JP2023018062A - 抗cd47剤ベースの卵巣癌療法 - Google Patents

抗cd47剤ベースの卵巣癌療法 Download PDF

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Abstract

【課題】抗CD47剤ベースの卵巣癌療法の提供。【解決手段】本明細書では、抗CD47抗体を使用して卵巣癌を処置するために使用され得る方法、キット、及び組成物が提供される。抗CD47抗体は、単独で使用されてもよいし、または化学療法などの1つ以上の追加の薬剤と組み合わせて使用されてもよい。本明細書に開示されるのは、対象に抗CD47剤を投与する工程を含む、上皮性卵巣癌を有するヒト対象を処置するか、またはヒト対象の上皮性卵巣癌のサイズを減少させる方法である。【選択図】図1

Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、2017年10月18日に出願された米国仮出願第62/573,835号
の利益を主張し、これは、あらゆる目的で参照によりその全体が本明細書に組み込まれる
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出された配列表を含み、その全体が参
照により本明細書に組み込まれる。2018年9月26日に作成された前述のASCII
コピーは、41619WO_CRF_sequencelisting.txtという名
称であり、サイズは6,241バイトである。
世界中のがんの大多数は固形腫瘍である。2016年には、米国で160万人以上が新
たに悪性固形腫瘍と診断されると推定されている(Siegel et al.(201
6),Cancer statistics,2016.CA:A Cancer Jo
urnal for Clinicians,66:7-30(非特許文献1))。固形
腫瘍の現在の治療基準としては、外科的切除、放射線療法、細胞毒性化学療法、ならびに
分子標的小分子及びモノクローナル抗体(mAb)が挙げられる。これらの治療にもかか
わらず、転移性癌のほとんどの患者は、疾患及び/または治療の合併症で死亡する。がん
を標的とする小分子は、既存または緊急の耐性という理由で単剤としての効果が限定され
ており、通常は正常な細胞に対して毒性を示す。
治療用抗体の開発は、いくつかのタイプのがんの処置に実質的に影響を与えてきた。従
来、これらの組換えタンパク質は、がん細胞に特異的に結合し、シグナル伝達経路をブロ
ックするか、または免疫系による破壊のためにそれらをマークする。しかし、標的抗体は
、少数のがんにのみ存在し、最も効果的な抗体でさえ、従来の化学療法との併用療法を必
要とし、生じる治療反応は不十分である場合が多い。多くの患者では、(分子が腫瘍細胞
の生存に必須ではない場合)抗体標的の喪失によって、または腫瘍殺傷に対する耐性の発
達によって、疾患は抗体処置に対して耐性になる。通常、患者は自分の疾患の再発を経験
する。
CD47は、自然免疫系による食作用のがん細胞回避を媒介する重要な分子として同定
されている。CD47は、がん幹細胞を含むがん細胞が、それらの食細胞性の「自己を食
べろ(eat me)」シグナルという内在性の発現を克服するために不可欠な手段であ
ると思われる。正常細胞からがん細胞への進行には、プログラムされた細胞死(PCD)
及びプログラムされた細胞の除去(PCR)を引き起こす遺伝子及び/または遺伝子発現
の変化が含まれる。がんの進行におけるステップの多くは、PCDの複数のメカニズムを
覆し、主要な抗食作用シグナルであるCD47の発現は、重要なチェックポイントとなり
得る。
CD47発現は、以下の原発性悪性腫瘍を含む多数の多様なヒトの腫瘍の種類由来のが
ん細胞の表面で増大される:頭頸部、黒色腫、乳房、肺、卵巣、膵臓、結腸、膀胱、前立
腺、平滑筋肉腫、膠芽腫、髄芽腫、乏突起神経膠腫、神経膠腫、リンパ腫、白血病、及び
多発性骨髄腫。マウス異種移植研究では、CD47ブロッキング抗体が、さまざまな血液
悪性腫瘍及びいくつかの固形腫瘍由来の癌幹細胞及びがん細胞の食作用及び排除を可能に
することにより、ヒトのがんの成長及び転移を阻害することが示されている。
CD47は、マクロファージ及び樹状細胞を含む食細胞上で発現されるSIRPαのリ
ガンドとして機能する。SIRPαがCD47結合によって活性化されると、シグナル伝
達カスケードが開始され、食作用が阻害される。このように、CD47は、食細胞に優勢
な抑制シグナルを伝達することにより、抗食細胞シグナルとして機能する。ブロッキング
抗CD47抗体が癌幹細胞及びがん細胞の食作用性の排除を可能にしたことが示されてい
る。
マウス異種移植片では、CD47ブロッキング抗体は、様々な血液悪性腫瘍及び固形腫
瘍由来のがん細胞の食作用及び排除を可能にすることにより、ヒト異種移植片腫瘍の成長
及び転移を阻害する。さらに、CD47ブロッキング抗体は、確立されたがん細胞標的抗
体であるリツキシマブ、トラスツズマブ、及びセツキシマブと相乗作用して、一部の腫瘍
タイプの治療効果を高める。
CD47をブロックする抗体の効果的な送達のための方法は、臨床的に興味深く、本明
細書で提供される。
Siegel et al.(2016),Cancer statistics,2016.CA:A Cancer Journal for Clinicians,66:7-30
本明細書に開示されるのは、対象に抗CD47剤を投与する工程を含む、上皮性卵巣癌
を有するヒト対象を処置するか、またはヒト対象の上皮性卵巣癌のサイズを減少させる方
法である。抗CD47剤は、抗CD47抗体を含んでもよい。
上皮性卵巣癌は、漿液性腫瘍、粘液性腫瘍、明細胞腫瘍、類内膜腫瘍(endomet
riod tumor)、移行上皮腫瘍、ブレナー腫瘍、癌肉腫腫瘍、混合上皮腫瘍、境
界上皮腫瘍、未分化癌腫瘍、卵管腫瘍、または原発性腹膜腫瘍であり得る。いくつかの態
様において、上皮性卵巣癌は、漿液性腫瘍である。いくつかの態様において、漿液性卵巣
癌は、組織学的分析の細分類によって決定される低悪性度または高悪性度である。
いくつかの態様では、本明細書で開示される方法は、少なくとも1つの追加の薬剤をヒ
ト対象に投与する工程をさらに含む。
抗CD47剤をヒト対象に投与する工程;及び少なくとも1つの追加の薬剤をヒト対象
に投与する工程を含む、卵巣癌を有するヒト対象を処置するか、またはヒト対象における
上皮性卵巣癌のサイズを減少させる方法も本明細書に開示される。抗CD47剤は、抗C
D47抗体を含み得る。
追加の薬剤は、化学療法剤、VEGF阻害剤、PARP阻害剤、免疫チェックポイント
阻害剤、免疫抗がん剤、及び葉酸阻害剤の少なくとも1つを含み得る。
いくつかの態様では、追加の薬剤は化学療法剤である。いくつかの態様では、化学療法
剤は白金(シスプラチン/カルボプラチン)である。いくつかの態様において、この化学
療法剤はタキサン(パクリタキセル(Taxol(登録商標))またはドセタキセル(T
axotere(登録商標)))、ゲムシタビン、アルブミン結合パクリタキセル(na
b-パクリタキセル、Abraxane(登録商標))、アルトレタミン(Hexale
n(登録商標))、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、シクロホスファミド(
Cytoxan(登録商標))、エトポシド(VP-16)、ゲムシタビン(Gemza
r(登録商標))、イホスファミド(Ifex(登録商標))、イリノテカン(CPT-
11、Camptosar(登録商標))、リポソームドキソルビシン(Doxil(登
録商標))、メルファラン、ペメトレキセド(Alimta(登録商標))、トポテカン
、ビノレルビン(Navelbine(登録商標))、またはトラベクテジン(Yond
elis(登録商標))である。
いくつかの態様では、追加の薬剤は、VEGF阻害剤、任意でベバシズマブ(Avas
tin(登録商標))、レゴラフェニブ(Stivarga(登録商標))、またはアフ
リベルセプト(Eylea(登録商標))である。
いくつかの態様において、追加の薬剤は、PARP阻害剤であり、任意でPARP阻害
剤は、ルカパリブ(Rubraca(登録商標))、ニラパリブ(Zejula(登録商
標))、オラパリブ(Lynparza(登録商標))、タラゾパリブ(BMN-673
)、またはベリパリブ(ABT-888)である。
いくつかの態様では、追加の薬剤は、免疫チェックポイント阻害剤であり、任意で、追
加の薬剤は、CTLA4、PD1、及びPDL1のうちの少なくとも1つを阻害する。
いくつかの態様では、追加の薬剤は、葉酸代謝を阻害するかまたは葉酸受容体を標的と
する葉酸阻害剤である。
いくつかの態様では、抗CD47抗体及び追加の薬剤は、同時にまたは順次投与される
いくつかの態様では、抗CD47抗体は、IgG4 Fcを含む。いくつかの態様にお
いて、抗CD47抗体は、CD47への結合についてHu5F9-G4と競合する。いく
つかの態様において、抗CD47は、Hu5F9-G4と同じCD47エピトープに結合
する。いくつかの態様において、抗CD47抗体はHu5F9-G4である。
いくつかの態様において、抗体は、薬学的に許容される賦形剤とともに薬学的組成物と
して製剤化される。
いくつかの態様では、ヒト対象は白金感受性である。
いくつかの態様では、ヒト対象は白金耐性である。
いくつかの態様において、抗CD47抗体は静脈内投与される。いくつかの態様におい
て、抗CD47抗体は腹腔内投与される。いくつかの態様において、抗CD47抗体は腫
瘍内投与される。
いくつかの態様において、投与は、ベースラインと比較して、対象におけるCA125
のレベルを低下させ、任意で、CA125のレベルは、月にほぼ1回測定される。いくつ
かの態様では、投与は、ベースラインと比較して、対象におけるCA125のレベルを少
なくとも30~90、40~80、50~70、30、40、50、60、70、80、
または90%低下させる。CA125は、イムノアッセイで測定され得る。CA125は
、Mongia et al.,Performance characteristi
cs of seven automated CA 125 assays.Am J
Clin Pathol.2006 Jun;125(6):921-7(あらゆる目
的で参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている1つ以上のアッセイを使用し
て測定され得る。
いくつかの態様では、投与は、任意で画像化により測定されるがんまたはその転移のサ
イズを、ベースラインと比較して減少させ、任意で、この画像化はCT/PET/CTま
たはMRIであり、最初はベースラインからサイズが増大するがその後減少する疾患が任
意で含まれる。
いくつかの態様において、投与は、ベースラインと比較して、CA125、HE4(ヒ
ト精巣上体タンパク質4)、CA-72-4、CA-19-9、及びCEAのうち少なく
とも1つのレベルを低下させる。
いくつかの態様において、卵巣癌は、上皮性卵巣癌、任意で漿液性腫瘍、粘液性腫瘍、
明細胞腫瘍、類内膜腫瘍、移行上皮腫瘍、ブレナー腫瘍、癌肉腫腫瘍、混合上皮腫瘍、境
界上皮腫瘍、未分化癌腫瘍、卵管腫瘍、または原発性腹膜腫瘍である。いくつかの態様に
おいて、卵巣癌は漿液性腫瘍である。いくつかの態様において、漿液性腫瘍は、組織学的
分析によって決定される低悪性度または高悪性度である。
いくつかの態様において、腫瘍の種類は組織学的分析によって決定される。
いくつかの態様では、本明細書に開示される方法は、初回刺激用量の抗CD47抗体を
投与する工程をさらに含む。いくつかの態様では、本明細書に開示される方法は、初回刺
激用量のエリスロポエチン刺激剤を投与する工程をさらに含む。
いくつかの態様では、抗CD47抗体は、約0.5~約5mg/kgの抗体の範囲、任
意で1mg/kgの抗体の初回刺激用量として対象に投与される。いくつかの態様では、
抗CD47抗体は、約20~約67.5mg/kgの抗体の範囲の用量、任意で20mg
/kgの抗体、30mg/kgの抗体、45mg/kgの抗体、60mg/kgの抗体、
または67.5mg/kgの抗体として対象に投与される。いくつかの態様では、抗CD
47抗体は、毎週、2週間ごと、または3週間ごとに対象に投与される。
上記の請求項のいずれかの方法は、(a)抗CD47抗体の初回刺激用量を対象に投与
する工程であって、この初回刺激用量は約0.5~約5mg/kgの抗体である、工程;
及び、(b)治療上有効な用量の抗CD47抗体を対象に投与する工程であって、工程(
a)の開始後少なくとも約3~14日後に、任意で(a)の7日後に行われる、工程、を
含む。
いくつかの態様では、この方法は、(a)抗CD47抗体の初回刺激用量を、1日目に
1mg/kgの抗体の用量で対象に投与する工程;及び、(b)抗CD47抗体の治療上
有効な用量を、8日目に20mg/kgの抗体、30mg/kgの抗体、45mg/kg
の抗体、60mg/kgの抗体、または67.5mg/kgの抗体の用量で対象に投与す
る工程、を含む。
いくつかの態様では、初回刺激用量の有効性は、この初回刺激用量の投与後の対象の貧
血状態に基づいて決定される。いくつかの態様では、初回刺激用量は以下の場合に有効と
みなされる:対象のヘモグロブリンレベルの低下が8.0g/dL以上である;かつ/ま
たは対象のヘモグロビンレベルの絶対低下が3.0~3.75g/dL未満である。
いくつかの態様では、本明細書で開示される方法は、工程(a)の後かつ工程(b)の
前に、初回刺激用量の投与が有効であったか否かを判定する工程をさらに含む。いくつか
の態様では、決定工程は、網状赤血球カウントを行うことを含み、網状赤血球カウントが
1Lあたり約100×10個の網状赤血球~1Lあたり約1000×10個の網状赤
血球である場合、初回刺激用量の投与が有効であったと決定される。いくつかの態様では
、決定工程は、網状赤血球カウントを行うことを含み、血液中の網状赤血球のパーセンテ
ージが約1.5%を超える場合、初回刺激用量の投与が有効であったと決定される。いく
つかの態様では、決定工程は、網状赤血球カウントを行うことを含み、網状赤血球指数が
約2%を超える場合、プライミング剤の投与が有効であったと決定される。
いくつかの態様では、初回刺激用量は、約0.05mg/ml~約0.5mg/mlの
濃度の抗CD47抗体を含む注入剤としてヒト対象に投与される。
上記注入剤が、少なくとも約1~3、8~10、1、2、3、4、5、6、7、8、9
、または10時間の期間にわたって送達される、段落[0038]の方法。いくつかの態
様において、この注入剤は、少なくとも約3時間の期間にわたって送達される。いくつか
の態様において、この注入剤は、約2.5時間~約6時間の期間にわたって送達される。
いくつかの態様では、初回刺激用量は、約6時間~約3日の期間にわたって連続ポンプ
によって送達される。
いくつかの態様では、初回刺激用量は皮下に送達される。
いくつかの態様において、初回刺激用量は、赤血球上のCD47部位の少なくとも約5
0%~100%、任意で赤血球上のCD47部位の100%を飽和させる。いくつかの態
様では、この用量は、対象へのある用量の非標識抗CD47剤の投与後に血液試料を得て
、検出可能に標識された抗CD47抗体の飽和用量と組み合わせる、受容体占有率アッセ
イ;及び結合のレベルを決定することによって決定される。
いくつかの態様では、(b)の治療上有効な用量は、ある持続期間にわたって100、
250、500、または1000μg/mlを超える抗CD47抗体の循環レベルを達成
するのに十分であり、任意で、持続期間は少なくとも1~28、7~28、7~21、1
4~28、または21~28日である。いくつかの態様では、持続期間は、約1、2、3
、または4週間である。
いくつかの態様において、抗CD47抗体初回刺激用量は、1mg/kgの抗体である
いくつかの態様では、治療上有効な抗CD47抗体用量は、20mg/kgの抗体であ
る。
いくつかの態様において、治療上有効な抗CD47抗体用量は、30mg/kgの抗体
である。
