JP2023017372A - 給液ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料補給作業における作業性の向上をはかった給油ノズルを提供する。【解決手段】自動閉弁機構61を備えた給油ノズル1であって、前記自動閉弁機構には、負圧室63の室圧変化に基づいた可動隔壁の変位を許容または禁止するロック機構81が付設され、前記ロック機構は、前記可動隔壁の変位方向に沿って延びるロック軸83と、前記ロック軸に取り付けられ、当該ロック軸の径方向に延びる操作片と、前記ロック軸を回動軸にした前記操作片の回動変位を案内するとともに、前記操作片の回動変位に応動した、前記ロック軸の軸方向に沿った移動変位を案内する基台82と、を有し、前記基台は、前記ロック機構における前記ロック軸の軸方向を、前記自動閉弁機構における前記可動隔壁の変位方向に合わせるようにして、ノズル本体3に取り付けられ、前記ロック軸の軸端部を前記可動隔壁に対して近接・離間させる構成になっている。【選択図】図2
Description
本開示は、燃料を補給する燃料給液機の給液ホース先端に設けられ、例えば鉄道車両の気動車等の燃料タンクに燃料を補給する給液ノズルに関するものである。
給液ノズルには、燃料タンクが満タンになった後に燃料が燃料補給口から溢れ出すのを防止するため、自動閉弁機構が備えられている。自動閉弁機構は、燃料補給口に挿入される給液ノズルの吐出パイプ筒先の大気導入口が燃料液面等によって閉塞されると、ノズル本体内を流れる燃料によるベンチュリ効果で発生する負圧を利用して、操作レバーの開弁操作で開弁状態になっているノズル弁を、操作レバーの操作状態にかかわらず閉弁する構成になっている。
ところが、自動閉弁機構は、給液ノズルの吐出パイプ筒先の大気導入口が燃料タンク内の燃料液面で実際に閉塞された満タン状態に達する前に、大気導入口が燃料付着や燃料液面上に発生した泡で閉塞された場合でも閉弁作動してしまう。そのため、例えば満タン補給作業では、一旦、自動閉弁機構が燃料タンク内の燃料液面上に発生した泡によって閉弁作動してしまうと、その後、作業員は、大気導入口が泡で閉塞されて自動閉弁機構が閉弁作動する都度、操作レバーを一旦閉弁操作してから再び開弁操作する作業を、燃料タンクが満タンになるまで何度も繰り返さなければならなかった。
そこで、自動閉弁機構が備えられた給液ノズルの中には、特許文献1,2,3に示すような、自動閉弁機構を人為的に不作動状態にロックすることができるロック機構を備えたものも提案されている。ロック機構を備えた給液ノズルを使用した満タン補給作業では、燃料タンクが満タンになる前に泡によって自動閉弁機構が閉弁作動する場合は、作業員は、ロック機構で自動閉弁機構を不作動状態にすることで、その後における給液ノズルの操作負担を軽減し、燃料給液機による燃料補給時間を短縮することができる。
その一方で、ディーゼルエンジンを搭載する鉄道車両の気動車の燃料タンクは、台車に搭載された車体下面に取り付けられている。そして、燃料補給口は、タンク本体から延出された導入管を介して、車体下面の車体側に寄った高さ位置で、車体の側方側に向けて設けられている。そこで、鉄道車両の気動車等の燃料タンクに燃料を補給する給液ノズルは、吐出パイプ筒先を燃料補給口に挿入しやすく、燃料補給中は給液ノズルを燃料補給口に掛止しておきやすいように、吐出パイプが特許文献4に記載されているような屈曲形態に予め形成されている。
ところが、鉄道車両の気動車等の燃料タンクは、燃料補給口およびタンク本体の車体下面における配置位置および配置環境が気動車の型式に応じて異なっている。そのため、従来の、ロック機構を備え、吐出パイプが屈曲形態に予め成されている給液ノズルでは、例えば主要型式以外の型式の気動車の燃料タンクへの燃料補給時に使用する場合に、車体や台車、隣接する車体取付機器が給液ノズルに対し干渉して、給液ノズルの吐出パイプが燃料補給口に挿入しにくかったり、操作レバーやロック機構の操作が行いにくい、といった問題があった。
また、燃料補給口やタンク本体の車体下面における配置位置に関係して、燃料補給口とタンク本体との間を連通する導入管もその構造や延設状態等が気動車の型式に応じて異なる。そのため、特定の型式の気動車では、燃料補給開始後すぐに給液ノズルの自動閉弁機構が燃料付着や泡で誤作動してしまい、当所からロック機構を不作動にして燃料補給を開始しなければならない場合が生じる。しかし、従来の、ロック機構を備え、吐出パイプが予め屈曲形態に成されている給油ノズルでは、吐出パイプを燃料補給口に挿入した状態で、ロック機構が作動状態または不作動状態のうちのいずれになっているかについて把握しにくいため、予め吐出パイプを燃料補給口に挿入する前にロック機構の作動状態を確認したり、燃料補給開始後に作動状態を確認する場合は、燃料補給を一旦中断して、燃料補給口に装着されている給液ノズルを作動状態の確認のために燃料補給口から脱着しなければならない、といった問題もあった。
本開示は、上述した問題点を鑑みてなされたものであって、吐出パイプが燃料タンクの燃料補給口に挿入された状態で、操作レバーやロック機構の操作やその操作状態の確認を他部からの干渉を受けることなく行うことができ、燃料補給作業における作業性の向上をはかった給液ノズルを提供することを目的とする。
本開示に係る給液ノズルは、前述した課題を解決するために、自動閉弁機構を備えた給液ノズルであって、
前記自動閉弁機構には、
負圧室の室圧変化に基づいた可動隔壁の変位を許容または禁止するロック機構が付設され、
前記ロック機構は、
前記可動隔壁の変位方向に沿って延びるロック軸と、
前記ロック軸に取り付けられ、当該ロック軸の径方向に延びる操作片と、
前記ロック軸を回動軸にした前記操作片の回動変位を案内するとともに、前記操作片の回動変位に応動した、前記ロック軸の軸方向に沿った移動変位を案内する基台と、
を有し、
前記基台は、前記ロック機構における前記ロック軸の軸方向を、前記自動閉弁機構における前記可動隔壁の変位方向に合わせるようにして、ノズル本体に取り付けられ、前記ロック軸の軸端部を前記可動隔壁に対して近接・離間させる構成になっている。
前記自動閉弁機構には、
負圧室の室圧変化に基づいた可動隔壁の変位を許容または禁止するロック機構が付設され、
前記ロック機構は、
前記可動隔壁の変位方向に沿って延びるロック軸と、
前記ロック軸に取り付けられ、当該ロック軸の径方向に延びる操作片と、
前記ロック軸を回動軸にした前記操作片の回動変位を案内するとともに、前記操作片の回動変位に応動した、前記ロック軸の軸方向に沿った移動変位を案内する基台と、
