JP2023018864A - ロキソプロフェン含有外用塗布剤 - Google Patents

ロキソプロフェン含有外用塗布剤 Download PDF

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Abstract

【課題】低級アルコールを実質的に含有せず、溶解性を補うために界面活性剤を含有したロキソプロフェンを含有する外用塗布剤において、保存安定性が良く、変色がなく、外観に優れたロキソプロフェン含有外用塗布剤を提供すること。【解決手段】(a)および(b)を含有し、かつ実質的に低級アルコールを含有しない 外用塗布剤。(a)ロキソプロフェン(b)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種以上。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた鎮痛消炎作用を有するロキソプロフェンを含有する外用塗布剤に関する。より詳しくは、本発明は、ロキソプロフェンに特定の成分を含有または非含有とすることによって、これまでのロキソプロフェン外用塗布剤やその製剤技術に比べ、外観および保存安定性を顕著に向上させた外用塗布剤に関する。
プロピオン酸系非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤(NSAIDs)であるロキソプロフェンは、他のNSAIDsと同様にプロスタグランジン生合成の抑制作用に基づく解熱・鎮痛・消炎作用を有する。なお、ロキソプロフェンは経口投与後に胃粘膜刺激作用の弱い未変化体のまま消化管から吸収され、体内で活性体となるプロドラッグであるため、活性体よりも胃粘膜障害は少ないという特徴を有することでも知られている(例えば、非特許文献1参照)。
近年、ロキソプロフェンは外用消炎鎮痛剤としてもパップ剤、テープ剤及びゲル剤が市販され、臨床に供されている(例えば、非特許文献2参照)。なお、ロキソプロフェンは、皮膚においてもケトン還元酵素によってトランス-OH体(活性体)に変換されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
皮膚に適用する製剤として、皮膚外用製剤が知られており、皮膚外用製剤は、主に貼付剤と塗布剤とに大別される。
上記塗布剤には、外用固形剤(チック剤、ハードゲル)、外用液剤(ローション剤、リニメント剤)、ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤等がある。
これまでに、ロキソプロフェンを含有する外用塗布剤おいて、イソプロパノールを含有することで、過酷条件下での外観安定性が向上することが開示されている(特許文献2参照)。また、アルキル硫酸エステル塩を含有することで、過酷条件下での製剤の黄変を抑制することが開示されている(特許文献3参照)。特許文献2及び3に記載されているロキソプロフェンを含有する外用塗布剤はすべて低級アルコールを含有し、さらに製剤がガラス瓶に充填されている。しかし、市中で販売されているチック剤等の外用塗布剤の直接容器は、密栓したガラス瓶と比べて気密性が低く、これらの特許文献における保存安定性は実製品でのものとは相当異なることが予測される。
これまでに、ロキソプロフェン以外のNSAIDsを含有した外用塗布剤の一種であるチック剤が販売されており、いずれの製品も低級アルコールを含有している(例えば、非特許文献3~5参照)。
例えば、外用塗布剤の一種であるチック剤においては、低級アルコールは飽和高級脂肪酸塩等の基剤やl-メントール等の油溶性成分を製剤中に溶解するために欠かせない成分である。また、市中で販売されているチック剤の直接容器であるポリオレフィン製容器は、その機能特性上、可動部分が多く気密性が低い。低級アルコールは揮発性が高く、経時的に容器から蒸散して製剤が質量低下を起こすため、外用塗布剤の中でもチック剤においては直接容器での保存安定性が特に課題であった。市中の製品は直接容器をアルミニウム等の金属を含む防湿袋で密閉包装することで未開封時の保存安定性を担保しているものの、初回使用時に防湿袋は取り除かれるため根本的な解決には至っていない。一方、直接容器での保存安定性を向上するため低級アルコールを非含有とすると、飽和高級脂肪酸塩や油溶性成分等に対する溶解性を補填するために界面活性剤を含有すると、保存安定性が悪くなり、製剤に変色が生じる等が課題であった。このため、低級アルコールを含有しなくとも、保存安定性が良い、変色がない等の外観に優れたロキソプロフェン含有外用塗布剤の出現が切望されている。
特開2008-074873号公開公報 特許第6189668号公報 特開2015-71594号公開公報
薬理と治療 Vol.16 No.2 1988 p.611-619 JAPIC 医療用医薬品集2013 丸善 2012 ゼノールエクサムSX添付文書 ゼノールエクサムFX添付文書 ゼノールチックE添付文書
