JP2017155462A - プレキャストコンクリート製構造部材の接合方法 - Google Patents

プレキャストコンクリート製構造部材の接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プレキャストコンクリート製の柱、梁等の構造部材同士を炭素繊維強化プラスチック製のプレートを用いて接合する。【解決手段】互いに接合されるべきプレキャストコンクリート製の各構造部材1の接合面1aに炭素繊維強化プラスチック製のプレート2を露出させた状態で固定し、プレート2、2を互いに対向させ、プレート2、2の対向する面間に接着剤3を介在させ、硬化させて両構造部材1、1を接合する。接着剤3にマイクロ波を照射させて加熱し、接着剤3を硬化させる。マイクロ波の照射前に、マイクロ波の照射側を除く各接合面1aの周囲寄りの部分に、対向する接合面1a、1a間の隙間を塞ぐシール材4を配置する。【選択図】図1

Description

本発明はプレキャストコンクリート製の柱、梁等の構造部材同士を炭素繊維強化プラスチック製のプレートを用いて接合したプレキャストコンクリート製構造部材の接合方法に関するものである。
プレキャストコンクリート製の構造部材同士、例えば柱同士、または梁同士を構造部材の架設現場で接合する場合、一般的には互いに接合される構造部材の接合面から突出する主筋同士を継手を用いて接続した上で、距離を置いて対向する接合面間にモルタルやコンクリート等の充填材を充填することが行われる。
継手は一方の構造部材内に予め埋設されることが可能であるため、対向する構造部材の接合面間距離を抑えることは可能であるが、後から設置される構造部材の先行する構造部材への突き合わせ時の位置調整等のための空隙(距離)の確保を要することから、充填材の充填作業は不可欠であり、接合部の完成には充填材の自然の乾燥による硬化を待たなければならないため、工期の短縮には限界がある。
一方、炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRP)は鋼材を上回る引張強度を持つ上、水やオゾン等の存在下においても錆の発生、変質の可能性がなく、耐候性に富む材料であるから、CFRPを構造部材間の接合のための主筋に代わる材料として使用することができれば、上記工期上の課題を克服することに寄与し得ると考えられる。
CFRPの構造部材への適用例はあるが、専ら構造部材を引張力に対して補強する目的で構造部材の表面に接着剤を用いて貼り付ける使用方法に限られ(特許文献1〜4参照)、構造部材の接合面に使用する例は存在していない。
特開2000−64505公報(請求項1、段落0013〜0020、図1、図2) 特開2000−320070号公報(請求項1、段落0010〜0013、図1) 特開2008−174989号公報(請求項1、段落0016〜0022、図1、図2) 特開2010−31612号公報(請求項4、段落0033〜0045、図1、図2)
本発明は上記背景より、CFRPを構造部材の接合面に使用して構造部材同士を接合することを可能にするプレキャストコンクリート製構造部材の接合方法を提案するものである。
請求項1に記載の発明のプレキャストコンクリート製構造部材の接合方法は、互いに接合されるべきプレキャストコンクリート製の構造部材の接合面を互いに対向させて接合する方法であり、
前記各構造部材の前記接合面に炭素繊維強化プラスチック製のプレートを露出させた状態で前記構造部材に固定し、このプレートを互いに対向させ、このプレートの対向する面間に接着剤を介在させ、硬化させて前記両構造部材を接合することを構成要件とする。
互いに接合されるべき構造部材1、1は図3、図4に示すように主に梁同士、柱同士の他、柱と梁同士等であり、梁には基礎梁が含まれる。構造部材1には杭も含まれる。構造部材1の接合面1aは構造部材1の材軸に垂直な面をなす場合と、材軸に垂直な面に対して傾斜した面をなす場合がある。
