JP2023038070A - 移動体 - Google Patents

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優明 土方
Masaaki Hijikata
啓介 今増
Keisuke Imamasu
剛之 松崎
Takayuki Matsuzaki
陽平 岡
Yohei Oka
龍介 坪田
Ryusuke Tsubota
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Abstract

【課題】従来の移動体は、多方向において段差を乗り越えて移動可能ではなかった。【解決手段】シャシ2と、シャシ2の周囲に周方向に並ぶようにして配置されており、それぞれアーム回転軸を中心に回転可能となるようにシャシ2に対して支持された少なくとも3つのアームと、3つのアームのそれぞれをシャシ2に対して回転させることが可能なアーム回転部71と、3つのアームのそれぞれにおいてアームの回転中心を挟んで両側に少なくとも1つずつ支持されている車輪50と、3つのアームのそれぞれについて、アームに支持されている車輪50のうち少なくとも1つの車輪50に対応するように設けられており、対応する車輪50を用いて移動体1を移動させる移動機構60とを備え、移動機構60による車輪50の駆動状態に応じて多方向に移動可能に構成されている、移動体1は、多方向において段差を乗り越えて移動可能である。【選択図】図1

Description

この発明は、複数の車輪を有し多方位に移動可能な移動体に関する。
従来、複数の車輪を有し、種々の目的に用いられる移動体の構成が提案されている。例えば、自律走行可能なロボットなどにも移動体の構成が利用される場合がある。このような移動体が不整地を走行するためには、段差などの障害物を乗り越える機構が必要である。
段差を乗り越える機構の代表例としては、無限軌道が挙げられる(例えば、下記特許文献1参照)。
また、車輪を上下に変位させたり、車輪を支持するアームを用いて車輪の駆動機構を上下させたりすることで段差を乗り越えるように構成された移動体の構成も知られている(例えば、下記特許文献2又は特許文献3参照)。
なお、下記特許文献4には、トロコイド曲線に近似した軌道で全方位移動を行うように構成された、不整地対応可能なトロコイド駆動機構の構成が記載されている。
特開2020-203680号公報 米国特許第10800221号明細書 特許第6755044号公報 特許第6238191号公報
ところで、上記のような移動体については、移動体自体が精密な位置決めを行えることや、小回りが利くことが要求される場合がある。このようなニーズに応えるために、移動体が、多方向において段差を乗り越えて移動可能な構成を有することが望ましい。
従来知られている構造についてこの点を見ると、例えば特許文献1に記載されているような無限軌道を利用した移動体は、一般に、無限軌道の回転方向に対応する所定の方向にしか移動できない。
また、例えば特許文献2や特許文献3に記載されているような車輪を利用した移動体においても、車輪の向きに応じた所定の方向においてのみ、段差を乗り越えることができるように構成されている。
なお、特許文献4に記載されている機構では、段差乗り越えは、階段の段鼻に点接触の状態で摺り上がり、その状態で車輪の先端が少し進行方向に進むものの、車輪回転に伴って段鼻から摺り下り、更なる車輪回転に伴って徐々に進行することにより行われるものであり、それほど高い段差乗り越え性能を有するものではない。
この発明は、多方向において段差を乗り越えて移動可能な移動体を提供することを目的としている。
本第一の発明の移動体は、シャシと、平面視においてシャシの周囲に周方向に並ぶようにして配置されており、それぞれアーム回転軸を中心に回転可能となるようにシャシに対して支持された少なくとも3つのアームと、少なくとも3つのアームのそれぞれに対応するように設けられており、一のアームをシャシに対して回転させることが可能なアーム回転部と、3つのアームのそれぞれにおいてアームの回転中心を挟んで両側に少なくとも1つずつ支持されている車輪と、3つのアームのそれぞれについて、アームに支持されている車輪のうち少なくとも1つの車輪に対応するように設けられており、対応する車輪を用いて移動体を移動させる移動機構とを備え、移動機構による車輪の駆動状態に応じて多方向に移動可能に構成されている、移動体である。
かかる構成により、多方向において段差を乗り越えて移動可能にすることができる。
