JP2023009409A - アルミニウム合金部材 - Google Patents

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【課題】高い強度を有し、木目調の模様を長期間に亘って維持することができるアルミニウム合金部材を提供する。【解決手段】アルミニウム合金部材1は、Zn:5.0質量%以上8.5質量%以下、Mg:1.0質量%以上3.0質量%以下、Cu:0.10質量%以上3.0質量%以下、Fe:0.10質量%以上0.60質量%以下、Si:0.10質量%以上0.70質量%以下及びTi:0.001質量%以上0.10質量%以下を含有し、さらに、Zr:0.10質量%以上0.40質量%以下及びCr:0.10質量%以上0.40質量%以下のうち少なくとも1種の元素を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分を有している。アルミニウム合金部材1の金属組織が繊維状組織よりなる。アルミニウム合金部材1は表面に染色アルマイト皮膜3を有しており、染色アルマイト皮膜3が筋状模様を呈している。【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム合金部材に関する。
7000系アルミニウム合金は、アルミニウム合金の中でも高い強度を有しているため、航空機及び車両等の輸送機器の部品や機械部品、スポーツ用品等の種々の用途に使用されている。
一方、建築材料や車両の外装材、電化製品の筐体等の、消費者の目に触れる部分に用いられる部品には、強度の他に、意匠性が求められることがある。例えば、金属からなる部品に木目調の模様を付与しようとする場合には、木目調の模様が印刷された化粧シートを部品に張り付ける方法(例えば、特許文献1)や、部品の表面を切削して木目調の溝模様を形成した後、塗装を施す方法(例えば、特許文献2)等が用いられている。
特開2008-80703号公報 特開2004-338153号公報
化粧シートや塗装を用いて部品の表面に模様を付加した場合、模様が付された皮膜が部品の表面に露出することとなる。しかし、化粧シートや塗膜は、例えば、使用中の劣化などの種々の理由により部品の表面から剥離し、部品の意匠性が損なわれるおそれがある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、高い強度を有し、木目調の模様を長期間に亘って維持することができるアルミニウム合金部材を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、Zn(亜鉛):5.0質量%以上8.5質量%以下、Mg(マグネシウム):1.0質量%以上3.0質量%以下、Cu(銅):0.10質量%以上3.0質量%以下、Fe(鉄):0.10質量%以上0.60質量%以下、Si(シリコン):0.10質量%以上0.70質量%以下及びTi(チタン):0.001質量%以上0.10質量%以下を含有し、さらに、Zr(ジルコニウム):0.10質量%以上0.40質量%以下及びCr(クロム):0.10質量%以上0.40質量%以下のうち少なくとも1種の元素を含有し、残部がAl(アルミニウム)及び不可避的不純物からなる化学成分を有し、
金属組織が繊維状組織よりなり、
表面に染色アルマイト皮膜を有し、
当該染色アルマイト皮膜が筋状模様を呈している、アルミニウム合金部材にある。
前記アルミニウム合金部材は、前記特定の化学成分を有するとともに、繊維状組織からなる金属組織を有しているため、高い強度を有している。
また、前記特定の化学成分および金属組織を備えたアルミニウム合金の表面にアルマイト皮膜を形成することにより、アルミニウム合金の金属光沢を低減することができる。さらに、前記特定の化学成分および金属組織を備えたアルミニウム合金の表面に形成されるアルマイト皮膜には、互いに色調の異なる領域が存在しており、これらの領域が筋状に配置されている。そのため、このようなアルマイト皮膜を染色することにより、金属光沢が少なく、筋状模様を有する染色アルマイト皮膜を形成し、アルミニウム合金部材の表面に木目調の模様を付与することができる。
染色アルマイト皮膜は、主としてアルミニウムの酸化物から構成されているため、耐久性に優れている。また、染色アルマイト皮膜は、基材であるアルミニウム合金との密着性に優れているため、基材から剥離しにくい。それ故、前記アルミニウム合金部材は、木目調の模様を長期間に亘って維持することができる。
以上のように、前記の態様によれば、木目調の模様を長期間に亘って維持することができるアルミニウム合金部材を提供することができる。
