JP2023016342A - 電流源 - Google Patents

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Koji Hirose
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Abstract

【課題】本発明は、温度変動を抑制することができる電流源を提供することを目的とする。【解決手段】電流源1aは、コントロールゲート端子CG、ドレイン端子Dおよびソース端子Sを有し電界効果型トランジスタとして動作する不揮発性記憶素子Mと、コントロールゲート端子CGに接続された一端およびソース端子Sに接続された他端を有し、ドレイン端子Dとソース端子Sとの間を流れる電流の変動に応じてコントロールゲート端子CGとソース端子Sとの間の電圧を調整する抵抗素子71を備え、コントロールゲート端子CGと抵抗素子71の一端との間にバイアスを印加した状態で電流を出力する。【選択図】図4

Description

本発明は、不揮発性記憶素子を備える電流源に関する。
エナジーハーベスト向け集積回路(Integrated Circuit:IC)では、環境発電から得られる極微小な電力を使って外界センシングや、データ送信など様々なシステムを動作させる必要がある。このため、それぞれの要素回路に求められる消費電流は、ナノアンペア(nA)からマイクロアンペア(μA)オーダーである必要がある。
集積回路設計では、あらゆる回路を動かすために基準となる電流源および電圧源が必要となるため、その電流源自体および電圧源自体も極低消費電力化することが求められる。特許文献1および2には、不揮発性記憶素子を使用することによって電流源および電圧源を極低消費電力化することができる技術が開示されている。
特開2018-067143号公報 特開2013-246627号公報
しかしながら、このような電圧源や電流源は、プロセス変動によるばらつきによって、不揮発性記憶素子の電流電圧特性(IV特性)の温度特性が一定となる点がばらつく。このため、当該一定となる点のばらつきが原因で、電流源や電圧源には、出力電流や出力電圧の温度変動が大きくなってしまう個体が出現するという問題がある。
本発明の目的は、温度変動を抑制することができる電流源を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様による電流源は、コントロールゲート端子、ドレイン端子およびソース端子を有し電界効果型トランジスタとして動作する不揮発性記憶素子と、前記コントロールゲート端子に接続された一端および前記ソース端子に接続された他端を有し、前記ドレイン端子と前記ソース端子との間を流れる電流の変動に応じて前記コントロールゲート端子と前記ソース端子との間の電圧を調整する調整素子と、を備え、前記コントロールゲート端子と前記調整素子の前記一端との間にバイアスを印加した状態で電流を出力する。
本発明の一態様によれば、温度変動を抑制することができる。
本発明の一実施形態による電流源に備えられる不揮発性記憶素子の概略構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態による電流源に備えられる不揮発性記憶素子の電荷注入および電荷放出の様子を説明するための図である。 本発明の一実施形態による電流源に備えられる不揮発性記憶素子を説明する図であって、電荷量に対する電流電圧特性の変動を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態による電流源の回路構成の一例を示す図である。 従来の電流源に設けられた不揮発性記憶素子の電流電圧特性の一例を示す図である。 本発明の一実施形態による電流源および従来の電流源のそれぞれに用いられた不揮発性記憶素子の電流電圧特性の理論値を比較する図である。 本発明の一実施形態による電流源に備えられた不揮発性記憶素子のドレイン電流変動と、当該電流源に備えられた抵抗素子の抵抗値との関係を示す図である。 本発明の一実施形態による電流源に備えられた不揮発性記憶素子のドレイン電流の温度微分の温度特性と、当該電流源に備えられた抵抗素子の抵抗値との関係を示す図である。 本発明の一実施形態の実施例1による電流源が適用された参照電圧出力回路の回路構成の一例を示す図(その1)である。 本発明の一実施形態の実施例1による電流源が適用された参照電圧出力回路の回路構成の一例を示す図(その2)である。 本発明の一実施形態の実施例2による電流源を説明するための図であって、当該電流源がカレントミラー回路の電源に適用された場合の回路構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態の実施例3による電流源の回路構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態の実施例4による電流源の回路構成の一例を示す図である。
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下、定電流源として使用する不揮発性記憶素子として、フローティングゲート端子とコントロールゲート端子とを備えたN型電界効果型トランジスタを用いて説明するが、不揮発性記憶素子は、電荷蓄積領域を持つトランジスタであれば、この構造に限るものではなく、またN型に限るものではない。
本発明の一実施形態による電流源について、図1から図13を用いて説明する。まず、本実施形態による電流源に備えられた不揮発性記憶素子Mの概略構成について図1から図3を用いて説明する。
(電流源に備えられる不揮発性記憶素子の構成)
図1に示すように、本実施形態による電流源に備えられる不揮発性記憶素子Mは、コントロールゲート端子CG、ドレイン端子Dおよびソース端子Sを有し電界効果型トランジスタとして動作するように構成されている。不揮発性記憶素子Mは、コントロールゲート端子CGと、ドレイン端子Dおよびソース端子Sとの間に電気的に絶縁された状態で配置されたフローティングゲート端子FGを有している。
より具体的には、不揮発性記憶素子Mは、半導体基板に形成されたPウェル領域10と、Pウェル領域10上に形成されたフローティングゲート端子FGと、フローティングゲート端子FG上に形成されたコントロールゲート端子CGとを有している。また、不揮発性記憶素子Mは、フローティングゲート端子FGの下方の両側の一方に形成されたドレイン端子Dと、フローティングゲート端子FGの下方の両側の他方に形成されたソース端子Sとを有している。ドレイン端子Dおよびソース端子Sは、Pウェル領域10に形成されている。不揮発性記憶素子Mは、素子分離領域41,42によって、同一の半導体基板に形成された他の素子と素子分離されている。
フローティングゲート端子FGは、電荷保持領域21および絶縁体20で構成されている。すなわち、不揮発性記憶素子Mは、電荷保持領域21と、電荷保持領域21を取り囲んで配置された絶縁体20とを備えている。絶縁体20は、電荷保持領域21の下方に形成されたゲート絶縁膜22と、電荷保持領域21の側壁を酸化させて形成された側壁酸化膜23と、電荷保持領域21の上方に形成された上部絶縁膜24とで構成されている。ゲート絶縁膜22および側壁酸化膜23の周りにはサイドウォール25が形成されている。このように、フローティングゲート端子FGは、電荷保持領域21の全ての周囲を囲んで形成された絶縁体20を有することにより、コントロールゲート端子CG、ドレイン端子Dおよびソース端子S並びに不揮発性記憶素子Mを構成するその他の構成要素から電気的に絶縁される。
ゲート絶縁膜22には、トンネル絶縁膜221が形成されている。トンネル絶縁膜221は、ゲート絶縁膜22において相対的に膜厚が薄く形成された部分である。トンネル絶縁膜221が形成された領域が、電荷保持領域21に電荷を注入したり電荷保持領域21から電荷を放出したりする電荷注入口211となる。つまり、電荷保持領域21は、電荷を注入したり電荷を放出したりするための電荷注入口211を有している。
