JP2023035580A - 酸化物イオン伝導性固体電解質 - Google Patents

酸化物イオン伝導性固体電解質 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明では、マイエナイト型化合物構造を有し、有意に高い酸化物イオン伝導性を有する固体電解質を提供することを目的とする。【解決手段】酸化物イオン伝導性固体電解質であって、Ca12Al14O33で表される代表組成を有するマイエナイト型化合物を有し、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、およびガドリニウム(Gd)から選ばれた少なとも1種の金属元素Mを有し、前記金属元素Mは、当該酸化物イオン伝導性固体電解質の全体に対して、酸化物換算で0.65モル%~6.0モル%の範囲で含まれ、当該酸化物イオン伝導性固体電解質中の前記マイエナイト型化合物の含有量は、60質量%よりも高い、酸化物イオン伝導性固体電解質。【選択図】なし

Description

本発明は、酸化物イオン伝導性固体電解質に関する。
酸化物イオン伝導性を有する固体電解質は固体酸化物型燃料電池(SOFC)、固体酸化物型電解セル(SOEC)、酸素センサー、酸素ポンプ等、様々な用途がある。近年、再生可能エネルギーの普及のために着目されているPower to Gas/Chemicalという技術コンセプトの実現形態の一つとしてSOFCとSOECを組み合わせた高効率エネルギーシステムが着目されている。
SOFC、SOECは共に高温で作動する電気化学セルであり、前者は水素や一酸化炭素、メタン等、様々な燃料に対応でき、後者はSOFCの動作により生成する水や二酸化炭素を電気分解し、水素や一酸化炭素に戻すことができる。
SOFC、SOECは2つの電極間に設けられた固体電解質を有し、この固体電解質中を酸化物イオンが伝導することにより作動する。
M.Lacerda et al.,"High Oxide ion conductivity in Ca12Al14O33"Nature,vol.332,P525,7,April(1988) F.M.Lea,C.H.Desch,The Chemistryof Cement and Concrete,2nd ed.,p.52,Edward Arnold&Co.,London,1956 A.Pedone et al.J.Phys.Chem.B 110、11780-11795(2006)
SOFCおよびSOEC用の固体電解質としては、これまで、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)やスカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)などの材料が提案されている。
また、最近では、マイエナイト型化合物が酸化物イオン伝導性を示すことが報告されている(非特許文献1)。マイエナイト型化合物は、ケージ内にフリー酸化物イオンを含有する結晶構造を有する。従って、このフリー酸化物イオンがイオン伝導に寄与できる可能性がある。
しかしながら、本願発明者らによれば、従来のマイエナイト型化合物のイオン伝導性は、あまり高くないことが認められている(例えば、YSZの1/10程度)。
従って、マイエナイト型化合物を酸化物イオン伝導性固体電解質に適用するためには、酸化物イオン伝導性のさらなる向上が必要となる。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、マイエナイト型化合物構造を有し、有意に高い酸化物イオン伝導性を有する固体電解質を提供することを目的とする。
本発明では、酸化物イオン伝導性固体電解質であって、
Ca12Al1433で表される代表組成を有するマイエナイト型化合物を有し、
プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、およびガドリニウム(Gd)から選ばれた少なとも1種の金属元素Mを有し、
前記金属元素Mは、当該酸化物イオン伝導性固体電解質の全体に対して、酸化物換算で0.65モル%~7.0モル%の範囲で含まれ、
当該酸化物イオン伝導性固体電解質中の前記マイエナイト型化合物の含有量は、60質量%よりも高い、酸化物イオン伝導性固体電解質が提供される。
また、本発明では、酸化物イオン伝導性固体電解質であって、
Ca12Al1433で表される代表組成を有するマイエナイト型化合物を有し、
プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、およびガドリニウム(Gd)から選ばれた少なとも1種の金属元素Mを有し、
前記金属元素Mは、当該酸化物イオン伝導性固体電解質の全体に対して、酸化物換算で0.65モル%~7.0モル%の範囲で含まれ、
Ca原子に対する前記金属元素Mのモル比(M/Ca)は、0.02≦M/Ca≦0.25を満たす、酸化物イオン伝導性固体電解質が提供される。