炭素繊維強化プラスチック(以下、本項目中、CFRP)製のプレート2は表面が対向する構造部材1側を向き、その対向する構造部材1側へ露出した状態で、背面側の構造部材1中に埋設される等により固定される。「固定」とは、例えばプレート2の背面寄りの厚さ方向の少なくとも一部、またはプレート2の背面に突設されたアンカー21がその側の構造部材1中に埋設されることにより構造部材1に固定されることを言う。
プレート2の厚さ方向の少なくとも一部が構造部材1中に埋設される場合、プレート2の背面にアンカー21が突設されることもある他、プレート2の全厚が構造部材1中に埋設されることもあり、その場合、プレート2の表面と構造部材1の接合面1aは面一になる。プレート2背面のアンカー21が構造部材1中に埋設される場合、プレート2自体は構造部材1中には埋設されないこともある。プレート2の背面に突設されるアンカー21の形態は問われず、鉄筋、棒鋼、孔あき鋼板等が使用されるが、アンカー21は鋼材である必要はない。
接合されるべき各構造部材1の接合面1aに固定された各CFRP製のプレート2は対向する各表面間に空隙を確保した状態で互いに突き合わせられ、この表面間に接着剤3が充填(塗布)等により介在させられ、硬化することにより両構造部材1、1が互いに接合される。接着剤3の硬化により両プレート2、2の表面間に作用する引張力及びせん断力に抵抗し得る状態に両プレート2、2が一体化し、両プレート2、2と接着剤3が構造部材1、1間で引張力及びせん断力を伝達する働きをする。「接着剤3の硬化」は接着剤3が一定の強度を発現することであり、接着剤3の硬化により構造部材1、1同士の接合が完了する。目標とする一定の引張強度は数10〜50MPa程度である。
「接着剤3を介在させ」とは、プレート2、2の対向する表面間に液体状の接着剤3を充填、もしくは塗布する、またはシート状、もしくはフィルム状に固形化された状態の接着剤3をプレート2、2の対向する表面に配置(設置)することを意味する。シート状等の接着剤3はプレート2、2の対向する表面間に差し込むように配置される。
接着剤3の硬化により構造部材1、1間での引張力及びせん断力の伝達が可能な状態にプレート2、2同士が接合されることで、プレート2、2は従来の主筋(鉄筋)に相当する引張力伝達材として機能するが、対向するプレート2、2は面で互いに接触することで、圧縮力も伝達するため、圧縮力伝達材でもある。
プレート2、2の表面間に充填される接着剤3はCFRPとの相性がよい性質があればよく、具体的にはエポキシ樹脂系、もしくはウレタン樹脂系の接着剤が適するが、必ずしもこれらには限られない。接着剤3が硬化を早めるために何らかの形で加熱される場合には、耐熱性も接着剤3の性能として必要とされるため、接着剤3には熱硬化性樹脂系が使用される。加熱の方法は特に限定されず、対向する構造部材1、1の接合面1a、1aを包囲するように装着可能な加熱器を使用する方法もあるが、接着剤3自身の加熱を早める上では、マイクロ波の照射による加熱方法(請求項2)が効率的である。
請求項1では各構造部材1の接合面1aにCFRP製のプレート2を固定し、両プレート2、2を両者間に介在させられる接着剤3の強度の発現により引張力及びせん断力を伝達可能に接合することで、現場では接着剤3の両プレート2、2間への充填等のみの作業で接合のための作業を終了させることができるため、構造部材1、1間での引張力の伝達を可能にするための継手を用いての主筋同士を接続する作業を要しない。この結果、接合面間にコンクリート等の充填材を充填して接合する従来方法との対比では、主筋同士の接続の作業が省略される分、現場での工期の短縮を図ることが可能になる。
また引張力・せん断力伝達材としてのプレート2、2同士の接合に接着剤3を使用することで、マイクロ波の照射等による加熱により接着剤3の硬化を強制的に早めることができるため、従来のコンクリート等の充填材を接合面間に充填する場合のように充填材の自然の乾燥による硬化を待つ必要がなくなる分も工期の短縮分になる。
