JP2023029014A - 試料分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁性粒子の捕集率の増大を実現する試料分析装置を提供する。【解決手段】試料分析装置は、特定物質に結合した磁性粒子を含む試料液を捕捉領域に導入する流路と、前記流路に前記試料液を供給する供給手段と、磁場を発生させる磁場構造を有し、前記磁場によって前記磁性粒子を前記捕捉領域に吸着させる、捕捉手段と、前記捕捉領域に吸着した前記特定物質を測定する測定手段と、前記測定手段による測定の後に、前記磁性粒子を前記流路から排出する排出手段と、を備える。前記磁場構造は、前記流路の外側に配置され、着磁方向がそれぞれ異なる複数の磁石を備え、前記複数の磁石は、前記流路側の磁束密度が、前記流路とは反対側の磁束密度よりも大きくなるように配置されている。【選択図】図4

Description

本発明は試料分析装置に関し、たとえば抗原と抗体の反応を利用するものに関する。
初めに、試料分析の例として、免疫分析について説明する。
免疫検査とは、疾病の診断や病態等の診断を目的に、抗原と抗体の特異的な反応を利用して体液(血漿、血清、尿など)中の抗体や抗原を検出または測定することである。代表的な方法として、ELISA法(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay、酵素変易測定法)がある。
ELISA法の典型的な実施過程としては、測定したい抗原に対する抗体(第一抗体)を容器に固相化しておき、そこに血漿、血清、尿などのサンプルを入れ、サンプル中の抗原を第一抗体に結合させる。また、第一抗体に結合した抗原に、標識を結合させた抗体(第二抗体)をさらに結合させる。第一抗体、抗原、第二抗体、標識の結合体を捕集し、標識から発せられる信号を検出することで、サンプル中の抗原の有無や量を測定する。
標識として、例えば、蛍光物質などを用いる。この場合、標識を結合した第二抗体の数、つまり、結合体中の抗原の量に比例して発光が強くなり、蛍光物質の発光を光電子倍増管などで検出することで、サンプル中の抗原を定量することができる。
ELISA法を用いた免疫検査装置の具体的な一例では、固相として磁性粒子が用いられ、第一抗体が磁性粒子の表面に固定化されている。第二抗体には、標識として蛍光色素が結合した物質(発光標識物質)を結合させておく。生体由来の検出物質(抗原)と第一抗体が固定化された磁性粒子とを混合し、抗原抗体反応を生じさせることで、試料に含まれる特定の抗原が第一抗体を介して磁性粒子に結合する。さらに、第二抗体を反応させると、発光標識物質が第二抗体、抗原、第一抗体を介して磁性粒子に結合する。発光標識物質の量は、試料に含まれる検出物質の量、すなわち、抗原の量に依存して増減する。
検出物質が結合した磁性粒子を含む試料を任意の流路に流しながら、流路の途中の所定位置に磁性粒子を吸着させる。吸着した磁性粒子にレーザ等を作用させることにより、磁性粒子に結合した発光標識物質を発光させる。この時の発光強度を検出することで、試料中の検出物質の量すなわち抗原の量を測定することができ、定量的な計測がなされる。
高感度の免疫分析を行うためには、検出物質(抗原)を結合した磁性粒子を、磁石等を用いて特定の場所に吸着させて捕捉し、抗原と結合していない抗体を含む溶液を入れ替える、いわゆるB/F分離(Bound/Free分離、抗原抗体結合体と非結合体の分離)を行う。
分析装置において、磁石等を用いて磁性粒子を所定位置に吸着させる方法として、特許文献1がある。
また、非特許文献1には、物質に対する磁場の作用等が説明されている。
国際公開第2011/155489号パンフレット
本河、「強磁場と物質科学」、まてりあ、37巻、(1998年)、p926-930
磁石等を用いて磁性粒子を吸着させる際には、発光と発光強度の検出を効率よく行うために、流路壁面上の所定範囲(所定位置)への吸着を行う必要がある。しかし、磁性粒子の所定位置への吸着には、以下のような課題がある。
磁性粒子を所定位置に吸着させるには、磁石等を使用して磁場を発生させ、磁性粒子に磁力を働かせる。しかし、所定位置の範囲内において磁場が弱い箇所がある場合には、磁性粒子を十分に吸着させることができない。すなわち、磁性粒子の捕集率が低くなる。これは特に、流路内の試料液の流速が大きい場合、流路の断面積が大きく磁石の磁場が流路断面全体に影響しにくい場合などで顕著である。ここで、捕集率とは、試料に含まれる磁性粒子のうち、所定位置に捕集できた磁性粒子の割合である。
所定位置の範囲内において磁場を十分に強められた場合であっても、磁性粒子を流体中から吸着させるという工程上、磁性粒子の挙動は、流れの向きに応じて上流側と下流側では非対称になる。また、流路内の壁面付近と中央付近でも、流体挙動が異なるために磁性粒子の挙動が異なる。これらから、磁性粒子の吸着分布が不均一になりうる。
磁性粒子の不均一な吸着分布に関して、例えば、所定位置をはみ出した箇所に吸着した磁性粒子は発光に寄与しないため、計測性能を低下させる。また、所定位置の内部において、吸着した磁性粒子の疎密にばらつきが発生することがあり、疎の箇所は発光感度を低下させることから、この場合も計測性能を低下させる。
加えて、磁性粒子の所定位置をはみ出した吸着や吸着時の疎密のばらつきが起こると、B/F分離時の溶液を入れ替える際に、溶液の界面張力により磁性粒子の凝集部に溶液が残存してしまい、十分なB/F分離が達成できない。
特許文献1では、上流下流の非対称性に起因する不均一な吸着を防止する方法として、磁石を傾けて配置した構造、磁石の端部を切除した構造が示されている。これらのような、上流側で流路と磁石との距離を大きくして磁場を弱くする方法は、均一な磁性粒子の捕集を達成する一方で、本来の磁石の材料機能や磁石配置の優位性を一部損なっている。ゆえに、磁性粒子の捕集率の増大が課題であった。ここで、材料機能とは、例えば材料の残留磁束密度などであり、磁石配置の優位性とは、例えば磁場を発生させたい対象に対して磁石が近い位置にあることである。
上記課題を鑑み、本発明は、磁性粒子の捕集率の増大を実現する試料分析装置の提供を目的とする。
本発明に係る試料分析装置の一例は、
特定物質に結合した磁性粒子を含む試料液を捕捉領域に導入する流路と、
前記流路に前記試料液を供給する供給手段と、
磁場を発生させる磁場構造を有し、前記磁場によって前記磁性粒子を前記捕捉領域に吸着させる、捕捉手段と、
前記捕捉領域に吸着した前記特定物質を測定する測定手段と、
前記測定手段による測定の後に、前記磁性粒子を前記流路から排出する排出手段と、
を備えた試料分析装置において、
前記磁場構造は、前記流路の外側に配置され、着磁方向がそれぞれ異なる複数の磁石を備え、前記複数の磁石は、前記流路側の磁束密度が、前記流路とは反対側の磁束密度よりも大きくなるように配置されている、
ことを特徴とする。
ことを特徴とする試料分析装置である。
本発明に係る試料分析装置は、磁性粒子の捕集率を増大させることができる。
