JP2023008796A - 両面粘着シート - Google Patents

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匡崇 西脇
Masataka Nishiwaki
栄一 井本
Eiichi Imoto
直宏 加藤
Naohiro Kato
健一 山元
Kenichi Yamamoto
茂樹 渡辺
Shigeki Watanabe
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Abstract

Figure 2023008796000001
【課題】耐衝撃性に優れ、且つ高いせん断接着力を有する両面粘着シートを提供する。
【解決手段】両面粘着シート1は、粘着剤層2からなる両面粘着シートであり、粘着剤層2は、ペースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤層である。前記アクリル系ポリマーは、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以上であり且つ非芳香族性環を有するモノマー成分(A)に由来する構成単位を含み、前記アクリル系ポリマー中の前記モノマー成分(A)に由来する構成単位の割合は5質量%以上である。粘着剤層2は、-20℃における貯蔵弾性率G’が10MPa以上であり、65℃における貯蔵弾性率G’が0.05MPa以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は両面粘着シートに関する。
近年、携帯電話、デジタルカメラ、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯機器の小型化が進んでいる。そのため、搭載される各種電子部品についても小型化・薄型化が図られている。例えば、携帯機器として代表的な機器である携帯電話は、構成される主要部品がそれぞれ薄層化される傾向にある。通常、携帯機器の表示部分は、主にLCDモジュールとバックライトユニットとからなり、発光・反射・遮光・導光等の機能を発現させるために、各種シート状の部品が積層されている。そこで、これらの部品の組立て(接合)に用いるための両面粘着シート(両面粘着テープ)が使用されている。
例えば、携帯電子機器は、その使用形態により落下の危険に晒されることが多い。このため、携帯電子機器に使用される両面粘着シートには、携帯電子機器の落下の衝撃により、破損したり部品から剥がれたりしにくいように、耐衝撃性が求められる。
携帯電子機器に使用され、耐衝撃性に優れる両面粘着シートとしては、例えば特許文献1~3に開示のものが知られている。
特開2020-128453号公報 特開2020-128454号公報 特開2021-24907号公報
携帯電子機器は、非操作時において様々な衝撃を受けることがあるため、携帯電子機器に使用される両面粘着シートには、被着体の変形による剥離を起こりにくくするために高いせん断接着力を有することが求められる。
しかしながら、一般的に、両面粘着シートは粘着剤層が柔軟であると、耐衝撃性に優れる傾向がある一方、せん断接着力が低くなる傾向がある。このため、耐衝撃性に優れ、且つ高いせん断接着力を有する両面粘着シートを実現することは困難とされていた。特許文献1~3には、耐衝撃性に優れ、且つ高いせん断接着力を有することについては言及されていない。
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、その目的は、耐衝撃性に優れ、且つ高いせん断接着力を有する両面粘着シートを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、基材を有しない両面粘着シートであって、両面粘着シートを構成する粘着剤層中のベースポリマー組成および当該粘着剤層の2つの温度条件における貯蔵弾性率G’を特定のものとすることにより、耐衝撃性に優れ、且つ高いせん断接着力を有することを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、粘着剤層からなる両面粘着シートであり、
上記粘着剤層は、ペースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤層であり、
上記アクリル系ポリマーは、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以上であり且つ非芳香族性環を有するモノマー成分(A)に由来する構成単位を含み、
上記アクリル系ポリマー中の上記モノマー成分(A)に由来する構成単位の割合は5質量%以上であり、
上記粘着剤層は、-20℃における貯蔵弾性率G’が10MPa以上であり、65℃における貯蔵弾性率G’が0.05MPa以上である、両面粘着シートを提供する。
上記アクリル系ポリマーは、炭素数2~7の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)に由来する構成単位を含むことが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)は(メタ)アクリル酸ブチルを含み、上記アクリル系ポリマー中の(メタ)アクリル酸ブチルに由来する構成単位の割合は50質量%以上であることが好ましい。
上記粘着剤層は活性エネルギー線硬化型粘着剤層であることが好ましい。
上記アクリル系ポリマーは、当該アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分と共重合可能な多官能性モノマーを構成モノマー成分として含むことが好ましい。
上記非芳香族性環は脂肪族炭化水素環および/または窒素原子含有複素環であることが好ましい。
上記粘着剤層のガラス転移温度は-10℃以上であることが好ましい。
上記両面粘着シートの、2枚のステンレス鋼板で挟むようにして両方の粘着面を貼り合わせ、引張速度10mm/分、剥離角度0°の条件で測定した、一方のステンレス鋼板に対するせん断接着力は1.0MPa以上であることが好ましい。
上記両面粘着シートは、電気電子機器における部材同士の固定用であることが好ましい。
また、本発明は、上記両面粘着シートを備え、上記両面粘着シートは両方の粘着面で部材同士を固定している、電気電子機器を提供する。
本発明の両面粘着シートは、耐衝撃性に優れ、且つ高いせん断接着力を有する。このため、例えば携帯電子機器に使用した際、落下衝撃を受けた場合や被着体が変形した場合であっても剥離しにくい。
本発明の一実施形態に係る両面粘着シートの断面模式図である。 せん断接着力の測定方法を模式的に示す説明図である。
[両面粘着シート]
本発明の両面粘着シートは、粘着剤層からなる両面粘着シートであり、基材を有しないいわゆる「基材レス」の両面粘着シートである。
上記粘着剤層は、ペースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤層であり、-20℃における貯蔵弾性率G’が10MPa以上であり、65℃における貯蔵弾性率G’が0.05MPa以上である。上記アクリル系粘着剤層に含まれるアクリル系ポリマーは、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が0℃以上であり且つ非芳香族性環を有するモノマー成分(「モノマー成分(A)」と称する場合がある)に由来する構成単位を含み、上記アクリル系ポリマー中の上記モノマー成分(A)に由来する構成単位の割合は5質量%以上である。本明細書において、上記粘着剤層を「本発明の粘着剤層」と称する場合がある。
本発明の両面粘着シートを構成する上記粘着剤層は、単層であってもよいし、複層であってもよい。本発明の両面粘着シートが複数の粘着剤層から構成される場合、当該複数の粘着剤層はいずれも本発明の粘着剤層である。上記複数の粘着剤層は、同一の粘着剤層であってもよく、組成、厚さ、物性などが異なる粘着剤層であってもよい。
図1は、本発明の両面粘着シートの一実施形態を示す断面模式図である。図1に示すように、両面粘着シート1は、本発明の粘着剤層2単層で構成される。粘着剤層2の粘着面には、それぞれ、はく離ライナー3および4が貼り合わせられている。
(本発明の粘着剤層)
本発明の粘着剤層は、粘着性を発揮するベースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤層である。なお、本明細書において、ベースポリマーとは、粘着剤層を構成する粘着剤におけるポリマー成分の中の主成分、例えば50質量%を超えて含まれるポリマー成分をいうものとする。
上記粘着剤層中のベースポリマーの割合は、粘着剤層の総量100質量%に対して、60質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上である。
上記アクリル系ポリマーは、ポリマーを構成するモノマー成分として、アクリル系モノマー(分子中に(メタ)アクリロイル基を有するモノマー)を含むポリマーである。すなわち、上記アクリル系ポリマーは、アクリル系モノマーに由来する構成単位を含む。なお、アクリル系ポリマーは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。また、上記アクリル系ポリマーは、モノマー成分としてアクリル系モノマーを一種のみを含んでいてもよいし、二種以上を含んでいてもよい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および/または「メタクリル」(「アクリル」および「メタクリル」のうち、いずれか一方または両方)を表し、他も同様である。
上記アクリル系ポリマーは、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以上であり且つ非芳香族性環を有するモノマー成分(A)を必須のモノマー成分として構成(形成)された重合体である。すなわち、上記アクリル系ポリマーは、構成単位として、モノマー成分(A)を含む。上記アクリル系ポリマーは、モノマー成分としてモノマー成分(A)を一種のみを含んでいてもよいし、二種以上を含んでいてもよい。
上記非芳香族性環としては、非芳香族性炭化水素環および非芳香族性複素環が挙げられる。上記非芳香族性環は飽和または不飽和のいずれであってもよい。上記非芳香族性炭化水素族環としては、脂肪族炭化水素環が挙げられ、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環などのシクロアルカン環;シクロヘキセン環などのシクロアルケン環;二環式炭化水素環や三環以上の脂肪族炭化水素環などの橋かけ式炭化水素環が挙げられる。二環式炭化水素環としては、ピナン環、ピネン環、ボルナン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環などが挙げられる。三環以上の脂肪族炭化水素環(三環以上の橋かけ式炭化水素環)としては、例えば、ジシクロペンタン環、ジシクロペンテン環、アダマンタン環、トリシクロペンタン環、トリシクロペンテン環などが挙げられる。