コントロールゲート端子CGは、上部絶縁膜24上に形成されたポリシリコン膜31を有している。ポリシリコン膜31の周りには、上部絶縁膜24上に形成されたサイドウォール32が形成されている。
ドレイン端子Dは、N型領域11と、N型領域11よりも不純物の濃度が高濃度のN型のN+領域12とを有している。N+領域12は、ドレイン端子Dと後述するコンタクトプラグ52とのオーミック接触を取るために設けられている。
ソース端子Sは、N型領域13と、N型領域13よりも不純物の濃度が高濃度のN型のN+領域14とを有している。N+領域14は、ソース端子Sと後述するコンタクトプラグ53とのオーミック接触を取るために設けられている。なお、ドレイン端子Dとソース端子Sは電流の流れる方向によって定義される。このため、図1に示す不揮発性記憶素子Mにおいて想定されている電流に対して電流を流す方向を逆にした場合は、図1中に示すドレイン端子Dがソース端子Sとなり、ソース端子Sがドレイン端子Dとなる。
不揮発性記憶素子Mは、コントロールゲート端子CG、フローティングゲート端子FG、ドレイン端子Dおよびソース端子S上に形成された保護膜61を備えている。保護膜61には、コントロールゲート端子CGのポリシリコン膜31の一部を底面に露出する開口部が形成されている。この開口部には、コンタクトプラグ51が埋め込まれて形成されている。これにより、コンタクトプラグ51とコントロールゲート端子CGのポリシリコン膜31とが電気的に接続される。
保護膜61には、ドレイン端子DのN+領域12の一部を底面に露出する開口部が形成されている。この開口部には、コンタクトプラグ52が埋め込まれている。これにより、コンタクトプラグ52とN+領域12とが電気的に接続される。また、保護膜61には、ソース端子SのN+領域14の一部を底面に露出する開口部が形成されている。この開口部には、コンタクトプラグ53が埋め込まれている。これにより、コンタクトプラグ53とN+領域14とが電気的に接続される。
図示は省略するが、コンタクトプラグ51,52,53にはそれぞれ、保護膜61上に形成された配線が接続されている。コントロールゲート端子CG、ドレイン端子Dおよびソース端子Sは、コンタクトプラグ51,52,53によって配線と接続され、この配線から所定レベルの電圧が印加されるようになっている。
不揮発性記憶素子Mの閾値電圧Vthはフローティングゲート端子FGに注入した電荷量で制御される。図2(a)に示すように、不揮発性記憶素子Mのフローティングゲート端子FGには、電荷注入口211を介して電荷としての電子が注入される。なお、図2(a)では、理解を容易にするため、不揮発性記憶素子Mの各構成要素の断面に対してハッチングの図示が省略されている。図2(b)に示すように、フローティングゲート端子FGに電子を注入する場合には、例えばPウェル領域10(すなわちバックゲートB)およびドレイン端子Dを所定電圧(例えば0V)に固定し、コントロールゲート端子CGに当該所定電圧よりも高い電圧(例えば10V以上)のパルス電圧Vppを印加する。これにより、図2(a)中の上向き直線矢印で示すように、ドレイン端子Dから電荷注入口211を通って電荷保持領域21に電子が注入される。一方、図2(c)に示すように、フローティングゲート端子FGから電子を放出する場合には、例えばコントロールゲート端子CGおよびPウェル領域10(すなわちバックゲートB)を所定電圧(例えば0V)に固定し、ドレイン端子Dに当該所定電圧よりも高い電圧(例えば10V以上)のパルス電圧Vppを印加する。これにより、図2(a)中の下向き直線矢印で示すように、電荷保持領域21から電荷注入口211を通ってドレイン端子Dに電子が放出される。このように、不揮発性記憶素子Mは、コントロールゲート端子CG、Pウェル領域10およびドレイン端子Dに印加する電圧を制御することにより、電荷注入口211を介して電荷の出し入れを行うことができる。不揮発性記憶素子Mは、電荷の出し入れにソース端子Sを使用しないため、ソース端子Sは所定の電圧に固定(例えば0V)してもよいし、フローティング状態としてもよい。
ここで、フローティングゲート端子FGの電荷保持領域21に保持された電荷の電荷量をQとし、コントロールゲート端子CGのフローティングゲート端子FGとの容量をCcgとし、不揮発性記憶素子M1の全容量に対するコントロールゲート端子CGの容量Ccgの比である容量カップリング比をRcとし、フローティングゲート端子FGが無電荷状態(より具体的には電荷保持領域21が無電荷状態)における不揮発性記憶素子Mの閾値電圧をVth0とすると、不揮発性記憶素子Mの閾値電圧Vthは、以下の式(1)で表すことができる。ここで、不揮発性記憶素子M1の全容量は、容量Ccgと、半導体基板のフローティングゲート端子FGとの容量と、トンネル絶縁膜221のフローティングゲート端子FGとの容量との和である。
Figure 2023016342000002
式(1)に示すように、電荷保持領域21に保持される電荷の電荷量Qを調整することにより、不揮発性記憶素子Mの閾値電圧Vthを調整することができる。例えば、不揮発性記憶素子Mは、出荷テストなどの工程において、フローティングゲート端子FGに保持される電荷量Qが制御されることによって、閾値電圧Vthを任意の値に設定されることができる
図3は、電荷量Qを変化させた場合の不揮発性記憶素子Mの電流電圧特性の一例を模式的に示す図である。ここで、電流電圧特性は、コントロールゲート端子CGおよびソース端子Sの間の電圧であるコントロールゲート-ソース間電圧Vcgsに対するドレイン端子Dおよびソース端子Sの間に流れる電流であるドレイン-ソース間電流Idsの特性である。図3中に示す図の横軸は、コントロールゲート-ソース間電圧Vcgsを示し、図3中に示す図の縦軸は、ドレイン-ソース間電流Idsを示している。
フローティングゲート端子FGの電荷量が調整されていない場合、図3中に破線で示すように、不揮発性記憶素子Mは、例えば閾値電圧Vthが正の値となる電流電圧特性を有する。フローティングゲート端子FGに電荷が注入されると、不揮発性記憶素子Mの閾値電圧は低くなる(式(1)参照)。このため、図3に示すように、不揮発性記憶素子Mは、フローティングゲート端子FGの電荷量が調整されていない状態でよりも閾値電圧Vthが低い電流電圧特性を有する。この場合、不揮発性記憶素子Mは、図3中にDMOSで示すように、閾値電圧Vthが負の値(すなわち0Vよりも小さい場合)でもチャネルが存在してドレイン-ソース間電流Idsが流れるディプレッション状態となる。
一方、フローティングゲート端子FGから電荷が放出されると、不揮発性記憶素子Mの閾値電圧は高くなる(式(1)参照)。このため、図3に示すように、不揮発性記憶素子Mは、フローティングゲート端子FGの電荷量が調整されていない状態でよりも閾値電圧Vthが高い電流電圧特性を有する。この場合、不揮発性記憶素子Mは、図3中にEMOSで示すように、閾値電圧が正の値となって、コントロールゲート-ソース間電圧Vcgsが0Vではチャネルが存在せずにドレイン-ソース間電流Idsが流れないエンハンスメント状態となる。
図3中にDMOS0で示すように、フローティングゲート端子FGの電荷量Qを調整し、コントロールゲート-ソース間電圧Vcgsが0Vとなるようにバイアスした状態で電流値IREFのドレイン-ソース間電流Idsとすることにより、不揮発性記憶素子Mは、単独で電流源として適用可能になる。
また、図3中にEMOSで示すように、フローティングゲート端子FGの電荷量Qが調整されてエンハンスメント状態にされた不揮発性記憶素子Mに電流値IREFの電流を流し込むことによって、不揮発性記憶素子Mは、コントロールゲート-ソース間電圧Vcgsが電圧値VREFの出力電圧となる電圧源として適用可能となる。本実施形態では、不揮発性記憶素子Mは、電流源を構成する構成要素の1つとなる。
