JP2023022892A - 低密度ゲル体、及び低密度ゲル体の製造方法 - Google Patents

低密度ゲル体、及び低密度ゲル体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧縮時の強度を高めるとともに、かつ可視光透過率を高めることを可能にした低密度ゲル体、及び低密度ゲル体の製造方法を提供する。【解決手段】低密度ゲル体は、ポリシロキサン鎖及び有機重合鎖を含み、3次元の網目構造を有している。低密度ゲル体の密度は、0.3g/cm3以下の範囲内である。低密度ゲル体の細孔径は、10nm以上、40nm以下の範囲内である。低密度ゲル体の骨格径は、3nm以上、10nm以下の範囲内である。【選択図】図1

Description

本発明は、低密度ゲル体、及び低密度ゲル体の製造方法に関する。
特許文献1,2に記載されるように、ポリシロキサン鎖及び有機重合鎖を含み、3次元の網目構造を有する低密度ゲル体が知られている。
国際公開第2019/039541号 国際公開第2007/010949号
上記のような低密度ゲル体において、圧縮時の強度が高く、かつ可視光透過率が高いという性能が求められる場合がある。
上記課題を解決する低密度ゲル体は、ポリシロキサン鎖及び有機重合鎖を含み、3次元の網目構造を有する低密度ゲル体であって、密度が0.3g/cm以下の範囲内であり、細孔径が、10nm以上、40nm以下の範囲内であり、骨格径が、3nm以上、10nm以下の範囲内である。
上記低密度ゲル体において、50%圧縮時の強度が、2MPa以上であってもよい。
上記低密度ゲル体において、前記細孔径が、25nm以下であり、前記骨格径が、7nm以下であってもよい。
低密度ゲル体の製造方法は、上記低密度ゲル体の製造方法であって、有機ポリマー調製工程と、加水分解工程と、分散工程と、ゲル調製工程と、を備え、前記有機ポリマー調製工程は、ラジカル重合性基を有する第1アルコキシドをラジカル重合させることで前記有機重合鎖を有する有機ポリマーを調製する工程であり、前記加水分解工程は、前記有機ポリマーと、シロキサン結合のみにより重合可能な第2アルコキシドと、を含有する混合液に酸を加えることでアルコキシドの加水分解を行う工程であり、前記分散工程は、前記ゲル調製工程前の前記混合液にアルコール以外の両親媒性物質からなる界面活性剤を混合することで、前記混合液中の成分を分散させる工程であり、前記ゲル調製工程は、前記加水分解工程後の前記混合液に塩基を添加することで、ゲルを調製する工程である。
上記低密度ゲル体の製造方法において、前記界面活性剤は、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体を含んでもよい。
上記低密度ゲル体の製造方法において、前記有機ポリマー調製工程は、前記第1アルコキシドと前記第2アルコキシドとを含有するモノマー液を用いて行われてもよい。
本発明によれば、圧縮時の強度を高めるとともに、かつ可視光透過率を高めることが可能となる。
低密度ゲル体の分子構造の一例を示す模式図である。
以下、低密度ゲル体、及び低密度ゲル体の製造方法の一実施形態について説明する。
<低密度ゲル体>
本実施形態の低密度ゲル体は、ポリシロキサン鎖及び有機重合鎖を含み、3次元の網目構造を有している。低密度ゲル体は、ポリシロキサン鎖及び有機重合鎖を含む骨格と、細孔とを有している。
ポリシロキサン鎖は、2つ以上のシロキサン結合(-Si-O-)により構成されている。ポリシロキサン鎖のケイ素原子には、水素原子、水酸基、メチル基等が結合されていてもよい。有機重合鎖は、ラジカル重合性単量体から得られるものである。有機重合鎖は、例えば、メタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルが重合したアクリル鎖であり、側鎖にエステル結合を有する。
ポリシロキサン鎖及び有機重合鎖を含む骨格は、ポリシロキサン鎖と有機重合鎖とがポリシロキサン鎖のケイ素原子を結合点として共有結合した構造を有している。ポリシロキサン鎖及び有機重合鎖を含む骨格は、ポリシロキサン鎖と有機重合鎖とが、ポリシロキサン鎖のケイ素原子を結合点として、双方の鎖上の複数の位置にて共有結合により互いに結合された構造を有している。
