JP2023019424A - 赤外線透過性黒色顔料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、赤外領域に透過性があり、可視領域の吸収性が高い黒色顔料を利用することで、インキ、印刷物、塗料、塗装、プラスチック、繊維、フィルム、ブラックマトリックス用レジスト、フォトスペーサー用レジスト、化粧品、及びその硬化物を提供することにある。【解決手段】特定の物質を原料とし、インドール成分が1.0%以下であり、かつ平均粒子径が1.0~15μm以下であることを特徴とするメラニン顔料が、赤外領域の透過性が高く、一方可視領域の透過性が低い黒色顔料であることを見出し、上記の課題を解決できたものである。【選択図】図1

Description

本発明は赤外線透過性黒色顔料に関する。
建築外装用遮熱塗装は、一般的に赤外線透過性有色顔料を含むカラートップコート層と、酸化チタンなどの白色顔料を含む赤外線反射性のアンダーコート層の2層構成になっている。入射した赤外線はアンダーコート層で反射した後、有色でありながら、赤外線を透過するトップコート層を透過する構成になっている。それにより、赤外線によって生じる不要な熱を屋外(大気中)へ反射する。
また、自動運転車に使用されるセンサーの光源には赤外線が使用されており、赤外線が自動車塗装で反射されれば、センサーの認識率が向上すると思われる。
そのため、建築外装用遮熱塗装のカラートップコート層、自動運転車向け塗装において、赤外線領域(波長800~2500nm)の光を透過する顔料のニーズが発生している。
当該市場において、黒色は人気色となっているが、従前から使用されてきた顔料、例えば、カーボンブラック、酸化鉄は、赤外線をほぼ完全に吸収する特徴をもっている。上記顔料を用いた場合、漆黒性と赤外線透過性を両立することが難しく、赤外線透過性の黒色顔料の開発が望まれている。
一方、生体由来の黒色色素として、メラニン色素が知られており、各種用途において検討されている。例えば、従来技術としてチロシンもしくはその誘導体であるDopa(ジヒドロキシフェニルアラニン)もしくはインドールやインドリンまたはその塩の誘導体からメラニン色素を合成する例は知られている。
日焼け止め用途では、メラニン色素を放出されることのない内部細孔に担持された多孔質ポリマーを含んでなる紫外線吸収用組成物(特許文献1)が開示されている。髪染め染料用途では、メラニンの染料前駆体であるインドリン酸化反応を水性ゲルや水中油型エマルジョン担体中で行い酸化染料を生成する方法(特許文献2)、インドール誘導体、ラッカーゼ、ヒドロキノンを含有する毛髪化粧料(特許文献3)、5,6-ジヒドロキシインドールと5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸、直接染料、第2級アルコールのポリエトキシレート、増粘ポリマー、ベンジルアルコール及び/又はベンジルオキシエタノールを含む一剤式染毛剤組成物(特許文献4)が知られている。特許文献4においては、繰り返し使用することで毛髪に自然な色目を発現することを特徴としている。化粧品用途においいては、メラニン前駆体の最終物質である、5,6-ジヒドロキシインドールおよびその類似構造を持った化合物を酸化して得られるメラニン顔料を分散した化粧品(特許文献5~7)が知られている。
黒色微粒子として、平均粒径が100~400nmの範囲にあるポリドーパミンおよびその誘導体からなる黒色微粒子からなる可視光波長領域の光を構造色として反射させる反射膜(特許文献8)が開示されている。また、塗料用途においては、ドーパミン、Dopaを塩基性条件下で酸化重合させた角度非依存性の構造色を発現するカテコール系高分子黒色微粒子を有効成分として含んでなる、黒色水性塗料に鮮映性を付与するための調製物(特許文献9)が開示されている。
しかしながら、医学分野において、赤外線領域は「生体の窓」と呼ばれ、一般に生体関連材料は赤外線透過性が高いといわれていることから、生体由来の黒色色素によって赤外線透過性を改善できる可能性があるが、赤外線透過性に着目したメラニン骨格を有する黒色顔料について検討された例はなかった。
特開平2-111715号公報 特開平2-111715公報 特開2003-55175号公報 特開2007-326803号公報 特開平10-183001号公報 特表平6-510995号公報 特表平6-510995号公報 特開2015-197554号公報 特開2017-39808号公報
本発明が解決しようとする課題は、赤外線領域に透過性があり、可視領域の吸収性が高い黒色顔料を利用することで、インキ、印刷物、塗料、塗装、プラスチック、繊維、フィルム、ブラックマトリックス用レジスト、フォトスペーサー用レジスト、化粧品、及びその硬化物を提供することにある。