本発明の課題は、低級アルコールを実質的に含有せず、溶解性を補うために界面活性剤を含有したロキソプロフェンを含有する外用塗布剤において、保存安定性が良く、変色がなく、外観に優れたロキソプロフェン含有外用塗布剤を提供することである。
本発明者らは、ロキソプロフェン含有する外用塗布剤において、直接容器での保存安定性を向上する目的として低級アルコールを実質的に含有せず、界面活性剤を含有するときに課題となる変色を抑制する成分について調べた。その結果、ロキソプロフェンを含有し、低級アルコールを実質的に非含有とする外用塗布剤に、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルからからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有することで、変色がなく、外観に優れたロキソプロフェン含有外用塗布剤を得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)(a)および(b)を含有し、かつ実質的に低級アルコールを含有しない外用塗布剤。
(a)ロキソプロフェン
(b)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルからなる群より選ばれる1種又は2種以上。
(2)さらに、飽和高級脂肪酸塩を含有する、前記(1)に記載の外用塗布剤。
(3)さらに、塩基性物質を含有する、前記(1)又は(2)に記載の外用塗布剤。、
(4)さらに、多価アルコールを含有する、前記(1)~(3)のいずれか1項に記載の外用塗布剤。
(5)さらに、l-メントールを含有する、前記(1)~(4)のいずれか1項に記載の外用塗布剤。
(6)鎮痛消炎用である、前記(1)~(5)のいずれか1項に記載の外用塗布剤。
本発明の外用塗布剤は、使用感に優れ、直接容器での保存安定性(開封後の安定性)が顕著に向上されており、臨床上極めて有用である。
本発明における外用塗布剤は、下記(a)および(b)を含有し、かつ実質的に低級アルコールを含有しない。
(a)ロキソプロフェン
(b)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルからなる群より選ばれる1種又は2種以上。
本発明の外用塗布剤の剤形としては、外用固形剤(チック剤、ハードゲル)、外用液剤(ローション剤、リニメント剤)、ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤等が挙げられるが、本発明の効果を奏しやすいことから、外用固形剤、外用液剤が好ましく、外用固形剤がより好ましい。
本発明において、「ロキソプロフェン」とは、ロキソプロフェン又はその塩(含水塩を含む)であり、好ましくは、ロキソプロフェンナトリウム又はロキソプロフェンナトリウム・2水和物であり、より好ましくは、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物である。
本発明におけるロキソプロフェンは、ロキソプロフェンナトリウム水和物として第18改正日本薬局方に収載されている。
本発明におけるポリエチレングリコール脂肪酸エステルとは、炭素数12~22の脂肪酸に酸化エチレンを付加重合させた構造又は炭素数12~22の脂肪酸にポリエチレングリコール又はエチレングリコールをエステル結合させた構造の非イオン系界面活性剤である。このような化合物としては、例えば、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコールなどが挙げられ、医薬品添加物辞典2021(薬事日報社、2021)に収載されている。
本発明におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルとは、炭素数12~22のアルキル基とポリオキシエチレンとがエーテル結合された構造の非イオン系界面活性剤である。このような化合物としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルなどが挙げられ、医薬品添加物辞典2021に収載されている。
本発明におけるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとは、ソルビタンの1つ以上の水酸基にポリエチレングリコール構造を導入させたエーテル体において、1つ以上の末端水酸基を炭素数12~18の脂肪酸でエステル化させた構造の非イオン系界面活性剤である。このような化合物としては、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80などが挙げられ、医薬品添加物辞典2021に収載されている。
