JP2021186493A - ドラム式洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転中に停電が発生した場合でも適切に運転を終了することができるドラム式洗濯機を提供する。【解決手段】ドラム式洗濯機100は、衣類を収容するドラムと、該ドラムを内包する外槽9と、該外槽9を収容する筺体1と、ドラムを回転駆動する駆動機構10と、外槽9の下部を支持する複数の弾性支持機構とを有し、該弾性支持機構の内のひとつはリニアアクチュエータ30とし、他は機械的な減衰を生じる機械減衰機構18bである。リニアアクチュエータ30は脱水時のドラムの回転方向に対して衣類が下がる側に設け、機械減衰機構18bの内少なくとも1本は脱水時のドラムの回転方向に対して衣類が持ち上がる側に設ける。【選択図】図3
Description
本発明は、ドラム式洗濯機に関するもので、特にドラム式洗濯機の脱水時の低振動化に関する。
ドラム式洗濯機は、水を溜める外槽と、外槽の内部に回転可能に支持されたドラムと、外郭をなす筺体と、外槽を筺体に支持する防振支持機構などによって構成される。衣類の脱水は、ドラムを高速で回転させて行う。このとき、ドラム内の衣類分布に偏りが生じていると、ドラムが回転する際に外槽に振動が発生する。この振動は、外槽から防振支持機構を介して筺体、床へと伝達する。防振支持機構の減衰力が大きい程、外槽の振動を低減することができるが、筺体や床への伝達力が増加する。
本技術分野の背景技術として特許文献1があり、洗濯物を出し入れするための開口部が正面に形成された筺体と、開口部側に開放するように筺体内に懸架された略筒状の水受槽と、水受槽を上方より弾性支持する懸架部材と、水受槽を左右下方より2点で支持し、長手方向に伸縮動作する第1および第2のアクチュエータと、開口部側に開放するように水受槽に回転可能に内装された略筒状の洗濯槽と、水受槽の振動を検出する振動センサと、振動センサの出力信号を受け、水受槽の振動に応じて第1および第2のアクチュエータの伸縮動作をフィードバック制御する制御部と、を備える。
第1および第2のアクチュエータが、水受槽の正面視ハの字状に左右対称に配置されており、制御部が、第1および第2のアクチュエータを、水受槽の上下方向の振動成分に対しては同相制御し、左右方向の振動成分に対しては逆相制御することを特徴とするドラム式洗濯機、と記載されている。アクチュエータによって共振時の外槽振動を低減するとともに、共振点以外では水受槽の振動が小さいため、そのようなときには第1および第2のアクチュエータの制御を停止して、第1および第2のアクチュエータの推力に起因する筺体の振動をなくすことができる、と記載されている。
特許文献1には、長手方向に伸縮動作するアクチュエータが水受槽の正面視ハの字状に左右対称に配置されていると記載されており、このように複数のアクチュエータを設けることでより大きな振動低減効果を得ることができると考えられる。
しかしながら、脱水時のように高速でドラムが回転している際に停電が発生すると、アクチュエータによる振動低減効果が低下し、適切に停止させることが困難になるという課題がある。
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、運転中に停電が発生した場合でも適切に運転を終了することができるドラム式洗濯機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明のドラム式洗濯機は、衣類を収容するドラムと、該ドラムを内包する外槽と、該外槽を収容する筺体と、ドラムを回転駆動する駆動機構と、外槽の下部を支持する複数の弾性支持機構とを有し、該弾性支持機構の内のひとつはリニアアクチュエータとし、他は機械的な減衰を生じる機械減衰機構であることを特徴とする。本発明のその他の態様については、後記する実施形態において説明する。
本発明によれば、運転中に停電が発生した場合でも適切に運転を終了することができる。
本発明を実施するための実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
<<第1実施形態>>
図1は、第1実施形態に係るドラム式洗濯機100を示す外観斜視図である。図2は、第1実施形態に係るドラム式洗濯機100の内部構造を示すために筺体の一部を切断して示した右側面断面図である。図3は、第1実施形態に係るドラム式洗濯機100の内部構造を示すために筺体の一部を切断して示した正面断面図である。