実施例1に係る免疫分析装置の概略構成図 レーザ光を用いた免疫分析装置の概略構成図 実施例1に係る免疫分析装置の流路付近の構成の拡大図 実施例1に係る流路付近の拡大図 実施例1に係る磁石構造と発生磁束の図 従来例および実施例1に係る磁場解析結果 従来例および実施例1に係る磁石上面の磁場解析結果 実施例1に係る磁性粒子の挙動を解析するための解析フローチャート 従来例および実施例1に係る磁石構造を用いた際の磁性粒子の挙動解析結果 従来例および実施例1に係る磁性粒子の挙動解析における粒子位置のヒストグラム 実施例2に係る磁石構造 実施例2において磁石数を変えた変形例の磁石構造 実施例3に係る磁石構造 実施例4に係る磁石構造 実施例5に係る磁石構造
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
本実施形態の一つである試料分析装置の例として、ある免疫分析装置に関して説明する。本発明は、免疫分析に限らず、磁性粒子を用いて磁性粒子を捕捉している試料分析装置であれば適用可能であり、DNA、生化学等の分析装置に対しても同様に使用できる。また、以下の説明における方向、向きという言葉は、特に指定がない限り、一般的な物理表現に則って、方向は単に直線の状態を意味し、向きはある始点から一方へ向かっての進行を意味するものとする。
図1に、免疫分析装置の概略構成図を示す。図1において、流路10は、チューブ32およびチューブ33を通して、シッパーノズル30およびポンプ35と接続されている。シッパーノズル30はアーム31により移動可能に取り付けられており、懸濁液容器40、洗浄液容器42、緩衝液容器43がその移動範囲に設置されている。
バルブ36は流路10とポンプ35との間のチューブ33に設けられている。ポンプ35はコントローラ50から、信号線52を通じて制御され、正確な液量の吸引および吐出が可能とされている。ポンプ35はさらにチューブ34を通じて廃液容器45へと続いている。
流路10、流路壁11および12、吸着所定位置14から成る部位を検出部(または、一体の部材としてフローセル)と呼ぶ。フローセルの流路壁11は透明な材料で形成され、内部に溶液が流れる流路10が形成されている。流路壁11および12はたとえばそれぞれ平面状の板を用いて構成することができるが、これに限らない。流路壁11は透明な材料で形成されているため、光を透過するとともに、内部の流動状態が観察可能である。流路壁11の全体が透明である必要は必ずしもなく、光が透過する部分のみ窓として透明であればよい。
流路壁11は、フローセル内の吸着部分に吸着した磁性粒子複合体の標識物質が発する光の波長に対して実質的に透明である材料で製作されるのが好ましく、例えば、ガラス、プラスチックなどで製作されるのが好ましい。
流路10内に設置された吸着所定位置14には、反応場電極16を設置している。また、反応場電極16(吸着所定位置14)から、流路10内の対面周囲に対向電極17が設置されている。さらに、反応場電極16および対向電極17は、リード線19a、19bを介して、電圧印加手段18に接続している。電圧印加手段18は、信号線58によりコントローラ50に接続している。
さらに、磁性粒子の吸着のため、磁場印加手段として磁石15を用いている。磁石15は永久磁石または電磁石である。磁性粒子を吸着させるときは、たとえば磁石15を流路10の直下に移動させる。例えば、水平方向に自由に移動させることができるスライド機構20に磁石15を設置し、磁性粒子を吸着させるときに磁石15を流路10の直下に移動させる。
磁性粒子13は、磁石15の磁場から受ける磁力により、流路10内にて吸着所定位置14に吸着される。吸着所定位置14は、所定の面積を持った面とすると発光測定がしやすい。吸着所定位置14は、本実施例では流路10の底面上に設けることとするが、流路10内の他の面、あるいは、3次元的に配置された複数面にあってもよい。
流路10内を洗浄するときは、たとえば流路10内における磁石15の影響を十分に低減できる位置まで磁石15を移動させることで、十分に洗浄することができる。
スライド機構20は、水平方向への移動を必須とするものではなく、洗浄する際の磁場の影響低減が実現できれば、鉛直方向への移動、あるいは、水平および鉛直の両方向への移動であってもよい。また、磁石15は電磁石でもよく、その場合は、位置の移動ではなく、印加電流によって流路10内における磁場を制御可能である。
コントローラ50は、バルブ36および37、ポンプ35、アーム31、電圧印加手段18、光検出器23、スライド機構20と、信号線51、52、53、54、56、57、58により接続されており、それぞれ独立に制御することができる。
測定においては、コントローラ50によって電圧印加手段18が制御される。それに伴い、流路10内の反応場電極16と対向電極17の間に電圧が印加されると、反応場電極16(吸着所定位置14)上に吸着した磁性粒子13と結合した標識物質を電気化学的に発光させることができる。流路壁11は、光検出器23による測定を可能とするように対向電極17の周囲を透明な材料とすれば、他の部分は透明な材料である必要はない。
反応場電極16および対向電極17の材料は、例えば、金、白金、パラジウム、タングステン、イリジウム、ニッケル及びそれらの合金や炭素材料などで構成することができる。また、反応場電極16および対向電極17は、例えばチタンなどの母材に、前記材料をめっき、スパッタリング等で成膜したものを使用することもできる。
対向電極17を用いた発光方法をとることにより、フローセルに反応場電極16および対向電極17が固定できる。図1の免疫分析装置は、以降の図2にて説明するレーザ光を用いた免疫分析装置と比較して、集光レンズ21、レーザ光源22が不要であることから、レーザ光の位置決めや、吸着所定位置14における透明材料の選定および設置が省略され、装置の簡略化、発光のばらつき抑制が期待できる。
光検出器23には、例えば、カメラや光電子倍増管を用いることができる。
分析対象となる試料とは、血清や尿などの生体由来の物質である。試料が血清の場合、分析されるべき特定成分は、例えば、腫瘍マーカー、抗体、または抗原・抗体複合物、単一タンパク質である。以降の説明では、特定成分は、TSH(甲状腺刺激ホルモン)であるとする。
懸濁液容器40には、前処理過程として、分析対象となる試料がビーズ溶液、試薬と混合されたのち、一定温度(例えば37度)で一定時間反応させたもの(懸濁液)が収容されている。ビーズ溶液とは、粒子状磁性物質をポリスチレンなどのマトリックス材に埋め込んだ磁性粒子13を緩衝液中に分散させた溶液であり、マトリックス材の表面には、ビオチンと結合可能なストレプトアビジンが結合されている。試薬は、磁性粒子13を試料中の特定成分TSHと結合させる物質が含まれており、これには末端をビオチン処理した抗TSH(Thyroid Stimulating Hormone、甲状腺刺激ホルモン)抗体が含まれる。試薬は、分析される特定成分の種類によって異なり、たとえば免疫グロブリン、抗原、抗体またはその他の生物学的物質が使用される。
洗浄液容器42には、流路10およびチューブ32の内部を洗浄するための洗浄液が収容されている。
