JP2023035934A - 光学装置及びその製造方法 - Google Patents

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淳 山内
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Abstract

【課題】光学装置の製造において、カラーフィルタ層の除去に伴う光学素子のダメージを生じ難くし得る技術を提供する。【解決手段】光学装置ODは、一方の主面に複数の光学素子が設けられたシリコン基板1と、前記主面上に設けられた無機封止層8と、前記無機封止層8上に設けられたカラーフィルタ層11と、前記無機封止層8と前記カラーフィルタ層11との間に設けられ、無機物及びシリコン樹脂の少なくとも一方を含んだ光透過性機能層9とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、光学装置に関する。
近年、携帯電話機や携帯情報端末などの電子機器に搭載される表示装置には、更なる薄型・軽量化や曲面表示の要求がある。このような要求へ応えることは、現在の主流である液晶表示装置では困難である。これら要求に応えるべく、自発光素子である有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子や発光ダイオード(LED)を用いた表示装置の開発・量産化が進んでいる。
電子機器のなかでも、ヘッドマウントディスプレイ及び電子ビューファインダなどの高精細且つ外形0.5インチ程度の小型ディスプレイ(以下、マイクロディスプレイと称する)では、表示装置の薄型・軽量化が特に重要である。それ故、自発光素子を用いた表示装置は、マイクロディスプレイへの応用が特に期待されている。
マイクロディスプレイへの応用が可能な有機EL表示装置には、以下の2つの表示方式の何れかを採用することができる。
一方の表示方式は、トランジスタ等が形成されたシリコン基板上へ白色に発光する有機EL素子を形成し、それらの上へ、3色以上の、例えば、赤色、緑色及び青色着色層を含んだカラーフィルタ層を形成して色表現をする方式である。なお、このようなカラーフィルタ層は、一般的に、オンチップカラーフィルタ(OCF)と呼ばれている。
他方の表示方式は、色が異なる光、例えば、赤色、緑色及び青色光を発する有機EL素子を形成して色表現する方式である。
これらのうち、後者の表示方式で形状の良い微細な画素を形成するには、例えば、発光材料に感光性を付与することが必要である。しかしながら、これは難しい。そして、マイクロディスプレイは画素が微細であり、その画素サイズは数μm乃至30μmである。それ故、後者の表示方式を採用したマイクロディスプレイは、未だ本格的な量産化には至っていない。
なお、中型乃至大型の有機EL表示装置には、白色に発光する有機EL素子等が形成されたアレイ基板と、カラーフィルタ層を含んだカラーフィルタ基板とを貼り合わせることにより色表現をする表示方式を採用しているものもある。しかしながら、マイクロディスプレイのように画素が微細である場合、それら基板を色ズレがないように精度よく貼り合わせることは極めて困難である。
以上の理由から、現状では、有機EL素子を含んだ多くのマイクロディスプレイは、白色に発光する有機EL素子の上へカラーフィルタ層を形成し、カラーフィルタ層で色分離する表示方式、即ち、OCFを利用する方式を採用している。
OCFの形成方法としては、感光性樹脂に顔料を分散させたフォトレジストを用いたリソグラフィ法が主流となっている。フォトリソグラフィ法によると、1μmサイズ程度の微細な画素を形成可能である。
ところで、画素の微細化が進むと、カラーフィルタ層に異物などの欠陥を生じる確率が高まり、良品率の低下がより一層深刻となる。それ故、例えば、良品率が予め定められた値に達しない場合、中間製品からカラーフィルタ層を除去し、カラーフィルタ層を再度成するリワーク工程を行うことが望ましい(特許文献1を参照)。
特開2015-103788号公報
本発明は、光学装置の製造において、カラーフィルタ層の除去に伴う光学素子のダメージを生じ難くし得る技術を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、一方の主面に複数の光学素子が設けられたシリコン基板と、前記主面上に設けられた無機封止層と、前記無機封止層上に設けられたカラーフィルタ層と、前記無機封止層と前記カラーフィルタ層との間に設けられ、無機物及びシリコン樹脂の少なくとも一方を含んだ光透過性機能層とを備えた光学装置が提供される。
本発明の他の側面によると、前記光透過性機能層は、樹脂を更に含むとともに、前記無機物及び前記シリコン樹脂の少なくとも一方を前記樹脂中に分散したフィラーとして含んだ上記側面に係る光学装置が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記フィラーが前記光透過性機能層に占める割合は5乃至90質量%の範囲内にある上記側面に係る光学装置が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記樹脂はアクリル樹脂である上記側面の何れかに係る光学装置が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記光透過性機能層は、ビッカース硬さが45kgf/mm以上である上記側面の何れかに係る光学装置が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記光透過性機能層は前記無機物として無機酸化物を含んだ上記側面の何れかに係る光学装置が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記光透過性機能層はシリカを含んだ上記側面の何れかに係る光学装置が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記光透過性機能層は、厚さが0.1μm乃至5.0μmの範囲内にある上記側面の何れかに係る光学装置が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記光透過性機能層と前記カラーフィルタ層との間に介在し、有機物からなる光透過層を更に備えた上記側面の何れかに係る光学装置が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記複数の光学素子の各々は有機エレクトロルミネッセンス素子である上記側面の何れかに係る光学装置が提供される。
