JP2023037965A - 接着部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被着体の光線透過率や耐熱性が比較的低い場合でも被着体同士を貼合することができる接着部材を提供すること。【解決手段】第1の水系接着剤層と、無配向フィルムと、第2の水系接着剤層とをこの順に備える接着部材。【選択図】図1
Description
本発明は、接着部材に関し、さらには接着部材の製造方法にも関する。
特許文献1には、偏光子と位相差層とが活性エネルギー硬化型接着剤層を介して貼合された位相差層付偏光板が提案されている。
直線偏光板と位相差層とが活性エネルギー硬化型接着剤を用いて貼合される場合、直線偏光板および位相差層のいずれか一方の光線透過率が低い場合、層間の密着性が十分に得られない場合があった。また、被着体同士を水系接着剤を介して積層した後、加熱処理を行う場合、耐熱性が低い被着体は熱による劣化が生じることがあった。
本発明の目的は、被着体の光線透過率や耐熱性が比較的低い場合でも被着体同士を貼合することができる接着部材を提供することである。
本発明は、以下の接着部材および接着部材の製造方法を提供する。
[1] 第1の水系接着剤層と、無配向フィルムと、第2の水系接着剤層とを、この順に備える接着部材。
[2] 第1の基材フィルムおよび第2の基材フィルムを備え、
前記第1の基材フィルムは、前記第1の水系接着剤層を介して、前記無配向フィルムに積層され、
前記第2の基材フィルムは、前記第2の水系接着剤層を介して、前記無配向フィルムに積層され、
前記第1の基材フィルムおよび前記第2の基材フィルムはそれぞれ、前記第1の水系接着剤層および前記第2の水系接着剤層から剥離可能である、[1]に記載の接着部材。
[3] 前記第1の基材フィルムの前記第1の水系接着剤層に対する剥離力と、前記第2の基材フィルムの前記第2の水系接着剤層に対する剥離力とが異なる、[2]に記載の接着部材。
[4] 前記第1の基材フィルム、および前記第2の基材フィルムの少なくとも一方の温度40℃、相対湿度90%RHにおける透湿度は、100g/m2・24hr以上である、 [2]または[3]に記載の接着部材。
[5] 無配向フィルムの一方の面に、第1の水系接着剤の塗膜を形成する第1工程と、
前記第1の水系接着剤の塗膜を乾燥させて、第1の水系接着剤層を形成する第2工程と、
前記無配向フィルムの他方の面に、第2の水系接着剤の塗膜を形成する第3工程と、
前記第2の水系接着剤の塗膜を乾燥させて、第2の水系接着剤層を形成する第4工程と
を備える、接着部材の製造方法。
[6] 前記第1工程は、前記第1の水系接着剤の塗膜を介して、前記無配向フィルムと、第1の基材フィルムとを積層する工程を含み、
前記第3工程は、前記第2の水系接着剤の塗膜を介して、前記無配向フィルムと、第2の基材フィルムとを積層する工程を含み、
前記第1の基材フィルムおよび前記第2の基材フィルムはそれぞれ、前記第1の水系接着剤層および前記第2の水系接着剤層から剥離可能である、[5]に記載の接着部材の製造方法。
[7] 前記第1の基材フィルム、および前記第2の基材フィルムの少なくとも一方の温度40℃、相対湿度90%RHにおける透湿度は、100g/m2・24hr以上である、[6]に記載の接着部材の製造方法。
[1] 第1の水系接着剤層と、無配向フィルムと、第2の水系接着剤層とを、この順に備える接着部材。
[2] 第1の基材フィルムおよび第2の基材フィルムを備え、
前記第1の基材フィルムは、前記第1の水系接着剤層を介して、前記無配向フィルムに積層され、
前記第2の基材フィルムは、前記第2の水系接着剤層を介して、前記無配向フィルムに積層され、
前記第1の基材フィルムおよび前記第2の基材フィルムはそれぞれ、前記第1の水系接着剤層および前記第2の水系接着剤層から剥離可能である、[1]に記載の接着部材。
[3] 前記第1の基材フィルムの前記第1の水系接着剤層に対する剥離力と、前記第2の基材フィルムの前記第2の水系接着剤層に対する剥離力とが異なる、[2]に記載の接着部材。
[4] 前記第1の基材フィルム、および前記第2の基材フィルムの少なくとも一方の温度40℃、相対湿度90%RHにおける透湿度は、100g/m2・24hr以上である、 [2]または[3]に記載の接着部材。
[5] 無配向フィルムの一方の面に、第1の水系接着剤の塗膜を形成する第1工程と、
前記第1の水系接着剤の塗膜を乾燥させて、第1の水系接着剤層を形成する第2工程と、
前記無配向フィルムの他方の面に、第2の水系接着剤の塗膜を形成する第3工程と、
前記第2の水系接着剤の塗膜を乾燥させて、第2の水系接着剤層を形成する第4工程と
を備える、接着部材の製造方法。
[6] 前記第1工程は、前記第1の水系接着剤の塗膜を介して、前記無配向フィルムと、第1の基材フィルムとを積層する工程を含み、
前記第3工程は、前記第2の水系接着剤の塗膜を介して、前記無配向フィルムと、第2の基材フィルムとを積層する工程を含み、
前記第1の基材フィルムおよび前記第2の基材フィルムはそれぞれ、前記第1の水系接着剤層および前記第2の水系接着剤層から剥離可能である、[5]に記載の接着部材の製造方法。
[7] 前記第1の基材フィルム、および前記第2の基材フィルムの少なくとも一方の温度40℃、相対湿度90%RHにおける透湿度は、100g/m2・24hr以上である、[6]に記載の接着部材の製造方法。
本発明によれば、被着体の光線透過率や耐熱性が比較的低い場合でも被着体同士を貼合することが可能な接着部材を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の全ての図面においては、各構成要素を理解し易くするために縮尺を適宜調整して示しており、図面に示される各構成要素の縮尺と実際の構成要素の縮尺とは必ずしも一致しない。
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大となる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内の位相差値
面内の位相差値(Re[λ])は、温度23℃、波長λ(nm)におけるフィルムの面内の位相差値をいう。Re[λ]は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Re[λ]=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差値
厚み方向の位相差値(Rth[λ])は、温度23℃、波長λ(nm)におけるフィルムの厚み方向の位相差値をいう。Rth[λ]は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Rth[λ]=((nx+ny)/2-nz)×dによって求められる。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大となる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内の位相差値
面内の位相差値(Re[λ])は、温度23℃、波長λ(nm)におけるフィルムの面内の位相差値をいう。Re[λ]は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Re[λ]=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差値
厚み方向の位相差値(Rth[λ])は、温度23℃、波長λ(nm)におけるフィルムの厚み方向の位相差値をいう。Rth[λ]は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Rth[λ]=((nx+ny)/2-nz)×dによって求められる。
<接着部材>