いくつかの態様では、治療上有効な抗CD47抗体用量は、45mg/kgの抗体であ
る。
いくつかの態様において、治療上有効な抗CD47抗体用量は、60mg/kgの抗体
である。
いくつかの態様では、治療上有効な抗CD47抗体用量は、67.5mg/kgの抗体
である。
いくつかの態様において、治療上有効な抗CD47抗体用量は、約7、14、21、ま
たは28日ごとに投与される。
いくつかの態様において、治療上有効な抗CD47抗体用量は、7日ごとに投与される
また、本明細書に開示されるのは、非上皮性卵巣癌を有するヒト対象を処置する方法で
あって、対象に抗CD47剤を投与する工程を含み、任意で、非上皮性卵巣癌は悪性性索
腫瘍または悪性胚細胞腫瘍である。抗CD47剤は、抗CD47抗体を含んでもよい。
抗CD47剤及び少なくとも1つの追加の薬剤を含む組成物も本明細書に開示され、任
意で、この追加の薬剤は、化学療法剤、VEGF阻害剤、PARP阻害剤、免疫チェック
ポイント阻害剤、免疫抗がん剤、または葉酸阻害剤である。抗CD47剤は、抗CD47
抗体を含み得る。
抗CD47剤、少なくとも1つの追加の薬剤、及び使用説明書を備えるキットも本明細
書に開示され、任意で、この追加の薬剤は化学療法剤、VEGF阻害剤、PARP阻害剤
、免疫チェックポイント阻害剤、免疫抗がん剤、または葉酸阻害剤である。抗CD47剤
は、抗CD47抗体を含み得る。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
上皮性卵巣癌を有するヒト対象を処置するか、またはヒト対象における上皮性卵巣癌のサイズを減少させる方法であって、前記対象に抗CD47抗体を投与する工程を含む、前記方法。
(項目2)
(a)抗CD47抗体の初回刺激用量を対象に投与する工程であって、前記初回刺激用量は約0.5~約5mg/kgの抗体である、前記工程;及び
(b)治療上有効な用量の抗CD47抗体を対象に投与する工程であって、工程(a)の開始後少なくとも約3~14日後に、任意で(a)の7日後に行われる、前記工程を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
(a)抗CD47抗体の前記初回刺激用量を、1日目に1mg/kgの抗体の用量で対象に投与する工程;及び、(b)抗CD47抗体の前記治療上有効な用量を、8日目に20mg/kgの抗体、30mg/kgの抗体、45mg/kgの抗体、60mg/kgの抗体、または67.5mg/kgの抗体の用量で対象に投与する工程、を含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
上皮性卵巣癌が漿液性腫瘍、粘液性腫瘍、明細胞腫瘍、類内膜腫瘍(endometriod tumor)、移行上皮腫瘍、ブレナー腫瘍、癌肉腫腫瘍、混合上皮腫瘍、境界上皮腫瘍、未分化癌腫瘍、卵管腫瘍、または原発性腹膜腫瘍である、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記上皮性卵巣癌が漿液性腫瘍である、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記漿液性卵巣癌が、組織学的分析の細分類によって決定される低悪性度または高悪性度である、項目5に記載の方法。
(項目7)
少なくとも1つの追加の薬剤をヒト対象に投与する工程をさらに含む、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
卵巣癌を有するヒト対象を処置するか、またはヒト対象における上皮性卵巣癌のサイズを減少させる方法であって、抗CD47抗体を前記ヒト対象に投与する工程;及び、少なくとも1つの追加の薬剤を前記ヒト対象に投与する工程、を含む、前記方法。
(項目9)
前記追加の薬剤が、化学療法剤、VEGF阻害剤、PARP阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤、免疫抗がん剤、及び葉酸阻害剤の少なくとも1つを含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記追加の薬剤が化学療法剤である、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記化学療法剤が白金(シスプラチン/カルボプラチン)である、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記化学療法剤が、タキサン(パクリタキセル(Taxol(登録商標))またはドセタキセル(Taxotere(登録商標)))、ゲムシタビン、アルブミン結合パクリタキセル(nab-パクリタキセル、Abraxane(登録商標))、アルトレタミン(Hexalen(登録商標))、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、エトポシド(VP-16)、ゲムシタビン(Gemzar(登録商標))、イホスファミド(Ifex(登録商標))、イリノテカン(CPT-11、Camptosar(登録商標))、リポソームドキソルビシン(Doxil(登録商標))、メルファラン、ペメトレキセド(Alimta(登録商標))、トポテカン、ビノレルビン(Navelbine(登録商標))、またはトラベクテジン(Yondelis(登録商標))である、項目10に記載の方法。
(項目13)
前記追加の薬剤が、VEGF阻害剤、任意でベバシズマブ(Avastin(登録商標))、レゴラフェニブ(Stivarga(登録商標))、またはアフリベルセプト(Eylea(登録商標))である、項目9に記載の方法。
(項目14)
前記追加の薬剤がPARP阻害剤であり、任意で前記PARP阻害剤がルカパリブ(Rubraca(登録商標))、ニラパリブ(Zejula(登録商標))、オラパリブ(Lynparza(登録商標))、タラゾパリブ(BMN-673)、またはベリパリブ(ABT-888)である、項目9に記載の方法。
(項目15)
前記追加の薬剤が免疫チェックポイント阻害剤であり、任意で、前記追加の薬剤がCTLA4、PD1、及びPDL1の少なくとも1つを阻害する、項目9に記載の方法。
(項目16)
前記追加の薬剤が、葉酸代謝を阻害するかまたは葉酸受容体を標的とする葉酸阻害剤である、項目9に記載の方法。
(項目17)
前記抗CD47抗体及び追加の薬剤が、同時にまたは順次投与される、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
前記抗CD47抗体がIgG4 Fcを含む、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記抗CD47抗体がCD47への結合についてHu5F9-G4と競合する、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記抗CD47がHu5F9-G4と同じCD47エピトープに結合する、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記抗CD47抗体がHu5F9-G4である、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
前記抗体が、薬学的に許容される賦形剤とともに薬学的組成物として製剤化される、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記ヒト対象が白金感受性である、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
前記ヒト対象が白金耐性である、項目21を除く先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
前記抗体が静脈内投与される、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記抗体が腹腔内投与される、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目27)
前記抗体が腫瘍内投与される、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
前記抗体の投与がベースラインと比較して対象におけるCA125のレベルを低下させ、任意でCA125のレベルが月に約1回測定される、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記抗体の投与が、対象におけるCA125のレベルを、ベースラインと比較して少なくとも30~90、40~80、50~70、30、40、50、60、70、80、または90%低下させる、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
前記抗体の投与が、任意で画像化により測定されるがんまたはその転移のサイズを、ベースラインと比較して減少させ、任意で、前記画像化はCT/PET/CTまたはMRIであり、最初はベースラインからサイズが増大するがその後減少する疾患が任意で含まれる、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
前記抗体の投与が、ベースラインと比較して、CA125、HE4(ヒト精巣上体タンパク質4)、CA-72-4、CA-19-9、及びCEAのうち少なくとも1つのレベルを低下させる、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目32)
卵巣癌が上皮性卵巣癌、任意で漿液性腫瘍、粘液性腫瘍、明細胞腫瘍、類内膜腫瘍、移行上皮腫瘍、ブレナー腫瘍、癌肉腫腫瘍、混合上皮腫瘍、境界上皮腫瘍、未分化癌腫瘍、卵管腫瘍、または原発性腹膜腫瘍である、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目33)
前記卵巣癌が漿液性腫瘍である、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目34)
前記漿液性腫瘍が、組織学的分析によって決定される低悪性度または高悪性度である、項目33に記載の方法。
(項目35)
腫瘍の種類が組織学的分析によって決定される、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目36)
初回刺激用量の抗CD47抗体を投与する工程をさらに含む、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目37)
初回刺激用量のエリスロポエチン刺激剤を投与する工程をさらに含む、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目38)
前記抗CD47抗体が、約0.5~約5mg/kgの抗体の範囲、任意で1mg/kgの抗体の初回刺激用量として対象に投与される、項目36のいずれかに記載の方法。
(項目39)
前記抗CD47抗体が、約20~約67.5mg/kgの抗体の範囲、任意で20mg/kgの抗体、30mg/kgの抗体、45mg/kgの抗体、60mg/kgの抗体、または67.5mg/kgの抗体の用量として対象に投与される、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目40)
前記抗CD47抗体が、毎週、2週間ごと、または3週間ごとに対象に投与される、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目41)
(a)前記抗CD47抗体の初回刺激用量を対象に投与する工程であって、前記初回刺激用量は約0.5~約5mg/kgの抗体である、前記工程;及び
(b)治療上有効な用量の前記抗CD47抗体を対象に投与する工程であって、工程(a)の開始後少なくとも約3~14日後に、任意で(a)の7日後に行われる、前記工程を含む、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目42)
(a)抗CD47抗体の前記初回刺激用量を、1日目に1mg/kgの抗体の用量で対象に投与する工程;及び、(b)抗CD47抗体の前記治療上有効な用量を、8日目に20mg/kgの抗体、30mg/kgの抗体、45mg/kgの抗体、60mg/kgの抗体、または67.5mg/kgの抗体の用量で対象に投与する工程、を含む、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記初回刺激用量の有効性が、前記初回刺激用量の投与後の対象の貧血状態に基づいて決定される、項目36~42のいずれか1項に記載の方法。
(項目44)
対象のヘモグロブリンレベルの低下が8.0g/dL以上である;かつ/または 対象のヘモグロビンレベルの絶対低下が3.0~3.75g/dL未満であるならば、前記初回刺激用量が有効であると見なされる、項目36~42のいずれか1項に記載の方法。
(項目45)
工程(a)の後かつ工程(b)の前に、前記初回刺激用量の投与が有効であったか否かを決定する工程をさらに含む、項目41に記載の方法。
(項目46)
前記決定工程が、網状赤血球カウントを行うことを含み、前記網状赤血球カウントが1Lあたり約100×10個の網状赤血球~1Lあたり約1000×10個の網状赤血球である場合、前記初回刺激用量の投与が有効であったと決定される、項目42に記載の方法。
(項目47)
前記決定工程が、網状赤血球カウントを行うことを含み、血液中の網状赤血球のパーセンテージが約1.5%を超える場合、前記初回刺激用量の投与が有効であったと決定される、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記決定工程が、網状赤血球カウントを行うことを含み、網状赤血球指数が約2%を超える場合、プライミング剤の投与が有効であったと決定される、項目46に記載の方法。
(項目49)
前記初回刺激用量が、約0.05mg/ml~約0.5mg/mlの濃度の抗CD47抗体を含む注入剤としてヒト対象に投与される、項目41~48のいずれか1項に記載の方法。
(項目50)
前記注入剤が、少なくとも約1~3、8~10、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10時間の期間にわたって送達される、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記注入剤が、少なくとも約3時間の期間にわたって送達される、項目49に記載の方法。
(項目52)
前記注入剤が、約2.5時間~約6時間の期間にわたって送達される、項目49に記載の方法。
(項目53)
前記初回刺激用量が、約6時間~約3日の期間にわたって連続ポンプによって送達される、項目41~48のいずれか1項に記載の方法。
(項目54)
前記初回刺激用量が皮下送達される、項目41~53のいずれか1項に記載の方法。
(項目55)
前記初回刺激用量が、赤血球上のCD47部位の少なくとも約50%~100%、任意で赤血球上のCD47部位の100%を飽和させる、項目41~54のいずれか1項に記載の方法。
(項目56)
前記用量が、
対象へのある用量の非標識抗CD47剤の投与後に血液試料を得て、検出可能に標識された抗CD47抗体の飽和用量と組み合わせる、受容体占有率アッセイ;及び
結合のレベルを決定すること
によって決定される、項目55に記載の方法。
(項目57)
(b)の前記治療上有効な用量が、ある持続期間にわたって、100、250、500、または1000μg/mlを超える循環レベルの前記抗CD47抗体を達成するのに十分であり、任意で、前記持続期間は少なくとも1~28日、7~28日、7~21日、14~28日、または21~28日である、項目41~56のいずれか1項に記載の方法。
(項目58)
前記持続期間が約1、2、3、または4週間である、項目57に記載の方法。
(項目59)
前記初回刺激用量が1mg/kgの抗体である、項目41~58に記載の方法。
(項目60)
前記治療上有効な用量が20mg/kgの抗体である、項目41~58に記載の方法。
