JP2023028400A - 研磨フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】高温雰囲気においても高い耐久性を有する研磨フィルムを提供すること。【解決手段】自立膜としての研磨フィルムであって、エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)と研磨材粒子(C)とを含んだ樹脂組成物の硬化物からなり、前記エポキシ樹脂(A)は、前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、50乃至100質量部の、フェノキシ樹脂であるエポキシ樹脂(A1)と、前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、0乃至50質量部の、分子内に2個以上のエポキシ基を有する、フェノキシ樹脂以外のエポキシ樹脂(A2)とを含有し、前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対する前記硬化促進剤(B)の質量は0.005乃至5.0質量部の範囲内にある研磨フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は研磨フィルムに関する。
一般に、研磨フィルムは、プラスチックフィルム等の基材の表面に、研磨材粒子を含む研磨層を形成したものであり、研磨の目的や形態に応じて、テープ状、ディスク状またはその他の形状に適宜切断して使用される。
研磨層は、研磨材粒子とバインダー樹脂との混合物であるスラリーを基材表面に塗布、乾燥、そして硬化させることにより製造される。
磁気ハードディスク、磁気ヘッド、半導体基板表面磁気ヘッド、レンズ等の表面、または光ファイバー端面等の精密研磨においては、特に研磨面の平滑性および平坦性の向上が要求される。そのためこれら製品の最終仕上げ工程で使用される研磨フィルムには、均一な研磨性能および高い耐久性が必要となる。例えば、研磨中に研磨材粒子がバインダー樹脂から脱落したり、研磨層が基材から剥離したりする等、正常な研磨ができなくなり、研磨対象物を損傷させるようなことがあってはならない。
このような精密研磨に適した研磨フィルムとして、研磨層のバインダー樹脂にシリコーン樹脂を使用した研磨フィルムが提案されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載の研磨フィルムでは、研磨材粒子の固定が粒子とバインダーたるシリコーン樹脂との親和性のみに依存しているため、高速研磨時に、研磨材粒子が脱落しやすいという問題がある。また、バインダー樹脂が耐摩耗性に優れた材料ではないため、耐久性において不十分である。
耐久性の課題を解決する方法として、研磨層のバインダー樹脂にエポキシウレタンを用いた研磨フィルムが提案されている(特許文献2)。しかしながら、特許文献2に記載の研磨フィルムは、研磨層と基材であるポリエステルフィルムとの接着強度が不十分なため、研磨層が基材から剥離する恐れがある。
特許文献3では、研磨層を自立膜として作製し、基材を省略することで、基材から研磨層が剥離する問題点を解決する方法が提案されている。
特開2002-154061号公報 特開2007-190613号公報 特開2018-51676号公報
本発明者は、従来技術に係る研磨フィルムは、高温雰囲気での研磨または長時間の研磨により研磨層が高温になった際、研磨材粒子の脱落や研磨層の基材からの剥離等の研磨フィルムの損傷が生じやすく、耐久性について未だ改善の余地があることを見出した。
上記事情に鑑み、本発明は、高温雰囲気においても高い耐久性を有する研磨フィルムの提供を課題とする。
上記の課題を解決するために、フェノキシ樹脂を含んだ自立膜としてのフィルムに研磨材粒子を含ませることによって、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の目的は、以下のフィルムにより達成される。
本発明の第1側面によると、自立膜としての研磨フィルムであって、エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)と研磨材粒子(C)とを含んだ樹脂組成物の硬化物からなり、前記エポキシ樹脂(A)は、前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、50乃至100質量部の、フェノキシ樹脂であるエポキシ樹脂(A1)と、前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、0乃至50質量部の、分子内に2個以上のエポキシ基を有する、フェノキシ樹脂以外のエポキシ樹脂(A2)とを含有し、前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対する前記硬化促進剤(B)の質量は0.005乃至5.0質量部の範囲内にある研磨フィルムが提供される。
