JP2021065322A - 情報処理装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員の不適切感情を解消する。【解決手段】情報処理装置(1)は、時間取得部(13)と、生体センサ(2)から生体情報を取得する生体情報取得部(11)と、生体情報に基づいて、乗員の不適切感情の種類および指標値を特定する感情特定部(12)と、不適切感情への介入が必要か否かを判定する介入要否判定部(14)と、介入が必要と判定された場合に出力パターンを決定する出力パターン決定部(16)と、出力パターンに基づいて出力装置(5)に出力を実行させる出力制御部(17)と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、情報処理装置および制御方法に関する。
運転者の心理状態を特定し、該心理状態に応じて車両制御を行う技術が従来知られている。例えば、特許文献1には、自車両が特定の状態になったときに、運転者の心理状態を特定して、該心理状態を車両の挙動制御に反映させることで、事故等を防止する技術が開示されている。
上述のような従来技術では、乗員の感情を推定しているが、該感情が運転する上で不適切な感情であっても、該感情自体を改善することはできない。したがって、事故または危険運転等の根本的な解決方法にはならないという問題点があった。
本発明の一態様は、上記問題点に鑑みたものである。本発明の一態様は、乗員の不適切感情を解消することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、移動体の内部空間での乗員の滞在予定時間を取得する時間取得部と、前記内部空間に配置された生体センサから、前記乗員の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記生体情報に基づいて、前記乗員の不適切感情の種類および該不適切感情の強度の指標値を特定する感情特定部と、前記滞在予定時間と、前記不適切感情の種類および前記指標値のうち少なくとも一方とから、前記不適切感情への介入が必要か否かを判定する介入要否判定部と、前記介入が必要と判定された場合、前記滞在予定時間、前記不適切感情の種類、および前記不適切感情の強度のうち少なくとも一つに基づいて、1つ以上の出力装置における、前記介入のための出力パターンを決定する出力パターン決定部と、決定された前記出力パターンに基づいて、前記1つ以上の出力装置に出力を実行させる出力制御部と、を備え、前記不適切感情は、前記移動体に滞在する場合に不適切である感情を示す。
前記の構成によれば、滞在予定時間と、不適切感情の種類および指標値の少なくとも一方とから、不適切感情への介入要否を判定し、介入要の場合は不適切感情を解消するための出力パターンを決定し、出力装置に、該決定した出力パターンに基づく出力を実行させる。
これにより、乗員が移動体での滞在において不適切な感情を抱いている場合、出力装置からの出力によって、該不適切感情を解消することができる。
前記情報処理装置は、前記不適切感情の種類から前記乗員の前記不適切感情の持続時間を特定する持続時間特定部を備えていてもよい。また、前記介入要否判定部は、前記不適切感情の持続時間が第1閾値以上である場合に、前記介入が必要と判定してもよい。
前記の構成によれば、介入の要否をより適切に決定することができる。
前記情報処理装置において、前記介入要否判定部は、前記滞在予定時間が第2閾値以上である場合に、前記介入が必要と判定してもよい。
前記の構成によれば、介入の要否をより適切に決定することができる。
前記情報処理装置において、前記介入要否判定部は、前記滞在予定時間から前記持続時間を差し引いた差分時間が第3閾値未満である場合に、前記介入が必要と判定してもよい。
前記の構成によれば、介入の要否をより適切に決定することができる。
前記情報処理装置は、前記介入が必要と判定された場合、前記滞在予定時間、前記不適切感情の種類、および前記指標値のうち少なくとも1つに基づいて、前記不適切感情が解消可能か否かを判定する解消可否判定部を備えていてもよい。また、前記出力パターン決定部は、前記不適切感情が解消不可能であると判定された場合は、前記出力パターンを決定しなくてもよい。
前記の構成によれば、不適切感情への介入が必要と判定された場合であっても、出力パターンに従った出力で不適切感情が解消できない見込みの場合は、出力を行わない。これにより、情報処理装置および出力装置の無駄な動作を防止することができる。
前記情報処理装置は、前記解消可否判定部によって、前記不適切感情が解消不可能であると判定された場合、前記出力装置の少なくとも一部を用いて前記乗員に、前記不適切感情を抱いていることを通知する通知部を備えていてもよい。
前記の構成によれば、乗員が解消不可能な不適切感情を抱いている場合、すなわち、運転に不向きな場合、該乗員に、自身が不適切感情を抱いていることを通知することができる。このように、乗員に自分の状態について気付かせることで、危険運転または事故を防止することができる。
前記情報処理装置は、前記解消可否判定部によって、前記不適切感情が解消不可能であると判定された場合、前記移動体の駆動に係る少なくとも一部の機構の動作を制限する駆動制御部を備えていてもよい。
前記の構成によれば、乗員が解消不可能な不適切感情を抱いている場合、すなわち、運転に不向きな場合は、移動体の駆動を制限することができる。これにより、危険運転または事故を防止することができる。
前記情報処理装置は、前記不適切感情の種類から、前記乗員の前記不適切感情の持続時間を特定する持続時間特定部を備え、前記解消可否判定部は、前記不適切感情の持続時間が第4閾値以上の場合に、前記不適切感情が解消不可能であると判定してもよい。
前記の構成によれば、乗員が移動体に滞在している間に不適切感情を解消できる見込みが薄い場合は、出力装置を介した介入をしないようにすることができる。したがって、情報処理装置および出力装置の無駄な動作を防止することができる。
前記情報処理装置は、前記不適切感情の種類から、前記乗員の前記不適切感情の持続時間を特定する持続時間特定部を備えていてもよい。また、前記解消可否判定部は、前記持続時間から前記滞在予定時間を差し引いた差分時間が第5閾値以上である場合に、前記不適切感情が解消不可能であると判定してもよい。
前記の構成によれば、乗員が移動体に滞在している間に不適切感情を解消できる見込みが薄い場合は、出力装置を介した介入をしないようにすることができる。したがって、情報処理装置および出力装置の無駄な動作を防止することができる。
前記情報処理装置において、前記解消可否判定部は、前記指標値が第6閾値以上である場合に、前記不適切感情が解消不可能であると判定してもよい。