図1は、実施例におけるアルミニウム合金部材の要部を示す一部断面図である。 図2は、実施例における染色アルマイト皮膜の金属顕微鏡像の一例である。 図3は、実施例における、染色アルマイト皮膜の筋状模様の空間周波数スペクトルの一例を示す説明図である。
前記アルミニウム合金部材は、前記特定の化学成分及び金属組織を有する基材と、前記基材上に形成された染色アルマイト皮膜とを有している。まず、前記アルミニウム合金部材における基材の化学成分、金属組織及びこれらの限定理由を説明する。
・Zn(亜鉛):5.0質量%以上8.5質量%以下
前記アルミニウム合金部材中には、必須成分として、5.0質量%以上8.5質量%以下のZnが含まれている。Znは、Mgとともに前記アルミニウム合金部材中にη’相として存在しており、析出強化によって前記アルミニウム合金部材の強度を向上させる作用を有している。
前記アルミニウム合金部材中のZnの含有量を5.0質量%以上とすることにより、アルミニウム合金部材の強度を高めることができる。Znの含有量が5.0質量%未満の場合には、アルミニウム合金部材中に形成されるη’相の量が少なくなり、アルミニウム合金部材の強度の低下を招くおそれがある。
一方、Znの含有量が8.5質量%を超える場合には、アルミニウム合金部材の製造過程における熱間加工性の低下を招くおそれがある。
・Mg(マグネシウム):1.0質量%以上3.0質量%以下
前記アルミニウム合金部材中には、必須成分として、1.0質量%以上3.0質量%以下のMgが含まれている。Mgは、Znとともに前記アルミニウム合金部材中にη’相として存在しており、析出強化によって前記アルミニウム合金部材の強度を向上させる作用を有している。
また、Mgは、アルミニウム合金中への金属間化合物の析出を促進する作用を有している。金属間化合物は、陽極酸化処理の前処理において優先的にエッチングされやすいため、エッチング後のアルミニウム合金の表面には、金属間化合物に由来する微細な凹凸が形成されると推測される。このようなアルミニウム合金に陽極酸化処理を施すことにより、アルマイト皮膜が形成されたアルミニウム合金部材の表面の金属光沢を低減することができると推測される。
アルミニウム合金部材中のMgの含有量を1.0質量%以上とすることにより、アルミニウム合金部材の強度を高めるとともに、アルミニウム合金部材の表面の金属光沢を低減することができる。Mgの含有量が1.0質量%未満の場合には、アルミニウム合金部材中に形成されるη’相の量が少なくなる。また、この場合には、アルミニウム合金部材の表面の金属光沢を低減することが難しくなるおそれがある。
一方、Mgの含有量が3.0質量%を超える場合には、アルミニウム合金部材の製造過程における熱間加工性の低下を招くおそれがある。
・Cu(銅):0.10質量%以上3.0質量%以下
前記アルミニウム合金部材中には、必須成分として、0.10質量%以上3.0質量%以下のCuが含まれている。Cuは、固溶強化によりアルミニウム合金部材の強度を向上させる作用を有している。また、Cuは、陽極酸化処理により形成されるアルマイト皮膜の色調に黄色味を付与する作用を有している。
前記アルミニウム合金部材中のCuの含有量を0.10質量%以上とすることにより、前記アルミニウム合金部材の強度を向上させることができる。さらに、Cuの含有量を0.10質量%以上とすることにより、アルミニウム合金部材の表面に形成されるアルマイト皮膜自体の色調に黄色味を付与し、前記アルミニウム合金部材の質感をより木材の質感に近づけることができる。Cuの含有量が0.10質量%未満の場合には、アルミニウム合金部材の強度の低下を招くおそれがある。
一方、Cuの含有量が3.0質量%を超える場合には、アルミニウム合金部材の製造過程における熱間加工性の低下を招くおそれがある。
・Fe(鉄):0.10質量%以上0.60質量%以下及びSi(シリコン):0.10質量%以上0.70質量%以下
前記アルミニウム合金部材中には、必須成分として、0.10質量%以上0.60質量%以下のFe及び0.10質量%以上0.70質量%以下のSiが含まれている。Fe及びSiは、アルミニウム合金部材の製造過程における再結晶を抑制し、繊維状組織の形成を促進する作用を有している。また、Fe及びSiは、陽極酸化処理後におけるアルミニウム合金部材の表面の光沢度を低下させる作用を有している。
アルミニウム合金部材中のFeの含有量及びSiの含有量を前記特定の範囲内とすることにより、アルミニウム合金部材の表面の光沢度を適度に低下させ、より木目調に近い模様を付与することができる。Feの含有量またはSiの含有量のうち少なくとも一方が0.10質量%未満の場合には、陽極酸化処理後におけるアルミニウム合金部材の表面の金属光沢が過度に強くなり、所望の質感を備えたアルミニウム合金部材を得ることが難しくなるおそれがある。