本発明の更に他の側面によると、一方の主面に複数の光学素子が設けられたシリコン基板と、前記主面上に設けられた無機封止層とを備えた構造体を準備することと、前記無機封止層上に、無機物及びシリコン樹脂の少なくとも一方を含んだ光透過性機能層を形成して、第1製品を得ることと、前記光透過性機能層上にカラーフィルタ層を形成して、第2製品を得ることと、前記カラーフィルタ層における不具合の有無を検査して、前記第2製品の中から、前記カラーフィルタ層に不具合があるものを要リペア品として選択することと、前記要リペア品から前記カラーフィルタ層を除去して、前記第1製品と同様の構造を有している再生品を得ることとを含んだ光学装置の製造方法が提供される。
本発明によると、光学装置の製造において、カラーフィルタ層の除去に伴う光学素子のダメージを生じ難くし得る技術が提供される。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学装置を概略的に示す断面図である。 図2は、要リペア品を概略的に示す断面図である。 図3は、要リペア品からオーバーコート層を除去することにより得られる構造を概略的に示す断面図である。 図4は、図4の構造からカラーフィルタ層及び光透過層を更に除去することにより得られる構造を概略的に示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、上記側面の何れかをより具体化したものである。以下に記載する事項は、単独で又は複数を組み合わせて、上記側面の各々に組み入れることができる。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、下記の構成部材の材質、形状、及び構造等によって限定されるものではない。本発明の技術的思想には、請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
なお、同様又は類似した機能を有する要素については、以下で参照する図面において同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面は模式的なものであり、或る方向の寸法と別の方向の寸法との関係、及び、或る部材の寸法と他の部材の寸法との関係等は、現実のものとは異なり得る。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学装置を概略的に示す断面図である。図1に示す光学装置ODは、有機EL型マイクロディスプレイである。このマイクロディスプレイは、アレイ基板3と、絶縁層16と、隔壁層4と、陰極5と、有機発光層(有機EL層)6と、陽極7と、無機封止層8と、光透過性機能層9と、光透過層10と、カラーフィルタ層11と、オーバーコート層12と、密着層13と、カバーガラス14とを含んでいる。
アレイ基板3は、シリコン基板1とアレイ部2とを含んでいる。アレイ部2は、画素回路と、画素回路へ信号及び電力を供給する配線とを含んでいる。画素回路は、駆動素子及びスイッチとしてのトランジスタ、キャパシタ、及びそれらを互いに接続する配線を含んでいる。トランジスタは、例えば、シリコン基板1の表面領域の一部を、ソース領域、チャネル領域及びドレイン領域として含んだ電界効果トランジスタである。
絶縁層16は、アレイ部2上に設けられている。絶縁層16は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。絶縁層16は、例えば、パッシベーション膜及び平坦化層の少なくとも一方である。
隔壁層4は、絶縁層16上に設けられている。隔壁層4には、画素に対応した位置に貫通孔が設けられている。隔壁層4は、少なくとも表面が絶縁体からなる。
陰極5は、絶縁層16上であって、隔壁層4に設けられた貫通孔の位置に配置されている。陰極5は、絶縁層16に設けられた貫通孔を介して、画素回路へ接続されている。一例によれば、陰極5は、アルミニウムなどの金属又は合金からなる。
有機発光層6は、陰極5上に設けられている。有機発光層6は、電荷の注入によって白色に発光するものであれば、一般的に知られているものでよく、例えば、特開平4-284395号公報(段落0015乃至0016)や特開2005-150078号公報(段落0017乃至0018)に開示されているものが挙げられる。
陽極7は、隔壁層4の露出部及び有機発光層6を被覆している。陽極7は、アレイ部に設けられた給電線へ接続されている。陰極5と、その上に設けられた有機発光層6と、陽極7のうち有機発光層6を間に挟んで陰極5と向き合った部分とは、光学素子である有機EL素子を構成している。
無機封止層8は、陽極7上に設けられている。無機封止層8は、一般的に水分に極めて弱いという有機EL素子の課題を解決するために設けられる。無機封止層8は、例えば、無機酸化物及び無機窒化物等の無機化合物からなる。無機封止層8は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。無機封止層8としては、例えば、特開2014-175296号公報(段落0010乃至0028)に開示されているものが挙げられる。
