JP2023020686A - 情報処理方法、プログラム及び情報処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池の利用価値を高めることができる情報処理方法等を提供する。【解決手段】コンピュータは、車載用電池に対する診断情報を取得する。コンピュータは、取得した車載用電池に対する診断情報に基づいて、前記車載用電池に対する評価レベルを特定する。そして、コンピュータは、特定した車載用電池に対する評価レベルに基づいて、前記車載用電池に対して認証を付与するか否かを決定する。【選択図】図1

Description

本開示は、情報処理方法、プログラム及び情報処理装置に関する。
ハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)及び電気自動車(EV:Electric Vehicle)が普及するにつれて、これらの自動車に搭載される二次電池(単に「電池」ともいう)の劣化診断が重要になってきている。特に、これらの自動車が中古車として販売される場合には、電池の劣化度合が車両価格に影響を与えるので、適正な劣化診断が行われることが必要である。特許文献1には、電池を有し、モータにより走行可能な自動車に搭載され、電池の温度が所定の温度閾値範囲内であり、かつ、電池の残存容量が所定の容量閾値範囲内のときに電池の劣化を判定する電池劣化判定装置が開示されている。
特開2019-152551号公報
特許文献1の装置は、自動車に組み込まれた状態で電池の劣化を判定するものであり、自動車に組み込まれた特定の電池しか劣化診断することができない。また、電池の劣化診断は、適正な装置を用いて適正な方法で実施されることが重要である。適正でない装置による劣化診断、及び適正でない方法での劣化診断では、信頼性の低い診断結果が得られ、このような診断結果は、電池に対する信頼性及び利用価値の低下につながるおそれがある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、電池の利用価値を高めることができる情報処理方法等を提供することを目的とする。
本開示に係る情報処理方法は、車載用電池に対する診断情報を取得し、取得した診断情報に基づいて、前記車載用電池に対する評価レベルを特定し、特定した評価レベルに基づいて、前記車載用電池に対して認証を付与するか否かを決定する処理をコンピュータが実行する。
本開示によれば、電池の利用価値を高めることができ、その結果、電池を搭載した自動車の価値を高めることができる。
情報処理システムの構成例を示す模式図である。 ノード装置の構成例を示す模式図である。 ノード装置に記憶される電池関連情報の構成例を示す模式図である。 端末装置の構成例を示すブロック図である。 各機器の構成例を示すブロック図である。 電池管理サーバの構成例を示すブロック図である。 電池管理サーバが記憶するDBの構成例を示す模式図である。 電池管理サーバが記憶するDBの構成例を示す模式図である。 診断サーバの構成例を示すブロック図である。 診断DBの構成例を示す模式図である。 電池認証サーバの構成例を示すブロック図である。 スコアDBの構成例を示す模式図である。 認証DBの構成例を示す模式図である。 材料認証DBの構成例を示す模式図である。 保険事業者サーバの構成例を示すブロック図である。 保険事業者サーバが記憶するDBの構成例を示す模式図である。 電池情報の入力画面例を示す模式図である。 車両情報の入力画面例を示す模式図である。 車載計測機器による計測データの蓄積処理手順の一例を示すフローチャートである。 整備事業者での診断結果に基づく認証付与手順の一例を示すフローチャートである。 整備事業者での診断結果に基づく認証付与手順の一例を示すフローチャートである。 画面例を示す模式図である。 電池情報の入力画面例を示す模式図である。 BMSによる計測データ及び診断データの蓄積処理手順の一例を示すフローチャートである。 リサイクル情報の入力画面例を示す模式図である。 リサイクル材料に対する認証付与処理手順の一例を示すフローチャートである。 画面例を示す模式図である。 補修情報の登録処理手順の一例を示すフローチャートである。 画面例を示す模式図である。 認証データの閲覧処理手順の一例を示すフローチャートである。 画面例を示す模式図である。 認証履歴画面の他の例を示す模式図である。 電池パックの診断処理手順の一例を示すフローチャートである。 画面例を示す模式図である。 電池パックの診断処理手順の他の例を示すフローチャートである。 アドバイスDBの構成例を示す模式図である。 電池パックの診断処理手順の一例を示すフローチャートである。 画面例を示す模式図である。 CO2排出抑制量DBの構成例を示す模式図である。 電池DBの変形例を示す模式図である。 定置用電池DBの変形例を示す模式図である。 電池に対する認証付与処理手順の一例を示すフローチャートである。 画面例を示す模式図である。 電池に対する認証付与処理手順の変形例を示すフローチャートである。 材料認証DBの変形例を示す模式図である。 リサイクル材料に対する認証付与処理手順の変形例を示すフローチャートである。 電池情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。 リサイクル材料に対する認証データの閲覧処理手順の一例を示すフローチャートである。 画面例を示す模式図である。 画面例を示す模式図である。
以下に、本開示の情報処理方法、プログラム及び情報処理装置について、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。以下の実施形態では、HEV又はEVに搭載される電池(車載用電池)に関する各種の情報を管理する情報処理システムについて説明する。なお、以下では自動車又は車両は、HEV、EVであるとする。以下の実施形態において、製造された車載用電池は、まず新車に搭載されて使用され、その後、中古車に搭載されて使用される。なお、中古車は新車と同じ車両であってもよく、異なる車両であってもよい。また電池は、車載用電池として利用できない程度に劣化した場合に、車両から解体されて定置用蓄電池(以下では定置用電池という)に組み替えられてリユースされ、最終的に廃棄される。なお、車載用電池及び定置用電池は、劣化度合等が診断された場合に、補修可能であれば、各種の補修処理が行われる。また、電池は、廃棄される際にリサイクル可能な材料が取り除かれ、新しい電池を製造する際に使用される。電池は、電池パックと呼ばれ、複数の電池モジュールで構成されており、各電池モジュールは、複数の電池セルが直列に、又は直列かつ並列に接続されて構成されている。以下の実施形態において電池パックは単に電池といい、電池モジュールは単にモジュールといい、電池セルは単にセルということがある。
<システムの概要>
図1は情報処理システムの構成例を示す模式図である。本実施形態の情報処理システムでは、分散型台帳技術の1つであるブロックチェーンシステムを利用して、電池に関する各種の情報を分散記憶して管理する。ブロックチェーンシステムは、ピアツーピア(P2P)のネットワーク1に接続された複数のノード装置10を有し、複数のノード装置10が電池に関する各種の情報を分散して共有するシステムである。それぞれのノード装置10には、電池メーカの端末装置20、EVメーカの端末装置30、車両管理者の車載計測機器40、整備・中古車事業者の診断機器50、解体事業者の診断機器60、リユース事業者の診断機器70、定置用電池管理者のBMS80、リサイクル事業者の診断機器90、電池管理事業者の電池管理サーバ110、診断事業者の診断サーバ120、電池認証団体の電池認証サーバ130、保険事業者の保険事業者サーバ140等が接続されている。整備・中古車事業者、解体事業者、リユース事業者、及びリサイクル事業者は、便宜上区分しているが、いずれかの事業者が統合されていてもよい。本実施形態の情報処理システムでは、ブロックチェーンシステムは必須の構成ではなく、電池に関する各種の情報を各サーバ110,120,130,140に記憶させておき、各機器又は各サーバからの要求に応じた情報を各サーバ110,120,130,140が提供する構成でもよい。
電池メーカの端末装置20は、電池メーカの事業所やオフィス等に設けられ、電池メーカの担当者が使用する端末である。EVメーカの端末装置30は、EVメーカの事業所やオフィス等に設けられ、EVメーカの担当者が使用する端末である。車載計測機器40は、車両に搭載され、車両の走行距離、車両に搭載されている電池の使用時間(放電時間)、充電時間及び充電回数等の充電に関する情報を計測し、走行距離、電池の使用時間及び充電に関する充電データを含む計測データを取得する。車両管理者は、車両の所有者に加えて、車両のリース・シェアリング事業者等、車両を管理する事業者を含む。整備・中古車事業者の診断機器50は、整備事業者や中古車事業者の整備場やオフィス等に用意され、車両又は電池の整備を行う担当者が使用する機器である。解体事業者の診断機器60は、解体事業者の工場やオフィス等に用意され、車両から電池を解体する担当者が使用する機器である。リユース事業者の診断機器70は、リユース事業者の工場やオフィス等に用意され、車載用電池のモジュール又はセルの組み替え、車両から解体された車載用電池の定置用電池への組み込み等のリユース処理を行う担当者が使用する機器である。リサイクル事業者の診断機器90は、リサイクル事業者の工場やオフィス等に用意され、電池を解体してリサイクルできる材料を分別する担当者が使用する機器である。診断機器50,60,70,90は、例えばハンディ型の診断機器であり、各事業者に搬入された車両に搭載されている電池又は車両から解体された電池等の電流値及び電圧値等のデータを計測すると共に、電池の劣化度合を示すSOH(State of Health)を推定する。診断機器50,60,70,90は、例えば電池パックの電流値、電圧値、温度、及びSOC(State of Charge)を計測し、電池パックのSOHを推定する。また診断機器50,60,70,90は、電池パックから分解された電池モジュール又は電池セルに対して、モジュール単位又はセル単位で、電流値、電圧値、温度、及びSOCを計測し、SOHを推定する。BMS(Battery Management System)80は、定置用電池にリユースされた電池に取り付けられ、定置用電池の電流値、電圧値、温度、及び電池残量(SOC)等のデータを計測し、過充電又は過放電とならないように電池モジュールを制御する。なお、定置用電池管理者は、定置用電池の所有者に加えて、電力会社、電源設備会社、通信事業者等の事業者であってもよい。
電池管理サーバ110は、例えば電池販売用のマーケットプレースを運営する電池管理事業者の事業所やオフィス等に設置される。電池管理サーバ110は、車載用電池の仕様及び材料の情報、電池が搭載された車両の情報等、車載用電池に関連する電池情報を電池DB112a(図6参照)に記憶して管理している。また、電池管理サーバ110は、車載用電池に使用されている電池パック、電池モジュール、電池セルが新しい電池パック又は電池モジュールに組み込まれてリユースされた場合、新たな電池の電池情報を電池DB112aに記憶する。また、電池管理サーバ110は、車載用電池が車両から取り外されて定置用電池にリユースされた場合に、定置用電池に関連する定置用電池情報を定置用電池DB112b(図6参照)に記憶して管理している。また、電池管理サーバ110は、車載計測機器40によって計測した車載用電池の計測データを計測DB112c(図6参照)に記憶して管理している。更に、電池管理サーバ110は、車載用電池情報、定置用電池情報、車載用電池の計測データをブロックチェーンシステムに出力して記憶させる処理を行う。
診断サーバ120は、車載用電池及び定置用電池の劣化度合を診断する診断事業者の事業所やオフィス等に設置される。診断サーバ120は、車載用電池及び定置用電池の劣化度合を診断する機能を備える。診断サーバ120は、診断機器50,60,70によって計測した車載用電池の計測データ、及び計測データに基づいて診断事業者が車載用電池の劣化度合を診断した診断結果を診断DB122a(図9参照)に記憶して管理している。また診断サーバ120は、BMS80及び診断機器90によって計測した定置用電池の計測データ、及び計測データに基づいて診断事業者が定置用電池の劣化度合を診断した診断結果を診断DB122aに記憶して管理している。
電池認証サーバ130は、電池に対して所定の認証(認定)を付与する電池認証団体の事業所やオフィス等に設置される。電池認証サーバ130は、予め設定されたルールに従って車載用電池及び定置用電池に対する評価スコアを算出し、算出した評価スコアに基づいて車載用電池及び定置用電池に対して認証を付与する機能を備える。電池認証サーバ130は、電池管理サーバ110の計測DB112cに記憶してある車載用電池の計測データ、診断サーバ120の診断DB122aに記憶してある車載用電池及び定置用電池に対する診断結果(診断データ)に基づいて電池認証団体が車載用電池及び定置用電池に付与した認証に関する認証情報を認証DB132b(図11参照)に記憶して管理している。また、電池認証サーバ130は、廃棄された電池からリサイクルされた材料に対して付与した所定の認証(リサイクル認証)に関する認証情報を材料認証DB132c(図11参照)に記憶して管理している。
保険事業者サーバ140は、電池(車載用電池及び定置用電池)に対する保険商品を販売する保険事業者の事業所やオフィス等に設置される。保険事業者サーバ140は、保険商品に関する保険情報を保険DB142a(図15参照)に記憶して管理しており、保険の契約者に関する契約者情報を契約者DB142b(図15参照)に記憶して管理している。
電池管理サーバ110、診断サーバ120、電池認証サーバ130、及び保険事業者サーバ140の各サーバは、1つの装置として記載するが、複数台設けられて分散処理されてもよく、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されていてもよく、クラウドサーバを用いて実現されてもよい。また、診断事業者、電池認証団体、及び保険事業者が複数いる場合、各サーバ120,130,140は複数設けられる。更に、電池メーカ、EVメーカ、車両管理者、整備・中古車事業者、解体事業者、リユース事業者、定置用電池管理者、及びリサイクル事業者が複数いる場合、端末装置20,30、車載計測機器40、診断機器50,60,70,90、BMS80は複数設けられる。
本実施形態のブロックチェーンシステムでは、電池管理サーバ110、診断サーバ120、電池認証サーバ130、及び保険事業者サーバ140の各サーバにおいて実行される処理に関する情報、各サーバから提供される情報を複数のノード装置10が分散して記憶する。また、ブロックチェーンシステムは、複数のノード装置10で記憶する情報を各サーバ110,120,130,140に提供することができる。
図2はノード装置10の構成例を示す模式図である。ノード装置10は、コンピュータ又はコンピュータシステムで構成することができる。ノード装置10は、電池メーカ、EVメーカ、車両管理者、定置用電池管理者の事業所又はオフィス等、整備・中古車事業者、解体事業者、リユース事業者、リサイクル事業者の整備場、工場又はオフィス等、電池管理事業者、診断事業者、電池認証団体、保険事業者の事業所又はオフィス等に設けられる。なお、ノード装置10は、端末装置20,30、車載計測機器40、診断機器50,60,70,90、BMS80、電池管理サーバ110、診断サーバ120、電池認証サーバ130、又は保険事業者サーバ140として機能してもよい。また、車載計測機器40、診断機器50,60,70,90、BMS80は、ノード装置10に接続された所定のサーバ又は端末装置と通信するように構成されていてもよい。この場合、各機器40,50,60,70,80,90は、所定のサーバ又は端末装置を介してノード装置10との間で情報の送受信を行う。
ノード装置10は、通信部11、情報生成部12、情報記録部13、情報参照部14、及びデータベース15を備える。通信部11は、ネットワーク1に接続された他のノード装置10との通信を行う機能を備える。また通信部11は、端末装置20,30、車載計測機器40、診断機器50,60,70,90、BMS80、電池管理サーバ110、診断サーバ120、電池認証サーバ130、及び保険事業者サーバ140との通信を行う機能を備える。
データベース15は、記録内容の書き換えが可能な不揮発性の半導体メモリや、ハードディスク等で構成することができる。データベース15は、ノードリスト16、及び電池関連情報17を記録している。ノードリスト16は、ブロックチェーンシステムにおいて適正に登録されたノード装置10を識別する識別情報に対応付けて、当該ノード装置10のIPアドレス及び電子証明書が登録されている。電子証明書には、各ノード装置10の公開鍵及び電子署名が記録されている。新たなノード装置10が適正に登録されると、ノードリスト16に当該登録が反映される。
図3はノード装置10に記憶される電池関連情報17の構成例を示す模式図である。電池関連情報17は、図3に示すように複数のブロック170を備える。複数のブロック170は、チェーン状に連結され、いわゆるブロックチェーンの構造を有する情報である。図3には、n番目及びn+1番目のブロック170が連なった例を示す。各ブロック170は、タイムスタンプ171、直前のブロック170のハッシュ値172、及び記録情報173を含む。タイムスタンプ171は、当該ブロック170が生成された日時を示す情報である。ハッシュ値172は、直前のブロック170から予め設定されたハッシュ関数に基づいて生成される値である。記録情報173は、ブロック170に登録する情報の本体部分である。記録情報173には、例えば、パックID、モジュールID及びセルID(電池を識別するための識別情報)に対応付けて、電池の製造時点からリサイクルされるまでの期間に亘る、電池の製造、EVへの搭載、整備、補修、車両からの解体、定置用電池等への再利用(リユース)、廃棄等の各イベント時における電池の情報が含まれる。具体的には、記録情報173には、各イベントにおける電池の計測データ、劣化度合の診断データ、電池に対する認証データ等が含まれる。また、記録情報173には、電池の売買取引、使用履歴、電池が搭載された車両の走行履歴等の情報が含まれてもよい。パックIDは、電池パックを識別するための識別情報であり、モジュールIDは、電池パック内の電池モジュールを識別するための識別情報であり、セルIDは、電池モジュール内の電池セルを識別するための識別情報である。
例えば、EVメーカ又はEVの販売店、あるいはEVの車両管理者(例えば所有者)は、車両管理者によるEVの利用開始時に、電池のID(パックID、モジュールID、セルID)に対応付けて、電池の仕様に関する情報、車両に関する情報をブロックチェーンシステムに出力して記憶させる。この場合、図3左下に示すように記録情報173には、電池のID、電池の仕様情報、車両ID、車両の情報、車両管理者の情報等が含まれる。また、車両に搭載された車載計測機器40は、定期的に、電池のIDに対応付けて、車両の走行距離、電池の使用時間、充電時間及び充電回数をブロックチェーンシステムに出力して記憶させる。この場合、図3右下に示すように記録情報173には、電池のID、走行距離、電池使用時間、充電時間及び充電回数等が含まれる。このように、ブロック170には、電池の製造時点からリサイクルされるまでの期間における電池に関する各種の情報が、電池のIDに対応付けて記録される。
情報生成部12は、通信部11を介して、端末装置20,30、車載計測機器40、診断機器50,60,70,90、BMS80、電池管理サーバ110、診断サーバ120、電池認証サーバ130、及び保険事業者サーバ140から取得する情報を用いて、ブロックチェーンシステムに登録するブロック170を生成する。なお、上述したような電池関連情報は、ブロック170の記録情報173に記憶されるほかに、電池管理サーバ110、診断サーバ120、及び電池認証サーバ130の各DBに記憶され、ブロック170にはハッシュ値172のみが記憶される構成でもよい。このような構成においても、ハッシュ値172に基づいて改ざんの有無の検証が可能である。
情報記録部13は、他のノード装置10にて新たに生成されたブロック170がブロックチェーンシステムにおいて予め設定された合意規則を満たしているか否かを判定する。情報記録部13は、所定の合意規則を満たすブロック170をブロックチェーンシステムに記録する。この場合、情報記録部13は、新たなブロックを、縦列接続されたブロック170の末尾に追加する。なお、ブロックチェーンシステムにおいて、参加者間でやり取りされる情報の信頼性は、参加者全体で形成されるネットワーク内での合意形成のプロセスによって担保されており、改ざん等の不正をシステム全体で防ぐことで、ブロックチェーンの健全性が保たれる。合意形成のプロセスは、例えばプルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work)又はプルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake)等のコンセンサス・アルゴリズムを用いることができる。
情報参照部14は、通信部11を介して、電池管理サーバ110、診断サーバ120、電池認証サーバ130、及び保険事業者サーバ140からブロックチェーンシステムの記憶内容を参照する要求を受信すると、当該要求に対応するブロック170から記録情報173を読み出し、読み出した記録情報173を要求元へ送信する。なお、記録情報173の内容が各サーバ110,120,130のDBに記憶されている場合、情報参照部14は、各DBから各情報を読み出して要求元へ送信する。これにより、ブロックチェーンシステムに記録された情報が、各サーバ110,120,130に提供可能となる。
<装置の構成>
図4は端末装置20の構成例を示すブロック図である。端末装置20は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等である。端末装置20は、端末全体を制御する制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、表示部25等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備える。制御部21のCPUは、ROM又は記憶部22に予め記憶された制御プログラム22PをRAMに展開して実行することにより、上述したハードウェアの動作を制御し、端末装置20が行うべき処理を実行する。なお、制御部21は、CPU、ROM及びRAMを備える構成とするが、1又は複数のCPU、マルチコアCPU、GPU(Graphics Processing Unit)等を含む任意の演算制御装置であってもよい。
記憶部22は、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等で構成される。記憶部22には、制御部21によって実行される制御プログラム22P、制御プログラム22Pの実行に必要な各種のデータ等が記憶される。なお、記憶部22に記憶されるプログラムは、例えば端末装置20の製造段階において記憶部22に書き込まれてもよく、当該プログラムを読み取り可能に記憶した非一時的な記録媒体により提供されてもよい。記録媒体は、例えばCD-ROM、USBメモリ、SD(Secure Digital)メモリ、マイクロSDカード等の可搬型メモリである。この場合、制御部21は、不図示の読取装置を用いて記録媒体から各種プログラムを読み取り、読み取った各種プログラムを記憶部22にインストールすることが可能である。また、記憶部22に記憶されるプログラムは、通信部23を介した通信により提供されてもよい。この場合、制御部21は、通信部23を通じて各種プログラムを取得し、取得した各種プログラムを記憶部22にインストールすることができる。
通信部23は、ノード装置10との通信を行う機能、ネットワーク1を介して各機器との通信を行う機能を備える。また通信部23は、インターネット等を介して、例えば電池管理サーバ110との通信を行う機能を備える。通信部23は、ネットワーク1を介して各種の情報を受信した場合、受信した情報を制御部21へ出力し、制御部21は、通信部23を介して受信した情報に基づき適宜の処理を実行する。通信部23は、ネットワーク1を介して所望の宛先へ送信すべき情報が制御部21から入力された場合、入力された情報をネットワーク1を介して前記宛先へ送信する。
操作部24は、キーボード又はマウス等の入力インタフェースを備え、端末装置20を使用するユーザによる操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部21へ送出する。表示部25は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部21からの指示に従って各種の情報を表示する。操作部24及び表示部25は一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
端末装置20は、電池メーカが製造した電池に関する電池情報の入力を操作部24から受け付けた場合、受け付けた電池情報を通信部23を介して電池管理サーバ110へ送信する。電池管理サーバ110は、端末装置20から取得した電池情報を例えば電池DB112aに記憶し、更にブロックチェーンシステムに出力してブロックチェーンシステムに記憶させる。電池情報は、例えば電池の仕様に関する情報、使用された材料に関する情報、リサイクルされた材料の使用の有無、電池製造時に発生した二酸化炭素(CO2)の排出量、最適な運用方法等の情報を含む。
端末装置30は、端末装置20と同様の構成を有するので、構成についての説明は省略する。端末装置30は、EVメーカが製造したEVに関する車両情報の入力を操作部から受け付けた場合、受け付けた車両情報を通信部を介して電池管理サーバ110へ送信する。電池管理サーバ110は、端末装置30から取得した車両情報を例えば電池DB112aに記憶し、更にブロックチェーンシステムに出力してブロックチェーンシステムに記憶させる。車両情報は、例えば電池が搭載された車両に関する情報等を含む。
図5は各機器の構成例を示すブロック図である。図5Aは車載計測機器40を、図5Bは診断機器50を、図5CはBMS80をそれぞれ示す。車載計測機器40は、例えば車載用電池が搭載された車両が車両管理者に販売された場合、又は車両の製造段階で車載用電池が車両に搭載された場合に、車両に搭載されて車両内の電池に接続される。車載計測機器40は、車両に搭載されている電池の状態を計測する機能を備える。車載計測機器40は、機器全体を制御する制御部41、記憶部42、通信部43、及び計測部44等を有する。制御部41、記憶部42、通信部43は、図4に示す端末装置20の制御部21、記憶部22,通信部23と同様の構成を有するので詳細な説明は省略する。計測部44は、電池を接続するための端子を備え、接続された電池の使用時間(放電時間)、充電時間及び充電回数等を計測する。また計測部44は、車両の走行距離を計測する。走行距離は、例えば車両に搭載された機器から取得してもよく、計測部44自身が計測する構成を有していてもよい。車載計測機器40は、例えば所定時間毎又は1日に1回等の定期的なタイミング、あるいは車両の走行終了時等の所定のタイミングで計測部44による計測処理を実行し、得られた計測データを通信部43にて電池管理サーバ110へ送信する。電池管理サーバ110は、車載計測機器40から取得した計測データを例えば計測DB112cに記憶し、更にブロックチェーンシステムに出力してブロックチェーンシステムに記憶させる。上述した構成により、車両に搭載された車載計測機器40にて計測された電池の計測データが所定のタイミングで電池管理サーバ110及びブロックチェーンシステムに蓄積される。
診断機器50は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等で構成することができる。診断機器50は、整備事業者又は中古車事業者に搬送された整備対象の車両に搭載されている電池の状態を診断する機能を備える。診断機器50は、制御部51、記憶部52、通信部53、操作部54、表示部55、診断部56、及びRFID(Radio Frequency Identifier)リーダ57等を有する。制御部51、記憶部52、通信部53、操作部54、表示部55は、図4に示す端末装置20の制御部21、記憶部22,通信部23、操作部24、表示部25と同様の構成を有するので詳細な説明は省略する。
RFIDリーダ57は、通信可能な範囲内にあるICタグから、ICタグに記憶してある情報を読み取る。本実施形態の情報処理システムでは、例えば電池パックに割り当てられたパックIDを記憶させたICタグが電池パックに取り付けられている。よって、診断機器50は、RFIDリーダ57によって、電池パックに取り付けられたICタグからパックIDを読み取ることにより、診断対象の電池パックのパックIDを取得することができる。なお、診断機器50はRFIDリーダ57を備えている必要はなく、例えばRFIDリーダの機能を有する端末装置(例えばスマートフォン)を用いてICタグからパックIDを読み取り、読み取ったパックIDを操作部54を介して入力してもよい。なお、ICタグの代わりに、電池パックのパックIDから生成された一次元コード又は二次元コードが電池パックに印刷又は貼付される構成でもよい。この場合、コードリーダによって一次元コード又は二次元コードからパックIDを読み取ることができる。