上記非芳香族性複素環としては、酸素原子含有複素環、窒素原子含有複素環、硫黄原子含有複素環などが挙げられる。酸素原子含有複素環としては、オキソラン環、オキサン環、オキソール環、ピラン環、カプロラクトン環、カプロラクタム環、酸素原子および窒素原子を含む複素環などが挙げられる。窒素原子含有複素環としては、アゾリジン環、アジナン環、アゾール環、ピペリジン環、カプロラクタム環、酸素原子および窒素原子を含む複素環、窒素原子および硫黄原子を含む複素環などが挙げられる。硫黄原子含有複素環としては、チオラン環、チオール環、窒素原子および硫黄原子を含む複素環などが挙げられる。酸素原子および窒素原子を含む複素環としては、モルホリン環などが挙げられる。窒素原子および硫黄原子を含む複素環としては、チアジン環、チアゾール環などが挙げられる。
上記非芳香族性環における環を構成する原子数は、5~12が好ましく、より好ましくは6~10である。また、モノマー成分(A)は活性エネルギー線重合性を有する炭素-炭素二重結合(例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基など)と非芳香族性環を有するモノマー成分であることが好ましく、エステル部分に非芳香族性環を有する(メタ)アクリル酸エステルや、ビニル基と非芳香族性複素環とを有するモノマー成分などが挙げられる。上記(メタ)アクリル酸エステルにおいて、上記非芳香族性環は、(メタ)アクリロイル基と直接結合しているか、または、酸素原子もしくはオキシアルキレン基を介して(メタ)アクリロイル基と結合していることが好ましい。上記非芳香族性環としては、中でも、脂肪族炭化水素環、窒素原子含有複素環が好ましい。
非芳香族性環が脂肪族炭化水素環であるモノマー成分(A)としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、(メタ)アクリル酸シクロオクチルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの二環式の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステル;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレートなどの三環以上の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
非芳香族性環が窒素原子含有複素環であるモノマー成分(A)としては、具体的には、例えば、N-(メタ)アクリロイルモルホリン、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピペリドン、N-ビニル-3-モルホリノン、N-ビニル-2-カプロラクタム、N-ビニル-1,3-オキサジン-2-オン、N-ビニル-3,5-モルホリンジオン、N-ビニルピペラジン、N-ビニルピラジン、N-ビニルモルホリン、N-ビニルピラゾール、ビニルピリミジン、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、ビニルピリダジン、(メタ)アクリロイルピロリドン、(メタ)アクリロイルピロリジン、(メタ)アクリロイルピペリジンなどが挙げられる。
モノマー成分(A)のホモポリマーのTgは、0℃以上であり、好ましくは10℃以上、より好ましくは60℃以上である。上記Tgが0℃以上であることにより、貯蔵弾性率G’が高くなり、耐衝撃性に優れる。上記Tgは、例えば200℃以下である。
なお、本明細書における「ホモポリマーを形成した際のガラス転移温度(Tg)」(単に「ホモポリマーのTg」と称する場合がある)とは、「当該モノマーの単独重合体のガラス転移温度(Tg)」を意味し、具体的には、「Polymer Handbook」(第3版、John Wiley&Sons,Inc、1987年)に数値が挙げられている。なお、上記文献に記載されていないモノマーのホモポリマーのTgは、例えば、以下の測定方法により得られる値(特開2007-51271号公報参照)をいう。すなわち、温度計、撹拌機、窒素導入管、および還流冷却管を備えた反応器に、モノマー100質量部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部および重合溶媒として酢酸エチル200質量部を投入し、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌する。このようにして重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温し10時間反応させる。次いで、室温まで冷却し、固形分濃度33質量%のホモポリマー溶液を得る。次いで、このホモポリマー溶液をはく離ライナー上に流延塗布し、乾燥して厚さ約2mmの試験サンプル(シート状のホモポリマー)を作製する。そして、この試験サンプルを直径7.9mmの円盤状に打ち抜き、パラレルプレートで挟み込み、粘弾性試験機(商品名「ARES」、レオメトリックス社製)を用いて周波数1Hzの剪断歪を与えながら、温度領域-70~150℃、5℃/分の昇温速度で剪断モードにより粘弾性を測定し、tanδのピークトップ温度をホモポリマーのTgとする。
上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分の総量100質量%中の、モノマー成分(A)の割合は、5質量%以上であり、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。上記割合が5質量%以上であることにより、貯蔵弾性率G’(特に、-20℃における貯蔵弾性率G’)が高くなり、耐衝撃性に優れる。モノマー成分(A)の割合は、60質量%以下が好ましく、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。上記割合が60質量%以下であると、柔軟性が向上し、被着体に対する密着性やせん断接着力を向上させることができる。
上記アクリル系ポリマーは、モノマー成分(A)とともに、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(「(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)」と称する場合がある)をモノマー成分として構成(形成)された重合体であることが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)としては、直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル(ラウリル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル(ステアリル(メタ)アクリレート)、イソステアリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの炭素数が1~20の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。中でも、上記直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、より低い貯蔵弾性率G‘を選定するという観点から、炭素数が2~7の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸ブチルである。また、(メタ)アクリル酸メチルを含んでいてもよい。
上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分の総量100質量%中の、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)の割合は、特に限定されないが、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上である。上記割合が50質量%以上であると、モノマー成分(A)との量的なバランスが良く、薄くても良好な密着性を有する粘着剤層を形成可能となる。上記割合は、94質量%以下が好ましく、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下である。また、(メタ)アクリル酸ブチルの割合が上記範囲内であることが好ましい。
上記アクリル系ポリマーは、ポリマーを構成するモノマー成分として、モノマー成分(A)および(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)とともに、共重合性モノマーを含んでいてもよい。すなわち、上記アクリル系ポリマーは、構成単位として、共重合性モノマーを含んでいてもよい。上記共重合性モノマーは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記共重合性モノマーとしては、薄くても良好な密着性を有する粘着剤層を形成可能であり、また凝集力が向上し耐衝撃性により優れる観点から、カルボキシ基含有モノマーおよび/または酸無水物モノマーが好ましい。上記カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などが挙げられる。上記酸無水物モノマーとしては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分の総量100質量%中の、カルボキシ基含有モノマーおよび/または酸無水物モノマーの割合は、特に限定されないが、0.2質量%以上であることが好ましく、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。上記割合は、20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。上記割合が上記範囲内であると、モノマー成分(A)および(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)との量的なバランスが良く、耐衝撃性に優れつつ、薄くても良好な密着性を有する粘着剤層を形成可能となる。
