JP2023009375A - 木製部材内への補強筋埋設方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 誘電加熱方法と熱伝導加熱方法の双方を用いて、木製部材を非接合部材に短時間で確実に且つ強固に接合するための方法、及び、木製部材を短時間で且つ強固に補強するための方法の提供。【解決手段】 本発明に係る木製部材内への補強筋埋設方法は、木製部材内に補強筋を埋設する方法であって、上記木製部材に補強筋埋設用孔を穿設する孔穿設工程と、該補強筋埋設用孔に上記補強筋を挿入する補強筋挿入工程と、上記補強筋埋設用孔内にエポキシ系接着剤を充填する接着剤充填工程と、上記補強筋埋設用孔の長手方向に沿って且つ上記木製部材を挟んで一対の電極を配し高周波電力を印加する印加工程と、該印加によって上記木製部材内の上記接着剤を加熱して当該接着剤を硬化させる接着剤硬化工程を備え、該接着剤硬化工程において、上記木製部材の内部温度が100℃を超えないように上記高周波電力の印加を調整する。【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば木製部材(木製の柱等)を接合部材として木製梁やコンクリート基礎、鋼材等の被接合部材と補強筋を介して接合する場合や、木製部材自体を補強する場合に、木製部材内に充填した接着剤を用いて補強筋を埋設する方法に関する。
従来、下記特許文献1,2に示すように、木製部材を接合するにあたり、被接合部材側に固定されている補強筋を当該木製部材内に接着剤を介して埋設することにより、当該木製部材と被接合部材とを強固に接合することが一般的に行われている。
この場合、接着剤の硬化促進のために、充填前の接着剤を予め温めると共に、充填された接着剤が存する箇所の周りを毛布などで覆って加熱する方法等が採られていたが、このような熱伝導加熱方法では温度上昇のスピードが遅いと共に木製部材内部の接着剤を効果的に加熱することは困難であるため、当然に接着剤の硬化促進への貢献は限定的なものであった。
他方、集成材をはじめとした木製部材の製造現場において、木製ラミナを集成接着する際に、複数のラミナを所望構成に配列し、これら木製ラミナを上下左右から加圧しつつ、高周波電力を印加してレゾルシノール系接着剤の硬化促進を図ることが知られている。たとえば、下記特許文献3には、木製板と樹脂製板の積層接着において、高周波電力による加熱で接着剤の硬化促進を図ることが開示されている。
したがって、下記特許文献3に開示されている木製材料の接着における高周波電力の印加による誘電加熱を、下記特許文献1,2に示すような木製部材内への補強筋埋設に適用する発想は当業者であれば容易になし得る。
実公平7-34962号公報 特許第4704863号公報 特開2011-167986号公報
誘電加熱においては、誘電体損失係数が高いものから順に加熱される特性を有しており、木製部材同士の接着に用いられるレゾシノール系接着剤のように木製部材よりも誘電体損失係数が高い接着剤であれば、当該接着剤を優先的に加熱し、有効に硬化促進を図ることができるものの、補強筋の埋設に用いられるエポキシ系接着剤のように木製部材よりも誘電体損失係数が低い接着剤の場合、当該接着剤よりも先に木製部材が加熱され内部温度が高温となってしまい、この過加熱により当該木製部材自身が材色変化や強度劣化してしまうことが知られている。
よって、エポキシ系接着剤を用いた木製部材内への補強筋の埋設においては、熱伝導加熱による問題点を解消するために、誘電加熱による接着剤硬化促進を想起することはあっても、接着剤よりも先に木製部材の内部が高温になってしまう問題点を考慮して実施はされていないのが実情である。
本発明者は、上述した熱伝導加熱方法の問題点と誘電加熱方法の問題点を、これら両加熱方法をハイブリッドに用いることにより解消できることを見出し、本発明を想到するに至ったものである。
本発明に係る補強筋埋設方法は、誘電加熱方法と熱伝導加熱方法の双方を用いて、木製部材を被接合部材に短時間で確実に且つ強固に接合するための方法、及び、木製部材を短時間で且つ強固に補強するための方法を提供するものである。