流路10の形状は、流れに沿った方向の長さ(経路長)と、流れに垂直な断面の厚さ(鉛直方向寸法)および幅(水平方向寸法)を定義した場合に、厚さおよび幅のいずれか大きい方に対して、経路長が2~20倍の長さに形成されることが望ましい。これは、経路を十分に確保することで、流体中の磁性粒子13が、流路10内で広がり、その後、流路10底面上に設けた吸着所定位置14への吸着をしやすくするためである。
流路10内における磁性粒子13の吸着分布は、流路10の近傍に設置された磁石15から受ける磁力と、流体(懸濁液)の流れによる抗力によって決まる。流路10内の磁場は、好ましくは磁束密度の大きさが0.1~0.5Tの強さである。そのときの流体の流速は、好ましくは0.05~0.10m/sである。
磁性粒子13として使用される粒子は、以下に示すような粒子であることが好ましい。(1)常磁性、超常磁性、強磁性、またはフェリ磁性を示す粒子、(2)常磁性、超常磁性、強磁性、またはフェリ磁性を示す粒子を、合成高分子化合物(ポリスチレン、ナイロンなど)、天然高分子(セルロース、アガロースなど)、無機化合物(シリカなど)などの材料に内包した粒子。
また、粒径は0.01~200μmの範囲、さらには1~10μmの範囲が好ましい。比重は1.3~1.5が好ましい。この仕様により、磁性粒子13は、液体内で沈降し難く、懸濁しやすい。粒子の表面には、分析対象物質を特異的に結合する性質を持つ物質、例えば、抗原に特異的に結合する性質を持つ抗体を結合する。
標識物質は、以下に示すような物質であることが好ましい。具体的には、適切な手段により、標識物質を分析対象物質と特異的に結合させ、適切な手段により発光させるという観点で、以下の例が挙げられる。
(1)蛍光免疫測定法で使用される標識物質。例えば、フルオレセインイソチオシアネートで標識した抗体など。
(2)化学発光免疫測定法で使用される標識物質。例えば、アクリジニウムエステルで標識した抗体など。
(3)化学発光酵素免疫測定法で使用される標識物質。例えば、ルミノールやアダマンチル誘導体を発光基質とする化学発光酵素で標識した抗体など。
以上が、本実施例に係る免疫分析装置(図1)の例であるが、機構が異なる変形例に係る装置の一例として、図2に、レーザ光を用いた免疫分析装置の概略構成図を示す。
図2では、流路10の下部周辺に、レーザ光源22、集光レンズ21が設置されており、また、フローセルの流路壁11および12は透明な材料で形成されている。検出部の流路壁11および12内に設置する吸着所定位置14では、流路10の下部からレーザ光源22および集光レンズ21を介して照射されたレーザ光が集光される。その際、吸着所定位置14にレーザ光を照射することができるように、吸着所定位置14は、フローセル内の吸着部分に吸着した磁性粒子複合体の標識物質が発する光の波長に対して実質的に透明である材料で作製されるのが好ましく、例えば、ガラス、プラスチックなどで製作されるのが好ましい。
また、例えば、配置等の工夫により、レーザ光が吸着所定位置14を透過する必要がないようにレーザ光源22、集光レンズ21が構成されている場合には、吸着所定位置14は、その上面に磁性粒子複合体を吸着することを考慮し、金、白金、炭素などの機械強度、耐腐食性、加工効率等に優れた材料で製作することが好ましい。また、レーザ光が吸着所定位置14を透過する必要がない場合には、流路壁12は透明な材料である必要はなく、セラミックス、金属、プラスチックなどの材料を用いることができる。
発光を測定するときには、あらかじめ流路10内の流体を停止させ、さらにスライド機構20により磁石15を流路10直下の位置から排除することで流路10内の磁力を解除する。これにより、磁性粒子13を吸着所定位置14に保持したまま、レーザ光照射による発光を生じさせることができる。磁性粒子13に結合した標識物質からの発光を光検出器23で受光することにより、測定を実施できる。
コントローラ50は、バルブ36および37、ポンプ35、アーム31、レーザ光源22、光検出器23、スライド機構20と、信号線51、52、53、54、55、56、57により接続されており、それぞれ独立に制御することができる。
なお、本変形例(図2)における標識物質は、実施例1(図1)における標識物質とは異なるものを用いてもよい。標識物質の具体例は、当業者が公知技術等に基づいて適宜設計することができる。
図2の免疫分析装置において、コントローラ50、アーム31、スライド機構20、ポンプ35、バルブ36および37、懸濁液容器40、洗浄液容器42、緩衝液容器43、流路10、磁性粒子13、標識物質等は、図1の免疫分析装置の通りである。
次に、本実施例における試料分析装置の動作を、図1の免疫分析装置を例に説明する。
分析の1サイクルは、懸濁液吸引期間、磁性粒子捕捉期間、検出期間、洗浄期間、リセット期間、予備吸引期間からなっている。反応ユニット41で処理した懸濁液の収容された懸濁液容器40が、所定の位置にセットされたところから1サイクルが開始される。
懸濁液吸引期間では、バルブ36は開き、バルブ37は閉じた状態に設定される。コントローラ50の信号により、アーム31が動作し、シッパーノズル30を懸濁液容器40内に挿入する。続いてコントローラ50の信号により、ポンプ35が一定量の吸引動作をする。チューブ32内の流体に吸引されて、懸濁液容器40内の懸濁液がシッパーノズル30を経由してチューブ32内に入る。この状態でポンプ35を停止し、アーム31を動作させてシッパーノズル30を洗浄機構44に挿入する。洗浄機構44を通過時に、シッパーノズル30は洗浄される。
磁性粒子吸着期間では、コントローラ50の信号によりスライド機構20が稼働し、磁石15が流路10の下部へ移動する。コントローラ50からの信号でポンプ35は一定速度で吸引する。その間に、チューブ32内に存在した懸濁液は流路10内を通過する。流路壁11および12内には、磁石15からの磁界が発生しているため、懸濁液に含まれる磁性粒子13は、磁力により磁石15に向かって吸引され、吸着所定位置14に捕捉(吸着)される。一定時間経過後、ポンプ3による懸濁液の吸引を停止する。
検出期間では、スライド機構20が稼働し、磁石15が流路10から遠ざけられる。コントローラ50によって電圧印加手段18が制御され、流路10内の反応場電極16と対向電極17の間に電圧が印加される。これにより、反応場電極16(吸着所定位置14)上に吸着した磁性粒子13と結合した標識物質を電気化学的に発光させることができる。発光は、場合により、フィルターによる波長選択がなされ、カメラや光電子倍増管などの光検出器23により検出される。検出された発光の強度は、信号としてコントローラ50により回収される。一定時間経過後、電圧印加を停止する。検出期間中に、アーム31を稼働し、シッパーノズル30を洗浄機構44に挿入する。
洗浄期間では、ポンプ35を用いて吸引することにより、洗浄液容器42から吸引した洗浄液を流路10内に通過させる。このときは、磁石15は流路10から遠ざかっているため、磁性粒子13は吸着所定位置14に保持されず、洗浄液とともに流し去られる。
リセット期間では、バルブ36を閉じ、バルブ37を開き、ポンプ35を吐出動作する。ポンプ35内の液は、廃液容器45に排出される。