上記共重合性モノマーとしては、さらに、アクリル系ポリマーに架橋点を導入したり、アクリル系ポリマーの凝集力を高めたりする目的で、官能基含有モノマーを含んでいてもよい。上記官能基含有モノマーとしては、ヒドロキシ基含有モノマー、窒素原子含有モノマー(但し、モノマー成分(A)に該当するものを除く)、ケト基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマーなどが挙げられる。上記官能基含有モノマーは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12-ヒドロキシラウリル、(4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ビニルアルコール、アリルアルコール等の不飽和アルコール類;ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記窒素原子含有モノマーとしては、例えば、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、シアノ基含有モノマーなどが挙げられる。上記アミド基含有モノマーとしては、例えば(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。上記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。上記シアノ基含有モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙げられる。
上記ケト基含有モノマーとしては、例えば、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリレート、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、アリルアセトアセテート、ビニルアセトアセテートなどが挙げられる。
上記アルコキシシリル基含有モノマーとしては、例えば、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
上記スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などが挙げられる。
上記リン酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどが挙げられる。
上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分の総量100質量%中の、上記官能基含有モノマーの割合は、例えば、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上であってもよい。上記割合は、例えば、40質量%以下、20質量%以下であってもよく、実質的に含まなくてもよい。なお、本明細書において、実質的に含まないとは、積極的な配合を行うのではなく、不可避に混入する場合など、非意図的に含まれることをいい、例えば0.05質量%以下、0.01質量%以下である。
上記共重合性モノマーとしては、さらに、その他のモノマーを含んでいてもよい。上記その他のモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;スチレン、置換スチレン(α-メチルスチレン等)、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレン等のオレフィン系モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有モノマー;2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有モノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル等の(メタ)アクリル酸アリールオキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールアルキルエステルなどの芳香族性環を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分の総量100質量%中の、上記その他のモノマーの割合は、例えば、0.05質量%以上、0.5質量%以上であってもよい。上記割合は、例えば、20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下であってもよく、実質的に含まなくてもよい。
上記アクリル系ポリマーは、そのポリマー骨格中に架橋構造を形成するために、ポリマーを構成するモノマー成分として、アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分と共重合可能な多官能性モノマーを含んでいてもよい。上記多官能性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;エポキシ(メタ)アクリレート(例えば、ポリグリシジル(メタ)アクリレート)、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の分子内に(メタ)アクリロイル基と他の反応性官能基を有する単量体などが挙げられる。上記多官能性モノマーは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分の総量100質量%中の、上記多官能性モノマーの割合は、0.05質量%以上が好ましく、より好ましくは0.07質量%、さらに好ましくは0.10質量%以上である。上記割合は、5質量%以下、3質量%以下であってもよく、実質的に含まなくてもよい。
上記アクリル系ポリマーは光重合開始剤に由来する構造部を有することが好ましい。上記アクリル系ポリマーが光重合開始剤に由来する構造部を有することは、上記アクリル系ポリマーおよび本発明の粘着剤層が活性エネルギー線照射により重合したポリマーまたは硬化した粘着剤層であることを意味する。上記光重合開始剤としては、後述のものが挙げられる。
上記アクリル系ポリマーは、アクリル系部分重合物、アクリル系オリゴマー、およびモノマー成分からなる群より選択される1以上を含む組成物を重合して得られる重合反応物であることが好ましい。なお、モノマー成分のみからなる組成物を重合して得られる重合反応物である場合、上記モノマー成分はアクリル系モノマーを少なくとも含む。中でも、アクリル系部分重合物を含む組成物の重合反応物であることが好ましい。上記「部分重合物」とは、「プレポリマー」、「シロップ」などと称する場合もある。アクリル系部分重合体、アクリル系オリゴマー、およびモノマー成分は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。なお、上記組成物に含まれ得るモノマー成分を「モノマー成分(C)」と称する場合がある。
上記アクリル系部分重合物および上記アクリル系オリゴマーは、いずれもアクリル系モノマーを必須のモノマー成分として構成される化合物である。上記アクリル系部分重合物および上記アクリル系オリゴマーを構成するモノマー成分ならびにモノマー成分(C)としては、上述のアクリル系ポリマーを構成するモノマー成分として例示および説明されたものが挙げられる。
上記アクリル系部分重合物は、完全重合物とは異なり、モノマー成分を、例えば重合転化率95質量%以下として重合して得られる。上記重合転化率は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、特に好ましくは35質量%以下である。上記重合転化率は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。
上記アクリル系部分重合物は、構成単位としてアクリル系モノマーを含む。上記アクリル系部分重合物は、構成単位としてモノマー成分(A)を含むことが好ましい。上記構成単位として含まれるモノマー成分は、一種のみであってもよく二種以上であってもよい。
上記アクリル系部分重合物を構成する全モノマー成分の総量100質量%中の、モノマー成分(A)の割合は、5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上である。上記割合が5質量%以上であると、貯蔵弾性率G’(特に、-20℃における貯蔵弾性率G’)が高くなり、より耐衝撃性に優れる。モノマー成分(A)の割合は、60質量%以下が好ましく、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。上記割合が60質量%以下であると、柔軟性が向上し、被着体に対する密着性やせん断接着力をより向上させることができる。
上記アクリル系部分重合物は、構成単位として(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)を含むことが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)としては、炭素数が2~7の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸ブチルである。上記構成単位として含まれる(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)は、一種のみであってもよく二種以上であってもよい。
上記アクリル系部分重合物を構成する全モノマー成分の総量100質量%中の、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)の割合は、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上である。上記割合は、94質量%以下が好ましく、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下である。
上記アクリル系部分重合物は、構成単位として上記共重合性モノマーを含んでいてもよい。上記共重合性モノマーとしては、中でも、薄くても良好な密着性を有する粘着剤層を形成可能である観点から、カルボキシ基含有モノマーおよび/または酸無水物モノマーが好ましい。
上記アクリル系部分重合物を構成する全モノマー成分の総量100質量%中の、カルボキシ基含有モノマーおよび/または酸無水物モノマーの割合は、特に限定されないが、0.2質量%以上であることが好ましく、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。上記割合は、20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは11質量%以下である。
上記アクリル系ポリマーは、アクリル系部分重合物およびアクリル系オリゴマーを含む組成物の重合反応物であってもよい。この場合、-20℃における貯蔵弾性率G’がより向上する。
上記アクリル系オリゴマーの重量平均分子量は、2500~10000であることが好ましく、より好ましくは3000~8000である。なお、上記重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算して求めることができる。例えば、東ソー株式会社製の高速GPC装置「HPLC-8120GPC」を用いて、下記の条件により測定することができる。
