JP2023021809A - モータ駆動装置および冷蔵庫 - Google Patents

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義典 竹岡
Yoshinori Takeoka
好正 堀尾
Yoshimasa Horio
太介 塩井
Tasuke Shioi
崇宏 熊谷
Takahiro Kumagai
淳一 伊東
Junichi Ito
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Abstract

Figure 2023021809000001
【課題】レシプロ型の圧縮機停止時のピストンの反転を抑制し、圧縮機に発生する振動を低減するモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】モータ駆動装置100は、ガスを圧縮するためのシリンダ203とピストン202から構成されるレシプロ型の圧縮機を駆動するためのモータ駆動装置であって、前記圧縮機が圧縮動作を行うためのブラシレスDCモータ210と、外部から供給される電源から電力を変換し、ブラシレスDCモータ210に供給するための波形生成部120を備える。波形生成部120は前記圧縮機200のピストン202が上死点から下死点へ正転する間で圧縮機200の回転が停止するようブラシレスDCモータ210への出力を短絡させる。
【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 学会発表論文:コンプレッサ駆動用モータの停止時振動低減法論文 公開日:令和2年12月11日 公開者名:塩井 太介、熊谷 崇宏、伊東 淳一
本開示は、ブラシレスDCモータを駆動するモータ駆動装置、および、これを用いた冷蔵庫に関する。
特許文献1は、停止時の逆トルク印加を速度によってタイミングを決定することにより、圧縮機運転停止時の振動を低減する冷蔵庫を開示する。この冷蔵庫はレシプロ型圧縮機と圧縮機の回転周期を検知する位置検知手段を備え、位置検知手段が運転停止後のピストンの回転周期が所定値以下となるタイミングでモータの磁極位置によって通電を切り替えながら逆トルクとなる電圧印加を開始し圧縮機のピストン位置を上死点手前もしくは停止位置を管理せず停止させる。
特許文献2は、圧縮機停止時の電動機への通電停止後のブレーキにより停止時の振動を低減する電動機のトルク制御装置を開示する。この電動機のトルク制御装置は、負荷要素を駆動する電動機と、電動機に交流電力を供給するインバータを備え、インバータが圧縮機の通電停止開始位置を管理しインバータは電動機への通電停止後はブレーキをかけ停止させる。
特開2012-167849号公報 特開2001-037281号公報
本開示は、レシプロ型の圧縮機停止時のピストンの反転を抑制し、圧縮機に発生する振動を低減するモータ駆動装置を提供する。
本開示におけるモータ駆動装置は、ガスを圧縮するためのシリンダとピストンから構成されるレシプロ型の圧縮機を駆動するためのモータ駆動装置であって、前記圧縮機が圧縮動作を行うためのブラシレスDCモータと、外部から供給される電源から電力を変換し前記ブラシレスDCモータに供給するための波形生成部を備える。前記波形生成部は前記圧縮機のピストンが上死点から下死点へ正転する間で前記圧縮機の回転が停止するよう前記ブラシレスDCモータへの出力を短絡させる。
本開示におけるモータ駆動装置は、(作用)圧縮機の吸入、圧縮、吐出、膨張の工程のうち、吸入または膨張の工程で停止させることができる。そのため、(効果)ブラシレスDCモータの速度が0となる際の圧縮機のシリンダ内外の圧力がほぼ等しくなり、ピストンが反転せず振動を低減することができる。
実施の形態1におけるモータ駆動装置と冷蔵庫の制御構成を示すブロック図 実施の形態1における波形生成部の構成を示すブロック図 実施の形態1における波形生成部の短絡の判定動作を説明するためのフローチャート 図4(a)は、実施の形態1におけるブラシレスDCモータの短絡時に流れる電流のタイミングチャート、図4(b)は、実施の形態1におけるブラシレスDCモータの短絡指令出力のタイミングチャート 図5(a)は、実施の形態1における固定子への通電停止におけるU相巻き線の端子電圧のタイミングチャート、図5(b)は、実施の形態1における固定子への通電停止におけるV相巻き線の端子電圧のタイミングチャート、図5(c)は、実施の形態1における固定子への通電停止におけるW相巻き線の端子電圧のタイミングチャート、図5(d)は、実施の形態1における固定子への通電停止における端子電圧の平均値のタイミングチャート 実施の形態1におけるブラシレスDCモータの運転停止時の速度のタイミングチャート
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、圧縮機の運転停止後のピストンの回転周期が所定値以下となるタイミングでモータの磁極位置によって通電を切り替えながら逆トルクとなる電圧印加を開始し、ピストン位置を上死点手前もしくは停止位置を管理せず圧縮機を停止させる技術があった。
また、圧縮機のモータを駆動するインバータが圧縮機の通電停止開始位置を管理し、通電停止後にブレーキをかけることで圧縮機の回転を停止させる技術があった。
しかしながら、レシプロ型の圧縮機では、ピストンが圧縮から吐出の間でモータの速度が0となる可能性がある。そのため、ピストンの内外で圧力差が生まれピストンが反転し、停止時の振動が十分に低減されないという課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、ブラシレスDCモータの速度が0となる際の圧縮機のシリンダ内外の圧力がほぼ等しくなり、ピストンが反転せず停止時の振動を低減するモータ駆動装置を提供する。