接着剤3にマイクロ波を照射する場合(請求項2)、接着剤3は分子間の摩擦により加熱され、加熱により硬化が促進されるため、プレート2、2間への充填等から強度発現までの時間が短縮される。この結果、従来の主筋同士の接続と充填材の充填による接合方法より構造部材同士の接合のための工期の大幅な短縮が図られる。
接合されるべき各構造部材1の接合面1aに固定されたCFRP製のプレート2、2間には接着剤3の介在のための空隙が確保されることから、接着剤3へのマイクロ波の照射時にマイクロ波が構造部材1、1の対向する接合面1a、1aの外側へ漏れる可能性があり、接合されるべき構造部材1、1以外の部材や部品、または作業者へ分子間の摩擦による加熱の影響が出る可能性がある。そこで、マイクロ波の照射側を除く各接合面1aの周囲寄りの部分に、対向する接合面1a、1a間の隙間を塞ぐシール材4を配置することにより(請求項3)マイクロ波の接合面1aの外側への漏れ出しを回避することが可能になる。シール材4はマイクロ波の照射前に接合面1a、1a間に介在させられる。
「マイクロ波の照射側」はマイクロ波の発生(照射)装置の設置側を指し、図1−(a)に示すようにマイクロ波発生装置の設置側以外の接合面1aの縁にシール材4が配置される。「シール材4を配置する」とは、対向する構造部材1、1の接合面1a、1a間に流動性のある液体状のシール材4を充填することと、固形化している成型品のシール材4を設置することを含み、接合面1a、1a間にシール材4を介在させることを意味する。シール材4にはマイクロ波が透過しない、例えば合成樹脂等が使用される。
シール材4はマイクロ波の照射側を除き、接合面1aの周囲寄りの部分を周回し、連続して配置されることで、接合面1aの周囲、すなわち構造部材1の表面(側面)側からの雨水等の接合面1aへの浸入を防止する効果を発揮するため、防水シールとしての機能を併せ持つ。
またマイクロ波の接着剤3への照射時には接着剤3の介在領域外の接合面1aにもマイクロ波が照射されることから、接着剤3の介在面以外の接合面1aへのマイクロ波の透過による、構造部材1内での分子間の摩擦による加熱の影響を回避する上では、各接合面1aのプレート2、2の対向する面を除く領域に、接合面1aに照射されるマイクロ波を反射させる被覆シート5を貼着しておくことが適切である(請求項4)。被覆シート5もマイクロ波の照射前に接合面1aに貼着される。
「プレート2、2の対向する面」とは、接着剤3が介在する面(表面)であり、「接合面1aのプレート2、2の対向する面を除く領域」とは、接合面1aの内、マイクロ波の照射により加熱される接着剤3の介在箇所以外の領域である。接着剤3は加熱のためのマイクロ波が照射されるよう、露出している必要があることによる。言い換えれば、接合面1aを構造部材1の軸方向に見たときに、マイクロ波の照射側を除き、シール材4で包囲された領域内の、プレート2、2の対向する面(接着剤3の介在する面)以外の領域を指す。
プレート2、2の対向する面間には基本的に接着剤3が万遍なく介在しており、マイクロ波は接着剤3に対して照射されるが、プレート2の表面にマイクロ波が照射されても構造部材1への影響はないか、小さいと考えられるから、接合面1aの内、プレート2が固定された領域を除く領域に被覆シート5が貼着されていればよいことになる。
被覆シート5はその表面側から照射されるマイクロ波を遮断し、マイクロ波の構造部材1のコンクリート中への進入・漏洩を防止する。マイクロ波がコンクリート中に進入すると、コンクリート中に含まれる水が加熱され、コンクリートの強度等、材質に影響を及ぼす可能性がある。マイクロ波のコンクリートへの漏洩は接着剤3への集中的な照射の効率を低下させる可能性もあるが、接着剤3以外の接合面1aへのマイクロ波の進入・漏洩を防止する被覆シート5が接着剤3(プレート2)以外の領域に貼着されていることで、コンクリートの材質への影響を防止しながら、接着剤3への効率的な照射を実現することが可能になる。