本発明では、マイエナイト型化合物構造を有し、有意に高い酸化物イオン伝導性を有する固体電解質を提供することができる。
Ndを含むC12A7構造(Ca12Al1433)のマイエナイト型化合物における主要拡散種をシミュレーションにより評価した結果を示した図である。 Gdを含むC12A7構造のマイエナイト型化合物における主要拡散種をシミュレーションにより評価した結果を示した図である。 本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質を有するSOFCの構成の一例を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質を有するSOECの構成の一例を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質の製造方法のフローの一例を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質の別の製造方法のフローの例を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質(サンプル2)におけるX線回折パターンを示した図である。 本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質(サンプル4)において得られたCole-Coleプロットを示した図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
(本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質)
本発明の一実施形態では、酸化物イオン伝導性固体電解質であって、
Ca12Al1433で表される代表組成を有するマイエナイト型化合物を有し、
プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、およびガドリニウム(Gd)から選ばれた少なとも1種の金属元素Mを有し、
前記金属元素Mは、当該酸化物イオン伝導性固体電解質の全体に対して、酸化物換算で0.65モル%~7.0モル%の範囲で含まれ、
当該酸化物イオン伝導性固体電解質中の前記マイエナイト型化合物の含有量は、60質量%よりも高い、酸化物イオン伝導性固体電解質が提供される。
なお、本願において、酸化物イオン伝導性固体電解質に含まれるマイエナイト型化合物の含有量は、リートベルト解析により把握することができる。
本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質(以下、「第1の固体電解質」と称する)は、C12A7構造のマイエナイト型化合物を含む。
マイエナイト型化合物は、12CaO・7Alで表される代表組成を有し、三次元的に連結された直径約0.4nmの空隙(ケージ)を有する特徴的な結晶構造を持つ。
このケージを構成する骨格は、正電荷を帯びており、単位格子当たり12個のケージを形成する。このケージの1/6は、結晶の電気的中性条件を満たすため、内部が酸化物イオンで占められている。しかしながら、このケージ内の酸化物イオンは、骨格を構成する他の酸素イオンとは化学的に異なる特性を有しており、このため、ケージ内の酸化物イオンは、特にフリー酸化物イオンと呼ばれている。
マイエナイト型化合物は、組成式[Ca24Al28644+(O2-とも表記される(非特許文献2)。
前述のように、マイエナイト型化合物は、ケージ内にフリー酸化物イオンを含むため、酸化物イオン伝導体として機能できる可能性がある(非特許文献1)。
しかしながら、本願発明者らによる解析によれば、上記組成式を有する一般的なマイエナイト型化合物のイオン伝導性は、あまり高くないことが認められている(例えば、YSZの1/10程度)。
従って、マイエナイト型化合物を酸化物イオン伝導性固体電解質に適用するためには、酸化物イオン伝導性のさらなる向上が必要となる。
これまで、本願発明者らは、マイエナイト型化合物の酸化物イオン伝導性を高めるための方策について、鋭意研究開発を進めてきた。そして、本願発明者らは、マイエナイト型化合物に特定の金属Mの酸化物を添加した場合、マイエナイト型化合物のイオン伝導性が有意に高められることを見出し、本願発明に至った。ここで、金属Mは、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、およびガドリニウム(Gd)から選択される。
従って、第1の固体電解質は、Gd、Pr、Nd、ユウロピウムEu、およびSmの少なくとも一つを有する。
なお、金属Mは、酸化物イオン伝導性固体電解質中に、酸化物換算で0.65モル%~7.0モル%の範囲で含有される。
金属Mの含有量が0.65モル%未満では、マイエナイト型化合物のイオン伝導性に、有意な効果が現れない。また、金属Mを7.0モル%超添加した場合、異相が多くなり、マイエナイト型化合物を主体とする酸化物イオン伝導性固体電解質を得ることが難しくなる。ただし、イオン伝導性に有意な効果が表れるなら、第1の固体電解質におけるマイエナイト型化合物の質量分率は100%未満でもよい。
