本開示の一態様に係る眠気予測システムは、生活ログ取得部と、経路情報取得部と、眠気予測部と、を備える。前記生活ログ取得部は、車両の乗員の起床時刻及び乗車時刻を少なくとも含む生活ログを取得する。前記経路情報取得部は、前記車両の目的地までの経路に関する経路情報を取得する。前記眠気予測部は、前記生活ログと、前記経路情報とに基づいて、前記車両の乗車中における前記乗員の眠気レベルを予測する。
これによれば、乗員の眠気に影響を及ぼし得る車両の目的地までの経路と、乗員の起床時刻及び乗車時刻とに基づいて、乗員の眠気レベルを予測するため、車両の乗員の眠気を予測する精度の向上を図ることができる、という利点がある。
特に、乗員の起床時刻及び乗車時刻に基づいて、つまりは乗員が起床してから車両に乗車するまでの活動期間を加味して乗員の眠気レベルを予測するため、活動期間を加味せずに乗員の眠気レベルを予測する場合と比較して、乗員の眠気を予測する精度の更なる向上が期待できる。例えば、乗員が乗車した時点での眠気レベルが同じであったとしても、乗車前における活動期間の長さによって、その後の眠気レベルの推移が異なり得るからである。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムでは、前記眠気予測部は、前記生活ログ取得部が取得した前記起床時刻と前記乗車時刻との差分である活動期間に対応する活動期間係数を求める。また、前記眠気予測部は、前記経路情報取得部が取得した前記経路情報に基づいて、前記経路を走行するのに要する走行予測期間に対応する走行予測期間係数を求める。また、前記眠気予測部は、前記経路情報取得部が取得した前記経路情報に基づいて、前記経路の形態に対応する経路形態係数を求める。そして、前記眠気予測部は、前記活動期間係数、前記走行予測期間係数、及び前記経路形態係数に基づいて、前記車両の乗車中における前記眠気レベルを予測する。
これによれば、乗員の活動期間、車両の走行予測期間、及び経路の形態を考慮することにより、車両の乗車中における乗員の眠気レベルを予測する精度の更なる向上を図ることができる、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムでは、前記生活ログ取得部は、前記乗員の就寝時刻を前記生活ログとして更に取得する。
これによれば、乗員の就寝時刻を考慮することにより、車両の乗車中における乗員の眠気レベルを予測する精度の更なる向上を図ることができる、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムでは、前記眠気予測部は、前記生活ログ取得部が取得した前記就寝時刻と前記起床時刻との差分である睡眠期間に対応する睡眠期間係数を求める。そして、前記眠気予測部は、前記睡眠期間係数に更に基づいて、前記車両の乗車中における前記眠気レベルを予測する。
これによれば、乗員の睡眠期間を考慮することにより、車両の乗車中における乗員の眠気レベルを予測する精度の更なる向上を図ることができる、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムは、前記乗員の前記車両の乗車時における状態に関する状態情報を取得する状態情報取得部を更に備える。前記眠気予測部は、前記状態情報に基づいて前記乗員の現在の眠気レベルを求め、前記現在の眠気レベルに更に基づいて、前記車両の乗車中における前記眠気レベルを予測する。
これによれば、乗員の現在の眠気レベルを考慮することにより、車両の乗車中における乗員の眠気レベルを予測する精度の更なる向上を図ることができる、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムでは、前記眠気予測部は、前記乗車時刻から所定時間が経過するごとに、前記現在の眠気レベルを再度求める。そして、前記眠気予測部は、再度求めた前記現在の眠気レベルと予測した前記車両の乗車中における前記眠気レベルとにずれが生じた場合に、当該ずれを解消するように前記車両の乗車中における前記眠気レベルを補正する。
これによれば、所定時間ごとに車両の乗車中における乗員の眠気レベルを補正することで、車両の乗車中における乗員の眠気レベルを予測する精度の更なる向上を図ることができる、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムは、前記眠気予測部が予測した前記車両の乗車中における前記眠気レベルを、前記乗員に通知する通知部を更に備える。
これによれば、乗員が今後の眠気レベルの推移を把握することができるので、乗員が休憩を挟む等して車両の運転の安全性を向上するための措置をとりやすくなる、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムでは、前記生活ログ取得部は、前記乗員の就寝時刻を前記生活ログとして更に取得する。前記通知部は、前記生活ログ取得部が取得した前記起床時刻と前記乗車時刻との差分である活動期間と、前記生活ログ取得部が取得した前記就寝時刻と前記起床時刻との差分である睡眠期間と、に基づく前記乗員の体調情報を、前記乗員に更に通知する。
これによれば、乗員が車両の乗車時点における自身の体調を把握することができるので、乗員が今後の眠気レベルの推移と自身の体調との相関を把握しやすい、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムでは、前記状態情報取得部は、前記車両に搭載されて前記乗員を撮像するカメラから、前記乗員を撮像した画像を前記状態情報として取得する。
これによれば、例えば乗員の瞼等、乗員の眠気との相関を有する箇所を撮像した画像を取得することができるので、乗員の現在の眠気レベルを取得しやすくなる、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムでは、前記生活ログ取得部は、前記乗員が装着したウェアラブルデバイスから前記生活ログの少なくとも一部を取得する。
これによれば、乗員がウェアラブルデバイスを日常的に身に着けていることから、生活ログを取得する精度が向上しやすい、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムでは、前記経路情報取得部は、前記車両に搭載されたナビゲーションシステムから前記経路情報を取得する。
これによれば、例えばスマートフォン等の情報端末に搭載されているナビゲーションシステムから経路情報を取得する場合と比較して、経路情報を取得する精度が向上しやすい、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムでは、前記乗員は運転手と同乗者であり、前記眠気予測部は、前記運転手と前記同乗者の前記眠気レベルをそれぞれ予測し、前記運転手と前記同乗者のそれぞれに予測した前記眠気レベルを前記通知部を介して通知する。
これによれば、目的地に到着するまで運転手が覚醒を維持し続けられるかを同乗者も確認することができる、という利点がある。また、運転手が覚醒を維持できないと予測される場合、同乗者が今後、どの時点で交代が必要かを確認することができる、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムは、前記乗員への覚醒刺激を行う覚醒刺激部を更に備える。前記眠気予測部は、今後の前記運転手の前記眠気レベルが最大所定値に至ると判断し、かつ、現在の前記運転手の前記眠気レベルが第1所定値に至ると、前記運転手への覚醒刺激を指示する運転手覚醒刺激信号を前記覚醒刺激部へ出力するとともに、前記覚醒刺激を行っていることを前記同乗者に前記通知部を介して通知する。
