JP2023038069A - 長時間の核酸増幅反応の改善 - Google Patents

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哲太郎 林
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Abstract

【課題】 所定の温度で長時間インキュベートする工程を含む核酸増幅において親水性ポリマーにより引き起こされる増幅効率の低下を抑制し、効率よく核酸増幅反応を行う方法を提供すること。【解決手段】 本発明は、30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程を含む、核酸を増幅する方法において、親水性ポリマーを含む核酸増幅反応液中に特定の濃度の一本鎖DNA結合タンパク質を含有させることで、親水性ポリマーにより引き起こされる増幅阻害を抑制する方法を提供する。【選択図】 なし

Description

本発明は、所定温度で長時間の核酸増幅反応を行う方法に関する。
近年、等温で核酸増幅反応を行う方法が種々開発されている。このような等温での核酸増幅が可能な方法としては、例えば、RNAからの増幅に用いられるRT-RamDA法(特許文献1、非特許文献1)、DNAの増幅に用いられるMultiple Displacement Amplification(MDA)法(非特許文献2)、Strand Displacement Amplification(SDA)法(非特許文献3)、Rolling Cycle Amplification(RCA)法(非特許文献4)、Loop-Mediated Isothermal Amplification(LAMP)法(非特許文献5)などが知られており、実用化されている。
この中でも、RT-RamDA法は、試料中のRNAからcDNAを従来の逆転写反応よりも10~100倍に増やすことができ、微量RNAからの遺伝子発現解析において低発現遺伝子の捕捉や検出遺伝子数の拡充を可能にする有望な方法である(特許文献1、非特許文献1)。このRT-RamDA法は、例えば等温での反応時間を30分から120分にすることで、より多量のcDNAを得ることができる(特許文献1、非特許文献1)。より多くのcDNAを得ることで、微量RNAから様々な解析を行うことができる。
国際公開第2016/052619号
Hayashi T.,et.al.,Single-cell full-length total RNA sequencing uncovers dynamics of recursive splicing and enhancer RNAs,Nat.Commun.,2018 Dean F.B.,et.al.,Comprehensive human genome amplification using multiple displacement amplification,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2002 Walker G.T.,et.al.,Isothermal in vitro amplification of DNA by a restriction enzyme/DNA polymerase system,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1992 Lizardi P.M.,et.al.,Mutation detection and single-molecule counting using isothermal rolling-circle amplification,Nat.Genet.,1998 Notomi T.,et.al.,Loop-mediated isothermal amplification of DNA,Nucleic Acids Res.,2000
本発明者らは、親水性ポリマーを含有する核酸増幅反応液を用いて、所定温度で長時間にわたり核酸増幅反応を行った場合に増幅効率が低下し得るという、これまでに知られていない知見を得た。よって、本発明では、このような場合であっても高い増幅効率で長時間にわたり核酸増幅反応を行う方法を提供することを主な課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、親水性ポリマーを含有する核酸増幅反応液を30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程を含む、核酸を増幅する方法において、前記核酸増幅反応液中に一本鎖DNA結合タンパク質を特定の濃度で添加することにより、親水性ポリマーによる核酸増幅阻害を抑制し、高い増幅効率で核酸を増幅することができることを見出した。当該知見を基にさらに検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
即ち、代表的な本発明は以下の態様を包含する。
[項1] 親水性ポリマーを含有する核酸増幅反応液を30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程を含む、核酸を増幅する方法において、前記核酸増幅反応液中に40ng/μL以上の一本鎖DNA結合タンパク質を含有させることにより、前記親水性ポリマーによる核酸増幅阻害を抑制する方法。
[項2] RT-RamDA法により核酸を増幅する、項1に記載の方法。
[項3] 前記核酸増幅反応液が、DNA鎖特異的RNA:DNAハイブリッド鎖分解酵素、40ng/μL以上の一本鎖DNA結合タンパク質、逆転写酵素、プライマー、鋳型RNA、及び親水性ポリマーを含有する、項1又は2に記載の方法。
[項4] 前記DNA鎖特異的RNA:DNAハイブリッド鎖分解酵素が非特異的DNA分解酵素である、項3に記載の方法。
[項5] 前記鋳型RNAが、1細胞~1000細胞から抽出されたRNAである、項3又は項4に記載の方法。
[項6] 前記一本鎖DNA結合タンパク質がT4ジーン32プロテインである、項1~5のいずれかに記載の方法。
[項7] 前記インキュベートの時間が60分以上である、項1~6のいずれかに記載の方法。
[項8] 前記インキュベートの時間が120分以上である、項1~7のいずれかに記載の方法。
[項9] 前記親水性ポリマーが、核酸ポリマー及びポリエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも一種である、項1~8のいずれかに記載の方法。
[項10] 前記核酸増幅反応液中の前記親水性ポリマーの濃度が0.01ng/μL以上である、項1~9のいずれかに記載の方法。
[項11] 前記親水性ポリマーが、ポリイノシン酸及びポリシチジル酸からなる群から選択される少なくとも一種である、項1~10のいずれかに記載の方法。
[項12] 前記インキュベートの温度が35℃以上40℃以下の温度である、項1~11のいずれかに記載の方法。
[項13] 親水性ポリマーを含有する核酸増幅反応液を30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程を含む、核酸を増幅する方法において、前記核酸増幅反応液中に、前記親水性ポリマー1質量部に対して一本鎖DNA結合タンパク質を0.01~1500質量部含有させることにより、前記親水性ポリマーによる核酸増幅阻害を抑制する方法。