(項目61)
前記治療上有効な用量が30mg/kgの抗体である、項目41~58に記載の方法。
(項目62)
前記治療上有効な用量が45mg/kgの抗体である、項目41~58に記載の方法。
(項目63)
前記治療上有効な用量が60mg/kgの抗体である、項目41~58に記載の方法。
(項目64)
前記治療上有効な用量が67.5mg/kgの抗体である、項目41~58に記載の方法。
(項目65)
前記治療上有効な用量が、約7、14、21、または28日ごとに投与される、項目41~64のいずれか1項に記載の方法。
(項目66)
前記治療上有効な用量が7日ごとに投与される、項目41~65のいずれか1項に記載の方法。
(項目67)
非上皮性卵巣癌を有するヒト対象を処置する方法であって、前記対象に抗CD47抗体を投与する工程を含み、任意で、前記非上皮性卵巣癌は悪性性索腫瘍または悪性生殖細胞腫瘍である、前記方法。
(項目68)
抗CD47抗体及び少なくとも1つの追加の薬剤を含む組成物であって、任意で、前記追加の薬剤は、化学療法剤、VEGF阻害剤、PARP阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤、免疫抗がん剤、または葉酸阻害剤である、前記組成物。
(項目69)
抗CD47抗体、少なくとも1つの追加の薬剤、及び使用説明書を備えるキットであって、任意で、前記追加の薬剤は、化学療法剤、VEGF阻害剤、PARP阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤、免疫抗がん剤、または葉酸阻害剤である、前記キット。
本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明及び添付の図面に関して
よりよく理解されるであろう。
図1は、Hu-5F9-G4を投与された五(5)例の卵巣癌患者のそれぞれにおけるベースラインと比較したCA125のパーセント(%)変化を示す。 図2は、ベースライン時及びHu-5F9-G4投与後8週間での11-305のスキャンを示す。それぞれに腫瘍サイズの変化が示されている。 図3は、ベースライン時及びHu-5F9-G4投与後8週間での11-305のスキャンを示す。それぞれに腫瘍サイズの変化が示されている。 図4は、ベースライン時及びHu-5F9-G4投与後8週間での11-305のスキャンを示す。それぞれに腫瘍サイズの変化が示されている。 図5は、ベースライン時及びHu-5F9-G4投与後8週間での01-312のスキャンを示す(左傍大動脈リンパ節)。それぞれに腫瘍サイズの変化が示されている。 図6は、ベースライン時及びHu-5F9-G4投与後8週間での01-312のスキャンを示す(肝門部リンパ節)。それぞれに腫瘍サイズの変化が示されている。 図7は、ベースライン時及びHu-5F9-G4投与後8週間での01-312のスキャンを示す(下大静脈後リンパ節)。それぞれに腫瘍サイズの変化が示されている。 図8は、ベースライン時及びHu-5F9-G4投与後8週間での01-312のスキャンを示す(門脈周囲リンパ節)。それぞれに腫瘍サイズの変化が示されている。
本発明は、Hu5F9-G4などの抗CD47剤で卵巣癌を有する対象を処置する方法
に関する。
本発明の方法及び組成物が記載される前に、本発明は記載された特定の方法または組成
物に限定されず、したがって当然ながら変化し得ることを理解のこと。本発明の範囲は添
付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される用語は、特定の
実施形態を説明することのみを目的とし、限定を意図するものではないことも理解のこと
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に他のことを示さない限り、その範囲の上限と
下限の間の各介在値は、下限の単位の10分の1までが具体的に開示されることも理解さ
れる。所定の範囲内の任意の所定の値または介在値と、その所定の範囲内の任意の他の所
定値または介在値の間のそれぞれのより小さい範囲は、本発明に含まれる。これらのより
小さな範囲の上限と下限は、独立してこの範囲に含まれても除外されてもよく、どちらか
一方または両方の制限がより小さい範囲に含まれる各範囲も、本発明に包含され、所定の
範囲のいずれか特に除外される限界にある。所定の範囲が制限の一方または両方を含む場
合、それらの含まれた制限のいずれかまたは両方を除外する範囲も本発明に含まれる。
別途定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が
属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書
に記載されているものと類似または同等の任意の方法及び材料は、本発明の実施または試
験に使用し得るが、いくつかの潜在的かつ好ましい方法及び材料をここで説明する。本明
細書で言及される全ての刊行物は、その刊行物が関連して引用される方法及び/または材
料を開示及び説明するために、参照により本明細書に組み込まれる。本開示は、矛盾が存
在する程度までは、組み込まれた刊行物のいかなる開示よりも優先されることが理解され
る。
この開示を読めば当業者には明らかであるように、本明細書で説明及び図示される個々
の実施形態のそれぞれは、本発明の範囲からも趣旨からも逸脱することなく、他のいくつ
かの実施形態のいずれかから容易に分離されるかまたはその特徴と組み合わされ得る個別
の構成要素及び特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序で、また
は論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「ある、1つの(a:不
定冠詞)」、「ある、1つの(an:不定冠詞)」、及び「この、その(the:定冠詞
)」は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意し
なければならない。したがって、例えば、「細胞」という言及は、複数のそのような細胞
を含み、「ペプチド」という言及は、例えば、当業者に公知であるポリペプチドなど、1
つ以上のペプチド及びそれらの同等物への言及を含む。
本明細書で考察される刊行物は、本出願の出願日より前のそれらの開示のためにのみ提
供される。本明細書中のいかなるものも、本発明が先行発明によりそのような刊行物に先
行する権利を与えられないことの承認として解釈されるべきではない。さらに、提供され
た発行日は、実際の発行日と異なる場合があり、個別に確認する必要がある場合がある。
本明細書で使用する場合、「抗CD47剤」という用語は、(例えば、標的細胞上の)
CD47の(例えば、食細胞上の)SIRPαへの結合を低減する任意の薬剤を指す。適
切な抗CD47試薬の非限定的な例としては、限定するものではないが、高親和性SIR
Pαポリペプチド、抗SIRPα抗体、可溶性CD47ポリペプチド、及び抗CD47抗
体または抗体フラグメントを含むSIRPα試薬が含まれる。いくつかの実施形態では、
適切な抗CD47剤(例えば、抗CD47抗体、SIRPα試薬など)は、CD47に特
異的に結合して、CD47のSIRPαへの結合を低下させる。いくつかの実施形態では
、適切な抗CD47剤(例えば、抗SIRPα抗体、可溶性CD47ポリペプチドなど)
は、SIRPαに特異的に結合して、CD47のSIRPαへの結合を低下させる。SI
RPαに結合する適切な抗CD47剤は、SIRPαを活性化しない(例えば、SIRP
αを発現する食細胞において)。適切な抗CD47剤の有効性は、その剤をアッセイする
ことにより評価され得る(以下でさらに説明される)。例示的なアッセイにおいて、標的
細胞は、候補薬剤の存在下または非存在下でインキュベートされる。本発明の方法で使用
するための薬剤は、食作用を、その剤の非在下での食作用と比較して少なくとも10%(
例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、
少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくと
も100%、少なくとも120%、少なくとも140%、少なくとも160%、少なくと
も180%、または少なくとも200%)まで上方制御する。同様に、SIRPαのチロ
シンリン酸化のレベルに関するインビトロアッセイは、リン酸化が、候補薬剤の非存在下
で観察されたリン酸化と比較して少なくとも5%(例えば、少なくとも10%、少なくと
も15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%
、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または
100%)の減少を示すだろう。
いくつかの実施形態では、抗CD47剤は、結合時にCD47を活性化しない。
CD47が活性化される場合、アポトーシス(すなわち、プログラムされた細胞死)に
類似したプロセスが起こり得る(Manna and Frazier,Cancer
Research,64,1026-1036,Feb.1 2004)。したがって、
いくつかの実施形態では、抗CD47剤は、CD47発現細胞の細胞死を直接誘発しない
いくつかの病原体(例えば、ポックスウイルス、粘液腫(Myxoma)ウイルス、鹿
痘(Deerpox)ウイルス、豚痘ウイルス、山羊痘ウイルス、羊痘ウイルスなど)は
、感染を可能にする毒性因子として作用するCD47類似体(すなわち、CD47模倣物
)(例えば、M128Lタンパク質)を発現し(Cameron et al.,Vir
ology.2005 Jun 20;337(1):55-67)、一部の病原体は、
宿主細胞で内因性CD47の発現を誘導する。したがって、CD47類似体を発現する病
原体に感染した細胞は、病原体が提供するCD47類似体を排他的にまたは内因性CD4
7と組み合わせて発現し得る。この機構により、病原体は、内因性CD47のレベルを増
大させるか、または増大させずに、感染した細胞における(CD47アナログの発現を介
して)CD47発現を増大させ得る。いくつかの実施形態では、抗CD47剤(例えば、
抗CD47抗体、SIRPα試薬、SIRPα抗体、可溶性CD47ポリペプチドなど)
は、CD47類似体(すなわち、CD47模倣物)のSIRPαへの結合を低減し得る。
場合によっては、適切な抗CD47剤(例えば、SIRPα試薬、抗CD47抗体など)
は、CD47類似体(すなわち、CD47模倣物)に結合して、CD47類似体のSIR
Pαへの結合を低減し得る。場合によっては、適切な抗CD47剤(例えば、抗SIRP
α抗体、可溶性CD47ポリペプチドなど)がSIRPαに結合し得る。SIRPαに結
合する適切な抗CD47剤は、SIRPαを活性化しない(例えば、SIRPαを発現す
る食細胞において)。抗CD47剤は、病原体がCD47類似体を提供する病原体である
場合、本明細書で提供される任意の方法で使用されてもよい。言い換えると、本明細書で
使用される「CD47」という用語は、CD47ならびにCD47類似体(すなわち、C
D47模倣物)を包含する。
SIRPα試薬は、認識可能な親和性でCD47に結合するのに十分であるSIRPα
の部分(これは通常、シグナル配列と膜貫通ドメインの間にある)か、または結合活性を
保持するそのフラグメントを含む。適切なSIRPα試薬は、天然タンパク質SIRPα
とCD47との間の相互作用を低減する(例えば、ブロック、防止など)。SIRPα試
薬は通常、SIRPαの少なくともd1ドメインを含む。いくつかの実施形態では、SI
RPα試薬は、例えば、第2のポリペプチドとインフレームで融合された融合タンパク質
である。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドは、例えば、融合タンパク質が循
環から急速に除去されないように、融合タンパク質のサイズを増大し得る。いくつかの実
施形態では、第2のポリペプチドは、免疫グロブリンFc領域の一部または全体である。
Fc領域は、「自己を食べろ(eat me)」シグナルを提供することで食作用を助け
、高親和性SIRPα試薬によって提供される「自己を食べるな(don’t eat
me)」シグナルのブロックを増強する。他の実施形態では、第2のポリペプチドは、F
cと実質的に同様である任意の適切なポリペプチドであり、例えば、サイズの増大、多量
体化ドメイン、及び/またはIg分子とのさらなる結合もしくは相互作用を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明の抗CD47剤は、SIRPα由来のポリペプチド及
びその類似体を含む「高親和性SIRPα試薬」である。高親和性SIRPα試薬は、国
際出願PCT/US13/21937に記載されており、参照により本明細書に具体的に
組み込まれる。高親和性SIRPα試薬は、天然SIRPαタンパク質のバリアントであ
る。いくつかの実施形態では、高親和性SIRPα試薬は可溶性であり、ポリペプチドは
SIRPα膜貫通ドメインを欠き、野生型SIRPα配列と比較して少なくとも1つのア
ミノ酸変化を含み、アミノ酸変化はCD47へのSIRPαポリペプチド結合の親和性を
、例えば、オフレートを少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少な
くとも100倍、少なくとも500倍、またはそれ以上減少させることによって、増大さ
せる。
高親和性SIRPα試薬は、通常はシグナル配列と膜貫通ドメインの間にある認識可能
な親和性、例えば高親和性でCD47に結合するのに十分なSIRPαの部分、または結
合活性を保持するそのフラグメントを含む。高親和性SIRPα試薬は通常、親和性を高
めるために修飾されたアミノ酸残基を有するSIRPαの少なくともd1ドメインを含む
。いくつかの実施形態では、本発明のSIRPαバリアントは、例えば、第2のポリペプ
チドとインフレームで融合された融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、第2
のポリペプチドは、例えば、融合タンパク質が循環から急速に除去されないように、融合
タンパク質のサイズを増大し得る。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドは、免
疫グロブリンFc領域の一部または全体である。Fc領域は、「自己を食べろ(eat
me)」シグナルを提供することで食作用を助け、高親和性SIRPα試薬によって提供
される「自己を食べるな(don’t eat me)」シグナルのブロックを強化する
。他の実施形態では、第2のポリペプチドは、Fcと実質的に同様である任意の適切なポ
リペプチドであり、例えば、サイズの増大、多量体化ドメイン、及び/またはIg分子と
のさらなる結合もしくは相互作用を提供する。親和性の増大をもたらすアミノ酸の変化は
d1ドメインに限局しているため、高親和性SIRPα試薬は、ヒトSIRPαのd1ド
メインを含み、d1ドメイン内の野生型配列と比較して少なくとも1つのアミノ酸が変化
する。そのような高親和性SIRPα試薬は、任意で、追加のアミノ酸配列、例えば抗体
Fc配列(野生型のヒトの一部)を含む。
天然タンパク質またはそのフラグメントの残基150~374を含むがこれらに限定さ
れない、d1ドメイン以外のSIRPαタンパク質、通常はd1ドメインに隣接するフラ
グメント;など。高親和性SIRPα試薬は、単量体または多量体、すなわち二量体、三
量体、四量体などであってもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の抗CD47剤は、SIRPαに特異的に結合する抗
体(すなわち、抗SIRPα抗体)であり、ある細胞(例えば、感染細胞)上のCD47
と別の細胞(例えば、食細胞)上のSIRPαとの間の相互作用を低減する。SIRPα
の活性化は食作用を阻害するので、適切な抗SIRPα抗体は、SIRPαを介したシグ