前記の構成によれば、乗員が移動体に滞在している間に不適切感情を解消できる見込みが薄い場合は、出力装置を介した介入をしないようにすることができる。したがって、情報処理装置および出力装置の無駄な動作を防止することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る制御方法は、移動体の内部空間での乗員の滞在予定時間を取得する時間取得ステップと、前記内部空間に配置された生体センサから、前記乗員の生体情報を取得する生体情報取得ステップと、前記生体情報に基づいて、前記乗員の不適切感情の種類および該不適切感情の強度の指標値を特定する感情特定ステップと、前記滞在予定時間と、前記不適切感情の種類および前記指標値のうち少なくとも一方とから、前記不適切感情への介入が必要か否かを判定する介入要否判定ステップと、前記介入が必要と判定された場合、前記滞在予定時間、前記不適切感情の種類、および前記不適切感情の強度のうち少なくとも一つに基づいて、1つ以上の出力装置における、前記介入のための出力パターンを決定する出力パターン決定ステップと、決定された前記出力パターンに基づいて、前記1つ以上の出力装置に出力を実行させる出力制御ステップと、を含み、前記不適切感情は、前記移動体に滞在する場合に不適切である感情を示す。
前記の構成によれば、前記情報処理装置と同様の効果を奏する。
本発明の一態様によれば、乗員の不適切感情を解消することができる。
本開示は、移動体の内部空間に滞在する乗員の、不適切感情を解消するためのシステム(不適切感情解消システム)に関する。以下、本開示に係る不適切感情解消システムについて説明する。
≪要部構成≫
(移動体100)
図1は、本実施形態に係る不適切感情解消システム500の要部構成を示すブロック図である。不適切感情解消システム500は、情報処理装置1、生体センサ2、ナビ装置3、記憶装置4、出力装置5、および駆動機構6を含む。なお、駆動機構6は必須の構成ではない。
(移動体100)
図1は、本実施形態に係る不適切感情解消システム500の要部構成を示すブロック図である。不適切感情解消システム500は、情報処理装置1、生体センサ2、ナビ装置3、記憶装置4、出力装置5、および駆動機構6を含む。なお、駆動機構6は必須の構成ではない。
本実施形態において、情報処理装置1、生体センサ2、ナビ装置3、記憶装置4、出力装置5(および駆動機構6)は、移動体100の内部装置である。しかしながら、情報処理装置1および記憶装置4は、移動体100の外部装置であってもよい。移動体100は、少なくとも1名の乗員が滞在可能な程度の広さの内部空間を有する。移動体100は、具体的には、自動車、電車、航空機等であってよい。生体センサ2、ナビ装置3、記憶装置4、出力装置5、および駆動機構6と、情報処理装置1とは、有線または無線で接続されている。
(生体センサ2)
生体センサ2は、移動体100の内部空間に配置されたセンサであって、乗員の生体情報を測定または取得するものである。生体情報とは、例えば、ユーザの表情、動作、姿勢、および発話音声等を示すデータ、ならびに、脈拍・呼吸・体温・血圧等を示すデータである。具体的には、生体センサ2は、カメラ、マイク、温度センサ等で実現される。
生体センサ2は、移動体100の内部空間に配置されたセンサであって、乗員の生体情報を測定または取得するものである。生体情報とは、例えば、ユーザの表情、動作、姿勢、および発話音声等を示すデータ、ならびに、脈拍・呼吸・体温・血圧等を示すデータである。具体的には、生体センサ2は、カメラ、マイク、温度センサ等で実現される。
生体センサ2は、所定の時間間隔で生体情報を測定または取得し、該生体情報を生体情報取得部11へ出力する。なお、生体センサ2が生体情報を測定または取得する時間間隔は特に限定されない。一例としては、生体センサ2は、時間とともに変化する乗員の生体情報を、リアルタイムで測定または取得できる程度の時間間隔で、生体情報を測定または取得することが望ましい。
(ナビ装置3)
ナビ装置3は、移動体100に設置された、カーナビゲーションシステム(カーナビ)を実現するための装置である。ナビ装置3は、ユーザの入力を受け付けるための入力装置と、ナビゲーションの結果を表示するための表示装置とを含む。例えば、ナビ装置3は、タッチパネルでユーザのタッチ操作を受け付けるとともに、該操作の結果を表示する。
ナビ装置3は、移動体100に設置された、カーナビゲーションシステム(カーナビ)を実現するための装置である。ナビ装置3は、ユーザの入力を受け付けるための入力装置と、ナビゲーションの結果を表示するための表示装置とを含む。例えば、ナビ装置3は、タッチパネルでユーザのタッチ操作を受け付けるとともに、該操作の結果を表示する。
本実施形態に係るナビ装置3は、ユーザの入力操作に応じて目的地が設定されると、現在地から目的地までのルートと、該ルートで目的地に到着するまでの所要時間を算出する。例えば、ナビ装置3は、ユーザの入力操作に応じて、現在地から目的地までのルートをカーナビ機能で検索する。次に、ナビ装置3は、該ルートの距離、道路の種類、道路の混雑状況等から総合的に、目的地までの所要時間を算出する。
換言すると、前述の所要時間は、移動体100における乗員の滞在予定時間であるともいえる。以降、本実施形態では、ナビ装置3が算出したルートで目的地に到着するまでの所要時間を、移動体100における乗員の滞在予定時間であるものとみなす。また、移動体100における乗員の滞在予定時間のことを、単に「滞在予定時間」と称する。ナビ装置3は、算出した滞在予定時間を、情報処理装置1に送信する。
(情報処理装置1)
情報処理装置1は、出力装置5(および駆動機構6)を制御する制御装置である。情報処理装置1は、生体情報取得部11と、感情特定部12と、時間取得部13と、介入要否判定部14と、出力パターン決定部16と、出力制御部(通知部)17とを含む。また、情報処理装置1は、駆動制御部18を含んでいてもよい。
情報処理装置1は、出力装置5(および駆動機構6)を制御する制御装置である。情報処理装置1は、生体情報取得部11と、感情特定部12と、時間取得部13と、介入要否判定部14と、出力パターン決定部16と、出力制御部(通知部)17とを含む。また、情報処理装置1は、駆動制御部18を含んでいてもよい。
生体情報取得部11は、生体センサ2から、乗員の生体情報を取得する。生体情報取得部11は取得した生体情報を、感情特定部12へと出力する。ここで、生体情報取得部11は、生体センサ2から所定の時間間隔で生体情報を取得する。
生体情報取得部11における生体情報の取得間隔は、特に限定されない。例えば、生体情報取得部11は、後述する感情特定部12における感情特定処理の実行間隔と同一か該実行間隔よりも短い時間間隔で、生体情報を取得することが望ましい。また、生体情報取得部11から感情特定部12への生体情報の出力タイミングは、感情特定処理の実行周期に応じて定められてよい。
感情特定部12は、生体情報取得部11から入力された生体情報に基づいて、乗員の不適切感情の種類と、該不適切感情の強度を特定する。
