JP2023010344A - Egrバルブの制御装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023010344000001
【課題】EGRバルブを閉弁するときの応答時間を短くする。
【解決手段】CPU110は、開弁状態のEGRバルブ10を全閉状態にする際に、弁部の実際の開度が既定の開度以下になると終了される処理であって弁部の実際の開度と目標開度との偏差に応じてEGRバルブ10の駆動指令値を算出するフィードバック処理と、フィードバック処理が終了したタイミングで実行される処理であって弁部の閉じ側への加速度が一時的に増大するように駆動指令値を算出する切替処理と、切替処理が終了すると実行される処理であって予め定めた既定値を駆動指令値として設定する着座処理とを実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、EGRバルブの制御装置に関する。
内燃機関の吸気通路に還流させる排気の流量を調整するEGRバルブが知られている。こうしたEGRバルブを開弁状態から閉弁状態にする際には、弁がバルブシートに着座する際の衝撃を抑えることが望ましい。
例えば特許文献1に記載の装置では、EGRバルブの実際の開度と目標開度との偏差に応じてEGRバルブの駆動指令値をフィードバック制御することによりEGRバルブの開度を調整している。そして、EGRバルブの開度が全閉位置近傍に設定された開度に達すると、目標開度を徐変させることにより弁部の着座速度を抑える着座処理を行うことで着座時の衝撃を抑えるようにしている。
特許第4879352号公報
ところで、着座処理を開始する直前において、弁の閉じ側への加速度が小さくなっていると、着座処理を開始してからのEGRバルブの閉弁速度が遅くなる。そのため、EGRバルブが開弁状態から閉弁状態になるまでに要する時間(以下、応答時間という)が長くなる。こうした応答時間が長くなると、例えば減速時などにおいてEGRガスが燃焼室93内に過剰に導入されてしまい、失火などが発生するおそれがある。
上記課題を解決するEGRバルブの制御装置は、内燃機関の吸気通路に還流させる排気の流量を調整するEGRバルブの弁部の開度を調整するための駆動指令値を制御する制御装置である。この制御装置は、開弁状態の前記EGRバルブを全閉状態にする際に以下の処理を実行する。すなわち、前記弁部の実際の開度が既定の開度以下になると終了される処理であって、前記弁部の実際の開度と目標開度との偏差に応じて前記駆動指令値を算出するフィードバック処理と、前記フィードバック処理が終了したタイミングで実行される処理であって、前記弁部の閉じ側への加速度が一時的に増大するように前記駆動指令値を算出する切替処理と、前記切替処理が終了すると実行される処理であって、予め定めた既定値を前記駆動指令値として設定する着座処理とを実行する。
同構成によれば、上記切替処理が実行されることにより、着座処理を開始する前に弁部の閉じ側への加速度が一時的に増大される。そのため、開弁状態のEGRバルブを閉弁状態にする際、着座処理以降のEGRバルブの閉弁速度が速くなり、閉弁に要する時間が短くなる。従って、上記切替処理を実行しない場合と比較して、閉弁時におけるEGRバルブの応答時間を短くすることができる。
一実施形態における内燃機関の模式図である。 同実施形態におけるEGRバルブの構造を示す断面図である。 同実施形態の制御装置が実行する切替処理の手順を示すフローチャートである。 (A)は駆動デューティ比、(B)は弁部の閉弁方向への加速度、(C)はバルブ開度のそれぞれについて、EGRバルブを閉弁するときの変化を示すタイミングチャートである。
<内燃機関の構成>
以下、EGRバルブの制御装置の一実施形態について、図1~図4を参照して説明する。
図1に示す内燃機関90は、複数の気筒#1~#4を有している。内燃機関90は、各気筒の燃焼室93に空気を供給する吸気通路91を備えている。吸気通路91には、スロットルバルブ92が設けられている。燃焼室93には、燃料を噴射する燃料噴射弁94や、火花放電を生じさせる点火プラグ95が設けられている。燃焼室93では空気と燃料との混合気が燃焼される。内燃機関90は、燃焼された混合気を排気として燃焼室93から排出する排気通路96を備えている。
