JP2023023238A - 洗濯機及び制振装置 - Google Patents

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Yuki Makaino
真理 黒澤
Mari Kurosawa
瀛申 傅
Ying Shen Fu
知也 吉野
Tomoya Yoshino
炳 林
Bing Lin
智哉 長山
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Abstract

【課題】電流の大きさが制限された状態においても、制振性能を高めることができる洗濯機を提供する。【解決手段】外槽と、外槽内に設けられた洗濯槽、外槽を防振支持するリニアアクチュエータを備えた防振支持機構と、リニアアクチュエータを制御する制御装置と、前記制御装置内部で演算した電流指令の振幅値を制限する電流リミッタと、前記リニアアクチュエータに流れる電流を検知する電流検出手段と、を備えた洗濯機において、電流リミッタは、電流指令の振幅値があらかじめ設定した所定値を超える場合には、電流指令の振幅値を所定値以下に制限するとともに、電流指令のリニアアクチュエータの変位又は速度に対する位相角を維持または変更する。【選択図】図8

Description

本発明は、洗濯機の防振装置、特にリニアアクチュエータを用いた防振支持機構の制御に関する。
従来から洗濯機は、筐体の内部に水をためる外槽が位置し、この外槽の内部に回転する洗濯槽が設けられている。この洗濯槽は、外槽の外側に配置されたモータにより回転力を得る。ここで、外槽は筐体内側の上部や下部に間に設けられたサスペンションにより防振支持される。この防振支持機構(サスペンション)は静的に洗濯槽を支持するだけでなく、洗濯槽の回転に伴い生じる外槽の振動を抑制する役割を備えている。
また、衣類の脱水を行う脱水工程は、洗濯槽を高速で回転させて行う。そのため、洗濯槽内の衣類分布に偏りが生じていると、大きな遠心力が、洗濯槽に生じ振動が外槽に伝達する。この振動は、外槽から防振支持機構を介して筐体、床へと伝達する。外槽に接続された防振支持機構の減衰力が大きい程外槽の振動は低減できるが、筐体や床への伝達力が増加する。
こうした背景から、近年、サスペンション特性(減衰力とバネ力)が可変可能な防振支持機構として、磁気粘性流体やリニアアクチュエータを用いた電動サスペンションが使用されている。
例えば、特許文献1、2には、磁石とコイル備え、コイルに通電を行うことで磁石の吸引・反発による推力を発生さえサスペンション特性(減衰力やバネ力)を可変する技術が開示されている。また、特許文献3においては、3相のリニアアクチュエータ(リニアモータ)においてトルク(推力)を制御する技術が公開されており、q軸電流指令の位相を制御し、制振と電力回生を両立するとの記載がある。
特開2019-143780号公報 特開2017-200336号公報 特開2011-106571号公報
リニアアクチュエータ及びその駆動回路には、モータの減磁や発熱の面から通電可能な電流の上限があり、指令値が上限を超える場合には、その大きさをリミット(振幅値を制限)する必要がある。
特許文献1においては、検出した相対位置や加速度に所定のゲインを乗算することで電流指令値を生成し、その値が所定の最大電流を上回る場合電流リミッタをかけるとの記載がある(特許文献1の段落0052参照)。しかしながら、特許文献1の方法では電流指令の大きさ(振幅値)、すなわち絶対値を制限するのみであることから、電流指令の大きさが制限されるような運転時においては、電流波形が正弦波状とならず、また、通電する電流の位相を調整する機能もないことから、制振性能が悪化する。
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、電流指令の大きさが制限(振幅値が制限)された状態においても、制振性能を高めることができる洗濯機及び制振装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明は、外槽と、前記外槽内に設けられた洗濯槽と、前記外槽を防振支持するリニアアクチュエータを備えた防振支持機構と、前記リニアアクチュエータを制御する制御装置と、前記制御装置内部で演算した電流指令の振幅値を制限する電流リミッタと、前記リニアアクチュエータに流れる電流を検知する電流検出手段と、を備えた洗濯機において、前記電流リミッタは、前記電流指令の振幅値があらかじめ設定した所定値を超える場合には、前記電流指令の振幅値を前記所定値以下に制限するとともに、前記電流指令の前記リニアアクチュエータの変位又は速度に対する位相角を維持または変更することを特徴とする。本発明のその他の態様については、後記する実施形態において説明する。
