JP2023028910A - 情報処理装置、情報処理方法、記録システム、およびプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、記録システム、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】欠陥部分とコードとが重なる可能性を低減すること。【解決手段】1つ以上の画像が記録領域に面付けされた面付け画像データの各画像を識別するためのコードを生成するコード生成手段と、コードを記録領域に配置するための候補となる候補領域を、複数の面付け画像データの各ページの記録領域においてコードが同一の位置に記録されないように決定する候補領域決定手段と、候補領域決定手段において決定された候補領域のうちの少なくとも一つの領域にコードが配置されるように、面付け画像データに基づく記録データを生成する記録データ生成手段と、生成した記録データを記録装置に出力する出力手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。【選択図】図13

Description

本発明は、記録装置から出力される記録物を検査するための技術に関する。
近年、バリアブル印刷を行う記録装置が増加している。バリアブル印刷とは、版を用いずに一枚一枚異なる図柄を連続で印刷すること意味するものとする。
特許文献1では、検査対象の記録物の各ページに、それぞれに紐づく比較対象の元画像データを表す識別情報が記録される。識別情報は、1次元バーコード、2次元バーコードまたは数値など(以下、まとめてコードと呼ぶ)の形式で記録され、検査対象の記録物を読み取る際に同時にコードを読み取り、元データと紐づけて比較することにより記録物の品質の検査が行われる。
特開2011-248577号公報
記録物には装置の様々な要因によって欠陥が発生する。特に、装置上の特定の場所に発生した不具合は、記録媒体上の固定の位置に画像欠陥として発生し続けることがある。欠陥が発生し続ける位置とバリアブル検査のためのコードが埋め込まれた位置とが重なってしまうと、検査を正常に実行できないこと虞がある。
そこで、本発明は、欠陥部分とコードとが重なる可能性を低減することを目的とする。
本発明の一態様に係る情報処理装置は、1つ以上の画像が記録領域に面付けされた面付け画像データの各画像を識別するためのコードを生成するコード生成手段と、前記コードを前記記録領域に配置するための候補となる候補領域を、複数の面付け画像データの各ページの記録領域において前記コードが同一の位置に記録されないように決定する候補領域決定手段と、前記候補領域決定手段において決定された前記候補領域のうちの少なくとも一つの領域に前記コードが配置されるように、前記面付け画像データに基づく記録データを生成する記録データ生成手段と、前記生成した記録データを記録装置に出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、欠陥部分とコードとが重なる可能性を低減することができる。
記録システムの概要図である。 記録ユニットの斜視図である。 記録ユニットの変位態様の説明図である。 記録システムの制御系のブロック図である。 記録システムの制御系のブロック図である。 記録システムの動作例の説明図である。 記録システムの動作例の説明図である。 記録ヘッドのノズル配列を示す図である。 画像処理部での処理を説明するフロー図である。 検査部での処理を説明するフロー図である。 原稿データの生成処理のフロー図である。 生成される面付けデータの例である。 コードの埋め込み位置決定のフロー図である。 1ページ目における埋め込み位置決定フローの各ステップの説明図である。 格子の絞り込み処理のフロー図である。 2ページ目における埋め込み位置決定フローの各ステップの説明図である。 原稿データの生成処理のフロー図である。 生成される面付けデータの例である。 原稿データの生成処理のフロー図である。 生成される面付けデータの例である。 1ページ目における埋め込み位置決定フローの各ステップの説明図である。 コード解析部において実施される解析のフロー図である。
<<実施形態1>>
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。各図において、矢印XおよびYは水平方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
<記録システム>
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム1を概略的に示した正面図である。記録システム1は、転写体2を介して記録媒体Pにインク像を転写することで記録物P’を製造する、枚葉式のインクジェットプリンタである。記録システム1は、記録装置1Aと、搬送装置1Bとを含む。本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、記録システム1の幅方向(全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。記録媒体PはX方向に搬送される。
なお、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も含まれ、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。また、本実施形態では「記録媒体」としてシート状の紙を想定するが、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。
インクの成分については、特に限定はないが、本実施形態では、色材である顔料、水、樹脂を含む水性顔料インクを用いる場合を想定する。
<記録装置>
記録装置1Aは、記録ユニット3、転写ユニット4および周辺ユニット5A~5D、および、供給ユニット6を含む。
<記録ユニット>
記録ユニット3は、複数の記録ヘッド30と、キャリッジ31とを含む。図1と図2を参照する。図2は記録ユニット3の斜視図である。記録ヘッド30は、転写体2に液体インクを吐出し、転写体2上に記録画像のインク像を形成する。
本実施形態の場合、各記録ヘッド30は、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの記録媒体の画像配置領域の幅分をカバーする範囲にノズルが配列されている。記録ヘッド30は、その下面に、ノズルが開口したインク吐出面を有しており、インク吐出面は、微小隙間(例えば数mm)を介して転写体2の表面と対向している。図8は、記録ヘッド30のノズル配列を示す図である。図のように記録ヘッド30には、複数の吐出基板301、302、303、304…がY方向にオーバーラップした状態で配置されている。各吐出基板にはそれぞれノズル配列方向に延びる8列のノズル列a~hが配列している。各ノズル列のY方向のノズル間隔は1200dpiである。ここでは、ノズル列a~hがX方向に1200dpiの1/4ずつずれながら配置されている。吐出基板301、302、303、304…はノズル配列方向に沿って配置され、同様のノズルが配列された複数の記録ヘッド30がノズル配列方向に交差する方向に配置されている。そして、記録媒体上の対応する領域に対して複数色のインクを吐出することで、画像を記録する。本実施形態の場合、転写体2は円軌道上を循環的に移動する構成であるため、複数の記録ヘッド30は、放射状に配置されている。
各ノズルには吐出素子が設けられている。吐出素子は、例えば、ノズル内に圧力を発生させてノズル内のインクを吐出させる素子であり、公知のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの技術が適用可能である。吐出素子としては、例えば電気-熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気-機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。高速で高密度の記録の観点からは電気-熱変換体を利用した吐出素子を用いることができる。
本実施形態の場合、記録ヘッド30は、9つ設けられている。各記録ヘッド30は、互いに異なる種類のインクを吐出する。異なる種類のインクとは、例えば、色材が異なるインクであり、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク等のインクである。1つの記録ヘッド30は1種類のインクを吐出するが、1つの記録ヘッド30が複数種類のインクを吐出する構成であってもよい。このように複数の記録ヘッド30を設けた場合、そのうちの一部が色材を含まないインク(例えばクリアインク)を吐出してもよい。
キャリッジ31は、複数の記録ヘッド30を支持する。各記録ヘッド30は、インク吐出面側の端部がキャリッジ31に固定されている。これにより、インク吐出面と転写体2との表面の隙間をより精密に維持することができる。キャリッジ31は、案内部材RLの案内によって、記録ヘッド30を搭載しつつ変位可能に構成されている。本実施形態の場合、案内部材RLは、Y方向に延設されたレール部材であり、X方向に離間して一対設けられている。キャリッジ31のX方向の各側部にはスライド部32が設けられている。スライド部32は案内部材RLと係合し、案内部材RLに沿ってY方向にスライドする。
<転写ユニット>
図1を参照して転写ユニット4について説明する。転写ユニット4は、転写ドラム(転写胴)41と圧胴42とを含む。これらの胴は、Y方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。図1において、転写ドラム41および圧胴42の各図形内に示した矢印は、これらの回転方向を示しており、転写ドラム41は時計回りに、圧胴42は反時計回りに回転する。
転写ドラム41は、その外周面に転写体2を支持する支持体である。転写体2(中間転写体)は、転写ドラム41の外周面上に、周方向に連続的にあるいは間欠的に設けられる。連続的に設けられる場合、転写体2は無端の帯状に形成される。間欠的に設けられる場合、転写体2は、有端の帯状に複数のセグメントに分けて形成され、各セグメントは転写ドラム41の外周面に等ピッチで円弧状に配置することができる。
転写ドラム41の回転により、転写体2は円軌道上を循環的に移動する。転写ドラム41の回転位相により、転写体2の位置は、吐出前処理領域R1、吐出領域R2、吐出後処理領域R3およびR4、転写領域R5、転写後処理領域R6に区別することができる。転写体2はこれらの領域を循環的に通過する。