本発明におけるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルとは、炭素数12~18の脂肪酸とポリオキシエチレンソルビットからなるテトラエステルである非イオン系界面活性剤である。このような化合物としては、例えば、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットなどが挙げられ、医薬品添加物辞典2021に収載されている。
本発明におけるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとは、炭素数12~22の高級アルコールに酸化プロピレンと酸化エチレンを付加重合させた構造の非イオン系界面活性剤である。このような化合物としては、例えば、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテルなどが挙げられ、医薬品添加物辞典2021に収載されている。
本発明における低級アルコールとは、可溶化剤、基剤、保存剤、溶剤、溶解補助剤等の用途で外用剤に用いられる炭素数1~4個の脂肪族アルコール類であり、例えば、メタノール、エタノール(エチルアルコールとも言う)、プロパノール、イソプロパノール(イソプロピルアルコールとも言う)、変性アルコール等が挙げられ、医薬品添加物辞典2016に収載されている。このうち、変性アルコールとしては、例えば、ゲラニオール変性アルコール、八アセチルしょ糖変性アルコール、フェニルエチルアルコール変性アルコール等が挙げられる。
本発明の外用塗布剤は、前述の低級アルコールを実質的に含有しない。
なお、「実質的に」とは、他の配合成分から不可避的に含有される場合を除くことを意味する。
低級アルコールを実質的に含有しないとは、外用塗布剤全量を基準として、低級アルコーの含有量が、1質量%以下であることをいい、好ましくは0.5質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下である。
本発明の外用塗布剤は、l-メントールを含んでいてもよい。
本発明におけるl-メントールは、有効成分としては血行促進成分として外用塗布剤に使用され、第17改正日本薬局方に収載されているほか、医薬品添加剤としても清涼化剤、香料、安定化剤等として用いられ、医薬品添加物辞典2021に収載されている。
本発明の外用塗布剤は、飽和高級脂肪酸塩を含んでいてもよい。
本発明における飽和高級脂肪酸塩とは、基剤、乳化剤等の用途で外用塗布剤に用いられる、炭素数12~22個の飽和脂肪酸塩であり、例えば、ステアリン酸ナトリウム等が挙げられ、医薬品添加物辞典2021に収載されている。
なお、飽和高級脂肪酸塩を用いて外用塗布剤とする場合、炭素数12~22の飽和高級脂肪酸及びこれと塩を形成するカチオンを解離する化合物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)を含有して飽和高級脂肪酸塩を形成させてもよく、飽和高級脂肪酸塩(飽和高級脂肪酸のナトリウム塩等)を含むや薬用石けんや石けん用素地等を用いてもよい。
本発明の外用塗布剤は、塩基性物質を含んでいてもよい。
本発明における塩基性物質とは、特に制限されないが、通常外用剤に用いられpHを増加させる物質のことであり、例えば、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられ、医薬品添加物辞典2021に収載されている。
本発明の外用塗布剤は、多価アルコールを含んでいてもよい。
本発明における多価アルコールとは、可溶化剤、基剤、湿潤剤、粘稠剤、溶剤、溶解補助剤等の用途で外用剤に用いられる、分子内に水酸基が2個以上あるアルコールであり、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3‐ブチレングリコール、マクロゴール(ポリエチレングリコールともいう)、D‐ソルビトールであり、医薬品添加物辞典2021に収載されている。
本発明の外用塗布剤におけるロキソプロフェンの含有量は、特に限定されないが、外用塗布剤全量を基準として、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物として、好ましくは、0.1~10質量%であり、より好ましくは、0.5~8.5質量%である。
また、本発明の外用塗布剤における1,3-ブチレングリコールの含有量は、特に限定されないが、外用塗布剤全量を基準として、好ましくは5~55質量%であり、より好ましくは10~45質量%である。
本発明の外用塗布剤における、(b)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルからなる群より選ばれる1種又は2種以上の含有量(2種以上の場合には合計の含有量)は、特に限定されないが、外用塗布剤全量を基準として、外用塗布剤全量を基準として、好ましくは1~30質量%であり、より好ましくは、2~20質量%である。