特に、第1の固体電解質では、マイエナイト型化合物自体が金属Mを含んでもよい。この場合、金属Mは、マイエナイト型化合物におけるCa原子のサイトに配置されてもよい。特に、Ca原子に対する金属Mのモル比(M/Ca)は、0.02≦M/Ca≦0.25の範囲であってもよく、Ca24-xAl2866+x/2を満たしてもよい。
また、第1の固体電解質において、金属Mは、モル比で、0.84≦(M+Ca)/Al≦0.88を満たしてもよい。
特に、第1の固体電解質では、金属Mは、酸化物イオン伝導性固体電解質中に、酸化物換算で0.5モル%~5.3モル%の範囲で含有されることが好ましい。金属Mの含有量を5.3モル%以下とすることにより、異相が少なく、結晶構造内に金属Mが包含されたマイエナイト型化合物を主体とする酸化物イオン伝導性固体電解質を得ることができる。
このような第1の固体電解質は、従来のマイエナイト型化合物に比べて、有意に高いイオン伝導性を有する。従って、第1の固体電解質は、SOFCおよびSOEC等における固体電解質としての利用が期待できる。
また、本発明の別の実施形態では、酸化物イオン伝導性固体電解質であって、
Ca12Al1433で表される代表組成を有するマイエナイト型化合物を有し、
プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、およびガドリニウム(Gd)から選ばれた少なとも1種の金属元素Mを有し、
前記金属元素Mは、当該酸化物イオン伝導性固体電解質の全体に対して、酸化物換算で0.65モル%~7.0モル%の範囲で含まれ、
Ca原子に対する前記金属元素Mのモル比(M/Ca)は、0.02≦M/Ca≦0.25を満たす、酸化物イオン伝導性固体電解質が提供される。
本発明の別の実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質(以下、「第2の固体電解質」と称する)においても、前述の第1の固体電解質と同様、従来のマイエナイト型化合物に比べて、有意に高いイオン伝導性が得られる。従って、第2の固体電解質は、SOFCおよびSOEC等における固体電解質としての利用が期待できる。
なお、現時点では、本発明の一実施形態において、マイエナイト型化合物に所定量の金属Mを含有させることによりイオン伝導性が高まる理由として、以下のことが考えられる。
マイエナイト型化合物に、前述の金属Mを添加した場合、金属Mの原子は、Ca原子のサイトに優先的に置換配置されると考えられる。
ここで、Ca原子は2価であるが、Pr原子、Nd原子、Sm原子、Eu原子、およびGd原子は3価である。このため、Ca原子がPr原子、Nd原子、Sm原子、Eu原子、およびGd原子と置換されると、電気的中性を保つため、酸化物イオンの濃度が上昇する。また、これに伴い、ケージ内のフリー酸化物イオンの濃度も高くなる結果、イオン伝導性が向上するものと考えられる。
ただし、上記イオン伝導性の向上のメカニズムは、現時点での実験的な考察に基づくものであり、第1の固体電解質および第2の固体電解質は、別の機構により、イオン伝導性が向上していてもよい。
また、第1の固体電解質および第2の固体電解質は、さらに、チタン(Ti)を含有してもよい。
Tiは、第1の固体電解質および第2の固体電解質の全体に対して、酸化物換算で0.1モル%~30モル%の範囲で含有されてもよい。
なお、第1の固体電解質および第2の固体電解質において、Tiは、マイエナイト型化合物のアルミニウム(Al)原子のサイトに置換配置されているものと考えられる。Al原子に対するTi原子のモル比Ti/Alは、0.015≦Ti/Al≦0.50であってもよい。また、第1の固体電解質がTiを含有する場合、金属Mは、モル比で、0.84≦(M+Ca)/(Al+Ti)≦0.88を満たしてもよく、Ca24-xAl28-yTi66+x/2+y/2を満たしてもよい。
第1の固体電解質および第2の固体電解質がTiを含む場合、イオン導電性がさらに向上する。これは、以下の理由によると予想される。
マイエナイト型化合物にTiを添加した場合、Ti原子は、Al原子のサイトに優先的に置換配置されると考えられる。ただし、Al原子は3価であるが、Ti原子は4価である。このため、Al原子がTi原子と置換されると、電気的中性のため、酸化物イオンの濃度が上昇する。また、これに伴い、ケージ内のフリー酸化物イオンの濃度も高くなる結果、イオン伝導性が向上するものと考えられる。
(イオン伝導種の検討)
金属Mを含むC12A7構造のマイエナイト型化合物において、イオン伝導の主体となる元素をシミュレーションにより評価した。
シミュレーションでは、古典分子動力学計算により、1気圧、1200Kにおける材料中の酸化物イオンの平均二乗変位MSDと経過時間の関係を計算した。
計算に用いたコードは、LAMMPSである。入力パラメーターである各材料の構成元素の二体間ポテンシャルには、Pedoneらにより報告されている値(非特許文献3参照)を用いた。