一方、Feの含有量が0.60質量%を超える場合、または、Siの含有量が0.70質量%を超える場合には、アルミニウム合金部材中に粗大な金属間化合物が形成されやすくなる。このような粗大な金属間化合物が存在すると、陽極酸化処理後のアルミニウム合金の表面に点状欠陥が発生し、外観特性の悪化を招くおそれがある。
・Ti(チタン):0.001質量%以上0.10質量%以下
前記アルミニウム合金部材中には、必須成分として、0.001質量%以上0.10質量%以下のTiが含まれている。Tiは、前記アルミニウム合金部材の製造過程において、鋳塊の結晶粒を微細化する作用を有している。アルミニウム合金部材中のTiの含有量を前記特定の範囲とすることにより、陽極酸化処理前のアルミニウム合金部材の金属組織を繊維状組織とすることができる。そして、かかるアルミニウム合金部材に陽極酸化処理及び染色を施すことにより、アルミニウム合金部材の表面に前記染色アルマイト皮膜を形成し、アルミニウム合金部材の表面に木目調の模様を付与することができる。
アルミニウム合金部材中のTiの含有量が0.001質量%未満の場合には、前記アルミニウム合金部材の製造過程において、鋳塊中に粗大な結晶粒が形成されやすくなる。鋳塊中に粗大な結晶粒が形成されると、陽極酸化処理前のアルミニウム合金部材の金属組織中に等軸状組織が形成されやすくなる。その結果、アルミニウム合金部材の表面の一部に木目調とは異なる模様が付与され、外観特性の悪化を招くなるおそれがある。一方、Tiの含有量が0.10質量%を超える場合には、アルミニウム合金部材中に粗大なAl-Ti系金属間化合物等が形成されやすくなる。このような粗大な金属間化合物が存在すると、陽極酸化処理後のアルミニウム合金の表面に点状欠陥が発生し、外観特性の悪化を招くおそれがある。
・Zr(ジルコニウム):0.10質量%以上0.40質量%以下及び/またはCr(クロム):0.10質量%以上0.40質量%以下
前記アルミニウム合金部材中には、0.10質量%以上0.40質量%のZr及び0.10質量%以上0.40質量%以下のCrのうち少なくとも1種の元素が含まれている。
Zrは、アルミニウム合金部材中にAl-Zr系金属間化合物を形成し、製造過程におけるアルミニウム合金部材の再結晶を抑制する作用を有している。アルミニウム合金部材中のZrの含有量を前記特定の範囲とすることにより、陽極酸化処理前のアルミニウム合金部材の金属組織を繊維状組織とすることができる。そして、かかるアルミニウム合金部材に陽極酸化処理及び染色を施すことにより、アルミニウム合金部材の表面に前記染色アルマイト皮膜を形成し、アルミニウム合金部材の表面に木目調の模様を付与することができる。
アルミニウム合金部材中のZrの含有量が0.10質量%未満の場合には、製造過程において前記アルミニウム合金部材が再結晶しやすくなり、陽極酸化処理前のアルミニウム合金部材の金属組織中に、再結晶により等軸状組織が形成されやすくなる。そして、等軸状組織と繊維状組織とが混在したアルミニウム合金部材に対して陽極酸化処理及び染色を施した場合、アルミニウム合金部材の表面の一部に木目調とは異なる模様が付与され、外観特性の悪化を招くおそれがある。一方、Zrの含有量が0.40質量%を超える場合には、アルミニウム合金部材中に粗大な金属間化合物等が形成されやすくなる。このような粗大な金属間化合物が存在すると、陽極酸化処理後のアルミニウム合金の表面に点状欠陥が発生し、外観特性の悪化を招くおそれがある。
Crは、アルミニウム合金部材中にAl-Cr系金属間化合物を形成し、製造過程におけるアルミニウム合金部材の再結晶を抑制する作用を有している。また、Crは、陽極酸化処理により形成されるアルマイト皮膜の色調に黄色味を付与する作用を有している。アルミニウム合金部材中のCrの含有量を前記特定の範囲とすることにより、陽極酸化処理前のアルミニウム合金部材の金属組織を繊維状組織とすることができる。また、かかるアルミニウム合金部材に陽極酸化処理及び染色を施すことにより、アルミニウム合金部材の表面に前記染色アルマイト皮膜を形成し、アルミニウム合金部材の表面に木目調の模様を付与することができる。さらに、前記特定の範囲のCrを含むアルミニウム合金部材の表面に形成されるアルマイト皮膜は黄色味を帯びているため、前記アルミニウム合金部材の質感をより木材の質感に近づけることができる。
アルミニウム合金部材中のCrの含有量が0.10質量%未満の場合には、製造過程において前記アルミニウム合金部材が再結晶しやすくなり、陽極酸化処理前のアルミニウム合金部材の金属組織中に、再結晶により等軸状組織が形成されやすくなる。そして、等軸状組織と繊維状組織とが混在したアルミニウム合金部材に対して陽極酸化処理及び染色を施した場合、アルミニウム合金部材の表面の一部に木目調とは異なる模様が付与され、外観特性の悪化を招くおそれがある。一方、Crの含有量が0.40質量%を超える場合には、アルミニウム合金部材中に粗大な金属間化合物等が形成されやすくなる。このような粗大な金属間化合物が存在すると、陽極酸化処理後のアルミニウム合金の表面に点状欠陥が発生し、外観特性の悪化を招くおそれがある。