また、本第二の発明の移動体は、第一の発明に対して、移動機構は、対応する車輪を車軸を中心に回転させる駆動アクチュエータと、対応する車輪を操舵する操舵アクチュエータとを有し、移動機構に対応する車輪は、アームに対して操舵可能に支持されている、移動体である。
かかる構成により、移動体を確実に多方向に移動させることができる。
また、本第三の発明の移動体は、第一又は二の発明に対して、移動機構に対応する車輪は、オムニホイールである、移動体である。
かかる構成により、少ない数のアクチュエータにより、移動体を多方向に移動可能に構成することができる。
また、本第四の発明の移動体は、第一から三のいずれかの発明に対して、3つのアームのそれぞれは、互いに長手方向の長さが略同じであって、平面視において他の2つのアームと略60度の角度をなすように配置されており、長手方向中央部を通るアーム回転軸を中心にシャシに対して回転可能であり、平面視において、3つのアームのそれぞれのアーム回転軸はそれぞれのアームの長手方向に対して略垂直であって、平面視において、3つのアームのそれぞれのアーム回転軸は共通の1点を通過するように構成されており、3つのアームのそれぞれの両端部近傍において、車輪が支持されている、移動体である。
かかる構成により、移動体を移動させる方向又は段差の位置に応じて、段差を乗り越えて移動するためのアーム回転部及び移動機構の動作を、移動体の向きにかかわらず容易に規定することができる。
また、本第五の発明の移動体は、第一から四のいずれかの発明に対して、車輪がいずれも路面に略接触している状態から、3つのアームのうち周方向に隣り合う2つのアームがそれぞれシャシに対して互いに異なる回転方向に回転した状態になることにより、他の1つのアームにより支持されている車輪が路面から離れるように構成されている、移動体である。
かかる構成により、2つのアームを互いに異なる回転方向に回転させることにより、容易に段差を乗り越えることができる。
本発明によれば、移動体を多方向において段差を乗り越えて移動可能にすることができる。
本実施の形態の一例に係る移動体の構成を示す斜視図 同移動体の平面図 同移動体の段差乗り越え動作の一例を示す図 本実施の形態の変形例1に係る移動体の構成を示す斜視図 本実施の形態の変形例2に係る移動体の構成を示す平面図 本実施の形態の変形例3に係る移動体に用いられるアームの構成を示す平面図 本実施の形態の変形例4に係る移動体の構成を示す平面図
以下、移動体等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
なお、以下において、移動体の構造についての説明の便宜上、移動体が水平面である路面に接地している状態を基準として方向を示す場合がある。すなわち、路面に垂直な方向を上下方向と称することがある。また、平面視において移動体の中央部(厳密に中央であることを意味しない)を通る方向を径方向と称することがある。移動体の中央部を中心とする円弧に沿う方向を周方向と称することがある。このように各方向を示すことは、あくまで説明の便宜のために行うものであって、本発明に係る移動体の使用時における向き、姿勢等を限定するものではない。
(実施の形態)
本実施の形態において、移動体は、操舵機構が搭載された車輪が両端に取り付けられている3組のシーソー状のアームを備えている。3組のアームは、平面視で三角形形状をなすように配置されている。このような構成により、移動体は、多方向から段差を乗り越えられるようになっている。移動体は、操舵機構を用いて、全方向に移動可能である。なお、本実施の形態において、車輪はオムニホイールであってもよく、この場合は、操舵機構は設けられていなくてもよい。以下、このように構成された移動体1について説明する。
図1は、本実施の形態の一例に係る移動体1の構成を示す斜視図である。図2は、同移動体1の平面図である。
なお、以下の説明において、移動体1の細かな部分の構成の図示は省略されている。例えば、シャシ2のうち、車輪の懸架に係る部分以外の構造は、移動体1の用途などに応じて適宜設定されればよい。また、図2において、一点鎖線は、アーム回転軸を示す。
移動体1は、シャシ2と、3つのアーム11,21,31(以下、これらを区別せずにそれぞれをアーム10と総称することがある)と、6つの車輪51,52,53,54,55,56(以下、これらを区別せずにそれぞれを車輪50と総称することがある)と、移動機構60と、アーム回転部71とを備える。