マイクロ波は電磁波であるため、被覆シート5の素材には電磁シールド性(反射性)の高い材料が使用され、金属等の導体(電気伝導体)が適する。その中でもアルミニウム(アルミ箔)は誘電率(電気伝導率)が高く、また軽量であるため、被覆シート5の素材には有効である。
構造部材の接合面にCFRP製のプレートを固定し、両プレートを両者間に介在させられる接着剤の強度の発現により引張力及びせん断力を伝達可能に接合するため、現場では接着剤の両プレート間への介在のみの作業で接合のための作業を終了させることができ、継手を用いた主筋同士を接続する場合のような作業を必要とせず、主筋同士の接続の作業が省略される分、工期の短縮を図ることができる。
また引張力伝達材としてのプレート同士の接合に接着剤を使用することで、マイクロ波の照射等により接着剤の硬化を強制的に早めることができるため、コンクリート等、充填材の自然の乾燥による硬化を待つ必要がなくなる分も工期の短縮分に加えられる。
(a)は構造部材としての柱部材の接合面同士を接合するときの様子を示した構造部材の材軸に垂直な横断面図、(b)は(a)の接合部(継手部)を示した構造部材の材軸に平行な縦断面図である。 (a)は構造部材としての梁部材の接合面同士を接合するときの様子を示した構造部材の材軸に垂直な縦断面図、(b)は(a)の接合部(継手部)を示した構造部材の材軸に平行な縦断面図である。 構造部材としての柱部材と梁部材からなる柱・梁の架構とこの架構内での構造部材同士の接合部(継手部)の位置を示した立面図である。 構造部材同士の接合面が梁部材の軸方向の端面と柱部材の側面である場合の接合部(仕口部)を示した立面図である。
図1−(a)、(b)はプレキャストコンクリート製の柱部材と梁部材からなる架構(フレーム)を示す図3中、鎖線円Aで示す構造部材1、1としての柱部材の接合面1a、1a同士を接合するときの様子を示す。図3に示す例の場合、構造部材1、1の接合面1a、1a同士の接合部A、Bは構造部材1が軸方向に不連続になる箇所であるから、図3に示すように構造部材1の軸方向に生じる曲げモーメントが大きくならない、端部以外の軸方向の中間部が合理的であるが、必ずしもそうである必要はない。
構造部材1の接合面1aは構造部材1の材軸に直交する平面に対して傾斜した面をなすこともあるが、図1は接合面1aが構造部材1の材軸に直交する平面である場合の例を示している。接合面1aは必ずしも平面である必要もない。図1の例では接合面1aは図1−(b)に示すように水平面をなしている。
図3ではプレキャストコンクリートのユニットを柱部材と梁部材が一体化した十字形の立面形状に形成している関係で、構造部材1の軸方向中央部を接合部A、Bにしているが、接合部は構造部材1の軸方向端部寄りに配置されることもある他、図4に鎖線円Cで示すように柱部材と梁部材のいずれか一方の端面と他方の側面が構造部材1、1の接合面1a、1aになることもある。プレキャストコンクリートのユニットの立面形状は構造部材1、1の接合面1a、1aの位置に応じて決まるため、十字形には限られない。
各構造部材1の接合面1aには図1−(b)に示すように炭素繊維強化プラスチック製のプレート2が、表面が対向する接合面1a側を向いて固定される。プレート2は炭素繊維をバインダーとしてのエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を介在させ、積層化させることにより板状に成形される。プレート2は厚さ方向に見たとき、構造部材1の接合面1aの形状に従い、主に方形状に形成されるが、円形状、多角形状等に形成されることもある。
プレート2は図1−(a)に示すように接合面1aの中央部に1箇所、または中央部寄り、または接合面1aの全面に分散して複数箇所配置され、固定される。接合面1aの中央部は接合面1aを構造部材1の軸方向に見たときの中央部を指す。互いに接合される接合面1a、1aは対向するため、両接合面1a、1aに固定されたプレート2、2も互いに対向する。