吐出前処理領域R1は、記録ユニット3によるインクの吐出前に転写体2に対する前処理を行う領域であり、周辺ユニット5Aによる処理が行われる領域である。本実施形態の場合、反応液が付与される。吐出領域R2は記録ユニット3が転写体2にインクを吐出してインク像を形成する形成領域である。吐出後処理領域R3およびR4はインクの吐出後にインク像に対する処理を行う処理領域であり、吐出後処理領域R3は周辺ユニット5Bによる処理が行われる領域であり、吐出後処理領域R4は周辺ユニット5Cによる処理が行われる領域である。転写領域R5は転写ユニット4により転写体2上のインク像が記録媒体Pに転写される領域である。転写後処理領域R6は、転写後に転写体2に対する後処理を行う領域であり、周辺ユニット5Dによる処理が行われる領域である。
本実施形態の場合、吐出領域R2は、一定の区間を有する領域である。他の領域R1、R3~R6は、吐出領域R2に比べるとその区間は狭い。時計の文字盤に喩えると、本実施形態の場合、吐出前処理領域R1は概ね10時の位置であり、吐出領域R2は概ね11時から1時の範囲であり、吐出後処理領域R3は概ね2時の位置であり、吐出後処理領域R4は概ね4時の位置である。転写領域R5は概ね6時の位置であり、転写後処理領域R6は概ね8時の領域である。
圧胴42は、その外周面が転写体2に圧接される。圧胴42の外周面には、記録媒体Pの先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。グリップ機構は圧胴42の周方向に離間して複数設けてもよい。記録媒体Pは圧胴42の外周面に密接して搬送されつつ、圧胴42と転写体2とのニップ部を通過するときに、転写体2上のインク像が転写される。
転写ドラム41と圧胴42とを駆動するモータ等の駆動源は、これらに共通とし、歯車機構等の伝達機構により、駆動力を分配することができる。
<周辺ユニット>
周辺ユニット5A~5Dは転写ドラム41の周囲に配置されている。本実施形態の場合、周辺ユニット5A~5Dは、順に、付与ユニット、吸収ユニット、加熱ユニット、清掃ユニットである。
付与ユニット5Aは、記録ユニット3によるインクの吐出前に、転写体2上に反応液を付与する機構である。反応液は、インクを高粘度化する成分を含有する液体である。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している色材や樹脂等がインクを高粘度化する成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインクの粘度の上昇が認められることである。このインクの高粘度化には、インク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材や樹脂等のインクを構成する成分の一部が凝集することにより局所的に粘度の上昇が生じる場合も含まれる。
インクを高粘度化する成分は、金属イオン、高分子凝集剤など、特に制限はないが、インクのpH変化を引き起こして、インク中の色材を凝集させる物質を用いることができ、有機酸を用いることができる。反応液の付与機構としては、例えば、ローラ、記録ヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。転写体2に対するインクの吐出前に反応液を転写体2に付与しておくと、転写体2に達したインクを直ちに定着させることができる。これにより、隣接するインク同士が混ざり合うブリーディングを抑制することができる。
吸収ユニット5Bは、転写前に、転写体2上のインク像から液体成分を吸収する機構である。インク像の液体成分を減少させることで、記録媒体Pに記録される画像のにじみ等を抑制することができる。液体成分の減少を異なる視点で説明すれば、転写体2上のインク像を構成するインクを濃縮すると表現することもできる。インクを濃縮するとは、インクに含まれる液体成分が減少することによって、インクに含まれる色材や樹脂といった固形分の液体成分に対する含有割合が増加することを意味する。
吸収ユニット5Bは、例えば、インク像に接触してインク像の液体成分の量を減少させる液吸収部材を含む。液吸収部材はローラの外周面に形成されてもよいし、液吸収部材が無端のシート状に形成され、循環的に走行されるものでもよい。インク像の保護の点で、液吸収部材の移動速度を転写体2の周速度と同じにして液吸収部材を転写体2と同期して移動させてもよい。
液吸収部材は、インク像に接触する多孔質体を含んでもよい。液吸収部材へのインク固形分付着を抑制するため、インク像に接触する面の多孔質体の孔径は、10μm以下であってもよい。ここで、孔径とは平均直径のことを示し、公知の手段、例えば水銀圧入法や、窒素吸着法、SEM画像観察等で測定可能である。なお、液体成分は、一定の形を有さず、流動性があり、ほぼ一定の体積を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクや反応液に含まれる水や有機溶媒等が液体成分として挙げられる。
加熱ユニット5Cは、転写前に、転写体2上のインク像を加熱する機構である。インク像を加熱することで、インク像中の樹脂が溶融し、記録媒体Pへの転写性を向上する。加熱温度は、樹脂の最低造膜温度(MFT)以上とすることができる。MFTは一般的に知られている手法、例えばJIS K 6828-2:2003や、ISO2115:1996に準拠した各装置で測定することが可能である。転写性及び画像の堅牢性の観点から、MFTよりも10℃以上高い温度で加熱してもよく、更に、20℃以上高い温度で加熱してもよい。加熱ユニット5Cは、例えば、赤外線等の各種ランプ、温風ファン等、公知の加熱デバイスを用いることができる。加熱効率の点で、赤外線ヒータを用いることができる。
清掃ユニット5Dは、転写後に転写体2上を清掃する機構である。清掃ユニット5Dは、転写体2上に残留したインクや、転写体2上のごみ等を除去する。清掃ユニット5Dは、例えば、多孔質部材を転写体2に接触させる方式、ブラシで転写体2の表面を擦る方式、ブレードで転写体2の表面をかきとる方式等の公知の転写方式を適宜用いることができる。また、清掃に用いる清掃部材は、ローラ形状、ウェブ形状等、公知の形状を用いることができる。
以上の通り、本実施形態では、付与ユニット5A、吸収ユニット5B、加熱ユニット5C、清掃ユニット5Dを周辺ユニットとして備えるが、これらの一部のユニットに転写体2の冷却機能を付与するか、あるいは、冷却ユニットを追加してもよい。本実施形態では、加熱ユニット5Cの熱により転写体2の温度が上昇する場合がある。記録ユニット3により転写体2にインクを吐出した後、インク像がインクの主溶剤である水の沸点を超えると、吸収ユニット5Bによる液体成分の吸収性能が低下する場合がある。吐出されたインクが水の沸点未満に維持されるように転写体2を冷却することで、液体成分の吸収性能を維持することができる。
冷却ユニットは、転写体2に送風する送風機構や、転写体2に部材(例えばローラ)を接触させ、この部材を空冷または水冷で冷却する機構であってもよい。また、清掃ユニット5Dの清掃部材を冷却する機構であってもよい。冷却タイミングは、転写後、反応液の付与前までの期間であってもよい。
<供給ユニット>
供給ユニット6は、記録ユニット3の各記録ヘッド30にインクを供給する機構である。供給ユニット6は記録システム1の後部側に設けられていてもよい。供給ユニット6は、インクの種類毎に、インクを貯留する貯留部TKを備える。貯留部TKは、メインタンクとサブタンクとによって構成されてもよい。各貯留部TKと各記録ヘッド30とは流路6aで連通し、貯留部TKから記録ヘッド30へインクが供給される。流路6aは、貯留部TKと記録ヘッド30との間でインクを循環させる流路であってもよく、供給ユニット6はインクを循環させるポンプ等を備えてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インク中の気泡を脱気する脱気機構を設けてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インクの液圧と大気圧との調整を行うバルブを設けてもよい。貯留部TK内のインク液面が、記録ヘッド30のインク吐出面よりも低い位置となるように、貯留部TKと記録ヘッド30のZ方向の高さが設計されてもよい。
<搬送装置>
搬送装置1Bは、記録媒体Pを転写ユニット4へ給送し、インク像が転写された記録物P’を転写ユニット4から排出する装置である。搬送装置1Bは、給送ユニット7、複数の搬送胴8、8a、二つのスプロケット8b、チェーン8cおよび回収ユニット8dを含む。図1において、搬送装置1Bの各構成の図形の内側の矢印はその構成の回転方向を示し、外側の矢印は記録媒体Pまたは記録物P’の搬送経路を示している。記録媒体Pは給送ユニット7から転写ユニット4へ搬送され、記録物P’は転写ユニット4から回収ユニット8dへ搬送される。給送ユニット7側を搬送方向で上流側と呼び、回収ユニット8d側を下流側と呼ぶ場合がある。
給送ユニット7は、複数の記録媒体Pが積載される積載部を含むと共に、積載部から一枚ずつ記録媒体Pを、最上流の搬送胴8に給送する給送機構を含む。各搬送胴8、8aはY方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。各搬送胴8、8aの外周面には、記録媒体P(または記録物P’)の先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。各グリップ機構は、隣接する搬送胴間で記録媒体Pを受け渡されるように、その把持動作および解除動作が制御される。
二つの搬送胴8aは、記録媒体Pの反転用の搬送胴である。記録媒体Pを両面記録する場合、表面への転写後に、圧胴42から下流側に隣接する搬送胴8へ記録媒体Pを渡さずに、搬送胴8aに渡す。記録媒体Pは、二つの搬送胴8aを経由して表裏が反転され、圧胴42の上流側の搬送胴8を経由して再び圧胴42へ渡される。これにより、記録媒体Pの裏面が転写ドラム41に面することになり、裏面にインク像が転写される。
チェーン8cは、二つのスプロケット8b間に巻き回されている。二つのスプロケット8bの一方は駆動スプロケットであり他方は従動スプロケットである。駆動スプロケットの回転によりチェーン8cが循環的に走行する。チェーン8cには、その長手方向に離間して複数のグリップ機構が設けられている。グリップ機構は、記録物P’の端部を把持する。下流端に位置する搬送胴8からチェーン8cのグリップ機構に記録物P’が渡され、グリップ機構に把持された記録物P’はチェーン8cの走行により回収ユニット8dへ搬送され、把持が解除される。これにより記録物P’が回収ユニット8d内に積載される。
<後処理ユニット>
搬送装置1Bには、後処理ユニット10A、10Bが設けられている。後処理ユニット10A、10Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’に対して後処理を行う機構である。後処理ユニット10Aは、記録物P’の表面に対する処理を行い、後処理ユニット10Bは、記録物P’の裏面に対する処理を行う。処理の内容としては、例えば、記録物P’の画像記録面に、画像の保護や艶出し等を目的としたコーティングを挙げることができる。コーティングの内容としては、例えば、液体の塗布、シートの溶着、ラミネート等を挙げることができる。