図1には、一例として、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)と、メチルトリメトキシシラン(MTMS)とから得られる重合体の分子構造の一部を模式的に示している。MPTMSは、ラジカル重合性基としてメタクリル基を有するラジカル重合性単量体である。また、MPTMSから生成した重合体の有するケイ素原子と、MTMSの有するケイ素原子とが結合点となることで、低密度ゲル体の3次元の網目構造を形成することができる。
低密度ゲル体の密度は、0.3g/cm以下の範囲内である。低密度ゲル体の密度が0.3g/cm以下の場合、低密度ゲル体を圧縮変形させたときの破壊を抑えることができる。低密度ゲル体の密度の下限は、特に限定さない。低密度ゲル体の密度の下限は、例えば、0.05g/cm以上であってもよいし、0.16g/cm以上であってもよい。
低密度ゲル体の細孔径は、10nm以上、40nm以下の範囲内である。低密度ゲル体の細孔径が10nm以上の場合、低密度ゲル体を圧縮変形させたときの破壊を抑えることができる。低密度ゲル体の細孔径が40nm以下の場合、低密度ゲル体の可視光透過率を高めることができる。低密度ゲル体の細孔径は、25nm以下であることが好ましい。
低密度ゲル体の骨格径は、3nm以上、10nm以下の範囲内である。低密度ゲル体の骨格径が3nm以上の場合、低密度ゲル体を圧縮変形させたときの強度を高めることができる。低密度ゲル体の骨格径が10nm以下の場合、低密度ゲル体の可視光透過率を高めることができる。低密度ゲル体の骨格径は、7nm以下であることが好ましい。
低密度ゲルの50%圧縮時の強度は、2MPa以上であることが好ましい。低密度ゲルの可視光透過率は、波長550nm、厚さ10mmの条件で測定される可視光透過率において、60%以上であることが好ましく、より好ましくは、70%以上である。
低密度ゲル体は、気体分子の平均自由行程よりも微細な細孔構造を持つため、気体分子同士の衝突による気体熱伝導、及び骨格分率も低いことから、固体熱伝導のそれぞれの寄与が低い。このため、低密度ゲル体の熱伝導率は、低く抑えられている。また、低密度ゲル体は、可視光透過性及び圧縮強度が高められている。このため、本実施形態の低密度ゲル体は、例えば、複層ガラスの断熱層として好適に利用することができる。
<低密度ゲル体の製造方法>
次に、低密度ゲル体の製造方法について説明する。
低密度ゲル体の製造方法は、有機ポリマー調製工程と、加水分解工程と、分散工程と、ゲル調製工程とを備えている。
有機ポリマー調製工程は、ラジカル重合性基を有する第1アルコキシド(A1)をラジカル重合させることで有機重合鎖を有する有機ポリマーを調製する工程である。第1アルコキシド(A1)としては、例えば、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを好適に用いることができる。
有機ポリマー調製工程では、ラジカル重合性基を有する第1アルコキシド(A1)と水とを含有する重合用溶液を用いる。重合用溶液中において、ラジカル重合性基を有する第1アルコキシド(A1)の含有量は、例えば、1体積%以上、20体積%以下であることが好ましい。
有機ポリマー調製工程では、ラジカル重合開始剤として、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を用いることができる。ラジカル重合開始剤は、第1アルコキシド(A1)1molに対して、例えば、0.01mol以上、0.1mol以下の範囲内となるように配合することが好ましい。
加水分解工程は、有機ポリマーと、第2アルコキシド(A2)とを含有する混合液に酸を加えることでアルコキシドの加水分解を行う工程である。第2アルコキシド(A2)は、第1アルコキシド(A1)とは異なり、シロキサン結合のみにより重合可能なアルコキシドである。第2アルコキシド(A2)としては、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)、メチルトリメトキシシラン(MTMS)、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS)等が挙げられる。第2アルコキシド(A2)は、MTMSを含むことが好ましい。加水分解工程で用いる酸としては、硝酸等の強酸を用いることが好ましい。強酸は、例えば、5mM以上、10mM以下の範囲内の強酸水溶液を用いることが好ましい。強酸水溶液の添加量は、例えば、混合液1mLに対して1mL程度とされる。
