JP2023008564A - 廃熱発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】起動性を改善した廃熱発電システムを提供する。【解決手段】廃熱発電システムは、廃熱によって冷媒を加熱し気相化させる蒸発器11と、気相化された冷媒を膨張させる膨張機12と、膨張された冷媒を凝縮し液相化させる凝縮器13と、凝縮器13と蒸発器11との間に配置され、熱サイクル内で冷媒を循環させるポンプ16と、ポンプ16と蒸発器11との間に配置され、開度を調整可能な電動弁17と、膨張機12に接続されて発電を行う発電機18とを備えている。廃熱発電システムの起動時には、電動弁17の開度を小さくした状態でポンプ16の運転を開始し、ポンプ16の回転数が上昇してから電動弁17の開度を大きくする制御が行われる。【選択図】図1

Description

本発明は、施設などで発生する廃熱を利用して発電を行う廃熱発電システムに関する。
近年、廃熱が生じる施設(温泉や工場など)で、廃熱を利用して発電することが広く行われている。特許文献1には、ランキンサイクルを用いて発電を行う廃熱発電システムが開示されている。
特開2019-143533号公報
特許文献1の廃熱発電システムは、廃熱によって作動流体(冷媒)を加熱し、ランキンサイクル(熱サイクル)内を循環する作動流体によって発電機を稼働させ発電を行うものである。このような熱サイクルを用いた廃熱発電システムでは、システムを効果的に稼働させるための様々な制御が必要となる。廃熱発電システムの制御により、例えば、システムの起動性を改善できると考えられる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、起動性を改善した廃熱発電システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の廃熱発電システムは、廃熱を用いて発電を行う廃熱発電システムであって、廃熱によって冷媒を加熱し、冷媒を気相化させる蒸発器と、前記蒸発器で気相化された冷媒を膨張させる膨張機と、前記膨張機で膨張された冷媒を凝縮し、冷媒を液相化させる凝縮器と、前記凝縮器と前記蒸発器との間に配置され、冷媒を循環させるポンプと、前記ポンプと前記蒸発器との間に配置され、開度を調整可能な電動弁と、前記膨張機に接続され、膨張する冷媒から動力を発生させて発電を行う発電機とを備えており、当該廃熱発電システムの起動時には、前記電動弁の開度を小さくした状態で前記ポンプの運転を開始し、前記ポンプの回転数が上昇してから前記電動弁の開度を大きくする制御を行うことを特徴としている。
上記の構成によれば、廃熱発電システムの起動時に電動弁の開度を小さくし、ポンプの出口側圧力を高めることで起動直後のポンプの回転数が小さい状態においてもポンプのサージングを回避することができ、廃熱発電システムの起動性を改善することができる。
また、上記廃熱発電システムは、当該廃熱発電システムの起動時には、前記蒸発器が加熱されてから前記ポンプの駆動を開始する制御を行う構成とすることができる。
上記の構成によれば、ポンプの運転開始前に冷媒配管内の圧力を上昇させ、ポンプの入口で冷媒を完全に液相化することができるため、起動時におけるポンプの送液性が改善される。
また、上記廃熱発電システムでは、当該廃熱発電システムの起動時における前記ポンプの駆動は、冷媒温度が予め設定された基準値以上となった時点で開始される構成とすることができる。
上記の構成によれば、ポンプの入口で冷媒が完全に液相化されたことを確認した状態でポンプの運転を開始することができる。
また、上記廃熱発電システムでは、当該廃熱発電システムの起動時における前記ポンプの駆動は、前記蒸発器に廃熱を供給する熱源媒体の温度が予め設定された基準値以上となった時点で開始される構成とすることができる。
上記の構成によれば、簡易な制御にて、ポンプの入口で冷媒が完全に液相化されたと見なされる状態でポンプの運転を開始することができる。
また、上記廃熱発電システムは、前記発電機の出力側に直流電圧一定制御を行う系統用インバータが接続されており、前記系統用インバータにおいて直流電圧一定制御が不可となる状態に近づいたことを事前に検知した場合は、当該廃熱発電システムの出力を抑制する第1出力抑制制御を行う構成とすることができる。