を有し、
前記基台は、前記ロック機構における前記ロック軸の軸方向を、前記自動閉弁機構における前記可動隔壁の変位方向に合わせるようにして、ノズル本体に取り付けられ、前記ロック軸の軸端部を前記可動隔壁に対して近接・離間させる構成になっている。
本開示の給液ノズルによれば、吐出パイプが燃料タンクの燃料補給口に挿入された状態で、ロック機構の操作やその操作状態の確認を他部からの干渉を受けることなく行うことができ、燃料補給作業における作業性の向上をはかることができる。
また、本開示の上記した以外の、課題、構成および効果については、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
以下、本開示に係る給液ノズルの一実施の形態について、図面に基づいて説明する。本開示に係る給液ノズルは、燃料補給口に挿入される給液ノズルの吐出パイプ筒先の大気導入口が燃料液面によって閉塞されると、ノズル本体内を流れる燃料によるベンチュリ効果で発生する負圧を利用して、操作レバーの開弁操作で開弁状態になっているノズル弁を、操作レバーの操作状態にかかわらず閉弁する自動閉弁機構を備えた給液ノズルであれば、適用可能である。すなわち、本開示に係る給液ノズルの実施の形態は、ノズル本体内を流れる燃料によるベンチュリ効果で発生する負圧を利用してノズル弁を閉弁作動させる自動閉弁機構を備えた給液ノズルであれば、自動閉弁機構の具体的構成や給液ノズル各部の具体的構成・形態に限定されることなく、適用可能である。
図1は、本開示の給液ノズルに係る一実施例の給油ノズルの断面図である。
図2は、図1に示した給油ノズルをY-Y矢視方向に眺めた端面図である。
図2は、図1に示した給油ノズルをY-Y矢視方向に眺めた端面図である。
本実施例の給油ノズル1は、液通路2が貫通して形成されたノズル本体3を有している。液通路2は、一側開口端2iが、ポンプ等を有する給油機本体から延出された図示せぬ給油ホースとの接続側になっており、他側開口端2oが、補給対象の燃料タンクの燃料補給口である給油口に挿入される吐出パイプ4の固定側になっている。給油ノズル1に供給された油液は、一側開口端2iから他側開口端2oへ、液通路2中を流れる。ノズル本体3の液通路2の途中には、液通路2を連通・遮断するノズル弁5が設けられている。
ノズル弁5は、ノズル本体3の液通路2の内周壁に形成された環状の弁座6と、この弁座6に離着座する主弁7とを備えて構成されている。ノズル弁5は、ノズル本体3に形成された取付用開口部8から、後述する弁軸部材19等とともに、ノズル本体3内に設置される。取付用開口部8は、蓋体9によって液密に施蓋されている。
主弁7は、弁座6に離着座して液通路2を連通・遮断する主弁体10と、この主弁体10に離着座して主弁体10に形成された弁体通路13を連通・遮断する副弁体11とから構成されている。
主弁体10には、図2に示すように、その軸芯位置に軸方向に延びる弁軸挿通孔14が貫通して形成され、この弁軸挿通孔14を取り囲むように複数の弁体通路13が貫通して形成されている。副弁体11は、その弁軸部15を主弁体10の弁軸挿通孔14に貫通させて、主弁体10の上流側に配置されている。副弁体11は、弁軸部15を主弁体10の弁軸挿通孔14に案内され、主弁体10に設けられたリング形状の弁シート16に離着座して、弁体通路13を開閉する。副弁体11の弁軸部15には、軸方向に延びるロッド挿入孔17が形成されている。
このように構成されたノズル弁5の副弁体11と前述した蓋体9との間には、コイル状のバネ部材18が介装されている。バネ部材18は、副弁体11を主弁体10の弁シート16に着座させ、さらに主弁体10を弁座6に着座させるように、副弁体11を付勢している。
ノズル弁5の主弁7には、弁軸部材19が係合して設けられている。弁軸部材19は、弁軸スリーブ20と、この弁軸スリーブ20のスリーブ孔21内を進退可能な弁軸ロッド22とによって構成されている。
弁軸スリーブ20は、図2に示すように、その軸方向に関して、一端側が副弁体11のロッド挿入孔17内を挿入可能な挿入ロッド部23となり、他端側が挿入ロッド部23よりも大径のスリーブ部24となった段付形状になっている。そして、この挿入ロッド部23とスリーブ部24との境界段部は、主弁体10と当接可能な肩部25になっている。また、スリーブ部24には、弁軸スリーブ20の他端に開口したスリーブ孔21が軸方向に延びて形成されている。
本実施例では、弁軸スリーブ20の挿入ロッド部23は、副弁体11の弁軸部15に形成されたロッド挿入孔17に挿入され、その先端側がロッド挿入孔17内の孔底部に当接する構成になっている。また、主弁体10が弁座6に着座し、副弁体11が主弁体10の弁シート16に着座している状態で、弁軸スリーブ20の肩部25と主弁体10との間には、主弁体10に対する副弁体11の開弁ストローク分の隙間Lを軸方向に有するようになっている。これにより、ノズル弁5では、開弁時、まず、副弁体11が開弁し、それから主弁体10が開弁するようになっている。
一方、弁軸ロッド22は、図2に示すように、一端側が、弁軸スリーブ20のスリーブ孔21の底面との間にバネ部材26を介して、スリーブ孔21に進退可能に嵌合されて設けられている。バネ部材26は、その収縮によって、弁軸スリーブ20と弁軸ロッド22とを相互離間させるように、弁軸ロッド22をスリーブ孔21の開口側に付勢する。
そして、弁軸スリーブ20及び弁軸ロッド22は、後述する自動閉弁機構61の係合ロッド27によって、軸方向に一体的に移動可能に連結される。なお、弁軸スリーブ20および弁軸ロッド22が一体的に移動する際、バネ部材26の収縮によって生じる付勢力は、バネ部材18の収縮によって生じる付勢力よりも、小さく設定されている。
このような構成からなる弁軸部材19は、ノズル本体3に形成された弁軸部材挿通孔28を貫通して設けられている。その際、弁軸スリーブ20の挿入ロッド部23は、シール部材29を介して液通路2内に進退可能に延出され、先端側は、副弁体11のロッド挿入孔17に嵌合されている。また、弁軸部材19における弁軸ロッド22の他端側はスリーブ孔21の開口からノズル本体3外部に突出させられ、ノズル本体3に回動可能に軸支された操作レバー30に当接支持されている。
