JP2023020702A - 高吸水性リサイクルポリマー用の2次脱水された高吸水性ポリマーを製造する方法、及び高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法 - Google Patents

高吸水性リサイクルポリマー用の2次脱水された高吸水性ポリマーを製造する方法、及び高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法 Download PDF

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Takayoshi Konishi
一充 鈴木
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真平 長谷川
Shimpei Hasegawa
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Abstract

【課題】排泄物の残存量が少ない高吸水性リサイクルポリマーを簡易に形成することができる、高吸水性リサイクルポリマー用の2次脱水された高吸水性ポリマーを製造する方法を提供すること。【解決手段】高吸水性リサイクルポリマー用の2次脱水された高吸水性ポリマーを製造する方法であって、衛生用品を構成する衛生用品構成資材を、酸を含む酸含有水溶液に浸漬することにより1次脱水された高吸水性ポリマーを形成するとともに、上記衛生用品構成資材から上記1次脱水された高吸水性ポリマーを分離することにより得られた、上記1次脱水された高吸水性ポリマーを準備する準備ステップ、上記1次脱水された高吸水性ポリマーを、多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源に接触させることにより、上記1次脱水された高吸水性ポリマーをさらに脱水し、上記2次脱水された高吸水性ポリマーを形成する2次脱水ステップを含むことを特徴とする方法。【選択図】なし

Description

本開示は、高吸水性リサイクルポリマー用の2次脱水された高吸水性ポリマーを製造する方法、高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法、及びパルプ繊維及び酸基を有する高吸水性ポリマーを含む、使用済の衛生用品から、高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法に関する。
使用済みの衛生用品を構成する資材をリサイクルすることが検討されている。
例えば、特許文献1には、酸により不活化された高吸水性ポリマーを、予め定められた吸水性を有する高吸水性リサイクルポリマーに再生する方法であって、酸基を有し、酸により不活化された高吸水性ポリマーを準備する準備ステップ、前記酸により不活化された高吸水性ポリマーを含む再生用水溶液に、アルカリ金属イオンを供給可能なアルカリ金属イオン供給源を添加し、前記酸により不活化された高吸水性ポリマーから、湿潤状態における前記高吸水性リサイクルポリマーを形成する高吸水性リサイクルポリマー形成ステップ、湿潤状態における前記高吸水性リサイクルポリマーを乾燥し、前記予め定められた吸水性を有する高吸水性リサイクルポリマーを形成する乾燥ステップを含む方法(請求項1)が開示されている。
また、特許文献2には、吸水性樹脂粉末が吸水することにより凝集してなる吸水性樹脂粉末の凝集物に、弱酸のアルカリ金属塩を加えて混合することを特徴とする吸水性樹脂の処理方法(請求項1)、及び前記吸水性樹脂粉末の凝集物は、2価金属塩で脱水処理されているものであること(請求項2)が開示されている。
特開2019-135046号公報 特開2015-4034号公報
特許文献1に記載の方法では、高吸水性ポリマーを酸で不活化する(脱水する)ため、リサイクルパルプ繊維に灰分が残存しにくいものであるが、高吸水性ポリマーの脱水度が低くなりやすく、排泄物が残存しやすい可能性があるとともに、高吸水性リサイクルポリマーを形成する際の乾燥エネルギーが大きくなる傾向にあった。
また、特許文献2に記載の方法では、高吸水性ポリマーの脱水度が高くなるものの、パルプ繊維と、高吸水性ポリマーとの分離が不十分になりやすく、高吸水性ポリマーに、パルプ繊維が残存する傾向にあった。また、リサイクルパルプ繊維を形成する場合には、リサイクルパルプ繊維に灰分が残存しやすい傾向にある。
従って、本開示は、排泄物の残存量が少ない高吸水性リサイクルポリマーを簡易に形成することができる、高吸水性リサイクルポリマー用の2次脱水された高吸水性ポリマーを製造する方法を提供することを目的とする。
本開示者らは、高吸水性リサイクルポリマー用の2次脱水された高吸水性ポリマーを製造する方法であって、パルプ繊維と、酸基を有する高吸水性ポリマーとを含む、衛生用品を構成する衛生用品構成資材を、酸を含む酸含有水溶液に浸漬することにより1次脱水された高吸水性ポリマーを形成するとともに、上記衛生用品構成資材から上記1次脱水された高吸水性ポリマーを分離することにより得られた、上記1次脱水された高吸水性ポリマーを準備する準備ステップ、上記1次脱水された高吸水性ポリマーを、多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源に接触させることにより、上記1次脱水された高吸水性ポリマーをさらに脱水し、上記2次脱水された高吸水性ポリマーを形成する2次脱水ステップを含むことを特徴とする方法を見出した。
本開示の高吸水性リサイクルポリマー用の2次脱水された高吸水性ポリマーを製造する方法は、排泄物の残存量が少ない高吸水性リサイクルポリマーを簡易に形成することができる。
具体的には、本開示は以下の態様に関する。
[態様1]
高吸水性リサイクルポリマー用の2次脱水された高吸水性ポリマーを製造する方法であって、
パルプ繊維と、酸基を有する高吸水性ポリマーとを含む、衛生用品を構成する衛生用品構成資材を、酸を含む酸含有水溶液に浸漬することにより1次脱水された高吸水性ポリマーを形成するとともに、上記衛生用品構成資材から上記1次脱水された高吸水性ポリマーを分離することにより得られた、上記1次脱水された高吸水性ポリマーを準備する準備ステップ、
上記1次脱水された高吸水性ポリマーを、多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源に接触させることにより、上記1次脱水された高吸水性ポリマーをさらに脱水し、上記2次脱水された高吸水性ポリマーを形成する2次脱水ステップ、
を含むことを特徴とする、上記方法。
上記製法では、高吸水性リサイクルポリマーを製造するために、酸により1次脱水された高吸水性ポリマーを準備し、次いで、多価金属イオン供給源を用いて1次脱水された高吸水性ポリマーをさらに脱水して2次脱水された高吸水性ポリマーを形成する。当該2次脱水された高吸水性ポリマーは、酸(同種及び同量の酸)のみを用いて脱水した場合又は多価金属イオン供給源(同種及び同量の多価金属イオン供給源)を用いて脱水した場合と比較して水分率が低く(脱水率が高く)、すなわち、排泄物の残存量が少なく、ひいては高吸水性リサイクルポリマー中の排泄物の残存量を下げることができる。
また、上記製法により形成される2次脱水された高吸水性ポリマーは、アルカリ金属イオン供給源等と接触させることにより、高吸水性リサイクルポリマーを簡易に形成することができる。
なお、本明細書では、「1次脱水された高吸水性ポリマー」及び「2次脱水された高吸水性ポリマー」を、それぞれ、『1次脱水高吸水性ポリマー』及び『2次脱水高吸水性ポリマー』と称する場合がある。
[態様2]
上記2次脱水ステップにおいて、上記1次脱水された高吸水性ポリマーを、50.0~80.0質量%の水分率までさらに脱水し、上記2次脱水された高吸水性ポリマーを形成する、態様1に記載の方法。