<<第1実施形態>>
図1は、第1実施形態に係るドラム式洗濯機100を示す外観斜視図である。図2は、第1実施形態に係るドラム式洗濯機100の内部構造を示すために筺体の一部を切断して示した右側面断面図である。図3は、第1実施形態に係るドラム式洗濯機100の内部構造を示すために筺体の一部を切断して示した正面断面図である。
外郭を構成する筺体1はベース1aの上に取り付けられており、左右の側板1b、前面カバー1c、背面カバー、上面カバー1d、上面カバーパネル1e、前面下部カバー1fで構成されている。左右の側板1bはコの字型の上補強材、前補強材、後補強材に結合されており、ベース1aを含めて箱状の筺体1を形成し、十分な強度を有している。ドア2は、前面カバー1cの略中央に設けた衣類を出し入れするための投入口を塞ぐためのもので、開閉可能に支持されている。筺体1の上部中央に設けた操作・表示パネル3は、電源スイッチ4、操作スイッチ5、表示器6を備える。操作・表示パネル3は筺体1上部に設けた制御装置7に電気的に接続している。また、ベース1aの4隅下部にはゴム製の脚1hが設けられている。
図2に示すドラム8は外槽9に回転可能に支持されており、その外周壁および底壁に通水のための多数の貫通孔を有し、前側端面に衣類を出し入れするための開口部8aを設けている。開口部8aの外側にはドラム8と一体の流体バランサ8bを備えている。外周壁の内側には軸方向に延びるリフタ8cが複数個設けてあり、洗濯、乾燥時にドラム8が回転すると、衣類はリフタ8cと遠心力で外周壁に沿って持ち上がり、重力で落下する動きを繰り返す。ドラム8の回転軸は、水平または開口部8a側が高くなるように傾斜している。
円筒状の外槽9はドラム8を同軸上に内包し、後側端面の外側中央に駆動機構10を設けている。駆動機構10のシャフト10aは外槽9を貫通し、ドラム8と結合している。なお、外槽9は前側中央に衣類を出し入れするための開口部9aを有している。また、駆動機構10には回転速度を検出する回転速度検出装置が設けられている。外槽9上部には前後方向に前補助ばね9c、後補助ばね9dが設けられており、外槽9が前後方向に倒れないように指示している。
外槽9の開口部9aと筺体1に設けた開口部は、ゴム製のベローズ11で接続しており、ドア2を閉じることで外槽9を水封する。排水口9bは外槽9の底面最下部に設けられており、内部排水ホース12と接続している。内部排水ホース12は糸くずを捕集するための糸くず捕集ボックス13を介して、外部排水ホース14に接続している。糸くず捕集ボックス13には、洗濯水を循環するための循環ポンプ15が設けられており、循環経路15aを介して水をドラム内に散布する。外部排水ホース14には排水弁14aが設けてあり、排水弁14aを閉じて給水することで外槽9に水を溜め、排水弁14aを開いて外槽9内の水を機外へ排出する。外槽9の下部には外槽振動センサ16を設けており、外槽9の振幅を測定している。前記振幅とあらかじめ設定しているしきい値を比較し、振幅が大きい場合にはドラム8の回転を停止させて、振動がしきい値以下となった場合のみ回転速度を上昇させることで、過大な振動の発生を抑制している。
図3に示すように、外槽9は下側をベース1aに固定された弾性支持機構17、18によって防振支持されている。弾性支持機構17はコイルばね17aとリニアアクチュエータ30で構成されている。弾性支持機構18は、コイルばね18aと機械減衰機構18bで構成されている。機械減衰機構18bは摩擦式のダンパや油圧式のダンパなどがあるが、本実施形態例では油圧式のダンパとする。ここで、脱水時のドラムの回転方向に対して、下向きの速度を持つ側(例えば、ドラムが反時計回りに回転する場合は左側)にリニアアクチュエータ30を有する弾性支持機構17を設け、上向きの速度を持つ側に機械減衰機構18bを有する弾性支持機構18を設ける。以後、本実施形態ではドラムの回転方向を反時計回りとし、左側と表記した場合はドラムの回転方向に対して下向きの速度を持つ側を指し、右側と表記した場合は上向きの速度を持つ側を指すこととする。
図4から図6を用いて、リニアアクチュエータ30の構造について説明する。