光透過性機能層9は、無機封止層8上に設けられている。光透過性機能層9は、有機EL素子が射出する白色光を透過させる。
光透過性機能層9は、カラーフィルタ層11を除去して新たなカラーフィルタ層11を形成するリワーク処理において行うエッチング等によって、無機封止層8に深刻な劣化又は破損が生じるのを防止する。これにより、光透過性機能層9は、有機EL素子を水分から保護するという無機封止層8の機能が、上記のエッチング等によって完全に失われるのを防止する。
光透過性機能層9は、無機物及びシリコン樹脂の少なくとも一方を含んでいる。無機物は、例えば、シリカである酸化ケイ素(SiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化鉄(Fe、FeO、Fe)、酸化銅(CuO、CuO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ニオブ(Nb)、酸化モリブデン(MoO)、酸化インジウム(In、InO)、酸化スズ(SnO)、酸化タンタル(Ta)、酸化タングステン(WO、W)、酸化鉛(PbO、PbO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化セリウム(CeO、Ce)、酸化アンチモン(Sb、Sb)、酸化ゲルマニウム(GeO、GeO)等の無機酸化物;窒化珪素及び窒化ホウ素などの無機窒化物;チタン酸バリウムなどのチタン酸塩;又は、チタン/ケイ素複合酸化物及びイットリウム安定化ジルコニア等の2種以上の金属元素から構成される複合酸化物である。光透過性機能層9は、無機酸化物及び複合酸化物の少なくとも一方を含んでいることが好ましく、シリカを含んでいることがより好ましい。
光透過性機能層9は、上記の無機物及びシリコン樹脂の少なくとも一方のみからなる層であってもよい。但し、光透過性機能層9は、樹脂を更に含むとともに、上記の無機物及びシリコン樹脂の少なくとも一方を樹脂中に分散したフィラーとして含んでいることが好ましい。即ち、光透過性機能層9は、フィラー含有光透過層であることが好ましい。光透過性機能層9を、フィラーと樹脂との混合物で構成した場合、応力に起因したクラックの発生が起こり難い。
フィラーは、上述した無機物からなる粒子であってもよく、上述したシリコン樹脂からなる粒子であってもよく、それらの混合物であってもよい。フィラーは、好ましくは、シリカ粒子、シリコン樹脂粒子又はそれらの混合物であり、より好ましくはシリカ粒子である。フィラーは、球状の非晶質粒子であることが好ましい。
フィラーは、平均粒子径が1nm乃至200nmの範囲内にあることが好ましく、5nm乃至30nmの範囲内にあることがより好ましい。フィラーの平均粒子径を大きくすると、光透過性機能層9の表面の平滑性が低下する。フィラーの平均粒子径を小さくすると、光透過性機能層9を形成するために使用する塗工液の粘度が高くなる。また、フィラーの屈折率と樹脂の屈折率とが大きく相違している場合には、フィラーの平均粒子径を小さくすると、光透過性機能層9の光散乱性が過剰に高くなる可能性がある。
ここで、「平均粒子径」は、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して得られた電子顕微鏡写真において一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定する。具体的には、電子顕微鏡写真においてフィラーの個々の一次粒子の短軸径と長軸径とを計測し、短軸径と長軸径との平均をその一次粒子の粒径とする。次に、約20個の一次粒子について、それぞれの粒子の体積を、上記のようにして求めた粒径を一辺の長さとする立方体の体積で近似して求め、体積平均粒径を平均粒子径とする。
樹脂としては、可視光線透過率が高く、カラーフィルタ層の形成工程における熱処理や薬品処理に対して十分な耐性を有しているものが望ましい。未硬化の樹脂は、紫外線硬化型樹脂などの感光性及び現像性を有するものであってもよく、熱硬化性樹脂であってもよい。樹脂は、例えば、アクリル樹脂又はエポキシ樹脂である。樹脂は、アクリル樹脂であることが好ましい。
フィラーが光透過性機能層9に占める割合は、5質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましい。この割合は、90質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。この割合は、一例によれば5質量%乃至90質量%の範囲内にあり、他の例によれば25質量%乃至75質量%の範囲内にあり、更に他の例によれば30質量%乃至50質量%の範囲内にある。この割合を大きくすると、リワーク処理において行うエッチングや洗浄による無機封止層8の劣化又は破損を抑制する効果が向上する。但し、上記の割合を過剰に大きくすると、光透過性機能層9を形成するために使用する塗工液の粘度が高くなるか、又は、光透過性機能層9からフィラーが脱落し易くなる。
波長が550nmにおける樹脂の屈折率と、同波長におけるフィラーの屈折率との差の絶対値は、0.3以下であることが好ましく、0.1以下であることが好ましい。この値を小さくすると、光透過性機能層9における光散乱が小さくなる。これら屈折率の差の絶対値は、ゼロ以上であればよい。代表的な材料の組み合わせについては、これら屈折率の差の絶対値は0.1以下である。
光透過性機能層9は、ビッカース硬さが45kgf/mm以上であることが好ましい。ビッカース硬さが高い光透過性機能層9は、リワーク処理において行うエッチングや洗浄による無機封止層8の劣化又は破損を抑制する能力に特に優れている。光透過性機能層9のビッカース硬さに上限値はないが、一例によれば、300kgf/mm以下である。