内燃機関90は、排気をEGRガスとして吸気通路91に再循環させるEGR通路81を備えている。EGR通路81は、吸気通路91におけるスロットルバルブ92よりも下流側の部分と排気通路96とを接続している。EGR通路81には、その流路断面積を調整するEGRバルブ10が設けられている。EGRバルブ10の開度によって、排気通路96から吸気通路91に流入するEGRガスの流量が調整される。
<EGRバルブの構成>
図2を参照してEGRバルブ10について説明する。なお、図2に示すEGRバルブ10の構造は一例である。EGRバルブ10のバルブハウジング11には、EGRガスが流れるガス通路12が形成されている。ガス通路12は、排気通路96側の入口13から吸気通路91側の出口14に向かって屈曲して形成されている。ガス通路12内の入口13側には、円環状のバルブシート15が取り付けられている。
EGRバルブ10は、バルブシート15に対して入口13側から着座することによってガス通路12を閉塞可能な弁部23を備えている。図2は、バルブシート15に弁部23が着座してガス通路12が閉塞されている状態、つまりEGRバルブ10が閉じている状態を示している。ガス通路12は、バルブシート15から弁部23が離間することによって連通される。EGRバルブ10は、弁部23と軸部21とを有するバルブシャフト20を備えている。弁部23は、バルブシャフト20の軸部21の一端に取り付けられている。
バルブシャフト20は、バルブハウジング11に収容されている。バルブハウジング11には、バルブシャフト20の軸部21を収容する円柱状の孔であるシャフト収容部16が形成されている。バルブシャフト20の軸部21は、シャフト収容部16に配置されている円筒状の第1筒状軸受41及び第2筒状軸受43を介して図中の上下方向に変位可能に支持されている。第1筒状軸受41及び第2筒状軸受43は、バルブシャフト20の軸方向に並んで配置されている。第2筒状軸受43は、一部分がバルブハウジング11から突出している。第1筒状軸受41は、第2筒状軸受43よりもガス通路12側に配置されている。
また、第2筒状軸受43には、バルブシャフト20の上下方向の変位量、つまりバルブシャフト20のリフト量を検出する位置センサ36が配設されている。本実施形態の位置センサ36は、軸部21に埋め込まれた磁石22から発せられる磁界の角度からリフト量を検出するセンサであるが、他の方法でリフト量を検出するセンサでもよい。
バルブハウジング11のシャフト収容部16において第1筒状軸受41よりもガス通路12側には、第1筒状軸受41が配置されている部分よりも径方向に孔が拡がったシール収容部17が形成されている。シール収容部17には、円環状のリップシール30が配置されている。バルブシャフト20の軸部21は、リップシール30の孔に挿通されている。バルブシャフト20が変位する際には、軸部21がリップシール30の内周面を摺動する。リップシール30は、軸部21とバルブハウジング11との間をシールしている。
シャフト収容部16においてリップシール30よりもガス通路12側には、円環状のガードリング42が取り付けられている。シャフト収容部16においてガードリング42が取り付けられている部分は、シール収容部17よりも径方向に孔が拡がっている。ガードリング42は、金属材料によって成形されている。ガードリング42は、シャフト収容部16のうちガス通路12側の端部に位置している。バルブシャフト20の軸部21は、ガードリング42の孔に挿通されている。ガードリング42の孔の直径は、軸部21の直径よりも大きくされており、軸部21はガードリング42に接触しないように挿通されている。
EGRバルブ10は、バルブシャフト20を変位させるアクチュエータ50を備えている。アクチュエータ50は、バルブハウジング11に取り付けられている。アクチュエータ50は、モータ60を備えている。
モータ60はDCブラシレスモータであって、ケース51に収容されたコイル52や、コイル52の内側に配置されたロータ54を備えている。
ロータ54は、バルブシャフト20と連結されているロータ本体54Aと、ロータ本体54Aの外周を覆う筒状のマグネット部54Bとを有している。
