JP2023031563A - 塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法、及び、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置を備えた塩分含有水氷及び/又は水氷製造装置 - Google Patents

塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法、及び、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置を備えた塩分含有水氷及び/又は水氷製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】食品を氷蔵する際に用いられる塩分含有水と塩分含有氷、又は水と氷とからなる浸漬保管用の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量を短時間で適切に算出する。【解決手段】塩分含有水と塩分含有氷、又は水と氷とからなる浸漬保管用の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量を算出する装置であって、前記食品の全発熱量である、前記食品の全発熱量を計算する全発熱量計算部と、前記塩分含有水氷又は水氷の量と前記塩分含有水氷又は水氷の氷充填率(IPF)より求められる氷部の全吸熱量である、前記氷部の全吸熱量を計算する水氷全吸熱量計算部と、前記全発熱量と前記全吸熱量より求められる貯蔵開始時における塩分含有水氷又は水氷の氷部の量を計算する水氷量計算部と、前記氷量および、総括伝熱係数として保管用容器放熱量パラメータを用いる逐次放熱量計算モデルにより塩分含有水氷又は水氷の氷量の時間変化を計算する貯蔵温度・貯蔵時間計算部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、食品を氷蔵する際に用いられる浸漬保管用の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量を算出する装置、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量の算出方法および前記算出装置を備えた塩分含有水氷及び/又は水氷製造装置に関する。
食品(野菜、果物、水産動物や畜産動物とそれらの部分的な塊・片を含む。)の輸送や保管においては、氷蔵と呼ばれる貯蔵方法が古くから用いられている。中でも、水産動物(死後の水産動物を含む)においては、0℃以下に冷却した海水中(0℃~-3℃)に、0℃の淡水氷からなる砕氷を投入した冷海水(以下「塩分含有水氷」と言う)を用意し、この冷海水に漁獲直後の水産動物を浸漬させる砕氷冷却法が、氷蔵方法の一つとして用いられてきた。本方法では、氷が融ける時の潜熱と冷海水の顕熱が作用することで水産動物を0℃前後に冷却することができる。これにより水産動物の鮮度保持を長時間維持できるだけではなく、氷の潜熱が主に用いられるため冷却効果が高く、さらに水産動物を冷海水に浸漬しているため冷媒との接触面積が向上し、乾燥を防ぐ効果ももたらされる。
一方、海上運送や陸上運送中の振動により、砕氷による水産動物の外表面への損傷が頻繁に起きるという問題が生じていた。そこで、特許文献1に開示されているような、塩水を冷却することにより生成された氷をスクレーパ(掻き取り機、掻き取り羽根とも言う。)でシャーベット状または粉雪状のアイスとし、当該シャーベット状または粉雪状のアイスで水産動物を冷やすことが行われている。これにより、水産動物の外表面への損傷を防ぐことが可能となった。しかし、それら砕氷やシャーベット状または粉雪状のアイス(以下「塩分含有水氷」という)の製造においては、塩分含有水氷中の氷が融ければ真水となり、塩分含有水氷中の塩分濃度が低下することから冷却温度の上昇や塩分濃度の制御が難しくなる問題も生じる。また、魚種や漁獲量を基に塩分含有水氷の必要量を算出する方法が無いため、経験的に漁獲量の20%~100%を増量した塩分含有水氷量を貯蔵用に製造し、使用することが一般的であり、過剰量の塩分含有水氷を製造することが日常的に行われている。
さらに、真水で製造したシャーベット状または粉雪状の水氷(以下「水氷」と言う)は、野菜や果物、畜産動物などの塩分と接触させたくない食品にも利用が可能である。そのため、既にブロイラーのボイル後の急速冷却及びその貯蔵やブロッコリーの収穫直後の急速冷却及びその貯蔵などで用いられており、そのような食品の乾燥を防ぎ長期の鮮度保持が可能となっている。一方、水産動物の場合と同様に、その氷の製造量を算出する方法は無く、経験的に貯蔵容器を満杯に満たす量の水氷量を製造し、使用することが一般的であり、過剰量の水氷を製造することが日常的に行われている。
特開2003-42611号公報 特開2002-115945号公報 特開2012-57919号公報
(公財)函館地域産業振興財団、スラリーアイスによる生鮮水産物のスーパーチリング高鮮度流通体系、「革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)」(生研支援センター 平成28年~30年) 荻田淑彦、「スラリーアイスを用いた魚介類の鮮度保持試験」、スラリーアイスを用いた魚介類鮮度保持、高知県水産試験場 増養殖環境課、133-140 志村 健、「スラリーアイスを用いたハタハタの効率的な冷却と移送」、Journal of Fisheries Technology、8(1)、25-31、2015
水産動物においては、塩分含有水氷を用いて貯蔵する場合、水産動物が凍結しないように注意をする必要性がある。たとえば、イカやカツオ等は、比較的低い温度(例えば-2.3℃~-2.0℃)で凍結することが明らかにされており、コイやタラ、サンマ等は、それよりも高い温度(例えば-0.7℃~-1.3℃)で、凍結する。また、水産動物が生息する日本近海の海水の塩分濃度は、地域によって或る程度の幅はあるが3.5%前後であるため、海水を原水として塩分含有水氷に使用する場合、その塩分濃度の管理に注意する必要性がある。つまり、水産動物の魚種によって貯蔵温度は異なるため、塩分含有水氷を用いる時には、その塩分濃度の管理が重要になる。例えば、真水であれば0℃で凍るが、海水のように塩分濃度が3.5%程度の場合、その凝固温度は-2.2℃程度であり、塩分濃度が2%程度の場合の凝固温度は、-1.3℃である。このように塩分濃度が高くなるほど低温となるため、塩分含有水氷の製造方法では、必要とする温度に応じた製造方法で製造できる装置がすでに実用化されている(非特許文献1)。しかし、塩分含有水氷量を求める算出方法や、その算出装置は実用化されていない。それは、水産動物の輸送状況に応じて貯蔵時間を考慮に入れた塩分含有水氷量を算出する場合、塩分濃度や塩水と氷との混合水に対する氷の体積比(以下、「氷充填率(IPF:Ice Packing Factor)」という)、塩分含有水氷量、貯蔵容器の大きさや材質等の検討も必要となり、算出方法が複雑になるからである。