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1~図6を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1.モータ駆動装置を用いた冷蔵庫の構成]
図1は、実施の形態1におけるモータ駆動装置と冷蔵庫の制御構成を示すブロック図である。
図1に示すように、冷蔵庫300は、モータ駆動装置100と、圧縮機200と、整流平滑部2とを備えている。
モータ駆動装置100は、電源1からの入力を整流平滑部2で直流平滑化された電源でブラシレスDCモータ210を駆動する。ブラシレスDCモータ210は、圧縮機200の内部に格納される。
ブラシレスDCモータ210は、永久磁石を2極対有する4極の回転子211と3相巻き線を有する固定子212とから構成されている。
固定子212は、モータ駆動装置100の波形生成部120によって生成された波形で通電し、発生する磁界によって、回転子211を回転させる。
回転子211はレシプロ型の圧縮機200のクランク201と連結し、回転子211の回転運動をピストン202の直線往復運動に変換する。
回転子211の回転の中心、クランク201と回転子211との連結部、クランク201とピストン202との連結部の順に直線で並ぶとき、ピストン202が最も回転子211から遠のく。この状態が上死点となりシリンダ203の中の冷媒が最も圧縮された状態となる。
また、クランク201と回転子211との連結部、回転子211の中心、クランク201とピストン202との連結部の順に直線で並ぶとき、ピストンが最も近づく。この状態が下死点となり、シリンダ203の中の冷媒の体積がもっと大きく、圧力は吸入した冷媒の圧力と等しい状態となる。
ピストン202は、往復運動により、圧縮機200の中に充満した冷媒をシリンダ203内に吸入し、圧縮する。
シリンダ203は、ピストン202によって、吸入時より高い圧力となった冷媒を吐出する。シリンダ203から吐出された冷媒は、配管で接続された凝縮器301、減圧器302、蒸発器303の順に流れ圧縮機200に戻される。この時、凝縮器301では、放熱が行われ、蒸発器303では、吸熱が行われるので、冷却および過熱を行うことができる。冷蔵庫300はこのような冷凍サイクルを搭載して構成する。
電源1は、一般的な商用電源で、日本においては実効値100Vの50Hzまたは60Hzの交流電源である。
整流平滑部2は、電源1を入力として整流部2aが交流電力を直流電力に整流し、平滑部2bが整流部2aの出力側に接続され、整流部2aの出力を平滑する。整流部2aはブリッジ接続された4個の整流ダイオードで構成される。平滑部2bは、コンデンサで構成される。十分に平滑化するためには容量の大きなコンデンサが必要となる。そのため、本実施の形態では、容量に対してコストが安価な電解コンデンサが用いられる。
本実施の形態では、電源1として交流電源が用いられるため、整流平滑部2で交流を直流に平滑しモータ駆動装置100に入力している。
なお、電源1が直流電源の場合は、直接、モータ駆動装置100に接続するようにしてもよい。その際、整流平滑部2は不要である。
モータ駆動装置100は、波形生成部120が整流平滑部2からの直流入力を交流に変換しブラシレスDCモータ210へと出力する。
モータ駆動装置100は、波形生成部120と、端子電圧検出部102と、位相推定部103と、速度推定部104と、圧縮機状態把握部105と、電流検出部108と、を備えている。
端子電圧検出部102は、ブラシレスDCモータ210の波形生成部120と接続している端子の電圧を検出する。そして、端子電圧検出部102は、位相推定部103と速度推定部104にそれぞれ端子電圧の値を送る。
位相推定部103は端子電圧検出部102が検出したブラシレスDCモータ210の端子電圧からブラシレスDCモータ210の回転子211の位相を検出する。そして、位相推定部103は推定した回転子211の位相を波形生成部120へと入力する。
速度推定部104は、端子電圧検出部102が検出した電圧値から速度を推定する。そして、速度推定部104は、推定した速度を波形生成部120へと送る。運転中の回転子211の回転速度はブラシレスDCモータ210から発生する誘起電圧のゼロクロスの発生周期などから速度を推定する。ブラシレスDCモータ210の停止時など通電を行っていない際の回転子211の回転速度は、端子電圧検出部102の検出したブラシレスDCモータ210の他相の電圧とクロスする点と端子電圧の平均値との交点が現れる頻度から検出する。
圧縮機状態把握部105は、ブラシレスDCモータ210への通電が停止しているが、回転子211が回転しているときに圧縮機200の圧縮状態を検出する。圧縮機状態把握部105は、ブラシレスDCモータ210の停止時など通電を行っていない際に、端子電圧検出部102の検出したブラシレスDCモータ210の他相の電圧との交点および端子電圧の平均値との交点を検出するたびに圧縮工程が進んだと判断する。
ピストン202は、下死点から上死点へ移動する際に冷媒を圧縮し吐出する。この冷媒を圧縮し吐出する際に、回転子211の速度は大きく低下する。そこで、圧縮機状態把握部105は、交点を検出する間隔の変化率が所定変化率より大きい状態から小さい状態へと変化したときに圧縮機200が吐出から吸入に切り替わる上死点と判断する。そして、圧縮機状態把握部105は、上死点を基準として固定子212の端子電圧と比較電圧の交点の検出の回数で圧縮機200の状態を把握する。
速度指令部107は、冷蔵庫300の庫内の温度の状態などによって、波形生成部120にブラシレスDCモータ210の回転子211を回転させる速度の指令を送る。