診断部56は、診断対象の電池を接続するための端子を備え、接続された電池パックの電流値、電圧値、温度、SOC等を計測し、計測データを取得することができる。また、診断部56は、所定の診断アルゴリズムに従って電池パックの劣化度合を推定することができる。劣化度合は、例えばSOH(State of Health)で表され、SOHは、新品の状態の電池を100%とした場合に電池の容量が何%であるかを示す値である。診断部56は、例えば完全充放電時の放電電流積算法による診断アルゴリズムに従ってSOHを推定する。当該診断アルゴリズムは、完全充放電を用いた容量計測を行うものであり、一度電池を満充電(SOCが100%)まで充電した後で、SOCが0%になるまで放電させ、放電する際に電流積算法を用いて満充電容量を求め、初期満充電容量で除算してSOHを推定するものである。また診断部56は、例えば充電曲線解析法による診断アルゴリズム、放電曲線解析法による診断アルゴリズム等、上述の診断方法よりも簡易な診断方法を用いてSOHを推定してもよい。診断部56は、例えば診断サーバ120から指示された診断アルゴリズム、又は、操作部54を介して指定された診断アルゴリズムに従って電池パックのSOHを推定する。なお、診断部56は、電池パックから分解された電池モジュール又は電池セルが接続された場合に、モジュール単位又はセル単位で電流値、電圧値、温度、SOC等を計測し、SOHを推定する。また、セル毎に搭載されているメモリにセルの状態(例えば、電流値、電圧値、温度等の時系列データ)を記録することができるセルの場合、診断部56は、セル内のメモリからデータを読み取ってセルのSOHを推定してもよい。診断部56で得られた計測データは、例えば電池の計測データ(電流値、電圧値、温度、SOC等の時系列データ)から電池の劣化度合(SOH)を推定する学習モデルを生成するための学習用データとして利用可能であり、電池の診断方法を解析する事業者等に提供することもできる。
診断機器50は、診断部56で計測した電池の計測データ(電流値、電圧値、温度、及びSOC)及びSOHを含む診断データを、通信部53にて診断サーバ120へ送信する。診断サーバ120は、診断機器50から取得した診断データを例えば診断DB122aに記憶し、更にブロックチェーンシステムに出力してブロックチェーンシステムに記憶させる。これにより、診断機器50にて診断された電池の診断データが診断DB122a及びブロックチェーンシステムに蓄積される。なお、電池のSOHは、診断サーバ120で推定されてもよく、この場合、診断サーバ120は、診断機器50から取得した計測データと、推定したSOHとを対応付けて診断DB122a及びブロックチェーンシステムに記憶させる。診断サーバ120は、電池に対する診断データに基づいて、電池に対する補修再生の可否を判断し、補修対象のモジュール又はセルを特定することができる。例えば、劣化度合を示すSOHが所定の閾値以下であれば、補修再生不可とすることができる。ここで、閾値は、例えば、電池が車両に搭載されて利用することができない程度の値とすることができる。また、診断サーバ120は、診断DB122aに蓄積してある過去の診断データも考慮して、電池に対する補修再生の可否を判断してもよい。電池に対する補修再生の可否の判断は、診断機器50が行う構成でもよい。
整備・中古車事業者は、診断機器50を用いて、診断対象の電池の電池情報、当該電池の計測データを電池管理サーバ110(電池DB112a、計測DB112c)から取得することができる。また整備・中古車事業者は、整備場に車両が搬入された場合に、診断機器50を用いて、パック単位、モジュール単位又はセル単位での劣化度合の診断処理を行うことができ、診断結果(計測データ及びSOH)を診断サーバ120へ送信して診断DB122aに記憶する。また整備・中古車事業者は、電池に対する補修再生が可能である場合に補修処理を行い、補修処理を行ったモジュール又はセルに関する補修情報を診断サーバ120に送信して診断DB122aに記憶する。補修処理は、例えば、電池内の一部の不良モジュール又は不良セルを交換する処理又は修理する処理である。診断サーバ120は、診断DB122aに記憶した補修情報をブロックチェーンシステムに記憶してもよい。上述した構成により、整備・中古車事業者に車両が搬送された場合に、車両に搭載された電池の計測データ及びSOHが診断機器50にて計測され、診断サーバ120及びブロックチェーンシステムに蓄積される。また、整備・中古車事業者は、電池に対して補修処理を行った場合に、補修後の電池の計測データ及びSOHを診断機器50にて再度計測し、診断サーバ120及びブロックチェーンシステムに記憶する。
診断機器60,70,90は、診断機器50と同様の構成を有する。解体事業者は、診断機器60を用いて、診断対象の電池の電池情報、当該電池の計測データを電池管理サーバ110(電池DB112a、計測DB112c)から取得することができる。また解体事業者は、工場に車両が搬入された場合に、診断機器60を用いて、車両から取り外された電池に対してパック単位、モジュール単位又はセル単位で劣化度合の診断処理を行い、診断結果(計測データ及びSOH)を診断サーバ120へ送信して診断DB122aに記憶する。解体事業者は、電池に対する補修再生が可能である場合に補修処理を行い、補修処理を行ったモジュール又はセルに関する補修情報を診断サーバ120に送信して診断DB122aに記憶する。解体事業者での補修処理は、電池内の一部の不良モジュール又は不良セルを交換又は修理する処理に加えて、良品と判断されたモジュール又はセルを集めてリパックして電池パックを組み上げる処理を含む。上述した構成により、解体事業者に車両が搬送された場合に、車両から取り外された電池の計測データ及びSOHが診断機器60にて計測され、診断サーバ120及びブロックチェーンシステムに蓄積される。また、解体事業者は、電池に対して補修処理を行った場合に、電池の計測データ及びSOHを診断機器60にて再度計測し、診断サーバ120及びブロックチェーンシステムに記憶する。なお、解体事業者は、リパックによって新たな電池パックを生成した場合、診断機器60を用いて、新たな電池パックに関する電池情報を電池管理サーバ110へ送信して電池DB112aに記憶する。
リユース事業者は、例えば解体事業者によって車両から取り外された車載用電池に対して、モジュール単位での補修(交換又は修理)、セル単位での補修、良品と判断されたモジュールをまとめて電池パックを組み上げるリパック、良品と判断されたセルをまとめて電池モジュールを組み上げる再モジュール化、良品と判断されたモジュールを他の電池パックに組み込む処理、良品と判断されたセルを他の電池モジュールに組み込む処理等、電池をリユースする際に必要な処理を行う。以下では、これらの処理をまとめて補修処理と呼ぶ。なお、これらの補修処理は、リユース事業者だけでなく、整備・中古車事業者又は解体事業者等で行われてもよい。また、リユース事業者は、車両から取り外された車載用電池に対して上述した補修処理を行い、補修処理後の電池モジュールを用いて定置用電池を生成する処理も行う。リユース事業者は、車載用電池に上述した補修処理を行った場合、診断機器70を用いて、補修後の車載用電池に対してパック単位、モジュール単位又はセル単位での劣化度合の診断処理を行い、診断結果(計測データ及びSOH)を診断サーバ120へ送信して診断DB122aに記憶する。これにより、補修後の車載用電池の計測データ及びSOHが診断機器70にて計測され、診断サーバ120に出力され、診断DB122a及びブロックチェーンシステムに蓄積される。なお、リユース事業者は、リパック処理によって新たな電池パックを生成した場合、診断機器70を用いて、新たな電池パックに関する電池情報を電池管理サーバ110へ送信して電池DB112aに記憶する。また、リユース事業者は、定置用電池を生成した場合、診断機器70を用いて、定置用電池に関する電池情報(定置用電池情報)を電池管理サーバ110へ送信して定置用電池DB112bに記憶する。また、リユース事業者は、診断機器70を用いて、生成した定置用電池に対してパック単位、モジュール単位又はセル単位での劣化度合の診断処理を行い、診断結果(計測データ及びSOH)を診断サーバ120へ送信して診断DB122aに記憶する。上述した構成により、リユース事業者が定置用電池を生成した場合に、定置用電池情報が電池管理サーバ110に出力されて定置用電池DB112bに記憶される。また、定置用電池の計測データ及びSOHが診断機器70にて計測され、診断サーバ120に出力され、診断DB122a及びブロックチェーンシステムに蓄積される。なお、リユース事業者は、定置用電池を生成する際に、BMS80を定置用電池に接続してESS(Energy Storage System)を作成する。
BMS80は、例えばリユース事業者によって定置用電池の電池パックに接続される。BMS80は、電池パックの状態を診断する機能を備え、定置用電池の使用中に診断処理を行う。BMS80は、制御部81、記憶部82、通信部83、及び診断部84等を有する。制御部81、記憶部82、通信部83は、図4に示す端末装置20の制御部21、記憶部22,通信部23と同様の構成を有し、診断部84は、図5Bに示す診断機器50の診断部56と同様の構成を有するので詳細な説明は省略する。BMS80は、診断部84による計測データに基づいて、定置用電池が過充電又は過放電とならないように電池モジュールを制御する処理を行う。BMS80は、定期的に診断部84による診断処理を実行し、得られた計測データ及びSOHを含む診断データを通信部83にて診断サーバ120へ送信する。診断サーバ120は、BMS80から取得した診断データを例えば診断DB122aに記憶し、更にブロックチェーンシステムに出力してブロックチェーンシステムに記憶させる。上述した構成により、定置用電池に接続されたBMS80にて計測された定置用電池の診断データが所定のタイミングで診断サーバ120及びブロックチェーンシステムに蓄積される。なお、定置用電池におけるSOHは診断サーバ120で推定されてもよい。
リサイクル事業者は、診断機器90を用いて、廃棄対象の電池(車載用電池及び定置用電池)に対して、パック単位、モジュール単位又はセル単位での劣化度合の診断処理を行い、診断結果(計測データ及びSOH)を診断サーバ120へ送信して診断DB122aに記憶する。これにより、リサイクル事業者に電池が搬入された場合に、電池の計測データ及びSOHを含む診断データが診断機器90にて計測されて診断サーバ120に出力され、診断DB122a及びブロックチェーンシステムに蓄積される。なお、診断サーバ120は、電池に対する診断データに基づいて、電池に対する補修再生の可否を判断することができる。ここでは、例えば、電池が定置用電池として利用することができない程度の値を閾値として、SOHが閾値以下であれば、補修再生不可とすることができる。また診断機器90は、例えば廃棄対象の電池の残存容量(SOC)を計測し、残存容量がある場合、電池を所定の放電電流値で完全に放電させることができる。これにより、電池を廃棄するために電池を分解する際の感電を防止できる。
リサイクル事業者は、電池に対する補修再生が不可である場合、電池を解体し、不純物を取り除く精錬等の処理を行って、リサイクル可能な材料を抽出する。このとき、リサイクル事業者は、診断機器90を用いて、廃棄対象の電池の電池情報(例えば、電池の製造時の材料情報に基づく廃棄電池に含まれるレアメタル成分に関する情報等)を取得すると共に、当該電池の診断結果の情報を取得して確認することができる。レアメタル成分の情報は、例えば、電池DB112a及び定置用電池DB112bから取得することができる。また、リサイクル事業者は、診断機器90を用いて、電池の取り扱い方法を確認し、電池に含まれるレアメタルの成分に合わせて精錬等を行うことができる。リサイクルの際には、レアメタル成分に応じて廃棄電池を分別し、成分が類似する廃棄電池を集めてリサイクル処理を行うことができる。診断機器90は、廃棄された電池に含まれるレアメタル成分に応じたリサイクル処理の内容を電池管理サーバ110に送信し、リサイクル処理の内容を示すリサイクル情報を定置用電池DB112bに記憶することができる。
図1に示す情報処理システムにおいて、車両管理者、整備・中古車事業者、解体事業者、リユース事業者、定置用電池管理者及びリサイクル事業者の各ユーザは、車載計測機器40、診断機器50,60,70,90及びBMS80に加えて、端末装置20,30と同様の構成の端末装置(例えばスマートフォン)を有している。そして、各ユーザは、端末装置を用いて電池認証サーバ130にアクセスすることができ、電池認証サーバ130との間で情報の送受信を行うことができる。なお、各ユーザは、端末装置を用いて電池認証サーバ130に対して、電池パックに対する認証の付与を申請することができ、電池認証サーバ130によって認証が付与された場合に認証情報を電池認証サーバ130から取得することができる。
図6は電池管理サーバ110の構成例を示すブロック図である。電池管理サーバ110は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ等である。電池管理サーバ110は、サーバ全体を制御する制御部111、記憶部112、通信部113、操作部114、表示部115等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部111は、例えばCPU、ROM及びRAM等を備える。制御部111のCPUは、ROM又は記憶部112に予め記憶された制御プログラム112PをRAMに展開して実行することにより、上述したハードウェアの動作を制御し、電池管理サーバ110が行うべき処理を実行する。なお、制御部111は、CPU、ROM及びRAMを備える構成とするが、1又は複数のCPU、マルチコアCPU、GPU等を含む任意の演算制御装置であってもよい。
記憶部112は、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD等で構成される。記憶部112には、制御部111によって実行される制御プログラム112P、制御プログラム112Pの実行に必要な各種のデータ等が記憶される。なお、記憶部112に記憶されるプログラムは、例えば電池管理サーバ110の製造段階において記憶部112に書き込まれてもよく、当該プログラムを読み取り可能に記憶した非一時的な記録媒体110Mにより提供されてもよい。この場合、制御部111は、不図示の読取装置を用いて記録媒体110Mから各種プログラムを読み取り、読み取った各種プログラムを記憶部112にインストールすることが可能である。また、記憶部112に記憶されるプログラムは、通信部113を介した通信により提供されてもよい。この場合、制御部111は、通信部113を通じて各種プログラムを取得し、取得した各種プログラムを記憶部112にインストールすることができる。また、記憶部112は、後述する電池DB(データベース)112a、定置用電池DB112b、計測DB112cを記憶する。
通信部113は、ノード装置10との通信を行う機能、ネットワーク1を介して各機器との通信を行う機能を備える。また通信部113は、インターネット等を介して、例えば他のサーバ120,130,140との通信を行う機能を備える。操作部114は、キーボード又はマウス等の入力インタフェースを備え、電池管理サーバ110を使用するユーザによる操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部111へ送出する。表示部115は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部111からの指示に従って各種の情報を表示する。操作部114及び表示部115は一体として構成されたタッチパネルであってもよい。なお、本実施形態では、電池管理サーバ110は操作部114及び表示部115を備える構成とするが、操作部114及び表示部115は必須ではなく、外部に接続されたコンピュータを通じて操作を受け付け、表示すべき情報を外部の表示装置へ出力する構成であってもよい。
電池管理サーバ110は、電池メーカが製造した電池に関する電池情報を端末装置20から取得した場合、取得した電池情報を電池DB112aに記憶する。また電池管理サーバ110は、EVメーカが電池を搭載した車両に関する車両情報を端末装置30から取得した場合、取得した車両情報を電池DB112aに記憶する。また電池管理サーバ110は、リユース事業者が生成した定置用電池に関する定置用電池情報を診断機器70から取得した場合、取得した定置用電池情報を定置用電池DB112bに記憶する。更に電池管理サーバ110は、車載計測機器40が電池を計測した計測データを取得した場合、取得した計測データを計測DB112cに記憶する。電池管理サーバ110は、電池DB112a、定置用電池DB112b、計測DB112cに記憶した各情報をノード装置10へ出力してブロックチェーンシステムに記憶させてもよい。
図7及び図8は電池管理サーバ110が記憶するDB112a~112cの構成例を示す模式図である。図7は電池DB112aを、図8Aは定置用電池DB112bを、図8Bは計測DB112cをそれぞれ示す。電池DB112aは、電池に関する電池情報、及び電池が搭載された車両に関する車両情報等を記憶する。図7に示す電池DB112aは、パックID列、モジュールID列、セルID列、仕様情報列、材料情報列、電池製造時CO2排出量列、新車情報列、中古車情報列、解体年月日列等を含み、電池パックに割り当てられた識別情報(パックID)に対応付けて各情報を記憶する。モジュールIDは、電池パックを構成する電池モジュールのそれぞれに割り当てられた識別情報であり、セルIDは、電池モジュールを構成する電池セルのそれぞれに割り当てられた識別情報である。モジュールIDは、例えばパックIDに電池モジュール毎の識別番号を付け加えた情報であり、セルIDは、例えばモジュールIDに電池セル毎の識別番号を付け加えた情報である。よって、セルIDは、電池DB112aに登録された全ての電池においてセル毎に識別可能な情報である。仕様情報は、電池の種類、サイズ、使用条件、最適な運用方法等、電池の仕様に関する情報を含む。材料情報は、電池の製造に使用された材料の種類及び使用量、リサイクルされた材料が使用されている場合にリサイクル材料の種類及び使用量等の情報を含む。電池製造時CO2排出量は、電池の製造過程において排出されたCO2の排出量であり、電池メーカが電池の製造工程に基づいて算出した排出量が電池メーカの端末装置20から取得されて記憶される。新車情報は、製造された電池が搭載された車両(新車)に関する情報であり、例えば、車両の製造年月日(電池が搭載された年月日)、車両ID、メーカ名、車種、年式、管理者情報等が対応付けて新車情報列に記憶される。車両IDは、車両に割り当てられた識別情報であり、管理者情報は、車両(新車)の購入者等の所有者の氏名、連絡先等の情報を含む。中古車情報は、電池が搭載された車両に関する情報であり、ここでの車両は中古車として販売される車両である。中古車情報は、例えば、中古車として販売対象となった年月日、車両ID、メーカ名、車種、年式、管理者情報等が対応付けて中古車情報列に記憶される。ここでの管理者情報は、車両(中古車)の購入者等の所有者の氏名、連絡先情報等の情報を含む。なお、新車情報及び中古車情報は、車両番号(メーカの製造番号等)、車両の利用状況(例えば、走行距離、使用年数、使用頻度、1日の平均走行距離等)を含んでもよい。解体年月日は、電池が車両から取り外された年月日である。なお、車両から取り外された電池は、他の車載用電池、新しい車載用電池、又は定置用電池に組み替えられてリユースされる。本実施形態では、電池パックはセル単位又はモジュール単位で交換による補修処理が可能であり、セル単位又はモジュール単位での交換が行われた場合、交換されたセル又はモジュールに対して新たなセルID又はモジュールIDが発行され、電池DB112aのセルID又はモジュールIDが新しいセルID又はモジュールIDに更新される。なお、本実施形態では、セル又はモジュールの交換が行われた場合に、新たなセルID又はモジュールIDに更新される構成とするが、セルID又はモジュールIDを更新せずに、各セル又はモジュールに対応付けて、交換による補修処理が行われたことを示す補修情報を電池DB112aに記憶する構成でもよい。
定置用電池DB112bは、定置用電池に関する電池情報を記憶する。図8Aに示す定置用電池DB112bは、定置用電池パックID列、モジュールID列、セルID列、組立年月日列、ESS情報列、補修情報列、リサイクル情報列等を含み、定置用電池の電池パックに割り当てられた識別情報(定置用電池のパックID)に対応付けて各情報を記憶する。モジュールIDは、電池パックを構成する電池モジュールの識別情報であり、セルIDは、電池モジュールを構成する電池セルの識別情報である。モジュールIDは、例えばパックIDに電池モジュール毎の識別番号を付け加えた情報であり、セルIDは、リユース前の電池において各電池セルに割り当てられていたセルIDである。なお、電池モジュール単位で定置用電池に組み込まれた場合、リユース前の当該電池モジュールのモジュールIDがモジュールID列に記憶されてもよい。組立年月日は、定置用電池が生成された年月日である。ESS情報は、BMS80が搭載された定置用電池(ESS)に関する情報であり、電池の仕様情報及びBMS80の仕様情報等を含む。補修情報は、定置用電池に対して行われた補修処理に関する情報を含む。リサイクル情報は、定置用電池が廃棄された場合に、定置用電池に含まれるリサイクル可能な材料に対して行われたリサイクル処理に関する情報を含む。リサイクル情報は、例えばリサイクル完了日、リサイクル事業者、リサイクル材料及び分量、リサイクル方式等の情報を含む。なお、定置用電池DB112bに、定置用電池の所有者の氏名、連絡先等の定置用電池の管理者情報が記憶されてもよい。定置用電池においてもセル単位又はモジュール単位での交換が行われた場合、交換されたセル又はモジュールに対して新たなセルID又はモジュールIDが発行され、定置用電池DB112bのセルID又はモジュールIDが新しいセルID又はモジュールIDに更新される。
計測DB112cは、電池が車両に搭載されている期間に車載計測機器40によって計測された電池の計測データを記憶する。図8Bに示す計測DB112cは、パックID列、計測データ列等を含み、パックIDに対応付けて、車載計測機器40から取得した計測データを記憶する。計測データは、車載計測機器40が計測処理を実行した日時、車載計測機器40に関する機器情報、車載計測機器40が計測した車両の走行距離、電池の使用時間、充電時間及び充電回数等を含む。機器情報は、車載計測機器40を特定するための情報、車載計測機器40の属性及び車両管理者の属性等の情報を含む。電池管理サーバ110は、電池が車両に搭載されている期間における電池に関する情報を電池DB112aに記憶して管理し、電池が車両から取り外されて定置用電池に組み替えられた後における定置用電池に関する情報を定置用電池DB112bに記憶して管理する。また、電池管理サーバ110は、電池が車両に搭載されている期間において車載計測機器40によって計測された電池の計測データを計測DB112cに記憶して管理する。
図9は診断サーバ120の構成例を示すブロック図である。診断サーバ120は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ等である。診断サーバ120は、サーバ全体を制御する制御部121、記憶部122、通信部123、切替部124、診断部125等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部121、記憶部122、及び通信部123は、図6に示す電池管理サーバ110の制御部111、記憶部112,通信部113と同様の構成を有するので詳細な説明は省略する。なお、記憶部122は、制御部121が実行する制御プログラム122Pに加えて診断DB122aを記憶する。
診断部125は、第1診断アルゴリズム125a、第2診断アルゴリズム125b、第3診断アルゴリズム125cを備える。図9の例では3つの診断アルゴリズムを備える構成を示しているが、4つ以上の診断アルゴリズムを有していてもよい。第1~第3診断アルゴリズム125a~125cは、電池のSOHを推定する際の診断アルゴリズムであり、例えば、完全充放電時の放電電流積算法による診断アルゴリズム、充電曲線解析法による診断アルゴリズム、放電曲線解析法による診断アルゴリズムを含む。充電曲線解析法は、初めに充電中の電池の電圧、電流、及び温度を測定し、これらのデータを充電曲線として記録し、電池の内部状態を表すパラメータの初期値を設定し、回帰計算によってパラメータの推定を行って電池の状態(例えば、電池容量)を算出するものである。放電曲線解析法は、放電曲線を電圧で微分する等により特徴づけて、電池の正極と負極の各活物質の容量変化を抽出し、電池の状態(例えば、電池容量)を算出するものである。
なお、第1~第3診断アルゴリズム125a~125cは、上述した診断アルゴリズムのほかに、内部抵抗からのテーブルルックアップを用いた診断アルゴリズム、モデルに基づく診断アルゴリズム等を含んでもよい。内部抵抗からのテーブルルックアップによる診断は、SOHと内部抵抗との関係を予め取得してテーブル化しておき、計測した内部抵抗からテーブルルックアップにてSOHを求めるものである。モデルに基づく診断は、SOC推定で用いるモデルの中の特定のパラメータとSOHとを関連付けた上で、そのパラメータを推定することにより、SOHを推定するものである。例えば、電池の満充電容量を等価回路モデル内のコンデンサの容量で表して、その容量を推定することで、SOHを求めることができる。診断アルゴリズムは上述したものに限定されない。また診断アルゴリズムは、例えば電池メーカ毎、EVメーカ毎、電池の種類毎に用意されてもよい。
切替部124は、診断対象の電池(定置用電池も含む)の電池情報(例えば電池管理サーバ110の電池DB112aに記憶してある電池情報、定置用電池DB112bに記憶してある定置用電池情報)、又はユーザの選択に応じて、所要の診断アルゴリズムを選択する。切替部124は、例えば診断機器50,60,70,90又はBMS80から診断対象の電池の情報を取得した場合、当該電池の電池情報を電池管理サーバ110から取得し、電池情報に基づいて、当該電池の劣化度合(SOH)の診断に用いる診断アルゴリズムを選択する。例えば電池メーカ又は電池の種類毎に予め診断アルゴリズムが設定されている場合、切替部124は、診断対象の電池の電池メーカ又は種類に応じた診断アルゴリズムを選択する。診断部125は、切替部124によって選択された診断アルゴリズムに従った診断処理の実行を診断機器50,60,70,90又はBMS80に指示する。なお、診断部125は、診断機器50,60,70,90又はBMS80によって計測された電池の計測データを取得し、取得した計測データに基づいて、切替部124によって選択された診断アルゴリズムに従って当該電池の劣化度合を診断してもよい。
診断サーバ120は、診断機器50,60,70,90及びBMS80が電池(定置用電池も含む)の診断処理を行う際に、診断対象の電池に応じた診断アルゴリズムを決定して診断機器50,60,70,90及びBMS80に提示する。また診断サーバ120は、診断機器50,60,70,90及びBMS80による診断処理の結果(診断データ)を取得して診断DB122aに記憶して管理する。また診断サーバ120は、診断機器50,60,70,90及びBMS80から取得した診断結果に基づいて、電池に対する総合的な診断処理、及び各セルに対する補修再生の可否判断を行い、その結果も診断DB122aに記憶して管理する。診断サーバ120は、診断DB122aに記憶した各情報をノード装置10へ出力してブロックチェーンシステムに記憶させてもよい。