単位胞を6×6×6に拡張したスーパーセルにおいて、モル比で、Caの2.7モル%をNdで置換した系に対して、NPTアンサンブルで1ナノ秒の分子動力学シミュレーションを行った。また、温度、内部エネルギー、および格子定数が安定した後、NVEアンサンブルで1ナノ秒の分子動力学シミュレーションを行った。
図1には、シミュレーションの結果を示す。図1において、横軸は、経過時間であり、縦軸は、各元素のMSDである。
MSDの傾きは、拡散係数に比例する。従って、図1では、MSDの傾きが大きい元素ほど、マイエナイト型化合物の内部において拡散が生じやすいことを示す。
図1に示すように、マイエナイト型化合物中のCa原子の一部をNdで置換した化合物では、イオン伝導の主体は、酸化物イオンであることがわかった。
図2には、Caの2.7モル%をGdで置換した系に対して、同様のシミュレーションを実施した際に得られた結果を示す。
この系においても、同様の結果が得られた。
(その他の特徴)
第1の固体電解質および第2の固体電解質は、セラミックスであるため、高い高温安定性を有する。例えば、第1の固体電解質および第2の固体電解質は、800℃以上の温度域においても、安定に使用することができる。
(用途)
第1の固体電解質および第2の固体電解質は、高温においても安定であり、有意に高い酸化物イオン伝導性を有する。従って、第1の固体電解質および第2の固体電解質は、例えば、固体酸化物型燃料電池(SOFC)セルの固体電解質、およびSOEC用の固体電解質として適用できる。
図2には、SOFCセルの一構成例を模式的に示す。
図2に示すように、SOFCセル100は、酸素極110、燃料極120、および両電極の間の固体電解質130を有する。
酸素極110では、例えば、以下の反応が生じる:

+4e→2O2- (1)式

酸素極110で生じた酸化物イオンは、固体電解質130内を通り、反対側の燃料極120に達する。燃料極120では、例えば、以下の反応が生じる:

2H+2O2-→2HO+4e (2)式

従って、SOFCセル100を外部負荷140に接続した場合、(1)式および(2)式の反応が継続され、外部負荷140に給電することができる。
このようなSOFCセル100において、例えば固体電解質130として、第1の固体電解質および第2の固体電解質を適用することができる。また、酸素極110および燃料極120を構成する固体電解質としても、第1の固体電解質および第2の固体電解質を適用することができる。
このようなSOFCセル100では、固体電解質130が有意に高い酸化物イオン伝導性を有するため、有意に高い発電効率を得ることが可能となる。
図3には、SOECセルの一構成例を模式的に示す。
図3に示すように、SOECセル200は、酸素極210、水素極220、および両電極の間の固体電解質230を有する。
酸素極210では、例えば、以下の反応が生じる:

2O2-→O+4e (3)式

また、水素極220では、例えば、以下の反応が生じる:

2HO+4e→2H+2O2- (4)式

水素極220で生じた酸化物イオンは、固体電解質230内を通り、反対側の酸素極210に達する。従って、SOECセル200を外部電源240に接続した場合、(3)式および(4)式の反応が継続される。
このようなSOECセル200において、例えば固体電解質230として、第1の固体電解質および第2の固体電解質を適用することができる。また、酸素極210および水素極220を構成する固体電解質としても、第1の固体電解質および第2の固体電解質を適用することができる。
このようなSOECセル200では、固体電解質230が有意に高い酸化物イオン伝導性を有するため、有意に高い電解効率を得ることが可能となる。
(本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質の製造方法)
次に、図5を参照して、本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質の製造方法の一例について説明する。
図5には、本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質の製造方法(以下、「第1の製造方法」と称する)のフローの例を模式的に示す。
図5に示すように、第1の製造方法は、
(1)Ca源、Al源、および金属M源を所定の割合で混合して、混合粉末を得る工程(工程S110)と、
(2)混合粉末を仮焼して、仮焼粉を得る工程(工程S120)と、
(3)仮焼粉を焼結させて、焼結体を得る工程(工程S130)と、
を有する。
以下、各工程について、説明する。なお、ここでは、一例として、前述の第1の固体電解質を例に、その製造方法について説明する。ただし、第1の製造方法が第2の固体電解質の製造方法にも適用し得ることは、本明細書を読んだ当業者には明らかである。
(工程S110)
まず、混合粉末が調製される。このため、Ca源、Al源、金属M源が所定の割合で混合される。