電流検出部108は、ブラシレスDCモータ210に流れる電流を検出する。ブラシレスDCモータ210の3相それぞれに流れる電流を検出する。
波形生成部120は、位相推定部103が推定したブラシレスDCモータ210の位相に応じた適切な通電によってブラシレスDCモータ210の回転子211を回転させる。
波形生成部120では、速度指令部107から受け取った速度指令と、端子電圧検出部102で検出したブラシレスDCモータ210の端子電圧から速度推定部104が推定した回転子211の回転速度の差によって、固定子212に印加する電圧の大きさを変更する。
また、波形生成部120は、速度指令部107の指令速度が0となったとき、ブラシレスDCモータ210への通電を停止した後、ブラシレスDCモータ210の端子をすべて波形生成部120の内部で短絡させる。
短絡を行った際、ブラシレスDCモータ210が発電機となり電流が流れる。短絡している間は通常の運転時よりも大きな電流が流れる。そこで、波形生成部120は、電流検出部108が検出した固定子212に流れる電流をもとに、電流があらかじめ決めた電流閾値を中心に短絡と出力停止を繰り返す。これにより強制的にブラシレスDCモータ210を停止させることができる。
固定子212に流れる電流と電流閾値との比較は、周期的に行われる。
そのため、電流閾値は、電流の増加率と電流検出周期の関係から電流閾値を超える最大の電流が、ブラシレスDCモータ210の減磁を起こさず、固定子212の温度が使用可能温度以下で収まり、波形生成部120で流すことが可能な電流であるように決定される。
短絡時の電流は、ブラシレスDCモータ210と波形生成部120との間で流れ、回転子211の回転速度に応じた電流値まで上昇する。出力停止時の電流は、ブラシレスDCモータ210から波形生成部120を通り、整流平滑部2の平滑部2bに流れ、電流が減少する。
短絡させる処理は、ブラシレスDCモータ210の回転子211が正転している状態で行う。正転は回転子211とクランク201が連結されている側から見て、回転子211が反時計回りに回転する方向とする。また、短絡させる処理は、圧縮機200のピストン202が上死点から下死点に移動する間に停止するように開始させる。
本実施の形態では、圧縮機200のピストン202が上死点から下死点に移動する間に停止させるために、波形生成部120は、速度推定部104の推定する速度が、速度閾値以下になった際に短絡を開始する。
速度閾値は、圧縮機200が冷媒に対する工程(ピストン202の位置)によってそれぞれ決定する。ピストン202が下死点から上死点へと移動する間は、圧縮工程で停止してしまう可能性があるため、上死点から下死点へと移動する途中よりも高い速度閾値となる。
また、短絡の開始は、圧縮機200の圧力を冷蔵庫の冷凍サイクルの調整などにより所定の圧力条件にした後に、通電停止を行い、通電停止後の時間や圧縮した回数などから短絡開始のタイミングを決定してもよい。この方法では、短絡開始のタイミングに複雑な計算が必要なく処理を簡略化できる。
上死点は、圧縮機状態把握部105で、端子電圧検出部102で検出したブラシレスDCモータ210の端子電圧から安価かつ容易に検出することができる。
通常の冷蔵庫300の運転であれば、圧縮機200の吸入圧力と吐出圧力は所定値に収まっているため、あらかじめ定めた速度閾値で確実に上死点から下死点の間で停止させることができる。
しかしながら、冷蔵庫300の異常が起こる場合、圧縮機200の吸入圧力と吐出圧力が通常の運転状態より大きくなる。この場合、短絡を開始するあらかじめ定めた速度閾値より高い速度であっても、圧縮工程の途中で停止する可能性がある。そこで、波形生成部120は、短絡を開始するために速度閾値以下になるよう、一度速度を減速させる。減速させる方法は短絡とすることで、新たな手法を導入せずコストを抑えることができる。
回転子211停止のための短絡を始める前に減速させるかどうかは、回転子211が1回転したときの減速率から出力決定部121が決定する。
停止のために波形生成部120が出力を停止させ、短絡を始めるまでの間は、ブラシレスDCモータ210はフリーランとなる。ブラシレスDCモータ210がフリーランの間は、圧縮機200の吐出圧力と吸入圧力はほとんど変化しない。そのため、回転速度と1回転分の減速率が求まれば、圧縮機200の負荷トルクが求まるため、速度がどのように減速するか、何回転後に停止するかを予測することができる。
波形生成部120は、出力停止直後の減速率を求め、圧縮機200が速度閾値に収まることなく停止することが予測される場合、停止する一つ前の上死点で回転子211の速度が速度閾値以下に収まるよう、短絡し減速させる。それにより、圧縮機200の圧力が異常状態であっても、ピストン202が上死点から下死点に移動する間で停止させることができる。
ピストン202が上死点から下死点に移動する間は、シリンダ203は冷媒を吸入する。そのため、圧縮機200内の冷媒の圧力とシリンダ203内の圧力差がなく、圧力差によるピストン202を動かす力が働かない。つまり、ピストン202が上死点から下死点へ移動する間に回転子211を停止させるので、回転子211の速度が0となった後に、反転することがなく、圧縮機200の停止に伴う振動を低減できる。
[1-1-2.波形生成部の構成]
次に、図2を用いて波形生成部120の内部構造を説明する。
図2は、実施の形態1における波形生成部の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、波形生成部120は、出力決定部121と、ドライブ部122と、インバータ123とから構成される。出力決定部121は、位相推定部103、速度推定部104、圧縮機状態把握部105、電流検出部108、速度指令部107からの出力を入力する。