また、(a)ロキソプロフェンと、上記(b)の質量比率としては、(b)/(a)としては、好ましくは0.2~30であり、より好ましくは0.4~20である。
さらに本発明の外用塗布剤における飽和高級脂肪酸塩の添加量は特に限定されないが、外用塗布剤全量を基準として、好ましくは、3~20質量%であり、より好ましくは、5~15質量%である。
さらに本発明の外用塗布剤における塩基性物質の添加量は特に限定されないが、外用塗布剤全量を基準として、好ましくは、0.01~10質量%であり、より好ましくは、0.1~5質量%である。なお上記の添加量は非希釈の塩基性物質そのものの換算量であり、製造時には水等の溶媒に希釈したものを使用することができる。また1種以上の塩基性物質を組み合わせて使用することもできる。
さらに本発明の外用剤における多価アルコールの添加量は特に限定されないが、好ましくは、外用塗布剤全量を基準として、1~50質量%であり、より好ましくは、20~45質量%である。
さらに本発明の外用塗布剤におけるl-メントールは、特に限定されないが、外用塗布剤全量を基準として、好ましくは0.01~10質量%であり、より好ましくは、0.5~7.5質量%である。
本発明の外用塗布剤において、上記成分以外の鎮痛消炎用の外用塗布剤に通常使用される、薬物や医薬品添加物を添加することができる。
薬物としては、例えば、グリチルレチン酸等の抗炎症剤、クロルフェニラミンマレイン酸塩等の抗ヒスタミン剤、ニコチン酸ベンジルエステル等の血行改善成分、ノナン酸バニリルアミド等の局所刺激成分、アルニカチンキ等の生薬成分等を挙げることができ、これらの薬物は、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
上記成分以外の医薬品添加物は、例えば、経時的な含量安定性や使用感の更なる向上等を目的として必要に応じて添加するものであり、例えば、湿潤剤、抗酸化剤や清涼化剤等を挙げることができる。
湿潤剤としては、例えばdl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム等を添加することができる。
抗酸化剤としては、例えば、トコフェロール等を用いることができる。
清涼化剤としては、例えば、カンフル、dl-カンフル、ハッカ油、ユーカリ油等を挙げることができる。
本発明の外用塗布剤は容器に収納するものであり、その容器としては、密閉容器を用いることが好ましい。密閉容器としては、例えば、チューブ容器、ボトル、ジャーボトル、押出し式やダイヤル式の繰り上げ下げ式容器等が挙げられる。なかでも、外用固形剤については、その使用・収納の観点からは、押出し式やダイヤル式の繰り上げ下げ式容器が好ましい。
本発明の外用塗布剤は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂製の容器に直接収容し、さらにアルミニウム等の金属を含む防湿袋に収容することができる。
本発明の外用塗布剤は、鎮痛消炎用として、痛みや炎症を有する患者、例えば、腰痛、打撲、捻挫、肩こりに伴う肩の痛み、腱鞘炎、肘の痛み、関節痛等の患者に使用することができる。本発明の外用塗布剤は、前記患者に対し、これを1日1~数回、適量を患部に塗布する。
以下に、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明する。
Figure 2023018864000001
Figure 2023018864000002
Figure 2023018864000003
Figure 2023018864000004
Figure 2023018864000005
製造方法としては、表1~3に記載した成分及び分量を取り、加熱・攪拌混合して溶解し、これを容器に充填して室温で固化し、表1~3に記載の製剤例1~27の外用固形剤を得ることができる。なお、表1~3中の「ロキソプロフェンナトリウム水和物」としては、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物を用いている。
(試験例)ロキソプロフェン含有外用固形剤の外観保存安定性試験
(1)試験材料
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物は第一三共ケミカルファーマ(株)製のものを、l-メントールは鈴木薄荷(株)製のものを、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油100、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル、ポリソルベート80、モノステアリン酸ポリエチレングリコールは日光ケミカルズ製のものを、ステアリン酸ナトリウムは日油(株)製のものを、水酸化ナトリウムは関東化学(株)製のものを、1,3-ブチレングリコールはダイセル(株)製のものを、濃グリセリンは小堺製薬(株)製のものを、プロピレングリコールは丸石製薬(株)製のものを、それぞれ使用した。
