JP2023031321A - 建築部材及び建築部材の製造方法 - Google Patents

建築部材及び建築部材の製造方法 Download PDF

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遼平 吉松
Ryohei Yoshimatsu
英樹 田畑
Hideki Tabata
浩三 永山
Kozo Nagayama
高志 倉田
Takashi Kurata
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Abstract

Figure 2023031321000001
【課題】木材の損傷を抑制することができる建築部材を提供する。
【解決手段】それぞれ貫通孔21が形成された2つの木材20と、2つの木材20により挟まれる板状の鋼材10と、一方の端部が鋼材10と接するとともに他方の端部が貫通孔21から突出する複数の中空のコネクタ30と、を備え、コネクタ30の他方の端部が面取りされ、コネクタ30の面取りされた部位の一部が、貫通孔21の周方向の全周にわたって貫通孔21の内部に位置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築部材及び建築部材の製造方法に関する。
木製部材と鋼製部材からなる複合部材において、木製部材(木材)の貫通穴より僅かに外形を大きくしたシア部材(コネクタ)を配置し、鋼製部材(鋼材)に当接配置した上で、ボルトにて緊結して鋼製部材と摩擦接合する構造が開示されている(例えば、特許文献1)。
特許第4252029号公報
本発明は、木材の損傷を抑制することができる建築部材を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る建築部材は、それぞれ貫通孔が形成された2つの木材と、前記2つの木材により挟まれる板状の鋼材と、一方の端部が前記鋼材と接するとともに他方の端部が前記貫通孔から突出する複数の中空のコネクタと、を備え、前記コネクタの前記他方の端部が面取りされ、前記コネクタの前記面取りされた部位の一部が、前記貫通孔の周方向の全周にわたって前記貫通孔の内部に位置することを特徴とする。
本発明によれば、木材の損傷を抑制することができる建築部材を提供することができる。
本発明の建築部材における軸方向の断面図である。 図1に示すII部の拡大図である。 図1に木目栓及び緩衝部材を設けた変形例である。 本発明の建築部材における木材にコネクタを挿入する工程を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る建築部材100を説明する。
図1に示すように、建築部材100は、鋼材10と、木材20と、コネクタ30と、トルク管理締結ボルト40と、押さえプレート50と、を備える。建築部材100は、建築物に用いられる、いわゆる複合部材である。
鋼材10は、鋼製の板状部材である。鋼材10は、建築部材100の主構造となり、強度を担保する。鋼材10は、例えば、帯状鋼板から成形される。鋼材10は、例えば、厚さ6mm~28mm、幅130mm~575mm、長さ1500mm~7500mmの範囲が好適に用いられる。上記以外の寸法であっても、必要に応じ適宜寸法を決定してもよい。また、鋼材10の厚さ方向D1には、トルク管理締結ボルト40が貫通するためのボルト孔11が設けられている。ボルト孔11の大きさは、木材20に設けられるコネクタ30と接する摩擦面12を確保することを前提に、トルク管理締結ボルト40が貫通するための必要最小限の大きさであってもよいし、バラツキを吸収するために大きめに設定してもよい。
木材20は、厚さ方向D1の側面に設けられる。本実施形態における木材20は、図1に示すように、厚さ方向D1の両側面に設けられる。これにより、木材20は鋼材10の面外方向(弱軸方向)の剛性を高める。木材20には、厚さ方向D1に貫通する貫通孔21が形成されている。貫通孔21には、コネクタ30が配置される。貫通孔21は、コネクタ30の外径よりもわずかに小さい内径を備える。貫通孔21の内径の大きさは、コネクタ30を圧入可能な程度とする。
貫通孔21に加えて、木材20には座繰穴22が設けられていてもよい。座繰穴22を設ける場合、座繰穴22の内径は押さえプレート50の外径よりも大径であるとする。座繰穴22を設ける場合、図3に示すように、トルク管理締結ボルト40が木材20に設けられた座繰穴22の内部に収納された状態で、座繰穴22を木目栓23で塞いでもよい。 木材20には、例えば、集成材が好適に用いられる。
