09-06 JP JP2021144974A patent/JP2023038071A/ja active Pending
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