[項14] 核酸増幅反応液を30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程を含む核酸増幅に用いられるキットであって、親水性ポリマーと、核酸増幅反応液中の濃度が40ng/μL以上となるように調整された濃度の一本鎖DNA結合タンパク質とを含む、キット。
[項15] 核酸増幅反応液を30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程を含む核酸増幅に用いられるキットであって、親水性ポリマーと、親水性ポリマー1質量部に対して0.01~1500質量部の一本鎖DNA結合タンパク質とを含む、キット。
本発明により、例えば親水性ポリマーの存在下でも増幅効率を損なうことなく、核酸増幅反応を長時間行うことができる。特に、RT-RamDA法などで鋳型RNAからcDNAの増幅を行う場合であっても、反応時間の延長による増幅阻害を抑制し、高い増幅効率で長時間反応を行うことができる。これによって様々な条件下でRT-RamDA法などの核酸増幅法を行うことができるようになり、遺伝子解析技術の進展に役立つ。例えば、次世代シーケンサー(NGS)やリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの技術に応用される、RT-RamDA法を用いたシングルセル解析などの研究の促進に寄与する。
図1は、実施例1におけるリアルタイムPCRの結果を示す図である。RT-RamDA反応を37℃で120分間行った場合の増幅率について、ポリイノシン酸の添加濃度による違いを比較した。βACTIN遺伝子について評価し、縦軸は、RT-RamDA反応を行わない通常の逆転写反応からの差分をΔCt値として増幅率を評価した。 図2は、実施例2におけるリアルタイムPCRの結果を示す図である。ポリイノシン酸を添加し、RT-RamDA反応を37℃で30、120、360分間行った場合における、逆転写酵素又は一本鎖DNA結合タンパク質の添加量による増幅率の違いを評価した。βACTIN遺伝子とNEAT1遺伝子について評価し、縦軸は、RT-RamDA反応を行わない通常の逆転写反応からの差分をΔCt値として増幅率を評価した。 図3は、実施例3におけるリアルタイムPCRの結果を示す図である。実施例2と同様の評価(図2)を、逆転写酵素の種類を替えて行った。βACTIN遺伝子とNEAT1遺伝子について評価し、縦軸は、RT-RamDA反応を行わない通常の逆転写反応からの差分をΔCt値として増幅率を評価した。 図4は、実施例4におけるリアルタイムPCRの結果を示す図である。一本鎖DNA結合タンパク質によるポリイノシン酸のRT-RamDA反応の阻害作用の抑制効果の濃度依存性を評価した。βACTIN遺伝子について評価し、縦軸は、RT-RamDA反応を行わない通常の逆転写反応からの差分をΔCt値として増幅率を評価した。 図5は、実施例5におけるリアルタイムPCRの結果を示す図である。ポリイノシン酸によるRT-RamDA反応の阻害作用とそれに対する効果を、異なる核酸ポリマーであるポリシチジル酸においても確認した。βACTIN遺伝子とNEAT1遺伝子について評価し、縦軸は、RT-RamDA反応を行わない通常の逆転写反応からの差分をΔCt値として増幅率を評価した。 図6は、実施例6におけるリアルタイムPCRの結果を示す図である。ポリイノシン酸によるRT-RamDA反応の阻害作用とそれに対する効果を、異なる親水性ポリマーであるポリエチレングリコールでも確認した。βACTIN遺伝子について評価し、縦軸は、RT-RamDA反応を行わない通常の逆転写反応からの差分をΔCt値として増幅率を評価した。
以下、本発明の実施形態を示しつつ、本発明について更に詳説する。
<核酸を増幅する方法において親水性ポリマーによる核酸増幅阻害を抑制する方法>
本発明は、一実施形態において、親水性ポリマーを含有する核酸増幅反応液を30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程を含む、核酸を増幅する方法において、前記核酸増幅反応液中に特定の濃度で(又は前記親水性ポリマーと特定の量比で)一本鎖DNA結合タンパク質を含有させることにより、前記親水性ポリマーによる核酸増幅阻害を抑制する方法を提供する。当該方法は、前記条件でインキュベートする工程を少なくとも含む任意の核酸増幅において利用され得る。好ましくは、当該方法は、RT-RamDA法により核酸を増幅する場合に利用され得るが、特に限定されない。
1.核酸増幅反応液
核酸増幅反応液は、親水性ポリマー及び一本鎖DNA結合タンパク質に加えて、一般的に核酸増幅に用いられる成分を含有する。
一実施形態において、核酸増幅反応液は、鋳型核酸、プライマー、デオキシリボヌクレオチド、DNAポリメラーゼ、親水性ポリマー、及び一本鎖DNA結合タンパク質を含有することが好ましい。また、当該核酸増幅反応液は、逆転写酵素等の他の成分も任意に含有し得る。
別の実施形態において、核酸増幅反応液は、RT-RamDa法に用いられる成分、親水性ポリマー、及び一本鎖DNA結合タンパク質を含有することが好ましい。RT-RamDA法は、通常、鋳型RNA、プライマー、DNA鎖特異的RNA:DNAハイブリッド鎖分解酵素、RNase Hマイナス型逆転写酵素、及び基質を含む混合物をインキュベートする工程を含む、核酸の増幅方法である。RT-RamDA法では、RNase Hマイナス型逆転写酵素のRNA依存性DNAポリメラーゼ活性により鋳型RNAの相補鎖DNA(cDNA)を合成し、RNAとcDNAとのハイブリッド鎖のうちのcDNA鎖をDNA鎖特異的RNA:DNAハイブリッド鎖分解酵素により無作為に切断し、前記の切断部位が起点となり、RNase Hマイナス型逆転写酵素の鎖置換活性により3’側のcDNA鎖がRNAから剥がされ、RNase Hマイナス型逆転写酵素により剥がされた部分に新たなcDNA鎖が合成される。RT-RamDA法の詳細については、米国特許出願公開公報2017/0275685(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)等に記載されている。従って、RT-RamDA法により核酸を増幅する場合、核酸増幅反応液は、例えば、鋳型RNA、プライマー、デオキシリボヌクレオチド、逆転写酵素、DNA鎖特異的RNA:DNAハイブリッド鎖分解酵素、親水性ポリマー、及び一本鎖DNA結合タンパク質を含有する。また、当該核酸増幅反応液は、DNAポリメラーゼ等の他の成分も任意に含有し得る。
(1)親水性ポリマー