(電流源の構成および作用・効果)
次に、本実施形態による電流源について図1から図3を参照しつつ図4を用いて説明する。
図4に示すように、本実施形態による電流源1aは、コントロールゲート端子CG、ドレイン端子Dおよびソース端子Sを有し電界効果型トランジスタとして動作する不揮発性記憶素子Mを備えている。また、電流源1aは、コントロールゲート端子CGに接続された一端およびソース端子Sに接続された他端を有し、ドレイン端子Dとソース端子Sとの間を流れる電流の変動に応じてコントロールゲート端子CGとソース端子Sとの間の電圧を調整する調整素子である抵抗素子71を備えている。電流源1aは、コントロールゲート端子CGと抵抗素子71の一端との間にバイアスを印加した状態で電流を出力する。コントロールゲート端子CGと抵抗素子71の一端とは電気的に接続されている。このため、電流源1aにおいて、コントロールゲート端子CGと抵抗素子71の一端との間に印加されるバイアスは、ゼロボルト(0V)である。
抵抗素子71の一端は、コントロールゲート端子CGに電気的に接続されている他に、低インピーダンスノード(例えばグランド端子などの低電圧供給端子)に接続されている。不揮発性記憶素子Mのドレイン端子Dは、抵抗素子71の一端に接続された低インピーダンスノードよりも高電圧ノード(例えば高電圧供給端子)に接続されている。つまり、不揮発性記憶素子Mのドレイン端子Dの電圧であるドレイン電圧Vdは、不揮発性記憶素子Mのソース端子Sの電圧であるソース電圧Vsよりも高くなる。また、コントロールゲート端子CGは、抵抗素子71の一端に対して高インピーダンスノードとなる。このため、抵抗素子71の一端およびコントロールゲート端子CGが互いに電気的に接続されていたとしても、不揮発性記憶素子Mに流れるドレイン電流Id(すなわちドレイン-ソース間電流Ids)は、抵抗素子71を介して抵抗素子71の一端に接続された低インピーダンスノードに流れ、コントロールゲート端子CGには流れない。
次に、本実施形態による電流源の作用・効果について従来の電流源の問題点を言及しながら図5から図7を用いて説明する。図示は省略するが、従来の電流源は、抵抗素子71を有していない点を除いて、電流源1aと同様の構成を有している。また、従来の電流源に設けられた不揮発性記憶素子は、電流源1aに備えられた不揮発性記憶素子Mと同様の構成を有している。したがって、従来の電流源は、不揮発性記憶素子のソース端子およびコントロールゲート端子が接続された構成を有している。
図5(a)から図5(c)は、従来の電流源に設けられた不揮発性記憶素子の電流電圧特性の一例を示す図である。図5(a)から図5(c)中に示すグラフの横軸の「Vcgs」は、当該不揮発性記憶素子のコントロールゲート-ソース間電圧を示し、当該グラフの縦軸の「Id」は、当該不揮発性記憶素子に流れるドレイン電流を示している。
図3を用いて説明したように、閾値電圧が負の値となるように調整した状態(すなわち、ディプレッション状態)の不揮発性記憶素子のソース端子とコントロールゲート端子とを接続することにより、当該不揮発性記憶素子のコントロールゲート-ソース間電圧はゼロボルト(Vcgs=0V)となる。したがって、ソース端子とコントロールゲート端子とが接続されて不揮発性記憶素子を有する電流源は、Vcgs=0Vにおけるドレイン電流を出力電流とすることができる。不揮発性記憶素子の電流電圧特性は、一般的な飽和領域でのMOSトランジスタと同様に、以下の式(2)で表すことができる。
Figure 2023016342000003
式(2)において、「μ」は不揮発性記憶素子の電子移動度を表し、「Cox」は不揮発性記憶素子のコントロールゲート端子のゲート酸化膜容量を表し、「W」は不揮発性記憶素子のチャネル幅を表し、「L」は不揮発性記憶素子のチャネル長を表し、「Vcg」は不揮発性記憶素子のコントロールゲート端子の電圧(コントロールゲート電圧)を表し、「Vs」は不揮発性記憶素子のソース端子の電圧(ソース電圧)を表し、「Vth」は不揮発性記憶素子の閾値電圧を表している。閾値電圧Vthおよび電子移動度μは、温度特性を有する。温度T[℃]に対して、閾値電圧Vthは例えば以下の式(3)で表すことができ、電子移動度μは例えば以下の式(4)で表すことができる。
Figure 2023016342000004
Figure 2023016342000005
式(3)において、「Vt0」は室温が25℃での不揮発性記憶素子の閾値電圧を表し、「β」は所定の定数を表している。式(4)において、「μ0」は室温が25℃での不揮発性記憶素子の電子移動度を表し、「γ」は所定の定数を表している。
式(2)、式(3)および式(4)より、不揮発性記憶素子のドレイン電流Idは、負の値の閾値電圧Vthによる正の温度特性の項と、電子移動度μによる負の温度特性の項を持つ。このため、不揮発性記憶素子は、温度に対するドレイン電流の大小が逆転し、かつ温度によらずにドレイン電流の大きさが一定となる温度特性ゼロ点を有する。
したがって、図5(a)に示すように、温度特性ゼロ点(以下、「ゼロ点」と略記する)αと、コントロールゲート-ソース間電圧Vcgsの0Vとが一致するように不揮発性記憶素子の閾値電圧Vthが調整される。このように閾値電圧Vthが調整された不揮発性記憶素子を有する電流源は、当該不揮発性記憶素子を「Vcgs=0V」で使用することにより、ゼロ点αにおけるドレイン電流Idを参照電流Iref(すなわち出力電流)として出力することが可能になる。
図5(a)に示すように、不揮発性記憶素子は、ゼロ点αよりも低いコントロールゲート-ソース間電圧Vcgsでは温度が高いほどドレイン電流Idが大きくなり、ゼロ点αよりも高いコントロールゲート-ソース間電圧Vcgsでは温度が低いほどドレイン電流Idが大きくなる電流電圧特性を有している。一方、不揮発性記憶素子は、コントロールゲート-ソース間電圧Vcgsがゼロ点αに一致している場合には、温度によらずドレイン電流Idが一定となる。このように、不揮発性記憶素子の電流電圧特性は、ゼロ点αを境に温度に対するドレイン電流の大小が逆転する。このため、不揮発性記憶素子は、ゼロ点α以外のコントロールゲート-ソース間電圧Vcgsで使用されると、ドレイン電流Idに温度依存性が生じる。
不揮発性記憶素子は、ドレイン電流Idに対するゼロ点α自体が製造工程におけるプロセス変動によってばらつくという問題を有している。例えば、不揮発性記憶素子のコントロールゲート-ソース間電圧Vcgsが0Vの場合にドレイン電流Idが20nAとなるように室温でトリミングしたとする。この場合、図5に示すように、不揮発性記憶素子のゼロ点αにおけるコントロールゲート-ソース間電圧Vcgsは、当該プロセス変動によって、例えば0Vになったり(図5(a)参照)、例えば-100ミリボルト(mV)になったり(図5(b)参照)、例えば+100mVになったりする(図5(c)参照)。不揮発性記憶素子のゼロ点αが±100mVの範囲でばらつくと、当該不揮発性記憶素子のドレイン電流Idの変動率は、-45℃から+95℃の温度範囲において、-9%から+10%となり、不揮発性記憶素子のドレイン電流Idが大きく変動してしまう。
不揮発性記憶素子のドレイン電流Idの温度変動を抑制するためには、温度変動によってドレイン電流Idが変化したときに、ドレイン電流Idの変化分に応じて不揮発性記憶素子のソース電圧Vsを操作することができればよい(式(2)参照)。これを実現するために、本実施形態による電流源1aは、不揮発性記憶素子Mのソース端子S側に抵抗素子71を備えている(図4参照)。上述のとおり、抵抗素子71の一端は不揮発性記憶素子Mのコントロールゲート端子CGに接続され、抵抗素子71の他端は不揮発性記憶素子Mのソース端子Sに接続されている。このため、不揮発性記憶素子Mのドレイン電流Idが抵抗素子71に流れることによって抵抗素子71において生じる電圧降下(Vcg-Vs)は、抵抗素子71の抵抗値をRとすると、以下の式(5)によって表すことができる。