なお、本発明における水産動物とは、魚介類や水産哺乳類が例示される。魚介類としては、魚類、貝類、軟体動物(貝類を除く)、原索動物、棘皮動物、甲殻類、及び腔腸動物が例示される。軟体動物としてはイカやタコが例示される。原索動物としてはホヤが例示される。棘皮動物としてはナマコやウニが例示される。甲殻類としてはカニやエビが例示される。腔腸動物としてはクラゲが例示される。水産哺乳類としてはクジラやイルカが例示される。
一方、中型船や大型船などで塩分含有水氷を使用する場合は、予想される漁獲量よりも多い量を想定し、その量を基に塩分含有水氷を製造し、出漁している。また、出漁前に塩分含有水氷を製造する必要性があり、その量は、予想漁獲量の20%~100%の増量分で製造している。しかし、漁場における漁獲量が予想量よりも多い場合には、漁獲途中において塩分含有水氷を充分に充足できない場合がある。なぜなら、急速に大量の塩分含有水氷を製造しようとすれば、単位時間当たりの生成量を多くする必要があるため、当該生成量より氷取り出し口での取り出し量が少ない状態が継続し、製造した水氷が取り出し口に詰まって製氷装置が過負荷状態となり、ひいては氷取り出し口に詰まった水氷が凝固して塊状となり製氷装置が作動しなくなることもある。そのため、出港前に必要量以上の塩分含有水氷を製造し貯蔵することが余儀なくされる場合もある。例えば、小規模な漁港においても、通常は標準日漁獲量の20%~100%程度の割り増しした塩分含有水氷量が必要であり、1日10トン程度の塩分含有水氷を漁獲量に関係なく、一定量を製造しなければならないことが現状である。
塩分含有量や氷充填率については、その値についての記載がある文献は多いが、具体的な算出式でどのように決定するかは記載されていない。例えば特許文献2では、水産動物の鮮度を長時間維持するには凍結点を基に塩水調整をすること、すなわち、0.5~2.5%の範囲の塩分濃度を有する塩含有水が好ましいことが記載されている。しかし、ある特定の魚種の大量な漁獲量に対して、塩分含有水氷を投入した場合、氷部分が溶解し塩分濃度も変化するため、漁獲現場でその凍結点になるように調整することは困難である。さらに、塩分濃度がどのくらいで、氷充填率の塩分含有水氷をどのくらいの氷量で製造するか、具体的な算出方法や調整方法は記載されていない。従って、生産者や流通業者において、実際に塩分含有水氷を製造する場合には、一定の氷含有率の塩分含有水氷をその日の予想漁獲量に対して製造する方法しか選択の余地はなく、理想的な塩分濃度を現場で調整することは実際には不可能である。
また、特許文献3では、魚介類の種類に応じて原水の塩分濃度が選定される塩分濃度選定手段が開示されている。本文献においては、魚介類の体液の塩分濃度と同一若しくはそれに近い塩分濃度となるように原水の塩分濃度を選定する手法が記載されているが、具体的な塩分含有水氷の調製方法については記載がなされていない。また、海水の塩分濃度を測定し、その濃度から希釈させる水分量を求めることは、漁業従事者にとっても手間がかかり現実的な作業ではない。さらに、塩分含有水氷の製造に必要とする製造条件の一つである塩分含有水氷の氷充填率の算出方法に関しても理論的な記載は無く、必要な量の算出方法は不明なままであった。そのため、塩分含有水氷の製造量については、上述した経験的な値を採用するしかなく、燃料費や冷却コストの軽減が図れない問題点があった。
一方、畜産動物においても、スーパーにおける商品ケースにおいて、その冷却や保湿、ディスプレイ用や商品の持ち帰りの為に水氷を利用する場合がある。しかし、水産動物の場合と同様、必要とする貯蔵時間に対する水氷量を求めることは難しく、従業者や消費者にとっては、経験的に貯蔵容器を完全に満たすまで水氷を入れることが行われてきた。
なお、本発明における畜産動物とは、特に限定されずに、家禽類、家畜類やジビエ(野生の鳥獣)類などが例示される。家禽類としては、鶏、ダチョウ、ホロホロ鳥、七面鳥、鳩などが例示される。家畜類としては、牛、水牛、馬、山羊、羊、豚などが例示される。ジビエ類としては、マガモ、アヒル、ヤマウズラ、キジ、ライチョウ、ヤマシギ、野ウサギ、シカ、イノシシ、クマ、アライグマ、カエルなどが例示される。
野菜や果物についても、スーパーにおける商品ケースにおいてその冷却や保湿、ディスプレイ用や商品の持ち帰りの為に水氷を利用する場合がある。しかし、畜産動物の場合と同様の問題が有った。
本発明における野菜とは、特に限定されずに、根菜類、茎菜類、葉菜類、果菜類、花菜類、果実的野菜類やヒガンバナ科などが例示される。根菜類としては、ダイコン、ニンジン、ゴボウなどが例示される。茎菜類としては、アスパラガス、ウドなどが例示される。葉菜類としては、キャベツ、レタス、ホウレンソウ、ハクサイなどが例示される。果菜類としては、トマト、ナス、カボチャ、ピーマン、キュウリ、パプリカなどが例示される。花菜類としては、ミョウガ、カリフラワー、ブロッコリー、食用菊などが例示される。果実的野菜類としては、イチゴ、メロン、スイカなどが例示される。ヒガンバナ科としては、ネギなどが例示される。また、これらの2種類以上を裁断し、混ぜ合わせた野菜(カット野菜)なども含まれる。
本発明における果物とは、特に限定されずに、仁果類、核果類、柑橘類、パイナップル類、バラ類ブドウ科、ツユクサ類やマタタビ科マタタビ属などが例示される。仁果類としては、カリン、チュウゴクナシ(白梨)、ナシ、マルメロ、セイヨウカリン、ジューンベリー、シポーバ、リンゴなどが例示される。核果類としては、アメリカンチェリー、アンズ、ウメ、サクランボ、スミミザクラ、スピノサスモモ、スモモ、モモなどが例示される。柑橘類としては、オレンジ、グレープフルーツ、ポンカン、あまなつ、みかんなどが例示される。パイナップル類としては、パイナップルなどが例示される。ブドウ科としては、ブドウなどが例示される。ツユクサ類としては、バナナなどが例示される。マタタビ科マタタビ属としては、キウイフルーツなどが例示される。また、これらの2種類以上を裁断し、混ぜ合わせた果物(カット果物)なども含まれる。
本発明は、前述のような実情に鑑みてなされたもので、魚種に適した塩分含有水氷の製造量を漁獲量や魚体温度、予定貯蔵時間から短時間で適切に算出することを第一の目的とした。また、塩分含有水氷を製造するときに必要な塩分濃度や氷充填率の算出も目的とし、比較的多量の塩分含有水氷を製造する場合や、塩分濃度の比較的低い塩分含有水氷を製造する場合でも、目的とする貯蔵温度を最低限保持できる塩分含有水氷量を短時間で適切に算出することにある。
加えて本発明は、水産動物以外の食品に適した水氷の製造量を食品量や食品温度、予定貯蔵時間から短時間で適切に算出することを第二の目的とした。
本発明は、上記課題を解決したいという要求に応えるべくなされたものであり、その課題を解決するための手段は、食品の比熱を適切に取り込んで食品を氷蔵する際に用いられる塩分含有水と塩分含有氷、又は水と氷とからなる浸漬保管用の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量を算出する装置および塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量の算出方法の提供にあり、以下の本発明の完成に至った。