発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の物質を原料とし、インドール成分が1.0%以下であり、かつ平均粒子径が1.0~15μm以下であることを特徴とするメラニン顔料が、赤外線領域の透過性が高く、一方可視領域の透過性が低い黒色顔料であることを見出し、上記の課題を解決できたものである。
すなわち本発明は、以下を含む。
[1]顔料中のインドール成分の含有量が1.0%以下であり、かつ顔料の平均粒子径が1.0~15μm以下であることを特徴とするメラニン顔料。
[2]動物由来のチロシナーゼ、または植物由来のチロシナーゼを用いてなる1記載のメラニン顔料。
[3]1または2記載のメラニン顔料を含むインキ、印刷物、塗料、自動車塗料、塗装、プラスチック、繊維、フィルム、ブラックマトリックス用レジスト、フォトスペーサー用レジスト、化粧品、及びその硬化物。
を提供するものである。
本発明のメラニン顔料は、900~2500nmの近赤外線領域にわたって透過性を有する。また、400~800nmにわたって広域に強い吸収を有するため、従来のカーボンブラックではなし得なかった波長制御剤が可能であり、インキ、印刷物、塗料、自動車塗料、塗装、プラスチック、繊維、フィルム、ブラックマトリックス用レジスト、フォトスペーサー用レジスト、及びその硬化物、化粧品等の幅広い産業分野に使用することができるものである。
塗膜中の透過スペクトルを示す図である。
以下に示す本発明の実施形態は本発明の一部の実施形態を表すにすぎず、要旨を大幅に逸脱しない限りにおいて記載内容のみには限定されない。
[メラニン顔料]
本発明のメラニン顔料は、チロシンを出発物質として、チロシナーゼを用いた酸化反応により得られたものであり、重合反応が進行し、黒色化および不溶化することでメラニン顔料を合成した。
本発明のメラニン顔料は、インドール成分の含有量が少ないことが特徴であり、メラニン顔料中、1.0%以下のインドール成分含有量であることが好ましい。インドール成分がメラニン顔料中に多いと黒色ではなく、茶色を帯びた顔料が得られる。
インドール成分の顔料中の含有量の測定は、調製した顔料中のインドール成分の定性、定量をそのまま行うことは困難であるため、ガスクロマトグラフィーによる加熱分解分析により行った。その測定条件詳細は以下の通りである。
<ガスクロマトグラフ分析条件>
加熱炉温度230℃,0.5分
GCカラム: Ultra Alloy-5(0.25mm×30M,0.25μm)
気化室 320℃,圧力17.69 p s i , トータル流量34.5mL/min,スプリット比200:1,オーブン温度40℃(2min hold)→340℃(10℃/min ,8min hold)
また、本発明ののメラニン顔料は、粒径として、平均粒子径が1.0μm~15μm未満が好ましく、1.0μm~10μmが塗料化した時の着色力を向上させるために更に好ましい。15umを超える粒径であると着色力が低下するとともに、塗料中の分散性にも影響を及ぼし分散不良を起こすことがある。
顔料の粒子径の測定は、顔料の分散液をレーザー散乱方式の粒子径分布測定装置を用いることで行った。
また、本発明のメラニン顔料は、メラミンアルキッドによる塗料化した塗膜における比色測定値においてはL*は、25.0以下、a*は、-1.0~1.0、b*は、-1.0~1.0である。また本発明のメラニン顔料の特徴である赤外線領域の透過率として、900nmの透過率は10%以上、1500nmの透過率は、50%以上であることが赤外線領域の透過性が高いこととして本願では、定義をしている。
また、本発明のメラニン顔料は、用いる基材にもよるが、メラミンアルキッドによる塗料化した塗膜における比色測定値においてはL*は、25.0以下が好ましく、24.0以下が更に好ましい。a*は、-1.0~1.0が好ましく、-0.5~0.5が更に好ましい、b*は、-1.0~1.0が好ましく、-0.5~0.5が更に好ましい。また、赤外線領域の透過率は一般的に高い方が好ましいが、本発明のメラニン顔料の特徴である赤外線線領域の透過率においては、900nmの透過率は10%以上であることが好ましく、20%以上であることが更に好ましい。1500nmの透過率は、50%以上であることが好ましく、55%以上であることがさらに好ましい。
カーボンブラックは、赤外線領域の透過性が非常に低く、遮熱塗料のトップコート層に使用すると、赤外線領域の光を吸収して、熱に変換してしまうため、遮熱効果がほとんどない。
[メラニン顔料の製造方法]
本発明のメラニン顔料は、チロシンをチロシナーゼという酵素の酵素反応によって、中間体であるDopa(3,4-ジヒドロオキシフェニルアラニン)を経由、最終的に酸化されメラニン顔料得ることができる。