カラム:TSKgel SuperHZM-H/HZ4000/HZ3000/HZ2000
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6ml/分
上記アクリル系オリゴマーは、構成単位としてアクリル系モノマーを含む。上記アクリル系オリゴマーは、構成単位としてモノマー成分(A)を含むことが好ましい上記構成単位として含まれるモノマー成分は、一種のみであってもよく二種以上であってもよい。
上記アクリル系オリゴマーを構成する全モノマー成分の総量100質量%中の、モノマー成分(A)の割合は、40質量%以上であることが好ましく、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは55質量%以上である。上記割合は、90質量%以下が好ましく、より好ましくは80質量%以下である。
上記アクリル系オリゴマーは、構成単位として(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)を含むことが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)としては、メタクリル酸メチル(MMA)が好ましい。上記アクリル系オリゴマーを構成する全モノマー成分中の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)の割合は、10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは20質量%以上である。上記割合は、60質量%以下が好ましく、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下である。また、上記アクリル系オリゴマーは、構成単位として上記共重合性モノマーを含んでいてもよい。
上記アクリル系オリゴマーの含有量は、上記アクリル系部分重合物の総量100質量部に対して、0.5~35質量部であることが好ましく、より好ましくは2~20質量部、さらに好ましくは4~10質量部である。上記含有量が上記範囲内であると、-20℃における貯蔵弾性率G’が高くなる傾向がある。
上記アクリル系ポリマーは、アクリル系部分重合物およびモノマー成分(C)を含む組成物の重合反応物であってもよい。この場合、貯蔵弾性率G’がより向上し、せん断接着力が高くなる。
モノマー成分(C)としては、上述のアクリル系ポリマーが構成単位として含み得るモノマー成分として例示および説明されたものが挙げられる。モノマー成分(C)は、モノマー成分(A)を含むことが好ましい。モノマー成分(C)中のモノマー成分(A)の割合は、60~95質量%が好ましく、より好ましくは70~90質量%である。
モノマー成分(C)は上記共重合性モノマーを含んでいてもよい。上記共重合性モノマーとしては、中でも、薄くても良好な密着性を有する粘着剤層を形成可能である観点から、カルボキシ基含有モノマーおよび/または酸無水物モノマーが好ましい。モノマー成分(C)中の、カルボキシ基含有モノマーおよび/または酸無水物モノマーの割合は、特に限定されないが、5~40質量%であることが好ましく、より好ましくは10~30質量%である。
モノマー成分(C)の含有量は、上記アクリル系部分重合物の総量100質量部に対して、1~30質量部であることが好ましく、より好ましくは10~20質量部である。上記含有量が上記範囲内であると、貯蔵弾性率G’がより向上し、せん断接着力が高くなる。
上記アクリル系部分重合物や上記アクリル系オリゴマーは、モノマー成分を重合することにより得られる。また、上記アクリル系ポリマーは、上記アクリル系部分重合物、上記アクリル系オリゴマー、およびモノマー成分(C)からなる群より選択される1以上を含む組成物を重合することにより得られる。これらの重合方法としては、特に限定されないが、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法、熱重合方法、活性エネルギー線照射による重合方法(活性エネルギー線重合方法)などが挙げられる。中でも、架橋を密とすることができる観点から、塊状重合方法、熱重合方法、活性エネルギー線重合方法が好ましい。
また、上記モノマー成分などの重合に際しては、各種の一般的な溶剤が用いられてもよい。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などの有機溶剤が挙げられる。なお、溶剤は、一種のみを使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
上記のモノマー成分の重合に際しては、重合反応の種類に応じて、熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)などの重合開始剤が用いられてもよい。なお、重合開始剤は、一種のみを使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
上記熱重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、tert-ブチルペルマレエート、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、過酸化水素等)、フェニル置換エタン等の置換エタン系開始剤、芳香族カルボニル化合物、レドックス系重合開始剤等が挙げられる。中でも、特開2002-69411号公報に開示されたアゾ系重合開始剤が好ましい。上記アゾ系重合開始剤としては、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’-アゾビス-4-シアノバレリアン酸などが挙げられる。熱重合開始剤の使用量は、通常の使用量であればよく、例えば、モノマー成分100質量部に対して例えば0.005~1質量部、好ましくは0.01~1質量部の範囲から選択することができる。
上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α-ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。他にも、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤が挙げられる。上記ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、アニソールメチルエーテルなどが挙げられる。上記アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-(t-ブチル)ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。上記α-ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2-メチル-2-ヒドロキシプロピオフェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル]-2-メチルプロパン-1-オンなどが挙げられる。上記芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2-ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。上記光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1-フェニル-1,1-プロパンジオン-2-(O-エトキシカルボニル)-オキシムなどが挙げられる。上記ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインなどが挙げられる。上記ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルなどが挙げられる。上記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。上記ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。上記チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが挙げられる。上記アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。上記チタノセン系光重合開始剤としては、例えば、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウムなどが挙げられる。光重合開始剤の使用量は、通常の使用量であればよく、例えば、モノマー成分100質量部に対して例えば0.01~3質量部、好ましくは0.1~1.5質量部の範囲から選択することができる。
本発明の粘着剤層は、さらに、フィラーを含有することが好ましい。フィラーを配合することで、-20℃および65℃における貯蔵弾性率G’を調整することが容易となる。上記フィラーは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記フィラーの形状は、特に限定されず、粒子状や繊維状のフィラーを用いることができる。中でも、粒子状が好ましい。上記フィラーとしては、有機物、無機物のいずれであってもよい。
上記無機物を構成する材料としては、例えば、銅、銀、金、白金、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、ステンレス等の金属;酸化アルミニウム、酸化ケイ素(二酸化ケイ素)、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化銅、酸化ニッケル等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、珪酸、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化バリウム、酸化ジルコニウム水和物、酸化スズ水和物、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、ドウソナイト、硼砂、ホウ酸亜鉛等の金属水酸化物および水和金属化合物;炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化窒素、炭化カルシウム等の炭化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ガリウム等の窒化物;炭酸カルシウム等の炭酸塩;チタン酸バリウム、チタン酸カリウム等のチタン酸塩;カーボンブラック、カーボンチューブ(カーボンナノチューブ)、カーボンファイバー、ダイヤモンド等の炭素系物質;ガラス等の無機材料;火山シラス、クレー、砂等の天然原料粒子などが挙げられる。