上記製法では、1次脱水高吸水性ポリマーを、所定の水分率までさらに脱水することにより2次脱水高吸水性ポリマーを形成することから、2次脱水高吸水性ポリマー、ひいては高吸水性リサイクルポリマー中の排泄物の残存量を少なくすることができる。また、上記製法により形成される2次脱水高吸水性ポリマーは、アルカリ金属イオン供給源等と接触させることにより、高吸水性リサイクルポリマーを簡易に形成することができる。
[態様3]
上記多価金属イオン供給源が、アルカリ土類金属塩若しくは遷移金属の水酸化物、アルカリ土類金属塩若しくは遷移金属の水酸化物と、酸との塩、又はアルカリ土類金属塩若しくは遷移金属の酸化物である、態様1又は2に記載の方法。
上記製法では、多価金属イオン供給源が所定の物から選択されるため、2次脱水高吸水性ポリマー、ひいては高吸水性リサイクルポリマー中の排泄物の残存量を少なくすることができる。また、上記製法により形成される2次脱水高吸水性ポリマーは、アルカリ金属イオン供給源等と接触させることにより、高吸水性リサイクルポリマーを簡易に形成することができる。
[態様4]
上記2次脱水ステップにおいて、上記1次脱水された高吸水性ポリマーを、上記多価金属イオン供給源、又は上記多価金属イオン供給源の水溶液に接触させることにより、上記2次脱水された高吸水性ポリマーを形成する、態様1~3のいずれか一項に記載の方法。
上記製法は、1次脱水高吸水性ポリマーを、多価金属イオン供給源そのもの又はその水溶液と接触させるため、2次脱水高吸水性ポリマー、ひいては高吸水性リサイクルポリマー中の排泄物の残存量を少なくすることができる。また、上記製法により形成される2次脱水高吸水性ポリマーは、アルカリ金属イオン供給源等と接触させることにより、高吸水性リサイクルポリマーを簡易に形成することができる。
[態様5]
上記2次脱水ステップが、上記2次脱水された高吸水性ポリマーを乾燥する乾燥ステップをさらに含む、態様4に記載の方法。
上記製法では、2次脱水ステップが、所定の乾燥ステップをさらに含むので、2次脱水高吸水性ポリマーの水分率をさらにさげることができ、2次脱水高吸水性ポリマー、ひいては高吸水性リサイクルポリマー中の排泄物の残存量をさらに少なくすることができる。また、上記製法により形成される2次脱水高吸水性ポリマーは、アルカリ金属イオン供給源と接触させて、高吸水性リサイクルポリマーを形成する際に、使用するアルカリ金属イオン供給源の量を少なくすることができる。
[態様6]
上記準備ステップにおいて、上記1次脱水された高吸水性ポリマーが、80.0質量%超且つ97.0質量%以下の水分率を有する、態様1~5のいずれか一項に記載の方法。
上記製法では、準備ステップにおいて、1次脱水高吸水性ポリマーが所定の水分率を有することから、2次脱水高吸水性ポリマーの水分率を下げやすくなり(排泄物の残存量を下げやすくなり)、ひいては高吸水性リサイクルポリマー中の排泄物の残存量を少なくすることができる。また、上記製法により形成される2次脱水高吸水性ポリマーは、アルカリ金属イオン供給源等と接触させることにより、高吸水性リサイクルポリマーを簡易に形成することができる。
[態様7]
上記準備ステップの前に、上記衛生用品構成資材を、上記酸含有水溶液に浸漬することにより上記1次脱水された高吸水性ポリマーを形成するともに、上記衛生用品構成資材から上記1次脱水された高吸水性ポリマーを分離する1次脱水ステップをさらに含む、態様1~6のいずれか一項に記載の方法。
上記製法は、所定の1次脱水ステップをさらに含むことから、2次脱水高吸水性ポリマー、ひいては高吸水性リサイクルポリマー中の排泄物の残存量を少なくすることができる。また、上記製法により形成される2次脱水高吸水性ポリマーは、アルカリ金属イオン供給源等と接触させることにより、高吸水性リサイクルポリマーを簡易に形成することができる。
[態様8]
上記2次脱水ステップの後に、上記2次脱水された高吸水性ポリマーと、アルカリ金属イオンを供給可能なアルカリ金属イオン供給源とを再生用水溶液中で混合し、上記2次脱水された高吸水性ポリマーから、上記高吸水性リサイクルポリマーを形成する高吸水性リサイクルポリマー形成ステップをさらに含む、態様1~7のいずれか一項に記載の方法。
上記製法は、所定の高吸水性リサイクルポリマー形成ステップをさらに含み、排泄物の残存量が少ない高吸水性リサイクルポリマーを簡易に形成することができる。
[態様9]
上記アルカリ金属イオン供給源が、(i)上記多価金属イオンとの標準電極電位の差が2.0以下であるアルカリ金属の水酸化物、(ii)上記多価金属イオンとの標準電極電位の差が2.0以下であるアルカリ金属の水酸化物と、上記高吸水性ポリマーの上記酸基よりも酸解離定数の大きな酸との塩、又は(iii)上記多価金属イオンとの標準電極電位の差が2.0以下であるアルカリ金属の酸化物である、態様8に記載の方法。
上記製法では、アルカリ金属供給源が、所定のものから選択されることから、2次脱水高吸水性ポリマーの酸基を架橋している多価金属イオンをアルカリ金属イオンに簡易に置換しやすくなり、ひいては、高吸水性リサイクルポリマーが吸水性に優れる。その結果、吸水性に優れ、排泄物の残存量が少ない高吸水性リサイクルポリマーを簡易に形成することができる。
[態様10]
上記アルカリ金属イオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオン、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、態様9に記載の方法。
上記製法では、アルカリ金属イオンが、所定のものから選択されることから、吸水性に優れ、排泄物の残存量が少ない高吸水性リサイクルポリマーを簡易に形成することができる。
[態様11]
高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法であって、
パルプ繊維と、酸基を有する高吸水性ポリマーとを含む、衛生用品を構成する衛生用品構成資材を、酸を含む酸含有水溶液に浸漬することにより1次脱水された高吸水性ポリマーを形成し、上記衛生用品構成資材から上記1次脱水された高吸水性ポリマーを分離し、上記1次脱水された高吸水性ポリマーを、多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源に接触させることにより上記1次脱水された高吸水性ポリマーをさらに脱水することにより得られた、2次脱水された高吸水性ポリマーを準備する準備ステップ、
上記2次脱水された高吸水性ポリマーと、アルカリ金属イオンを供給可能なアルカリ金属イオン供給源とを再生用水溶液中で混合し、上記2次脱水された高吸水性ポリマーから、上記高吸水性リサイクルポリマーを形成する高吸水性リサイクルポリマー形成ステップ、
を含むことを特徴とする、上記方法。
上記製法は、排泄物の残存量が少ない高吸水性リサイクルポリマーを簡易に形成することができる。
[態様12]
パルプ繊維及び酸基を有する高吸水性ポリマーを含む、使用済の衛生用品から、高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法であって、
上記パルプ繊維と、上記高吸水性ポリマーとを含む、上記衛生用品を構成する衛生用品構成資材を、酸を含む酸含有水溶液に浸漬することにより1次脱水された高吸水性ポリマーを形成するとともに、上記衛生用品構成資材から上記1次脱水された高吸水性ポリマーを分離する1次脱水ステップ、
上記1次脱水された高吸水性ポリマーを、多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源に接触させることにより上記1次脱水された高吸水性ポリマーをさらに脱水し、2次脱水された高吸水性ポリマーを形成する2次脱水ステップ、
上記2次脱水された高吸水性ポリマーと、アルカリ金属イオンを供給可能なアルカリ金属イオン供給源とを再生用水溶液中で混合し、上記2次脱水された高吸水性ポリマーから、上記高吸水性リサイクルポリマーを形成する高吸水性リサイクルポリマー形成ステップ、