光透過性機能層9の厚さは、0.1μm乃至5.0μmの範囲内にあることが好ましく、0.2μm乃至0.5μmの範囲内にあることがより好ましい。一例によれば、光透過性機能層9の厚さは、1回のリワーク処理によって0.05μm程度減少する。リワーク処理の前後で、光透過性機能層9の厚さが上記の下限値以上であれば、無機封止層8の劣化又は破損を抑制する能力が、リワーク処理の途中で光透過性機能層9から失われるのを確実に防止することができる。光透過性機能層9を過剰に厚くすると、光透過性機能層9における光散乱が大きくなる。
光透過層10は、光透過性機能層9上に設けられている。光透過層10は、有機EL素子が射出し、無機封止層8及び光透過性機能層9が透過させた白色光を透過させる。光透過層10は、平坦化層としての役割を果たす。光透過層10は、樹脂等の有機物からなる。この樹脂としては、例えば、光透過性機能層9が含む樹脂について上述したものを使用することができる。また、特許第5044893号(段落0039乃至0040)に開示されているものも使用することができる。光透過層10が含んでいる樹脂は、光透過性機能層9が含んでいる樹脂と同一であることが好ましい。光透過層10は、省略することができる。
カラーフィルタ層11は、光透過層10上に設けられている。カラーフィルタ層11は、第1着色部11A、第2着色部11B及び第3着色部11Cを含んでいる。一例によれば、第1着色部11A、第2着色部11B及び第3着色部11Cは、それぞれ、青色着色層、緑色着色層及び赤色着色層である。白色光が青色着色層、緑色着色層及び赤色着色層へ入射すると、それらは、青色光、緑色光及び赤色光をそれぞれ透過させる。
第1着色部11A、第2着色部11B及び第3着色部11Cは、ストライプ配列を形成している。第1着色部11A、第2着色部11B及び第3着色部11Cの各々は、無機封止層8、光透過性機能層9及び光透過層10を間に挟んで、一列に並んだ複数の有機EL素子と向き合っている。第1着色部11A、第2着色部11B及び第3着色部11Cは、デルタ配列又はモザイク配列を形成していてもよい。
第1着色部11A、第2着色部11B及び第3着色部11Cは、着色感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィにより形成することができる。着色感光性樹脂組成物としては、例えば、顔料、透明樹脂、光重合性モノマー、光開始剤及び溶剤を含んだものを使用することができる。
オーバーコート層12は、カラーフィルタ層11上に設けられている。オーバーコート層12は、カラーフィルタ層11が透過させた着色光を透過させる。オーバーコート層12は、平坦化層としての役割を果たす。オーバーコート層12は、樹脂などの有機物からなる。
密着層13は、オーバーコート層12上に設けられている。密着層13は、カラーフィルタ層11及びオーバーコート層12が透過させた着色光を透過させる。密着層13は、例えば、接着剤からなる。
カバーガラス14は、密着層13上に設けられている。カバーガラス14は、カラーフィルタ層11、オーバーコート層12及び密着層13が透過させた着色光を透過させる。カバーガラス14は、有機EL素子やカラーフィルタ層11等を損傷等から保護する。
以上のように構成された有機EL型マイクロディスプレイでは、有機EL素子が射出した白色光をカラーフィルタ層11が着色光へと変換する。このマイクロディスプレイは、これにより、高い色再現性でカラー画像を表示することができる。また、このマイクロディスプレイは、例えば、ヘッドマウントディスプレイや電子ビューファインダでの使用に適している。
また、このマイクロディスプレイは、その製造においてカラーフィルタ層11のリワーク処理を行った場合に、無機封止層8の劣化又は破損を生じ難い。それ故、高い歩留まりで製造することが可能である。
以下に、リワーク処理を含んだ製造方法について、図2乃至図4を参照しながら説明する。
図2は、要リペア品を概略的に示す断面図である。図3は、要リペア品からオーバーコート層を除去することにより得られる構造を概略的に示す断面図である。図4は、図4の構造からカラーフィルタ層及び光透過層を更に除去することにより得られる構造を概略的に示す断面図である。なお、図2乃至図4に示す基板100は、図1に示す、アレイ基板3、絶縁層16、隔壁層4、陰極5、有機発光層6及び陽極7からなる構造体である。
先ず、一方の主面に複数の光学素子が設けられたシリコン基板と、上記主面上に設けられた無機封止層とを備えた構造体を準備する。即ち、ここでは、基板100とその上に設けられた無機封止層8とを含んだ構造体を準備する。
次に、無機封止層8上に光透過性機能層9を形成して、第1製品を得る。
次いで、光透過性機能層9上にカラーフィルタ層11を形成して、第2製品を得る。ここでは、カラーフィルタ層11の形成に先立って光透過性機能層9上に光透過層10を形成するとともに、カラーフィルタ層11上にオーバーコート層12を更に形成する。
その後、カラーフィルタ層11における不具合の有無を検査して、第2製品の中から、カラーフィルタ層11に不具合があるものを要リペア品として選択する。要リペア品は、例えば、図2に示す構造を有している。
良品に対しては、密着層13を介してカバーガラス14を貼り合わせる。その後、必要に応じて、割断等を行うことにより、有機EL型マイクロディスプレイとして図1に示す光学装置ODを得る。
また、要リペア品からは、カラーフィルタ層11を除去して、第1製品と同様の構造を有している再生品を得る。カラーフィルタ層11の除去は、ドライエッチングと洗浄とをこの順に実施することにより行う。ドライエッチングは、アッシング、即ち、Oプラズマエッチングである。洗浄は、例えば、洗浄液として水を用いた二流体洗浄である。
オーバーコート層12は有機物からなるので、アッシングによって基板100等から除去される。その結果、図3の構造が得られる。