インバータ123は、整流平滑部2からの直流電力を、交流電力に変換する。インバータ123は、6個のスイッチング素子123a~123fが3相ブリッジ接続されて構成される。また、6個の還流電流用ダイオード123g~123lは、各スイッチング素子123a~123fに逆方向に接続される。
出力決定部121は、通電率、短絡指令、通電停止指令のいずれかを決定し、出力する。出力決定部121は、速度指令部107の指令速度が0より大きい場合は、通電率を出力する。通電率は、速度推定部104が推定する回転子211の回転速度と速度指令部107の指令速度の差から決定される。決定した通電率は、ドライブ部122に出力される。具体的には、波形生成部120では、速度指令の方が高い場合は電圧を高くし、速度指令の方が低い場合は電圧を低くし固定子212に出力する。
また、出力決定部121は、速度指令部107の指令速度が0である場合に、短絡指令もしくはすべてのスイッチング素子123a~123fがオフする通電停止指令を出力する。出力決定部121は、速度指令部107の速度指令が0となった直後は通電停止指令を出力する。
短絡指令の開始は、速度推定部104と圧縮機状態把握部105の情報をもとに、出力決定部121が決定し、出力を短絡指令に切り替える。さらに、異常な負荷状態であっても確実に停止するための短絡前の減速も、速度推定部104の推定速度の変化から出力決定部121が決定する。
また、短絡時に固定子212に流れる電流による短絡指令と通電停止指令との切り替えも、出力決定部121が行っている。
ドライブ部122は、位相推定部103で検出されるブラシレスDCモータ210の回転子211の位置情報に基づき、インバータ123がブラシレスDCモータ210の固定子212の3相巻線に供給する電力の供給タイミングを決定し、PWM制御するドライブ信号を出力する。
具体的には、ドライブ信号は、インバータ123のスイッチング素子123a~123fをオンまたはオフする。これにより、固定子212に最適な交流電力が印加され、回転子211が回転し、ブラシレスDCモータ210が駆動される。駆動波形は、矩形波および正弦波などがあるが、特にこだわらない。また、ドライブ部122では、出力決定部121が決定した通電率をもとに、PWMデューティ幅を計算し、出力する。
ドライブ部122は、短絡指令がある場合、インバータ123のスイッチング素子123a、123c、123eの組合せもしくは、スイッチング素子123b、123d、123fの組合せをオンさせ導通させる。各スイッチング素子123a~123fと逆方向にダイオード123g~123lが接続されているため、ドライブ部122は固定子212の端子を短絡することとなる。
一般的に、制御側のスイッチング素子123a、123c、123eを駆動するためには、平滑部2bと異なる電位基準の電源の充電が必要である。そのため、長時間短絡させるためには充電するための部品(コンデンサ等)が大きくなる。一方で、負極側のスイッチング素子123b、123d、123fは、平滑部2bと共通の電位基準の電源でよいため、駆動には電源の充電が不要である。本実施の形態では、短絡時のスイッチング素子を駆動する電源の充電が必要ないため負極側のスイッチング素子123b、123d、123fを短絡する。これにより回路の大型化やコストアップを抑制することができる。
ドライブ部122が固定子212を短絡させた場合、ブラシレスDCモータ210は発電機として働くので、固定子212に電流が流れる。固定子212に流れる電流は、オンさせたスイッチング素子123b、123d、123fまたはダイオード123h、123j、123lのいずれかを通り再び固定子212に流れる。
また、ドライブ部122は、通電停止指令がある場合、スイッチング素子123a~123fをすべてオフさせる。固定子212に流れていた電流は流れ続けるため、ダイオード123h、123j、123lに流れていた電流はそのまま流れる。一方で、スイッチング素子123b、123d、123fに流れていた電流は、導通が遮断されるため、それぞれダイオード123g,123i,123kを流れる。その結果、固定子212の電流が平滑部2bに流れ、充電される。そして固定子の212に流れる電流は急速に減少する。
[1-2.動作]
以上のように構成されたモータ駆動装置100について、その動作を以下説明する。
[1-2-1.短絡判定動作]
図3に基づいて、出力決定部121の短絡判定動作を説明する。
図3は、実施の形態1における波形生成部の短絡の判定動作を説明するためのフローチャートである。
まず、速度指令部107からの指令速度が0となるまでは、ブラシレスDCモータ210を停止させるための短絡判定は行わない(S101:No)。そして指令速度が0となると(S101:Yes)、出力決定部121は、通電停止指令を出力する(S102)。通電を停止し、回転子211がフリーランの間は、圧縮機状態把握部105が把握した圧縮機200の圧縮工程の状態に応じた指令速度をあらかじめ計算し作成したテーブルから速度閾値を決定する(S103)。
そして、速度推定部104が推定する回転子211の回転速度が、速度閾値より大きい間は(S104:No)、速度閾値を更新(S103)し続ける。回転子211はフリーランの状態で徐々に回転速度が低下していく。そして、回転速度が速度閾値以下になった時(S104:Yes)、電流検出部108が検出した固定子212に流れる電流があらかじめ定めた電流閾値未満かどうかを判定する(S105)。