本発明によれば、電流の大きさが制限(振幅値が制限)された状態においても、制振性能を高めることができる。
本発明の実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機(洗濯機W)の斜視図である。 本発明の実施形態に係る洗濯機Wの縦断面図である。 図2のリニアアクチュエータの断面図である。 防振支持機構及びリニアアクチュエータの模式図である。 本発明の実施形態に係る洗濯機の制御ブロック図である。 本発明のリニアアクチュエータへの推力指令を示す図である。 本発明の実施形態に係る電流リミット時の位相関係を示した図である。 本発明の実施形態に係る図7の時刻歴波形を示した図である。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しつつ説明する。同様の構成要素には同様の符号を付し、同様の説明は繰り返さない。本発明の各種の構成要素は必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、一の構成要素が複数の部材から成ること、複数の構成要素が一の部材から成ること、或る構成要素が別の構成要素の一部であること、或る構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複すること、などを許容する。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係るドラム式洗濯乾燥機(以下、洗濯機W)の斜視図であり、図2は、本発明の実施形態1に係る洗濯機Wの縦断面図である。洗濯機Wは、ベース31と、筐体32と、ドア33と、操作・表示パネル34と、排水ホースHと、を備えている。本実施形態においては、洗濯機Wを具体例として説明を行う。
ベース31は、ベース31の上方に配置した筐体32を支持するものである。筐体32は、左右の側板32a,32aと、前面カバー32bと、背面カバー32c(図2参照)と、上面カバー32dと、を備えている。前面カバー32bの中央付近には、衣類を出し入れするための円形の投入口h1(図2参照)が形成されている。ドア33は、前記した投入口h1に設けられる開閉可能な蓋である。
操作・表示パネル34は、電源スイッチ・操作スイッチ・表示器等が設けられたパネルであり、上面カバー32dに設置されている。排水ホースHは、外槽37(図2参照)の洗濯水を排出するためのホースであり、外槽37に接続されている。
洗濯機Wは、前記した構成の他に、図2に示すように、洗濯槽35と、リフタ36と、駆動機構38(電動機M(モータ))と、送風ユニット39と、洗濯機Wを制御する洗濯機制御器41(マイコン)を備えている。
洗濯槽35は、衣類を収容するものであり、有底円筒状を呈している。洗濯槽35は、外槽37に内包され、この外槽37と同軸上で回転可能に軸支されている。洗濯槽35の周壁及び底壁には、通水・通風のための貫通孔(図示せず)が多数設けられている。また、洗濯槽35の開口h2は、外槽37の開口h3と共に、閉状態のドア33に臨んでいる。リフタ36は、洗濯中・乾燥中に衣類を持ち上げて落下させるものであり、洗濯槽35の内周壁に設置されている。外槽37は、洗濯水の貯留等を行うものであり、有底円筒状を呈している。
図2に示すように、外槽37は、洗濯槽35を内包している。外槽37の左右には、支持と制振を行う防振支持機構13が設置されており、防振支持機構13はリニアアクチュエータ10及びスプリング20で構成されている。リニアアクチュエータ10の駆動システム51は、図示はしないが制御装置(マイコン及びメモリ)とインバータ部53(図5参照)、電流検出手段CT(図5参照)を備えており、リニアアクチュエータ10への通電と制御を行う。
なお、図2では、左右のリニアアクチュエータ10の一方を図示しているが、図2に示すように、xyz軸を定める。また、x軸が正の方向を左、負の方向を右と定義する。
左右のリニアアクチュエータ10を区別する場合、左方向にあるリニアアクチュエータを10L、右方向にあるリニアアクチュエータを10Rとする。また、外槽37の底壁の最下部には排水孔(図示せず)が設けられ、この排水孔に排水ホースHが接続されている。
