JP2023032435A - 水洗大便器 - Google Patents

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誠也 中島
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【課題】屈曲部から内側部に流入する流れの剥離による流れの圧力損失が生じることを抑制できる水洗大便器を提供する。【解決手段】本発明の水洗大便器は、洗浄水源から供給される洗浄水をボウル部内に通水するように、ボウル部の左右の何れか一方の側のリム部内に形成されたリム通水路46と、リム通水路の下流端に形成されると共に洗浄水を後方に向けて吐水するリム吐水口部48と、を備え、リム通水路は、入口部からリム部の内部を前方に向けて延びる外側部56と、外側部の下流端部から内側に屈曲する屈曲部58と、屈曲部から後方に向かってリム吐水口部まで延びる内側部60とを備え、屈曲部は、屈曲部の流路断面積を拡大する流路断面積拡大部62を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、水洗大便器に係り、特に、洗浄水源から供給される洗浄水によって洗浄されて汚物を排出する水洗大便器に関する。
従来から、特許文献1乃至特許文献3に記載されているように、水洗大便器において、リム部の内部にリム通水路が形成され、リム通水路の下流側のリム吐水口に導かれた洗浄水が後方に向けて吐水されるものが知られている。
特開2018-104974号公報 特開2018-091112号公報 特開2017-020213号公報
しかしながら、例えば特許文献2及び3に記載されているような水洗大便器においては、リム通水路がリム部内で折り返すように屈曲され、洗浄水が比較的狭いリム通水路内で折り返すように流れる。このため、リム通水路内の洗浄水の流れが屈曲部分やその下流側のリム通水路の内側部の内側面から剥離し、流れの圧力損失を生じるという問題があった。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、屈曲部から内側部に流入する流れの剥離による流れの圧力損失が生じることを抑制できる水洗大便器を提供することを目的としている。
上述した目的を達成するために、本発明の一実施形態は、洗浄水源から供給される洗浄水によって洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、ボウル形状の汚物受け面と、上記汚物受け面の上縁に形成されたリム部と、を備えたボウル部と、このボウル部の下方に接続され汚物を排出する排水路と、上記洗浄水源から供給される洗浄水を上記ボウル部内に通水するように、上記ボウル部の左右の何れか一方の側の上記リム部内に形成されたリム通水路と、上記リム通水路の下流端に形成されると共に洗浄水を後方に向けて吐水するリム吐水口部と、を備え、上記リム通水路は、入口部から上記リム部の内部を前方に向けて延びる外側部と、上記外側部の下流端部から内側に屈曲する屈曲部と、上記屈曲部から後方に向かって上記リム吐水口部まで延びる内側部とを備え、上記屈曲部は、上記屈曲部の流路断面積を拡大する流路断面積拡大部を備えることを特徴としている。
このように構成された本発明の一実施形態においては、上記リム通水路が上記リム部の内部を前方に向けて延びる外側部と、屈曲部と、後方に向かってリム吐水口部まで延びる内側部とを備えた水洗大便器において、上記屈曲部は、上記屈曲部の流路断面積を拡大する流路断面積拡大部を備える。これにより、洗浄水の流れが屈曲部で屈曲されて内側部に流入する場合に、屈曲部の流路断面積拡大部やその近傍領域を通過する洗浄水の流速が低下されやすくなり、屈曲部から内側部に流入する流れの剥離による流れの圧力損失が生じることを抑制できる。
本発明において、好ましくは、上記屈曲部の上記流路断面積拡大部は、上記外側部と上記内側部との間の中間部分に設けられている。
このように構成された本発明の一実施形態においては、屈曲部の流路断面積拡大部は、上記外側部と上記内側部との間の中間部分に設けられるので、屈曲部の曲がりの中間部分において、洗浄水の流速がより低下されやすくなり、屈曲部の中間部分から内側部に流入する流れの剥離による流れの圧力損失が生じることをより抑制できる。
本発明において、好ましくは、上記屈曲部の上記流路断面積拡大部は、上記屈曲部の通水路の内周側部分の一部における底部から天井部までの高さが内周側部分の他の部分における底部から天井部までの高さよりも高くなるように形成されている。
このように構成された本発明の一実施形態においては、上記屈曲部の上記流路断面積拡大部は、上記屈曲部の通水路の内周側部分の一部における底部から天井部までの高さが内周側部分の他の部分における底部から天井部までの高さよりも高くなるように形成されている。これにより、屈曲部の通水路の内周側において、洗浄水の流速がより低下されやすくなり、屈曲部の内周側から内側部に流入する流れの剥離による流れの圧力損失が生じることをより抑制できる。
本発明において、好ましくは、上記屈曲部の上記流路断面積拡大部は、上記屈曲部の通水路の内周側部分の一部における天井部の高さが内周側部分の他の部分における天井部の高さよりも高くなるように形成されている。
このように構成された本発明の一実施形態においては、上記屈曲部の上記流路断面積拡大部は、上記屈曲部の通水路の内周側部分の一部における天井部の高さが内周側部分の他の部分における天井部の高さよりも高くなるように形成されている。これにより、流路断面積拡大部を、内周側部分の一部の天井部により比較的簡単に構成できると共に、屈曲部の通水路の内周側において、洗浄水の流速がより低下されやすくなり、屈曲部の内周側から内側部に流入する流れの剥離による流れの圧力損失が生じることをより抑制できる。