Figure 2023016342000006
本実施形態では、不揮発性記憶素子Mは、ディプレッション状態で動作するので、閾値電圧Vthは負の値である。このため、式(2)の右辺の二乗項に式(5)を代入すると、当該二乗項は、「(│Vth│-R×Id)」となる。例えば温度変動によって不揮発性記憶素子Mのドレイン電流Idが増加すると、式(2)の右辺の二乗項の値は小さくなるので、式(2)の右辺全体(すなわち式(2)の左辺)の値も小さくなる。つまり、不揮発性記憶素子Mのドレイン電流Idの増加は、ドレイン電流Idを減少させるように不揮発性記憶素子Mに作用する。一方、例えば温度変動によって不揮発性記憶素子Mのドレイン電流Idが減少すると、式(2)の右辺の二乗項の値は大きくなるので、式(2)の右辺全体(すなわち式(2)の左辺)の値も大きくなる。つまり、不揮発性記憶素子Mのドレイン電流Idの減少は、ドレイン電流Idを増加させるように不揮発性記憶素子Mに作用する。このように、電流源1aは、不揮発性記憶素子Mのソース端子Sに接続された抵抗素子71を備えることにより、温度変動に応じて不揮発性記憶素子Mに負帰還を掛けてドレイン電流Idの増減を調整できる。つまり、電流源1aは、ドレイン電流Idの増減に応じた負帰還を掛ける回路構成を有する。
温度変動に応じた不揮発性記憶素子Mの負帰還について、不揮発性記憶素子Mのソース電圧Vsの変動に着目して説明する。式(5)において、コントロールゲート電圧Vcgは、所定の一定値(例えば、コントロールゲート端子CGおよび抵抗素子71の一端がグランド端子に接続されている場合には0V一定)である。このため、不揮発性記憶素子Mにおいて、式(5)に示すように、例えば温度変動によってドレイン電流Idが増加するとソース電圧Vsが高くなり、例えば温度変動によってドレイン電流Idが減少するとソース電圧Vsが低くなる。また、上述のとおり、不揮発性記憶素子Mの閾値電圧Vthは負の値である。このため、式(2)の右辺の二乗項は、「(Vcg-Vs+│Vth│)」となる。ソース電圧Vsは、負の値として二乗項に含まれているので、ドレイン電流Idは、ソース電圧Vsが高くなると小さくなり、ソース電圧Vsが低くなると大きくなる。
より具体的には、電流源1aに備えられた不揮発性記憶素子Mおよび抵抗素子71は、直列に接続されている。このため、不揮発性記憶素子Mにドレイン電流Id(すなわちドレイン-ソース間電流Ids)が流れると、抵抗素子71にもドレイン電流Idと同じ電流値の電流が流れる。ここで、ドレイン電流Idが増加すると、抵抗素子71での電圧降下が大きくなる。これにより、抵抗素子71の他端の電位が高くなるので、当該他端に接続された不揮発性記憶素子Mのソース端子Sの電位、すなわちソース電圧Vsが高くなる。ソース電圧Vsが高くなると、不揮発性記憶素子Mに負帰還が掛かり(つまり、式(2)の右辺の二乗項の値が小さくなる)、不揮発性記憶素子Mのドレイン電流Idが小さくなる。
不揮発性記憶素子Mのドレイン電流Idが小さくなると、抵抗素子71に流れる電流も小さくなるので、抵抗素子71での電圧降下が小さくなる。これにより、抵抗素子71の他端の電位が低くなるので、当該他端に接続された不揮発性記憶素子Mのソース端子Sの電位、すなわちソース電圧Vsが低くなる。ソース電圧Vsが低くなると、不揮発性記憶素子Mに負帰還が掛かり(つまり、式(2)の右辺の二乗項の値が大きくなる)、不揮発性記憶素子Mのドレイン電流Idが大きくなる。
このように、電流源1aは、不揮発性記憶素子Mに流れるドレイン電流Idが変動した場合に当該変動に応じて不揮発性記憶素子Mに負帰還を掛けて、調整された閾値電圧Vthに対応した電流量のドレイン電流Idに収束させ、設定された参照電流Irefを出力することができる。つまり、電流源1aは、温度変動によってドレイン電流Idが変動しても、ドレイン電流Idの変動にコントロールゲート-ソース間電圧Vcgsを追従させて、ドレイン電流Idの温度変動を抑制できる。さらに、抵抗素子71の抵抗値Rも温度変動が生じるが、抵抗値Rの温度変動に対してもソース電圧Vsに負帰還が掛かってドレイン電流Idが所定の電流値に収束される。このため、電流源1aは、抵抗素子71の抵抗値Rの温度変動に影響されずに設定された参照電流Irefを出力することができる。
定量的には、式(5)を式(2)に代入してドレイン電流Idについて解くと、ドレイン電流Idは式(6)のように求められる。
Figure 2023016342000007
式(6)に示す係数Kは以下の式(7)で表すことができる。
Figure 2023016342000008
図6(a)は、コントロールゲート-ソース間電圧が-1Vから+1Vの範囲における当該不揮発性記憶素子の電流電圧特性を示す図である。図6(b)は、図6(a)中に示すゼロ点近傍(コントロールゲート-ソース間電圧が-200mVから+200mVの範囲)を拡大して示す図である。図6(a)および図6(b)中に示す横軸の「Vcgs」は、不揮発性記憶素子のコントロールゲート-ソース間電圧を示している。図6(a)および図6(b)中に示す縦軸の「Id」は、不揮発性記憶素子に流れるドレイン電流を示している。図6(a)および図6(b)中に示す「CH1a」は、電流源1aに備えられた不揮発性記憶素子Mの電流電圧特性を示している。図6(a)および図6(b)中に示す「CHc」は、従来の電流源に設けられた不揮発性記憶素子の電流電圧特性を示している。
不揮発性記憶素子Mに抵抗素子71が接続されることによって、不揮発性記憶素子Mのソース電圧Vsが上昇する。このため、電流源1aに備えられた不揮発性記憶素子Mは、従来の電流源に設けられた不揮発性記憶素子に流れるドレイン電流と同じ電流量のドレイン電流Idを流すために必要なコントロールゲート-ソース間電圧Vcgsが高くなる。その結果、図6(a)に示すように、電流源1aに備えられた不揮発性記憶素子Mの電流電圧特性は、従来の電流源に設けられた不揮発性記憶素子の電流電圧特性よりも強反転領域における傾きが小さくなる。
さらに、図6(b)に示すように、電流源1aに備えられた不揮発性記憶素子Mの電流電圧特性は、従来の電流源に設けられた不揮発性記憶素子と比較して、ゼロ点αを除いてそれぞれのコントロールゲート-ソース間電圧Vcgsにおける温度変動が減少する。より具体的には、例えば図6(b)中の左側の2つの双方向矢印で示すように、コントロールゲート-ソース間電圧Vcgsが-100mVにおいて、-45℃から+95℃の範囲のドレイン電流Idの変動(すなわち当該双方向矢印の長さ)は、不揮発性記憶素子Mの電流電圧特性CH1aの方が従来の電流源に設けられた不揮発性記憶素子の電流電圧特性CHcよりも小さい。同様に、例えば図6(b)中の右側の2つの双方向矢印で示すように、コントロールゲート-ソース間電圧Vcgsが+100mVにおいて、-45℃から+95℃の範囲のドレイン電流Idの変動(すなわち当該双方向矢印の長さ)は、不揮発性記憶素子Mの電流電圧特性CH1aの方が従来の電流源に設けられた不揮発性記憶素子の電流電圧特性CHcよりも小さい。なお、図6(b)では、理解を容易にするため、不揮発性記憶素子Mの電流電圧特性CH1aにおけるドレイン電流Idの変動幅を示す双方向矢印は、当該変動幅よりも長めに図示されている。ここでは、一例としてコントロールゲート-ソース間電圧Vcgsが±100mVでのドレイン電流Idの変動について述べた。しかしながら、ドレイン電流Idの変動は、ゼロ点α(本実施形態では、コントロールゲート-ソース間電圧Vcgsが0V)を除く他のコントロールゲート-ソース間電圧Vcgsでも同様に、不揮発性記憶素子Mの電流電圧特性CH1aの方が従来の電流源に設けられた不揮発性記憶素子の電流電圧特性CH1aよりも小さい。