親水性ポリマーは、例えば、RT-RamDA法などの核酸増幅法では、鋳型RNAからcDNAを合成し増幅する際の正確性や合成速度を高める目的や、特定のRNA(例えば、合成を意図しないrRNA)からのcDNA合成を阻害する目的など、様々な目的で添加される。しかしながら、親水性ポリマーを含有する核酸増幅反応液を長時間所定温度でインキュベートすると、核酸増幅反応が阻害されることが後述の試験例の結果から明らかとなっている。特定の理論に拘束されるわけではないが、これは親水性ポリマーが逆転写酵素や一本鎖DNA結合タンパク質など、核酸増幅反応(例えば、RT-RamDA反応)に必要な酵素・成分などと結合し、これらの酵素・成分の活性を低下させるためであると考えられる。従って、親水性ポリマーは、例えば、核酸増幅反応液を長時間所定温度でインキュベートする工程を含む核酸増幅において増幅効率を低下させる阻害剤となり得る。このような親水性ポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、核酸ポリマー、ヘパリン、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、核酸ポリマー及び/又はポリエチレングリコールが阻害を引き起こす傾向が強い。また核酸ポリマーの中では、ポリイノシン酸及び/又はポリシチジル酸が特に阻害を引き起こす傾向が強い。
親水性ポリマーによって増幅効率の低下が起こる核酸増幅条件(例えば、RT-RamDA法の条件)は、30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする条件である限り、特に限定はなく、等温条件であっても、熱サイクル条件であってもよい。特に35℃以上45℃以下の温度、なかでも35℃以上40℃以下の温度でのインキュベート時間が30分より長い場合に阻害が起こり易い傾向がある。とりわけ、前記温度で60分以上のインキュベート時間で阻害が強く、前記温度で120分以上のインキュベート時間でより強い阻害が起こる。また、前記温度で240分以上のインキュベート時間、更には前記温度で360分以上のインキュベート時間で更に強い阻害が起こり得る。前記温度でのインキュベート時間の上限は特に限定されないが、例えば、420分以下又は360分以下であってもよい。
核酸増幅反応液中の親水性ポリマーの濃度の下限値は、本発明の効果が発揮され得る限り特に限定されないが、一例として、核酸増幅反応液全体に対して0.01ng/μL以上であり、0.1ng/μL以上であってもよく、1ng/μL以上であってもよい。核酸増幅反応液中の親水性ポリマーの濃度の上限値もまた限定されないが、一例として、3μg/μL以下であり得る。また、親水性ポリマーが核酸ポリマーである場合は、例えば2ng/μL以下であり得る。
核酸ポリマーは、例えば、逆転写反応と共に核酸増幅反応を行う場合、核酸増幅反応液に添加することで、リボソーマルRNAの逆転写の抑制などに役立つ(国際公開第2020/184551号(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる))。核酸ポリマーとしては、例えば、イノシン酸ポリマー、シチジル酸ポリマー、グアニル酸ポリマー、アデニル酸ポリマー、チミジル酸ポリマー、ウリジル酸ポリマー、デオキシイノシン酸ポリマー、デオキシシチジル酸ポリマー、デオキシグアニル酸ポリマー、デオキシアデニル酸ポリマー、デオキシチミジル酸ポリマー、及びデオキシウリジル酸ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。ここで、例えば、イノシン酸ポリマーは、イノシン酸ホモポリマー(ポリイノシン酸)、イノシン酸コポリマー(例えば、イノシン酸由来の構成単位が50モル%超、60モル%以上、70モル%以上、80モル%以上、又は90モル%以上であり、100モル%未満であるコポリマー)、これらの誘導体(例えば、少なくとも一部の塩基部分に、例えば、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルキル基、アミノ基、メルカプト基などの官能基が導入されたもの、及び/又は、少なくとも一部のリン酸部分がチオリン酸部分に置き換わったもの)、及びこれらの塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩)を包含する意味で用い、ポリイノシン酸とポリシチジル酸とがアニールしたポリ(I:C)等と呼ばれる二本鎖のポリマーも包含する意味で用いる。他のシチジル酸ポリマー等についても同様の意味で用いる。
増幅効率を特に低下させる核酸ポリマーとしては、イノシン酸ポリマー、シチジル酸ポリマー、グアニル酸ポリマー、デオキシイノシン酸ポリマー、デオキシシチジル酸ポリマー、及びデオキシグアニル酸ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種が挙げられ、イノシン酸ポリマー及び/又はデオキシイノシン酸ポリマー、シチジル酸ポリマー及び/又はデオキシシチジル酸ポリマーがとりわけ増幅効率を低下させる。核酸ポリマーは任意の長さであり得るが、一例として全長が30~10000塩基長である核酸ポリマーであり得る。
(2)一本鎖DNA結合タンパク質
一本鎖DNA結合タンパク質としては、例えば、T4ジーン32プロテイン、RecA、SSB(Single-Stranded DNA Binding Protein)、これら2種以上の組合せが挙げられる。本発明では、一本鎖DNA結合タンパク質の濃度を40ng/μL以上にすることにより、30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程を含む核酸増幅において増幅効率を高めることができる。特定の理論に拘束されるわけではないが、これは一本鎖DNA結合タンパク質の濃度を高めることで、親水性ポリマーに結合し、親水性ポリマーによる核酸増幅反応(例えば、RT-RamDA反応)の阻害作用を抑制するためであると考えられる。
一本鎖DNA結合タンパク質の核酸増幅反応液中の濃度は、40ng/μL以上である限り、特に限定されないが、45ng/μL以上であることが好ましく、50ng/μL以上であることがより好ましく、55ng/μL以上であることが更に好ましく、60ng/μL以上であることが更により好ましく、65ng/μL以上であることが特に好ましい。一本鎖DNA結合タンパク質の核酸増幅反応液中の濃度の上限値は、特に限定されないが、例えば、150ng/μL以下、140ng/μL以下、130ng/μL以下、120ng/μL以下、110ng/μL以下、又は100ng/μL以下とすることができる。このような濃度で一本鎖DNA結合タンパク質を核酸増幅反応液中に添加することにより、親水性ポリマーを含有する核酸増幅反応液を所定温度で長時間インキュベートする工程を含む核酸増幅であっても、親水性ポリマーによる核酸増幅阻害が抑制されて、増幅効率を十分に維持できる。
一実施形態において、一本鎖DNA結合タンパク質の含有量は、親水性ポリマー1質量部に対して0.01質量部以上であることが好ましく、0.015質量部以上であることがより好ましく、0.02質量部以上であることがより好ましい。特定の実施形態において、親水性ポリマーが核酸ポリマーである場合には、一本鎖DNA結合タンパク質の含有量は、核酸ポリマー1質量部に対して10質量部以上である(又は10質量部よりも多くする)ことが好ましく、15質量部以上であることがより好ましく、20質量部以上であることが更に好ましく、30質量部以上であることが更により好ましく、40質量部以上であることが特に好ましい。また、一本鎖DNA結合タンパク質の含有量は、親水性ポリマー1質量部に対して、1500質量部以下であることが好ましく、1000質量部以下であることがより好ましく、500質量部以下であることが更に好ましく、100質量部以下であることが特に好ましい。特定の実施形態において、親水性ポリマーがポリエチレングリコールである場合には、一本鎖DNA結合タンパク質の含有量は、ポリエチレングリコール1質量部に対して10質量部未満であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下であることが更に好ましく、0.5質量部以下であることが更により好ましく、0.1質量部以下であることが特に好ましい。このような比率で親水性ポリマーと一本鎖DNA結合タンパク質とを共存させることで、本発明の効果がより一層確実に発揮され易くなる。