なお、本発明に関わる水産動物を氷蔵する際に用いられる浸漬保管用の塩分含有水氷の製造量を算出する装置および塩分含有水氷の製造量の算出方法は、予め測定した水産動物の魚肉の熱伝導率および漁獲時に測定した水産動物の漁獲時の体温(漁場における海水温に等しい)、目的とする貯蔵温度および貯蔵時間から、水産動物が持つ全熱量を計算し、その量に等しい塩分含有水氷が持つ吸熱量を計算より求め、氷量を算出する。また、塩分をほとんど含まない氷部と塩分を含有する水部からなる浸漬保管用の塩分含有水氷は、貯蔵時間と共に塩分濃度が大きく変化するため、「氷充填率」の変化に伴い貯蔵温度が大きく変化する。さらに、水産動物の塩分含有水氷への投入時に、水産動物に含まれる大量の水分が溶出するため初期の塩分含有水氷の塩分濃度が希釈され、浸漬初期の塩分濃度および温度変化への影響も考慮している。
一方、本発明に係る水産動物を除く食品を氷蔵する際に用いられる浸漬保管用の水氷の製造量を算出する装置および水氷の製造量の算出方法は、予め測定した食品(水産動物を除く)の熱伝導率および貯蔵開始時に測定した温度、目的とする貯蔵温度および貯蔵時間から、前記食品が持つ全熱量を計算し、その量に等しい水氷が持つ吸熱量を計算より求め、氷量を算出する。
上記の点も考慮した本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)本発明における食品を浸漬保管により氷蔵する際に用いられる塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量を算出する装置は、前記食品における比熱と食品量および初期の食品の温度および貯蔵に必要とする温度より求めた前記食品の全発熱量である、前記食品の全発熱量を計算する全発熱量計算部と、前記塩分含有水氷又は前記水氷の量と前記塩分含有水氷又は前記水氷の氷充填率(IPF)より求められる氷部の全吸熱量である、前記氷部の全吸熱量を計算する水氷全吸熱量計算部と、前記全発熱量と前記全吸熱量より求められる貯蔵開始時における塩分含有水氷又は水氷の氷部の量を計算する水氷量計算部と、前記氷量および、総括伝熱係数として保管用容器放熱量パラメータを用いる逐次放熱量計算モデルにより塩分含有水氷又は水氷の氷量の時間変化を計算する貯蔵温度・貯蔵時間計算部とを備えたことを特徴とする。
(2)本発明の一実施態様では、前記(1)に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置は、後述する式(1)~(14)を用いて塩分含有水氷の温度変化、氷量および氷充填率の経時変化を算出することを特徴とする。
(3)本発明の一実施態様では、前記(1)に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置は、前記食品が水産動物であることを特徴とする。
(4)本発明の一実施態様では、前記(3)に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置は、前記水産動物がハタハタとキビナゴであることを特徴とする。
(5)本発明の一実施態様では、前記(1)に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置は、前記食品が畜産動物であることを特徴とする。
(6)本発明の一実施態様では、前記(1)に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置は、前記食品が野菜であることを特徴とする。
(7)本発明の一実施態様では、前記(1)に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置は、前記食品が果物であることを特徴とする。
(8)本発明の一実施態様では、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造装置は、前記(1)~(7)のいずれか1つに記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置を備えたことを特徴とする。
(9)本発明における食品を浸漬保管により氷蔵する際に用いられる塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量を算出する算出方法は、前記食品における比熱と食品量および初期の食品の温度および貯蔵に必要とする温度より求めた前記食品の全発熱量である、前記食品の全発熱量を計算する全発熱量計算工程と、前記塩分含有水氷又は前記水氷の量と前記塩分含有水氷又は前記水氷の氷充填率(IPF)より求められる氷部の全吸熱量である、前記氷部の全吸熱量を計算する水氷全吸熱量計算工程と、前記全発熱量と前記全吸熱量より求められる貯蔵開始時における塩分含有水氷又は水氷の氷部の量を計算する水氷量計算工程と、前記氷量および、総括伝熱係数として保管用容器放熱量パラメータを用いる逐次放熱量計算モデルにより塩分含有水氷又は水氷の氷量の時間変化を計算する貯蔵温度・貯蔵時間計算工程とを備えたことを特徴とする。
(10)本発明の一実施態様では、前記(9)に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法は、後述する式(1)~(14)を用いて塩分含有水氷の温度変化、氷量および氷充填率の経時変化を算出することを特徴とする。
(11)本発明の一実施態様では、前記(9)に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法は、前記食品が水産動物であることを特徴とする。
(12)本発明の一実施態様では、前記(11)に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法は、前記水産動物がハタハタとキビナゴであることを特徴とする。
(13)本発明の一実施態様では、前記(9)に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法は、前記食品が畜産動物であることを特徴とする。
(14)本発明の一実施態様では、前記(9)に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法は、前記食品が野菜であることを特徴とする。
(15)本発明の一実施態様では、前記(9)に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法は、前記食品が果物であることを特徴とする。
以上のような本発明によれば、食品における比熱も適切に取り込んで食品を氷蔵する際に用いられる塩分含有水と塩分含有氷又は水と氷とからなる浸漬保管用の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量を短時間で適切に算出することが可能となる。