これによれば、運転手が眠気を感じるレベル(第1所定値)の段階で運転手を覚醒させるとともに、同乗者に予め運転引き継ぎの可能性があることを知らせることができる、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムでは、前記眠気予測部は、今後の前記運転手の前記眠気レベルが前記第1所定値より高い第2所定値に至ると判断すれば、前記同乗者への覚醒刺激を指示する同乗者覚醒刺激信号を前記覚醒刺激部へ出力する。
これによれば、同乗者への覚醒刺激により、同乗者に運転引き継ぎの予告を行い、いつでも引継ぎが可能な状態にすることができる、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムでは、前記眠気予測部は、今後の前記運転手の前記眠気レベルが最大所定値に至ると判断し、かつ、現在の前記運転手の前記眠気レベルが前記最大所定値より低い第2所定値を上回ると、前記運転手の前記眠気レベルより低い前記眠気レベルの前記同乗者との交代を、前記通知部を介して通知する。
これによれば、運転手より眠気レベルの低い同乗者との交代が促されるため、目的地までの安全走行を継続することができる、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムでは、前記眠気予測部は、前記同乗者が複数の場合、前記眠気レベルが最も低い前記同乗者との交代を、前記通知部を介して通知する。
これによれば、全乗員のうち、最も眠気の少ない同乗者に運転を引き継ぐことで、目的地までの安全走行の確度が高まる、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムは、前記車両を自動的に停止させる制御を実行する自動停車制御部を更に備える。前記眠気予測部は、前記運転手の前記同乗者との交代を前記通知部を介して通知する際に、前記車両を路肩に自動停車させる自動停車信号を前記自動停車制御部へ出力する。
これによれば、車両を安全に停車して同乗者と交代することができる、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムでは、前記生活ログ取得部は、前記同乗者の運転免許保持情報を前記生活ログとして更に取得し、前記眠気予測部は前記運転免許保持情報に基づいて、前記同乗者の内、運転免許を保持する前記同乗者との交代を、前記通知部を介して通知する。
これによれば、より的確な同乗者との交代が可能になる、という利点がある。
本開示の他の態様に係る眠気予測システムは、前記眠気予測部が予測した前記車両の乗車中における前記眠気レベルを、前記乗員に通知する通知部を更に備える。前記乗員は運転手と同乗者であり、前記眠気予測部は、前記運転手と前記同乗者の前記眠気レベルをそれぞれ予測し、前記同乗者の前記眠気レベルを予測する際に、前記経路形態係数として、前記経路が最も単純である際の係数を用いて予測し、前記運転手と前記同乗者のそれぞれに予測した前記眠気レベルを前記通知部を介して通知する。
これによれば、目的地に到着するまで運転手が覚醒を維持し続けられるかを同乗者も確認することができる、という利点がある。また、運転手が覚醒を維持できないと予測される場合、同乗者が今後、どの時点で交代が必要かを確認することができる、という利点がある。さらに、同乗者の眠気を、経路が最も単純である際の経路形態係数を用いて予測するので、運転しない同乗者に対して的確な眠気レベル予測ができる、という利点がある。
本開示の一態様に係る眠気予測方法は、車両の乗員の起床時刻及び乗車時刻を少なくとも含む生活ログを取得し、前記車両の目的地までの経路に関する経路情報を取得し、前記生活ログと、前記経路情報とに基づいて、前記車両の乗車中における前記乗員の眠気レベルを予測する。
これによれば、乗員の眠気に影響を及ぼし得る車両の目的地までの経路と、乗員の起床時刻及び乗車時刻とに基づいて、乗員の眠気レベルを予測するため、車両の乗員の眠気を予測する精度の向上を図ることができる、という利点がある。
特に、乗員の起床時刻及び乗車時刻に基づいて、つまりは乗員が起床してから車両に乗車するまでの活動期間を加味して乗員の眠気レベルを予測するため、活動期間を加味せずに乗員の眠気レベルを予測する場合と比較して、乗員の眠気を予測する精度の更なる向上が期待できる。例えば、乗員が乗車した時点での眠気レベルが同じであったとしても、乗車前における活動期間の長さによって、その後の眠気レベルの推移が異なり得るからである。
以下、実施の形態1,2について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態1,2は、包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態1,2で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の設置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態1,2における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態1)
<構成>
図1は、実施の形態1における眠気予測システム100の概要を示すブロック図である。実施の形態1における眠気予測システム100は、例えば車両等の移動体に用いられ、車両の運転を支援するためのシステムである。実施の形態1では、眠気予測システム100は、車載機器により実現されているが、車両の外部から持ち込まれる外部機器により実現されてもよい。また、実施の形態1では、眠気予測システム100が対象とする乗員は、車両の運転席に着座する運転手であるが、助手席又は後部座席に着座する運転手以外の乗員であってもよい。
眠気予測システム100は、図1に示すように、状態情報取得部11と、経路情報取得部12と、生活ログ取得部13と、眠気予測部14と、通知部15と、データベース16と、を備えている。
状態情報取得部11は、乗員の車両の乗車時における状態に関する状態情報を取得する。状態情報取得部11は、眠気予測方法に含まれるステップS1(図7参照)の実行主体である。状態情報は、例えば乗員の頭部の揺れ、瞼の位置、又は姿勢等、車両の座席に着座した乗員の身体の一部の状態に関する情報であって、乗員の眠気に応じた傾向が表れやすい情報を含み得る。実施の形態1では、状態情報は、乗員の瞼の位置に関する情報を含む。
実施の形態1では、状態情報取得部11は、車両に搭載されて乗員を撮像するカメラ2から、乗員を撮像した画像を状態情報として取得する。カメラ2は、座席に着座した乗員を正面又はルームミラー位置から撮像することで、乗員の瞼を含む画像を撮像する。状態情報取得部11は、カメラ2との間で有線通信又は無線通信を行うことにより、カメラ2で撮像された画像を取得する。
経路情報取得部12は、車両の目的地までの経路に関する経路情報を取得する。経路情報取得部12は、眠気予測方法に含まれるステップS2(図7参照)の実行主体である。経路情報は、車両の現在地から目的地までの経路を走行するのに要する走行予測期間T3(図2参照)の他に、当該経路の形態に関する情報を含み得る。具体的には、経路情報は、経路の形態に関する情報として、例えば経路が高速道路、自動車専用道路、若しくは一般道等のその他の道路であるか否かの情報、経路が直線若しくはカーブであるか否かの情報、又は経路が平坦、上り勾配、若しくは下り勾配であるか否かの情報を含み得る。また、経路情報は、経路の形態に関する情報として、例えば経路がトンネルを含むか否かの情報、経路が合流地点を含むか否かの情報、又は経路の車線数が3車線以上であるか否かの情報を含み得る。
実施の形態1では、経路情報取得部12は、車両に搭載されたナビゲーションシステム3から経路情報を取得する。ナビゲーションシステム3は、カーナビゲーションシステムであって、乗員により目的地を設定する操作入力を受け付けると、車両の現在地から目的地までの経路を設定し、かつ、目的地への到達予定時刻を算出する(つまり、走行予測期間T3を算出する)。経路情報取得部12は、ナビゲーションシステム3との間で有線通信又は無線通信を行うことにより、ナビゲーションシステム3から設定した経路及び走行予測期間T3を含む情報、つまりは経路情報を取得する。