<検査ユニット>
搬送装置1Bには、検査ユニット9A、9Bが設けられている。検査ユニット9A、9Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’の検査を行う機構である。
本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Aは、連続的に行われる記録動作中に、記録画像を撮影する。検査ユニット9Aが撮影した画像に基づいて、記録画像の色味などの経時変化を確認し、画像データあるいは記録データの補正の可否を判断することができる。本実施形態における検査ユニット9Aは、記録物P‘全面を撮影可能な撮像範囲を設定されている。
本実施形態の場合、検査ユニット9Bも、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Bは、テスト記録動作において記録画像を撮影する。検査ユニット9Bは、記録画像の全体を撮影し、検査ユニット9Bが撮影した画像に基づいて、記録データに関する各種の補正の基本設定を行うことができる。本実施形態の場合、チェーン8cで搬送される記録物P’を撮影する位置に配置されている。検査ユニット9Bにより記録画像を撮影する場合、チェーン8cの走行を一時的に停止して、その全体を撮影する。検査ユニット9Bは、記録物P’上を走査するスキャナであってもよい。
<制御ユニット>
次に、記録システム1の制御ユニットについて説明する。図4および図5は記録システム1の制御ユニット13のブロック図である。制御ユニット13は、上位装置(DFE)HC2に通信可能に接続され、また、上位装置HC2はホスト装置HC1に通信可能に接続される。
ホスト装置HC1では、記録画像の元になる原稿データが生成、あるいは保存される。ここでの原稿データは、例えば、文書ファイルや画像ファイル等の電子ファイルの形式で生成される。この原稿データの生成時には、成果物となる原稿データに対し、その原稿データが記録された際の検査に用いる検査用のコードを一緒に埋め込んでおく。コードの埋め込み方法に関しては後述の実施形態で詳細に説明を行う。
この原稿データは、上位装置HC2へ送信され、上位装置HC2では、受信した原稿データを制御ユニット13で利用可能なデータ形式(例えば、RGBで画像を表現するRGBデータ)に変換する。変換後のデータは、画像データとして上位装置HC2から制御ユニット13へ送信され、制御ユニット13は受信した画像データに基づき、記録動作を開始する。
本実施形態の場合、制御ユニット13は、メインコントローラ13Aと、エンジンコントローラ13Bとに大別される。メインコントローラ13Aは、処理部131、記憶部132、操作部133、画像処理部134、通信I/F(インタフェース)135、バッファ136および通信I/F137、検査部138を含む。
処理部131は、CPU等のプロセッサであり、記憶部132に記憶されたプログラムを実行し、メインコントローラ13A全体の制御を行う。記憶部132は、RAM、ROM、ハードディスク、SSD等の記憶デバイスであり、CPU131が実行するプログラムや、データを格納し、また、CPU131にワークエリアを提供する。操作部133は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力デバイスであり、ユーザの指示を受け付ける。
画像処理部134は例えば画像処理プロセッサを有する電子回路である。バッファ136は、例えば、RAM、ハードディスクやSSDである。通信I/F135は上位装置HC2との通信を行い、通信I/F137はエンジンコントローラ13Bとの通信を行う。図4において破線矢印は、画像データの処理の流れを例示している。上位装置HC2から通信IF135を介して受信された画像データは、バッファ136に蓄積される。画像処理部134はバッファ136から画像データを読み出し、読み出した画像データに所定の画像処理を施して、再びバッファ136に格納する。バッファ136に格納された画像処理後の画像データは、プリントエンジンが用いる記録データとして、通信I/F137からエンジンコントローラ13Bへ送信される。
図9は画像処理部134での処理を説明するフロー図である。入力部901は、バッファ136から送信された画像データを入力し、画像処理部134へ渡す。この画像処理部134は、インク色変換処理部902、HS(Head Shading)処理部903、トーンカーブ補正部904、量子化処理部905で構成される。入力部901は、上位装置HC2からRGBデータを入力する。入力されるRGBデータは記録装置1Aの色再現領域の画像データ(R,G,B)各8ビットであり、解像度は600dpiである。
インク色変換処理部902は、入力された(R,G,B)各8ビットの画像データを記録装置1Aで用いるインクの画像データに変換する。本実施形態の記録装置1Aはブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを用いるとし、RGB信号の画像データは、K、C、M、Yの各8ビットの色信号からなる画像データに変換される。この色変換は、マトリクス演算処理や三次元ルックアップテーブルを用いた処理等の既知の手法によって行う。本実施形態では、三次元ルックアップテーブルを用い、これに補間演算を併用して変換処理を行う。また、インク色変換処理部902での処理は入力部901への入力前に実行してもよい。その場合は、K、C、M、Yの各8ビットの画像データが入力部901へ入力されることとなる。
HS(Head Shading)処理部903は、K、C、M、Yの各8ビットの色信号を入力して、インク色ごとにそれぞれ8ビットデータを、記録ヘッドを構成する各ノズルの吐出量等の特性に応じたインク色信号の画像データに変換する処理を行う。これにより、各ノズルの吐出量等の特性に起因する濃度むらに応じて均一に記録を行うための画像データに変換される。本実施形態では、一次元ルックアップテーブルを用いて処理を行う。
トーンカーブ補正部904は、HS処理された各8ビットのインク色信号からなる画像データに対して、インク色毎に、出力部906で記録されるドットの数を調整する。記録媒体に記録されるドットの数と明度との関係が線形にならないことがあり、トーンカーブ補正部904は、この関係が線形になるよう各8ビットの画像データを補正して、記録媒体に記録されるドットの数を調整する。
量子化処理部905は、トーンカーブ補正部904で処理された各8ビットのインク色の画像データに対して、量子化処理を行い、1ビット2値データを得る処理である。この際、本実施形態では、先ず、0~4の3ビット5値のインク色ごとのインデックスデータに変換する。このインデックスデータ0~4は、0~4個のドットを1200dpiの解像度の2画素×2画素に配置するパターンに対応している。量子化処理部905の形態はこの例に限らない。例えば8ビットの画像データを直接2値化してインク吐出の有無を得る形態でもよい。また、量子化処理方法として本実施形態はディザ法を用いるが、誤差拡散法など他の量子化手法を用いてもよい。
出力部906は、量子化によって得られたドットデータに基づいて、記録ヘッドを駆動し記録媒体に各色のインクを吐出して記録を行う。出力部906は、具体的には、図1に示した、記録システム1によって構成される。検査部138は、記録物P’の検査を行う検査処理部である。
図10は、検査部138での処理を説明するフロー図である。検査画像入力部1001は、前述の検査ユニット9Aが撮影した画像(以下、検査画像)を検査部138へ入力する。検査画像は検査対象の記録物P’が撮影された画像である。コード解析部1002は、入力された検査画像から検査用のコードの領域を取得し解析を行う。コードの領域は既存技術であるパターンマッチング等を用いて取得すればよい。コードの解析はコードの規格に応じた所定の既存技術を用いて行うとする。そして、コードに埋め込まれた番号やアルファベッドなどで表される情報を取得する。この情報は、検査対象の記録物P’の原稿データの識別子を表すものである。
比較データ照合部1003は、コード解析部1002で取得された情報を用いて、検査対象の記録物P’の原稿データを取得する。そして、検査画像および原稿データそれぞれに所定の画像処理を施した後、比較を行い、予め設定した基準以上の差を検出した領域を欠陥と判断する。比較の方法は、例えば検査画像と原稿データの対応する画素の信号値の差を求めてもよいし、色味や形状などを含む特徴量を算出して対応する領域の差を求めても良い。または、予め設定する基準を設けず、予め機械学習された学習モデルに検査画像と原稿データを入力して欠陥領域の判断を行っても良い。なお、検査画像と比較する原稿データは、コードが埋め込まれた後のデータであってもよいし、埋め込まれる前のデータであってもよい。
検査結果出力部1005は、検査結果を記録システム1の操作を行う人物へ伝えるため、不図示のモニター等の表示画面へ表示を行う。また、必要があれば検査結果をホスト装置HC1や記憶部132、エンジンコントローラ13Bなどへ伝達しておく。
図5に示すように、エンジンコントローラ13Bは、制御部14、15A~15Eを含み、記録システム1が備えるセンサ群およびアクチュエータ群16の検知結果の取得および駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。なお、制御部の区分けは一例であり、一部の制御を更に細分化した複数の制御部で実行してもよいし、逆に、複数の制御部を統合して、それらの制御内容を一つの制御部で行うように構成してもよい。
エンジン制御部14は、エンジンコントローラ13Bの全体の制御を行う。記録制御部15Aは、メインコントローラ13Aから受信した記録データをラスタデータ等、記録ヘッド30の駆動に適したデータ形式に変換する。記録制御部15Aは、各記録ヘッド30の吐出制御を行う。
転写制御部15Bは、付与ユニット5Aの制御、吸収ユニット5Bの制御、加熱ユニット5Cの制御、および清掃ユニット5Dの制御を行う。
信頼性制御部15Cは、供給ユニット6の制御、回復ユニット12の制御、および記録ユニット3を吐出位置POS1と回復位置POS3との間で移動させる駆動機構の制御を行う。搬送制御部15Dは、転写ユニット4の駆動制御や、搬送装置1Bの制御を行う。検査制御部15Eは、検査ユニット9Bの制御、および検査ユニット9Aの制御を行う。センサ群およびアクチュエータ群16のうち、センサ群には、可動部の位置や速度を検知するセンサ、温度を検知するセンサ、撮像素子等が含まれる。アクチュエータ群にはモータ、電磁ソレノイド、電磁バルブ等が含まれる。
<動作例>