移動体1は、通常、略平坦な路面R(図3に示す)の上に配置され、路面R上を移動可能である。移動体1は、例えば、シャシ2に搭載された、図示しない制御部(例えば、コンピュータや電気回路により構成されていればよい。)、周囲の状況を検知するセンサ部、及び各部の電源として用いられるバッテリー等を有している。移動体1は、例えば、所定のプログラムや、センサ部による検知結果や、外部から受信した指示等に基づいて行われる制御部の制御に基づいて、路面R上を多方向に自律的に移動可能に構成されている。なお、移動体1は自律移動可能なものに限られない。例えば予め設定されたプログラムやシーケンス等に基づいて種々のアクチュエータ等が機能するように構成されていることにより路面R上を移動可能であってもよい。また、外部から各アクチュエータを動作させるための指示が送られることにより路面R上を移動可能であってもよい。
シャシ2は、移動体1の本体であると言ってもよいし、移動体1のフレームであると言ってもよい。本実施の形態において、シャシ2は、例えば、平面視で多角形形状に構成されている。シャシ2は、平面視において、大まかに三角形といえる形状を有している。より具体的には、後述のように3つのアーム10が取り付けられる側面部同士が、大まかに60度の角度をなしている。なお、部分的に又は全体的に丸みを帯びた形状を有していてもよい。
アーム10は、通常時において長手方向が略水平になるようにシャシ2の径方向外側に配置されている。換言すると、以下で通常時という状態においては、アーム10が略水平となっている。平面視において、アーム11,21,31は、それぞれ、シャシ2の周囲に時計回りの方向においてこの順に並ぶようにして配置されている。本実施の形態において、3つのアーム10のそれぞれは、互いに長手方向の長さが略同じになるように構成されている。また、3つのアーム10のそれぞれは、平面視において他の2つのアーム10と略60度の角度をなすように配置されている。すなわち、平面視において、アーム11とアーム21とがなす角と、アーム21とアーム31とがなす角と、アーム31とアーム21とがなす角とは、いずれも略60度になるように構成されている。3つのアーム10は、上述のように平面視で大まかに三角形をなしているシャシ2の3つの側面部に沿うようにして配置されている。
また、各アーム10は、アーム回転軸(本実施の形態において、後述のアーム回転部71の回転軸)を中心に回転可能となるように、シャシ2に対して支持されている。本実施の形態において、アーム回転軸が各アーム10の長手方向中央部を通るようになっている。アーム回転軸は、略水平に配された軸である。アーム10は、長手方向が略水平な状態からアーム回転軸を中心にシャシ2に対して回転可能である。アーム10は、アーム回転軸を中心にして、アーム10の両側部が上下に変位するように、シャシ2に対してシーソーのように回転可能である。
ここで、本実施の形態においては、平面視において、3つのアーム10のそれぞれのアーム回転軸は、それぞれのアーム10の長手方向に対して略垂直である。また、平面視において、3つのアーム10のそれぞれのアーム回転軸は共通の1点を通過するように構成されている。なお、各アーム回転軸は共通の1点を通過するとは、大まかにシャシ2の1箇所を通過するものと解釈すればよく、いずれか2つのアーム回転軸同士の交点同士が厳密には互いにずれているような状態を許容する表現である。すなわち、本実施の形態において、3つのアーム10は、シャシ2の中央部分(図2において斜線部Cで示す;各アーム回転軸が通過する部位)から見て120度ずつ間隔を空けて周方向に互いに等間隔に並ぶように配置されている。
車輪50は、3つのアーム10のそれぞれにおいて、アーム10の回転中心を挟んで両側に、少なくとも1つずつ支持されている。本実施の形態においては、3つのアーム10のそれぞれの両端部近傍において、1つずつ車輪50が支持されている。換言すると、1つのアーム10について、2つの車輪50が配置されている。各車輪50は、アーム10の長手方向両端部に配置されている。
より具体的には、アーム11の各端部には、車輪51,52がそれぞれ配置されている。アーム21の各端部には、車輪53,54がそれぞれ配置されている。アーム31の各端部には、車輪55,56がそれぞれ配置されている。移動体1の全体として、車輪51,52,53,54,55,56が、時計回りの方向においてこの順に並ぶように配置されている。各車輪50とシャシ2の中央部分との距離は、大まかに、略等しくなっている。本実施の形態において、車輪50は、平面視において正多角形であるシャシ2の頂点の近傍に配置されている。なお、車輪50の位置はこれに限られない。アーム10の長さやアーム10の数、シャシ2の形状に応じて変更されていてもよい。