(2)検体の調製 以下の表4~5に記載した成分を加熱・攪拌混合して溶解後、透明ガラス軽量規格瓶10Kに充填し、密栓して室温で固化し、以下の外用固形剤を得た。
(3)試験方法
得られた各外用固形剤を25℃60%相対湿度(RH)にて2週間保存後に外観(着色)の目視確認を行った。着色は濃淡により-、±、+、++の4段階で評価し、-、±、+を許容範囲とした。
(4)試験結果
結果を表4~5に示す。なお、表4及び表5中の「ロキソプロフェンナトリウム水和物」としては、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物を用いている。
Figure 2023018864000006
Figure 2023018864000007
表4中におけるロキソプロフェンナトリウム水和物の含有量はロキソプロフェンナトリウム1g(無水物換算)に相当する。
Figure 2023018864000008
表5中におけるロキソプロフェンナトリウム水和物の含有量はロキソプロフェンナトリウム1g(無水物換算)に相当する。
表4の比較例1~3により、ロキソプロフェンを含有し、低級エタノールを含有しない外用固形剤において、界面活性剤として市販の外用固形剤で多用されるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有することにより、変色が確認された。比較例2及び参考例1の比較により、上記の変色がロキソプロフェンを含有する製剤で生じていることが分かった。
一方、表4の実施例1~3及び表5の実施例4~9により、界面活性剤としてポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種以上を含有することにより、ロキソプロフェンを含有する製剤の変色を抑制することが確認された。
(試験例)ロキソプロフェン含有外用固形剤の質量安定性試験
(1)試験材料
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物は第一三共ケミカルファーマ(株)製のものを、1,3-ブチレングリコールはダイセル(株)製のものを、l-メントールは鈴木薄荷(株)製のものを、ステアリン酸ナトリウムは日油(株)製のものを、水酸化ナトリウムは関東化学(株)製のものを、無水エタノールは今津薬品工業(株)製のものを、それぞれ使用した。
(2)検体の調製
以下の表6に記載した成分を加熱・攪拌混合して溶解後、透明ガラス軽量規格瓶10Kに充填し、密栓して室温で固化し、以下の外用固形剤を得た。
(3)試験方法
得られた各外用固形剤より透明ガラス軽量規格瓶の蓋を除去し、開放状態で25℃60%相対湿度(RH)にて2週間保存前後における製剤質量を測定した。
(4)試験結果
結果を表6に示す。なお、表6中の「ロキソプロフェンナトリウム水和物」としては、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物を用いている。
Figure 2023018864000009
表6の参考例2及び実施例10の比較により、低級エタノールを非含有とした外用固形剤において、製剤質量の減少を顕著に抑制でき、開封後の安定性が良好に保たれることが確認できた。
以上、本発明の好ましい実施形態および実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
本発明の、ロキソプロフェンを含有する外用塗布剤は、使用感に優れ、長年課題であった開封後の安定性が顕著に向上され、さらに変色が抑制されており、臨床的に極めて有用である。

Claims (6)

  1. (a)および(b)を含有し、かつ実質的に低級アルコールを含有しない外用塗布剤。
    (a)ロキソプロフェン
    (b)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルからなる群より選ばれる1種又は2種以上。
  2. さらに、飽和高級脂肪酸塩を含有する、請求項1に記載の外用塗布剤。
  3. さらに、塩基性物質を含有する、請求項1又は2に記載の外用塗布剤。
  4. さらに、多価アルコールを含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の外用塗布剤。
  5. さらに、l-メントールを含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の外用塗布剤。
  6. 鎮痛消炎用である、請求項1~5のいずれか1項に記載の外用塗布剤。
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