生活ログ取得部13は、車両の乗員の起床時刻及び乗車時刻を含む生活ログを取得する。生活ログ取得部13は、眠気予測方法に含まれるステップS3(図7参照)の実行主体である。生活ログは、乗員の日常生活に関する情報である。実施の形態1では、生活ログ取得部13は、起床時刻及び乗車時刻の他に、乗員の就寝時刻を生活ログとして更に取得する。起床時刻は、乗員が車両に乗車する当日又は前日において、乗員が起床した時刻である。乗車時刻は、乗員が車両に乗車する当日において、乗員が車両に乗車した時刻である。就寝時刻は、乗員が車両に乗車する日の当日又は前日において、乗員が就寝した時刻である。
実施の形態1では、生活ログ取得部13は、乗員が装着したウェアラブルデバイス4から生活ログの少なくとも一部を取得し、かつ、車両に搭載されたECU(Electronic Control Unit)5から生活ログの少なくとも一部を取得する。
ウェアラブルデバイス4は、例えばスマートウォッチ又はスマートグラス等、乗員の手首、腕、又は頭等に装着可能な装置である。ウェアラブルデバイス4は、例えば乗員の歩数、血圧、又は心拍数等、乗員の活動を計測する機能を有している。生活ログ取得部13は、ウェアラブルデバイス4との間で無線通信を行うことにより、ウェアラブルデバイス4で計時された乗員の起床時刻及び就寝時刻を含む情報、つまりは生活ログの一部を取得する。
ECU5は、例えば乗員が車両に乗車し、車両の電源をオンにした時刻を乗車時刻として計時する。なお、ECU5は、例えばナビゲーションシステム3にて乗員が目的地を設定する操作入力を受け付けた時刻を乗車時刻として計時してもよい。生活ログ取得部13は、ECU5との間で有線通信又は無線通信を行うことにより、ECU5で計時した乗車時刻を含む情報、つまりは生活ログの一部を取得する。
眠気予測部14は、生活ログ取得部13で取得した生活ログと、経路情報取得部12で取得した経路情報とに基づいて、車両の乗車中における乗員の眠気レベルを予測する。眠気予測部14は、眠気予測方法に含まれるステップS4,S6~S10(図7参照)の実行主体である。以下、眠気予測部14により予測された車両の乗車中における乗員の眠気レベルを、単に「予測レベル」ともいう。
実施の形態1では、眠気予測部14は、図2に示すように、活動期間係数W、走行予測期間係数Tg、及び経路形態係数Lに基づいて、車両の乗車中における眠気レベル(予測レベル)を予測する。また、実施の形態1では、眠気予測部14は、図2に示すように、睡眠期間係数Sに更に基づいて、車両の乗車中における眠気レベル(予測レベル)を予測する。
図2は、実施の形態1における眠気予測システム100が用いる各種パラメータの説明図である。図2に示すように、睡眠期間係数Sは、生活ログ取得部13が取得した起床時刻と就寝時刻との差分である睡眠期間T1に対応するパラメータである。睡眠期間係数Sは、例えば0以上5以下の数値範囲で変動し、睡眠期間T1が短ければ短い程大きく、長ければ長い程小さくなる。実施の形態1では、眠気予測部14は、データベース16に記憶されている睡眠期間T1と睡眠期間係数Sとの相関を規定したデータを参照することにより、睡眠期間係数Sを求める。例えば、眠気予測部14は、睡眠期間T1が1時間未満であれば睡眠期間係数Sを「5」、睡眠期間T1が5時間以上7時間未満であれば睡眠期間係数Sを「3」、睡眠期間T1が10時間以上であれば睡眠期間係数Sを「0」と求める。
図2に示すように、活動期間係数Wは、生活ログ取得部13が取得した起床時刻と乗車時刻との差分である活動期間T2に対応するパラメータである。活動期間係数Wは、例えば0以上5以下の数値範囲で変動し、活動期間T2が長ければ長い程大きく、活動期間T2が短ければ短い程小さくなる。実施の形態1では、眠気予測部14は、データベース16に記憶されている活動期間T2と活動期間係数Wとの相関を規定したデータを参照することにより、活動期間係数Wを求める。例えば、眠気予測部14は、活動期間T2が4時間未満であれば活動期間係数Wを「0」、活動期間T2が12時間以上16時間未満であれば活動期間係数Wを「3」、活動期間T2が20時間以上であれば活動期間係数Wを「5」と求める。
図2に示すように、走行予測期間係数Tgは、経路情報取得部12が取得した経路情報に基づく、走行予測期間T3に対応するパラメータである。走行予測期間係数Tgは、例えば0.1以上1以下の数値範囲で変動し、走行予測期間T3が長ければ長い程大きく、走行予測期間T3が短ければ短い程小さくなる。実施の形態1では、眠気予測部14は、データベース16に記憶されている走行予測期間T3と走行予測期間係数Tgとの相関を規定したデータを参照することにより、走行予測期間係数Tgを求める。例えば、眠気予測部14は、走行予測期間T3が0時間のときの走行予測期間係数Tgを「0」とし、以降、走行予測期間T3が10分長くなるごとに走行予測期間係数Tgを「0.05」ずつ加算する形で走行予測期間係数Tgを求める。そして、眠気予測部14は、例えば走行予測期間T3が200分以上であれば走行予測期間係数Tgを「1」と求める。
なお、実施の形態1では走行予測期間T3と走行予測期間係数Tgの相関を線形の関係としたが、この相関は、例えば走行予測期間T3が大きくなるほど急に走行予測期間係数Tgが増加する非線形の関係であってもよい。
図2に示すように、経路形態係数Lは、経路情報取得部12が取得した経路情報に基づく、走行予測期間T3にて車両が走行する経路の形態に対応するパラメータである。経路形態係数Lは、例えば0以上5以下の数値範囲で変動し、経路の形態が単調であればある程大きく、経路の形態が複雑であればある程小さくなる。ここで「経路の形態が複雑」とは、例えば信号又は歩行者に起因する車両の加速、減速、停止、及び車線変更等のように、要求される車両の運転の変化が比較的多いことをいう。例えば、眠気予測部14は、データベース16に記憶されている経路の形態と経路形態係数Lとの相関を規定したデータを参照することにより、経路形態係数Lを求める。例えば、眠気予測部14は、経路が高速道路であり、直線であり、平坦であり、トンネルであり、かつ、車線数が3車線以上であれば、経路形態係数Lを「5」と求める。また、例えば、眠気予測部14は、経路が高速道路であり、カーブであり、上り勾配又は下り勾配であり、合流地点があり、かつ、車線数が3車線以上であれば、経路形態係数Lを「2.5」と求める。また、例えば、眠気予測部14は、経路が一般道(加速、減速、停止が多い、又は交差点での右左折が多い等)であれば、経路形態係数Lを「0」と求める。
さらに、実施の形態1では、眠気予測部14は、状態情報取得部11が取得した状態情報に基づいて乗員の現在の眠気レベルを求め、現在の眠気レベルに更に基づいて、車両の乗車中における眠気レベル(予測レベル)を予測する。例えば、眠気予測部14は、カメラ2から取得した乗員の瞼を含む画像に対して適宜の画像解析処理を実行することにより、乗員の既定期間内における瞼の位置の代表値(例えば、平均値等)に基づいて、乗員の現在の眠気レベルを求める。例えば、瞼の位置は、開眼時を100%、閉眼時を0%としたときの開眼度合いとして定義し得る。実施の形態1では、眠気予測部14は、データベース16に記憶されている既定期間内における瞼の位置又は瞼の動きの速さの代表値と眠気レベルとの相関を規定したデータを参照することにより、乗員の現在の眠気レベルを求める。