図4は、第1実施形態に係るリニアアクチュエータ30の内部構造を示す縦断面図である。なお、図4に示すように、xyz軸を定める。また、z方向においてリニアアクチュエータ30の半分を図示しているが、リニアアクチュエータ30の構成は、xy平面を基準として対称になっている。リニアアクチュエータ30は固定子31と可動子32とを備えており、固定子31と、y方向に延びる板状の可動子32との間のy軸方向への磁気的な吸引力・反発力によって、固定子31と可動子32との相対位置をy方向に直線的に変化させるモータである。固定子31は、電磁鋼板が積層して構成されるコア31aとこのコア31aの磁極歯Tに巻回される巻線31bを備えている。また、可動子32はy方向に延びる複数の金属板32aと、y方向で所定の間隔を設けて金属板32aに設置される永久磁石32b1、32b2、32b3とを備えている。
図4は、第1実施形態に係るリニアアクチュエータ30の内部構造を示す縦断面図である。なお、図4に示すように、xyz軸を定める。また、z方向においてリニアアクチュエータ30の半分を図示しているが、リニアアクチュエータ30の構成は、xy平面を基準として対称になっている。リニアアクチュエータ30は固定子31と可動子32とを備えており、固定子31と、y方向に延びる板状の可動子32との間のy軸方向への磁気的な吸引力・反発力によって、固定子31と可動子32との相対位置をy方向に直線的に変化させるモータである。固定子31は、電磁鋼板が積層して構成されるコア31aとこのコア31aの磁極歯Tに巻回される巻線31bを備えている。また、可動子32はy方向に延びる複数の金属板32aと、y方向で所定の間隔を設けて金属板32aに設置される永久磁石32b1、32b2、32b3とを備えている。
図5は、図4のII−II線矢視断面図である。なお、図5ではz方向におけるリニアアクチュエータ30の半分(図4参照)ではなく、リニアアクチュエータ30の全体を図示している。図5に示すように、固定子31のコア31aは、環状部Sと磁極歯T(T1、T2)とを備えており、この環状部Sによって磁気回路が構成されている。一対の磁極歯T1、T2は、環状部Sからx方向内側に延びており、互いに対向している。なお、磁極歯T1、T2の間の距離は、板状の可動子32の厚さよりも若干大きくなっている。磁極歯T1、T2には、それぞれ、巻線31b(31b1、31b2)が巻回されている。この巻線31bに通電することによって、固定子31が電磁石として機能するようになっている。
図4に戻り、図4では、y方向(可動子32の移動方向)において、2対の磁極歯Tが設けられている。また、2対の磁極歯Tのそれぞれに巻回されている巻線31bは、一本の巻線をなしており、その両端が制御装置7(図2参照)に接続されている。
図4に示す永久磁石32b1、32b2、32b3は、y方向に磁化されている。より詳しく説明すると、y方向正側の向きに磁化された永久磁石(例えば、永久磁石32b1、32b3)と、y方向負側の向きに磁化された永久磁石(例えば、永久磁石32b2)とがy方向において交互に配置されている。そして、可動子32と、電磁石として機能する固定子31との吸引力・反発力によって、可動子32にy方向の推力が作用するようになっている。なお、「推力」とは、可動子32と固定子31との相対位置を変化させる力である。
図6は、第1実施形態に係る弾性支持機構17の構造を示す模式図である。先述のように弾性支持機構17はコイルばね17aとリニアアクチュエータ30からなる。可動子32の上端は外槽側サスペンションベース33、ゴム製のブッシュ35a、35b及び金属板37a、37bを貫通し、ナット38aで固定されている。一方、固定子31は筺体側サスペンションベース34、ゴム製のブッシュ36a、36b及び金属板37c、37dを貫通し、ナット38bで固定されている。外槽側サスペンションベース33は外槽9に接続されており、筺体側サスペンションベース34は筺体1に固定されている。コイルばね17aは固定子31と金属板37aの間に配置されている。また、固定子31には変位センサ39が設けられており、固定子31と可動子32のy軸方向の距離を測定可能としている。
図4に示すように、固定子31は巻線31bを有しており、巻線31bの両端を制御装置7(図2参照)に接続する必要があるため、固定子31を筺体1側に接続することで、巻線31bの両端と制御装置7を接続するハーネスが、外槽9が振動することによる断線のリスクを低減することができる。ただし、必ずしも図6の構成とする必要はない。
図7は、図6とは異なる弾性支持機構の構造例を示す模式図である。図7に示すように、固定子31を外槽9、可動子32を筺体1に接続しても構わない。