本実施の形態において、各車輪50は、通常時において路面Rに接地しうる位置に配置されている。すなわち、6つの車輪50の上下方向の位置は、通常時において略等しくなっている。
移動機構60は、3つのアーム10のそれぞれについて、アーム10に支持されている車輪50のうち少なくとも1つの車輪50に対応するように設けられている。移動機構60は、それが対応する車輪50を用いて、移動体1を移動させるように構成されている。例えば、制御部が各移動機構60の動作を制御することにより、移動体1が移動する。また、例えば、各移動機構60が、外部からの指示に応じて駆動することにより、移動体1が移動可能となっていてもよい。
本実施の形態において、移動機構60は、各アーム10の2つの車輪50のそれぞれに対応するように設けられている。すなわち、6つの車輪50のそれぞれが、移動機構60により駆動されるようになっている。
本実施の形態において、移動機構60は、駆動アクチュエータ61と、操舵アクチュエータ63とを有している。
駆動アクチュエータ61は、対応する車輪50を、車軸を中心に回転させる。駆動アクチュエータ61は、例えば、種々のモータである。なお、駆動アクチュエータ61は、車輪50の回転数すなわち車軸の回転数を検知可能なエンコーダ等の検知手段を有しているものであってもよいし、ステッピングモータ等の回転角を制御可能なモータ等であってもよい。また、駆動アクチュエータ61は、駆動源となるモータと、モータのトルクを車軸に伝達する伝達機構(例えば、歯車等を用いたものなど)とを含んで構成されているものであってもよい。また、車輪50が自在回転可能となるようにクラッチを有するものであってもよい。
操舵アクチュエータ63は、対応する車輪50を、操舵軸64まわりに回転させて操舵する。すなわち、本実施の形態において、移動機構60に対応する車輪50は、アーム10に対して操舵可能に支持されている。操舵軸64は、例えば、水平面に対して略垂直な姿勢になっている。操舵アクチュエータ63は、回転角を制御可能なアクチュエータである。操舵アクチュエータ63は、例えば、サーボモータやステッピングモータであるが、これに限られず、エンコーダ等を備えて回転角を制御可能に構成されたモータ等のアクチュエータであってもよい。また、車輪50が操舵軸64周りに自在回転可能となるようにクラッチを有するものであってもよい。
本実施の形態においては、すべての車輪50が、駆動アクチュエータ61により回転可能であって、かつ、操舵アクチュエータ63により操舵可能である。各移動機構60による各車輪50の駆動状態(車軸周りに回転させたり操舵軸64周りに回転させたりすること)に応じて、移動体1が多方向に移動可能である。
なお、各車輪50は、独立して移動機構60により回転したり操舵したりするように構成されていなくてもよい。例えば同一のアーム10により支持されている一対の車輪50が単一の動力源により共に動作するように、移動機構60が構成されていてもよい。
アーム回転部71は、少なくとも3つのアーム10のそれぞれに対応するように設けられている。各アーム回転部71は、一のアーム10を、アーム回転部71を中心にシャシ2に対して回転させることができるように構成されている。例えば、制御部がアーム回転部71の動作を制御することにより、対応するアーム10が回転する。また、例えば、アーム回転部71が、外部からの指示に応じて駆動することにより、対応するアーム10が回転可能となっていてもよい。
なお、アーム回転部71は、回転角を制御可能なアクチュエータである。アーム回転部71は、例えば、サーボモータやステッピングモータであるが、これに限らない。例えば、アーム回転部71は、エンコーダ等を備えて回転角を制御可能に構成されたモータ等のアクチュエータであってもよい。また、アーム回転部71は、油圧アクチュエータを用いてアーム10を回転させるようなものであってもよい。また、アーム回転部71は、回転可能な支持軸と、アーム10の一部とシャシ2との間に配置されて両者の距離を変更可能な直動式のアクチュエータとを含んで構成されていてもよい。