実施の形態1では、眠気予測部14は、乗員の現在の眠気レベルを「レベル1」~「レベル5」の5段階で、同様に予測レベルを「レベル1」~「レベル5」の5段階で求めている。「レベル1」は、乗員が全く眠気を感じていないと推定されるレベルである。「レベル2」は、乗員がやや眠気を感じていると推定されるレベルである。「レベル3」は、乗員が眠気を感じていると推定されるレベルである。「レベル4」は、乗員がかなり眠気を感じていると推定されるレベルである。「レベル5」は、乗員が非常に眠気を感じていると推定されるレベルである。
一例として、予測レベルは、経路形態係数L、睡眠期間係数S、走行予測期間係数Tg、活動期間係数W、及び現在の眠気レベルNを用いて、以下の式(1)により算出される。式(1)において、「D」は予測レベルを表している。また、式(1)において、「N」、「S」、及び「W」は、いずれも運転手が車両に乗車した時点において定まる定数である一方、「D」、「L」、及び「Tg」は、いずれも現時点(ここでは、運転手が車両に乗車した時点)から時々刻々と変化する。したがって、式(1)においては、「D」、「L」、及び「Tg」は、いずれも現時点からの経過時間「t」の関数で表されている。
ここで、式(1)においては、「D(t)」は0以上20以下の数値範囲で算出されるが、上述のように予測レベルは「レベル1」~「レベル5」の5段階である。したがって、眠気予測部14は、算出された「D(t)」が5以上の場合、予測レベルを一律で「レベル5」と求める。なお、「D(t)」が5未満の場合、後述する式(2)~式(4)の計算時に、「D(t)」として小数以下を含む数値を使用する。
また、実施の形態1では、眠気予測部14は、乗員の乗車時のみならず、乗車時刻から所定時間Td(図3及び図4参照)が経過するごとに、予測レベルのずれ補正処理を実行するか否かを判定する。所定時間Tdは、例えば分単位であって、好ましくは30分である。
具体的には、眠気予測部14は、乗車時刻から所定時間Tdが経過するごとに、状態情報取得部11が取得した状態情報に基づいて、現在の眠気レベルを再度求める。そして、眠気予測部14は、再度求めた現在の眠気レベルと、予測した車両の乗車中における眠気レベル(予測レベル)とを比較する。比較の結果、現在の眠気レベルと予測レベルとが一致すれば、眠気予測部14は、ずれ補正処理を実行しない。一方、比較の結果、現在の眠気レベルと予測レベルとが一致しなければ、眠気予測部14は、ずれ補正処理を実行する。
一例として、ずれ補正処理は、以下の式(2)~(4)を用いて実行される。式(2)において、「D’(t)」は、ずれ補正処理により補正された予測レベルを表しており、「N’」は、再度求めた現在の眠気レベル(つまり、ずれ補正処理の実行時点における現在の眠気レベル)を表している。また、式(2)、(3)において、「Tg’(t)」は、再度求めた走行予測期間係数Tgを表しており、「TTd」は、現時点から所定時間Td前の時点までに車両が走行した走行期間に対応するパラメータであって、以下、「走行済期間係数TTd」という。また、式(4)は、走行済期間係数TTdを算出する式であって、「D」は現時点から所定時間Td前の時点で眠気予測部14により予測された予測レベルを表している。
ここで、眠気予測部14によるずれ補正処理の具体例について、図3及び図4を用いて説明する。図3は、実施の形態1における眠気予測システム100の眠気予測部14によるずれ補正処理の一例の概要を示す図である。図3に示す例では、乗車時刻から所定時間Tdが経過した時点である第1補正時刻において、乗車時刻に眠気予測部14により予測した予測レベルが「レベル2」である一方、第1補正時刻における現在の眠気レベルが「レベル3」である。つまり、図3に示す例では、乗員の眠気が予測よりも進行した場合を示している。この場合、現時点が第1補正時刻であり、現時点から所定時間Td前の時点が乗車時刻に相当する。そして、式(4)における「N’-D」は正の数(ここでは、3-2=1)となる。
図4は、実施の形態1における眠気予測システム100の眠気予測部14によるずれ補正処理の他の一例の概要を示す図である。図4に示す例では、第1補正時刻から所定時間Tdが経過した時点である第2補正時刻において、第1補正時刻に眠気予測部14により予測した予測レベルが「レベル4」である一方、第2補正時刻における現在の眠気レベルが「レベル3」である。つまり、図4に示す例では、乗員の眠気が予測よりも進行しなかった場合を示している。この場合、現時点が第2補正時刻であり、現時点から所定時間Td前の時点が第1補正時刻に相当する。そして、式(4)における「N’-D」は負の数(ここでは、3-4=-1)となる。
そして、眠気予測部14は、式(2)~(4)を用いてずれ補正処理を実行し、予測レベルを補正(更新)する。以降、眠気予測部14が再びずれ補正処理を実行するまでは、補正された予測レベルが維持される。
以下、具体的な補正例を説明する。車両の乗車時(t=0)において、まず乗員は通常の睡眠がとれていたとして、睡眠期間係数S=2であったとする。また、起床から乗車までの期間が比較的長かったとして、活動期間係数W=3であったとする。次に、車両の現在地から到着地までの経路の形態は一般道が多いとして、L(0)=0であったとする。また、現在地から到着地までにかかる走行予測期間T3が100分として、Tg(0)=0.05×(100/10)=0.5であったとする。さらに乗車時に乗員は眠気を感じていない「レベル1」であったとして、眠気レベルN=1であったとする。これらのパラメータを式(1)に代入すると、乗車時点での予測レベルD(0)=0.5×(2+3+0)+1=3.5となる。したがって、乗車時点で、到着地に至る頃に乗員の眠気はレベル3.5、つまり、乗員が眠気を感じている状態になると予測される。
次に、乗車後、20分が経過した(t=20)とする。20分後であるので、残りの走行予測期間T3は80分となる。したがって、Tg(20)=0.05×(80/10)=0.4となる。その後の経路形態は一般道ばかりであるとして、L(20)=0とする。また、20分経過後に、乗員が眠気を感じているとして眠気レベルN’=3とする。ここで、式(4)のDは乗車時の予測レベルであるので、上記よりD=D(0)=3.5となる。これらのパラメータを、まず式(4)に代入すると、TTd=(3-3.5)/(2+3+0)=-0.1となる。よって、式(3)より、Tg’(20)は、Tg’(20)=0.4-0.1=0.3となる。したがって、式(2)より、補正された予測レベルD’(20)=0.3×(2+3+0)+3=4.5となる。ここで、乗車時の予測レベルD(0)は3.5だったので、その後の20分の走行で、予測レベルが4.5に補正され、到着地に至る頃に乗員がかなり眠気を感じている状態になると予測される。
通知部15は、眠気予測部14が予測した車両の乗車中における眠気レベル(予測レベル)を、乗員に通知する。通知部15は、眠気予測方法に含まれるステップS5(図7参照)の実行主体である。実施の形態1では、通知部15は、予測レベルを含む情報を表示部6に表示させることにより、予測レベルを乗員に対して視覚的に通知する。表示部6は、例えばナビゲーションシステム3が備えるディスプレイである。