本発明の第2側面によると、前記エポキシ樹脂(A)は前記エポキシ樹脂(A1)と前記エポキシ樹脂(A2)とを含有した上記側面に記載の研磨フィルムが提供される。
本発明の第3側面によると、前記エポキシ樹脂(A2)はビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂である上記側面に記載の研磨フィルムが提供される。
本発明の第4側面によると、前記エポキシ樹脂(A2)のエポキシ当量は50乃至500g/当量の範囲内にある上記側面の何れかに記載の研磨フィルムが提供される。
本発明の第5側面によると、前記エポキシ樹脂(A2)の重量平均分子量は100乃至10000の範囲内にある上記側面の何れかに記載の研磨フィルムが提供される。
本発明の第6側面によると、前記エポキシ樹脂(A1)はビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂である上記側面の何れかに記載の研磨フィルムが提供される。
本発明の第7側面によると、前記硬化促進剤(B)はイミダゾール骨格を有する上記側面の何れかに記載の研磨フィルムが提供される。
本発明の第8側面によると、前記硬化促進剤(B)は2-エチル-4-メチルイミダゾールである上記側面の何れかに記載の研磨フィルムが提供される。
本発明の第9側面によると、前記エポキシ樹脂(A1)のエポキシ当量は3000乃至20000g/当量の範囲内にある上記側面の何れかに記載の研磨フィルムが提供される。
本発明の第10側面によると、前記エポキシ樹脂(A1)の重量平均分子量は1000乃至100000の範囲内にある上記側面の何れかに記載の研磨フィルムが提供される。
本発明の第11側面によると、前記研磨材粒子(C)の平均粒径は1乃至200μmの範囲内にある上記側面の何れかに記載のフィルムが提供される。
本発明の第12側面によると、前記研磨材粒子(C)の含有率は30乃至90体積%の範囲内にある上記側面の何れかに記載のフィルムが提供される。
本発明の第13側面によると、前記研磨材粒子(C)は前記研磨フィルムの表面近傍に偏在している上記側面の何れかに記載のフィルムが提供される。
本発明の第14側面によると、膜厚が1乃至250μmの範囲内にある上記側面の何れかに記載のフィルムが提供される。
本発明によると、高温雰囲気においても高い耐久性を有する研磨フィルムが提供される。
本発明の一実施形態に係る研磨フィルムを概略的に示す断面図。 フィルム製造装置の一例を概略的に示す図。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
<研磨フィルム>
図1は、本発明の一実施形態に係る研磨フィルムを概略的に示す断面図である。この研磨フィルム1は、単層構造を有している自立膜である。ここで使用する用語「自立膜」とは、基板などの支持体によって支持されなくとも、それ自体を単独で取り扱うことができるフィルムを意味している。また、ここで使用する用語「フィルム」は、薄層形状及び可撓性を有している物品を意味し、厚さの概念は含まない。
図1に示す研磨フィルムは、例えば、金属、セラミックス、ガラス及び単結晶等の素材、または磁気ハードディスク、磁気ヘッド、半導体基板表面磁気ヘッド、レンズ等の表面、または光ファイバー端面等の研磨のため、テープ状、ディスク状またはその他の形状に切断して使用される。
研磨フィルム1は、後述する樹脂組成物の硬化物からなる。
<樹脂組成物>
樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と、硬化促進剤(B)と、研磨材粒子(C)とを含んでいる。以下に、各成分について説明する。
[エポキシ樹脂(A)]
エポキシ樹脂(A)はエポキシ樹脂(A1)を含有している。以下、エポキシ樹脂(A1)について説明する。
[エポキシ樹脂(A1)]
エポキシ樹脂(A1)は、フェノキシ樹脂である。エポキシ樹脂(A)100質量部に占めるエポキシ樹脂(A1)の質量は、50乃至100質量部の範囲内にあり、好ましくは70乃至95質量部の範囲内にある。
フェノキシ樹脂とは、通常、エピハロヒドリンと2価フェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、または2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂を指す。エポキシ樹脂(A1)としては、重量平均分子量が1000乃至100000の範囲内にある高分子量のフェノキシ樹脂が特に好ましい。