上記有機物を構成する材料としては、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂(例えばポリメチルメタクリレート)、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド(例えばナイロン等)、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン等のポリマーなどが挙げられる。
上記フィラーは、中空体構造を有するものであってもよい。上記中空体構造を有するフィラーの中空部(中空粒子の内部の空間)は、真空状態であってもよいし、媒質で満たされていてもよい。上記媒質としては、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガスや空気、揮発性溶剤などが挙げられる。
上記フィラーとしては、中でも、表面がアクリル系樹脂以外の有機物または無機物で構成されるフィラー、中空体構造を有するフィラーが好ましい。これらのフィラーは、アクリル系粘着剤層中のアクリル成分との相互作用が小さく、または中空体構造を有するため、粘着剤層が延びた際に破断しにくく、両面粘着シートを被着体に貼付した後に剥離する際の剥離性(リワーク性)に優れる。
上記粒子状のフィラーの平均粒径は、例えば0.5~80μmであり、好ましくは1~40μmである。上記平均粒径が上記範囲内であると、粘着剤層の硬さを適度なものとすることができる。なお、上記平均粒径は、動的光散乱法により測定されるメディアン径(D50)である。
本発明の粘着剤層中の上記フィラーの割合は、上記粘着剤層の総量100質量%に対して、0.5~10質量%が好ましく、より好ましくは1~5質量%である。上記割合が上記範囲内であると、粘着剤層の硬さを適度なものとすることができる。また、リワーク性に優れる。
本発明の粘着剤層は、着色剤を含有していてもよい。着色剤を含むことで粘着剤層は着色し、本発明の両面粘着シートは視認性および意匠性に優れる。上記着色剤は、顔料であってもよいし、染料であってもよい。着色剤としては、例えば、黒系着色剤、シアン系着色剤、マゼンダ系着色剤、イエロー系着色剤等が挙げられる。視認性および意匠性により優れる観点からは、黒系着色剤が好ましい。上記着色剤は、一種のみを含有していてもよいし、二種以上を含有していてもよい。本発明の粘着剤層中の上記着色剤の割合は、上記粘着剤層の総量100質量%に対して、0.05~5質量%が好ましく、より好ましくは0.1~2質量%である。
黒系着色剤としては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト(黒鉛)、酸化銅、二酸化マンガン、アゾメチンアゾブラック等のアゾ系顔料、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色染料、アゾ系有機黒色染料等が挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられる。黒系着色剤としては、C.I.ソルベントブラック3、同7、同22、同27、同29、同34、同43、同70;C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71;C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同48、同52、同107、同109、同110、同119、同154;C.I.ディスパーズブラック1、同3、同10、同24;C.I.ピグメントブラック1、同7なども挙げられる。
シアン系着色剤としては、例えば、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95;C.I.アシッドブルー6、同45;C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同15:6、同16、同17、同17:1、同18、同22、同25、同56、同60、同63、同65、同66;C.I.バットブルー4;同60、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
マゼンダ系着色剤としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同52、同58、同63、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同111、同121、同122;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、同13、同14、同21、同27;C.I.ディスパースバイオレット1;C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40;C.I.ベーシックバイオレット1、同3、同7、同10、同14、同15、同21、同25、同26、同27、28などが挙げられる。また、マゼンダ系着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同42、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49、同49:1、同50、同51、同52、同52:2、同53:1、同54、同55、同56、同57:1、同58、同60、同60:1、同63、同63:1、同63:2、同64、同64:1、同67、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同92、同101、同104、同105、同106、同108、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同146、同147、同149、同150、同151、同163、同166、同168、同170、同171、同172、同175、同176、同177、同178、同179、同184、同185、同187、同190、同193、同202、同206、同207、同209、同219、同222、同224、同238、同245;C.I.ピグメントバイオレット3、同9、同19、同23、同31、同32、同33、同36、同38、同43、同50;C.I.バットレッド1、同2、同10、同13、同15、同23、同29、同35などが挙げられる。
イエロー系着色剤としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162;C.I.ピグメントオレンジ31、同43;C.I.ピグメントイエロー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同23、同24、同34、同35、同37、同42、同53、同55、同65、同73、同74、同75、同81、同83、同93、同94、同95、同97、同98、同100、同101、同104、同108、同109、同110、同113、同114、同116、同117、同120、同128、同129、同133、同138、同139、同147、同150、同151、同153、同154、同155、同156、同167、同172、同173、同180、同185、同195;C.I.バットイエロー1、同3、同20などが挙げられる。
本発明の粘着剤層は、必要に応じて、さらに、架橋剤、架橋促進剤、老化防止剤、酸化防止剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤、表面潤滑剤、レベリング剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、箔状物、防錆剤などの添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有していてもよい。上記添加剤は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
本発明の粘着剤層は、上述のように、-20℃における貯蔵弾性率G’が10MPa以上であり、好ましくは50MPa以上、より好ましくは100MPa以上、さらに好ましくは200MPa以上、特に好ましくは300MPa以上である。-20℃における貯蔵弾性率G’は、低温における粘着剤層の性質であり、比較的高速で衝撃を受けた場合の性質に置き換えることができる。そのような-20℃もの低温における貯蔵弾性率G’が10MPa以上であることにより、例えば両面粘着シートが適用された部材が高速落下した際などの耐衝撃性に優れる。上記貯蔵弾性率G’は、動的粘弾性測定(DMA)装置を用いて算出することができる。
本発明の粘着剤層は、上述のように、65℃における貯蔵弾性率G’が0.05MPa以上であり、好ましくは0.06MPa以上、より好ましくは0.08MPa以上、さらに好ましくは0.10MPa以上である。65℃における貯蔵弾性率G’は、比較的高温における粘着剤層の性質であり、低速衝撃を受けた場合の性質に置き換えることができる。そのような65℃における貯蔵弾性率G’が0.05MPa以上であることにより、本発明の粘着剤層は高いせん断接着力を有する。上記貯蔵弾性率G’は、動的粘弾性測定(DMA)装置を用いて算出することができる。
本発明の粘着剤層は、23℃における貯蔵弾性率G’が0.10MPa以上であることが好ましく、より好ましくは0.13MPa以上、さらに好ましくは0.20MPa以上である。23℃における貯蔵弾性率G’が0.10MPa以上であると、常温において適度な硬さを有し、リワーク性に優れる。上記貯蔵弾性率G’は、動的粘弾性測定(DMA)装置を用いて算出することができる。
本発明の粘着剤層のガラス転移温度(Tg)は、-10℃以上であることが好ましく、より好ましくは-8℃以上、さらに好ましくは-5℃以上、特に好ましくは-3℃以上である。上記Tgが-10℃以上であると、貯蔵弾性率G’が高くなり、耐衝撃性により優れる。上記Tgは、例えば50℃以下である。上記Tgは、動的粘弾性測定(DMA)装置を用いて算出することができる。
本発明の粘着剤層のtanδのピークトップ値は、0.5以上であることが好ましく、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.5以上である。上記tanδのピークトップ値が0.5以上であると、より耐衝撃性に優れる。上記tanδは、動的粘弾性測定(DMA)装置を用いて算出することができる。
本発明の粘着剤層は、いずれの形態であってもよく、例えば、エマルジョン型、溶剤型(溶液型)、活性エネルギー線硬化型、熱溶融型(ホットメルト型)などであってもよい。中でも、架橋を密とすることができ、耐衝撃性により優れ、せん断接着力がより高くなり、またリワーク性により優れる観点から、活性エネルギー線硬化型粘着剤層であることが好ましい。すなわち、本発明の粘着剤層は、活性エネルギー線硬化性の粘着剤組成物により形成された粘着剤層であることが好ましい。