アッシングを更に継続すると、カラーフィルタ層11から有機物が除去される。カラーフィルタ層11が含んでいる顔料は、金属を含有している。金属は、ドライエッチングによって酸化され得るが、ドライエッチングのみでは基板100等から除去されない可能性がある。残留した金属は、その後の洗浄によって基板100等から除去される。なお、光透過層10も有機物からなるので、ドライエッチングによって基板100等から除去される。
光透過性機能層9は、上記の通り、無機物及びシリコン樹脂の少なくとも一方を含んでいる。無機物は、アッシングによって除去されない。また、シリコン樹脂の酸化物はシリカを含み、シリカもアッシングによって除去されない。なお、光透過性機能層9が有機物を含んでいる場合、この有機物はアッシングによって除去され得る。しかしながら、光透過性機能層9は、無機物及びシリコン樹脂の少なくとも一方を含んでいるので、有機物の除去は、速やかには進行しない。それ故、光透過性機能層9は、その表面領域がアッシング及び洗浄によって除去され得るが、残りの領域は残留する。
従って、図4に示すように、基板100と無機封止層8と光透過性機能層9とを含んだ再生品が得られる。
カラーフィルタ層11等を除去するために、ドライエッチングと洗浄とを含むサイクルを2回以上繰り返してもよい。上記の通り、カラーフィルタ層11が含んでいる金属は、ドライエッチングのみでは基板100等から除去されず、金属酸化物として残留する可能性がある。残留した金属酸化物は、ドライエッチングによる有機物の除去を妨げ得る。ドライエッチングと洗浄とを含むサイクルを2回以上繰り返して、カラーフィルタ層11の除去を複数回に分けて行うと、1回のドライエッチングで生じる金属酸化物の量を少なくすることができる。従って、残留した金属酸化物によって有機物の除去が妨げられるのを防ぐことができる。
次に、上記の再生品に対して、光透過層10、カラーフィルタ層11及びオーバーコート層12を、この順に形成する。次いで、この構造体へ、密着層13を介してカバーガラス14を貼り合わせる。その後、必要に応じて、割断等を行うことにより、有機EL型マイクロディスプレイとして図1に示す光学装置ODを得る。
この方法では、上記の良品から光学装置ODを製造するのに加え、要リペア品から再生品を製造し、この再生品からも光学装置ODを製造する。従って、この方法によると、高い歩留まりを達成することができる。
また、本発明者らは、光透過性機能層9を省略した場合、上記のリワーク処理において行うアッシングにおいて、無機封止層8がOプラズマに晒され、無視できない劣化又は破損を生じ、その結果、有機EL素子を保護する機能が著しく低下することを見出している。更に、本発明者らは、光透過性機能層9を省略するとともに、上記のリワーク処理において、アッシングの代わりに強アルカリ液を用いてカラーフィルタ層11を剥離した場合、無機封止層8及び有機EL素子に加え、アレイ部2が含んでいる回路もダメージを受けることを見出している。
図2乃至図4を参照しながら上述した方法では、強アルカリ液を使用せず、アッシングと洗浄とによってカラーフィルタ層11等を除去するとともに、光透過性機能層9を設けることにより、無機封止層8がOプラズマに晒されるのを防いでいる。従って、この方法では、リワーク処理においても高い歩留まりを達成できる。
なお、上記の通り、光透過性機能層9は、カラーフィルタ層11等を除去するためのアッシング及びその後の洗浄で厚さが僅かに減少する。しかしながら、これら処理によって、無機封止層8を保護する機能が光透過性機能層9から失われることはなく、光透過性機能層9の光学的性質が大きく変化することもない。特に、光透過性機能層9がフィラーと樹脂との混合物からなる場合、アッシング及びその後の洗浄によって表面領域が除去されることにより生じる新たな表面は、形成した直後の光透過性機能層9の表面と、表面性状がほぼ等しい。それ故、光透過性機能層9がフィラーと樹脂との混合物からなる場合、上記の処理による光透過性機能層9の光学的性質の変化が特に小さい。
上述した光学装置ODは有機EL型マイクロディスプレイであるが、ここで説明した技術は、他の光学装置及びその製造に適用することができる。例えば、光学装置は、光学素子として発光ダイオードを含んだマイクロLEDディスプレイ、又は、光学素子としてフォトダイオードを含んだ撮像装置であってもよい。
以下に、本発明に関連して行った試験について記載する。
<1>試験1
(例1)
先ず、図2に示す構造体を準備した。
光透過性機能層9としては、無機フィラーを樹脂中に分散させたものを形成した。樹脂としては、アクリル樹脂を使用した。無機フィラーとしては、平均粒子径が12nmであり、シリカからなる非晶質球状粒子を使用した。フィラーが光透過性機能層9に占める割合は、40質量%とした。光透過性機能層9の厚さは0.2μmとした。
光透過層10としては、アクリル樹脂からなり、厚さが0.3μmの樹脂層を形成した。カラーフィルタ層11は、1.2μmの厚さに形成した。オーバーコート層12としては、アクリル樹脂からなり、厚さが2.0μmの樹脂層を形成した。
次に、この構造体に対して、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を除去するべく、酸素ガスを用いたプラズマエッチングと二流体洗浄とを、この順に実施した。プラズマエッチングは、アンテナ電力が500W、バイアス電力が50Wの条件下で、1分間に亘って行った。二流体洗浄は、30秒間に亘って行った。
プラズマエッチングと二流体洗浄とからなるサイクル1回のみでは、全てを除去することができなかったため、このサイクルを合計2回行った。その結果、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を、残渣なしに除去することができ、図4の再生品を得ることができた。また、これらの処理に伴って、再生品が含む層の剥がれや、光透過性機能層9及び無機封止層8の劣化又は破損を生じることはなかった。
(例2)