コネクタ30は、筒状の部材である。コネクタ30は、貫通孔21の内部に配置される。コネクタ30は、木材20の長手方向において、端部周辺に設けられていてもよいし、間隔をあけて複数設けられていてもよい。木材20の貫通孔21や、鋼材10のボルト孔11についても同様とする。コネクタ30は、高さ30mm~50mm、外径50mm、内径22mmのものが好適に用いられる。コネクタ30の高さは、厚さ方向D1の寸法である。また、コネクタ30の高さは、木材20の貫通孔21の軸方向の寸法に合わせて適宜決定する。コネクタ30は、前記筒状の側面が木材20に接し、一方の端面が鋼材10に接し、他方の端面が押さえプレート50に接する。コネクタ30を木材20の貫通孔21の内部に配置する際は、圧入が好適に用いられる。これにより、木材20とコネクタ30との間にガタが生じることを確実に防止する。本実施形態において、コネクタ30は円筒形であるとする。前記円筒形の内部には、トルク管理締結ボルト40が配置される。トルク管理締結ボルト40を配置する領域を確保できれば、コネクタ30は、円筒形でなくてもよく、多角筒状であってもよい。コネクタ30にはSS400が好適に用いられる。
コネクタ30を木材20の貫通孔21の内部に配置するとき、コネクタ30の一方の端部が鋼材10と接するとともに、他方の端部が貫通孔21から突出する。また、コネクタ30の一方の端部は、木材20と面一となるように配置される。これにより、木材20を厚さ方向D1の側面に配置したとき、コネクタ30は、筒状の一方の端部が鋼材10と接する。コネクタ30と鋼材10との接する側面を摩擦面12と呼称する。摩擦面12のすべり係数は、0.4以上であるとする。
コネクタ30における押さえプレート50の側の端部は、面取りされている。以下、当該部位を面取部31と呼称する。コネクタ30に面取部31が設けられていない場合は、押さえプレート50との接触面積を確保することができるが、木材20にコネクタ30を挿入する際にコネクタ30の端縁が木材20の貫通孔21の内部に干渉して貫通孔21の内周面を損傷することがある。面取部31を設けることによりこの問題を回避する。
図2に示すように、面取部31は、少なくとも一部が貫通孔21の内部に位置する。言い換えれば、その他の部位は木材20の貫通孔21から突出している。これにより、図2に示すように、押さえプレート50におけるコネクタ30と接する側の面である第1面B1と、貫通孔21の端面(木材20の表面)である第2面B2との間に空隙が形成される。以下において、前記空隙を緩衝領域Bと呼称する。
図2又は図3に示すように、緩衝領域Bは、木材20の表面である第2面B2と、押さえプレート50の表面におけるコネクタ30と接する側の面である第1面B1との間の全面にわたって設けられる。本実施形態において、緩衝領域Bは、上述のように木材20の貫通孔21からコネクタ30の端部が突出し、前記端部と押さえプレート50とが接することによって構成される。これにより、木材20と抑えプレート50とが干渉して木材20が損傷することを防ぐ。緩衝領域Bにおいて、第1面B1と第2面B2との間の寸法の大きさは、厚さ方向D1において0.5mm以上かつ3mm以下であるとする。緩衝領域Bには、木材20の損傷回避をより確実に担保するために、ゴム、スポンジ等の弾性体をはじめとする緩衝部材Cを配置してもよい。緩衝部材Cは、緩衝領域Bの全部に配置してもよい。緩衝部材Cは、緩衝領域Bの一部のみに配置されてもよい。
トルク管理締結ボルト40は、コネクタ30の筒状の内部及び鋼材10のボルト孔11に配置される。具体的には、図1に示すように、トルク管理締結ボルト40は、鋼材10のボルト孔11およびコネクタ30を厚さ方向D1に貫通し、鋼材10とコネクタ30とを厚さ方向D1に挟む。この状態で、ナットNによってトルク管理締結ボルト40を締め付けることで、木材20と鋼材10とを固定し一体化する。
トルク管理締結ボルト40は、量産される公知のボルトについて、特にトルク係数が一定に管理されたものをいう。トルク管理締結ボルト40には、例えば、高力ボルトが好適に用いられる。これにより、建築部材100の量産工程について、木材20のコネクタ30と鋼材10との締結力を常に一定の範囲に管理する。建築部材100において木材20と鋼材10とを確実に一体化し、ずれが生じることを確実に防ぐ。
押さえプレート50は、厚さ方向D1においてコネクタ30の他方の端部とトルク管理締結ボルト40との間に配置される。押さえプレート50は、コネクタ30の端面と接することで、トルク管理締結ボルト40の軸力をコネクタ30の端面全体で受けることができるようにする。押さえプレート50の外径は、少なくともコネクタ30の端面の外径よりも大きく設定する。押さえプレート50を木材20の座繰穴22の内部に配置する場合は、押さえプレート50の外径が座繰穴22の内径よりも小さく設定する。押さえプレート50の厚さは、4.5mmのものが好適に用いられる。
