JP2023030495A - 染料層形成用インクおよび熱転写シート - Google Patents

染料層形成用インクおよび熱転写シート Download PDF

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Abstract

【課題】1回の塗工でも塗工スジや塗工抜け等が発生しにくい染料層形成用インクを提供する。【解決手段】感熱転写方式のプリンタに使用される熱転写シートの染料層を形成するための染料層形成用インクは、染料と、バインダ樹脂と、溶剤とを含み、溶剤は、メチルエチルケトンを50質量パーセント以上含み、かつ2-プロパノールを15質量パーセント以下含む。【選択図】なし

Description

本発明は、熱転写シートの製造に用いる染料層形成用インクに関する。この染料層形成用インクを用いて製造した熱転写シートについても言及する。
熱転写シートとは、感熱転写方式のプリンタに使用されるインクリボンであり、形状によってはサーマルリボンとも呼ばれる。一般的な熱転写シートは、基材の一方の面に感熱転写層を、基材の他方の面に耐熱滑性層をそれぞれ設けた構成を有する。感熱転写層は、染料層形成用インクで形成されており、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)され、熱転写受像シート等の被転写体側に転写される。
現在、昇華転写方式は、プリンタの高機能化と併せて各種画像を簡便にフルカラーで形成できるため、身分証明書等のカード類を始め、アミューズメント用出力物等に広く利用されている。
高鮮明な印画物を提供するためには、昇華熱転写シートの染料層における塗工スジや塗工抜け等をごく小さくすることが重要である。塗工スジや塗工抜けのない均一な塗工面を得るために、染料層形成用インクには基材シートに対するレベリング性が要求される。また、熱転写シートの製造過程における各層の印刷速度が上がるほど塗工スジや塗工抜け等が発生しやすくなるため、レベリング性の向上は生産性の観点からも重要である。
この点に関し、特許文献1では、染料層形成用インクを2回塗工し、かつ1回目の塗工インクの粘度を2回目以降の塗工インクの粘度より大きくする製造方法が提案されている。
特開平5-139061号公報
特許文献1に記載の方法では、染料層を形成するために2回の塗工が必要になる。これは、生産性の向上に対してはマイナスに働くため、改善の余地が残されている。
上記事情を踏まえ、本発明は、1回の塗工でも塗工スジや塗工抜け等が発生しにくい染料層形成用インクを提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、感熱転写方式のプリンタに使用される熱転写シートの染料層を形成するための染料層形成用インクである。
この染料層形成用インクは、染料と、バインダ樹脂と、溶剤とを含む。溶剤は、メチルエチルケトンを50質量パーセント以上含み、かつ2-プロパノールを15質量パーセント以下含む。
本発明の第二の態様は、基材と、基材上に第一の態様に係る染料層形成用インクを用いて形成された染料層とを備える熱転写シートである。
本発明の染料層形成用インクは、1回の塗工でも塗工スジや塗工抜け等が発生しにくく、品質のよい熱転写シートを効率よく製造することに寄与する。
本発明の一実施形態に係る熱転写シートの模式断面図である。
本発明の一実施形態について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態の熱転写シート1を示す模式断面図である。図1に示すように、熱転写シート1は、感熱転写方式のプリンタにセットして使用されるものであり、基材10と、染料層20と、耐熱滑性層30とを備えている。染料層20は、基材10の第一面10a上に設けられている。耐熱滑性層30は、基材10において、第一面10aと反対側の第二面10b上に設けられている。染料層20は、熱転写シート1の長手方向に繰り返し複数形成されている。
基材10としては、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が必要とされ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、およびコンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類等を単独、又は組み合わされた複合体として使用可能である。中でも、物性面、加工性、コスト面などを考慮するとポリエチレンテレフタレートが好ましい。
基材10の厚さは、操作性、加工性の観点からは、2μm~50μmの範囲のものが使用可能であるが、転写適性や加工性等のハンドリング性も考慮すると、2μm~9μm程度のものがより好ましい。
基材10においては、染料層20や耐熱滑性層30を形成する面に、接着処理を施すことも可能である。接着処理としては、コロナ処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、プラズマ処理、プライマー処理等の公知の技術を適用することができ、それらの処理を二種以上併用することもできる。
染料層20は、本実施形態に係る染料層形成用インクを用いて形成されている。以下、染料層形成用インクについて説明する。