図10は診断DB122aの構成例を示す模式図である。診断DB122aは、車載用電池及び定置用電池に対する診断データを記憶する。以下では、車載用電池及び定置用電池をまとめて電池という。図10に示す診断DB122aは、パックID列、モジュールID列、セルID列、第1診断データ列、第2診断データ列等を含み、電池のID(パックID、モジュールID、セルID)に対応付けて当該電池に対する診断処理結果を記憶する。診断データは、診断機器50,60,70,90又はBMS80を用いて行われた診断処理毎に診断DB122aに記憶される。診断データは、診断データを識別するための識別情報(診断ID)、診断処理の実行日時、イベント、診断機器50,60,70,90又はBMS80に関する機器情報、診断機器50,60,70,90又はBMS80による電池の計測データ(電流値、電圧値、温度、SOC、SOH)、電池に対する診断結果、補修情報等を含む。イベントは、診断処理の実行事由であり、例えば整備・中古車事業者に搬入された車両を整備する際に診断機器50による診断処理が行われた場合は「車両整備」が記憶され、車両が中古車として販売される際に診断機器50による診断処理が行われた場合は「中古車搭載」が記憶される。またイベントは、例えば解体事業者で車両から解体された場合に診断機器60による診断処理が行われた場合は「車両から解体」が記憶され、リユース事業者で定置用電池が組み立てられて診断機器70による診断処理が行われた場合は「組立」が記憶される。またイベントは、BMS80が所定のタイミングで診断処理を行った場合は「定期診断」が記憶され、リサイクル事業者に搬入された廃棄対象の定置用電池に対して診断機器90による診断処理が行われた場合は「廃棄」が記憶される。イベントは、上述したように車両整備、中古車搭載、車両から解体、組立、定期診断、廃棄のほかに、電池の製造、EV(新車)への搭載、補修等を含む。機器情報は、診断機器50,60,70,90又はBMS80を特定するための情報、診断機器50,60,70,90又はBMS80の属性及び各事業者又は定置用電池管理者の属性等の情報を含む。診断結果は、診断機器50,60,70,90又はBMS80による計測データに基づいて診断サーバ120で判定された電池に対する診断結果を含み、例えば診断に使用した診断アルゴリズム、電池に対するSOH、及び診断事業者(診断機関)を特定する情報等を含む。補修情報は、補修処理が行われたモジュール又はセルに関する情報(例えばモジュールID又はセルID)及び補修処理の内容を示す情報を含む。補修情報は、例えば整備・中古車事業者、解体事業者、又はリユース事業者が電池に対する診断処理の結果、電池に対する補修処理を行った場合に、診断DB122aに記憶される。診断DB122aに記憶される診断データは、電池パックに対する計測処理及び診断処理が行われた場合は、電池パックに対する計測データ及び診断結果を含み、モジュール単位での計測処理及び診断処理が行われた場合はモジュール毎の計測データ及び診断結果を含み、セル単位での計測処理及び診断処理が行われた場合はセル毎の計測データ及び診断結果を含む。なお、診断DB122aは、車両に搭載されている電池、及び定置用電池に関する診断結果を記憶する構成であるが、車両に搭載されている電池の診断結果と、定置用電池の診断結果とをそれぞれ別のDBに記憶する構成でもよい。
図11は電池認証サーバ130の構成例を示すブロック図である。電池認証サーバ130は、図6に示す電池管理サーバ110と同様の構成を有するので、構成についての詳細な説明は省略する。なお、電池認証サーバ130の記憶部132は、制御部131が実行する制御プログラム132Pに加えて、スコアDB132a、認証DB132b及び材料認証DB132cを記憶する。
電池認証サーバ130は、端末装置20,30又は診断機器50,60,70,90等を介して各事業者から電池(定置用電池も含む)に対する認証の申請を受け付ける。電池認証サーバ130は、電池に対する認証申請を受け付けた場合、電池管理サーバ110の電池DB112a及び定置用電池DB112bに登録してある電池情報及び定置用電池情報と、診断サーバ120の診断DB122aに登録してある診断データとに基づいて、当該電池に対して認証を付与する。その際、電池認証サーバ130は、電池情報及び診断データに基づいて、当該電池に対する評価スコア(評価レベル)を算出し、算出した評価スコアに応じて認証を付与するか否かを決定する。なお、電池認証サーバ130は、電池に対して認証を付与した場合、付与した認証に関する認証情報(認証データ)を認証DB132bに記憶する。また電池認証サーバ130は、廃棄対象の電池から抽出されたリサイクル材料に対してリサイクル認証を付与する。その際、電池認証サーバ130は、リサイクル材料に対して行われたリサイクル処理、リサイクル事業者等に基づいて、当該電池にリサイクル認証を付与するか否かを決定する。なお、電池認証サーバ130は、リサイクル材料に対してリサイクル認証を付与した場合、付与したリサイクル認証に関する認証情報(認証データ)を材料認証DB132cに記憶する。電池認証サーバ130は、認証DB132b及び材料認証DB132cに記憶した各情報をノード装置10へ出力してブロックチェーンシステムに記憶させてもよい。
図12はスコアDB132aの構成例を示す模式図である。図12に示すスコアDB132aは、スコアID列、判定内容列、スコア列等を含み、スコアを識別するための識別情報(スコアID)に対応付けて、スコアと、各スコアに対する判定条件(判定内容)とを記憶する。判定内容は、各スコアを加算するための条件であり、例えば、電池に対する計測処理を行った車載計測機器40が所定の認定を受けた機器(認定機器)であること、電池に対する診断処理を行った診断機器50、60,70,90又はBMS80が所定の認定を受けた機器(認定機器)であること、電池に対する診断処理に使用した診断アルゴリズムが所定の認定を受けたアルゴリズムであること、電池に対する診断処理を行った診断事業者が所定の認定を受けた事業者(認定事業者)であることを含む。また、判定内容は、電池の劣化度合(例えばSOH)、車両の走行距離、電池の使用時間、充電時間及び充電回数(電池の充電履歴に関する充電データ)に関する内容を含む。電池認証サーバ130は、電池に対して認証を付与する際に、スコアDB132aを参照し、当該電池の電池情報及び診断データと、スコアDB132aに記憶してある判定内容とに基づいて、当該電池に対する評価スコアを算出する。なお、電池認証サーバ130は、算出した評価スコアに基づいて、電池に対して認証を付与するか否かを決定する。スコアDB132aの記憶内容は、電池認証サーバ130に対する操作に従って変更可能であってもよい。この場合、認定機器、認定アルゴリズム、認定事業者が新たに出現した場合に、これらに対応するスコアをスコアDB132aに登録することができる。よって、電池の診断に使用していた機器、診断アルゴリズム、事業者が、新たに認定され、これらに対応するスコアがスコアDB132aに登録された場合に、当該機器、診断アルゴリズム、又は事業者を使用して診断処理を行っていた電池に対する評価スコアが更新され、当該電池に対する評価の向上が期待できる。なお、電池認証サーバ130は、スコアDB132aの記憶内容が更新された場合に、各電池に対して、更新されたスコア情報に基づく評価スコアの算出処理を再度行うことにより、各電池に対する評価処理及び認証処理を再度行うように構成されていてもよい。
図13は認証DB132bの構成例を示す模式図である。認証DB132bは、電池(定置用電池も含む)に対して付与された認証に関する認証情報(認証データ)を記憶する。図13に示す認証DB132bは、パックID列、モジュールID列、セルID列、第1認証データ列、第2認証データ列等を含み、電池のID(パックID、モジュールID、セルID)に対応付けて当該電池に対する認証付与結果を記憶する。認証データは、各事業者からの認証申請に基づいて電池に対して付与された認証毎に認証DB132bに記憶される。認証データは、認証データを識別するための識別情報(認証ID)、認証が付与された日時、イベント、この時点での電池に対する評価スコア、電池に対する認証内容等を含む。イベントは、認証付与の申請事由であり、例えばEVメーカが車両を製造した際に車両に搭載した電池に対する認証申請が行われた場合は「新車搭載」が記憶され、整備・中古車事業者に搬入された車両を整備する際に認証申請が行われた場合は「車両整備」が記憶され、車両が中古車として販売される際に認証申請が行われた場合は「中古車搭載」が記憶される。またイベントは、例えば解体事業者で車両から解体された場合に認証申請が行われた場合は「車両から解体」が記憶され、リユース事業者で定置用電池が組み立てられた際に認証申請が行われた場合は「組立」が記憶される。またイベントは、例えばリサイクル事業者に搬入された廃棄対象の電池に対して認証申請が行われた場合は「廃棄」が記憶される。評価スコアは、スコアDB132aに基づいて電池認証サーバ130が電池に対して算出したスコアである。認証内容は、評価スコアに基づいて電池認証サーバ130が電池に付与した認証の結果であり、認証が付与されたか否か、及び付与された認証のレベル及び内容等を含む。認証DB132bに記憶される認証データは、電池パックに対する認証処理が行われた場合は、電池パックに対する認証データを含み、モジュール単位での認証処理が行われた場合はモジュール毎の認証データを含み、セル単位での認証処理が行われた場合はセル毎の認証データを含む。なお、認証DB132bは、車載用電池及び定置用電池に関する認証結果を記憶する構成であるが、車載用電池の認証結果と、定置用電池の認証結果とをそれぞれ別のDBに記憶する構成でもよい。
図14は材料認証DB132cの構成例を示す模式図である。材料認証DB132cは、廃棄対象の電池から抽出されたリサイクル可能な材料(以下ではリサイクル材料という)に対して付与された認証(リサイクル認証)に関する認証情報(認証データ)を記憶する。図14に示す材料認証DB132cは、材料ID列、リサイクル材料列、パックID列、モジュールID列、リサイクル完了日列、リサイクル事業者列、リサイクル方式列、認証日列、認証情報列等を含み、リサイクル材料に割り当てられた識別情報(材料ID)に対応付けて当該材料に対する認証付与結果を記憶する。なお、リサイクル材料は、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン等のレアメタル成分である。パックID及びモジュールIDは、リサイクル前の電池パック及び電池モジュールのIDである。リサイクル方式は、リサイクル材料(レアメタル成分)に応じたリサイクル処理を使用することができる。例えば、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン等の成分比率、最も多い成分等に応じたリサイクル方式を使用することができる。また、電池の種別に応じたリサイクル方式を使用してもよい。認証情報は、電池認証サーバ130がリサイクル材料に付与したリサイクル認証のレベル及び内容等を含む。
図15は保険事業者サーバ140の構成例を示すブロック図である。保険事業者サーバ140は、図6に示す電池管理サーバ110と同様の構成を有するので、構成についての詳細な説明は省略する。なお、保険事業者サーバ140の記憶部142は、制御部141が実行する制御プログラム142Pに加えて、保険DB142a及び契約者DB142bを記憶する。
保険事業者サーバ140は、車載用電池及び定置用電池に対する保険商品を販売する保険事業者のサーバである。保険事業者サーバ140は、例えば電池管理サーバ110、診断サーバ120、又は電池認証サーバ130から、電池に対して契約されている保険商品に関する情報の要求を受け付ける。保険事業者サーバ140は、保険商品に関する情報を要求された場合、当該電池の所有者(保険の契約者)の契約者情報を契約者DB142bから読み出し、この契約者が契約している保険商品の保険情報を保険DB142aから読み出し、要求元のサーバへ提供する。
図16は保険事業者サーバ140が記憶するDB142a~142bの構成例を示す模式図である。図16Aは保険DB142aを、図16Bは契約者DB142bをそれぞれ示す。図16Aに示す保険DB142aは、保険ID列、保険商品名列、補償内容列等を含み、保険商品を識別するための識別情報(保険ID)に対応付けて、保険商品に付けられた商品名と、当該保険商品による補償内容とを記憶する。補償内容は、保険料、補償条件及び補償対象等を含み、補償条件は給付金の支払対象となる条件を示し、補償対象は給付金の支払対象となる補修内容を示す。例えば、契約対象の電池が急激に劣化した場合に(1ヶ月でSOHが20%以上低下した場合等)、不良セルの交換に要した補修費用に対して給付金を支払う、又は、電池パック又は電池モジュールの交換に要した補修費用に対して給付金を支払うといった内容である。このように補償条件は、電池の劣化度合に関する条件であってもよく、電池を使用した車両の走行距離、あるいは電池の使用時間、充電時間及び充電回数等の充電履歴に関する充電データ等、電池の計測データに関する条件であってもよい。
契約者DB142bは、電池に対する保険商品を契約している契約者に関する情報を記憶する。図16Bに示す契約者DB142bは、保険契約ID列、契約者情報列、電池情報列、契約保険ID列、契約日列、契約期間列等を含み、保険契約を識別するための識別情報(保険契約ID)に対応付けて、契約者情報、補償対象の電池の情報、契約している保険商品の保険ID、保険商品の契約日及び契約期間を記憶する。契約者情報は、例えば契約者の氏名、年齢、性別、連絡先の情報等を含む。電池情報は、電池パックのパックID、モジュールID及びセルID等の識別情報、電池の種類、サイズ及び使用条件等の電池に関する情報を含む。また電池情報は、例えば保険契約時点での電池の使用期間(使用時間)、充電時間及び充電回数、SOH、電池が搭載された車両又は定置用電池の情報等を含んでもよい。契約期間は、所定の期間(例えば5年、10年等)であってもよく、補償対象の電池の使用を終了するまでの期間であってもよい。
<電池関連情報の登録処理>
電池に関する電池関連情報を電池管理サーバ110に登録する処理について説明する。ここでの電池関連情報は、電池に関する電池情報、車両に関する車両情報、及び、車載計測機器40によって計測された電池の計測データとする。
電池メーカが電池を製造した場合に、電池に関する電池情報を電池管理サーバ110の電池DB112aに登録する処理について説明する。図17は電池情報の入力画面例を示す模式図である。図17に示す画面は、例えば端末装置20が所定のアプリケーションを実行することによって表示部25に表示される。図17に示す入力画面は、登録対象の電池パックに使用されている電池モジュールの数、各電池モジュールに使用されている電池セルの数、仕様情報、材料情報、電池製造時CO2排出量等の各情報を入力するための入力欄を有する。各入力欄は、各情報が直接入力される構成でもよく、複数の選択肢を表示して任意のものを選択することにより入力される構成でもよい。仕様情報は、電池の種類、サイズ、使用条件、最適な運用方法等の情報を含む。材料情報は、電池の製造に使用された材料の種類及び使用量、リサイクルされた材料が使用されている場合にリサイクル材料の種類及び使用量等の情報を含む。なお、仕様情報及び材料情報の入力欄には、それぞれ仕様情報及び材料情報が入力されてもよく、仕様情報又は材料情報が記載されたファイル(例えばテキストファイル)のファイル名が入力されてもよい。電池製造時CO2排出量は、登録対象の電池パックに対するCO2排出量であってもよく、1つのセルに対するCO2排出量であってもよい。なお、1つのセルに対するCO2排出量には、例えば電池パックに対するCO2排出量を、電池パックに含まれるセルの数で割った値を用いてもよい。端末装置20は、電池情報入力画面を介して各情報が入力されて登録ボタンが操作された場合、入力された電池情報を電池管理サーバ110へ送信して電池DB112aに記憶する。これにより、電池メーカで電池が製造された場合、電池に関する電池情報が電池管理サーバ110に登録される。なお、電池管理サーバ110は、端末装置20から受信した電池情報を電池DB112aに登録する際に、当該電池パックに対して電池IDを発行し、発行した電池ID及び電池情報を電池DB112aに記憶する。本実施形態で使用される電池IDは、パックID、モジュールID及びセルIDを含み、それぞれのIDは、電池パックに割り当てられたID、電池モジュールに割り当てられたID、電池セルに割り当てられたIDである。電池管理サーバ110は、電池ID(パックID、モジュールID、セルID)を発行した場合、発行した電池IDを端末装置20に送信して電池メーカに通知する。なお、電池管理サーバ110は、電池DB112aに記憶した電池情報をノード装置10へ出力し、ノード装置10に対して電池情報のブロックチェーンシステムへの格納を指示してもよい。この場合、ノード装置10は、電池管理サーバ110から取得した電池情報を用いてブロック170を生成し、生成したブロック170が所定の合意規則を満たす場合にブロックチェーンシステムに記憶する。
次に、EVメーカがEVを製造した場合に、EVに関する車両情報を電池管理サーバ110の電池DB112aに登録する処理について説明する。図18は車両情報の入力画面例を示す模式図である。図18に示す画面は、例えば端末装置30が所定のアプリケーションを実行することによって表示部に表示される。図18に示す入力画面は、パックID(車載用電池のパックID)、モジュールID、セルID、年月日、メーカ、車種、年式、管理者(車両の所有者)の氏名及び連絡先情報等の各情報を入力するための入力欄を有する。各入力欄は、各情報が直接入力される構成でもよく、複数の選択肢を表示して任意のものを選択することにより入力される構成でもよい。パックID、モジュールID及びセルIDは、電池メーカが電池情報を電池管理サーバ110に登録した際に電池管理サーバ110によって発行されたIDである。年月日は、電池が車両に搭載された日であってもよく、車両情報が電池DB112aに登録される日であってもよい。端末装置30は、車両情報入力画面を介して各情報が入力されて登録ボタンが操作された場合、入力された車両情報を電池管理サーバ110へ送信して電池DB112aに新車情報として記憶する。これにより、EVメーカでEVが製造された場合(EVに電池が搭載された場合)、EVに関する車両情報が電池管理サーバ110に登録される。なお、電池管理サーバ110は、端末装置30から受信した車両情報を電池DB112aに登録する際に、当該車両に対して車両IDを発行し、発行した車両ID及び車両情報を電池DB112aに記憶する。また、電池管理サーバ110は、電池DB112aに記憶した車両情報をノード装置10へ出力し、ノード装置10によってブロックチェーンシステムに記憶してもよい。上述した車両情報は、EVメーカの担当者が端末装置30を用いて電池DB112aに登録するほかに、EVを購入した購入者(車両管理者)が自身の端末装置を用いて電池DB112aに登録してもよい。例えば、車両管理者は車両の使用開始時に車両情報を電池DB112aに登録し、車両IDの発行を受けてもよい。
上述したように電池メーカ及びEVメーカによって電池情報及び車両情報が電池管理サーバ110に登録された車両は、購入者(車両管理者)によって購入されて使用される。なお、例えばEVメーカは、車両を販売する際に、車両に車載計測機器40を搭載して車両内の電池に接続する。その際、EVメーカは、車両に搭載された電池パックに割り当てられたパックIDを記憶させたICタグを電池パックに取り付ける。これにより、RFIDリーダによってICタグからパックIDを読み取ることができる。なお、ICタグにパックIDに加えてモジュールID及びセルIDが記憶されていてもよい。
次に、車載計測機器40が取得する計測データを電池管理サーバ110の計測DB112cに蓄積する処理について説明する。車載計測機器40は、所定のタイミングで、車両の走行距離と、接続された電池パックの使用時間、充電時間及び充電回数とを計測し、計測データを取得する。図19は車載計測機器40による計測データの蓄積処理手順の一例を示すフローチャートである。図19では左側に車載計測機器40が行う処理を、右側に電池管理サーバ110が行う処理をそれぞれ示す。
車載計測機器40は、定期的に又は所定のタイミングで計測処理を行うように構成されており、制御部41は、計測処理を実行するタイミング(計測タイミング)であるか否かを判断する(S11)。例えば所定時間毎に計測処理を実行する場合、制御部41は、直近の計測処理の実行から所定時間が経過したか否かを判断する。また、例えば1日に1回所定時刻に計測処理を実行する場合、制御部41は、所定時刻が到来したか否かを判断する。計測タイミングでないと判断した場合(S11:NO)、制御部41は、計測タイミングが到来するまで待機する。計測タイミングであると判断した場合(S11:YES)、制御部41は、計測処理を実行し(S12)、直近の計測処理からこの時点までの期間における車両の走行距離、電池の使用時間、充電時間及び充電回数を計測する。制御部41は、計測対象の電池パックのパックIDに対応付けて、取得した計測データを電池管理サーバ110へ送信する(S13)。なお、制御部41は、この時点の日時(計測日時)と、車載計測機器40を特定できる機器情報(例えば機器に割り当てられた機器ID)とを計測データに含めて電池管理サーバ110へ送信する。機器情報は、例えば予め記憶部42に記憶されている。なお、パックIDは、例えば車載計測機器40が車両に搭載された際に、操作部(図示せず)を介して入力されて記憶部42に記憶されてもよく、車載計測機器40がRFIDリーダの機能を有する場合、電池パックに取り付けられたICタグから読み取ってもよい。
電池管理サーバ110の制御部111は、車載計測機器40から計測データを受信した場合、受信した計測データを計測DB112cに記憶する(S14)。ここでは、制御部111は、車載計測機器40から受信したパックIDに対応付けて、計測日時及び機器情報を含む計測データを計測DB112cに記憶する。また制御部111は、計測データをブロックチェーンシステムに記憶させる(S15)。ここでは、制御部111は、パックID及び計測データを対応付けてノード装置10へ出力し、ノード装置10に対して、計測データのブロックチェーンシステムへの格納を指示する。ノード装置10は、電池管理サーバ110から取得したパックID及び計測データを用いてブロック170を生成し、生成したブロック170が所定の合意規則を満たす場合にブロックチェーンシステムに記録する。これにより、車載計測機器40によって計測された計測データがパックID(電池の識別情報)に対応付けてブロックチェーンシステムに記憶される。なお、制御部111は、計測データを計測DB112cに記憶させずにブロックチェーンシステムのみに記憶させる構成でもよく、計測データを計測DB112cに記憶させ、ブロックチェーンシステムには、記憶させた計測データに対応するブロック170にハッシュ値172のみを記憶させる構成でもよい。
車載計測機器40の制御部41は、ステップS13の処理後、ステップS11に戻り、計測タイミングが到来する都度、計測処理及び計測データの送信処理を繰り返す。電池管理サーバ110は、車載計測機器40から計測データを受信する都度、計測データを計測DB112c及びブロックチェーンシステムに記憶する。これにより、車載計測機器40が所定のタイミングで計測した電池の計測データが、電池管理サーバ110及びブロックチェーンシステムに蓄積されるので、電池の状態をトレースすることができる。
<整備事業者での診断処理に基づく認証>
次に、整備事業者が診断機器50を用いて電池パックの診断処理を行い、得られた診断結果(診断データ)に基づいて電池認証団体が電池パックに対して認証を付与する処理について説明する。図20及び図21は整備事業者での診断結果に基づく認証付与手順の一例を示すフローチャート、図22は画面例を示す模式図である。図20では左側に整備事業者の診断機器50が行う処理を、右側に診断サーバ120が行う処理をそれぞれ示し、図21では左側に整備事業者の診断機器50が行う処理を、右側に電池認証サーバ130が行う処理をそれぞれ示す。
車両の整備又は点検を行うために整備事業者に車両が搬入された場合、整備事業者は、車両に搭載されている電池パックに診断機器50を接続し、診断機器50による電池パックの計測処理及び診断処理を実行する。診断機器50は、例えば車両の給電口に挿入することにより電池パックに接続される接続インタフェースを有する。診断機器50の制御部51は、接続された診断対象の電池パック(車載用電池)のパックIDを取得する(S21)。ここでは、制御部51は、RFIDリーダ57によって、電池パックに取り付けられたICタグからパックIDを読み取る。なお、ICタグにはパックIDに加えてモジュールID及びセルIDが記憶されていてもよく、この場合、制御部51は、パックIDに加えて、モジュールID及びセルIDをICタグから読み出す。本実施形態では、電池管理サーバ110の電池DB112aに、パックIDに対応付けて電池情報及び車両情報が登録してあるので、診断機器50はパックIDのみを取得すればよいが、電池情報及び車両情報の各情報が、操作部54を介して診断機器50に入力される構成でもよい。
制御部51は、取得したパックIDを診断サーバ120へ送信し、当該電池パックの診断処理に用いる診断アルゴリズムの提示を要求する(S22)。診断サーバ120の制御部121は、診断機器50から診断アルゴリズムの提示を要求された場合、予め登録してある診断アルゴリズムの中から、当該電池パックの診断に用いるべき診断アルゴリズムを選択する(S23)。例えば制御部121は、診断機器50から受信したパックIDに基づいて、電池管理サーバ110の電池DB112aから当該電池パックに関する電池情報及び車両情報を取得し、電池情報又は車両情報に基づいて、使用すべき診断アルゴリズムを選択する。なお、診断サーバ120において、例えば電池メーカに応じた診断アルゴリズム、EVメーカに応じた診断アルゴリズム、電池パックの仕様又は型番に応じた診断アルゴリズムが予め設定されており、制御部121は、診断対象の電池パック又は電池パックが搭載してある車両に応じて、使用すべき診断アルゴリズムを決定してもよい。
制御部121は、選択した診断アルゴリズムを診断機器50に送信して提示する(S24)。診断機器50の制御部51は、診断部56によって電池の電流値、電圧値、温度、SOCを計測する計測処理を行う(S25)。また、制御部51は、診断部56によって電池の劣化度合(SOH)を推定する診断処理を行う(S26)。ここでは、制御部51は、診断サーバ120から提示された診断アルゴリズムに従った診断処理を行い、電池の劣化度合(SOH)を推定する。なお、診断アルゴリズムは整備事業者等によって指定されてもよく、この場合、診断機器50は、操作部54を介して診断アルゴリズムの指定を受け付け、指定された診断アルゴリズムに従った診断処理を行う。また、診断部56は、電池パックから分解された電池モジュール又は電池セルが接続された場合、モジュール単位又はセル単位で計測処理及び診断処理を行う。
制御部51は、診断対象の電池のパックIDに対応付けて、診断処理の結果(電流値、電圧値、温度、SOCを含む計測データ、及びSOH)と、診断処理に用いた診断アルゴリズムを示す情報とを含む診断データを診断サーバ120へ送信する(S27)。なお、制御部51は、この時点の日時(診断日時)、イベント(診断処理の実行事由)、診断機器50を特定できる機器情報(例えば機器に割り当てられた機器ID)等を診断データに含めて診断サーバ120へ送信してもよい。イベントは、例えば整備事業者によって操作部54を介して入力され、ここでは「車両整備」とされる。機器情報は、例えば予め記憶部52に記憶されている。
診断サーバ120の制御部121は、診断機器50が送信した診断データを取得し、取得した診断データ(電池の電流値、電圧値、温度、SOC、SOH)に基づいて、電池に対して補修処理の要否を判断し、補修処理の可否を判断する(S28)。そして、制御部121は、診断機器50から受信した診断データに、ステップS28での判断結果(補修処理の要否及び可否)を加えて診断DB122aに記憶する(S29)。ここでは、制御部121は、診断機器50から受信したパックIDに対応付けて、診断日時、イベント、機器情報、計測データ及びSOH、SOHの診断に使用した診断アルゴリズムの情報、補修処理の可否、診断事業者(診断機関)に関する情報を含む診断データを診断DB122aに記憶する。なお、制御部121は、診断IDを発行し、診断IDを診断データに付与して診断DB122aに記憶する。
制御部121は、上述した診断データをブロックチェーンシステムに記憶させる(S30)。ここでは、制御部121は、パックID及び診断データを対応付けてノード装置10へ出力して、診断データのブロックチェーンシステムへの格納を指示し、ノード装置10によってブロックチェーンシステムに記録される。これにより、診断機器50が診断対象の電池パックに接続された場合に計測した電池の計測データと、計測データに基づいて診断された電池の劣化度合とを含む診断データが、診断サーバ120及びブロックチェーンシステムに記録される。よって、このような診断データに基づいて、電池の状態をトレースすることができる。なお、制御部121は、診断データを診断DB122aに記憶させずにブロックチェーンシステムのみに記憶させる構成でもよく、診断データを診断DB122aに記憶させ、ブロックチェーンシステムには、記憶させた診断データに対応するブロック170にハッシュ値172のみを記憶させる構成でもよい。計測データに基づく診断処理は、診断機器50が行う構成のほかに、診断サーバ120が行ってもよい。この場合、診断サーバ120は、診断機器50から計測データを取得し、取得した計測データに基づいて、ステップS23で選択した診断アルゴリズムに基づく診断処理を行い、電池の診断データを取得する。なお、診断機器50がモジュール単位又はセル単位で計測処理及び診断処理を行った場合、制御部121は、モジュール毎又はセル毎の計測データ及び診断データに基づいて、電池パック全体の劣化度合を判断してもよい。例えば制御部121は、各セルのSOHの値と、SOHのばらつきとに基づいて、電池パックに対する劣化度合を算出してもよい。なお、劣化度合は、例えば電池に対するSOH、又は電池の残存寿命(何年後に寿命になるか)で示される。制御部121は、例えば各セルのSOHのうちの最小値を電池に対するSOHとしてもよく、各セルのSOHの平均値を電池に対するSOHとしてもよい。また診断サーバ120は、診断対象の電池に対する過去の計測データ(例えば車載計測機器40による計測データ)も考慮して電池パックに対する劣化度合を診断してもよい。この場合、制御部121は、電池管理サーバ110又はブロックチェーンシステムから、診断対象の電池パックの計測データを取得すればよい。