駆動機構38は、洗濯槽35を回転させる機構であり、外槽37の底壁の外側に設置されている。駆動機構38は永久磁石モータ(電動機M)であり、回転軸は、外槽37の底壁を貫通して、洗濯槽35の底壁に連結されている。また、駆動機構38には、洗濯槽35の回転速度を検知する位置センサ42が設置されている。送風ユニット39は、洗濯槽35に温風を送り込むものであり、洗濯槽35の上側に配置されている。
また、外槽37の振動量を検知して加速度振動を電気的情報に変換して出力する加速度センサ40(振動検出手段)は、外槽37の任意の場所に設置されている。洗濯機Wを制御する洗濯機制御器41は、配線は図示しないが、操作・表示パネル34への入力情報に基づき洗濯工程を選択し、駆動機構38の制御を行う。
図3を用いてリニアモータを用いたリニアアクチュエータ10を説明する。なおリニアアクチュエータ10は単相構造である。図3は、図2のリニアアクチュエータ10の断面図である。リニアアクチュエータ10において、固定子11がベース31に接続されており、可動子12が外槽37に接続されている。図3では、x方向においてリニアアクチュエータ10の半分を図示している。
リニアアクチュエータ10は、電機子である固定子11と、z方向に延びる板状の可動子12との間のz軸方向への磁気的な吸引力・反発力(つまり、推力)によって、固定子11と可動子12との相対位置をz方向で直線的に変化させるモータである。
固定子11のコア11aは、環状部と、磁極歯Tを備えており、磁極歯Tに巻線11bが巻回されている。この巻線11bに通電することによって、固定子11が電磁石として機能するようになっている。
可動子12は、z方向に延びる複数の金属板12aと、z方向で所定の間隔を設けて金属板12aに設置される永久磁石121b,122b,123bと、を備えている。なお、金属板に複数の永久磁石を貼り付けてもよいし、また、金属板に複数の永久磁石を埋設してもよい。
可動子12と磁極歯Tの間には空間(ギャップ)が設けられており、接触しない構成となっている。
図4は、防振支持機構13及びリニアアクチュエータ10の模式図である。図4において、スプリング20(弾性体)は、可動子12に弾性力を付与するバネであり、可動子12と固定治具Jとの間に介在している。また、可動子12は、固定子11を貫通している。可動子12は外槽37に接続されており、固定子は固定治具Jとともにベース31に固定されている。また、変位センサSは可動子12と固定子11の相対変位を検出する。
図5は、本発明の実施形態に係る洗濯機の制御ブロック図である。図5を参照してリニアアクチュエータ10の駆動システム51を説明する。駆動システム51は、リニアアクチュエータ10へ印加する電圧指令を演算処理する制御装置52(マイコン及びメモリ)と、リニアアクチュエータ10に電圧を印加するインバータ部53を備えており、電流検出手段CTによって検出した電流と固定子11と可動子12との相対位置を検知する変位センサSの情報をフィードバックしている。
変位センサSは、加速度センサで代替してもよいし、リニアアクチュエータ10への電圧指令と検出電流の関係をもとに演算可能な速度に比例して生じる誘起電圧推定値の積分処理を用いて変位情報に変換して使用してもよい。インバータ部53への電圧供給は、電圧源Eからの交流電圧を整流回路Fにて直流電圧に整流して行っている。
制御装置52は、変位センサSの検出値をもとに速度と変位を計算する速度・変位計算部60を備え、電流指令生成手段70では、速度・変位計算部60にて計算した変位x[m]と速度dx/dt[m/s]に所定の比例係数を乗じてリニアアクチュエータ10の推力指令を生成し、その推力が出力されるようリニア10への電流指令Irefを決定する。
まず、(1)式と(2)式を用いて本実施形態におけるリニアアクチュエータ10への推力指令の決定方法を説明する。
Figure 2023023238000002
Figure 2023023238000003
(1)式においては、kref[N/m]は変位に比例してのリニアアクチュエータ10より出力する推力の比例係数、Cref[N・s/m]は速度に比例して出力する推力の比例係数であり、それぞれバネ定数、減衰係数に相当する物理単位のパラメータである。すなわちFk[N]はバネ力、Fc[N]は減衰力の特性を持つ。
本実施形態では、これらの力を合成した(2)式に示す力F[N]が出力されるようリニアアクチュエータ10への通電電流を制御する。