・Mn(マンガン):0.10質量%以上1.0質量%以下
前記アルミニウム合金部材中には、任意成分として、0.10質量%以上1.0質量%以下のMnが含まれていてもよい。Mnは、アルミニウム合金部材中にAl-Mn系金属間化合物やAl-Mn-Fe系金属間化合物、Al-Mn-Fe-Si系金属間化合物等の金属間化合物を形成し、アルミニウム合金部材の製造過程における再結晶を抑制する作用を有している。また、Mnは、Fe及びSiと同様に、陽極酸化処理後におけるアルミニウム合金部材の表面の光沢度を低下させる作用を有している。
アルミニウム合金部材中のMnの含有量を前記特定の範囲内とすることにより、アルミニウム合金部材の表面の模様をより木目調に近づけることができる。
・その他の元素
前記アルミニウム合金部材中には、前述した元素の他に、製造過程において不可避的に混入する不可避的不純物が含まれている。不可避的不純物としての元素の含有量は、それぞれの元素について0.05質量%以下であり、かつ、含有量の合計が0.15質量%以下である。
また、前記アルミニウム合金部材中には、前述した作用効果を損なわない範囲であれば、前述した元素以外の元素が含まれていてもよい。
・金属組織
前記アルミニウム合金部材は、繊維状組織からなる金属組織を有している。前記特定の化学成分に加え、繊維状組織からなる金属組織を備えたアルミニウム合金部材の表面に陽極酸化処理を施すと、互いに色調の異なる領域が存在しており、かつ、これらの領域が筋状に配置されたアルマイト皮膜をアルミニウム合金部材の表面に形成することができる。このようなアルマイト皮膜に染色を施すことにより、金属光沢が少なく、筋状模様を有する染色アルマイト皮膜を形成することができる。その結果、アルミニウム合金部材の表面に木目調の模様を付与することができる。
繊維状組織からなる金属組織を備えたアルミニウム合金部材の表面に陽極酸化処理を施した際に前記特定の態様のアルマイト皮膜が形成される理由としては、例えば、以下のような理由が考えられる。一般的に、アルミニウム合金が再結晶した場合、再結晶により形成された等軸状組織においては、結晶方位が特定の方向に配向しておらず、種々の結晶方位を有する結晶粒が無秩序に配置されている。一方、繊維状組織は、展伸加工によって加工方向に引き伸ばされた結晶粒を有している。
結晶粒のエッチングのされやすさは結晶方位によって異なっており、エッチングを施した際には、エッチングされやすい結晶面がエッチングされにくい結晶面よりも早くエッチングされる。これにより、エッチングされやすい結晶面にエッチングピットが形成される。それ故、繊維状組織を備えたアルミニウム合金部材にエッチングを施すと、展伸方向に延在する結晶粒の結晶方位に応じてエッチングピットが形成され、エッチングピットが多い筋状の結晶粒とエッチングピットが少ない筋状の結晶粒とが生じると考えられる。そして、このような表面状態のアルミニウム合金部材に陽極酸化処理及び染色を施すことにより、繊維状組織における結晶粒の形状および個々の結晶粒におけるエッチングピットの数に応じてアルマイト皮膜の染色状態を変化させ、筋状模様を備えたアルマイト皮膜を形成することができると考えられる。
なお、前述した繊維状組織とは、圧延や押出、鍛造等の展伸加工によって加工方向に引き伸ばされた多数の結晶粒を備えた組織をいう。繊維状組織は、例えば、倍率25~100倍の金属顕微鏡を用いて加工方向に平行な断面を観察した場合に、加工方向に延びる筋状の模様として観察される。また、等軸状組織とは、多数の等軸な結晶粒を備えた組織をいう。等軸状組織は、例えば、倍率25~100倍の金属顕微鏡を用いて加工方向に平行な断面を観察した場合に、長径と短径との差が比較的小さい粒状の模様として観察される。
前記アルミニウム合金部材における、繊維状組織を構成する結晶粒の幅は30μm以上であることが好ましい。この場合には、アルミニウム合金部材の表面の模様をより木目調に近づけることができる。繊維状組織における結晶粒の幅は、以下の方法により算出される値である。まず、アルミニウム合金部材の加工方向に平行な断面を露出させる。この断面を研磨し、次いで電解エッチングを施した後、倍率100~500倍の金属顕微鏡を用いて断面を観察する。このようにして得られた偏光顕微鏡像において、加工方向に直交する方向における結晶粒の長さの最大値を、各結晶粒の幅とする。
・染色アルマイト皮膜