操作レバー30は、図1に示すように、基端がノズル本体3に回動可能に軸支され、その回動によって、自由端側がノズル本体3のノズル本体把持部32に対して近接又は離間できるようになっている。操作レバー30の支軸側寄りの部分には、弁軸ロッド22の他端が当接させられている。そして、係合ロッド27を介して弁軸スリーブ20及び弁軸ロッド22が連動可能に係合している状態で、この操作レバー30の回動操作に応じて、弁軸スリーブ20及び弁軸ロッド22により構成される弁軸部材19が弁軸部材挿通孔28を摺動し、ノズル弁5が開閉する構成になっている。
この操作レバー30を回動軌跡で取り囲むように、ノズル本体3には、レバーガード33が設けられている。レバーガード33には、操作レバー30の自由端を掛止することによりノズル弁5の開弁状態を保持しておくことが可能なレバーフック34が取り付けられている。これにより、操作レバー30の自由端30Aをレバーフック34に設けられたいずれかの段部に掛止することよって、操作レバー30から手を離しても、所望の弁開位置で保持できるようになっている。
一方、吐出パイプ4の接続端であるノズル本体3の他側開口端2oには、弁座部材36と、この弁座部材36に対して離着座するチェック弁37を案内支持し、吐出パイプ4が接続固定される継手部材38とが、弁座部材36を奥側にして順に設置されている。
弁座部材36には、図1における点線丸枠部分の部分拡大図に示すように、チェック弁37の弁座面を備えたテーパ状の弁座形成孔39が貫通して形成されている。弁座部材36は、その外周構造が、大径部と小径部とが軸方向に沿って連設された段付構造になっている。その上で、弁座部材36には、一端側が大径部の外周面に開口し、他端側が弁座形成孔39の弁座面に開口した負圧発生通路43が、弁座面の周回りに複数形成されている。各負圧発生通路43の他端側開口は、チェック弁37が開弁してその狭隘部を燃料が流れる際のべンチュリ効果によって負圧を発生する負圧発生部44になっている。
弁座部材36は、弁座面を下流側に向けて、ノズル本体3の他側開口端2oの開口部内周面に形成された取付段部41の段面に液密に当接させて、他側開口端2oの開口部内に配置される。その際、弁座部材36の大径部の外周面とノズル本体3の他側開口端2oの開口部内周面との間には、環状通路42が形成されるようになっている。したがって、環状通路42は、負圧発生部44と連通している。
これに対し、継手部材38には、図1における点線丸枠部分の部分拡大図に示すように、軸方向に沿って貫通して延びる液孔45が形成されている。この液孔45内には、柱状の取付部46が、この液孔45と軸心を合わせ、複数の脚部47によって支持されて設置されている。取付部46には、軸方向両側に、有底の取付孔48,49が開口する。一端側の取付孔48には、チェック弁37の弁軸部が挿入され、チェック弁37を弁座部材36の弁座面に対して離着座可能に案内支持する。チェック弁37には、コイル状のバネ部材51が設けられ、チェック弁37は弁座部材36の着座方向に付勢されている。また、他端側の取付孔49には、補償通路としての負圧補償管52の一端側が嵌入される。チェック弁37は、ノズル弁5が開弁されて燃料が液通路2を流れる状態の液圧を受けて自動的に開弁し、ノズル弁5が閉弁されて燃料の流れが停止された状態の液圧を受けて自動的に閉弁して、燃料補給を停止している給油ノズル1の吐出パイプ4からの液だれを防止する。
継手部材38の弁座部材36側の外周は、前述した弁座部材36の大径部と同様に、ノズル本体3の他側開口端2oの開口部内周面よりも小径に形成され、その内周面は、前述した弁座部材36の小径部外周とほぼ同径に形成されている。継手部材38の脚部47には、弁座部材36側の外周部分と取付孔49との間を連通する通路53が形成されている。継手部材38は、外周面における軸方向の中間部に形成された鍔部をノズル本体3の他側開口端2oの開口端面に当接させ、この鍔部と前述した小径部との間の部分をノズル本体3の他側開口端2oの開口部に圧入してノズル本体3に取り付けられ、弁座部材36を位置決め固定する。この状態で、負圧補償管52は、通路53及び継手部材38のチェック弁37側の外周部分を介して、環状通路42に連通する構成になっている。
負圧補償管52は、吐出パイプ4内に延設され、その他端側は吐出パイプ4先端側の外周面に大気導入口として開口し、液面検知孔54を構成する。また、環状通路42は、ノズル本体3内に形成された通路55を介して後述する自動閉弁機構61の負圧室63(図2参照)とも連通されている。これにより、負圧発生部44,液面検知孔54,及び自動閉弁機構61の負圧室63は、環状通路42を介して相互に連通された構成になっている。
吐出パイプ4は、本実施例の給油ノズルの場合、液面検知孔54が設けられた先端側パイプ部分と、継手部材38に接続固定される基端側パイプ部分とが、剛性を有した金属管部材で構成され、これら先端側パイプ部分と基端側パイプ部分との間の中間パイプ部分が屈曲可能なフレキシブル金属管部材で構成されている。これに伴い、負圧補償管52も、液面検知孔54の構成部分と、継手部材38に固定される接続部分が、剛性を有した金属部材で構成され、これら液面検知孔54の構成部分と継手部材38に対する接続部分との間の中間部分が屈曲可能なフレキシブル金属管部材で構成されている。これらにより、吐出パイプ4は、図1に示すように、その姿勢を任意の屈曲状態に保ったり、伸長状態に保ったりすることができ、吐出パイプ4の先端側開口の向きもノズル本体3の姿勢向きに対して任意の向きに変更できるようになっている。また、吐出パイプ4の外周には、給油ノズル1の給油口からの脱落防止用の抜け止めコイル56が、少なくと一端側を吐出パイプ4の両端側それぞれの剛性を有した金属管部材に固定して、巻装されている。
次に、図1及び図2に示した給油ノズル1のノズル本体3に設けられた自動閉弁機構61の構成について説明する。
図2に示すように、ノズル本体3には、弁軸部材挿通孔28と交叉するように閉弁機構収容孔60が形成されている。この閉弁機構収容孔60には、操作レバー30の開弁操作状態にかかわらず、吐出パイプ4の先端側に設けられた液面検知孔54が燃料の液面や泡面で閉塞された場合に、ノズル弁5を自動的に閉弁させて、吐出パイプ4からの燃料の吐出を停止させる自動閉弁機構61が収容されている。
自動閉弁機構61は、ダイアフラム部材62によって大気圧室64と画成された負圧室63を備えている。図示の例では、ダイアフラム部材62は、膜中央に取付孔が形成された可撓性のダイアフラム膜65と、このダイアフラム膜65の負圧室63側の膜面上に配置され、中央に嵌合孔が形成されたバネ受け部材66と、軸方向両側にそれぞれ嵌合部が突出形成された盤状の結合部材67とにより一体的に構成されている。ダイアフラム部材62は、結合部材67の軸方向一側に形成された嵌合部を、ダイアフラム膜65の取付孔に挿通し、バネ受け部材66の嵌合孔に嵌入することによって、結合部材67とバネ受け部材66とによって一体的にダイアフラム膜65が挟着された構成になっている。