エポキシ樹脂(A1)としては、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格およびジシクロペンタジエン骨格からなる群から選択された少なくとも1つの骨格を有するフェノキシ樹脂が好ましい。中でも、耐熱性がより一層高められるので、フルオレン骨格および/またはビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂が特に好ましい。
エポキシ樹脂(A1)のエポキシ当量は、3000乃至20000g/当量であることが好ましい。エポキシ当量は、JIS K7236:2009に準拠した方法で得られる。
本発明に用いられるフェノキシ樹脂は特に限定されず、公知のフェノキシ樹脂等を用いることができ、その具体例としては新日鉄住金化学社製FX280、FX293、三菱ケミカル社製jERYX8100、jERYX1256、jERYX6954、jERYX7200等が挙げられる。
エポキシ樹脂(A1)は1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
[エポキシ樹脂(A2)]
エポキシ樹脂(A)は、フェノキシ樹脂以外のエポキシ樹脂であるエポキシ樹脂(A2)を含有していてもよい。例えば、エポキシ樹脂(A)は、エポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)とからなる。
エポキシ樹脂(A2)は、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂である。
エポキシ樹脂(A2)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上の混合体として使用することができる。
エポキシ樹脂(A2)は、溶融粘度制御の観点から、その重量平均分子量が、好ましくは、100乃至10000の範囲内にあり、より好ましくは、200乃至2000の範囲内にある。重量平均分子量が低すぎる場合、高い耐熱性を達成することが難しくなる傾向にある。重量平均分子量が高すぎる場合、エポキシ樹脂の融点が高くなり、作業性が低下する傾向がある。
エポキシ樹脂(A2)のエポキシ当量は、50乃至500g/当量であることが好ましい。エポキシ樹脂(A)100質量部に占めるエポキシ樹脂(A2)の質量は0乃至50質量部の範囲内にある。
また、本発明において、エポキシ樹脂(A)は、本発明の目的を損なわない範囲において、エポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)以外のエポキシ樹脂(以下、他のエポキシ樹脂)を含有していてもよい。他のエポキシ樹脂の質量は、エポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)との合計100質量部に対して、通常、50質量部以下、好ましくは、30質量部以下である。
エポキシ樹脂(A1)の割合が50質量部以上であることにより、エポキシ樹脂(A1)を配合することによる可撓性が十分に得られやすく、所望の屈曲性も得られやすい。エポキシ樹脂(A)がエポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)を含む場合、これらが混合されることで硬化性及び硬化物の物性がさらに良くなり屈曲性は十分なものとなる。特に製膜過程でのタック低減により、ライン汚染を防止することができる。
なお、他のエポキシ樹脂は1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
[硬化促進剤(B)]
本発明のエポキシ樹脂組成物には硬化促進剤(B)が好適に用いられる。
硬化促進剤(B)としては、有機ホスフィン類系硬化促進剤、ホスホニウム塩系硬化促進剤、テトラフェニルボロン塩系硬化促進剤、金属系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、有機酸ジヒドラジド硬化促進剤、ハロゲン化ホウ素アミン錯体系硬化促進剤などが挙げられる。
これらの硬化促進剤は1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