本発明において、好ましくは、上記屈曲部は、上面視で上記流路断面積拡大部より便器外側に設けられた外側屈曲部と、上記流路断面積拡大部より便器内側に設けられた内側屈曲部とを備え、上記屈曲部の高さ方向の中央部分の水平断面における上記内側屈曲部の断面積は、上記外側屈曲部の断面積よりも大きい。
このように構成された本発明の一実施形態においては、水平断面における内側屈曲部の断面積は、外側屈曲部の断面積よりも大きいので、一端屈曲部に流入した洗浄水が内側屈曲部において停滞しにくくでき、洗浄水が屈曲部をスムーズに流れることができ、圧力損失を生じて水勢が弱まったり流れの乱れや剥離を生じたりすることを抑制できる。
本発明の水洗大便器によれば、屈曲部から内側部に流入する流れの剥離による流れの圧力損失が生じることを抑制できる。
本発明の一実施形態による水洗大便器の全体構成図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器の平面図である。 図1のIII-III線に沿った断面図である。 図3のリム通水路の屈曲部の近傍の様子を示す部分拡大断面図である。 図2のリム通水路の屈曲部の流路断面積拡大部を示す部分拡大斜視図である。 図3のVI-VI線に沿った断面図である。 図3のVII-VII線に沿った断面図である。 図3のVIII-VIII線に沿った断面図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器のリム通水路の変形例においてリム通水路内に通水するときのリム通水路内の洗浄水の流速分布をコンピュータシミュレーションにより数値解析した結果の一例を示す図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器のリム通水路のさらなる変形例を示す概略斜視図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器のリム通水路のさらなる変形例においてリム吐水口部から吐水させるためにリム通水路内に通水するときのリム通水路内の洗浄水の流速分布をコンピュータシミュレーションにより数値解析した結果の一例を示す図である。 比較例の水洗大便器のリム通水路を示す概略斜視図である。 比較例の水洗大便器のリム通水路においてリム吐水口部から吐水させるためにリム通水路内に通水するときのリム通水路内の洗浄水の流速分布をコンピュータシミュレーションにより数値解析した結果の一例を示す図である。
つぎに、図1~図3を参照して、本発明の一実施形態による水洗大便器について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による水洗大便器の全体構成図である。また、図2は、本発明の一実施形態による水洗大便器の平面図であり、図3は図1のIII-III線に沿った断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態による水洗大便器1は、水道等の主給水源W0(洗浄水源)から供給された洗浄水が通水する主給水路2と、陶器製の便器本体4と、洗浄水供給装置6と、を備えている。水洗大便器1は、主給水源W0から供給される洗浄水によって洗浄されて汚物を排出する。
以下、本発明の一実施形態における説明において、水洗大便器1を使用する使用者側(水洗大便器1を使用するために水洗大便器1の前に立っている使用者側)から見て手前側を前方側とし、使用者から見て奥側を後方側とし、水洗大便器1を前方から見て右側を右側とし、前方から見て左側を左側として説明している。
つぎに、図1及び図2に示すように、便器本体4は、汚物を受けるボウル部8と、ボウル部8の底部から延びる排水トラップ管路12と、を備えている。
また、洗浄水供給装置6は、詳細については後述するが、便器本体4のボウル部8よりも後方側に設けられており、主給水路2から供給された洗浄水を便器本体4に供給可能にする機能部である。この機能部は、より具体的には、電力により作動し、便器本体4のボウル部8への洗浄水の吐止水を制御する機能を含む。
ボウル部8は、ボウル形状の汚物受け面9と、汚物受け面9の上縁に形成されたリム部10と、汚物受け面9とリム部10とを結ぶように全周に設けられた棚面11と、を備えている。棚面11は、汚物受け面9とリム部10との間に平坦面として形成され、内向きにやや下り傾斜を形成している。
つぎに、図2及び図3に示すように、水洗大便器1は、さらに、洗浄水源から供給される洗浄水をボウル部8内に通水するように、ボウル部8の左右の何れか一方の側のリム部10内に形成されたリム通水路46と、リム通水路46の下流端に形成されると共に洗浄水を後方に向けて吐水するリム吐水口部48と、を備えている。リム通水路46及びリム吐水口部48は、洗浄水源から供給される洗浄水をボウル部8内に吐水してボウル部8内に旋回流を形成するように形成されている。
リム吐水口部48は、便器本体4のボウル部8の左右の何れか一方の側(例えば便器本体4を前方側から見て右側)のリム部10内においてリム通水路46の出口に設けられている。リム吐水口部48は、リム部10の開口部のリム導水路を形成している。リム吐水口部48は、陶器により形成されているが、樹脂等の他の素材により形成されていてもよい。リム吐水口部48は、便器本体4の中央(ボウル部8を前後方向に二等分するように左右方向に延びる中心横断線E)より後方側の便器本体4の後方領域に設けられている。リム吐水口部48は、単一のリム吐水部としてリム部10の内周面に1つのみ形成され、ボウル部後方へ吐水するように形成される。リム吐水口部48の開口方向は、内側部60の吐水部側直線部60c(図4参照)の流路の延びる方向とほぼ同じ方向である。リム吐水口部48は、比較的強力な洗浄水を後方側に吐水し、汚れやすいボウル面後方を洗浄することができると共に、一つのリム吐水部からの吐水により、ボウル部8内の旋回流を形成できるように洗浄水を吐水する。