Ca源は、例えば、金属カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、硝酸カルシウム、および酢酸カルシウムなどから選定されてもよい。
Al源は、例えば、金属アルミニウム、αアルミナ、γアルミナ、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、および硫酸アルミニウムなどから選定されてもよい。
金属M源は、例えば、純金属Mおよび/または金属Mの酸化物から選定されてもよい。例えば、金属Mとして、Ndを採用する場合、金属M源は、金属Ndおよび/または酸化ネオジムであってもよい。
各原料は、目的組成を有するマイエナイト型化合物が得られるように秤量され、混合される。
混合方法は、均一な混合粉末が得られれば、特に限られない。
(工程S120)
次に、混合粉末が仮焼される。
仮焼工程は、混合粉末に含まれる炭酸および硝酸などの化合物を脱離させ、次の焼結工程において、目的のマイエナイト型化合物を生成し易くするために実施される。
仮焼の条件は、特に限られないが、目的の混合酸化物を得るためには、仮焼温度は、1000℃以上が好ましい。ただし、仮焼温度が高すぎると、混合粉末において、過度に結晶化が進行してしまう。従って、仮焼温度は、1300℃以下が好ましい。
仮焼時間は、例えば、5時間~24時間程度である。ただし、仮焼時間は、仮焼温度によっても変化し、仮焼温度が高いほど、仮焼時間を短くできる。
これにより、仮焼粉が得られる。
なお、仮焼粉は、必要に応じて粉砕してもよい。粉砕後の平均粒径は、例えば、0.1μm~100μmの範囲であってもよい。
(工程S130)
次に、仮焼粉が焼結される。
焼結工程は、目的の結晶相を有する緻密な焼結体を得るために実施される。
なお、焼結工程の前に、仮焼粉を成形し、得られた成形体を用いて、焼結工程を実施してもよい。
成形の条件等は、特に限られず、一軸成形法または静水圧成形法等、一般的な成形方法が採用されてもよい。
焼結の方法は、特に限られず、例えば、常圧下における無加圧焼結法により、仮焼粉または成形体を焼結させてもよい。
あるいは、ホットプレス焼結または放電プラズマ焼結のような、加圧焼結法を用いて、仮焼粉を焼結させてもよい。なお、この場合、成形と焼結が一度に実施されてもよい。
焼結温度は、適正な焼結体が得られる限り、特に限られないが、1200℃~1400℃の範囲が好ましい。焼結温度が低すぎると、緻密な焼結体が得られない場合がある。また、焼結温度が高すぎると、被処理体の溶融が生じる場合がある。
焼結時間は、焼結温度に応じて最適な時間を選択することが望ましい。一般に、焼結温度が高い程、短時間で焼結が完了する。
最適な焼結時間は、焼結温度によっても異なるが、無加圧焼結処理の場合、例えば、5時間~48時間程度であり、放電プラズマによる加圧焼結処理の場合、例えば、5分~60分程度である。
なお、カーボン製の容器を使用して、加圧焼結処理を実施すると、焼結体の表面にカーボンが付着する場合がある。そのような場合、大気下、800℃~1000℃で5時間程度、熱処理することにより、付着カーボンを除去することができる。
以上の工程により、本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質を製造することができる。
(本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質の別の製造方法)
次に、図6を参照して、本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質の別の製造方法の例について説明する。
図6には、本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質の別の製造方法(以下、「第2の製造方法」と称する)のフローの例を模式的に示す。
図6に示すように、第2の製造方法は、
(1)Ca源およびAl源を所定の割合で混合して、第1の混合粉末を得る工程(工程S210)と、
(2)第1の混合粉末を仮焼して、第1の仮焼粉を得る工程(工程S220)と、
(3)第1の仮焼粉および金属M源を所定の割合で混合して、第2の混合粉末を得る工程(工程S230)と、
(4)第2の混合粉末を仮焼して、第2の仮焼粉を得る工程(工程S240)と、
(5)第2の仮焼粉を焼結させて、焼結体を得る工程(工程S250)と、
を有する。
第2の製造方法に含まれる各工程は、前述の第1の製造方法における各工程S110~工程S130に関する記載から、当業者には容易に理解することができる。従って、ここでは、各工程についての詳細な説明は省略する。
ただし、第2の製造方法では、第1の製造方法とは異なり、2回の仮焼工程(工程S220および工程S240)を経て、酸化物イオン伝導性固体電解質が製造される。
この場合、第1の製造方法のように、Ca源、Al源および金属M源を含む混合粉末を一度に仮焼処理する場合に比べて、より均質な組成の酸化物イオン伝導性固体電解質を製造することができる。