リニアアクチュエータ30の出力を制御する制御装置7は、変位センサ39で測定した固定子31と可動子32の相対変位y及び相対変位から算出した相対速度dy/dtを算出し、それらに変位比例ゲインk(以下、ばね定数)、速度比例ゲインc(以下、減衰係数)を乗じた出力となるように、リニアアクチュエータ30に入力する。リニアアクチュエータ30が出力する力は式(1)で表すことができる。
なお、本実施形態では固定子31と可動子32の相対変位を把握するために、変位センサ39を設けているが、必ずしも変位センサ39を設けて直接変位を測定する必要はなく、リニアアクチュエータ30の誘起電圧などを用いて推定した値を用いてもよい。また、固定子31に加速度センサを設け、加速度センサの測定値から相対変位や相対速度を算出しても構わない。´
さらに、弾性支持機構17が生じる力F′は、コイルばね17aのばね定数k′を用いて、式(2)で表すことができる。
一自由度の振動系において、遠心力で加振される場合の振動変位と伝達力について説明する。振動変位に関しては、ばね定数を小さくとすると共振周波数が低下して最大変位も低下し、減衰係数を大きくすると最大変位が低下する。次に、伝達力に関しては、ばね定数が小さいほど小さくなる。
一方、減衰係数に関しては、共振周波数より高い所定の回転数以下では減衰係数が大きい方が伝達力が小さくなるが、所定の回転数以上である場合は減衰係数が小さい方が伝達力が小さくなる。
従って、振動抑制と伝達力抑制を両立するためには、ばね定数は小さい方が望ましく、減衰係数は共振周波数付近では大きくし、それ以上の回転周波数では小さくすることが望ましい。洗濯機においても、外槽9が共振する回転数領域(外槽共振回転速度)ではリニアアクチュエータ30の減衰係数を大きくして外槽振動を低減して筺体への伝達力を低減し、高速回転領域ではリニアアクチュエータ30の減衰減衰係数を低下させることで筺体への伝達力を低減することができる。
ここで、本実施形態のように、リニアアクチュエータ30などにより減衰力などの外力を与えることで振動を抑制する構成の場合、何らかの原因により外力が加えられなくなると、振動が増加するが懸念される。例えば、脱水工程でドラムを高速回転させている際に停電などによりリニアアクチュエータ30が減衰力を付与できなくなると、ドラムが減速する過程で共振が発生し、過大な振動が生じる。この振動は機械的な減衰力が小さいほど顕著になる。全ての弾性支持機構を電気的な減衰機構とすると、通常時との減衰係数の差が大きくなってしまう。
そこで、本実施形態のように、片側にリニアアクチュエータ30のような電気的に振動を抑制する構造と、もう一方に機械減衰機構18bのように機械的な減衰を付与する構造とすることで、停電などが生じた場合にも振動の増加を抑制することが可能となる。さらに、より停電時の制振性を確保するために、弾性支持機構17に機械的な減衰を付与してもよい。
図8は、第1実施形態に係るドラム式洗濯機のリニアアクチュエータと機械減衰の大きさの一例を示す表である。図8にリニアアクチュエータ30の減衰係数の制御方法と機械減衰の減衰係数の関係を示す。ここで、外槽の振動は減衰係数が大きいほど小さくなり、筺体の振動は外槽から筺体への伝達力を低減することが望ましい。前述のように、伝達力を低減するには低速時には弾性支持機構の減衰係数大きい方が望ましく、高速時には弾性支持機構の減衰係数は小さい方が望ましい。
そこで、低速時の減衰係数を1.0、高速時を0として外槽振動と筺体振動を低減することを考える。機械的な減衰と合わせて前記の特性を実現しようとした場合、その1つの方法として図8に示す構成、制御とがある。図8に示すように機械減衰機構の減衰係数を1.0とした場合、低速時には電流を下げて減衰係数を0に近づけることで合計の減衰係数を1.0とする。一方、高速時には電流を上げて負の減衰係数として機械減衰との合計の減衰係数を低下させて伝達力を低減する。このように低速時は機械減衰で減衰を付与し、高速時はリニアアクチュエータ30で機械減衰を相殺して伝達力を低減することにより、高速時の筺体振動を抑制しながら、停電時においても低速時の減衰係数を通常時と同様に確保することが可能となる。以上のように、リニアアクチュエータ30が何らかの異常により動作しなくなった場合においても、減衰力が付与されるシステムとすることで、適切に運転を終了することができる。
図9は、第1実施形態に係るドラム式洗濯機のリニアアクチュエータと機械減衰の大きさの他の例を示す表である。他の構成案として、図9に示すように弾性支持機構17に機械減衰を付与し、リニアアクチュエータ30で低速時には減衰係数を大きくし、高速時には負の減衰係数として合計の減衰係数を低下させることようにしてもよい。