ここで、「不適切感情」とは、移動体100に滞在する場合に不適切である感情を示す。例えば、乗員が移動体100を運転する場合、不適切感情とは、運転するときに適切でない感情を意味する。また例えば、乗員が移動体100に載り込んで、読書等の何らかの作業を行う場合、不適切感情とは、該作業を行うときに適切でない感情を意味する。より具体的には、不適切感情とは、例えば、怒り、退屈、驚き、苛立ち、恐れ、嫌悪等の感情であってよい。
感情特定部12は、生体情報から、乗員が上述した不適切感情のうちいずれの不適切感情を強く感じているかを特定する。すなわち、感情特定部12は、乗員の不適切感情の種類を特定する。不適切感情の種類の特定方法は特に限定されない。例えば、感情特定部12は、全種類の不適切感情について、その強度の指標値を算出し、最も強度の高い数値を示す種類の感情を「乗員が抱いている不適切感情である」と認定してもよい。
感情特定部12は、特定した不適切感情の種類と、その強度の指標値とを、介入要否判定部14に出力する。以降、不適切感情の強度の指標値のことを、単に「指標値」とも称する。
なお、感情特定部12における不適切感情の種類および指標値の特定方法は、これらを生体情報から特定可能であるならば特に限定されない。また、感情特定部12は、自身に入力された生体情報の種類に応じて、不適切感情の種類および指標値の特定方法を決定してもよい。
例えば、生体情報として乗員の顔画像が入力された場合、感情特定部12は、該顔画像から目、眉、口等のパーツの大きさ、形、位置関係等を認識して、該位置関係に応じて不適切感情の種類および指標値を特定してもよい。
また、複数種類の生体情報が入力された場合、感情特定部12は、複数の特定方法を組み合わせて、不適切感情の種類および強度を特定してもよい。例えば、生体情報として前述の顔画像と、乗員の音声データが入力された場合、感情特定部12は、前述の顔画像の認識と、音声データに含まれる乗員の音声の声質、声のトーン等の解析結果とを組み合わせて、不適切感情の種類および強度を特定してもよい。
また、感情特定部12は、持続時間特定部121を含んでいてもよい。持続時間特定部121は、不適切感情の種類から、乗員の前記不適切感情の持続時間を特定する。以降、不適切感情の持続時間のことを単に「持続時間」とも称する。なお、本実施形態における持続時間は、乗員に後述する刺激付与を行わず、該乗員を自然状態のままで放置した場合の、不適切感情の持続時間を意味する。例えば、持続時間特定部121は、記憶装置4に記憶された持続時間DB41を参照して、不適切感情の持続時間を特定してもよい。
図2は、持続時間DB41のデータ構造の一例を示す図である。図2に示す持続時間DB41は、不適切感情の種類それぞれにおける持続時間が示されたデータである。持続時間DB41は、予め作成され記憶装置4に記憶される。なお、図2における各不適切感情の種類に対する持続時間の具体値は、一例である。不適切感情それぞれの持続時間は、文献、研究論文、実験データ等を参照して、適宜決定されてよい。
持続時間特定部121は、感情特定部12が特定した不適切感情の種類に対応する持続時間を、持続時間DB41を参照して特定する。なお、持続時間特定部121は、不適切感情の種類と、該不適切感情の強度の指標値とに応じて、不適切感情の持続時間を特定してもよい。例えば、持続時間特定部121は、持続時間DB41から特定した持続時間に対し、不適切感情の強度の指標値に応じた補正をかけたものを、乗員の、不適切感情の持続時間としてもよい。例えば、指標値が高いほど、持続時間DB41から特定した持続時間に大きい係数をかけてもよい。これにより、指標値が高いほど、持続時間が長くなる。
一般的に、不適切感情が強いほど、感情の持続時間が長くなる傾向がある。したがって、上述の補正処理によれば、不適切感情の持続時間を一律に決定するのではなく、その時の乗員の不適切感情の強度に合わせて補正することができる。これにより、持続時間特定部121は、より正確な持続時間を算出することができる。
時間取得部13は、ナビ装置3から滞在予定時間を取得する。時間取得部13は、取得した滞在予定時間を介入要否判定部14に通知する。
介入要否判定部14は、滞在予定時間と、不適切感情の種類および不適切感情の強度の指標値のうち少なくとも一方とから、不適切感情への介入が必要か否かを判定する。ここで、「介入」とは、乗員の不適切感情を解消するために、情報処理装置1および出力装置5が行う種々の処理を示す。
介入要否判定部14は、感情特定部12から不適切感情の種類および指標値を取得する。なお、介入要否判定部14は、持続時間特定部121から持続時間を取得してもよい。介入要否判定部14はまた、時間取得部13から滞在予定時間を取得する。介入要否判定部14は介入要否を判定する。介入が必要と判定した場合、介入要否判定部14は介入が必要な旨を、解消可否判定部15に通知する。その際、介入要否判定部14は、自身が取得した、不適切感情の種類および指標値を示す情報と、滞在予定時間を示す情報とを解消可否判定部15に併せて出力する。一方、介入が不要と判定した場合、介入要否判定部14は該通知を出力せず、処理を終了する。
介入要否判定部14における介入要否の判定の、具体的方法は特に限定されない。例えば、介入要否判定部14は、以下の(1)〜(3)のいずれかの方法、またはこれらの方法を組み合わせて、介入要否を判定してもよい。なお、(2)以外の方法で介入要否を検討する場合、情報処理装置1は、持続時間特定部121を備えていることが前提である。
(1)不適切感情の持続時間が第1閾値以上である場合に介入要と判定し、第1閾値未満である場合は介入不要と判定する
(2)滞在予定時間が第2閾値以上である場合に介入要と判定し、第2閾値未満である場合は介入不要と判定する
(3)滞在予定時間から持続時間を差し引いた差分時間が、第3閾値未満である場合は介入要と判定し、第3閾値以上の場合は介入不要であると判定する
なお、第1閾値、第2閾値、および第3閾値はそれぞれ任意に設定されてよい。しかしながら、これらの閾値は、以下で説明するような乗員の状況を加味して定められることが望ましい。
(2)滞在予定時間が第2閾値以上である場合に介入要と判定し、第2閾値未満である場合は介入不要と判定する
(3)滞在予定時間から持続時間を差し引いた差分時間が、第3閾値未満である場合は介入要と判定し、第3閾値以上の場合は介入不要であると判定する
なお、第1閾値、第2閾値、および第3閾値はそれぞれ任意に設定されてよい。しかしながら、これらの閾値は、以下で説明するような乗員の状況を加味して定められることが望ましい。
(1)の方法で介入要否を判定する場合、乗員の移動体100での滞在に支障が出るか否かの境界となる程度の持続時間を、第1閾値として設定することが望ましい。なお、本実施形態において、「滞在に支障が出る」とは、移動体100を乗員が運転した場合に事故および危険運転のリスクが上昇することを意味する。もしくは、本実施形態において、「滞在に支障が出る」とは、乗員が移動体100の内部で行うと予測される作業の効率が低下することを意味する。