ボウル部8は、さらに、リム吐水口部48の後方側においてリム吐水口部48から、後方に延びるリム吐水部通水路68を備えている。リム吐水部通水路68は、ボウル部8の内側から外側に向けてオーバハング状に形成される。
つぎに、図1及び図2に示すように、便器本体4のボウル部8の外側面から底部にかけてジェット導水路16が形成されている。このジェット導水路16の下流側は、ボウル部8の底部における排水トラップ管路12の入口部12aに向かって指向しており、ジェット導水路16の下流端には、ジェット吐水口16aが設けられている。
また、便器本体4のジェット導水路16の上流側には、詳細は後述する洗浄水供給装置6のジェット側給水路2bが設けられている。このジェット側給水路2bから便器本体4のジェット導水路16に供給された洗浄水は、ジェット吐水口16aから排水トラップ管路12に向けて吐出され、ジェット吐水が行われるようになっている。
ここで、図1に示すように、洗浄水供給装置6のリム側給水路2aの上流側は、主給水路2の分岐部Bの切替弁18(詳細は後述する)に接続されている。
一方、図1に示すように、洗浄水供給装置6のジェット側給水路2bの上流側は、洗浄水供給装置6の貯水タンク20の下流側に設けられた洗浄水供給装置6の加圧ポンプ22(詳細は後述する)に接続されている。
つぎに、便器本体4の排水トラップ管路12は、ボウル部8の下方に接続され汚物を排出する排水路を形成する。排水トラップ管路12は、ボウル部8の底部に設けられた入口部12aと、この入口部12aから上昇するトラップ上昇管12bと、このトラップ上昇管12bから下降するトラップ下降管12cとからなり、トラップ上昇管12bとトラップ下降管12cとの間が頂部12dとなっている。また、図1に示すように、排水トラップ管路12のトラップ下降管12cの出口部12eは、便器本体4の後方かつ下方に配置された排水ソケットSの入口部に接続されている。さらに、図1に示すように、排水ソケットSの後方側の出口部は、便器本体4の後方の壁(図示せず)側から延びる排水管Dの入口部に接続されている。汚物受け面9と排水トラップ管路12の連結部の上方に溜水が形成されている。なお、本実施例では、排水トラップ管路12から水洗大便器1の後方の壁の排水管Dに排水する態様が示されているが、壁排水に限定されず、床に排水する排水ソケットを接続し、床に設けられた排水管へ排水してもよい。
つぎに、図1により、本実施形態による水洗大便器1の洗浄水供給装置6の各構成について概略的に説明する。
まず、図1に示すように、洗浄水供給装置6は、主給水路2の上流側から下流側に向かって、止水栓24、分岐金具26、バルブユニット28、及び、切替弁18をそれぞれ備えている。つぎに、バルブユニット28は、定流量弁30、ダイヤフラム式の主弁32、及び、ソレノイドバブル等の電磁弁34をそれぞれ備えている。また、洗浄水供給装置6は、コントローラ36を備えている。コントローラ36は、CPU等の演算装置及びメモリ等の記憶装置を内蔵し、所定の制御プログラム等に基づいて電気的に接続された機器の制御を行うことができる。本実施形態においては、コントローラ36は、バルブユニット28の開閉弁(電磁弁34)の開閉操作、切替弁18の切替操作、及び、加圧ポンプ22の回転数や作動時間等を制御する制御部として機能することができるようになっている。
さらに、バルブユニット28の定流量弁30は、主給水路2における止水栓24から分岐金具26を通過した洗浄水について、所定の流量以下に絞るためのものである。
ちなみに、分岐金具26においては、水洗大便器1に対して局部衛生洗浄装置(図示せず)が設けられた形態では、局部衛生洗浄装置(図示せず)に洗浄水を供給するための給水管(図示せず)が接続可能にもなっている。
さらに、バルブユニット28においては、電磁弁34がコントローラ36の制御により開弁操作されると、主弁32が開弁し、定流量弁30から主弁32を通過した洗浄水が、主給水路2の下流側の分岐部Bの切替弁18に供給されるようになっている。
ここで、切替弁18は、主給水路2の洗浄水をリム側給水路2aとタンク側給水路2cの双方に同じタイミングで洗浄水を供給可能であり、リム側とタンク側への給水量の割合を任意に変更することができるようになっている。
つぎに、洗浄水供給装置6は、主給水路2から供給された洗浄水を便器本体4に供給可能にするタンク装置Tを備えている。このタンク装置Tは、便器本体4の後方に連結されて主給水路2から供給された洗浄水を貯水する貯水タンク20と、この貯水タンク20内の洗浄水を便器本体4に圧送する加圧ポンプ22と、を備えている。
さらに、主給水路2の下流側の分岐部Bの下流側には、便器本体4のリム通水路46に連通するリム側給水路2a、及び、貯水タンク20に接続されるタンク側給水路2cがそれぞれ設けられている。
これにより、主給水源W0から主給水路2の分岐部Bに供給された洗浄水は、リム側給水路2aへのリム給水及びタンク側給水路2cへのタンク給水の少なくともいずれか一方の給水として利用されるようになっている。
また、洗浄水供給装置6には、タンク側給水路2cの下流側から加圧ポンプ22まで延びるポンプ給水路2d、及び、加圧ポンプ22から下流側に延びるジェット側給水路2bがそれぞれ設けられている。