前記アルミニウム合金部材の表面には、染料によって染色された染色アルマイト皮膜が設けられている。染色アルマイト皮膜は、具体的には、ポーラス型のアルマイト皮膜における細孔内に染料が封入された構造を有している。染色アルマイト皮膜に用いられる染料は特に限定されることはなく、例えば、赤色系染料や青色系染料、緑色系染料、紫色系染料、橙色系染料、茶色系染料、褐色系染料、黄色系染料等の種々の色調を有する染料を使用することができる。また、染色アルマイト皮膜には、1種類の染料が含まれていてもよいし、2種類以上の染料が含まれていてもよい。
アルミニウム合金部材の質感をより木材の質感に近づける観点からは、染色アルマイト皮膜は、茶色系染料を含んでいることが好ましい。茶色系染料としては、例えば、奥野製薬工業株式会社製「TAC Orange-LH」、「TAC Orange-CH」)、「TAC Brown-GR」及び「TAC Brown-RH」等を使用することができる。
また、染色アルマイト皮膜は筋状模様を呈している。染色アルマイト皮膜の筋状模様は、前記アルミニウム合金部材の表面を撮像して得られるグレースケール画像に、前記アルミニウム合金部材の展伸方向に直交する方向のフーリエ変換処理を施して得られた空間周波数スペクトルにおいて、最大の振幅を有する空間周波数成分に対応する波長が700μm以上1500μm以下の範囲内にある特性を有していることが好ましい。
前記空間周波数スペクトルを生成するに当たり、アルミニウム合金部材の撮像方法としては、アルミニウム合金部材の表面の模様を再現できる方法であれば、どのような方法であってもよい。例えば、スキャナやデジタルカメラ等を用いてアルミニウム合金部材の表面を撮像し、得られたカラー画像をグレースケール画像に変換してもよい。
このようにして得られたグレースケール画像上に、アルミニウム合金部材の展伸方向に対して直交する方向に延在した複数の測定領域を無作為に設定する。各測定領域の幅は、例えば1ピクセルとし、長さは、実際のアルミニウム合金部材における長さが3mm~5mmの範囲となるように設定すればよい。このような測定領域のそれぞれに対してアルミニウム合金部材の展伸方向に直交する方向の高速フーリエ変換処理を施すことにより、各測定領域における空間周波数スペクトルを生成する。そして、これらの空間周波数スペクトルを平均することにより、前記染色アルマイト皮膜の筋状模様の、展伸方向に直交する方向における空間周波数スペクトルを生成する。
前記グレースケール画像におけるアルミニウム合金部材の展伸方向に直交する方向の階調の分布は、種々の波長を有する正弦波の足し合わせとして表現することができる。それ故、前記グレースケール画像に高速フーリエ変換処理を施して得られる空間周波数スペクトルには、グレースケール画像における、アルミニウム合金部材の展伸方向に直交する方向の階調の平均的な周期性が現れている。
そして、前記空間周波数スペクトルにおける最大の振幅を有する空間周波数成分に対応する波長は、前記アルミニウム合金部材の表面の模様の周期と概ね等しい値となる。従って、前記空間周波数スペクトルにおいて、最大の振幅を有する空間周波数成分に対応する波長が前記特定の範囲内である場合、アルミニウム合金部材の表面に、明度の高い領域と明度の低い領域とが、概ね700μm以上1500μm以下の周期でアルミニウム合金部材の展伸方向に直交する方向に交互に配置されている。このような特性を有するアルミニウム合金部材は、より天然の木目に近い模様を有している。
前記空間周波数スペクトルは、波長700μm以上1500μm以下の範囲内に最大の振幅を有する空間周波数成分を有するとともに、波長300μm以上1500μm以下の範囲に、前記空間周波数スペクトルにおける振幅の最大値に対して0.5倍以上1倍未満の振幅を有する空間周波数成分を有していることがより好ましい。この場合には、前記染色アルマイト皮膜の筋状模様における、アルミニウム合金部材の展伸方向に直交する方向の周期に適度なゆらぎを与え、前記アルミニウム合金部材の表面の模様を天然の木目により近づけることができる。
また、前記染色アルマイト皮膜の筋状模様は、前記アルミニウム合金部材の表面を撮像して得られるグレースケール画像に、前記アルミニウム合金部材の展伸方向のフーリエ変換処理を施して得られた空間周波数スペクトルにおける波長700μm以上1500μm以下の範囲の振幅の最大値Aと、前記アルミニウム合金部材の展伸方向に直交する方向のフーリエ変換処理を施して得られた空間周波数スペクトルにおける波長700μm以上1500μm以下の範囲の振幅の最大値Aとの比A/Aが、3以上である特性を有していることが好ましく、4以上である特性を有していることがより好ましく、5以上である特性を有していることがさらに好ましい。