上述のように、移動体1は、移動機構60により動作可能な車輪50が両端に取り付けたシーソー状のアーム10がシャシ2の周囲に三角形の各辺をなすような姿勢で配置されているので、多方向に移動可能であって、かつ、その方向にある段差を乗り越えられる。移動方向にある段差を乗り越える場合には、例えば、以下のようにアーム10をシャシ2に対して回転させるようにすればよい。
図3は、同移動体1の段差乗り越え動作の一例を示す図である。
図3においては、路面R上の移動体1が路面R上にある段部Bを乗り越える場面を側方から示す図である。
本実施の形態において、移動体1は、アーム10をアーム回転部71によりシャシ2に対して回転させることにより、そのアーム10に支持されている車輪50を当該シャシ2に対して上下に変位させることができる。換言すると、移動体1は、少なくとも1つのアーム10を回転させることにより、シャシ2の路面Rに対する姿勢を変化させることができるように構成されている。このようにアーム10を回転させると、移動体1の重心の場所次第で、当該アーム10に支持されている車輪50か、当該アーム10とは異なるアーム10に支持されている車輪50が、路面Rから上方に離れる(浮く)ことになる。本実施の形態においては、浮いた車輪50が路面Rと段部Bとの間の段差に最も近づくような方向に移動体1が移動するようにする。すなわち、まず、浮いた車輪50が段部Bの上に乗るようにすることで、移動体1が段差を乗り越えるようにすることができる。換言すると、移動体1の移動方向において前方にある車輪50が浮くようにいずれかのアーム10をシャシ2に対して適切な方向に回転させて、その状態でさらに移動を進めることで、移動体1が段差を乗り越えるようにすることができる。移動体1の移動方向や段差の位置に応じて、回転させるアーム10やその回転方向、すなわち浮かせる車輪50を適宜変更することで、その段差を乗り越え可能にすることができる。すなわち、移動体1を、多方向に、段差を乗り越えさせたうえで移動させることができる。
移動体1が段部Bに向けて移動する場合を想定する。なお、この場合の段部Bは、移動体1が設置している路面Rから高い位置に上面があるものである。路面Rと段部Bとの段差は、図2において示されるように、図2の紙面上の左右方向に略並行な、十分に幅のあるものである。
まず、移動体1の重心が、例えばアーム31寄りの位置にある場合を想定する。また、移動体1の向きは、図2において示されるように、移動方向(図2において矢印で示す)において前側に、アーム21に近い車輪52とアーム11に近い車輪53が位置する状態であるものとする。換言すると、アーム31の長手方向が段差と略平行になっており、アーム31が後側になるような移動方向で移動体1が進む場面を想定する。
この場合、例えば、図3において示されるステップS1からステップS7まで順にたどるように、移動体1が動作する。
まず、移動体1が段部Bの手前まで移動する(S1)。そして、アーム11やアーム21がシャシ2に対して回転する。この場合、アーム31に近い側の車輪51,54がシャシ2から下方に離れる向きにアーム11やアーム21が変位する。換言すると、車輪50がいずれも路面Rに略接触している状態から、3つのアーム10のうち周方向に隣り合う2つのアーム11,21が、他の1つのアーム31から離れている側の車輪52,53が上方に変位するように互いに異なる回転方向に回転する。そうすると、他の1つのアーム31から離れている側の車輪52,53が路面Rから上方に離れ、アーム31により支持されている車輪55,56とアーム31に近い側の車輪51,54とが主に路面R上に接地する状態となる。
次に、移動体1を移動方向(図3において紙面の左方向)に移動させ、浮いた車輪52,53が段部Bの上に来るようにする(S2)。そうすると、回転させたアーム11,21をそれぞれ上述とは逆方向に回転させるとともに、移動体1をさらに移動方向に移動させる(S3)。さらに移動体1が移動方向に移動すると、すべての車輪50が段部Bの上面に接地した状態になる(S4)。
移動方向において段部Bの先端部から路面Rへの下りの段差に差し掛かると、車輪52,53が段部Bから路面Rの上方に突き出た状態で、アーム11及びアーム21がシャシ2に対して回転する。このときの回転方向は、車輪52,53が下方に変位する方向である。また、移動体1が移動方向に適宜移動する。そうすることで、車輪52,53が路面Rに接地した状態となる(S5)。
その後、移動体1を移動方向に進めて車輪51,54が段部Bから離れると、他の車輪52,53を路面Rに、車輪55,56を段部Bに接地させた状態でアーム11及びアーム21がシャシ2に対して回転する。これにより、車輪51,54が路面Rに接地する(S6)。さらに移動体1が移動方向に進み、アーム11,21が略水平に戻ることで、段部Bを乗り越えてすべての車輪50が接地した状態にすることができる(S7)。