上記活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好ましい。すなわち、上記活性エネルギー線硬化型粘着剤層は紫外線硬化型粘着剤層が好ましい。
本発明の粘着剤層は、例えば、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物をはく離ライナー上に塗布(塗工)し、得られた粘着剤組成物層を乾燥硬化させることや、上記粘着剤組成物をはく離ライナー上に塗布(塗工)し、得られた粘着剤組成物層に活性エネルギー線を照射して硬化させて製造することができる。また、必要に応じて、さらに、加熱乾燥してもよい。
本発明の粘着剤層を形成する粘着剤組成物(アクリル系粘着剤組成物)としては、例えば、アクリル系ポリマーを必須成分とするアクリル系粘着剤組成物、または、上記アクリル系部分重合物、上記アクリル系オリゴマー、もしくはモノマー成分(C)を含むモノマー混合物を必須成分とするアクリル系粘着剤組成物などが挙げられる。前者としては、例えば、いわゆる溶剤型のアクリル系粘着剤組成物などが挙げられる。また。後者としては、例えば、いわゆる活性エネルギー線硬化型のアクリル系粘着剤組成物などが挙げられる。
上記粘着剤組成物は、リワーク性により優れる観点から、モノマー成分(A)および(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)を含むモノマー混合物の部分重合物と、多官能性モノマーと、光重合開始剤とを少なくとも含むことが好ましい。その他、アクリル系オリゴマー、アクリル系モノマー、フィラーや着色剤などを含んでいてもよい。
(両面粘着シート)
本発明の両面粘着シートは、本発明の粘着剤層から構成される。上記両面粘着シートの厚さは、50~500μmであることが好ましく、より好ましくは100~300μmである。上記厚さが50μm以上であると、被着体に対する粘着性および追従性に優れる。上記厚さが500μm以下であると、両面粘着シートの厚さをより薄くすることができる。なお、上記両面粘着シートの厚さは、一方の粘着面から他方の粘着面までの厚さ、すなわち粘着体の厚さをいい、はく離ライナーを含まない。
本発明の両面粘着シートは、2枚のステンレス鋼板で挟むようにして両方の粘着面を貼り合わせ、引張速度10mm/分、剥離角度0°の条件で測定した際の、一方のステンレス鋼板に対するせん断接着力が、1.0MPa以上であることが好ましく、より好ましくは1.3MPa以上、より好ましくは1.5MPa以上、さらに好ましくは2.0MPa以上である。上記せん断接着力が1.0MPa以上であると、被着体に貼り合わせる際の粘着性に優れる。上記せん断接着力は、リワーク性に優れる観点から、10MPa以下が好ましく、より好ましくは7.5MPa以下、さらに好ましくは5.0MPa以下である。なお、本発明の両面粘着シートにはく離ライナーが貼り合わせられている場合、上記剥離強度ははく離ライナーを剥離した状態で測定される値であり、詳細の方法は実施例で示すとおりである。
本発明の両面粘着シートの、下記のデュポン式衝撃試験により測定される、いずれか一方のステンレスプレートが剥がれる前までのエネルギー(荷重×高さ)は、0.3以上であることが好ましく、より好ましくは0.4以上、さらに好ましくは0.5以上である。
<耐衝撃試験>
外径24.5mm角、幅2mmの枠状の両面粘着シートを、厚さ2mm、外形50mm角の正方形の中央部に穴の開いたステンレスプレートと、厚さ3mm、外形25mm角の正方形のステンレスプレートの間に挟み込んで圧着し、温度50℃の環境下に2時間静置し、その後常温に戻して評価サンプルとする。デュポン式衝撃試験機を用い、上記評価サンプルに、落下おもり重量と落下高さを、100gにて50~500mmまで50mmずつ変化、150gにて350~500mmまで50mmずつ変化、200gにて400~500mmまで50mmずつ変化、300gにて350~500mmまで50mmずつ変化させ、剥がれが生じるまでエネルギーが増えていくようにする。この際に、評価済みであるエネルギーについては、試験を行わず、エネルギー量が重複しないように荷重と高さを設定する。その後、少なくともいずれか一方のステンレスプレートが剥がれる前までのエネルギーを荷重×高さで算出する。
上記両面粘着シートは、使用時まで、粘着剤層の表面(粘着面)にはく離ライナーが貼り合わせられていてもよい。なお、上記両面粘着シートにおける両面の各粘着面は、2枚のはく離ライナーによりそれぞれ保護されていてもよいし、両面が剥離面となっているはく離ライナー1枚により、ロール状に巻回される形態(巻回体)で保護されていてもよい。はく離ライナーは粘着剤層の保護材として用いられ、被着体に貼付する際に剥がされる。なお、はく離ライナーは必ずしも設けられなくてもよい。
上記はく離ライナーとしては、慣用の剥離紙などを使用でき、特に限定されないが、例えば、剥離処理層を有する基材、フッ素ポリマーからなる低接着性基材や無極性ポリマーからなる低接着性基材などが挙げられる。上記剥離処理層を有する基材としては、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離処理剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙などが挙げられる。上記フッ素ポリマーからなる低接着性基材におけるフッ素系ポリマーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン-フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。また、上記無極性ポリマーとしては、例えば、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)などが挙げられる。なお、はく離ライナーは公知乃至慣用の方法により形成することができる。また、はく離ライナーの厚さも特に限定されない。
上記両面粘着シートは、電気電子機器に備えられる部材に貼り合わせて使用される、電気電子部材貼付用であることが好ましい。上記両面粘着シートは、特に、両面粘着シートの両方の粘着面にそれぞれ、電気電子機器に備えられる部品を貼り合わせて使用される用途、すなわち電気電子機器における部材同士の固定用であることが好ましい。上記両面粘着シートは、上記部材同士を固定する用途、あるいは仮固定する用途のいずれに使用されるものであってもよい。例えば、両面粘着シートを電気電子機器に備えられる部品の固定や仮固定に用いる場合、両面粘着シートの貼り付け作業に不具合が起こったために両面粘着シートを剥離してリワークしなければならない場合があったり、両面粘着シートを貼り付けた被着体を備えた部材を修理、交換、検査、リサイクル等するために両面粘着シートを剥離しなければならない場合があったりする。このように、両面粘着シートを、例えば、電気電子機器に備えられる部品の固定や仮固定に用いる場合には、特に、両面粘着シートを除去する頻度が高い。
上記両面粘着シートは、中でも、光学部材(特に、電気電子機器)の外枠同士を貼り合わせて使用されることが好ましい。このため、上記両面粘着シートは、5mm以下、好ましくは3mm以下の幅であっても好ましく使用することができる。
なお、「電気電子機器」とは、電気機器または電子機器の少なくともいずれかに該当する機器をいう。上記電気電子機器としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置や、携帯電子機器などが挙げられる。
上記携帯電子機器としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型パソコン、ノート型パソコン、各種ウェアラブル機器(例えば、腕時計のように手首に装着するリストウェア型、クリップやストラップ等で体の一部に装着するモジュラー型、メガネ型(単眼型や両眼型。ヘッドマウント型も含む。)を包含するアイウェア型、シャツや靴下、帽子等に例えばアクセサリの形態で取り付ける衣服型、イヤホンのように耳に取り付けるイヤウェア型等)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、音響機器(携帯音楽プレーヤー、ICレコーダー等)、計算機(電卓等)、携帯ゲーム機器、電子辞書、電子手帳、電子書籍、車載用情報機器、携帯ラジオ、携帯テレビ、携帯プリンター、携帯スキャナ、携帯モデムなどが挙げられる。なお、本明細書において「携帯」とは、単に携帯することが可能であるだけでは充分ではなく、個人(標準的な成人)が相対的に容易に持ち運び可能なレベルの携帯性を有することを意味するものとする。上記両面粘着シートは、例えば、粘着剤層が上記携帯電子機器の部材に密着するように用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
製造例1:シロップ(1)の合成
モノマー成分として、ブチルアクリレート(BA):70質量部、アクリル酸(AA):7質量部、およびイソボルニルアクリレート(IBXA、Tg:97℃):23質量部が混合された液状のモノマー混合物(モノマー組成物)に、光重合開始剤としての2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「OMNIRAD651」、IGM Resins B.V.製):0.05質量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線をパルス照射して、モノマー成分の一部が重合した部分重合体(重合率:約8%)を含むシロップ(部分重合物)を得た。
製造例2:シロップ(2)の合成
モノマー成分として、ブチルアクリレート(BA):70質量部、アクリル酸(AA):7質量部、およびジシクロペンタニルアクリレート(DCPA、Tg:約100℃):23質量部が混合された液状のモノマー混合物(モノマー組成物)に、光重合開始剤としての2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「OMNIRAD651」、IGM Resins B.V.製):0.05質量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線をパルス照射して、モノマー成分の一部が重合した部分重合体(重合率:約8%)を含むシロップ(部分重合物)を得た。
製造例3:シロップ(3)の合成
モノマー成分として、ブチルアクリレート(BA):70質量部、アクリル酸(AA):7質量部、およびシクロヘキシルアクリレート(CHA、Tg:15℃):23質量部が混合された液状のモノマー混合物(モノマー組成物)に、光重合開始剤としての2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「OMNIRAD651」、IGM Resins B.V.製):0.05質量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線をパルス照射して、モノマー成分の一部が重合した部分重合体(重合率:約8%)を含むシロップ(部分重合物)を得た。