図6は、本発明のリニアアクチュエータ10への推力指令を示す図である。前記(1)式、(2)式の関係を変位xと速度dx/dtを基準とした直交回転座標系を表すと図6のベクトル関係となる。
次に(3)式、(4)式を用いてリニアアクチュエータ10に通電する電流指令Irefの決定方法を説明する。
Figure 2023023238000004
Figure 2023023238000005
(3)式に示すKe[N/A]はリニアアクチュエータ推力定数(単位電流当たりの推力値)であり、Iampは電流振幅、θiは変位位相を基準とした電流位相(電流位相角)、θ(t)は変位位相と同期した位相角を示している。Irefは、電流リミット前の電流を示す。
電流リミッタ71は、電流振幅Iampの大きさ(振幅値)が所定の値(あらかじめ設定した所定値)より大きな場合には、その大きさ(振幅値)を調整し、電流指令Iref2を出力する。電圧指令生成部80では、電流指令Iref2に電流検出手段CTより検出した電流iが追従するようPID制御等を行い、PWM電圧指令Vrefを生成する。なお、電流リミッタ71の詳細は図7を参照して後記する。
インバータ部53は、図示はしないがインバータ回路であり、半導体素子であるIGBTを備えている。制御装置52より送信されたPWM信号に基づき、IGBTをオン・オフさせ、直流電圧をPWM変調し、リニアアクチュエータ10へ電圧を与える。
次に本実施形態の特徴である電流リミッタ71の詳細について図7、図8を用いて説明する。図7は、本発明の実施形態に係る電流リミット時の位相関係を示した図である。図8は、本発明の実施形態に係る図7の時刻歴波形を示した図である。
図7は、図6と同様に変位xと速度dx/dtを基準とした直交回転座標系を表しており、各電流の位相関係を示している。Imaxは事前に定めた電流の最大値である。この電流の最大値は、インバータ回路の半導体の素子特性やリニアアクチュエータの仕様、電圧源Eや整流回路Fの仕様等によって決定することができる。このImaxは図8に示す時刻歴波形では電流の振幅であり、図7の直交回転座標系ではImaxの大きさを持つ単位円で表現される。IampがImaxを超える場合には、Iampの大きさがImax以下になるようリミットする。
ここで本実施形態ではこの電流リミットを行う際に、電流の振幅とともに電流位相θiを制御することを特徴とする。なお、本説明では電流位相θiを変位の位相(変位位相)を基準として説明するがそれに限らない。速度の位相を基準としてもよいし、任意の位相角を基準としてもよい。すなわち、電流リミッタ71は、電流指令の振幅値があらかじめ設定した所定値を超える場合には、電流指令の振幅値を所定値以下に制限するとともに、電流指令のリニアアクチュエータの変位又は速度に対する位相角を維持または変更して制御する。
図7に示す[1][2][3]は、それぞれ電流リミット時に電流位相θiを制御した際の電流ベクトル例を示している。なお、θlimは電流リミット時の電流位相とする。
[1]は、電流リミット前の電流位相を維持したまま振幅のみを制限した場合の電流ベクトルを示している(θlim=θi)。
[2]は、変位方向の電流位相を優先した場合の電流ベクトルを示している。これは、(1)式においてバネ力に相当する推力Fk(電流)を優先していることと等価になる。
[3]は、速度方向の電流位相を優先した場合の電流ベクトルを示している。これは、(1)式において減衰力に相当する推力Fc(電流)を優先していることになる。
次に本実施形態の効果を(5)式から(7)式に示す1自由度の運動方程式を用いて説明する。
Figure 2023023238000006
Figure 2023023238000007
Figure 2023023238000008
なお、(5)式において、xaは対象物の振動振幅、mは質量、cは減衰係数、kはバネ定数、Fは加振力、ωは加振力の周波数、ωnは共振周波数、ζは減衰比、Ftは振動伝達率を示している。
([2]の効果)
電流リミットの方法として、[2]を選択した場合、バネ力に相当する力を優先して出力する(すなわちkrefを変更する)。そのため、(6)式に示す共振周波数ωnを制御することが可能となる。例えば、制振対象物が複数の共振周波数をもつ場合などには、[2]を用いてそれぞれの共振周波数と対象物の振動周波数が一致しないように、共振周波数ωnを動的に変更(すなわちkrefを変更)したい場合がある。そのような場合には、[2]を適用することで共振周波を遠ざける効果を優先し、振動を低減できる。