プレート2はそれが対向するプレート2(接合面1a)側の表面のみが対向するプレート2側に露出した状態、または表面とそれに垂直な面をなす側面が対向するプレート2側と接合部の空間に露出した状態で構造部材1(コンクリート)中に埋設等により固定される。前者の場合、プレート2の全厚が構造部材1中に埋設され、後者の場合、図1−(b)に示すようにプレート2の厚さ方向の背面側の区間が構造部材1中に埋設される。
図1はプレート2の背面側(構造部材1側)に構造部材1のコンクリート中に埋設される板状のアンカー21を突設し、アンカー21をコンクリート中に埋設することによりプレート2を構造部材1の接合面1aに固定した場合の例を示す。板状のアンカー21には図2−(b)に示すようにコンクリートとの付着面積を増し、面内方向のせん断抵抗力を確保するために孔あきの板の使用が適する。
アンカー21は板状に限らず、棒状の場合もあるが、形態に拘わらず、アンカー21の素材がプレート2と同一であるか否かは問われず、アンカー21のプレート2への一体化の方法も問われない。プレート2は炭素繊維強化プラスチック製であるから、アンカー21は主に溶着や接着等によりプレート2に一体化させられる。
互いに接合されるべき構造部材1、1の接合面1a、1aは図1−(b)に示すように各接合面1a、1aに固定されたプレート2、2の対向する側の面である表面間に接着剤3の介在のための空隙が確保される程度の距離を置いて互いに突き合わせられ、この対向する両プレート2、2の表面間に両プレート2、2を引張力の伝達が可能な状態に接合する接着剤3が充填(注入)等により介在させられる。図1−(a)、(b)ではプレート2の表面に万遍なく接着剤3が行き渡っている状況を示しているが、接着剤3は実質的にプレート2の表面を覆うように介在していればよい。
接着剤3にはプレート2の素材である炭素繊維強化プラスチックとの相性のよい、主にエポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系の接着剤が使用されるが、現場(接合場所)で液体(流体)の状態で充填される場合、または現場への構造部材1の搬入前に予め塗布、あるいは設置(接着)される場合がある。塗布される場合の接着剤3は液体であるが、設置される場合の接着剤3にはシート状、もしくはフィルム状に予め加工された製品が使用される。
シート状等の場合、接着剤3は対向する接合面1a、1aに固定されているプレート2、2の少なくとも一方に設置(接着)されるが、構造部材1、1同士の接合時には後から設置される一方の構造部材1は他方の構造部材1に向けて軸方向に突き合わせられ、プレート2、2同士が当接(密着)させられることにより一方のプレート2に設置された接着剤3は他方のプレート2にも密着させられる。プレート2、2同士の当接により接着剤3はプレート2の厚さ方向に加圧させられる。
現場で液体の状態で充填(注入)される場合の接着剤3は充填後、一定時間、放置することにより硬化し、強度を発現することもあるが、接着剤3が熱硬化性の場合には、充填後、または接合面1a、1aの当接後、加熱されることが必要になる。加熱の方法は任意であるが、図面では加熱による硬化までの時間の短縮を図る目的で、マイクロ波の照射を使用している。
マイクロ波を接着剤3に照射する場合、マイクロ波が対向する接合面1a、1a間の外部に漏洩することを防止するために、接合面1aを構造部材1の軸方向に見たときのプレート2(接着剤3)を包囲する周囲の内、マイクロ波の照射側以外の周囲の主に3方向に、対向する接合面1a、1a間の隙間を塞ぐシール材4が充填、または設置等により介在させられる。シール材4にはマイクロ波が透過しにくい合成樹脂製のシール材が使用される。