診断サーバ120の制御部121は、診断結果を表示する診断結果画面を生成して診断機器50へ送信する(S31)。図22Aは診断結果画面例を示す。図22Aに示す診断結果画面は、診断対象の電池パックのパックID、モジュールID及びセルIDと、診断結果として、診断日時、診断処理に用いた診断アルゴリズム、電池の劣化度合(例えばSOH)、診断事業者の情報、補修処理が必要な不良セルの情報とを表示する。なお、制御部121は、例えば診断結果から、当該電池パックの取引価格を算定し、診断結果画面に取引価格を表示させてもよい。例えば、電池パックの劣化度合と取引価格との関係を定めた算定式を予め登録しておくことにより、劣化度合を診断した電池パックの取引価格を算定できる。
診断機器50の制御部51は、診断サーバ120が送信した診断結果画面を受信して表示部55に表示する(S32)。診断結果画面は、表示された診断結果に基づいて、診断対象の電池パックに対して電池認証団体による認証の付与を申請するための認証申請ボタンを有する。電池認証団体による認証は、診断対象の電池パックに対して、劣化度合(例えばSOH)が所定値以上であること、劣化度合を推定した診断処理が、予め認定された正規の診断事業者によって予め認定された正規の診断アルゴリズムに従った診断処理であること、また、診断処理に用いた電池の計測データが予め認定された計測機器によって計測されたデータであること等を証明するものである。このような認証の付与を受けることにより、電池管理事業者によって運営される電池販売用のマーケットプレースにおいて、電池パックの価値に対する信頼性が担保されるので、電池の利用価値及び電池が搭載されている車両の価値を高めることができる。
整備事業者は、診断結果画面に表示された診断結果を確認し、電池認証団体による認証の付与を受けたい場合、認証申請ボタンを操作する。診断機器50の制御部51は、表示中の診断結果画面において認証申請ボタンが操作されたか否かを判断しており(S33)、認証申請ボタンが操作されなかった場合(S33:NO)、一連の処理を終了する。認証申請ボタンが操作されたと判断した場合(S33:YES)、制御部51は、例えば当該電池パック(認証対象の電池パック)のパックIDを電池認証サーバ130へ送信し、当該電池パックに対する認証申請を送信する(S34)。
電池認証サーバ130の制御部131(受付部)は、診断機器50から電池パック(車載用電池)に対する認証申請を受け付けており、認証申請を受け付けた場合、認証対象の電池パックに対して過去に計測された計測データを取得する(S35)。例えば制御部131は、電池管理サーバ110の計測DB112c又はブロックチェーンシステムに記憶してある計測データを取得する。また制御部131(取得部)は、認証対象の電池パックに対して診断された診断データ(診断情報)を取得する(S36)。例えば制御部131は、診断サーバ120の診断DB122a又はブロックチェーンシステムに記憶してある診断データを取得する。
制御部131(特定部)は、取得した計測データ及び診断データに基づいて、認証対象の電池パックに対する評価スコアを算出(特定)する(S37)。ここでは、制御部131は、スコアDB132aの記憶内容に従って、認証対象の電池パックに対する評価スコア(評価レベル)を算出する。具体的には、制御部131は、スコアDB132aに登録された判定内容のうちで、電池パックの計測データ及び診断データに合致するものを抽出し、抽出した判定内容に対応するスコアを加算することにより、当該電池パックの評価スコアを算出する。例えば、電池パックの計測データを計測した計測機器(例えば車載計測機器40)が予め認定された機器である場合、評価スコアに10ポイントを加算する。また、電池パックを診断した診断機器(例えば診断機器50)が予め認定された機器である場合、評価スコアに10ポイントを加算する。また、電池パックの診断(例えばSOHの推定)に用いた診断アルゴリズムが予め認定されたアルゴリズムである場合、評価スコアに10ポイントを加算する。更に、電池パックの診断を行った診断事業者(診断機関)が予め認定された事業者(機関)である場合、評価スコアに10ポイントを加算する。また、診断結果(例えばSOH)、車両の走行距離、電池パックの使用時間、充電時間及び充電回数(例えば新車登録から現在までの期間における各情報)が、スコアDB132aに登録された判定内容に合致する場合、それぞれに応じたスコアを評価スコアに加算する。このように、スコアDB132aを参照して、認証対象の電池パックの計測データ及び診断データ(診断情報)に応じた評価スコアを算出することにより、電池パックに行われた計測処理及び診断処理の内容に応じた評価スコアが算出される。なお、評価スコアは、上述したような所定ポイントの加算に加えて、例えば電池パックを診断した診断機器が予め認定された機器ではない場合に-100ポイントの加算(100ポイントの減算)、又は0の乗算を行うことにより算出される構成でもよい。このような構成によれば、所定の条件(判定内容)に合致した場合に、認証を付与すべきでないと判断される評価スコアとすることができ、当該電池パックに認証が付与されることを回避できる。例えば劣化度合は良好(SOHが高い)である場合であっても、当該SOHを診断した診断機器が所定の認定を受けていない機器である場合には当該SOHの信頼性は低い。このような場合、電池に対して認証を付与することは好ましくないので、評価スコアが、認証が付与されない程度の値となるように算出するように構成されていてもよい。これにより、電池に対する診断結果(劣化度合)だけでなく、診断処理に用いた機器及び方法等が信頼性の高いものであるか否かに応じた評価を行い、この評価に応じて認証を付与するか否かを決定することができる。
なお、電池パックに対する評価スコアは、機械学習によって生成された学習済みモデルを用いて算出されてもよい。例えば、決定木、ランダムフォレスト、SVM(Support Vector Machine)で構成され、電池パックの計測データ及び診断データが入力された場合に、当該電池パックに対する評価スコアを出力するように学習された学習モデルを用いることができる。この場合、制御部131は、ステップS35で取得した計測データ及びステップS36で取得した診断データを学習済みモデルに入力し、学習済みモデルからの出力値に基づいて評価スコアを特定できる。
制御部131は、電池パックに対して算出した評価スコアに基づいて、当該電池パックに認証を付与するか否かを判断する(S38)。例えば制御部131は、評価スコアが所定値以上である場合、認証を付与すると判断し、所定値未満である場合、認証を付与しないと判断する。これにより、電池認証サーバ130の制御部131(決定部)は、電池パックに対して算出した評価スコアに応じて認証を付与するか否かを決定できる。また、制御部131は、電池パックに認証を付与する際に、評価スコアに応じて異なるレベルの認証を付与してもよい。例えば、評価スコアの満点が100点の場合に、評価スコアが90点以上の電池パックに対してレベル3(高評価)の認証を付与し、80点以上90点未満の電池パックに対してレベル2(中評価)の認証を付与し、70点以上80点未満の電池パックに対してレベル1(低評価)の認証を付与し、70点未満の電池パックに対して認証を付与しない構成としてもよい。また、診断処理の内容に応じて異なるレベルの認証が付与されてもよい。例えば、電池の劣化度合(SOH、残存寿命)が所定値以上であるが、劣化度合を診断した診断機器50が所定の認定を受けていない機器である場合にレベル1(低評価)の認定を付与し、電池の劣化度合が所定値以上であり、劣化度合を診断した診断機器50が所定の認定を受けた機器である場合にレベル2(中評価)の認定を付与し、劣化度合を診断した診断機器50が所定の認定を受けた機器であり、更に複数の診断方法による診断結果を総合的に評価した結果、電池の劣化度合が所定値以上である場合にレベル3(高評価)の認定を付与する構成としてもよい。このような場合、電池の劣化度合だけでなく、劣化度合の診断に用いた診断機器及び診断方法(診断アルゴリズム)が所定の認定を受けたものであるか否かに応じて認証を付与するか否かの判断、又は認証レベルの切替を行うことができる。なお、本実施形態では、電池パック単位で認証が付与される構成とするが、電池モジュール単位で認証が付与されてもよく、電池セル単位で認証が付与されてもよい。
制御部131は、認証を付与しないと判断した場合(S38:NO)、一連の処理を終了する。なお、制御部131は、認証が付与されなかったことを示すメッセージを診断機器50に送信し、診断機器50を介して診断事業者に通知してもよい。
認証を付与すると判断した場合(S38:YES)、制御部131(付与部)は、当該電池パックに対して認証を付与する(S39)。ここでは、制御部131は、認証IDを発行し、この時点の日時(認証日時)、イベント、ステップS37で算出した評価スコア、認証内容等を含む認証データを生成する。そして制御部131は、生成した認証データを、認証対象の電池パックのパックIDに対応付けて認証DB132bに記憶する(S40)。イベントは認証の申請事由であり、例えば電池が新車に搭載された際に認証申請が行われた場合は「新車搭載」とされ、車両の整備又は点検の際に認証申請が行われた場合は「車両整備」とされる。また、車両が中古車として販売される際に認証申請が行われた場合は「中古車搭載」とされ、車両から電池が解体された際に認証申請が行われた場合は「車両から解体」とされる。なお、イベントは、例えば診断機器50を用いて整備事業者によって入力された情報でもよく、認証申請の要求元の機器に応じて予め設定されている情報でもよい。
制御部131は、上述した認証データをブロックチェーンシステムに記憶させる(S41)。ここでは、制御部131は、パックID及び認証データを対応付けてノード装置10へ出力して、認証データのブロックチェーンシステムへの格納を指示し、ノード装置10によってブロックチェーンシステムに記録される。これにより、電池認証サーバ130によって電池パックに対して認証が付与された場合に、認証に関する情報(認証データ)が電池認証サーバ130及びブロックチェーンシステムに記録されて管理される。ここでも、制御部131は、認証データを認証DB132bに記憶させずにブロックチェーンシステムのみに記憶させる構成でもよく、認証データを認証DB132bに記憶させ、ブロックチェーンシステムには、記憶させた認証データに対応するブロック170にハッシュ値172のみを記憶させる構成でもよい。
電池認証サーバ130の制御部131は、電池パックに対する認証結果を表示する認証結果画面を生成して診断機器50へ送信する(S42)。図22Bは認証結果画面例を示す。図22Bに示す認証結果画面は、認証が付与された電池パックのパックID、モジュールID及びセルIDと、認証結果として、認証日、認証を付与した電池認証機関の情報及び認証レベルとを表示する。診断機器50の制御部51は、電池認証サーバ130が送信した認証結果画面を受信して表示部55に表示する(S43)。これにより、電池認証サーバ130(電池認証団体)によって電池パックに対して付与された認証の内容が整備事業者に提供される。
整備事業者は、診断サーバ120から提供された診断結果画面と、電池認証サーバ130から提供された認証結果画面とを車両管理者に提供することができ、車両に搭載されている電池の劣化度合と、当該電池に付与された認証内容とを車両管理者に提供できる。よって、車両管理者は、整備事業者に車両の整備を依頼することにより、自身の車両に搭載されている電池の劣化度合及び認証内容を把握することができる。上述した処理により、車両に対して整備事業者による整備が行われる場合に、診断機器50及び診断サーバ120による診断処理が行われ、診断結果に応じて電池認証サーバ130(電池認証団体)によって認証が付与される。また、診断処理の結果(診断データ)及び認証結果(認証データ)は、診断サーバ120又は電池認証サーバ130、及びブロックチェーンシステムに蓄積される。よって、蓄積された診断データ及び認証データを以降の診断処理及び認証付与処理に利用できると共に、電池の状態をトレースすることができる。
上述した処理において、例えば電池認証サーバ130が実行する認証付与処理は、ブロックチェーンシステムにおけるスマートコントラクトによって実現することができる。例えば電池の診断データの登録を条件として診断データに基づく認証の付与処理が行われるプログラムをノード装置10に定義しておき、ノード装置10がプログラムを実行することにより、電池の診断処理が行われると自動的に認証付与処理が実行され、診断結果に応じて認証が付与されるように構成することができる。
<車両管理者からの認証申請による認証>
本実施形態の情報処理システムにおいて、電池に対する電池認証サーバ130による認証は、車両管理者からの依頼(認証申請)によっても実行可能である。例えば車両管理者は、自身の車両の売却を検討している場合、あるいは自身の車両に搭載されている電池の劣化度合又は認証状況を把握したい場合、電池認証サーバ130に対して認証付与を申請する。なお、電池認証サーバ130によって認証が付与された場合、車両の価値及び売却価格の向上が期待できる。車両管理者は、自身の端末装置を用いて電池認証サーバ130に対して認証申請を送信することにより、認証付与を依頼できる。車両管理者が自身の端末装置を用いて認証申請を行う場合、端末装置及び電池認証サーバ130は、図21中のステップS34~S43と同様の処理が可能である。なお、図21において、診断機器50が行う処理は車両管理者の端末装置が実行する。
車両管理者は、自身の端末装置に対して、認証申請対象の電池パックのパックIDを入力する。例えば車両管理者は、端末装置の操作部を介してパックIDを入力してもよく、端末装置がRFIDリーダの機能を有する場合、RFIDリーダによって、電池パックに取り付けられたICタグからパックIDを読み取ってもよい。車両管理者の端末装置は、電池パックのパックIDを電池認証サーバ130へ送信し、当該電池パックに対する認証申請を送信する(S34)。
電池認証サーバ130の制御部131は、図21中のステップS35~S42の処理を行う。なお、当該電池パックが搭載された車両に対して整備事業者による整備が行われていない場合、当該電池パックに対する診断データが診断サーバ120の診断DB122aに記憶されていない。よって、この場合、制御部131は、ステップS35で取得した計測データのみに基づいて電池パックに対する評価スコアを算出する。例えば、計測データを計測した計測機器が予め認定された機器であるか否か、車両の走行距離、電池パックの使用時間(放電時間)、充電時間及び充電回数等に応じた評価スコアを算出する。なお、当該車両に対して整備事業者による整備が行われている場合は、当該電池パックに対する計測データに加えて診断データに基づいて評価スコアが算出できるので、より正確な評価スコアが得られる。
そして、電池認証サーバ130の制御部131は、電池パックに対する認証結果を表示する認証結果画面を生成して、車両管理者の端末装置へ送信し(S42)、車両管理者の端末装置は、電池認証サーバ130が送信した認証結果画面を受信して表示部に表示する(S43)。これにより、車両管理者が電池パックに対する認証申請を行った場合であっても、電池認証サーバ130(電池認証団体)によって電池パックに対して認証が付与され、付与された認証の内容が車両管理者に提供される。よって、車両管理者は、正規のディーラー等に依頼しなくても、自身の車両に搭載されている電池パックの劣化度合及び認証内容を簡単に把握することができる。また、上述した処理においても、電池認証サーバ130(電池認証団体)による認証付与が行われた場合に、認証結果(認証データ)が電池認証サーバ130及びブロックチェーンシステムに蓄積される。
<中古車事業者での診断処理に基づく認証>
次に、中古車事業者が診断機器50を用いて電池の診断処理を行い、得られた診断結果に基づいて電池認証団体が電池に対して認証を付与する処理について説明する。中古車事業者は、例えば売却された車両を中古車として販売する際に、車両(中古車)に搭載されている電池に診断機器50を接続し、診断機器50による電池の計測処理及び診断処理を実行する。中古車事業者での診断処理及び診断結果に基づく認証付与処理は、図20及び図21と同様であるので説明を省略する。なお、図20及び図21における診断機器50は中古車事業者の診断機器となる。
図20及び図21に示す処理によって、中古車事業者は、診断サーバ120から提供された診断結果と、電池認証サーバ130から提供された認証結果とを取得することができる。よって、中古車事業者は、任意のタイミングで、車両に搭載されている電池の劣化度合及び認証内容を把握することができる。即ち、中古車事業者においても、診断機器50及び診断サーバ120による診断処理が行われ、診断結果に応じて電池認証サーバ130(電池認証団体)によって電池に対して認証が付与され、付与された認証の内容が提供される。よって、中古車事業者は、例えば中古車販売用のマーケットプレースに車両を登録する際に、車両に関する情報及び電池の計測データと共に、電池認証サーバ130による認証結果を示す認証情報を登録することにより、車両及び車両に搭載されている電池の価値をアピールできる。また、車両に設定された販売価格が適正な価格であることを認証情報によって説明することができるので、中古車の価値を向上させることが可能となる。
また、中古車事業者での診断処理及び認証付与処理においても、診断処理の結果(診断データ)及び認証結果(認証データ)が、診断サーバ120又は電池認証サーバ130、及びブロックチェーンシステムに蓄積される。よって、蓄積された診断データ及び認証データを以降の診断処理及び認証付与処理に利用できると共に、電池の状態をトレースすることができる。なお、車両は中古車として販売された後も、車両に搭載されている車載計測機器40による電池の計測処理及び計測データの電池管理サーバ110(計測DB112c)への蓄積処理は継続される。よって、車載計測機器40によって計測された計測データは、電池管理サーバ110の計測DB112cに逐次蓄積され、以降の診断処理及び認証付与処理に利用できる。
上述した処理においても、電池認証サーバ130が実行する認証付与処理は、ブロックチェーンシステムにおけるスマートコントラクトによって実現することができる。この場合にも、電池の診断データの登録を条件として診断データに基づく認証の付与処理が行われるプログラムをノード装置10に定義しておくことにより、中古車事業者において電池の診断処理が行われた場合に自動的に認証付与処理が実行され、診断結果に応じて認証が付与されるように構成することができる。
<解体事業者での診断処理に基づく認証>
次に、解体事業者が診断機器60を用いて電池の診断処理を行い、得られた診断結果に基づいて電池認証団体が電池に対して認証を付与する処理について説明する。解体事業者は、例えば廃車対象の車両が搬入された場合に、車両に搭載されている電池に診断機器60を接続し、診断機器60による電池の計測処理及び診断処理を実行する。なお、解体事業者は、廃車対象の車両から電池を解体した後に、解体した電池に診断機器60を接続して、電池の計測処理及び診断処理を実行してもよい。解体事業者での診断処理及び診断結果に基づく認証付与処理は、図20及び図21と同様であるので説明を省略する。なお、図20及び図21における診断機器50は解体事業者の診断機器60となる。
図20及び図21に示す処理によって、解体事業者においても、診断サーバ120から診断結果が提供され、電池認証サーバ130から認証結果が提供される。よって、解体事業者は、任意のタイミングで、車両から取り外される電池の劣化度合及び認証内容を把握することができる。即ち、解体事業者においても、診断機器60及び診断サーバ120による診断処理が行われ、診断結果に応じて電池認証サーバ130(電池認証団体)によって電池に対して認証が付与され、付与された認証の内容が提供される。解体事業者は、車両から解体した電池を、例えば電池販売用のマーケットプレースに登録する際に、電池に関する情報及び電池の使用履歴(搭載されていた車両の情報等)と共に、電池認証サーバ130による認証結果を示す認証情報を登録することにより、販売対象の電池の価値をアピールできる。また、電池に設定された販売価格が適正な価格であることを認証情報によって説明することができるので、車両から解体された中古電池の価値を向上させることが可能となる。
また、解体事業者での診断処理及び認証付与処理においても、診断処理の結果(診断データ)及び認証結果(認証データ)が、診断サーバ120又は電池認証サーバ130、及びブロックチェーンシステムに蓄積される。なお、解体事業者は、車両から電池を解体した場合に、診断機器60又は端末装置を用いて、解体した年月日を電池管理サーバ110の電池DB112aに登録しておく。具体的には、解体事業者は、診断機器60又は端末装置を用いて、解体した電池のパックIDと解体した年月日とを電池管理サーバ110へ送信し、パックIDに対応付けて解体年月日を電池DB112aに記憶させる。これにより、電池管理サーバ110では、車両に搭載されていた電池が車両から取り外されたことを管理できる。
上述した処理においても、電池認証サーバ130が実行する認証付与処理は、ブロックチェーンシステムにおけるスマートコントラクトによって実現することができる。この場合にも、解体事業者において電池の診断処理が行われた場合に自動的に認証付与処理が実行され、診断結果に応じて認証が付与されるように構成することができる。
<リユース事業者での診断処理>
次に、リユース事業者で行われる処理について説明する。リユース事業者は、例えば電池販売用のマーケットプレースから電池(中古電池)を購入し、購入した電池に診断機器70を接続し、診断機器70による電池の診断処理を実行する。リユース事業者は、得られた診断結果に基づいて、モジュール単位又はセル単位での交換又は修理、良品のモジュールをまとめて電池パックを組み上げるリパック、良品のセルをまとめて電池モジュールを組み上げる再モジュール化、良品のモジュールを他の電池パックに組み込むリユース、良品のセルを他の電池モジュールに組み込むリユース等の補修処理(車載用電池のリユース)を行う。また、リユース事業者は、車載用電池として利用可能でない電池パック又は電池モジュールを組み替えて定置用電池を構築する定置用電池へのリユース処理を行う。なお、リユース事業者は、補修処理後の車載用電池又は構築した定置用電池に対して診断機器70による診断処理を再度行い、診断結果に基づく電池認証団体による認証付与を申請する。
リユース事業者での診断処理は、図20中のステップS21~S32と同様である。なお、図20における診断機器50はリユース事業者の診断機器70となる。これにより、リユース事業者には、診断サーバ120から診断結果が提供されるので、リユースされる電池パックの劣化度合を把握することができる。リユース事業者は、診断結果に基づいて電池パックの劣化状態を確認し、当該電池パックが車載用電池としての利用が可能でない場合、モジュール単位に分解してモジュール単位で診断処理を行い、各電池モジュールが車載用電池としての利用が可能であるか否かを判断する。なお、電池モジュールが車載用電池としての利用が可能でない場合、更にセル単位に分解してセル単位で診断処理を行い、各電池セルが車載用電池としての利用が可能であるか否かを判断する。リユース事業者は、診断結果に基づいてパック単位、モジュール単位又はセル単位での劣化状態を確認し、車載用電池としての利用が可能であるパック、モジュール及びセルは、車載用電池としてリユースする。例えば車載用電池として利用可能なモジュールをリパックして新たな電池パックを生成し、車載用電池として利用可能なセルを再モジュール化して電池モジュールを生成し、車載用電池として利用可能なモジュール又はセルを他の電池パック又は電池モジュールに組み込むリユース処理を行う。また、リユース事業者は、車載用電池として利用可能ではないが、定置用電池として利用可能であるパック、モジュール及びセルを用いて定置用電池を組み立て、定置用電池としてリユースする。このとき、リユース事業者は、組み立てた定置用電池(電池パック)にBMS80を接続させて定置用電池(ESS)を生成する。なお、車載用電池として利用可能とする条件として、例えばSOH70%以上が設定してある場合、リユース事業者は、電池パック、電池モジュール又は電池セルのSOHが70%以上であるか否かに応じて、車載用電池として利用可能であるか否かを判断する。また、定置用電池として利用可能とする条件として、例えばSOH30%以上が設定してある場合、リユース事業者は、電池パック、電池モジュール又は電池セルのSOHが30%以上70%未満であるか否かに応じて、定置用電池として利用可能であるか否かを判断する。
リユース事業者は、新しい車載用電池を生成した場合、新しい車載用電池に関する電池情報を電池管理サーバ110の電池DB112aに登録する。また、リユース事業者は、定置用電池を生成した場合、定置用電池に関する電池情報を電池管理サーバ110の定置用電池DB112bに登録する。図23は電池情報の入力画面例を示す模式図である。図23に示す画面は、診断機器70が所定のアプリケーションを実行することによって表示部に表示されてもよく、リユース事業者の端末装置が所定のアプリケーションを実行することによって端末装置の表示部に表示されてもよい。図23に示す入力画面は、新しい車載用電池の電池パック又は定置用電池の電池パックが生成された場合に、電池パックの情報を入力するための画面である。図23に示す入力画面は、登録対象の電池パックが新しい車載用電池であるか、定置用電池であるかを選択するためのチェックボックスを有する。また、図23に示す入力画面は、車載用電池の情報として、新しい車載用電池にリパックされた電池モジュールのモジュールID、各電池モジュールの電池セルのセルID、リパックされた年月日、電池セル等に行った補修処理に関する情報等の各情報を入力するための入力欄を有する。また、図23に示す入力画面は、定置用電池の情報として、定置用電池の電池パックに使用された電池モジュールのモジュールID、各電池モジュールの電池セルのセルID、定置用電池の組立年月日、定置用電池に関する情報(ESS情報)、電池セル等に行った補修処理に関する情報等の各情報を入力するための入力欄を有する。各入力欄は、各情報が直接入力される構成でもよく、複数の選択肢を表示して任意のものを選択することにより入力される構成でもよい。ESS情報は、定置用電池の種類、サイズ、使用条件、最適な運用方法等の情報を含む。またESS情報は、電池製造時に使用された材料及びリサイクル材料の種類及び使用量等の材料に関する情報を含んでもよい。補修情報は、リユース事業者で補修処理が行われた電池モジュール又は電池セルのID及び補修処理の内容等を含む。
診断機器70は、電池情報入力画面において車載用電池へのリユースが選択されて、車載用電池の各情報が入力されて登録ボタンが操作された場合、入力された電池情報を電池管理サーバ110へ送信して電池DB112aに記憶する。また診断機器70は、定置用電池へのリユースが選択されて、定置用電池の各情報が入力されて登録ボタンが操作された場合、入力された電池情報を電池管理サーバ110へ送信して定置用電池DB112bに記憶する。これにより、リユース事業者で新しい車載用電池又は定置用電池が構築された場合に、新しい車載用電池又は定置用電池に関する電池情報が電池管理サーバ110に登録される。なお、電池管理サーバ110は、診断機器70から受信した新しい車載用電池又は定置用電池の電池情報を電池DB112a又は定置用電池DB112bに登録する際に、当該電池パックに対して新しいパックIDを発行し、発行したパックIDに電池情報を対応付けて電池DB112a又は定置用電池DB112bに記憶する。なお、定置用電池に割り当てられるパックIDは、定置用電池が構成された際に発行されるが、定置用電池に組み込まれる前の車載用電池におけるパックIDを用いてもよい。定置用電池におけるモジュールID及びセルIDは、定置用電池に組み込まれる前の車載用電池におけるIDをそのまま使用する。これにより、車載用電池として使用されていた電池パックにおける各電池モジュール及び各電池セルと、リユースされた定置用電池における各電池モジュール及び各電池セルとを対応付けることができる。よって、定置用電池における各電池モジュール及び各電池セルが、どの車載用電池からリユースされたものであるかを容易に把握できる。なお、電池パックのパックIDと、この電池パックに組み込まれている電池モジュールのモジュールIDとを、当該電池モジュールがこの電池パックに組み込まれていた期間の情報に対応付けて登録し、電池モジュールのモジュールIDと、この電池モジュールに組み込まれている電池セルのセルIDとを、当該電池セルがこの電池モジュールに組み込まれていた期間の情報に対応付けて登録しておいてもよく。この場合、各電池パック、各電池パックの電池モジュール、各電池モジュールの電池セルの対応関係を管理できる。