判定した結果、固定子212に流れる電流が電流閾値未満ならば(S105:Yes)、出力決定部121は短絡指令を出力する(S106)。短絡を開始するまでは電流が流れていないため、まずは短絡が開始される。回転子211の実際の回転速度0となるまで(S108:No)、電流値が電流閾値未満かの判定(S105)を繰り返す。判定を繰り返しはPWMの周期に同期させるなど、周期的に実施することで、処理時間を削減できる。
短絡中は、回転子211の回転速度が一定であれば、固定子212に流れる電流は、回転数に応じた電流値まで徐々に増加する。短絡を開始して固定子212に流れる電流が増加した結果、電流値が電流閾値以上となると(S105:No)、出力決定部121は通電停止指令を出力する(S107)。通電停止によって電流は減少する。
回転速度が0となるまでは(S108:No)、電流値を電流閾値と比較することで(S105)、短絡指令の出力(S106)による電流の増加と通電停止指令の出力による電流の減少によって電流が一定値以下に抑制されながら、フリーランでの減速よりもすみやかに、回転速度が低下していく。回転速度の低下とともに電流値は小さくなり、回転速度が0に近づくと電流値は電流閾値を超えることがなくなり(S105:Yes)、短絡指令が継続される。
電流値が小さくなることで、回転子211の回転を低下させる力が小さくなり滑らかな速度変化によって停止し、停止時の振動を抑制することができる。
さらに、上死点から下死点までの間で停止するよう速度閾値を定めているため、圧縮機200のピストン202がシリンダ203の内外圧力差によって押し戻されることがなく、回転子211の反転による振動も発生しない。回転速度が0になった場合(S108:Yes)、出力決定部121は短絡制御を終了し通電停止指令を出力する(S109)。
なお、短絡制御の終了は回転速度が0となった場合としたが、電流検出部108が検出する固定子212に流れる電流が0となった場合でもよい。また、回転速度が完全な0ではなく0.1r/sなど0に近い値としてもよく、回転のエネルギーが小さいため、停止時の振動を抑制できる。同様に電流値も0.1Aなど0に近い値を終了の条件としても同様に停止時の振動を抑制できる。
このときの動作を、図4(a)と図4(b)を用いて、より詳細に説明する。図4(a)は短絡を行った際(図6におけるT106とT107の間の時間)の固定子212に流れる電流値の変化を示す。図4(b)は電流検出部108が検出した固定子212の電流値に応じて出力決定部121が短絡指令と通電停止指を出力するタイミングを示す。短絡を開始すると(図4(b)におけるT106)、電流が増加を始める(図4(a)におけるT106からT201の間)。周期的に電流値が電流閾値を超えているかどうかを判断する。短絡を開始した直後の電流値が0の状態から始まる。
短絡開始後、最初の判定周期(図4(a)におけるT201)と次の判定周期(図4(a)におけるT202)では電流値が電流閾値未満のため、短絡指令が継続される(図4(b)におけるT201からT203の前まで)。その次の判定周期(図4(a)におけるT203)では電流値が電流閾値以上となっているため、通電停止指令が選択され、出力される(図4(b)におけるT203)。通電停止指令により固定子212に流れる電流が減少する。
そして、次の判定周期(図4(a)におけるT204)では再び電流値が電流閾値を下回っているため、短絡指令が選択され出力される(図4(b)におけるT204)。そして、次の周期(図4(a)におけるT205)で電流値が閾値以上となり通電停止指令(図4(b)におけるT205)、およびその次の周期(図4(a)におけるT206)で電流値が電流閾値を下回り短絡指令がそれぞれ選択され出力される(図4(b)におけるT206)。ブラシレスDCモータ210に電流を流すことにより回転子211の回転速度が低下する。
そのため、固定子212に発生する誘起電圧が低下し、短絡時の固定子212に流れる電流が減少する。その結果、次の周期(図4(b)におけるT207)では、短絡指令が継続しても電流が電流閾値を超えない(図4(a)におけるT207)。そして、その後も周期的(図4(a)および(b)におけるT208~T211)に判定を行っても、回転子211が停止するまで固定子212に流れる電流が減少しながら短絡指令が継続される。
そして、回転子211が停止したと判断が行われる周期(図4(a)および(b)におけるT107)では、短絡による回転子211の停止処理が終了したとして、通電停止指令を出力する。これによりインバータ123と固定子212が熱破壊から守られる。また、固定子212によって作られる磁界の強さが一定値以下になるため、回転子211の減磁を防ぐ。さらに電流をインバータ123と固定子212と回転子211を保護する可能な限り大きな電流で回転子211を停止させることができる。
[1-2-2.圧縮機停止時の速度推定動作]
次に指令速度が0となり回転子211が回転している状態から、インバータ123が通電停止した際の速度推定部104の動作を、図5(a)~図5(d)を用いてより詳細に説明する。固定子212はスター結線とする。スター結線は、固定子212の3相の各巻き線の一端をすべて結線する。固定子212の各巻き線同士で結線していない側の端子はインバータ123のスイッチング素子123aと123b、スイッチング素子123cと123d、スイッチング素子123eと123fの接続部にそれぞれ結線している。スイッチング素子123aと接続する固定子212の巻き線をU相、スイッチング素子123cと接続する固定子212の巻き線をV相、スイッチング素子123eと接続する固定子212の巻き線をW相とする。