次に、移動体1の重心が、例えばアーム31から離れた位置、すなわちアーム11,21に共に近い位置にある場合を想定する。段差に対する移動体1の向きは、図2において示される向きとは逆方向であるものとする。すなわち、アーム31の長手方向が段差と略平行になり、アーム31が前側になるような移動方向で移動体1が進むような場面を想定する。
この場合、例えば、図3において示されるステップS1からステップS7とは逆の順にたどるように、移動体1が動作するようにすればよい。
すなわち、まず、移動体1が移動方向(図3において紙面の右方向)に移動し、段部Bの手前に位置する(S7)。そして、アーム11及びアーム21がシャシ2に対して回転する。この場合、アーム11及びアーム21が、アーム31に近い側の車輪51,54がシャシ2から下方に離れる向きに変位する。換言すると、車輪50がいずれも路面Rに略接触している状態から、3つのアーム10のうち周方向に隣り合う2つのアーム11,21が、他の1つのアーム31から離れている側の車輪52,53が上方に変位するように互いに異なる回転方向に回転する。そうすると、他の1つのアーム31により支持されている車輪55,56が路面Rから上方に離れ、アーム11,12に支持されている車輪51,52,53,54が主に路面R上に接地する状態となる。
次に、移動体1が移動方向に移動し、浮いた車輪55,56が段部Bの上に来るようにする(S6)。そうすると、アーム11,21がそれぞれ上述とは逆方向に回転するとともに、移動体1がさらに移動方向に移動する(S5)。さらに移動体1が移動方向に移動すると、すべての車輪50が段部Bの上面に接地した状態になる(S4)。
その後、下りの段差に差し掛かると、車輪55,56が段部Bから路面Rの上方に突き出た状態で、車輪52,53が下方に変位する方向に、アーム11及びアーム21がシャシ2に対して回転する。また、移動体1が移動方向に適宜移動する。そうすることで、車輪55,56が路面Rに接地した状態となる(S3)。
その後、移動体1が移動方向に進んで車輪51,54が段部Bから離れると、他の車輪52,53を段部Bに、車輪55,56を路面Rに接地させた状態で、アーム11及びアーム21がシャシ2に対して回転する。これにより、車輪51,54が路面Rに接地する(S2)。さらに移動体1が移動方向に進み、アーム11,21が略水平に戻ることで、段部Bを乗り越えてすべての車輪50が接地した状態にすることができる(S1)。
なお、段差への進入の向きは、このように図3を用いて説明した向きに限られない。例えば、これらとは異なる方法で1つ以上のアーム10がシャシ2に対して回転するようにすることで、いずれかの車輪50が浮くようにして、段差を乗り越え可能にすることができる。本実施の形態においては、3つのアーム30が、平面視において互いに異なる向きで配置されていることにより、移動体1が移動する方向又は段差の位置に応じて、段差を乗り越えて移動するためのアーム回転部71及び移動機構60の動作を、移動体1の向きにかかわらず容易に規定することができる。
なお、本実施の形態において、アーム10が回転して、車輪50がシャシ2に対して上昇又は下降するのに伴って、操舵アクチュエータ63及び操舵軸64はシャシ2に対して傾く。このような傾いた状態となることによって操舵アクチュエータ63及び操舵軸64にかかる負荷を小さくするため、アーム10の回転角度は所定の角度以内(例えば、10度以内)にすることが好ましい。アーム10の回転角度を制限するための制限部材を設けるようにしてもよい。
なお、移動体の構成は、上述の実施の形態のものに限られない。以下、本実施の形態の変形例について説明する。
変形例1は、次のようである。すなわち、車輪として、オムニホイールが用いられていてもよく、複数のオムニホイールの駆動態様によって移動体が多方向に移動可能になっていてもよい。この場合、移動機構60として、車輪を操舵するための操舵アクチュエータ63や操舵軸64は用いられなくてもよい。すなわち、移動機構60として、車輪を回転させるための駆動アクチュエータ61が少なくとも設けられていればよい。
図4は、本実施の形態の変形例1に係る移動体201の構成を示す斜視図である。