図6は記録動作の例を模式的に示す図である。転写ドラム41および圧胴42が回転されつつ、以下の各工程が循環的に行われる。状態ST1に示すように、始めに転写体2上に付与ユニット5Aから反応液Lが付与される。転写体2上の反応液Lが付与された部位は転写ドラム41の回転に伴って移動していく。反応液Lが付与された部位が記録ヘッド30の下に到達すると、状態ST2に示すように記録ヘッド30から転写体2にインクが吐出される。これによりインク像IMが形成される。その際、吐出されるインクが転写体2上の反応液Lと混ざりあうことで、色材の凝集が促進される。吐出されるインクは、供給ユニット6の貯留部TKから記録ヘッド30に供給される。
転写体2上のインク像IMは転写体2の回転に伴って移動していく。インク像IMが吸収ユニット5Bに到達すると状態ST3に示すように吸収ユニット5Bによりインク像IMから液体成分が吸収される。インク像IMが加熱ユニット5Cに到達すると状態ST4に示すように加熱ユニット5Cによりインク像IMが加熱され、インク像IM中の樹脂が溶融し、インク像IMが造膜される。このようなインク像IMの形成に同期して、搬送装置1Bにより記録媒体Pが搬送される。
状態ST5に示すように、インク像IMと記録媒体Pとが転写体2と圧胴42とのニップ部に到達し、記録媒体Pにインク像IMが転写され、記録物P’が製造される。ニップ部を通過すると、記録物P’に記録された画像が検査ユニット9Aにより撮影され、記録画像が検査される。記録物P’は搬送装置1Bにより回収ユニット8dへ搬送される。
転写体2上のインク像IMが形成されていた部分は、清掃ユニット5Dに到達すると状態ST6に示すように清掃ユニット5Dにより清掃される。清掃後、転写体2は一回転したことになり、同様の手順で記録媒体Pへのインク像の転写が繰り返し行われる。上記の説明では理解を容易にするために、転写体2の一回転で一枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が一回行われるように説明したが、転写体2の一回転で複数枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が連続的に行うことができる。
このような記録動作を継続していくと、各記録ヘッド30のメンテナンスが必要となる。図7は各記録ヘッド30のメンテナンスの際の動作例を示している。状態ST11は、吐出位置POS1に記録ユニット3が位置している状態を示す。状態ST12は、記録ユニット3が予備回復位置POS2を通過している状態を示し、通過中に回復ユニット12により記録ユニット3の各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。その後、状態ST13に示すように、記録ユニット3が回復位置POS3に位置した状態で、回復ユニット12により各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。
<コードの生成処理>
本実施形態におけるホスト装置HC1のシステム構成を、図4を用いて説明する。ホスト装置HC1は、コード生成部201、記録データ生成部202、候補領域決定部203、および記憶部204を有する。コード生成部201は、検査用コードの生成を行う。記録データ生成部202は、コード生成部201で生成されたコードと、記録領域に画像が面付けされた面付けデータと、を合成する。即ちコードを面付けデータに埋め込む。候補領域決定部203は、検査用のコードを埋め込む位置を決定する。記憶部204は、RAM、ROM、ハードディスク、SSD等の記憶デバイスであり、ホスト装置HC1のCPUが実行するプログラムもしくはデータを格納、またはCPUにワークエリアを提供する。
図11は本実施形態においてホスト装置HC1で行われる、検査用のコードが埋め込まれた原稿データの生成処理のフローを説明する図である。本フローは、ホストHC1が備えるコード生成部201、記録データ生成部202、または候補領域決定部203によって実行される処理である。即ち、ホスト装置HC1のROMに格納されたプログラムをホスト装置HC1のCPUがRAMに展開して実行することで実現される。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味する。ホスト装置HC1は、原稿データの生成処理のフローを開始すると、S1101において記録する画像の面付けデータを生成する。ここで面付けデータの生成について説明する。
図12は本実施形態において生成される面付けデータの例である。面付けデータとは、図12のD1~D15に示すように、1つ、または複数の画像が1ページに貼り付けられたデータのことである。この面付けデータ1ページに対して1つの検査用コードを埋め込む。埋め込まれたコードは、面付けデータの品質を検査する際に比較する原稿データの情報を含んでおり、面付けデータと原稿データとは埋め込まれたコードによって紐づいている。本実施形態において1ページ目のデータD1には画像11、画像12、画像13、および画像14の4枚がそれぞれ同サイズで整列して面付けされている。1つのページに面付けされるそれぞれの画像は同一であってもよいし異なっていてもよい。なお、1ページ目に面付けされている画像11、画像12、画像13、および画像14は、原稿データとの比較前または比較後にそれぞれの面付けデータが残るように4つに断裁される。また、他のページにおいても面付けデータの部分のみが残るように断裁される。2ページ目のデータD2には画像21のみが中央に面付けされている。3ページ目のデータD3には、画像31および画像32が面付けされている。最後のページは15ページ目であり、15ページ目のデータD15には画像151および画像152が面付けされている。ここでデータD1、D2、D3・・・D15の縦横のサイズは給送ユニット7に積載された記録媒体Pのサイズであるとする。
図11の説明に戻る。S1102においてホスト装置HC1は、面付けデータのページ数Mを取得する。本実施形態においては図12に示す通りM=15であるとする。S1103においてホスト装置HC1は、処理対象のページをm=1として1ページ目の原稿に検査用のコードを埋め込む処理を開始する。
S1104においてホスト装置HC1は、1ページ目のデータD1に埋め込む検査用のコードを生成する。生成するコードの基となる情報は、1ページ目のデータD1の識別値であるとする。識別値とは、例えば画像そのものを識別する名前でも良いし、情報を格納した記憶部132上のアドレスでも良い。また、上述したように、1ページに複数の画像が張り付けられた面付けデータの場合は、1つの識別値を面付けされた複数画像の情報に対するメタ情報とすることもできる。例えば以下では、D1には4枚の画像が面付けされているが、4枚の画像が面付けされた状態のデータに対して1つの識別値を持つことを意味する。
ここで各ページの識別値は、S1101で生成された面付けデータのページ数を鑑みて桁数を確保するのが望ましい。例えば、本実施形態における面付けデータのページ数Mは15ページであるため、最低でも2桁の識別値を確保しておくべきである。例えば1ページ目のデータD1の識別値は「01」とするのが良い。または、記録装置に送られるジョブの想定最大ページ数を確保し、例えば6桁の「000001」としておいても良い。本実施形態においては1ページ目のデータD1の識別値を「000001」とする。1ページ目のデータD1の識別値である「000001」をコードに変換する方法について、本実施形態においてはNW-7規格を使うこととする。NW-7は数値と所定の記号とをコード化することができる代表的なコード規格である。コード規格はNW-7に限定されず、ITF(Interleaved Two of Five)、CODE39、またはCODE128などを用いても良い。用いる規格によって、数値の他に使用できる記号、アルファベット、または桁数の制限などの制約が異なる。コードに含める情報の内容と大きさによって適宜選択するのが望ましい。また、上記のような1次元コードではなく、2次元コードであるQR(Quick Responce)コード(登録商標)を選択しても良い。いずれにしても、作成するコードのサイズは各規格において推奨されるサイズを満たすことが好ましい。
S1105においてホスト装置HC1は、コードの埋め込み位置の決定を行う。コードの埋め込み位置の決定方法の詳細に関しては図13を用いて後述する。S1106においてホスト装置HC1は、S1104で生成されたコードとデータD1とで画像合成を行う。即ち、生成されたコードをm=1ページ目のデータD1に埋め込む。ここで、コードを埋め込む位置はS1105で決定した座標である。
S1107においてホスト装置HC1は、処理対象のページをm=m+1とし、2ページ目に検査用のコードを埋め込む処理を開始する。S1108においてホスト装置HC1は、処理対象のページであるmが、取得済みのページ数Mとなったか判定する。即ち、15ページ分の処理が完了したかを確認する。ここでは2ページ目の処理が開始したステップのため、S1104に戻り2ページ目に埋め込むコードを生成する。2ページ目に埋め込むコードは図12の2ページ目のデータD2の識別値「000002」から生成する。同様にm=15まで原稿データの各ページにコードを埋め込む処理を繰り返す。
S1108においてホスト装置HC1は、m=M、即ち取得済みのページ数全てで処理が完了したと判定した場合に、フローを終了する。ここまでの処理で、面付けデータの15ページ全てにそれぞれ1つのコードを埋め込むことができる。
図13は、S1105におけるコードの埋め込み位置決定のフローの説明図である。具体的には、図12の1ページ目のデータD1に対して位置を決定する場合を説明する。本フローは、ホスト装置HC1のプログラムメモリに格納されたプログラムをCPUがデータメモリに展開して実行することで実現される。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味する。装置HC1は、コードの埋め込み位置を決定する処理を開始するとS1301において、コードの埋め込み位置の候補領域Rを設定する。候補領域とは、識別子を埋め込むエリアの候補のことである。