例えば、持続時間が数分程度の短時間の場合、不適切感情解消システム500からの介入が無くても、不適切感情は数分以内に自然解消する。この場合は介入の必要性は低い。一方、ある程度長い時間、不適切感情が自然解消せず持続する場合、該不適切感情によって、乗員の滞在に支障が出る可能性が高い。したがって、上述のように第1閾値を設定することで、このまま不適切感情が持続すると滞在に支障が出る、と予測されるケースについて、介入要と判定することができる。すなわち、介入要否を適切に判定することができる。
また、感情の持続時間は、感情の種類によって異なることが知られている。そのため、(1)の方法で介入要否を判定する場合、第1閾値は、介入対象とする不適切感情の中で、最も持続時間が短い不適切感情の持続時間以下の値とすることが望ましい。以降、「介入対象とする不適切感情の中で、最も持続時間が短い不適切感情の持続時間」のことを、「最短持続時間」とも称する。
例えば、介入対象の不適切感情のうち、「嫌悪」の持続時間が最も短く30分であった場合、第1閾値を30分と設定してもよい。このように、最短持続時間に応じて第1閾値を設定することで、乗員が介入対象の不適切感情を抱いている場合に、介入が必要であると確実に判定を下すことができる。したがって、介入要否を適切に判定することができる。
なお、(1)の方法で介入要否を判定する場合、不適切感情の種類に応じて第1閾値の値がそれぞれ異なっていてもよい。
(2)の方法で介入要否を判定する場合、乗員の移動体100での滞在に支障が出るか否かの境界となる程度の滞在予定時間を、第2閾値として設定することが望ましい。例えば、滞在予定時間が数分程度の短時間の場合、不適切感情解消システム500からの介入による効果を乗員が体感する前に、移動体100での滞在が終了する可能性が高い。よって、この場合は介入の必要性は低いと言える。一方、ある程度長い時間移動体100に滞在する場合、不適切感情によって乗員の移動体100での滞在に支障が出る可能性がある。したがって、上述のように第2閾値を設定することで、このまま不適切感情が持続すると滞在に支障が出る、と予測されるケースについて、介入要と判定することができる。すなわち、介入要否を適切に判定することができる。
また、(2)の方法で介入要否を判定する場合、第2閾値は、最短持続時間に応じて設定されてもよい。例えば、上述のように最短持続時間が30分である場合、第2閾値は、30分以上としてもよい。
また、(3)の方法における「滞在予定時間から持続時間を差し引いた差分時間」とは、不適切感情を自然放置した場合に、乗員が不適切感情に影響されずに移動体100に滞在可能な時間を示す。したがって、(3)の方法で介入要否を判定する場合、第3閾値を適宜設定することにより、不適切感情を放置する時間の程度を定めることができる。例えば、第3閾値を10分と設定した場合、乗員が不適切感情に影響されずに移動体100に滞在できる時間が10分未満である場合に、介入要と判定することとなる。このように、第3閾値を適宜設定し、該第3閾値に基づいて介入要否を判定することで、介入要否を適切に判定することができる。
また、(1)〜(3)の方法に代えて、またはこれらの方法と組み合わせて、以下の条件に応じて介入要否を判定してもよい。
すなわち、滞在予定時間に対する、滞在予定時間から持続時間を差し引いた差分時間の割合が所定値より小さい場合は介入要、所定値以上の場合は介入不要と判定することとしてもよい。これにより、滞在時間に対する、不適切感情に影響されない時間の割合が、所定値より少ない場合は、介入要と判定することができる。したがって、介入要否を適切に判定することができる。
解消可否判定部15は、介入要否判定部14において介入が必要と判定された場合、滞在予定時間、不適切感情の種類、および指標値のうち少なくとも1つに基づいて、不適切感情が解消可能か否かを判定する。
解消可否判定部15は、介入要否判定部14から、介入要の通知と、不適切感情の種類および指標値を示す情報と、滞在予定時間を示す情報とを取得する。解消可否判定部15は、これらの情報に基づいて、不適切感情が解消可能か否かと判定する。
不適切感情が解消可能と判定した場合、解消可否判定部15は、出力パターン決定部16に介入方法を決めるよう指示する。解消可否判定部15は、該指示とともに、自身が介入要否判定部14から取得した、不適切感情の種類および指標値を示す情報と、滞在予定時間を示す情報とを出力パターン決定部16に併せて送信する。一方、不適切感情が解消不可能と判定した場合、解消可否判定部15は、該指示を出力しない。
なお、解消可否判定部15は、不適切感情が解消不可能と判定した場合、乗員に、該乗員が不適切感情を抱いていることを通知するよう出力制御部17に指示してもよい。これにより、乗員が解消不可能な不適切感情を抱いている場合、すなわち、運転に不向きな場合、該乗員に、自身が不適切感情を抱いていることを通知することができる。このように、乗員に自分の状態について気付かせることで、危険運転または事故を防止することができる。
また、解消可否判定部15は、不適切感情が解消不可能と判定した場合、駆動制御部18に、駆動機構6の動作を制限するよう指示してもよい。これにより、乗員が解消不可能な不適切感情を抱いている場合、すなわち、運転に不向きな場合は、移動体の駆動を制限することができる。これにより、危険運転または事故を防止することができる。
解消可否判定部15が行う不適切感情の解消可否の判定について、その具体的方法は特に限定されない。例えば、解消可否判定部15は、以下の(4)および(5)のいずれかの方法、またはこれらの方法を組み合わせて、不適切感情の解消可否を判定してもよい。
(4)不適切感情の持続時間が第4閾値未満である場合は、不適切感情が解消可能と判定し、第4閾値以上である場合は解消不可能と判定する
(5)滞在予定時間から持続時間を差し引いた差分時間が、第5閾値以上である場合は不適切感情が解消可能と判定し、第5閾値未満である場合は解消不可能であると判定する
また、情報処理装置1が持続時間特定部121を備えており、かつ持続時間特定部121が指標値に基づいて持続時間を補正する場合、以下の(6)の方法で解消要否を判定してもよい。
(5)滞在予定時間から持続時間を差し引いた差分時間が、第5閾値以上である場合は不適切感情が解消可能と判定し、第5閾値未満である場合は解消不可能であると判定する
また、情報処理装置1が持続時間特定部121を備えており、かつ持続時間特定部121が指標値に基づいて持続時間を補正する場合、以下の(6)の方法で解消要否を判定してもよい。
(6)感情特定部12が算出した不適切感情の強度の指標値が第6閾値未満である場合は不適切感情が解消可能であると判定し、第6閾値以上である場合は解消不可能であると判定する
なお、第4閾値、第5閾値、および第6閾値はそれぞれ任意に設定されてよい。しかしながら、これらの閾値は、以下で説明するような乗員の状況を加味して定められることが望ましい。