この場合には、前記アルミニウム合金部材の表面の模様における、700μm以上1500μm以下の周期での展伸方向への周期的な色調の変動が、700μm以上1500μm以下の周期での展伸方向に直交する方向への周期的な色調の変動よりも十分に小さくなる。その結果、前記アルミニウム合金部材の表面の模様を天然の木目により近づけることができる。
なお、アルミニウム合金部材の展伸方向における空間周波数スペクトルの生成方法は、測定領域を展伸方向に延在するように設定し、各測定領域に対して展伸方向の高速フーリエ変換処理を施す以外は、前述した展伸方向に直交する方向における空間周波数スペクトルの生成方法と同様である。
前記アルミニウム合金部材は、例えば、以下の方法により作製されていてもよい。すなわち、前記化学成分及び金属組織を備えたアルマイト前部材を準備し、
前記アルマイト前部材の表面にエッチング処理を含む前処理を施し、
次いで、前記アルマイト前部材に陽極酸化処理を施して表面にアルマイト皮膜を形成し、
前記アルマイト皮膜に染料を含浸させた後封孔処理を施すことにより前記染色アルマイト皮膜を形成することにより、前記アルミニウム合金部材を得ることができる。
前記製造方法に用いるアルマイト前部材は、例えば、前記化学成分を有する鋳塊を作製した後、
前記鋳塊を400℃以上600℃以下の温度に2時間以上20時間以下保持して均質化処理を行い、
均質化処理後の鋳塊に熱間押出を行って押出材を作製し、
その後、前記押出材に人工時効処理を施すことにより、アルマイト前部材を得ることができる。
アルマイト前部材を作成するに当たり、鋳塊の作製方法は特に限定されることはなく、DC鋳造やCC鋳造などの種々の鋳造方法を採用することができる。
均質化処理においては、保持温度及び保持時間をそれぞれ前記特定の範囲とすることにより、鋳塊を十分に均質化することができる。均質化処理における保持温度は、450℃以上580℃以下であることが好ましく、480℃以上560℃以下であることがより好ましい。また、均質化処理における保持時間は、3時間以上15時間以下であることが好ましく、4時間以上10時間以下であることがより好ましい。
保持温度が前記特定の範囲よりも低い場合、または、保持時間が前記特定の範囲よりも短い場合には、鋳塊の均質化が不十分となり、最終的に得られるアルミニウム合金部材の外観特性の悪化を招くおそれがある。一方、保持温度が前記特定の範囲よりも高い場合には、均質化処理中にアルミニウム合金部材、特に7000系合金からなるアルミニウム合金部材が局所的に溶融するおそれがある。また、保持時間が前記特定の範囲よりも長い場合には、生産性の悪化を招くおそれがある。
均質化処理を行った後、鋳塊に熱間押出を行い、押出材を作製する。熱間押出における押出比を大きくするほど、鋳塊の結晶を展伸方向に引き伸ばし、細長い結晶粒を有する繊維状組織を形成することができる。そのため、熱間押出における押出比を調整することにより、最終的に得られる筋状模様の空間周波数を調整することができる。その後、押出材に人工時効処理を施すことにより、アルマイト前部材を得ることができる。熱間押出の押出条件、人工時効処理における保持時間及び保持温度は、アルミニウム合金部材の化学成分に応じて適宜設定すればよい。
前記アルミニウム合金部材の製造方法においては、このようにして得られたアルマイト前部材に前処理を施す。前処理には、少なくともエッチング処理が含まれていればよい。また、前処理には、アルマイト前部材の状態に応じて、脱脂処理やバフ研磨、化学研磨などの、エッチング処理以外の処理が含まれていてもよい。また、前処理には、エッチング処理によって生じたスマットを除去するためのデスマット処理が含まれていてもよい。
例えば、アルマイト前部材が繊維状組織からなる金属組織を有している場合には、必要に応じて脱脂処理を施した後、エッチング処理を行うことにより、アルマイト前部材の表面を所望の状態に調整することができる。
また、例えば、アルマイト前部材の製造過程において押出材の表面が再結晶することにより、アルマイト前部材の内部の金属組織が繊維状組織からなり、最表面に等軸状組織を含む再結晶組織層が形成されていることがある。このようにして形成される再結晶組織層の厚みは、例えば、5μm以上200μm以下である。
内部の金属組織が繊維状組織からなり、最表面に再結晶組織層を有するアルマイト前部材に前処理を施す場合には、前処理において再結晶組織層を除去して繊維状組織を露出させた後、エッチング処理を行えばよい。再結晶組織層を除去する方法は特に限定されることはないが、例えば、面削加工などの方法によって機械的に再結晶組織層を除去する方法を採用してもよい。
エッチング処理においては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液をアルマイト前部材の表面に接触させることにより、アルマイト前部材の表面をエッチングする。