図14は、図13のコードの埋め込み位置決定のフローの各ステップにおける候補領域の状態を説明する図である。図14は、図12のデータD1を例にした場合の候補領域を説明する図である。図14(a)は、候補領域Rが最大の場合のRmaxの例である。候補領域Rの最大Rmaxは、記録媒体Pより小さいサイズの範囲の中で、最も外側に設定したときの記録装置特有の記録可能領域である。即ち、コードはRmaxより外側には埋め込むことができない。図14(b)は、候補領域Rが最小の場合のRminの例である。候補領域Rの最少Rminは、画像が配置されている領域である画像配置領域(以下、画像領域という)よりも外側の範囲の中で最も画像領域に近い領域である。コードは、画像領域と重なると検査の際のエラーの原因となる可能性があるため画像領域からある程度離れた位置に埋め込む。また、画像領域の近傍、または画像領域内に面付けされた複数の画像の間にコードを埋め込むことは可能だが、吐出タイミングのずれ等の原因によりコードと画像とが重なってしまう可能性があるためそれらの位置にコードを埋め込むことは望ましくない。太い破線で記した面付けデータの画像領域IMは、画像11、画像12、画像13、および画像14を1画像とみなしたときの画像領域である。候補領域Rの最少Rminは、IMのY方向の両端をそれぞれa、X方向の両端をそれぞれbの長さだけ外側に設定する。S1104で生成されたコードがY方向の幅20mm、X方向の幅10mmであったとすると、a=20mm、b=10mmである領域が候補領域Rの最少Rminである。図14(a)および(b)で説明したように、候補領域RはRminよりも外側、且つRmaxよりも内側で設定することが望ましい。本実施形態においては候補領域RをRmaxの領域で設定する。
S1301において候補領域決定が完了すると、ホスト装置HC1はS1302へ進み、候補領域Rを格子状に分割する。図14(c)は候補領域Rを格子状に分割した状態を表す。各格子のサイズは、作成されたコードのサイズを包含するような大きさを満たし、その中で候補領域の数を増やすためになるべく小さいサイズにするのが望ましい。各格子のサイズのY方向の幅をc、X方向の幅をdとする。Y方向の幅cはS1104で生成されたコードのY方向の幅20mmより大きく、X方向の幅dはコードのX方向の幅10mmより大きい値を設定するのが望ましい。各ページのコードの埋め込み位置は上で分割した格子の中から選択される。
選択された格子の位置に埋め込まれた各ページのコードは、それぞれ格子からはみ出ることがなく記録されることとなる。また、各ページのコードはX方向Y方向いずれにも互いに背反した位置に記録されることが可能となる。これにより、Y方向で発生する可能性のあるノズルのどこかに欠陥があるケース、またX方向において発生する可能性がある中間転写体の傷や汚れがあるケース、のいずれの場合においても本実施形態は有効である。仮に記録媒体P上の固定位置に欠陥が発生し続けたとしても、コードを各ページで互いに背反した位置に記録することで、固定位置の欠陥の影響を受ける可能性が低減する。なお、上記ではコードのサイズより大きくなるよう格子状に分割を行ったが、候補領域Rの分割単位はこれに限らない。例えば、分割された格子単位のノズル列方向の幅cを、図8で説明した記録ヘッド30の複数の吐出基板301、302、303、および304のY方向のサイズ以上にするよう区切っても良い。選択された格子の位置に埋め込まれた各ページのコードは、Y方向に異なる格子が選択されると、同じ吐出基板では記録されずに異なる吐出基板で記録されることとなる。これにより、仮に吐出基板の固定位置に吐出不具合が発生し続けたとしても、各ページに記録されたコードが、固定位置に発生した吐出基板の不具合によって受ける影響が低減する。次に、S1303においてホスト装置HC1は、分割された格子の中からコードを埋め込む位置を決定するための絞り込み処理を行う。
図15は、図13のS1303の処理の詳細なフロー図である。ホスト装置HC1は、格子の絞り込み処理を開始すると、S1501において、画像領域を取得する。画像領域の範囲はページ毎に異なり、ここでは図14(c)で記している画像11、画像12、画像13、および画像14の位置情報を取得する。例えば、画像11、画像12、画像13、および画像14の各画像に対して左上の座標(X1、Y1)、および右下の座標(X2、Y2)を取得し画像の矩形領域を判断する方法がある。
S1502においてホスト装置HC1は、候補領域Rの中から画像領域を含む格子を省く。図14(d)に太枠で記した領域S1は、候補領域R内の格子のうち画像11、画像12、画像13、および画像14のいずれかの画像の領域が一部でも含まれる格子の集合である。この領域S1内の格子にコードを埋め込むと画像とコードが重なってしまう。上記でも説明した通り本実施形態においては、画像とコードとが重なると、検査の際のエラーの原因となるため、領域S1は候補領域Rから省くことが望ましい。
S1503においてホスト装置HC1は、検査部138から欠陥領域を取得する。欠陥領域の取得方法の例を述べる。S1302において分割された格子それぞれには、互いに識別可能な格子IDを具備する。検査部138で検知された記録欠陥は、記録物P’毎に、記憶部132に蓄積される。また、検査部138において、記録物P’毎に同じ格子IDが連続して欠陥を検知した場合に、位置に依存性がある欠陥と判定する。本実施形態においては、図14(d)に示すように、左上部の領域に連続して発生する欠陥Dを含む領域S2が格子IDとして記憶される。なお、欠陥領域の取得は検査部138から取得することに限らず、記録ヘッドにおいて吐出異常を検知するセンサなどの情報を用いて取得しても良い。
S1504においてホスト装置HC1は、候補領域Rの中から領域S2を省く。この領域S2内の格子にコードを埋め込むと欠陥Dとコードが重なるため、領域S2は候補領域Rから省くことが望ましい。S1505においてホスト装置HC1は、他のページで既に埋め込み済の領域または格子IDを取得する。ここではm=1、即ち1ページ目の処理であるため埋め込み済みの領域は存在しない。従って説明を省略する。S1505およびS1506は、2ページ目以降の処理の例にて後述する。
S1507においてホスト装置HC1は、コードのサイズよりも小さい格子を候補領域Rから省く。格子はS1302において基本的にはコードのサイズよりも大きく分割されているが、候補領域Rはコードのサイズ丁度で割り切れないことがあるため、コードよりも小さいサイズの格子が存在している。図14(d)に太枠で記した領域S3は、コードよりもY方向の長さが小さい格子の集合である。したがって、領域S3を候補領域Rから省く。この時点で候補領域Rは領域S1、領域S2、および領域S3を省かれた状態であり、残された格子の集合が候補領域Rとして更新される。S1507が完了すると、ホスト装置HC1は格子の絞り込み処理を終了する。
図13の説明に戻る。S1304においてホスト装置HC1は、S1303で絞り込まれた候補領域Rの中から格子を1か所選択する。選択の方法は特に限定しないが、例えば、候補領域Rの格子それぞれに番号を振り、ランダムに選ばれた番号の格子を選択すればよい。図14(d)に太枠で記した領域C1は、ここで選ばれた格子を表し、1ページ目のデータD1にコードを埋め込む領域を意味している。
S1305において、領域C1の座標を記憶する。領域C1の左上の座標(X1、Y1)、右下の座標(X2、Y2)を記憶することで画像の矩形領域を保存することとする。S1305の処理が完了すると、ホスト装置HC1は、コードの埋め込み位置を決定する処理を終了する。
次に、図11のフローにおいて、m=2、即ち2ページ目の場合におけるS1105での詳細な処理を説明する。以下では、基本的にはm=1ページ目の処理と同様に図13、図15の処理を進めるものとして説明をする。なお、1ページ目と同様の処理を行っている部分に関しては適宜説明を省略する。
図16は、図13のコードの埋め込み位置決定のフローの各ステップにおける候補領域の状態を説明する図である。図12の2ページ目のデータD2に対して位置を決定する場合を説明する。S1301においてホスト装置HC1は、コードの埋め込み位置の候補領域Rを設定する。図16(a)は2ページ目において設定された候補領域Rである。1ページ目と同様に記録装置特有の記録可能領域Rmaxを候補領域Rとして設定する。S1302においてホスト装置HC1は、候補領域Rを格子状に分割する。図16(b)は2ページ目において候補領域Rが分割された状態を表す。埋め込むコードのサイズは1ページ目と等しいものとし、候補領域Rの分割サイズも1ページ目と等しいものとする。
S1303において、分割された格子の絞り込み処理を行う。図16(c)は1ページ目と同様に図15の絞り込み処理を行って省かれる領域を説明する図である。省かれる領域は、画像領域21を含む格子の集合S1、欠陥領域Dを含む格子の集合S2、およびコードよりも小さいサイズの格子の集合S3である。そしてさらに、S1506において、領域C2を候補領域Rから省く。領域C2は、1ページ目におけるコードを埋め込んだ領域C1のことである。この時点で2ページ目の候補領域Rは領域S1と領域S2と領域S3と領域C2を省かれた状態であり、図16(c)に示すように白い格子が残された領域として更新される。以上の処理をページ数M分繰り返すことにより、各ページに埋め込まれるコードは互いに異なる位置へ記録されるようなデータが生成される。
次に、コード解析部1002における、記録されたコードの解析について説明を行う。図22はコード解析部1002において実施される解析のフローである。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味する。
コード解析部1002は、コードの解析を開始するとS2201においてコードの埋め込み領域Cの座標を取得する。座標は、S1304でコードの埋め込み領域Cを決定した際に記憶部132へ送信し、コードの解析の際に記憶部132から取得するようにしてもよい。または既存のパターンマッチングを用いて領域Cの座標を取得しても良い。
S2202においてコード解析部1002は、コードの埋め込み領域Cに画像処理を実行する。ここで、検査画像入力部1001において入力された検査画像全体からコードの埋め込み領域Cに画像処理範囲を絞り、画像処理を実行する。その際に、検査画像全体からコードの埋め込み領域Cを除いた領域には別の画像処理が実行されても良いし、されなくても良い。いずれの場合においても、コードの埋め込み領域Cには、コードの認識に適した画像処理を実行する。コードの認識に適した画像処理の例を以下で説明する。
インク色またはコードの記録濃度に応じて読み取り値の(R,G,B)の各チャンネルの値を合成する比率を変えても良いし、インク色に応じて特定のチャンネルのみを用いて1チャンネルの画像としても良い。インク色に応じて特定のチャンネルのみを用いる場合は、インク色が吸収する波長のチャンネルを用いるのが良い。例えばシアンインクが記録された領域は赤の波長領域(およそ600nm)を吸収するため、Rチャンネルでは黒く撮像される。一方、シアンインクが記録されていない領域は赤の波長領域(およそ600nm)を反射するため、Rチャンネルでは白く撮像される。これにより、シアンインクで記録された領域と記録されていない領域とのコントラストを高く取得することができる。