有機ホスフィン類系硬化促進剤、ホスホニウム塩系硬化促進剤、テトラフェニルボロン塩系硬化促進剤の中で、本発明のエポキシ樹脂組成物用硬化促進剤として使用可能な化合物としては、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p-トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の有機ホスフィン類、これら有機ホスフィン類と有機ボロン類との錯体、又はこれら有機ホスフィン類と無水マレイン酸、1,4-ベンゾキノン、2,5-トルキノン、1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルベンゾキノン、2,6-ジメチルベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、フェニル-1,4-ベンゾキノン等のキノン化合物、若しくはジアゾフェニルメタンなどの化合物とを付加してなる化合物等が例示される。
エポキシ樹脂を効率的に硬化させる硬化促進剤として、金属系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤等も広く用いられている。
金属系硬化促進剤としては、特に制限されるものではなく、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体などが挙げられる。有機金属塩としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
金属系硬化促進剤としては、硬化性、溶剤溶解性の観点から、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート、亜鉛(II)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛、鉄(III)アセチルアセトナートが好ましく、特にコバルト(III)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛が好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、イミダゾール骨格を有するもの、例えば2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、 1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムク酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。
アミン系硬化促進剤としては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン;4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等のアミン化合物などが挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤及びアミン系硬化促進剤等の硬化促進剤(B)の含有量は、例えば樹脂組成物中の不揮発分100質量部、即ち、エポキシ樹脂(A)100質量部に対し、0.005乃至5.0質量部の範囲が好ましく、0.01乃至2質量部の範囲がより好ましい。硬化促進剤(B)の量が少なすぎると硬化が遅くなり熱硬化時間が長く必要となる傾向にある。硬化促進剤(B)の量が多すぎると樹脂組成物の保存安定性が低下したり、熱膨張率が増加したりする傾向となる。
[研磨材粒子(C)]
図1に示すように、研磨材粒子2は、例えば、研磨フィルム1中に均一に分散している。
研磨材粒子(C)は、その一部がフィルム表面に露出することで研磨材として機能する。研磨材粒子としては、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、窒化ホウ素(c‐BN)、炭化珪素(SiC)、ダイヤモンド(単結晶、多結晶)等の無機物が使用できるが、特に限定しない。
これら研磨材粒子(C)の粒径は、例えば、1乃至200μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは5乃至100μmの範囲内にある。平均粒径が小さすぎると研磨材粒子(C)が凝集しやすく均一な研磨性能を有する研磨フィルム1の作製に不適となる場合がある。また、平均粒径が大きすぎると、研磨フィルム1の表面粗さが大きくなり過ぎ、精密研磨用の研磨フィルムには不適となる場合がある。平均粒径とは、レーザー回折・散乱法によって測定した体積平均径のことである。
研磨材粒子(C)の材質および粒径は、研磨対象物の材質や、要求される仕上げ精度によって適切に選定される。この際、研磨材粒子(C)の粒径は、選定した粒径の-10~+10%の範囲内にすることが好ましく、-5~+5%の範囲内であることがより好ましい。均一な粒径の研磨材粒子(C)を用いると、均一な研磨性能を有する研磨フィルムが作製しやすい。
また研磨フィルム中の研磨材粒子(C)の含有率は、好ましくは30乃至90体積%の範囲内にあり、より好ましくは50乃至75体積%の範囲内にある。研磨材粒子(C)は、その粒径および研磨フィルムの厚みによって適切な含有率に調整して使用される。