図9に示すように機械減衰の減衰係数を0.5とする。先述の例のように、低速時に合計の減衰係数を1.0にするために、リニアアクチュエータ30の減衰係数を0.5とする。同様に、高速時に合計の減衰係数を0とするには、リニアアクチュエータ30の減衰係数は−0.5となる。このように、減衰係数が−0.5〜+0.5の範囲で目的の性能を実現することができるため、必要な推力を半分とすることができる。これにより、リニアアクチュエータ30の小型化や低コスト化を実現することができる。
図10は、第1実施形態に係るドラム式洗濯機100の外槽9左右振動と床への伝達力の関係を示す模式図である。図10に外槽9共振時の左右振動と高速回転中の床への伝達力の関係を示す。機械減衰機構18bを左右共に設けた時の結果を1として示し、比で表している。なお、リニアアクチュエータ30は筺体振動を低減するように外槽9共振時と高速回転中で異なる制御とする。また、減衰係数を可変とした場合は機械減衰機構の1/10から2倍の範囲で変更可能とし、ばね定数を可変とした場合は負のばね定数を与えることで、弾性支持機構17のばね定数をコイルばねの1/10から1倍の範囲で変更可能とする。
減衰係数のみを可変とした場合、リニアアクチュエータ30の減衰係数を機械減衰機構の減衰係数より大きくすることで外槽振動が低減し、減衰係数を切り替えて低下させることで床への伝達力も低減している。
また、右側をリニアアクチュエータ30とした場合に比べ、左側をリニアアクチュエータ30とした方が外槽の左右振動を低減していることが分かる。ばね定数と減衰係数を共に可変とした場合、減衰係数のみ可変とした場合に比べより外槽9の左右振動を低減可能である。また、リニアアクチュエータ30の配置を比較すると、右側にリニアアクチュエータ30を配置した場合に比べて、左側に配置した方が左右振動の低減効果が大きいことが分かる。
床への伝達力を比較すると、右側の減衰係数を可変とした場合に比べ左側の減衰係数を可変とした場合の方が床への伝達力が大きくなり、外槽9の左右振動への効果と異なる。一方、ばね定数、減衰係数を可変と場合、右側に対し左側にリニアアクチュエータを設けた方が外槽9の左右振動、床への伝達力ともに小さくなる。特に左右振動に関しては、振動低減効果が大きい。このように、リニアアクチュエータ30を1本のみ設ける場合、左側に設ける方が、振動低減効果が大きくなる。
本実施形態ではドラムの回転方向を反時計回りとしたが、ドラムの回転方向が時計回りの場合、実施形態中の左右を入れ替える必要がある。
先述のように、ばね定数が小さいほど外槽9や筺体1への伝達力が小さくなり、筺体1の振動や床への伝達力も小さくなる。一方、コイルばね17aとコイルばね18aは、ドラム内に衣類や水が入った際の沈み込み量を所定の範囲内に抑えるため、所定値以上のばね定数が必要となる。そこで、コイルばねのばね定数は衣類や水が入ったときに必要なばね定数とし、リニアアクチュエータ30に負のばね定数を与えることで、合計のばね定数を低下させる。このようにすることで、衣類や水などがドラム内に投入された時の沈み込みの抑制と振動の低減の両立が可能となる。
また、本実施形態では、リニアアクチュエータ30の推力をばね定数、減衰係数を用いて制御しているが、必ずしもばね定数、減衰係数として制御する必要はない。例えば、低速時に減衰係数を大きくし、高速時に減衰係数を小さくする制御を行う代わりに、低速時に速度と逆向きの力を発生させ、高速時には低速時に対して推力を小さくする、もしくは速度と同じ向きの推力を発生させるようにしてもよい。
<<第2実施形態>>
図11は、第2実施形態に係るドラム式洗濯機100Aの正面から見た断面図である。本実施形態の特徴は、外槽9を支持するための吊りばね41a、41bが外槽上部に配置されていることである。このようにすることで、外槽9が前後方向に倒れることを抑制する補助ばねが不要となる。また、吊りばね41a、41bにより外槽9の重量を支持することにより、リニアアクチュエータ42と機械減衰機構43と同軸にコイルばねを配置する必要がなくなる。従って、リニアアクチュエータ42と機械減衰機構43は略上下方向に設置する必要はなく、傾けて設置することが可能である。