(3)DNA鎖特異的RNA:DNAハイブリッド鎖分解酵素
DNA鎖特異的RNA:DNAハイブリッド鎖分解酵素は、RNAとDNAとのハイブリッド鎖中のDNA鎖を切断する活性を有する酵素であることが好ましい。当該酵素としては、例えば、二本鎖特異的DNA分解酵素、非特異的DNA分解酵素を使用することができる。本発明ではこれらのうち、非特異的DNA分解酵素が好ましい。
二本鎖特異的DNA分解酵素(二本鎖特異的ヌクレアーゼ;DSNとも言う)は、原核生物又は真核生物に由来する酵素を使用することができるが、好ましくは、甲殻類由来の二本鎖特異的DNA分解酵素又はその改変体を使用することができる。具体的な例としては、以下のものが挙げられる。
・ Solenocera melantho(ナミクダヒゲエビ)DNase
・ Penaeus japonicus(クルマエビ)DNase
・ Paralithodes camtschaticus(タラバガニ)DSN
・ Pandalus borealis(ホッコクアカエビ)dsDNase
・ Chionoecetes opilio(ズワイガニ)DSN
・ その他のDSNホモログ
二本鎖特異的DNA分解酵素は、好ましくは、60℃未満でもDNA分解活性を有する酵素である。上記の中では、エビ由来の二本鎖特異的DNA分解酵素又はその改変体が好ましい。
二本鎖特異的DNA分解酵素としては、市販品を使用することができる。市販品としては、dsDNase(ArcticZymes社)、Hl-dsDNase(ArcticZymes社)、dsDNase(Thermo scientific社)、Shrimp DNase、Recombinant(affymetrix社)、Atlantis dsDNase(Zymo Research社)、Thermolabile Nuclease(Roche社)などを挙げることができる。
非特異的DNA分解酵素としては、RNAとDNAとのハイブリッド鎖のDNA鎖を切断する活性を有し、RNAとDNAとのハイブリッド鎖のRNA鎖、一本鎖RNAを切断する活性を実質的に有さず、好ましくは、一本鎖DNAを切断する活性がRNAとDNAとのハイブリッド鎖のDNA鎖を切断する活性に比較して低くなる酵素を挙げることができる。非特異的DNA分解酵素は、好ましくは、60℃未満でもDNA分解活性を有する酵素である。このような非特異的DNA分解酵素としては、市販品を使用することもでき、例えば、DNaseI(Thermo Fisher社製、DNaseI)等を用いることが可能である。
非特異的DNA分解酵素は、原核生物又は真核生物に由来する酵素を使用することができるが、好ましくは、ほ乳類由来の非特異的DNA分解酵素又はその改変体、より好ましくはウシ由来の非特異的DNA分解酵素又はその改変体を使用することができる。
上記改変体とは、天然由来のアミノ酸配列を改変することによって得られる酵素を意味する。具体的には、天然由来のアミノ酸配列と80%以上(好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上)の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる酵素、並びに天然由来のアミノ酸配列において1又は数個(例えば、1~10個、好ましくは1~5個、より好ましくは1~3個)のアミノ酸の欠失、置換、及び/又は付加を有するアミノ酸配列からなる酵素である。
(4)プライマー
プライマーとしては、鋳型RNAなどの鋳型核酸に対する特異的なプライマー、オリゴdTプライマー、ランダムプライマー、これら2種以上の組合せが挙げられる。これらのうち、オリゴdTプライマーやランダムプライマーは、特定の配列に特異的なプライマーと異なり、任意のRNAにアニールして多種多様なRNAの逆転写を開始できるので、網羅的なRNAの逆転写によるDNA合成が求められる場面などにおいて好ましい。特定の実施形態では、オリゴdTプライマー及びランダムプライマーの組合せを用いて逆転写反応を行うことが特に有益である。オリゴdTプライマーとランダムプライマーのモル比は、例えば1:5~1:15、好ましくは1:8~1:12である。
ランダムプライマーとしては、例えば、完全ランダムプライマー、NSR(Not So Random)プライマーが挙げられる。
完全ランダムプライマーとは、種々の塩基配列を有するプライマーの混合物であり、各塩基配列は完全にランダムな塩基配列である。完全ランダムプライマーは、rRNA配列と完全に一致する(又は完全に相補的な)配列を含み得る。完全ランダムプライマーとしては、完全ランダムペンタマー、完全ランダムヘキサマー、完全ランダムヘプタマー、完全ランダムオクタマー、これらの組合せなどが例示できる。例えば、完全ランダムヘキサマーは、4種類のヌクレオチド(A、T、C、G)で可能な全ての塩基配列(4種類)の混合物であってもよい。
NSRプライマーとは、完全ランダムプライマーから、rRNA配列と完全に相補的な配列を有するプライマーを除去したものである。除去するrRNA配列としては、例えば、18S rRNA配列、28S rRNA配列、12S rRNA配列、16S rRNA配列、これらの組合せが挙げられる。
NSRプライマーとしては、例えば、完全ランダムヘキサマーからrRNA配列と完全に相補的な配列を有するヘキサマーを除外したものが挙げられる。また、完全ランダムペンタマー、完全ランダムヘプタマー、完全ランダムオクタマーなどのプライマーセットからrRNA配列と完全に相補的な配列を有するものを除外したものをNSRプライマーとすることもできる。
このようなNSRプライマーを使うことにより、生体内RNAの約8~9割を占めると言われるrRNAの転写を抑制できるので、rRNA以外のRNAの転写量を相対的に増やすことができ、よって例えば、mRNA等を解析して感度を改善させることができる。
NSRプライマーの詳細については、1)Amour et al.,Digital transcriptome profiling using selective hexamer priming for cDNA synthesis,Nature Methods,Vol.6,No.9,2009,pp.647-649、2)Ozsolak et al.,Digital transcriptome profiling from attomole-levelRNA samples,Genome Research,Vol.20,2010,pp.519-525、3)米国特許出願公開公報2010/0029511(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)等に記載されている。