ここで、上記有機ポリマー調製工程は、第1アルコキシド(A1)と第2アルコキシド(A2)とを含有するモノマー液を用いて行われることが好ましい。モノマー液において、第1アルコキシド(A1)と第2アルコキシド(A2)との合計量を100体積%としたときの第1アルコキシド(A1)の含有量は、例えば、1体積%以上、30体積%以下の範囲内であることが好ましい。
加水分解工程後の、混合液中における有機ポリマーの含有量は、例えば、20体積%以上、50体積%以下の範囲内であることが好ましく、30体積%以上、50体積%以下の範囲内であることがより好ましい。混合液中における有機ポリマーの含有量が50体積%以下の場合、低密度ゲル体をより低密度化することができる。一方、混合液中における有機ポリマーの含有量が20体積%以上の場合、細孔径が過剰に小さくなることを抑えることができる。
分散工程は、ゲル調製工程前の混合液にアルコール以外の両親媒性物質からなる界面活性剤を混合することで、混合液中の成分を分散させる工程である。分散工程は、加水分解工程の前の混合液に対して行ってもよいし、加水分解工程の後の混合液に対して行ってもよい。分散工程を行うことで、低密度ゲル体の骨格径を小さく抑えることが容易となる。
分散工程で用いる界面活性剤は、アルコール以外の両親媒性物質から構成される。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の中でも、非イオン性の界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤の一種であるポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体を含むことがより好ましい。
混合液中における界面活性剤の含有量は、例えば、1質量%以上、70質量%以下の範囲内である。
ゲル調製工程は、加水分解工程後の混合液に塩基を添加することで、ゲルを調製する工程である。ゲル調製工程では、第1アルコキシド(A1)から得られた有機ポリマーが有するケイ素原子と、第2アルコキシド(A2)の縮合により得られるポリシロキサン鎖とがさらに縮合することで、低密度ゲル体が得られる。
ゲル調製工程で用いる塩基としては、強塩基であることが好ましく、より好ましくは、水酸化第四級アンモニウムであり、さらに好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAOH)である。塩基は、例えば、10mM以上、500mM以下の範囲内のTMAOH水溶液を用いることが好ましい。
ゲル調製工程で得られたゲルは、エージングを24時間程度行った後に、例えば、イソプロパノールに溶媒置換することが好ましい。ゲルの乾燥方法は、特に限定されない。ゲルの乾燥は、超臨界乾燥装置を用いた超臨界乾燥により行われることが好ましい。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)低密度ゲル体は、ポリシロキサン鎖及び有機重合鎖を含み、3次元の網目構造を有している。低密度ゲル体の密度は、0.3g/cm以下の範囲内である。低密度ゲル体の細孔径は、10nm以上、40nm以下の範囲内である。低密度ゲル体の骨格径は、3nm以上、10nm以下の範囲内である。
上記のように低密度ゲル体の細孔径が10nm以上の場合、圧縮時の強度を高めることができる。低密度ゲル体の細孔径が40nm以下の場合、可視光透過率を高めることができる。低密度ゲル体の骨格径が3nm以上の場合、圧縮時の強度を高めることができる。低密度ゲル体の骨格径が10nm以下の場合、可視光透過率を高めることができる。従って、圧縮時の強度を高めるとともに、かつ可視光透過率を高めることが可能となる。
(2)低密度ゲル体の細孔径は、25nm以下であり、骨格径は、7nm以下であることが好ましい。この場合、例えば、低密度ゲル体の50%圧縮時の強度を2MPa以上に維持し、かつ波長550nm、厚さ10mmの条件で測定される可視光透過率を70%以上に高めることが可能となる。