予備吸引期間では、緩衝液容器43から緩衝液を吸引し、チューブ32、流路10内に緩衝液を満たす。予備吸引期間後、次の1サイクルが実行可能になる。
以上説明するように、本実施例に係る試料分析装置は、
‐特定物質(分析対象物質)に結合した磁性粒子13を含む試料液を捕捉領域(吸着所定位置14)に導入する流路と、
‐流路に試料液を供給する供給手段(ポンプ35)と、
‐磁場を発生させる磁場構造を備え、磁場によって磁性粒子13を捕捉領域に吸着させる、捕捉手段(磁石15)と、
‐捕捉領域に吸着した特定物質を測定する測定手段(光検出器23)と、
‐測定手段による測定の後に、磁性粒子を流路から排出する排出手段(ポンプ35)と、
を備える。なお、本実施例では供給手段および排出手段の双方にポンプ35を用いるが、これらに個別の構成要素を用いてもよい。ここで、試料液とは、分析対象物質を含む液体であり、例えば、懸濁液である。
また、図1および図2に関連して上記に説明する構成に代えて、公知の試料分析装置の一部を用いてもよい。
以上の試料分析装置に関して、吸着所定位置14および磁石15の周辺の構造を図3、4、5、6を用いて説明する。以下に説明する構造は、上述の実施例1(図1)および変形例(図2)のいずれにも適用可能である。
図3は免疫分析装置の流路付近の構成の拡大図であり、フローセル中央部における流れの進行方向をx軸、流れに垂直な断面の水平方向をy軸、同鉛直方向をz軸とした座標系を置いた場合に、xy平面の断面(図3(a))とzx平面の断面(図3(b))を示している。
磁性粒子13を含む懸濁液は、図3(b)の流路壁11aと12により形成された経路を+z向きに進み、フローセル内に侵入する。懸濁液は、次いで流路内の流れの向き60の通りに+x向きに進み、流路10の端部に到達すると、流路壁11bと12により形成された経路を-z向きに進み、フローセルから吐出される。この間、懸濁液は磁石15の磁場を受け、磁性粒子13は磁力により吸着所定位置14の表面上に捕捉(吸着)される(吸着した磁性粒子13a)。
図4は、本実施例の磁石構造を用いた際の流路付近の拡大図である。本実施例では、磁石15は、流路の外側に配置され、着磁方向がそれぞれ異なる複数の磁石15aを備える。これら複数の磁石15aによって、磁場構造が形成される。すなわち、磁場構造は、流路の外側に配置され、着磁方向がそれぞれ異なる複数の磁石15aを備える。
図4では、磁石15aとして永久磁石を用い、同じ大きさの磁石15aを3個隙間なくx方向に沿って一列に配置し、各磁石15aの着磁方向を、流路10上流側に配置した個体からそれぞれ-z、+x、+zとした構成を示している。なお、流路10において、懸濁液は上流から下流へと流れる。すなわち、懸濁液とともに流動する一の磁性粒子13が、第1時刻において第1位置にあり、第1時刻より後の第2時刻において第2位置にある場合に、第1位置は第2位置に対して上流であり、第2位置は第1位置に対して下流である。真ん中の磁石を挟み、流路10上流側と下流側の磁石では反対向きの磁束が発生する配置である。
ここで、磁石の着磁の向き61を、一般的な磁束表記に則り、磁石材料内部でS極→N極(空気などの磁石外部ではN極→S極)となるように矢印を用いて示している。
磁石15aには一般的な磁石材料を用いることができ、フェライト磁石、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石などの材料、あるいはそれらの組合せであってもよい。
また、先述の形態に並置される複数の磁石15a同士は、硬化性樹脂などの接着剤によって接着してもよく、あるいは、プラスチックやセラミックスなどの非磁性材料製の治具などによって固定してもよい。
図5は、本実施例の磁石構造と発生磁束である。この図により本実施例の効果の一つを説明する。図5(a)は、図4の形態を3次元的に示した磁石構造である。この形態において、着磁の向き61に沿って発生した磁束線62を、zx平面の磁石断面にて示した図が図5(b)である。磁束線62はループ状であり、例えば、3個の磁石15aのそれぞれの内部においては、着磁の向き61と同じく、流路10上流側に配置した個体から-z、+x、+zの矢印方向を示している。
本実施例では、3個の磁石15aはそれぞれ同一形状の直方体をなし、各面がx軸、y軸またはz軸と直交するよう配置される。なお、具体的な構成は図5に示すものに限らず、たとえば公知のハルバッハ配列を用いてもよい。
着磁の向き61が異なる磁石15aを並べたことにより、磁石外部の一部の領域において、異なる磁石の磁束線62が互いに強め合うように重なり合う。特に、磁石の鉛直上側では、3個配置した磁石15aのうち中央の磁石と、端部にある他2個の磁石とが作る磁束線62の向きが整合することで、磁束ベクトルが合成され、発生する磁束を強め合う。強められた磁束の向き62aの通り、本実施例では、磁石の鉛直上側において-z、+zの向きの磁束が強められる。
このように、複数の磁石15aは、隣接する2つの磁石それぞれが発生する磁束が、吸着所定位置14の少なくとも一部にて強め合うように配置される。「磁束が強め合う」とは、たとえば磁束のベクトルが強め合うことを意味する。または、磁束のベクトルのうち、z方向の成分の符号が一致することを意味する。
このように、図4および図5の配置では、複数の磁石15aは、流路側の磁束密度(たとえば流路側の磁石面における磁束密度)の大きさが、流路とは反対側の磁束密度(たとえば流路とは反対側の磁石面における磁束密度)の大きさよりも、大きくなるように配置される。
これにより本実施例の効果として、流路10にかかる磁場を強めることができ、磁性粒子13の捕集率を増大させることができる。ここで、捕集率とは、試料に含まれる磁性粒子13の数に対する、吸着所定位置14に吸着した磁性粒子13aの数の割合をとった値である。
なお、非特許文献1によれば、磁場中の物質が磁場によって受ける力は、以下の式にて一般に知られている。
F=-grad(E)=(1/μ)χB(dB/dl)
ただし、Fは力のベクトルであり、Eはエネルギのベクトルであり、grad()は空間勾配を表す演算子であり、μは真空の透磁率であり、χは磁化率であり、Bは磁束密度のベクトルであり、lは位置である。
強められた磁場では、磁束密度のベクトルBが増大し、磁性粒子13に働く力も増大する。特に、図5の構成においては、-z、+z成分の磁束密度が強められ、鉛直成分の力に対して機能することから、磁性粒子13を流路10の底面に捕捉したい場合において、磁性粒子13の捕集率が向上する効果がある。
磁束密度の増大を確認するため、磁場解析により、磁束密度の大きさ|B|を計算した(図6)(以下、特に断りがない場合、|B|によって磁束密度の大小を示すものとする)。磁場解析は、マクスウェル方程式およびアンペールの法則に基づく汎用磁場解析手法にて実施した。
図6(a0)は、比較のために用意した、+xに着磁した一個体の磁石モデルであり、磁石外部は空気で満たされている。解析結果を図6(a1)に示した。ここでは、磁場解析を実施した面70aを、zx平面に平行な磁石内部断面とし、面70aのy方向の位置は磁石の中央位置とした。解析結果によれば、磁石の位置71a近傍の空気領域では磁束密度が大きく、また、磁石からの距離が大きくなるにつれて、等方的に磁束密度が小さくなる分布が得られた。
