JP2023023286A - シラフルオレン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロジウム化合物存在下、2-ヒドロシリルビフェニル類を脱水素反応させシラフルオレン誘導体を製造するに際し、より幅広い条件での脱水素反応の実施を可能とする製造方法の提供。【解決手段】本願発明者らが鋭意検討を行った結果、ロジウム化合物と共に、ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル及び/又は4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン)をプレリガンドとして使用することによって前記課題が解決可能であることを見出した。【選択図】なし
Description
本発明は、シラフルオレン誘導体の改良された製造方法に関する。
芳香環同士がケイ素で架橋された構造を有するシラフルオレン誘導体は有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)をはじめとした各種有機半導体の原料として好適に使用される化合物として知られている。
芳香環同士がケイ素で架橋された構造を有するシラフルオレン誘導体の製造方法として例えば、ロジウム等の金属化合物からなる触媒の存在下、2-ヒドロシリルビフェニル類を脱水素反応させる方法が知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1及び2)。
J.Am.Chem.Soc. 2010, 132, 14324-14326.
Chem.Eur.J. 2017, 23, 10861-10870.
本願発明者らが前記した公知の製造方法を追試したところ、反応温度や触媒の使用量、併用する溶媒、原料である2-ヒドロシリルビフェニル類(下記一般式(1)で表されるシリル化合物)の構造等、反応条件によっては反応速度が非常に遅かったり、或いは反応が途中で停止してしまう場合があることが判明した。
本発明は、前述した公知の方法に比し、より幅広い条件での脱水素反応の実施を可能とした、シラフルオレン誘導体の新規製造方法の提供を課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ロジウム化合物を用いた脱水素反応において、特定の化合物(ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル及び/又は4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン)をプレリガンドとして使用することによって前記課題が解決可能であることを見出した。具体的には、本発明は以下の発明を含む。
[1]
ロジウム化合物、並びにビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル及び/又は4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン存在下、以下一般式(1):
ロジウム化合物、並びにビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル及び/又は4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン存在下、以下一般式(1):
で表されるシリル化合物を脱水素反応させる、以下一般式(2):
[2]
ロジウム化合物が錯体である、[1]に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法。
ロジウム化合物が錯体である、[1]に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法。
[3]
ロジウム化合物がエチレン錯体、シクロオクテン錯体、シクロオクタジエン錯体、及びノルボルナジエン錯体からなる群から選ばれる少なくとも一種である、[1]又は[2]に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法。
ロジウム化合物がエチレン錯体、シクロオクテン錯体、シクロオクタジエン錯体、及びノルボルナジエン錯体からなる群から選ばれる少なくとも一種である、[1]又は[2]に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法。
本発明の製造方法によれば、公知の製造方法に比しロジウム化合物の使用量の低減が可能であると共に、より低い温度で脱水素反応を実施することができる。そのため、公知の製造方法に比し、より安価かつエネルギー的に有利に脱水素反応が実施できることから、工業的規模での実施に際し好適な製造方法であるといえる。また、より温和な条件で反応を行うことができることから、公知の製造方法では反応中にその一部又は全部が脱離する可能性があるような置換基(例えばBr原子等)を有する原料化合物(上記一般式(1)で表されるシリル化合物)を用いた場合であっても、置換基を脱離させることなく脱水素反応を行うことができ、より幅広い構造を有するシラフルオレン誘導体を製造することが可能となる。
また、公知の製造方法では、溶媒としてジオキサンが好適であるとされていたが(例えば、非特許文献2)、ジオキサンは毒性が強く、特に工業的規模での実施に際しては使用が忌避される傾向にある。一方、公知の製造方法の場合、後述する実施例の項にて示す通り、ジオキサンをトルエン等一般的に有機合成にて多用される溶媒に置換した場合、原料化合物(上記一般式(1)で表されるシリル化合物)の構造によっては、反応が途中で停止したり、より多くのロジウム化合物が必要である等といった問題がみられるが、本発明の製造方法によれば、一般的に有機合成にて多用される溶媒を用いてもジオキサンを用いた場合と同様に反応が進行することから、この点においても特に工業的規模での実施に際し好適な製造方法であるといえる。