要述すると、本発明に係る木製部材内への補強筋埋設方法(以下、単に「補強筋埋設方法」という。)は、木製部材内に補強筋を埋設する方法であって、次の工程を備えることを特徴とする。
すなわち、上記木製部材に補強筋埋設用孔を穿設する孔穿設工程と、該補強筋埋設用孔に上記補強筋を挿入する補強筋挿入工程と、上記補強筋埋設用孔内にエポキシ系接着剤を充填する接着剤充填工程と、上記補強筋埋設用孔の長手方向に沿って且つ上記木製部材を挟んで一対の電極を配し高周波電力を印加する印加工程と、該印加によって上記木製部材内の上記接着剤を加熱して当該接着剤を硬化させる接着剤硬化工程を備え、該接着剤硬化工程において、上記木製部材の内部温度が100℃を超えないように上記高周波電力の印加を調整する。
これにより誘電加熱によって木製部材を劣化防止しつつ加熱すると共に、該加熱された木製部材からの熱伝導加熱によって接着剤を加熱することができ、短時間で確実且つ強固に木製部材を被接合部材に接合することができる。また、短時間で確実且つ強固に木製部材を補強できる。
また、本発明にあっては、上記補強筋として、金属製又は繊維強化プラスチック製の棒状体、つまり、従来、補強筋として実績があると共に広く利用されているものを用いることができる。
上記接着剤は、二液硬化型のエポキシ系接着剤とし、硬化開始タイミングを調整できるようにすると共に、高硬度の接着剤層(補強筋埋設層)を形成できるようにする。
また、上記印加工程及び上記接着剤硬化工程は、電源側電極とアース側電極を入れ替えて、複数回行うことにより、木製部材の深部にある接着剤をムラなく加熱することができる。
本発明に係る補強筋埋設方法によれば、シンプルな方法ながらも、木製部材を被接合部材に短時間で確実且つ強固に接合することができると共に、木製部材を短時間で確実且つ強固に補強することができる。
実施例1の補強筋埋設方法における補強筋挿入工程を示す斜視図である。 実施例1の補強筋埋設方法における接着剤充填工程を示す斜視図である。 実施例1の補強筋埋設方法における印加工程及び接着剤硬化工程を示す斜視図である。 実施例2の補強筋埋設方法における補強筋挿入工程を示す斜視図である。 実施例2の補強筋埋設方法における接着剤充填工程を示す斜視図である。 実施例2の補強筋埋設方法における印加工程及び接着剤硬化工程を示す斜視図である。 実施例3の補強筋埋設方法における補強筋挿入工程を示す斜視図である。 実施例3の補強筋埋設方法における接着剤充填工程を示す斜視図である。 実施例3の補強筋埋設方法における印加工程及び接着剤硬化工程を示す斜視図である。 実施例4の補強筋埋設方法における補強筋挿入工程を示す斜視図である。 実施例4の補強筋埋設方法における接着剤充填工程を示す斜視図である。 実施例4の補強筋埋設方法における印加工程及び接着剤硬化工程を示す斜視図である。 実施例5の補強筋埋設方法における補強筋挿入工程を示す斜視図である。 実施例5の補強筋埋設方法における接着剤充填工程を示す斜視図である。 実施例5の補強筋埋設方法における印加工程及び接着剤硬化工程を示す斜視図である。
本発明に係る補強筋埋設方法の最適な実施例について、図1乃至図15に基づき、説明する。
なお、図1乃至図3は、木製部材10をコンクリート製の被接合部材20に接合するときの補強筋埋設方法(実施例1)を示しており、図4乃至図6は、木製部材10を鋼製の被接合部材20に接合するときの補強筋埋設方法(実施例2)を示しており、図7乃至図9は、木製部材10を木製の被接合部材20に接合するときの補強筋埋設方法(実施例3)を示しており、図10乃至図12は、木製部材10自体を補強するときの補強筋埋設方法(実施例4)を示しており、図13乃至図15は、木製部材10自体を補強しつつ接合するときの補強筋埋設方法(実施例5)を示している。
<基本構成>
本発明に係る補強筋埋設方法は、図1乃至図15に示すように、木製の建築材料の如き木製部材10内へ接着剤を介して補強筋1を埋設する方法である。木製部材10としては、無垢の木製部材の他、構造用の集成材やLVL(Laminated Veneer Lumber:単板積層材)、CLT(Cross Laminated Timber)を用いることができる。