図6(b0)は、本発明の実施例1に係るモデルである。磁石は、図6(a0)と同じ材料と外寸、かつ、図5の配置とした。同じ大きさの磁石15aが3個隙間なくx方向に沿って一列に配置されている。磁場解析を実施した面70bを、zx平面の磁石内部断面とした。
磁場解析の結果を図6(b1)に示した。解析結果より、図6(a1)の一個体の磁石モデルと同じ傾向として、磁石の位置71b近傍の空気領域では磁束密度が大きく、磁石からの距離が大きくなるにつれて磁束密度が小さくなる分布をとる様子が見られた。また図6(b1)では、磁石の鉛直上面の磁束密度が鉛直下面よりも大きくなる結果が得られた。
磁束密度の急激な変化から、図6(a1)よりも、図6(b1)の方が磁束密度の勾配(dB/dl)が大きいことも示された。流路10を磁石表面より鉛直上の位置に設置した場合として図6(a1)(b1)に流路10を記載したが、図6(b1)の本実施例の方が、図6(a1)の場合(一個体の磁石)よりも、流路内に大きな磁束密度を発生していることがわかる。本実施例により、磁束密度およびその勾配が増大することが確認された。
磁束密度およびその勾配が増大するという効果は、例えば、磁石外寸が1~10mmであれば、磁石上側の表面から+z方向に0~1mmの位置にて極めて強く見られ、磁石表面から+z方向に1mm~20mmの位置でもよく見られる。ただし、磁石の材料や寸法、あるいは流路の位置や形状に制限はなく、試料分析装置の構成に応じて磁束密度を強めたい位置を適切に設計することで、より高い効果を得ることができる。
本実施例により、磁石表面において流路10とは反対側の磁束密度を小さくし、流路10側の磁束密度を大きくすることができ、目的とする流路10側に絞って、磁石材料が本来持つ性能(図6(a1)の一個体の磁石モデル)を上回る性能を引き出す効果を得る。また、図6(b1)の磁石の鉛直下面のように、特定の側の面の磁束密度を小さくすることは、当該試料分析装置あるいは隣接して配置する別の装置に対して、磁気ノイズを低減できる。
次に、流路10に着目し、本形態における磁性粒子の捕集率、および、付随する別の効果について、図7、8、9、10を用いて述べる。
図7は、流路10に着目し、図6と同様のモデルおよび条件にて、磁場解析を実施した際の磁石モデルと解析結果である。図7(a0)は+xに着磁した一個体の磁石モデルであり、図7(b0)は本実施例の磁石15aが3個隙間なく配置された磁石モデルである。
各磁石の鉛直上に流路10があることを想定し、磁場解析を実施した面70c、70dを、磁石の上側表面71c、71dよりも鉛直上方の空気領域内に定義した。面70c、70dは、xy平面に平行である。
この配置により、図7(b0)の場合には、磁性粒子13は、流路10を流れることで複数の個体の磁石の上面を通過する。3個の磁石15aを用いる本実施例では、最も上流側の磁石15a(第1磁石)、次の磁石15a(第2磁石)、さらに次(すなわち最も下流側)の磁石15a(第3磁石)について、試料液は、第2磁石および第3磁石より第1磁石に近い領域と、第1磁石および第3磁石より第2磁石に近い領域と、第1磁石および第2磁石より第3磁石に近い領域と、をすべて通過するように、各磁石15aが配置される。このように、3個の磁石15aは、流路10において試料液が流れる方向に並列されており、試料液は、すべての磁石15aの上方を通過する。2個または4個以上の磁石15aを用いる場合も同様の配置が可能である。
図7(a1)(b1)は、それぞれのモデルの磁束密度の解析結果であるが、磁束密度の大きさを比較すると、本実施例に係る図7(b1)の方が大きな値を示した。また、磁石近傍における磁束密度の変化も急激であり、勾配が大きいことも確認された。ゆえに、本実施例を用いることで、磁束密度およびその勾配を増大させることができる。
この傾向は、図7(a2)(b2)に示した磁束密度の鉛直成分においても見られ、本実施例の形態を用いることで、磁性粒子に働く鉛直方向の力を増大させることが確認された。吸着所定位置14を流路10の底面上に設ける場合、流路10内の磁性粒子13は鉛直下向きの磁力によって吸着所定位置14に吸着することから、磁性粒子13の吸着を促進することができる。
ここで、図7(a2)(b2)において、磁石近傍の磁束密度の変化に着目し、磁束密度の鉛直成分が比較的大きな領域(すなわち、周囲より白いまたは黒い領域)について、たとえば同じ黒さ範囲の幅72を比較すると、本実施例に係る図7(b2)の方が狭い幅である。本実施例では、磁石上面の磁束密度が大きな領域から、距離が離れるにつれて急激に磁束密度が減少し、磁性粒子に働く磁力が強い領域と弱い領域が明確に区分される。これにより、吸着所定位置14に磁性粒子13を高密度に吸着させることができ、また同時に、吸着所定位置14以外の場所への吸着を防止できる。吸着分布の制御性を高めることができ、不均一な吸着を防止できる。
本実施例の効果を確かめるために、磁性粒子の挙動を高精度に解析することができる数値シミュレーターを用いて吸着過程を解析した。図8は、流れ場および磁場中の磁性粒子挙動解析のフローチャートを示す。
計算が開始されると(S1)、汎用流体解析ソフトを用いて、流路10内の流体解析を行い、速度場、圧力場を求める。同時に、別途、汎用磁場解析ソフトを用いて、磁石周りの磁場を求める。次に、粒子挙動解析プログラムが流れ場、磁場のデータを読み込み(S2)、各粒子位置における流れ場、磁場の値を用いて粒子にかかる力を計算することができる(S3)。ここで、粒子にかかる力として、流れから受ける力、重力、磁石から受ける力を評価している。各粒子に対して、ニュートンの運動方程式を逐次解くことにより、粒子挙動解析を行って磁性粒子の位置を更新しながら(S4)、磁性粒子の挙動を解析した。指定した経過時間に到達するまで計算を繰り返し(S5)、到達すると計算を終了した(S6)。
図9(a)(b)はそれぞれ、流路10における図7(a0)(b0)の磁石を用いた場合の、磁性粒子の吸着分布を解析した結果である。また図10は、規格化した長さ単位σのもと、吸着した磁性粒子の位置分布を、x軸、y軸に沿ってヒストグラム化したものである。図9(a)、図10(a1)(a2)は一個体の磁石モデルでの磁性粒子の吸着分布、図9(b)、図10(b1)(b2)は、本実施例での磁性粒子の吸着分布である。
図9(a)と(b)、図10(a1)と(b1)、図10(a2)と(b2)にて吸着した磁性粒子の数を比較し、本実施例の方が、磁性粒子の捕集率が大きい結果が得られた。ここで、図9では、流体中の磁性粒子13が吸着所定位置14に吸着した割合を捕集率として示しており、図9(a)の一個体の磁石の場合よりも、図9(b)の本実施例の場合の方が、高い数値であった。
図9にて、点線で示した磁石の位置71に対して、磁性粒子の吸着位置を見比べると、一個体の磁石モデルの場合(図9(a))は、磁石の位置71よりも広いx軸領域に磁性粒子が吸着しており、その増減も位置によってなだらかに変化している。他方で、本実施例の場合(図9(b))では、磁石の位置71と、磁性粒子が多く吸着している位置がほとんど同じ領域である。