図7は、式(6)から求めた25℃に対する-45℃から+95℃のドレイン電流変動と抵抗素子71の抵抗値Rとの関係を示す図である。図7中のグラフの横軸に示す「温度」は、電流源1aの温度を示している。図7中のグラフに示す「Id変動(25℃基準)[%]」は、電流源1aに備えられた不揮発性記憶素子Mのドレイン電流変動率を示している。当該ドレイン電流変動は、温度が25℃の場合のドレイン電流からの変動である。図7中に示す「従来構成」は、抵抗素子71を有さない従来の電流源のドレイン電流変動を示している。
図7に示すように、抵抗素子71が設けられている場合のドレイン電流変動は、従来構成と比較して、温度変動が緩和されて傾きが小さくなる特性を有する。また、抵抗素子71が設けられている場合のドレイン電流変動は、従来構成と比較して、抵抗素子71の抵抗値によらず温度変動が緩和されて傾きが小さくなる特性を有する。さらに、抵抗素子71が設けられている場合のドレイン電流変動は、抵抗素子71の抵抗値が大きいほど温度変動が緩和されて傾きが小さくなる特性を有する。
図8は、ドレイン電流変動の温度変動の極小点を求めるために、式(6)を温度微分した∂Id/∂Tの温度特性と抵抗素子71の抵抗値Rとの関係を示す図である。図8中のグラフの横軸は、不揮発性記憶素子M1の温度[℃]を示し、当該グラフの縦軸の「∂Id/∂T(25℃基準)[%/℃]」は、不揮発性記憶素子M1のドレイン電流の温度微分の変動率を示している。当該温度微分の変動率は、温度が25℃の場合のドレイン電流の温度微分からの変動率である。
∂Id/∂T自体が温度の関数となっているため、∂Id/∂T=0となる抵抗素子71の抵抗値Rは温度によって多少異なる。しかしながら、図8に示すように、抵抗値Rが80MΩで∂Id/∂Tの絶対値がほぼゼロとなる温度が存在することがわかる。抵抗値Rが80MΩのときにドレイン電流変動の温度変動率が最小となる(図7参照)。
(実施例1)
次に、本実施形態の実施例1による電流源について図9および図10を用いて説明する。実施例1による電流源1aは、一定の参照電圧を出力する参照電圧出力回路に適用される。図9および図10は、電流源1aが適用される参照電圧出力回路E1の回路構成を示す図である。図9は、理解を容易にするため、簡略化された参照電圧出力回路E1の回路構成を示している。図10は、不揮発性記憶素子への電荷の注入および不揮発性記憶素子からの電荷の放出(不揮発性記憶素子の書き換え)を行うためのスイッチを有する参照電圧出力回路E1の回路構成を示している。
図9に示すように、参照電圧出力回路E1は、電流源1aと、電流源1aに接続された不揮発性記憶素子M1と、不揮発性記憶素子M1に接続された抵抗素子81とを備えている。不揮発性記憶素子M1は、電流源1aに備えられた不揮発性記憶素子Mと同様の構成を有している。このため、不揮発性記憶素子M1の詳細な説明は省略する。また、不揮発性記憶素子M1の構成要素のうち、不揮発性記憶素子Mを構成する構成要素と同一の作用・機能を奏する要素には、同一の符号を付してその説明は省略する。
不揮発性記憶素子M1のドレイン端子Dは、電流源1aに備えられた抵抗素子71の一端に接続されている。不揮発性記憶素子M1のソース端子Sは、抵抗素子81の一端に接続されている。不揮発性記憶素子M1のコントロールゲート端子CGは、不揮発性記憶素子M1のドレイン端子D、抵抗素子71の一端、不揮発性記憶素子Mのコントロールゲート端子CGに接続されている。抵抗素子71の一端と不揮発性記憶素子M1のドレイン端子Dとの接続部は、出力端子OUTに接続されている。
電流源1aに備えられた不揮発性記憶素子Mのドレイン端子Dは、例えば高電圧供給端子(不図示)に接続されている。抵抗素子81の他端は、例えば低電圧供給端子(不図示)に接続されている。これにより、不揮発性記憶素子M、抵抗素子71、不揮発性記憶素子M1および抵抗素子81は、高電圧供給端子と低電圧供給端子との間で直列に接続される。
不揮発性記憶素子Mは、コントロールゲート-ソース間電圧Vcgsが0Vにおいてドレイン-ソース間電流Idsが電流値IREFとなるディプレッション状態となるように調整される。不揮発性記憶素子M1は、エンハンスメント状態となるように調整される。不揮発性記憶素子Mおよび不揮発性記憶素子M1は、電子移動度、チャネル長およびチャネル幅などが同一に形成されている。このため、不揮発性記憶素子Mおよび不揮発性記憶素子M1は、閾値電圧が異なる点を除いて同一の電流電圧特性を有している。つまり、不揮発性記憶素子M1は、不揮発性記憶素子Mの電流電圧特性がコントロールゲート-ソース間電圧Vcgsの正側にシフトした電流電圧特性を有している。
不揮発性記憶素子Mのコントロールゲート端子CGとソース端子Sとは、抵抗素子71を介して接続されているので、温度変動などが生じていない場合には、電流源1aは、不揮発性記憶素子Mのコントロールゲート-ソース間電圧Vcgsが0Vの状態で電流値IREFの参照電流Iref(すなわちドレイン-ソース間電流Ids)を不揮発性記憶素子M1に供給する。電流源1aおよび不揮発性記憶素子M1は直列に接続されているので、不揮発性記憶素子M1には、参照電流Irefと同じ電流値IREFのドレイン-ソース間電流が流れる。
不揮発性記憶素子M1はエンハンスメント状態となるように調整されているので、電流値IREFの参照電流Irefが流し込まれると、不揮発性記憶素子M1のコントロールゲート-ソース間電圧Vcgsが所定の電圧値となる。不揮発性記憶素子M1のコントロールゲート端子CGおよびドレイン端子Dは互いに接続されたダイオード接続状態となっている。不揮発性記憶素子M1のコントロールゲート端子CGおよびドレイン端子Dは互いに接続されているので、コントロールゲート-ソース間電圧Vcgsとドレイン-ソース間電圧Vdsとは等しくなる。このため、不揮発性記憶素子M1は、Vds>Vcgs―Vthを満たす飽和領域で動作する。ここで、「Vds」は、不揮発性記憶素子M1のドレイン-ソース間電圧を示している。不揮発性記憶素子M1および抵抗素子81によって定電圧源が構成される。このため、参照電圧出力回路E1は、不揮発性記憶素子M1のコントロールゲート-ソース間電圧Vcgsの電圧値と抵抗素子81における電圧降下の電圧値とを合わせた電圧値VREFの参照電圧Vrefを不揮発性記憶素子M1のドレイン端子Dに接続された出力端子OUTから出力できる。
プロセス変動などによって不揮発性記憶素子Mおよび不揮発性記憶素子M1のそれぞれの閾値電圧がばらついたとしても、不揮発性記憶素子Mおよび不揮発性記憶素子M1は、同様に変化する。さらに、抵抗素子71および抵抗素子81は、互いに同じ大きさの抵抗値を有している。このため、温度変動などによって電流源1aから出力される参照電流Irefが変動したとしても、不揮発性記憶素子M1にも変動した参照電流Irefと同じ電流値のドレイン電流が流れる。これにより、不揮発性記憶素子Mおよび不揮発性記憶素子M1のそれぞれのソース電圧Vsは同様に変化するので、不揮発性記憶素子Mのオン抵抗および抵抗素子71の合成抵抗と、不揮発性記憶素子M1のオン抵抗および抵抗素子81の合成抵抗とは、同一の抵抗値を有する。したがって、参照電圧出力回路E1は、電流源1aに温度変動が生じるか否かに関わらず、一定の電圧値VREFの参照電圧Vrefを出力端子OUTから出力できる。
次に、本実施例による電流源1aに備えられた不揮発性記憶素子Mおよび参照電圧出力回路E1に設けられた不揮発性記憶素子M1のそれぞれのフローティングゲート端子FGの電荷量の調整可能な形態について図10を用いて説明する。
図10に示すように、参照電圧出力回路E1は、電流源1aに備えられた不揮発性記憶素子Mのドレイン端子Dに一端子が接続されたスイッチSW1を備えている。スイッチSW1の他端子の1つは高電圧供給端子Vddに接続され、スイッチSW1の他端子の他の1つは低電圧供給端子(例えばグランド端子)に接続され、スイッチSW1の他端子のさらに他の1つはパルス電圧Vppの印加端子に接続されている。スイッチSW1を適宜切り替えることにより、高電圧Vdd、低電圧Vssおよびパルス電圧Vppのいずれか1つを不揮発性記憶素子Mのドレイン端子Dに印加できるようになっている。以下、符号「Vdd」は、高電圧供給端子Vddから出力される高電圧の符号としても使用し、符号「Vss」は、低電圧供給端子Vssから出力される低電圧の符号としても使用する。