製造例4:シロップ(4)の合成
モノマー成分として、ブチルアクリレート(BA):78質量部、アクリル酸(AA):7質量部、およびアクリロイルモルホリン(ACMO、Tg:約145℃):15質量部が混合された液状のモノマー混合物(モノマー組成物)に、光重合開始剤としての2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「OMNIRAD651」、IGM Resins B.V.製):0.05質量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線をパルス照射して、モノマー成分の一部が重合した部分重合体(重合率:約8%)を含むシロップ(部分重合物)を得た。
製造例5:シロップ(5)の合成
モノマー成分として、ブチルアクリレート(BA):70質量部、アクリル酸(AA):10質量部、およびイソボルニルアクリレート(IBXA、Tg:97℃):20質量部が混合された液状のモノマー混合物(モノマー組成物)に、光重合開始剤としての2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「OMNIRAD651」、IGM Resins B.V.製):0.05質量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線をパルス照射して、モノマー成分の一部が重合した部分重合体(重合率:約8%)を含むシロップ(部分重合物)を得た。
製造例6:シロップ(6)の合成
モノマー成分として、ブチルアクリレート(BA):77質量部、アクリル酸(AA):8質量部、およびジシクロペンタニルアクリレート(DCPA、Tg:約100℃):15質量部が混合された液状のモノマー混合物(モノマー組成物)に、光重合開始剤としての2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「OMNIRAD651」、IGM Resins B.V.製):0.05質量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線をパルス照射して、モノマー成分の一部が重合した部分重合体(重合率:約8%)を含むシロップ(部分重合物)を得た。
製造例7:シロップ(7)の合成
モノマー成分として、ブチルアクリレート(BA):60質量部、アクリル酸(AA):10質量部、およびジシクロペンタニルアクリレート(DCPA、Tg:約100℃):30質量部が混合された液状のモノマー混合物(モノマー組成物)に、光重合開始剤としての2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「OMNIRAD651」、IGM Resins B.V.製):0.05質量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線をパルス照射して、モノマー成分の一部が重合した部分重合体(重合率:約8%)を含むシロップ(部分重合物)を得た。
製造例8:シロップ(8)の合成
モノマー成分として、ブチルアクリレート(BA):55質量部、アクリル酸(AA):10質量部、およびジシクロペンタニルアクリレート(DCPA、Tg:約100℃):35質量部が混合された液状のモノマー混合物(モノマー組成物)に、光重合開始剤としての2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「OMNIRAD651」、IGM Resins B.V.製):0.05質量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線をパルス照射して、モノマー成分の一部が重合した部分重合体(重合率:約8%)を含むシロップ(部分重合物)を得た。
製造例9:シロップ(9)の合成
モノマー成分として、ブチルアクリレート(BA):95質量部、およびアクリル酸(AA):5質量部が混合された液状のモノマー混合物(モノマー組成物)に、光重合開始剤としての2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「OMNIRAD651」、IGM Resins B.V.製):0.05質量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線をパルス照射して、モノマー成分の一部が重合した部分重合体(重合率:約8%)を含むシロップ(部分重合物)を得た。
製造例10:シロップ(10)の合成
モノマー成分として、ブチルアクリレート(BA):80質量部、アクリル酸(AA):5質量部、およびイソボルニルアクリレート(IBXA、Tg:97℃):15質量部が混合された液状のモノマー混合物(モノマー組成物)に、光重合開始剤としての2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「OMNIRAD651」、IGM Resins B.V.製):0.05質量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線をパルス照射して、モノマー成分の一部が重合した部分重合体(重合率:約8%)を含むシロップ(部分重合物)を得た。
製造例11:アクリル系オリゴマーの合成
フラスコに、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA、Tg:175℃):60質量部、メチルメタクリレート(MMA):40質量部、α-チオグリセロ-ル:3質量部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル:0.2質量部、および酢酸エチル:65質量部を投入した。フラスコを充分に窒素で充填し、70℃で5時間重合させた後、さらに、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を投入し、80℃で8時間重合させた。その後、反応液から酢酸エチルを留去し、さらに減圧乾燥機により乾燥して、アクリル系オリゴマー(重量平均分子量:5080)を得た。
実施例1
製造例1で得られたシロップ(1):100質量部、カーボンブラックを含む黒色顔料(商品名「マルチラックA903」、トーヨーカラー株式会社製):0.2質量部、フィラーとしてのポリエチレン粉末(商品名「フローセンUF-80」、住友精化株式会社製):2質量部、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.12質量部、および光重合開始剤としての2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「OMNIRAD651」、IGM Resins B.V.製):0.1質量部を配合した後、ディスパーを用いて均一に混合し、その後、脱泡して、アクリル系粘着剤組成物を得た。
得られたアクリル系粘着剤組成物を、片面をシリコーンで剥離処理した厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「MRF#38」、三菱ケミカル株式会社製)上に、粘着剤層厚さが200μmとなるようにアプリケーターを用いて塗布し、塗布層を形成した。
次いで、片面をシリコーンで剥離処理した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「MRE#25」、三菱ケミカル株式会社製)の剥離処理面が上記塗布層側になるように塗布層を被覆して、酸素を遮断した。その後、このフィルムの上面からブラックライトランプにて、照度4mW/cm2(UVチェッカー「UVR-T1」、株式会社トプコン製、測定時の最大感度は約350nm)の紫外線を180秒間照射して、厚さ200μmの粘着剤層を形成し、両面粘着シートを作製した。
実施例2
フィラーとしてシリコーンゴム粒子(商品名「トレフィル E-606」、東レ株式会社製):2質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例2の両面粘着シートを作製した。
実施例3
フィラーとしてポリエチレン粒子(商品名「フロービーズ FBRP」、住友精化株式会社製):2質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例3の両面粘着シートを作製した。
実施例4
製造例1で得られたシロップ(1):100質量部、製造例11で得られたアクリル系オリゴマー:5質量部、カーボンブラックを含む黒色顔料(商品名「マルチラックA903」、トーヨーカラー株式会社製):1質量部、フィラーとしてのポリエチレン粉末(商品名「フローセンUF-80」、住友精化株式会社製):2質量部、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.12質量部、紫外線硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー(商品名「紫光 UV-3000B」、三菱ケミカル株式会社製):3質量部、および光重合開始剤としての2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「OMNIRAD651」、IGM Resins B.V.製):0.5質量部を配合した後、ディスパーを用いて均一に混合し、その後、脱泡して、アクリル系粘着剤組成物を得た。
上記で得られたアクリル系粘着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例4の両面粘着シートを作製した。
実施例5
製造例1で得られたシロップ(1):100質量部、シクロヘキシルアクリレート(CHA):13質量部、アクリル酸(AA):2質量部、カーボンブラックを含む黒色顔料(商品名「マルチラックA903」、トーヨーカラー株式会社製):0.2質量部、フィラーとしてのポリエチレン粉末(商品名「フローセンUF-80」、住友精化株式会社製):2質量部、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.12質量部、および光重合開始剤としての2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「OMNIRAD651」、IGM Resins B.V.製):0.1質量部を配合した後、ディスパーを用いて均一に混合し、その後、脱泡して、アクリル系粘着剤組成物を得た。
上記で得られたアクリル系粘着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例5の両面粘着シートを作製した。