本発明の接着部材は、第1の水系接着剤層と、無配向フィルムと、第2の水系接着剤層とをこの順に備える。本明細書において、第1の水系接着剤層および第2の水系接着剤層を総称して水系接着剤層ということがある。
本発明の接着部材は、第1の水系接着剤層と、無配向フィルムと、第2の水系接着剤層とをこの順に備える。本明細書において、第1の水系接着剤層および第2の水系接着剤層を総称して水系接着剤層ということがある。
本発明の接着部材について図1を参照しながら説明する。図1に示す接着部材10は、第1の水系接着剤層11と、無配向フィルム12と、第2の水系接着剤層13とをこの順に備えている。第1の水系接着剤層11および第2の水系接着剤層13はそれぞれ、無配向フィルム12の表面に直接接して配置されることができる。図示されていないが、接着部材10は、他の層、例えば後述の第1の基材フィルムおよび第2の基材フィルム等を有していてよい。第1の基材フィルムおよび第2の基材フィルムは総称して基材フィルムということがある。
(水系接着剤層)
接着部材10は、第1の水系接着剤層11が被着体に貼合され、第2の水系接着剤層13が別の被着体に貼合されることにより、被着体同士を接合する機能を有することができる。後述するように、水系接着剤層の密着性向上の観点から好ましくは、水系接着剤層と被着体とを貼合する前に水系接着剤層に表面活性化処理が施される。
接着部材10は、第1の水系接着剤層11が被着体に貼合され、第2の水系接着剤層13が別の被着体に貼合されることにより、被着体同士を接合する機能を有することができる。後述するように、水系接着剤層の密着性向上の観点から好ましくは、水系接着剤層と被着体とを貼合する前に水系接着剤層に表面活性化処理が施される。
第1の水系接着剤層11は、第1の水系接着剤から形成されることができる。第2の水系接着剤層13は、第2の水系接着剤から形成されることができる。第1の水系接着剤および第2の水系接着剤の種類は、同種であってよく、異種であってよい。本明細書において、第1の水系接着剤および第2の水系接着剤を総称して水系接着剤ということがある。
水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等が挙げられる。中でもポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤が好適に用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体、またはそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体等を用いることができる。水系接着剤は、アルデヒド化合物(グリオキザール等)、エポキシ化合物、メラミン系化合物、メチロール化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物、多価金属塩等の架橋剤を含むことができる。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中のポリビニルアルコール系樹脂の含有量は、水100質量部に対し例えば0.01質量部以上50質量部以下であってよく、好ましく0.1質量部以上20質量部以下、より好ましくは1質量部以上10質量部以下である。
第1の水系接着剤層は、無配向フィルムの一方の面に第1の水系接着剤の塗膜を形成した後、第1の水系接着剤の塗膜を乾燥することにより形成することができる。第2の水系接着剤層は、無配向フィルムの他方の面に第2の水系接着剤の塗膜を形成した後、第2の水系接着剤の塗膜を乾燥することにより形成することができる。
水系接着剤層の厚みは、例えば0.1μm以上10μm以下であってよい。第1の水系接着剤および第2の水系接着剤の厚みは同じであってよく、異なっていてもよい。
本明細書において、水系接着剤層および後述する偏光子の厚みは、レーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製「OLS3000」)を用いて測定することができる。なお水系接着剤層および後述する偏光子層以外の厚みは、接触式膜厚測定装置(株式会社ニコン製「MS-5C」)を用いて測定することができる。
本明細書において、水系接着剤層および後述する偏光子の厚みは、レーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製「OLS3000」)を用いて測定することができる。なお水系接着剤層および後述する偏光子層以外の厚みは、接触式膜厚測定装置(株式会社ニコン製「MS-5C」)を用いて測定することができる。
(無配向フィルム)
無配向フィルム12は、水系接着剤層を支持し、接着部材に剛性を付与する機能を有することができる。無配向フィルムは通常、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂から構成されることができる。本明細書において、無配向とは熱可塑性樹脂中のポリマーの分子鎖がまったく配向せず、無秩序な状態にあることを意味する。本発明では、無配向フィルム上に水系接着剤層を形成することにより、水系接着剤層の無配向フィルムからの剥離が抑制され易くなる傾向となる。フィルムの配向性については、従来公知の方法、例えば位相差測定装置による位相差測定(例えば、王子計測機器株式会社製のKOBRA-HBPR)、X線回折法、偏光顕微鏡観察等により確認することができる。
無配向フィルム12は、水系接着剤層を支持し、接着部材に剛性を付与する機能を有することができる。無配向フィルムは通常、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂から構成されることができる。本明細書において、無配向とは熱可塑性樹脂中のポリマーの分子鎖がまったく配向せず、無秩序な状態にあることを意味する。本発明では、無配向フィルム上に水系接着剤層を形成することにより、水系接着剤層の無配向フィルムからの剥離が抑制され易くなる傾向となる。フィルムの配向性については、従来公知の方法、例えば位相差測定装置による位相差測定(例えば、王子計測機器株式会社製のKOBRA-HBPR)、X線回折法、偏光顕微鏡観察等により確認することができる。
無配向フィルムは通常、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;メタクリル酸メチル系樹脂のような(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂;アクリロニトリル・スチレン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリアセタール系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリアミドイミド系樹脂;ポリイミド系樹脂等から形成されることができる。無配向フィルム12は、例えば熱可塑性樹脂を溶融後、フィルム状に押出成形することにより得られるフィルムであってよい。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂(エチレンの単独重合体であるポリエチレン樹脂や、エチレンを主体とする共重合体)、ポリプロピレン樹脂(プロピレンの単独重合体であるポリプロピレン樹脂や、プロピレンを主体とする共重合体)のような鎖状オレフィンの単独重合体の他、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1-240517号公報、特開平3-14882号公報、特開平3-122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレンのような鎖状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、およびこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びにそれらの水素化物である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのようなノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