前処理が完了した後、アルマイト前部材に陽極酸化処理を施すことにより、表面にアルマイト皮膜が形成されたアルミニウム合金部材を得ることができる。陽極酸化処理の具体的な処理条件は、ポーラス型のアルマイト皮膜を形成することができる条件であれば、特に限定されることはない。例えば、陽極酸化処理においては、リン酸と硝酸との混合水溶液中で直流電解を行うことにより、アルミニウム合金部材の表面にポーラス型のアルマイト皮膜を形成することができる。
このようにして形成されたアルマイト皮膜に染料を含浸させた後、アルマイト皮膜の細孔を封鎖する封孔処理を行うことにより、アルマイト皮膜内に染料を封入し、染色アルマイト皮膜とすることができる。
(実施例)
前記アルミニウム合金部材の及びその製造方法の実施例を、図1~図3を参照しつつ説明する。図1に示すように、本例のアルミニウム合金部材1は、基材2と、基材2上に形成された染色アルマイト皮膜3とを有している。基材2は、Zn:7.0質量%、Mg:1.3質量%、Cu:0.1質量%、Fe:0.2質量%、Si:0.1質量%及びTi:0.1質量%及びZr:0.14質量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分を有している。また、基材2の金属組織は繊維状組織から構成されている。染色アルマイト皮膜3は、図2に示すように筋状模様を呈している。
本例のアルミニウム合金部材は、例えば、以下の方法により作製することができる。まず、半連続鋳造により、前述した化学成分を有する直径90mmの円柱状の鋳塊を作製する。次いで、鋳塊を500℃の温度で12時間保持して均質化処理を行う。その後、500℃の鋳塊に熱間押出を施し、押出材を作製する。押出材の形状は、例えば、幅150mm、厚み10mmの板状とすることができるが、かかる形状に限定されることはない。
その後、押出材に人工時効処理を施すことにより、アルマイト前部材を得ることができる。
このようにして得られるアルマイト前部材に、前処理としてバフ研磨、エッチング処理、デスマット処理及び化学研磨処理を順次行う。エッチング処理においては、バフ研磨後のアルマイト前部材を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してアルマイト前部材の表面にエッチングを施す。また、化学研磨処理においては、温度90℃のリン酸と硝酸との混合水溶液中にアルマイト前部材を1分間浸漬することにより、化学研磨を行う。
次に、前処理が完了したアルマイト前部材に陽極酸化処理を施し、厚み10μmのアルマイト皮膜を備えたアルミニウム合金部材を作製する。陽極酸化処理における電解液は濃度15%の硫酸水溶液とし、電流密度150mA/mの直流電流を用いて陽極酸化処理を行う。
陽極酸化処理後のアルミニウム合金部材を水洗した後、乾燥させる。その後、アルマイト皮膜に茶色系染料を含浸させる。そして、アルミニウム合金部材を沸騰水に浸漬して封孔処理を行うことにより、基材2上に染色アルマイト皮膜3を有するアルミニウム合金部材1を得ることができる。
アルミニウム合金部材の表面の模様は、金属顕微鏡による観察及び染色アルマイト皮膜の筋状模様の空間周波数スペクトルに基づいて評価することができる。
本例のアルミニウム合金部材の表面の模様を金属顕微鏡を用いて観察すると、図2に示すような、比較的明るい色調を有する領域と比較的暗い色調を有する領域とがアルミニウム合金部材の展伸方向に対して直交する方向に交互に配置された筋状の模様を有していることが理解できる。目視観察の結果、本例のアルミニウム合金部材の模様は木目調と認められる。
また、アルミニウム合金部材の表面を撮像してグレースケール画像を取得した後、グレースケール画像上に、アルミニウム合金部材の展伸方向に直交する方向に延在する5か所の評価領域を無作為に設定する。各評価領域は直線状を呈しており、評価領域の長さは1024ピクセル、幅は1ピクセルとする。なお、評価領域の長さは、実際のアルミニウム合金部材上の長さに換算すると約4.45mmとなる。これらの評価領域それぞれに対してアルミニウム合金部材の展伸方向に直交する方向の高速フーリエ変換処理を施すことにより、各評価領域の空間周波数スペクトルを生成する。そして、これらの空間周波数スペクトルを平均することにより、アルミニウム合金部材の展伸方向に直交する方向における、染色アルマイト皮膜の筋状模様の空間周波数スペクトルを生成することができる。