参照電圧出力回路E1は、不揮発性記憶素子Mのソース端子Sと抵抗素子71との間に直列接続されたスイッチSW2を備えている。スイッチSW2の一端子は不揮発性記憶素子Mのソース端子Sに接続され、スイッチSW2の他端子は抵抗素子71の他端に接続されている。不揮発性記憶素子Mのソース端子Sおよび抵抗素子71の他端は、スイッチSW2が接続状態となることにより、スイッチSW2を介して電気的に接続される。本実施例では、スイッチSW2は、不揮発性記憶素子Mのソース端子Sと抵抗素子71との間に接続されているが、抵抗素子71の一端とスイッチSW6(詳細は後述)の一端子との間に接続されていてもよい。
参照電圧出力回路E1は、不揮発性記憶素子Mのコントロールゲート端子CGと抵抗素子71の一端との間に直列接続されたスイッチSW3を備えている。スイッチSW3の一端子は不揮発性記憶素子Mのコントロールゲート端子CGに接続され、スイッチSW3の他端子は抵抗素子71の一端および出力端子OUTに接続されている。参照電圧出力回路E1は、不揮発性記憶素子Mのコントロールゲート端子CGと抵抗素子71の一端とをスイッチSW3でショートしてバイアスを印加する。このため、バイアスは、0Vである。参照電圧出力回路E1は、不揮発性記憶素子Mのコントロールゲート端子CGと抵抗素子71の一端との間にバイアスを印加した状態で参照電流Iref(図9参照)を不揮発性記憶素子M1に出力する。
参照電圧出力回路E1は、不揮発性記憶素子Mのコントロールゲート端子CGに接続された一端子を有するスイッチSW4と、スイッチSW4の他端子に一端子が接続されたスイッチSW5とを備えている。スイッチSW4の一端子はスイッチSW3の一端子にも接続されている。スイッチSW5の他端子の一方はパルス電圧Vppの印加端子に接続され、スイッチSW5の他端子の他方は低電圧供給端子Vssに接続されている。参照電圧出力回路E1は、スイッチSW4が接続状態(ショート状態)のときにスイッチSW5を適宜切り替えることにより、パルス電圧Vppおよび低電圧Vssのいずれか一方を不揮発性記憶素子Mのコントロールゲート端子CGに印加できるようになっている。
参照電圧出力回路E1は、抵抗素子71の一端と不揮発性記憶素子M1のドレイン端子Dとの間に直列接続されたスイッチSW6を備えている。スイッチSW6の一端子は、抵抗素子71の一端、出力端子OUTおよびスイッチSW3の他端子に接続されている。スイッチSW6の他端子は不揮発性記憶素子M1のドレイン端子Dに接続されている。抵抗素子71の一端および不揮発性記憶素子M1のドレイン端子Dは、スイッチSW6が接続状態となることにより、スイッチSW6を介して電気的に接続される。
参照電圧出力回路E1は、スイッチSW6の一端子と不揮発性記憶素子M1のコントロールゲート端子CGとの間に直列接続されたスイッチSW7を備えている。スイッチSW7の一端子はスイッチSW6の一端子およびスイッチSW3の他端子に接続され、スイッチSW7の他端子はコントロールゲート端子CGに接続されている。参照電圧出力回路E1は、不揮発性記憶素子M1のドレイン端子Dおよびコントロールゲート端子CGの間を接続状態のスイッチSW6およびスイッチSW7によってショートすることにより、不揮発性記憶素子M1をダイオード接続された状態で動作させるようになっている。
参照電圧出力回路E1は、不揮発性記憶素子M1のソース端子Sと抵抗素子81との間に直列接続されたスイッチSW8を備えている。スイッチSW8の一端子は不揮発性記憶素子M1のソース端子Sに接続され、スイッチSW8の他端子は抵抗素子81の一端に接続されている。不揮発性記憶素子M1のソース端子Sおよび抵抗素子81の一端は、スイッチSW8が接続状態となることにより、スイッチSW8を介して電気的に接続される。本実施例では、スイッチSW8は、不揮発性記憶素子M1のソース端子Sと抵抗素子81との間に接続されているが、抵抗素子81の他端とスイッチSW11(詳細は後述)の一端子との間に接続されていてもよい。
参照電圧出力回路E1は、不揮発性記憶素子M1のコントロールゲート端子CGに接続された一端子を有するスイッチSW9と、スイッチSW9の他端子に一端子が接続されたスイッチSW10とを備えている。スイッチSW9の一端子は、スイッチSW7の他端子にも接続されている。スイッチSW10の他端子の1つはパルス電圧Vppの印加端子に接続され、スイッチSW10の他端子の他の1つは低電圧供給端子Vssに接続されている。参照電圧出力回路E1は、スイッチSW9が接続状態(ショート状態)のときにスイッチSW10を適宜切り替えることにより、パルス電圧Vppおよび低電圧Vssのいずれか一方を不揮発性記憶素子M1のコントロールゲート端子CGに印加できるようになっている。
参照電圧出力回路E1は、抵抗素子81の他端に接続された一端子を有するスイッチSW11を備えている。スイッチSW11の他端子の一方は低電圧供給端子Vssに接続され、スイッチSW11の他端子の他方はパルス電圧Vppの印加端子に接続されている。スイッチSW8が接続状態(ショート状態)のときにスイッチSW11を適宜切り替えることにより、低電圧Vssおよびパルス電圧Vppのいずれか1つを不揮発性記憶素子M1のソース端子Sに印加できるようになっている。スイッチSW1~SW11は、例えばMOSFETによって構成されている。
図10に示すように、参照電圧出力回路E1が電圧値VREFの参照電圧Vrefを出力端子OUTから出力する場合には、スイッチSW1~SW11を次のような状態に切り替える。
スイッチSW1:高電圧供給端子Vdd側
スイッチSW2:接続状態(ショート状態)
スイッチSW3:接続状態(ショート状態)
スイッチSW4:開放状態(オープン状態)
スイッチSW5:任意(図10では低電圧Vss側)
スイッチSW6:接続状態(ショート状態)
スイッチSW7:接続状態(ショート状態)
スイッチSW8:接続状態(ショート状態)
スイッチSW9:開放状態(オープン状態)
スイッチSW10:任意(図10では低電圧Vss側)
スイッチSW11:低電圧供給端子Vss側
本実施例では、不揮発性記憶素子Mがディプレッション状態かつ不揮発性記憶素子M1がエンハンスメント状態のときにスイッチSW1~SW11を図10に示す切り替え状態とすると、参照電圧出力回路E1は、高精度な電圧値VREFの参照電圧Vrefを出力端子OUTから出力する。
図示は省略するが、参照電圧出力回路E1は、不揮発性記憶素子Mをディプレッション状態にするための書き換え時には、スイッチSW1~SW11を次のような状態に切り替える。ここでは、不揮発性記憶素子Mの調整前の閾値電圧が調整後の閾値電圧よりも高い場合を例に取っている。
スイッチSW1:パルス電圧Vpp側
スイッチSW2:開放状態(オープン状態)
スイッチSW3:開放状態(オープン状態)
スイッチSW4:接続状態(ショート状態)
スイッチSW5:低電圧供給端子Vss側
スイッチSW6:開放状態(オープン状態)
スイッチSW7:開放状態(オープン状態)
スイッチSW8:接続状態(ショート状態)
スイッチSW9:開放状態(オープン状態)
スイッチSW10:任意
スイッチSW11:低電圧供給端子Vss側
このため、不揮発性記憶素子Mのドレイン端子Dにパルス電圧Vppが印加され、コントロールゲート端子CGに低電圧Vssが印加されるので、電荷注入口211を介してフローティングゲート端子FGに設けられた電荷保持領域21(図1参照)からドレイン端子Dに電子が放出される。これにより、不揮発性記憶素子Mの閾値電圧が低くなる。逆に、不揮発性記憶素子Mのドレイン端子Dに低電圧Vssが印加され、コントロールゲート端子CGにパルス電圧Vppが印加された場合は、電荷注入口211を介してドレイン端子Dからフローティングゲート端子FGに設けられた電荷保持領域21に電子が注入される。これにより、不揮発性記憶素子Mの閾値電圧が高くなる。