負圧室63は、閉弁機構収容孔60の一側開口を覆うように配置されたダイアフラム部材62のダイアフラム膜65周縁部をノズル本体3との間で挟持するように取り付けられた蓋部材68によって外部に対して画成されている。この負圧室63には、図1で説明した一端側が環状通路42に連通された通路55の他端側が連通している。負圧室63内には、自動閉弁機構61の作動により撓んだダイアフラム部材62を復元するためのバネ部材69が、バネ受け部材66と蓋部材68の底部との間に設けられている。
これにより、負圧室63が負圧になっていない大気圧状態で、係合ロッド27が弁軸部材19の弁軸スリーブ20および弁軸ロッド22にともに係合している状態では、図2で示すように、このバネ部材69の付勢力によって、ダイアフラム部材62は、バネ受け部材66および結合部材67が閉弁機構収容孔60内の奥部側に位置する状態になっている。
また、結合部材67の軸方向他側に形成された嵌合部には、コの字状の係合ロッド案内部材70が一体的に取り付けられている。係合ロッド案内部材70は、一対の側板部と、この一対の側板部を連結する連結板部とを有するコの字状の形状になっている。連結板部には、結合部材67の軸方向他側に形成された嵌合部が挿通される挿通孔が形成されている。一対の側板それぞれには、係合ロッド27の端部が係合する案内孔71が図1に示すように形成されている。案内孔71は、長穴形状になっており、結合部材67の軸方向に沿って係合ロッド27が係合ロッド案内部材70に対して移動するのを規制する一方、結合部材67の軸方向と直交する方向、すなわち弁軸部材19の軸方向に沿って、係合ロッド27が所定距離分、すなわちノズル弁5を構成する主弁体10および副弁体11の開弁ストローク分だけ、係合ロッド案内部材70に対して移動可能になっている。
図示の例では、係合ロッド案内部材70は、一対の案内孔71に係合ロッド27が係合している状態で、連結板部の挿通孔に、結合部材67の軸方向他側の嵌合部を嵌合させて、ダイアフラム部材62に一体的に取り付けられる。
一体化されたダイアフラム部材62および係合ロッド案内部材70は、図2に示すように、案内孔71に係合している係合ロッド27を、弁軸部材19における弁軸スリーブ20の係合孔72および弁軸ロッド22の係合溝73に対面させ、ダイアフラム部材62のダイアフラム膜65の周縁部をノズル本体3とで挟持するようにして、蓋部材68をノズル本体3に対して螺着することによって取り付けられている。
一方、弁軸部材19を構成する弁軸スリーブ20および弁軸ロッド22には、長さ方向の途中部分に、係合ロッド27が係合可能な係合孔72及び係合溝73が形成されている。弁軸スリーブ20に形成された係合孔72の軸方向の孔幅は、係合ロッド27,27それぞれの径の合計とほぼ等しくなっている。これに対し、弁軸ロッド22に形成された係合溝73の軸方向の溝幅は、主弁7の主弁体10及び副弁体11がともに閉弁した状態における弁軸スリーブ20の肩部25と主弁7の主弁体10との間の距離、すなわち主弁体10に対する副弁体11の開弁ストローク分だけ、係合孔72の軸方向の孔幅よりも大きく形成されている。そして、自動閉弁機構61が作動していない状態では、図2に示すように、バネ部材69の付勢力によって、係合ロッド案内部材70の案内孔71に保持された係合ロッド27,27は、係合孔72及び係合溝73の両方に対して係合する状態になっている。
したがって、本実施例の給油ノズル1によれば、給油ノズル1がノズル収納場所から取り外され、ポンプ等の送液手段が既に起動されている状態で、給油ノズル1の操作レバー30を開弁操作すれば、弁軸部材19の弁軸スリーブ20及び弁軸ロッド22は、軸方向に沿って、一体的にノズル弁5側に変位する。この変位により、主弁7は、副弁体11、主弁体10の順に開弁し、給油ノズル1の吐出パイプ4からは、操作レバー30の開弁操作量に応じた単位時間当たりの流量の燃料が、チェック弁37を開弁して吐出されるようになる。その際、開弁操作した操作レバー30は、操作レバー30の自由端30Aをレバーフック34の対応する弁開度の段部に載置しておけば、操作レバー30から手を離しても、主弁7の弁開位置を保持できる。
その後、補給対象に対する燃料補給中に、吐出パイプ4先端側の液面検知孔54が燃料の液面や泡面で閉塞されると、自動閉弁機構61が作動し、操作レバー30の操作状態に関係なく、給油ノズル1からの油液の自動吐出停止が行われる。
具体的には、液面検知孔54が燃料の液面や泡面で閉塞されると、負圧発生部44でベンチュリ効果により発生する負圧を補償できなくなり、負圧室63は大気圧状態から負圧状態になる。その際に、負圧室63と大気圧室64との間に生じた差圧によって、ダイアフラム部材62は、バネ部材69の付勢力に抗して負圧室63を収縮させるように、弁軸部材19の軸方向と直交する方向、すなわちダイアフラム部材62の軸方向に係り、蓋部材68側に撓み変位した状態になる。これにより、ダイアフラム部材62に一体的に取り付けられている係合ロッド案内部材70は、ダイアフラム部材62の変位に連動して、弁軸部材19から離間するように変位する。その結果、弁軸スリーブ20の係合孔72及び弁軸ロッド22の係合溝73の両方に進入して係合している係合ロッド27,27は、弁軸ロッド22の係合溝73から退出させられ、弁軸スリーブ20の係合孔72のみと係合している状態になり、弁軸スリーブ20は、弁軸ロッド22との係合が解除される。
そして、弁軸スリーブ20と弁軸ロッド22との係合が解除されると、弁軸ロッド22はそのままに、弁軸スリーブ20だけが、主弁7の副弁体11に作用するバネ部材18の付勢力、および送液手段から液通路2の一側開口端(接手側)に供給される燃料の液圧によって、バネ部材26の付勢力に抗して、弁軸部材挿通孔28の軸方向に沿って、最も操作レバー30側寄りに位置する状態に移動し、主弁7の主弁体10および副弁体11を閉弁し、吐出パイプ4からの燃料吐出を停止させる。