また、前記グレースケール画像上に、アルミニウム合金部材の展伸方向に延在する5か所の評価領域を無作為に設定する。各評価領域は直線状を呈しており、評価領域の長さは1024ピクセル、幅は1ピクセルとする。これらの評価領域それぞれに対してアルミニウム合金部材の展伸方向のフーリエ変換処理を施すことにより、各評価領域の空間周波数スペクトルを生成する。そして、これらの空間周波数スペクトルを平均することにより、アルミニウム合金部材の展伸方向における、染色アルマイト皮膜の筋状模様の空間周波数スペクトルを生成することができる。
図3に、展伸方向に直交する方向及び展伸方向における染色アルマイト皮膜の筋状模様の空間周波数スペクトルを示す。なお、図3の縦軸は空間周波数成分の振幅であり、横軸は空間周波数成分の波長である。
図3に示すように、本例のアルミニウム合金部材における染色アルマイト皮膜の筋状模様は、前記グレースケール画像に展伸方向に直交する方向におけるフーリエ変換処理を施して得られる空間周波数スペクトルにおいて、振幅が最大となる空間周波数成分の波長が1100μmとなる特性を有している。また、前記グレースケール画像に展伸方向におけるフーリエ変換処理を施して得られる空間周波数スペクトルにおける、波長700μm以上1500μm以下の範囲の振幅の最大値Aと、前記グレースケール画像に展伸方向に直交する方向におけるフーリエ変換処理を施して得られる空間周波数スペクトルにおける、波長700μm以上1500μm以下の範囲の振幅の最大値A2との比A/Aは約4.3である。
以上のように、前記特定の化学成分および金属組織を有するとともに、表面に染色アルマイト皮膜3を備えたアルミニウム合金部材1は、表面の模様が木目調となる。また、前記アルミニウム合金部材1は、7000系合金から構成されているため、高い強度を有している。さらに、前記アルミニウム合金部材1の模様は染色アルマイト皮膜3によって形成されているため、木目調の模様を長期間に亘って維持することができる。
(比較例)
本例のアルミニウム合金部材は、基材の化学成分および金属組織が実施例のアルミニウム合金部材とは異なっている。具体的には、本例のアルミニウム合金部材における基材は、Mg:0.6質量%及びSi:0.4質量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分を有している。また、基材の金属組織は等軸状組織から構成されている。基材の表面には、染色アルマイト皮膜が形成されている。本例のアルミニウム合金部材の作製方法は、ビレットの化学成分が異なる以外は、実施例のアルミニウム合金部材の作製方法と同様である。
本例のアルミニウム合金部材は、化学成分および金属組織が前記特定の態様とは異なっている。そのため、本例のアルミニウム合金部材の表面には、筋状の模様が認められず、表面全体が均一な質感を有している。
以上、前記実施例に基づいて本発明に係るアルミニウム合金部材の具体的な態様を説明したが、本発明に係るアルミニウム合金部材の具体的な態様は、実施例の態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜構成を変更することができる。
1 アルミニウム合金部材
2 基材
3 染色アルマイト皮膜

Claims (4)

  1. Zn:5.0質量%以上8.5質量%以下、Mg:1.0質量%以上3.0質量%以下、Cu:0.10質量%以上3.0質量%以下、Fe:0.10質量%以上0.60質量%以下、Si:0.10質量%以上0.70質量%以下及びTi:0.001質量%以上0.10質量%以下を含有し、さらに、Zr:0.10質量%以上0.40質量%以下及びCr:0.10質量%以上0.40質量%以下のうち少なくとも1種の元素を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分を有し、
    金属組織が繊維状組織よりなり、
    表面に染色アルマイト皮膜を有し、
    当該染色アルマイト皮膜が筋状模様を呈している、アルミニウム合金部材。
  2. 前記アルミニウム合金部材は、さらに、Mn:0.10質量%以上1.0質量%以下を含んでいる、請求項1に記載のアルミニウム合金部材。
  3. 前記染色アルマイト皮膜は、茶色系染料を含んでいる、請求項1または2に記載のアルミニウム合金部材。
  4. 前記筋状模様は、前記アルミニウム合金部材の表面を撮像して得られるグレースケール画像に、前記アルミニウム合金部材の展伸方向に直交する方向のフーリエ変換処理を施して得られた空間周波数スペクトルにおいて、最大の振幅を有する空間周波数成分に対応する波長が700μm以上1500μm以下の範囲内にある特性を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金部材。
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