ポリエステル系樹脂は、下記セルロースエステル系樹脂を除く、エステル結合を有する樹脂であり、多価カルボン酸またはその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。多価カルボン酸またはその誘導体としては2価のジカルボン酸またはその誘導体を用いることができ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸ジメチルが挙げられる。多価アルコールとしては2価のジオールを用いることができ、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。ポリエステル系樹脂の代表例として、テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合体であるポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を主な構成モノマーとする樹脂である。(メタ)アクリル系樹脂の具体例は、例えば、ポリメタクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸共重合体;メタクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸エステル共重合体;メタクリル酸メチル-アクリル酸エステル-(メタ)アクリル酸共重合体;(メタ)アクリル酸メチル-スチレン共重合体(MS樹脂等);メタクリル酸メチルと脂環族炭化水素基を有する化合物との共重合体(例えば、メタクリル酸メチル-メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)を含む。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸C1-6アルキルエステルを主成分とする重合体が用いられ、より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50質量%以上100質量%以下、好ましくは70質量%以上100質量%以下)とするメタクリル酸メチル系樹脂が用いられる。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースと脂肪酸とのエステルである。セルロースエステル系樹脂の具体例は、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネートを含む。また、これらの共重合物や、水酸基の一部が他の置換基で修飾されたものも挙げられる。これらの中でも、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース)が特に好ましい。
ポリカーボネート系樹脂は、カルボナート基を介してモノマー単位が結合された重合体からなるエンジニアリングプラスチックである。
無配向フィルム12の厚みは通常、1μm以上100μm以下であるが、強度や取扱性等の観点から3μm以上60μm以下であることが好ましく、5μm以上55μm以下であることがより好ましく、10μm以上40μm以下であることがさらに好ましい。
無配向フィルム12は、その外面に、光拡散層、帯電防止層のような表面処理層(コーティング層)を備えるものであってもよい。なお、無配向フィルム12の厚みは、表面処理層の厚みを含んだものである。
(基材フィルム)
接着部材10は、第1の水系接着剤層11、無配向フィルム12および第2の水系接着剤層13以外の他の層として第1の基材フィルムおよび第2の基材フィルムを備えることができる。基材フィルムは、水系接着剤層の表面を保護する機能を有することができる。
接着部材10が第1の基材フィルムおよび第2の基材フィルムを備える場合、第1の基材フィルムは、第1の水系接着剤層11を介して無配向フィルム12に積層され、第2の基材フィルムは、第2の水系接着剤層13を介して、無配向フィルム12に積層されることができる。
接着部材10は、第1の水系接着剤層11、無配向フィルム12および第2の水系接着剤層13以外の他の層として第1の基材フィルムおよび第2の基材フィルムを備えることができる。基材フィルムは、水系接着剤層の表面を保護する機能を有することができる。
接着部材10が第1の基材フィルムおよび第2の基材フィルムを備える場合、第1の基材フィルムは、第1の水系接着剤層11を介して無配向フィルム12に積層され、第2の基材フィルムは、第2の水系接着剤層13を介して、無配向フィルム12に積層されることができる。
基材フィルムを備える接着部材について図2を参照しながら説明する。図2に示す接着部材20は、第1の基材フィルム24、第1の水系接着剤層21、無配向フィルム22、第2の水系接着剤層23、第2の基材フィルム25をこの順に備える。基材フィルムは、例えば透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂等から形成されることができる。熱可塑性樹脂としては、上述の無配向フィルム12の説明において例示した熱可塑性樹脂を用いることができる。基材フィルムは、配向性を有していてもよいし、無配向であってもよい。
基材フィルムの厚みは特に限定されないが、一般には強度や取扱い性等の作業性の点から1μm以上300μm以下であることが好ましく、20μm以上200μm以下であることがより好ましい。
第1の基材フィルム24および第2の基材フィルム25は、同種の熱可塑性樹脂で構成されていてもよいし、異種の熱可塑性樹脂で構成されていてもよい。また、厚みが同じであってもよいし異なっていてもよい。
第1の基材フィルム24および第2の基材フィルム25は、それぞれ第1の水系接着剤層21および第2の水系接着剤層23から剥離可能であることができる。基材フィルムは通常、接着部材が被着体に貼合される前に接着部材から剥離除去される。
基材フィルムは、水系接着剤層側の面に剥離層を備えていてもよい。剥離層は、例えば剥離層形成用組成物から形成することができる。剥離層形成用組成物を構成する主な成分(樹脂)としては、特に限定されるものではないが、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、および長鎖アルキル樹脂等が挙げられる。
第1の基材フィルム24の第1の水系接着剤層21に対する剥離力(以下、第1剥離力ともいう)と、第2の基材フィルム25の第2の水系接着剤層23に対する剥離力(以下、第2剥離力ともいう)とは異なっていてもよいし、同一であってもよい。第1の基材フィルム24および第2の基材フィルム25を剥離する順番を制御し易くするために第1剥離力および第2剥離力を調節することができる。第1剥離力および第2剥離力は例えば0.1N/25mm以上5.0N/25mm以下であってよい。第1剥離力および第2剥離力は、接着部材を幅25mmの短冊状に切り出し、180℃の角度および300mm/minの速度で接着部材の片端部を引張り、基材フィルムを剥離したときの剥離力である。
第1剥離力および第2剥離力が異なる場合、第1剥離力および第2剥離力の差の絶対値は、例えば0.01N/25mm以上1.0N/25mm以下であってよく、好ましくは0.05N/25mm以上0.5N/25mm以下である。