(3)低密度ゲル体の製造方法は、有機ポリマー調製工程と、加水分解工程と、分散工程と、ゲル調製工程とを備えている。有機ポリマー調製工程は、ラジカル重合性基を有する第1アルコキシドをラジカル重合させることで有機重合鎖を有する有機ポリマーを調製する工程である。加水分解工程は、有機ポリマーと、シロキサン結合のみにより重合可能な第2アルコキシドとを含有する混合液に酸を加えることでアルコキシドの加水分解を行う工程である。分散工程は、ゲル調製工程前の混合液にアルコール以外の両親媒性物質からなる界面活性剤を混合することで、混合液中の成分を分散させる工程である。ゲル調製工程は、加水分解工程後の混合液に塩基を添加することで、ゲルを調製する工程である。
この方法によれば、上記の密度、細孔径、及び骨格径の範囲となる低密度ゲル体を容易に製造することができる。
(4)低密度ゲル体の製造方法において、分散工程で用いる界面活性剤は、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体を含むことが好ましい。この場合、上記の密度、細孔径、及び骨格径の範囲となる低密度ゲル体をさらに容易に製造することができる。
(5)低密度ゲル体の製造方法において、有機ポリマー調製工程は、上記第1アルコキシド(A1)と第2アルコキシド(A2)とを含有するモノマー液を用いて行われることが好ましい。この場合、第1アルコキシド(A1)から得られる有機ポリマーが副反応によってゲル化することを抑えることができる。詳述すると、第2アルコキシド(A2)が第1アルコキシド(A1)のラジカル重合反応の反応溶媒となることで、第1アルコキシド(A1)から形成される有機ポリマーが分散され、有機ポリマーのゲル化反応を抑えることができると考えられる。
次に、実施例及び比較例を説明する。
(実施例1)
<有機ポリマー調製工程>
第1アルコキシド(A1)として、下記構造式(1)で表されるメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)を準備した。また、第2アルコキシド(A2)として、下記構造式(2)で表されるメチルトリメトキシシラン(MTMS)を準備した。
Figure 2023022892000002
まず、2.0mLのMPTMSと8.0mLのMTMSとをスクリュー管瓶中に入れた。
1molのMPTMSに対して0.05molとなるようにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)をスクリュー管瓶中に添加した後、スクリュー管瓶を密栓した。スターラーを用いてスクリュー管瓶中の各成分を混合した。AIBNの溶解を確認した後、スクリュー管瓶を70℃のオーブンに入れた。オーブンにて24時間加熱した後、スクリュー管瓶をオーブンから取り出し、室温となるまで徐冷した。これにより、有機重合鎖を有する有機ポリマーと第2アルコキシド(A2)を含有する混合液を調製した。
有機重合鎖を有する有機ポリマーは、下記構造式(3)で表される。
Figure 2023022892000003
表1中の“第1アルコキシドの含有量”欄には、第1アルコキシド(A1)と第2アルコキシド(A2)との合計量を100体積%としたときの第1アルコキシド(A1)の含有量を示している。
<加水分解工程>
上記混合液1.0mLをスターラーチップとともにスクリュー管瓶に入れ、混合液を撹拌しながら、5mMの硝酸水溶液(HNOaq)を1.0mL添加した。このとき、HNOaqは、2分毎に0.2mLずつ添加し、HNOaqの添加開始から12分間撹拌することで均一なゾルを調製した。
有機ポリマーの加水分解物は、下記構造式(4)で表される。MTMSの加水分解物は、下記構造式(5)で表される。
Figure 2023022892000004
<分散工程>
次に、0.8gの界面活性剤(B1)を上記加水分解工程で得られたゾルに配合し、さらに3分間撹拌した。次に、スクリュー管瓶をアイスバスに浸漬するとともに10分間撹拌することによりゾルを冷却した。
界面活性剤(B1)は、ノニオン性界面活性剤(Sigma-Aldrich製、商品名:プルロニックL-64、ポリオキシプロピレン鎖の分子量:1750、エチレンオキサイドの含有量:40質量%)である。このノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体である。