同様に、マゼンタインクで記録された領域はGチャンネルを、イエローインクで記録された領域はBチャンネルを、それぞれ用いることでコントラストを高く取得することができる。また、信号値に閾値を設けて2値の白黒画像へ変換しても良いし、ヒステリシス特性のある画素値変換テーブルを用いてコントラストの向上を行っても良い。この他の既存のコントラスト向上技術を用いても良い。また、それらを組み合わせて実行しても良い。図22では、検査画像入力部1001に入力された検査画像のうち、コードの埋め込み領域Cに対して画像処理を実行したが、検査ユニット9Aが上記のような閾値処理またはヒステリシス特性を持った変換を行った上でコントラストの高い画像を出力してもよい。
S2203においてコード解析部1002は、コードの解析を行う。コードの解析はコードの規格に応じた所定の既存技術を用いて行うとする。そして、コードに埋め込まれた番号またはアルファベッドなどで表される情報を取得する。S2203の処理が完了すると、コード解析部1002は、本フローを終了する。本フローでの解析よって、検査画像と対応する比較元の原稿データがわかり、検査画像と原稿データと比較の検査が行われる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、欠陥部分とコードとが重なる可能性を低減することができる。具体的には、記録ヘッド30がフルラインヘッドである本実施形態において、あるノズルの不具合による固定位置の欠陥が発生した場合にも、コードと欠陥とが重なり続ける可能性が軽減することで正常に検査を実行できる可能性が向上する。また、あるコードが固定位置の欠陥と重なっても別のコードで読み取りを行うよう、複数の同一情報を表すコードを各ページに埋め込む方法も考えられる。しかし、この方法ではコードの記録に費やす画像データ上及び記録媒体上の面積が多くなり、余白に余裕のない場合または画像に重ねて記録を行うことができない場合を考慮すると本実施形態は優位である。
<<実施形態2>>
実施形態1において、原稿データの各ページの異なる位置に検査用のコードを埋め込む方法を説明した。しかし、全てのページにおいてコードを埋め込む位置が互いに異ならなくても良い。その理由は例えば以下の通りである。転写ユニットの説明で述べた通り、転写体2は、転写ドラム41の外周面上に設けられる。転写ドラム41が一周すると、複数枚の記録媒体Pに転写可能なページ数の原稿データが転写体2上にインク像IMとして形成される。例えば、転写ドラム41が一周すると、転写体2には記録媒体Pの4枚分に相当する4ページ分の原稿データのインク像IMが形成される。その場合、転写体2上のある領域に傷または異物付着などの不具合が生じると、記録物P’の4枚に1枚、規則的に同じ領域に画像欠陥が生じることとなる。すなわち、転写体2上のある領域に生じた不具合が記録物P’の1枚目に画像欠陥として生じた場合、記録物P’の5枚目、9枚目、13枚目…の同じ領域に画像欠陥が生じる。そして2~4枚目、6~8枚目、10~12枚目…は転写体2上の不具合の影響を受けない。本実施形態において、このようなケースを想定して各ページにコードを埋め込む位置を決定する方法を説明する。
図17は本実施形態においてホスト装置HC1で行われる原稿データの生成処理のフローを説明する図である。本フローは、ホスト装置HC1のプログラムメモリに格納されたプログラムをCPUがデータメモリに展開して実行することで実現される。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味する。
ホスト装置HC1は、原稿データの生成処理のフローを開始するとS1701において、記録する画像の面付けデータを生成する。
図18は本実施形態において生成される面付けデータの例である。1ページ目のデータD1には画像11のみが中央に面付けされている。2ページ目には画像21が、3ページ目にはデータ31が同じ領域に面付けされており、最後のページである15ページ目まで全て同じレイアウトで面付けがされている。このように、全ページ、または一定間隔ページ毎に、同じレイアウトの面付けがされているような記録物Pに対し、本実施形態を適用することができる。また、全ページで面付けのレイアウトが異なっていても、各ページにおいて、非画像領域が共通して存在するような場合には本実施形態を適用することができる。ここでデータD1、D2、D3・・・D15の縦横のサイズは給送ユニット7に積載された記録媒体Pのサイズであるとする。S1702においてホスト装置HC1は、面付けデータのページ数Mを取得する。本実施形態においては図18に示す通りM=15であるとする。
S1703において、所定の連続ページ数Lを設定する。これは、連続で同一の位置にコードを埋め込むページ数であり、転写ドラム41が一周した時に転写される記録物P’の枚数を設定することとする。本実施形態においては、転写ドラム41が一周すると前述した通り記録物P’が4枚分記録されるとし、L=4と設定する。
S1704においてホスト装置HC1は、処理対象のページをm=1として1ページ目のデータD1に検査用のコードを埋め込む処理を開始する。S1705において、同一位置にコードを埋め込む連続ページ数をl=1として処理を開始する。S1706において、コードの埋め込み位置の決定を行う。コードの埋め込み位置の決定方法に関しては実施形態1で説明した図13、および図15のフローを用いて決定すれば良い。
S1707においてホスト装置HC1は、1ページ目に埋め込む検査用のコードを生成する。生成するコードの基となる情報は、1ページ目のデータD1の識別値であるとする。実施形態1で説明した方法と同様に、面付けされた状態のデータに対して1つの識別値から生成する。本実施形態においても1ページ目のデータD1の識別値を「000001」とする。1ページ目のデータD1の識別値である「000001」をコードに変換する方法については実施形態1で説明したNW-7規格を使うこととする。なお、コードの生成サイズにおいても、実施形態1と同様に、各規格において推奨されるサイズとするのが望ましい。
S1708においてホスト装置HC1は、S1707で生成されたコードをm=1ページ目のデータD1に埋め込む。ここで、コードを埋め込む位置はS1706で決定した座標である。
S1709においてホスト装置HC1は、m=m+1とし、2ページ目に検査用のコードを埋め込む処理を開始する。S1710においてホスト装置HC1は、l=l+1とし、同一位置にコードを埋め込む連続ページ数を2ページ目とカウントする。S1711において、取得済みのページ数である15ページ分の処理が完了したかを判定する。ここでは2ページ目の処理が開始したステップのため、15ページ分の処理は完了していないと判定し、S1712に進む。
S1712においてホスト装置HC1は、設定された連続ページ数である4ページ分の処理が完了したかを判定する。ここでは2ページ目の処理が開始したステップのため、4ページ分の処理は完了していないと判定しS1707に戻り2ページ目に埋め込むコードを生成する。2ページ目に埋め込むコードは図12の2ページ目のデータD2の識別値「000002」から生成する。そしてS1708においてホスト装置HC1は、S1707で生成されたコードをm=2ページ目のデータD2に埋め込む。ここで、コードを埋め込む位置はS1706で決定したm=1ページ目と同一の座標である。このようにして、予め設定したL=4ページまで連続で同一の領域にコードを合成していく。m=4、即ち4ページ目までの処理が終わるとS1705においてl=1となり連続数がリセットされる。m=5となった場合、S1706においてホスト装置HC1は、5~8ページ目で用いられる新しい埋め込み位置を決定する。同様にm=15まで原稿データの各ページにコードを埋め込む処理を繰り返す。
S1711においてホスト装置HC1は、取得済みのページ数全てで処理が完了したと判定し本フローを終了する。ここまでの処理で、面付けデータの15ページ全てにそれぞれ1つのコードを埋め込むことができる。
以上の処理を実行することにより、設定した連続ページ数Lごとに同一の位置にコードが埋め込まれる。本実施形態においてはL=4と設定したため、記録物P’の1枚目から4枚目には同一の位置にコードが埋め込まれる。そして、5枚目では埋め込み位置が変わり5枚目から8枚目には同一の位置にコードが埋め込まれることとなる。転写体2上のある領域に生じた不具合が記録物P’の1枚目、5枚目、9枚目、および13枚目に影響する場合には、コードと欠陥とが重なり続ける可能性が低減することで正常に検査を実行できる可能性を向上させる。
<<実施形態3>>
実施形態1において、原稿データの各ページの異なる位置に検査用のコードを埋め込む方法を説明した。また、実施形態2において、原稿データの所定枚数ごとに異なる位置に検査用のコードを埋め込む方法を説明した。本実施形態においては、所定周期ごとのページで同じ位置への埋め込みが繰り返される場合について説明を行う。例えば、本実施形態は、コードを埋め込む候補領域Rの範囲が少ない場合等に有効な形態である。
図19は本実施形態においてホスト装置HC1で行われる原稿データの生成処理のフローを説明する図である。本フローは、ホスト装置HC1のプログラムメモリに格納されたプログラムをCPUがデータメモリに展開して実行することで実現される。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味する。ホスト装置HC1は、原稿データの生成処理のフローを開始すると、S1901において、記録する画像の面付けデータを生成する。
図20は本実施形態において生成される面付けデータの例である。1ページ目のデータD1には画像11のみが面付けされている。画像11のサイズは記録媒体Pの記録可能領域より一回り小さいサイズであるとする。2ページ目には画像21が、3ページ目にはデータ31が同じ領域に面付けされており、最後のページである15ページ目まで全て同じ面付けがされている。ここでデータD1、D2、D3・・・D15の縦横のサイズは給送ユニット7に積載された記録媒体Pのサイズであるとする。
S1902においてホスト装置HC1は、面付けデータの全ページ数Mを取得する。本実施形態においては図20に示す通りM=15であるとする。S1903においてホスト装置HC1は、所定の周期ページ数Lを設定する。これは、連続で異なる位置にコードを埋め込むページ数である。1ページ目からLページ目までは異なる位置にコードが埋め込まれるが、L+1ページ目から後は1ページ目の埋め込み位置に戻って再度埋め込まれていくことを表す。本実施形態においてはL=7と設定する。設定の方法は後述する。
S1904においてホスト装置HC1は、処理対象のページをm=1とし、1ページ目のデータD1に検査用のコードを埋め込む処理を開始する。S1905においてホスト装置HC1は、連続して異なる位置にコードを埋め込むページ数をl=1として処理を開始する。S1906においてホスト装置HC1は、コードの埋め込み位置の決定を行う。コードの埋め込み位置の決定方法に関しては後述にて詳細に説明を行う。