本明細書において、「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する概念である。また、本明細書において、数値範囲を「A~B」で示す場合、A以上B以下を意味する。
上記一般式(1)で表されるシリル化合物、及び上記一般式(2)で表されるシラフルオレン誘導体において、式中、R1及びR2は、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基を表す。炭素数1~4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基及びtert-ブチル基が挙げられる。炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基の中でも、上記一般式(1)で表されるシリル化合物の製造容易性の観点からメチル基又はエチル基が好ましく、また、R1及びR2は同一の置換基であることが好ましい。
上記一般式(1)で表されるシリル化合物、及び上記一般式(2)で表されるシラフルオレン誘導体において、式中、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基である。R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24の2つが相互に結合して、置換基を有してもよい環を形成してもよく、好ましくは隣接する2つが相互に結合して置換基を有してもよい環を形成するか、R14及びR24とが相互に結合して、置換基を有してもよい環を形成してもよい。
R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24の2つが相互に結合して、置換基を有してもよい環を形成する場合の置換基として例えば、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基等が例示される。
本発明におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が例示される。置換基を有してもよいアルキル基としては、低級アルキル基(例えば炭素数1~4のアルキル基)、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基等の置換基を有してもよい炭素原子数1~20のアルキル基が例示される。置換基を有してもよいアルケニル基としては、低級アルキル基(例えば炭素数1~4のアルキル基)、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基等の置換基を有してもよい総炭素原子数1~20のアルケニル基が例示される。置換基を有してもよいアルキニル基としては、低級アルキル基(例えば炭素数1~4のアルキル基)、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基等の置換基を有してもよい総炭素原子数1~20のアルキニル基が例示される。置換基を有してもよいアリール基としては、低級アルキル基(例えば炭素数1~4のアルキル基)、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基等の置換基を有してもよい総炭素原子数6~20のフェニル基またはナフチル基が例示される。置換基を有してもよいアリールアルキル基としては、低級アルキル基(例えば炭素数1~4のアルキル基)、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基等の置換基を有してもよい総炭素原子数7~20のフェニルアルキル基またはナフチルアルキル基が例示される。置換基を有してもよいアリールアルケニル基としては、低級アルキル基(例えば炭素数1~4のアルキル基)、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基等の置換基を有してもよい総炭素原子数7~20のフェニルアルケニル基またはナフチルアルケニル基が例示される。置換基を有してもよいアリールアルキニル基としては、低級アルキル基(例えば炭素数1~4のアルキル基)、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基等の置換基を有してもよい総炭素原子数7~20のフェニルアルキニル基またはナフチルアルキニル基が例示される。置換基を有してもよいシクロアルキル基としては、低級アルキル基(例えば炭素数1~4のアルキル基)、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基等の置換基を有してもよい総炭素原子数6~20のシクロアルキル基が例示される。置換基を有してもよい複素環基としては、低級アルキル基(例えば炭素数1~4のアルキル基)、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基等の置換基を有してもよいフラニル基、チオフェニル基、ピロリル基、2H-ピロリル基、2-ピロリニル基、ピロリジニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリジル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、4H-1,4-オキサジニル基、モルホルニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基等の総炭素原子数4~20の置換基を有してもよい複素環基が例示される。