第1の基材フィルム24および第2の基材フィルム25の少なくとも一方の温度40℃、相対湿度90%RHにおける透湿度は100g/m2・24hr以上であることが好ましい。一方の基材フィルムの透湿度が上記範囲内であることにより、水系接着剤からの水分が十分に除去され易くなる傾向となる。第1の基材フィルム24、及び第2の基材フィルム25の温度40℃、相対湿度90%RHにおける透湿度は、ともに100g/m2・24hr以上であってもよい。
前記基材の透湿度は、例えば150g/m2・24hr以上であってよく、好ましくは200g/m2・24hr以上、より好ましくは300g/m2・24hr以上である。前記基材の透湿度は、例えば1500g/m2・24hr以下であることができる。
基材フィルムの温度40℃、相対湿度90%RHにおける透湿度は、恒温恒湿槽を用い、温度40℃、相対湿度90%RH、測定時間24時間の測定条件で、透湿度試験方法(カップ法、JIS Z 0208に準じる)によって測定される水蒸気透過率である。
(接着部材の用途)
接着部材は、接着剤を加熱したり、接着剤に活性エネルギー線を照射したりせずとも被着体に貼合可能であることから、耐熱性の低い被着体や透光性の低い被着体を接合する接着部材として好適である。接着部材は、例えば被着体同士が貼合された積層体に用いることができる。被着体としては、例えば光学部材等が挙げられる。
接着部材は、接着剤を加熱したり、接着剤に活性エネルギー線を照射したりせずとも被着体に貼合可能であることから、耐熱性の低い被着体や透光性の低い被着体を接合する接着部材として好適である。接着部材は、例えば被着体同士が貼合された積層体に用いることができる。被着体としては、例えば光学部材等が挙げられる。
接着部材は、被着体に対する密着性を高める観点から好ましくは被着体に貼合される前に水系接着剤層の無配向フィルム側とは反対側の表面(接着部材が基材フィルムを有する場合、基材フィルムを剥離して水系接着剤層を露出した面)に対し表面活性化処理が施され、次いで被着体に貼合される。表面活性化処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、放電処理(グロー放電処理等)、火炎処理、などを挙げることができる。これらの表面活性化処理は、単独で行ってもよいし、2つ以上を組み合わせてもよい。中でもコロナ処理が好ましい。コロナ処理は、例えば1kJ/m2以上50kJ/m2以下の出力で行うことができる。
接着部材は、被着体に対する密着性を高める観点から好ましくは被着体に貼合された後、加熱処理が施されてもよい。加熱処理の温度は、例えば20℃以上90℃以下であってよく、好ましくは40℃以上90℃以下、さらに好ましくは60℃以上90℃以下であり、特に好ましくは75℃以上85℃以下である。加熱処理の時間は、例えば1分以上2時間以下であることができる。
積層体の被着体と水系接着剤層との間の密着力が例えば0.5N/25mm以上であってよく、好ましくは1.0N/25mm以上、より好ましくは2N/25mm以上である。上記密着力は、例えば、環状ポリオレフィン系樹脂(COP)フィルムとの密着力を測定する場合には、次のような方法により測定される。接着部材の第1の接着剤層側の表面にコロナ処理を施した後、ケン化処理したトリアセチルセルロース系樹脂(TAC)フィルムを貼合する。次いで接着部材の第2の接着剤層側の表面にコロナ処理を施した後、コロナ処理を施した環状ポリオレフィン系樹脂(COP)フィルムを貼合する。TACフィルム/接着部材/COPフィルムの層構成を有する積層体を幅25mmの短冊状の試験片に切り出した後、COPフィルム側を、粘着剤層を介してガラス板に貼着する。株式会社島津製作所製の精密万能試験機「オートグラフAGS-50NX」を用いて、トリアセチルセルロース系樹脂(TAC)フィルムから第2の接着剤層までを掴み、剥離速度300mm/minで温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境下で180°方向に剥がすときの力を測定する。
(積層体)
接着部材は、例えば光学部材同士が貼合された積層体に用いることができる。光学部材の例としては直線偏光板、位相差層、前面板、タッチパネル、プロテクトフィルム等が挙げられる。貼合される光学部材は、互いに同種であってもよいし、異種であってもよい。積層体としては、例えば円偏光板や位相差層積層体等であってよい。
接着部材は、例えば光学部材同士が貼合された積層体に用いることができる。光学部材の例としては直線偏光板、位相差層、前面板、タッチパネル、プロテクトフィルム等が挙げられる。貼合される光学部材は、互いに同種であってもよいし、異種であってもよい。積層体としては、例えば円偏光板や位相差層積層体等であってよい。
(直線偏光板)
直線偏光板は通常、保護フィルムと偏光子とを備えることができる。保護フィルムと偏光子とは後述の貼合層を介して貼合されてよく、好ましくは水系接着剤層を介して貼合される。直線偏光板は、偏光子の片側に保護フィルムを備えていてもよいし、偏光子の両側に保護フィルムを備えていてもよい。
直線偏光板は通常、保護フィルムと偏光子とを備えることができる。保護フィルムと偏光子とは後述の貼合層を介して貼合されてよく、好ましくは水系接着剤層を介して貼合される。直線偏光板は、偏光子の片側に保護フィルムを備えていてもよいし、偏光子の両側に保護フィルムを備えていてもよい。
(保護フィルム)
保護フィルムは、偏光子等を保護する機能を有することができる。保護フィルムは、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂からなるフィルムであることができる。熱可塑性樹脂としては、上述の無配向フィルム12の説明において例示した熱可塑性樹脂を用いることができる。
保護フィルムは、偏光子等を保護する機能を有することができる。保護フィルムは、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂からなるフィルムであることができる。熱可塑性樹脂としては、上述の無配向フィルム12の説明において例示した熱可塑性樹脂を用いることができる。
保護フィルムの厚みは通常、1μm以上100μm以下であるが、強度や取扱性等の観点から5μm以上60μm以下であることが好ましく、10μm以上55μm以下であることがより好ましく、15μm以上40μm以下であることがさらに好ましい。
保護フィルムとしては、視野角補償などの目的で位相差機能を備えていてもよく、その場合、フィルム自身が位相差機能を有していてもよく、位相差層を別に有していてもよく、両者の組み合わせであってもよい。
直線偏光板が偏光子の両側に保護フィルムを有する場合、保護フィルムは同種の熱可塑性樹脂で構成されていてもよいし、異種の熱可塑性樹脂で構成されていてもよい。また、厚みが同じであってもよいし、異なっていてもよい。さらに、同じ位相差特性を有していてもよいし、異なる位相差特性を有していてもよい。
保護フィルムは、その外面(偏光子とは反対側の面)に、ハードコート層、防眩層、光拡散層、反射防止層、低屈折率層、帯電防止層、防汚層のような表面処理層(コーティング層)を備えるものであってもよい。なお、保護フィルムの厚みは、表面処理層の厚みを含んだものである。
(偏光子)
偏光子としては二色性色素を吸着させた延伸フィルムまたは延伸層、二色性色素を塗布し硬化させてなる偏光子層等が挙げられる。偏光子が偏光子用基材フィルムおよび配向膜を含む場合、それらを含めて偏光子という。
偏光子としては二色性色素を吸着させた延伸フィルムまたは延伸層、二色性色素を塗布し硬化させてなる偏光子層等が挙げられる。偏光子が偏光子用基材フィルムおよび配向膜を含む場合、それらを含めて偏光子という。