上述の研磨フィルム1では、高温雰囲気においても、研磨フィルムの破断や、研磨フィルムからの研磨材粒子の脱落などの研磨フィルムの損傷が生じにくい。さらに、上述した研磨フィルム1は基材を有していないため、基材からの研磨層の剥離といった問題は生じ得ない。従って、本実施形態によれば、高温雰囲気においても高い耐久性を有する研磨フィルムが得られる。
<樹脂組成物の調製>
上記の樹脂組成物は、上述した成分を均一に混合することにより得る。この混合には、例えば、特に限定されないが、ディスパーミキサ、ウルトラミキサ、ホモジナイザ、及び遊星攪拌脱泡機等の攪拌機を用いることができる。
<フィルムの製造>
図1に示す研磨フィルム1は、例えば、上記の樹脂組成物からなる塗膜を支持体上に形成し、必要に応じてこの塗膜に電離放射線を照射し、更に、塗膜をプリベークに供して、塗膜を硬化させ、その後、硬化した膜を支持体から剥離することにより得る。研磨フィルム1の製造には、例えば、図2に示す装置を利用することができる。
図2は、フィルム製造装置の一例を概略的に示す図である。
このフィルム製造装置100は、ロール・ツー・ロール式のダイコータである。このフィルム製造装置は、巻出ロール110と、キャリアフィルム120と、ガイドロール130a乃至130eと、バックアップロール140と、ダイヘッド150と、電離放射線照射機160と、ヒータ170と、剥離ロール180と、巻取ロール190a及び190bとを含んでいる。
巻出ロール110には、キャリアフィルム120が巻かれている。巻出ロール110は、キャリアフィルム120を巻き出す。
キャリアフィルム120は、ベルト形状を有している。キャリアフィルム120上には、上述した樹脂組成物を塗布し、このキャリアフィルム120上で樹脂組成物からなる塗膜の硬化を行う。
キャリアフィルム120は、樹脂組成物の硬化物を剥離可能に支持し得るものである。キャリアフィルム120としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートフタレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム(CAPフィルム)、セルローストリアセテート及びセルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体からなるフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム、及びポリアリレート系フィルムを挙げることができる。
キャリアフィルム120の厚さは、制限を設けるわけではないが、6~700μmの範囲内にあることが好ましく、40~250μmの範囲内にあることがより好ましく、50~150μmの範囲内にあることが更に好ましい。
ガイドロール130a乃至130eは、巻出ロール110から巻き出されたキャリアフィルム120を、ダイヘッド150とバックアップロール140との間の領域、電離放射線照射機160の正面の領域、ヒータ170、及び巻取ロール190aへと順次案内する。
バックアップロール140は、ダイヘッド150と向き合うように設置されている。バックアップロール140は、ダイヘッド150とバックアップロール140との間を通過するキャリアフィルム120の裏面上を転動して、キャリアフィルム120とダイヘッド150との距離を一定に保つ役割を果たす。
ダイヘッド150は、ダイヘッド150とバックアップロール140との間を通過するキャリアフィルム120の表面上に樹脂組成物を供給する。これにより、キャリアフィルム120の表面上に、樹脂組成物からなる塗膜を形成する。
ここでは、樹脂組成物の塗工にダイヘッド150を利用するダイコート法について説明しているが、樹脂組成物の塗工には他の方法を利用してもよい。樹脂組成物の塗工には、例えば、ディッピング法、ワイヤーバーを使用する方法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、カーテン法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、及びグラビアオフセット法等の周知の方法を用いることができる。
樹脂組成物からなる塗膜の硬化後の厚さ、即ち、研磨フィルム1の厚さは、1~250μmの範囲内にあることが好ましい。薄すぎる場合、研磨フィルム1の強度が低く、研磨フィルム1がキャリアフィルム120から剥離する際に破断してしまう可能性が高い。厚すぎる場合、反応熱が高くなることで硬化物の貯蔵弾性率が非常に高くなり、その結果、研磨フィルム1は、硬く脆い性状となり、可撓性が不十分となる可能性がある。