なお、この自動閉弁機構61が作動した後、補給対象に対して追加給油を行う必要がある場合には、例えば、給油ノズル1をノズル収納場所に戻さない限りは、依然として送液手段は駆動状態になっているため、操作レバー30を一旦閉弁操作位置に戻しさえすれば、操作レバー30が開弁操作されていない状態の給油ノズル1をノズル収納場所から取り外した状態と同じ状態になり、操作レバー30を再び開弁操作さえすれば追加給油が行える。
さらに、本実施例の給油ノズル1では、自動閉弁機構61には、燃料補給中における自動閉弁機構61の作動を許容状態または禁止状態に選択的に設定できるロック機構81が設けられている。ロック機構81で自動閉弁機構61の作動を禁止状態にしておけば、補給対象に対する燃料補給作業は、自動閉弁機構61が閉弁作動する都度、操作レバーを一旦閉弁操作してから再び開弁操作する作業を何度も繰り返さなくて済むようになっている。次に、ロック機構81の構成について、図面に基づき説明する。
図3は、本実施例に係る給油ノズルの自動閉弁機構に設けられたロック機構の一実施例の断面図と、当該実施例のロック機構に備えられる案内カバーの一実施例の断面図である。
図4は、図3に示したロック機構と案内カバーのそれぞれ外観図である。
図5は、案内カバーが装着された状態のロック機構の外観図である。
図4は、図3に示したロック機構と案内カバーのそれぞれ外観図である。
図5は、案内カバーが装着された状態のロック機構の外観図である。
ロック機構81は、基台82と、ロック軸83と、操作片84とを備えて構成されている。基台82は、図示の例では、小径部82sと大径部82lとが連設された段付き円盤形状で構成されている。基台82の内部には、ロック軸83を基台82に対して支持するための軸支持孔85が、基台82の軸方向に沿って延設されている。
ロック軸83は、基台82の軸支持孔85に挿通されて設けられる。ロック軸83は、軸支持孔85に遊嵌され、軸支持孔85すなわち基台82の軸方向に沿って移動可能に、かつ軸支持孔85の孔軸を中心にして回動可能に、基台82に対して支持される。
軸支持孔85は、一端側が、基台82の小径部82s側の端面に凹設された連結室86の室内と連通され、連結室86内には、ロック軸83の一端側が突出する構成になっている。また、他端側は、基台82の大径部82l側の端面に凹設された蓋体室87の室内と連通され、蓋体室87内には、ロック軸83の他端側が突出する構成になっている。蓋体室87の室内は、ロック軸83が挿通された軸支持孔85に設けられたOリング89によって、連結室86の室内、すなわちロック機構81外部に対する気密性が保たれている。
図示の例では、軸支持孔85は、隣接する連結室86および蓋体室87とともに、基台82におけるロック軸案内孔88を構成する。このロック軸案内孔88については、図示の例では、基台82の大径部82l側の端面に蓋体室87を凹設する構成としたが、軸支持孔85の他端側を基台82の大径部82l側の端面に直に開口する構成とし、蓋体室87を備えない構成とすることも可能である。
ロック軸83の一端側が突出する連結室86が内部に形成された基台82の小径部82sの周壁には、周壁を貫通して、操作片84が挿通可能な操作片案内孔90が設けられている。操作片案内孔90は、ロック軸83の周回り方向に沿って、ロック軸83を中心にした所定回転角度θ分に対応する長さ分だけ、基台82の小径部82sの周壁を延びる長穴形状になっている。図示の例では、操作片案内孔90は、ロック軸83を中心にした略180°分に対応する長さ分だけ、基台82の小径部82sの周壁を延びる長穴形状になっている。
さらに、操作片案内孔90は、基台82の小径部82sの周壁を延びるに当たり、小径部82sの周壁における周方向位置に応じて基台82の軸線方向に沿った配置位置が基台82の軸方向に沿って連続的に変化する、小径部82sの周壁を螺旋状に延びる長穴形状にもなっている。これにより、操作片案内孔90における孔長さ方向の両端の位置、すなわち、ロック軸83を中心にした約180°分に対応する孔長さ分のうちの0°と約180°とに対応する操作片案内孔90の孔長さ位置の間では、基台82の軸線方向すなわち軸支持孔85の孔軸方向に沿った、大径部82lからの離間距離が、所定距離d分だけずれるようになっている。
操作片84は、図示の例では、棒状部材により構成され、操作片案内孔90を介して、基台82の小径部82s外方から連結室86内に挿入され、挿入端側をロック軸83に螺着する等してロック軸83に対して固定される。ロック軸83と一体化された操作片84は、その自由端側が操作片案内孔90から小径部82sの外方に向けて突出し、ロック機構81の操作部になる。図示の例では、ロック機構81の操作部は、ロック軸83の軸線に対して垂直な方向に、段付き円盤形状の基台82の円盤面に沿って、回動可能になっている。
したがって、ロック機構81では、操作片84を、操作片案内孔90の長穴形状の長さ方向の両端位置間で、操作片案内孔90に沿って案内移動できるようになっている。これにより、操作片84を基台82上で所定回転角度θ(実施例では、略180°)回動させることができ、この操作片84の所定回転角度θの回動変位によって、操作片84と一体化されたロック軸83をその軸線方向に沿って所定距離dだけ移動変位させることができる。
このように構成されたロック機構81は、図2に示すように、ノズル本体3の閉弁機構収容孔60の一側開口を覆うように配置されたダイアフラム部材62のダイアフラム膜65の周縁部を大径部82lの周縁端面部で挟持するようにして、大径部82lをノズル本体3に螺着することによって取り付け固定される。本実施例では、ロック機構81の基台82は、ノズル本体3において負圧室63を画成する蓋部材68を兼ねている。ロック機構81は、ノズル本体3に対する取り付け固定状態で、操作片84の所定回転角度θの回動操作に応じて、負圧室63内で、ロック軸83の軸線方向でもあるダイアフラム部材62の軸方向に、ロック軸83の他端側を所定距離dだけダイアフラム部材62に対して進退変位させることができる。
負圧室63内でロック軸83の他端側を進退させる、ロック軸83の移動変位距離(所定距離d)は、自動閉弁機構61において係合ロッド27が係合する弁軸ロッド22の係合溝73の溝深さfに関係し、負圧室63内での最前進状態で、ロック軸83の他端側とダイアフラム部材62との間の距離がfよりも小さく、好ましくは、1/2*f以下になり、負圧室63内での最後退状態で、ロック軸83の他端側とダイアフラム部材62との間の距離がf以上になるような移動変位距離dを有する。