ナル伝達を活性化または刺激することなく、SIRPαに結合し得る。代わりに、適切な
抗SIRPα抗体は、正常な細胞よりも影響を受けた細胞の優先的な食作用を促進する。
他の細胞(非感染細胞)に比べてより高いレベルのCD47(例えば、感染細胞)を発現
する細胞は、優先的に貪食される。したがって、適切な抗SIRPα抗体は、SIRPα
に特異的に結合し(食作用を阻害するのに十分なシグナル伝達反応を活性化/刺激するこ
となく)、SIRPαとCD47との間の相互作用をブロックする。適切な抗SIRPα
抗体としては、そのような抗体の完全ヒト型、ヒト化型またはキメラ型が含まれる。ヒト
化抗体は、抗原性が低いため、ヒトでのインビボの適用に特に有用である。同様にイヌ化
、ネコ化などの抗体は、それぞれイヌ、ネコ、及び他の種での適用に特に有用である。目
的の抗体としては、ヒト化抗体、またはイヌ化、ネコ化、ウマ化、ウシ化、ブタ化などの
抗体及びそのバリアントが挙げられる。
可溶性CD47ポリペプチド。いくつかの実施形態では、本発明の抗CD47剤は、S
IRPαに特異的に結合し、間の相互作用を低減する可溶性CD47ポリペプチドである
本明細書で使用される場合、「抗CD47抗体」とは、(例えば、標的細胞上の)CD
47の(例えば、食細胞上の)SIRPαへの結合を低減する任意の抗体を指す。非限定
的な例は、以下でより詳細に説明され、Hu5F9-G4が含まれるが、これに限定され
ない。いくつかの実施形態では、本発明の抗CD47剤は、CD47に特異的に結合する
抗体(すなわち、抗CD47抗体)であり、ある細胞上(例えば、感染細胞)のCD47
と別の細胞上(例えば、食細胞)のSIRPαとの間の相互作用を低減する。いくつかの
実施形態では、適切な抗CD47抗体は、結合時にCD47を活性化しない。適切な抗体
の非限定的な例としては、クローンB6H12、5F9、8B6、及びC3が挙げられる
(例えば、参照により本明細書に具体的に組み込まれる国際特許公開WO2011/14
3624に記載されている)。適切な抗CD47抗体には、そのような抗体の完全ヒト型
、ヒト化型またはキメラ型が含まれる。ヒト化抗体(例えば、hu5F9-G4)は、抗
原性が低いため、ヒトのインビボの適用に特に有用である。同様にイヌ化、ネコ化などの
抗体は、それぞれイヌ、ネコ、及び他の種での適用に特に有用である。目的の抗体として
は、ヒト化抗体、またはイヌ化、ネコ化、ウマ化、ウシ化、ブタ化などの抗体及びそのバ
リアントが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「抗体」とは、特定の抗原と免疫学的に反応する免疫グロ
ブリン分子への言及を含み、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の両方を含む。
この用語はまた、キメラ抗体(例えば、ヒト化マウス抗体)及びヘテロコンジュゲート抗
体などの遺伝子操作された形態を含む。「抗体」という用語はまた、抗原結合能を有する
フラグメント(例えば、Fab’、F(ab’)、Fab、Fv、及びrIgG)を含
む、抗体の抗原結合形態を含む。この用語はまた、組換え単鎖Fvフラグメント(scF
v)も指す。抗体という用語にはまた、二価または二重特異性分子、ダイアボディ、トリ
アボディ、及びテトラボディも含まれる。抗体という用語の追加の詳細については、以下
で説明する。
本発明の目的のための「患者」としては、ヒト及び他の動物の両方、特に哺乳動物、例
としては、ペット及び実験動物、例えば、マウス、ラット、ウサギなどが挙げられる。し
たがって、この方法は、ヒトの治療と獣医学の適用の両方に適用可能である。一実施形態
では、患者は哺乳動物、好ましくは霊長類である。他の実施形態では、患者はヒトである
「対象」、「個体」、及び「患者」という用語は、本明細書では互換的に使用されてお
り、処置について評価されているか及び/または処置されている哺乳動物を指す。一実施
形態では、哺乳動物はヒトである。「対象」、「個体」、及び「患者」という用語は、が
んを有する個体を非限定的に包含する。対象はヒトであってもよいが、他の哺乳動物、特
にヒトの疾患の実験モデルとして有用な哺乳動物、例えば、マウス、ラットなども含む。
本明細書で使用される場合、語句「白金感受性」とは、最後の白金ベースの化学療法を
受けた後6ヶ月を超えて再発性疾患を発症するヒト対象を指す。
本明細書で使用される場合、「白金耐性」という語句は、最後の白金ベースの化学療法
を受けた後6ヶ月未満で再発性疾患を発症するヒト対象を指す。
本明細書で使用される場合、「ベースライン」という用語は、卵巣癌を有するヒト対象
への最初の処置投与前の30日の期間として定義される。
患者に関する「試料」という用語は、生物学的起源の血液及び他の液体試料、生検標本
もしくは組織培養物などの固形組織試料、またはそれらに由来する細胞及びそれらの子孫
を包含する。定義には、試薬による処理など、調達後に何らかの方法で操作されたか;洗
浄されたか;またはがん細胞などの特定の細胞集団の濃縮を受けた試料も含まれる。この
定義にはまた、特定のタイプの分子、例えば核酸、ポリペプチドなどが濃縮された試料も
含まれる。「生物学的試料」という用語には、臨床試料が含まれ、外科的切除によって得
られた組織、生検によって得られた組織、培養中の細胞、細胞上清、細胞溶解物、組織試
料、臓器、骨髄、血液、血漿、血清なども含まれる。「生物学的試料」としては、患者の
がん細胞から得られた試料、例えば、患者のがん細胞から得られたポリヌクレオチド及び
/またはポリペプチドを含む試料(例えば、ポリヌクレオチド及び/またはポリペプチド
を含む細胞溶解物または他の細胞抽出物);ならびに患者由来のがん細胞を含む試料が挙
げられる。患者由来のがん細胞を含む生体試料は、非癌性細胞も含み得る。
「診断」という用語は、本明細書において、乳癌、前立腺癌、または他のタイプのがん
の分子サブタイプの同定などの、分子または病理学的状態、疾患または状態の同定を指し
て使用される。
「予後」という用語は、本明細書では、卵巣癌などの腫瘍性疾患の再発、転移性拡散、
及び薬物耐性を含む、がんに起因する死亡または進行の可能性の予測を指して使用される
。「予測」という用語は、本明細書では、観察、経験、または科学的推論に基づいて、予
言または推定する行為を指すために使用される。一例では、医師は、原発腫瘍の外科的除
去及び/または一定期間の化学療法の後、がんが再発することなく、患者が生存する可能
性を予測し得る。
本明細書で使用される場合、「処置する、治療する(treatment)」、「処置
、治療(treating)」などの用語は、効果を得る目的のために、薬剤を投与する
こと、または手順を実施することを指す。この効果は、疾患またはその症状を完全にまた
は部分的に防止することに関して予防的であり得、ならびに/または疾患及び/もしくは
疾患の症状を部分的もしくは完全に治癒することに関して治療的であり得る。本明細書で
使用する「処置、治療(treatment)」とは、哺乳動物、特にヒトの腫瘍の処置
を含んでもよく、これには以下を含む:(a)疾患または疾患の症状が、その疾患に罹り
やすい可能性があるが、その疾患(例えば、原発性疾患に関連するか、またはそれによっ
て引き起こされる可能性のある疾患を含む)を持っているとまだ診断されていない対象で
生じるのを防ぐこと;(b)疾患を阻害する、すなわち、その発生を停止すること;及び
(c)疾患を緩和する、すなわちその疾患の後退を生じること。
処置とは、客観的または主観的パラメーター、例えば、軽減;寛解;症状の軽減もしく
は疾患状態を患者にとってより許容できるものにすること;変性もしくは衰退の速度を遅
延すること;または、変性の最終点を衰弱させないようにすること、を含む、がんの処置
または改善または予防における成功の兆候を指し得る。症状の処置または改善は、客観的
または主観的パラメーター(医師による検査の結果を含む)に基づき得る。したがって、
「処置する」という用語は、がんまたは他の疾患に関連する症状または状態の発症を予防
または遅延、緩和、または阻止もしくは阻害するための本発明の化合物または薬剤の投与
を含む。「治療効果」という用語は、対象における疾患、疾患の症状、または疾患の副作
用の低減、排除、または防止を指す。
「と組み合わせて」、「併用療法」及び「併用製品」とは、特定の実施形態では、本明
細書に記載の薬剤の患者への同時投与を指す。組み合わせて投与する場合、各成分は同時
に投与されてもよく、または異なる時点で任意の順序で順次投与されてもよい。したがっ
て、各成分は、別々に投与されてもよいが、所望の治療効果を提供するように時間的に十
分接近されてもよい。
本発明の方法における活性薬剤の「同時投与」は、その薬剤が同時に治療効果を有する
ような時点での試薬との投与を意味する。そのような併用投与は、薬剤の同時(すなわち
、同時に)の、前の、またはその後の投与を含み得る。当業者は、本発明の特定の薬物及
び組成物についての投与の適切なタイミング、順序及び投薬量を決定するのに困難はない
であろう。
本明細書で使用する場合、「相関する」または「と相関する」という用語及び同様の用
語は、事象が数値、データセットなどを含む、2つの事象の事例間の統計的関連付けを指
す。例えば、その事象が数を含む場合、正の相関(本明細書では「直接相関」とも呼ばれ
る)は、一方が増大すると、他方も同様に増大することを意味する。負の相関(ここでは
「逆相関」とも呼ばれる)は、一方が増大すると他方が減少することを意味する。
「投与量単位」とは、処置される特定の個体のための単一投与量として適した物理的に
別個の単位を指す。各単位は、必要な医薬担体と組み合わせて所望の治療効果(複数可)
をもたらすように計算された所定量の活性化合物(複数可)を含み得る。投薬単位形態の
仕様は、(a)活性化合物(複数可)の独特の特徴及び達成されるべき特定の治療効果(
複数可)、及び(b)そのような活性化合物(複数可)を配合する技術に固有の制限によ
って決定され得る。
「治療上有効な量」とは、疾患を治療するために対象に投与された場合に、その疾患の
治療を達成するのに十分な量を意味する。
受容体占有(RO)アッセイは、CD47結合剤、例えば抗CD47抗体(Ab)によ
るCD47占有のレベルを測定する。CD47 ROのレベルを測定する目的は、CD4
7結合剤の用量、CD47受容体の飽和、及び薬理学的効果の間の関係を決定することで
ある。時間の経過に伴う受容体占有率は、望ましい薬理効果を生み出すために必要な薬物
の量または曝露期間に関する有用な情報を提供し得る。このアッセイは、代理細胞上の、
例えば、CD45陰性(-)赤血球(RBC)及びCD45陽性(+)白血球(WBC)
、または他の細胞集団、例えば組織生検によって得られた骨髄もしくは組織細胞上のCD
47 ROを測定することにより、体内の全体的なROを決定するために使用され得る。
ROアッセイはまた、CD47結合及び/またはブロック療法に関して、標的細胞、例え
ば、RBC、白血病細胞または固形腫瘍細胞のCD47 ROを決定するためにも使用さ
れ得る。
興味深いのは、このアッセイを使用して、所望の薬理効果と相関するCD47受容体占
有の閾値を決定することである。この閾値は、エキソビボ(インビトロ)で実行されるア
ッセイによって、またはインビボ投与/処理中の試料の分析によって決定され得る。
アッセイの1つの実施形態において、目的の細胞上のCD47結合標準曲線は、様々な
濃度の蛍光色素結合抗体を使用することによって作成される。標的細胞をさまざまな濃度
で非標識抗体とインキュベートすることにより、受容体の占有率を測定し、次に細胞をイ
ンビトロ食作用でアッセイするか、標準曲線に基づいて標識抗体の飽和濃度でインキュベ
ートし、フローサイトメトリーで結合を分析した。受容体占有率は以下のように計算され
た:
%RO=100-((MFI試験-MFI未染色)/(MFI飽和STD-MFI未染
))×100
他の実施形態では、アッセイは、定義された用量の抗体を患者に注入すること、組織試
料、例えば、血液試料を患者から、通常は抗体の注入前後に得ることによって行われる。
組織試料を飽和濃度の標識抗体とインキュベートし、フローサイトメトリーで分析する。
分析は、例えば、赤血球、白血球、がん細胞などに基づいてゲーティングしてもよい。
RBC上でCD47の少なくとも約80%飽和を達成する初回刺激用量は、貧血の代償
を誘導し、その後の用量で貧血の程度を低減するのに十分であることが見出された。ヒト
では、初回刺激用量は上記のように、すなわち約0.5mg/kg~約5mg/kgであ
ることがわかっている。本発明のいくつかの実施形態では、受容体占有アッセイを、候補
CD47結合剤を用いて行い、RBCで少なくとも約50%の飽和、少なくとも約60%
の飽和、少なくとも約70%飽和、少なくとも約80%飽和、少なくとも約90%飽和、
少なくとも約95%飽和、少なくとも約99%飽和、またはそれ以上を提供する初回刺激
用量のレベルを決定する。
本発明のいくつかの実施形態では、受容体占有アッセイを実施して、候補抗CD47剤
、例えば、CD47に結合する抗体、SIRPαポリペプチドなどの適切な初回刺激用量
を決定する。
治療法
抗CD47剤の治療用量で対象を処置するための方法が提供される。本発明の方法は、
プライミング剤を対象に投与する工程と、その後に治療上有効な用量の抗CD47剤を対
象に投与する工程とを含む。いくつかの実施形態では、治療上有効な用量を投与する工程
は、プライミング剤の投与の開始後、少なくとも約3日(例えば、少なくとも約4日、少
なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも約8日、少なくとも
約9日、または少なくとも約10日)後に実行される。この期間は、例えば、個体による
網状赤血球産生の増強を提供するのに十分である。
抗CD47剤の治療上有効な用量の投与は、多くの異なる方法で達成され得る。いくつ
かの場合において、プライミング剤が投与された後、2回以上の治療上有効な用量が投与
される。治療上有効な用量の適切な投与は、単回投与の投与を伴ってもよいし、または毎
日、半週ごと、毎週、2週間に1回、月に1回、毎年などの投与を伴い得る。ある場合に
は、治療上有効な用量は、漸増濃度の2回以上の用量(すなわち、漸増用量)として投与
され、(i)全ての用量が治療用量であるか、または(ii)治療用量未満(または2つ
以上の治療用量未満)が、最初に与えられ、治療的な用量は上記の段階的拡大によって達
成される。濃度の増大(すなわち、漸増用量)を説明するための1つの非限定的な例とし
て、治療上有効な用量を、治療量未満の用量(例えば、5mg/kgの用量)から始めて
毎週投与してもよく、その後の各用量は、特定の増分(例えば、5mg/kg)または可
変増分で、治療用量(例えば、30mg/kg)に達するまで増大され得、この時点で、
投与は中止または続行され得る(例えば、継続的な治療用量、例えば、30mg/kgの
用量)。漸増濃度(すなわち、用量の増大)を説明するための別の非限定的な例として、
治療上有効な用量は、治療用量(例えば、10mg/kgの用量)から始めて毎週投与さ
れ得、その後の各用量は、特定の増分(例えば、10mg/kgごと)または可変増分ご
と、治療用量(例えば、30mg/kg、100mg/kgなど)に到達するまで増大さ
れ得、その時点で投与が中止されてもよいし、または継続されてもよい(例えば、継続的
な治療用量、例えば、30mg/kg、100mg/kgなどの用量)。いくつかの実施
形態では、治療上有効な用量の投与は、持続注入であり得、そして用量は、経時的に変化
し得る(例えば、段階的に増大し得る)。
投与量及び頻度は、患者における抗CD47剤の半減期に応じて変化し得る。当業者で
あれば、そのようなガイドラインは、例えば、抗体フラグメントの使用において、抗体コ
ンジュゲートの使用において、SIRPα試薬の使用において、可溶性CD47ペプチド
の使用においてなど、活性薬剤の分子量について調整されることが理解されるであろう。
局所的な投与のため、例えば、鼻腔内、吸入など、または全身投与のため、例えば、i.