<ゲル調製工程>
続いて、上記分散工程で得られたゾルに、100mMのテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液(TMAOHaq)0.6mLを添加した後、3分間撹拌した。次に、スクリュー管瓶内のスターラーチップを取り除いた後、スクリュー管瓶を密栓した。このスクリュー管瓶を室温で1時間静置することで、ゾルをゲル化させた。スクリュー管瓶を60℃のオーブン内に96時間静置することで、ゲルのエージングを行った。スクリュー管瓶をオーブンから取り出し、広口瓶中の水にゲルを浸漬させた。広口瓶を密栓し、60℃のオーブン内に24時間静置した。広口瓶内の水を混合溶媒(水の体積:イソプロパノール(IPA)の体積=1:1)に交換し、密栓後、60℃のオーブン内に8時間静置した。次に、広口瓶中の混合溶媒をIPAに交換し、密栓後、60℃のオーブン内に8時間静置する溶媒交換操作を行った。この溶媒交換操作を合計5回行うことで、IPAに溶媒交換されたゲルを得た。このゲルを80℃、14MPaの超臨界乾燥装置を用いて乾燥させることで、低密度ゲル体を得た。
(実施例2)
表1に示すように、実施例2では、分散工程における界面活性剤(B1)の配合量を変更した以外は、実施例1と同様に低密度ゲル体を得た。
(実施例3)
表1に示すように、実施例3では、ポリマー溶液調製工程におけるMPTMSの配合量を変更した以外は、実施例1と同様に低密度ゲル体を得た。
(実施例4)
表1に示すように、実施例4では、加水分解工程におけるポリマー溶液の使用量を変更した以外は、実施例1と同様に低密度ゲル体を得た。
(実施例5)
表1に示すように、実施例5では、分散工程で用いる界面活性剤(B1)を界面活性剤(B2)に変更した以外は、実施例1と同様に低密度ゲル体を得た。
界面活性剤(B2)は、ノニオン性界面活性剤(Sigma-Aldrich製、商品名:プルロニックL-44、ポリオキシプロピレン鎖の分子量:1200、エチレンオキサイドの含有量:40質量%)である。このノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体である。
(比較例1)
表2に示すように、比較例1では、分散工程における界面活性剤(B1)の添加量を変更した以外は、実施例1と同様に低密度ゲル体を得た。
(比較例2)
表2に示すように、比較例2では、ポリマー溶液調製工程を省略し、ポリマー溶液をMTMSに変更した以外は、実施例1と同様に低密度ゲル体を得た。
(比較例3)
表2に示すように、比較例3では、加水分解工程におけるポリマー溶液の使用量を変更した以外は、実施例1と同様に低密度ゲル体を得た。
(比較例4)
表2に示すように、比較例4では、分散工程で用いる界面活性剤(B1)を配合せずに、イソプロパノール(IPA)を0.8g配合した以外は、実施例1と同様に低密度ゲル体を得た。
Figure 2023022892000005
Figure 2023022892000006
(低密度ゲル体の物性)
<密度>
各例の低密度ゲル体のかさ密度を、容積置換法(Micromeritics社製、商品名:GeoPyc1360)により測定した。その結果を表3,4中の“密度”欄に示す。
<細孔径>
低密度ゲル体の細孔径のピーク値を窒素吸着分析法により測定した。この測定には、窒素吸着分析装置(マイクロトラック・ベル製、商品名:BELSORP-mini)を用いた。細孔径のピーク値は、バレット-ジョイナー-ハレンダ(BJH)法を用いて吸着枝より求めた。細孔径のピーク値は、3回測定し、その平均値とした。
各例の低密度ゲル体の測定用のサンプルは、次のように調製した。まず、低密度ゲル体を数mmのサイズに解砕し、ゲルの粉体を得た。次に、得られたゲルの粉体約30mgをセルに採取し、真空下、80℃、24時間の条件で脱気した。その結果を表3,4中の“細孔径”欄に示す。
<骨格径>