プライマーの長さは、アニーリングの観点から、例えば5塩基以上、好ましくは6塩基以上であり、合成の観点から、例えば30塩基以下、好ましくは25塩基以下、より好ましくは20塩基以下である。
核酸増幅反応液において、プライマーの濃度は、特に制限されないが、例えば1~10μM、好ましくは2~6μM、より好ましくは3~5μMである。
(5)デオキシリボヌクレオチド
デオキシリボヌクレオチドとしては、デオキシリボヌクレオシドトリホスフェートが好ましい。デオキシリボヌクレオチドトリホスフェートとしては、例えば、デオキシシチジントリホスフェート(dCTP)、デオキシグアノシントリホスフェート(dGTP)、デオキシアデノシントリホスフェート(dATP)、デオキシチミジントリホスフェート(dTTP)、デオキシウリジントリホスフェート(dUTP)、これらの誘導体、これら2種以上の組合せが挙げられる。これらのうち、dCTP、dGTP、dATP、及びdTTPの混合物、dCTP、dGTP、dATP、及びdUTPの混合物、dCTP、dGTP、dATP、dTTP、及びdUTPの混合物等が好ましい。
(6)逆転写酵素
逆転写酵素は、逆転写活性(RNA依存性DNAポリメラーゼ活性)を有する任意のタンパク質(酵素)をいい、特に制限されないが、逆転写酵素活性を示すポリメラーゼが好ましい。また、逆転写酵素は、RNase H活性が低いか、又はRNase H活性がないものが好ましい。逆転写酵素の例としては、例えば、トリ骨髄芽球ウイルス(Avian Myeloblastosis Virus)逆転写酵素(AMV-RT)、モロニーネズミ白血病ウイルス(Moloney Murine Leukemia Virus)逆転写酵素(MMLV-RT)、ヒト免疫ウイルス(Human Immunovirus)逆転写酵素(HIV-RT)、EIRV-RT、RAV2-RT、C.ヒドロゲノホルマンス(C.hydrogenogormans)DNAポリメラーゼ、rTthDNAポリメラーゼ、スーパースクリプト(SuperScript)I、スーパースクリプト(SuperScript)II、これらの変異体、及びこれらの誘導体が挙げられる。これらのうち、MMLV-RTが好ましい。
(7)DNAポリメラーゼ
核酸増幅反応液は、下記のDNAポリメラーゼを含んでいてもよいし、含まなくてもよい:
Taq、Tbr、Tfl、Tru、Tth、Tli、Tac、Tne、Tma、Tih、Tfi、Pfu、Pwo、Kod、Bst、Sac、Sso、Poc、Pab、Mth、Pho、ES4、VENT(商標)、DEEPVENT(商標)、これらの変異体
(8)RNase阻害剤
核酸増幅反応液は、RNase阻害剤を含んでいてもよい。RNase阻害剤は、特に制限されず、例えば、ヒト胎盤由来、ラット肺由来、又はブタ肝臓由来のタンパク質等が挙げられる。
(9)鋳型核酸
本発明において、対象となる鋳型核酸は特に制限されないが、RNAであることが好ましい。鋳型RNAは特に限定されないが、1細胞~1000細胞から抽出されたRNAであることが好ましく、1細胞~100細胞から抽出されたRNAであることがより好ましい。特に好ましくは1細胞から抽出されたRNAである。細胞の数は、セルソータ―により適宜調整することができる。細胞からのRNAの抽出は、当該分野で公知の任意のRNA抽出法で行うことができ、市販のRNA抽出キットなどを使用して抽出してもよい。
(10)添加剤
核酸増幅反応液は、更に他の添加剤を含んでいてもよい。他の添加剤としては、例えば、緩衝剤、塩、界面活性剤、これら2種以上の組合せが挙げられる。
緩衝剤としては、例えば、トリス(Tris)、ビス-トリス(Bis-Tris)トリシン(Tricine)、ビス-トリシン(Bis-Tricine)、ヘペス(Hepes)、モプス(Mops)、テス(Tes)、タプス(Taps)、ピペス(Pipes)、ギャプス(Caps)、これら2種以上の組合せが挙げられる。緩衝剤は、通常、水(好ましくはヌクレアーゼフリー水)に溶解され、水溶液の形態で使用される。
塩としては、例えば、塩化物(例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化マンガン)、酢酸塩(例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン)、硫酸塩(例えば、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン)、これら2種以上の組合せが挙げられる。
界面活性剤には、アニオン性界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム)、カチオン性界面活性剤(例えば、臭化セチルトリメチルアンモニウム)、非イオン性界面活性剤(例えば、オクチルフェノールエトキシレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)、及び両イオン性界面活性剤(例えば、3-[(3-コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホン酸)などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に好ましい様態として、非イオン性界面活性剤を用いることができる。
2.インキュベーション
核酸を増幅する方法は、30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程を少なくとも含む。このような条件でのインキュベートを親水性ポリマーを含む核酸増幅反応液で行うと経時的に増幅阻害が生じ得るが、本発明によれば、その増幅阻害を効果的に抑制できる。30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程は、等温条件でもよいし、熱サイクル条件でもよい。30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程を熱サイクル条件で行う場合、この温度範囲内での2以上の温度条件における各インキュベーション時間を全て合算した時間が30分より長い時間となる。
一実施形態において、鋳型RNAからの核酸増幅がRT-RamDA法により行われる場合、核酸増幅反応液のインキュベーションは、等温条件で行ってもよいし、熱サイクル条件で行ってもよいが、等温条件が好ましい。
(1)等温条件
インキュベーション(特に、RT-RamDA法でのインキュベーション)を等温条件で行う場合、例えば30℃より高く50℃より低い温度の間の所定の温度、好ましくは35℃以上45℃以下の間の所定の温度、より好ましくは35℃以上40℃以下の間の所定の温度、例えば37℃で行うことができ、当該温度で所定の時間(例えば、30分より長く420分以下、好ましくは60分~420分、より好ましくは120分~420分)行うことができる。
30℃より高く50℃より低い温度の間の所定の温度でのインキュベーションは、2以上の段階に分けて行ってもよい。例えば30℃より高く35℃未満の間の所定の温度で5~15分、次いで35℃以上50℃未満の間の所定の温度で所定の時間(例えば20~60分)インキュベーションしてもよい。