ロータ本体54Aには、バルブシャフト20のうち弁部23とは反対側における軸部21の端部が連結されている。ロータ本体54Aと軸部21とは、ねじ機構55によって連結されている。ロータ本体54Aとケース51との間には第1ベアリング56が取り付けられている。マグネット部54Bの内側には、第2ベアリング58が設けられている。第2ベアリング58は、ロータ54におけるロータ本体54Aとは反対側の端部において、バルブハウジング11から突出している第2筒状軸受43との間に取り付けられている。ロータ54は、第1ベアリング56及び第2ベアリング58によって、ケース51内に回転可能に支持されている。
マグネット部54Bの内側には、第1スプリング57と第2スプリング59が設けられている。第1スプリング57は、ロータ54を第1ベアリング56側に付勢している。第2スプリング59は、弁部23がバルブシート15に押し付けられる方向にバルブシャフト20を付勢している。
アクチュエータ50では、モータ60への通電によってロータ54が回転する。ロータ54の回転運動は、ねじ機構55を介してバルブシャフト20の軸方向に沿った直線運動に変換される。これによって、バルブシャフト20が図中の上下方向に変位される。このようにモータ60を駆動することによりバルブシャフト20が変位する。バルブシャフト20の変位によりバルブシート15から弁部23が離間するとEGRバルブ10は開弁する。また、バルブシャフト20の変位によりバルブシート15に弁部23が着座するとEGRバルブ10は閉弁する。
<制御装置に関する概要>
図1に示す制御装置100は、内燃機関90を制御対象とし、スロットルバルブ92、燃料噴射弁94、点火プラグ95、EGRバルブ10等の各種操作対象機器を操作することによって、内燃機関90の制御量(吸入空気量、噴射燃料量等)を制御する。
制御装置100は、中央処理装置(以下、CPUという)110や、制御用のプログラムやデータが記憶されたメモリ120などを備えている。そして、制御装置100は、メモリ120に記憶されたプログラムをCPU110が実行することにより上記制御量の制御を実行する。
制御装置100は、制御量を制御する際、アクセルポジションセンサ31によって検出されるアクセルペダルの操作量であるアクセル操作量ACCPを参照する。また、制御装置100は、スロットルセンサ32によって検出されるスロットルバルブ92の開度であるスロットル開度TAを参照する。また、制御装置100は、エアフロメータ33によって検出される吸入空気量GAを参照する。また、制御装置100は、水温センサ34によって検出される冷却水温THWを参照する。また、制御装置100は、クランクシャフトの回転角を検出するクランク角センサ35の出力信号Scrを参照する。また、制御装置100は、上記位置センサ36によって検出されるリフト量に基づいてEGRバルブ10の実際のバルブ開度EAを検出する。なお、本実施形態では、EGRバルブ10が最大限に開弁しているときのバルブ開度EAを「100%」とし、EGRバルブ10が完全に閉じた全閉状態のときのバルブ開度EAを「0%」としている。また、制御装置100は、クランク角センサ35の出力信号Scrに基づいてクランク角や機関回転速度NEを検出する。また、制御装置100は、機関回転速度NEや吸入空気量GAに基づいて機関負荷率KLを算出する。
制御装置100は、機関回転速度NE及び機関負荷率KLなどの機関運転状態に基づき、EGR通路81を介して吸気通路91に流入するEGRガスの量(EGR量)を調整するための指令値である目標EGR率EGpを算出する。なお、EGR率とは、筒内充填ガス総量に対するEGR量の比率のことである。そして、制御装置100は、目標EGR率EGp及び吸入空気量GAなどに基づき、実際のEGR率が目標EGR率EGpとなるEGRバルブ10の目標開度EAtを算出し、バルブ開度EAが目標開度EAtとなるようにEGRバルブ10の開度を調整する。