図5(a)は回転子211が回転している状態から通電停止した際の固定子212のU相の端子電圧の波形である。図5(b)は回転子211が回転している状態から通電停止した際の固定子212のV相の端子電圧の波形である。図5(c)は回転子211が回転している状態から通電停止した際の固定子212のW相の端子電圧の波形である。図5(d)は固定子212の端子電圧の平均電圧の波形である。図5(a)~図5(d)の電圧の基準は平滑部2bの負極側とする。
まず運転状態からスイッチング素子123a~123fがオフとなり固定子212への通電が停止される(T300)。通電が停止されると回転子211の誘起電圧をU相、V相、Wすべての相で観察でき。3相の端子電圧のうち最も低い相は、平滑部2bと電位がほぼ等しくなる。ここで停止開始時の端子電圧をW相>U相>V相とする。回転子211が回転することで、固定子212の自足が変化するため、各相の誘起電圧が変化する。ここで、V相の電圧は、最も低い状態が継続し変化しない(図5(b)おけるT300~T301の間)。
しかし、U相の電圧は、徐々に増加し(図5(a)におけるT300~T301の間)、W相の電圧は、徐々に減少する(図5(c)におけるT300~T301の間)。そして、U相とW相の端子電圧が一致する(図5(a)と図5(c)におけるT301)。その後、端子電圧の大きさは、U相>W相>V相となる(図5(a)~図5(c)におけるT301~T303の間)。この間、W相の端子電圧が徐々に低下し、W相とV相が一致する(図5(b)と図5(c)におけるT303)。
そして回転子211が回転することで、端子電圧の状態は、U相>V相>W相(図5(a)~図5(c)におけるT303~T305の間)、V相=U相>W相(図5(a)と図5(b)におけるT305)、V相>U相>W相(図5(a)~図5(c)におけるT305~T307の間)、V相>U相=W相(図5(a)と図5(c)におけるT307)、V相>W相>U相(図5(a)~図5(c)におけるT307~T309の間)、V相=W相>U相(図5(b)と図5(c)におけるT309)、W相>V相>U相(図5(a)~図5(c)におけるT309~T311の間)、W相>V相=U相(図5(a)と図5(b)におけるT311)。
そして、W相>U相>V相(図5(a)~図5(c)におけるT311~T312の間)となり、再び通電停止と同じ状態となりブラシレスDCモータ210は電気角で1回転となる。一方で本実施の形態では、回転子211が4極としたので、電気角2周期分で、機械角1周期分となる。つまり、電気角2周期で、回転子211が1回転し、ピストン202が1往復する。3相の端子電圧うち、2相が一致する状態は電気角で60度ごとに発生するので電気角1周期で6回、機械角1周期で12回発生する。速度推定部104は、この3相の端子電圧それぞれの大小関係が変化するタイミングを検出し、その発生周期の12倍の逆数が回転子211の回転速度となる。
また3相の端子電圧値の平均と各相の端子電圧が一致するタイミングを検出してもよい。各相の端子電圧と3相の端子電圧の平均との一致点は、2相の端子電圧の一致する電気角の中間で現れる(図5(a)~図5(d)におけるT302、T304、T306、T308、T310、T312)。つまり、電気角1周期の中で、6回発生し、本実施の形態では機械角1周期の中で12回発生する。各相の端子電圧と3相の端子電圧の平均の一致の発生周期の12倍の逆数を回転子211の回転速度とする。
各相の端子電圧と3相の端子電圧の平均の一致するタイミングと、端子電圧3相のうち2相が一致するタイミングは、機械角で15度ごとに合計で24回発生する。各相の端子電圧と3相の端子電圧の平均の一致するタイミングと、端子電圧3相のうち2相が一致するタイミングを組み合わせて検出することで、固定子212への通電停止時の速度推定を、個別で行うより精度よく行うことができる。
[1-2-1.圧縮機の状態把握動作]
圧縮機状態把握部105は、指令速度が0となり回転子211が回転している状態から、インバータ123が通電停止した際の速度推定部104と同様に、3相の端子電圧それぞれの大小関係が変化を検出する。この変化があるたびに、回転子211が一定の角度だけ回転し、ピストン202が移動し工程が変化する。また、端子電圧の大小関係が変化する周期は、ピストン202が下死点から上死点へと移動する冷媒を圧縮し吐出する際に大きくなる。
また端子電圧の大小関係が変化する周期は、上死点から下死点へと移動し冷媒を吸入する際には小さくなる。この変化する周期をあらかじめ定めておいた変化周期閾値と比較し、変化する周期が変化周期閾値より大きい状態から小さい状態へと変わるところを上死点として検出する。圧縮機状態把握部105は、この上死点を基準に、端子電圧の大小関係が変化する回数で圧縮機200の状態を把握する。本実施の形態では、3相4極のブラシレスDCモータ210であるので、例えば上死点から大小関係が変化する回数が6回で下死点となる。上死点から大小関係が変化する回数が12回で上死点となる。
また、速度推定部104と同様に、各相の端子電圧と3相の端子電圧の平均の一致するタイミングも利用することで、細かく圧縮機200の状態を把握することができる。
[1-3.圧縮機停止時の速度変化]
次に圧縮機200の回転子211の速度変化について図6を用いて説明する。図6は指令速度が0となり回転子211が回転している状態から、インバータ123が通電停止した際の回転子211の回転速度の変化を示す。速度指令部107からの指令速度が0となることで、波形生成部120が固定子212への通電を停止すると(T101)、回転子211はフリーランとなる。
ここでは、通電が停止された時のピストン202の位置が下死点だったとする。下死点から上死点へとピストン202が移動していくことで、冷媒を圧縮し吐出が行われる(T101からT102の間)。この間、回転子211の速度が大きく低下する。ピストン202が上死点に到達すると(T102)、下死点まで移動する間(T102からT103の間)は速度の変化がほとんどなくなる。