これらにより、本実施形態の水洗大便器1では、主給水路2から供給された水道直圧の洗浄水が、洗浄水供給装置6のリム側給水路2aから便器本体4のリム通水路46を経てリム吐水口部48に供給され、リム吐水口部48からの吐水(いわゆる、「リム吐水」)が可能になっている。
さらに、主給水路2から洗浄水供給装置6に供給された洗浄水は、洗浄水供給装置6のタンク側給水路2c、貯水タンク20、ポンプ給水路2d及び加圧ポンプ22を経た後、ジェット側給水路2bから便器本体4のジェット導水路16を経てジェット吐水口16aに供給され、ジェット吐水口16aからの吐水(いわゆる、「ジェット吐水」)が可能になっている。
すなわち、本実施形態の水洗大便器1は、主給水路2から供給された水道直圧の洗浄水によるリム吐水と、貯水タンク20から加圧ポンプ22により加圧された洗浄水によるジェット吐水とを併用することができる、いわゆる、ハイブリット式の水洗大便器1として機能するようになっている。
つぎに、貯水タンク20の内部には、上側フロートスイッチ38及び下側フロートスイッチ40がそれぞれ配置されている。これらのフロートスイッチ38,40により貯水タンク20内の水位を検出することができるようになっている。
例えば、上側フロートスイッチ38は、貯水タンク20内の水位が所定の貯水水位に達するとオンに切り替わり、この上側フロートスイッチ38のオン状態をコントローラ36が検知して、電磁弁34を閉弁させるようになっている。
一方、下側フロートスイッチ40においては、貯水タンク20内の水位が、上側フロートスイッチ38が検知する所定の貯水水位よりも低い所定の水位まで低下するとオンに切り替わり、この下側フロートスイッチ40のオン状態をコントローラ36が検知して、加圧ポンプ22を停止させるようになっている。
また、加圧ポンプ22は、貯水タンク20に貯水された洗浄水をポンプ給水路2dに吸引し、このポンプ給水路2dから洗浄水をジェット側給水路2bに加圧することにより、ジェット吐水口16aから吐出させるためのものである。
これらの構造により、通常の便器洗浄時においては、コントローラ36が、使用者による便器洗浄スイッチ(図示せず)の操作等を検知し、電磁弁34、切替弁18、加圧ポンプ22を順次作動させるようになっている。
これにより、リム吐水口部48及びジェット吐水口16aからの吐水が順次開始されて、ボウル部8内を洗浄した洗浄水は、ボウル部8内の汚物と共に排水トラップ管路12から排出されるようになっている。
さらに、コントローラ36は、洗浄終了後、電磁弁34を開放し、切替弁18がタンク側給水路2c側に切り替えられ、主給水路2内の洗浄水が貯水タンク20に補給されるようになっている。
そして、貯水タンク20内の水位が上昇し、上側フロートスイッチ38が規定の貯水量を検出すると、コントローラ36が電磁弁34を閉弁させることにより、主弁32が主給水路2を閉鎖し、給水が停止されるようになっている。
また、これらの洗浄水供給装置6(機能部)の各機器は、便器本体4のボウル部8よりも後方側の領域内における後方機能収納部V0(図2参照)に収納されるようになっている。
つぎに、図1~図4を参照して、本実施形態におけるリム通水路46の構造について具体的に説明する。
リム通水路46は、便器本体4のボウル部8の左右の何れか一方の側(例えば便器本体4を前方側から見て右側)のリム部10内に設けられている。リム通水路46は、リム部10の内部のリム導水路を形成している。リム通水路46は、便器本体4の後方側から前方に向かって延びた後、その途中から後方側に向かって屈曲する、いわゆる、Uターン形状となっている。さらに、リム通水路46の入口部分(外側部56の入口部56d)には、詳細は後述する洗浄水供給装置6のリム側給水路2aが接続されている。このリム側給水路2aからリム通水路46に供給された洗浄水は、リム吐水としてリム吐水口部48から後方に向けてボウル部8内に吐出される。リム通水路46は、陶器により形成されているが、樹脂等の他の素材により形成されていてもよい。
リム通水路46は、入口部56dからリム部10の内部を前方に向けて延びる外側部56と、外側部56の下流端部から内側に屈曲する屈曲部58と、屈曲部58から後方に向かってリム吐水口部48まで延びる内側部60とを備える。
図3に示すように、外側部56は便器本体4の後方領域から便器本体4の中心横断線Eより前方側の前方領域まで延びている。外側部56は内側部60よりも外側に位置する流路を形成している。図4に示すように、外側部56の外側部分外側壁56aと、外側部分内側壁56bとは、並ぶように略平行に延び両側壁の間隔はほぼ一定とされている。外側部分外側壁56aと、外側部分内側壁56bとは、それぞれ直線状の壁面を形成している。外側部56の天井部と底部ともほぼ並ぶように略平行に形成され、外側部56内の流路断面積は外側部56の下流端近傍においてほぼ一定に保たれるようになっている。外側部56は前後方向に直線状に延びる流路を形成している。外側部56は、屈曲部58に接続する屈曲部側直線部56cを備える。屈曲部側直線部56cは少なくとも屈曲部58まで直線状に延びる流路を形成する。屈曲部側直線部56cは、屈曲部58に至る直前の洗浄水の流れを直線状に整流させることができる。
図6に示すように、外側部56は下流端部分においてL字状の通水路断面を形成している。外側部分内側壁56b側の天井部は、外側部分外側壁56a側の天井部よりも低い位置に形成されている。