電池管理サーバ110は、新しい車載用電池及び定置用電池のパックIDを発行した場合、発行したパックIDを診断機器70に送信してリユース事業者に通知してもよい。また電池管理サーバ110は、電池DB112a又は定置用電池DB112bに記憶した電池情報をノード装置10へ出力し、ノード装置10によってブロックチェーンシステムに記憶してもよい。
リユース事業者は、新たな車載用電池又は定置用電池を生成した後、生成した車載用電池又は定置用電池に診断機器70を接続し、診断機器70による計測処理及び診断処理を実行する。ここでの診断処理及び診断結果に基づく認証付与処理は、図20及び図21と同様であり、図20及び図21における診断機器50はリユース事業者の診断機器70となる。
図20及び図21に示す処理によって、リユース事業者には、新たな車載用電池又は定置用電池に対する診断結果が診断サーバ120から提供され、新たな車載用電池又は定置用電池に対する認証結果が電池認証サーバ130から提供される。よって、リユース事業者は、生成した車載用電池又は定置用電池に対して、劣化度合及び認証内容を把握することができる。即ち、新たな車載用電池又は定置用電池に対して診断機器70及び診断サーバ120による診断処理が行われ、診断結果に応じて電池認証サーバ130(電池認証団体)によって新たな車載用電池又は定置用電池に対して認証が付与され、付与された認証の内容がリユース事業者に提供される。リユース事業者は、新たな車載用電池又は定置用電池を、例えば電池販売用のマーケットプレースに登録する際に、電池に関する情報及び使用履歴(搭載されていた車両の情報等)と共に、電池認証サーバ130による認証結果を示す認証情報を登録することにより、販売対象の電池の価値をアピールできる。また、電池に設定された販売価格が適正な価格であることを認証情報によって説明することができるので、リパックによって生成された車載用電池及び車載用電池から生成された定置用電池の価値を向上させることが可能となる。
また、リユース事業者での診断処理及び認証付与処理においても、診断処理の結果(診断データ)及び認証結果(認証データ)が、診断サーバ120又は電池認証サーバ130、及びブロックチェーンシステムに蓄積される。よって、セルの修理、再モジュール化、リパック等によるリユース処理によって生成される車載用電池及び定置用電池についても、診断データ及び認証データの閲覧及び提供が可能となる。
<BMS80による診断結果の蓄積処理>
BMS80が取得する電池の計測データ及び計測データに基づく診断データを診断サーバ120の診断DB122aに蓄積する処理について説明する。定置用電池にはBMS80が接続されており、BMS80は、適宜のタイミングで、接続された電池の電流値、電圧値、温度、SOCを計測し、得られた計測データに基づいて電池のSOHを推定する。このように得られた計測データ及び診断データ(SOH)は、診断サーバ120の診断DB122a及びブロックチェーンシステムに蓄積される。
図24はBMS80による計測データ及び診断データの蓄積処理手順の一例を示すフローチャートである。図24では左側にBMS80が行う処理を、右側に診断サーバ120が行う処理をそれぞれ示す。BMS80は、定期的に又は所定のタイミングで診断処理を行うように構成されており、制御部81は、診断処理を実行するタイミング(診断タイミング)であるか否かを判断する(S51)。例えば所定時間毎に計測処理を実行する場合、制御部81は、直近の診断処理の実行から所定時間が経過したか否かを判断する。また、例えば1日に1回所定時刻に診断処理を実行する場合、制御部81は、所定時刻が到来したか否かを判断する。診断タイミングでないと判断した場合(S51:NO)、制御部81は、診断タイミングが到来するまで待機する。
診断タイミングであると判断した場合(S51:YES)、BMS80の制御部81及び診断サーバ120の制御部121は、図20中のステップS25~S30と同様の処理を行う。具体的には、BMS80の制御部81は、診断部84によって電池の電流値、電圧値、温度、SOCを計測する計測処理を行い(S52)、電池の劣化度合(SOH)を推定する診断処理を行う(S53)。なお、診断処理に用いる診断アルゴリズムは、BMS80が予め診断サーバ120から提示された診断アルゴリズムであってもよく、定置用電池管理者によって指定された診断アルゴリズムであってもよい。
制御部81は、診断対象の電池のパックID(ここでは、定置用電池のパックID)に対応付けて、診断処理の結果(電池の電流値、電圧値、温度、SOCを含む計測データ、及び電池のSOH)と、診断処理に用いた診断アルゴリズムとを含む診断データを診断サーバ120へ送信する(S54)。なお、制御部81は、この時点の日時(診断日時)、イベント(診断処理の実行事由)、BMS80を特定できる機器情報(例えば機器に割り当てられた機器ID)等を診断データに含めて診断サーバ120へ送信する。イベントは、定置用電池管理者によって予め操作部(図示せず)を介して入力されており、ここでは「定置用電池の定期診断」とされる。
診断サーバ120の制御部121は、BMS80が送信した診断データを取得し、取得した診断データ(電池の電流値、電圧値、温度、SOC、SOH)に基づいて、電池に対して補修処理の要否を判断し、補修処理の可否を判断する(S55)。そして、制御部121は、BMS80から受信した診断データに、ステップS55での判断結果(補修処理の要否及び可否)を加えて診断DB122aに記憶し(S56)、上述した診断データをブロックチェーンシステムに記憶させる(S57)。ここでも、制御部121は、診断データを診断DB122aに記憶させずにブロックチェーンシステムのみに記憶させる構成でもよく、診断データを診断DB122aに記憶させ、ブロックチェーンシステムには、記憶させた診断データに対応するブロック170にハッシュ値172のみを記憶させる構成でもよい。BMS80の制御部81は、ステップS54の処理後、ステップS51に戻り、診断タイミングが到来する都度、計測処理及び診断処理を実行し、得られた診断データを診断サーバ120に送信する処理を繰り返す。診断サーバ120は、BMS80から診断データを受信する都度、補修処理の要否及び可否を判断し、判断結果及び診断データを診断DB122a及びブロックチェーンシステムに記憶する。これにより、BMS80が適宜のタイミングで計測した定置用電池の計測データ及び補修処理の可否の情報が、診断サーバ120及びブロックチェーンシステムに蓄積される。よって、定置用電池についても電池の状態をトレースすることができる。なお、BMS80による診断処理は、適宜のタイミングで実行され、診断結果が蓄積される構成であり、診断サーバ120は補修処理の要否及び可否の判断結果をBMS80に通知する必要はない。しかし、診断サーバ120が補修処理の要否及び可否の判断結果をBMS80に送信するように構成されていてもよく、BMS80の所有者である定置用電池管理者の端末装置に補修処理の要否及び可否の判断結果を送信するように構成されていてもよい。
定置用電池管理者は、車両管理者と同様に、定置用電池に対する電池認証サーバ130による認証の付与を依頼(認証申請)することができる。例えば定置用電池管理者は、自身が使用する定置用電池の劣化度合又は認証状況を把握したい場合、電池認証サーバ130に対して認証付与を申請する。定置用電池管理者は、自身の端末装置を用いて電池認証サーバ130に対して認証申請を送信することにより、認証付与を依頼できる。定置用電池管理者が自身の端末装置を用いて認証申請を行う場合、端末装置及び電池認証サーバ130は、図21中のステップS34~S43と同様の処理が可能である。なお、図21において、診断機器50が行う処理は定置用電池管理者の端末装置が実行する。
定置用電池管理者は、自身の端末装置に対して、認証申請対象の定置用電池のパックIDを入力する。例えば定置用電池管理者は、端末装置の操作部を介してパックIDを入力してもよく、端末装置がRFIDリーダの機能を有する場合、RFIDリーダによって、定置用電池に取り付けられたICタグからパックIDを読み取ってもよい。定置用電池管理者の端末装置は、定置用電池のパックIDを電池認証サーバ130へ送信し、当該定置用電池に対する認証申請を送信する(S34)。
電池認証サーバ130の制御部131は、定置用電池管理者の端末装置から定置用電池に対する認証申請を受け付けた場合、図21中のステップS35~S42の処理を行う。なお、ステップS35で制御部131は、当該定置用電池が車両に搭載されて利用されていた期間における計測データを電池の使用履歴として電池管理サーバ110の計測DB112cから取得する。また、ステップS36で制御部131は、当該定置用電池に対する診断データに加えて、当該定置用電池が車両に搭載されて利用されていた期間における診断データを電池の診断履歴として診断サーバ120の診断DB122aから取得する。そして、ステップS37で制御部131は、取得した計測データ及び診断データに基づいて、定置用電池に対する評価スコアを算出する。
これにより、定置用電池に対して、リユース前の車載用電池として使用されていた期間における計測データ及び診断データと、定置用電池として使用されている期間における計測データ及び診断データとに基づいて、当該定置用電池に対する評価スコアが算出され、算出された評価スコアに応じて認証が付与される。よって、定置用電池に対しては、製造されてから現在までの期間における計測データ及び診断データに基づいて認証が付与されるか否かが判断される。上述した処理により、定置用電池管理者が定置用電池に対する認証申請を行った場合に、電池認証サーバ130(電池認証団体)によって定置用電池に対して認証が付与され、付与された認証の内容が定置用電池管理者に提供される。よって、定置用電池管理者は、自身の定置用電池の劣化度合及び認証内容を簡単に把握することができる。また、上述した処理においても、電池認証サーバ130(電池認証団体)による認証付与が行われた場合に、認証結果(認証データ)が電池認証サーバ130及びブロックチェーンシステムに蓄積される。
<リサイクル事業者での診断処理>
次に、リサイクル事業者で行われる処理について説明する。リサイクル事業者は、例えば廃棄対象として定置用電池が搬入された場合、当該定置用電池の電池パックに診断機器90を接続し、診断機器90による電池パックの診断処理を実行する。リサイクル事業者は、得られた診断結果に基づいて、当該電池パックに価値がないことを確認して廃棄を決定する。
リサイクル事業者での診断処理は、図20中のステップS21~S32と同様である。なお、図20における診断機器50はリサイクル事業者の診断機器90となる。これにより、リサイクル事業者には、診断サーバ120から診断結果が提供されるので、廃棄対象の電池の劣化度合を把握することができる。リサイクル事業者は、診断結果に基づいて電池の劣化状態を確認し、廃棄すべきか否かを決定する。なお、定置用電池としての利用を可能とする条件として、例えばSOHが30%以上が設定してある場合、リサイクル事業者は、電池のSOHが30%未満であるか否かに応じて廃棄すべきか否かを判断する。なお、リサイクル事業者において、モジュール単位又はセル単位での診断処理が行われた場合、モジュール単位又はセル単位で廃棄すべきか否かを判断する。リサイクル事業者での診断処理においても、診断処理の結果(診断データ)が、診断サーバ120及びブロックチェーンシステムに蓄積される。よって、定置用電池が廃棄されるまでの期間における計測データを蓄積することができる。
リサイクル事業者は、廃棄すべきであると判断した電池に対して所定のリサイクル処理を行う。まずリサイクル事業者は、例えば診断機器90を用いて電池の残存容量の計測を行い、残存容量がある場合、電池を所定の放電電流値で完全に放電させる。これにより、電池を廃棄するために電池を分解する際の感電を防止する。次にリサイクル事業者は、診断機器90又は端末装置を用いて、廃棄対象の電池の材料情報を電池管理サーバ110の電池DB112a又はブロックチェーンシステムから取得する。リサイクル事業者は、取得した材料情報に基づいて、廃棄対象の電池に含まれるリサイクル可能な材料(以下ではリサイクル材料という)の成分を判定する。なお、材料情報には、電池の製造時に使用された材料の成分情報が含まれており、リサイクル事業者は、当該電池にリサイクル材料が含まれているか否かを判断する。リサイクル材料は、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン等のレアメタル成分である。
リサイクル事業者は、電池に含まれるリサイクル材料を特定した場合、廃棄対象の電池を解体して成分の分別を行い、更に、精錬等の処理を行って不純物を取り除き、高品質のリサイクル材料(レアメタル成分)を抽出する。リサイクル事業者は、廃棄対象の電池からリサイクル材料を抽出した後、診断機器90又は端末装置を用いて、リサイクル処理の内容を示すリサイクル情報を電池管理サーバ110の定置用電池DB112bに登録しておく。図25はリサイクル情報の入力画面例を示す模式図である。図25に示す画面は、診断機器90又は端末装置が所定のアプリケーションを実行することによって表示部に表示される。図25に示す入力画面は、分解した電池(ここでは定置用電池)のパックID、リサイクル完了日、リサイクル業者、リサイクル材料、リサイクル方式等の各情報を入力するための入力欄を有する。各入力欄は、各情報が直接入力される構成でもよく、複数の選択肢を表示して任意のものを選択することにより入力される構成でもよい。
診断機器90又は端末装置は、リサイクル情報入力画面を介して各情報が入力されて登録ボタンが操作された場合、入力されたパックID及びリサイクル情報を電池管理サーバ110へ送信し、パックIDに対応付けてリサイクル情報を定置用電池DB112bに記憶させる。これにより、リサイクル事業者で電池に対するリサイクル処理が行われて電池からリサイクル材料が抽出された場合、リサイクル処理に関するリサイクル情報が電池管理サーバ110の定置用電池DB112bに登録される。なお、電池管理サーバ110は、定置用電池DB112bに記憶したリサイクル情報をノード装置10へ出力し、ノード装置10によってブロックチェーンシステムに記憶してもよい。このように、定置用電池がリサイクルされたことを示すリサイクル情報を定置用電池DB112bに登録しておくことにより、必要に応じて各事業者にフィードバックすることができる。
上述した処理により、完了したリサイクル処理に関する情報を定置用電池DB112bに記憶することができ、電池管理サーバ110では、定置用電池が廃棄されてリサイクルされたこと、及びリサイクル処理の内容を管理できる。なお、定置用電池DB112bに記憶するリサイクル情報に、例えば、電池の素材名(例えば、鉄鋼、アルミニウム、銅、樹脂、LiNiO2等)の重量に対してリサイクル処理重量(リサイクル及び廃棄物量)、リサイクル率等を含めてもよい。これにより、電池のリサイクル率、処理重量等を俯瞰的に把握できるようになる。
リサイクル事業者は、電池から抽出したリサイクル材料に対して、電池認証団体による認証の付与を受けることができる。ここでの認証は、リサイクル材料に対して、廃棄電池から抽出されてリサイクルされた材料であること、予め認定された正規のリサイクル事業者によって、予め認定された正規のリサイクル方式(リサイクル処理)が行われたことを証明するリサイクル認証である。リサイクル事業者は、抽出したリサイクル材料を、例えば材料販売用のマーケットプレースで販売する。よって、リサイクル事業者は、材料販売用のマーケットプレースにリサイクル材料を登録する際に、リサイクル材料に関する情報と共に、電池認証サーバ130による認証情報を登録することにより、販売対象の材料がリサイクル材料であることをアピールできる。また、材料販売用のマーケットプレースに、リサイクル処理に関する情報(例えばリサイクル完了日、リサイクル事業者等)を登録してもよく、この場合、リサイクル材料に対して行われたリサイクル処理の内容を顧客に開示することができる。
以下に、リサイクル材料に対して電池認証団体によるリサイクル認証の付与を受ける処理について説明する。図26はリサイクル材料に対する認証付与処理手順の一例を示すフローチャート、図27は画面例を示す模式図である。図26では左側にリサイクル事業者の診断機器90が行う処理を、右側に電池認証サーバ130が行う処理をそれぞれ示す。なお、リサイクル事業者は、診断機器90の代わりに端末装置を用いてリサイクル材料に対する認証申請を行ってもよい。
診断機器90の制御部は、操作部を介してリサイクル事業者が所定の操作を行った場合に、図27Aに示すような認証申請画面を表示部に表示する(S61)。図27Aに示す認証申請画面は、認証対象のリサイクル材料、当該リサイクル材料を抽出した定置用電池のパックID及びモジュールID、リサイクル完了日、リサイクル事業者、リサイクル方式等の各情報を入力するための入力欄を有する。各入力欄は、各情報が直接入力される構成でもよく、複数の選択肢を表示して任意のものを選択することにより入力される構成でもよい。
リサイクル事業者は、リサイクル材料に対して電池認証団体による認証の申請を行う場合、認証申請画面中の各入力欄に情報を入力して認証申請ボタンを操作する。診断機器90の制御部は、表示中の認証申請画面において認証申請ボタンが操作されたか否かを判断しており(S62)、認証申請ボタンが操作されなかった場合(S62:NO)、一連の処理を終了する。認証申請ボタンが操作されたと判断した場合(S62:YES)、制御部は、認証申請画面に入力された各情報を電池認証サーバ130へ送信し、当該リサイクル材料に対する認証申請を送信する(S63)。
電池認証サーバ130の制御部131は、診断機器90からリサイクル材料に対する認証申請を受け付けた場合、診断機器90で認証申請画面を介して入力されたリサイクル材料に関するリサイクル情報を取得する(S64)。制御部131は、取得したリサイクル情報に基づいて、当該リサイクル材料に認証を付与するか否かを判断する(S65)。制御部131は、例えばリサイクル材料に対するリサイクル処理が、予め認定されたリサイクル事業者によって予め認定されたリサイクル方式に従った処理である場合、当該リサイクル材料に認証を付与すると判断する。なお、制御部131は、リサイクル事業者及びリサイクル方式等に応じた評価スコアを算出し、算出した評価スコアに応じて認証を付与するか否かを判断してもよい。また、制御部131は、当該リサイクル材料の分解前の電池に対して電池認証サーバ130による認証が付与されていたか否かを考慮して、当該リサイクル材料にリサイクル認証を付与するか否かを判断してもよい。また、リサイクル材料に対して認証を付与するか否かを、機械学習によって生成された学習済みモデルを用いて特定してもよい。例えば、決定木等で構成され、リサイクル処理に関する情報が入力された場合に、当該リサイクル材料に対して認証を付与すべきか否かを示す情報を出力するように学習された学習モデルを用いることができる。この場合、制御部131は、診断機器90から取得したリサイクル情報を学習済みモデルに入力し、学習済みモデルからの出力値に基づいて認証を付与するか否かを特定できる。
制御部131は、認証を付与しないと判断した場合(S65:NO)、一連の処理を終了する。なお、制御部131は、リサイクル認証が付与されなかったことを示すメッセージを診断機器90に送信し、診断機器90を介してリサイクル事業者に通知してもよい。
認証を付与すると判断した場合(S65:YES)、制御部131は、当該リサイクル材料に対して認証を付与する(S66)。ここでは、制御部131は、診断機器90から取得したリサイクル材料に関する情報、この時点の日付(認証日)、及び認証結果を示す認証情報等を含む認証データを生成し、生成した認証データを、リサイクル材料に発行した材料IDに対応付けて材料認証DB132cに記憶する(S67)。また制御部131は、上述した認証データをブロックチェーンシステムに記憶させる(S68)。ここでは、制御部131は、材料ID及び認証データを対応付けてノード装置10へ出力して、認証データのブロックチェーンシステムへの格納を指示し、ノード装置10によってブロックチェーンシステムに記録される。これにより、電池認証サーバ130によってリサイクル材料に対してリサイクル認証が付与された場合に、リサイクル認証に関する情報(認証データ)が電池認証サーバ130及びブロックチェーンシステムに記録されて管理される。
電池認証サーバ130の制御部131は、リサイクル材料に対する認証結果を表示する認証結果画面を生成して診断機器90へ送信する(S69)。図27Bは認証結果画面例を示す。図27Bに示す認証結果画面は、リサイクル認証が付与されたリサイクル材料の材料ID及び成分、当該リサイクル材料を抽出した電池のパックID及びモジュールID、認証結果として、認証日、認証を付与した電池認証機関の情報及び認証レベルを表示する。なお、認証レベルは、リサイクル処理を行ったリサイクル事業者又はリサイクル方式等に応じて決定することができる。
診断機器90の制御部は、電池認証サーバ130が送信した認証結果画面を受信して表示部に表示する(S70)。これにより、電池認証サーバ130(電池認証団体)によってリサイクル材料に対して付与されたリサイクル認証の内容がリサイクル事業者に提供される。リサイクル事業者は、リサイクル認証が付与されたリサイクル材料を、例えば材料販売用のマーケットプレースで販売する際に、リサイクル材料に関する情報と共に、電池認証サーバ130による認証情報を登録することにより、販売対象の材料がリサイクル材料であることをアピールできる。
<電池の補修処理>
本実施形態の情報処理システムにおいて、診断サーバ120は、診断機器50,60,70及びBMS80が計測した電池の計測データと、計測データに基づいて診断した電池のSOHとに基づいて、電池に対して補修再生の可否を判断する。なお、診断機器50,60,70及びBMS80がモジュール単位又はセル単位で計測処理及び診断処理を行う場合、診断サーバ120は、モジュール単位又はセル単位で補修再生の可否を判断し、補修対象のモジュール又はセルを特定する処理を行う。例えば、SOHが所定の閾値未満であれば補修再生不可とすることができ、SOHが所定の閾値以上であれば補修再生可能とすることができる。なお、ここでの閾値は、電池が車両に搭載されている場合は、電池が車両に搭載されて利用することができない程度の値とすることができ、電池が定置用電池として使用されている場合は、電池が定置用電池として利用することができない程度の値とすることができる。
診断サーバ120によって電池に対する補修再生の可否を通知された事業者は、補修再生が可能な箇所(例えば不良モジュール又は不良セル)を修理又は交換する処理を行う。そして、各事業者は、電池に行った補修処理に関する補修情報を診断サーバ120の診断DB122aに登録しておく。なお、リユース事業者は、定置用電池を生成した際に不良モジュール又は不良セルの交換を行った場合、当該補修処理に関する補修情報を定置用電池DB112bに登録しておく。これにより、各事業者が行った電池に対する補修処理の情報が、診断データとして診断サーバ120の診断DB122aに記憶され、定置用電池の補修情報として電池管理サーバ110の定置用電池DB112bに記憶される。なお、診断DB122a及び定置用電池DB112bに記憶される補修情報は、ブロックチェーンシステムに記憶されてもよい。
図28は補修情報の登録処理手順の一例を示すフローチャート、図29は画面例を示す模式図である。図28では左側に電池管理サーバ110が行う処理を、中央に整備・中古車事業者、解体事業者及び定置用電池管理者の各事業者の診断機器50,60及びBMS80が行う処理を、右側に診断サーバ120が行う処理をそれぞれ示す。診断サーバ120の制御部121は、診断機器50,60又はBMS80から診断データ(電池の計測データ及びSOH)を受信した場合、受信した診断データに基づいて、電池に対する補修処理の要否及び可否を判断する(S81)。そして、制御部121は、受信した診断データに、ステップS81での判断結果(補修処理の要否及び可否)を加えて診断DB122aに記憶し(S82)、上述した診断データをブロックチェーンシステムに記憶させる(S83)。ステップS81~S83の処理は、例えば図20中のステップS28~S30、図24中のステップS55~S57の処理とすることができる。なお、ステップS81において、補修対象のモジュール又はセルの特定は、診断機器50,60及びBMS80が、診断部によってモジュール単位又はセル単位で行った診断処理の結果(各モジュール又はセルのSOH)に基づいて実行される。
制御部121は、診断結果を表示する診断結果画面を生成して診断機器50,60又はBMS80へ送信する(S84)。ここでの診断結果画面は図29に示す構成を有する。図29に示す診断結果画面は、図22Aに示す構成に加えて、不良セルに対する補修処理を行った事業者、補修方法、補修対象のセル及び補修後のセルIDの各情報を入力するための入力欄と、セルを交換した場合に新しいセルのセルIDの取得を要求するためのセルID取得ボタンと、セルに対する補修処理が完了したことを通知するための補修完了ボタンとを有する。なお、診断結果画面に、補修対象のモジュール及び補修後のモジュールIDの入力欄、モジュール単位で補修した場合に新しいモジュールのモジュールIDの取得を要求するためのモジュールID取得ボタンが設けられていてもよい。
診断機器50,60又はBMS80の制御部は、診断サーバ120から診断結果画面を受信して表示部に表示する(S85)。よって、各事業者は、電池の劣化度合の診断結果を確認し、不良セルに対する補修処理を行える場合には補修処理を行う。補修処理を行った事業者は、不良セルを新しいセルに交換する補修処理を行った場合、診断結果画面において、不良セルのセルIDを補修対象のセルの入力欄に入力してセルID取得ボタンを操作する。診断機器50,60又はBMS80の制御部は、診断結果画面においてセルID取得ボタンが操作されたか否かを判断しており(S86)、セルID取得ボタンが操作されたと判断した場合(S86:YES)、補修対象のセルのセルIDを電池管理サーバ110に送信し、交換した新しいセルのセルIDの発行を要求する(S87)。
電池管理サーバ110の制御部111は、診断機器50,60又はBMS80から新しいセルIDを要求された場合、新しいセルIDを発行する(S88)。例えば制御部111は、補修対象のセルのセルIDに基づいて、当該セルを有する電池モジュールのモジュールID及び電池パックのパックIDを特定し、特定したパックID及びモジュールIDに対応する新しいセルIDを発行する。制御部111は、新しいセルIDを発行した場合、電池DB112aに記憶してあるセルID(補修された不良セルのセルID)を新しいセルIDに更新する(S89)。なお、電池情報がブロックチェーンシステムに記憶されている場合、制御部111は、ブロックチェーンシステムに記憶してあるセルIDを新しいセルIDに更新する。そして、制御部111は、新しいセルIDを診断機器50,60又はBMS80へ送信する(S90)。
診断機器50,60又はBMS80の制御部は、電池管理サーバ110から新しいセルIDを取得した場合、取得したセルIDを、診断結果画面において補修後のセルIDの入力欄に表示する(S91)。これにより、補修された不良セルのセルIDと、補修後の新しいセルのセルIDとを対応付けることができる。診断機器50,60又はBMS80の制御部は、セルID取得ボタンが操作されていないと判断した場合(S86:NO)、ステップS92の処理に移行する。
補修処理を行った事業者は、診断結果画面において、補修処理に関する情報(補修事業者、補修方法、補修対象のセル、補修後のセルID)が入力された状態で補修完了ボタンを操作する。診断機器50,60又はBMS80の制御部は、診断結果画面において補修完了ボタンが操作されたか否かを判断しており(S92)、補修完了ボタンが操作されなかった場合(S92:NO)、一連の処理を終了する。補修完了ボタンが操作されたと判断した場合(S92:YES)、制御部は、入力された補修情報を診断サーバ120へ送信する(S93)。
診断サーバ120の制御部121は、診断機器50,60又はBMS80から補修情報を取得した場合、補修情報を診断DB122aに記憶する(S94)。ここでは、制御部121は、ステップS82で診断DB122aに記憶した診断データに含まれる補修情報として、取得した補修情報を記憶する。なお、補修情報に不良セルのセルID及び交換後のセルのセルIDが含まれる場合、制御部121は、診断DB122aに記憶してある不良セルのセルIDを、交換後のセルのセルIDに更新しておく。これにより、診断DB122aにおいて、診断データが示す診断結果と、補修情報とを対応付けることができ、診断結果に応じて補修されたセルの情報を把握できる。また、制御部121は、例えば電池のID(パックID、モジュールID及びセルID)及び補修情報を対応付けてノード装置10へ出力して、ノード装置10によって補修情報をブロックチェーンシステムに記録する(S95)。これにより、各事業者によって補修された電池の補修情報がブロックチェーンシステムに記録されて管理される。