これにより、ロック軸83の他端側が負圧室63内で最前進状態になっている場合は、補給対象の燃料タンクに対する燃料補給中に液面検知孔54が燃料や燃料の泡で閉塞されて負圧室63が負圧状態になったときでも、ダイアフラム部材62の変位がロック軸83の他端側で規制されるため、係合ロッド27は弁軸ロッド22の係合溝73から離脱せず、自動閉弁機構61の作動を禁止させることができる。これに対し、ロック軸83の他端側が負圧室63内で最後退状態になっている場合は、補給対象の燃料タンクに対する燃料補給中に液面検知孔54が燃料や燃料の泡で閉塞されて負圧室63が負圧状態になったときは、ダイアフラム部材62の変位がロック軸83の他端側で規制されないため、係合ロッド27は弁軸ロッド22の係合溝73から離脱できるようになり、自動閉弁機構61の作動を許容することができる。
さらに、本実施例の給油ノズル1においては、ロック機構81には、ロック機構81が自動閉弁機構61を構成するダイアフラム部材62の変位をロック軸83の他端側で規制していない、自動閉弁機構61の作動を許容している状態になっていることを報知する案内カバー91が装着可能になっている。
案内カバー91は、ロック機構81の基台82の小径部82sに対して着脱自在に嵌装可能な筒状部材によって構成され、その周面の周廻り方向に沿った所定位置には、ロック機構81の操作片84がその切り欠き長さ方向に沿って移動可能な略U字状の切り欠き案内部92が、図3~5に示すように、その筒軸方向に沿って形成されている。この切り欠き案内部92によって、ロック機構81の操作片案内孔90から基台82の小径部82sの外方に向けて突出する操作片84が案内カバー91に干渉することなく、案内カバー91を小径部82sに対して操作片84と一体的に回動可能に装着することができる。なお、図4および図5において、図4(B),図5(B)は、図4(A),図5(A)中に示したB-B矢視方向に沿って、ロック機構81および案内カバー91を眺めた図である。
さらに、この案内カバー91が装着されるロック機構81の基台82の小径部82sの外周面には、案内カバー91の切り欠き案内部92に係合可能な位置決め突起93が突出形成されている。これにより、案内カバー91は、操作片84および位置決め突起93を切り欠き案内部92に配置して、小径部82sにおける軸方向の奥部まで、小径部82sに対してしっかりと装着することができる。この場合、操作片84および位置決め突起93が基台82の軸線方向に沿って同列になっており、案内カバー91の切り欠き案内部92は、位置決め突起93とも係合するので、操作片84とともに一体的に基台82の小径部82sに対して回動できなくなる。そのため、操作片84の操作片案内孔90に沿った変位移動、すなわち操作片84の回動操作も案内カバー91によって阻止される。この結果、操作片案内孔90上における操作片84の位置は、この位置決め突起93によって決定される所定位置にロックされることになる。図示の例では、ロック機構81のロック軸83の他端側が負圧室63内で最後退状態になっている、自動閉弁機構61の作動を許容する位置にロックされる。
したがって、操作片84および位置決め突起93が基台82の軸線方向に沿って同列に揃っている状態、すなわち、自動閉弁機構61が作動するロック機構81の切換作動状態では、案内カバー91の切り欠き案内部92は位置決め突起93に係合しているので、給油ノズル1は、ロック機構81の操作片84の回動操作ができなくなり、自動閉弁機構61が作動する状態にロックされる。
これに対し、操作片84および位置決め突起93が基台82の軸線方向に沿って同列に揃っていない状態では、案内カバー91の切り欠き案内部92は位置決め突起93に係合できないので、給油ノズル1は、ロック機構81の操作片84は案内カバー91と一体的な回動操作が可能になり、ロック機構81による、自動閉弁機構61の作動を禁止した燃料補給への切換が可能になる。この自動閉弁機構61の作動を禁止するロック機構81の切換作動状態では、操作片84および位置決め突起93が基台82の軸線方向に沿って同列に揃わず、案内カバー91の切り欠き案内部92は位置決め突起93に係合できないので、自動閉弁機構61の作動を禁止した状態はロック機構81によってロックされない。
加えて、案内カバー91の周面には、自動閉弁機構61が作動するロック機構81の切換作動状態で視界に現れ、自動閉弁機構61の作動を禁止するロック機構81の切換作動状態では視界から消える位置に、ロック機構81が自動閉弁機構61の作動を禁止する切換作動状態であることを報知する、「ON」サイン94が貼付されている。
これにより、自動閉弁機構61が作動する状態にロックされている場合は、案内カバー91の切り欠き案内部92が位置決め突起93に係合しているので、自動閉弁機構61の作動を禁止した燃料補給作業に不慣れな作業者が自動閉弁機構61の作動を禁止した燃料補給を行おうとしても、ロック機構81の操作片84はそのままでは回動操作できないため、自動閉弁機構61が作動する燃料供給作業に自動誘導することができる。また、ロック機構81が自動閉弁機構61の作動を禁止する切換作動状態にある場合は、「ON」サイン94が視界から消えている位置、すなわち切換作動状態が不明になるが、この場合では、案内カバー91の切り欠き案内部92が位置決め突起93に係合していないので、ロック機構81の操作片84はそのまま回動操作できるため、操作片84の回動操作に基づいた「ON」サイン94の視界に対する出現、消失から、両状態のうちのいずれの状態であるかを、容易に把握できる。
次に、本実施例の給油ノズル1の作用について、図6および図7に基づいて説明する。
図6は、図1に示した給油ノズルの外観図である。図6では、図6では図示省略したノズルカバーがノズル本体に外装されている状態で表されている。 図7は、図6におけるc-c矢視方向からロック機構を眺めた外観図等である。
図6は、図1に示した給油ノズルの外観図である。図6では、図6では図示省略したノズルカバーがノズル本体に外装されている状態で表されている。 図7は、図6におけるc-c矢視方向からロック機構を眺めた外観図等である。
図6に示すように、本実施例の給油ノズル1では、ロック機構81は、ノズル本体把持部32前方のノズル本体3の側面部分に、操作片84がノズル本体3の側面に略平行な面内で回動するように、ノズル本体3に設けられた自動閉弁機構61に備えられている。操作片84は、図中、点線矢印で示したように、c-c矢視方向から視て操作片84が基台82で隠れることがないように所定回転角度θ分だけ、図示の場合では180°分だけ、基台82に設けられた操作片案内孔90に案内されて回動する。図中、実線で示された操作片84の回動位置が、自動閉弁機構61が作動する切換作動状態に対応する操作片84の回動位置に該当し、破線で示された操作片84の回動位置が、自動閉弁機構61の作動を禁止した切換作動状態の操作片84の回動位置に該当する。