を含むことを特徴とする、上記方法。
上記製法は、排泄物の残存量が少ない高吸水性リサイクルポリマーを簡易に形成することができる。
本開示に係る、(i)高吸水性リサイクルポリマー用の2次脱水された高吸水性ポリマーを製造する方法(以下、「2次脱水高吸水性ポリマーの製法」と称する場合がある)、(ii)高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法(以下、「高吸水性リサイクルポリマーの製法」と称する場合がある)、及び(iii)パルプ繊維及び酸基を有する高吸水性ポリマーを含む、使用済の衛生用品から、高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法(以下、「使用済の衛生用品からの高吸水性リサイクルポリマーの製法」と称する場合がある)について、以下、詳細に説明する。
なお、説明のしやすさの観点から、(iii)使用済の衛生用品からの高吸水性リサイクルポリマーの製法、(i)2次脱水高吸水性ポリマーの製法、及び(ii)高吸水性リサイクルポリマーの製法の順に説明する。
また、上記3つの製法をまとめて、「本開示の製法」と称する場合がある。
<<使用済の衛生用品からの高吸水性リサイクルポリマーの製法>>
本開示の使用済の衛生用品からの高吸水性リサイクルポリマーの製法は、以下のステップを含む。
・上記パルプ繊維と、上記高吸水性ポリマーとを含む、上記衛生用品を構成する衛生用品構成資材を、酸を含む酸含有水溶液に浸漬することにより1次脱水された高吸水性ポリマーを形成するとともに、上記衛生用品構成資材から上記1次脱水された高吸水性ポリマーを分離する1次脱水ステップ(以下、「1次脱水ステップ」と称する場合がある)
・上記1次脱水された高吸水性ポリマーを、多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源に接触させることにより上記1次脱水された高吸水性ポリマーをさらに脱水し、上記2次脱水された高吸水性ポリマーを形成する2次脱水ステップ(以下、「2次脱水ステップ」と称する場合がある)
・上記2次脱水された高吸水性ポリマーと、アルカリ金属イオンを供給可能なアルカリ金属イオン供給源とを再生用水溶液中で混合し、上記2次脱水された高吸水性ポリマーから、上記高吸水性リサイクルポリマーを形成する高吸水性リサイクルポリマー形成ステップ(以下、「高吸水性リサイクルポリマー形成ステップ」と称する場合がある)
[1次脱水ステップ]
1次脱水ステップでは、パルプ繊維と、酸基を有する高吸水性ポリマーとを含む衛生用品構成資材を、酸を含む酸含有水溶液に浸漬することにより1次脱水高吸水性ポリマーを形成するとともに、上記衛生用品構成資材から上記1次脱水高吸水性ポリマーを分離する。
1次脱水ステップでは、酸基を有する高吸水性ポリマーの酸基が、体液中の成分(例えば、ナトリウムイオン)との塩(例えば、ナトリウム塩)の状態から、遊離酸の状態に変化するため、高吸水性ポリマーの吸水性が低下する。水を吸収した高吸水性ポリマーを酸含有水溶液中に入れると、マイナスに帯電した親水性基(例えば、-COO-)がプラスに帯電した水素イオン(H+)によって中和される(例えば、-COOH)ため、親水性基のイオン反発力が弱まり、吸水力が低下し、高吸水性ポリマーが脱水される。
上記酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、無機酸及び有機酸が挙げられる。酸を用いて高吸水性ポリマーを脱水(不活化)すると、多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源、例えば、石灰、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等を用いて高吸水性ポリマーを脱水(不活化)する場合と比較して、パルプ繊維に灰分を残存させにくい。
上記無機酸としては、例えば、硫酸、塩酸及び硝酸が挙げられ、上記無機酸としては、塩素を含まないこと、コスト等の観点から硫酸が好ましい。上記有機酸としては、酸基、例えば、カルボキシル基、スルホ基等を有するものが挙げられる。なお、スルホ基を有する有機酸は、スルホン酸と称され、そしてカルボキシル基を有し且つスルホ基を有しない有機酸は、カルボン酸と称される。上記有機酸としては、設備を保護する観点から、カルボキシル基を有する有機酸、特に、カルボン酸であることが好ましい。
上記有機酸がカルボキシル基を有する場合には、上記有機酸は、1分子当たり、1又は複数のカルボキシル基を有することができ、そして複数のカルボキシル基を有することが好ましい。そうすることにより、有機酸が、排泄物等に含まれる2価以上の金属、例えば、カルシウムとキレート錯体を形成しやすくなり、使用済の衛生用品からリサイクルパルプ繊維を形成する場合には、形成されるリサイクルパルプ繊維の灰分を下げやすくなる。
上記有機酸としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸(以上、複数のカルボキシル基を有するカルボン酸)、グルコン酸(C6)、ペンタン酸(C5)、ブタン酸(C4)、プロピオン酸(C3)、グリコール酸(C2)、酢酸(C2)、例えば、氷酢酸、蟻酸(C1)(以上、1つのカルボキシル基を有するカルボン酸)、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸(以上、スルホン酸)等が挙げられる。
上記酸含有水溶液は、所定のpHを有することが好ましく、上記所定のpHは、好ましくは4.5以下、より好ましくは4.0以下、さらに好ましくは3.5以下、そしてさらにいっそう好ましくは3.0以下である。上記所定のpHが高すぎると、高吸水性ポリマーの1次脱水が十分に行われず、1次脱水高吸水性ポリマーを、パルプ繊維と分離しにくくなる傾向がある。
また、上記所定のpHは、好ましくは0.5以上、そしてより好ましくは1.0以上である。上記所定のpHが低すぎると、使用済の衛生用品からリサイクルパルプ繊維を形成する場合に、リサイクルパルプ繊維が損傷するおそれがある。
なお、本明細書において、pHは、25℃における値を意味する。また、pHは、例えば、株式会社堀場製作所製のtwin pHメーター AS-711を用いて測定することができる。
本開示の製法では、酸含有水溶液は、上記所定のpHを、1次脱水ステップの開始時点、例えば、衛生用品構成資材を、酸含有水溶液に浸漬する際において少なくとも満たすことが好ましい。高吸水性ポリマーを1次脱水させるためであり、高吸水性ポリマーの1次脱水が不十分な場合には、高吸水性ポリマーが保持する体液等の液体の排出が不十分になる傾向があり、そして1次脱水高吸水性ポリマーを、パルプ繊維等と分離しにくくなる傾向がある。
本開示の製法では、上記所定のpHを、1次脱水ステップの終了時点で満たすことが好ましい。高吸水性ポリマーが1次脱水した状態を保持する観点からである。
上記高吸水性ポリマーは、当技術分野で、酸基を有する高吸水性ポリマーとして用いられているものであれば、特に制限されず、例えば、カルボキシル基、スルホ基等を含むものが挙げられ、カルボキシル基を含むものが好ましい。
カルボキシル基を含む高吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸塩系、ポリ無水マレイン酸塩系のものが挙げられ、スルホ基等を含む高吸水性ポリマーとしては、ポリスルホン酸塩系のものが挙げられる。
上記パルプ繊維は、衛生用品に含まれうるものであれば、特に制限されない。
なお、高吸水性ポリマーを1次脱水するための酸は、高吸水性ポリマーを効率的に1次脱水するため、高吸水性ポリマー中の酸基の酸解離定数(pKa,水中)よりも小さい酸解離定数(pKa,水中)を有することが好ましい。