一実施形態による食品の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置の構成を模式化して示す図である。 食品の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法における全体的な処理の流れを示す図である。 キビナゴにおける塩分含有水氷の塩分濃度が1.5%の塩分含有水氷の温度変化のシミュレーション結果の一例を示す図である。 キビナゴにおける塩分含有水氷の塩分濃度が1.5%の塩分含有水氷の氷量のシミュレーション結果の一例を示す図である。 ハタハタにおける塩分含有水氷の塩分濃度が1%の塩分含有水氷の温度変化のシミュレーション結果の一例を示す図である。 ハタハタにおける塩分含有水氷の塩分濃度が1%の塩分含有水氷の氷量のシミュレーション結果の一例を示す図である。 ハタハタにおける塩分含有水氷の塩分濃度が2%の塩分含有水氷の温度変化のシミュレーション結果の一例を示す図である。 ハタハタにおける塩分含有水氷の塩分濃度が2%の塩分含有水氷の氷量のシミュレーション結果の一例を示す図である。 ハタハタにおける塩分含有水氷の塩分濃度が3.1%の塩分含有水氷の温度変化のシミュレーション結果の一例を示す図である。 ハタハタにおける塩分含有水氷の塩分濃度が3.1%の塩分含有水氷の氷量のシミュレーション結果の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態につき詳細を説明するが、以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施形態の代表例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変形して実施することができる。
図1は、一実施形態による塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置1の構成を模式化して示す図である。なお、以下の説明は、水産動物を浸漬させる際の塩分含有水氷量の算出装置について説明するが、畜産動物、野菜、果物について用いる場合には、設定する塩分濃度を0%に設定すれば算出が可能である。塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置1は、漁獲時の魚体温度を設定した貯蔵温度まで冷却するのに必要な魚体の全発熱量を求め、さらに前記全発熱量を吸熱できる塩分含有水氷中の氷量を求めることで、必要最小限の氷量を算出する。さらに、指定された塩分含有水氷の設定値(塩分濃度および氷充填率)や、魚箱(保管用容器)の材質や大きさに関する物性値(魚箱の総括伝熱係数、表面積、材質など)を基に、あらかじめ指定した水氷の温度になるまでの氷充填率、塩分濃度や塩分含有水氷量、指定した貯蔵時間における塩分含有水氷の温度の算出および指定した貯蔵時間を指定した温度で保持するのに必要な塩分含有水氷量の算出を行う。また、本装置1は、既存の塩分含有水氷の製造装置に備え付けることも可能であり、塩分含有水氷の製造に必要なデータを塩分含有水氷の製造装置に出力するために必要な、入力装置2、出力装置3、データ格納装置4、及び演算装置5を備えている。
総括伝熱係数は、熱交換器の外側の境膜伝熱係数、外壁側の汚れ係数、伝導管の材質厚み、伝熱管の熱伝導度、内壁側の汚れ係数、内壁側の境膜伝熱係数などで定義される。熱交換器の交換熱量Qは、Q=U・A・ΔTを用いて算出できる。ここで、Uは総括伝熱係数、Aは伝熱面積、ΔTは温度差である。本発明は、魚箱に熱交換器モデルを適用して熱量計算シミュレーションを行うことによって、目的とする貯蔵温度を最低限保持できる塩分含有水氷量を短時間で適切に算出することが可能になる。
入力装置2は、例えばキーボードやマウス、RF(無線周波数)タグやタッチパネルの読み取り装置などで構成され、シミュレーションに必要なデータなどのユーザによる入力に用いられる。出力装置3は、例えばディスプレイ装置、スマートフォンやタブレットなどの携帯表示機器、プリンタ装置などで構成され、シミュレーション結果などの出力に用いられる。データ格納装置4は、シミュレーションに必要なデータやシミュレーション結果などの格納に用いられる。
演算装置5は、シミュレーションにおける各種処理、塩分含有水氷の設定値の算出や指定塩分含有水氷量における貯蔵時間および塩分含有水氷温度変化を算出する。そのために演算装置5は、演算装置5でなされる処理で必要なデータや処理結果などを一時的に保持するのに機能する作業用メモリ6を備えるとともに、それぞれコンピュータプログラムとして構成されるデータ入力部7、熱容量計算部8、水氷製造量計算実行部9、及びデータ出力部10を備えている。
データ入力部7は、入力装置2により入力されたデータや入力装置2を通じた指示でデータ格納装置4から読み込んだデータなどを作業用メモリ6に登録する。この場合のデータとしては、水産動物種データ、畜産動物種データ、野菜種データ、果物種データ、形態データ(大きさデータ、重量データなど)、漁獲・養殖所データ(地図データ、経度緯度データ、気温データ、塩分濃度データなど)、畜産所データ(地図データ、経緯度データ、気温データなど)、収穫地データ(地図データ、経緯度データ、気温データなど)、漁獲時刻データ、漁獲加工・輸送・販売・卸売・市場関係者データ(所属データ(所属船舶・養殖場・牧場・養豚場・養鶏場などの詳細データなど)、氏名データ)、貯蔵温度データ、貯蔵開始時刻データ、貯蔵者データ、保管用容器のデータ(種類データ、使用量データ、製造場所データ、大きさデータ、厚さデータ、材質データ、製造元データ)、保管用容器放熱量パラメータ(総括伝熱係数Uなど)、計算に必要な定数データ(比熱C、氷の潜熱Q、水のモル凝固点降下K、水産動物中の水分の溶出率など)、凍結点データ(野菜、果物、水産動物、畜産動物の凍結する時の温度など)などを例として挙げることができる。なお、前記データの一部は、例えば、予め魚種ごとに分類後、さらに捕獲した時期や捕獲地などで分類したデータベースを作成し、そのデータベースをデータ格納装置4に接続することで必要なデータを読み込み実現しても良い。
熱容量計算部8は、水産動物の全発熱量と塩分含有水氷の全吸熱量をそれぞれ計算する。そのために、水産動物の全発熱量の計算を行う全発熱量計算部11と塩分含有水氷の全吸熱量の計算を行なう水氷全吸熱量計算部12を有している。ここで、水産動物の全発熱量は、予めデータ格納装置に格納された魚種の魚肉における比熱Cと入力データである魚種の全重量より算出される。熱容量計算部8の全発熱量計算部11による水産動物全発熱量の計算、及び、熱容量計算部8の水氷全吸熱量計算部12による塩分含有水氷全吸熱量の計算の詳細については後述する。
水氷製造量計算実行部9は、水氷量計算部13、貯蔵温度・貯蔵時間計算部14、及び、指定値算出部15を有している。水氷量計算部13は、魚種、漁獲量や魚体温度、目的とする貯蔵温度などのデータより、目的の貯蔵温度を達成するための塩分含有水氷量や塩分濃度、氷充填率の値などを算出する。また、与えられた魚種、漁獲量や魚体温度、塩分濃度、氷充填率などのデータから貯蔵温度を算出することも可能である。なお、貯蔵温度においては、凍結温度と比較することで、与えられた塩分濃度や条件では凍結することをディスプレイ上に表示し、警告することも可能である。貯蔵温度・貯蔵時間計算部14は、逐次放熱量計算モデルを用いて、水氷量計算部13の算出結果を基に、あらかじめ設定しておいた魚箱の特性値(魚箱の総括伝熱係数、表面積、材質など)と外気温から、外気に放出される放熱量の時間変化を求め、貯蔵温度変化や氷量の変化、および氷充填率の経時変化を算出する。さらに、指定値算出部15は、貯蔵温度・貯蔵時間計算部14の結果を基に、指定された貯蔵時間における氷量や塩分含有水氷の温度、残りの氷が溶けるまでの時間などの算出を行う。また、指定された氷量になるまでの貯蔵時間や指定塩分濃度になるまでの貯蔵時間、指定された氷充填率になるまでの貯蔵時間、氷が無くなるまでの貯蔵時間も算出が可能である。