図11は、第2実施形態に係るドラム式洗濯機100Aの正面から見た断面図である。本実施形態の特徴は、外槽9を支持するための吊りばね41a、41bが外槽上部に配置されていることである。このようにすることで、外槽9が前後方向に倒れることを抑制する補助ばねが不要となる。また、吊りばね41a、41bにより外槽9の重量を支持することにより、リニアアクチュエータ42と機械減衰機構43と同軸にコイルばねを配置する必要がなくなる。従って、リニアアクチュエータ42と機械減衰機構43は略上下方向に設置する必要はなく、傾けて設置することが可能である。
第2実施形態においても、吊りばね41a、41bとリニアアクチュエータ42、機械減衰機構43の接続位置が離れているものの、筺体1への伝達力が筺体1の上下振動、左右振動に与える傾向は同様である。従って、外槽9や筺体1の振動を低減するためには、図11に示すようにドラムの回転方向が反時計回りの場合、左側にリニアアクチュエータ42、右側に機械減衰機構43を設けることが望ましい。
なお、機械的な減衰を付与する機構と電気的に減衰を付与する機構は1本ずつとする必要はない。
図12は、その他の実施形態に係るドラム式洗濯機100Bの内部構造を示すために筺体の一部を切断して示した正面断面図である。図12に示すように、リニアアクチュエータ42と機械減衰機構43,44を有する構造となっており、機械減衰機構44は外槽後方で水平方向に傾けて設置している。このように、機械減衰を付与することで、停電などでリニアアクチュエータ42が動作しなかった場合においても、減衰力が確保しやすくなる。ここで、本実施形態では、リニアアクチュエータ42と同じ側に機械減衰機構44を設けているが、必ずしもそのようにする必要はなく、機械減衰機構44を機械減衰機構43と同じ側に設けてもよい。
以上、本実施形態のドラム式洗濯機100の概要を再度説明する。
本実施形態のドラム式洗濯機100は、衣類を収容するドラム8と、該ドラム8を内包する外槽9と、該外槽9を収容する筺体1と、ドラム8を回転駆動する駆動機構10と、外槽9の下部を支持する複数の弾性支持機構とを有し、該弾性支持機構の内のひとつはリニアアクチュエータ30とし、他は機械的な減衰を生じる機械減衰機構18bであることを特徴とする。これによれば、本発明によれば、運転中に停電が発生した場合でも適切に運転を終了することができる。すなわち、リニアアクチュエータ30が駆動しなかった場合でも振動の増加を抑制することができる。
本実施形態のドラム式洗濯機100は、衣類を収容するドラム8と、該ドラム8を内包する外槽9と、該外槽9を収容する筺体1と、ドラム8を回転駆動する駆動機構10と、外槽9の下部を支持する複数の弾性支持機構とを有し、該弾性支持機構の内のひとつはリニアアクチュエータ30とし、他は機械的な減衰を生じる機械減衰機構18bであることを特徴とする。これによれば、本発明によれば、運転中に停電が発生した場合でも適切に運転を終了することができる。すなわち、リニアアクチュエータ30が駆動しなかった場合でも振動の増加を抑制することができる。
ドラム式洗濯機100において、リニアアクチュエータ30は脱水時のドラムの回転方向に対して衣類が下がる側に設け、機械減衰機構18bの内少なくとも1本は脱水時のドラムの回転方向に対して衣類が持ち上がる側に設ける。すなわち、リニアアクチュエータ30は、脱水の回転に対して下向きの速度を持つ側に設置することになる。
リニアアクチュエータ30の数が多いほど、振動低減効果も大きくなると考えられるが、その分コストも大きくなってしまうため、より少ない数で大きな振動低減効果を得ることが重要である。
また、振動低減効果が大きい位置にのみリニアアクチュエータ30を設けることで、コスト抑制を抑制しながら大きな振動低減効果を得ることが可能である。
また、ドラム式洗濯機100は、リニアアクチュエータ30を制御する制御部を有し、 制御部は、リニアアクチュエータ30の推力を変位もしくは速度の少なくとも一方に比例して制御するとよい。
また、制御部は、変位比例ゲイン(k:ばね定数)が正の値のときに、前記リニアアクチュエータの長さが短くなったときに伸びる方向に力を作用する旨の値とするとよい。
また、制御部は、速度比例ゲイン(c;減衰係数)が正の値のときに、リニアアクチュエータ30の速度と逆向きの力を発生させる場合、速度比例ゲインを負の値とするとよい。
また、制御部は、外槽共振回転速度のように回転速度が低い場合は、回転速度が高い場合に比べて前記リニアアクチュエータの推力、もしくは速度比例ゲインを大きくするとよい。
1 筺体
2 ドア
8 ドラム
9 外槽
10 駆動機構
16 外槽振動センサ
17 弾性支持機構