本発明に係る補強筋埋設方法は、基本構成として、次の各工程を備える。すなわち、木製部材10に補強筋埋設用孔12を穿設する孔穿設工程と、該補強筋埋設用孔12に補強筋1を挿入する補強筋挿入工程と、該補強筋埋設用孔12内に接着剤2を充填し該接着剤2で補強筋1の外表面を覆う接着剤充填工程と、該補強筋埋設用孔12の長手方向に沿って且つ木製部材10を挟んで一対の電極31・32を配し非加圧で高周波電力を印加する印加工程と、該印加によって木製部材10内の接着剤2を所定温度以上になるまで加熱して当該接着剤2を硬化させる接着剤硬化工程を備えるものである。
補強筋1としては、異形鉄筋、全ネジボルト、丸鋼等の金属製の棒状体の他、炭素繊維強化プラスチック、アラミド繊維強化プラスチック等の繊維強化プラスチック製の棒状体を使用することができる。必要な強度や使用箇所の耐荷重によって適宜使い分けることができる。埋設する補強筋の本数は接合箇所や補強箇所によって適宜調整することができる。このように導電性を有する補強筋1を用いたとしても、本発明に係る補強筋埋設方法にあっては、適切に誘電加熱を行うことができる。
また、接着剤2としては、エポキシ系接着剤を用いる。エポキシ系接着剤は硬化後、高強度の接着剤層を形成し補強筋1を確実に埋設する。エポキシ系接着剤は、高周波(短波:3~30MHz,超短波:30~300MHz)に対する誘電体損失係数が、構造材として使用するために乾燥させた木製部材10の誘電体損失係数よりも総じて低いことが知られている。よって、誘電加熱においては、木製部材10の方が接着剤2よりも優先的に加熱され、当該加熱された木製部材10から熱伝導して接着剤2が加熱される。
好ましくは、接着剤2として、液体の主剤と液体の硬化剤から成る二液硬化型のエポキシ系接着剤を用い、硬化開始タイミングを調整できるようにすると共に、高硬度の接着剤層(補強筋埋設層)を形成できるようにする。接着剤2の粘度は、補強筋1の外表面全体への周りこみと当該外表面での保持性の両立を考慮し、適宜調整できる。
次いで、本発明に係る補強筋埋設方法の各工程について詳述する。
<孔穿設工程,補強筋挿入工程>
図1,図4,図7,図10,図13に示すように、補強筋1が埋設される木製部材10には、部材製造工場又は工事現場において、補強筋1を挿入する補強筋埋設用孔12を予め穿設する。該補強筋埋設用孔12は接合面11において開口している。そして、該補強筋埋設用孔12内に補強筋1を挿入する。補強筋1の本数は必要な強度等により適宜選択し、該補強筋1の本数に対応する数の補強筋埋設用孔12を穿設する。なお、図中の13は各補強筋埋設用孔12にそれぞれ連通する接着剤充填用孔である。
補強筋埋設用孔12の孔径は、補強筋1の直径(最大直径)の1.2倍~1.5倍の孔径として、補強筋1の位置ズレや傾きを吸収できるようにすると共に、十分な量の接着剤2で補強筋1の外表面、特に外周面を覆うことができるようにする。また、補強筋埋設用孔12の孔長は、補強筋1の埋設長よりも長くし、補強筋1の端部における外表面を適切に接着剤2で覆うことができるようにする。
実施例1乃至実施例3,実施例5のように、木製部材10を被接合部材20と接合するときの補強筋埋設においては、図1,図4,図7,図13に示すように、補強筋1の一端部1aを被接合部材20側に固定して、当該被接合部材20の接合面21から上記補強筋1の他端部1bを突出して設け、該突出部分を補強筋埋設用孔12内に立て込んで挿入することにより、接合面11と接合面21を突き合せる。
つまり、実施例1(図1)においては、コンクリート製の被接合部材20内に補強筋1の一端部1aを含む部分を埋設し、他端部1bを自由端とした残りの部分を接合面21より突出させて配し、突出部分を補強筋埋設用孔12内に挿入する。
実施例2(図4)においては、鋼製の被接合部材20の接合面21に補強筋1の一端部1aを溶接等により直接固定し、他端部1bを自由端として接合面21から突設し、突出部分を補強筋埋設用孔12内に挿入する。