EGRバルブ10の開度調整は、モータ60の駆動指令値である駆動デューティ比DRを制御装置100が制御することによって行われる。なお、本実施形態では、バルブシャフト20を開弁方向に変位させる場合には、モータ60が正回転される。モータ60に正回転方向のトルクを発生させる場合には、駆動デューティ比DRを指示する値として正の値が設定される。一方、バルブシャフト20を閉弁方向に変位させる場合には、モータ60が逆回転される。モータ60に逆回転方向のトルクを発生させる場合には、駆動デューティ比DRを指示する値として負の値が設定される。駆動デューティ比DRの値が負の値の場合と正の値の場合とでは、コイル52を流れる電流の向きが逆になるように、コイル52に電力を供給する回路が切り替えられる。
<EGRバルブを閉弁するときに制御装置が実行する処理>
開弁状態のEGRバルブ10に対して閉弁要求がなされた場合、制御装置100は、以下に説明する閉弁処理を実行する。この閉弁処理は、フィードバック処理と、同フィードバック処理の次に実行する切替処理と、同切替処理の次に行う着座処理とを含む。なお、閉弁要求としては、例えば目標EGR率EGpが「0」に設定された場合、あるいはEGRバルブ10に対して強制閉弁要求がなされた場合などが挙げられる。
フィードバック処理(以下、FB処理という)は、バルブ開度EAと目標開度EAt(この場合の目標開度EAtは閉弁位置に対応する開度)との偏差ΔEAに応じて駆動デューティ比DRを設定する処理である。このFB処理は、閉弁要求がなされた場合に最初に実行される処理であり、バルブ開度EAが既定の判定値EAref以下になると終了される。なお、判定値EArefとしては、全閉位置よりもやや大きいバルブ開度、つまり弁部23が全閉に近い位置となっているときのバルブ開度が予め設定されている。また、このFB処理では、例えばPI制御、あるいはPID制御といった周知のフィードバック制御を通じて駆動デューティ比DRが算出される。
このFB処理の実行を通じて弁部23がバルブシート15の近傍にまで近づいてくると、つまり弁部23が全閉付近に近づいてくると、FB処理は終了されて、引き続き切替処理が実行される。
切替処理は、FB処理が終了したタイミングで実行される処理である。そして、この切替処理は、全閉付近に近づいてきた弁部23に対して閉じ側への加速度を一時的に付与することにより、EGRバルブ10が閉弁状態になるまでに要する時間を短くするための処理である。なお、上記判定値EArefとしては、全閉位置よりもやや大きいバルブ開度、つまり弁部23が全閉に近い位置となっているときのバルブ開度が予め設定されている。また、切替処理の詳細については後述する。そして、切替処理が終了すると、引き続き着座処理が実行される。
着座処理は、弁部23がバルブシート15に着座する際の着座速度を抑えることにより着座時の衝撃を和らげる処理である。この着座処理では、予め定めた既定値が駆動デューティ比DRとして設定される。より詳細には、着座処理開始時の駆動デューティ比DRである開始時デューティ比DRcsと、着座時の衝撃を和らげるうえで最適な駆動デューティ比DRである最終デューティ比DRceとが予め設定されている。そして、駆動デューティ比DRが開始時デューティ比DRcsから最終デューティ比DRceに向かって徐々に変化するように駆動デューティ比DRの徐変処理が行われる。なお、開始時デューティ比DRcs及び最終デューティ比DRceには、予め定められた適合値が設定されている。そして、EGRバルブ10が全閉状態になった後、着座処理は終了されて、閉弁処理が終了する。
図3に、切替処理の手順を示す。図3に示す処理は、メモリ120に記憶されたプログラムをCPU110が実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」を付与した数字によってステップ番号を表現する。
本処理を開始すると、まず、CPU110は、デューティ比DRfbfが判定値DRfbfref以上であるか否かを判定する(S110)。
デューティ比DRfbfは、FB処理の終了タイミングであると判定された時点での駆動デューティ比DR、つまり今回の閉弁時におけるFB処理において最後に設定された駆動デューティ比DRである。
また、判定値DRfbfrefは正の値であって、次の値が設定されている。すなわち、デューティ比DRfbfが正の値であって過剰に大きい場合には、弁部23の閉じ側への加速度が小さくなるため、閉弁までに要する時間が長くなるおそれがある。そこで、判定値DRfbfrefには、デューティ比DRfbfが過剰に大きい値となっていることを判定する上で適した値が予め設定されている。