チロシンは、タンパク質を構成するアミノ酸の一種であり、極性無電荷側鎖アミノ酸あるいは芳香族アミノ酸に分類されるものである。ヒドロキシ基の位置が異なる3種類の異性体、パラ-Tyr(p-Tyr)、メタ-Tyr(m-Tyr)、オルト-Tyr (o-Tyr)が存在するが、フェニルアラニンヒドロキシラーゼによる酵素反応で合成されるのは p-Tyrのみである。他の2つの異性体は酸化ストレスが高い場合にヒドロキシルラジカルの攻撃によって生成する。チロシンは酵素チロシナーゼによってDopa(3,4-ジヒドロオキシフェニルアラニン)に変換され、最終的にメラニン顔料が製造される。
本発明で使用されるチロシナーゼは、動物由来のチロシナーゼ、または植物由来のチロシナーゼを使用することができる。
植物由来のチロシナーゼは、ジャガイモ,リンゴなどの果実,きのこなどの植物のメラニン細胞などに含まれるものであり、それらから抽出して使用する。
動物由来のチロシナーゼは、動物の皮膚細胞、毛母細胞に含まれるものであり、それらから抽出して使用する。
本発明のメラニン顔料は、チロシンを出発物質とし、チロシナーゼによる酵素反応によって合成され、インドールユニットが少ないメラニン顔料を得られる。このインドールユニットが少ないメラニン顔料は、耐アルカリ性が高い。
一方、特表平6-510995号公報記載の5,6-ジヒドロキシインドールを出発物質
としたメラニンの製造方法では、5,6-ジヒドロキシインドールが酸化重合を起こしやすいため、安定性が低く、5,6-ジヒドロキシインドールの状態で貯蔵することが難しい。また、重合のコントロールができないため、粒子径が大きくなりやすい。
さらに、特開2017-39808号公報のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンにドーパミン塩酸塩を添加する製造方法では、反応性が悪く、原料であるトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが残存しやすく、その影響で黒色から黒茶色への黄変等の色変化しやすい問題がある。
本発明のメラニン顔料を利用することで、インキ、印刷物、塗料、自動車塗料、塗装、プラスチック、繊維、フィルム、ブラックマトリックス用レジスト、フォトスペーサー用レジスト、及びその硬化物、化粧品等を提供することができる。下記詳述する用途は一例であり、本発明のメラニン顔料を黒色顔料としていかなる用途へも使用することができる。
(塗料用途)
本発明の顔料を着色剤として塗料とする場合、塗料として使用される樹脂としては、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂など様々である。
塗料に使用される溶媒としては、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノールn-ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N-ジメチルホルムアミド、γ-ブチロラクタムn-メチル-2-ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ-ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル、水等がある。溶媒としては、特にプロピオネート系、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系、水等の極性溶媒で水可溶のものが適している。
また、顔料添加剤及び/又は顔料を、液状樹脂中で分散し又は混合し、塗料用樹脂組成物とする場合に、通常の添加剤類、例えば、分散剤類、充填剤類、塗料補助剤類、乾燥剤類、可塑剤類及び/又は補助化合物を用いることができる。これは、それぞれの成分を、単独又は幾つかを一緒にして、全ての成分を集め、又はそれらの全部を一度に加えることによって、分散又は混合して達成される。
上記のように用途にあわせて調製された本発明の顔料を含む組成物を分散する分散機としては、ディスパー、ホモミキサー、ペイントコンディショナー、スキャンデックス、ビーズミル、アトライター、ボールミル、二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー等の公知の分散機が挙げられるが、これらに限定されるものではない。化合物の分散は、これらの分散機にて分散が可能な粘度になるよう、樹脂、溶剤が添加され分散される。分散後の高濃度塗料ベースは固形分5~20%であり、これにさらに樹脂、溶剤を混合し塗料として使用に供される。
(自動車塗料用途)
本発明の顔料を着色剤として自動車塗料とする場合、塗料として使用される樹脂としては、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂など様々である。