二色性色素として、具体的には、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。二色性有機染料としては、例えばアゾ系色素等が挙げられる。アゾ系色素には、例えばC.I.DIRECT RED 39等のジスアゾ化合物からなる二色性直接染料、トリスアゾ、テトラキスアゾ等の化合物からなる二色性直接染料が包含される。
(二色性色素を吸着させた延伸フィルムまたは延伸層)
二色性色素を吸着させた延伸フィルムは、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、およびホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。
二色性色素を吸着させた延伸フィルムの厚みは、例えば2μm以上40μm以下であってよく、5μm以上であってもよく、20μm以下、さらには15μm以下、なおさらには10μm以下であってもよい。
二色性色素を吸着させた延伸フィルムは、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、およびホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。
二色性色素を吸着させた延伸フィルムの厚みは、例えば2μm以上40μm以下であってよく、5μm以上であってもよく、20μm以下、さらには15μm以下、なおさらには10μm以下であってもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することによって得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体が用いられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85モル%以上100モル%以下程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールも使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1000以上10000以下であり、好ましくは1500以上5000以下である。
二色性色素を吸着させた延伸層は、通常、上記ポリビニルアルコール系樹脂を含む塗布液を偏光子用基材フィルム上に塗布する工程、得られた積層フィルムを一軸延伸する工程、一軸延伸された積層フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させて偏光子層とする工程、二色性色素が吸着されたフィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、およびホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。
必要に応じて、偏光子用基材フィルムを二色性色素を吸着させた延伸層から剥離除去してもよい。偏光子用基材フィルムの材料および厚みは、上述の無配向フィルムの材料および厚みと同様であってよい。
必要に応じて、偏光子用基材フィルムを二色性色素を吸着させた延伸層から剥離除去してもよい。偏光子用基材フィルムの材料および厚みは、上述の無配向フィルムの材料および厚みと同様であってよい。
(二色性色素を塗布し硬化させてなる偏光子層)
二色性色素を塗布し硬化させてなる偏光子層としては、液晶性を有する重合性の二色性色素を含む組成物または重合性液晶化合物と二色性色素とを含む組成物を偏光子用基材フィルムに塗布し硬化させて得られる層等の重合性液晶化合物の硬化物を含む偏光子層が挙げられる。偏光子用基材フィルムは一方の面に配向膜が設けられていてもよい。配向膜の厚みは、例えば5nm以上1μm以下であってよい。
二色性色素を塗布し硬化させてなる偏光子層としては、液晶性を有する重合性の二色性色素を含む組成物または重合性液晶化合物と二色性色素とを含む組成物を偏光子用基材フィルムに塗布し硬化させて得られる層等の重合性液晶化合物の硬化物を含む偏光子層が挙げられる。偏光子用基材フィルムは一方の面に配向膜が設けられていてもよい。配向膜の厚みは、例えば5nm以上1μm以下であってよい。
偏光子は、偏光子用基材フィルムと共に直線偏光板に組込まれてもよいし、偏光子用基材フィルムを二色性色素を塗布し硬化させてなる偏光子層から剥離除去して直線偏光板に組込まれてもよい。偏光子用基材フィルムの材料および厚みは、上述の無配向フィルムの材料および厚みと同様であってよい。偏光子用基材フィルムは、少なくとも一方の面に保護層としてハードコート層(HC層)が形成されていてもよい。
二色性色素を塗布し硬化させてなる偏光子層の厚みは、通常10μm以下であり、好ましくは8μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。
(貼合層)
貼合層は、粘着剤層であってもよいし、接着剤層であってもよい。貼合層は、偏光子と保護フィルムとを貼合したり、位相差層同士を貼合したり、後述のプロテクトフィルム、前面板およびタッチパネルを直線偏光板に貼合したり、積層体を画像表示素子に貼合したりする機能を有することができる。
貼合層は、粘着剤層であってもよいし、接着剤層であってもよい。貼合層は、偏光子と保護フィルムとを貼合したり、位相差層同士を貼合したり、後述のプロテクトフィルム、前面板およびタッチパネルを直線偏光板に貼合したり、積層体を画像表示素子に貼合したりする機能を有することができる。
粘着剤層は、(メタ)アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂のような樹脂を主成分とする粘着剤組成物で構成することができる。中でも、透明性、耐候性、耐熱性等に優れる(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好適である。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型であってもよい。粘着剤層の厚みは、通常3μm以上30μm以下であり、好ましくは3μm以上25μm以下である。
粘着剤組成物に用いられる(メタ)アクリル系樹脂(ベースポリマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステルの1種または2種以上をモノマーとする重合体または共重合体が好適に用いられる。ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させることが好ましい。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等を有するモノマーを挙げることができる。
粘着剤組成物は、上記ベースポリマーのみを含むものであってもよいが、通常は架橋剤をさらに含有する。架橋剤としては、2価以上の金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成するもの;ポリアミン化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの;ポリエポキシ化合物やポリオールであって、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するもの;ポリイソシアネート化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するものが例示される。中でも、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
粘着剤層の厚みは、1μm以上200μm以下が好ましく、2μm以上100μm以下がより好ましく、2μm以上80μm以下がさらに好ましく、3μm以上50μm以下が特に好ましい。