実施例6
黒色顔料の配合量を0.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして実施例6の両面粘着シートを作製した。
実施例7
製造例1で得られたシロップ(1)に代えて製造例2で得られたシロップ(2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例7の両面粘着シートを作製した。
実施例8
光重合開始剤の配合量を0.05質量部としたこと以外は実施例7と同様にして実施例8の両面粘着シートを作製した。
実施例9
製造例1で得られたシロップ(1)に代えて製造例3で得られたシロップ(3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例9の両面粘着シートを作製した。
実施例10
製造例1で得られたシロップ(1)に代えて製造例4で得られたシロップ(4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例10の両面粘着シートを作製した。
実施例11
製造例1で得られたシロップ(1):100質量部、製造例11で得られたアクリル系オリゴマー:5質量部、カーボンブラックを含む黒色顔料(商品名「マルチラックA903」、トーヨーカラー株式会社製):1質量部、フィラーとしてのポリエチレン粉末(商品名「フローセンUF-80」、住友精化株式会社製):2質量部、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.12質量部、および光重合開始剤としての2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「OMNIRAD651」、IGM Resins B.V.製):0.5質量部を配合した後、ディスパーを用いて均一に混合し、その後、脱泡して、アクリル系粘着剤組成物を得た。
上記で得られたアクリル系粘着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例11の両面粘着シートを作製した。
実施例12
製造例1で得られたシロップ(1)に代えて製造例5で得られたシロップ(5)を用いたこと以外は実施例11と同様にして実施例12の両面粘着シートを作製した。
実施例13
製造例1で得られたシロップ(1)に代えて製造例6で得られたシロップ(6)を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例13の両面粘着シートを作製した。
実施例14
製造例1で得られたシロップ(1)に代えて製造例7で得られたシロップ(7)を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例14の両面粘着シートを作製した。
実施例15
製造例1で得られたシロップ(1)に代えて製造例8で得られたシロップ(8)を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例15の両面粘着シートを作製した。
実施例16
フィラーとして、ポリエチレン粉末(商品名「フローセンUF-80」、住友精化株式会社製)に代えて球状シリコーンゴムパウダー(商品名「DOWSIL EP-2600」、ダウ・東レ株式会社製)を用いたこと以外は実施例15と同様にして実施例16の両面粘着シートを作製した。
比較例1
製造例1で得られたシロップ(1)に代えて製造例9で得られたシロップ(9)を用いたこと以外は実施例11と同様にして比較例1の両面粘着シートを作製した。
比較例2
製造例1で得られたシロップ(1)に代えて製造例10で得られたシロップ(10)を用いたこと以外は実施例11と同様にして比較例2の両面粘着シートを作製した。
<評価>
実施例および比較例で得られた両面粘着シートについて、以下の評価を行った。結果を表に示す。なお、表における各成分の配合量は質量部を示す。
(1)動的粘弾性測定
実施例および比較例で作製した両面粘着シートを複数枚重ね合わせることにより、厚さ約2mmの粘着剤層を作製した。この粘着剤層を直径7.9mmの円盤状に打ち抜いた試料をパラレルプレートで挟み込んで固定し、23℃、50%RHの環境下、粘弾性試験機(商品名「ARESレオメーター」、ティー・エー・インスツルメント社製)を用いて以下の条件で動的粘弾性測定を行い、貯蔵弾性率G’(-20℃)、貯蔵弾性率G’(23℃)、貯蔵弾性率G’(65℃)、ガラス転移温度、およびtanδのピークトップ値を算出した。
測定モード:せん断モード
温度範囲 :-70℃~150℃
昇温速度 :5℃/min
測定周波数:1Hz
(2)せん断接着力
実施例および比較例で作製した両面粘着シートを20mm×20mmのサイズにカットして測定サンプルを作製した。23℃、50%RHの環境下にて、上記測定サンプルの各粘着面を2枚のステンレス鋼板の表面にそれぞれ重ねて2kgのローラを1往復させて圧着した。これを同環境下に30分間放置した後、引張試験機を用いて、引張速度10mm/分、剥離角度0°の条件で、せん断接着力を測定した。具体的には図2に示すように、測定サンプル10の一方の粘着面10aをステンレス鋼板21に貼り合わせ、測定サンプル10の他方の粘着面10bをステンレス鋼板22に貼り合わせて圧着した。これを上述の速度で図2中の矢印方向(すなわち、せん断方向)に引っ張り、20mm×20mm当たりの剥離強度を測定する。得られた値からせん断接着力[MPa]を求めた。引張試験機としては、万能引張圧縮試験機(製品名「TG-1kN」、ミネベア社製)を使用した。
(3)耐衝撃性
実施例および比較例で作製した、はく離ライナーに挟まれた状態の両面粘着シートを、外径24.5mm角、幅2mmの枠状に打ち抜いた。その後、両面粘着シートからはく離ライナーを剥離し、厚さ2mm、外形50mm角の正方形の中央部に穴の開いたステンレスプレートと、厚さ3mm、外形25mm角の正方形のステンレスプレートとの間に挟み込んで圧着し、温度50℃の環境下に2時間静置し、その後常温に戻して評価サンプルとした。デュポン式衝撃試験機(株式会社東洋精機製作所製)の台座の上に、長さ50mm、外径49mm、内径43mmの円柱状の測定台を設置し、その上に試験片を、正方形のステンレスプレート(穴の開いていないステンレスプレート)を下側にして載せた。先端半径3.1mmのステンレス製の撃芯を試験片に載せ、落下おもり重量と落下高さを、100gにて50~500mmまで50mmずつ変化、150gにて350~500mmまで50mmずつ変化、200gにて400~500mmまで50mmずつ変化、300gにて350~500mmまで50mmずつ変化させ、剥がれが生じるまでエネルギーが増えていくようにした。この際に、評価済みであるエネルギーについては、試験を行わず、エネルギー量が重複しないように荷重と高さを設定した。その後、少なくともいずれか一方のステンレスプレートが剥がれる前までのエネルギーを荷重×高さで算出して結果とした。
Figure 2023008796000002
Figure 2023008796000003
表1および表2に示すように、本発明の両面粘着シートは、せん断接着力が高く、且つ耐衝撃性に優れていることが確認された。一方、両面粘着シートに含まれるアクリル系ポリマー中のモノマー成分(A)に由来する構成単位の割合が低く、粘着剤層の-20℃における貯蔵弾性率G’および65℃における貯蔵弾性率G’が低い場合(比較例1、2)、せん断接着力が低く、さらには耐衝撃性に劣る場合があった。
1 両面粘着シート
2 粘着剤層
3,4 はく離ライナー
10 測定サンプル
10a,10b 粘着面
21,22 ステンレス鋼板

Claims (10)

  1. 粘着剤層からなる両面粘着シートであり、
    前記粘着剤層は、ペースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤層であり、
    前記アクリル系ポリマーは、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以上であり且つ非芳香族性環を有するモノマー成分(A)に由来する構成単位を含み、
    前記アクリル系ポリマー中の前記モノマー成分(A)に由来する構成単位の割合は5質量%以上であり、
    前記粘着剤層は、-20℃における貯蔵弾性率G’が10MPa以上であり、65℃における貯蔵弾性率G’が0.05MPa以上である、両面粘着シート。
  2. 前記アクリル系ポリマーは、炭素数2~7の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)に由来する構成単位を含む、請求項1に記載の両面粘着シート。
  3. 前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)は(メタ)アクリル酸ブチルを含み、前記アクリル系ポリマー中の(メタ)アクリル酸ブチルに由来する構成単位の割合は50質量%以上である、請求項2に記載の両面粘着シート。
  4. 前記粘着剤層は活性エネルギー線硬化型粘着剤層である請求項1~3のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
  5. 前記アクリル系ポリマーは、当該アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分と共重合可能な多官能性モノマーを構成モノマー成分として含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
  6. 前記非芳香族性環は脂肪族炭化水素環および/または窒素原子含有複素環である請求項1~5のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
  7. 前記粘着剤層のガラス転移温度は-10℃以上である請求項1~6のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
  8. 2枚のステンレス鋼板で挟むようにして両方の粘着面を貼り合わせ、引張速度10mm/分、剥離角度0°の条件で測定した、一方のステンレス鋼板に対するせん断接着力は1.0MPa以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
  9. 電気電子機器における部材同士の固定用である請求項1~8のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
  10. 請求項9に記載の両面粘着シートを備え、
    前記両面粘着シートは両方の粘着面で部材同士を固定している、電気電子機器。
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