データ出力部10は、演算装置5での処理に関して出力装置3に送る必要のあるデータやデータ格納装置4に格納する必要のあるデータを出力する。
以下では、上述した構成の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置でなされる塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法について説明する。図2は、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法における全体的な処理の流れを示す図である。図2に示すように、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法は、シミュレーションによる、熱容量計算部8の全発熱量計算部11による全発熱量の計算(ステップS1)、シミュレーションによる、熱容量計算部8の水氷全吸熱量計算部12による水氷全吸熱量の計算(ステップS2)、シミュレーションによる、水氷製造量計算実行部9の水氷量計算部13による水氷量の計算(ステップS3)、水氷製造量計算実行部9の貯蔵温度・貯蔵時間計算部14による貯蔵温度・貯蔵時間の計算(ステップS4)、水氷製造量計算実行部9の指定値算出部15による指定された時間や氷量、塩分濃度、氷充填率などに対する各種必要量の算出(ステップS5)の各処理過程を含む。以下、これら各処理過程の詳細を説明する。
初めに、全発熱量計算部11により、魚体温度から設定貯蔵温度に到達するまでの温度変化に伴う全熱容量の計算を行う(ステップS1)。ステップS1で算出する食品の全発熱量計算を、キビナゴを例に説明する。なお、ここでの食品とは、キビナゴについて限定されず、食品全範囲における実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。初めに、全発熱量計算部11において、前記作業用メモリ6に登録されたデータ、例えば、水産動物種データ、魚種ごとに決定された全発熱量計算の解法に必要な定数データ(比熱C)、貯蔵開始時刻、魚体の大きさ(幅、長さ及び高さ)、魚体全体の全重量、貯蔵開始直前の魚体の温度をデータ格納装置4より取得する。
全発熱量計算部11は、貯蔵開始直前の魚体の温度Tf0を初期条件とし、水産動物投入前の塩分含有水氷の温度Ti0および魚体全体の全重量W、魚種を入力することで、全熱容量を算出し作業用メモリ6に記録する。
水産動物投入前の塩分含有水氷の温度Ti0は、水産動物投入前の塩分含有水氷の塩分濃度C、製造直後の塩分含有水氷の氷充填率εより、モル凝固点降下度の算出式を用い、下記(1)式で表される。
i0=0-[(2×17.1×C×1.85)/(1-ε)] …(1)
温度Tf0の水産動物を、温度Ti0の塩分含有水氷に投入した場合、その全発熱量Qは、実測データを基に算出したキビナゴの比熱(C=0.94)を用いると、下記(2)式で表される。
=(Tf0-Ti0)×C×W …(2)
次に、水氷全吸熱量計算部12により、シミュレーションにて氷の全吸熱量Qi0の計算を行う(ステップS2)。製造直後の塩分含有水氷の氷充填率ε、塩分含有水氷の全重量TWi0、氷の潜熱Qより、Qi0は下記(3)式で表される。
i0=ε×TWi0×Q …(3)
次に、水氷量計算部13により、貯蔵開始時の氷量Wi0の計算を行う(ステップS3)。キビナゴを塩分含有水氷に投入直後には、Qi0-Qの熱量分に等しい氷量が残ることになり、この氷量Wi0が貯蔵開始時の氷として継続使用される。塩分含有水氷中の氷量Wi0は、下記(4)式で表される。
i0=(Qi0-Q)/Q …(4)
なお、水産動物の塩分含有水氷への投入時の塩分濃度は、本来の塩分濃度Cよりも水産動物中の水分の溶出により希釈される。その希釈量は、投入直前の塩分含有水氷の塩分濃度の0.7~1.0倍程度であり、この値は予めデータ格納装置4に格納されている。また、水産動物を塩分含有水氷に投入した際に、塩分含有水氷の塩分濃度が安定するまでの時間は数分から1時間程度であり、この値も予めデータ格納装置4に格納されている。キビナゴにおいては、この値は1.0倍程度であり、時間は数分で安定することが分かっているため、キビナゴ投入直後の塩分濃度をCとし、温度が安定化するまでの時間は考慮に入れないこととし、Cは下記(5)式を使用した。
=1.0×C …(5)
次に、貯蔵温度・貯蔵時間計算部14により、氷量の変化及び氷充填率の時間変化の計算を行う(ステップS4)。キビナゴ投入直後の塩分含有水氷の温度Tp0と、その時の塩分含有水氷の氷充填率をεとすると、εは(6)式で、Tp0は(7)式で表される。
ε=Wi0/TW …(6)
p0=0-[(2×17.1×C×1.85)/(1-ε)] …(7)
そこで、水氷量計算部13において、貯蔵1時間後の氷量を計算する。なお、ここでは1時間間隔でのシミュレーションについて説明をするが、時間間隔は1秒間、1分間、1時間間隔でもよく、適宜、パラメータの単位を調整することで、時間間隔の選択が可能となる。はじめに、Wi0より、その時の氷の吸熱量Qを算出する。なお、その時の外気温をT、保管用容器の面積をS、保管用容器放熱量パラメータ(総括伝熱係数)をUとすると、Qは(8)式で、次の1時間(貯蔵開始2時間後の値)の氷の吸熱量Qは(9)式で表される。
=Wi0×Q …(8)
=Q-(((U/4184)×S×(T-Tp0))×3600) …(9)
貯蔵2時間後の氷量(Wi1)を求めると、(10)式で表される。
i1=Q/Q …(10)
また、貯蔵2時間後の氷充填率をεとすると、εは(11)式で表される。
ε=Wi1/TW …(11)
そこで、貯蔵2時間後の塩分含有水氷の温度Tp1は、(12)式で表される。
p1=0-[(2×17.1×C×1.85)/(1-ε)] …(12)
次に、塩分含有水氷量計算部において、貯蔵3時間後の氷量を計算する。はじめに、Wi1より、その時の氷の吸熱量Qを算出する。なお、その時の外気温をT、保管用容器の面積をS、総括伝熱係数をUとすると、Qは(13)式で、次の1時間当たり(貯蔵3時間後の値)の氷の吸熱量Qは(14)式で表される。
=Wi1×Q …(13)
=Q-(((U/4184)×S×(T-Tp1))×3600) …(14)
このようにして、上記の式(6)から式(14)の手順を求めたい貯蔵時間まで繰り返すことにより、貯蔵時間と塩分含有水氷の温度変化、氷量や氷充填率の経時変化の計算結果を取得し、作業用メモリ6に一時的に保存する。