S1907においてホスト装置HC1は、実施形態1、および実施形態2と同様の方法を用いてコード生成を行う。S1908においてホスト装置HC1は、S1907で生成されたコードをm=1、即ち1ページ目のデータD1に埋め込む。ここで、コードを埋め込む位置はS1906において決定した座標である。S1909においてホスト装置HC1は、m=m+1とし、2ページ目に検査用のコードを埋め込む処理を開始する。S1910においてホスト装置HC1は、l=l+1とし、連続で異なる位置にコードを埋め込むページ数を2ページ目とカウントする。
S1911においてホスト装置HC1は、m<L+1の間はS1906~S1910を繰り返し、新しい位置へコードを埋め込む処理を継続する。本実施形態においては所定の周期ページ数L=7であるため、7ページ目までは異なる位置へコードが埋め込まれる。8ページ目でS1912へ進む。
S1912においてホスト装置HC1は、取得済みのページ数である15ページ分の処理が完了したかを判定する。ここでは、8ページ目までの処理は完了しているが、15ページ分の処理は完了していないためS1913へ進む。S1913においてホスト装置HC1は、連続して異なる位置にコードを埋め込むページ数が所定の周期ページ数Lを超えたかどうか判定する。ここではl=8であり、所定の周期ページ数であるL=7を超えていると判定しS1914へ進む。S1914においてホスト装置HC1は、連続して異なる位置にコードを埋め込むページ数をl=1へとリセットする。
S1915においてホスト装置HC1は、S1906の中で記憶されたl=1の場合のコード埋め込み位置を取得する。S1907においてホスト装置HC1は、m=8,即ち8ページ目のコードの生成を実行する。S1908においてホスト装置HC1は、S1907で生成したコードを8ページ目のデータD8に埋め込む。S1914にてlの値をリセットしたため、埋め込み位置はl=1、即ち1ページ目と同じ座標となる。S1909においてホスト装置HC1は、m=m+1とし、9ページ目に検査用のコードを埋め込む処理を開始する。S1910においてホスト装置HC1は、l=l+1とし、連続で異なる位置にコードを埋め込むページ数を2ページ目とカウントする。S1911においてホスト装置HC1は、m=9、即ち処理対象のページ数が所定の周期ページ数L=7より大きいため、S1912へ進む。S1913においてホスト装置HC1は、m=9,即ち処理対象のページ数がページ数M=15に達していないためS1913に進む。S1913においてホスト装置HC1は、l=2,即ち連続して異なる位置にコードを埋め込むページ数が所定の周期ページ数より小さいためS1915へ進む。S1915においてホスト装置HC1は、S1906の中で記憶されたl=2の場合のコード埋め込み位置を取得する。8ページ目から14ページまでS1915において1ページ目から7ページ目までのコード埋め込み位置を取得し、それぞれ同様の位置に埋め込みを行う。即ち、このフローで8ページ目には1ページ目と同じ埋め込み位置、また9ページ目には2ページ目と同じ埋め込み位置、という規則でコードが埋め込まれていくことになる。同様にm=15まで原稿データの各ページにコードを埋め込む処理を繰り返す。S1912においてホスト装置HC1は、取得済みのページ数全てで処理が完了したと判定し、本フローを終了する。ここまでの処理で、面付けデータの15ページ全てにそれぞれ1つのコードを埋め込むことができる。
図21は、S1906の詳細フローを表す図13の各ステップにおいて、候補領域Rの状態を説明する図である。図20の1ページ目のデータD1に対して位置を決定する場合を説明する。
S1301において、コードの埋め込み位置の候補領域Rを設定する。図21(a)は、候補領域Rが最大の場合のRmaxの例である。実施形態1で説明した通り、Rmaxはコードを記録可能な領域であり、本実施形態においても候補領域RをRmaxの領域で設定する。S1302においてホスト装置HC1は、候補領域Rを格子状に分割する。
図21(b)は、候補領域Rを格子状に分割した状態を表す。分割サイズは実施形態2と同様に適宜決定すれば良い。S1303においてホスト装置HC1は、分割された格子の絞り込み処理を行う。実施形態1および実施形態2と同様に図15のフローを用いて絞り込みを行う。実施形態1で説明したように、画像領域が一部でも含まれる格子の集合S1、欠陥領域Dが一部でも含まれる格子の集合S2、および格子の縦横サイズが端数となった格子の集合S3、を候補領域Rから省く。
図21(c)は、絞り込みが行われた状態の説明図である。S1、S2,およびS3を省き、残された領域がm=1、即ち1ページ目の埋め込み位置候補Rとして更新される。上述の処理の結果、本実施形態においては図21(c)に示した通り、m=1、即ち1ページ目のコードの埋め込み位置の候補は格子の数で7ヶ所しかないことがわかる。7ヶ所の候補に対し、M=15であるため15個のコードを埋め込まなければならない。したがって、1ページ目の本ステップにおいて、前述のS1903へフィードバッグを行い、L=7と設定することが望ましい。なお、周期ページ数Lの値は、候補領域Rの数と同じ、または候補領域Rの数より小さい値に設定すればよい。
S1304においてホスト装置HC1は、S1303で絞り込まれた候補領域Rの中から格子を1か所選択する。選択した部分をコードの埋め込み領域Cとする。選択の方法は特に限定しないが、例えば、候補領域Rの格子それぞれに番号を振り、ランダムに選ばれた番号の格子を選択すればよい。図21(c)に太枠で記した領域C1は、ここで選ばれた格子を表し、1ページ目のデータD1にコードを埋め込む領域を意味している。
S1305においてホスト装置HC1は、領域C1の座標を記憶する。領域C1の左上の座標(X1、Y1)、右下の座標(X2、Y2)を記憶することで画像の矩形領域を保存することとする。lのカウントが1~Lまでの間、それぞれのlにおいて座標を累積して記録する。S1306においてホスト装置HC1は、コードの埋め込み位置を決定する処理を終了する。以上の処理を実行することにより、1ページ目から7ページ目までは図21(c)の白い領域で示した埋め込み候補領域Rの7ヶ所が一つずつ選択され、コードが埋め込まれていく。8ページ目からは1ページ目に埋め込んだ領域に再び埋め込まれていくことになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ようにコード埋め込みの候補領域Rの格子数が少ない場合にも比較的コードが異なる位置に埋め込まれるようになる。そしてコードが欠陥と重なり続ける可能性が低減することで正常に検査を実行できる可能性が向上する。
<<その他の実施形態>>
実施形態1においては図12、実施形態2においては図18、実施形態3においては図20に描いた面付けデータを用いて説明を行った。これらの面付けデータにコードを埋め込む際に、各ページに1個ずつのコードを埋め込む例を説明したが、効果はこれに限られない。すなわち、1つのページ内に複数のコードを埋め込む場合も、各ページの複数のコードの埋め込み位置がページ間で一致しなければ同様の効果を得ることができる。1つのページに複数のコードを埋め込む場合、複数のコードの中には同一の情報を表すものが存在しても良い。
各実施形態において、画像領域が含まれる格子の集合S1を候補領域Rから省いたが、これに限られない。例えば、S1502において非画像領域を候補領域Rから省いても良い。その場合、候補領域Rは画像領域のみとなり、画像と重なる位置にコードの埋め込み位置が決定されることになる。画像と重なる位置にコードを埋め込む方法は、例えば特開2019―009733号公報に記載されているような多重化による電子透かし技術を用いるとよい。多重化による電子透かし技術とは、記録物上の画像に対して、視覚的には判別できないように画像以外の付加情報を埋め込む技術である。これを利用し、画像に対して、視覚的には判別できない検査用コードを埋め込むことで、画像領域にもコードを埋め込むことが可能である。なお、多重化によりコードの埋め込みを行う場合においては、検査時の比較元である原稿データが、コードを埋め込んだ後のデータであってもよいし、コードを埋め込む前のデータであってもよい。検査の精度をより高くする場合には、多重化が原因によるエラー等の発生を防ぐため、コード埋め込み前の原稿データを用いることが望ましい。また、コード埋め込み後の原稿データを用いる場合においても、予め多重化を行った部分を検査対象位置から除外することでエラー等が起こることを防ぐことも可能である。
また、コードの埋め込み位置の候補領域Rを絞り込む処理を説明する図15では、候補位置Rから画像領域、既知の欠陥領域、および埋め込み済みの領域を省いた。これらに加えて、さらに、記録性能をチェックする各種のチェックパターンが記録される領域を省いても良い。ここでの各種のチェックパターンとは、記録に用いる複数のインク色の相対的な記録位置調整のためのチェックパターンであるとする。また、これに限らず、記録ヘッド30のノズルからインクが正常に吐出しているかを確認するためのノズルチェックパターンであってもよい。この他、記録ヘッド30のノズル各々に対応する記録領域の色相または濃度を確認するためのカラーモニターパターンなどであってもよい。
また、上記説明した各種のチェックパターンが記録される領域を省かない場合は、チェックパターンと重なる位置にコードの埋め込み位置が決定される場合がある。チェックパターンと重なる位置にコードを埋め込む場合は、その埋め込み領域のチェックパターンを記録せずにコードを優先して記録するようデータを生成するのが望ましい。各種チェックパターンは毎ページ記録が行われるため、コードの埋め込み位置が固定化されない各実施形態の条件下において、いずれかのページでその領域にチェックパターンが記録される機会が訪れるためである。一方、検査のためのコードはページ毎に原稿データと紐づける必要があるため、他のページで補うことは不可能である。そのため、各種チェックパターンと重なる位置にコードの埋め込み位置が決定した場合はコードの記録を優先させることが望ましい。
各実施形態において、説明に用いたインクは色材を含むものを想定した。しかし、インクの成分はこれに限られず、例えばインビジブルインクを用いても良い。インビジブルインクとは、例えば太陽光などの可視光下では色として認識できないが、紫外線などの特定の波長を照射すると可視光域で蛍光発光する特性を持つインクである。ここではこのように紫外線の照射によって発光するインビジブルインクを用いて説明を行う。
実施形態1、実施形態2、および実施形態3において、コードを記録するインクの種類をそのままインビジブルインクに置き換え、コードの読み取り時にコードの記録領域に紫外線を照射することで検査が可能となり同様の効果を得られる。