S110にて、デューティ比DRfbfが判定値DRfbfref以上であると判定する場合(S110:YES)、CPU110は、切替時デューティ比DRkを算出する(S120)。この切替時デューティ比DRkは、弁部23に対して閉じ側への加速度を一時的に付与するために設定される駆動デューティ比DRである。ここでは、上記デューティ比DRfbfから既定値αを減じた値が切替時デューティ比DRkに設定される。なお、既定値αは、弁部23に対して閉じ側への加速度を一時的に付与する上で適切な値が予め設定されている。
次に、CPU110は、算出した切替時デューティ比DRkが下限デューティ比DRL以上であるか否かを判定する(S130)。下限デューティ比DRLは、切替時デューティ比DRkの下限を定める値である。この下限デューティ比DRLは、弁部23に対して一時的に付与する閉じ側への加速度が過剰になることを抑えるために、予め適切な値が設定されている。
そして、切替時デューティ比DRkが下限デューティ比DRL以上であると判定する場合(S130:YES)、CPU110は、S120で算出した切替時デューティ比DRkを予め定めた一定期間の間だけ駆動デューティ比DRとして出力する(S140)。そして、CPU110は本処理を終了する。
一方、S130の処理にて、切替時デューティ比DRkが下限デューティ比DRL未満であると判定する場合(S130:NO)、CPU110は、下限デューティ比DRLを予め定めた一定期間の間だけ駆動デューティ比DRとして出力する(S150)。そして、CPU110は本処理を終了する。
また、上記S110にて、デューティ比DRfbfが判定値DRfbfref未満であると判定する場合(S110:NO)、CPU110は、上述したS120~S150の処理を実行することなく、本処理を終了する。
<作用>
図4に、EGRバルブを閉弁するときの各値の変化を示す。図4(A)は駆動デューティ比の変化を示している。また、図4(B)は弁部の閉弁方向への加速度の変化を示している。なお、弁部23の閉じ側への加速度が増加する状態を正の値で示している。加速度が正の値の場合には、EGRバルブ10の閉弁速度が増加する状態であり、同加速度の絶対値が大きいほど閉弁速度の増加割合は大きくなる。また、弁部23の閉じ側への加速度が減少する状態を負の値で示している。加速度が負の値の場合には、EGRバルブ10の閉弁速度が低下する状態であり、同加速度の絶対値が大きいほど閉弁速度の低下割合は大きくなる。そして、図4(C)はバルブ開度の変化を示している。また、図4に示す二点鎖線は、FB処理を終了した後、上記切替処理を行うことなく、ただちに着座処理を開始した場合の各値の変化を示している。
時刻t1においてEGRバルブ10の閉弁要求がなされるとが、FB処理が実行されることにより、駆動デューティ比DRには負の値が設定されてEGRバルブ10は閉弁動作を開始する。
そして、閉弁動作の進行に伴って駆動デューティ比DRは徐々に大きくなっていき、負の値から正の値になる(時刻t2)。このようにして駆動デューティ比DRが正の値になると、その後、負の値であった加速度は「0」に近づいていく。加速度が「0」に近づいていくと、閉弁速度の低下割合が小さくなるため、バルブ開度の変化が遅くなる。
そして、バルブ開度EAが判定値EArefに達すると、FB処理が終了する(時刻t3)。ここで、切替処理を実行することなく、ただちに着座処理を開始すると、次のような不都合が生じるおそれがある。
すなわち、FB処理が終了した時点では、駆動デューティ比DRfbfが正の値であって弁部23の閉じ側への加速度は小さい状態になっている。そのため、着座処理以降のEGRバルブの閉弁速度が遅くなり、閉弁に要する時間が長くなるおそれがある。
一方、本実施形態では、FB処理が終了すると切替処理が実行される。この切替処理が実行されると、駆動デューティ比DRとして上述した切替時デューティ比DRkが設定されるため、弁部23の閉じ側への加速度が一時的に増大される。