図7(A)は、図6において実線で示された、自動閉弁機構61が作動する切換作動状態に対応する回動位置の操作片84を、案内カバー91とともに、図6におけるc-c矢視方向から眺めた図に該当する。図7(A)に示すように、自動閉弁機構61が作動する切換作動状態に対応する回動位置では、操作片84はその自由端を吐出パイプ4側に向けた状態になる。また、案内カバー91は、操作片84および位置決め突起93が基台82の軸線方向に沿って同列になっているので、位置決め突起93にも係合して装着することができ、自動閉弁機構61が作動する切換作動状態に対応する回動位置の操作片84が回動変位しないようにロックしておくことができる。その際、装着された案内カバー91を図6におけるc-c矢視方向から眺めた場合、「ON」サイン94が視界中に出現している状態になる。
このように、自動閉弁機構61が作動する切換作動状態は、操作片84の自由端が吐出パイプ4側に向いた状態になっていることで容易にその状態を識別することができる。また、案内カバー91の装着で、不作為に操作片84が回動してしまうことを阻止でき、作業上の安全性が向上する。図6におけるc-c矢視方向、いわゆる給油ノズル1のノズル本体把持部32の掴み側方向から眺めて、「ON」サイン94が視界中に出現するようになっているので、自動閉弁機構61が作動する切換作動状態であることを容易に理解することができる。
図7(B)は、図6において破線で示された、自動閉弁機構61の作動を禁止した切換作動状態に対応する回動位置の操作片84を、案内カバー91とともに、図6におけるc-c矢視方向から眺めた図に該当する。図7(B)に示すように、自動閉弁機構61の作動を禁止した切換作動状態に対応する回動位置では、操作片84はその自由端を吐出パイプ4側とは反対側のノズル本体把持部32側に向けた状態になる。また、案内カバー91は、操作片84および位置決め突起93が基台82の軸線方向に沿って同列になっていないので、位置決め突起93に係合して装着することができず、自動閉弁機構61の作動を禁止した切換作動状態に対応する回動位置の操作片84が回動変位しないようにロックしておくことができない。その際、装着された案内カバー91を図6におけるc-c矢視方向から眺めた場合、「ON」サイン94が視界中から消失している状態になる。
このように、自動閉弁機構61の作動を禁止した切換作動状態は、操作片84の自由端が自動閉弁機構61が作動する切換作動状態とは反対向きのノズル本体把持部32側に向いた状態になっていることで容易にその状態を識別することができる。また、案内カバー91の装着で、操作片84の回動がロックされてしまうことがないので、切換作動状態を操作片84の回動操作で容易に確認することができ、作業上の安全性が向上する。図6におけるc-c矢視方向、いわゆる給油ノズル1のノズル本体把持部32の掴み側方向から眺めて、「ON」サイン94が視界中に消失しているようになっているので、自動閉弁機構61が作動しない切換作動状態であることを容易に理解することができる。
図7(C)は、図3に示したロック機構の外観平面図である。
本実施例の給油ノズル1によれば、図7(C)においてθで表したように、ロック機構81における操作片の操作変位を、燃料補給作業の邪魔になることなく、図2で説明した負圧室63内での、ダイアフラム部材62の軸方向に係るロック軸83の他端側の進退変位に該当する変位量から、基台82の螺旋状の操作片案内孔90に案内された操作片84の回動変位を利用して、図7(C)においてθで表したように顕著にすることができる。
したがって、吐出パイプ4が燃料タンクの燃料補給口に挿入された状態で、ロック機構81の切換操作やその切換操作状態の確認を他部からの干渉を受けることなく行うことができ、燃料補給作業における作業性の向上をはかることができる。
なお、本開示に係る給液ノズルは、ノズル本体内を流れる燃料によるベンチュリ効果で発生する負圧を利用してノズル弁を閉弁作動させる自動閉弁機構を備えた給液ノズルであれば、自動閉弁機構の具体的構成や給液ノズル各部の具体的構成・形態に限定されることなく、適用可能である。例えば、上記した実施例では、給油ノズル1の吐出パイプ4は、フレキシブル金属管部材を利用して所望の曲がり具合に任意に屈曲可能な構成としたが、吐出パイプは規定の曲がり具合のままで屈曲しない構成であってもよい。
1 給油ノズル、
2 液通路、
2i 一側開口端(接手側)、
2o 他側開口端(吐出パイプ側)、
3 ノズル本体、
4 吐出パイプ、
5 ノズル弁、
6 弁座、
7 主弁、
8 取付用開口部、
9 蓋体、
10 主弁体、
11 副弁体、
13 弁体通路、
14 弁軸挿通孔、
15 弁軸部、
16 弁シート、
17 ロッド挿入孔、
18 バネ部材、
19 弁軸部材、
20 弁軸スリーブ、
21 スリーブ孔、
22 弁軸ロッド、
23 挿入ロッド部、
24 スリーブ部、
25 肩部、
26 バネ部材、
27 係合ロッド、
28 弁軸部材挿通孔、
29 シール部材、
30 操作レバー、
32 ノズル本体把持部、
33 レバーガード、
34 レバーフック、
36 弁座部材、
37 チェック弁、
38 継手部材、
39 弁座形成孔、
41 取付段部、
42 環状通路、
43 負圧発生通路、
44 負圧発生部、
45 液孔、
46 取付部、
47 脚部、
48,49 取付孔、
52 負圧補償管、
53 通路、
54 液面検知孔、
55 通路、
56 抜け止めコイル、
60 閉弁機構収容孔、
61 自動閉弁機構、
62 ダイアフラム部材、
63 負圧室、
64 大気圧室、
65 ダイアフラム膜、
66 バネ受け部材、
67 結合部材、
68 蓋部材、
69 バネ部材、
70 係合ロッド案内部材、
71 案内孔、
72 係合孔、
73 係合溝、
81 ロック機構、
82 基台、
82s 小径部、
82l 大径部、
83 ロック軸、
84 操作片、
85 軸支持孔、
86 連結室、
87 蓋体室、
88 ロック軸案内孔、
89 Oリング、
90 操作片案内孔、
91 案内カバー、
92 切り欠き案内部、
93 位置決め突起、
94 「ON」サイン。
2 液通路、
2i 一側開口端(接手側)、
2o 他側開口端(吐出パイプ側)、
3 ノズル本体、