上述の構成を備える建築部材100において、地震、強風、あるいは建築物の自重によって建築部材100に負荷が生じたとき、前記荷重は木材20及び鋼材10に負荷される。特に木材20に負荷された荷重は、木材20の貫通孔21の内周面から、貫通孔21に配置されたコネクタ30の筒状の側面に伝達される。このときの、コネクタ30の側面と木材20との間に生じる力を、支圧力と呼称する。コネクタ30に伝達された支圧力は、摩擦面12を介して鋼材10に伝達される。この力が鋼材10によって受け止められることで、建築部材100の強度を担保する。摩擦面12において鋼材10とコネクタ30との間に生じる摩擦力は、コネクタ30の側面と木材20との間に生じる支圧力よりも高いものとする。これにより、建築部材100における鋼材10と木材20との一体性を確保する。
(建築部材の製造方法)
次に、本実施形態に係る建築部材100の製造方法を説明する。
本実施形態に係る製造方法は、面取り固定と、仮置き工程と、圧入工程と、突出量確認工程と、締結工程と、を備える。
面取り工程において、コネクタ30の面取りを行う。このとき、コネクタ30の面取りは、押さえプレート50の側の端部にのみ行う。
仮置き工程において、コネクタ30を木材20に仮置きする。コネクタ30を木材20の貫通孔21に圧入する際は、図4に示すように、木材20における鋼材10に面する側から挿入するものとする。また、貫通孔21の開口に対して、コネクタ30の面取部31が形成された側から挿入する。これにより、コネクタ30が木材20に挿入された後、面取部31は、木材20における鋼材10に面しない側に位置する。これによりコネクタ30の端部が貫通孔21の内周面に干渉して貫通孔21の内周面が損傷することを防ぐことに加え、押さえプレート50とコネクタ30の面取り部との位置関係が上述の構成となることを担保する。
圧入工程において、コネクタ30を木材20に圧入機で圧入する。このとき、コネクタ30の筒状の中心軸と木材20の貫通孔21の中心軸とが常に平行となることに留意する。
突出量確認工程において、コネクタ30の木材20の表面からの突出量を確認する。これにより、コネクタ30の端部と木材20の表面との位置関係により、押さえプレート50が配置された時に緩衝領域Bが形成されることを担保する。
締結工程において、コネクタ30が圧入された木材20と鋼材10と締結部材(例えば、トルク管理締結ボルト40)で締め付ける。締結工程は、締結部材の締結力を所定のトルク量で管理する第一次締結工程と、締結部材の締め付け量を所定の回転角度で管理する第二次締結工程と、を含む。第一次締結工程によってトルク管理締結ボルト40を所定のトルクにより締め付けることで、トルク管理締結ボルト40に負荷する軸力を管理する。第二次締結工程によって締付量を管理する。
上記の第一次締結工程と第二次締結工程による、建築部材100における品質管理の具体例は、下記のようになる、すなわち、まず、コネクタ30を介して木材20を貫通したトルク管理締結ボルト40の先端にナットNを取り付け、所定の締結トルクにより一次締めを行う(第一次締結工程)。これにより、建築部材100の量産工程においてトルク管理締結ボルト40に負荷される軸力を一定とする。次に、所定の回転角により本締めを行う(第二次締結工程)。所定の回転角は、例えば120°である。これにより、建築部材100において設計上必要な軸力を確保する。上記工程により、建築部材100を製造する。
以上説明したように、本実施形態に係る建築部材100によれば、押さえプレート50におけるコネクタ30と接する側の面である第1面B1と、貫通孔21の端面である第2面B2との間の全面にわたって緩衝領域Bが設けられている。このことで、押さえプレート50と木材20の表面が干渉することを防ぐ。これにより、トルク管理締結ボルト40による導入軸力が木材20に作用することを防ぐ。よって、トルク管理締結ボルト40による締結力を、確実にコネクタ30を介して鋼板に伝達することができる。つまり、コネクタ30と鋼板との摩擦力を確保することができる。よって、トルク管理締結ボルト40による木材20と鋼材10との固定力を確保することができる。
また、木材20と鋼材10との固定にトルク管理締結ボルト40を用いることで、トルク管理締結ボルト40による締結力を確実に管理することができる。よって、設計上想定する導入軸力を確保し、より確実に木材20と鋼材10を固定することができる。これらから、木材20と鋼材10の一体性を向上することができる。
ここで、木材20の内部にコネクタ30を挿入して配置するとき、コネクタ30の端部が木材20に干渉し、木材20に設けた孔の内壁が損傷することがある。これにより、挿入後のコネクタ30と木材20の内壁との密着度が低下することがある。このことは、木材20とコネクタ30との間における応力伝達に影響を及ぼしたり、コネクタ30が木材20から抜け出す原因となったりすることがある。
これに対し、コネクタ30における押さえプレート50の側が面取りされている。コネクタ30を面取りされている側から木材20へ挿入することで、挿入作業を容易にすることができる。更に、木材20の孔の内壁を損傷することを防ぎ、コネクタ30と木材20との密着力が低下することを防ぐことができる。