上記酸が複数の酸基を有する場合、例えば、上記酸が二塩基酸又は三塩基酸である場合には、上記酸の酸解離定数(pKa,水中)のうち最も大きな酸解離定数(pKa,水中)が、高吸水性ポリマーの酸基の酸解離定数(pKa,水中)よりも小さいことが好ましく、そして高吸水性ポリマーが複数種の酸基を有する場合には、上記酸の酸解離定数(pKa,水中)のうち最も大きな酸解離定数(pKa,水中)が、高吸水性ポリマーの複数種の酸基のうち最も小さな酸解離定数(pKa,水中)よりも小さいことが好ましい。高吸水性ポリマーの1次脱水の効率の観点からである。
本明細書では、酸解離定数(pKa,水中)は、電気化学会編集の電気化学便覧に記載の値を採用することができる。
電気化学便覧によると、主要な化合物の酸解離定数(pKa,水中,25℃)は、以下の通りである。
[有機酸]
・酒石酸:2.99(pKa1),4.44(pKa2
・リンゴ酸:3.24(pKa1),4.71(pKa2
・クエン酸:2.87(pKa1),4.35(pKa2),5.69(pKa3
[無機酸]
・硫酸:1.99(pKa2
電気化学便覧に記載されていない酸の酸解離定数(pKa,水中)は、測定により求めることができる。酸の酸解離定数(pKa,水中)を測定することができる機器としては、例えば、Sirius社製の化合物物性評価分析システム,T3が挙げられる。
本開示の製法では、衛生用品構成資材を、酸含有水溶液に浸漬することができれば、具体的な手法は特に限定されず、例えば、酸含有水溶液を含む槽に、衛生用品構成資材を投入してもよく、そして衛生用品構成資材が配置されている槽に、酸含有水溶液を投入してもよい。
上記衛生用品は、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含むものであれば、特に制限されず、例えば、使い捨ておむつ、使い捨てショーツ、生理用ナプキン、パンティーライナー、尿取りパッド、ベッド用シート、ペット用シート等が挙げられる。
上記衛生用品としては、例えば、液透過性シートと、液不透過性シートと、それらの間の吸収体(吸収コア及びコアラップ)とを含むものが例示される。
本開示の製法では、1次脱水ステップにおける衛生用品構成資材は、パルプ繊維と、高吸水性ポリマーとの混合物、例えば、使用済の衛生用品から取り出した吸収コアであることができる。また、衛生用品構成資材は、衛生用品そのものであってもよい。
酸含有水溶液に浸漬すべき衛生用品構成資材が、パルプ繊維及び高吸水性ポリマー(以下、「特定資材」と称する場合がある)に加え、追加の資材(以下、「非特定資材」と称する場合がある)、例えば、液透過性シート、液不透過性シート等を含む場合、例えば、衛生用品構成資材として、衛生用品そのものを、酸含有水溶液に浸漬してもよい。
1次脱水ステップでは、例えば、酸含有水溶液を含む1次脱水槽中で、衛生用品構成資材を、温度にもよるが、約5~60分攪拌することにより、高吸水性ポリマーを1次脱水し、1次脱水高吸水性ポリマーを形成することができる。
1次脱水ステップにおける酸含有水溶液は、加温しなくても、そして加温してもよい。
1次脱水ステップにおける酸含有水溶液の温度は、加温しない場合には、例えば、室温(25℃)~40℃、60℃未満等であることができる。
1次脱水ステップにおける酸含有水溶液の温度は、加温する場合には、好ましくは室温よりも高温、より好ましくは60~100℃、さらに好ましくは70~95℃、そしてさらにいっそう好ましくは80~90℃である。そうすることにより、酸含有水溶液に含まれる酸により、酸含有水溶液に含まれる、排泄物等に由来する菌を殺菌しやすくなる。
1次脱水ステップでは、1次脱水高吸水性ポリマーが、好ましくは80.0質量%超且つ97.0質量%以下、より好ましくは85.0~96.0質量%、そしてさらに好ましくは87.0~95.0質量%の水分率を有するように1次脱水することが好ましい。それにより、2次脱水高吸水ポリマーの水分率を下げやすくなる。
本明細書では、水分率は、ケット社の赤外線水分計FD-720を用いて測定される。具体的には、FD-720の試料皿に約5gの試料を置き、設定温度を150℃とし、自動停止モードを選択して、水分率を測定する。
<2次脱水ステップ>
2次脱水ステップでは、1次脱水高吸水性ポリマーを、多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源に接触させることにより1次脱水高吸水性ポリマーをさらに脱水し、2次脱水高吸水性ポリマーを形成する。
2次脱水ステップでは、酸基を有する高吸水性ポリマーの酸基(例えば、-COOH)が、多価金属イオン(例えば、カルシウムイオン)により架橋され、1次脱水高吸水性ポリマーがさらに脱水され、2次脱水高吸水性ポリマーが形成される。
上記多価金属イオンとしては、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン等が挙げられる。
上記アルカリ土類金属イオンとしては、ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン及びバリウムイオンが挙げられる。上記遷移金属イオンとしては、例えば、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン等が挙げられる。
上記多価金属イオンがアルカリ土類金属イオンである場合に、上記多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源としては、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム)、アルカリ土類金属の水酸化物及び酸の塩(例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム)、アルカリ土類金属の酸化物(例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム)等が挙げられ、塩化カルシウムが好ましい。上記酸としては、「1次脱水ステップ」の箇所で説明した、酸含有水溶液用の酸が挙げられる。
上記多価金属イオンが遷移金属イオンである場合に、上記多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源としては、遷移金属の水酸化物(例えば、水酸化鉄、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、水酸化銅)、遷移金属の水酸化物及び酸の塩、遷移金属の酸化物(例えば、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅)等が挙げられる。上記酸としては、「1次脱水ステップ」の箇所で説明した、酸含有水溶液用の酸が挙げられる。
上記遷移金属の水酸化物及び酸の塩の具体例として、無機酸塩又は有機酸塩が挙げられる。上記無機酸塩としては、例えば、塩化鉄、硫酸鉄、燐酸鉄、硝酸鉄等の鉄塩、塩化コバルト、硫酸コバルト、燐酸コバルト、硝酸コバルト等のコバルト塩、塩化ニッケル、硫酸ニッケル等のニッケル塩、塩化銅、硫酸銅等の銅塩等が挙げられる。上記有機酸塩類としては、例えば、乳酸鉄、酢酸コバルト、ステアリン酸コバルト、酢酸ニッケル、酢酸銅等が挙げられる。
2次脱水ステップでは、例えば、1次脱水高吸水性ポリマーを、多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源そのものと直接接触させ、2次脱水高吸水性ポリマーを形成することができる。また、2次脱水ステップでは、多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源を含む多価金属イオン供給源含有水溶液を含む2次脱水槽中で、1次脱水高吸水性ポリマーを、温度にもよるが、約5~60分攪拌することにより、1次脱水高吸水性ポリマーを2次脱水し、2次脱水高吸水性ポリマーを形成することができる。