実施例3(図7)においては、木製の被接合部材20にも端部12b′を有する補強筋埋設用孔12′を穿設し、該補強筋埋設用孔12′内に補強筋1の一端部1a側を挿入する一方、木製部材10の補強筋埋設用孔12内に同補強筋1の他端部1b側を挿入する。
実施例5(図13,図14)においては、木製の被接合部材20にも補強筋埋設用孔12′を穿設し、該補強筋埋設用孔12′内に補強筋1の一端部1a側を挿入する一方、木製部材10の補強筋埋設用孔12内に同補強筋1の他端部1b側を貫挿し、別の木製の被接合部材20′にも補強筋埋設用孔12′′を穿設し、該補強筋埋設用孔12′′内に同補強筋1の他端部1bを挿入し、接合面11と接合面21′を突き合せる。
また、実施例4のように、木製部材10自体を補強するときの補強筋埋設においては、図10に示すように、予め穿設された補強筋埋設用孔12内に補強筋1を一端部1a側から挿入し、他端部1bも同補強筋埋設用孔12内に入るように全体的に挿入する。
<接着剤充填工程>
上述のように、各補強筋埋設用孔12内に補強筋1を挿入した後、用意した接着剤2を接着剤充填用孔13から注入し、図2,図5,図8,図11,図14に示すように、補強筋1の外周面1cと補強筋埋設用孔12の内周面12a間、及び、補強筋1の他端部1bと補強筋埋設用孔12の端部12b間に万遍なく接着剤2を行きわたらせ、補強筋1の外表面を接着剤2で覆うように充填する。このように、補強筋1の外表面を接着剤2で覆うことにより、確実に補強筋1を埋設する。
また、実施例3(図8)、実施例5(図14)のように、木製の被接合部材20と接合するときには、被接合部材20の補強筋埋設用孔12′へも接着剤2を接着剤充填用孔13′から接着剤2を注入し、補強筋1の外周面1cと補強筋埋設用孔12′の内周面12′a間、及び、補強筋1の一端部1aと補強筋埋設用孔12′の端部12′b間に接着剤2を行きわたらせる。実施例5(図14)においてはさらに、被接合部材20′の補強筋埋設用孔12′′へも接着剤2を注入し、補強筋1の外周面1cと補強筋埋設用孔12′′の内周面12′′a間、及び、補強筋1の一端部1bと補強筋埋設用孔12′′の端部12′′b間に接着剤2を行きわたらせる。。
また、実施例4(図11)のように、木製部材10自体を補強するときには、補強筋1の外周面1cと補強筋埋設用孔12の内周面12a間、及び、補強筋1の一端部1aと補強筋埋設用孔12の端部12b間に接着剤2を行きわたらせると共に、補強筋1の他端部1bを接着剤2で覆いつつ補強筋埋設用孔12の開口部を栓14で塞ぐ。栓14は木製部材10と同じ木材で構成するか、木製部材10と同程度の誘電体損失係数の素材で構成する。誘電加熱により木製部材10と同等に加熱されるためである。
なお、本発明においては、湯煎等の既知の熱伝導加熱方法を用いて、接着剤2を充填前に予め温めておくことを排除しない。
<印加工程,接着剤硬化工程>
上述のように、木製部材10内において補強筋1の周りに接着剤2を充填した後、図3,図6,図9,図12,図15に示すように、当該木製部材10を一対の電極31・32で挟んだ状態で交流電源30から電力を供給することにより、当該木製部材10に高周波電力を印加し、該印加によって接着剤2を加熱して当該接着剤2の硬化促進を図る。
印加する高周波電力は、加熱範囲によって適宜調整する。加熱範囲が小さい場合には、たとえば小出力(0.1~5kw)とすることもできる。また、高周波発振器は、既知の電子管式、半導体式の装置を用いることができる。特に半導体式の小型発振器を利用すれば、工事現場での使用や高所での使用において、頗る好都合となる。なお、本発明において、高周波は、誘電加熱において従来用いられている既知の周波数(短波:3~30MHz,超短波:30~300MHz)、波長(短波:100~10m,超短波:10~1m)の電磁波である。
そして、高周波電力とその印加時間を調整し、温度センサー等の既知のセンシング手段を用いて木製部材10の内部温度が100℃を超えないように且つ高温を保つように監視しつつ印加を行う。木製部材10を誘電加熱により加熱し、当該加熱された木製部材10から接着剤2へと熱伝導加熱する過程において、当該木製部材10の劣化防止を図るためである。