すなわち、第1の製造方法では、反応性の高いCaと金属Mが反応して、異相が形成される可能性がある。これに対して、第2の製造方法では、1回目の仮焼工程(工程S220)において、CaとAlが反応し、結合された仮焼粉を予め調製することができる。従って、2回目の仮焼工程(工程S240)では、より確実に、マイエナイト型化合物内の所望のサイトに金属Mを導入させることができる。
以上、第1の製造方法および第2の製造方法を例に、本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質の製造方法について説明した。しかしながら、上記記載は、単なる一例に過ぎず、本発明の一実施形態による酸化物イオン伝導性固体電解質は、水熱法、ゾルゲル法、および液相燃焼法など、別の方法により製造されてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。
なお、以下の記載において、例1~例8ならびに例11~例12は実施例であり、例21~例23は、比較例である。
(例1)
以下の方法で、焼結体を作製した。
[調合工程]
炭酸カルシウム粉末(4.16g)と、αアルミナ粉末(2.52g)と、酸化ネオジム粉末(0.149g)とをそれぞれ秤量した。これらを、φ5mmのジルコニアボールおよび10ccのイソプロパノールが入ったポットに投入し、遊星ボールミル法により3時間粉砕混合した。次に、混合粉末を100℃で乾燥し、イソプロパノールを除去した。さらに、ふるいにより、混合粉末をジルコニアボールと分離した。
[仮焼工程]
得られた混合粉末をアルミナ坩堝に入れ、大気中、1200℃で5時間仮焼した。得られた試料をメノー乳鉢で粉砕し、仮焼粉を作製した。
[焼結工程]
仮焼粉1gをφ1.5cmの超硬金属ダイスに入れ、油圧プレス器で20kNの圧力を印加し、一軸成形を実施した。さらに、196MPaで静水圧成形処理を行い、φ1.5cmのペレットを作製した。ペレットを大気中、1200℃で12時間熱処理し、φ1.3cmφ、厚さ2mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を「サンプル1」と称する。サンプル1において、Ndの含有量は、Nd換算で、0.67モル%であり、モル比Nd/Caは、0.021である。
(例2)
例1と同様の方法により、焼結体を作製した。ただし、この例2では、前述の[調合工程]における各原料の配合比を例1の場合とは変化させて、混合粉末を調製した。その他の工程は、例1の場合と同様である。
得られた焼結体を、「サンプル2」と称する。
(例3~例4)
例1と同様の方法により、焼結体を作製した。ただし、例3~例4では、前述の[調合工程]における各原料の配合比を例1の場合とは変化させて、混合粉末を調製した。また、[焼結工程]において、熱処理温度を1300℃とした。その他の工程は、例1の場合と同様である。
得られた焼結体を、それぞれ、「サンプル3」~「サンプル4」と称する。
(例5)
炭酸カルシウム粉末(3.64g)と、αアルミナ粉末(2.36g)と、酸化ガドリニウム粉末(0.599g)とをそれぞれ秤量した。これらを、φ5mmのジルコニアボールおよび10ccのイソプロパノールが入ったポットに投入し、遊星ボールミル法により3時間粉砕混合した。次に、混合粉末を100℃で乾燥し、イソプロパノールを除去した。さらに、ふるいにより、混合粉末をジルコニアボールと分離した。
[仮焼工程]
得られた混合粉末をアルミナ坩堝に入れ、大気中、1300℃で5時間仮焼した。得られた試料をメノー乳鉢で粉砕し、仮焼粉を作製した。
[焼結工程]
仮焼粉1gをφ1.5cmの超硬金属ダイスに入れ、油圧プレス器で20kNの圧力を印加し、一軸成形を実施した。さらに、196MPaで静水圧成形処理を行い、φ1.5cmのペレットを作製した。ペレットを大気中、1300℃で12時間熱処理し、φ1.3cmφ、厚さ2mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を「サンプル5」と称する。サンプル5おいて、Gdの含有量は、Gd換算で、2.7モル%であり、モル比Gd/Caは、0.091である。
(例6~例8)
例5と同様の方法により、焼結体を作製した。ただし、例6~例8では、前述の金属Mとして、それぞれ、酸化プラセオジム、酸化ユウロピウム、および酸化サマリウムを添加して、混合粉末を調製した。その他の工程は、例5の場合と同様である。
得られた焼結体を、それぞれ、「サンプル6」~「サンプル8」と称する。
(例21)
例1と同様の方法により、焼結体を作製した。ただし、この例21では、前述の[調合工程]において、炭酸カルシウム(4.33g)とαアルミナ(2.57g)のみを混合して、混合粉末を調製した。すなわち、金属M源を添加せずに混合粉末を調製した。その他の工程は、例1の場合と同様である。
得られた焼結体を「サンプル21」と称する。
(例22)