なお、第4閾値、第5閾値、および第6閾値はそれぞれ任意に設定されてよい。しかしながら、これらの閾値は、以下で説明するような乗員の状況を加味して定められることが望ましい。
例えば、(4)の方法で解消要否を判定する場合、乗客が移動体100に滞在すると予測される時間の上限値を第4閾値として設定してもよい。例えば、移動体100が自動車である場合、不適切感情の持続時間が、一般的な自動車での滞在時間を大きく超えるような長さである場合は、乗員が自動車に滞在している間に不適切感情が解消できる可能性が低いと言える。具体的には、不適切感情のうち、憎しみおよび悲しみといった感情は、数日間持続し得ることが知られている。
したがって、上述の上限値を第4閾値とすることで、持続時間が長すぎて、乗員が移動体100に滞在している間に解消できる可能性が極めて低い場合は、不適切感情を解消不可能と判定することができる。すなわち、解消可否を適切に判定することができる。
また、(4)の方法で解消要否を判定する場合、第4閾値は、介入対象とする不適切感情の中で、最も持続時間が長い不適切感情の持続時間以上の値とすることが望ましい。以降、「介入対象とする不適切感情の中で、最も持続時間が長い不適切感情の持続時間」のことを、「最長持続時間」とも称する。
例えば、介入対象の不適切感情のうち、「怒り」の持続時間が最も長く120分であった場合、第4閾値を120分に設定してもよい。このように、最長持続時間に応じて第4閾値を設定することで、介入対象の不適切感情について、解消不可能と判定してしまうことを防止できる。
また、(5)の方法における「滞在予定時間から持続時間を差し引いた差分時間」とは、不適切感情を自然放置した場合に、乗員が不適切感情に影響されずに移動体100に滞在可能な時間を示す。つまり、この差分時間がマイナスの値である場合、不適切感情を自然放置すると、乗員の滞在時間中に該不適切感情が解消しない。
このことを鑑みて、(5)の方法で解消可否を判定する場合、例えば第5閾値を、0以下の任意の値としてもよい。具体的な第5閾値の数値は、介入によってどの程度持続時間の短縮が見込めるかに応じて適宜設定されてよい。このように、第3閾値を適宜設定し、該第3閾値に基づいて不適切感情の解消可否を判定することで、該解消可否を適切に判定することができる。
また、(6)の方法で解消要否を判定する場合、第6閾値は、持続時間特定部121における、指標値に応じた持続時間の補正の方法および補正度合いに応じて決定されてよい。
(4)〜(6)のように不適切感情の解消可否を判定することにより、乗員が移動体に滞在している間に不適切感情を解消できる見込みが薄い場合は、出力装置を介した介入をしないようにすることができる。したがって、情報処理装置1および出力装置5の無駄な動作を防止することができる。
出力パターン決定部16は、介入要否判定部14によって介入要と判定された場合に、滞在予定時間、不適切感情の種類、および不適切感情の強度のうち少なくとも一つに基づいて、1つ以上の出力装置5における、介入のための出力パターンを決定する。出力パターン決定部16は決定した出力パターンを出力制御部17に通知する。
ここで、「出力パターン」とは、出力装置5における出力に係る種々の規定を示す。例えば、出力パターンは、出力を行う出力装置5の種類および数と、出力内容と、出力レベルと、出力態様を規定する。出力パターン決定部16における出力パターンの決定方法は特に限定されない。例えば、出力パターン決定部16は、以下の方法で出力パターンを決定することができる。
すなわち、出力パターン決定部16はまず、記憶装置4の介入レベルDB42を参照して、不適切感情への介入レベルを決定する。ここで、「介入レベル」とは、不適切感情の解消のための介入の強度を示すレベルである。詳細は後述するが、本実施形態では、介入レベルに応じて、出力パターンが1つ以上規定されている。したがって、介入レベルの決定とは、出力パターン決定部16が採用する出力パターン、または出力パターン候補を決定することを意味する。
本実施形態では、介入レベルは1〜5の5段階とする。また、本実施形態では、介入レベルは、数値が大きいほど高いこととする。すなわち、本実施形態では、レベル1の介入よりも、レベル5の介入の方が、介入強度が強いこととする。
(介入レベルDB42)
図3〜図5は、それぞれ、介入レベルDB42のデータ構造の一例を示す図である。介入レベルDB42は、予め作成され記憶装置4に記憶されている。介入レベルDB42のデータ構造は、出力パターン決定部16における出力パターンの決定方法に応じて異なる。
図3〜図5は、それぞれ、介入レベルDB42のデータ構造の一例を示す図である。介入レベルDB42は、予め作成され記憶装置4に記憶されている。介入レベルDB42のデータ構造は、出力パターン決定部16における出力パターンの決定方法に応じて異なる。
例えば、出力パターン決定部16は、不適切感情の持続時間に応じて介入レベルを決定してもよい。この場合、介入レベルDB42は図3のデータ構造であってもよい。図3に示す介入レベルDB42は、不適切感情の持続時間の区分に対し、該区分に対応する介入レベルの値が対応付けられたデータである。なお、図3に示す介入レベルDB42では、持続時間が長いほど介入レベルが高くなるよう設計されているが、持続時間と介入レベルの対応関係はこれに限られない。例えば、介入レベルDB42は、持続時間が短いほど介入レベルが高くなるように設計されてもよい。
また例えば、出力パターン決定部16は、滞在予定時間に応じて介入レベルを決定してもよい。この場合、介入レベルDB42は、図4のデータ構造であってもよい。図4に示す介入レベルDB42は、滞在予定時間の区分に対し、該区分に対応する介入レベルの値が対応付けられたデータである。なお、図3に示す介入レベルDB42では、滞在予定時間が長いほど介入レベルが高くなるよう設計されているが、滞在予定時間と介入レベルの対応関係はこれに限られない。例えば、介入レベルDB42は、滞在予定時間が短いほど介入レベルが高くなるように設計されてもよい。
また例えば、出力パターン決定部16が、滞在予定時間に応じて介入レベルを決定してもよい。この場合、介入レベルDB42は図5のデータ構造であってもよい。図5に示す介入レベルDB42は、滞在予定時間と不適切感情との差分時間の区分に対し、該区分に対応する介入レベルの値が対応付けられたデータである。なお、図5に示す介入レベルDB42では、差分時間が短いほど介入レベルが高くなるよう設計されているが、差分時間と介入レベルの対応関係はこれに限られない。例えば、介入レベルDB42は、差分時間が長いほど介入レベルが高くなるように設計されてもよい。
出力パターン決定部16は、介入レベルを決定すると、次に、介入レベルに対応する出力パターンから、1つ以上の出力パターンを、実施する出力パターンとして決定する。介入レベルからの出力パターンの決定方法も、特に限定はされない。例えば、出力パターン決定部16は、出力パターンDB43を参照することによって、出力パターンを決定してもよい。