図5は、実施の形態1における眠気予測システム100の通知部15による通知例の概要を示す図である。図5は、表示部6の画面を表している。図5に示すように、表示部6には、眠気レベル(予測レベル)を縦軸、経過時間tを横軸とするグラフ61が表示されている。グラフ61において、式(1)、式(2)に示したように、眠気レベル(予測レベル)は経過時間tの関数であるので、例えば線A1,A2に示すように、いずれも現在(例えば、運転手が車両に乗車した時点:経過時間t0)からの車両の乗車中における運転手の経時的な眠気レベル(つまり、予測レベル)の推移を表すことができる。線A1に示す推移例は、車両が高速道路を走行している経過時間t1までにおいては経路の形態が単調であるので、予測レベルが時間経過に伴って線形に上昇し、その後、車両が一般道を走行している期間においては経路の形態が高速道路に比べ複雑になるので、上昇率が小さくなった状態で予測レベルが徐々に上昇していることを表している。また、線A2に示す推移例は、経路が目的地への到着まで全体にわたって一般道であって、予測レベルが時間経過に伴って非線形に上昇し、目的地への到着予定時刻t2で最大の予測レベル(眠気レベル)に達することを表している。なお、上記したように予測レベルが「5」を超える場合は、一律で「レベル5」と求めるため、到着予定時刻t2以降の予測レベルは「5」の一定値となる。また、図5に示す例では、グラフ61に線A1,A2の両方が表示されているが、実際には、グラフ61には線A1,A2のいずれか1つのみが表示される。また、線A1,A2は、予測レベルの推移の一例を表しているに過ぎず、眠気予測部14による予測の結果に応じて、予測レベルは線A1,A2とは異なる推移を辿り得る。
実施の形態1では、表示部6には、体調情報が更に表示される。体調情報は、睡眠期間T1及び活動期間T2をそれぞれ文字列で示す時間アイコン62と、体調アイコン63と、を含む。つまり、通知部15は、活動期間T2と、睡眠期間T1とに基づく乗員の体調情報を、乗員に更に通知している。ここで、体調情報は、車両に乗車した時点における、乗員の今後の眠気に影響を及ぼし得る体調を間接的に示す情報と言える。
体調アイコン63は、例えば人の顔を模したピクトグラムにより表され、図6に示すように、睡眠期間T1に対応する睡眠期間係数Sと、活動期間T2に対応する活動期間係数Wと、に応じて表示態様が変化する。図6は、実施の形態1における表示部6に表示される体調アイコン63の説明図である。
図6の(a)は、睡眠期間係数Sと活動期間係数Wとの合計値が0以上3未満である場合の体調アイコン63を表している。この体調アイコン63は、ピクトグラムが比較的穏やかな表情で描かれており、車両に乗車した時点において乗員の体調が比較的良好であることを表している。
図6の(b)は、睡眠期間係数Sと活動期間係数Wとの合計値が3以上5未満である場合の体調アイコン63を表している。この体調アイコン63は、ピクトグラムがやや険しい表情で描かれており、図6の(a)と比較して車両に乗車した時点において乗員の体調が良くないことを表している。
図6の(c)は、睡眠期間係数Sと活動期間係数Wとの合計値が5以上10以下である場合の体調アイコン63を表している。この体調アイコン63は、ピクトグラムが非常に険しい表情で描かれており、図6の(b)と比較して車両に乗車した時点において乗員の体調が良くないことを表している。
データベース16は、例えば半導体メモリにより実現される。なお、データベース16は、特に限定されることなく公知の電子情報記憶の手段を用いて実現可能である。データベース16は、経路形態係数L、睡眠期間係数S、走行予測期間係数Tg、及び活動期間係数Wをそれぞれ求める際に眠気予測部14が参照するデータを記憶する。また、データベース16は、現在の眠気レベルNを求める際に眠気予測部14が参照するデータを記憶する。
<動作>
以下、実施の形態1における眠気予測システム100の動作について、図7を参照して説明する。図7は、実施の形態1における眠気予測システム100の動作例を示すフローチャートである。
まず、乗員が車両に乗車し、車両の電源をオンにすると、状態情報取得部11は、カメラ2から乗員を撮像した画像を状態情報として取得する(S1)。また、経路情報取得部12は、ナビゲーションシステム3から設定した経路及び走行予測期間T3を含む経路情報を取得する(S2)。また、生活ログ取得部13は、ウェアラブルデバイス4から乗員の起床時刻及び就寝時刻を含む情報を生活ログの一部として取得し、かつ、ECU5から乗車時刻を含む情報を生活ログの一部として取得する(S3)。なお、ステップS1~S3は、この順とは異なる順で実行されてもよいし、並行して実行されてもよい。
次に、眠気予測部14は、取得した状態情報に基づいて乗員の現在の眠気レベルを求め、この現在の眠気レベルと、取得した経路情報及び生活ログとに基づいて、乗員の眠気、つまり車両の乗車中における乗員の眠気レベル(予測レベル)を予測する(S4)。そして、通知部15は、眠気予測部14が予測した予測レベルを表示部6に表示させることにより、予測レベルを乗員に通知する(S5)。ステップS5では、予測レベルの他に、体調情報も併せて乗員に通知される。
その後、所定時間Tdが経過するまでは、特に何も実行しない(S6:No)。一方、所定時間Tdが経過すると(S6:Yes)、眠気予測部14は、状態情報取得部11が取得した状態情報に基づいて、再度、現在の眠気レベルを取得する(S7)。そして、眠気予測部14は、再度求めた現在の眠気レベルと、予測レベルとを比較する。比較の結果、再度求めた現在の眠気レベルと予測レベルとが一致する場合(S8:Yes)、眠気予測部14は、ずれ補正処理を実行しない。一方、再度求めた現在の眠気レベルが予測レベルと一致しない場合(S8:No)、眠気予測部14は、ずれ補正処理を実行し、予測レベルを補正(更新)する(S9)。
その後、車両が設定した目的地に到着するまで(S10:No)、上記のステップS6~S9を繰り返す。そして、車両が設定した目的地に到着すると(S10:Yes)、眠気予測システム100の動作が終了する。
<作用効果>
以上のように、実施の形態1における眠気予測システム100は、生活ログ取得部13と、経路情報取得部12と、眠気予測部14と、を備える。生活ログ取得部13は、車両の乗員の起床時刻及び乗車時刻を少なくとも含む生活ログを取得する。経路情報取得部12は、車両の目的地までの経路に関する経路情報を取得する。眠気予測部14は、生活ログと、経路情報とに基づいて、車両の乗車中における乗員の眠気レベルを予測する。
これによれば、乗員の眠気に影響を及ぼし得る車両の目的地までの経路と、乗員の起床時刻及び乗車時刻とに基づいて、乗員の眠気レベルを予測するため、車両の乗員の眠気を予測する精度の向上を図ることができる、という利点がある。
特に、乗員の起床時刻及び乗車時刻に基づいて、つまりは乗員が起床してから車両に乗車するまでの活動期間T2を加味して乗員の眠気レベルを予測するため、活動期間T2を加味せずに乗員の眠気レベルを予測する場合と比較して、乗員の眠気を予測する精度の更なる向上が期待できる。例えば、乗員が乗車した時点での眠気レベルが同じであったとしても、乗車前における活動期間T2の長さによって、その後の眠気レベルの推移が異なり得るからである。
また、実施の形態1における眠気予測システム100では、眠気予測部14は、生活ログ取得部13が取得した起床時刻と乗車時刻との差分である活動期間T2に対応する活動期間係数Wを求める。また、眠気予測部14は、経路情報取得部12が取得した経路情報に基づいて、経路を走行するのに要する走行予測期間T3に対応する走行予測期間係数Tgを求める。また、眠気予測部14は、経路情報取得部12が取得した経路情報に基づいて、経路の形態に対応する経路形態係数Lを求める。そして、眠気予測部14は、活動期間係数W、走行予測期間係数Tg、及び経路形態係数Lに基づいて、車両の乗車中における眠気レベルを予測する。
これによれば、乗員の活動期間T2、車両の走行予測期間T3、及び経路の形態を考慮することにより、車両の乗車中における乗員の眠気レベルを予測する精度の更なる向上を図ることができる、という利点がある。
また、実施の形態1における眠気予測システム100では、生活ログ取得部13は、乗員の就寝時刻を生活ログとして更に取得する。
これによれば、乗員の就寝時刻を考慮することにより、車両の乗車中における乗員の眠気レベルを予測する精度の更なる向上を図ることができる、という利点がある。
また、実施の形態1における眠気予測システム100では、眠気予測部14は、生活ログ取得部13が取得した就寝時刻と起床時刻との差分である睡眠期間T1に対応する睡眠期間係数Sを求める。そして、眠気予測部14は、睡眠期間係数Sに更に基づいて、車両の乗車中における眠気レベルを予測する。