次に、指定値算出部15により、指定された値に関する必要な計算結果の算出を行う(ステップS5)。作業用メモリ6に一時的に保存されたデータより、指定された貯蔵時間における氷量や塩分含有水氷の温度、残りの氷が溶けるまでの時間などの算出を行う。また、指定された氷量になるまでの貯蔵時間や指定塩分濃度になるまでの貯蔵時間、氷充填率になるまでの貯蔵時間、氷が無くなるまでの貯蔵時間なども算出する。なお、本計算終了後、全てのデータについて、データ出力部10よりデータを出力後、データ格納装置4に保存すると共に、出力装置3において出力表示を行う。
〔実施例1〕
本実施例では、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置1を用いて、キビナゴにおける塩分含有水氷の塩分濃度Cが1.5%の例について説明する。
塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置1を用いたキビナゴにおける貯蔵時間(h)および塩分含有水氷の温度は、上述の(1)式~(14)式を繰り返し用いた場合であり、算出に必要な定数データはキビナゴの定数データ(C=0.94 kcal/kg℃、Q=80 kcal/kg、ε=0.2、TW=13.8 kg、Tf0=26 ℃、T=-0.5 ℃、W=1.6 kg、総括伝熱係数U=2.9 W/mK、水のモル凝固点降下K=1.85、外気温T=0 ℃、保管用容器の表面積S=0.789 m)を用い、データ格納装置4に格納されている場合について述べる。図3は、塩分濃度を1.5%とした時の横軸にキビナゴの貯蔵時間と縦軸に塩分含有水氷の温度変化の結果を示す。なお、図3には、同じ条件における実測値(非特許文献2参照)を比較のために示した。
図3において、実測値の貯蔵時間開始直後の温度の下降は、温度測定時において、塩分含有水氷の投入前から温度を測定していた影響である。この図から、実測値とシミュレーション値はよく一致していた。
図4に、塩分濃度を1.5%とした時の横軸にキビナゴの貯蔵時間と縦軸に塩分含有水氷の氷量の結果を示す。なお、図4には、同じ条件における実測値(非特許文献2参照)を比較のために示した。実測値では、34時間後に1.58kgの氷が残っていたことが記載されているが、シミュレーション値では、1.44kgの氷が残っていることがわかった。よって、実測値とシミュレーション値は非常によく一致することがわかった。
〔実施例2〕
次に、本実施例では、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置1を用いて、ハタハタにおける塩分含有水氷の塩分濃度Cが1%の例について説明する。
塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置1を用いたハタハタにおける貯蔵時間(h)および塩分含有水氷の温度は、上述の(1)式~(14)式を繰り返し用いた場合であり、算出に必要な定数データはハタハタの定数データ(C=0.94 kcal/kg℃、Q=80 kcal/kg、ε=0.3、TW=7.5 kg、Tf0=26 ℃、T=-0.90 ℃、W=5 kg、総括伝熱係数U=2.9 W/mK、水のモル凝固点降下K=1.85、外気温T=0 ℃、保管用容器の表面積S=0.789 m)を用い、データ格納装置4に格納されている場合について述べる。図5は、塩分濃度を1%とした時の横軸にハタハタの貯蔵時間と縦軸に塩分含有水氷の温度変化の結果を示す。なお、図5には、同じ条件における実測値(非特許文献3参照)を比較のために示した。
図5において、実測値とシミュレーション値はよく一致していた。なお、実測値とシミュレーション値の相関係数(R)を計算したところ、0.97となった。なお、一般的に相関係数が0.7よりも大きい場合、強い相関関係にあり、本シミュレーション値が実測値とよく一致することが確認できた。
図6に、塩分濃度を1%とした時の横軸にハタハタの貯蔵時間と縦軸に塩分含有水氷の氷量の結果を示す。この図により、63時間後に氷量が0となることがわかった。よって、本装置により、氷量が0となる貯蔵時間を算出できることが明らかになった。
〔実施例3〕
次に、本実施例では、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置1を用いて、ハタハタにおける塩分含有水氷の塩分濃度Cが2%の例について説明する。
塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置1を用いたハタハタにおける貯蔵時間(h)および塩分含有水氷の温度は、上述の(1)式~(14)式を繰り返し用いた場合であり、算出に必要な定数データはハタハタの定数データ(C=0.94 kcal/kg℃、Q=80 kcal/kg、ε=0.3、TW=7.5 kg、Tf0=26 ℃、T=-1.90 ℃、W=5 kg、総括伝熱係数U=2.9 W/mK、水のモル凝固点降下K=1.85、外気温T=0 ℃、保管用容器の表面積S=0.789 m)を用い、データ格納装置4に格納されている場合について述べる。図7は、塩分濃度を2%とした時の横軸にハタハタの貯蔵時間と縦軸に塩分含有水氷の温度変化の結果を示す。なお、図7には、同じ条件における実測値(非特許文献3参照)を比較のために示した。
図7において、実測値とシミュレーション値はよく一致していた。なお、実測値とシミュレーション値の相関係数(R)を計算したところ、0.93となった。よって、本シミュレーション値が実測値とよく一致することが確認できた。
図8に、塩分濃度を2%とした時の横軸にハタハタの貯蔵時間と縦軸に塩分含有水氷の氷量の結果を示す。この図により、38時間後に氷量が0となることがわかった。よって、本装置により、氷量が0となる貯蔵時間を算出できることが明らかになった。
〔実施例4〕
次に、本実施例では、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置1を用いて、ハタハタにおける塩分含有水氷の塩分濃度Cが3.1%の例について説明する。
塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置1を用いたハタハタにおける貯蔵時間(h)および塩分含有水氷の温度は、上述の(1)式~(14)式を繰り返し用いた場合であり、算出に必要な定数データはハタハタの定数データ(C=0.94 kcal/kg℃、Q=80 kcal/kg、ε=0.3、TW=7.5 kg、Tf0=26 ℃、T=-2.80 ℃、W=5 kg、総括伝熱係数U=2.9 W/mK、水のモル凝固点降下K=1.85、外気温T=0 ℃、保管用容器の表面積S=0.789 m)を用い、データ格納装置4に格納されている場合について述べる。図9は、塩分濃度を3.1%とした時の横軸にハタハタの貯蔵時間と縦軸に塩分含有水氷の温度変化の結果を示す。なお、図9には、同じ条件における実測値(非特許文献3参照)を比較のために示した。
図9において、実測値とシミュレーション値はよく一致していた。なお、実測値とシミュレーション値の相関係数(R)を計算したところ、0.98となった。よって、本シミュレーション値が測定値とよく一致することが確認できた。