その後、時刻t4にて着座処理が開始されると、開始時デューティ比DRcsが駆動デューティ比DRに設定される。そして着座処理の実行中は、駆動デューティ比DRが開始時デューティ比DRcsから最終デューティ比DRceに向かって徐々に変化するように駆動デューティ比DRの徐変処理が行われる。そして、EGRバルブ10が全閉状態になった後、着座処理は終了される。
<効果>
本実施形態の効果を説明する。
(1)上述した切替処理が実行されることにより、着座処理を開始する前に弁部23の閉じ側への加速度が一時的に増大される。そのため、開弁状態のEGRバルブ10を閉弁状態にする際、着座処理以降のEGRバルブ10の閉弁速度が速くなり、閉弁に要する時間が短くなる。従って、切替処理を実行しない場合と比較して、EGRバルブ10を閉弁するときの応答時間を短くすることができる。
(2)EGRバルブ10を閉弁するときの応答時間が短くなるため、燃焼室93へのEGRガスの導入を速やかに遮断できるようになる。従って、燃焼室93への過剰なEGRガスの導入による失火の発生などを抑制できる。
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・図3に示したS110の処理を省略してもよい。
・図3に示した切替処理では、切替時デューティ比DRkに対して下限デューティ比DRLによる下限ガード処理を施したが、そうした下限ガード処理を省略してもよい。
・制御装置100としてCPU110とメモリ120とを備えており、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。例えば、上記実施形態において実行されるソフトウェア処理の少なくとも一部を処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、実行装置は、以下の(a)~(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てをプログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するメモリ等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置及びプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置及びプログラム格納装置を備えたソフトウェア処理回路や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。すなわち、上記処理は、1または複数のソフトウェア処理回路及び1または複数の専用のハードウェア回路の少なくとも一方を備えた処理回路によって実行されればよい。
10…EGRバルブ
15…バルブシート
20…バルブシャフト
23…弁部
31…アクセルポジションセンサ
32…スロットルセンサ
33…エアフロメータ
34…水温センサ
35…クランク角センサ
36…ポジションセンサ
60…モータ
81…EGR通路
90…内燃機関
91…吸気通路
92…スロットルバルブ
93…燃焼室
94…燃料噴射弁
95…点火プラグ
96…排気通路
100…制御装置
110…中央処理装置(CPU)
120…メモリ

Claims (1)

  1. 内燃機関の吸気通路に還流させる排気の流量を調整するEGRバルブの弁部の開度を調整するための駆動指令値を制御する制御装置であって、
    前記制御装置は、
    開弁状態の前記EGRバルブを全閉状態にする際に、
    前記弁部の実際の開度が既定の開度以下になると終了される処理であって、前記弁部の実際の開度と目標開度との偏差に応じて前記駆動指令値を算出するフィードバック処理と、
    前記フィードバック処理が終了したタイミングで実行される処理であって、前記弁部の閉じ側への加速度が一時的に増大するように前記駆動指令値を算出する切替処理と、
    前記切替処理が終了すると実行される処理であって、予め定めた既定値を前記駆動指令値として設定する着座処理と、を実行する
    EGRバルブの制御装置。
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