電池に対する補修処理を行った事業者、例えば整備・中古車事業者及び解体事業者は、補修処理に関する補修情報を診断サーバ120の診断DB122aに登録した後、補修後の電池に診断機器50,60を接続し、診断機器50,60による電池の計測処理及び診断処理を再度実行する。ここでの診断処理及び診断結果に基づく認証付与処理は、図20及び図21と同様である。
図20及び図21に示す処理によって、補修処理を行った事業者には、補修後の電池に対する診断結果が診断サーバ120から提供され、補修後の電池に対する認証結果が電池認証サーバ130から提供される。よって、補修処理を行った事業者は、補修後の電池に対する劣化度合及び認証内容を把握することができる。電池セルを補修した場合、セルのSOHが改善されるので、セルに対する評価スコアが上昇し、その結果、電池全体に対する評価スコアも上昇する。よって、改善された評価スコアに基づいて補修後の電池に対して適正な認定の付与を受けることができる。補修後の電池に対する診断処理及び認証付与処理においても、診断処理の結果(診断データ)及び認証結果(認証データ)が、診断サーバ120又は電池認証サーバ130、及びブロックチェーンシステムに蓄積される。
上述した処理により、診断機器50,60又はBMS80と診断サーバ120とによって電池に対する診断処理が行われ、補修再生が可能な箇所に補修処理が行われた場合に、補修処理に関する補修情報が診断サーバ120及びブロックチェーンシステムに登録される。よって、補修情報を登録しておくことにより、以降の診断処理において、補修情報も考慮した診断処理が可能となり、適正な診断結果を得ることができる。また、補修後の電池に対して再度診断処理及び認証付与処理を行うことにより、補修後の電池に対する最新の診断結果及び認証結果を取得して管理することができる。なお、交換された不良モジュール又は不良セルは、例えばリサイクル事業者に搬送され、リサイクル事業者でリサイクル材料が抽出されてリサイクルされる。
リユース事業者においても同様の補修処理が可能であり、補修処理が行われた場合に補修情報の登録が可能である。リユース事業者は、中古の電池に対して診断機器70による診断処理を実行し、得られた診断結果に基づいて、電池の補修処理を行い、車載用電池として利用できない電池モジュール及び電池セルについては定置用電池に組み替える処理を行う。リユース事業者は、定置用電池を生成した場合、定置用電池に関する補修情報を定置用電池DB112bに記憶する。これにより、定置用電池が生成される際に行われた補修処理に関する補修情報が、定置用電池の補修情報として電池管理サーバ110及びブロックチェーンシステムに登録される。よって、補修情報を登録しておくことにより、以降の診断処理において、補修情報も考慮した診断処理が可能となり、適正な診断結果を得ることができる。また、リユース事業者においても、補修後の車載用電池及び定置用電池に対して再度診断処理及び認証付与処理を行うことにより、補修後の電池に対する最新の診断結果及び認証結果を取得して管理することができる。
リサイクル事業者においても同様の補修処理が可能である。リサイクル事業者は、例えば補修処理を行うことによって使用可能となるモジュール及びセルに対して補修処理を行ってもよい。またリサイクル事業者は、補修処理を行ったモジュール及びセルに対して診断機器90による診断処理を実行し、補修後のモジュール及びセルに対して再度診断処理及び認証付与処理を行うことにより、補修後のモジュール及びセルに対する最新の診断結果及び認証結果を取得してもよい。リサイクル事業者は、モジュール又はセルに対して補修処理を行った場合にモジュール又はセルの情報、補修情報、補修後の診断結果及び認証結果を、例えば電池販売用のマーケットプレースに登録し、当該マーケットプレースを介して販売してもよい。
<認証履歴の閲覧処理>
本実施形態の情報処理システムでは、上述したように電池における各イベント発生時に電池に対する診断処理及び診断結果に基づく認証付与処理が行われ、診断データ及び認証データが蓄積される。本実施形態の情報処理システムにおいて、電池認証サーバ130の認証DB132b又はブロックチェーンシステムに蓄積された認証データは、各事業者が端末装置を用いて閲覧することができる。
図30は認証データの閲覧処理手順の一例を示すフローチャート、図31は画面例を示す模式図である。図30では左側に各事業者の端末装置が行う処理を、右側に電池認証サーバ130が行う処理をそれぞれ示す。電池認証サーバ130は、電池に対して認証を付与した場合、例えば図31Aに示すような認証結果画面を認証要求元に提供する。なお、電池に対して認証を付与する処理は、例えば図21中のステップS40の処理であり、この場合、電池認証サーバ130は整備事業者の診断機器50に認証結果画面を提供する。図31Aに示す認証結果画面は、図22Bと同様の構成に加えて、QRコード(登録商標)を表示している。QRコードは、例えば当該電池に付与された認証に割り当てられた認証ID(認証コード)をコード化したものであり、QRコードを読み取ることによって、当該電池の認証情報を特定できる認証IDを取得できる。なお、QRコードに当該電池のパックIDが含まれていてもよい。
各事業者の端末装置は、認証履歴の閲覧対象の電池のパックID、又は図31Aの認証結果画面中のQRコードを読み取ることにより認証IDを取得する(S101)。電池のパックIDは、例えば端末装置の操作部から各事業者が入力してもよく、端末装置がRFIDリーダの機能を有する場合、RFIDリーダによって、電池パックに取り付けられたICタグから読み取ってもよい。各事業者の端末装置は、操作部を介して認証履歴の閲覧が要求されたか否かを判断しており(S102)、認証履歴の閲覧が要求されていないと判断した場合(S102:NO)、一連の処理を終了する。
各事業者の端末装置は、認証履歴の閲覧が要求されたと判断した場合(S102:YES)、ステップS101で取得したパックID又は認証IDを電池認証サーバ130へ送信し、パックID又は認証IDに対応する電池に対する認証データの履歴を要求する(S103)。
電池認証サーバ130の制御部131は、いずれかの事業者の端末装置から、パックID又は認証IDを指定して、対応する電池に対する認証データの履歴(認証履歴)の要求を受け付けた場合、パックID又は認証IDに対応する認証データを認証DB132b又はブロックチェーンシステムから抽出する(S104)。ブロックチェーンシステムから抽出する場合、電池認証サーバ130は、パックIDに対応する認証データの閲覧をいずれかのノード装置10に要求する。ノード装置10は、閲覧要求されたパックIDをキーとしてブロックチェーンシステムから検索し、パックIDに対応する認証データを抽出して電池認証サーバ130に出力する。
電池認証サーバ130の制御部131は、抽出した認証データに基づいて認証履歴画面を生成する(S105)。図31Bは認証履歴画面例を示す。図31Bに示す認証履歴画面は、電池に付与された各認証について、認証日、認証申請を行ったときのイベント、電池に対して算出された評価スコア、認証内容等を表示する。図31Bの例では、イベントとして、車両(新車)への搭載、車両整備、車両(中古車)への搭載(中古車として販売)等が表示され、各イベント発生時に付与された認証の内容を提示している。
電池認証サーバ130の制御部131は、生成した認証履歴画面を、閲覧要求してきた端末装置へ送信する(S106)。これにより、制御部131は、端末装置から受け付けた要求に応じて、電池に付与された認証の履歴情報を出力する。電池認証サーバ130から認証履歴画面を受信した端末装置は、認証履歴画面を表示部に表示する(S107)。これにより、各イベント時に電池に付与された認証をユーザ(各事業者)に提示することができる。よって、各事業者は、パックID又は認証IDが付与された電池に対して認証の付与状況を把握することができる。なお、電池が車両から解体されて定置用電池として利用されている場合には、定置用電池に対する認証の付与状況が認証DB132b又はブロックチェーンシステムから抽出されて提示される。更に、電池が廃棄されてリサイクル材料に分解されている場合には、分解されたリサイクル材料に対するリサイクル認証の付与状況が材料認証DB132c又はブロックチェーンシステムから抽出されて提示される。これにより、電池が製造されてから分解されてリサイクルされるまでの期間において、電池認証サーバ130によって付与された認証(リサイクル認証を含む)の履歴を提示することができ、認証状況によって電池の価値を評価することができる。
図32は認証履歴画面の他の例を示す模式図である。図31Bに示す認証履歴画面は、電池が車両(新車及び中古車)に搭載されて利用されているときの認証履歴を示している。図32は電池が車両に搭載されて利用された後に定置用電池として利用されているときの認証履歴を示す。図32に示す認証履歴画面は、定置用電池を構成する電池モジュール毎に、各電池モジュールに付与された認証について、認証日、認証申請を行ったときのイベント、認証時に算出された電池に対する評価スコア、認証内容等を表示する。図32の例では、イベントとして、新車への搭載、車両整備、中古車への搭載(中古車として販売)に加えて、リユースが表示され、定置用電池に組み替えられた際に付与された認証の内容も提示している。
定置用電池は、車載用電池として利用されていた電池パックを例えば電池モジュールに分解して組み替えて構成されるので、電池モジュール毎に車載用電池として利用されていた期間に付与された認証が異なる。よって、図32に示す認証履歴画面は、電池モジュール毎に付与された認証の認証情報を表示する。図32に示す認証履歴画面は、電池認証サーバ130が、図30に示す処理を実行することによって、例えばリユース事業者、定置用電池管理者又はリサイクル事業者の端末装置に提供される。なお、図30中のステップS104において、電池認証サーバ130の制御部131は、認証履歴を要求されたパックID(ここでは定置用電池のパックID)から、このパックIDの電池パックに含まれる電池モジュールのモジュールIDを特定する。定置用電池に含まれる電池モジュールのモジュールIDは、例えば電池管理サーバ110の定置用電池DB112bから取得することができる。そして、制御部131は、特定したモジュールIDに対応する認証データを認証DB132b又はブロックチェーンシステムから抽出する。
電池認証サーバ130の制御部131は、このように抽出した認証データに基づいて認証履歴画面を生成して各事業者の端末装置に提供する。これにより、車載用電池として利用されていた複数の電池パックを組み替えて構成された定置用電池において、各電池モジュールに対して付与された認証の情報を各事業者に提示することができる。なお、認証履歴画面は、図32の例のように電池モジュール毎の認証データを提示する構成でもよく、また、例えば電池セル毎に認証が付与される構成の場合、セル毎の認証データを提示する構成でもよい。
<保険事業者との連携>
本実施形態の情報処理システムにおいて、販売対象の電池パックに対して、電池パックの動作を保証するための保険商品が販売されている。例えば、電池パックが急激に劣化した場合に、電池パックの交換又は電池セルの補修に要する費用を給付する保険商品が考えられる。電池パックの急激な劣化は、例えば電池のSOHが所定期間で所定値以上低下したことにより判断できる。例えばSOHが1ヶ月で20%以上低下した場合に急激な劣化が生じたと判断してもよい。本実施形態では、例えば電池パックが車両(新車)に搭載されて販売される際、中古車として販売される際、定置用電池として販売される際の各イベント発生時に、各電池パックに対して保険契約が可能とすることができる。本実施形態の診断サーバ120は、整備・中古車事業者、解体事業者、リユース事業者及び定置用電池管理の各事業者で診断機器50,60,70及びBMS80によって電池のSOHが診断された場合に、電池パックが急激に劣化したか否かを判断し、保険による補償対象である場合、各事業者及び保険事業者に通知する構成を有する。
図33は電池パックの診断処理手順の一例を示すフローチャート、図34は画面例を示す模式図である。図33では左側に整備・中古車事業者、解体事業者、リユース事業者及び定置用電池管理者の各事業者の診断機器50,60,70及びBMS80が行う処理を、中央に診断サーバ120が行う処理を、右側に保険事業者サーバ140が行う処理をそれぞれ示す。診断サーバ120の制御部121は、診断機器50,60,70又はBMS80から診断データ(電池の計測データ及びSOH)を受信した場合、受信した診断データに基づいて、電池に対する補修処理の要否及び可否を判断する(S111)。そして、制御部121は、受信した診断データに、ステップS111での判断結果(補修処理の要否及び可否)を加えて診断DB122aに記憶し(S112)、上述した診断データをブロックチェーンシステムに記憶させる(S113)。ステップS111~S113の処理は、例えば図20中のステップS28~S30、図24中のステップS55~S57の処理とすることができる。
制御部121は、診断対象の電池に対して契約されている保険商品に関する保険情報を保険事業者サーバ140に要求する(S114)。例えば制御部121は、診断対象の電池のパックID、電池の所有者(例えば車両管理者、定置用電池管理者)の情報を保険事業者サーバ140へ送信して保険情報を要求する。保険事業者サーバ140の制御部141は、診断サーバ120から保険情報の要求を受け付けた場合、要求された保険情報を保険DB142a及び契約者DB142bから読み出し、読み出した保険情報を要求元の診断サーバ120へ送信する(S115)。例えば制御部141は、診断サーバ120から受信したパックID又は電池の所有者の情報に基づいて、契約者DB142bの内容から、当該電池に対して契約されている保険商品を特定する。そして、制御部141は、特定した保険商品に関する情報を保険DB142a及び契約者DB142bから読み出す。制御部141は、例えば保険事業者、保険商品名、保険契約ID、契約者の氏名、補償対象の電池、及び補償内容等を含む保険情報を要求元の診断サーバ120へ送信する。
診断サーバ120の制御部121は、保険事業者サーバ140から取得した保険情報に基づいて、当該電池が保険による補償対象であるか否かを判断する(S116)。例えば補償条件として所定期間でSOHが所定値以上低下したことが設定されている場合、制御部121は、所定期間におけるSOHの時間的変化を算出し、算出した時間的変化に基づいて補償条件を満たすか否かを判断する。具体的には、制御部121(取得部)は、診断機器50,60,70又はBMS80から取得した劣化度合(SOH)に加えて、診断DB122a又はブロックチェーンシステムから過去の診断データ(劣化度合)を取得する。なお、過去の診断データがない場合は、補償対象でないと判断してもよい。制御部121は、過去の劣化度合(SOH)と、診断機器50,60,70又はBMS80から取得した劣化度合(SOH)との差分を算出し、SOHの時間的変化を取得する。なお、補償条件として所定期間のSOHの低下度合が設定されている場合、制御部121は、所定期間前のSOHと、現在のSOH(診断機器50,60,70又はBMS80から取得したSOH)との差分を算出する。そして、制御部121(判断部)は、算出した差分(時間的変化)が所定値以上であるか否かを判断し、所定値以上である場合、補償対象であると判断し、所定値未満である場合、補償対象ではないと判断する。
補償条件は、電池の劣化度合(SOH)に基づく条件のほかに、電池の使用時間、充電時間及び充電回数等の充電履歴に関する充電データ、電池が車両に搭載されている場合には車両の走行距離等の電池の計測データに基づく条件であってもよい。電池の計測データに基づく補償条件は、例えば走行距離が所定距離未満であるときにSOHが所定値以上低下した場合、電池の使用時間又は充電時間が所定時間未満であるときにSOHが所定値以上低下した場合、電池の充電回数が所定回数未満であるときにSOHが所定値以上低下した場合等を含む。電池の計測データに基づく補償条件の場合、制御部121は、例えば電池管理サーバ110の計測DB112c又はブロックチェーンシステムから、当該電池の計測データを取得し、取得した計測データに基づいて補償条件に合致するか否かを判断し、当該電池が保険による補償対象であるか否かを判断する。
また、補償条件は、電池に認証が付与されているか否か、又は電池に付与された認証のレベルに基づく条件であってもよく、電池に対する認証付与処理の際に算出された評価スコアに基づく条件であってもよい。例えば、認証が付与されている電池のSOHが所定値以上低下した場合、所定レベル以上の認証が付与されている電池のSOHが所定値以上低下した場合、評価スコアが所定値以上の電池のSOHが所定値以上低下した場合等の条件を含む。このように電池に付与された認証又は評価スコアに基づく補償条件の場合、制御部121は、例えば電池認証サーバ130の認証DB132b又はブロックチェーンシステムから、当該電池の認証データ及び評価スコアを取得し、取得した認証データ又は評価スコアに基づいて補償条件に合致するか否かを判断し、当該電池が保険による補償対象であるか否かを判断する。
補償条件は、上述したような電池の劣化度合(SOH)に基づく条件、電池の計測データに基づく条件、電池に付与された認証又は電池に対する評価スコアに基づく条件のうちの複数を組み合わせた条件でもよい。また、補償条件は、上述した条件に限定されない。例えば、電池の放電特性を示す放電曲線(放電カーブ)に基づく条件を用いることもできる。放電カーブは、放電容量に対する電圧値の変化特性を示すデータである。放電曲線に基づく条件は、例えば放電カーブの形状(S字カーブの形状)、残容量が40%~60%での電圧値の平均値に基づく条件を含む。放電曲線に基づく補償条件の場合、制御部121は、例えば診断機器50,60,70,90又はBMS80に電池の放電曲線を計測させ、計測結果を取得し、取得した放電曲線が補償条件に合致するか否かを判断する。
補償対象ではないと判断した場合(S116:NO)、制御部121は、図22Aに示すような診断結果画面を生成して診断機器50,60,70又はBMS80へ送信する(S119)。なお、BMS80は、定期的に診断処理を行って診断結果を蓄積する構成であるので、診断サーバ120は診断結果画面をBMS80に送信する必要はないが、診断サーバ120が診断結果画面をBMS80又は定置用電池管理者の端末装置に送信する構成であってもよい。診断機器50,60,70の制御部は、診断サーバ120から受信した診断結果画面を表示部に表示し(S120)、各事業者に診断結果を提示する。
補償対象であると判断した場合(S116:YES)、制御部121は、図34に示すような補償通知画面を生成して診断機器50,60,70又はBMS80へ送信する(S117)。ここでも、診断サーバ120は補償通知画面をBMS80又は定置用電池管理者の端末装置に送信し、定置用電池管理者に通知してもよい。図34に示す補償通知画面は、図22Aに示す診断結果画面の構成に加えて、保険事業者サーバ140から診断サーバ120に提供された保険情報を表示する。具体的には、給付金の受取が可能な保険があることを示すメッセージ、保険事業者の情報、保険商品名、保険契約ID、契約者の氏名、補償対象の電池の情報(例えばパックID)、給付金の対象となる補償内容の情報等が表示される。なお、補償通知画面は、これらの情報のほかに、給付金の受取に必要な手続きに関する情報を表示してもよい。よって、制御部121(出力部)は、診断対象の電池が保険による補償対象であった場合に、利用できる保険商品による補償情報を各事業者に提供することができる。なお、診断サーバ120は、例えば車両に搭載されている電池(車載用電池)に対する補償情報を整備・中古車事業者、解体事業者に提供し、定置用電池に対する補償情報をリユース事業者に提供する。
診断機器50,60,70の制御部は、診断サーバ120から受信した補償通知画面を表示部に表示し(S118)、各事業者に診断結果及び補償情報を提示する。よって、各事業者は、電池の劣化度合の診断結果を確認できると共に、不良セルの補修処理に対して保険の給付金の受取が可能であることを把握できる。これにより、各事業者は、不良セルに対する補修処理を行った場合に、補修処理に要した費用を忘れずに保険事業者に請求することができる。また、補償内容が、例えば不良セルを補修する技術者の派遣、あるいは新しい電池モジュール又は電池パックの交換である場合、各事業者は、必要に応じて補修技術者の派遣の依頼、又は新しい電池モジュール又は電池パックの配送の依頼を行うことによって、保険による補償を受けることができる。
診断サーバ120は、補償通知画面を、診断処理を行った事業者だけでなく、電池の所有者(使用者)である車両管理者及び定置用電池管理者の端末装置に送信するように構成されていてもよい。この場合、診断サーバ120は、車両管理者及び定置用電池管理者に対しても、給付金の受取が可能な保険があることを通知できる。なお、車両管理者及び定置用電池管理者の連絡先情報は、契約者の情報として保険事業者サーバ140に登録されているので、保険事業者サーバ140が、診断サーバ120からの依頼に応じて、車両管理者及び定置用電池管理者に対して給付金の受取が可能な保険があることを通知するように構成されていてもよい。
上述した処理により、診断サーバ120が診断機器50,60,70又はBMS80から電池の計測データ及び診断データを取得した場合に、当該電池に対して契約されている保険商品による補償対象となるか否かを判断し、各事業者又は電池のユーザに通知することができる。なお、上述した処理において、診断サーバ120の制御部121は、診断機器50,60,70又はBMS80から取得した電池の計測データ及び診断データに基づいて、EVの運転状況、電池の使用環境及び充電の実施状況等が所定の状況であるか否かを判断し、所定の状況で電池が使用されていた場合に、当該電池を補償対象としないように構成されていてもよい。所定の状況とは、電池の劣化が急激に進むような使用方法での使用、充電方法での充電等であり、例えば常に急速充電で充電している場合、急加速及び急ブレーキでEVを運転している場合等を含む。このような構成とすることにより、電池の劣化が急激に進むような使用方法及び充電方法で使用されている電池を補償対象から除外し、保険事業者による給付金負担が不用意に増加することを抑制できる。
以下に、保険内容の変形例について説明する。上述した構成では、補償条件を満たす場合に補償対象とする保険内容であるが、このような保険に限定されない。例えば、電池が急激に劣化した場合に、電池に付与されている認証又は電池の評価スコア等に応じて、補償対象とすべきか否か、及び補償内容が異なる保険商品が考えられる。このような保険商品では、劣化度合が同程度であっても、電池に付与されている認証の内容又は電池に対して算出された評価スコアが高いほど充実した補償内容を提供することができる。よって、電池の使用方法及び診断方法(例えば電池の診断を定期的に行っているか否か、適切な診断方法での診断を行っているか否か等)に応じて適切な補償内容を提供することが可能となる。ここでの補償内容は、例えば、1ヶ月でSOHが20%以上低下した場合、かつ、認証レベルが2以上の認証が付与されている場合にセルの修理に要する費用を給付し、1ヶ月でSOHが20%以上低下した場合、かつ、認証レベルが3以上の認証が付与されている場合にセルの交換に要する費用を給付するというものが考えられる。
図35は電池パックの診断処理手順の他の例を示すフローチャートである。図35に示す処理は、図33に示す処理においてステップS116の前にステップS121~S122を追加し、ステップS116のYESとステップS117との間にステップS123を追加したものである。図35に示す処理において、診断サーバ120の制御部121は、保険事業者サーバ140から保険情報を取得した場合、当該電池が補償対象であるか否かを判断する際に当該電池に対する認証データが必要であるか否かを判断する(S121)。例えば保険情報に含まれる補償条件が、電池に付与されている認証又は電池の評価スコアに基づく条件を含む場合、認証データが必要であると判断する。認証データが必要である補償条件は、例えば「認証レベルが2以上の認証が付与されている場合」、「評価スコアが80ポイント以上である場合」等がある。電池に対する認証データが必要でないと判断した場合(S121:NO)、制御部121は、ステップS122の処理をスキップし、ステップS116の処理に移行する。なお、ここでは、診断サーバ120及び各機器50,60,70,80は、図33で説明したステップS116~S120の処理を行ってもよい。
電池に対する認証データが必要であると判断した場合(S121:YES)、制御部121は、当該電池に対応する認証データを認証DB132b又はブロックチェーンシステムから取得する(S122)。ここでは、制御部121は、当該電池に付与されている認証内容(認証付与の有無及び認証レベル等)及び認証が付与された際の評価スコアを取得する。そして制御部121は、保険事業者サーバ140から取得した保険情報と、診断機器50,60,70又はBMS80で診断したSOHと、取得した認証データとに基づいて、当該電池が保険による補償対象であるか否かを判断する(S116)。ここでも、補償条件は、電池の劣化度合(SOH)に基づく条件、及び電池に付与された認証に基づく条件に加えて、電池の使用時間、充電時間及び充電回数等の充電履歴に関する充電データ、電池が車両に搭載されている場合には車両の走行距離等の電池の計測データに基づく条件を含んでもよい。
当該電池が補償対象であると判断した場合(S116:YES)、制御部121は、保険事業者サーバ140から取得した保険情報に基づいて、補償内容を特定する(S123)。例えば、保険内容が、「認証レベルが2以上の認証が付与されている場合にセルの修理に要する費用を給付し、認証レベルが3以上の認証が付与されている場合にセルの交換に要する費用を給付する」という内容であり、当該電池に認証レベルが2の認証が付与されている場合、制御部121は、補償内容として「セルの修理」を特定する。そして制御部121は、診断結果及び補償内容を通知するための補償通知画面を生成して診断機器50,60,70又はBMS80へ送信する(S117)。ここでの補償通知画面は、図34に示す構成と同様であるが、画面に表示される補償内容は、電池の劣化度合(SOH)、電池に対する認証付与の有無及び電池に付与された認証内容に応じた内容となる。
上述した処理においても、診断サーバ120が診断機器50,60,70又はBMS80から電池の計測データ及び診断データを取得した場合に、当該電池に対して契約されている保険商品による補償対象となるか否かを判断し、各事業者又は電池のユーザに通知することができる。ここでは、電池の劣化度合だけでなく電池に付与されている認証内容(認証レベル)に応じて異なる補償内容を提示することができるので、認証内容に応じた補償内容を提供する保険商品の販売が可能となる。よって、例えば電池が急激に劣化した場合に、電池に付与されている認証レベルが高いほど、充実した補償内容を提供することが可能となる。図35に示す処理においても、電池の劣化が急激に進むような使用方法及び充電方法で電池が使用されている場合には、当該電池を補償対象から除外してもよい。
本実施形態の情報処理システムにおいて、保険事業者が販売する保険商品による補償内容は、不良箇所の補修処理に要する費用の給付に限定されない。例えば、電池の劣化に伴って電池の充電効率が低下することによって電池の充電量が増えた場合に、増えた充電量に要する電力料金(電気料金)を給付する補償内容の保険商品が考えられる。このような保険商品においても、電池の劣化度合(SOH)に応じて補償対象となるか否かを判断でき、また、補償内容(例えば給付対象の電力料金の上限値)を決定できる。また、電池の劣化度合に加えて電池の認証内容(認証レベル)に応じて補償対象となるか否かを判断でき、補償内容を決定できる。更に、保険商品の保険料は、補償対象の電池の認証レベルに応じた金額が設定されてもよい。また、保険契約を継続する際の保険料も、契約の更新時点での電池の認証レベルに応じた金額が設定されてもよい。例えば認証レベルが高いほど割引額を大きくし、通常の保険料から割引額を差し引いた金額を保険料としてもよい。また、新車に乗り換える際に保険商品を新規に契約する場合に、契約済みの保険商品に対して補償対象の電池を、新車に搭載された電池に切り替えることにより、契約済みの保険商品の補償内容を継承するように構成されていてもよい。この場合、契約者が、適切な使用方法で電池を使用することにより高い認証レベルを維持していた場合に、充実した補償内容での保険契約の継続が可能となる。