2次脱水ステップにおける多価金属イオン供給源含有水溶液は、加温しなくても、そして加温してもよい。
2次脱水ステップにおける多価金属イオン供給源含有水溶液の温度は、加温しない場合には、特に制限がなく、例えば、室温(25℃)~40℃、60℃未満等であることができる。
2次脱水ステップにおける多価金属イオン供給源含有水溶液の温度は、加温する場合には、好ましくは室温よりも高温、より好ましくは60~100℃、さらに好ましくは70~95℃、そしてさらにいっそう好ましくは80~90℃である。多価金属イオン供給源の水への溶解性が低い場合には、加温とすることにより、多価金属イオン供給源から効率よく多価金属イオンを供給し、2次脱水高吸水性ポリマーの形成を促進することができる。
2次脱水ステップでは、2次脱水高吸水性ポリマーが、好ましくは50~80質量%、より好ましくは50~75質量%、そしてさらに好ましくは50~67質量%の水分率を有するように、1次脱水高吸水性ポリマーを2次脱水する。それにより、2次脱水高吸水性ポリマー中の排泄物の残存量を少なくすることができるとともに、2次脱水高吸水性ポリマーから、高吸水性リサイクルポリマーを形成しやすくなる。なお、2次脱水高吸水性ポリマーの水分率を下げすぎると、次の高吸水性リサイクルポリマー形成ステップにおいて、2次脱水高吸水性ポリマーが、アルカリ金属イオン供給源と反応しにくくなり、高吸水性リサイクルポリマーを形成しにくくなる傾向がある。
2次脱水ステップにおいて、1次脱水高吸水性ポリマーを、多価金属イオン供給源を含む多価金属イオン供給源含有水溶液と接触させる場合、例えば、1次脱水高吸水性ポリマーを、多価金属イオン供給源含有水溶液に投入する場合には、多価金属イオン供給源含有水溶液における多価金属イオン供給源の濃度は、好ましくは1.0~30.0質量%、より好ましくは3.0~25.0質量%、そして好ましくは5.0~20.0質量%である。それにより、2次脱水高吸水性ポリマーが所望の水分率を有しやすくなる。
<追加の乾燥ステップ>
本開示の製法では、2次脱水ステップにおいて、2次脱水高吸水性ポリマーを形成した後、2次脱水高吸水性ポリマーを乾燥し、乾燥された2次脱水高吸水性ポリマーを形成する乾燥ステップをさらに含むことができる。
上記乾燥ステップでは、乾燥された2次脱水高吸水性ポリマーが、好ましくは10~30質量%、そしてより好ましくは15~25質量%の水分率を有するように、2次脱水高吸水性ポリマーを乾燥することが好ましい。それにより、高吸水性リサイクルポリマーを形成する際に使用するアルカリ金属イオン供給源の量を少なくすることができるとともに、形成される高吸水性リサイクルポリマーの吸水性を保持することができる。
上記乾燥ステップでは、2次脱水高吸水性ポリマーを、好ましくは室温(例えば、25℃)~120℃、より好ましくは30~80℃、そして好ましくは40~60℃の乾燥温度で乾燥する。乾燥温度が低くなると、乾燥時間が長くなる傾向があり、そして乾燥温度が高くなると、乾燥後の高吸水性リサイクルポリマーの酸基が脱水縮合を生じる等により、乾燥後の高吸水性リサイクルポリマーの吸水性が低下する場合がある。
また、上記乾燥ステップは、例えば、30~300分間実施することができる。
<高吸水性リサイクルポリマー形成ステップ>
高吸水性リサイクルポリマー形成ステップでは、2次脱水高吸水性ポリマーと、アルカリ金属イオンを供給可能なアルカリ金属イオン供給源とを再生用水溶液中で混合し、2次脱水高吸水性ポリマーから、高吸水性リサイクルポリマーを形成する。
なお、本明細書では、2次脱水高吸水性ポリマーをリサイクルすることにより得られた高吸水性ポリマーを、「高吸水性リサイクルポリマー」と称する場合がある。
上記アルカリ金属イオン供給源としては、アルカリ金属イオンを供給することができるものであれば特に制限されず、例えば、アルカリ金属の水酸化物、又はアルカリ金属の水酸化物と、酸との塩(以下、単に「塩」と称する場合がある)、アルカリ金属の酸化物等が挙げられる。
上記アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオン、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記塩としては、酸性塩、塩基性塩等であることができる。
上記塩におけるアルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記塩における酸としては、特に制限されず、例えば、「1次脱水ステップ」の箇所で説明した、酸含有水溶液用の酸(例えば、塩酸、硫酸)、炭酸等が挙げられる。
上記アルカリ金属の酸化物としては、酸化リチウム、酸化ナトリウム及び酸化カリウム、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記アルカリ金属イオン供給源と、上記多価金属イオン供給源とは、アルカリ金属イオン供給源を構成するアルカリ金属イオンと、多価金属イオン供給源を構成する多価金属イオンとの間の標準電極電位の差が、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.6以下、さらに好ましくは1.0以下であり、そしてさらにいっそう好ましくは0.5以下の関係を有する。それにより、2次脱水高吸水性ポリマーの酸基を架橋している多価金属イオンをアルカリ金属イオンに簡易に置換しやすくなり、ひいては、高吸水性リサイクルポリマーが、吸水性に優れる。
上記酸は、高吸水性ポリマー中の酸基の酸解離定数(pKa,水中)よりも大きい酸解離定数(pKa,水中)を有する酸であることが好ましい。そうすることにより、高吸水性ポリマーの酸基が、アルカリ金属塩を形成しやすくなる。
上記酸が複数の酸基を有する場合、例えば、上記酸が二塩基酸又は三塩基酸である場合には、上記酸の酸解離定数(pKa,水中)のうち最も小さな酸解離定数(pKa,水中)が、高吸水性ポリマーの酸基の酸解離定数(pKa,水中)よりも大きいことが好ましく、そして高吸水性ポリマーが複数種の酸基を有する場合には、上記酸の酸解離定数(pKa,水中)のうち最も小さな酸解離定数(pKa,水中)が、高吸水性ポリマーの複数種の酸基のうち最も大きな酸解離定数(pKa,水中)よりも大きいことが好ましい。高吸水性ポリマーの酸基を、アルカリ金属塩としやすくする観点からである。
上記酸としての炭酸は、炭酸が、再生用水溶液中に残存しにくいか、又は加熱等により容易に除去できるため好ましい。
また、炭酸以外の上記酸は、高吸水性リサイクルポリマーのpHにもよるが、例えば、高吸水性リサイクルポリマーが酸性pHにある場合には、高吸水性リサイクルポリマーに抗菌性を付与することができる。
上記塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。
高吸水性リサイクルポリマー形成ステップでは、再生用水溶液が、酸性(pH<7.0)、中性(pH=7.0)又はアルカリ性(7.0<pH)であることができ、中性又はアルカリ性であることが好ましく、アルカリ性であることが好ましい。本開示の効果の観点からである。
再生用水溶液を酸性、中性又はアルカリ性とするために、再生用水溶液が、酸性物質、アルカリ性物質又は緩衝物質(緩衝溶液)を含んでいてもよく、そして上記アルカリ金属イオン供給源が、酸性物質、アルカリ性物質又は緩衝物質(緩衝溶液)を含んでいてもよい。
上記酸性物質、アルカリ性物質又は緩衝物質(緩衝溶液)は、アルカリ金属イオン供給源が再生用水溶液のpHを変化させにくい場合(例えば、アルカリ金属イオン供給源が、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等である場合)、再生用水溶液のpHを変化させたくない場合等に好ましい。