図3に示すように、内側部60は便器本体4の前方領域から便器本体4の中心横断線Eより後方側の後方領域まで延びている。図4に示すように、内側部60の内部外側壁60aと、内部内側壁60bとは、並ぶように略平行に延び両側壁の間隔はほぼ一定とされている。内部外側壁60aと、内部内側壁60bとは、それぞれ直線状の壁面を形成している。内側部60の天井部と底部ともほぼ並ぶように略平行に形成され、内側部60内の流路断面積は内側部60においてほぼ一定に保たれるようになっている。屈曲部58の近傍領域における内側部60の上面視における横幅は、外側部56の上面視における横幅よりも大きい。内側部60は前後方向に直線状に延びる流路を形成している。内側部60は、リム吐水口部48に接続する吐水部側直線部60cを備える。吐水部側直線部60cは少なくともリム吐水口部48まで直線状に延びる流路を形成する。吐水部側直線部60cは、リム吐水口部48に至る直前の洗浄水の流れを直線状に整流させることができる。
図4に示すように、屈曲部58は、便器本体4の片側のリム部内の限られた空間内において後方に折り返す折り返し流路を形成している。屈曲部58は、外側部56と、内側部60とを接続するように上面視で、180度折り返すU字状の流路を形成している。屈曲部58は、直線状に延びているリム部10内に形成される。屈曲部58は、便器本体4の中心横断線Eより前方側の前方領域に位置している。
図7及び図8に示すように、屈曲部58はL字状の通水路断面を形成している。内側壁58d側の内周側部分58aの天井部58cは、外側壁58g側の天井部58cよりも低い位置に形成されている。屈曲部58に流入した洗浄水のうち外側壁58g側に沿って流れる洗浄水は、外側壁58gから内部内側壁60bに向けて壁に沿って流れることができる。
図5及び図8等に示すように、屈曲部58は、屈曲部58の流路断面積、例えば屈曲部58の上流端部分の流路断面積、に対して流路断面積を拡大する流路断面積拡大部62を備える。流路断面積拡大部62は、屈曲部58における内側部分の流路の少なくとも一部を上方側に拡張する。流路断面積拡大部62は、流路拡張部として機能する。流路断面積拡大部62は、外側部56と内側部60との間の中間部分に設けられている。流路断面積拡大部62は、屈曲部58の内側壁58dの円弧が前方向きから後方向きに切り替わる円弧の中央部分に少なくとも設けられている。中間部分はこのような中央部分を含む一定の領域である。
流路断面積拡大部62は、天井部58cの一部が上方に凸状に突出するようにして形成されている。流路断面積拡大部62は、天井部58cが一段高く形成されることにより、略直方体形状の空間として形成される。流路断面積拡大部62は、上面視で略四角形状に形成される。流路断面積拡大部62の上流側端部は、例えば、外側部分内側壁56bに沿った仮想線M1(図4において二点鎖線により示す)の近傍から上方に立ち上がるように形成される。また、流路断面積拡大部62の下流側端部は、例えば、内部外側壁60aに沿った仮想線M2(図4において二点鎖線により示す)の近傍から上方に立ち上がるように形成される。流路断面積拡大部62は、内側壁58dから、外側壁58gまでのうち半分より内側(中心側)の領域に主に形成されている。流路断面積拡大部62は、後述するように、内部外側壁60aからの洗浄水の流れの剥離を生じる起点となりやすい屈曲部58の下端よりも上流側の部分において部分的に流路を拡大し、近傍の洗浄水の流速を低下させる。また、流路断面積拡大部62は、部分的にのみ流路を拡大するので、流路断面積拡大部62が屈曲部58全体において形成される場合と比べて流路の圧力損失の増大を抑制できる。
図8等に示すような流路断面積拡大部62は、屈曲部58の通水路の内周側部分58aの一部における底部58bから天井部58cまでの高さH1が、図7等に示すような内周側部分58aの他の部分における底部58bから天井部58cまでの高さH2よりも高くなるように形成されている。屈曲部58において底部58bは上流から下流までほぼ一定の高さの平坦面を形成している。高さH1は、好ましくは高さH2の1.2倍乃至2倍の範囲内、より好ましくは高さH2の1.4倍乃至1.6倍の範囲内の高さである。内周側部分58aは、天井部58cのうち、屈曲部58の曲がりの中心側の領域部分である。内周側部分58aは、屈曲部58の内側壁58dの上方まで延びている。内周側部分58aは、例えば、屈曲部58の高さ方向の中央部分の水平断面における内側壁58dと外側壁58gとの間の中央より内側壁58d側の領域として規定される。流路断面積拡大部62は、通水路の内周側部分58aの通水路の一部における天井部58cの高さが内周側部分58aの他の部分、例えば入口部分や出口部分、における天井部58cの高さよりも高くなるように形成されている。なお、流路断面積拡大部62は、底部58b側に形成されてもよく、また底部58b側と天井部58c側とを合わせて形成されてもよい。
流路断面積拡大部62は、流路断面積拡大部62が形成されている部分の屈曲部58の通水路の断面積を増加させる。従って、流路断面積拡大部62の近傍の領域、例えば流路断面積拡大部62の下方の拡大部下方領域58fを通過しようとする洗浄水が、通水路が広がっているため流速が低下されやすくなる。拡大部下方領域58fは、流路断面積拡大部62の下方の直方体形状の領域であり、流路断面積拡大部62と合わせて洗浄水の流速を低下させやすい機能を有する領域を形成する。拡大部下方領域58fは、流路断面積拡大部62の下方に隣接した領域であるので流路断面積拡大部62の近傍領域となっている。従って、屈曲部58のうち流路断面積拡大部62側(内側壁58d側)を通る洗浄水が、流速が低下されやすくなり、屈曲部58の内側壁58dから内側部60の内部外側壁60aに沿って流れやすくでき、内部外側壁60aからの洗浄水の流れの剥離をしにくくできる。なお、拡大部下方領域58fは、後述する内側屈曲部66の天井高さと同じ高さの流路を形成している。