m.、i.p.、i.v.、s.c.などで、投与量は変化されてもよい。
初回刺激用量を含むがこれに限定されない、CD47結合剤の初期用量は、注入直後の
期間、赤血球凝集を引き起こし得る。理論に束縛されるものではないが、多価CD47結
合剤の初期用量は、その剤に結合したRBCの架橋を引き起こし得ると考えられている。
本発明の特定の実施形態において、CD47結合剤は、RBC及びその剤の高い局所濃度
が存在する、血液微小環境の可能性を低減する期間及び/または濃度にわたって、初期用
量で、及び任意でその後の用量で患者に注入される。
いくつかの実施形態では、CD47結合剤の初期用量は、少なくとも約2時間、少なく
とも約2.5時間、少なくとも約3時間、少なくとも約3.5時間、少なくとも約4時間
、少なくとも約4.5時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間以上の期間にわた
って注入される。いくつかの実施形態では、初期用量は、約2.5時間~約6時間の期間
;例えば、約3時間~約4時間にわたって注入される。いくつかのそのような実施形態で
は、注入剤中の薬剤の用量は、約0.05mg/ml~約0.5mg/ml;例えば、約
0.1mg/ml~約0.25mg/mlである。
他の実施形態では、CD47結合剤の初期用量、例えば、初回刺激用量は、連続注入、
例えば浸透圧ポンプ、送達パッチなどによって投与され、用量は少なくとも約6時間、少
なくとも約12時間、少なくとも約24時間、少なくとも約2日、少なくとも約3日の期
間にわたって投与される。多くのそのようなシステムが当技術分野で公知である。例えば
、DUROS技術は、ピストンで分離された2コンパートメントシステムを提供する。コ
ンパートメントの1つは、過剰な固体NaClで特別に調合された浸透圧エンジンで構成
されており、その結果、これは、配送期間全体を通して存在し続け、浸透圧勾配が一定に
なる。それはまた、水が浸透エンジンに引き込まれ、組織の水と浸透エンジンとの間に大
きくかつ一定の浸透勾配を確立する、一方の端の半透膜でも構成される。他の区画は、浸
透圧勾配に起因して薬物が放出される開口部を備えた薬物溶液からなる。これは、ヒトに
移植されたときに、部位特異的及び全身的な薬物送達を提供するのに役立つ。好ましい移
植部位は、上腕の内側の皮下留置である。
初回刺激剤の投与後、網状赤血球産生の増大に有効な期間を与えた後、治療用量の抗C
D47剤が投与される。治療用量は、いくつかの異なる方法で投与されてもよい。いくつ
かの実施形態では、初回刺激剤が投与された後に、例えば、毎週の投薬スケジュールで、
2回以上の治療上有効な用量が投与される。いくつかの実施形態では、治療上有効な用量
の抗CD47剤は、漸増濃度の2回以上の用量として投与され、他の用量では、用量は同
等である。初回刺激投与後の赤血球凝集が減少するため、注入時間を延長する必要はない
卵巣癌を有するヒト対象を処置するため、または卵巣癌のサイズを減少させるための方
法が提供され、この方法は、対象に抗CD47抗体及び追加の薬剤を投与する工程を含む
。このような方法は、処置を必要とする対象に、ESAとの組み合わせを含むがこれに限
定されない、本発明の併用薬剤の治療上有効な量または有効用量を投与する工程を含む。
追加の薬剤は、抗CD47薬剤の効力を増強し得る。抗CD47抗体は、追加の剤と組
み合わせて投与されても、または追加の剤の前に投与されてもよい。
追加の薬剤は、化学療法剤、VEGF阻害剤、PARP阻害剤、免疫チェックポイント
阻害剤、免疫抗がん剤、及び葉酸阻害剤のうち少なくとも1つを含んでもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、化学療法剤と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、VEGF阻害剤と共に投与されてもよ
い。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、PARP阻害剤と共に投与されてもよ
い。
抗CD47抗体(例えば、Hu5F9-G4)は、免疫チェックポイント阻害剤と共に
投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、免疫抗がん剤と共に投与されてもよい
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、葉酸阻害剤と共に投与されてもよい。
いくつかの態様では、追加の薬剤は化学療法剤である。いくつかの態様では、化学療法
剤は白金(シスプラチン/カルボプラチン)である。いくつかの態様において、化学療法
剤は、タキサン(パクリタキセル(Taxol(登録商標))またはドセタキセル(Ta
xotere(登録商標)))、ゲムシタビン、アルブミン結合パクリタキセル(nab
-パクリタキセル、Abraxane(登録商標))、アルトレタミン(Hexalen
(登録商標))、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、シクロホスファミド(C
ytoxan(登録商標))、エトポシド(VP-16)、ゲムシタビン(Gemzar
(登録商標))、イホスファミド(Ifex(登録商標))、イリノテカン(CPT-1
1、Camptosar(登録商標))、リポソームドキソルビシン(Liposoma
l doxorbicin)(Doxil(登録商標))、メルファラン、ペメトレキセ
ド(Alimta(登録商標))、トポテカン、ビノレルビン(Navelbine(登
録商標))、またはトラベクテジン(Yondelis(登録商標))である。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、白金(例えば、シスプラチン/カルボ
プラチン)と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、タキサン(例えば、パクリタキセル(
Taxol(登録商標))またはドセタキセル(Taxotere(登録商標)))と共
に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、ゲムシタビンと共に投与されてもよい
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、アルブミン結合パクリタキセル(例え
ば、nab-パクリタキセル、Abraxane(登録商標))と共に投与されてもよい
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、アルトレタミン(例えば、Hexal
en(登録商標))と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、カペシタビン(例えば、Xeloda
(登録商標))と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、シクロホスファミド(例えば、Cyt
oxan(登録商標))と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、エトポシド(例えば、VP-16)と
共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、ゲムシタビン(例えば、Gemzar
(登録商標))と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、イホスファミド(例えば、Ifex(
登録商標))と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、イリノテカン(例えば、CPT-11
、Camptosar(登録商標))と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、リポソームドキソルビシン(例えば、
Doxil(登録商標))と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、メルファランと共に投与されてもよい
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、ペメトレキセド(例えば、Alimt
a(登録商標))と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、トポテカンと共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、ビノレルビン(例えば、Navelb
ine(登録商標))と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、トラベクテジン(例えば、Yonde
lis(登録商標))と共に投与されてもよい。
いくつかの態様では、追加の薬剤は、VEGF阻害剤、任意でベバシズマブ(Avas
tin(登録商標))、レゴラフェニブ(Stivarga(登録商標))、またはアフ
リベルセプト(Eylea(登録商標))である。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、ベバシズマブ(例えば、Avasti
n(登録商標))と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、レゴラフェニブ(例えば、Stiva
rga(登録商標))と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、アフリベルセプト(例えば、Eyle
a(登録商標))と共に投与されてもよい。
いくつかの態様では、追加の薬剤は、PARP阻害剤であり、任意でPARP阻害剤は
、ルカパリブ(Rubraca(登録商標))、ニラパリブ(Zejula(登録商標)
)、オラパリブ(Lynparza(登録商標))、タラゾパリブ(BMN-673)、
またはベリパリブ(ABT-888)である。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、ルカパリブ(例えば、Rubraca
(登録商標))と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、ニラパリブ(例えば、Zejula(
登録商標))と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、オラパリブ(例えば、Lynparz
a(登録商標))と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、タラゾパリブ(例えば、BMN-67
3)と共に投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、ベリパリブ(例えば、ABT-888
)と共に投与されてもよい。
いくつかの態様では、追加の薬剤は免疫チェックポイント阻害剤であり、任意で、追加
の薬剤は、CTLA4、PD1、及びPDL1のうち少なくとも1つを阻害する。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、CTLA4阻害剤と共に投与されても
よい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、PD1阻害剤と共に投与されてもよい
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、PDL1阻害剤と共に投与されてもよ
い。
いくつかの態様では、追加の薬剤は、葉酸代謝を阻害するかまたは葉酸受容体を標的と
する葉酸阻害剤である。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、葉酸代謝を阻害する葉酸阻害剤と共に
投与されてもよい。
抗CD47剤(例えば、Hu5F9-G4)は、葉酸受容体を標的とする葉酸阻害剤と
共に投与されてもよい。
抗CD47抗体と本明細書に記載される追加の薬剤との組み合わせは、これらの治療に
応答する腫瘍サブタイプを有する患者に与えられる。本明細書に記載されるように、これ
らの腫瘍は、より高い頻度の変異によって定義され得、より多くの腫瘍抗原をもたらし、
したがって、より免疫原性である。いくつかの実施形態では、併用療法で治療された患者
は、免疫活性化因子またはチェックポイント阻害剤による治療に反応性である;しかし、
これは特定の潜在的に反応性の腫瘍サブタイプ内の患者の約25%のサブセットを表す。
いくつかの実施形態では、個体は、白金療法感受性であっても、または抵抗性であっても
よい。
いくつかの実施形態では、対象の方法は、プライミング剤を対象に投与する工程と、そ
の後に治療上有効な用量の抗CD47抗体及び追加の薬剤を対象に投与する工程とを含む
。いくつかの実施形態では、治療上有効な用量を投与する工程は、プライミング剤の投与
開始後、少なくとも約3日(例えば、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも
約6日、少なくとも約7日、少なくとも約8日、少なくとも約9日、または少なくとも約
10日)後に実行される。この期間は、例えば、個体による網状赤血球産生の増強を提供
するのに十分である。
抗CD47抗体及び/または追加の薬剤の治療上有効な用量の投与は、多くの異なる方
法で達成され得る。いくつかの場合において、プライミング剤が投与された後、2回以上
の治療上有効な用量が投与される。治療上有効な用量の適切な投与は、単回投与の投与を
伴ってもよいし、または毎日、半週ごと、毎週、2週間に1回、月に1回、毎年などの投
与を伴い得る。いくつかの場合には、治療上有効な用量は、漸増濃度の2回以上の用量(
すなわち、漸増用量)として投与され、ここで(i)全ての用量が治療用量であるか、ま
たは(ii)治療用量未満(または2回以上の治療用量未満)が最初に与えられ、治療上
の投与量は前記の段階的拡大によって達成される。濃度の増大(すなわち、用量の増大)
を説明するための1つの非限定的な例として、治療上有効な用量を、治療量未満の用量(
例えば、5mg/kgの用量)から始めて毎週投与してもよく、その後の各用量は、特定
の増分ずつ(例えば、5mg/kgずつ)または可変増分で、治療用量(例えば、30m
g/kg)に達するまで増大されてもよく、この時点で、投与は中止されても、または継
続されてもよい(例えば、継続的な治療用量、例えば、30mg/kgの用量)。漸増濃
度(すなわち、用量の増大)を説明するための別の非限定的な例として、治療上有効な用
量は、治療用量(例えば、10mg/kgの用量)から始めて毎週投与されてもよく、そ
の後の各用量は、特定の増分ずつ(例えば、10mg/kgずつ)または可変増分で、治
療用量(例えば、30mg/kg、100mg/kgなど)に到達するまで増大されても
よく、この時点で、投与は中止されても、または継続されてもよい(例えば、継続的な治
療用量、例えば、30mg/kg、100mg/kgなどの用量)。いくつかの実施形態
では、治療上有効な用量の投与は、持続注入であってもよく、そして用量は、経時的に変
化し得る(例えば、漸増し得る)。
投与量及び頻度は、患者における抗CD47抗体及び/または追加の薬剤の半減期に応
じて異なり得る。当業者であれば、そのようなガイドラインは、活性薬剤の分子量につい
て、例えば、抗体フラグメントの使用において、抗体コンジュゲートの使用において、S
IRPα試薬の使用において、可溶性CD47ペプチドの使用においてなど、調整される
ことを理解するであろう。投薬量はまた、例えば、鼻腔内、吸入など、局所的な投与のた
めに、または例えば、i.m.、i.p.、i.v.、s.c.など全身投与用のために
変化されてもよい。
本発明の特定の実施形態では、抗CD47抗体は、RBC及び薬剤の局所濃度が高い、
血液学的微小環境の可能性が低減される、期間及び/または濃度にわたって、最初の用量
で、及び任意で後続の用量で患者に注入される。
本発明のいくつかの実施形態では、抗CD47抗体の初期用量は、少なくとも約2時間
、少なくとも約2.5時間、少なくとも約3時間、少なくとも約3.5時間、少なくとも
約4時間、少なくとも約4.5時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間以上の期
間にわたって注入される。いくつかの実施形態では、この初期用量は、約2.5時間~約
6時間;例えば、約3時間~約4時間の期間にわたって注入される。いくつかのそのよう
な実施形態では、注入剤中の薬剤の用量は、約0.05mg/ml~約0.5mg/ml
;例えば、約0.1mg/ml~約0.25mg/mlである。
卵巣癌
本明細書で提供されるのは、卵巣癌を有する個体を処置するか、または対象における卵
巣癌のサイズを減少させるための方法であって、以下:対象に対して治療上有効な量の抗
CD47抗体;及び任意で、対象に対して治療上有効な量の少なくとも1つの追加の薬剤
;を投与する工程を含む、方法である。
卵巣癌の例としては、上皮性卵巣癌、任意で漿液性腫瘍、粘液性腫瘍、明細胞腫瘍、類
内膜腫瘍、移行上皮腫瘍、ブレナー腫瘍、癌肉腫腫瘍、混合上皮腫瘍、境界上皮腫瘍、未
分化癌腫瘍、卵管腫瘍、または原発性腹膜腫瘍が挙げられる。
いくつかの実施形態では、上皮性卵巣癌は漿液性腫瘍である。漿液性腫瘍の卵巣癌は、
組織学的分析の細分類によって低悪性度または高悪性度であると判断できる。一実施形態
では、個体は白金化学療法感受性である。別の実施形態では、個体は白金化学療法耐性で
ある。
いくつかの実施形態では、患者は突然変異の負担が低い。いくつかの実施形態では、患
者は突然変異の負担が高い。当技術分野で知られているように、がんのタイプは、平均ま
たは特定の程度の変異で変化する可能性があり、より高いレベルの変異は、ネオ抗原の発