上記酸性物質としては、脱イオン水のpHを酸性(pH<7.0)にできるものであれば特に制限されず、当技術分野で公知のものを採用することができ、例えば、「1次脱水ステップ」の箇所で説明した、酸含有水溶液用の酸、炭酸等が挙げられる。
上記アルカリ性物質としては、脱イオン水のpHをアルカリ性(7.0<pH)にできるものであれば特に制限されず、当技術分野で公知のものを採用することができ、例えば、アルカリ金属の水酸化物又はその塩、アルカリ土類金属の水酸化物又はその塩等が挙げられ、高吸水性ポリマーを不活化させにくくする観点から、アルカリ金属の水酸化物又はその塩であることが好ましい。アルカリ金属の水酸化物又はその塩については、上述の通りである。
上記緩衝物質(緩衝溶液)としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び水を含む炭酸-重炭酸緩衝溶液が挙げられる。
上記再生用水溶液は、水を含むものであれば特に制限されず、概ね中性の水溶液(例えば、水道水、脱イオン水等)であることができ、酸性水溶液(pH<7.0の水溶液)、例えば、1次脱水ステップに用いられた酸含有水溶液、「1次脱水ステップ」の箇所で説明した、酸含有水溶液用の酸、例えば、無機酸又は有機酸を含む水溶液、又はアルカリ性水溶液(7.0<pHの水溶液)、例えば、上述のアルカリ金属イオン供給源を含む水溶液であることができる。
再生用水溶液のpHを調整することにより、高吸水性リサイクルポリマーの吸水性を、予め定められた範囲に調整することができる。
上記pHとしては、高吸水性リサイクルポリマーが予め定められた吸水性(吸収倍率)を達成できるものであれば特に制限されないが、酸性pHの領域(pH<7.0)、中性pH(pH=7.0)、及びアルカリ性pHの領域(7.0<pH)のいずれでもよく、そして上記pHは、好ましくは5.0~14.0である。
上記pHを酸性pHの領域内で調整する場合には、上記再生用水溶液は、酸性水溶液であることが好ましく、そして酸性水溶液である再生用水溶液に、アルカリ金属イオン供給源をそのまま又は水溶液として添加することにより、高吸水性リサイクルポリマーを形成することが好ましい。
上記pHを中性pH又はアルカリ性pHの領域内で調整する場合には、上記再生用水溶液は、酸性水溶液、概ね中性の水溶液、又はアルカリ性水溶液であることができ、そして概ね中性の水溶液、又はアルカリ性水溶液であることが好ましい。アルカリ金属イオン供給源を、高吸水性リサイクルポリマーの形成に効率よく用いる観点からである。
また、概ね中性の水溶液又はアルカリ性水溶液である再生用水溶液に、アルカリ金属イオン供給源をそのまま又は水溶液として添加することにより、高吸水性リサイクルポリマーを形成することが好ましい。
アルカリ金属イオン供給源は、上述の通り、再生用水溶液中に存在していてもよく、そして再生用水溶液に、アルカリ金属イオン供給源を、そのまま又は水溶液として添加することができる。
アルカリ金属イオン供給源として、アルカリ金属の水酸化物を再生用水溶液に添加する場合には、アルカリ金属の水酸化物は水溶液であることが好ましく、そして当該水溶液は、水酸化物イオンの濃度が、好ましくは0.1~5.0mol/L、より好ましくは0.3~3.0mol/L、そして好ましくは0.4~1.0mol/Lとなるような濃度で、再生用水溶液に添加される。再生用水溶液のpH、ひいては高吸水性リサイクルポリマーの吸水性の調整しやすさの観点からである。
高吸水性リサイクルポリマー形成ステップは、所定の温度、例えば、2~80℃にて、所定の時間、例えば、5~60分、再生用水溶液を撹拌等することにより実施することができる。
<追加の乾燥ステップ>
本開示の製法では、高吸水性リサイクルポリマー形成ステップの後、乾燥ステップをさらに含むことができる。
上記乾燥ステップでは、高吸水性リサイクルポリマー形成ステップにおいて形成された高吸水性リサイクルポリマー(以下、区別のため、「乾燥前の高吸水性リサイクルポリマー」と称する場合がある)を乾燥し、予め定められた吸水性を有する高吸水性リサイクルポリマー(以下、区別のため、「乾燥後の高吸水性リサイクルポリマー」と称する場合がある)を形成する。
上記予め定められた吸水性は、特に制限されるものではないが、乾燥後の高吸水性リサイクルポリマーの実用性を考慮すると、吸水倍率として、脱イオン水に対して、好ましくは100倍(g/g)以上、より好ましくは200倍(g/g)以上、そしてさらに好ましくは300倍(g/g)以上の任意の値を有する。
上記予め定められた吸水性は、特に制限されるものではないが、乾燥後の高吸水性リサイクルポリマーの膨潤時のゲル強度を考慮すると、吸水倍率として、脱イオン水に対して、好ましくは500倍(g/g)以下、より好ましくは450倍(g/g)以下、そしてさらに好ましくは400倍(g/g)以下の任意の値を有する。
本明細書では、吸水倍率は、以下の通り測定される。
(1)試料(高吸水性リサイクルポリマー)を、メッシュに入れて5分間吊るし、それらの表面に付着した水分を除去し、その乾燥前質量:m1(g)を測定する。
(2)乾燥前質量を測定した試料を、120℃で120分間乾燥し、その乾燥後質量:m2(g)を測定する。
(3)吸水倍率(g/g)を、次の式:
吸水倍率(g/g)=m1/m2
により算出する。
乾燥ステップでは、高吸水性リサイクルポリマー形成ステップにて得られた、乾燥前の高吸水性リサイクルポリマーを含む再生用水溶液を直接乾燥し、乾燥後の高吸水性リサイクルポリマーを得ることができる。
また、高吸水性リサイクルポリマーを含む再生用水溶液から、固液分離可能な装置を用いて、乾燥前の高吸水性リサイクルポリマーを再生用水溶液から分離した後、乾燥後の高吸水性リサイクルポリマーを得ることができる。
分離された乾燥前の高吸水性リサイクルポリマーは、乾燥前に、水道水、脱イオン水等を用いて洗浄し、乾燥前の高吸水性リサイクルポリマーの表面に付着している再生用水溶液を除去してもよい。
また、分離された乾燥前の高吸水性リサイクルポリマーは、乾燥前に、親水性有機溶媒と接触(例えば、親水性有機溶媒に浸漬)させることにより、分離された高吸水性リサイクルポリマーに含まれる水分を、好ましくは100倍(g/g)以下、より好ましくは70倍(g/g)以下、そしてさらに好ましくは50倍(g/g)以下の吸水倍率まで脱水することができる。そうすることにより、乾燥の温度を低下させ、そして/又は乾燥の時間を低減させることができる。
上記親水性有機溶媒としては、水と混和性を有するものであることが好ましく、例えば、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール及びその異性体、ブチルアルコール及びその異性体)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル)等が挙げられる。
乾燥ステップでは、高吸水性リサイクルポリマーを、好ましくは室温(例えば、25℃)~120℃、より好ましくは30~80℃、そして好ましくは40~60℃の乾燥温度で乾燥する。乾燥温度が低くなると、乾燥時間が長くなる傾向があり、そして乾燥温度が高くなると、乾燥後の高吸水性リサイクルポリマーの酸基が脱水縮合を生じる等により、乾燥後の高吸水性リサイクルポリマーの吸水性が低下する場合がある。
分離された乾燥前の高吸水性リサイクルポリマーを、乾燥前に、親水性有機溶媒と接触させる場合には、上記乾燥温度を低く、例えば、室温~60℃とすることができる。
乾燥ステップは、減圧下、例えば、0.1kPa以上且つ100kPa未満で実施してもよい。
乾燥ステップは、例えば、30~300分間実施することができる。
乾燥ステップは、高吸水性リサイクルポリマーの乾燥減量が、好ましくは15%以下(2.0g,105℃,3時間)となるように実施することが好ましい。乾燥後の高吸水性リサイクルポリマーの利用の観点からである。
上記乾燥減量は、厚生労働省が2015年3月25日付で、薬食審査発0325第24号として通知された「生理処理用品材料規格について」に別紙として添付される「生理処理用品材料規格」の<2.一般試験法>の「7.乾燥減量試験法」に従って測定される。