染料層形成用インクは、少なくとも染料、バインダ樹脂、および溶剤を含有する。
溶剤は、少なくともメチルエチルケトンおよび2-プロパノールを含む。溶剤におけるメチルエチルケトンの比率は50質量%(wt%)以上であり、2-プロパノールの比率は15wt%以下である。
基材に対して十分なレベリング性を得るために、染料層形成用インクは低表面張力、および低粘度の設計とする必要がある。染料を所定の濃度以上としつつバインダ樹脂を十分溶解または分散する観点から、溶剤としては、メチルエチルケトンおよびトルエンを用いることが一般的である。
メチルエチルケトンの表面張力は24.6mN/m(20℃)であり、トルエンの表面張力は28.4mN/m(20℃)である。また、メチルエチルケトンの粘度は0.4mPa・s(20℃)であり、トルエンの粘度は0.56mPa・s20℃)である。
そのため、メチルエチルケトンを比較的多く含有させることで染料層形成用インクのレベリング性を上げることができる。
2-プロパノールの表面張力は、20.8mN/m(20℃)とメチルエチルケトンよりさらに低いため、発明者は、2-プロパノールを使用することによりインキの表面張力をさらに小さくできる可能性があると考えた。しかしながら、2-プロパノールは、染料やバインダ樹脂の溶解性が比較的低く、高粘度(2.37mPa・s(20℃))であるため、単に2-プロパノールの量を増やせばよいわけではないことが検討の過程で明らかになった。具体的には、2-プロパノールの量が3wt%未満であると表面張力の低下効果が不十分である場合が多く、15wt%を超えるとインキ粘度が高くなってレベリング性が逆に低下し、塗布ムラや塗布抜けの可能性が高まることがわかった。
さらに、溶剤中におけるメチルエチルケトンの比率が80wt%を超えると染料の溶解が不十分となって染料層表面に析出し、印画物の地汚れの可能性が高まることも分かった。
以上の知見を踏まえてさらに検討を進めた結果、発明者は、溶剤中におけるメチルエチルケトンのより好ましい量は70wt%~80wt%であり、2-プロパノールのより好ましい量は3wt%~15wt%であることを見出した。
染料層形成用インクは、他の溶剤を含んでもよい。他の溶剤として、ケトン系としてはメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等、芳香族系としてはキシレン等、ハロゲン系としてはジクロルメタン、トリクロロエタン等、アルコール系としてはメタノール、エタノール、ブタノール、イソブタノール等、その他ジオキサン、テトラヒドロフラン等、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等を例示できる。
染料層形成用インクに用いる染料は、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料である。例えば、イエロー成分としては、ソルベントイエロー56、16、30、93、33、あるいはディスパースイエロー201、231、33等を挙げることができる。マゼンタ成分としては、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースバイオレット26、C.I.ディスパースバイオレット38、C.I.ソルベントレッド27、あるいはC.I.ソルベントレッド19等を挙げることができる。シアン成分としては、C.I.ディスパースブルー354、C.I.ソルベントブルー63、C.I.ソルベントブルー36、C.I.ソルベントブルー266、C.I.ディスパースブルー257、あるいはC.I.ディスパースブルー24等を挙げることができる。
本発明においては、これらの中でも、C.I.ディスパースバイオレット38等に代表されるアントラキノン系化合物を熱移行性染料として用いることが好ましい。
染料層形成用インクに用いるバインダ樹脂としては、公知の各種樹脂を使用でき、特に制限はないが、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂やポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン-アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等を挙げることができる。
染料層形成用インクにおいて、染料およびバインダ樹脂の和である固形分の比率は3wt%~20wt%が好ましい。固形部の比率が3wt%未満であると、適正インク粘度を下回ることによる塗工ムラの発生の可能性が高まる。一方、20wt%を超えると、適正インク粘度を上回ることによる塗工スジ、塗工抜けをはじめとする塗工欠陥の発生の可能性が高まる。
本実施形態の染料層形成用インクには、性能を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、安定化剤等を添加されてもよい。
染料層20は、基材10上に染料層形成用インクを塗布、乾燥することで形成できる。塗布量は、所望の印画物の発色濃度に応じて調整するが、例えば0.3g/m~1.0g/m程度とできる。ここで、「塗布量」とはインクを塗布、乾燥した後に残った固形分の量を意味する。