コネクタ30における押さえプレート50の側を面取りして、コネクタ30における押さえプレート50の側の端面と木材20の表面とを面一とすると、次の問題が生じる。すなわち、押さえプレート50が木材20に干渉する原因となる。面取りの分だけ押さえプレート50が接触する面積のうちコネクタ面積の割合が小さくなる。よって、トルク管理締結ボルト40による導入軸力が木材側に作用しやすくなる原因となる。
これらの問題は、コネクタ30における面取りされた部分を、木材20の表面から突出させることで解消可能である。具体的には、木材20の表面からコネクタ30の端部を突出させることで、コネクタ30の木材20に対する挿入方向におけるコネクタ30の端部と木材20の表面との間の領域を緩衝領域Bとすることができる。よって、押さえプレート50と木材20の表面が接触することを防ぐことができる。更に、コネクタ30における面取りされた部分を木材20の表面から突出させ、面取りされた部分が木材20の孔の内壁と面する割合を少なくすることで、木材20とコネクタ30との接触面が減少することを防ぐことができる。
鋼材10と木材20との密着を確保するために、コネクタ30における鋼材10の側の端部は、木材20と面一である必要がある。これに対して、コネクタ30における鋼材10の側は、面取りされていない。つまり、コネクタ30との鋼材10との接触面は面取りによって減少しない。よって、コネクタ30と鋼材10との摩擦力が低下することはない。
コネクタ30における押さえプレート50の側のみが面取りされることで、その他特別な対策を施すことを必要とせず、上記複数の作用効果をもたらすことができる。
また、コネクタ30の面取りされた部位の少なくとも一部が、貫通孔21の内部に位置する。言い換えれば、コネクタ30の面取りされた部位のその他の部位が、木材20の表面から突出している。これにより、コネクタ30の他方の端部に押さえプレート50が接した時、押さえプレート50と木材20の表面とが直接接することを防ぐことができる。よって、木材20の表面の損傷を防ぐことができる。
また、緩衝領域Bは空隙である。つまり、押さえプレート50と木材20の表面との間に特別な部材等を有さない。よって、必要最小限の構成で効率的に本発明に係る課題の解決をすることができる。
また、緩衝領域Bに緩衝部材Cを配置する。よって、より確実に木材20の表面と押さえプレート50との干渉を防ぐことができる。
また、緩衝領域Bにおいて、第1面B1と第2面B2との間の寸法が0.5mm以上かつ3mm以下である。干渉領域が0.5mm以上であることで、締結力によって各部品が変形した場合における、押さえプレート50と木材20の表面との干渉を防ぐことができる。緩衝領域Bが3mm以下であることで、コネクタ30と木材20との間にがたつきが生じることを防ぐことができる。
また、トルク管理締結ボルト40が木材20に設けられた座繰穴22の内部に収納され、座繰穴22を木目栓23で塞ぐ。これにより、木材20の表面における意匠性を向上することができる。よって、建築部材100の用途を幅広くすることができる。
また、鋼材10とコネクタ30との間に生じる摩擦力が、コネクタ30の側面と木材20との間に生じる支圧力より高い。建築部材100において、外力や自重等による負荷によって、コネクタ30と木材20との間に支圧力が生じる。この支圧力は、コネクタ30から、コネクタ30と鋼材10との接触面を介して、摩擦力として鋼材10に伝達される。
コネクタ30との間に生じる摩擦力が、コネクタ30の側面と木材20との間に生じる支圧力より低いと、木材20の許容荷重に達する前にコネクタ30及び木材20と鋼材10との間にすべりが生じ、木材20の耐力を最大限活かすことができない。
コネクタ30との間に生じる摩擦力が、コネクタ30の側面と木材20との間に生じる支圧力より高いことで上述の問題が発生することを防ぎ、木材20の耐力を最大限活かすことができる。
また、コネクタ30の鋼材10と接する側面に摩擦面12が構成され、摩擦面12のすべり係数が0.4以上である。これにより、コネクタ30及び鋼材10において、特別な材質を用いたり、特別な施工管理などを行ったりすることを必要とせずに、鋼材10とコネクタ30との間にすべりが発生することを確実に防ぐことができる。
また、締結工程においてコネクタ30が圧入された木材20と鋼材10と締結部材で締め付ける。つまり、木材20と鋼材10とはコネクタ30を介して締結される。木材20を締結部材によって直接締結しないことで、木材20が損傷することを防ぐことができる。
更に、突出量確認工程において、コネクタ30の木材20からの突出量と確認する。コネクタ30が木材20から突出していることで、コネクタ30を介して木材20と鋼材10とを締結する際、締結部材と木材20とが接触することを防ぐことができる。よって、より確実に木材20が損傷することを防ぐことができる。