保険事業者が管理する保険情報は、診断サーバ120による電池の診断処理の実行時に診断サーバ120から各事業者に提供される構成に限定されない。例えば、各事業者及び電池のユーザが端末装置を用いて保険事業者サーバ140にアクセスすることによって、保険情報が各事業者及びユーザに提供されるように構成されていてもよい。この場合、各事業者及びユーザは、端末装置を用いて保険情報を閲覧したい電池のパックIDを入力し、入力したパックIDの電池に対して契約されている保険商品の内容を保険事業者サーバ140に要求する。保険事業者サーバ140は、各事業者及びユーザの端末装置からの要求に応じて、電池に対して契約されている保険商品の保険情報を各端末装置へ出力することにより、各事業者及びユーザに提供できる。
<診断結果に基づくアドバイスの提供>
本実施形態の情報処理システムは、診断サーバ120による診断処理の結果に加えて、診断結果に応じて電池の使用方法等に関するアドバイスを提供する構成を有する。診断サーバ120は、図9に示す構成に加えて、記憶部122にアドバイスDB122bを記憶している。
図36はアドバイスDB122bの構成例を示す模式図である。アドバイスDB122bは、電池に対する診断結果に応じて各事業者又は電池のユーザ(車両管理者及び定置用電池管理者)に提供すべきアドバイスを記憶する。図36に示すアドバイスDB122bは、アドバイスID列、アドバイス内容列、提供条件列等を含み、アドバイスを識別するための識別情報(アドバイスID)に対応付けて、アドバイスの内容と、各アドバイスを提供すべき提供条件とを記憶する。アドバイスは、例えば電池の劣化度合に応じた電池又は車両の使用方法に関する内容であり、車両の運転方法、車両の駐車環境、及び電池の充電方法等に関する内容を含む。車両の運転方法に関するアドバイスには、例えば急発進及び急ブレーキ(急停車)を控えること、ゆるやかな加速及びブレーキ操作を行うこと等がある。駐車環境に関するアドバイスには、例えば車両に直射日光が当たらないように屋根付きの駐車場又は屋内駐車場を利用すること等がある。電池の充電方法に関するアドバイスには、例えば急速充電を控えること、充電量がある程度(例えばSOCが30%程度)まで少なくなってから充電すること等がある。また、アドバイスは、車両の走行距離、電池の使用時間(放電時間)、充電時間及び充電回数に関する内容を含んでもよい。提供条件は、例えば電池のSOHに基づく条件、電池の残存価値に基づく条件を用いることができる。なお、電池の残存価値には、各セルのSOC及びSOHに基づいて算出された残りの航続距離、使用可能時間等を用いることができる。
図37は電池パックの診断処理手順の一例を示すフローチャート、図38は画面例を示す模式図である。図37では左側に各事業者の診断機器50,60,70及びBMS80が行う処理を、右側に診断サーバ120が行う処理をそれぞれ示す。診断サーバ120の制御部121は、診断機器50,60,70又はBMS80から診断データ(電池の計測データ及びSOH)を受信した場合、受信した診断データに基づいて、電池に対する補修処理の要否及び可否を判断する(S131)。そして、制御部121は、受信した診断データに、ステップS131での判断結果(補修処理の要否及び可否)を加えて診断DB122aに記憶し(S132)、上述した診断データをブロックチェーンシステムに記憶させる(S133)。ステップS131~S133の処理は、例えば図20中のステップS28~S30、図24中のステップS55~S57の処理とすることができる。
次に制御部121は、診断DB122a又はブロックチェーンシステムから過去の劣化度合(SOH)を取得し、過去の劣化度合と、診断機器50,60,70又はBMS80から取得した劣化度合(SOH)との差分(SOHの変化)を算出する(S134)。そして、制御部121は、算出した劣化度合の変化に応じたアドバイスをアドバイスDB122bから特定する(S135)。例えば制御部121は、アドバイスDB122bに記憶してある提供条件の中から、算出した劣化度合の変化に合致する条件を特定し、特定した条件に対応するアドバイスをアドバイスDB122bから読み出す。また、制御部121は、診断機器50,60,70又はBMS80による診断処理によって得られた診断データ(電池のSOC及びSOH)に基づく電池の残存価値を取得する(S136)。残存価値は例えば残りの航続距離、電池の使用可能時間、電池の残存寿命(何年後に寿命になるか)等を含み、電池のSOC及びSOH、並びに、電池の電流値及び電圧値等に基づいて算出することができる。なお、診断機器50,60,70及びBMS80が、電池に対する計測データ及び診断データに基づいて電池の残存価値を算出する機能を有する場合、制御部121は、診断機器50,60,70及びBMS80によって算出された電池の残存価値を取得してもよい。
制御部121は、電池の診断結果及び診断結果に応じたアドバイスを表示する診断結果画面を生成して診断機器50,60,70へ送信する(S137)。ここでの診断結果画面は図38に示す構成を有する。図38に示す診断結果画面は、図22Aに示す構成に加えて、電池の使用に関するアドバイス及び電池の残存価値を表示する。なお、診断サーバ120は、診断結果画面をBMS80、あるいは車両管理者又は定置用電池管理者の端末装置に送信してもよい。この場合、電池の診断結果に応じたアドバイスを電池のユーザに提供することができる。
診断機器50,60,70の制御部は、診断サーバ120から受信した診断結果画面を表示部に表示し(S138)、各事業者に診断結果及び電池の使用に関するアドバイスを提示する。上述した処理により、診断機器50,60,70又はBMS80と診断サーバ120とによって電池に対する診断処理が行われた場合に、診断結果に加えて診断結果に基づくアドバイス及び電池の残存価値を提供することができる。よって、各事業者は、電池の劣化度合の診断結果を確認できると共に、例えば電池の寿命をのばすような使用方法のアドバイスを受けることができる。なお、電池の診断結果に応じたアドバイスは、各事業者及び電池のユーザが端末装置を用いて診断サーバ120に要求することによって提供されてもよい。
<CO2の排出抑制量に基づくエコ認証の付与>
本実施形態の情報処理システムにおいて、電池認証サーバ130は、電池の計測データ及び診断データに基づく認証に加えて、電池を使用することによるCO2排出量の削減量(抑制量)に基づく認証(以下ではエコ認証という)を電池に対して付与する構成を有する。エコ認証(エコロジー認証)は、診断対象の電池に対して、CO2の排出量の削減に貢献していることを証明するものである。電池認証サーバ130は、図11に示す構成に加えて、記憶部122にCO2排出抑制量DB132dを記憶している。
図39はCO2排出抑制量DB132dの構成例を示す模式図である。CO2排出抑制量DB132dは、電池の使用によって抑制されるCO2排出量、即ち、CO2排出抑制量を記憶する。図39に示すCO2排出抑制量DB132dは、イベント列及びCO2排出抑制量列を含み、イベントに対応付けてCO2の排出抑制量を記憶する。イベントは、電池の使用に関するイベントであり、例えば車両に搭載された電池の使用(車両の走行)、電池の充電、定置用電池の使用及び充電等を含む。CO2排出抑制量は、例えば1時間等の単位時間あたりの車載用電池の使用(車両の走行)に対するCO2排出抑制量、又は100km等の単位距離あたりの電池の使用に対するCO2排出抑制量として、エンジン車(車両用エンジンが搭載された車両)での走行によるCO2排出量と、EVでの走行によるCO2排出量との差分を用いることができる。例えば、以下の式1を用いてCO2排出抑制量が算出される。また、1回の車載用電池の充電に対するCO2排出抑制量として、エンジン車に給油されるガソリンを調達する場合に排出するCO2排出量と、1回の充電で車載用電池に充電される電力量を電力会社が発電した場合に排出するCO2排出量との差分を用いることができる。例えば、以下の式2を用いてCO2排出抑制量が算出される。また、例えば電池が太陽光発電によって発電された電力を充電するように構成されている場合、1時間等の単位時間あたりの電池の使用又は充電に対するCO2排出抑制量として、単位時間に使用又は充電される電力量を電力会社が発電した場合に排出するCO2排出量と、太陽光発電で発電した場合に排出するCO2排出量との差分を用いることができる。また、電池の使用量として、使用時間又は車両の走行距離のほかに電池からの放電量を用いてもよい。即ち、電池からの放電量に応じたCO2排出抑制量が設定されてもよい。なお、電池からの放電量には、自然放電と、電池の使用(EVの走行)による放電とが含まれる。放電量は電池の蓄電量の推移から算出することができるので、蓄電量の推移に基づく放電量から自然放電量を差し引いた差分を電池の使用による放電量とすることができる。
(車載用電池の使用に対するCO2排出抑制量)=(EVでの走行によるCO2排出量)-(エンジン車での走行によるCO2排出量) …(式1)
(車載用電池の充電に対するCO2排出抑制量)=(車載用電池に充電される電力量を電力会社が発電した際のCO2排出量)-(エンジン車に給油されるガソリンを調達する際のCO2排出量) …(式2)
図40は電池DB112aの変形例を示す模式図である。ここでの電池DB112aは、図7に示す構成に加えて、ライフサイクルCO2排出量列を有する。なお、図40に示す電池DB112aは一部の図示を省略している。ライフサイクルCO2排出量列は、電池の製造段階からのCO2排出量を記憶し、具体的には、エンジン車によるCO2排出量と比較したEVによるCO2排出量をライフサイクルCO2排出量として記憶する。より具体的には、車載用電池を製造する際に排出されたCO2排出量、及び車載用電池が搭載された車両(新車のEV)を製造する際に排出されたCO2排出量の合計から、エンジン車を製造する際に排出されたCO2排出量を差し引いた差分が、当該電池のライフサイクルCO2排出量の初期値(即ち、EV製造時の電池のライフサイクルCO2排出量)に設定される。また、電池のライフサイクルCO2排出量は、図39に示すCO2排出抑制量DB132dに登録された各イベントが発生した場合に、発生したイベントに対応するCO2排出抑制量が加算されることにより更新される。なお、各イベントのCO2排出抑制量は、EV及び車載用電池の使用及び充電に係るCO2排出量から、エンジン車の使用及び給油に係るCO2排出量を差し引いた差分であり、通常は負の数値となる。従って、イベントの発生毎に、イベントに対応するCO2排出抑制量が加算されることにより、ライフサイクルCO2排出量の値は小さくなり、これは、EV及び車載用電池を使用することによってCO2排出量が削減されたことを意味する。またライフサイクルCO2排出量は、0以下の数値となった場合、エンジン車と比較してCO2の排出が抑制され、CO2排出の抑制に貢献していることを意味する。即ち、ライフサイクルCO2排出量は、車載用電池及びEVの製造時点で最大値であり、EVの使用に伴って小さい数値となり、0以下となった場合、エンジン車と比較したCO2の排出抑制量を示す。図40に示す電池DB112aのライフサイクルCO2排出量列には、例えば各イベントの発生年月日と、この時点で更新されたライフサイクルCO2排出量とが対応付けて逐次記憶される。ライフサイクルCO2排出量は、例えば電池認証サーバ130が電池に対してエコ認証を付与する処理を行う際に算出されて電池DB112aに記憶される。なお、電池認証サーバ130の制御部131(取得部、設定部)は、認証処理を行う際に、電池DB112aにライフサイクルCO2排出量が登録されていない場合、電池DB112aから車載用電池の製造時のCO2排出量を取得し、車載用電池の製造時のCO2排出量及び車両の製造時のCO2排出量の合計から、エンジン車の製造時のCO2排出量を差し引いた差分を、当該電池のライフサイクルCO2排出量の初期値に設定して電池DB112aに記憶する。車両の製造時のCO2排出量、及びエンジン車の製造時のCO2排出量は、例えばEVメーカの端末装置30から取得してもよく、予め取得して記憶部132に記憶してあってもよい。また、エンジン車の製造時のCO2排出量は、例えばエンジン車のメーカから予め取得して記憶部132に記憶しておいてもよい。図40に示すように、ライフサイクルCO2排出量を逐次更新して電池DB112aに記憶しておくことにより、新たなライフサイクルCO2排出量を算出する際に、直近のライフサイクルCO2排出量を用いて最新のライフサイクルCO2排出量を算出できるので、効率の良い算出処理を実行できる。
図41は定置用電池DB112bの変形例を示す模式図である。ここでの定置用電池DB112bは、図8Aに示す構成に加えて、リユース時ライフサイクルCO2排出量列及びライフサイクルCO2排出量列を有する。リユース時ライフサイクルCO2排出量列は、車載用電池が定置用電池にリユースされた時点での定置用電池に対するライフサイクルCO2排出量を記憶する。例えばリユース事業者は、定置用電池を構成した場合、定置用電池に関する定置用電池情報を定置用電池DB112bに登録するが、このとき、この時点での当該電池におけるライフサイクルCO2排出量を算出して定置用電池DB112bに登録しておく。ライフサイクルCO2排出量列は、定置用電池を使用することによって更新されるライフサイクルCO2排出量を記憶する。定置用電池DB112bにおけるライフサイクルCO2排出量は、リユース時のライフサイクルCO2排出量を初期値として、図39に示すCO2排出抑制量DB132dに登録されたイベントが発生した場合に、発生したイベントに対応するCO2排出抑制量が加算されることにより更新される。定置用電池に関するイベントのCO2排出抑制量は、例えば単位時間に使用又は充電される電力量を太陽光発電で発電した場合に排出するCO2排出量から、同じ電力量を電力会社が発電した場合に排出するCO2排出量を差し引いた差分であり、通常は負の数値となる。従って、定置用電池のライフサイクルCO2排出量も、イベントの発生毎に、イベントに対応するCO2排出抑制量が加算されることにより、ライフサイクルCO2排出量の値は小さくなる。これは、CO2排出量が削減されたことを意味し、CO2排出の抑制に貢献していることを意味する。定置用電池DB112bにおけるライフサイクルCO2排出量は、例えば電池認証サーバ130が定置用電池に対してエコ認証を付与する処理を行う際に算出されて定置用電池DB112bに記憶される。
図42は電池に対する認証付与処理手順の一例を示すフローチャート、図43は画面例を示す模式図である。図42では左側に各事業者の診断機器50,60,70が行う処理を、右側に電池認証サーバ130が行う処理をそれぞれ示す。整備・中古車事業者、解体事業者及びリユース事業者は、診断機器50,60,70の代わりに端末装置を用いて電池に対する認証申請を行ってもよく、車両管理者及び定置用電池管理者が端末装置を用いて電池に対する認証申請を行ってもよい。
電池認証サーバ130の制御部131は、診断機器50,60,70又は各事業者の端末装置から認証申請を受け付けたか否かを判断しており(S141)、受け付けていないと判断した場合(S141:NO)、他の処理を行って待機する。なお、制御部131が認証申請を受け付けるタイミングは、例えば図21中のステップS35で診断機器50が送信した認証申請を受け付けた場合である。いずれかの機器から認証申請を受け付けた場合、制御部131は、図21中のステップS35~S42の処理を実行しつつ、以下の処理を実行することにより、電池に対する評価スコアに基づく認証に加えて、エコ認証を電池に対して付与する処理を行う。
いずれかの機器から認証申請を受け付けたと判断した場合(S141:YES)、制御部131は、認証対象の電池の電池情報をブロックチェーンシステム又は電池管理サーバ110の電池DB112aから取得する(S142)。また、制御部131は、認証対象の電池に対して過去に計測された計測データをブロックチェーンシステム又は計測DB112cから取得する(S143)。制御部131は、電池に対する計測データに基づいて、例えば電池の使用時間、車両の走行時間又は走行距離、電池の充電回数又は充電量(充電時間)等のイベントの情報を算出し、算出したイベントの情報に基づいて、各イベントによるCO2排出抑制量を算出する(S144)。例えば制御部131は、電池の使用時間の合計を算出した場合、単位時間の電池使用によるCO2排出抑制量をCO2排出抑制量DB132dから取得し、単位時間の電池使用によるCO2排出抑制量と、算出した合計時間とに基づいて、電池の使用時間の合計に対するCO2排出抑制量を算出する。また、制御部131は、車両の走行時間又は走行距離の合計を算出した場合、単位時間又は単位距離あたりの車両走行によるCO2排出抑制量をCO2排出抑制量DB132dから取得し、走行時間又は走行距離の合計に対するCO2排出抑制量を算出してもよい。なお、走行時間に基づいてCO2排出抑制量を算出するか、走行距離に基づいてCO2排出抑制量を算出するかは、各ユーザが選択できるように構成されていてもよい。また、制御部131は、電池の充電回数を算出した場合、1回の充電によるCO2排出抑制量をCO2排出抑制量DB132dから取得し、電池の充電回数に対するCO2排出抑制量を算出してもよい。なお、制御部131は、電池に対する充電量の合計を算出した場合、単位充電量に対するCO2排出抑制量をCO2排出抑制量DB132dから取得し、電池の充電量の合計に対するCO2排出抑制量を算出してもよい。これにより、制御部131(特定部)は、電池の使用履歴を示すデータに基づいてCO2排出抑制量(CO2排出量の削減量)を特定でき、電池の使用履歴から特定されたCO2排出抑制量に基づいて電池におけるライフサイクルCO2排出量を算出できる。なお、制御部131は、電池DB112a又は定置用電池DB112bに記憶してある直近のライフサイクルCO2排出量の更新日を特定し、当該更新日から現在までの期間に生じたイベントによるCO2排出抑制量を算出する。
次に制御部131は、当該電池の直近のライフサイクルCO2排出量を、ステップS142で取得した電池情報から抽出(取得)し、取得したライフサイクルCO2排出量と、ステップS144で算出したCO2排出抑制量とに基づいて、当該電池の最新のライフサイクルCO2排出量を算出する(S145)。なお、電池情報に直近のライフサイクルCO2排出量が含まれない場合、制御部131は、電池情報から電池製造時のCO2排出量を抽出し、抽出した電池製造時のCO2排出量に基づいて、当該車両のライフサイクルCO2排出量の初期値を設定する。具体的には、制御部131は、電池製造時のCO2排出量及び車両製造時のCO2排出量の合計から、エンジン車製造時のCO2排出量を差し引いた差分を算出し、ライフサイクルCO2排出量の初期値に設定する。そして、制御部131は、設定した初期値に、ステップS144で算出したCO2排出抑制量を加算することによって、最新のライフサイクルCO2排出量を算出する。制御部131(更新部)は、この時点の年月日と、算出した最新のライフサイクルCO2排出量とを対応付けて電池管理サーバ110の電池DB112aに記憶し、当該電池のライフサイクルCO2排出量を更新する。なお、制御部131は、この時点でのライフサイクルCO2排出量をブロックチェーンシステムに記憶させてもよい。
制御部131は、算出したライフサイクルCO2排出量に基づいて、当該電池にエコ認証を付与するか否かを判断する(S146)。例えば制御部131は、ライフサイクルCO2排出量が所定値未満である場合、エコ認証を付与すると判断し、所定値以上である場合、エコ認証を付与しないと判断する。これにより、電池認証サーバ130は、電池に対して算出したライフサイクルCO2排出量に応じてエコ認証を付与するか否かを決定できる。なお、エコ認証を付与するか否かの判断基準となる所定のライフサイクルCO2排出量は、CO2排出を抑制していると認定できる程度の値とする。制御部131は、電池にエコ認証を付与する際に、ライフサイクルCO2排出量に応じて異なるレベルのエコ認証を付与してもよい。例えば、ライフサイクルCO2排出量が第1閾値以上の電池に対してエコ認証を付与せず、ライフサイクルCO2排出量が第1閾値未満の電池に対してレベル1(低評価)の認証を付与し、ライフサイクルCO2排出量が第2閾値(第2閾値<第1閾値)未満の電池に対してレベル2(中評価)の認証を付与し、第3閾値(第3閾値<第2閾値)未満の電池に対してレベル3(高評価)の認証を付与する構成としてもよい。なお、本実施形態では、電池パック単位でエコ認証が付与される構成とするが、電池モジュール単位でエコ認証が付与されてもよく、電池セル単位でエコ認証が付与されてもよい。
制御部131は、エコ認証を付与しないと判断した場合(S146:NO)、一連の処理を終了する。なお、制御部131は、エコ認証が付与されなかったことを示すメッセージを認証要求元の各機器に送信し、各事業者又は電池のユーザに通知してもよい。
エコ認証を付与すると判断した場合(S146:YES)、制御部131は、当該電池に対してエコ認証を付与する(S147)。ここでは、制御部131は、認証IDを発行し、認証日時、イベント、エコ認証を示す認証内容等を含む認証データを生成する。そして制御部131は、生成した認証データを、認証対象の電池のパックIDに対応付けて認証DB132bに記憶する(S148)。ここでのイベントは認証申請が行われたタイミングを示すものであり、「新車搭載」「車両整備」「中古車搭載」「車両から解体」等がある。
制御部131は、上述した認証データをブロックチェーンシステムに記憶させる(S149)。これにより、電池認証サーバ130によって電池に対してエコ認証が付与された場合に、エコ認証に関する情報(認証データ)が電池認証サーバ130及びブロックチェーンシステムに記録されて管理される。制御部131は、電池に対するエコ認証結果を表示する認証結果画面を生成して認証申請元の機器(診断機器50,60,70等)へ送信する(S150)。ここでの認証結果画面は図43に示す構成を有する。図43に示す認証結果画面は、図22Bに示す構成に加えて、エコ認証について認証日、電池認証機関の情報、認証レベル等を表示してエコ認証が付与されたことを通知する。認証要求元の各機器(診断機器50,60,70等)は、電池認証サーバ130が送信した認証結果画面を受信して表示部に表示する(S151)。これにより、電池認証サーバ130(電池認証団体)によって電池に対してエコ認証が付与された場合に、付与されたエコ認証の内容が各事業者及びユーザに提供される。なお、図43に示す画面では、当該電池に対して評価スコアに基づく認証とエコ認証とが付与されていることが通知されている。
上述した処理により、電池に対して、電池の診断結果(評価スコア)に応じて電池認証サーバ130(電池認証団体)によって認証が付与され、また、電池を使用することによるCO2の排出抑制量に基づくライフサイクルCO2排出量に応じてエコ認証が付与される。よって、電池に付与された認証によって、当該電池に対して適正な診断事業者によって適正な診断方法での診断処理が行われているか否かを判断でき、また、電池に付与されたエコ認証によって、当該電池におけるCO2排出抑制量を把握することができる。このような認証結果は電池認証サーバ130及びブロックチェーンシステムに蓄積され、各事業者が必要に応じて認証結果を閲覧することができる。
<認証付与の判断の変形例>
本実施形態の情報処理システムにおいて、電池認証サーバ130は、電池の計測データ及び診断データに基づいて算出された評価スコアに加えて、電池を使用することによるCO2排出抑制量に基づいて、電池に対して認証を付与する構成を有する。
図44は電池に対する認証付与処理手順の変形例を示すフローチャートである。図44では左側に各事業者の診断機器50,60,70が行う処理を、右側に電池認証サーバ130が行う処理をそれぞれ示す。ここでも、整備・中古車事業者、解体事業者及びリユース事業者は、診断機器50,60,70の代わりに端末装置を用いて電池に対する認証申請を行ってもよく、車両管理者及び定置用電池管理者が端末装置を用いて電池に対する認証申請を行ってもよい。
電池認証サーバ130の制御部131は、図42中のステップS141~S143と同様の処理を行う(S161~S163)。制御部131は、認証対象の電池に対して過去に診断された診断データをブロックチェーンシステム又は診断サーバ120の診断DB122aから取得する(S164)。制御部131は、取得した計測データ及び診断データに基づいて、認証対象の電池に対する評価スコアを算出する(S165)。なお、ステップS165の処理は図21中のステップS37と同様である。
次に制御部131は、図42中のステップS144~S145と同様の処理を行い(S166~S167)、電池の使用履歴等に基づいて電池の使用によるCO2排出抑制量及びライフサイクルCO2排出量を算出する。そして制御部131は、ステップS165で算出した評価スコアと、ステップS167で算出したライフサイクルCO2排出量とに基づいて、当該電池に認証を付与するか否かを判断する(S168)。例えば制御部131は、評価スコアが所定値以上であり、ライフサイクルCO2排出量が所定値未満である場合、認証を付与すると判断する。よって、電池認証サーバ130は、電池に対して算出した評価スコア及びライフサイクルCO2排出量に応じて認証を付与するか否かを決定できる。ここでも、電池認証サーバ130は、電池パック単位で認証を付与する構成に限定されず、電池モジュール単位で認証を付与してもよく、電池セル単位で認証を付与してもよい。
制御部131は、認証を付与しないと判断した場合(S168:NO)、一連の処理を終了する。認証を付与すると判断した場合(S168:YES)、制御部131は、当該電池に対して認証を付与し(S169)、認証ID、認証日時、イベント、評価スコア、ライフサイクルCO2排出量、認証内容等を含む認証データを生成する。そして制御部131は、生成した認証データを、認証対象の電池のパックIDに対応付けて認証DB132bに記憶し(S170)、上述した認証データをブロックチェーンシステムに記憶させる(S171)。これにより、電池認証サーバ130は、電池に対して算出された評価スコアとライフサイクルCO2排出量とに基づいて認証を付与するか否かを判断し、認証が付与された場合、認証に関する情報(認証データ)が電池認証サーバ130及びブロックチェーンシステムに記録されて管理される。
制御部131は、電池に対する認証結果を表示する認証結果画面を生成して認証要求元の機器(診断機器50,60,70等)へ送信し(S172)、認証要求元の各機器(診断機器50,60,70等)は、電池認証サーバ130が送信した認証結果画面を受信して表示部に表示する(S173)。ここでの認証結果画面は図22Bに示す構成と同様である。これにより、電池認証サーバ130(電池認証団体)において、電池の診断結果に基づく評価スコアとライフサイクルCO2排出量とに応じて電池に対して認証が付与され、付与された認証の内容が各事業者及びユーザに提供される。
上述した処理により、各事業者の診断機器50,60,70及び診断サーバ120による診断処理の結果(評価スコア)、及び電池の使用によるCO2排出抑制量に応じて電池認証サーバ130(電池認証団体)によって認証が付与される。よって、電池に付与された認証によって、当該電池に対して適正な診断事業者によって適正な診断方法での診断処理が行われており、更にCO2の抑制に貢献している電池であることを把握できる。
<リサイクル材料に対するCO2排出抑制量>
リサイクル事業者で廃棄対象の電池から解体されたリサイクル材料に対してCO2排出抑制量を割り当てる情報処理システムについて説明する。ここでは、リサイクル事業者が、リサイクル材料に対して電池認証団体によるリサイクル認証の付与を受ける際に、電池認証サーバ130がリサイクル材料に対してリサイクル認証を付与すると共に、リサイクル材料におけるCO2排出抑制量を割り当てる処理を行う。
図45は材料認証DB132cの変形例を示す模式図である。ここでの材料認証DB132cは、図14に示す構成に加えて、リサイクル時ライフサイクルCO2排出量列を有する。リサイクル時ライフサイクルCO2排出量列は、リサイクル材料が電池から解体されてリサイクルされた時点でのライフサイクルCO2排出量を記憶する。例えばリサイクル事業者がリサイクル材料に対するリサイクル認証を電池認証サーバ130に要求した場合、電池認証サーバ130は、リサイクル材料に対してリサイクル認証を付与し、付与したリサイクル認証に関する認証情報(認証データ)を材料認証DB132cに登録する。このとき、電池認証サーバ130は、この時点での当該リサイクル材料におけるライフサイクルCO2排出量を算出して材料認証DB132cに登録する。リサイクル時ライフサイクルCO2排出量は、例えばリサイクル材料が解体される前の電池におけるライフサイクルCO2排出量に、例えば電池の重さに対するリサイクル材料の重さの割合を乗算して算出される。
図46は、リサイクル材料に対する認証付与処理手順の変形例を示すフローチャートである。図46に示す処理は、図26に示す処理においてステップS65のYESとステップS66との間にステップS181~S184を追加したものである。リサイクル事業者の診断機器90の制御部及び電池認証サーバ130の制御部131は、ステップS61~S65の処理を行う。