これによれば、乗員の睡眠期間T1を考慮することにより、車両の乗車中における乗員の眠気レベルを予測する精度の更なる向上を図ることができる、という利点がある。
また、実施の形態1における眠気予測システム100は、乗員の車両の乗車時における状態に関する状態情報を取得する状態情報取得部11を更に備える。眠気予測部14は、状態情報に基づいて乗員の現在の眠気レベルを求め、現在の眠気レベルに更に基づいて、車両の乗車中における眠気レベルを予測する。
これによれば、乗員の現在の眠気レベルを考慮することにより、車両の乗車中における乗員の眠気レベルを予測する精度の更なる向上を図ることができる、という利点がある。
また、実施の形態1における眠気予測システム100では、眠気予測部14は、乗車時刻から所定時間Tdが経過するごとに、現在の眠気レベルを再度求める。そして、眠気予測部14は、再度求めた現在の眠気レベルと予測した車両の乗車中における眠気レベルとにずれが生じた場合に、当該ずれを解消するように車両の乗車中における眠気レベルを補正する。
これによれば、所定時間Tdごとに車両の乗車中における乗員の眠気レベルを補正することで、車両の乗車中における乗員の眠気レベルを予測する精度の更なる向上を図ることができる、という利点がある。
また、実施の形態1における眠気予測システム100は、眠気予測部14が予測した車両の乗車中における眠気レベルを、乗員に通知する通知部15を更に備える。
これによれば、乗員が今後の眠気レベルの推移を把握することができるので、乗員が休憩を挟む等して車両の運転の安全性を向上するための措置をとりやすくなる、という利点がある。
また、実施の形態1における眠気予測システム100では、生活ログ取得部13は、乗員の就寝時刻を生活ログとして更に取得する。通知部15は、生活ログ取得部13が取得した起床時刻と乗車時刻との差分である活動期間T2と、生活ログ取得部13が取得した就寝時刻と起床時刻との差分である睡眠期間T1と、に基づく乗員の体調情報を、乗員に更に通知する。
これによれば、乗員が車両の乗車時点における自身の体調を把握することができるので、乗員が今後の眠気レベルの推移と自身の体調との相関を把握しやすい、という利点がある。
また、実施の形態1における眠気予測システム100では、状態情報取得部11は、車両に搭載されて乗員を撮像するカメラ2から、乗員を撮像した画像を状態情報として取得する。
これによれば、例えば乗員の瞼等、乗員の眠気との相関を有する箇所を撮像した画像を取得することができるので、乗員の現在の眠気レベルを取得しやすくなる、という利点がある。
また、実施の形態1における眠気予測システム100では、生活ログ取得部13は、乗員が装着したウェアラブルデバイス4から生活ログの少なくとも一部を取得する。
これによれば、乗員がウェアラブルデバイス4を日常的に身に着けていることから、生活ログを取得する精度が向上しやすい、という利点がある。
また、実施の形態1における眠気予測システム100では、経路情報取得部12は、車両に搭載されたナビゲーションシステム3から経路情報を取得する。
これによれば、例えばスマートフォン等の情報端末に搭載されているナビゲーションシステムから経路情報を取得する場合と比較して、経路情報を取得する精度が向上しやすい、という利点がある。
また、実施の形態1における眠気予測方法は、車両の乗員の起床時刻及び乗車時刻を少なくとも含む生活ログを取得し(ステップS3)、車両の目的地までの経路に関する経路情報を取得し(ステップS2)、生活ログと、経路情報とに基づいて、車両の乗車中における乗員の眠気レベルを予測する(ステップS4)。
これによれば、乗員の眠気に影響を及ぼし得る車両の目的地までの経路と、乗員の起床時刻及び乗車時刻とに基づいて、乗員の眠気レベルを予測するため、車両の乗員の眠気を予測する精度の向上を図ることができる、という利点がある。
特に、乗員の起床時刻及び乗車時刻に基づいて、つまりは乗員が起床してから車両に乗車するまでの活動期間T2を加味して乗員の眠気レベルを予測するため、活動期間T2を加味せずに乗員の眠気レベルを予測する場合と比較して、乗員の眠気を予測する精度の更なる向上が期待できる。例えば、乗員が乗車した時点での眠気レベルが同じであったとしても、乗車前における活動期間T2の長さによって、その後の眠気レベルの推移が異なり得るからである。
(実施の形態2)
<構成>
図8は、実施の形態2における眠気予測システムの概要を示すブロック図である。実施の形態2の眠気予測システム100aは、眠気予測部14aが覚醒刺激部21、及び、自動停車制御部22と電気的に接続されている点が、実施の形態1の眠気予測システム100と主に異なる。したがって、眠気予測システム100aにおいて、眠気予測システム100と同じ構成要素には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、相違点について以下、詳細に説明する。なお、実施の形態2では、乗員は運転手だけでなく同乗者も含む。
眠気予測部14aは、実施の形態1の眠気予測部14の構成に加え、覚醒刺激部21と電気的に接続され、覚醒刺激部21に対し運転手覚醒刺激信号、及び、同乗者覚醒刺激信号を出力する構成をさらに備える。
覚醒刺激部21は、運転手を覚醒させるために、例えば運転席に内蔵された加振部(図示せず)を備える。さらに、同乗者を覚醒させるために、例えば助手席や後部座席に内蔵された加振部(図示せず)を備える。そして、覚醒刺激部21は運転手覚醒刺激信号を受信すると、運転席の加振部を動作させ、運転手を覚醒させる。同様に、覚醒刺激部21は同乗者覚醒刺激信号を受信すると、助手席や後部座席の加振部を動作させ、同乗者を覚醒させる。
また、眠気予測部14aは、さらに、自動停車制御部22と電気的に接続され、車両を路肩に自動停車させるための自動停車信号を出力する構成も備える。
自動停車制御部22は車両に搭載され、自動停車信号を受信すると、自動的に車両を路肩に停止させる制御を実行する。
なお、実施の形態2におけるウェアラブルデバイス4は、生活ログとして、当該ウェアラブルデバイス4の所有者(運転手、または、同乗者になり得る。)の運転免許保持情報を有している。運転免許保持情報は、予め所有者が当該ウェアラブルデバイス4に運転免許の保持を登録することで記憶される。したがって、生活ログ取得部13は、他の生活ログを取得するときに、登録された運転免許保持情報も取得する。この運転免許保持情報は生活ログ取得部13から眠気予測部14aに出力される。
<動作>
以下、実施の形態2における眠気予測システム100aの動作について、図9を参照して説明する。図9は、実施の形態2における眠気予測システム100aの動作例を示すフローチャートである。なお、実施の形態2において、実施の形態1と同じ動作については説明を省略し、実施の形態2の特徴となる動作について詳細を説明する。
図9に示す眠気予測システム100aの動作を実行する前提として、図7で説明した動作に基づいて、運転手と同乗者の眠気がそれぞれ予測されているものとする。
なお、同乗者の眠気予測については、基本的には式(1)により運転手の眠気予測と同じ方法により行われる。この際、同乗者に対しても撮像できるようにカメラ2が車内に配置されている。但し、同乗者は運転を行わないので、経路形態係数Lは、もっとも単調な経路形態である「5」で、経過時間tに関わらず一定であると定める。また、同乗者の眠気予測についても、式(2)から式(4)に基づいて、ずれ補正処理が行われてもよい。
また、眠気予測部14aは、上記により求められた運転手と同乗者の眠気レベルを、通知部15を介して表示部6に表示させる。この時、例えば表示部6には図5に示すグラフ61において、運転手の眠気レベルを示すグラフと、同乗者の眠気レベルを示すグラフとを、同時に表示する。なお、車両が表示部6を複数備える場合は、それぞれの表示部6に上記グラフを表示してもよい。