30℃より高く50℃より低い温度の間の所定の温度での30分より長い時間のインキュベーションの後、例えば50℃以上100℃未満の間の所定の温度でインキュベーションしてもよい。50℃以上100℃未満の間の所定の温度でのインキュベーションは2以上の段階に分けて行ってもよい。例えば50℃以上80℃未満の間の所定の温度で5~15分、次いで80℃以上90℃以下の間の所定の温度で5~15分インキュベーションしてもよい。
(2)熱サイクル条件
インキュベーション(特に、RT-RamDA法でのインキュベーション)を熱サイクル条件で行う場合、30℃より高く35℃未満の間の所定の温度T1(例えば33℃)と35℃以上45℃以下の間の所定の温度T2(例えば37℃)とを組み合わせて、T1で所定の時間(例えば1~3分、一例として2分)とT2で所定の時間(例えば1~3分、一例として2分)とを1サイクルとして、これを好ましくは10~40サイクル、より好ましくは15~35サイクル繰り返して行って、30分より長い時間反応させてもよい。なお、上記の熱サイクルに先立って、例えば25℃以上30℃未満の間の所定の温度で所定の時間(例えば5~15分)、次いで30℃以上35℃未満の間の所定の温度で所定の時間(例えば5~15分)、次いで35℃以上50℃未満の間の所定の温度で所定の時間(例えば1~5分)インキュベーションしてもよい。また、上記の熱サイクルの後、例えば50℃以上80℃未満の間の所定の温度で所定の時間(例えば5~15分)、次いで80℃以上90℃以下の間の所定の温度で所定の時間(例えば5~15分)インキュベーションしてもよい。
<核酸増幅用キット>
前述のように、本発明によれば、親水性ポリマーのような増幅阻害剤の存在下であっても、高い増幅効率で長時間核酸増幅反応(例えば、RT-RamDA反応)を行うことができる。従って、本発明は更に別の観点から、30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程を含む核酸増幅に用いられるキットを提供する。
一実施形態において、当該キットは、親水性ポリマーと、核酸増幅反応液中の終濃度が40ng/μL以上となるように調整された濃度の一本鎖DNA結合タンパク質とを含む。ここで、核酸増幅反応液中の終濃度が40ng/μL以上となるように調整された濃度とは、例えば、2倍希釈して使用される試薬とする場合には80ng/μL以上の濃度で一本鎖DNA結合タンパク質を含む試薬として調製されればよく、3倍希釈して使用される試薬とする場合には120ng/μL以上の濃度で一本鎖DNA結合タンパク質を含む試薬として調製されればよいことを意味する。
別の実施形態において、当該キットは、親水性ポリマーと、親水性ポリマー1質量部に対して0.01~1500質量部の一本鎖DNA結合タンパク質とを含む。
当該キットは、親水性ポリマーと一本鎖DNA結合タンパク質とを1つの容器に両成分を充填した態様で提供されても良いし、別々の容器にそれぞれの成分を充填した態様で提供されて使用時に混合される形態であってもよい。また、当該キットは、DNA鎖特異的RNA:DNAハイブリッド鎖分解酵素、逆転写酵素、プライマー、鋳型核酸、緩衝剤、塩等の他の成分を含んでいてもよい。当該キットに含まれ得る成分の具体的な種類などは上記方法において詳述したものと同様であり得る。また、当該キットを用いて核酸増幅反応を行う際に行われるインキュベーションの反応温度及び反応時間等の反応条件等も上記方法と同様であり得る。当該キットを用いることにより、増幅効率の低下を抑えながら長時間核酸増幅反応を行うことができるので、多量のcDNAを増幅でき、広範な遺伝子解析を行うことが可能となる。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1:ポリイノシン酸によるRT-RamDA法での長時間増幅への影響
本実施例では、37℃での反応時間を2時間とした場合のRT-RamDA法での増幅率が、核酸ポリマー(ポリイノシン酸)の添加によってどのように変化するのか比較するため、以下の実験を行った。
RT-RamDA法での増幅率を解析するために、まずコントロールとして表1に示した逆転写反応液1(通常の逆転写反応)5μL中に核酸断片サンプルを供し、表2に示した反応サイクル1で逆転写反応を行った。別途、表3に示した各種RT-RamDA反応液1(条件1~4)5μL中に核酸断片サンプルを供し、表4に示した反応サイクル2でRT-RamDA反応を行った。核酸断片サンプルは、HeLa細胞からRNeasy Mini Kit(Qiagen社)を用いて精製したRNA10pgを用いた。
Figure 2023038069000001
Figure 2023038069000002
Figure 2023038069000003
Figure 2023038069000004
その後、以下の方法でリアルタイムPCRにて解析した。
具体的には、逆転写反応又はRT-RamDA反応後の反応液をそれぞれnuclease free water(Qiagen社)で10倍に希釈し、希釈後の溶液2μL(1/25量)をqPCR反応に用いた。qPCRはStepOne Plus(Life Technologies社)を用いて、以下の条件で行った。
qPCR反応用溶液[20μl(THUNDERBIRD(商標)SYBR qPCR Mix(TOYOBO社)、6pmol フォワードプライマー、6pmol リバースプライマー、2μl希釈逆転写反応液又はRT-RamDA反応液、nuclease free water)]を95℃1分処理して酵素を活性化したのち、95℃15秒の変性及び60℃1分の伸長反応を40サイクル行った。
融解曲線分析は、95℃15秒、60℃15秒、及び95℃15秒で行った。
標的遺伝子として、βACTIN遺伝子の増幅率をリアルタイムPCRによって解析した。
プライマーセットは以下の通りである。(5’→3’)
フォワードプライマー:CGCGAGAAGATGACCCAGAT(配列番号1)
リバースプライマー:GCCAGAGGCGTACAGGGATA(配列番号2)
解析後、逆転写反応液1を添加したサンプルで得られた通常の逆転写反応のCt値から、RT-RamDA反応液1を添加したサンプルで得られたRT-RamDA法のCt値を引き、ΔCt値を求めることでRT-RamDA反応による増幅率を評価した。RT-RamDA法は通常の逆転写反応よりも増幅率が高いため、Ct値が通常の逆転写反応の場合よりも低い値となる。従って、ΔCt値が高いほど、各被験反応液(各RT-RamDA反応液)のCt値が小さくなったことを示し、より増幅率が高くなったことを意味する。
実施例1の結果を図1に示す。37℃での反応時間が120分では、ポリイノシン酸の添加量を減らすほど、RT-RamDAによる増幅率が上昇することがわかった。よって、ポリイノシン酸などの核酸ポリマー(親水性ポリマー)を添加することで、RT-RamDA反応において長時間のインキュベーションを行うと増幅阻害が起こることが示された。
実施例2:ポリイノシン酸によるRT-RamDA法での長時間増幅阻害を抑制する成分の評価1
本実施例では、逆転写酵素または一本鎖DNA結合タンパク質の濃度を高めることによって、実施例1で見られたポリイノシン酸によるRT-RamDA反応の長時間増幅反応阻害に影響があるか検討するため、以下の実験を行った。