変形例1に係る移動体201は、すべての車輪251,252,253,254,255,256がオムニホイールであって、それらに対応する移動機構として駆動アクチュエータ61のみが設けられている点が上述の実施の形態に係る移動体1とは相違している。すなわち、車輪251,252,253,254,255,256は、各アーム10に2つずつ取り付けられており、各車輪251,252,253,254,255,256の車軸は、アーム回転軸と略平行であるが、アーム回転軸とは異なる方向であってもよい。
本変形例によれば、各アーム10をシャシ2に対して回転させることで、上述と同様に段差乗り越えを行うことができる。また、車輪251,252,253,254,255,256のうち各アーム10において少なくとも1つを接地させて駆動することにより、移動体1を多方向に移動させることができる。移動体201は、操舵アクチュエータ63や操舵軸64を有しないので、構成を簡素化することができる。
変形例2は、次のようである。すなわち、アームに設けられている車輪のうち1つが従動的に回転したり変位したりするように構成されているものであり、もう1つが移動機構により駆動されるように構成されているものであってもよい。
図5は、本実施の形態の変形例2に係る移動体301の構成を示す平面図である。
変形例2に係る移動体301においては、車輪51,53,55のそれぞれに代えて従動輪である車輪351,353,355(以下、従動輪351,353,355という)が用いられている点が、移動体1とは相違している。従動輪351,353,355は、例えば、いわゆる自在キャスターのように移動体301の移動方向に応じて垂直軸周りに回転可能に構成されているものとすることができるが、これに限られない。各アーム10において、移動機構60は、一方の車輪52,54,56に対応するもののみが設けられている。すなわち、移動機構60は、3つのアーム10のそれぞれについて、当該アーム10に支持されている少なくとも1つの車輪52,54,56対応するように設けられている。そして、移動機構60は、対応する車輪52,54,56を用いて移動体301を多方向に移動させることができる。
ここで、移動体301においては、移動機構60により駆動される駆動輪である車輪52,54,56と、従動輪351,353,355とが、周方向において交互に並んでいる。換言すると、移動体301において、全体として、周方向に隣り合う車輪同士が従動輪とはならないように構成されている。このように構成することにより、車輪52,54,56及び従動輪351,353,355のうち少なくとも1つを浮かせた場合において、移動体301を移動させるための車輪52,54,56を多く確保できる可能性を高めることができる。
本変形例によれば、移動機構60として用いられる各種アクチュエータの数を少なくすることができる。
変形例3は、次のようである。すなわち、各アームは、平行リンク機構等のリンク機構により各車輪の位置を上下方向において変位可能に支持するものであってもよい。
図6は、本実施の形態の変形例3に係る移動体に用いられるアーム210の構成を示す平面図である。
変形例3において、アーム210は、アーム回転部71により回転可能にシャシ2に取り付けられている第一リンク211と、第一リンク211に略平行な第二リンク212と、車輪51,52を支持する支持部材215とで構成されている。第一リンク211と第二リンク212との両端部には、それぞれ支持部材215が取り付けられており、平行リンク機構が構成されている。各車輪51,52は、駆動アクチュエータ61、操舵アクチュエータ63、操舵軸64と共に支持部材215に支持されている。
アーム210は、略水平であって2つの車輪51,52が上下方向において略同じ位置にある状態(S21)から、回転した状態(S22)になる。アーム210が回転した状態では、一方の車輪52と他方の車輪51とが上下方向において異なる位置に変位している。アーム210は平行リンク機構であるので、このようにアーム210が回転する前後で、車輪51,52の操舵軸64の角度は変化しない。したがって、アーム210の回転角が大きくなっても、操舵軸64や操舵アクチュエータ63などに対する負荷が大きくなることを防止することができる。
変形例4は、次のようである。すなわち、アームの数は3つに限られず、4つ以上のアームが設けられていてもよい。
図7は、本実施の形態の変形例4に係る移動体401の構成を示す平面図である。