屈曲部58は、上面視で、流路断面積拡大部62より便器外側に設けられた外側屈曲部64と、流路断面積拡大部より便器内側に設けられた内側屈曲部66とを備え、屈曲部58の高さ方向の中央部分の水平断面、例えば屈曲部58の入口部分又は出口部分における内側壁の高さ方向の中央部分の水平断面における内側屈曲部66の断面積A2(図4において一点鎖線により囲まれた領域として示す)は、外側屈曲部64の断面積A1(図4において一点鎖線により囲まれた領域として示す)よりも大きい。別の言い方によれば、内側屈曲部66の水平断面積A2は、外側屈曲部64の水平断面積A1よりも大きい。
つぎに、図3及び図4を参照して、本発明の一実施形態によるリム通水路46内の洗浄水の動作(作用)について説明する。
洗浄水供給装置6のリム側給水路2aからリム通水路46に供給された洗浄水は、リム通水路46の外側部56内を前方側に向けて流れる。外側部56から屈曲部58に流入した洗浄水は、矢印F1に示すように、屈曲部58の曲がりに沿って便器本体の内側に向けて向きを変えながら流れる。洗浄水が屈曲部58内の拡大部下方領域58fに到達すると通水路が流路断面積拡大部62により上方に広がっているため、洗浄水が拡散しやすく流速が低下されやすくなる。よって、矢印F2に示すように、洗浄水が屈曲部58の内周側部分58aに沿って流れるときに、洗浄水が拡大部下方領域58f及び/又は流路断面積拡大部62を通過しながらその流速が減少される。
従って、矢印F3に示すように、洗浄水が屈曲部58から内側部60に流入するときに、洗浄水が内周側部分58aから内側部60の内部外側壁60aに沿って流れやすくできる。よって、矢印F4に示すように、洗浄水が内部外側壁60aから剥離したり、剥離して渦を生じることが抑制され、内部外側壁60aに沿う直線状の流れを形成できる。これにより、内側部60内及びさらに下流側において、洗浄水の流れが乱れたり流れの圧力損失が生じることを抑制し、比較的強力且つ整流された流れを形成しやすくできる。
なお、仮にこのような屈曲部58の流路断面積拡大部62が形成されていない場合には、屈曲部58に沿って曲がり、内側部60に流入される流れのうち、内周側部分58aから内側部60の内部外側壁60aに向けて流れる流れが、仮想的に矢印F4’に示すように、内部外側壁60aから剥離したり、剥離して渦を生じやすくなる。よって、内側部60内において洗浄水の流れが乱れ、流れの圧力損失が生じやすくなる。
再び本実施形態を説明する。矢印F5に示すように、洗浄水は、内側部60内を内部外側壁60aに沿って直線状に流れ、リム吐水口部48から直線状に後方に向けて吐水される。このようなリム通水路46により、ボウル部8に比較的強力な洗浄水の流れを形成するように洗浄水をリム吐水口部48から吐水できる。ボウル部8内に吐水された洗浄水は、棚面11に沿って、水撥ねやエネルギー損失を生じることを抑えながら旋回され、ボウル部8内に比較的強い旋回流を形成する。これによりボウル部8内の汚物をより効果的に洗浄できる。特にボウル部8の後方は、汚物が付着しやすいため、汚れやすいボウル部8の後方に比較的強い旋回流を形成し、洗浄性を向上させることができる。
つぎに、図9乃至図11を参照して、本発明の一実施形態による水洗大便器の動作(作用)についての解析例を説明する。
図9は、本発明の一実施形態による水洗大便器のリム通水路の変形例においてリム吐水口部から吐水させるためにリム通水路内に通水するときのリム通水路内の洗浄水の流速分布をコンピュータシミュレーションにより数値解析した結果の一例を示す図である。図9は、屈曲部58の高さ方向の中央部分(例えば内側壁58dの中央部分)の水平断面において洗浄水の流速分布を示している。
この数値解析結果において、濃淡が濃い色(濃いグレー及び黒に近い色)の領域は、洗浄水の流速の大きさが大きい領域を示し、濃淡が淡い色の領域は、洗浄水の流速の大きさが小さい領域を示している。
図9においては、変形例のリム通水路46において、リム通水路46内の洗浄水の流速分布が解析されている。変形例のリム通水路46は、本実施形態のリム通水路46に対し、屈曲部58の外側壁58g側の外形についてわずかに異なっているが、流路断面積拡大部62、屈曲部58の内周側部分58a、外側部56及び内側部60等の形状についてはほぼ共通である。従って、変形例のリム通水路46において屈曲部58のうち内周側部分58a側の流路断面積拡大部62近傍領域を通る洗浄水の流れは、本実施形態のリム通水路46において流路断面積拡大部62近傍領域を通る洗浄水の流れとほぼ同様の傾向を有すると考えられる。
図9に示す解析結果によれば、屈曲部58のうち流路断面積拡大部62側を通る洗浄水が、流速が低下され、屈曲部58の内側壁58dから内側部60の内部外側壁60aに沿って流れやすくされると共に内部外側壁60aから流れを剥離しにくくできている。より具体的には、外側部56から屈曲部58の内側壁58dに向けて曲がる部分において洗浄水の流速が高い状態となった後、流路断面積拡大部62及び拡大部下方領域58fにおいて流速が低下されている。屈曲部58の内側壁58dの近傍の洗浄水の流速が低下されるため、内側壁58dから内側部60の内部外側壁60aに向かう洗浄水が内部外側壁60aに沿いやすくなり、図9において太線で囲んで示す部分において、洗浄水の流速が大きく低下している部分(洗浄水が渦を生じたり流れが乱れて澱んでいる部分)が非常に小さくなっている或いはほとんど生じていないことが分かる。従って、矢印F4(図4参照)に示すように、内部外側壁60aから剥離したり、剥離して渦を生じることが抑制された洗浄水の流れが形成され、内部外側壁60aに沿う直線状の流れを形成できていることが分かる。
また、さらなる変形例のリム通水路46についても同様の解析を行った解析例を説明する。