上記したR11、R12、R13、R14、R21、R22、R23及びR24の態様の中でも、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいアリールアルキル基、並びにR11、R12、R13、R14、R21、R22、R23及びR24の内、隣接する2つが相互に結合して置換基を有してもよい環を形成するか、R14及びR24とが相互に結合して、置換基を有してもよい環を形成したもの(該置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいアリールアルキル基であるもの)が好ましい。
本発明におけるロジウム化合物としては、塩化ロジウム等のロジウムの金属塩、ドデカカルボニル四ロジウム(Rh4(CO)12)、塩化ロジウムカルボニル([RhCl(CO)2]2)等の有機ロジウム化合物、ロジウムアセテート錯体([Rh(OAc)2]2)、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(RhCl(PPh3)3)、カルボニルクロロビス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(RhCl(CO)(PPh3)2)、ロジウムシクロオクタジエン錯体([RhCl(cod)]2)、ロジウムエチレン錯体([RhCl(C2H4)2]2)、ロジウムシクロオクテン錯体及びロジウムノルボルナジエン錯体等のロジウム錯体が例示され、これらロジウム化合物の中でもロジウム錯体が好ましく、特にエチレン錯体、シクロオクテン錯体、シクロオクタジエン錯体及びノルボルナジエン錯体が好ましい。
ロジウム化合物の使用量は、例えば、一般式(1)で表されるシリル化合物1モルに対し、0.01モル%以上、好ましくは0.05モル%以上である。また、過剰量のロジウム化合物を使用しても反応は進行するが、より工業的優位に一般式(2)で表されるシラフルオレン誘導体を製造する観点から、その使用量の上限は、例えば、50モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
本発明においては、ロジウム化合物と共に、プレリガンドとしてビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル(下記式(3)で表される化合物)及び/又は4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(下記式(4)で表される化合物)(以下、これらを総称して「プレリガンド化合物」と称することがある)を併用する。プレリガンド化合物を併用することにより、前述した公知の製造方法に比し、より温和かつ少ない触媒量で反応が進行し、副生成物(例えば、目的とするシラフルオレン誘導体から置換基が脱離した化合物)の生成が抑制可能となると共に、後述する実施例の項にて示す通り、引例発明記載の方法では反応が途中で停止してしまう化合物に対しても反応を進行させることが可能となる。
プレリガンド化合物の使用量は、例えば、ロジウム化合物1モルに対し0.5~5モル、好ましくは1~3モルである。
本発明は有機溶媒存在下に実施してもよい。使用可能な有機溶媒としては、炭化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類、アルコール類等が例示される。炭化水素類としては、ペンタン、ヘキサン、へブタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどの脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類が例示される。エーテル類としては、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等が例示される。エステル類としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、エチレンジアセテート等が例示される。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が例示される。アルコール類としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等が例示される。これら有機溶媒の中でも、炭化水素類が好ましく、芳香族炭化水素類がより好ましい。
有機溶媒を使用する際の使用量は、例えば、一般式(1)で表されるシリル化合物1重量部に対し0.1~100重量部、好ましくは0.3~50重量部、より好ましくは0.5~10重量部である。
本発明を実施する際、必要に応じ水素捕捉剤を併用してもよいが、水素捕捉剤を併用しなくとも充分な反応速度を得ることが可能である。本発明において使用可能な水素捕捉剤としては、オレフィンが例示され、より具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブチレン、1-ペンテン、3,3-ジメチル-1-ブテン、1-ヘキセン、スチレン、α-メチルスチレン、2-ブテン、2-ペンテン、3-メチル-2-ブテン、2-ノルボルネン等が例示される。水素捕捉剤を使用する場合、その使用量は、例えば、一般式(1)で表されるシリル化合物1モルに対し0.5~20モル、好ましくは1~10モル、より好ましくは2~6モルである。