このように、回転子211の速度は、ピストン202が下死点から上死点へと移動する際の速度の低下(T101からT102の間、T103からT104の間、T105からT106の間)と上死点から下死点へと移動する際の速度のわずかな速度低下(T102からT103の間、T104からT105の間、T106からT107の間)とを繰り返しながら、徐々に回転子211の速度が低下する。
そして、回転子211の速度が速度閾値を上回っている間(T101からT106の間)は、波形生成部120は出力を停止している。
そして、回転子211の速度が速度閾値以下になったことで(T106)、波形生成部120により短絡が開始される。短絡されている間は(T106からT107の間)、ピストン202が上死点から下死点に移動する吸入工程であっても、速度を減速させられる。回転子211の回転速度が速度閾値以下になった時に、固定子212の短絡を開始させることで、ピストン202が上死点から下死点へと移動する間に停止する。この状態では、シリンダ203の内外の圧力差がなく、ピストン202が跳ね返ることがないため、波形生成部120が通電を停止しても、回転子211の速度は0のまま維持される。
回転子211の速度は上死点手前で大きく減速し速度閾値をまたぐ可能性が高い。また、速度閾値が上昇するのは下死点でのみとなるため、速度が変わらない場合、速度が速度閾値を下回るのは、下死点のみとなる。つまり、回転子211の回転速度が速度閾値より低いかどうかの判定は、上死点と下死点でのみ行い、速度閾値は下死点と上死点で2種類用意し、下死点での速度閾値の方が上死点での速度閾値より高く設定するようにしてもよい。
さらに、波形生成部120が短絡を開始する位置を上死点と固定することで制御が容易となる。ピストン202が上死点から下死点へと遷移する間に停止させるため、短絡開始から下死点までの間のどこで止まってもよい。さらに短絡開始から下死点までの時間が最も長く確保できることとなり、閾値を高く設定することができ、速度の制御が容易となる。
[1-4.効果等]
以上のように、本実施の形態においては、モータ駆動装置100は、ガスを圧縮するためのシリンダ203とピストン202から構成されるレシプロ型の圧縮機200を駆動するためのモータ駆動装置100であって、圧縮機200が圧縮動作を行うためのブラシレスDCモータ210と、外部から供給される電源1から電力を変換しブラシレスDCモータ210に供給するための波形生成部120を備える。波形生成部120は、ブラシレスDCモータ210を停止させる際に、圧縮機200のピストン202が上死点から下死点に正転する間で圧縮機200の回転が停止するようブラシレスDCモータ210への出力を短絡させる。
これにより、ブラシレスDCモータ210の速度が0となる際の圧縮機200のシリンダ203内外の圧力をほぼ等しくすることができる。そのため、シリンダ203内のガスがピストン202を押しのける力を低減することにより、ピストン202の反転を抑制し、停止時の振動を低減することができる。
また、本実施の形態においては、ブラシレスDCモータ210に流れる電流を検出する電流検出部108を備えるようにしてもよい。波形生成部120は、電流検出部108の検出したブラシレスDCモータ210の電流値が電流閾値を超えたときに電流を減少させる。
これにより、波形生成部120やブラシレスDCモータ210の機能が低下するほど大きな電流が流れることを回避できる。そのため、ブラシレスDCモータ210は安全に振動抑制しながら、停止できる。
また、本実施の形態においては、波形生成部120が電流値が電流閾値を超えないよう減少させる電流は、ブラシレスDCモータ210の電流である平滑部2bに流す電流である。
これにより、ブラシレスDCモータ210に流れる電流がすみやかに減少することになる。そのため、電流が閾値を超えている時間を短くすることができる。
また、本実施の形態においては、ブラシレスDCモータ210の端子電圧値を検出する端子電圧検出部102と、端子電圧検出部102が検出したブラシレスDCモータ210の端子電圧値からブラシレスDCモータ210の回転速度を推定する速度推定部104を備える。波形生成部120は速度推定部104が推定するブラシレスDCモータ210の回転速度が速度閾値以下になった後に短絡を開始する。
これにより、短絡による停止において、ピストン202が上死点から下死点へと移動する間に、簡単な判断のみでブラシレスDCモータ210の回転子211の回転を停止させられる。そのため、圧縮機200の運転停止時の振動を低コストのマイコンなどで抑制できる。
また、本実施の形態においては、圧縮機200のピストン202の位置を把握する圧縮機状態把握部105を備えている。波形生成部120は圧縮機状態把握部105が把握した圧縮機200のピストン202が所定位置になったとき、ブラシレスDCモータ210にブレーキをかけ始める。
これにより、圧縮機200を停止させる速度閾値を複数持つための記憶装置の簡略化や、速度閾値を求めるための複雑な計算が不要となる。そのため、波形生成部120を実現するためのマイコンなどのコストを低減することができる。
また、本実施の形態においては、圧縮機状態把握部105は端子電圧検出部102が検出したブラシレスDCモータ210の端子電圧から圧縮機200のピストン202の位置を把握する。
これにより、圧縮機状態把握部105は、速度推定部104と端子電圧検出部102を共用することがでる。そのため、部品の追加を抑えつつ圧縮機200の状態を把握することができ、コストを抑制することが可能となる。