(出力パターンDB43)
図6は、出力パターンDB43のデータ構造の一例を示す図である。図6に示す出力パターンDB43は、介入レベルに対応する出力パターンを示す。なお、図6に示すように、あるレベルの介入パターン(図6では介入レベル1)に対し、複数の出力パターンが対応していてもよい。あるレベルの介入パターンに対し、複数の出力パターンが対応している場合、出力パターン決定部16は、それらの出力パターンから、ランダムで、あるいは生体情報の諸情報に基づいて、1つの出力パターンを決定すればよい。
図6は、出力パターンDB43のデータ構造の一例を示す図である。図6に示す出力パターンDB43は、介入レベルに対応する出力パターンを示す。なお、図6に示すように、あるレベルの介入パターン(図6では介入レベル1)に対し、複数の出力パターンが対応していてもよい。あるレベルの介入パターンに対し、複数の出力パターンが対応している場合、出力パターン決定部16は、それらの出力パターンから、ランダムで、あるいは生体情報の諸情報に基づいて、1つの出力パターンを決定すればよい。
出力制御部17は、出力パターン決定部16から出力パターンを取得すると、該出力テーマに規定されている出力装置5を、該出力パターンで規定されている出力内容、出力レベル、および出力態様に応じて制御する。
また、出力制御部17は、解消可否判定部15から乗員に、該乗員が不適切感情を抱いていることを通知するよう指示された場合、出力装置5の少なくともいずれかから、該通知を出力させる。なお、通知のためのデータ等は記憶装置4から読み出してもよい。
駆動制御部18は、不適切感情が解消不可能であると判定された場合、駆動機構6の動作を制限する。駆動制御部18は、解消可否判定部15から不適切感情が解消不可能である旨を通知されると、駆動機構6を制御して、駆動機構6の動作を制限する。例えば、駆動機構6が移動体100のキーロック機構である場合、駆動制御部18は、該キーロック機構が解錠できないようにする。
(出力装置5)
出力装置5は、不適切感情を解消させるために、種々の出力を行う。移動体100は、少なくとも1つの出力装置5を含む。例えば、出力装置5は、エアコン、バイブレータ、ライト、およびスピーカ等の装置およびその組合せであってもよい。これらの装置からの送風、振動の付与、発光、および音声出力等によって、乗員の不適切感情を解消するための刺激を与えることができる。出力装置5は、出力制御部17の制御に従って、決められた内容の出力動作を実行する。
出力装置5は、不適切感情を解消させるために、種々の出力を行う。移動体100は、少なくとも1つの出力装置5を含む。例えば、出力装置5は、エアコン、バイブレータ、ライト、およびスピーカ等の装置およびその組合せであってもよい。これらの装置からの送風、振動の付与、発光、および音声出力等によって、乗員の不適切感情を解消するための刺激を与えることができる。出力装置5は、出力制御部17の制御に従って、決められた内容の出力動作を実行する。
なお、出力装置5は、上述のように移動体100に設けられた外部装置であってもよいし、移動体100の機構自体の一部分であってもよい。例えば、出力装置5は、移動体100の座席シートのリクライニング機構であってもよい。また、出力装置5は、当該座席シートに内蔵されている、乗員をマッサージするためのマッサージ機構、乗員を冷却するための冷却装置、またはバイブレータ等であってもよい。
なお、移動体100における出力装置5の配置位置は特に限定しない。しかしながら、出力装置5は、乗員が出力装置5それぞれの出力(すなわち、乗員に対する刺激)を、適切に体感可能な位置に配置されることが望ましい。
(駆動機構6)
駆動機構6は、移動体100の駆動に係る少なくとも一部の機構である。より具体的には、駆動機構6は例えば、移動体100を運転または動作させるためにユーザが操作する機構である。例えば、移動体100が自動車である場合、駆動機構6は、自動車のキーのロック機構であってもよい。駆動機構6は、駆動制御部18によって制御される。
駆動機構6は、移動体100の駆動に係る少なくとも一部の機構である。より具体的には、駆動機構6は例えば、移動体100を運転または動作させるためにユーザが操作する機構である。例えば、移動体100が自動車である場合、駆動機構6は、自動車のキーのロック機構であってもよい。駆動機構6は、駆動制御部18によって制御される。
例えば、駆動機構6は、駆動制御部18の制御に従ってロックされてもよい。これにより、乗員は移動体100を運転不能になる。換言すると、不適切感情解消システム500は、乗員に運転を止めさせることができる。これにより、乗員の不適切感情が高まり、運転が危険な状態であると判定される場合は、移動体100の運転そのものを出来なくすることにより、事故または危険運転を防止することができる。
(記憶装置4)
記憶装置4は、情報処理装置1が各種処理を実行するために必要なデータを記憶する。記憶装置4は、例えば、基準データ41と、介入レベルデータベース(DB)42と、出力パターンDB43とを記憶する。各データの構成については、前述の通りである。なお、記憶装置4は、乗員に対する通知を行うための画像、音声等のデータを記憶していてもよい。
記憶装置4は、情報処理装置1が各種処理を実行するために必要なデータを記憶する。記憶装置4は、例えば、基準データ41と、介入レベルデータベース(DB)42と、出力パターンDB43とを記憶する。各データの構成については、前述の通りである。なお、記憶装置4は、乗員に対する通知を行うための画像、音声等のデータを記憶していてもよい。
(変形例)
なお、情報処理装置1において解消可否判定部15および持続時間特定部121は必須の構成ではない。情報処理装置1が解消可否判定部15を備えていない構成の場合、介入要否判定部14は、不適切感情への介入要と判定した場合は、出力パターン決定部16に不適切感情の種類と、指標値と、持続時間とを出力するとともに、出力パターン決定部16に出力パターンの決定を指示する。なお、情報処理装置1が持続時間特定部121を含まない場合は、感情特定部12は、上述の持続時間も出力しなくてよい。
なお、情報処理装置1において解消可否判定部15および持続時間特定部121は必須の構成ではない。情報処理装置1が解消可否判定部15を備えていない構成の場合、介入要否判定部14は、不適切感情への介入要と判定した場合は、出力パターン決定部16に不適切感情の種類と、指標値と、持続時間とを出力するとともに、出力パターン決定部16に出力パターンの決定を指示する。なお、情報処理装置1が持続時間特定部121を含まない場合は、感情特定部12は、上述の持続時間も出力しなくてよい。
≪処理の流れ≫
図7は、情報処理装置1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図7の例では、情報処理装置1は持続時間特定部121および解消可否判定部15を含む構成であることとする。