RT-RamDA法での増幅率を解析するために、まずコントロールとして実施例1と同様に表1に示した逆転写反応液1(通常の逆転写反応)5μL中に核酸断片サンプルを供し、表2に示した反応サイクルで逆転写反応を行った、別途、表5に示した各種RT-RamDA反応液2(条件1~4)5μL中に核酸断片サンプルを供し、表6に示した反応サイクル3でRT-RamDA反応を行った。核酸断片サンプルは、HeLa細胞からRNeasy Mini Kit(Qiagen社)を用いて精製したRNA10pgを用いた。
Figure 2023038069000005
Figure 2023038069000006
逆転写反応又はRT-RamDA反応後、前記実施例1と同様の方法でβACTIN遺伝子およびNEAT1遺伝子を指標としてRT-RamDA反応の増幅率をリアルタイムPCRによって解析した。使用したプライマーセットは、βACTIN遺伝子は実施例1と同じものを用い、NEAT1遺伝子は以下のプライマーセットを用いた。
フォワードプライマー:CAGTTAGTTTATCAGTTCTCCCATCCA(配列番号3)
リバースプライマー:GTTGTTGTCGTCACCTTTCAACTCT(配列番号4)
またリアルタイムPCRの反応液及び熱サイクル条件等は実施例1と同様にして行った。
解析後、逆転写反応液1を添加したサンプルで得られた通常の逆転写反応のCt値から、RT-RamDA反応液2を添加したサンプルで得られたRT-RamDA法のCt値を引き、ΔCt値を求めることでRT-RamDA反応による増幅率を評価した。
実施例2の結果を図2に示す。ポリイノシン酸を含む条件(条件1)では、37℃での反応時間を30分よりも長くしても増幅率が向上せず、むしろ低下する場合も認められた。逆転写酵素を二倍濃度にした条件(条件2)では条件1と同様の結果となり、長時間反応の増幅阻害を抑制する効果は認められなかった。一方、一本鎖DNA結合タンパク質であるT4ジーン32プロテインを二倍濃度にした条件(条件3および4)では、反応時間に比例して増幅率が向上する傾向が認められた。よって、ポリイノシン酸(親水性ポリマー)を添加していても、一本鎖DNA結合タンパク質を増量することで、反応時間に比例してRT-RamDA反応の増幅率を向上させることができることが示された。
実施例3:ポリイノシン酸によるRT-RamDA法での長時間増幅阻害を抑制する成分の評価2
本実施例では、実施例2で見られた一本鎖DNA結合タンパク質の濃度を高めることによる影響が、他の逆転写酵素を用いた場合でも同様に確認できるか検討した。
実施例2と同様に、まずコントロールとして表1に示した逆転写反応液1(通常の逆転写反応)5μL中に核酸断片サンプルを供し、表2に示した反応サイクルで逆転写反応を行った。別途、表7に示したRT-RamDA反応液3(条件1~4)5μL中に核酸断片サンプルを供し、実施例2と同様に表6に示した反応サイクル3でRT-RamDA反応を行った。核酸断片サンプルは、HeLa細胞からRNeasy Mini Kit(Qiagen社)を用いて精製したRNA10pgを用いた。
Figure 2023038069000007
逆転写反応又はRT-RamDA反応後、前記実施例1と同様の方法でβACTIN遺伝子およびNEAT1遺伝子を指標としてRT-RamDA反応の増幅率をリアルタイムPCRによって解析した。βACTIN遺伝子と、NEAT1遺伝子のプライマーセットは実施例2と同じものを用いた。
またリアルタイムPCRの反応液及び熱サイクル条件等は実施例1と同様にして行った。
解析後、逆転写反応液1を添加したサンプルで得られた通常の逆転写反応のCt値から、RT-RamDA反応液3を添加したサンプルで得られたRT-RamDA法のCt値を引き、ΔCt値を求めることでRT-RamDA反応による増幅率を評価した。
実施例3の結果を図3に示す。逆転写酵素を、実施例2で用いていた東洋紡株式会社製、ReverTra Ace(RT)から、逆転写酵素(タカラバイオ株式会社製、PrimeScript(PS))に替えても同様の結果が得られた。よって、ポリイノシン酸(親水性ポリマー)を添加していても、一本鎖DNA結合タンパク質を増量することで、反応時間に比例してRT-RamDA反応の増幅率を向上させることできることが、より強く裏付けられた。
実施例4:一本鎖DNA結合タンパク質の濃度による影響
本実施例では、長時間反応させる場合のRT-RamDA反応の増幅率と、一本鎖DNA結合タンパク質の濃度との関係について、更に詳細に解析した。
これまでの実施例と同様に、まずコントロールとして表1に示した逆転写反応液1(通常の逆転写反応)5μL中に核酸断片サンプルを供し、表2に示した反応サイクルで逆転写反応を行った。別途、表8に示したRT-RamDA反応液4(条件1~6)5μL中に核酸断片サンプルを供し、表9に示した反応サイクル4でRT-RamDA反応を行った。核酸断片サンプルは、HeLa細胞からRNeasy Mini Kit(Qiagen社)を用いて精製したRNA10pgを用いた。
Figure 2023038069000008
Figure 2023038069000009
逆転写反応又はRT-RamDA反応後、前記実施例1と同様の方法でβACTIN遺伝子を指標としてRT-RamDA反応の増幅率をリアルタイムPCRによって解析した。βACTIN遺伝子のプライマーセットは実施例1と同じものを用いた。
またリアルタイムPCRの反応液及び熱サイクル条件等は実施例1と同様にして行った。
解析後、逆転写反応液1を添加したサンプルで得られた通常の逆転写反応のCt値から、RT-RamDA反応液4を添加したサンプルで得られたRT-RamDA法のCt値を引き、ΔCt値を求めることでRT-RamDA反応による増幅率を評価した。
実施例4の結果を図4に示す。120分のRT-RamDA反応の反応において、βACTIN遺伝子の増幅率は、T4ジーン32プロテイン濃度に比例して増幅率が向上した。特にβACTIN遺伝子では42ng/μL以上のT4ジーン32プロテイン濃度で増幅率が大きく向上した。
実施例5:ポリシチジル酸による増幅阻害に対する抑制効果
本実施例では、長時間のRT-RamDA反応に他の親水性ポリマー(核酸ポリマー)であるポリシチジル酸(polyC)を用いた場合の効果について検討した。
これまでの実施例と同様に、まずコントロールとして表1に示した逆転写反応液1(通常の逆転写反応)5μL中に核酸断片サンプルを供し、表2に示した反応サイクルで逆転写反応を行った。別途、表10に示したRT-RamDA反応液5(条件1~3)5μL中に核酸断片サンプルを供し、表6に示した反応サイクル3でRT-RamDA反応を行った。核酸断片サンプルは、HeLa細胞からRNeasy Mini Kit(Qiagen社)を用いて精製したRNA10pgを用いた。
Figure 2023038069000010
逆転写反応又はRT-RamDA反応後、前記実施例1と同様の方法でβACTIN遺伝子およびNEAT1遺伝子を指標としてRT-RamDA反応の増幅率をリアルタイムPCRによって解析した。βACTIN遺伝子と、NEAT1遺伝子のプライマーセットは実施例2と同じものを用いた。