図10は、本発明の一実施形態による水洗大便器のリム通水路のさらなる変形例を示す概略斜視図である。図11は、本発明の一実施形態による水洗大便器のリム通水路のさらなる変形例においてリム吐水口部から吐水させるためにリム通水路内に通水するときのリム通水路内の洗浄水の流速分布をコンピュータシミュレーションにより数値解析した結果の一例を示す図である。図11は、屈曲部58の高さ方向の中央部分(例えば内側壁58dの中央部分)の水平断面において洗浄水の流速分布を示している。
図10に示すような、さらなる変形例のリム通水路46が検討され、図11に示すように、このさらなる変形例のリム通水路46において、リム通水路46内の洗浄水の流速分布が解析されている。解析に用いたリム通水路46は、図10のリム通水路46に対し、屈曲部58の外側壁58g側の外形と流路断面積拡大部62の形状とについてわずかに異なっているが、それ以外の屈曲部58の形状、外側部56及び内側部60等の形状についてはほぼ共通である。従って、図11のリム通水路46において屈曲部58のうち内周側部分58a側の流路断面積拡大部62近傍領域を通る洗浄水の流れは、図10のリム通水路46において流路断面積拡大部62近傍領域を通る洗浄水の流れとほぼ同様の傾向を有すると考えられる。なお、図11のリム通水路46においては、図10に示すように、流路断面積拡大部62が屈曲部58の内周側部分58aのほぼ全体の上部にわたって形成されている。これにより、屈曲部58に流入した洗浄水の流速が屈曲部の流入当初からより大きく低減できる。
図11に示す解析結果によれば、従って、屈曲部58のうち流路断面積拡大部62側を通る洗浄水が、流速が低下され、屈曲部58の内側壁58dから内側部60の内部外側壁60aに沿って流れやすくされると共に内部外側壁60aから流れを剥離しにくくできている。より具体的には、外側部56から屈曲部58の内側壁58dに向けて曲がる部分に流入した洗浄水の流速が流路断面積拡大部62及び拡大部下方領域58fにおいて大きく低下されている。屈曲部58の内側壁58dの近傍の洗浄水の流速が低下されるため、内側壁58dから内側部60の内部外側壁60aに向かう洗浄水が内部外側壁60aに沿いやすくなり、図9において太線で囲んで示すような部分において、洗浄水の流速が大きく低下しているような現象はほぼ見られないことが分かる。従って、矢印F4(図4参照)に示すように、内部外側壁60aから剥離したり、剥離して渦を生じることが抑制された洗浄水の流れが形成され、内部外側壁60aに沿う直線状の流れを形成できていることが分かる。
つぎに、図12及び図13を参照して、比較例の水洗大便器リム通水路の動作(作用)についての解析例を説明する。図12及び図13においては、流路断面積拡大部62が形成されていないリム通水路46における洗浄水の動作を比較例として説明する。
図12は、比較例の水洗大便器のリム通水路を示す概略斜視図である。図13は、比較例の水洗大便器のリム通水路においてリム吐水口部から吐水させるためにリム通水路内に通水するときのリム通水路内の洗浄水の流速分布をコンピュータシミュレーションにより数値解析した結果の一例を示す図である。図13は、屈曲部158の高さ方向の中央部分(例えば内側壁58dの中央部分)の水平断面において洗浄水の流速分布を示している。
図12に示すように、比較例として流路断面積拡大部62を備えていないリム通水路146が検討され、図13に示すように、比較例のリム通水路146において、リム通水路146内の洗浄水の流速分布が解析されている。図12及び図13のリム通水路146は、本実施形態のリム通水路46に対し、流路断面積拡大部62が形成されていない点、及び屈曲部158の外側壁158g側の外形が異なる点についてわずかに異なっているが、それ以外の屈曲部158の形状、外側部56及び内側部60等の形状についてはほぼ共通である。
図13に示す解析結果によれば、比較例のリム通水路146において屈曲部158のうち内周側部分158a側を通る洗浄水の流れは、流速が低下されにくく、屈曲部158の内側壁158dから内側部60の内部外側壁60aに沿って流れにくく、内部外側壁60aから流れが剥離するように流れている(図4に示すF4’のような流れを形成している)。より具体的には、外側部56から屈曲部158の内側壁158dに向けて曲がる部分において洗浄水の流速が高い状態となった後、比較例においては流路断面積拡大部62及び拡大部下方領域58fが形成されていないので、内周側部分158aにおいて流速が比較的高い流速分布が維持されている。屈曲部58の内側壁158dの近傍の洗浄水の流速が比較的高い流速に維持されているため、内側壁158dから内側部60の内部外側壁60aに向かう洗浄水が内部外側壁60aから剥離しやすくなり、図13において太線で囲んで示すような部分において、洗浄水の流速が大きく低下している部分(洗浄水が渦を生じたり流れが乱れて澱んでいる部分)が比較的大きくなっていることが分かる。また、洗浄水が内部外側壁60aから剥離して内部内側壁60b側に向けて流れている様子が分かる。従って、洗浄水が内部外側壁60aから剥離したり、剥離して渦を生じ、内部外側壁60aに沿う直線状の流れを十分に形成できていないことが分かる。
つぎに、上述した本発明の一実施形態による水洗大便器1における作用について説明する。
まず、本発明の一実施形態による水洗大便器1によれば、リム通水路46がリム部10の内部を前方に向けて延びる外側部56と、屈曲部58と、後方に向かってリム吐水口部48まで延びる内側部60とを備えた水洗大便器において、屈曲部58は、屈曲部58の流路断面積を拡大する流路断面積拡大部62を備える。これにより、洗浄水の流れが屈曲部58で屈曲されて内側部60に流入する場合に、屈曲部58の流路断面積拡大部62やその近傍領域を通過する洗浄水の流速が低下されやすくなり、屈曲部58から内側部60に流入する流れの剥離による流れの圧力損失が生じることを抑制できる。