電離放射線照射機160は、キャリアフィルム120の表面と向き合うように設置されている。キャリアフィルム120上の塗膜に対して、電離放射線を照射する。キャリアフィルム120が電離放射線を透過させるものである場合、電離放射線照射機160は、キャリアフィルム120の裏面と向き合うように設置してもよい。
ここで、用語「電離放射線」は、樹脂組成物が含む成分、具体的には硬化促進剤(B)とエポキシ樹脂(A)とを反応させ得る高エネルギーな放射線、例えば、X線又は紫外線を意味している。電離放射線としては、典型的には、紫外線を利用する。
電離放射線照射機160は、塗膜に電離放射線を照射することにより、樹脂組成物が含んでいる硬化促進剤(B)を活性化させる。
電離放射線照射機160の光源としては、硬化促進剤(B)及びエポキシ樹脂(A)の反応に適した波長の光を放射するものを適宜選択する。この光源としては、400nm以下の波長を放射するランプが好ましい。そのようなランプとしては、例えば、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、及び可視光ハロゲンランプが挙げられる。
電離放射線照射は、空気中で行ってもよいし、窒素及びアルゴン等の不活性ガス中で行ってもよい。
電離放射線の積算光量は、10~3000mJ/cmの範囲内とすることが好ましく、100~1000mJ/cmの範囲内とすることがより好ましく、200~500mJ/cmの範囲内とすることが更に好ましい。
ヒータ170は、電離放射線を照射した塗膜に対してポストベークを行う。ポストベークを行うことにより、樹脂組成物中での上記反応を完結させる。ポストベークを行うと、研磨フィルム1における架橋密度を高めることができ、耐摩耗性が高まる。
ヒータ170による加熱には、例えば、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、及び赤外線照射等の加熱方法を、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。加熱温度は、80~160℃の範囲内とすることが好ましい。加熱時間は、0.5~60分間の範囲内とすることが好ましい。
剥離ロール180は、キャリアフィルム120に支持された研磨フィルム1上を転動するように設置されている。剥離ロール180は、キャリアフィルム120の移動方向に対して、研磨フィルム1の移動方向を急激且つ大きく異ならしめ、これにより、研磨フィルム1をキャリアフィルム120から剥離する。
巻取ロール190aは、研磨フィルム1を剥離したキャリアフィルム120を巻き取る。また、巻取ロール190bは、キャリアフィルム120から剥離した研磨フィルム1を巻き取る。
巻取ロール190aは、キャリアフィルム120に張力を与える。巻取ロール190aがキャリアフィルム120に与える張力は、キャリアフィルム120の厚さや材質によって異なるが、10~500N/mの範囲内とすることが好ましい。
研磨フィルム1は、例えば、以上のようにして製造する。
研磨フィルム1では、研磨材粒子2は、研磨フィルム1の表面近傍に偏在していてもよい。そのような研磨フィルム1は、例えば、図2を参照しながら説明したフィルムの製造方法を以下のように変更することによって得られる。まず、樹脂組成物からなる塗液を調製するのに加え、研磨材粒子2を含んでいない樹脂組成物からなる塗液も調製する。そして、これら塗液を用い、同時多層塗布法により、研磨フィルムを製造する。即ち、2つのスロットが設けられたダイヘッドを用い、その一方のスロットから樹脂組成物からなる塗液を吐出し、他方のスロットから研磨材粒子2を含んでいない樹脂組成物からなる塗液を吐出する。こうすると、研磨材粒子2が表面近傍に偏在した研磨フィルム1が得られる。
このようにして得られた研磨フィルム1では、研磨材粒子は一方の主面の近傍に偏在し、他方の主面の近傍の領域は研磨材粒子2を含んでいない樹脂組成物の硬化物3のみからなるため、より高い強度が得られる。
(実施例1)
図1に示す研磨フィルム1を以下の手順で作製した。
まず、エポキシ樹脂(A1)としてjER YX6954BH30(エポキシ当量11200g/当量、重量平均分子量Mw38700、固形分30wt%、三菱ケミカル社製)を用い、エポキシ樹脂(A2)としてjER 157S65B80(エポキシ当量206g/当量、重量平均分子量Mw420、固形分80wt%、三菱ケミカル社製)を用い、硬化促進剤(B)としてjERキュアEMI24(固形分100wt%、三菱ケミカル社製)を用い、エポキシ樹脂(A1)を95質量部、エポキシ樹脂(A2)を5質量部、硬化促進剤(B)を0.1質量部の割合で調合し、研磨材粒子(C)としては、平均粒径5μmのアルミナ(Al)を用い、研磨フィルム中の含有率が70体積%となるように樹脂組成物を調合し、遊星攪拌脱泡機(マゼルスターKK5000、KURABO社製)を用いてこれを15分間攪拌して、塗液を調製した。