接合面1a、1a間の外部へのマイクロ波の漏洩は構造部材1の接合面1aと側面(周面)の境界(接合面1aの縁)にシール材4を介在させることによっても可能であるが、図面では漏洩防止の安全度を高めるために、接合面1aの縁より内周寄りにシール材4を配置している。
図1−(a)、図2−(a)は柱・梁の架構(フレーム)の構面内に壁7が配置され、壁7がプレキャストコンクリート製の構造部材1である柱部材と梁部材に接合されている場合の例を示している。ここでは構造部材1の壁7と接する側面(表面)から、軸方向に対向する構造部材1、1の接合面1a、1a間に介在したシール材4までの間に、壁7を挟んだ両側間の防水のための防水シール71、71を設置した状況を示している。図1−(a)は構造部材1が柱部材の場合、図2−(a)は構造部材1が梁部材の場合である。
マイクロ波を接着剤3に照射する場合にはまた、マイクロ波の接合面1aへの透過を防止するために、各接合面1aのプレート2の対向する面を除く領域に、接合面1aに照射されるマイクロ波を反射させるためのアルミニウム箔等の被覆シート5が貼着される。
マイクロ波は図1−(a)に示すようにマイクロ波発生装置の照射側に接続された角錐形状のホーンアンテナ6を接合面1a、1a間の空隙に向けた状態で発生させられる。図1は接合面1a、1aが水平面をなす場合の例であるが、ホーンアンテナ6先端の開口の高さはマイクロ波の接合面1a、1a間からの漏洩を防止するために、接合面1a、1a間の空隙の高さに納まるよう、設定される。
図2−(a)、(b)は図3中、鎖線円Bで示す構造部材1、1としての梁部材の接合面1a、1a同士を接合するときの様子を示す。この例においても接合面1aは構造部材1の材軸に直交する平面をなす必要はないが、図2は接合面1aが構造部材1の材軸に直交する平面である場合の例を示している。この場合、接合面1aは図2−(b)に示すように鉛直面をなしている。
図2の例においてもマイクロ波の接合面1a、1a間からの漏洩を防止するために、ホーンアンテナ6先端の開口の高さ(幅)は接合面1a、1a間の空隙の高さ(幅)に納まるよう、設定される。図2−(a)中、8はスラブを示す。
図4は前記の通り、一方の構造部材1の接合面1aが梁部材の軸方向の端面であり、他方の構造部材1の接合面1aが柱部材の側面である場合の、両接合面1a、1a同士の接合部Cを示す。
1……構造部材、1a……接合面、
2……炭素繊維強化プラスチック製のプレート、21……アンカー、
3……接着剤、
4……シール材、5……被覆シート、
6……ホーンアンテナ、
7……壁、71……防水シール、
8……スラブ。

Claims (4)

  1. 互いに接合されるべきプレキャストコンクリート製の構造部材の接合面を互いに対向させて接合する方法であり、
    前記各構造部材の前記接合面に炭素繊維強化プラスチック製のプレートを露出させた状態で前記構造部材に固定し、このプレートを互いに対向させ、このプレートの対向する面間に接着剤を介在させ、硬化させて前記両構造部材を接合することを特徴とするプレキャストコンクリート製構造部材の接合方法。
  2. 前記接着剤にマイクロ波を照射させて加熱し、前記接着剤を硬化させることを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート製構造部材の接合方法。
  3. 前記マイクロ波の照射前に、前記マイクロ波の照射側を除く前記各接合面の周囲寄りの部分に、対向する前記接合面間の隙間を塞ぐシール材を配置することを特徴とする請求項2に記載のプレキャストコンクリート製構造部材の接合方法。
  4. 前記マイクロ波の照射前に、前記各接合面の前記プレートの対向する面を除く領域に、前記接合面に照射される前記マイクロ波を反射させる被覆シートを貼着しておくことを特徴とする請求項2、もしくは請求項3に記載のプレキャストコンクリート製構造部材の接合方法。
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