電池認証サーバ130の制御部131は、リサイクル認証を付与すると判断した場合(S65:YES)、認証対象のリサイクル材料が使用されていた電池(解体前の電池)の電池情報をブロックチェーンシステム、あるいは、電池管理サーバ110の電池DB112a又は定置用電池DB112bから取得する(S181)。また、制御部131は、認証対象のリサイクル材料が使用されていた電池に対して過去に計測された計測データをブロックチェーンシステム又は計測DB112cから取得する(S182)。制御部131は、取得した計測データと、CO2排出抑制量DB132dの記憶内容とに基づいて、当該電池に対するCO2排出抑制量を算出する(S183)。例えば制御部131は、当該電池の使用時間の合計を算出し、CO2排出抑制量DB132dに記憶してある単位時間あたりの電池使用によるCO2排出抑制量に基づいて、当該電池の使用時間の合計に対するCO2排出抑制量を算出する。なお、制御部131は、電池の充電時間及び充電回数に応じたCO2排出抑制量を算出してもよく、これらのCO2排出抑制量の合計を算出してもよく、電池の使用履歴に基づくCO2排出抑制量を算出する。制御部131は、電池DB112a又は定置用電池DB112bに記憶してある直近のライフサイクルCO2排出量の更新日から現在までの期間におけるCO2排出抑制量を算出する。
次に制御部131は、当該電池の直近のライフサイクルCO2排出量を、ステップS181で取得した電池情報から取得し、取得したライフサイクルCO2排出量と、ステップS183で算出したCO2排出抑制量とに基づいて、当該電池の最新のライフサイクルCO2排出量を算出する。そして制御部131は、算出したライフサイクルCO2排出量に基づいて、リサイクル材料に対するライフサイクルCO2排出量を算出する(S184)。ここでは、制御部131は、例えば電池の重さに対するリサイクル材料の重さの割合を、電池によるライフサイクルCO2排出量に乗算した値を、リサイクル材料に対するライフサイクルCO2排出量に算出してもよい。なお、電池DB112a又は定置用電池DB112bに、過去に算出されたライフサイクルCO2排出量が記憶されているので、制御部131は、直近に算出されたライフサイクルCO2排出量と、直近の算出年月日からのCO2排出抑制量とに基づいて最新のライフサイクルCO2排出量を算出できる。制御部131は、ライフサイクルCO2排出量を算出した場合、算出したライフサイクルCO2排出量をリサイクル時のライフサイクルCO2排出量として材料認証DB132cに記憶させる。なお、制御部131は、この時点でのライフサイクルCO2排出量をリサイクル時のライフサイクルCO2排出量としてブロックチェーンシステムに記憶させてもよい。
そして制御部131は、リサイクル材料に対して算出したライフサイクルCO2排出量(リサイクル時のライフサイクルCO2排出量)に応じて、当該リサイクル材料に対してリサイクル認証を付与する(S66)。ここでは、制御部131は、認証日、及び認証結果を示す認証情報等を含む認証データを生成し、生成した認証データを、リサイクル材料に発行した材料IDに対応付けて材料認証DB132cに記憶する(S67)。なお、制御部131は、リサイクル材料に対して算出したライフサイクルCO2排出量に応じたレベルのリサイクル認証をリサイクル材料に付与してもよい。また制御部131は、リサイクル材料に対して、リサイクル認証とは別に、リサイクル材料のライフサイクルCO2排出量に応じてエコ認証を付与してもよい。
電池認証サーバ130の制御部131及び診断機器90の制御部は、ステップS67~S70の処理を実行し、電池認証サーバ130によってリサイクル材料に対して付与されたリサイクル認証に関する情報(認証データ)が電池認証サーバ130及びブロックチェーンシステムに記録されて管理される。なお、電池認証サーバ130から診断機器90に送信される認証結果画面は、図27Bと同様の構成を有する。上述した処理により、電池認証サーバ130(電池認証団体)によってリサイクル材料に対してリサイクル認証が付与される際に、当該リサイクル材料におけるライフサイクルCO2排出量が算出されて材料認証DB132cに登録される。なお、リサイクル材料におけるライフサイクルCO2排出量は、例えば当該リサイクル材料が使用されていた電池におけるライフサイクルCO2排出量に対して、電池の重量に対するリサイクル材料の割合を乗算した量とすることができるが、これに限定されない。また、リサイクル材料のライフサイクルCO2排出量は、リサイクル材料を使用して電池が製造された場合に発生するCO2排出量と、リサイクル材料を用いずに天然材料を使用して電池が製造された場合に発生するCO2排出量との差分で算出できる。具体的には、リサイクル材料のライフサイクルCO2排出量は、リサイクル材料が電池から解体されるリサイクル処理における溶解及び析出工程等で発生するCO2排出量から、天然材料(例えばニッケル)が天然鉱山で発掘され、その後、精錬及び運搬される際に発生するCO2排出量を差し引いた差分で算出できる。このように天然材料を用いた場合との比較によって算出されるCO2排出量の削減量をリサイクル材料のライフサイクルCO2排出量に加算してもよい。
このようにリサイクル材料にリサイクル時のライフサイクルCO2排出量を割り当てることにより、当該リサイクル材料を使用して製造された新しい電池における製造時のライフサイクルCO2排出量の算出に利用できる。即ち、新しい電池を製造する際にリサイクル材料を使用することにより、電池の製造時のライフサイクルCO2排出量から、リサイクル材料を使用することによるCO2排出抑制量を加味することができ、製造時のライフサイクルCO2排出量を減らすことができる。
次に、新しい電池が製造されて、電池メーカの端末装置20から電池管理サーバ110の電池DB112a及びブロックチェーンシステムに電池情報が登録される際に、電池製造時のライフサイクルCO2排出量を、使用されたリサイクル材料によるリサイクル時のライフサイクルCO2排出量を考慮した量に設定する処理について説明する。図47は電池情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
端末装置20の制御部21は、例えば所定のアプリケーションを実行することによって、図17に示すような電池情報の入力画面を表示部25に表示する(S191)。電池メーカの担当者は、電池情報入力画面の各入力欄に、登録対象の電池に関する各情報を入力する。なお、材料情報は、電池の製造に使用された材料の種類及び使用量に加えて、リサイクルされた材料が使用されている場合にはリサイクル材料の種類及び使用量、リサイクル材料に割り当てられた材料ID等の情報を含む。
制御部21は、入力画面を介して各情報が入力されて登録ボタンが操作されたか否かを判断しており(S192)、操作されていないと判断した場合(S192:NO)、入力画面の各入力欄に対する情報の入力を継続して待機する。登録ボタンが操作されたと判断した場合(S192:YES)、制御部21は、入力画面を介して入力された各情報(電池情報)を電池管理サーバ110へ送信する(S193)。
電池管理サーバ110の制御部111は、端末装置20から電池情報を取得した場合、電池情報に含まれる材料情報において、リサイクル材料がある場合に、当該リサイクル材料に対するライフサイクルCO2排出量を、ブロックチェーンシステム又は電池認証サーバ130の材料認証DB132cから取得する(S194)。リサイクル材料に対するライフサイクルCO2排出量は、上述した処理によって算出されてブロックチェーンシステム又は材料認証DB132cに記憶されている。よって、制御部111は、端末装置20から取得した材料IDに基づいてリサイクル材料のライフサイクルCO2排出量を取得できる。次に制御部111は、端末装置20から取得した電池情報に含まれる電池製造時のCO2排出量と、リサイクル材料に対するライフサイクルCO2排出量とに基づいて、当該電池の製造時のライフサイクルCO2排出量を算出する(S195)。ここでは、制御部111は、端末装置20から取得した電池製造時のCO2排出量に、EV製造時のCO2排出量を加算した後に、エンジン車製造時のCO2排出量を減算して電池のライフサイクルCO2排出量の初期値を算出する。ここで算出されたライフサイクルCO2排出量は、リサイクル材料を用いずに製造された電池のEV製造時のライフサイクルCO2排出量を示す。なお、EV製造時のCO2排出量及びエンジン車製造時のCO2排出量は所定のサーバから取得してもよく、記憶部112に予め記憶してあってもよい。そして、制御部111は、算出したEV製造時の電池のライフサイクルCO2排出量に、リサイクル材料によるライフサイクルCO2排出量(CO2排出抑制量に相当)を加算し、得られた量を、当該電池(リサイクル材料を用いて製造された電池)のEV製造時のライフサイクルCO2排出量とする。なお、EV製造時のCO2排出量に基づいて算出したEV製造時の電池のライフサイクルCO2排出量に、リサイクル材料によるライフサイクルCO2排出量(通常は負の数)を加算することにより、リサイクル材料を使用することによるCO2排出量だけ抑制されたライフサイクルCO2排出量を、当該電池に対して適切な製造時ライフサイクルCO2排出量とすることができる。
そして、制御部111は、端末装置20から取得した電池情報と、ステップS195で算出した当該電池の製造時のライフサイクルCO2排出量とを電池DB112aに記憶する(S196)。ここでは、制御部111は、登録対象の電池パックに対するパックIDを発行し、端末装置20から取得したモジュール数に応じたモジュールID及びセル数に応じたセルIDを発行し、パックID、モジュールID及びセルIDに対応付けて、端末装置20から取得した仕様情報、材料情報及び電池製造時CO2排出量と、ステップS195で算出した電池製造時のライフサイクルCO2排出量とを電池DB112aに記憶する(S196)。また制御部111は、これらの電池情報をブロックチェーンシステムに記憶する(S197)。
上述した処理により、リサイクル材料を使用して新しい電池を製造した場合に、当該電池の製造時のライフサイクルCO2排出量を、リサイクル材料におけるライフサイクルCO2排出量を考慮(具体的には加算)した排出量とすることができる。よって、電池の製造時のライフサイクルCO2排出量を、リサイクル材料の分だけCO2が抑制されたライフサイクルCO2排出量に設定することができる。リサイクル材料に対するライフサイクルCO2排出量は、電池の使用及びリサイクル材料の使用(リサイクル)の回数が増えるほど大きい値となる。よって、ライフサイクルCO2排出量が大きいリサイクル材料の利用が検討され、材料のリサイクルが促進される。
電池モジュール又は電池セルを他の車載用電池又は定置用電池にリユースする場合にも、リユース後の車載用電池又は定置用電池におけるライフサイクルCO2排出量に、電池モジュール又は電池セルをリユースすることによるCO2排出抑制量を考慮した排出量を用いることができる。例えば電池モジュール又は電池セルをリユースして電池が製造された場合に、電池モジュール又は電池セルをリユースせずに製造された電池の製造時のCO2排出量から、電池モジュール又は電池セルをリユースして製造された電池の製造時のCO2排出量を減算した量を、当該電池(リユース電池)のリユース時のライフサイクルCO2排出量に設定してもよい。この場合、電池モジュール又は電池セルをリユースすることによるCO2排出量だけ抑制されたライフサイクルCO2排出量を、当該電池の適切なリユース時ライフサイクルCO2排出量とすることができる。なお、電池モジュール又は電池セルをリユースして定置用電池が製造された場合、定置用電池の電池情報が電池管理サーバ110の定置用電池DB112b及びブロックチェーンシステムに登録される際に、上述したように算出された定置用電池のリユース時のライフサイクルCO2排出量が登録される。
<リサイクル材料に対する認証履歴の閲覧>
本実施形態の情報処理システムにおいて、電池認証サーバ130の材料認証DB132c又はブロックチェーンシステムに蓄積されたリサイクル材料に対する認証データは、各事業者が端末装置を用いて閲覧することができる。なお、リサイクル材料に対する認証データは、リサイクル認証に加えて、リサイクル材料が電池として利用されていた期間に付与された認証(診断結果に応じた評価スコアに基づく認証)の認証情報も含む。
図48はリサイクル材料に対する認証データの閲覧処理手順の一例を示すフローチャート、図49及び図50は画面例を示す模式図である。図48では左側に各事業者の端末装置が行う処理を、右側に電池認証サーバ130が行う処理をそれぞれ示す。電池メーカの担当者等の各事業者の担当者は、例えば端末装置を用いて所定のアプリケーションを実行することにより、図49Aに示すようなリサイクル材料の検索画面を表示部に表示させる。図49Aに示す検索画面は、検索したいリサイクル材料の種類を入力するための入力欄と、リサイクル材料が利用されていた最終形態として車載用電池又は定置用電池の一方又は両方を選択するためのチェックボックスと、価格帯を入力するための入力欄とを有する。各事業者は、各入力欄に情報を入力して検索ボタンを操作することにより、リサイクル材料の検索処理の実行を指示する。
端末装置の制御部は、検索画面中の検索ボタンが操作された場合、各入力欄に入力された検索情報を電池認証サーバ130に送信する(S201)。電池認証サーバ130の制御部131は、端末装置から検索情報を受信した場合、検索情報に基づいてリサイクル材料を検索する(S202)。例えば制御部131は、材料認証DB132cに登録してある材料の中から、検索対象のリサイクル材料を抽出する。なお、材料認証DB132cに各リサイクル材料の最終利用形態(リサイクル材料が電池として利用されていた最終形態)が登録されている場合、制御部131は、材料認証DB132cに登録してある材料の中から、検索対象のリサイクル材料及び最終利用形態に対応する材料を抽出する。更に、材料認証DB132cに各リサイクル材料の価格が登録されている場合、制御部131は、材料認証DB132cに登録してある材料の中から、検索対象のリサイクル材料及び価格帯に対応する材料を抽出する。
制御部131は、材料認証DB132cに登録してある材料の中から抽出したリサイクル材料の情報を表示する検索結果画面を生成し(S203)、生成した検索結果画面を閲覧要求してきた端末装置へ送信する(S204)。図49Bは検索結果画面例を示し、図49Bに示す画面は、リサイクル材料としてニッケルの検索結果を示す。制御部131は、材料認証DB132cから抽出したリサイクル材料について、材料ID、リサイクル完了日、リサイクル事業者、認証情報を材料認証DB132cから読み出し、図49Bに示す画面を生成する。なお、検索結果画面に表示される認証情報は、例えばリサイクル材料に対してリサイクル認証が付与されているか否か、付与された認証のレベル、認証を付与した認証団体の情報等を含んでもよい。
端末装置は、電池認証サーバ130から検索結果画面を受信して表示部に表示する。図49Bに示す検索結果画面は、検索された各リサイクル材料を選択するためのチェックボックスを有しており、各事業者は、詳細情報を知りたいリサイクル材料のチェックボックスをチェックして選択ボタンを操作する。各事業者の端末装置は、検索結果画面において選択ボタンが操作されたか否かを判断しており(S205)、操作されていないと判断した場合(S205:NO)、一連の処理を終了する。選択ボタンが操作されたと判断した場合(S205:YES)、各事業者の端末装置は、選択されたリサイクル材料の材料IDを電池認証サーバ130へ送信し、材料IDに対応するリサイクル材料に付与された認証履歴を要求する(S206)。
電池認証サーバ130の制御部131は、端末装置から、材料IDに対応するリサイクル材料に対する認証履歴の要求を受け付け、認証履歴の要求を受け付けた場合、材料IDに対応する認証データを認証DB132b及び材料認証DB132c、又はブロックチェーンシステムから抽出する(S207)。なお、制御部131は、認証履歴を要求された材料IDに対応するパックID及びモジュールIDを、例えば材料認証DB132cから特定し、特定したパックID及びモジュールIDに対応する認証データを認証DB132bから抽出する。また制御部131は、認証履歴を要求された材料IDに対応する認証情報を材料認証DB132cから抽出する。なお、認証データをブロックチェーンシステムから抽出する場合、電池認証サーバ130は、パックID及びモジュールIDに対応する認証データの閲覧をいずれかのノード装置10に要求する。ノード装置10は、閲覧要求されたパックID及びモジュールIDをキーとしてブロックチェーンシステムから検索し、パックID及びモジュールIDに対応する認証データを抽出して電池認証サーバ130に出力する。認証情報をブロックチェーンシステムから抽出する場合、電池認証サーバ130は、材料IDに対応する認証情報の閲覧をいずれかのノード装置10に要求し、ノード装置10は、閲覧要求された材料IDをキーとして検索し、対応する認証情報を抽出する。
電池認証サーバ130の制御部131は、抽出した認証データに基づいて認証履歴画面を生成する(S208)。図50はリサイクル材料の認証履歴画面例を示す。図50に示す画面は、リサイクル材料の材料ID及び材料名、リサイクル事業者、リサイクル完了日、リサイクル方式等を表示する。また、図50に示す画面は、リサイクル材料が使用されていた電池パック(車載用電池及び定置用電池)に付与された認証について、認証日、認証申請を行ったときのイベント、各イベント時のセルID、電池パックに対して算出された評価スコア、認証内容等を表示する。図50の例では、イベントとして、車両(新車及び中古車)への搭載、車両整備、リユース(他の車載用電池又は定置用電池への組み込み)、定置用電池における定期診断、リサイクル等が表示され、各イベント時に付与された認証の内容を提示している。なお、リサイクル時の認証は、当該リサイクル材料がリサイクルされた材料であることを証明するリサイクル認証である。
電池認証サーバ130の制御部131は、生成した認証履歴画面を、閲覧要求してきた端末装置へ送信する(S209)。これにより、制御部131は、端末装置から受け付けた要求に応じて、リサイクル材料に付与された認証の履歴情報を出力する。電池認証サーバ130から認証履歴画面を受信した端末装置は、認証履歴画面を表示部に表示する(S210)。これにより、リサイクル材料について、付与されたリサイクル認証の情報と、リサイクル前の電池において付与された認証の履歴とを各事業者に提示することができる。よって、各事業者は、リサイクル材料がどのような認証を付与されてきたかを把握することができる。このような構成によれば、電池が製造されてから分解されてリサイクルされるまでの期間において、電池認証サーバ130によって付与された認証の履歴を提示することができ、認証状況によって電池及びリサイクル材料の価値を評価することができる。なお、電池に対する認証及びリサイクル材料に対するリサイクル認証に加えて、CO2排出抑制量に基づくエコ認証も付与される構成でもよく、この場合、エコ認証の認証履歴も提示される。
上述した構成の本実施形態の情報処理システムでは、車載用電池として製造された電池が使用開始から他の車載用電池又は定置用電池への組み替え(リユース)及びリサイクル材料の抽出を経て廃棄されるまでの期間において、適宜のタイミングで計測された電池の計測データと、電池の劣化度合の診断データとが、電池を識別するID(パックID、モジュールID、セルID)に対応付けてブロックチェーンシステムに記録される。このような電池に関する情報がブロックチェーンシステムを介して各事業者で共有されるので、異なる電池メーカが製造した電池の情報についても各事業者間で共有することができる。電池に関する各種の情報をブロックチェーンシステムに蓄積しておき、蓄積された情報を用いて診断処理及び認証付与処理を行うことにより、信頼性の高い処理の実行が可能となる。また、本実施形態では、電池の動作状態及び劣化状態をパック単位、モジュール単位又はセル単位で管理しているので、パック単位、モジュール単位又はセル単位で動作状態及び劣化状態のトレースが可能である。また、電池から抽出されたリサイクル材料について、材料IDを割り当てて管理しているので、リサイクル材料に対して、リサイクル前の電池の動作状態及び劣化状態のトレースが可能である。
本実施形態の情報処理システムにおいて、診断対象及び認証付与対象の電池は、複数の電池メーカが製造した電池であってもよく、リチウムイオンバッテリ、ニッケル水素バッテリ等の複数種類の電池であってもよい。よって、本実施形態の情報処理システムでは、複数種類の電池に対して診断処理及び認証付与処理が行われ、それぞれの診断結果及び認証結果が蓄積される。このように蓄積された診断結果及び認証結果を集計することにより、電池に対して、例えば電池メーカ毎の評価、電池の種類毎の評価が可能となる。また、任意の電池メーカの任意の型式の電池に対する評価を抽出して総合的な評価を提示することもできる。
本実施形態では、スコアDB132aの記憶内容に従って、認証対象の電池パックに対する評価スコアを算出し、評価スコアに基づいて電池パックに対して認証を付与するか否かを判断する構成である。なお、スコアDB132aに、例えば電池を診断した診断機器が予め認定された機器ではない場合に-100ポイントの加算(100ポイントの減算)、又は0の乗算を行うことが記憶されていてもよい。この場合、所定の条件(判定内容)に合致した場合に、認証を付与すべきでないと判断される評価スコアを算出することができ、当該電池に認証が付与されることを回避できる。このほかに、所定の条件に合致した場合に、評価スコアを算出せずに認証を付与すべきでないと判断してもよい。この場合にも、当該電池に認証が付与されることを回避できる。従って、認証を付与すべきでない状況(例えば診断機器が予め認定された機器ではない場合)を登録しておくことにより、当該状況に合致した場合には、認証を付与しないように制御することができる。
また、本実施形態において、スコアDB132aの記憶内容に従って認証対象の電池に対する評価スコアを算出する一方で、蓄積された電池に関する情報(電池情報、計測データ、診断データ、認証データ等)を用いて電池に対する信用度を算出し、評価スコア及び信用度に基づいて認証を付与するか否かを判断してもよい。例えば、電池の計測データに基づいて、計測機器(例えば車載計測機器40)又は診断機器のすり替えが行われたか否かを判断し、すり替えが行われた場合には、電池に対する信用度を低い値とする。また、電池管理サーバ110の計測DB112cに蓄積される計測データの日時に、電池の計測処理の開始日時及び計測データの計測DB112cへの記憶日時を含めておき、これらの日時がほぼ同じ(日時の差が所定時間未満)である場合に、計測データが改ざんされていないとして、電池に対する信用度を高い値としてもよい。一方、これらの日時の差が所定時間以上である場合には、計測データが改ざんされている可能性があるとして、電池に対する信用度を低い値としてもよい。また、電池に対する認証申請が行われた回数、又は電池に対して認証が付与された回数が多いほど電池に対する信用度を高い値としてもよい。更に、過去の評価スコア及び認証レベルと比較して評価スコア及び認証レベルの変動が激しい場合、例えば上がったり下がったりしている場合には、電池に対する信用度を低い値とし、評価スコア及び認証レベルが一定の割合で低下している場合(通常の劣化)には、電池に対する信用度を高い値としてもよい。このように算出された信用度と、スコアDB132aを参照して算出した評価スコアとに基づいて認証を付与するか否かを判断することにより、計測データ及び診断データの数値だけでなく、データ自体の信用度を考慮して認証を付与すべきか否かを判断できる。
本実施形態において、車載計測機器40は、車両の走行距離、車両に搭載されている電池の使用時間、充電時間及び充電回数等の計測データに加えて、電池周辺の温度及び湿度等の電池の使用環境に関する計測データを計測する構成を有していてもよい。また、使用環境に関する計測データも、車両の走行距離、電池の使用時間、充電時間及び充電回数等の計測データと共にブロックチェーンシステムに蓄積することにより、電池が使用された環境をトレースできるように構成されていてもよい。同様に、診断機器50,60,70,90及びBMS80は、セル毎の電流値、電圧値、温度、SOC及びSOHの診断データに加えて、電池周辺の温度及び湿度等の電池の使用環境に関する計測データを計測する構成でもよい。この場合にも、使用環境に関する計測データを診断データと共にブロックチェーンシステムに蓄積することにより、電池が使用された環境をトレースできるように構成されていてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 ノード装置
20 端末装置
30 端末装置
40 車載計測機器
50 診断機器
60 診断機器
70 診断機器
80 BMS
90 診断機器
110 電池管理サーバ
120 診断サーバ
121 制御部
130 電池認証サーバ
131 制御部
140 保険事業者サーバ
本開示に係る情報処理方法は、車載用電池に対する診断情報を取得し、取得した診断情報に基づいて、前記車載用電池に対する評価レベルを特定し、特定した評価レベルに基づいて、前記車載用電池に対して認証を付与するか否かを決定する処理であって、前記診断情報は、前記車載用電池の劣化度合を診断する際のアルゴリズムを含み、前記アルゴリズムに対応付けられている評価レベルを参照して、前記車載用電池に対する評価レベルを特定する処理をコンピュータが実行する。

Claims (10)

  1. 車載用電池に対する診断情報を取得し、
    取得した診断情報に基づいて、前記車載用電池に対する評価レベルを特定し、
    特定した評価レベルに基づいて、前記車載用電池に対して認証を付与するか否かを決定する
    処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
  2. 前記診断情報は、前記車載用電池の劣化度合を診断する際のアルゴリズムを含み、
    前記アルゴリズムに対応付けられている評価レベルを参照して、前記車載用電池に対する評価レベルを特定する
    処理を前記コンピュータが実行する請求項1に記載の情報処理方法。
  3. 前記診断情報は、前記車載用電池の劣化度合、前記劣化度合を診断する際のアルゴリズム、及び前記劣化度合の診断に用いた前記車載用電池の計測データを計測した機器を示す機器情報を含み、
    前記劣化度合、前記アルゴリズム、及び前記機器が予め認定された機器であるか否かに対応付けられている評価レベルを参照して、前記車載用電池に対する評価レベルを特定する
    処理を前記コンピュータが実行する請求項1又は2に記載の情報処理方法。
  4. 車両に搭載された計測器により計測した前記車両の走行距離及び前記車載用電池の充放電に関する充放電データを含む計測データを取得し、
    取得した計測データ及び前記診断情報に基づいて、前記車載用電池に対する評価レベルを特定する
    処理を前記コンピュータが実行する請求項1から3までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
  5. 特定した評価レベルが所定値以上である場合、前記車載用電池に認証を付与する
    処理を前記コンピュータが実行する請求項1から4までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
  6. 特定した評価レベルに応じて、前記車載用電池に付与する認証の認証レベルを決定する
    処理を前記コンピュータが実行する請求項1から5までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
  7. 前記車載用電池の識別情報に対応付けて、前記診断情報、前記評価レベル、及び前記車載用電池に付与した認証に関する認証情報をブロックチェーンシステムに記憶する
    処理を前記コンピュータが実行する請求項1から6までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
  8. 車両に搭載された計測器により計測した前記車両の走行距離及び前記車載用電池の充放電に関する充放電データを含む計測データを取得し、
    取得した計測データを、前記車載用電池の識別情報に対応付けて前記ブロックチェーンシステムに記憶する
    処理を前記コンピュータが実行する請求項7に記載の情報処理方法。
  9. 車載用電池に対する診断情報を取得し、
    取得した診断情報に基づいて、前記車載用電池に対する評価レベルを特定し、
    特定した評価レベルに基づいて、前記車載用電池に対して認証を付与するか否かを決定する
    処理をコンピュータに実行させるプログラム。
  10. 車載用電池に対する診断情報を取得する取得部と、
    取得した診断情報に基づいて、前記車載用電池に対する評価レベルを特定する特定部と、
    特定した評価レベルに基づいて、前記車載用電池に対して認証を付与するか否かを決定する決定部と
    を備える情報処理装置。
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