自動車塗料については、近年VOC抑制の観点から、水性塗料もしくは粉体電着塗料が適している。
顔料添加剤及び/又は顔料を、液状樹脂中もしくはドライブレンドで分散又は混合し、塗料用樹脂組成物とする場合に、通常の添加剤類、例えば、分散剤類、充填剤類、塗料補助剤類、乾燥剤類、可塑剤類及び/又は補助化合物を用いることができる。これは、それぞれの成分を、単独又は幾つかを一緒にして、全ての成分を集め、又はそれらの全部を一度に加えることによって、分散又は混合して達成される。
(インクジェットインキ用途)
本発明の顔料は、インクジェット用インクに好適に使用することができ、特に顔料分散剤などを用いて分散させた水性化合物分散液として、水性インクジェット用インクに好適に使用することができる。前記水性化合物分散液は、本発明の縮合多環系有機化合物の高濃度水分散液(化合物ペースト)を作成し、それを水溶性溶媒及び/または水で希釈し、必要に応じてその他の添加剤を添加して調製することができる。
本発明の顔料を前記水溶性溶媒及び/または水に分散させて化合物ペーストを得る方法は特に限定はなく、公知の分散方法を使用することが好ましい。この時使用する分散剤も、公知の化合物分散剤を使用して水に分散してもよいし、界面活性剤を使用してもよい。前記化合物分散剤としては水性樹脂がよく、好ましい例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、アニオン性基やカチオン性基を有するウレタン樹脂、アニオン性基やカチオン性基を有するラジカル系共重合体樹脂等が挙げられる。アニオン性基やカチオン性基を有するラジカル系共重合体樹脂としては例えば、アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体などのスチレン-アクリル樹脂、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン-アクリル酸共重合体、及び該水性樹脂の塩が挙げられる。
前記共重合体の塩を形成するための化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水酸化アルカリ金属類、およびジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどが挙げられる。これらの塩を形成するための化合物の使用量は、前記共重合体の中和当量以上であることが好ましい。
また市販品を使用することも勿論可能である。市販品としては、味の素ファインテクノ(株)製品のアジスパーPBシリーズ、ビックケミー・ジャパン(株)のDisperbykシリーズ、BYK-シリーズ、BASFジャパン株式会社製のEFKAシリーズ等を使用できる。
また、分散方法としては、例えば以下(1)~(3)を示すことができる。
(1)顔料分散剤及び水を含有する水性媒体に、顔料を添加した後、撹拌・分散装置を用いて顔料を該水性媒体中に分散させることにより、顔料ペーストを調製する方法。
(2)顔料、及び顔料分散剤を2本ロール、ミキサー等の混練機を用いて混練し、得られた混練物を、水を含む水性媒体中に添加し、撹拌・分散装置を用いて化合物ペーストを調製する方法。
(3)メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等のような水と相溶性を有する有機溶剤中に顔料分散剤を溶解して得られた溶液に顔料を添加した後、撹拌・分散装置を用いて顔料を有機溶液中に分散させ、次いで水性媒体を用いて転相乳化させた後、前記有機溶剤を留去し顔料ペーストを調製する方法。
混練機としては、特に限定されることなく、例えば、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリミキサーなどがあげられる。また、撹拌・分散装置としても特に限定されることなく、例えば、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、ナノマイザー等を挙げられる。これらのうちの1つを単独で用いてもよく、2種類以上装置を組み合わせて用いてもよい。
前記顔料ペーストに占める本発明の顔料の量は5~60質量%であることが好ましく、10~50質量%であることがより好ましい。顔料量が5質量%より少ない場合は、前記顔料ペーストから調製した水性インクの着色が不充分であり、充分な画像濃度が得られない傾向にある。また、逆に60質量%よりも多い場合は、化合物ペーストにおいて顔料の分散安定性が低下する傾向がある。
また、粗大粒子が、ノズル詰まり、その他の画像特性を劣化させる原因になるため、インク調製前後に、遠心分離、あるいは濾過処理等により粗大粒子を除去することが好ましい。