([3]の効果)
電流リミットの方法として[3]を選択した場合、減衰力に相当する力を優先して出力する(すなわちCrefを変更する)。例えば洗濯機が高速で脱水運転し、共振周波数ωnより十分高い周波数(例えば、例えば√2倍より高い周波数)で制振対象物が振動している場合には、振動振幅xaは小さいが、(7)式に示す振動伝達率Ftが大きくなることで接地面に伝わる力が大きくなり、騒音増加を招くという問題がある。(7)式に示す通り、減衰係数はバネ定数を変更する場合に比べ振動伝達率Ftへの低減効果が大きいことから、[3]を適用しC+Crefの項が優先して小さくすることで振動伝達率Ftを低減し、接地面に伝わる力を効果的に低減できる。
([1]の効果)
[2]や[3]の電流リミット適用による効果を説明したが、運転条件や制振対象物振動特性によっては、[1]の電流リミットが最適な場合もある。そのような場合には、[1]の電流リミットを適用してもよい。
図8には、θlim=0°、[1]、[3]のそれぞれの電流リミット手段を用いた際のリニアアクチュエータ10の変位及び速度と、電流の位相関係を示している。電流リミット前のIrefは、Imaxを超える場合がある(長破線参照)。
本実施形態の[1]の場合、電流指令Iref2は、電流リミット時に電流の振幅をImax以下とすると共に、θlim=θiとしている(短破線参照)。
本実施形態の[3]の場合、電流指令Iref2は、電流リミット時に電流の振幅をImax以下とすると共に、θlimを速度dx/dtと同位相としている(太い実線参照)
なお、θlim=0°の場合、θlimを変位xと同位相としている(太い一点鎖線参照)。この場合、図7を参照すると、電流の振幅はImaxを少し超えている。
実施形態1によれば、電流リミッタ71は、図8に示すように、電流リミット時に電流の振幅とともに、位相の制御を行う。このようにすることで、同一の電流振幅下において制振性能を向上することが可能となる。
<実施形態2>
次に、実施形態2について説明する。実施形態2では電流リミット時に制御する位相を、洗濯機の回転数や運転パターン、異常時と正常時に応じて変更することが特徴である。
(洗濯機の脱水運転)
洗濯機の脱水運転において、衣類を脱水するために洗濯槽を例えば1800min-1程度まで加速させる。洗濯機は複雑な構造体であることから、xyz軸(左右・前後・上下)方向にそれぞれ異なる周波数の共振点を持ち、加速中にそれらの共振を通過する。共振に応じて最適なリニアアクチュエータ特性も異なるため、それぞれ共振の種類に合わせて最適なものに変更する。すなわち回転数に応じて通電電流の大きさと位相(バネ力と減衰力の比率)を変更する。
本発明の特徴である電流リミット時に制御する位相であるθlimも同様に、それぞれの共振、すなわち回転数に応じて適切な位相が異なることから、回転数に応じて位相角を変更した方がより高い制振性能が得られる。
(洗濯機の加速時と減速時)
また、洗濯機は加速時と減速時で速度変化率(加速・減速率)が異なる。すなわち運転パターンが異なる。一般的に洗濯槽を停止させる減速時の方が加速時に比べて、速度変化率が大きい(加速率より減速率が大きい)。従って、減速時の方が短時間で複数の共振周波数を通過することとなる。洗濯機の制振は、ユーザが外観から振動を感じる筐体32の揺れを小さくすることと、外槽37の振動を小さくし筐体32に接触しないようにすることの両立が求められる。減速時は比較的短時間で洗濯機が停止することから、筐体32の振動は気にならないことが多く、外槽37の振動低下を優先することが多い。したがって、加速時と抑制したい振動の部位が異なる場合がある。そのため、運転パターンに応じて電流リミット時の位相角θlimを変更した方が望ましい。
(洗濯機の正常時と異常時)
同様に洗濯機の異常時、例えば停電にて電源供給が立たれて緊急停止する場合等においては安全に停止することが優先されることが多く、正常運転時と低減が優先される振動部位が異なる。そのため、異常時と正常時において、電流リミット時の位相角θlimを異なる値にした方が望ましい。
なお、本実施形態ではImaxは一定値であるとして、説明したがそれに限らない。短時間のみImaxを増加させる短時間定格の考え方と組み合わせて使用してもよい。すなわち、制限する電流振幅Imaxの大きさに応じて、電流リミット時の位相角θlimを変更する構成としてもよい。