つぎに、本発明の一実施形態による水洗大便器1によれば、屈曲部58の流路断面積拡大部62は、外側部56と内側部60との間の中間部分に設けられるので、屈曲部58の曲がりの中間部分において、洗浄水の流速がより低下されやすくなり、屈曲部58の中間部分から内側部60に流入する流れの剥離による流れの圧力損失が生じることをより抑制できる。
また、本発明の一実施形態による水洗大便器1によれば、屈曲部58の流路断面積拡大部62は、屈曲部58の通水路の内周側部分の一部における底部58bから天井部58cまでの高さが内周側部分の他の部分における底部58bから天井部58cまでの高さよりも高くなるように形成されている。これにより、屈曲部58の通水路の内周側において、洗浄水の流速がより低下されやすくなり、屈曲部58の内周側から内側部60に流入する流れの剥離による流れの圧力損失が生じることをより抑制できる。
また、屈曲部58の流路断面積拡大部62が、通水路の一部の高さを調整するように形成されているので、上面視におけるリム部10内の通水路の専有面積の増加を抑制でき、リム部10内のリム通水路46の配置の自由度を向上できる。
さらに、仮に屈曲部58の流路断面積拡大部62が、リム通水路46の一部を前後方向に拡大することにより形成されている場合には、流路断面積拡大部62が、屈曲部58における洗浄水の流れの滞留を生じる可能性がある、これに対し、屈曲部58の流路断面積拡大部62が、通水路の一部を上下方向に拡大することにより形成されている場合には、横方向における屈曲部58のリム通水路46の拡大を抑制でき、屈曲部58の流路断面積拡大部62やその近傍領域を通過する洗浄水の流れの滞留を生じにくくさせながら、洗浄水の流速を低下させやすくできる。よって、屈曲部58から内側部60に流入する流れの剥離による流れの圧力損失が生じることをより抑制できる。
さらに、本発明の一実施形態による水洗大便器1によれば、屈曲部58の流路断面積拡大部62は、屈曲部58の通水路の内周側部分の一部における天井部58cの高さが内周側部分の他の部分における天井部の高さよりも高くなるように形成されている。これにより、流路断面積拡大部62を、内周側部分の一部の天井部58cにより比較的簡単に構成できると共に、屈曲部58の通水路の内周側において、洗浄水の流速がより低下されやすくなり、屈曲部58の内周側から内側部60に流入する流れの剥離による流れの圧力損失が生じることをより抑制できる。
さらに、本発明の一実施形態による水洗大便器1によれば、水平断面における内側屈曲部66の断面積は、外側屈曲部64の断面積よりも大きいので、一端屈曲部58に流入した洗浄水が内側屈曲部66において停滞しにくくでき、洗浄水が屈曲部58をスムーズに流れることができ、圧力損失を生じて水勢が弱まったり流れの乱れや剥離を生じたりすることを抑制できる。
1 :水洗大便器
8 :ボウル部
9 :汚物受け面
10 :リム部
12a :入口部
46 :リム通水路
48 :リム吐水口部
56 :外側部
56d :入口部
58 :屈曲部
58a :内周側部分
58b :底部
58c :天井部
60 :内側部
62 :流路断面積拡大部
64 :外側屈曲部
66 :内側屈曲部
146 :リム通水路
158 :屈曲部
158a :内周側部分

Claims (5)

  1. 洗浄水源から供給される洗浄水によって洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、
    ボウル形状の汚物受け面と、
    上記汚物受け面の上縁に形成されたリム部と、を備えたボウル部と、
    このボウル部の下方に接続され汚物を排出する排水路と、
    上記洗浄水源から供給される洗浄水を上記ボウル部内に通水するように、上記ボウル部の左右の何れか一方の側の上記リム部内に形成されたリム通水路と、
    上記リム通水路の下流端に形成されると共に洗浄水を後方に向けて吐水するリム吐水口部と、を備え、
    上記リム通水路は、
    入口部から上記リム部の内部を前方に向けて延びる外側部と、
    上記外側部の下流端部から内側に屈曲する屈曲部と、
    上記屈曲部から後方に向かって上記リム吐水口部まで延びる内側部とを備え、
    上記屈曲部は、上記屈曲部の流路断面積を拡大する流路断面積拡大部を備えることを特徴とする水洗大便器。
  2. 上記屈曲部の上記流路断面積拡大部は、上記外側部と上記内側部との間の中間部分に設けられている、請求項1に記載の水洗大便器。
  3. 上記屈曲部の上記流路断面積拡大部は、上記屈曲部の通水路の内周側部分の一部における底部から天井部までの高さが内周側部分の他の部分における底部から天井部までの高さよりも高くなるように形成されている、請求項1又は2に記載の水洗大便器。
  4. 上記屈曲部の上記流路断面積拡大部は、上記屈曲部の通水路の内周側部分の一部における天井部の高さが内周側部分の他の部分における天井部の高さよりも高くなるように形成されている、請求項3に記載の水洗大便器。
  5. 上記屈曲部は、上面視で上記流路断面積拡大部より便器外側に設けられた外側屈曲部と、上記流路断面積拡大部より便器内側に設けられた内側屈曲部とを備え、上記屈曲部の高さ方向の中央部分の水平断面における上記内側屈曲部の断面積は、上記外側屈曲部の断面積よりも大きい、請求項1乃至4の何れか1項に記載の水洗大便器。
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