先ず、図2に示す構造体を準備した。この構造体の構造及び組成等は、例1で準備した構造体と同様とした。
次に、この構造体に対して、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を除去するべく、酸素ガスを用いたプラズマエッチングと二流体洗浄とを、この順に実施した。プラズマエッチングは、アンテナ電力が500W、バイアス電力が25Wの条件下で、1分間に亘って行った。二流体洗浄は、30秒間に亘って行った。プラズマエッチングと二流体洗浄とからなるサイクルは、合計3回行った。
その結果、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を、残渣なしに除去することができ、図4の再生品を得ることができた。また、これらの処理に伴って、再生品が含む層の剥がれや、光透過性機能層9及び無機封止層8の劣化又は破損を生じることはなかった。
(例3)
先ず、図2に示す構造体を準備した。この構造体の構造及び組成等は、例1で準備した構造体と同様とした。
次に、この構造体に対して、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を除去するべく、酸素ガスを用いたプラズマエッチングと二流体洗浄とを、この順に実施した。プラズマエッチングは、アンテナ電力が500W、バイアス電力が100Wの条件下で、1.5分間に亘って行った。二流体洗浄は、30秒間に亘って行った。
本例では、1回のプラズマエッチングで残渣が僅かに残ったが、これに続く二流体洗浄によって全ての残渣を除去することができた。また、これらの処理に伴って、再生品が含む層の剥がれや、光透過性機能層9及び無機封止層8の劣化又は破損を生じることはなかった。
(例4)
先ず、図2に示す構造体を準備した。この構造体の構造及び組成等は、例1で準備した構造体と同様とした。
次に、この構造体に対して、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を除去するべく、酸素ガスを用いたプラズマエッチングと二流体洗浄とを、この順に実施した。プラズマエッチングは、アンテナ電力が250W、バイアス電力が50Wの条件下で、2分間に亘って行った。二流体洗浄は、30秒間に亘って行った。プラズマエッチングと二流体洗浄とからなるサイクルは、合計2回行った。
その結果、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を、残渣なしに除去することができ、図4の再生品を得ることができた。また、これらの処理に伴って、再生品が含む層の剥がれや、光透過性機能層9及び無機封止層8の劣化又は破損を生じることはなかった。
(比較例1)
先ず、光透過性機能層9を省略したこと以外は、図2を参照しながら説明したのと同様の構造体を準備した。この構造体が含む各層の構造及び組成等は、例1において準備した構造体と同様とした。
次に、この構造体に対して、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を除去するべく、酸素ガスを用いたプラズマエッチングと二流体洗浄とを、この順に実施した。プラズマエッチングの条件及び二流体洗浄の条件は、例1と同様とした。
プラズマエッチングと二流体洗浄とからなるサイクル1回のみでは、全てを除去することができなかったため、このサイクルを合計2回行った。その結果、2回目のサイクルによって、残渣は全て除去できたものの、無機封止層8にクラックなどのダメージを無視できない程度に生じた。
(比較例2)
先ず、光透過性機能層9を省略したこと以外は、図2を参照しながら説明したのと同様の構造体を準備した。この構造体が含む各層の構造及び組成等は、例1において準備した構造体と同様とした。
次に、この構造体に対して、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を除去するべく、酸素ガスを用いたプラズマエッチングと二流体洗浄とを、この順に実施した。プラズマエッチングの条件及び二流体洗浄の条件は、例2と同様とした。
プラズマエッチングと二流体洗浄とからなるサイクル2回のみでは、全てを除去することができなかったため、このサイクルを合計3回行った。その結果、3回目のサイクルによって、残渣は全て除去できたものの、無機封止層8にクラックなどのダメージを無視できない程度に生じた。
(比較例3)
先ず、光透過性機能層9を省略したこと以外は、図2を参照しながら説明したのと同様の構造体を準備した。この構造体が含む各層の構造及び組成等は、例1において準備した構造体と同様とした。
次に、この構造体に対して、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を除去するべく、酸素ガスを用いたプラズマエッチングと二流体洗浄とを、この順に実施した。プラズマエッチングの条件及び二流体洗浄の条件は、例3と同様とした。
その結果、残渣は全て除去できたものの、無機封止層8にクラックなどのダメージを無視できない程度に生じた。
(比較例4)
先ず、光透過性機能層9を省略したこと以外は、図2を参照しながら説明したのと同様の構造体を準備した。この構造体が含む各層の構造及び組成等は、例1において準備した構造体と同様とした。
次に、この構造体に対して、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を除去するべく、酸素ガスを用いたプラズマエッチングと二流体洗浄とを、この順に実施した。プラズマエッチングの条件及び二流体洗浄の条件は、例4と同様とした。
プラズマエッチングと二流体洗浄とからなるサイクル1回のみでは、全てを除去することができなかったため、このサイクルを合計2回行った。その結果、2回目のサイクルによって、残渣は全て除去できたものの、無機封止層8にクラックなどのダメージを無視できない程度に生じた。