また、本実施形態におけるリニアアクチュエータ10は単相構造を例として説明しているがそれに限らない。アクチュエータの変位や位相と推力(電流)の位相関係を電流リミット時に変更することを特徴としていることから、推力を制御可能なアクチュエータすべてに適用することができ、例えば、三相構造や多相構造を持つリニアアクチュエータ(モータ)や、複数のリニアアクチュエータを直列や並列に接続した構成においても適用できる。
また、洗濯機Wを例として説明を行ったがそれに限らない。例えば自動車のサスペンションや、エレベータのカゴ内の振動抑制に用いられるリニアアクチュエータにおいても、電流リミッタを設ける必要があり、そういった製品用途に適用してもよい。
本実施形態では、リニアアクチュエータ10と、リニアアクチュエータ10を制御駆動する制御部(駆動システム51)と、電流を検出する電流検出手段CTと、を備えた防振支持機構において、制御部は、リニアアクチュエータの変位又は速度の少なくともいずれか一つに比例した電流指令を作成し、電流指令の振幅値があらかじめ設定した所定値を超える場合には、変位又は速度のいずれかの位相の成分を優先して電流指令の振幅値を制限することができる。
10 リニアアクチュエータ
11 固定子
12 可動子
13 防振支持機構
20 スプリング
31 ベース
32 筐体
33 ドア
34 操作・表示パネル
35 洗濯槽
36 リフタ
37 外槽(制振対象物)
38 駆動機構
39 送風ユニット
40 加速度センサ
41 洗濯機制御器
42 位置センサ
51 駆動システム
52 制御装置
53 インバータ部
60 速度・変位計算部
70 電流指令生成手段
71 電流リミッタ
80 電圧指令生成部
100 制振装置
CT 電流検出手段
E 電圧源
Iref,Iref2 電流指令
S 変位センサ
W 洗濯機
θi 電流リミット前の電流位相
θlim 電流リミット時の電流位相(電流リミット時の位相角)

Claims (7)

  1. 外槽と、前記外槽内に設けられた洗濯槽と、前記外槽を防振支持するリニアアクチュエータを備えた防振支持機構と、前記リニアアクチュエータを制御する制御装置と、前記制御装置内部で演算した電流指令の振幅値を制限する電流リミッタと、前記リニアアクチュエータに流れる電流を検知する電流検出手段と、を備えた洗濯機において、
    前記電流リミッタは、前記電流指令の振幅値があらかじめ設定した所定値を超える場合には、前記電流指令の振幅値を前記所定値以下に制限するとともに、前記電流指令の前記リニアアクチュエータの変位又は速度に対する位相角を維持または変更する
    ことを特徴とする洗濯機。
  2. 請求項1において、
    前記電流リミッタは、前記洗濯槽の回転周波数に応じて,前記位相角の変更量が異なる
    ことを特徴とする洗濯機。
  3. 請求項2において、
    前記電流リミッタは、前記洗濯槽の加速時と減速時で、前記位相角の変更量が異なる
    ことを特徴とする洗濯機。
  4. 請求項2において、
    前記電流リミッタは、前記洗濯機が異常時において、正常時と前記位相角の変更量が異なる
    ことを特徴とする洗濯機。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項において、
    前記リニアアクチュエータは単相構造である
    ことを特徴とする洗濯機。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項において、
    前記電流リミッタは、前記変位又は前記速度のいずれかの位相成分を優先して前記位相角を変更する
    ことを特徴とする洗濯機。
  7. 制振対象物と、前記制振対象物を防振支持するリニアアクチュエータを備えた防振支持機構と、前記リニアアクチュエータを制御する制御装置と、前記制御装置内部で演算した電流指令の振幅値を制限する電流リミッタと、前記リニアアクチュエータに流れる電流を検知する電流検出手段と、を備える制振装置であって、
    前記電流リミッタは、前記電流指令の振幅値があらかじめ設定した所定値を超える場合には、前記電流指令の振幅値を前記所定値以下に制限するとともに、前記電流指令の前記リニアアクチュエータの変位又は速度に対する位相角を維持または変更する
    ことを特徴とする制振装置。
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