例1と同様の方法により、焼結体を作製した。ただし、この例22では、前述の[調合工程]における各原料の配合比を例1の場合とは変化させて、混合粉末を調製した。具体的には、炭酸カルシウム粉末(2.61g)と、αアルミナ粉末(2.07g)と、酸化ネオジム粉末(1.46g)とをそれぞれ秤量した。また、Ndの含有量は、Nd換算で、8.6モル%とし、モル比Nd/Caは、0.33とした。
また、前述の[焼結工程]における焼成温度は、1300℃とした。
その他の工程は、例1の場合と同様である。
得られた焼結体を、「サンプル22」と称する。
(例23)
例1と同様の方法により、焼結体を作製した。ただし、この例23では、前述の[調合工程]における各原料の配合比を例1の場合とは変化させて、混合粉末を調製した。具体的には、炭酸カルシウム粉末(3.09g)と、αアルミナ粉末(1.92g)と、酸化ネオジム粉末(1.35g)とをそれぞれ秤量した。また、Ndの含有量は、Nd換算で、7.5モル%とし、モル比Nd/Caは、0.26とした。
また、前述の[焼結工程]における焼成温度は、1200℃とした。
その他の工程は、例1の場合と同様である。
得られた焼結体を、「サンプル23」と称する。
以下の表1には、各サンプルの原料および焼成条件などをまとめて示した。
Figure 2023035580000001

(評価)
各サンプルを用いて、以下の評価を評価した。
(X線回折分析)
各サンプルを用いて、X線回折分析を実施した。また、得られた結果から、リートベルト解析により、サンプルに含まれるマイエナイト型化合物の含有量を算出した。
図7には、サンプル2において得られたX線回折パターンを示す。図7において、無印の各ピークは、マイエナイト型化合物の結晶相に対応する。また、くさび記号で示した各ピークは、異相であるNdCaAlの結晶相に対応する。
このように、サンプル2は、マイエナイト型化合物を含むことが確認された。リートベルト解析の結果、サンプル2におけるマイエナイト型化合物の含有量は、88.0質量%であった。
以下の表2の「マイエナイト型化合物の含有量」の欄には、各サンプルにおいて得られたマイエナイト型化合物の含有量の評価結果を示す。なお、表2において、「○」は、マイエナイト型化合物の含有量が60質量%以上であることを表し、「×」は、マイエナイト型化合物の含有量が60質量%未満であることを表す。
Figure 2023035580000002
この結果から、サンプル1~サンプル8では、マイエナイト型化合物の含有量が60質量%を超えることがわかった。一方、サンプル22およびサンプル23では、マイエナイト型化合物の含有量は、60質量%未満であることがわかった。
(抵抗率測定)
各サンプルを用いて、抵抗率の測定を実施した。抵抗率の測定には、インピーダンス法を使用した。
まず、各サンプルの表面を、#80~#1000の紙やすりで研磨し、表面層を除去するとともに、平滑化した。
次に、研磨表面に、白金ペーストを介して、φ6mm、厚さ10μmの白金電極を設置した。このサンプルを、大気雰囲気において、1000℃で15分間熱処理し、白金ペーストを固化させた。
次に、サンプルを大気雰囲気の電気炉内に設置した。また、白金電極に結合された白金線を介して、サンプルをポテンショガルバノスタット(バイオロジック社SP―150)と接続した。
次に、サンプルを850℃に加熱した後、120分間保持し、サンプルの温度を安定化させた。
サンプルの温度が安定化した後、インピーダンス測定を実施し、Cole-Coleプロットを作成した。測定周波数は、1MHz~100mHzとした。
得られたCole-Coleプロットにおいて、横軸(実数軸)との交点から抵抗率を求めた。
図8には、一例として、サンプル4において得られたCole-Coleプロットを示す。この例では、矢印の位置からサンプル4の抵抗率を求めた。
前述の表2の「抵抗率」の欄には、各サンプルにおいて得られた結果をまとめて示す。表2において、各サンプルの抵抗率は、サンプル21において得られた抵抗率の比で示した。
この結果から、サンプル22の抵抗率(相対比)は、0.87であり、金属Mを含まないマイエナイト型化合物であるサンプル21と比べて、あまり抵抗率が低下していないことがわかった。また、サンプル23の抵抗率(相対比)は、1.43であり、サンプル21よりも抵抗率が増大した。一方、サンプル1~サンプル8では、サンプル21に比べて、抵抗率が大きく減少していることがわかった。
このように、マイエナイト型化合物において、酸化物換算で、金属Mを0.65モル%~7.0モル%の範囲で添加したサンプルでは、抵抗率が有意に低下することがわかった。
これらの結果から、マイエナイト型化合物に金属Mを添加して構成される固体電解質では、従来のマイエナイト型化合物に比べて、良好なイオン伝導性が発揮できると思われる。
(例11)
例1と同様の方法により、焼結体を作製した。ただし、この例11では、前述の[調合工程]において、原料として、炭酸カルシウム粉末、αアルミナ粉末、および酸化ネオジム粉末に加えて、二酸化チタン粉末を使用した。二酸化チタン粉末は、全体に対して、10モル%となるように添加した。混合粉末におけるTi/Al比は、0.17である。