乾燥ステップの後、乾燥後の高吸水性リサイクルポリマーが固着、一体化等している場合には、乾燥後の高吸水性リサイクルポリマーの粉砕、分級等を実施してもよい。
<<2次脱水高吸水性ポリマーの製法>>
本開示の2次脱水高吸水性ポリマーの製法は、以下のステップを含む。
・パルプ繊維と、酸基を有する高吸水性ポリマーとを含む、衛生用品を構成する衛生用品構成資材を、酸を含む酸含有水溶液に浸漬することにより1次脱水された高吸水性ポリマーを形成するとともに、上記衛生用品構成資材から上記1次脱水された高吸水性ポリマーを分離することにより得られた、上記1次脱水された高吸水性ポリマーを準備する準備ステップ(以下、「準備ステップ」と称する場合がある)
・上記1次脱水された高吸水性ポリマーを、多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源に接触させることにより、上記1次脱水された高吸水性ポリマーをさらに脱水し、上記2次脱水された高吸水性ポリマーを形成する2次脱水ステップ(以下、「2次脱水ステップ」と称する場合がある)
<準備ステップ>
準備ステップにおける1次脱水高吸水性ポリマーは、例えば、「使用済の衛生用品からの高吸水性リサイクルポリマーの製法」における「1次脱水ステップ」を実施することにより準備することができる。
<2次脱水ステップ>
2次脱水ステップは、「使用済の衛生用品からの高吸水性リサイクルポリマーの製法」における「2次脱水ステップ」と同様であることから説明を省略する。
<<高吸水性リサイクルポリマーの製法>>
本開示の高吸水性リサイクルポリマーの製法は、以下のステップを含む。
・パルプ繊維と、酸基を有する高吸水性ポリマーとを含む、衛生用品を構成する衛生用品構成資材を、酸を含む酸含有水溶液に浸漬することにより1次脱水された高吸水性ポリマーを形成し、上記衛生用品構成資材から上記1次脱水された高吸水性ポリマーを分離し、上記1次脱水された高吸水性ポリマーを、多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源に接触させることにより上記1次脱水された高吸水性ポリマーをさらに脱水することにより得られた、上記2次脱水された高吸水性ポリマーを準備する準備ステップ(以下、「準備ステップ」と称する場合がある)
・上記2次脱水された高吸水性ポリマーと、アルカリ金属イオンを供給可能なアルカリ金属イオン供給源とを再生用水溶液中で混合し、上記2次脱水された高吸水性ポリマーから、上記高吸水性リサイクルポリマーを形成する高吸水性リサイクルポリマー形成ステップ(以下、「高吸水性リサイクルポリマー形成ステップ」と称する場合がある)
<準備ステップ>
準備ステップにおける2次脱水高吸水性ポリマーは、例えば、「使用済の衛生用品からの高吸水性リサイクルポリマーの製法」における「1次脱水ステップ」及び「2次脱水ステップ」を実施することにより準備することができる。
<高吸水性リサイクルポリマー形成ステップ>
高吸水性リサイクルポリマー形成ステップは、「使用済の衛生用品からの高吸水性リサイクルポリマーの製法」における「高吸水性リサイクルポリマー形成ステップ」と同様であることから説明を省略する。
高吸水性リサイクルポリマーは、高吸水性ポリマーが用いられる用途に特に制限なく用いられることができ、上記用途としては、例えば、衛生用品(例えば、使い捨ておむつ、失禁パッド(例えば、軽失禁パッド)、使い捨てショーツ、生理用ナプキン、パンティーライナー、ベッドシート)、ペットシート、猫砂、土壌改良剤等が挙げられる。
[実施例1]
ポリアクリル酸系の高吸水性ポリマー(住友精化社製、アクアキープ、未使用品,以下、「SAP」と称する)100gに、生理食塩水を吸水させ、次いで、200メッシュのフィルターでろ過して、水分率97.5質量%の模擬使用済みSAP No.1を準備した。
模擬使用済みSAP No.1を、酸含有水溶液としてのクエン酸1.0質量%の水溶液4,000mL中で5分間攪拌し、20分静置し、次いで、200メッシュのフィルターでろ過し、1次脱水SAP No.1を形成した。1次脱水SAP No.1の水分率は、95.0質量%であった。
1次脱水SAP No.1を、多価金属イオン供給源としての水酸化カルシウム10.0質量%の分散溶液4,000mL中で5分間攪拌し、1時間静置し、200メッシュのフィルターでろ過し、次いで、遠心脱水機を用いて150Gで5分間脱水することにより、2次脱水SAP No.1を形成した。なお、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)10.0質量%の分散溶液には、固形の水酸化カルシウムも含まれていたが、200メッシュのフィルターでろ過し、次いで、遠心脱水機を用いて脱水することにより、固形の水酸化カルシウムが除去されたことを確認した。2次脱水SAP No.1の水分率は、69.0質量%であった。
2次脱水SAP No.1を、120℃で120分間乾燥することにより、乾燥後の2次脱水SAP No.1を得た。
乾燥後の2次脱水SAPの乾燥性を、以下の基準で判断した。結果を表1に示す。
[乾燥性]
○:乾燥後の2次脱水SAPの乾燥が十分であり、粉末状であるか、又は簡易に粉末状にすることができる。
×:乾燥後の2次脱水SAPの乾燥が不十分であり、塊状である。
[実施例2~4]
酸含有水溶液及び多価金属イオン供給源を表1に示されるとおりに変更して、1次脱水SAP No.2~No.4、及び2次脱水SAP No.2~No.4を形成するとともに、それらの水分率を測定した。また、乾燥後の2次脱水SAP No.2~No.4を形成するとともに、それらの乾燥性を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
模擬使用済みSAP No.1を、酸含有水溶液としての硫酸1.0質量%の水溶液4,000mL中で5分間攪拌し、20分静置し、次いで、200メッシュのフィルターでろ過し、1次脱水SAP No.5を形成した。1次脱水SAP No.5の水分率は、90.0質量%であった。
1次脱水SAP No.5を、120℃で120分間乾燥することにより、乾燥後の1次脱水SAP No.5を得るとともに、その乾燥性を評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
模擬使用済みSAP No.1を、多価金属イオン供給源としての水酸化カルシウム10.0質量%の分散溶液4,000mL中で5分間攪拌し、1時間静置し、200メッシュのフィルターを通し、次いで、遠心脱水機を用いて150Gで5分間脱水することにより、1次脱水SAP No.6を形成した。1次脱水SAP No.6の水分率は、73.0質量%であった。
1次脱水SAP No.6を、120℃で120分間乾燥することにより、乾燥後の1次脱水SAP No.6を得るとともに、その乾燥性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2023020702000001
2次脱水SAP No.1~No.4を、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、高吸水性リサイクルポリマーを形成したところ、1次脱水SAP No.5及びNo.6と比較して、(i)低濃度の水酸化ナトリウム水溶液、及び(ii)少量の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、高吸水性リサイクルポリマーを形成することができた。