接着剤層を構成する接着剤は、任意の適切な接着剤を用いることができる。接着剤は、水系接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤などを用いることができる。
接着剤の塗布時の厚みは、任意の適切な値に設定され得る。例えば、硬化後または加熱(乾燥)後に、所望の厚みを有する接着剤層が得られるように設定する。接着剤層の厚みは、好ましくは0.01μm以上7μm以下であり、より好ましくは0.01μm以上5μm以下であり、さらに好ましくは0.01μm以上2μm以下であり、最も好ましくは0.01μm以上1μm以下である。
水系接着剤としては、上述の水系接着剤を用いることができる。
上記活性エネルギー線硬化性接着剤とは、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する硬化性化合物を含有する接着剤であり、好ましくは紫外線硬化性接着剤である。
上記硬化性化合物は、カチオン重合性の硬化性化合物やラジカル重合性の硬化性化合物であることができる。カチオン重合性の硬化性化合物としては、例えば、エポキシ系化合物(分子内に1個または2個以上のエポキシ基を有する化合物)や、オキセタン系化合物(分子内に1個または2個以上のオキセタン環を有する化合物)、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。ラジカル重合性の硬化性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル系化合物(分子内に1個または2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物)や、ラジカル重合性の二重結合を有するその他のビニル系化合物、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。カチオン重合性の硬化性化合物とラジカル重合性の硬化性化合物とを併用してもよい。活性エネルギー線硬化性接着剤は通常、上記硬化性化合物の硬化反応を開始させるためのカチオン重合開始剤およびラジカル重合開始剤の少なくとも一方をさらに含む。
接着性を高めるために、接着剤層および接着剤層に貼合する層の少なくともいずれか一方の貼合面に表面活性化処理を施してもよい。
(位相差層)
位相差層は、重合性液晶化合物の硬化層(以下、簡略化して硬化層ともいう)を含む。硬化層は、位相差特性を有する層であり、重合性液晶化合物が配向状態で重合硬化し、位相差特性を発現する硬化層である。位相差層は、重合性液晶化合物の硬化層を1層のみ備えていてもよいし、重合性液晶化合物の硬化層を2層以上備えていてもよい。
位相差層は、重合性液晶化合物の硬化層(以下、簡略化して硬化層ともいう)を含む。硬化層は、位相差特性を有する層であり、重合性液晶化合物が配向状態で重合硬化し、位相差特性を発現する硬化層である。位相差層は、重合性液晶化合物の硬化層を1層のみ備えていてもよいし、重合性液晶化合物の硬化層を2層以上備えていてもよい。
位相差層は、例えば1/2波長位相差層、1/4波長位相差層またはポジティブCプレートであってよく、これらが積層された位相差層積層体であってもよい。2以上の位相差層が積層される場合、位相差層同士は後述の貼合層によって貼合されることができる。位相差層が1/4波長位相差層である場合、位相差層は、逆波長分散性を有することが好ましい。
逆波長分散性とは、短波長での液晶配向面内位相差値の方が長波長での液晶配向面内位相差値よりも小さくなる光学特性であり、好ましくは、光学フィルムが下記式(i)及び式(ii)を満たすことである。なお、Re(λ)は波長λnmの光に対する面内位相差値を表す。
Re(450)/Re(550)≦1 (i)
1≦Re(630)/Re(550) (ii)
Re(450)/Re(550)≦1 (i)
1≦Re(630)/Re(550) (ii)
位相差層が位相差層積層体である場合、第1の位相差層および第2の位相差層を含むことができる。位相差層積層体を構成する位相差層のうちの一方が1/4波長位相差層であり、他方が1/2波長位相差層であることができる。例えば、第1の位相差層および第2の位相差層は、それぞれ1/4波長位相差層、1/2波長位相差層であることができる。位相差層積層体を構成する位相差層のうちの一方が逆波長分散性の1/4波長位相差層であり、他方がポジティブCプレートであることができる。例えば、第1の位相差層および第2の位相差層は、それぞれ逆波長分散性の1/4波長位相差層、ポジティブCプレートである。
重合性液晶化合物としては、棒状の重合性液晶化合物及び円盤状の重合性液晶化合物が挙げられ、これらのうちの一方を用いてもよく、これらの両方を含む混合物を用いてもよい。棒状の重合性液晶化合物が基材層に対して水平配向又は垂直配向した場合は、該重合性液晶化合物の光軸は、該重合性液晶化合物の長軸方向と一致する。円盤状の重合性液晶化合物が配向した場合は、該重合性液晶化合物の光軸は、該重合性液晶化合物の円盤面に対して直交する方向に存在する。棒状の重合性液晶化合物としては、例えば、特表平11-513019号公報(請求項1等)に記載のものを好適に用いることができる。円盤状の重合性液晶化合物としては、特開2007-108732号公報(段落[0020]~[0067]等)、特開2010-244038号公報(段落[0013]~[0108]等)に記載のものを好適に用いることができる。
重合性液晶化合物を重合することによって形成される硬化層が面内位相差を発現するためには、重合性液晶化合物を適した方向に配向させればよい。重合性液晶化合物が棒状の場合は、該重合性液晶化合物の光軸を位相差層用基材フィルム平面に対して水平に配向させることで面内位相差が発現し、この場合、光軸方向と遅相軸方向とは一致する。重合性液晶化合物が円盤状の場合は、該重合性液晶化合物の光軸を位相差層用基材フィルム平面に対して水平に配向させることで面内位相差が発現し、この場合、光軸と遅相軸とは直交する。重合性液晶化合物の配向状態は、配向膜と重合性液晶化合物との組み合わせによって調整することができる。
重合性液晶化合物は、少なくとも1つの重合性基を有し、かつ、液晶性を有する化合物である。重合性液晶化合物を2種類以上を併用する場合、少なくとも1種類が分子内に2以上の重合性基を有することが好ましい。重合性基とは、重合反応に関与する基を意味し、光重合性基であることが好ましい。ここで、光重合性基とは、後述する光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸等によって重合反応に関与し得る基のことをいう。重合性基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1-クロロビニル基、イソプロペニル基、4-ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基、スチリル基、アリル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。重合性液晶化合物が有する液晶性はサーモトロピック性液晶でもリオトロピック液晶でもよく、サーモトロピック液晶を秩序度で分類すると、ネマチック液晶でもスメクチック液晶でもよい。
位相差層は配向膜を含んでいてもよい。配向膜は、重合性液晶化合物を所望の方向に配向させる配向規制力を有する。配向膜は、重合性液晶化合物の分子軸を基材層に対して垂直配向した垂直配向膜であってもよく、重合性液晶化合物の分子軸を基材層に対して水平配向した水平配向膜であってもよく、重合性液晶化合物の分子軸を基材層に対して傾斜配向させる傾斜配向膜であってもよい。位相差層が2以上の配向膜を含む場合、配向膜は互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