次に、この塗液を用いて、図2を参照しながら説明した方法により、厚さが100μmの研磨フィルム1を製造した。ここでは、キャリアフィルム120として、厚さが250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(メリネックスS、帝人デュポンフィルム(株)製)を使用した。電離放射線照射機160の光源としては、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス(株)製)を使用した。露光は、積算光量が500mJ/cmとなるように行った。また、ポストベークは、150℃にて180秒間にわたって行った。なお、キャリアフィルム120は、50N/mの張力で巻き取った。
(実施例2)
研磨フィルム1の厚みを25μmとした以外は、実施例1と同様の方法で研磨フィルム1を製造した。
(実施例3)
研磨材粒子(C)に平均粒径10μmのシリカ(SiO)を用い、その研磨フィルム1における含有率を50体積%とし、研磨フィルム1の厚みを150μmとした以外は、実施例1と同様の方法で研磨フィルム1を製造した。
(比較例1)
まず、脂環式エポキシ樹脂を用いたバインダー樹脂と研磨材粒子を混合し、遊星攪拌脱泡機(マゼルスターKK5000、KURABO製)にて30分間攪拌して塗液を得た。バインダー樹脂の組成は、脂環式エポキシ化合物としてセロキサイド2021P((株)ダイセル製)を80質量部、ポリオール化合物としてプラクセル305((株)ダイセル製)を20質量部、酸発生剤としてアデカオプトマーSP-170((株)ADEKA)を0.05質量部とした。研磨材粒子には平均粒径5μmのアルミナ(Al)を用い、研磨フィルム1中の研磨材粒子の含有率が70体積%となるように塗液を調製した。
次に、この塗液を用いて、厚さが100μmの研磨フィルムを作製した。ここでは、キャリアフィルムとして、厚さが250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(メリネックスS、帝人デュポンフィルム(株)製)を使用した。電離放射線照射機の光源としては、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス(株)製)を使用した。露光は、積算光量が500mJ/cmとなるように行った。また、ポストベークは、150℃にて180秒間にわたって行った。なお、キャリアフィルムは、50N/mの張力で巻き取った。
(比較例2)
基材表面に、バインダー樹脂と研磨材粒子を混合した塗液を塗布し、乾燥、硬化させて研磨フィルムを製造した。基材には厚さが75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(メリネックスS、帝人デュポンフィルム(株)製)を使用した。研磨材粒子としては、平均粒径5μmのアルミナ(Al)を用い、研磨フィルム中の研磨材粒子の含有率が70体積%となるように研磨フィルムを準備した。バインダー樹脂としては、ウレタン系熱可塑性エラストマー(クラミロンU9180、(株)クラレ製)を5質量%含有するテトラヒドロフラン溶解液を200質量部と、ポリイソシアネート(デスモジュールL75C、住化バイエルウレタン(株))を5質量部および溶剤としてのメチルエチルケトンを30質量部混合したものを使用した。バインダー樹脂と研磨材粒子とを、遊星攪拌脱泡機(マゼルスターKK5000、KURABO製)を用いて30分間攪拌し、塗液を得た。
基材への塗液の塗布はダイコータを用い、乾燥膜厚が25μmになるよう塗布した。乾燥および硬化は、150℃にて120秒間行い、研磨フィルムを製造した。
<研磨フィルムの強度の評価>
実施例および比較例で製造した研磨フィルムを、光ファイバー端面研磨機(OFL-15A、(株)精工技研製)に取り付け300rpmにて10分間、光ファイバー端面を研磨した。研磨フィルムからの研磨材粒子の脱落、研磨層の基材からの剥離などの研磨フィルムの不具合が生じるまでの、繰り返し研磨回数を調べた。室温環境の23℃および研磨フィルム周辺を80℃に加熱した高温環境で評価を実施した。評価結果を表1に示す。
表1において、繰り返し回数が15回以上であった研磨フィルムを研磨フィルムとして耐久性に問題がなく実用できる(即ち、「〇」)と評価し、繰り返し回数が10~14回であって研磨フィルムを研磨対象物によっては使用可能である(即ち、「△」)と評価し、繰り返し回数が9回以下であった研磨フィルムを研磨フィルムとして耐久性に劣る(即ち、「×」)と評価した。
Figure 2023028400000002