図10に、塩分濃度を3.1%とした時の横軸にハタハタの貯蔵時間と縦軸に塩分含有水氷の氷量の結果を示す。この図により、23時間後に氷量が0となることがわかった。よって、本装置により、氷量が0となる貯蔵時間を算出できることが明らかになった。
以上の結果、塩分含有水氷量を実際に測定することなく、シミュレーションを用いて予測が可能であること、そして、シミュレーション結果から氷量が無くなる時間や、必要とする氷量等を算出できることが可能であることが示された。
(変形例)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、熱容量計算部8及び水氷製造量計算実行部9を演算装置として、他の機能ブロックと独立した装置として実現してもよい。同様に、貯蔵温度・貯蔵時間計算部14及び指定値算出部15を塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置として独立した装置として実現してもよい。
さらに、上述した演算装置5、熱容量計算部8、データ格納装置4、水氷製造量計算実行部9は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、上述した機能を実現するソフトウェアである熱容量計算部8及び水氷製造量計算実行部9の制御プログラム(熱容量計算プログラム、水氷量計算プログラム)のプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を作製し、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリなどの記憶装置(記録媒体)などを備えているコンピュータ(又はCPUやMPU(micro-processing unit))が、上記記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスクなどの磁気ディスクやCD-ROM/MO/MD/DVD/CD-Rなどの光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カードなどのカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、入力装置2、データ格納装置4、データ入力部7、熱容量計算部8及び水氷製造量計算実行部9、データ出力部10、出力装置3を通信ネットワークと接続可能に構成し、入力データ、出力データ及び上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網などが利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、USB2.0、USB3.0、USB Type-c、USB 3.1 Gen 1、USB 3.1 Gen 2、Thunderbolt 3、micro USB、USB PD、Lightning、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線などの有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE 802.11、IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、IEEE 802.11j、IEEE 802.11n (Wi-Fi 4) IEEE 802.11i、IEEE 802.11ac (Wi-Fi 5)、IEEE 802.11ad、IEEE 802.11af、IEEE 802.11ax (Wi-Fi 6)、IEEE 802.11ah、IEEE 802.11p、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網などの無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
さらに、上述した塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法を備えたプログラムは、漁船、魚箱、冷蔵庫、スーパーのショーケース、運搬用保存ケースなどに設置することで実現しても良い。
本発明は、食品を氷蔵する際に用いられる塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量を短時間で適切に算出できる点で産業上極めて有用である。
1 塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置
2 入力装置
3 出力装置
4 データ格納装置
5 演算装置
6 作業用メモリ
7 データ入力部
8 熱容量計算部
9 水氷製造量計算実行部
10 データ出力部
11 全発熱量計算部
12 水氷全吸熱量計算部
13 水氷量計算部
14 貯蔵温度・貯蔵時間計算部
15 指定値算出部
S1 全発熱量の計算
S2 水氷全吸熱量の計算
S3 水氷量の計算
S4 貯蔵温度・貯蔵時間の計算
S5 指定された時間や氷量、塩分濃度、氷充填率などに対する各種必要量の算出

Claims (15)

  1. 食品を浸漬保管により氷蔵する際に用いられる塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量を算出する装置であって、
    前記食品における比熱と食品量および初期の食品の温度および貯蔵に必要とする温度より求めた前記食品の全発熱量である、前記食品の全発熱量を計算する全発熱量計算部と、
    前記塩分含有水氷又は前記水氷の量と前記塩分含有水氷又は前記水氷の氷充填率(IPF)より求められる氷部の全吸熱量である、前記氷部の全吸熱量を計算する水氷全吸熱量計算部と、
    前記全発熱量と前記全吸熱量より求められる貯蔵開始時における塩分含有水氷又は水氷の氷部の量を計算する水氷量計算部と、
    前記氷量および、総括伝熱係数として保管用容器放熱量パラメータを用いる逐次放熱量計算モデルにより塩分含有水氷又は水氷の氷量の時間変化を計算する貯蔵温度・貯蔵時間計算部と、
    を備えたこと、を特徴とする塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置。
  2. 前記全発熱量計算部は、下記式(1)(2)を用いて食品の全発熱量Qを算出し、
    i0=0-[(2×17.1×C×1.85)/(1-ε)] …(1)
    =(Tf0-Ti0)×C×W …(2)
    (ここで、Tf0は貯蔵開始直前の魚体の温度、Ti0は食品投入前の塩分含有水氷の温度、Wfは食品全体の全重量、Cは食品投入前の塩分含有水氷の塩分濃度、εは製造直後の塩分含有水氷の氷充填率、Cは食品の比熱である。)
    前記水氷全吸熱量計算部は、下記式(3)を用いて氷の全吸熱量Qi0を算出し、
    i0=ε×TWi0×Q …(3)
    (ここで、εは製造直後の塩分含有水氷の氷充填率、TWi0は塩分含有水氷の全重量TWi0、Qは氷の潜熱である。)
    前記水氷量計算部は、下記式(4)(5)を用いて貯蔵開始時の氷量Wi0および食品投入直後の塩分濃度Cを算出し、