例1乃至4及び比較例1乃至4において得られた結果を、以下の表1に纏める。
Figure 2023035934000002
表1において、「処理時間」はプラズマエッチングの処理時間を表し、「サイクル数」はプラズマエッチングと二流体洗浄とからなるサイクルの回数を表している。また、表1において、「A」は、オーバーコート層12及びカラーフィルタ層11を残渣なしに除去することができ、また、再生品が含む層の剥がれや、光透過性機能層9及び無機封止層8の劣化又は破損を生じることがなかったことを表している。そして、表1において、「B」は、無機封止層8にクラックなどのダメージを無視できない程度に生じたことを表している。
表1の比較例1乃至4に示すように、光透過性機能層9を省略した場合、アンテナ電力、バイアス電力、処理時間、及びサイクル数をどのように変更しても、無機封止層8にクラックなどのダメージを無視できない程度に生じた。これに対し、表1の例1乃至4に示すように、光透過性機能層9を設けた場合、アンテナ電力、バイアス電力、及び処理時間が異なっていても、サイクル数を適宜設定することにより、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を残渣なしに除去することができ、また、再生品が含む層の剥がれや、光透過性機能層9及び無機封止層8の劣化又は破損を防止することができた。
<2>試験2
(例5)
先ず、図2に示す構造体を準備した。但し、本例では、光透過性機能層9の保護能力を確認し易くするために、無機封止層8と光透過性機能層9との間に、着色樹脂層を介在させた。
光透過性機能層9としては、無機フィラーを樹脂中に分散させたものを形成した。樹脂としては、アクリル樹脂を使用した。無機フィラーとしては、平均粒子径が12nmであり、シリカからなる非晶質球状粒子を使用した。フィラーが光透過性機能層9に占める割合は、5質量%とした。光透過性機能層9の厚さは0.2μmとした。
光透過層10としては、アクリル樹脂からなり、厚さが0.2μmの樹脂層を形成した。カラーフィルタ層11は、1.2μmの厚さに形成した。オーバーコート層12としては、アクリル樹脂からなり、厚さが2.0μmの樹脂層を形成した。
次に、上記の構造体に対して、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を除去するべく、酸素ガスを用いたプラズマエッチングと二流体洗浄とを、この順に実施した。プラズマエッチングは、アンテナ電力が500W、バイアス電力が50Wの条件下で、1分間に亘って行った。二流体洗浄は、30秒間に亘って行った。プラズマエッチングと二流体洗浄とからなるサイクルは、合計2回行った。以上のようにして、図4に示す再生品を得た。
その後、再生品を光学顕微鏡で観察した。その結果、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を、残渣なしに除去することができていた。また、着色樹脂層には部分的にダメージを生じていたが、無機封止層8へ深刻な劣化又は破損を生じさせ得るものではなかった。
また、光透過性機能層9の硬さを以下の方法で調べた。先ず、サンプルとして、厚さが0.7mmのガラス基板上に、上記の光透過性機能層9と同様の組成の層を3.0μmの厚さに形成したものを準備した。次いで、このサンプルについて、ビッカース硬さを測定した。ビッカース硬さの測定には、Helmut Fischer社製のFISCHERSCOPE(登録商標)HM-2000を使用した。測定においては、荷重速度を0.4mN/秒として、最大荷重2mNまで圧子を上記層へ押し込み、この状態を10秒間保持し、その後、押し込み時と同条件で圧子を引き上げた。このときの基板のゆがみの変化量からナノインデンテーション硬さを測定し、これをビッカース硬さに換算した。その結果、ビッカース硬さは41.2kgf/mmであった。
(例6)
フィラーが光透過性機能層9に占める割合を10質量%としたこと以外は、例5と同様の試験を行った。
その後、再生品を光学顕微鏡で観察した。その結果、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を、残渣なしに除去することができていた。また、着色樹脂層には部分的にダメージを生じていたが、無機封止層8へ深刻な劣化又は破損を生じさせ得るものではなかった。
また、本例においても、光透過性機能層9の硬さを例5と同様の方法で調べた。その結果、ビッカース硬さは40.8kgf/mmであった。
(例7)
フィラーが光透過性機能層9に占める割合を20質量%としたこと以外は、例5と同様の試験を行った。
その後、再生品を光学顕微鏡で観察した。その結果、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を、残渣なしに除去することができていた。また、着色樹脂層には部分的にダメージを生じていたが、無機封止層8へ深刻な劣化又は破損を生じさせ得るものではなかった。
また、本例においても、光透過性機能層9の硬さを例5と同様の方法で調べた。その結果、ビッカース硬さは44.2kgf/mmであった。
(例8)
フィラーが光透過性機能層9に占める割合を30質量%としたこと以外は、例5と同様の試験を行った。本例において、光透過性機能層9は、ビッカース硬さが49.7kgf/mmであった。
その後、再生品を光学顕微鏡で観察した。その結果、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を、残渣なしに除去することができていた。また、着色樹脂層にはダメージを生じていなかった。
(例9)
フィラーが光透過性機能層9に占める割合を40質量%としたこと以外は、例5と同様の試験を行った。