以下、図9に示す眠気予測システム100aの動作を説明する。まず、眠気予測部14aは、今後の運転手の眠気レベル(つまり、運転手の予測レベル)が最大所定値に至るか否かを判断する(S11)。ここで、最大所定値とは、乗員が非常に眠気を感じていると推定される「レベル5」である。もし、今後の運転手の眠気レベルが最大所定値に至らない場合は(S11:No)、眠気予測部14aは、車両が目的地に到着するまでに運転手の眠気レベルが最大所定値には至らないと予測しているので、図9の制御を終了する。
一方、今後の運転手の眠気レベルが最大所定値に至る場合は(S11:Yes)、眠気予測部14aは、現在の運転手の眠気レベルが第1所定値に至っているか否かを判断する(S12)。第1所定値は、例えば乗員が眠気を感じていると推定される「レベル3」である。もし、現在の運転手の眠気レベルが第1所定値に至っていない場合は(S12:Yes)、図9の制御を終了する。一方、現在の運転手の眠気レベルが第1所定値に至っている、又は超えている場合は(S12:No)、眠気予測部14aは、ステップS13以降を実行する。
現在の運転手の眠気レベルが第1所定値に至ると(S13:Yes)、運転手が眠気を感じていると予測されるので、眠気予測部14aは、運転手への覚醒刺激を指示する運転手覚醒刺激信号を覚醒刺激部21に出力する。これにより、覚醒刺激部21は運転手へ覚醒刺激を行う。さらに、眠気予測部14aは、覚醒刺激を行っていることを同乗者に通知部15を介して通知する(以上、S14)。なお、具体的には、眠気予測部14aは、覚醒刺激を行っていることを、通知部15を介して表示部6に表示させることにより、同乗者への通知を行う。
次に、眠気予測部14aは、今後の運転手の眠気レベルが第1所定値より高い第2所定値に至るか否かを判断する(S15)。ここで、第2所定値は、例えば乗員がかなり眠気を感じていると推定される「レベル4」であり、第1所定値の「レベル3」より高い。もし、今後の運転手の眠気レベルが第2所定値には至らないと判断されれば(S15:No)、眠気予測部14aは図9の制御を終了する。
一方、今後の運転手の眠気レベルが第2所定値に至る場合は(S15:Yes)、眠気予測部14aは、同乗者への覚醒刺激を指示する同乗者覚醒刺激信号を覚醒刺激部21へ出力する(S16)。これにより、覚醒刺激部21は同乗者にも覚醒刺激を行う。なお、ここで同乗者にも覚醒刺激を行う理由は、同乗者に運転引き継ぎの予告(いつでも引継ぎが可能な状態にする)を行うためであるので、ステップS14における運転手への覚醒刺激よりも弱い覚醒刺激を同乗者に行ってもよい。その後、眠気予測部14aは、図9の制御を終了する。
次に、現在の運転手の眠気レベルが第1所定値を超えている場合は(S13:No)、眠気予測部14aは、現在の運転手の眠気レベルが最大所定値(「レベル5」)より低い第2所定値(「レベル4」)に至っているか、上回っているかを判断する(S17)。現在の運転手の眠気レベルが第2所定値に至っている場合は(S17:Yes)、眠気予測部14aは、運転手覚醒刺激信号及び同乗者覚醒刺激信号の両方を覚醒刺激部21へ出力する(S18)。これにより、覚醒刺激部21は運転手及び同乗者の両方に覚醒刺激を行う。
一方、現在の運転手の眠気レベルが第2所定値(「レベル4」)を上回っていれば(S17:No)、眠気予測部14aは、現在の運転手によるこれ以上の運転継続が困難と判断し、車両を路肩に自動停車させる自動停車信号を自動停車制御部22へ出力する(S19)。これを受け、自動停車制御部22は車両を自動的に路肩へ停車させる。これにより、運転手は、後述するステップS22で通知される、眠気予測部14aにより選択された同乗者と安全に運転交代をすることができる。なお、車両が自動停車制御部22を有しない場合は、路肩への自動駐車を行わなくてもよい。
次に、眠気予測部14aは、運転手より低い眠気レベルの運転免許保有同乗者が存在するかを判断する(S20)。なお、眠気予測部14aは生活ログ取得部13から、生活ログの一部である同乗者の運転免許保持情報を取得し、同乗者の内で運転免許を保持する同乗者が誰であるかを判断する。運転手より低い眠気レベルの運転免許保有同乗者が存在すれば(S20:Yes)、眠気予測部14aは、その同乗者の中で、最も眠気レベルが低い同乗者を選択する(S21)。なお、運転免許保有同乗者が1人だった場合は、眠気予測部14aは、その同乗者を選択する。そして、眠気予測部14aは、選択した的確な同乗者との運転交代を通知部15を介して通知する(S22)。具体的には、例えば眠気予測部14aは、通知部15に選択した同乗者の名前を出力し、通知部15はその同乗者の名前を表示部6により表示させるように制御する。このような動作により、眠気予測部14aは、運転手が、選択された同乗者と運転を交代することを促す。その後、眠気予測部14aは図9の制御を終了する。
一方、運転手より低い眠気レベルの運転免許保有同乗者が存在しなければ(S20:No)、眠気予測部14aは、通知部15を介して運転手に休憩を通知する(S23)。具体的には、眠気予測部14aは、休憩を促すメッセージを表示部6に表示させる信号を通知部15に出力する。これにより、通知部15は表示部6が休憩を促すメッセージを表示するように制御する。その後、眠気予測部14aは図9の制御を終了する。なお、運転手より低い眠気レベルの運転免許保有同乗者が存在しない場合とは、同乗者全員の眠気レベルが現在の運転手の眠気レベル(第2所定値)より大きい場合、もしくは、同乗者全員が運転免許を保有していない場合である。
<作用効果>
以上のように、実施の形態2における眠気予測システム100aでは、乗員は運転手と同乗者であり、眠気予測部14aは、運転手と同乗者の眠気レベルをそれぞれ予測し、運転手と同乗者のそれぞれに予測した眠気レベルを通知部15を介して通知する。
これによれば、目的地に到着するまで運転手が覚醒を維持し続けられるかを同乗者も確認することができる、という利点がある。また、運転手が覚醒を維持できないと予測される場合、同乗者が今後、どの時点で交代が必要かを確認することができる、という利点がある。
また、実施の形態2における眠気予測システム100aは、乗員への覚醒刺激を行う覚醒刺激部21を更にそなえる。そして、眠気予測部14aは、今後の運転手の眠気レベルが最大所定値に至ると判断し、かつ、現在の運転手の眠気レベルが第1所定値に至ると、運転手への覚醒刺激を指示する運転手覚醒刺激信号を覚醒刺激部21へ出力するとともに、覚醒刺激を行っていることを同乗者に通知部15を介して通知する。
これによれば、運転手が眠気を感じるレベル(第1所定値)の段階で運転手を覚醒させるとともに、同乗者に予め運転引き継ぎの可能性があることを知らせることができる、という利点がある。
また、実施の形態2における眠気予測システム100aでは、眠気予測部14aは、今後の運転手の眠気レベルが第1所定値より高い第2所定値に至ると判断すれば、同乗者への覚醒刺激を指示する同乗者覚醒刺激信号を覚醒刺激部21へ出力する。
これによれば、同乗者への覚醒刺激により、同乗者に運転引き継ぎの予告を行い、いつでも引継ぎが可能な状態にすることができる、という利点がある。
また、実施の形態2における眠気予測システム100aでは、眠気予測部14aは、今後の運転手の眠気レベルが最大所定値に至ると判断し、かつ、現在の運転手の眠気レベルが最大所定値より低い第2所定値を上回ると、運転手の眠気レベルより低い眠気レベルの同乗者との交代を、通知部15を介して通知する。
これによれば、運転手より眠気レベルの低い同乗者との交代が促されるため、目的地までの安全走行を継続することができる、という利点がある。