分散工程の後に、イオン交換処理や限外処理による不純物除去工程を経て、その後に後処理を行っても良い。イオン交換処理によって、カチオン、アニオンといったイオン性物質(2価の金属イオン等)を除去することができ、限外処理によって、不純物溶解物質(化合物合成時の残留物質、分散液組成中の過剰成分、有機化合物に吸着していない樹脂、混入異物等)を除去することができる。イオン交換処理は、公知のイオン交換樹脂を用いる。限外処理は、公知の限外ろ過膜を用い、通常タイプ又は2倍能力アップタイプのいずれでもよい。
前記顔料ペーストを作成した後、適宜希釈し必要に応じた添加剤を添加して、目的に応じた水性顔料分散液を得る。前記水性顔料分散液をインクジェット記録用インクに適用する場合は、更に水溶性溶媒及び/または水、バインダー目的のアニオン性基含有有機高分子化合物等を加え、所望の物性に必要に応じて湿潤剤(乾燥抑止剤)、浸透剤、あるいはその他の添加剤を添加して調製する。インクの調整後に、遠心分離あるいは濾過処理工程を加えてもよい。
インクの物理特性については特に限定はされないが、インクジェットインクとしての吐出性に考慮して、粘度は1~10(mPa・s)が好ましく、表面張力は20~50(mN/m)が好ましく、化合物濃度は1~10質量%であることが好ましい。
前記湿潤剤は、インクの乾燥防止を目的として添加する。乾燥防止を目的とする湿潤剤のインク中の含有量は3~50質量%であることが好ましい。本発明で使用する湿潤剤としては特に限定はないが、水との混和性がありインクジェットプリンターのヘッドの目詰まり防止効果が得られるものが好ましい。例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、等が挙げられる。中でも、プロピレングリコール、1,3-ブチルグリコールを含むことが安全性を有し、かつインク乾燥性、吐出性能に優れた効果が見られる。
前記浸透剤は、被記録媒体への浸透性改良や記録媒体上でのドット径調整を目的として添加する。浸透剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、エチレングリコールヘキシルエーテルやジエチレングリコールブチルエーテル等のアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
前記界面活性剤は、表面張力等のインク特性を調整するために添加する。このために添加することのできる界面活性剤は特に限定されるものではなく、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩などを挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、等を挙げることができ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、又2種類以上を混合して用いることもできる。界面活性剤を添加する場合は、その添加量はインクの全質量に対し、0.001~2質量%の範囲が好ましく、0.001~1.5質量%であることがより好ましく、0.01~1質量%の範囲であることがさらに好ましい。界面活性剤の添加量が0.001質量%未満の場合は、界面活性剤添加の効果が得られない傾向にあり、2質量%を超えて用いると、画像が滲むなどの問題を生じやすくなる。
また、必要に応じて防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
(プラスチック用途)
本発明の顔料はプラスチック着色用途にも使用できる。着色プラスチック成形品を得る場合には、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンやポリ塩化ビニル樹脂等の、射出成形やプレス成形等の熱成形用の熱可塑性樹脂(プラスチック)が用いられるが、本発明の顔料はこれらの樹脂に従来公知の方法で練り込んで使用することができる。
(トナー用途)
本発明の顔料はトナー着色用途にも使用できる。
静電荷像現像用トナーを得る場合には、たとえばポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂等の常温で固形の皮膜形成性の熱可塑性樹脂が分散用樹脂として使用される。
本発明の顔料を構成成分として製造される静電荷像現像用トナーは、トナー中に磁性体を含有する1成分色磁性トナー(磁性一成分現像用カラートナー)、磁性体を含有しない非磁性1成分色カラートナー(非磁性一成分現像用カラートナー)、又は、キャリアーを混合した2成分色現像剤用カラートナー(二成分現像用カラートナー)として用いることができる。
1成分色磁性トナーは、通常使用されているものと同様に、例えば着色剤、結着樹脂、磁性粉、電荷制御剤(CCA)や離型剤に代表されるその他添加剤等から構成出来る。