現の増大と関連している。例えば、上記のVogelstein et al.,(20
13)を参照のこと。低い変異負荷とは、腫瘍あたりの平均、または特定数が個々の腫瘍
に関して、最大約10、最大約20、最大約30、最大約40、最大約50という腫瘍ご
との非同義変異であるがんの種類であり得る。高い突然変異負荷とは、腫瘍あたり約50
を超える、約75を超える、約100を超える、約125を超える、約150を超える非
同義の変異を伴うがんの種類であり得る。
そのようないくつかの実施形態では、がんは卵巣癌であるが、これに限定されない。そ
のようないくつかの実施形態では、がんは、高いネオ抗原、または突然変異誘発負荷を有
する種類である(参照により本明細書に具体的に組み込まれる、Vogelstein
et al.(2013)Science 339(6127):1546-1558を
参照のこと)。他の実施形態では、このがんは、ネオ抗原負荷が低いタイプのがんである
。このようないくつかの実施形態では、本発明の併用療法は、チェックポイント阻害剤の
活性を増強する。他の実施形態では、個々のがんがチェックポイント阻害剤のみに反応し
ない場合、併用療法は治療反応を提供する。いくつかの実施形態では、個体は白金感受性
である。他の実施形態では、個体は白金耐性である。
がん
「がん」、「新生物」、及び「腫瘍」という用語は、本明細書では互換的に使用され、
自律的で無秩序な成長を示し、その結果、細胞増殖に対する制御の有意な喪失を特徴とす
る異常な成長表現型を示す細胞を指す。本出願における検出、分析、または処置の対象と
なる細胞としては、前癌性(例えば、良性)、悪性、前転移性、転移性、及び非転移性細
胞が挙げられる。ほぼ全ての組織のがんが知られている。「がん負荷」という語句は、対
象におけるがん細胞の量またはがんの容積を指す。したがって、がんの負担を軽減すると
は、対象のがん細胞の数またはがんの体積を減少させることを指す。本明細書で使用され
る「がん細胞」という用語は、がん細胞であるか、またはがん細胞に由来する任意の細胞
、例えば、がん細胞のクローンを指す。癌腫、肉腫、神経膠芽腫、黒色腫、リンパ腫、骨
髄腫などの固形腫瘍、及び白血病などの循環癌を含む、多くの種類のがんが当業者に公知
である。がんの例としては、限定するものではないが、卵巣癌、乳癌、結腸癌、肺癌、前
立腺癌、肝細胞癌、胃癌、膵臓癌、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、尿路の癌、甲状
腺癌、腎臓癌、癌腫、黒色腫、頭頸部癌、及び脳癌が挙げられる。
がんの「病理」としては、患者の健康を損なう全ての現象が挙げられる。これには、限
定するものではないが、異常または制御不能な細胞増殖、転移、隣接する細胞の正常な機
能への干渉、異常なレベルでのサイトカインまたは他の分泌産物の放出、炎症性または免
疫学的応答の抑制または悪化、新生物、前悪性、悪性腫瘍、リンパ節などの周囲または遠
隔組織または臓器への浸潤などが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「がん再発」及び「腫瘍再発」という用語、ならびにそれ
らの文法的変形は、がんの診断後の腫瘍性または癌性細胞のさらなる増殖を指す。特に、
癌性組織でさらなる癌性細胞増殖が起こった場合、再発が起こり得る。「腫瘍の広がり」
は、同様に、腫瘍の細胞が局所または遠隔の組織及び臓器に播種したときに発生する;し
たがって、腫瘍の広がりには腫瘍の転移が含まれる。「腫瘍浸潤」は、腫瘍の増殖が局所
的に広がって、正常な臓器機能の圧迫、破壊、または予防によって、関与する組織の機能
が損なわれた場合に発生する。
本明細書で使用される場合、「転移」という用語は、元の癌性腫瘍の器官に直接接続さ
れていない、器官または身体部分における癌性腫瘍の増殖を指す。転移とは、微小転移を
含むと理解され、これは、元の癌性腫瘍の器官に直接接続されていない器官または身体部
分における検出不可能な量の癌性細胞の存在である。転移はまた、元の腫瘍部位からのが
ん細胞の離脱、ならびに身体の他の部分へのがん細胞の移動及び/または浸潤などのプロ
セスのいくつかのステップとして定義してもよい。
臨床エンドポイント
本明細書に記載される方法は、ベースラインと比較して少なくとも1つの改善されたエ
ンドポイントをもたらす。
本発明のいくつかの実施形態では、追加の薬剤を伴うかまたは伴わない抗CD47薬剤
の投与は、CA125、HE4(ヒト精巣上体タンパク質4)、CA-72-4、CA-
19-9、及びCEAなどのがんマーカーのレベルを;ベースラインと比較して低下させ
る。いくつかの実施形態では、追加の薬剤を伴うかまたは伴わない抗CD47薬剤の投与
は、ベースラインと比較して、対象におけるCA125を低下させる。いくつかの実施形
態では、CA125のレベルは、月に約1回測定される。他の実施形態において、投与は
、対象におけるCA125のレベルを、ベースラインと比較して少なくとも30~90、
40~80、50~70、30、40、50、60、70、80、または90%まで低下
させる。他の実施形態では、投与は、任意で画像化により測定されるがんまたはその転移
のサイズを、ベースラインと比較して減少させ、任意で、この画像化はCT/PET/C
TまたはMRIであり、最初はベースラインからサイズが増大するがその後減少する疾患
が任意で含まれる。
本明細書で使用する場合、処置のエンドポイントには、当技術分野で公知であり、食品
医薬品局(Food and Drug Administration)によって使用
されるような意味が与えられる。
全生存は、無作為化から何らかの原因による死亡までの時間として定義され、治療意図
集団で測定される。生存率は最も信頼性の高いがんエンドポイントと見なされており、生
存率を適切に評価するための研究を実施できる場合は、通常、それが好ましいエンドポイ
ントである。このエンドポイントは正確かつ測定が簡単で、死亡日ごとに記録される。バ
イアスは、エンドポイント測定の要素ではない。生存期間の改善は、リスクベネフィット
分析として分析して、臨床的ベネフィットを評価する必要がある。全生存は、無作為化制
御研究で評価され得る。全生存の統計的に有意な改善の実証は、毒性プロファイルが許容
可能である場合、臨床的に有意であると見なされ得、新薬承認が支持される場合が多い。
本発明の方法の利点は、患者の全生存の増大を含み得る。
腫瘍評価に基づくエンドポイントとしては、DFS、ORR、TTP、PFS、及び治
療失敗までの時間(TTF)が挙げられる。これらの時間依存性のエンドポイントに関す
るデータの収集及び分析は、間接的な評価、計算、及び推定(例えば、腫瘍測定)に基づ
いている。無病生存期間(DFS)は、無作為化から腫瘍の再発または何らかの原因によ
る死亡までの時間として定義される。このエンドポイントの最も頻繁な用途は、根治手術
または放射線療法後の補助療法である。DFSは、大多数の患者が化学療法で完全な奏効
を達成した場合の重要なエンドポイントにもなり得る。
客観的奏功率。ORRは、腫瘍サイズが事前に定義された量だけ減少した患者の割合と
して、最小期間について定義される。応答期間は通常、最初の応答時から、腫瘍進行の実
証まで測定される。一般に、FDAはORRを部分的応答と完全な応答の合計として定義
している。このように定義すると、ORRは、薬物抗腫瘍活性の直接的な測定値であり、
単群研究で評価され得る。
進行までの時間(Time to Progression)及び無進行生存(Pro
gression-Free Survival)。TTP及びPFSは、薬物承認の主
要エンドポイントとして機能している。TTPは、無作為化から客観的な腫瘍進行までの
時間として定義される;TTPには死亡は含まれない。PFSは、無作為化から客観的な
腫瘍の進行または死亡までの時間として定義される。腫瘍の進行の正確な定義は重要であ
り、このプロトコールで注意深く詳述する必要がある。
抗体
本明細書に記載の方法は、抗体(複数可)の投与、すなわち、抗CD47抗体の投与、
及びいくつかの実施形態では、追加の抗体の投与を含む。上記のように、「抗体」という
用語は、特定の抗原と免疫学的に反応する免疫グロブリン分子への言及を含み、ポリクロ
ーナル抗体とモノクローナル抗体の両方を含む。この用語はまた、キメラ抗体(例えば、
ヒト化マウス抗体)及びヘテロコンジュゲート抗体などの遺伝子操作された形態を含む。
「抗体」という用語はまた、抗原結合能を有するフラグメント(例えば、Fab’、F(
ab’)、Fab、Fv、及びrIgG)を含む、抗体の抗原結合形態を含む。この用
語はまた、組換え単鎖Fvフラグメント(scFv)も指す。抗体という用語には、二価
または二重特異性分子、ダイアボディ、トリアボディ、及びテトラボディも含まれる。
抗体の選択は、選択性、親和性、細胞毒性などを含む様々な基準に基づく場合がある。
抗体と「特異的に(または選択的に)結合する」または「特異的に(または選択的に)免
疫反性である」という句は、タンパク質またはペプチドを指す場合、タンパク質及びその
他の生物製剤の不均一な集団における、タンパク質の存在を決定する結合反応を指す。し
たがって、指定されたイムノアッセイ条件下で、指定された抗体は、バックグラウンドの
少なくとも2倍、より一般的にはバックグラウンドの10~100倍を超えて特定のタン
パク質配列に結合する。一般に、本発明の抗体は、エフェクター細胞(ナチュラルキラー
細胞またはマクロファージなど)の存在下で標的細胞の表面上の抗原に結合する。エフェ
クター細胞のFc受容体は、結合した抗体を認識する。
特定の抗原と免疫学的に反応する抗体は、ファージもしくは類似のベクターにおける組
換え抗体のライブラリーの選択などの組換え法によって、または抗原もしくは抗原をコー
ドするDNAで動物を免疫することによって、生成されてもよい。ポリクローナル抗体を
調製する方法は、当業者に公知である。あるいは、抗体はモノクローナル抗体であっても
よい。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法を使用して調製されてもよい。ハイブリ
ドーマ法では、適切な宿主動物を典型的には免疫剤で免疫して、免疫剤に特異的に結合す
る抗体を産生するかまたは産生し得るリンパ球を誘発する。あるいは、このリンパ球はイ
ンビトロで免疫されてもよい。次に、リンパ球を、ポリエチレングリコールなどの適切な
融合剤を使用して不死化細胞株と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成する。
ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリーを含む、当技術分野で公知の様々な技
術を使用して生成されてもよい。同様に、ヒト抗体は、内因性免疫グロブリン遺伝子が部
分的または完全に不活性化されているトランスジェニック動物、例えばマウスにヒト免疫
グロブリン遺伝子座を導入することによって作製されてもよい。チャレンジすると、ヒト
抗体産生が観察され、これは、遺伝子再構成、アセンブリ、及び抗体レパートリーなど、
あらゆる点でヒトで見られるものと非常によく似ている。
抗体はまた、様々なペプチダーゼでの消化により生成される、十分に特徴付けられた多
数のフラグメントとして存在する。したがって、ペプシンはヒンジ領域のジスルフィド結
合の下の抗体を消化して、それ自体がジスルフィド結合によってV-CH1に結合した
軽鎖であるFabの二量体であるF(ab)’を生成する。F(ab)’は穏やかな
条件下で還元されて、ヒンジ領域のジスルフィド結合を破壊し得、それによりF(ab)
二量体をFab’単量体に変換する。Fab’モノマーは本質的にヒンジ領域の一部
を備えたFabである。様々な抗体フラグメントがインタクトな抗体の消化に関して定義
されるが、当業者は、そのようなフラグメントが化学的にまたは組換えDNA方法論を使
用することにより新規に合成され得ることを理解するであろう。したがって、本明細書で
使用される抗体という用語は、抗体全体の修飾によって生成された抗体フラグメント、ま
たは組換えDNA方法論(例えば、一本鎖Fv)を使用して新規合成された抗体、または
ファージディスプレイライブラリーを使用して識別された抗体も含む。
「ヒト化抗体」とは、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含む免疫グロブ
リン分子である。ヒト化抗体には、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)が含まれ、
レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性、及び容
量を有する、マウス、ラット、またはウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRから
の残基で置換されている。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残
基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。ヒト化抗体はまた、レシピエント抗
体にも、輸入されたCDRまたはフレームワーク配列にも見られない残基を含み得る。一
般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを
含み、CDR領域の全てまたは実質的に全てが、非ヒト免疫グロブリンのCDRに対応し
、フレームワーク領域(FR)の全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリンコンセ
ンサス配列のFRである。ヒト化抗体はまた、最適には、免疫グロブリン定常領域(Fc
)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンの抗体も含む。
目的の抗体は、ADCC(抗体依存性細胞傷害)またはADCP(抗体依存性細胞貪食
)を誘導するそれらの能力について試験され得る。抗体関連のADCC活性は、溶解した
細胞からの標識もしくは乳酸脱水素酵素の放出の検出、または標的細胞の生存率の低下の
検出(例えば、アネキシンアッセイ)によってモニター及び定量化できる。アポトーシス
のアッセイは、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ媒介ジゴキシゲニ
ン-11-dUTPニックエンドラベリング(TUNEL)アッセイ(Lazebnik
et al.,Nature:371,346(1994)によって行ってもよい。細
胞毒性はまた、Roche Applied Science(Indianapoli
s,Ind.)の細胞毒性検出キット(Cytotoxicity Detection
Kit)など、当該技術分野で公知の検出キットによって直接検出され得る。
抗CD47抗体
本明細書に記載の方法は、抗CD47抗体の投与を含む。
CD47は、単一のIg様ドメイン及び5つの膜貫通領域を有する広範に発現される膜
貫通糖タンパク質であり、SIRPαのNH2末端V様ドメインを介して媒介される結合
を有するSIRPαの細胞リガンドとして機能する。SIRPαは、骨髄細胞、例として
は、マクロファージ、顆粒球、骨髄樹状細胞(DC)、肥満細胞、及びそれらの前駆体、
例としては、造血幹細胞で主に発現している。CD47結合を媒介するSIRPαの構造
決定因子は、Lee et al.(2007)J.Immunol.179:7741
-7750;Hatherley et al.(2008)Mol Cell.31(
2):266-77;Hatherley et al.(2007)J.B.C.28
2:14567-75によって考察されており;そして、CD47結合におけるSIRP
αcis二量化の役割は、Lee et al.(2010)J.B.C.285:37
953-63によって考察されている。正常細胞の食作用を阻害するCD47の役割と一
致して、SIRPαは、遊走段階の直前及びその間に造血幹細胞(HSC)及び前駆細胞
で一過性にアップレギュレートされること、ならびにこれらの細胞のCD47のレベルに
よって、それらが生体内に飲み込まれる確率を決定するという証拠がある。
「抗CD47剤」または「CD47遮断を提供する剤」という用語は、(例えば、標的
細胞上の)CD47のSIRPα(例えば、食細胞上の)への結合を低減する任意の薬剤
を指す。適切な抗CD47試薬の非限定的な例としては、高親和性SIRPαポリペプチ
ド、抗SIRPα抗体、可溶性CD47ポリペプチド、及び抗CD47抗体または抗体フ
ラグメントを含むがこれらに限定されないSIRPα試薬が挙げられる。いくつかの実施
形態では、適切な抗CD47剤(例えば、抗CD47抗体、SIRPα試薬など)は、C
D47に特異的に結合して、CD47のSIRPαへの結合を減少させる。
いくつかの実施形態において、本発明の抗CD47抗体は、CD47に特異的に結合し
、1つの細胞(例えば、感染細胞)上のCD47と別の細胞(例えば、食細胞)上のSI
RPαとの間の相互作用を低減する。いくつかの実施形態では、適切な抗CD47抗体は
、結合時にCD47を活性化しない。いくつかの抗CD47抗体は、CD47のSIRP
αへの結合を低下させず、そのような抗体は「非ブロッキング抗CD47抗体」と呼んで
もよい。「抗CD47剤」である適切な抗CD47抗体は、「CD47ブロッキング抗体
」と呼ぶこともある。適切な抗体の非限定的な例としては、クローンB6H12、5F9
、8B6、及びC3が含まれる(例えば、参照により本明細書に具体的に組み込まれる国
際特許公開WO 2011/143624に記載されている)。適切な抗CD47抗体と
しては、そのような抗体の完全ヒト型、ヒト化型またはキメラ型が挙げられる。ヒト化抗