その後、再生品を光学顕微鏡で観察した。その結果、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を、残渣なしに除去することができていた。また、着色樹脂層にはダメージを生じていなかった。
また、本例においても、光透過性機能層9の硬さを例5と同様の方法で調べた。その結果、ビッカース硬さは59.5kgf/mmであった。
(例10)
フィラーが光透過性機能層9に占める割合を50質量%としたこと以外は、例5と同様の試験を行った。
その後、再生品を光学顕微鏡で観察した。その結果、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を、残渣なしに除去することができていた。また、着色樹脂層にはダメージを生じていなかった。
また、本例においても、光透過性機能層9の硬さを例5と同様の方法で調べた。その結果、ビッカース硬さは69.5kgf/mmであった。
(比較例5)
光透過性機能層9の代わりに樹脂層を設けたこと以外は、例5と同様の試験を行った。樹脂層としては、例5において光透過性機能層9の形成に使用した樹脂からなり、例5の光透過性機能層9と同じ厚さを有している層を形成した。
その後、再生品を光学顕微鏡で観察した。その結果、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を、残渣なしに除去することができていた。但し、着色樹脂層は大きなダメージを受けていた。
また、以下のサンプルを使用したこと以外は、例5と同様の方法により樹脂層の硬さを調べた。即ち、本例では、厚さが0.7mmのガラス基板上に、上記の樹脂層と同様の組成の層を3.0μmの厚さに形成したものをサンプルとして使用した。その結果、ビッカース硬さは41.5kgf/mmであった。
例5乃至10及び比較例5において得られた結果を、以下の表2に纏める。
Figure 2023035934000003
表2において、「フィラー量」は、フィラーが光透過性機能層9に占める割合を表している。また、「AA」は、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を残渣なしに除去することができ、着色樹脂層にダメージを生じなかったことを表している。「A」は、オーバーコート層12及びカラーフィルタ層11を残渣なしに除去することができたが、無機封止層8へ深刻な劣化又は破損を生じさせるほどのものではないダメージが着色樹脂層に生じたことを表している。そして、「B」は、着色樹脂層に大きなダメージを生じたことを表している。
表2の比較例5に示すように、光透過性機能層9の代わりに樹脂からなる層を設けた場合、着色樹脂層に大きなダメージを生じた。これに対し、表2の例5乃至10に示すように、光透過性機能層9を設けた場合、オーバーコート層12、カラーフィルタ層11及び光透過層10を残渣なしに除去することができ、着色樹脂層にダメージを生じなかったか、又は、着色樹脂層にダメージを生じたとしても、無機封止層8へ深刻な劣化又は破損を生じさせるほどのものではなかった。
1…シリコン基板、2…アレイ部、3…アレイ基板、4…隔壁層、5…陰極、6…有機発光層、7…陽極、8…無機封止層、9…光透過性機能層、10…光透過層、11…カラーフィルタ層、11A…第1着色部、11B…第2着色部、11C…第3着色部、12…オーバーコート層、13…密着層、14…カバーガラス、16…絶縁層、100…基板、OD…光学装置。

Claims (11)

  1. 一方の主面に複数の光学素子が設けられたシリコン基板と、
    前記主面上に設けられた無機封止層と、
    前記無機封止層上に設けられたカラーフィルタ層と、
    前記無機封止層と前記カラーフィルタ層との間に設けられ、無機物及びシリコン樹脂の少なくとも一方を含んだ光透過性機能層と
    を備えた光学装置。
  2. 前記光透過性機能層は、樹脂を更に含むとともに、前記無機物及び前記シリコン樹脂の少なくとも一方を前記樹脂中に分散したフィラーとして含んだ請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記フィラーが前記光透過性機能層に占める割合は5質量%乃至90質量%の範囲内にある請求項2に記載の光学装置。
  4. 前記樹脂はアクリル樹脂である請求項2に記載の光学装置。
  5. 前記光透過性機能層は、ビッカース硬さが45kgf/mm以上である請求項1に記載の光学装置。
  6. 前記光透過性機能層は前記無機物として無機酸化物を含んだ請求項1に記載の光学装置。
  7. 前記光透過性機能層はシリカを含んだ請求項1に記載の光学装置。
  8. 前記光透過性機能層は、厚さが0.1μm乃至5.0μmの範囲内にある請求項1に記載の光学装置。
  9. 前記光透過性機能層と前記カラーフィルタ層との間に介在し、有機物からなる光透過層を更に備えた請求項1に記載の光学装置。
  10. 前記複数の光学素子の各々は有機エレクトロルミネッセンス素子である請求項1に記載の光学装置。
  11. 一方の主面に複数の光学素子が設けられたシリコン基板と、前記主面上に設けられた無機封止層とを備えた構造体を準備することと、
    前記無機封止層上に、無機物及びシリコン樹脂の少なくとも一方を含んだ光透過性機能層を形成して、第1製品を得ることと、
    前記光透過性機能層上にカラーフィルタ層を形成して、第2製品を得ることと、
    前記カラーフィルタ層における不具合の有無を検査して、前記第2製品の中から、前記カラーフィルタ層に不具合があるものを要リペア品として選択することと、
    前記要リペア品から前記カラーフィルタ層を除去して、前記第1製品と同様の構造を有している再生品を得ることと
    を含んだ光学装置の製造方法。
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