本発明を実施する際の温度は、例えば、20~200℃、好ましくは40~150℃、より好ましくは40~120℃である。なお、本発明においては、前述した公知の製造方法に比し、より低い温度で反応を実施することも可能であり、その反応温度を原料化合物に合わせて適宜調整することができるため、反応中に脱離しやすい置換基を有する一般式(1)で表されるシリル化合物等を原料として使用可能であることから、より幅広い構造を有するシラフルオレン誘導体を製造することが可能となる。
本発明を実施した後、得られた反応混合物について、必要に応じて触媒の除去操作(例えば、ろ過等)、水洗、吸着処理等の後処理や、これらを組み合わせた後処理を行ってもよい。また、例えば、抽出、濃縮、晶析、濾過、カラムクロマトグラフィー等の慣用の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により、上記一般式(2)で表されるシラフルオレン誘導体を分離してもよい。
以下に実施例等を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、例中の収率及び生成率は、特に断りのない限りガスクロマトグラフ(GC)(内部標準法(測定条件1)又は面積百分率値(測定条件2))を用いて決定した。
(1)ガスクロマトグラフ(GC)測定条件1
装置 :島津製作所製 GC-2014、
カラム:ガラスカラム(外径5mm、内径3.2mm、長さ2.1m)、充填剤5% OV-17 on Uniport HP、
昇温:80℃→15℃/min→280℃(10分保持)、
Inj温度:280℃、Det温度:280℃、
キャリアー:窒素20ml/min、
内部標準物質:ドデカン
装置 :島津製作所製 GC-2014、
カラム:ガラスカラム(外径5mm、内径3.2mm、長さ2.1m)、充填剤5% OV-17 on Uniport HP、
昇温:80℃→15℃/min→280℃(10分保持)、
Inj温度:280℃、Det温度:280℃、
キャリアー:窒素20ml/min、
内部標準物質:ドデカン
(2)ガスクロマトグラフ(GC)測定条件2
装置 :島津製作所製 GC-2010Plus、
カラム:HP-5(0.25μm、0.32mmID×30m)、
昇温:50℃(0分保持)→10℃/min→300℃(5分保持)→10℃/min→320℃(3分保持)
Inj温度:280℃、Det温度:320℃、スプリット比 1:20、
キャリアー:窒素72.1kPa(一定)
装置 :島津製作所製 GC-2010Plus、
カラム:HP-5(0.25μm、0.32mmID×30m)、
昇温:50℃(0分保持)→10℃/min→300℃(5分保持)→10℃/min→320℃(3分保持)
Inj温度:280℃、Det温度:320℃、スプリット比 1:20、
キャリアー:窒素72.1kPa(一定)
(3)NMR測定
1H-NMR及び13C-NMRは、JEOL-ESC400(1H 400MHz、13C 100MHz)分光計によって記録した。なお、各データは以下のように記載した。
1H-NMR及び13C-NMRは、JEOL-ESC400(1H 400MHz、13C 100MHz)分光計によって記録した。なお、各データは以下のように記載した。
化学シフト、多重度(s=singlet、d=doublet、dd=doublet of doublets、t=triplet、sext=sextet、m=multiplet)、結合定数(Hz)、及びintegration。
(実施例1)
窒素置換した封管反応容器に、上記式(1-1)で表される化合物1.06g、ロジウムシクロオクタジエン錯体([RhCl(cod)]2)6.1mg、(式(1-1)で表される化合物1モルに対し0.5mol%)、ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル27mg(ロジウム化合物1モルに対し2モル)、トルエン3mL、及び磁気撹拌子を入れた後、80℃まで昇温し、80℃で18時間撹拌した。得られた反応混合物をガスクロマトグラフ(測定条件1)にて分析したところ、上記式(2-1)で表される化合物の収率(GC)は96%であった。
その後、反応混合物を濃縮し、得られた濃縮物をクーゲルロール蒸留により精製することで、式(2-1)で表される化合物0.98g(単離収率90%)を得た。
その後、反応混合物を濃縮し、得られた濃縮物をクーゲルロール蒸留により精製することで、式(2-1)で表される化合物0.98g(単離収率90%)を得た。
(実施例2~8)
ロジウム化合物の使用量、プレリガンド化合物の使用量及び種類、並びに反応温度を以下表1に示す通り変更した以外は実施例1と同様に反応を実施した。その結果(反応混合物におけるガスクロマトグラフによる収率)を表1に示す。
ロジウム化合物の使用量、プレリガンド化合物の使用量及び種類、並びに反応温度を以下表1に示す通り変更した以外は実施例1と同様に反応を実施した。その結果(反応混合物におけるガスクロマトグラフによる収率)を表1に示す。
(実施例9)
事前に窒素置換を行った、攪拌器、加熱冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、上記式(1-2)で表される化合物198.5g、ロジウムシクロオクタジエン錯体([RhCl(cod)]2)3.07g(式(1-2)で表される化合物1モルに対し1mol%)、ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル6.64g(ロジウム化合物1モルに対し2モル)、及びトルエン595mLを加えた後、80℃まで昇温し、80℃で3時間撹拌した。なお、撹拌中、1時間毎に反応混合物の一部を採取し、ガスクロマトグラフ分析(測定条件2)に供し、式(2-2)で表される化合物の生成率を確認した(その結果を表2に示す)。