またリアルタイムPCRの反応液及び熱サイクル条件等は実施例1と同様にして行った。
解析後、逆転写反応液1を添加したサンプルで得られた通常の逆転写反応のCt値から、RT-RamDA反応液5を添加したサンプルで得られたRT-RamDA法のCt値を引き、ΔCt値を求めることでRT-RamDA反応による増幅率を評価した。
実施例5の結果を図5に示す。ポリシチジル酸を添加したサンプルでも、これまでのポリイノシン酸での実施例の場合と同様に、120分および360分の長時間でのRT-RamDA反応において、RT-RamDA反応による増幅率が低下した。また一本鎖DNA結合タンパク質であるT4ジーン32プロテイン濃度を33ng/μLから67ng/μLに上げることで、120分および360分のRT-RamDA反応の反応時間における増幅率が向上した。よって、ポリイノシン酸以外の親水性ポリマーもRT-RamDA反応を阻害し、この阻害はT4ジーン32プロテインなどの一本鎖DNA結合タンパク質を40ng/μL以上添加することで緩和できることが示された。
実施例6:ポリエチレングリコールによる増幅阻害に対する抑制効果
本実施例では、長時間のRT-RamDA反応に他の親水性ポリマーであるポリエチレングリコール(PEG)を用いた場合の効果について検討した。
これまでの実施例と同様に、まずコントロールとして表1に示した逆転写反応液1(通常の逆転写反応)5μL中に核酸断片サンプルを供し、表2に示した反応サイクルで逆転写反応を行った。別途、表11に示したRT-RamDA反応液6(条件1~3)5μL中に核酸断片サンプルを供し、表6に示した反応サイクル3でRT-RamDA反応を行った。核酸断片サンプルは、HeLa細胞からRNeasy Mini Kit(Qiagen社)を用いて精製したRNA10pgを用いた。
Figure 2023038069000011
逆転写反応又はRT-RamDA反応後、前記実施例1と同様の方法でβACTIN遺伝子を指標としてRT-RamDA反応の増幅率をリアルタイムPCRによって解析した。βACTIN遺伝子のプライマーセットは実施例1と同じものを用いた。
またリアルタイムPCRの反応液及び熱サイクル条件等は実施例1と同様にして行った。
解析後、逆転写反応液1を添加したサンプルで得られた通常の逆転写反応のCt値から、RT-RamDA反応液6を添加したサンプルで得られたRT-RamDA法のCt値を引き、ΔCt値を求めることでRT-RamDA反応による増幅率を評価した。
実施例6の結果を図6に示す。ポリエチレングリコール(PEG)を添加したサンプルでも増幅率の低下が認められ、特に120分および360分の長時間でのRT-RamDA反応において、RT-RamDA反応による増幅率が著しく低下した。また一本鎖DNA結合タンパク質であるT4ジーン32プロテイン濃度を33ng/μLから67ng/μLに上げることで、120分および360分の長時間RT-RamDA反応における著しい増幅率の低下を有意に抑制することができた。よって、核酸ポリマー以外の親水性ポリマーもRT-RamDA反応を阻害し、この阻害はT4ジーン32プロテインなどの一本鎖DNA結合タンパク質を40ng/μL以上添加することで抑制できることが示された。
本発明により、RT-RamDA反応などの核酸増幅反応を所定温度で長時間行う場合に増幅効率を低下させる阻害剤が添加された系においても、その阻害作用を抑制することが可能となる。この手法は、例えば、RT-RamDA法を用いたシングルセル解析など、様々な遺伝子解析法に役立つ。

Claims (15)

  1. 親水性ポリマーを含有する核酸増幅反応液を30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程を含む、核酸を増幅する方法において、前記核酸増幅反応液中に40ng/μL以上の一本鎖DNA結合タンパク質を含有させることにより、前記親水性ポリマーによる核酸増幅阻害を抑制する方法。
  2. RT-RamDA法により核酸を増幅する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記増幅反応液が、DNA鎖特異的RNA:DNAハイブリッド鎖分解酵素、40ng/μL以上の一本鎖DNA結合タンパク質、逆転写酵素、プライマー、鋳型RNA、及び親水性ポリマーを含有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記DNA鎖特異的RNA:DNAハイブリッド鎖分解酵素が非特異的DNA分解酵素である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記鋳型RNAが、1細胞~1000細胞から抽出されたRNAである、請求項3又は請求項4に記載の方法。
  6. 前記一本鎖DNA結合タンパク質がT4ジーン32プロテインである、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記インキュベートの時間が60分以上である、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記インキュベートの時間が120分以上である、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記親水性ポリマーが、核酸ポリマー及びポリエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記核酸増幅反応液中の前記親水性ポリマーの濃度が0.01ng/μL以上である、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記親水性ポリマーが、ポリイノシン酸及びポリシチジル酸からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記インキュベートの温度が35℃以上45℃以下の温度である、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
  13. 親水性ポリマーを含有する核酸増幅反応液を30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程を含む、核酸を増幅する方法において、前記核酸増幅反応液中に、前記親水性ポリマー1質量部に対して一本鎖DNA結合タンパク質を0.01~1500質量部含有させることにより、前記親水性ポリマーによる核酸増幅阻害を抑制する方法。
  14. 核酸増幅反応液を30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程を含む、核酸増幅に用いられるキットであって、親水性ポリマーと、核酸増幅反応液中濃度が40ng/μL以上となるように調整された濃度の一本鎖DNA結合タンパク質とを含む、キット。
  15. 核酸増幅反応液を30℃より高く50℃より低い温度で30分より長い時間インキュベートする工程を含む、核酸増幅に用いられるキットであって、親水性ポリマーと、親水性ポリマー1質量部に対して0.01~1500質量部の一本鎖DNA結合タンパク質を含む、キット。
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