図示は省略するが、図10に示す参照電圧出力回路E1に設けられた電流源1aから出力される実際の参照電流Irefを確認する場合、スイッチSW1~SW11を次のような状態に切り替えられる。さらに、不揮発性記憶素子Mのソース端子Sと抵抗素子71との間に電流計(不図示)が直列接続され、電流源1aから出力される参照電流Irefを確認する。
スイッチSW1:高電圧供給端子Vdd側
スイッチSW2:接続状態(ショート状態)
スイッチSW3:接続状態(ショート状態)
スイッチSW4:開放状態(オープン状態)
スイッチSW5:任意
スイッチSW6:開放状態(オープン状態)
スイッチSW7:開放状態(オープン状態)
スイッチSW8:接続状態(ショート状態)
スイッチSW9:開放状態(オープン状態)
スイッチSW10:任意
スイッチSW11:低電圧供給端子Vss側
書き込み状態と、参照電流Irefの確認状態とを繰り返し実施し、所望の参照電流Irefが得られたところで止める。これにより、電流源1aに備えられた不揮発性記憶素子Mの閾値電圧Vthおよび参照電流Irefの調整が完了する。
図示は省略するが、参照電圧出力回路E1は、不揮発性記憶素子M1をエンハンスメント状態にするための書き換え時には、スイッチSW1~SW11を次のような状態に切り替える。ここでは、不揮発性記憶素子M1の調整前の閾値電圧が調整後の閾値電圧よりも低い場合を例に取っている。
スイッチSW1:高電圧供給端子Vdd側
スイッチSW2:開放状態(オープン状態)
スイッチSW3:開放状態(オープン状態)
スイッチSW4:開放状態(オープン状態)
スイッチSW5:任意
スイッチSW6:開放状態(オープン状態)
スイッチSW7:開放状態(オープン状態)
スイッチSW8:接続状態(ショート状態)
スイッチSW9:接続状態(ショート状態)
スイッチSW10:パルス電圧Vpp側
スイッチSW11:低電圧供給端子Vss側
このため、不揮発性記憶素子M1のコントロールゲート端子CGにパルス電圧Vppが印加され、ソース端子Sに低電圧Vssが印加されるので、電荷注入口211を介してフローティングゲート端子FGに設けられた電荷保持領域21(図1参照)にソース端子Sから電子が注入される。これにより、不揮発性記憶素子M1の閾値電圧が高くなる。逆に、不揮発性記憶素子Mのソース端子Sにパルス電圧Vppが印加され、コントロールゲート端子CGに低電圧Vssが印加された場合は、電荷注入口211を介してフローティングゲート端子FGに設けられた電荷保持領域21からソース端子Sに電子が放出される。これにより、不揮発性記憶素子M1の閾値電圧が低くなる。
図示は省略するが、図10に示す参照電圧出力回路E1の出力端子OUTから出力される実際の参照電圧Vrefを確認する場合、スイッチSW1~SW11は、参照電圧出力回路E1を動作せる場合と同じ状態(すなわち、図10に示すスイッチSW1~SW11の状態)に切り替えられる。さらに、出力端子OUTと低電圧供給端子Vssとの間に電圧計(不図示)が接続され、出力端子OUTから出力される参照電圧Vrefを確認する。
不揮発性記憶素子M1の書き込み状態と、参照電圧Vrefの確認状態とを繰り返し実施し、所望の電圧値VREFの参照電圧Vrefが得られたところで止める。これにより、不揮発性記憶素子M1の閾値電圧の調整が完了する。
上述のようにして、室温において不揮発性記憶素子M,M1の閾値電圧が調整されることにより、参照電圧出力回路E1は、所望の電圧値VREFの参照電圧Vrefを出力端子OUTから出力できる。参照電圧出力回路E1の参照電圧Vrefは、室温において所望の電圧値VREFに設定されると、温度変動によって電流源1aから出力される参照電流Irefが変動したとしても、不揮発性記憶素子M,M1のそれぞれのソース電圧Vsに負帰還が掛かる。これにより、参照電圧出力回路E1は、例えば使用環境における温度変動が生じたとしても、室温において設定された電圧値VREFの参照電圧Vrefを出力端子OUTから出力できる。
(実施例2)
次に、本実施形態の実施例2による電流源について図11を用いて説明する。実施例2による電流源1aは、カレントミラー回路の基準電流を生成する電源に適用される。図11は、カレントミラー回路83の電源として適用された場合の電流源1aおよびカレントミラー回路83の回路構成を示す図である。図9では、理解を容易にするため、不揮発性記憶素子Mの書き換えを行うためのスイッチの図示は省略されている。
図11に示すように、カレントミラー回路83は、ゲート端子Gが互いに接続されたトランジスタ831およびトランジスタ832を有している。トランジスタ831,832のそれぞれは、例えばP型の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor:MOSFET)で構成されている。トランジスタ831,832は、互いのトランジスタサイズ(チャネル長に対するチャネル幅の比)の比率が所定値となるように形成されている。
トランジスタ831のソース端子Sは、高電圧供給端子Vddに接続されている。トランジスタ831のドレイン端子Dは、トランジスタ831,832のそれぞれのゲート端子Gに接続されている。トランジスタ832のソース端子Sは、高電圧供給端子Vddに接続されている。トランジスタ832のドレイン端子Dは、所定の回路(不図示)に接続されている。これにより、カレントミラー回路83は、トランジスタ832から出力される出力電流I2を当該回路に供給することができる。
トランジスタ831のドレイン端子Dと、不揮発性記憶素子Mのドレイン端子Dとが接続されている。これにより、トランジスタ831と、電流源1aに備えられた不揮発性記憶素子Mおよび抵抗素子71とは、高電圧供給端子Vddと低電圧供給端子Vssとの間で直列に接続される。
不揮発性記憶素子Mとトランジスタ831とが直列に接続されているので、トランジスタ831に流れるドレイン電流I1の電流値は、不揮発性記憶素子Mに流れる参照電流Irefと同じ電流値となる。このため、カレントミラー回路83は、参照電流Irefの電流値にトランジスタ831,832のトランジスタサイズの比率を掛け合わせた電流値の出力電流I2を出力する。例えば、トランジスタ832は、トランジスタ831と比較して2倍のトランジスタサイズを有している場合、出力電流I2の電流値は、参照電流Irefの2倍の電流値となる。
上述のとおり、電流源1aは、温度変動が生じたとしても、調整された閾値電圧Vthに対応した電流値IREFの参照電流Irefを出力することができる。このため、カレントミラー回路83は、温度変動が生じたとしても、設定された電流値の出力電流I2を出力できる。
図示および詳細な説明は省略するが、実施例1による電流源1aのように、電流源1aをカレントミラー回路83から電気的に切り離したり、不揮発性記憶素子Mのドレイン端子D、ソース端子Sおよびコントロールゲート端子CGに所定の電圧を印加したりすることが可能な複数のスイッチを設け、これらのスイッチの接続状態および切断状態を適宜切り替えることにより、本実施例における不揮発性記憶素子Mの書き換え動作を行うことができる。
(実施例3)
次に、本実施形態の実施例3による電流源について図12を用いて説明する。実施例3による電流源1aは、半導体基板に形成された不揮発性記憶素子Mと、不揮発性記憶素子Mが設けられた集積回路の外部端子に接続された抵抗素子71とを備えている点に特徴を有している。
図12に示すように、本実施例による電流源1aは、集積回路100のパッケージ内に配置された不揮発性記憶素子Mを備えている。不揮発性記憶素子Mは、半導体基板(すなわち半導体チップ)に形成されて当該パッケージ内に配置されている。不揮発性記憶素子Mのソース端子Sは、集積回路100に設けられた外部端子101に接続されている。不揮発性記憶素子Mのコントロールゲート端子CGは、集積回路100に設けられた外部端子102に接続されている。