体(例えば、hu5F9-G4)は、抗原性が低いことに起因して、ヒトのインビボ適用
に特に有用である。同様にイヌ化、ネコ化などの抗体は、それぞれイヌ、ネコ、及び他の
種での適用に特に有用である。目的の抗体としては、ヒト化抗体、またはイヌ化、ネコ化
、ウマ化、ウシ化、ブタ化などの抗体及びそのバリアントが挙げられる。
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、ヒトIgG Fc領域、例えば、IgG
1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4定常領域を含む。一実施形態では、I
gG Fc領域は、IgG4定常領域である。IgG4ヒンジは、アミノ酸置換S241
Pによって安定化され得る(参照により本明細書に具体的に組み込まれる、Angal
et al.(1993)Mol.Immunol.30(1):105-108を参照
のこと)。
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、CD47への結合についてHu5F9-
G4と競合する。いくつかの実施形態では、抗CD47は、Hu5F9-G4と同じCD
47エピトープに結合する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、抗CD47抗体Hu5F9-G4
の投与を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、Hu5f9-G4の
配列と少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一の配
列(軽鎖、重鎖及び/またはCDR)を有する抗CD47抗体の投与を含む。表1に、H
u5f9-G4抗体の重鎖及び軽鎖の配列を含む。CDR領域は太字で示されている。
(表1)
Figure 2023018062000002
投薬量
本明細書に記載の方法は、治療上有効な用量の組成物、すなわち、治療上有効な用量の
抗CD47抗体及び、任意で、追加の薬剤の投与を含む。
上記のように、組成物は、標的細胞を実質的に除去するのに十分な量で患者に投与され
る。これを達成するのに十分な量は、「治療上有効な用量」と定義され、これにより、全
生存率の改善がもたらされ得る。組成物の単回投与または複数回投与は、必要に応じ、か
つ患者が許容する用量及び頻度に応じて投与されてもよい。処置に必要な特定の用量は、
哺乳動物の病状及び病歴、ならびに年齢、体重、性別、投与経路、効率などの他の要因に
依存する。
がんの治療のための本発明の併用薬剤の有効用量は、投与手段、標的部位、患者の生理
学的状態、患者がヒトであるか動物であるか、投与される他の薬物療法、及び治療が予防
的であるかまたは治療的であるかを含む多くの異なる要因に応じて異なる。通常、患者は
ヒトであるが、非ヒト哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、ウマなどのようなコンパニオンア
ニマル、ウサギ、マウス、ラットなどのような実験用哺乳動物なども治療されてもよい。
安全性と有効性を最適化するために、治療用量を漸増してもよい。
抗CD47抗体の治療上有効な用量は、使用される特定の薬剤に依存し得るが、通常、
約20mg/kg体重以上(例えば、約20mg/kg以上、約25mg/kg以上、約
30mg/kg以上、約35mg/kg以上、約40mg/kg以上、約45mg/kg
以上、約50mg/kg以上、または約55mg/kg以上、または約60mg/kg以
上、または約65mg/kg以上、または約70mg/kg以上)、または約20mg/
kg~約70mg/kg(例えば、約20mg/kg~約67.5mg/kg、または約
20mg/kg~約60mg/kg)である。
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の治療上有効な用量は、20、30、45、
60、または67.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体の治
療上有効な用量は、20~60mg/kgである。いくつかの実施形態では、抗CD47
抗体の治療上有効な用量は、20~67.5mg/kgである。
投与される組成物の特定の血清レベルを達成及び/または維持するために必要とされる
用量は、用量間の時間の量に比例し、投与される用量の回数に反比例する。したがって、
投薬の頻度が増大するにつれて、必要な用量は減少する。投薬戦略の最適化は、当業者に
よって容易に理解され、実施されるであろう。例示的な処置計画は、2週間に1回または
月に1回または3~6ヶ月ごとに1回の投与を必要とする。本発明の治療実体は、通常、
複数の機会に投与される。単回投与の間隔は、毎週であっても、毎月であっても、または
毎年であってもよい。患者の治療実体の血中濃度を測定することによって示されるように
、間隔はまた不規則であってもよい。あるいは、本発明の治療実体は、徐放性製剤として
投与されてもよく、その場合、より少ない頻度の投与が必要とされる。投与量及び頻度は
、患者のポリペプチドの半減期によって変化する。
「維持用量」は、治療上有効な用量であることを意図した用量である。例えば、治療上
有効な用量を決定するための実験では、複数の異なる維持用量が異なる対象に投与されて
もよい。このように、維持用量のいくつかは治療上有効な用量であってもよく、他の維持
用量は治療量未満の用量であってもよい。
予防的適用では、比較的低用量が長期間にわたって比較的まれな間隔で投与されてもよ
い。一部の患者は、一生涯処置を受け続ける。他の治療用途では、疾患の進行が軽減また
は終了するまで、及び好ましくは患者が疾患の症状の部分的または完全な改善を示すまで
、比較的短い間隔で比較的高い投与量が必要になることもある。その後、患者は予防レジ
メンを施されてもよい。
さらに他の実施形態では、本発明の方法は、癌腫、血液癌、黒色腫、肉腫、神経膠腫な
どのがんの腫瘍成長、腫瘍転移、または腫瘍浸潤を処置、低減または防止することを含む
。予防的適用のために、薬学的組成物または医薬品は、疾患にかかりやすいか、そうでな
ければ疾患のリスクがある患者に対して、その疾患、例としてはその疾患の生化学的、組
織学的、及び/または行動的症状、その合併症及びその疾患の発症中に現れる中間的な病
理学的表現型のリスクを排除または軽減するか、重症度を軽減するか、または疾患の発症
を遅らせるのに十分な量で投与される。
本明細書に記載の組み合わせた薬剤の毒性は、細胞培養または実験動物における標準的
な製薬手順により、例えば、LD50(集団の50%に対して致死的な用量)またはLD
100(集団の100%に対して致死的な用量)を決定することにより決定され得る。毒
性と治療効果の間の用量比が治療指数である。これらの細胞培養アッセイ及び動物の研究
から得られたデータは、ヒトでの使用に毒性のない投与量範囲の策定に使用され得る。本
明細書に記載されているタンパク質の投与量は、毒性がほとんどないか全くない有効用量
を含む循環濃度の範囲内にあることが好ましい。投薬量は、使用される剤形及び利用され
る投与経路に応じて、この範囲内で変動し得る。正確な処方、投与経路及び投薬量は、患
者の状態を考慮して個々の医師が選択し得る。
プライミング剤及び初回刺激用量
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、治療上有効な用量の抗CD47抗体
を個体に投与する前に、プライミング剤を投与する。適切なプライミング剤は、赤血球新
生刺激剤(ESA)、及び/または抗CD47抗体の初回刺激用量を含む。プライミング
剤の投与後、網状赤血球産生の増大に有効な期間を与えた後、治療用量の抗CD47抗体
が投与される。投与は、参照により本明細書に具体的に組み込まれる同時係属特許出願U
SSN 14/769,069に記載されている方法に従って行ってもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の薬剤の組み合わせの投与は、患者のヘマトクリット
を増大させる薬剤、例えばエリスロポエチン刺激剤(ESA)の有効用量と組み合わされ
る。そのような薬剤は、例えば、アラネスプ(Aranesp)→(ダルベポエチンアル
ファ)、エポジェン(Epogen)→NF/プロクリット(Procrit)→NF(
エポエチンアルファ)、オモンチス(Omontys)→(ペジネサチド)、プロクリッ
ト(Procrit)→などを含めて、当技術分野で公知であり、使用されている。
「初回刺激用量」という用語は、本明細書で使用される場合、治療上有効な用量がRB
Cの深刻な喪失(ヘマトクリットの低下またはヘモグロビンの低下)をもたらさないよう
に、治療上有効な用量の抗CD47剤の投与のために対象を初回刺激する抗CD47剤の
用量を指す。抗CD47剤の特定の適切な初回刺激用量は、使用される剤の性質及び多数
の対象特異的因子(例えば、年齢、体重など)に応じて変化し得る。抗CD47剤の適切
な初回刺激用量の例としては、約0.5mg/kg~約5mg/kg、約0.5mg/k
g~約4mg/kg、約0.5mg/kg~約3mg/kg、約1mg/kg~約5mg
/kg、約1mg/kg~約4mg/kg、約1mg/kg~約3mg/kg、約1mg
/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kgが挙げられ
る。いくつかの実施形態では、初回刺激用量は、好ましくは1mg/kgである。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、約0.5~約5
mg/kgの抗体の範囲、任意で1mg/kgの抗体の初回刺激用量として対象に投与さ
れる。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体は、約20~約67.5mg/kgの抗
体の範囲、任意で20mg/kgの抗体、30mg/kgの抗体、45mg/kgの抗体
、60mg/kgの抗体、または67.5mg/kgの抗体の用量として対象に投与され
る。
本発明のいくつかの実施形態において、プライミング剤は、治療上有効な用量の抗CD
47剤を個体に投与する前に投与される。適切なプライミング剤としては、赤血球新生刺
激剤(ESA)、及び/または初回刺激用量の抗CD47剤が挙げられる。プライミング
剤の投与、及び網状赤血球産生の増大に有効な期間を与えた後、治療用量の抗CD47剤
が投与される。治療用量は、いくつかの異なる方法で投与されてもよい。いくつかの実施
形態では、プライミング剤が投与された後、2つ以上の治療上有効な用量が投与される。
いくつかの実施形態では、治療上有効な用量の抗CD47剤は、漸増濃度の2回以上の用
量として投与され、用量は同等である場合もある。
本発明のいくつかの実施形態では、Hu-5F9G4の有効初回刺激用量が提供され、
ここで、ヒトの有効初回刺激用量は、約1mg/kg、例えば、少なくとも約0.5mg
/kg~最大で約5mg/kgまで;少なくとも約0.75mg/kg~最大で約1.2
5mg/kgまで;少なくとも約0.95mg/kg~最大で約1.05mg/kgまで
であり;及び約1mg/kgであり得る。
本発明のいくつかの実施形態では、CD47結合剤の初期用量は、少なくとも約2時間
、少なくとも約2.5時間、少なくとも約3時間、少なくとも約3.5時間、少なくとも
約4時間、少なくとも約4.5時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間以上とい
う期間にわたって注入される。いくつかの実施形態では、初期用量は、約2.5時間~約
6時間の期間にわたって;例えば、約3時間~約4時間注入される。いくつかのそのよう
な実施形態では、注入剤中の薬剤の用量は、約0.05mg/ml~約0.5mg/ml
;例えば、約0.1mg/ml~約0.25mg/mlである。
いくつかの実施形態では、初回刺激用量は、当技術分野で公知であるように、注射、パ
ッチ、浸透圧ポンプなどによって、皮下経路を介して送達されてもよい。
プライミング剤の投与、及び網状赤血球産生の増大に有効な期間を可能にした後、治療
用量の抗CD47剤が投与される。治療用量は、いくつかの異なる方法で投与されてもよ
い。いくつかの実施形態では、プライミング剤が投与された後に、2回以上の治療上有効
な用量が投与される(例えば、毎週の投薬スケジュールで)。いくつかの実施形態では、
治療上有効な用量の抗CD47剤は、漸増濃度の2回以上の用量として投与され、用量は
同等である場合もある。
他の実施形態では、CD47結合剤の初期用量、例えば、初回刺激用量は、連続注入、
例えば浸透圧ポンプ、送達パッチなどとして、投与され、この用量は少なくとも約6時間
、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間、少なくとも約2日、少なくとも約3日
の期間にわたって投与される。多くのそのようなシステムが当技術分野で公知である。例
えば、DUROS技術は、ピストンで分離された2コンパートメントシステムを提供する
。コンパートメントの1つは、過剰な固体NaClで特別に調合された浸透圧エンジンで
構成されており、その結果、配送期間全体を通して存在し続け、浸透圧勾配が一定になる
。それはまた、水が浸透エンジンに引き込まれ、組織の水と浸透エンジンとの間に大きく
かつ一定の浸透勾配を確立する、一方の端の半透膜でも構成される。他の区画は、浸透圧
勾配に起因して薬物が放出される開口部を備えた薬物溶液からなる。これは、ヒトに埋め
込まれたときに、部位特異的及び全身的な薬物送達を提供するのに役立つ。好ましい移植
部位は、上腕の内側の皮下留置である。
プライミング剤の投与、及び網状赤血球産生の増大に有効な期間を与えた後、治療用量
の抗CD47抗体が投与される。治療用量は、多数の異なる方法で投与されてもよい。い
くつかの実施形態では、プライミング剤が投与された後に、2回以上の治療上有効な用量
が投与される(例えば、毎週の投薬スケジュールで)。いくつかの実施形態では、抗CD
47抗体の治療上有効な用量は、段階的濃度の2回以上の用量として投与され、用量は同
等である場合もある。プライミング投与後の赤血球凝集は減少するので、注入時間を延長
する必要はない。
投与
本明細書に記載の方法では、組成物、例えば、抗CD47抗体及び、任意で、追加の薬
剤が対象に投与される。組成物は、非経口、局所、静脈内、腹腔内、腫瘍内、経口、皮下
、動脈内、頭蓋内、腹腔内、鼻腔内または筋肉内の手段によって投与されてもよい。典型
的な投与経路は、静脈内または腫瘍内であるが、他の経路も同様に効果的であり得る。
いくつかの実施形態では、抗CD47抗体及び/または追加の薬剤は、腹腔内投与され
る。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体及び/または追加の薬剤は、静脈内投与さ
れる。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体及び/または追加の薬剤は、腫瘍内投与
される。一実施形態では、抗CD47抗体の初回刺激用量が投与され、初回刺激用量が皮
下送達される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体及び追加の薬剤は、同時に投与
される。いくつかの実施形態では、抗CD47抗体及び追加の薬剤は順次投与される。
活性剤は、宿主内のがん細胞の枯渇に対して相加効果または相乗効果を生み出すために
、ある期間内に投与される。投与方法としては、限定するものではないが、全身投与、腫
瘍内投与などが挙げられる。通常、抗CD47抗体は、約45日、約30日、約21日、
約14日、約10日、約8日、約7日、約6日、約5日、約4日、約3日、約2日、約1
日、または追加の薬剤と実質的に同じ日という期間内に投与される。いくつかの実施形態
では、抗CD47抗体は、追加の薬剤の前に投与される。いくつかの実施形態では、抗C
D47抗体は、追加の薬剤の後に投与される。両方の薬剤の血清レベルが同時に治療レベ
ルになるような投与スケジュールである場合、薬剤は組み合わされていると考えてもよい
。がん細胞集団の枯渇のために、任意で投与を繰り返してもよい。
薬学的組成物
本明細書に記載の方法は、抗CD47抗体及び/または追加の薬剤を含む薬学的組成物
の投与を含む。
典型的には、組成物は、注射剤として、液体溶液または懸濁液として調製される;注射
前に液体ビヒクルの中の溶液として、または懸濁液に適した固体形態も調製されてもよい
。調製物はまた、上記で考察したように、増強されたアジュバント効果のために、ポリラ
クチド、ポリグリコリド、またはコポリマーなどのリポソームまたは微粒子に乳化しても
よいし、またはカプセル化してもよい。Langer,Science 249:152
7,1990及びHanes,Advanced Drug Delivery Rev
iew 28:97-119,1997。本発明の薬剤は、有効成分の持続的またはパル
ス的な放出を可能にするための様式で処方され得るデポ注射またはインプラント調製物の
形態で投与されてもよい。薬学的組成物は、一般に、無菌で、実質的に等張であり、米国
食品医薬品局(U.S.Food and Drug Administration)
の全ての適正製造基準(GMP)規制に完全に準拠して製剤化されている。
薬学的組成物は、投与方法に応じて、様々な単位剤形で投与されてもよい。例えば、経
口投与に適した単位剤形としては、限定するものではないが、粉末、錠剤、丸薬、カプセ
ル及びロゼンジが挙げられる。本発明の組成物は、経口投与される場合、消化から保護さ
れるはずであることが認識されている。これは通常、分子を組成物と複合体化して、酸性
及び酵素的加水分解に対して耐性にするか、または分子をリポソームもしくは保護バリア