これらは、図10(a1)と(b1)に示したx軸のヒストグラムより確認することができる。一個体の磁石モデルの場合(図10(a1))は、吸着所定位置14をはみ出した位置での吸着も一定数見られるが、本実施例の場合(図10(b1))では吸着所定位置14をはみ出した位置での吸着は少数であった。このように、本実施例により吸着位置の制御性が高められる。
さらに言えば、例えば、吸着所定位置14のx方向の寸法を磁石の位置71と合わせるなど、吸着所定位置14の形状や寸法を適正に設計することで、さらなる測定精度の向上が可能である。
以上の本実施例により、磁性粒子の捕集率の増大、磁性粒子の吸着分布の制御性向上による不均一な吸着の抑制、またはそれらの両立を実現する試料分析装置を提供できる。
本発明の他の実施例として、実施例1とは異なる磁石を用いた実施例を示す。実施例2以降では、フローセルなどの磁石以外の試料分析装置については、実施例1と同様であり、詳細な説明は割愛する。各実施例に記載されている形態は、形状、寸法、数等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能であり、また、先述あるいは後述の実施例を含めて複数の実施例を組み合わせても構わない。
本実施例で用いる複数の磁石は、磁性粒子の捕集率が増大する効果、または、磁性粒子の捕集率の増大と磁性粒子の吸着分布の制御性向上による不均一な吸着の抑制を両立する効果が得られる形態であれば、図5とは着磁方向が異なる磁石の組み合わせであっても構わない。
図11(a)は、同じ大きさの磁石15aが3個隙間なく一列に配置した構造を、異なる着磁方向の磁石の組み合わせによって構成した例である。図11(a)のように、流路上流側の個体から、+x、+z、-xの着磁方向で配置した場合であっても、磁束ベクトルの強め合いにより、磁石上面での磁束密度が増大する。これにより、磁性粒子13の捕集率が増大する効果を得る。
本実施例では、隣接する磁石同士の着磁方向が相対的に90度異なる角度であることを基本とするが、磁束ベクトルの強め合いは、隣接する磁石同士の着磁方向が同一(角度の相対差が0度)である場合を除いて、任意の相対差で得ることができる。角度の相対差を-90度~+90度の範囲で定義すると、角度の相対差の絶対値は、0度より大きい値であればよく、好ましくは45度以上、より好ましくは75度以上、さらに好ましくは85度以上であってもよい。相対差の絶対値を90度とすると、磁石の片面(磁石上面)の方がその対面(磁石下面)よりも磁束密度が大きいという効果を得やすいが、吸着所定位置14の形状や目標とする捕集率及び捕捉分布によっては、相対差の絶対値を90度未満に設定してもよい。
また、磁石が3個以上の場合には、隣接する磁石同士の着磁方向の角度の相対差は、すべて同一とする必要はなく、複数ある隣接箇所において、異なる相対差となる角度を併用してもよい。これにより、流路10内に発生する磁束の強め合いの程度、および、流路10とは反対側の空間における磁束の弱め合いの程度を制御できる。
とくに、3個またはそれ以上の磁石を一列に配置した実施形態では、図5(a)や図11(a)を例とするように、反対向きの磁束が発生する2磁石の間に別の磁石を配置する構造により、磁束が強め合う箇所および領域を増大できる。
なお、上記の着磁方向の相対差の変形例は、本実施例に限らず、他の実施例にも適用可能である。
複数の磁石は、流路10を横断する隣接配置であってもよく、例えば、図11(b)の通り、同じ大きさの磁石15aが3個隙間なくy方向に沿って一列に配置した構造であってもよい。複数の磁石15aは、流路10において試料液が流れる方向と垂直な方向に並列されており、試料液がそれぞれ異なる磁石の上方を通過する。
すなわち、この場合には、流路(たとえば吸着所定位置14およびその上方の空間)は、流路を横切る方向に、右側部領域、中央領域および左側部領域を有するということができ、複数の磁石15aは、試料液が、右側部領域、中央領域および左側部領域において、それぞれ異なる磁石15aの上方を通過するように配置されるということができる。
この形態においても、磁石上面での磁束密度が増大する効果、および、磁性粒子13の捕集率が増大する効果を得る。また、特に、図11(b)の構成によりy方向の発生磁場分布を制御できる。従って、磁性粒子13の捕捉後に発光標識物質を発光させる機構の配置形態に応じて、吸着した磁性粒子13aの分布をy方向に対して適正化させる際に有効である。例えば、反応場電極16と対向電極17を用いた機構において、対向電極17をy方向に沿って配置させる場合に、流路中央部、あるいは、流路の側面(フローセル内の、鉛直で流路と平行な壁面)付近に、磁性粒子13が十分に分布して吸着するように制御できる。
複数の磁石の隣接配置は、流路10に対して平行、あるいは、垂直な方向を基本とするが、吸着所定位置14や機構の形状や配置によっては、その他の方向に沿って配置してもよい。例えば、図9に示した吸着所定位置14の配置および形状において、吸着所定位置14を、流路の中心点を中心としてxy平面内で45度回転させた配置を用いる場合、複数の磁石15aの配置も同様に回転させてもよい。
磁石の個数は3個以外でもよく、例えば、図12は、磁石15aを2個(a)、4個(b)、または5個(c)、隙間なくx方向に沿って一列に配置した構造の例である。本実施例の効果の一部は、磁石の個数に限らずに得ることができ、6個以上の磁石を用いても構わない。磁石の個数を増加させることで、発生する磁場の分布を緻密に制御できる。他方で、磁石の個数が少数であれば、磁石同士の接着や固定の省略等により、簡易な製造方法により本実施例の効果を得ることができる。
とくに、複数の磁石として3つ以上の磁石を含むようにすると、磁場の形成を柔軟に制御することが可能になる。3個以上磁石を用いた場合、一列での配置は必須ではなく、例えば、複数の磁石をxy平面内で2次元的に配置しても構わない。x、y方向への並置をそれぞれ複数の磁石によって行った場合、流路10内の磁場を緻密に制御することができる。同様に、複数の磁石を3次元的に配置しても構わない。複数の磁石(例えば、第1~第3までの3個)を3次元的に配置した場合、試料液が流路10内において、第2磁石および第3磁石より第1磁石に近い領域と、第1磁石および第3磁石より第2磁石に近い領域と、第1磁石および第2磁石より第3磁石に近い領域と、をすべて通過するように各磁石が配置されることにより、磁石上面で磁束密度が増大する効果を得やすい。しかしながら、必ずしも先の3領域を通過する配置でなくてもよく、磁石上面で磁束密度が増大する効果が得られる配置であればよい。
また、2個の磁石のみを用いる場合には、2個の磁石の着磁方向は、図12(a)に示すパターンに限らず、図12(c)の5個のうちから任意の隣接する2個を抜き出したパターンを用いてもよい。さらに、3個以上の磁石を用いる場合にも、隣接する2個の磁石の着磁方向として、図12(c)の5個のうちから任意の隣接する2個を抜き出したパターンを用いることができる。
以上により、実施例1と異なる磁石の配置を用いて、磁性粒子の捕集率の増大、磁性粒子の吸着分布の制御性向上による不均一な吸着の抑制、およびそれらの両立を実現する試料分析装置を提供できる。