配向膜としては、重合性液晶化合物を含む液晶層形成用組成物の塗工等により溶解しない溶媒耐性を有し、溶媒の除去や重合性液晶化合物の配向のための加熱処理に対する耐熱性を有するものが好ましい。配向膜としては、配向性ポリマーで形成された配向性ポリマー層、光配向ポリマーで形成された光配向性ポリマー層、層表面に凹凸パターンや複数のグルブ(溝)を有するグルブ配向膜を挙げることができる。
位相差層の硬化層の厚みは、0.1μm以上であってもよく、0.5μm以上であってもよく、1μm以上であってもよく、2μm以上であってもよく、また、10μm以下であることが好ましく、8μm以下であってもよく、5μm以下であってもよい。
硬化層は、位相差層用基材フィルム上に、重合性液晶化合物を含む液晶層形成用組成物を塗布、乾燥し、重合性液晶化合物を重合させることによって形成することができる。液晶層形成用組成物は、位相差層用基材フィルム上に形成された配向膜上に塗布してもよい。位相差層用基材フィルムの材料は上述の基材フィルムの材料を用いることができる。
(プロテクトフィルム)
積層体は、その表面(典型的には、ハードコート層または保護フィルムの表面)を保護するためのプロテクトフィルムが積層されていてもよい。プロテクトフィルムは、例えば画像表示素子や他の光学部材に積層体が貼合された後、それが有する粘着剤層ごと剥離除去される。
積層体は、その表面(典型的には、ハードコート層または保護フィルムの表面)を保護するためのプロテクトフィルムが積層されていてもよい。プロテクトフィルムは、例えば画像表示素子や他の光学部材に積層体が貼合された後、それが有する粘着剤層ごと剥離除去される。
プロテクトフィルムは、例えばプロテクトフィルム用基材フィルムとその上に積層される粘着剤層とで構成される。粘着剤層については上述の記述が引用される。プロテクトフィルム用基材フィルムを構成する樹脂は、例えば、ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂等の熱可塑性樹脂であることができる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂である。
プロテクトフィルムの厚みとしては、特に限定されないが、20μm以上200μm以下の範囲とすることが好ましい。基材の厚みが20μm以上であると、積層体に強度が付与され易くなる傾向にある。
(前面板)
前面板としては、適宜の機械強度および厚みを有する前面板が用いられる。このような前面板としては、例えばポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂のような透明樹脂板、あるいはガラス板等が挙げられる。前面板の視認側には反射防止層などの機能層が積層されていても構わない。また、前面板が透明樹脂板の場合は、物理強度を上げるためにハードコート層や、透湿度を下げるために低透湿層が積層されていても構わない。前面板は、積層体が画像表示装置に貼合される際に積層体の視認側の最外面に貼合されることができる。
前面板としては、適宜の機械強度および厚みを有する前面板が用いられる。このような前面板としては、例えばポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂のような透明樹脂板、あるいはガラス板等が挙げられる。前面板の視認側には反射防止層などの機能層が積層されていても構わない。また、前面板が透明樹脂板の場合は、物理強度を上げるためにハードコート層や、透湿度を下げるために低透湿層が積層されていても構わない。前面板は、積層体が画像表示装置に貼合される際に積層体の視認側の最外面に貼合されることができる。
(タッチパネル)
タッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、超音波方式等の各種タッチパネルや、タッチセンサー機能を備えるガラス板や透明樹脂板等が用いられる。透明部材として静電容量方式のタッチパネルが用いられる場合、タッチパネルよりもさらに視認側に、ガラスや透明樹脂板からなる前面板が設けられることが好ましい。
タッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、超音波方式等の各種タッチパネルや、タッチセンサー機能を備えるガラス板や透明樹脂板等が用いられる。透明部材として静電容量方式のタッチパネルが用いられる場合、タッチパネルよりもさらに視認側に、ガラスや透明樹脂板からなる前面板が設けられることが好ましい。
(積層体の層構成)
図3に示す積層体30は、直線偏光板31と、接着部材32と、位相差層33とを備える。直線偏光板31は、保護フィルム34と偏光子35とを備える。接着部材32は、第1の水系接着剤層36と、無配向フィルム37と、第2の水系接着剤層38とを備える。
図3において直線偏光板31は偏光子35側の面が接着部材32に貼合されているが、直線偏光板31の保護フィルム34側の面を接着部材32に貼り合わせることもできる。また、直線偏光板31の保護フィルム34側の面を接着部材32に貼り合わせる場合、保護フィルムの貼合面にはハードコート層等が形成されていてもよい。また、位相差層33の接着部材32側は硬化層であってよく、配向膜または基材フィルムであってもよい。
図3に示す積層体30は、直線偏光板31と、接着部材32と、位相差層33とを備える。直線偏光板31は、保護フィルム34と偏光子35とを備える。接着部材32は、第1の水系接着剤層36と、無配向フィルム37と、第2の水系接着剤層38とを備える。
図3において直線偏光板31は偏光子35側の面が接着部材32に貼合されているが、直線偏光板31の保護フィルム34側の面を接着部材32に貼り合わせることもできる。また、直線偏光板31の保護フィルム34側の面を接着部材32に貼り合わせる場合、保護フィルムの貼合面にはハードコート層等が形成されていてもよい。また、位相差層33の接着部材32側は硬化層であってよく、配向膜または基材フィルムであってもよい。
(積層体の用途)
積層体は、画像表示装置に用いることができる。画像表示装置としては特に限定されず、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(無機EL)表示装置、液晶表示装置、タッチパネル表示装置、電界発光表示装置等を挙げることができる。積層体は、画像表示装置の視認側(前面側)に配置されることもできるし、背面側に配置されることもできる。
積層体は、画像表示装置に用いることができる。画像表示装置としては特に限定されず、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(無機EL)表示装置、液晶表示装置、タッチパネル表示装置、電界発光表示装置等を挙げることができる。積層体は、画像表示装置の視認側(前面側)に配置されることもできるし、背面側に配置されることもできる。
<接着部材の製造方法>
本発明の接着部材の製造方法は、無配向フィルムの一方の面に、第1の水系接着剤の塗膜を形成する第1工程と、第1の水系接着剤の塗膜を乾燥させて、第1の水系接着剤層を形成する第2工程と、無配向フィルムの他方の面に、第2の水系接着剤の塗膜を形成する第3工程と、第2の水系接着剤の塗膜を乾燥させて、第2の水系接着剤層を形成する第4工程とを備える。第1の水系接着剤層、無配向フィルム、第2の水系接着剤層について、それぞれ、上述の接着部材についての第1の水系接着剤層、無配向フィルム、第2の水系接着剤層の説明が適用される。
本発明の接着部材の製造方法は、無配向フィルムの一方の面に、第1の水系接着剤の塗膜を形成する第1工程と、第1の水系接着剤の塗膜を乾燥させて、第1の水系接着剤層を形成する第2工程と、無配向フィルムの他方の面に、第2の水系接着剤の塗膜を形成する第3工程と、第2の水系接着剤の塗膜を乾燥させて、第2の水系接着剤層を形成する第4工程とを備える。第1の水系接着剤層、無配向フィルム、第2の水系接着剤層について、それぞれ、上述の接着部材についての第1の水系接着剤層、無配向フィルム、第2の水系接着剤層の説明が適用される。