などの適切な耐性担体にパッケージすることによって達成される。消化から薬剤を保護す
る手段は、当技術分野で周知である。
投与用の組成物は、通常、薬学的に許容される担体、好ましくは水性担体に溶解された
抗体または他の切断剤を含む。様々な水性担体、例えば、緩衝生理食塩水などを使用して
もよい。これらの溶液は無菌であり、一般に望ましくない物質は含まない。これらの組成
物は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌され得る。組成物は、pH調整及び緩衝剤、毒
性調整剤など、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム
、乳酸ナトリウムなどの近似の生理学的条件に必要な薬学的に許容される補助物質を含ん
でもよい。これらの製剤中の活性剤の濃度は、幅広く変動する可能性があり、主に、選択
された特定の投与方法及び患者のニーズに従って、流体容量、粘度、体重などに基づいて
選択される(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sci
ence(15th ed.,1980)及びGoodman & Gillman,T
he Pharmacological Basis of Therapeutics
(Hardman et al.,eds.,1996))。
「薬学的に許容される賦形剤」とは、一般的に安全で非毒性であり、望ましい薬学的組
成物の調製に有用な賦形剤を意味し、獣医学的使用ならびにヒトの医薬的使用に許容され
る賦形剤を含む。このような賦形剤は、固体、液体、半固体であっても、またはエアロゾ
ル組成物の場合は気体であってもよい。
「薬学的に許容される塩及びエステル」とは、薬学的に許容され、所望の薬理学的特性
を有する塩及びエステルを意味する。そのような塩としては、化合物中に存在する酸性プ
ロトンが無機または有機塩基と反応され得る場合に形成され得る塩が挙げられる。適切な
無機塩としては、アルカリ金属、例えば、ナトリウム及びカリウム、マグネシウム、カル
シウム、アルミニウムで形成された塩が挙げられる。適切な有機塩としては、アミン塩基
、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン
、Nメチルグルカミンなどの有機塩基で形成された塩が挙げられる。そのような塩として
はまた、無機酸(例えば、塩酸及び臭化水素酸)及び有機酸(例えば、酢酸、クエン酸、
マレイン酸、ならびにアルカンスルホン酸及びアレーンスルホン酸、例えば、メタンスル
ホン酸及びベンゼンスルホン酸)で形成される酸付加塩も含まれる。薬学的に許容される
エステルとしては、化合物中に存在するカルボキシ、スルホニルオキシ、及びホスホノキ
シ基から形成されるエステル、例えば、C1-6アルキルエステルが挙げられる。2つの
酸性基が存在する場合、薬学的に許容される塩またはエステルは、一酸一塩もしくはエス
テルであっても、または二塩もしくはエステルであってもよく;同様に、2つを超える酸
性基が存在する場合、そのような基の一部または全てを塩化しても、またはエステル化し
てもよい。本発明で命名された化合物は、非塩化もしくは非エステル化形態で存在しても
よいし、または塩化及び/もしくはエステル化形態で存在してもよく、そのような化合物
の命名は、元の(非塩化及び非エステル化)化合物及びその薬学的に許容される塩及びエ
ステルの両方を含むことが意図される。また、本発明で命名された特定の化合物は、2つ
以上の立体異性体で存在する場合があり、そのような化合物の命名は、そのような立体異
性体の全ての単一の立体異性体及び全ての混合物(ラセミであっても、それ以外であって
も)を含むことを意図する。
用語「薬学的に許容される」、「生理学的に許容される」及びそれらの文法的変化形は
、組成物、担体、希釈剤及び試薬を指す場合、互換的に使用され、組成物の投与を妨げる
程度の望ましくない生理学的効果を生じることなく、その物質がヒトにまたはヒト上に投
与され得ることを表す。
キット
また、本明細書には、抗CD47抗体などの活性薬剤、及び任意で追加の薬剤、及びそ
の製剤、ならびに使用説明書を含むキットが記載されている。このキットは、少なくとも
1つの追加の試薬、例えば、化学療法薬物、ESAなどをさらに含んでもよい。キットに
は、通常、キットの内容の使用目的を示すラベルが含まれている。ラベルという用語には
、キット上またはキットとともに提供される、またはキットに別の方法で付随する、任意
の書面または記録された資料が含まれる。
本明細書に開示される様々な方法で使用するためのキットも提供される。本発明のキッ
トは、プライミング剤及び抗CD47剤を含む。いくつかの実施形態では、キットは2つ
以上のプライミング剤を含む。いくつかの実施形態では、キットは、2つ以上の抗CD4
7剤を含む。いくつかの実施形態では、プライミング剤は、剤形(例えば、プライミング
剤形)で提供される。いくつかの実施形態では、プライミング剤は、2つ以上の異なる剤
形(例えば、2つ以上の異なる初回刺激剤形)で提供される。いくつかの実施形態では、
抗CD47剤は、剤形(例えば、治療上有効な剤形)で提供される。いくつかの実施形態
では、抗CD47剤は、2つ以上の異なる剤形(例えば、2つ以上の異なる治療上有効な
剤形)で提供される。キットの文脈では、プライミング剤及び/または抗CD47剤は、
任意の便利なパッケージング(例えば、スティックパック、用量パックなど)で、液体ま
たは販売された形態で提供され得る。
上記の構成要素に加えて、本発明のキットは、本発明の方法を実施するための(特定の
実施形態において)説明書をさらに備えてもよい。これらの説明書は、本発明のキットに
様々な形で存在してもよく、そのうちの1つ以上がキットに存在してもよい。これらの説
明書が存在し得る1つの形式は、適切な媒体または基質、例えば情報が印刷された紙片(
複数可)、キットのパッケージ、添付文書などに印刷された情報である。これらの説明書
のさらに別の形態は、情報が記録されている、例えばディスケット、コンパクトディスク
(CD)、フラッシュドライブなどのコンピューター可読媒体である。存在し得るこれら
の指示のさらに別の形態は、削除された部位の情報にアクセスするためにインターネット
経由で使用され得るウェブサイトアドレスである。
配列
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、本明細書に記載される配列;
例えば、本明細書に記載の重鎖、軽鎖、及び/またはCDR配列を有する抗体の投与を含
む。投与される抗体の配列は、本明細書に記載される配列と例えば、少なくとも95、9
6、97、98、99、または100%同一であり得る。
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈における「同一性」パーセントという用
語は、以下に記載されている配列比較アルゴリズムの1つを使用して(例えば、BLAS
TP及びBLASTNまたは当業者が利用できるその他のアルゴリズム)、または目視検
査によって測定された、比較され、かつ最大対応に合わせてアラインメントされた場合、
ヌクレオチドまたはアミノ酸残基の特定の割合が同じである2つ以上の配列または部分配
列を指す。用途に応じて、「同一性」パーセントは、比較される配列の領域にわたって、
例えば、機能ドメインにわたって存在してもよく、または、比較されるべき2つの配列の
全長にわたって存在してもよい。
配列比較のために、典型的には、1つの配列は、試験配列が比較される参照配列として
機能する。シーケンス比較アルゴリズムを使用する場合、試験配列及び参照配列をコンピ
ューターに入力し、任意でサブ配列座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムのパラメ
ーターを指定する。次に、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメーター
に基づいて、参照配列に対する試験配列(複数可)の配列同一性のパーセントを計算する
比較のための配列の最適なアラインメントは、例えば、Smith & Waterm
an,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所相同性アルゴリズム
によって、Needleman & Wunsch,J.Mol.Biol.48:44
3(1970)の相同性アラインメントアルゴリズムによって、Pearson & L
ipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444(19
88)の類似性検索方法によって、これらのアルゴリズムのコンピューター化された実行
によって(Wisconsin Genetics Software Package
,Genetics Computer Group,575 Science Dr.
、Madison,Wis.のGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA
)、または目視検査によって(一般には下記のAusubel et al.,を参照の
こと)行われ得る。
パーセント配列同一性及び配列類似性を決定するのに適したアルゴリズムの一例は、B
LASTアルゴリズムであり、これは、Altschul et al.,J.Mol.
Biol.215:403-410(1990)に記載されている。BLAST分析を実
行するためのソフトウェアは、国立バイオテクノロジー情報センター(National
Center for Biotechnology Information)(<
www.ncbi.nlm.nih.gov/>)を通じて公開されている。
以下は、本発明を実施するための特定の実施形態の例である。この実施例は、例示のみ
を目的として提供されており、決して本発明の範囲を限定することは意図していない。使
用される数値(例えば、量、温度など)に関して正確を期すために努力が払われたが、当
然ながら、いくつかの実験誤差及び偏差は許容されるべきである。
本発明の実施は、別段の指示がない限り、当技術分野の範囲内のタンパク質化学、生化
学、組換えDNA技術及び薬理学の従来の方法を使用する。そのような技術は文献で完全
に説明されている。例えば、T.E.Creighton,Proteins:Stru
ctures and Molecular Properties(W.H.Free
man and Company,1993);A.L.Lehninger,Bioc
hemistry(Worth Publishers,Inc.、現在追加);Sam
brook et al.,Molecular Cloning:A Laborat
ory Manual(2nd Edition,1989);Methods In
Enzymology(S.Colowick and N.Kaplan eds.,
Academic Press,Inc.);Remington’s Pharmac
eutical Sciences,18th Edition(Easton、Pen
nsylvania:Mack Publishing Company,1990);
Carey and Sundberg Advanced Organic Chem
istry 3rd Ed.(Plenum Press)Vols A and B(
1992)を参照のこと。
実施例1:抗CD47抗体の初回刺激用量の決定。
第I相臨床試験において、ヒトのがん患者は、0.1mg/kg(n=1)、0.3m
g/kg(n=2)、1.0mg/kg(n=6)、及び3.0mg/kg(n=2)で
Hu-5F9-G4の様々な初回刺激用量を投与された。
2つの用量制限毒性(DLT)が、3.0mg/kg群で観察された(悪性度3の腹痛
;血球凝集)。1.0mg/kgではDLTは観察されなかった。
ヒト対象における将来の研究のための初回刺激用量として、1.0mg/kgを選択し
た。
実施例2:抗CD47抗体による卵巣癌の処置。
卵巣癌を有する5人の女性のがん患者は、単剤療法としてHu-5F9-G4で処置さ
れた。2017年7月現在のそれぞれの投与プロトコール及び応答を表Aにまとめている
(表A)
Figure 2023018062000003
特に、卵巣/卵管癌の5人の患者のうちの4人は、CA125の減少を示した。ベース
ラインCA125の変化率(%)を示している、図1を参照のこと。
01-312:週用量20mg/kg
11-305及び11-308:20mg/kgの負荷用量
13-311及び13-312:30mg/kgの負荷用量
11-305及び01-312もまた、ベースライン及び8週間のスキャンで分析した
。スキャンを図2~8に示す。この図は、腫瘍量が各患者のベースラインから8週間に大
幅に減少したことを示している。注目すべきことに、膵臓癌を含む他の固形腫瘍タイプの
患者は、治療において客観的な反応を達成することなく、今日まで同様の用量で処置され
てきた。
実施例3:抗CD47抗体による卵巣癌サブタイプの処置。
卵巣癌患者を、抗CD47抗体の投与のために選択する。
卵巣癌は、漿液性腫瘍、粘液性腫瘍、明細胞腫瘍、類内膜腫瘍、移行上皮腫瘍、ブレナ
ー腫瘍、癌肉腫腫瘍、混合上皮腫瘍、境界上皮腫瘍、未分化癌腫瘍、卵管腫瘍、または原
発性腹膜腫瘍を含み得る。
1mg/kgの初回刺激用量のHu-5F9-G4が各患者に投与される。7日後、H
u-5F9-G4の治療用量(例えば、20、30、45、60、または67.5mg/
kg)を投与する。Hu-5F9-G4は、元の治療用量に続く治療用量で、例えば、1
、2、3、または4週間ごとに定期的に再投与される。各患者を安全性と有効性について
定期的にモニターする。
Hu-5F9-G4は、ヒト女性患者の卵巣癌の処置に有効であることが見出されてい
る。特定の患者では、ベースラインと比較してCA125が低下していることがわかる。
特定の患者では、ベースラインと比較して腫瘍量が減少していることが見出される。
実施例4:抗CD47抗体及び追加の薬剤による卵巣癌の処置。
卵巣癌患者を、抗CD47抗体の投与のために選択する。
卵巣癌としては、漿液性腫瘍、粘液性腫瘍、明細胞腫瘍、類内膜腫瘍、移行上皮腫瘍、
ブレナー腫瘍、癌肉腫腫瘍、混合上皮腫瘍、境界上皮腫瘍、未分化癌腫瘍、卵管腫瘍、ま
たは原発性腹膜腫瘍が挙げられ得る。
1mg/kgの初回刺激用量のHu-5F9-G4が各患者に投与される。7日後、H
u-5F9-G4の治療用量(例えば、20、30、45、60、または67.5mg/
kg)を投与する。Hu-5F9-G4は、元の治療用量に続く治療用量で、例えば、1
、2、3、または4週間ごとに定期的に再投与される。
各患者には、追加の薬剤も投与される。
追加の薬剤は、化学療法剤、VEGF阻害剤、PARP阻害剤、免疫チェックポイント
阻害剤、免疫抗がん剤、及び/または葉酸阻害剤であり得る。
化学療法剤は、白金(シスプラチン/カルボプラチン)であり得る。化学療法剤は、タ
キサン(パクリタキセル(Taxol(登録商標))またはドセタキセル(Taxote
re(登録商標)))、ゲムシタビン、アルブミン結合パクリタキセル(nab-パクリ
タキセル、Abraxane(登録商標))、アルトレタミン(Hexalen(登録商
標))、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、シクロホスファミド(Cytox
an(登録商標))、エトポシド(VP-16)、ゲムシタビン(Gemzar(登録商
標))、イホスファミド(Ifex(登録商標))、イリノテカン(CPT-11、Ca
mptosar(登録商標))、リポソームドキソルビシン(Doxil(登録商標))
、メルファラン、ペメトレキセド(Alimta(登録商標))、トポテカン、ビノレル
ビン(Navelbine(登録商標))、またはトラベクテジン(Yondelis(
登録商標))であってもよい。
VEGF阻害剤は、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、レゴラフェニブ(
Stivarga(登録商標))、またはアフリベルセプト(Eylea(登録商標))
であってもよい。
PARP阻害剤は、ルカパリブ(Rubraca(登録商標))、ニラパリブ(Zej
ula(登録商標))、オラパリブ(Lynparza(登録商標))、タラゾパリブ(
BMN-673)、またはベリパリブ(ABT-888)であってもよい。
免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA4、PD1、及びPDL1の少なくとも1つ
を阻害し得る。
葉酸阻害剤は、葉酸代謝または標的葉酸受容体を阻害し得る。
Hu-5F9-G4及び追加の薬剤は、同時に投与されても、または順次投与されても
よい。
各患者は、安全性及び有効性について定期的にモニターされる。
追加の薬剤と組み合わせたHu-5F9-G4は、ヒト女性患者の卵巣癌の処置に有効
であることが見出されている。特定の患者では、ベースラインと比較してCA125が低
下していることが見出される。特定の患者では、ベースラインと比較して腫瘍量が減少し
ていることが見出される。
本発明は、好ましい実施形態及び様々な代替実施形態を参照して特に示し説明してきた
が、形態及び詳細の様々な変更が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくそこで行
われ得ることが当業者によって理解される。
本明細書の本文内で引用された全ての参考文献、発行された特許及び特許出願は、あら
ゆる目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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