本実施例で用いる複数の磁石は、それぞれ異なる寸法の磁石であってもよく、例えば、x、yまたはz軸の寸法が異なる磁石を2個以上、隙間なくx方向に沿って一列に配置してもよい。図13は、流路上流側に配置した磁石が流路下流側に配置した磁石よりも小さい構造(図13(a)(b))、および、流路下流側にのみ鉛直方向の磁場を発生させる磁石を配置した構造(図13(c))の例である。
実施例1で示した試料分析装置では、磁性粒子13を流体中から吸着させるという工程上、磁性粒子は先に磁石の流路上流側に接近することとなり、流路上流側で吸着される粒子数、つまりは吸着した磁性粒子の密度が大きくなる。その結果、例えば、一個体の磁石を用いた場合(図6(a)、図7(a))では、流路下流側で吸着される粒子が相対的に少なくなることから、吸着所定位置14における磁性粒子分布の均一性が低下する。
図13(a)(b)は、流路上流側に配置した磁石が流路下流側に配置した磁石よりも小さい構造であり、流路上流側で発生する磁場よりも、流路下流側で発生する磁場の方が大きい。これにより、一個体の磁石を用いた場合で発生しやすい流路上下間での均一性の低下を抑制し、吸着所定位置14における磁性粒子分布の均一性を向上させることができる。
このときの流路上流側の磁石は、図13(a)のように、流路内の流れの向き60と平行な方向(図13(a)ではx方向)寸法を小さくしてもよく、また、図13(b)のように、流路内の流れの向き60とは垂直な方向(y方向あるいはz方向)の寸法を小さくしてもよく、またそれらの組み合わせであってもよい。
流路上流側の磁石の鉛直上側表面と、他の磁石の鉛直上側表面を同一平面上に配置することで、流路上流側で発生する磁場を弱めることなく(磁石材料や配置の優位性を損なうことなく)、流路上流側で発生する磁場よりも、流路下流側で発生する磁場を大きくすることができる。これにより、例えば、高速な流体、大面積の断面を持った流路10など、磁性粒子の吸着がより困難な環境での計測を実現できる。
ただし、流路上流側の磁石の鉛直上側表面と、他の磁石の鉛直上側表面は、必ずしも同一平面上に配置する必要はない。例えば、磁性粒子分布の均一性向上のために、流路下流側で発生する磁場を流路上流側よりもより大きくしたい場合には、流路上流側の磁石の鉛直上側表面を、他の磁石の鉛直上側表面よりも流路から遠ざかる位置に離すことで実現できる。
図13(c)は、流路との対向面の面積が異なる複数(2個)の磁石15aを用いた構造であり、特に、流路上流側の磁石にx方向の寸法が大きいものを使用し、また、流路下流側にのみ鉛直方向の磁場を発生させる磁石を配置した構造である。複数の磁石15aは、第1磁石と、この第1磁石とは流路との対向面の面積が異なる第2磁石と、を備える。この構造は、磁束の強め合いが流路下流側のみで発生するため、流路上流側よりも下流側の磁束密度を大きくすることができる。流路上流側の磁石の寸法が大きいことにより、上流側では一個体の磁石を用いた場合と同様の分布および捕集率で磁性粒子を吸着させることができる。他方で、流路下流側では、一個体の磁石を用いた場合には捕集できずに流出してしまう磁性粒子を、強い磁場によって吸着所定位置14の内部に吸着させ、捕集率向上ならびに均一性向上を実現できる。
上述の実施例3において、「上流」および「下流」という領域は、流路の空間に対して定義されてもよいし、流路の底面について定義されてもよい(他の実施例についても同様である)。空間に対して定義される場合には、複数の磁石15aは、吸着所定位置14の上方の流路内の空間において、上流側の磁束密度よりも、下流側の磁束密度の方が大きくなるように配置されるということができる。一方、底面について定義される場合には、複数の磁石15aは、流路の底面(たとえば吸着所定位置14を構成する部分)において、上流側の磁束密度よりも、下流側の磁束密度の方が大きくなるように配置されるということができる。
本実施例で用いる複数の磁石について、各磁石間には隙間があってもよい。図14は、磁石15aを3個、一部に隙間を設けて、x方向に沿って一列に配置した構造である。この際、隙間は、空気、樹脂材料、セラミックス、金属等で構成してよい。隙間は、例えば、接着剤、あるいは、セラミックス製や金属製の治具による任意の磁石同士の固定などに使用することができる。
隣接する2つの磁石同士の隙間は、磁束ベクトルの合成により磁場が強め合う寸法とすることができる。隣接する2つの磁石をx軸に沿って配置したと仮定して、磁束密度および勾配を増大させるためには、磁石同士の最小距離(間隔)は、双方の磁石のx軸寸法の大きい方(Lxとする)よりも小さい方が好ましい。すなわち、複数の磁石15aは、隣接する2つの磁石の間隔が、当該隣接する2つの磁石いずれの幅(配列方向の寸法)よりも小さくなるように配置することが好ましい。
同様の観点から、磁石同士の最小距離(間隔)は、Lx/2よりも小さい方がより好ましい。とくに、図14に示す上流側2個の磁石のように、磁石同士を接触させることが、磁束密度および勾配を増大させるためにはさらに好ましい。
本実施例で用いる複数の磁石において、各磁石の形状は直方体に限るものではなく、例えば、溝、凹凸などの特異な部位を含む形状であってもよい。図15は、溝あるいは凹凸に類する形状を持つ磁石15aを少なくとも1個以上使用し、磁石15aを3個、x方向に沿って一列に配置した構造である。
図15(a)は、同じ大きさの磁石15aが3個隙間なく一列に配置した構造(図5(a))において、流路上流側に位置する磁石について、y方向の中央部に溝を形成した形態である。溝に対応する体積だけ流路上流側の磁石を小さくすることで、流路上流側で発生する磁場よりも、流路下流側で発生する磁場を大きくすることができ、磁性粒子分布の均一性を向上させることができる。また、y方向の中央部に、z方向に延びる溝を形成することにより、流路中央部よりも側壁側(y方向両側)での磁場を強めることができる。このような構造により、y方向での磁性粒子分布の制御性を向上できる。
図15(a)の例では、流路(たとえば吸着所定位置14およびその上方の空間)は、流路を横切る方向(とくに水平に横切る方向)に、右側部領域、中央領域および左側部領域を有するということができ、複数の磁石のうち少なくとも1つ(上流側の磁石)は、その磁石によって右側部領域および左側部領域に発生する磁束密度が、その磁石によって中央領域に発生する磁束密度よりも大きくなる形状であるということができる。
溝あるいは凹凸を鋭利な形状(たとえば90度の凹凸を含む)で形成することで、磁石から空気領域への磁束密度勾配を増大でき、捕集率を向上したいフローセルの設計に有用である。特に、捕集率向上の観点から、例えば、吸着所定位置14とそれ以外の領域の界面付近で本実施例の構成を用いることが望ましい。
図15(b)は、同じ大きさの磁石15aが3個隙間なく一列に配置した構造(図5(a))において、中央および流路下流側に位置する磁石について、互いに篏合する凹凸を形成した形態である。隣接する2つの磁石が、互いに篏合する形状の面を介して対向する。なお、図15(b)の例では、対向して接触しているが、対向した配置で図14のように離間して配置されてもよい。