本発明の接着部材の製造方法について図4を参照しながら説明する。第1工程において、無配向フィルム41の一方の面に第1の水系接着剤の塗膜45を形成する[図4(a)]。第1の水系接着剤を無配向フィルム41上に塗布する方法は、従来公知の方法により行うことができる。第1工程は、第1の水系接着剤の塗膜45を介して、無配向フィルム41と、第1の基材フィルム47とを積層する工程を含むことができる[図4(a1)]。第1の基材フィルム47は、後述の第1の水系接着剤層46から剥離可能であることができる。
第2工程において、第1の水系接着剤の塗膜45を乾燥させて第1の水系接着剤層46を形成する[図4(b)]。第1の基材フィルム47が積層されている場合、第2工程は、第1の基材フィルム47を第1の水系接着剤層46から剥離する工程[図4(b1)]を含むことができる。第1の水系接着剤の塗膜45を乾燥させる方法としては、従来公知の方法により行うことができる。第1の水系接着剤の塗膜45の乾燥温度としては、例えば20℃以上90℃以下であってよい。第1の水系接着剤の塗膜45の乾燥時間は、例えば1分以上60分以下であってよい。
第3工程において、無配向フィルム41の他方の面に第2の水系接着剤の塗膜48を形成する[図4(c)]。第2の水系接着剤を無配向フィルム41上に塗布する方法は、従来公知の方法により行うことができる。第3工程は、第2の水系接着剤の塗膜48を介して、無配向フィルム41と、第2の基材フィルム50とを積層する工程を含むことができる[図4(c1)]。第2の基材フィルム50は、後述の第2の水系接着剤層49から剥離可能であることができる。
第4工程において、第2の水系接着剤の塗膜48を乾燥させて第2の水系接着剤層49を形成し、接着部材40を得る[図4(d)]。第2の基材フィルム50が積層されている場合、第4工程は、第2の基材フィルム50を第2の水系接着剤層49から剥離する工程[図4(d1)]を含むことができる。第2の水系接着剤の塗膜48を乾燥させる方法としては、従来公知の方法により行うことができる。第2の水系接着剤の塗膜48の乾燥温度としては、例えば20℃以上90℃以下であってよい。第2の水系接着剤の塗膜48の乾燥時間は、例えば1分以上60分以下であってよい。
本発明の接着部材の製造方法として、もう1つの好ましい方法としては、無配向フィルムの一方の面に第1の水系接着剤の塗膜を形成し、他方の面に第2の水系接着剤の塗膜を形成する第1工程と、第1の水系接着剤の塗膜および第2の水系接着剤の塗膜を乾燥させて、第1の水系接着剤層および第2の水系接着剤層を形成する第2工程とを備える方法が挙げられる。
第1工程では、無配向フィルムの一方の面に第1の水系接着剤の塗膜を形成し、他方の面に第2の水系接着剤の塗膜を形成する。第1工程では、第1の水系接着剤の塗膜を介して、無配向フィルムと、第1の基材フィルムとを積層するとともに、第2の水系接着剤の塗膜を介して、無配向フィルムと、第2の基材フィルムとを積層する工程を含むことが好ましい。
第2工程において、第1の水系接着剤の塗膜および第2の水系接着剤の塗膜を乾燥させて第1の水系接着剤層および第2の水系接着剤層を形成する。第1の基材フィルムおよび第2の基材フィルムが積層されている場合、第2工程は、第1の基材フィルムと第2の基材フィルムをそれぞれ第1の水系接着剤層および第2の水系接着剤層から剥離する工程を含むことができる。第1及び第2の水系接着剤の塗膜を乾燥させる方法としては、従来公知の方法により行うことができる。第1及び第2の水系接着剤の塗膜の乾燥温度としては、例えば20℃以上90℃以下であってよい。第1および第2の水系接着剤の塗膜の乾燥時間は、例えば1分以上60分以下であってよい。
基材フィルムは、水系接着剤層側の面に剥離層を備えていてもよい。剥離層は、例えば剥離層形成用組成物から形成することができる。剥離層形成用組成物を構成する主な成分(樹脂)としては、特に限定されるものではないが、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、および長鎖アルキル樹脂等が挙げられる。
第1の基材フィルム24および第2の基材フィルム25の少なくとも一方の温度40℃、相対湿度90%RHにおける透湿度は100g/m2・24hr以上であることが好ましい。前記透湿度が上記範囲内であることにより、基材フィルムを有する接着部材を製造する場合でも水系接着剤を乾燥させたときに水系接着剤からの水分が十分に除去される傾向となる。第1の基材フィルム24および第2の基材フィルム25の温度40℃、相対湿度90%RHにおける透湿度は、ともに100g/m2・24hr以上であってもよい。
前記基材の透湿度は、例えば150g/m2・24hr以上であってよく、好ましくは200g/m2・24hr以上、より好ましくは300g/m2・24hr以上である。前記基材の透湿度は、例えば1500g/m2・24hr以下であることができる。
10,20,32,40 接着部材、30 積層体、11,21,36,46 第1の水系接着剤層、12,22,37,41 無配向フィルム、13,23,38,49 第2の水系接着剤層、24,47 第1の基材フィルム、25,50 第2の基材フィルム、31 直線偏光板、33 位相差層、34 保護フィルム、35 偏光子、45 第1の水系接着剤の塗膜、48 第2の水系接着剤の塗膜。
Claims (7)
- 第1の水系接着剤層と、無配向フィルムと、第2の水系接着剤層とを、この順に備える接着部材。
- 第1の基材フィルムおよび第2の基材フィルムを備え、
前記第1の基材フィルムは、前記第1の水系接着剤層を介して、前記無配向フィルムに積層され、
前記第2の基材フィルムは、前記第2の水系接着剤層を介して、前記無配向フィルムに積層され、
前記第1の基材フィルムおよび前記第2の基材フィルムはそれぞれ、前記第1の水系接着剤層および前記第2の水系接着剤層から剥離可能である、請求項1に記載の接着部材。 - 前記第1の基材フィルムの前記第1の水系接着剤層に対する剥離力と、前記第2の基材フィルムの前記第2の水系接着剤層に対する剥離力とが異なる、請求項2に記載の接着部材。
- 前記第1の基材フィルム、および前記第2の基材フィルムの少なくとも一方の温度40℃、相対湿度90%RHにおける透湿度は、100g/m2・24hr以上である、請求項2または3に記載の接着部材。
- 無配向フィルムの一方の面に、第1の水系接着剤の塗膜を形成する第1工程と、
前記第1の水系接着剤の塗膜を乾燥させて、第1の水系接着剤層を形成する第2工程と、
前記無配向フィルムの他方の面に、第2の水系接着剤の塗膜を形成する第3工程と、
前記第2の水系接着剤の塗膜を乾燥させて、第2の水系接着剤層を形成する第4工程と
を備える、接着部材の製造方法。 - 前記第1工程は、前記第1の水系接着剤の塗膜を介して、前記無配向フィルムと、第1の基材フィルムとを積層する工程を含み、
前記第3工程は、前記第2の水系接着剤の塗膜を介して、前記無配向フィルムと、第2の基材フィルムとを積層する工程を含み、
前記第1の基材フィルムおよび前記第2の基材フィルムはそれぞれ、前記第1の水系接着剤層および前記第2の水系接着剤層から剥離可能である、請求項5に記載の接着部材の製造方法。 - 前記第1の基材フィルム、および前記第2の基材フィルムの少なくとも一方の温度40℃、相対湿度90%RHにおける透湿度は、100g/m2・24hr以上である、請求項6に記載の接着部材の製造方法。
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