図7は、情報処理装置1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図7の例では、情報処理装置1は持続時間特定部121および解消可否判定部15を含む構成であることとする。
乗員が移動体100に乗り込み、ナビ装置3を介して目的地等を入力すると、ナビ装置3は目的地までのルートを検索する。ナビ装置3は該ルートの所要時間を算出し、該所要時間を示す情報を、滞在予定時間を示す情報として、情報処理装置1の時間取得部13に送信する。時間取得部13は、ナビ装置3から滞在予定時間を示す情報を受信する(S10)。時間取得部13は滞在予定時間を示す情報を、介入要否判定部14に出力する。
また、乗員が移動体100に乗り込むと、生体センサ2は所定の時間間隔で、乗員の生体情報を測定または取得する。生体センサ2は生体情報取得部11へ生体情報を送信する。生体情報取得部11は生体情報を取得すると(S12)、生体情報を感情特定部12へ出力する。
感情特定部12は、生体情報から、不適切感情の種類および指標値を特定する(S14)。また、持続時間特定部121は、少なくとも不適切感情の種類から、不適切感情の持続時間を特定する(S16)。感情特定部12は、不適切感情の種類および指標値と、持続時間とを介入要否判定部14に出力する。
介入要否判定部14は、生体情報を得た乗員の不適切感情への介入要否を判定する(S18)。介入不要と判定した場合(S20でNO)、情報処理装置1は、生体情報取得部11が再び生体情報を取得する(S12)まで待機する。一方、不適切感情に介入要と判定した場合(S20でYES)、介入要否判定部14は、解消可否判定部15に不適切感情の種類および指標値と、持続時間とを出力するとともに、介入が必要である旨を通知する。
解消可否判定部15は不適切感情の種類および指標値と、持続時間と、介入が必要である旨の通知とを取得すると、不適切感情の解消可否を判定する(S22)。不適切感情の解消が可能と判定した場合(S24でYES)、解消可否判定部15は、出力パターン決定部16に不適切感情の種類および指標値と、持続時間とを出力するとともに、介入方法を決めるよう指示する。
出力パターン決定部16は、不適切感情の種類および指標値と、持続時間とを取得し、解消可否判定部15からの指示を受けると、出力パターンを決定する(S28)。出力パターン決定部16は決定した出力パターンを、出力制御部17に出力する。出力制御部17は、出力パターン決定部16から入力された出力パターンに基づいて、1つ以上の出力装置5を制御する。
一方、解消可否判定部15が不適切感情の解消が不可能と判定した場合(S24でNO)、解消可否判定部15は、出力パターン決定部16に指示を送信しない。すなわち、出力パターンは決定されない。この場合、解消可否判定部15は、駆動制御部18に駆動機構6をロックするよう指示する。駆動制御部18は該指示に従って、駆動機構6をロックする(S26)。これにより、乗員は移動体100を運転することができなくなる。
前記の処理によれば、情報処理装置1は、滞在予定時間と、不適切感情の種類および指標値の少なくとも一方とから、不適切感情への介入要否を判定し、介入要の場合は不適切感情を解消するための出力パターンを決定し、出力装置5に、該決定した出力パターンに基づく出力を実行させる。これにより、乗員が不適切感情を抱いている場合、出力装置5からの出力によって、該不適切感情を解消することができる。
また、前記の処理によれば、不適切感情への介入が必要と判定された場合であっても、出力パターンに従った出力で不適切感情が解消できない見込みの場合は、出力パターンを決定しないため、出力装置5からの出力も行われない。したがって、情報処理装置1および出力装置5の無駄な動作を防止することができる。
(フローチャートの変形例)
なお、前述の通り、本実施形態に係る情報処理装置1において持続時間特定部121と解消可否判定部15は必須ではない。持続時間特定部121または解消可否判定部15を含まない場合、情報処理装置1は以下の通り処理を実行すればよい。
なお、前述の通り、本実施形態に係る情報処理装置1において持続時間特定部121と解消可否判定部15は必須ではない。持続時間特定部121または解消可否判定部15を含まない場合、情報処理装置1は以下の通り処理を実行すればよい。
例えば、情報処理装置1が持続時間特定部121を含まない場合、図7のS16の処理は行わなくてよい。この場合、感情特定部12は不適切感情の種類と指標値を特定すると(S14)、当該不適切感情の種類と当該指標値を、介入要否判定部14に出力する。
また例えば、情報処理装置1が解消可否判定部15を含まない場合、介入要否判定部14は介入要否を判定した際、介入要の場合は出力パターン決定部16に不適切感情の種類、指標値、および持続時間を出力する。なお、情報処理装置1が持続時間特定部121を含む場合、感情特定部12は持続時間も出力パターン決定部16に出力する。出力パターン決定部16は、不適切感情の種類、指標値(および、持続時間)に基づいて、出力パターンを決定する(S28)。
また、前述の通り、本実施形態において駆動制御部18および駆動機構6は必須ではない。情報処理装置1が駆動制御部18を含まず、移動体100が駆動機構6を含まない場合、解消可否判定部15は、不適切感情の解消が不可能と判定した場合(S24でNO)、出力パターン決定部16へ出力パターンを決定するよう指示せず、処理を終了すればよい。
〔変形例〕
上記実施形態に係る情報処理装置1は、ナビ装置3から滞在予定時間を取得するのではなく、自装置で滞在予定時間を算出してもよい。例えば、情報処理装置1には、タッチパネルまたは物理ボタン等の入力装置が接続されていてもよい。この場合、情報処理装置1の時間取得部13は、入力装置を介してユーザが入力した、滞在予定時間を取得してもよい。
上記実施形態に係る情報処理装置1は、ナビ装置3から滞在予定時間を取得するのではなく、自装置で滞在予定時間を算出してもよい。例えば、情報処理装置1には、タッチパネルまたは物理ボタン等の入力装置が接続されていてもよい。この場合、情報処理装置1の時間取得部13は、入力装置を介してユーザが入力した、滞在予定時間を取得してもよい。
また、情報処理装置1には、現在時刻を計時する時計が接続されていてもよい。そして、時間取得部13は、時計から現在時刻を取得し、さらに、入力装置を介して、ユーザが入力した滞在終了時刻を取得してもよい。そして、時間取得部13は、該滞在終了時刻から現在時刻を差し引くことで、滞在予定時間を算出および取得してもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置1の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
情報処理装置1の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、情報処理装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 情報処理装置