また、この例11では、[焼結工程]において、熱処理温度を1300℃とした。その他の工程は、例1の場合と同様である。
得られた焼結体を、「サンプル11」と称する。サンプル11において、Nd換算で、Ndの含有量は、1.3モル%であり、モル比Nd/Caは、0.043である。
(例12)
例11と同様の方法により、焼結体を作製した。ただし、この例12では、[調合工程]における各原料の配合比を例11の場合とは変化させて、混合粉末を調製した。二酸化チタン粉末は、全体に対して、2.7モル%となるように添加した。混合粉末におけるTi/Al比は、0.037である。
得られた焼結体を、「サンプル12」と称する。サンプル12において、Nd換算で、Ndの含有量は、2.7モル%であり、モル比Nd/Caは、0.091である。
以下の表3には、サンプル11およびサンプル12の原料および焼成条件などをまとめて示した。
Figure 2023035580000003
(評価)
前述の方法により、サンプル11およびサンプル12の抵抗率を測定した。
測定の結果、サンプル11の抵抗率は、サンプル21の抵抗率の0.10倍であった。また、サンプル12の抵抗率は、サンプル21の抵抗率の0.07倍であった。
これらの結果から、サンプル11およびサンプル12では、抵抗率が大きく低減されていることがわかった。
100 SOFCセル
110 酸素極
120 燃料極
130 固体電解質
140 外部負荷
200 SOECセル
210 酸素極
220 水素極
230 固体電解質
240 外部電源

Claims (11)

  1. 酸化物イオン伝導性固体電解質であって、
    Ca12Al1433で表される代表組成を有するマイエナイト型化合物を有し、
    プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、およびガドリニウム(Gd)から選ばれた少なとも1種の金属元素Mを有し、
    前記金属元素Mは、当該酸化物イオン伝導性固体電解質の全体に対して、酸化物換算で0.65モル%~7.0モル%の範囲で含まれ、
    当該酸化物イオン伝導性固体電解質中の前記マイエナイト型化合物の含有量は、60質量%よりも高い、酸化物イオン伝導性固体電解質。
  2. 前記金属元素Mは、前記マイエナイト型化合物中に含有されている、請求項1に記載の酸化物イオン伝導性固体電解質。
  3. 前記金属元素Mは、前記マイエナイト型化合物におけるCa原子のサイトに配置されている、請求項2に記載の酸化物イオン伝導性固体電解質。
  4. Ca原子に対する前記金属元素Mのモル比(M/Ca)は、0.02≦M/Ca≦0.25を満たす、請求項3に記載の酸化物イオン伝導性固体電解質。
  5. 酸化物イオン伝導性固体電解質であって、
    Ca12Al1433で表される代表組成を有するマイエナイト型化合物を有し、
    プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、およびガドリニウム(Gd)から選ばれた少なとも1種の金属元素Mを有し、
    前記金属元素Mは、当該酸化物イオン伝導性固体電解質の全体に対して、酸化物換算で0.65モル%~7.0モル%の範囲で含まれ、
    Ca原子に対する前記金属元素Mのモル比(M/Ca)は、0.02≦M/Ca≦0.25を満たす、酸化物イオン伝導性固体電解質。
  6. 前記金属元素Mは、モル比で、0.84≦(M+Ca)/Al≦0.88を満たす、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の酸化物イオン伝導性固体電解質。
  7. 前記金属元素Mは、当該酸化物イオン伝導性固体電解質中に、酸化物換算で0.5モル%~5.3モル%の範囲で含有される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の酸化物イオン伝導性固体電解質。
  8. さらに、チタン(Ti)を、酸化物換算で0.1モル%~30モル%含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の酸化物イオン伝導性固体電解質。
  9. 前記Tiは、前記マイエナイト型化合物におけるAl原子のサイトに配置されている、請求項8に記載の酸化物イオン伝導性固体電解質。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の酸化物イオン伝導性固体電解質を備える燃料電池セル。
  11. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の酸化物イオン伝導性固体電解質を備える電解セル。
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