また、乾燥後の2次脱水SAP No.1~No.4を、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、高吸水性リサイクルポリマーを形成したところ、2次脱水SAP No.1~No.4と比較して、(i)低濃度の水酸化ナトリウム水溶液、及び(ii)少量の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、高吸水性リサイクルポリマーを形成することができた。
[実施例5]
ポリアクリル酸系の高吸水性ポリマー(住友精化社製、アクアキープ、未使用品,以下、「SAP」と称する)100gと、パルプ繊維(針葉樹パルプ繊維)100gとの混合物に、生理食塩水を4,000mL吸水させたところ、膨潤したSAPと、パルプ繊維とが一体化した。生理食塩水を吸水させた混合物を、200メッシュのフィルターでろ過して、混合物から残存する生理食塩水を除去した。
生理食塩水を除去した混合物を、酸含有水溶液としてのクエン酸1.0質量%の水溶液4,000mL中で5分間攪拌し、20分静置し、次いで、パルプ繊維と、1次脱水SAPとを分離した。パルプ繊維に残存する1次脱水SAPを、特許文献1の酸化剤処理工程P19に従ってオゾン含有ガスで分解し、リサイクルパルプ繊維No.1を得た。リサイクルパルプ繊維No.1の灰分は、0.12質量%であった。
[実施例6]
「クエン酸1.0質量%の水溶液4,000mL」を、『硫酸1.0質量%の水溶液4,000mL』に変更した以外は、実施例5と同様にして、リサイクルパルプ繊維No.2を得た。リサイクルパルプ繊維No.2の灰分は、0.15質量%であった。
[比較例3]
「クエン酸1.0質量%の水溶液4,000mL」を、『水酸化カルシウム10.0質量%の分散溶液4,000mL』に変更した以外は、実施例5と同様にして、リサイクルパルプ繊維No.3を得た。リサイクルパルプ繊維No.3の灰分は、12.1質量%であった。

Claims (12)

  1. 高吸水性リサイクルポリマー用の2次脱水された高吸水性ポリマーを製造する方法であって、
    パルプ繊維と、酸基を有する高吸水性ポリマーとを含む、衛生用品を構成する衛生用品構成資材を、酸を含む酸含有水溶液に浸漬することにより1次脱水された高吸水性ポリマーを形成するとともに、前記衛生用品構成資材から前記1次脱水された高吸水性ポリマーを分離することにより得られた、前記1次脱水された高吸水性ポリマーを準備する準備ステップ、
    前記1次脱水された高吸水性ポリマーを、多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源に接触させることにより、前記1次脱水された高吸水性ポリマーをさらに脱水し、前記2次脱水された高吸水性ポリマーを形成する2次脱水ステップ、
    を含むことを特徴とする、前記方法。
  2. 前記2次脱水ステップにおいて、前記1次脱水された高吸水性ポリマーを、50.0~80.0質量%の水分率までさらに脱水し、前記2次脱水された高吸水性ポリマーを形成する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記多価金属イオン供給源が、アルカリ土類金属塩若しくは遷移金属の水酸化物、アルカリ土類金属塩若しくは遷移金属の水酸化物と、酸との塩、又はアルカリ土類金属塩若しくは遷移金属の酸化物である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記2次脱水ステップにおいて、前記1次脱水された高吸水性ポリマーを、前記多価金属イオン供給源、又は前記多価金属イオン供給源の水溶液に接触させることにより、前記2次脱水された高吸水性ポリマーを形成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記2次脱水ステップが、前記2次脱水された高吸水性ポリマーを乾燥する乾燥ステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記準備ステップにおいて、前記1次脱水された高吸水性ポリマーが、80.0質量%超且つ97.0質量%以下の水分率を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記準備ステップの前に、前記衛生用品構成資材を、前記酸含有水溶液に浸漬することにより前記1次脱水された高吸水性ポリマーを形成するともに、前記衛生用品構成資材から前記1次脱水された高吸水性ポリマーを分離する1次脱水ステップをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記2次脱水ステップの後に、前記2次脱水された高吸水性ポリマーと、アルカリ金属イオンを供給可能なアルカリ金属イオン供給源とを再生用水溶液中で混合し、前記2次脱水された高吸水性ポリマーから、前記高吸水性リサイクルポリマーを形成する高吸水性リサイクルポリマー形成ステップをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記アルカリ金属イオン供給源が、(i)前記多価金属イオンとの標準電極電位の差が2.0以下であるアルカリ金属の水酸化物、(ii)前記多価金属イオンとの標準電極電位の差が2.0以下であるアルカリ金属の水酸化物と、前記高吸水性ポリマーの前記酸基よりも酸解離定数の大きな酸との塩、又は(iii)前記多価金属イオンとの標準電極電位の差が2.0以下であるアルカリ金属の酸化物である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記アルカリ金属イオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオン、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法であって、
    パルプ繊維と、酸基を有する高吸水性ポリマーとを含む、衛生用品を構成する衛生用品構成資材を、酸を含む酸含有水溶液に浸漬することにより1次脱水された高吸水性ポリマーを形成し、前記衛生用品構成資材から前記1次脱水された高吸水性ポリマーを分離し、前記1次脱水された高吸水性ポリマーを、多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源に接触させることにより前記1次脱水された高吸水性ポリマーをさらに脱水することにより得られた、2次脱水された高吸水性ポリマーを準備する準備ステップ、
    前記2次脱水された高吸水性ポリマーと、アルカリ金属イオンを供給可能なアルカリ金属イオン供給源とを再生用水溶液中で混合し、前記2次脱水された高吸水性ポリマーから、前記高吸水性リサイクルポリマーを形成する高吸水性リサイクルポリマー形成ステップ、
    を含むことを特徴とする、前記方法。
  12. パルプ繊維及び酸基を有する高吸水性ポリマーを含む、使用済の衛生用品から、高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法であって、
    前記パルプ繊維と、前記高吸水性ポリマーとを含む、前記衛生用品を構成する衛生用品構成資材を、酸を含む酸含有水溶液に浸漬することにより1次脱水された高吸水性ポリマーを形成するとともに、前記衛生用品構成資材から前記1次脱水された高吸水性ポリマーを分離する1次脱水ステップ、
    前記1次脱水された高吸水性ポリマーを、多価金属イオンを供給可能な多価金属イオン供給源に接触させることにより前記1次脱水された高吸水性ポリマーをさらに脱水し、2次脱水された高吸水性ポリマーを形成する2次脱水ステップ、
    前記2次脱水された高吸水性ポリマーと、アルカリ金属イオンを供給可能なアルカリ金属イオン供給源とを再生用水溶液中で混合し、前記2次脱水された高吸水性ポリマーから、前記高吸水性リサイクルポリマーを形成する高吸水性リサイクルポリマー形成ステップ、
    を含むことを特徴とする、前記方法。
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