低密度ゲル体の骨格径は、電界放出型透過電子顕微鏡(FE-TEM、日本電子株式会社製、商品名:JEM-2200FS)を用いて測定した。まず、FE-TEMを用いて測定用のサンプルの異なる3箇所の位置を撮像することにより、3枚の画像を得た。各画像について、孤立した骨格3点の骨格径を測定した。骨格径は、画像中のスケールバーとの比から求めることができる。各画像から測定された合計9点の骨格径の平均値を求めた。その結果を表3,4中の“骨格径”欄に示す。
(50%圧縮時の強度及び弾性率)
低密度ゲルの50%圧縮時の強度及び弾性率を、圧縮・引張試験機(株式会社島津製作所製、商品名:EZGraph)を用いて測定した。測定用のサンプルは、直径9.5mmのロッド状のゲルを長さ10mmに切断することで得た。この測定用のサンプルを長さ方向に0.5mm/sの圧縮速度で50%の圧縮ひずみとなるまで圧縮し、このときの強度を測定した。この際に、試験力範囲10~20Nのひずみから弾性率を求めた。低密度ゲルの50%圧縮時の強度及び弾性率の測定は、3つの測定用のサンプルについて行い、その平均値を算出した。その結果を表3,4中の“50%圧縮時の強度”及び“弾性率”欄に示す。測定用のサンプルが50%圧縮ひずみとなるまでに破壊された場合は、“50%圧縮時の強度”欄に“破壊”と示している。
(可視光透過率)
低密度ゲル体の可視光透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光株式会社製、商品名:V-670)を用いて測定した。測定用のサンプルの厚さは、10mmであり、可視光の波長は、550nmである。その結果を表3,4中の“可視光透過率”欄に示す。
Figure 2023022892000007
Figure 2023022892000008
実施例1~5の低密度ゲル体の50%圧縮時の強度は、2MPa以上であった。これに対して、比較例1,3,4の低密度ゲル体は、50%の圧縮ひずみに耐えられずに破壊された。比較例2の低密度ゲル体の50%圧縮時の強度は、2MPa未満であった。
また、実施例1~5の低密度ゲル体における上記可視光透過率は、60%以上であり、実施例1~5の低密度ゲル体は、良好な可視光透過性を有していることが分かる。特に、実施例1,3~5における上記可視光透過率は、70%以上であり、実施例1,3~5の低密度ゲル体は、可視光透過性に優れることが分かる。

Claims (6)

  1. ポリシロキサン鎖及び有機重合鎖を含み、3次元の網目構造を有する低密度ゲル体であって、
    密度が0.3g/cm以下の範囲内であり、
    細孔径が、10nm以上、40nm以下の範囲内であり、
    骨格径が、3nm以上、10nm以下の範囲内である、低密度ゲル体。
  2. 50%圧縮時の強度が、2MPa以上である、請求項1に記載の低密度ゲル体。
  3. 前記細孔径が、25nm以下であり、前記骨格径が、7nm以下である、請求項1又は請求項2に記載の低密度ゲル体。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の低密度ゲル体の製造方法であって、
    有機ポリマー調製工程と、加水分解工程と、分散工程と、ゲル調製工程と、を備え、
    前記有機ポリマー調製工程は、
    ラジカル重合性基を有する第1アルコキシドをラジカル重合させることで前記有機重合鎖を有する有機ポリマーを調製する工程であり、
    前記加水分解工程は、前記有機ポリマーと、シロキサン結合のみにより重合可能な第2アルコキシドと、を含有する混合液に酸を加えることでアルコキシドの加水分解を行う工程であり、
    前記分散工程は、前記ゲル調製工程前の前記混合液にアルコール以外の両親媒性物質からなる界面活性剤を混合することで、前記混合液中の成分を分散させる工程であり、
    前記ゲル調製工程は、前記加水分解工程後の前記混合液に塩基を添加することで、ゲルを調製する工程である、低密度ゲル体の製造方法。
  5. 前記界面活性剤は、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体を含む、請求項4に記載の低密度ゲル体の製造方法。
  6. 前記有機ポリマー調製工程は、前記第1アルコキシドと前記第2アルコキシドとを含有するモノマー液を用いて行われる、請求項4又は請求項5に記載の低密度ゲル体の製造方法。
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