静電荷像現像用トナー中に占める本発明の顔料の使用量は特に限定されないが、結着樹脂100質量部に対し0.5~25質量部の割合で使用することが好ましく、着色剤自身の有する帯電性能を一層顕著ならしめる点から結着樹脂100質量部に対し4~10質量部であることが更に好ましい。
静電荷像現像用トナーに用いられる結着樹脂としては、前記熱可塑性樹脂として例示した公知慣用のものがいずれも使用できるが、熱又は圧力の適用下で接着性を示す合成樹脂、天然樹脂、天然ゴム、合成ゴム、合成ワックス等がいずれも使用できる。
(ブラックマトリックス・フォトスペーサー用途)
本発明の顔料は、公知の方法でカラーフィルタのブラックマトリックス部のパターンの形成やLCD用のフォトスペーサーに用いることが出来る。典型的には、本発明の顔料と、感光性樹脂とを必須成分して含むパターン形成用感光性組成物を得ることが出来る。
前記パターン形成用感光性組成物を調製するには、例えば、本発明の顔料と、感光性樹脂と、光重合開始剤と、前記樹脂を溶解する有機溶剤とを必須成分として混合する。その製造方法としては、本発明の顔料と有機溶剤と必要に応じて分散剤を用いて分散液を調製してから、そこに感光性樹脂等を加えて調製する方法が一般的である。
前記パターン形成用感光性組成物に使用される本発明の顔料には必要に応じて黄色化合物を用いることができる。必要に応じて用いる分散剤としては、例えばビックケミー社のディスパービック(DISPERBYK 登録商標)130、同161、同162、同163、同170、同LPN-6919、同LPN-21116等が挙げられる。また、レベリング剤、カップリング剤、カチオン系の界面活性剤なども併せて使用可能である。
有機溶剤としては、例えばトルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N-ジメチルホルムアミド、γ-ブチロラクタムn-メチル-2-ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ-ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル、水等がある。有機溶剤としては、特にプロピオネート系、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系、水等の極性溶媒で水可溶のものが適している。
使用可能な感光性樹脂としては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等の熱可塑性樹脂や、例えば1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3-メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のような多官能モノマー等の光重合性モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルパーオキサイド、2-クロロチオキサントン、1,3-ビス(4'-アジドベンザル)-2-プロパン、1,3-ビス(4'-アジドベンザル)-2-プロパン-2'-スルホン酸、4,4'-ジアジドスチルベン-2,2'-ジスルホン酸等がある。
こうして調製されたブラックマトリックス用感光性組成物は、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を有機溶剤やアルカリ水等で洗浄することによりブラックマトリックスやスペーサーとなすことができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
(実施例1)
リン酸緩衝液20倍濃縮液pH7.0(1/15mol/L)をイオン交換水で希釈し、緩衝液10Lを調製した。前記緩衝液に4.0gのチロシンを溶解させた後、0.2gのチロシナーゼ(Tyrosinase for mushroom-Lyophilized powder, ≧1000unit/mg solid, Sigma Aldrich 試薬)を200gの緩衝液に溶解して得られた酵素溶液を加え、24時間攪拌した。
その後、生成した黒色色素をろ過回収した。ろ過残渣を乾燥粉砕することで実施例1のメラニン黒色顔料を得た。得られた黒色顔料は3.9gであった。また、前記黒色顔料は、エタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、35%塩酸、10%水酸化ナトリウム水溶液に不溶であり、前記黒色顔料の平均粒径は、2.5μmであり、分布上最小粒径は1.1μm、分布上最大粒径は4.5μmであった。また、黒色顔料を以下の条件にて熱分解後にガスクロマトグラフにてインドール成分の加熱分解分析を行ったところインドール成分は検出されなかった。
<熱分解条件>
加熱炉温度230℃,0.5分
<ガスクロマトグラフ分析条件>