常温環境においては、実施例1では、繰り返し研磨回数20回で研磨フィルムから研磨材粒子が脱落した。実施例2では、繰り返し研磨回数12回で研磨フィルム自体が破断した。実施例3では、繰り返し研磨回数18回で研磨フィルムから研磨材粒子が脱落した。一方、比較例1では、繰り返し研磨回数14回で研磨層から研磨材粒子が脱落した。比較例2では、7回で研磨層が基材から剥離し、研磨不能となった。
高温環境においては、実施例1では、繰り返し研磨回数20回で研磨フィルムから研磨材粒子が脱落した。実施例2では、繰り返し研磨回数11回で研磨フィルム自体が破断した。実施例3では、繰り返し研磨回数18回で研磨フィルムから研磨材粒子が脱落した。一方、比較例1では、繰り返し研磨回数9回で研磨層から研磨材粒子が脱落した。比較例2では、5回で研磨層が基材から剥離し、研磨不能となった。
上記の結果より、従来の製造方法により製造した比較例1および比較例2の研磨フィルムよりも、本発明の実施例1~実施例3に係る研磨フィルムの方が耐久性に優れていた。
本発明の研磨フィルムは、研磨材粒子の脱落や、研磨層と基材との剥離という問題が生じにくく、繰り返し研磨に耐え得る。このため、本発明に係る研磨フィルムの使用は、研磨フィルムの交換回数を減らすことができるため経済的であり、かつ交換作業にかかる時間を短縮することができる。
1…研磨フィルム、2…研磨材粒子、3…硬化物、10…積層フィルム、100…フィルム製造装置、110…巻出ロール、120…キャリアフィルム、130a乃至130e…ガイドロール、140…バックアップロール、150…ダイヘッド、160…電離放射線照射機、170…ヒータ、180…剥離ロール、190a及び190b…巻取ロール。

Claims (14)

  1. 自立膜としての研磨フィルムであって、エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)と研磨材粒子(C)とを含んだ樹脂組成物の硬化物からなり、
    前記エポキシ樹脂(A)は、前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、50乃至100質量部の、フェノキシ樹脂であるエポキシ樹脂(A1)と、前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、0乃至50質量部の、分子内に2個以上のエポキシ基を有する、フェノキシ樹脂以外のエポキシ樹脂(A2)とを含有し、
    前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対する前記硬化促進剤(B)の質量は0.005乃至5.0質量部の範囲内にある研磨フィルム。
  2. 前記エポキシ樹脂(A)は前記エポキシ樹脂(A1)と前記エポキシ樹脂(A2)とを含有した請求項1に記載の研磨フィルム。
  3. 前記エポキシ樹脂(A2)はビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂である請求項2に記載の研磨フィルム。
  4. 前記エポキシ樹脂(A2)のエポキシ当量は50乃至500g/当量の範囲内にある請求項2又は3の何れか1項に記載の研磨フィルム。
  5. 前記エポキシ樹脂(A2)の重量平均分子量は100乃至10000の範囲内にある請求項2乃至4の何れか1項に記載の研磨フィルム。
  6. 前記エポキシ樹脂(A1)はビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂である請求項1乃至5の何れか1項に記載の研磨フィルム。
  7. 前記硬化促進剤(B)はイミダゾール骨格を有する請求項1乃至6の何れか1項に記載の研磨フィルム。
  8. 前記硬化促進剤(B)は2-エチル-4-メチルイミダゾールである請求項1乃至6の何れか1項に記載の研磨フィルム。
  9. 前記エポキシ樹脂(A1)のエポキシ当量は3000乃至20000g/当量の範囲内にある請求項1乃至8の何れか1項に記載の研磨フィルム。
  10. 前記エポキシ樹脂(A1)の重量平均分子量は1000乃至100000の範囲内にある請求項1乃至9の何れか1項に記載の研磨フィルム。
  11. 前記研磨材粒子(C)の平均粒径は1乃至200μmの範囲内にある請求項1乃至10の何れか1項に記載の研磨フィルム。
  12. 前記研磨材粒子(C)の含有率は30乃至90体積%の範囲内にある請求項1乃至11の何れか1項に記載の研磨フィルム。
  13. 前記研磨材粒子(C)は前記研磨フィルムの表面近傍に偏在している請求項1乃至12の何れか1項に記載の研磨フィルム。
  14. 膜厚が1乃至250μmの範囲内にある請求項1乃至13の何れか1項に記載の研磨フィルム。
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