17a コイルばね
18 弾性支持機構
18a コイルばね
18b 機械減衰機構
30 リニアアクチュエータ
39 変位センサ
42 リニアアクチュエータ
43,44 機械減衰機構
100,100A,100B ドラム式洗濯機
2 ドア
8 ドラム
9 外槽
10 駆動機構
16 外槽振動センサ
17 弾性支持機構
17a コイルばね
18 弾性支持機構
18a コイルばね
18b 機械減衰機構
30 リニアアクチュエータ
39 変位センサ
42 リニアアクチュエータ
43,44 機械減衰機構
100,100A,100B ドラム式洗濯機
Claims (8)
- 衣類を収容するドラムと、該ドラムを内包する外槽と、該外槽を収容する筺体と、前記ドラムを回転駆動する駆動機構と、前記外槽の下部を支持する複数の弾性支持機構とを有し、
該弾性支持機構の内のひとつはリニアアクチュエータとし、他は機械的な減衰を生じる機械減衰機構であることを特徴とするドラム式洗濯機。 - 請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
前記リニアアクチュエータは、脱水時のドラムの回転方向に対して衣類が下がる側に設け、前記機械減衰機構の内少なくとも1本は、脱水時のドラムの回転方向に対して衣類が持ち上がる側に設ける
ことを特徴とするドラム式洗濯機。 - 請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
前記機械減衰機構が、油圧式のダンパもしくは摩擦式のダンパである
ことを特徴とするドラム式洗濯機。 - 請求項2に記載のドラム式洗濯機において、
前記機械減衰機構が、油圧式のダンパもしくは摩擦式のダンパである
ことを特徴とするドラム式洗濯機。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機において、
前記リニアアクチュエータを制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記リニアアクチュエータの推力を変位もしくは速度の少なくとも一方に比例して制御する
ことを特徴とするドラム式洗濯機。 - 請求項5に記載のドラム式洗濯機において、
前記制御部は、変位比例ゲインが正の値のときに、前記リニアアクチュエータの長さが短くなったときに伸びる方向に力を作用する旨の値とする
ことを特徴とするドラム式洗濯機。 - 請求項5に記載のドラム式洗濯機において、
前記制御部は、速度比例ゲインが正の値のときに、前記リニアアクチュエータの速度と逆向きの力を発生させる場合、速度比例ゲインを負の値とする
ことを特徴とするドラム式洗濯機。 - 請求項5に記載のドラム式洗濯機において、
前記制御部は、外槽共振回転速度のように回転速度が低い場合は、回転速度が高い場合に比べて前記リニアアクチュエータの推力、もしくは速度比例ゲインを大きくする
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020097371A JP2021186493A (ja) | 2020-06-04 | 2020-06-04 | ドラム式洗濯機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020097371A JP2021186493A (ja) | 2020-06-04 | 2020-06-04 | ドラム式洗濯機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021186493A true JP2021186493A (ja) | 2021-12-13 |
Family
ID=78850423
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020097371A Pending JP2021186493A (ja) | 2020-06-04 | 2020-06-04 | ドラム式洗濯機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021186493A (ja) |
-
2020
- 2020-06-04 JP JP2020097371A patent/JP2021186493A/ja active Pending
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