撹拌後、得られた反応混合物を25℃まで冷却し、ロジウム化合物をろ過により除去した後、反応混合物を濃縮し、濃縮残渣を得た。得られた濃縮残渣をイソプロパノールを用いて晶析することにより、式(2-2)で表される化合物175.6g(単離収率81%)を得た。
得られた式(2-2)で表される化合物の1H-NMR及び13C-NMRの分析結果は下記の通りであった。
撹拌後、得られた反応混合物を25℃まで冷却し、ロジウム化合物をろ過により除去した後、反応混合物を濃縮し、濃縮残渣を得た。得られた濃縮残渣をイソプロパノールを用いて晶析することにより、式(2-2)で表される化合物175.6g(単離収率81%)を得た。
得られた式(2-2)で表される化合物の1H-NMR及び13C-NMRの分析結果は下記の通りであった。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.95 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.87-7.82 (m, 2H), 7.80 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.53-7.47 (m, 2H), 7.46-7.40 m, 1H), 7.28 (dd, J = 1.8, 7.8 Hz, 1H), 2.68 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.71-1.62 (m, 2H), 1.42 (sext, J = 7.3 Hz, 2H), 0.97 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 0.58 (s, 6H).
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 146.9, 145.7, 142.1, 139.2, 136.8, 136.5, 132.84, 132.81, 130.8, 130.3, 128.9, 128.3, 126.5, 125.2, 120.8, 119.7, 35.6, 33.8, 22.5, 14.0, -2.7 (2C)。
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 146.9, 145.7, 142.1, 139.2, 136.8, 136.5, 132.84, 132.81, 130.8, 130.3, 128.9, 128.3, 126.5, 125.2, 120.8, 119.7, 35.6, 33.8, 22.5, 14.0, -2.7 (2C)。
(比較例1)
プレリガンド化合物(ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル)を添加せず、また、ロジウム化合物をクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(RhCl(PPh3)3)5.75g(式(1-2)で表される化合物1モルに対し1mol%)に変更した以外は実施例9と同様に反応を実施した。80℃での撹拌中、1時間毎に反応混合物の一部を採取し、ガスクロマトグラフ分析(測定条件2)に供し、式(2-2)で表される化合物の生成率を確認した。その結果を表2に示す。
プレリガンド化合物(ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル)を添加せず、また、ロジウム化合物をクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(RhCl(PPh3)3)5.75g(式(1-2)で表される化合物1モルに対し1mol%)に変更した以外は実施例9と同様に反応を実施した。80℃での撹拌中、1時間毎に反応混合物の一部を採取し、ガスクロマトグラフ分析(測定条件2)に供し、式(2-2)で表される化合物の生成率を確認した。その結果を表2に示す。
上記表2に示す通り、本発明の製造方法によれば、上記式(1-2)で表される化合物を原料として用いても概ね2時間程度で反応が完結する(実施例9)一方、前述した従来公知の製造方法の場合、殆ど反応が進行せず、途中で反応が停止してしまう(比較例1)ことが判明した。
Claims (3)
- ロジウム化合物、並びにビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル及び/又は4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン存在下、以下一般式(1):
で表されるシリル化合物を脱水素反応させる、以下一般式(2):
で表されるシラフルオレン誘導体の製造方法。 - ロジウム化合物が錯体である、請求項1に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法。
- ロジウム化合物がエチレン錯体、シクロオクテン錯体、シクロオクタジエン錯体、及びノルボルナジエン錯体からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1又は2に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法。
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