2 生体センサ
3 ナビ装置
4 記憶装置
5 出力装置
6 駆動機構
11 生体情報取得部
12 感情特定部
13 時間取得部
14 介入要否判定部
15 解消可否判定部
16 出力パターン決定部
17 出力制御部(通知部)
18 駆動制御部
41 基準データ
100 移動体
121 持続時間特定部
500 不適切感情解消システム
DB41 持続時間
DB43 出力パターン
2 生体センサ
3 ナビ装置
4 記憶装置
5 出力装置
6 駆動機構
11 生体情報取得部
12 感情特定部
13 時間取得部
14 介入要否判定部
15 解消可否判定部
16 出力パターン決定部
17 出力制御部(通知部)
18 駆動制御部
41 基準データ
100 移動体
121 持続時間特定部
500 不適切感情解消システム
DB41 持続時間
DB43 出力パターン
Claims (11)
- 移動体の内部空間での乗員の滞在予定時間を取得する時間取得部と、
前記内部空間に配置された生体センサから、前記乗員の生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報に基づいて、前記乗員の不適切感情の種類および該不適切感情の強度の指標値を特定する感情特定部と、
前記滞在予定時間と、前記不適切感情の種類および前記指標値のうち少なくとも一方とから、前記不適切感情への介入が必要か否かを判定する介入要否判定部と、
前記介入が必要と判定された場合、前記滞在予定時間、前記不適切感情の種類、および前記不適切感情の強度のうち少なくとも一つに基づいて、1つ以上の出力装置における、前記介入のための出力パターンを決定する出力パターン決定部と、
決定された前記出力パターンに基づいて、前記1つ以上の出力装置に出力を実行させる出力制御部と、を備え、
前記不適切感情は、前記移動体に滞在する場合に不適切である感情を示すことを特徴とする、情報処理装置。 - 前記不適切感情の種類から前記乗員の前記不適切感情の持続時間を特定する持続時間特定部を備え、
前記介入要否判定部は、前記不適切感情の持続時間が第1閾値以上である場合に、前記介入が必要と判定することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記介入要否判定部は、前記滞在予定時間が第2閾値以上である場合に、前記介入が必要と判定することを特徴とする、請求項1または2に記載の情報処理装置。
- 前記不適切感情の種類から、前記乗員の前記不適切感情の持続時間を特定する持続時間特定部を備え、
前記介入要否判定部は、前記滞在予定時間から前記持続時間を差し引いた差分時間が第3閾値未満である場合に、前記介入が必要と判定することを特徴とする、請求項2または3に記載の情報処理装置。 - 前記介入が必要と判定された場合、前記滞在予定時間、前記不適切感情の種類、および前記指標値のうち少なくとも1つに基づいて、前記不適切感情が解消可能か否かを判定する、解消可否判定部を備え、
前記出力パターン決定部は、前記不適切感情が解消不可能であると判定された場合は、前記出力パターンを決定しないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記解消可否判定部によって、前記不適切感情が解消不可能であると判定された場合、前記出力装置の少なくとも一部を用いて前記乗員に、前記不適切感情を抱いていることを通知する通知部を備えることを特徴とする、請求項5に記載の情報処理装置。
- 前記解消可否判定部によって、前記不適切感情が解消不可能であると判定された場合、前記移動体の駆動に係る少なくとも一部の機構の動作を制限する駆動制御部を備えることを特徴とする、請求項5または6に記載の情報処理装置。
- 前記不適切感情の種類から、前記乗員の前記不適切感情の持続時間を特定する持続時間特定部を備え、
前記解消可否判定部は、前記不適切感情の持続時間が第4閾値以上の場合に、前記不適切感情が解消不可能であると判定することを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記不適切感情の種類から、前記乗員の前記不適切感情の持続時間を特定する持続時間特定部を備え、
前記解消可否判定部は、前記持続時間から前記滞在予定時間を差し引いた差分時間が第5閾値以上である場合に、前記不適切感情が解消不可能であると判定することを特徴とする、請求項5〜8のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記解消可否判定部は、前記指標値が第6閾値以上である場合に、前記不適切感情が解消不可能であると判定することを特徴とする、請求項5〜9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
- 移動体の内部空間での乗員の滞在予定時間を取得する時間取得ステップと、
前記内部空間に配置された生体センサから、前記乗員の生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
前記生体情報に基づいて、前記乗員の不適切感情の種類および該不適切感情の強度の指標値を特定する感情特定ステップと、
前記滞在予定時間と、前記不適切感情の種類および前記指標値のうち少なくとも一方とから、前記不適切感情への介入が必要か否かを判定する介入要否判定ステップと、
前記介入が必要と判定された場合、前記滞在予定時間、前記不適切感情の種類、および前記不適切感情の強度のうち少なくとも一つに基づいて、1つ以上の出力装置における、前記介入のための出力パターンを決定する出力パターン決定ステップと、
決定された前記出力パターンに基づいて、前記1つ以上の出力装置に出力を実行させる出力制御ステップと、を含み、
前記不適切感情は、前記移動体に滞在する場合に不適切である感情を示すことを特徴とする、制御方法。
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Cited By (1)
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CN113715833A (zh) * | 2021-09-09 | 2021-11-30 | 重庆金康赛力斯新能源汽车设计院有限公司 | 一种防路怒方法、装置和系统 |
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2019
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113715833A (zh) * | 2021-09-09 | 2021-11-30 | 重庆金康赛力斯新能源汽车设计院有限公司 | 一种防路怒方法、装置和系统 |
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