電流源1aは、外部端子101,102の間に接続された抵抗素子71を備えている。抵抗素子71の他端は外部端子101に接続され、抵抗素子71の一端は外部端子102に接続されている。抵抗素子71の一端は低電圧供給端子Vssに接続されている。これにより、抵抗素子71は、不揮発性記憶素子Mのソース端子Sおよびコントロールゲート端子CGとの間に直列に接続されるので、図4に示す電流源1aと同様の構成を有することができる。
本実施例による電流源1aは、集積回路100が実装される回路基板に抵抗素子71を実装することができるので、抵抗素子71の設計自由度が向上する。また、本実施例による電流源1aは、参照電流Irefを例えば外部端子101から集積回路100の外部に取り出して回路基板に実装された所定の回路(不図示)に供給したり、集積回路100内部の形成された所定の回路(不図示)に供給したりするように構成されていてもよい。
図示および詳細な説明は省略するが、実施例1による電流源1aのように、本実施例による電流源1aに備えられた不揮発性記憶素子Mを外部端子101から電気的に切り離したり、不揮発性記憶素子Mのドレイン端子D、ソース端子Sおよびコントロールゲート端子CGに所定の電圧を印加したりすることが可能な複数のスイッチを設け、これらのスイッチの接続状態および切断状態を適宜切り替えることにより、本実施例における不揮発性記憶素子Mの書き換え動作を行うことができる。
(実施例4)
次に、本実施形態の実施例4による電流源について図13を用いて説明する。
図13に示すように、本実施例による電流源1bは、コントロールゲート端子CG、ドレイン端子Dおよびソース端子Sを有し電界効果型トランジスタとして動作する不揮発性記憶素子Mと、コントロールゲート端子CGに接続された一端およびソース端子Sに接続された他端を有し、ドレイン端子Dとソース端子Sとの間を流れる電流の変動に応じてコントロールゲート端子CGとソース端子Sとの間の電圧を調整する調整素子であるダイオード接続されたトランジスタ72を備えている。
トランジスタ72は、例えばP型のMOSFETで構成されている。トランジスタ72のドレイン端子Dは、トランジスタ72のゲート端子Gおよび不揮発性記憶素子Mのコントロールゲート端子CGに接続されている。トランジスタ72のソース端子Sは、不揮発性記憶素子Mのソース端子Sに接続されている。したがって、トランジスタ72のドレイン端子Dは調整素子の一端に相当し、トランジスタ72のソース端子Sは調整素子の他端に相当する。
上記実施形態による電流源1aでは、抵抗値が高抵抗(例えば60MΩ)の抵抗素子71を例えばポリシリコンによって半導体基板に形成する場合、抵抗素子71の形成面積が大きくなるという問題が生じる場合がある。これに対し、本実施例による電流源1bは、抵抗素子71に代えて、ダイオード接続されたトランジスタ72を有している。トランジスタ72は、ポリシリコンによって高抵抗の抵抗素子71を形成する場合と比較して、高い面積効率を有する。このため、本実施例による電流源1bは、上記実施形態による電流源1aよりも小型化を図ることができる。
図示および詳細な説明は省略するが、実施例1による電流源1aのように、本実施例による電流源1bに備えられた不揮発性記憶素子Mをトランジスタ72から電気的に切り離したり、不揮発性記憶素子Mのドレイン端子D、ソース端子Sおよびコントロールゲート端子CGに所定の電圧を印加したりすることが可能な複数のスイッチを設け、これらのスイッチの接続状態および切断状態を適宜切り替えることにより、本実施例における不揮発性記憶素子Mの書き換え動作を行うことができる。
図示は省略するが、上記実施例1から3による電流源1aに備えられた抵抗素子71をダイオード接続されたトランジスタ72に変更しても、上記実施例1から3と同様の効果が得られる。
(実施例5)
次に、本実施形態の実施例5による電流源について説明する。
実施例5による電流源では、上記実施例1による電流源1aと異なり、抵抗素子71および抵抗素子81の抵抗値を互いに異ならせる点に特徴を有している。これにより、参照電圧Vrefに自由な温度特性を付与することができるので、本実施例による電流源を温度特性の補正に用いることができる。
以上説明したように、本実施形態および各実施例による電流源1a,1bは、コントロールゲート端子CG、ドレイン端子Dおよびソース端子Sを有し電界効果型トランジスタとして動作する不揮発性記憶素子Mと、コントロールゲート端子CGに接続された一端およびソース端子Sに接続された他端を有し、ドレイン端子Dとソース端子Sとの間を流れる電流の変動に応じてコントロールゲート端子CGとソース端子Sとの間の電圧を調整する調整素子(抵抗素子71またはトランジスタ72)を備えている。電流源1a,1bは、コントロールゲート端子CGと調整素子の一端との間にバイアスを印加した状態で電流を出力する。これにより、電流源1a,1bは、ドレイン電流Idの温度変動を抑制することができる。
エナジーハーベスト向けなどの極低消費電力な回路設計では、参照電流が大きくばらつくことが、消費電力増加や基準クロック信号の周波数変動などになる。このため、極低消費な電流源の温度変動率を抑えることは、低消費向け集積回路の課題となっている。
上述のとおり、本実施形態および各実施例による電流源1a,1bは、温度変動によって、不揮発性記憶素子Mに流れるドレイン電流Idが変動したとしても、当該変動に応じて負帰還を掛けることによって、室温において調整された閾値電圧Vthに対応した電流量のドレイン電流Idに収束させることができる。このため、電流源1a,1bは、低消費向け集積回路の課題を解決し、極低消費電力かつ温度変動の少ない回路を実現できる。
1a,1b 電流源
10 Pウェル領域
11,13 N型領域
12,14 N+領域
20 絶縁体
21 電荷保持領域
22 ゲート絶縁膜
23 側壁酸化膜
24 上部絶縁膜
25,32 サイドウォール
31 ポリシリコン膜
41,42 素子分離領域
51,52,53 コンタクトプラグ
61 保護膜
71,81 抵抗素子
72 トランジスタ
83 カレントミラー回路
100 集積回路
101,102 外部端子
211 電荷注入口
221 トンネル絶縁膜
831,832 トランジスタ
CG コントロールゲート端子
D ドレイン端子
E1 参照電圧出力回路
FG フローティングゲート端子
G ゲート端子
M,M1 不揮発性記憶素子
OUT 出力端子
S ソース端子
SW1~SW11 スイッチ

Claims (5)

  1. コントロールゲート端子、ドレイン端子およびソース端子を有し電界効果型トランジスタとして動作する不揮発性記憶素子と、
    前記コントロールゲート端子に接続された一端および前記ソース端子に接続された他端を有し、前記ドレイン端子と前記ソース端子との間を流れる電流の変動に応じて前記コントロールゲート端子と前記ソース端子との間の電圧を調整する調整素子と、
    を備え、
    前記コントロールゲート端子と前記調整素子の前記一端との間にバイアスを印加した状態で電流を出力する電流源。
  2. 前記バイアスは、0Vである
    請求項1に記載の電流源。
  3. 前記調整素子は、抵抗素子である
    請求項1又は2に記載の電流源。
  4. 前記調整素子は、ダイオード接続されたトランジスタである
    請求項1又は2に記載の電流源。
  5. 前記不揮発性記憶素子は、前記コントロールゲート端子と、前記ドレイン端子および前記ソース端子との間に電気的に絶縁された状態で配置されたフローティングゲート端子を有する
    請求項1から4までのいずれか一項に記載の電流源。
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