また、コードの埋め込み位置の候補領域Rを絞り込む処理を説明する図15のS1501、S1502を考える。各実施形態において、画像領域が含まれる格子の集合S1を候補領域Rから省いたが、インビジブルインクでコードを記録する場合はこのステップを飛ばしても良い。即ち、コードを埋め込む位置が画像領域、非画像領域のいずれの領域でも良くなる。この場合もコードの読み取り時にコードの記録領域に紫外線を照射することで検査が可能となり同様の効果を得られる。
また、コードの記録にインビジブルインクを用いる場合にも、非画像領域を候補領域Rから省いても良い。この場合は画像領域のみにコードが記録されるが同様の効果を得られる。以上のように、コードの記録にインビジブルインクを用いても、複数のコードの記録位置が異なりさえすれば同様の効果を得ることができる。
各実施形態において、枚葉式の記録システムを想定していたが、効果はこれに限られない。面付けデータの各ページに埋め込まれるコードの位置が固定化されなければ効果はあるため、実際に記録される記録媒体はロール紙でもあってもよい。
また、上記実施形態では、記録ユニット3が枚葉記録媒体またはウェブ状記録媒体に対してフルマルチ記録を行うラインヘッドを備えるが、一つの記録ヘッド30を有していてもよい。即ち、記録ヘッド30はフルラインヘッドでなくてもよく、記録ヘッド30を着脱自在に搭載するキャリッジを、Y方向に記録装置に対して相対的に移動させながら記録ヘッド30からインクを吐出してインク像を形成するシリアル方式であってもよい。シリアル方式の記録を行う場合にも以下のような部材の一部に不具合が発生することにより、不具合の位置に対応した固定位置の欠陥が発生し得る。例えば、記録媒体Pを搬送する搬送ローラ、排出ローラ、それらに追従して記録媒体Pに接して回転する拍車、記録媒体Pの裏面を支持するプラテン、または記録ヘッドを装着するキャリッジを走査させるためのガイドレールなどである。
記録媒体Pの搬送機構は、ローラ対によって記録媒体Pを挟持して搬送する方式等、他の方式であってもよい。ローラ対によって記録媒体Pを搬送する方式等においては、記録媒体Pとしてロールシートを用いてもよく、転写後にロールシートをカットして記録物P’を製造してもよい。上記の各実施形態では、転写体2を転写ドラム41の外周面に設けたが、転写体2を無端の帯状に形成し、循環的に走行させる方式等、他の方式であってもよい。
各実施形態において、検査用のコードの生成は情報処理装置であるホスト装置HC1の記録データ生成部202にて実施したが、原稿データをホスト装置HC1または他の装置から受け取ることで、記録装置1Aのメインコントローラ13Aでも生成可能である。
また、本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。

Claims (23)

  1. 1つ以上の画像が記録領域に面付けされた面付け画像データの各画像を識別するためのコードを生成するコード生成手段と、
    前記コードを前記記録領域に配置するための候補となる候補領域を、複数の面付け画像データの各ページの記録領域において前記コードが同一の位置に記録されないように決定する候補領域決定手段と、
    前記候補領域決定手段において決定された前記候補領域のうちの少なくとも一つの領域に前記コードが配置されるように、前記面付け画像データに基づく記録データを生成する記録データ生成手段と、
    前記生成した記録データを記録装置に出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記記録データ生成手段は、前記コードの記録位置が、前記面付け画像データの所定のページである第一ページと、前記第一ページに続く第二ページと、で異なるように前記記録データを生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記記録データ生成手段は、前記コードの記録位置が、前記面付け画像データの所定のページ数までは第一ページと、第一ページに続く第二ページと、で同じ位置となり、前記面付け画像データの所定のページ数では前記第一ページと前記第二ページと、で異なる位置となるように前記記録データを生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記記録データ生成手段は、前記コードの記録位置が、前記面付け画像データの所定周期のページ数において第一ページと、第一ページに続く第二ページと、で異なるよう記録データを生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  5. 前記コードは、前記所定周期の前記第一ページと、次の周期の第一ページと、で同一の位置に記録されることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
  6. 前記候補領域の数が少なくとも所定周期のページ数だけ存在することを特徴とする請求項4または5に記載の情報処理装置。
  7. 前記記録データ生成手段は、前記第一ページと、前記第二ページと、で異なる位置にコードを生成する場合、前記面付け画像データ上における搬送方向を表すX方向、または前記X方向と直交する方向を表すY方向の少なくともいずれかの位置が異なるよう前記記録データを生成することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  8. 候補領域決定手段は、前記面付け画像データにおいて画像が配置されている画像配置領域を前記候補領域から省くことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  9. 候補領域決定手段は、前記記録装置から取得した、記録の状態を確認するセンサによって欠陥領域と判定された領域を前記候補領域から省くことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  10. 候補領域決定手段は、記録性能をチェックする各種チェックパターンが記録される領域を前記候補領域から省くことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  11. 前記記録データ生成手段は、前記各種チェックパターンが記録される領域と前記コードの記録位置とが重なる場合には前記コードが優先して記録されるように記録データを生成することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
  12. 前記各種チェックパターンは、記録に用いる複数のインク色の相対的な記録位置調整のためのチェックパターン、記録ヘッドのノズルからインクが正常に吐出しているかを確認するためのノズルチェックパターン、または前記記録ヘッドのノズル各々に対応する記録領域の色相もしくは濃度を確認するためのカラーモニターパターンであることを特徴とする請求項10または11に記載の情報処理装置。
  13. 前記記録データ生成手段は、画像の配置されている領域にインビジブルインクを用いて前記コードが記録されるよう記録データを生成することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  14. 前記記録データ生成手段は、ビジブルインクと多重化を用いて前記コードが記録されるよう記録データを生成することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  15. 前記記録装置は、転写ドラムの表面に間欠的に貼られた中間転写体を用いた転写方式の記録を行い、前記面付け画像データの所定のページ数は前記中間転写体の枚数であることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
  16. 前記記録装置は、枚葉記録媒体またはウェブ状記録媒体に対してフルマルチ記録を行うラインヘッドを備えることを特徴とする請求項15に記載の情報処理装置。
  17. 前記記録装置は、枚葉記録媒体またはウェブ状記録媒体に対して相対的に移動させるシリアル方式の記録を行うラインヘッドを備えることを特徴とする請求項15に記載の情報処理装置。
  18. 前記候補領域は、前記ラインヘッドを構成する吐出基板のサイズ以上の長さで区切られた格子単位であることを特徴とする請求項16または17に記載の情報処理装置。
  19. 前記候補領域は、前記コードのサイズ以上の長さで区切られた格子単位であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  20. 前記記録データ生成手段は、前記面付け画像データのページ内に複数の前記コードを配置することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  21. 1つ以上の画像が面付けされた面付け画像データの元画像データの情報を含む、記録装置に送信するための検査用のコードを生成するコード生成ステップと、
    前記コードを前記面付け画像データに配置するための候補領域を決定する候補領域決定ステップと、
    前記候補領域決定ステップにおいて決定された前記候補領域に前記コードが配置されるように記録データを生成する記録データ生成ステップと、
    を備える情報処理装置の制御方法であって、
    前記候補領域決定ステップは、前記面付け画像データに配置される前記コードの記録位置が、各ページの前記面付け画像データで同一の位置とならないような前記候補領域を決定することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
  22. コンピュータを、請求項1乃至20のいずれか一項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
  23. 情報処理装置と記録装置とを含む記録システムであって、
    前記情報処理装置は
    1つ以上の画像が記録領域に面付けされた面付け画像データの各画像を識別するためのコードを生成するコード生成手段と、
    前記コードを前記記録領域に配置するための候補となる候補領域を、複数の面付け画像データの各ページの記録領域において前記コードが同一の位置に記録されないように決定する候補領域決定手段と、
    前記候補領域決定手段において決定された前記候補領域のうちの少なくとも一つの領域に前記コードが配置されるように、前記面付け画像データに基づく記録データを生成する記録データ生成手段と、
    前記生成した記録データを記録装置に出力する出力手段と、を備え、
    前記記録装置は、
    前記記録データに基づく記録を行う記録手段と、
    記録物を読み取り、前記コードを使って検査をする検査手段と、
    を備えることを特徴とする記録システム。
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