また、締結部材の締結力を所定のトルク量で管理する第一次締結工程と、締結部材の締め付け量を所定の回転角度で管理する第二次締結工程と、を備える。締結部材により締結を、トルク量と回転角度の2要素で管理することにより、より精度の高い締結とすることができる。よって、より精度を向上した高品質の建築部材100を提供することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、面取部31は、その全体が木材20の貫通孔21から突出していてもよい。 緩衝領域Bは、木材20の貫通孔21からコネクタ30が突出すること以外の構造によって設けられてもよい。例えば、コネクタ30の端部と押さえプレート50との間に、ワッシャ等の部材が設けられていてもよい。
木材20において、座繰穴22が設けられていなくてもよい。つまり、トルク管理締結ボルト40及びは、木材20から露出していてもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 鋼材
12 摩擦面
20 木材
21 貫通孔
22 座繰穴
23 木目栓
30 コネクタ
40 トルク管理締結ボルト
50 プレート
100 建築部材
B 緩衝領域
C 緩衝部材

Claims (12)

  1. それぞれ貫通孔が形成された2つの木材と、
    前記2つの木材により挟まれる板状の鋼材と、
    一方の端部が前記鋼材と接するとともに他方の端部が前記貫通孔から突出する複数の中空のコネクタと、
    を備え、
    前記コネクタの前記他方の端部が面取りされ、
    前記コネクタの前記面取りされた部位の一部が、前記貫通孔の周方向の全周にわたって前記貫通孔の内部に位置することを特徴とする、
    建築部材。
  2. 前記コネクタの外径が前記貫通孔の内径より大きく、前記コネクタの前記一方の端部が面取りされていないことを特徴とする、
    請求項1に記載の建築部材。
  3. 前記コネクタの前記他方の端部に配置される押さえプレートを更に備え、
    前記押さえプレートの面であって前記コネクタと対向する第1面と、前記木材の面であって前記押さえプレートと対向する第2面と、の間に緩衝領域が設けられることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の建築部材。
  4. 前記押さえプレート、前記コネクタ及び前記鋼材を貫通し、前記木材を前記鋼材に前記コネクタを介して締結するトルク管理締結ボルトを更に備えることを特徴とする、
    請求項3に記載の建築部材。
  5. 前記緩衝領域は空隙であることを特徴とする、
    請求項3または4に記載の建築部材。
  6. 前記緩衝領域に、緩衝部材を配置することを特徴とする、
    請求項3から5のいずれか1項に記載の建築部材。
  7. 前記緩衝領域において、前記第1面と前記第2面との間の寸法が0.5mm以上かつ3mm以下であることを特徴とする、
    請求項3から6のいずれか1項に記載の建築部材。
  8. 前記トルク管理締結ボルトが前記木材に設けられた座繰穴の内部に収納され、前記座繰穴を木目栓で塞ぐことを特徴とする、
    請求項4に記載の建築部材。
  9. 前記鋼材と前記コネクタとの間に生じる摩擦力が、前記コネクタと前記木材との間に生じる支圧力より高いことを特徴とする、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の建築部材。
  10. 前記コネクタの前記一方の端部に、前記鋼材と接する摩擦面が構成され、前記摩擦面のすべり係数が0.4以上であることを特徴とする、
    請求項9に記載の建築部材。
  11. 請求項4に記載の建築部材を製造する方法であって、
    前記コネクタの面取り工程と、
    前記コネクタを前記木材に仮置きする仮置き工程と、
    前記コネクタを前記木材に圧入機で圧入する圧入工程と、
    前記コネクタの前記第2面からの突出量を確認する突出量確認工程と、
    前記コネクタが圧入された前記木材と前記鋼材とを前記トルク管理締結ボルトで締め付ける締結工程と、
    を備えることを特徴とする、
    建築部材の製造方法。
  12. 前記締結工程は、
    前記トルク管理締結ボルトの締結力を所定のトルク量で管理する第一次締結工程と、
    前記トルク管理締結ボルトの締め付け量を所定の回転角度で管理する第二次締結工程と、
    を含むことを特徴とする、
    請求項11に記載の建築部材の製造方法。
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