    i0=(Qi0-Q)/Q …(4)
    =1.0×C …(5)
    前記貯蔵温度・貯蔵時間計算部は、下記式(6)~(14)を用いて貯蔵開始から1時間後、2時間後および3時間後の塩分含有水氷の温度変化、氷量および氷充填率の経時変化を算出すること、
    ε=Wi0/TW …(6)
    p0=0-[(2×17.1×C×1.85)/(1-ε)] …(7)
    =Wi0×Q …(8)
    =Q-(((U/4184)×S×(T-Tp0))×3600) …(9)
    i1=Q/Q …(10)
    ε=Wi1/TW …(11)
    p1=0-[(2×17.1×C×1.85)/(1-ε)] …(12)
    =Wi1×Q …(13)
    =Q-(((U/4184)×S×(T-Tp1))×3600) …(14)
    (ここで、Tp0は食品投入直後の塩分含有水氷の温度、εは食品投入直後の塩分含有水氷の氷充填率、Qは貯蔵1時間後の氷の吸熱量、Qは貯蔵2時間後の氷の吸熱量、Wi1は貯蔵2時間後の氷量、εは貯蔵2時間後の氷充填率、Tp1は貯蔵2時間後の塩分含有水氷の温度、Tは貯蔵2時間後の外気温、Sは保管用容器の面積、Uは総括伝熱係数、Qは貯蔵3時間後の氷の吸熱量Qである。)
    を特徴とする請求項1に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置。
  3. 前記食品が水産動物であること、を特徴とする請求項1に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置。
  4. 前記水産動物は、ハタハタとキビナゴであること、を特徴とする請求項3に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置。
  5. 前記食品が畜産動物であること、を特徴とする請求項1に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置。
  6. 前記食品が野菜であること、を特徴とする請求項1に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置。
  7. 前記食品が果物であること、を特徴とする請求項1に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置を備えたこと、を特徴とする塩分含有水氷及び/又は水氷の製造装置。
  9. 食品を浸漬保管により氷蔵する際に用いられる塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量を算出する算出方法であって、
    前記食品における比熱と食品量および初期の食品の温度および貯蔵に必要とする温度より求めた前記食品の全発熱量である、前記食品の全発熱量を計算する全発熱量計算工程と、
    前記塩分含有水氷又は前記水氷の量と前記塩分含有水氷又は前記水氷の氷充填率(IPF)より求められる氷部の全吸熱量である、前記氷部の全吸熱量を計算する水氷全吸熱量計算工程と、
    前記全発熱量と前記全吸熱量より求められる貯蔵開始時における塩分含有水氷又は水氷の氷部の量を計算する水氷量計算工程と、
    前記氷量および、総括伝熱係数として保管用容器放熱量パラメータを用いる逐次放熱量計算モデルにより塩分含有水氷又は水氷の氷量の時間変化を計算する貯蔵温度・貯蔵時間計算工程と、
    を備えたこと、を特徴とする塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法。
  10. 前記全発熱量計算工程は、下記式(1)(2)を用いて食品の全発熱量Qを算出し、
    i0=0-[(2×17.1×C×1.85)/(1-ε)] …(1)
    =(Tf0-Ti0)×C×W …(2)
    (ここで、Tf0は貯蔵開始直前の魚体の温度、Ti0は食品投入前の塩分含有水氷の温度、Wfは食品全体の全重量、Cは食品投入前の塩分含有水氷の塩分濃度、εは製造直後の塩分含有水氷の氷充填率、Cは食品の比熱である。)
    前記水氷全吸熱量計算工程は、下記式(3)を用いて氷の全吸熱量Qi0を算出し、
    i0=ε×TWi0×Q …(3)
    (ここで、εは製造直後の塩分含有水氷の氷充填率、TWi0は塩分含有水氷の全重量TWi0、Qは氷の潜熱である。)
    前記水氷量計算工程は、下記式(4)(5)を用いて貯蔵開始時の氷量Wi0および食品投入直後の塩分濃度Cを算出し、
    i0=(Qi0-Q)/Q …(4)
    =1.0×C …(5)
    前記貯蔵温度・貯蔵時間計算工程は、下記式(6)~(14)を用いて貯蔵開始から1時間後、2時間後および3時間後の塩分含有水氷の温度変化、氷量および氷充填率の経時変化を算出すること、
    ε=Wi0/TW …(6)
    p0=0-[(2×17.1×C×1.85)/(1-ε)] …(7)
    =Wi0×Q …(8)
    =Q-(((U/4184)×S×(T-Tp0))×3600) …(9)
    i1=Q/Q …(10)
    ε=Wi1/TW …(11)
    p1=0-[(2×17.1×C×1.85)/(1-ε)] …(12)
    =Wi1×Q …(13)
    =Q-(((U/4184)×S×(T-Tp1))×3600) …(14)
    (ここで、Tp0は食品投入直後の塩分含有水氷の温度、εは食品投入直後の塩分含有水氷の氷充填率、Qは貯蔵1時間後の氷の吸熱量、Qは貯蔵2時間後の氷の吸熱量、Wi1は貯蔵2時間後の氷量、εは貯蔵2時間後の氷充填率、Tp1は貯蔵2時間後の塩分含有水氷の温度、Tは貯蔵2時間後の外気温、Sは保管用容器の面積、Uは総括伝熱係数、Qは貯蔵3時間後の氷の吸熱量である。)
    を特徴とする請求項9に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法。
  11. 前記食品が水産動物であること、を特徴とする請求項9に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法。
  12. 前記水産動物は、ハタハタとキビナゴであること、を特徴とする請求項11に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法。
  13. 前記食品が畜産動物であること、を特徴とする請求項9に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法。
  14. 前記食品が野菜であること、を特徴とする請求項9に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法。
  15. 前記食品が果物であること、を特徴とする請求項9に記載の塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法。
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