中央の磁石は、直方体の+x側の面のy方向両側を除去して+xの向きに凸を形成した形状であり、元の直方体より体積が小さい。下流側の磁石は、直方体の-x側の面のy方向両側を-x側に突出させることによって、-xの向きに面した凹を形成した形状であり、元の直方体より体積が大きい。このように、流路下流側の磁石を大きくすることで、流路上流側で発生する磁場よりも、流路下流側で発生する磁場を大きくすることができ、x軸方法に対して磁性粒子分布の均一性を向上させることができる。
溝あるいは凹凸を、なだらかな形状(例えば45度以下の凹凸を含む)で形成することで、鋭利な形状で形成した場合に比べ、磁石が隣接する領域での急激な磁場の変化を抑制でき、均一性を向上したいフローセルの設計に有用である。これは特に、磁性粒子が吸着した箇所での分布にかかわることから、吸着所定位置14の内部で本形態を用いることが望ましい。
上述の実施例および変形例において、複数の磁石は、永久磁石を含んでもよいし、電磁石を含んでもよい。永久磁石を用いると、発熱を抑制することができる。電磁石を用いると、磁場が不要な場合には磁場を消去し、磁場による周辺の構成への影響を抑制することができる。
また、複数の磁石は、永久磁石および電磁石を含んでもよい。または、複数の磁石は、第1材料からなる永久磁石と、第1材料とは異なる第2材料からなる永久磁石とを含んでもよい。材料はたとえばネオジム、フェライト、サマリウムコバルト、アルニコ等であるが、公知技術等に基づいて適宜選択可能である。このように異なる構成の磁石を用いることにより、各位置における磁場のより柔軟な制御が可能になる。
以上の実施例により、本発明の実施例および変形例を具体的に説明したが、本発明は上述の実施例および変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。本発明の実施例および変形例により、磁性粒子の捕集率の増大、磁性粒子の吸着分布の制御性向上による不均一な吸着の抑制、およびそれらの両立を実現する試料分析装置を提供できる。
10…流路
11、12…流路壁
11a、11b…流路壁
13…磁性粒子
13a…吸着した磁性粒子
14…吸着所定位置(補足領域)
15、15a…磁石
16…反応場電極
17…対向電極
18…電圧印加手段
19a、19b…リード線
20…スライド機構
21…集光レンズ
22…レーザ光源
23…光検出器
30…シッパーノズル
31…アーム
32、33、34…チューブ
35…ポンプ
36、37…バルブ
40…懸濁液容器
41…反応ユニット
42…洗浄液容器
43…緩衝液容器
44…洗浄機構
45…廃液容器
50…コントローラ
51、52、53、54、55、56、57、58…信号線
60…流路内の流れの向き
61…着磁の向き
62…磁束線
62a…強められた磁束の向き
70a、70b、70c、70d…磁場解析を実施した面
71、71a、71b…磁石の位置
71c、71d…磁石の上側表面
72…磁束密度の鉛直成分が比較的大きな領域の幅

Claims (14)

  1. 特定物質に結合した磁性粒子を含む試料液を捕捉領域に導入する流路と、
    前記流路に前記試料液を供給する供給手段と、
    磁場を発生させる磁場構造を有し、前記磁場によって前記磁性粒子を前記捕捉領域に吸着させる、捕捉手段と、
    前記捕捉領域に吸着した前記特定物質を測定する測定手段と、
    前記測定手段による測定の後に、前記磁性粒子を前記流路から排出する排出手段と、
    を備えた試料分析装置において、
    前記磁場構造は、前記流路の外側に配置され、着磁方向がそれぞれ異なる複数の磁石を備え、前記複数の磁石は、前記流路側の磁束密度が、前記流路とは反対側の磁束密度よりも大きくなるように配置されている、
    ことを特徴とする試料分析装置。
  2. 請求項1に記載の試料分析装置において、
    前記複数の磁石は、隣接する2つの磁石それぞれが発生する磁束が、前記捕捉領域の少なくとも一部にて強め合うように配置されている、
    ことを特徴とする試料分析装置。
  3. 請求項1に記載の試料分析装置において、
    前記複数の磁石は、前記流路において前記試料液が流れる方向に並列されており、前記試料液は、すべての前記複数の磁石の上方を通過することを特徴とする試料分析装置。
  4. 請求項1に記載の試料分析装置において、
    前記複数の磁石は、前記流路において前記試料液が流れる方向と垂直な方向に並列されており、前記試料液がそれぞれ異なる磁石の上方を通過することを特徴とする試料分析装置。
  5. 請求項1に記載の試料分析装置において、
    前記複数の磁石は、前記捕捉領域の上方の前記流路内の空間において、前記流路の上流側の磁束密度よりも、前記流路の下流側の磁束密度の方が大きくなるように配置されている
    ことを特徴とする試料分析装置。
  6. 請求項1に記載の試料分析装置において、前記複数の磁石は3つ以上の磁石を含むことを特徴とする試料分析装置。
  7. 請求項1に記載の試料分析装置において、
    前記複数の磁石は、前記捕捉領域を構成する前記流路の底面において、前記流路の上流側の磁束密度よりも、前記流路の下流側の磁束密度の方が大きくなるように配置されている
    ことを特徴とする試料分析装置。
  8. 請求項1に記載の試料分析装置において、
    前記複数の磁石は、隣接する2つの磁石の間隔が、当該隣接する2つの磁石いずれの幅よりも小さくなるように配置されている、
    ことを特徴とする試料分析装置。
  9. 請求項1に記載の試料分析装置において、
    前記複数の磁石は、隣接する2つの磁石が、互いに篏合する形状の面を介して対向するように配置されている
    ことを特徴とする試料分析装置。
  10. 請求項5に記載の試料分析装置において、
    前記流路は、前記流路を横切る方向に、右側部領域、中央領域および左側部領域を有し、
    前記複数の磁石のうち少なくとも1つは、その磁石によって前記右側部領域および前記左側部領域に発生する磁束密度が、その磁石によって前記中央領域に発生する磁束密度よりも大きくなる形状である、
    ことを特徴とする試料分析装置。
  11. 請求項1に記載の試料分析装置において、前記複数の磁石は永久磁石を含むことを特徴とする試料分析装置。
  12. 請求項1に記載の試料分析装置において、前記複数の磁石は電磁石を含むことを特徴とする試料分析装置。
  13. 請求項1に記載の試料分析装置において、前記複数の磁石は、
    ‐永久磁石および電磁石を含むか、または、
    ‐第1材料からなる永久磁石と、第2材料からなる永久磁石とを含む、
    ことを特徴とする試料分析装置。
  14. 請求項1に記載の試料分析装置において、
    前記複数の磁石は、第1磁石と、前記第1磁石とは前記流路との対向面の面積が異なる第2磁石と、を備えることを特徴とする試料分析装置。
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