耐熱滑性層30は、例えば、バインダとなる樹脂、離型性や滑り性を付与する機能性添加剤、充填剤、硬化剤、溶剤などを配合して耐熱滑性層形成用インクを調製し、塗布、乾燥して形成することができる。耐熱滑性層30の乾燥後の塗布量は、0.1g/m~2.0g/m程度とできる。
耐熱滑性層30に使用できるバインダ樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂およびそれらの変性体等を例示できる。
本発明の熱転写シートについて実施例および比較例を用いてさらに説明する。本発明は、実施例および比較例の内容によって何ら制限されない。
文中における「部」は、とくにことわらない限り質量部を意味する。
<染料層形成用インクの作製>
(実施例1)
実施例1に係る染料層形成用インクの組成を以下に示す。
<染料層形成用インク1>
バインダ樹脂 ポリビニルアセタール 5部
染料 マゼンタ染料(C.I.ディスパースレッド60) 5部
溶剤 メチルエチルケトン 56部
トルエン 40部
2-プロパノール 4部
調製手順としては、まず溶剤を混合し、その後バインダ樹脂を添加して50℃で1時間攪拌した。その後染料を添加してさらに30分攪拌した。
以上により、実施例1に係る染料層形成用インク1を得た。
(実施例2)
実施例2に係る染料層形成用インクの組成を以下に示す。
<染料層形成用インク2>
バインダ樹脂 ポリビニルアセタール 5部
染料 マゼンタ染料(C.I.ディスパースレッド60) 5部
溶剤 メチルエチルケトン 64部
トルエン 32部
2-プロパノール 4部
上述の材料を実施例1と同様の手順で調製することにより、実施例2に係る染料層形成用インク2を得た。
(実施例3)
実施例3に係る染料層形成用インクの組成を以下に示す。
<染料層形成用インク3>
バインダ樹脂 ポリビニルアセタール 5部
染料 マゼンタ染料(C.I.ディスパースレッド60) 5部
溶剤 メチルエチルケトン 71部
トルエン 24部
2-プロパノール 4部
上述の材料を実施例1と同様の手順で調製することにより、実施例3に係る染料層形成用インク3を得た。
(実施例4)
実施例4に係る染料層形成用インクの組成を以下に示す。
<染料層形成用インク4>
バインダ樹脂 ポリビニルアセタール 5部
染料 マゼンタ染料(C.I.ディスパースレッド60) 5部
溶剤 メチルエチルケトン 61部
トルエン 31部
2-プロパノール 8部
上述の材料を実施例1と同様の手順で調製することにより、実施例4に係る染料層形成用インク4を得た。
(比較例1)
比較例1に係る染料層形成用インクの組成を以下に示す。
<染料層形成用インク5>
バインダ樹脂 ポリビニルアセタール 5部
染料 マゼンタ染料(C.I.ディスパースレッド60) 5部
溶剤 メチルエチルケトン 48部
トルエン 48部
2-プロパノール 4部
上述の材料を実施例1と同様の手順で調製することにより、比較例1に係る染料層形成用インク5を得た。
(比較例2)
比較例2に係る染料層形成用インクの組成を以下に示す。
<染料層形成用インク6>
バインダ樹脂 ポリビニルアセタール 5部
染料 マゼンタ染料(C.I.ディスパースレッド60) 5部
溶剤 メチルエチルケトン 67部
トルエン 33部
上述の材料を実施例1と同様の手順で調製することにより、比較例2に係る染料層形成用インク6を得た。
(比較例3)
比較例3に係る染料層形成用インクの組成を以下に示す。
<染料層形成用インク7>
バインダ樹脂 ポリビニルアセタール 5部
染料 マゼンタ染料(C.I.ディスパースレッド60) 5部
溶剤 メチルエチルケトン 56部
トルエン 28部
2-プロパノール 16部
上述の材料を実施例1と同様の手順で調製することにより、比較例3に係る染料層形成用インク7を得た。
各例の染料層形成用インクについて、以下の項目を評価した。
<表面張力>
各例に係る染料層形成用インクの表面張力を、協和界面科学社製 CBVP-2型を用いてプレート法にて測定した。3回の測定の平均値を算出した。測定室の温湿度は23℃、45%であった。
<インキ粘度>
各例に係る染料層形成用インクの粘度を、東機産業社製BII型粘度計BL型を用いて測定した。ローターはHM-1を使用し、回転速度は60rpm、30rpm、12rpm、6rpmの4条件とした。各条件について6回の測定の平均値を算出した。測定室の温湿度は22℃、41%であった。
<熱転写シート作製における染料層の評価>
各例に係る染料層形成用インクを用い、評価用の熱転写シートを以下の手順で作製した。
<熱転写シートの作製>
基材として、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した。基材の片面に、下記組成の耐熱滑性層形成用インクを、印刷速度300m/分で、グラビアコーティング法により乾燥後の塗布量が0.5g/mになるように塗工し、100℃で乾燥した。これにより、基材の一方の面に耐熱滑性層を形成した。
<耐熱滑性層形成用インク>
シリコンアクリレート 100部
メチルエチルケトン 100部
次に、基材の耐熱滑性層が設けられていない面に、下記組成の下引き層形成用インクを印刷速度300m/分で、グラビアコーティング法により乾燥後の膜厚が0.1g/mになるように塗工し、100℃で乾燥した。これにより、基材のもう一方の面に下引き層を形成した。