4 吐出パイプ、
5 ノズル弁、
6 弁座、
7 主弁、
8 取付用開口部、
9 蓋体、
10 主弁体、
11 副弁体、
13 弁体通路、
14 弁軸挿通孔、
15 弁軸部、
16 弁シート、
17 ロッド挿入孔、
18 バネ部材、
19 弁軸部材、
20 弁軸スリーブ、
21 スリーブ孔、
22 弁軸ロッド、
23 挿入ロッド部、
24 スリーブ部、
25 肩部、
26 バネ部材、
27 係合ロッド、
28 弁軸部材挿通孔、
29 シール部材、
30 操作レバー、
32 ノズル本体把持部、
33 レバーガード、
34 レバーフック、
36 弁座部材、
37 チェック弁、
38 継手部材、
39 弁座形成孔、
41 取付段部、
42 環状通路、
43 負圧発生通路、
44 負圧発生部、
45 液孔、
46 取付部、
47 脚部、
48,49 取付孔、
52 負圧補償管、
53 通路、
54 液面検知孔、
55 通路、
56 抜け止めコイル、
60 閉弁機構収容孔、
61 自動閉弁機構、
62 ダイアフラム部材、
63 負圧室、
64 大気圧室、
65 ダイアフラム膜、
66 バネ受け部材、
67 結合部材、
68 蓋部材、
69 バネ部材、
70 係合ロッド案内部材、
71 案内孔、
72 係合孔、
73 係合溝、
81 ロック機構、
82 基台、
82s 小径部、
82l 大径部、
83 ロック軸、
84 操作片、
85 軸支持孔、
86 連結室、
87 蓋体室、
88 ロック軸案内孔、
89 Oリング、
90 操作片案内孔、
91 案内カバー、
92 切り欠き案内部、
93 位置決め突起、
94 「ON」サイン。
Claims (4)
- ノズル本体を貫通して延びる液通路と、
前記液通路に設けられた弁座に対して離着座可能に設けられ、前記液通路の連通・遮断を行う弁体と、
前記ノズル本体における前記液通路の他側開口端に接続された吐出パイプと、
前記弁体を開閉弁操作する操作レバーと、
前記弁体と前記操作レバーとを連結し、前記操作レバーの開閉弁操作に応動して前記弁体を前記弁座に対して離着座させる弁軸機構と、
前記弁軸機構に付設され、前記操作レバーが開弁操作状態であっても、前記弁体と前記操作レバーとの前記弁軸機構を介した連結を解除することによって、前記弁座に対して前記弁体を着座させる自動閉弁機構と、
を備えた給油ノズルであって、
前記自動閉弁機構は、
可動隔壁で画成された負圧室と、
前記液通路の一側開口端から流入した燃料が前記吐出パイプから流出している状態で、当該燃料の流れによって負圧を発生する負圧発生部と、
一端が前記負圧発生部に連通し、他端が前記負圧室に連通した負圧通路と、
一端が前記吐出パイプに備えられた大気導入口に連通し、他端が前記負圧室に連通した補償通路と、
を有し、
前記負圧発生部が負圧発生状態で、かつ前記補償通路の前記大気導入口が燃料もしくは泡で閉塞されたときに、前記負圧室の室圧変化に基づいた前記可動隔壁の変位によって、前記弁体と前記操作レバーとの前記弁軸機構を介した連結を解除して、前記弁体を前記弁座に着座させる構成になっており、
前記自動閉弁機構には、
前記負圧室の室圧変化に基づいた前記可動隔壁の変位を許容または禁止するロック機構が付設され、
前記ロック機構は、
前記可動隔壁の変位方向に沿って延びるロック軸と、
前記ロック軸に取り付けられ、当該ロック軸の径方向に延びる操作片と、
前記ロック軸を回動軸にした前記操作片の回動変位を案内するとともに、前記操作片の回動変位に応動した、前記ロック軸の軸方向に沿った移動変位を案内する基台と、
を有し、
前記基台は、前記ロック機構における前記ロック軸の軸方向を、前記自動閉弁機構における前記可動隔壁の変位方向に合わせるようにして、前記ノズル本体に取り付けられ、前記ロック軸の軸端部を前記可動隔壁に対して近接・離間させる構成になっている、
給油ノズル。 - 請求項1に記載の給油ノズルにおいて、
前記基台は、
前記ロック軸が遊嵌されるロック軸案内孔と、
前記ロック軸案内孔の孔周面に沿って螺旋状に延びるようにして、前記ロック軸案内孔の孔周壁に形成され、前記ロック機構の前記操作片が挿通可能な案内長穴と、
を備え、
前記ロック機構は、
前記操作片を前記案内長穴に沿って回動変位させることにより、前記ロック軸が前記ロック軸案内孔の孔軸方向に沿って移動変位する、
給油ノズル。 - 請求項1に記載の給油ノズルにおいて、
前記基台は、
前記ノズル本体において、外部に対して前記負圧室を密閉する負圧室蓋体を兼ねる、
給油ノズル。 - 請求項1に記載の給油ノズルにおいて、
前記ロック軸には、
前記操作片が前記可動隔壁の変位を許容する操作状態にあることを表示するための案内カバーが装着され、
前記案内カバーには、前記操作片および前記基台に設けられた係止部に対する係合部が備えられ、
前記ロック軸に対する装着状態で、前記操作片の回動を阻止する、
給油ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021121615A JP2023017372A (ja) | 2021-07-26 | 2021-07-26 | 給液ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2021121615A JP2023017372A (ja) | 2021-07-26 | 2021-07-26 | 給液ノズル |
Publications (1)
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ID=85157876
Family Applications (1)
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JP2021121615A Pending JP2023017372A (ja) | 2021-07-26 | 2021-07-26 | 給液ノズル |
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Country | Link |
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-
2021
- 2021-07-26 JP JP2021121615A patent/JP2023017372A/ja active Pending
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