また、実施の形態2における眠気予測システム100aでは、眠気予測部14aは、同乗者が複数の場合、眠気レベルが最も低い同乗者との交代を、通知部15を介して通知する。
これによれば、全乗員のうち、最も眠気の少ない同乗者に運転を引き継ぐことで、目的地までの安全走行の確度が高まる、という利点がある。
また、実施の形態2における眠気予測システム100aは、車両を自動的に停止させる制御を実行する自動停車制御部22を更に備える。そして、眠気予測部14aは、運転手の同乗者との交代を通知部15を介して通知する際に、車両を路肩に自動停車させる自動停車信号を自動停車制御部22へ出力する。
これによれば、車両を安全に停車して同乗者と交代することができる、という利点がある。
また、実施の形態2における眠気予測システム100aでは、生活ログ取得部13は、同乗者の運転免許保持情報を生活ログとして更に取得し、眠気予測部14aは運転免許保持情報に基づいて、同乗者の内、運転免許を保持する同乗者との交代を通知部15を介して通知する。
これによれば、より的確な同乗者との交代が可能になる、という利点がある。
また、実施の形態2における眠気予測システム100aは、眠気予測部14aが予測した車両の乗車中における眠気レベルを、乗員に通知する通知部15を更に備える。乗員は運転手と同乗者であり、眠気予測部14aは、運転手と同乗者の眠気レベルをそれぞれ予測し、同乗者の眠気レベルを予測する際に、経路形態係数Lとして、経路が最も単純である際の係数を用いて予測し、運転手と同乗者のそれぞれに予測した眠気レベルを通知部15を介して通知する。
これによれば、目的地に到着するまで運転手が覚醒を維持し続けられるかを同乗者も確認することができる、という利点がある。また、運転手が覚醒を維持できないと予測される場合、同乗者が今後、どの時点で交代が必要かを確認することができる、という利点がある。さらに、同乗者の眠気を、経路が最も単純である際の経路形態係数Lを用いて予測するので、運転しない同乗者に対して的確な眠気レベル予測ができる、という利点がある。
(変形例)
以上、本開示に係る眠気予測システムについて、上記各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を各実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
上記各実施の形態では、状態情報取得部11は、車両に搭載されたカメラ2で撮像された乗員の画像から状態情報を取得しているが、これに限られない。例えば、状態情報取得部11は、乗員が所持するスマートフォン等の携帯端末、又はウェアラブルデバイス4が乗員の心拍を計測する機能を有している場合、これらの装置との間で無線通信を行うことにより、これらの装置から乗員の心拍を含む情報を状態情報として取得してもよい。乗員の心拍は、乗員の瞼の位置等と同様に、乗員の眠気に応じた傾向が表れやすい情報である。
上記各実施の形態では、経路情報取得部12は、車両に搭載されたナビゲーションシステム3から経路情報を取得しているが、これに限られない。例えば、経路情報取得部12は、乗員が所持するスマートフォン等の携帯端末がナビゲーションシステムの機能を有している場合、携帯端末との間で無線通信を行うことにより、携帯端末から経路情報を取得してもよい。
上記各実施の形態では、生活ログ取得部13は、乗員が装着したウェアラブルデバイス4から生活ログのうちの起床時刻及び就寝時刻を含む情報を取得しているが、これに限られない。例えば、生活ログ取得部13は、乗員が所持するスマートフォン等の携帯端末が乗員の活動を計測する機能を有している場合、携帯端末との間で無線通信を行うことにより、携帯端末から起床時刻及び就寝時刻を含む情報を取得してもよい。また、例えば、乗員の寝床に睡眠監視用のセンサが設置されている場合、携帯端末は、センサとの間の無線通信により、センサから起床時刻及び就寝時刻を含む情報を取得してもよい。この場合、生活ログ取得部13は、携帯端末との間で無線通信を行うことにより、センサから間接的に起床時刻及び就寝時刻を含む情報を取得することが可能である。その他、生活ログ取得部13は、例えば生活ログの一部を取得可能なベッド等の据え置き型デバイスから生活ログの一部を取得する構成であってもよい。さらに、生活ログ取得部13は、ウェアラブルデバイス4と、上記センサ又は据え置き型デバイスとの両方から生活ログの一部を取得する構成であってもよい。
上記各実施の形態において、眠気予測システム100、100aは、例えばカーナビゲーションシステム、ディスプレイ、及びオーディオを用いた車載情報通信システムであるIVI(In-Vehicle Infotainment)システムにより実現されてもよい。
上記各実施の形態では、眠気予測部14、14aは、乗車時刻から所定時間Tdが経過するごとに予測レベルのずれ補正処理を実行するか否かを判定しているが、これに限られない。例えば、眠気予測部14、14aは、乗員の乗車時のみに車両の乗車中における乗員の眠気を予測し、所定時間Tdごとの上記判定を行わない構成であってもよい。
上記各実施の形態において、眠気予測部14、14aは、少なくとも生活ログのうちの起床時刻及び乗車時刻、並びに経路情報に基づいて車両の乗車中における運転手の眠気を予測する構成であればよい。したがって、眠気予測部14、14aは、生活ログのうちの就寝時刻、及び状態情報を車両の乗車中における眠気レベルの予測において参照せずともよく、この場合、状態情報取得部11は不要であり、生活ログ取得部13は就寝時刻を取得しなくてもよい。
また、上記各実施の形態では、眠気予測部14、14aは、眠気レベルを5段階で判定しているが、これに限られない。例えば、眠気予測部14、14aは、眠気レベルを5段階よりも多い段階で判定してもよいし、5段階よりも少ない段階で判定してもよい。
また、上記各実施の形態では、通知部15は、予測レベルを含む情報を表示部6に表示させることにより、予測レベルを乗員に対して視覚的に通知しているが、これに限られない。例えば、通知部15は、車両に搭載されたスピーカから予測レベルを含む情報を音声により出力することで、予測レベルを乗員に対して聴覚的に通知してもよい。また、通知部15は、表示部6による表示、及びスピーカによる音声出力を組み合わせて、予測レベルを乗員に対して視覚的かつ聴覚的に通知してもよい。
また、上記各実施の形態では、通知部15は、予測レベルの他に体調情報を乗員に対して更に通知しているが、これに限られない。例えば、通知部15は、予測レベルのみを乗員に対して通知してもよい。
また、上記各実施の形態では、通知部15は、眠気予測部14、14aにより予測された予測レベルを直接的に示す情報を乗員に通知しているが、これに限られない。例えば、通知部15は、「所定の時間後に眠くなる可能性がありますので、早めに休憩しましょう」等の予測レベルに基づくアドバイスを乗員に通知してもよい。この態様では、通知部15は、予測レベルを間接的に示す情報を乗員に通知していると言える。
また、上記各実施の形態では、眠気予測システム100、100aは車載機器により実現されているが、これに限られない。例えば、眠気予測システム100、100aは、車両とは別のサーバ装置に搭載されており、サーバ装置と車両との間で無線通信を行うことにより、乗員の眠気を予測する構成であってもよい。また、眠気予測システム100、100aは、その一部が車両に、残りがサーバ装置に搭載されるといった複合的な構成であってもよい。
また、上記各実施の形態に係る眠気予測システム100、100aに含まれる各部は、典型的に集積回路であるLSI(Large-Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の各実施の形態は例示された数字に制限されない。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。