<下引き層形成用インク>
ポリビニルピロリドン 100部
純水 600部
2-プロパノール 400部
下引き層の上に、各例に係る染料層形成用インクを印刷速度300m/分で、グラビアコーティング法により、乾燥後の膜厚が0.5g/mになるように塗工し、80℃で乾燥した。これにより、染料層が形成された、各例に係る熱転写シートを得た。
熱転写シートの染料層表面における塗工スジ、および塗工抜けの有無を光学顕微鏡で観察し、下記3段階で評価した。◎および〇が実用上問題ないレベルである。
◎(very good):0.3mm以上の塗工スジおよび塗工抜けを認めない。
〇(good):0.3mm以上0.5mm未満の塗工スジまたは塗工抜けを認める。
×(bad):0.5mm以上の塗工スジまたは塗工抜けを認める。
結果を表1に示す。なお、染料層形成用インクにおける固形分の比率は、いずれの例においても約9%である。
Figure 2023030495000001
いずれの実施例においても、塗工スジや塗工抜けが抑制された良好な染料層が形成された。一方、比較例では、いずれも比較的大きなサイズの塗工スジまたは塗工抜けが認められ、本発明に係る染料層形成用インクの顕著な効果が確認できた。
染料層形成用インクの溶剤組成は、ガスクロマトグラフィーにより容易に特定できる。さらに、熱転写シートについても、ガスクロマトグラフィーを行うことで、染料層の形成に使用されたインクの溶剤組成を特定することができる。
表2に、熱転写シートに対するガスクロマトグラフィーの結果の一例を示す。ガスクロマトグラフィーは以下の手順で行った。
ポリエチレンテレフタレート製の基材上に、染料およびバインダ樹脂の和である固形分比率が7wt%の染料層形成用インクを、印刷速度300m/分でグラビアコーティング法により、乾燥後の膜厚が0.4g/mになるように塗工し、80℃で乾燥することで染料層を形成した。得られた染料層付きPET基材を10cm角に切り出し、バイアル瓶に詰めた。測定はAgilent Technologies社製ヘッドスペースガスクロマトグラフGC7890B/7697Aを用いて行った。昇温プログラムは、60℃で7分間保持した後、30℃/分の速度で昇温、180℃で1分間保持して終了とした。得られた残留溶剤量を染料層形成用インク中の溶剤量で除して溶剤残留率を算出した。
Figure 2023030495000002
表2に示されるように、熱転写シートに形成された染料層における残留溶剤の組成比は使用した染料層形成用インクの溶剤組成比と異なっている。これは各溶剤の沸点や蒸発速度等の違いにより残留のしやすさが異なるためである。
したがって、染料層における残留溶剤量を残留率で除することで使用された染料層形成用インク中における溶剤組成を推定することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせなども含まれる。以下にいくつか変更を例示するが、これらはすべてではなく、それ以外の変更も可能である。これらの変更が2以上適宜組み合わされてもよい。
・本発明に係る熱転写シートにおいて、各層の形成におけるインクの塗布方法に特に制限はなく、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法、リバースロールコート法等を例示できる。
・基材と耐熱滑性層との間に、必要に応じてさらに帯電防止性を備える目的でプライマー層を設けてもよい。
・実施例でも示しているが、基材と染料層の間に、層間密着性、且つ又は発色濃度向上を目的として下引き層を設けてもよい。
・本発明に係る熱転写シートにおいては、耐熱滑性層は必須ではなく、省略されてもよい。
1 熱転写シート
10 基材
20 染料層
30 耐熱滑性層

Claims (6)

  1. 感熱転写方式のプリンタに使用される熱転写シートの染料層を形成するための染料層形成用インクであって、
    染料と、バインダ樹脂と、溶剤とを含み、
    前記溶剤は、メチルエチルケトンを50質量パーセント以上含み、かつ2-プロパノールを15質量パーセント以下含む、
    染料層形成用インク。
  2. 前記溶剤中における前記メチルエチルケトンの比率が70質量パーセント以上80質量パーセント以下である、
    請求項1に記載の染料層形成用インク。
  3. 前記溶剤中における前記2-プロパノールの比率が3質量パーセント以上10質量パーセント以下である、
    請求項1または2に記載の染料層形成用インク。
  4. 前記染料と前記バインダ樹脂の和である固形分の比率が3質量パーセント以上20質量パーセント以下である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の染料層形成用インク。
  5. 基材と、
    前記基材上に請求項1から4のいずれか一項に記載の染料層形成用インクを用いて形成された染料層と、
    を備える、
    熱転写シート。
  6. 前記基材上であって、前記染料層と反対側に形成された耐熱滑性層をさらに備える、
    請求項5に記載の熱転写シート。
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