上述のように、木製部材10の内部温度を100℃を超えない程度に保つことにより、接着剤2を加熱する。好ましくは、接着剤2の硬化促進のためには当該接着剤2が50~90℃となるように加熱する。なお、本発明にあっては、印加工程及び接着剤硬化工程において、木製部材10の内部に存する接着剤2を加熱し硬化を促すだけで良く、ラミナ接着のように加圧接着は不要である。
電極31と電極32は、上述のとおり、木製部材10を挟んで配し、さらには補強筋埋設用孔12の長手方向に沿って配する。補強筋埋設用孔12内で補強筋1を被覆した状態で充填されている接着剤2を全体的に加熱し硬化促進を図るためである。
補強筋1の埋設位置、すなわち補強筋埋設用孔12の位置によっては、接着剤2の加熱が不十分となることが予測される場合には、電源側電極とアース側電極を入れ替えて、複数回行うことにより、接着剤2をムラなく加熱することができる。たとえば、電極31が電源側電極で、電極32がアース側電極の場合、これら電極の位置を入れ替えるか、木製部材10の向きを変えて、一方の電極と対峙していた箇所を他方の電極と対峙させる。又は、電極31と電極32の極性を切り替えられるようにしても良い。
以上のとおり、本発明に係る補強筋埋設方法によれば、誘電加熱と熱伝導加熱をハイブリッドすることにより、木製部材10を被接合部材20に短時間で確実且つ強固に接合することができると共に、木製部材10を短時間で確実且つ強固に補強することができる。
1…補強筋、1a…一端部、1b…他端部、1c…外周面、2…接着剤、10…木製部材(被接合部材)、11…接合面、12…補強筋埋設用孔、12a…内周面、12b…端部、12′…補強筋埋設用孔、12′a…内周面、12′b…端部、12′′…補強筋埋設用孔、12′′a…内周面、12′′b…端部、13…接着剤充填用孔、14…栓、20…被接合部材、21…接合面、20′…被接合部材、21′…接合面、30…交流電源、31…電極(電源側電極)、32…電極(アース側電極)。
すなわち、上記木製部材に補強筋埋設用孔を穿設する孔穿設工程と、該補強筋埋設用孔に上記補強筋を挿入する補強筋挿入工程と、上記補強筋埋設用孔内にエポキシ系接着剤を充填する接着剤充填工程と、上記補強筋埋設用孔の長手方向に沿って且つ上記木製部材を挟んで一対の電極を配し当該木製部材に高周波電力を印加する印加工程と、該印加による誘電加熱によって上記木製部材を加熱すると共に、該加熱された木製部材からの熱伝導加熱によって同木製部材内の上記接着剤を加熱して当該接着剤を硬化させる接着剤硬化工程を備え、該接着剤硬化工程において、上記木製部材の内部温度が100℃を超えないように上記高周波電力の印加を調整する。

Claims (4)

  1. 木製部材内に補強筋を埋設する方法であって、該木製部材に補強筋埋設用孔を穿設する孔穿設工程と、該補強筋埋設用孔に上記補強筋を挿入する補強筋挿入工程と、上記補強筋埋設用孔内にエポキシ系接着剤を充填する接着剤充填工程と、上記補強筋埋設用孔の長手方向に沿って且つ上記木製部材を挟んで一対の電極を配し高周波電力を印加する印加工程と、該印加によって上記木製部材内の上記接着剤を加熱して当該接着剤を硬化させる接着剤硬化工程を備え、該接着剤硬化工程において、上記木製部材の内部温度が100℃を超えないように上記高周波電力の印加を調整することを特徴とする木製部材内への補強筋埋設方法。
  2. 上記補強筋は金属製又は繊維強化プラスチック製の棒状体であることを特徴とする請求項1に記載の木製部材内への補強筋埋設方法。
  3. 上記接着剤は、二液硬化型のエポキシ系接着剤であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の木製部材内への補強筋埋設方法。
  4. 上記印加工程及び上記接着剤硬化工程は、電源側電極とアース側電極を入れ替えて、複数回行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の木製部材内への補強筋埋設方法。
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