変形例4において、移動体401は、例えば4つのアーム10(アーム11,21,31,41)が、平面視で八角形形状を有するシャシ2の四隅に配置されているものである。各アーム10の構成は、例えば上述の実施の形態と同様である。すなわち、移動体401は、合計で8つの車輪50(車輪51,52,53,54,55,56,57,58)を有している。各アーム10のアーム回転軸は、シャシ2の略中央部を通るように構成されている。
移動体401も、移動方向や段差の位置等に応じて、少なくとも1つのアーム10を回転させることでいずれかの車輪50を浮かせて、段差を乗り越え可能にすることができる。したがって、変形例401においても、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、4つ以上のアームが設けられている場合において、少なくとも3つのアームが、上述のようにシャシ2に対して回転可能であって、段差を乗り越える際に用いられうるように構成されていればよい。
(その他)
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものである。
上述の実施の形態等に係る各構成を適宜組み合わせた実施の形態を構成してもよい。例えば、上述の実施の形態等の構成そのものに限られず、上述の実施の形態等のそれぞれの構成要素について、適宜、他の実施の形態等の構成要素と置換したり組み合わせたりしてもよい。また、上述の実施の形態等について、一部の構成要素や機能が省略されていてもよい。
なお、上記のような移動体の構造は、例えば、屋外・屋内搬送ロボットや、ロボットアーム付き移動作業ロボットの足回り装置として、幅広く活用することが可能である。
以上のように、本発明に係る移動体は、多方向において段差を乗り越えて移動可能な移動体を提供するという効果を有し、移動体等として有用である。
1,201,301,401 移動体、2 シャシ、10,11,21,31,41,210 アーム、50,51,52,53,54,55,56,57,58,251,252,253,254,255,256 車輪、60 移動機構、61 駆動アクチュエータ、63 操舵アクチュエータ、64 操舵軸、71 アーム回転部、R 路面

Claims (5)

  1. シャシと、
    平面視において前記シャシの周囲に周方向に並ぶようにして配置されており、それぞれアーム回転軸を中心に回転可能となるように前記シャシに対して支持された少なくとも3つのアームと、
    前記少なくとも3つのアームのそれぞれに対応するように設けられており、一の前記アームを前記シャシに対して回転させることが可能なアーム回転部と、
    前記3つのアームのそれぞれにおいて当該アームの回転中心を挟んで両側に少なくとも1つずつ支持されている車輪と、
    前記3つのアームのそれぞれについて、当該アームに支持されている車輪のうち少なくとも1つの車輪に対応するように設けられており、対応する車輪を用いて移動体を移動させる移動機構とを備え、
    前記移動機構による前記車輪の駆動状態に応じて多方向に移動可能に構成されている、移動体。
  2. 前記移動機構は、対応する車輪を車軸を中心に回転させる駆動アクチュエータと、対応する車輪を操舵する操舵アクチュエータとを有し、
    前記移動機構に対応する車輪は、前記アームに対して操舵可能に支持されている、請求項1に記載の移動体。
  3. 前記移動機構に対応する車輪は、オムニホイールである、請求項1又は2に記載の移動体。
  4. 前記3つのアームのそれぞれは、互いに長手方向の長さが略同じであって、平面視において他の2つのアームと略60度の角度をなすように配置されており、長手方向中央部を通るアーム回転軸を中心に前記シャシに対して回転可能であり、
    平面視において、前記3つのアームのそれぞれのアーム回転軸はそれぞれのアームの長手方向に対して略垂直であって、
    平面視において、前記3つのアームのそれぞれのアーム回転軸は共通の1点を通過するように構成されており、
    前記3つのアームのそれぞれの両端部近傍において、前記車輪が支持されている、請求項1から3のいずれかに記載の移動体。
  5. 前記車輪がいずれも路面に略接触している状態から、前記3つのアームのうち周方向に隣り合う2つのアームがそれぞれ前記シャシに対して互いに異なる回転方向に回転した状態になることにより、他の1つのアームにより支持されている前記車輪が前記路面から離れるように構成されている、請求項1から4のいずれかに記載の移動体。
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