また、本実施の形態においては、圧縮機200のピストン202が所定位置から停止を開始する際の速度推定部104の推定するブラシレスDCモータ210の速度が速度閾値より高い速度の場合、波形生成部120は、ブラシレスDCモータ210の停止開始前に、速度閾値以下かつ0より大きい値になるようにブラシレスDCモータ210の速度を減速させる。
これにより、状態異常のような圧力が想定する範囲から外れる場合であってもピストン202が上死点から下死点へと移動する間に回転子211の回転を止めることができる。そのため、圧縮機200の正常な状態と異常な状態どちらでも、圧縮機200の停止時の振動を抑制することができる。
また、本実施の形態においては、冷蔵庫300は、モータ駆動装置100と圧縮機200を備える。
これにより、冷蔵庫300の庫内が十分に冷えモータ駆動装置100が圧縮機200を小さな振動で停止させることができる。そのため、冷蔵庫300は室内に設置され騒音が気になることが多いが静粛な冷蔵庫300を提供することができる。
また、本実施の形態においては、圧縮機200を冷蔵庫300の筐体上部に備えている。
これにより、圧縮機200による振動発生の力点が筐体上部で支点が筐体と、接置床で離れている状態でも停止時の振動による騒音を抑制することができる。そのため、冷蔵庫300の庫内の最も手が届きにくく使いにくい筐体上部を狭め、使いやすい庫内下部を広げた、使いやすさと静音を両立した冷蔵庫300を提供することができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
以上のように、本発明に係るモータ駆動装置は、ブラシレスDCモータが停止する際の振動を低減することのできるモータ駆動装置として好適に利用可能である。
1 電源
2 整流平滑部
2a 整流部
2b 平滑部
100 モータ駆動装置
102 端子電圧検出部
103 位相推定部
104 速度推定部
105 圧縮機状態把握部
107 速度指令部
108 電流検出部
120 波形生成部
121 出力決定部
122 ドライブ部
123 インバータ
123a~123f スイッチング素子
123g~123l ダイオード
200 圧縮機
201 クランク
202 ピストン
203 シリンダ
210 ブラシレスDCモータ
211 回転子
212 固定子
300 冷蔵庫
301 凝縮器
302 減圧器
303 蒸発器

Claims (9)

  1. ガスを圧縮するためのシリンダとピストンから構成されるレシプロ型の圧縮機を駆動するためのモータ駆動装置であって、
    前記圧縮機が圧縮動作を行うためのブラシレスDCモータと、
    外部から供給される電源から電力を変換し前記ブラシレスDCモータに供給するための波形生成部を備え、
    前記波形生成部は、前記ブラシレスDCモータを停止させる際に、前記圧縮機のピストンが上死点から下死点に正転する間で前記圧縮機の回転が停止するよう前記ブラシレスDCモータへの出力を短絡させることを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記ブラシレスDCモータに流れる電流を検出する電流検出部を備え、
    前記波形生成部は、前記電流検出部の検出した前記ブラシレスDCモータの電流値が電流閾値を超えないよう電流を減少させることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記波形生成部が電流値が電流閾値を超えないよう減少させる電流は、前記ブラシレスDCモータの電流を前記電源に流す電流であることを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記ブラシレスDCモータの端子電圧値を検出する端子電圧検出部と、
    前記端子電圧検出部が検出した前記ブラシレスDCモータの端子電圧値から前記ブラシレスDCモータの回転速度を推定する速度推定部と、を備え、
    前記波形生成部は、前記速度推定部が推定する前記ブラシレスDCモータの回転速度が速度閾値以下になった後に短絡を開始することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記圧縮機のピストンの位置を把握する圧縮機状態把握部を備え、
    前記波形生成部は、前記圧縮機状態把握部が把握した圧縮機のピストンが所定位置になったとき、前記ブラシレスDCモータにブレーキをかけ始める短絡を開始することを特徴とする請求項4に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記圧縮機状態把握部は、前記端子電圧検出部が検出した前記ブラシレスDCモータの端子電圧から前記圧縮機のピストン位置を把握することを特徴とする請求項5に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記圧縮機のピストンが所定位置から停止を開始する際の前記速度推定部の推定する前記ブラシレスDCモータの速度が速度閾値より高い速度の場合、前記波形生成部は、前記ブラシレスDCモータの停止開始前に、速度閾値以下かつ0より大きい値になるように前記ブラシレスDCモータの速度を減速させることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のモータ駆動装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載のモータ駆動装置と前記圧縮機を備えたことを特徴とする冷蔵庫。
  9. 前記圧縮機を筐体上部に備えたことを特徴とする請求項8に記載の冷蔵庫。
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