G C カラム: Ultra Alloy-5(0.25mm×30M,0.25μm)
気化室 320℃,圧力17.69 p s i , トータル流量34.5mL/min,スプリット比200:1,オーブン温度40℃(2min hold)→340℃(10℃/min ,8min hold)
[塗膜評価1]
得られた黒色顔料2.0g、固形分45%のメラミン-アルキッド樹脂8.0g、キシレン3.5g、ブタノール1.5g、粒径3mmのガラスビーズ42.5gをペイントコンディショナーにて60分振動分散した。得られた分散液に固形分45%のメラミン-アルキッド樹脂25.0gを追加し、さらに5分間振動分散し、実施例1の塗料組成物を得た。
前記塗料組成物を膜厚188μmのPETフィルムに10milのアプリケータを用いて塗布した。60分間静置後、130℃の乾燥機内で焼付乾燥を行い、実施例1の塗膜を得た。
上記方法にて得られた塗膜の比色測定、赤外線透過性の測定を行った。
比色、赤外線透過性測定については、日本分光製 分光光度計V-770を使用した。
比色測定値はL*=23.76、a*=0.36、b*=0.18であった。また900nmの透過率は23.6%、1500nmの透過率は58.8%であった。
(実施例2)
ジャガイモ0.7kg、及び、実施例1と同様のリン酸緩衝液20倍濃縮液をイオン交換水で希釈した緩衝液0.7kgをミキサーに入れ、ミキサーで粉砕後、得られたスラリーをろ過してジャガイモチロシナーゼクルードを含むろ液1kgを得た。前記ろ液にチロシン4gを溶解し、24時間攪拌した。その後、生成した黒色色素をろ過回収した。ろ過残渣を乾燥粉砕することで実施例2のメラニン黒色顔料を得た。得られた黒色顔料は14gであった。また、前記黒色顔料は、エタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、35%塩酸、10%水酸化ナトリウム水溶液に不溶であり、前記黒色顔料の平均粒径は8.7μmであり、分布上最小粒径は5.2μm、分布上最大粒径は14.7μmであった。また、実施例1と同様の条件にて熱分解後にガスクロマトグラフにてインドール成分の加熱分解分析を行ったところインドール成分は検出されなかった。
[塗膜評価2]
実施例2の黒色顔料を用いた以外は、実施例1の塗膜評価1と同様にして、実施例2の塗膜を得た。実施例1と同様に比色測定、赤外線透過性の測定を行った。
比色測定値はL*=23.81、a*=0.43、b*=0.29であった。また900nmの透過率は22.8%、1500nmの透過率は58.2%であった。
(比較例1)
カーボンブラック
[塗膜評価3]
黒色顔料にカーボンブラックを用いた以外は実施例1の塗膜評価1と同様にして、比較例1の塗膜を得た。実施例1と同様に比色測定、赤外線透過性の測定を行った。
L*=23.52、a*=0.33、b*=0.30であった。また900nmの透過率は0.0%、1500nmの透過率は0.4%であった。
(比較例2)
特開2017-39808号公報記載に準拠し、蒸留水350g及びメタノール100g、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン60.5gを混合、窒素ガスで置換した後、攪拌した。その後、10重量%のドーパミン塩酸塩50gをゆっくり加え、24時間反応させた。得られた反応液からメタノールを留去した後、析出した黒色液をろ過し、ろ過残渣を乾燥粉砕することで比較例2の黒色顔料を得た。得られた黒色顔料は4.6gであった。前記黒色顔料の平均粒径は、830nmであり、分布上最小粒径は、520nmであり、分布上最大粒径は、1.13μmであった。また、実施例1と同様の条件にて熱分解後にガスクロマトグラフにてインドール成分の加熱分解分析を行ったところインドール成分が5%検出された。
[塗膜評価4]
比較例2の黒色顔料を用いた以外は、実施例1の塗膜評価1と同様にして、比較例2の塗膜を得た。実施例1と同様に比色測定、赤外線透過性の測定を行った。
比色測定値はL*=32.84、a*=2.87、b*=3.73であった。また900nmの透過率は22.6%、1500nmの透過率は56.4%であった。

Claims (3)

  1. 顔料中のインドール成分の含有量が1.0%以下であり、かつ顔料の平均粒子径が1.0~15μm以下であることを特徴とするメラニン顔料。
  2. 動物由来のチロシナーゼ 、または植物由来のチロシナーゼを用いてなる請求項1記載のメラニン顔料。
  3. 請求項1または2記載のメラニン顔料を含むインキ、印刷物、塗料、自動車塗料、塗装、プラスチック、繊維、フィルム、ブラックマトリックス用レジスト、フォトスペーサー用レジスト、及びその硬化物、化粧品。
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