上記の構成によれば、系統用インバータにおいて直流電圧一定制御が不可となる状態に近づいた場合に第1出力抑制制御を行うことで、(廃熱発電システムとして制御が容易な)直流電圧一定制御の状態を維持することができる。
また、上記廃熱発電システムでは、前記第1出力抑制制御は、前記系統用インバータからの受電電力が所定の受電電力閾値を下回った場合、前記系統用インバータの温度が所定の温度閾値を超えた場合、前記系統用インバータでの直流電圧が所定の電圧閾値を超えた場合、および、前記発電機による発電量が所定の電力閾値を超えた場合の少なくとも1つが発生したときに行われる構成とすることができる。
また、上記廃熱発電システムでは、前記第1出力抑制制御は、通常運転時に比べて冷媒の流量を低下させて運転を行う制御である構成とすることができる。
上記の構成によれば、冷媒の流量を低下させることで廃熱発電システムの出力を抑制することができる。
また、上記廃熱発電システムでは、前記第1出力抑制制御は、冷媒の過熱度の目標値を通常運転時よりも上げて運転を行う制御である構成とすることができる。
上記の構成によれば、冷媒の過熱度の目標値を上げることで、第1出力抑制制御時において通常運転時よりも冷媒の流量を低下させることができる。
また、上記廃熱発電システムは、前記第1出力抑制制御の実施後、前記系統用インバータにおいて直流電圧一定制御が不可となる状態にさらに近づいたことを検知した場合に、当該廃熱発電システムの出力を停止させる第2出力抑制制御を行う構成とすることができる。
上記の構成によれば、第1出力抑制制御の実施後も系統用インバータにおいて直流電圧一定制御が不可となる状態にさらに近づく場合には、第2出力抑制制御によって廃熱発電システムの出力を停止させることで、システムの安全性を確保することができる。
また、上記廃熱発電システムでは、前記ポンプおよび前記電動弁は、前記蒸発器よりも低い位置に配置されている構成とすることができる。
上記の構成によれば、廃熱発電システムの起動時などにおいて、ポンプおよび電動弁を液相の冷媒に対して作用させやすくなる。
本発明の廃熱発電システムは、廃熱発電システムの起動性を改善することができるといった効果を奏する。
本発明の一実施形態を示すものであり、廃熱発電システムの概略構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る起動性改善制御の一例を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の廃熱発電システム(以下、本システム)の概略構成を示すブロック図である。本システムは、ランキンサイクルなどの熱サイクルを用いて発電を行うシステムとなっている。
図1に示すように、本システムは、蒸発器11、膨張機12、凝縮器13、レシーバ14、過冷却熱交換機15、ポンプ16、電動弁17および発電機18を構成要素として備えている。本システムでは、冷媒(作動流体)は、ポンプ16、電動弁17、蒸発器11、膨張機12、凝縮器13、レシーバ14および過冷却熱交換機15の順に循環する。
蒸発器11は、温泉や工場などの施設で発生する廃熱によって冷媒を加熱し、冷媒を気相化させる。本システムでは、廃熱は温水や高温ガスなどの熱源媒体によって供給され、冷媒と熱源媒体との間の熱交換によって冷媒が加熱される。
膨張機12は、気相化した冷媒を膨張させる。本システムは、膨張する冷媒から動力を発生させ、この動力によって発電を行うものとなっている。具体的には、膨張する冷媒によって膨張機12内でタービンを回転させ、このタービンに接続された発電機18によって発電を行う。
凝縮器13は、膨張した冷媒を凝縮し、冷媒を液相化させる。凝縮器13では、冷却水との熱交換によって冷媒の温度が下げられる。但し、本システムでは、凝縮器13において全ての冷媒が液相化するものではなく、凝縮器13の出口において、冷媒は気液混合状態となっている。
レシーバ14は、熱サイクル内で気液分離器として機能する。すなわち、レシーバ14の入口で気液混合状態となっている冷媒は、レシーバ14内で液相の冷媒と気相の冷媒とに分離され、レシーバ14の出口からは液相の冷媒のみが排出される。過冷却熱交換機15は、レシーバ14で分離された液相の冷媒を冷却水との熱交換によってさらに冷却し、過冷却液とする。
ポンプ16は、熱サイクル内で冷媒を循環させる動力源であり、過冷却熱交換機15の下流側に配置されることで、液相の冷媒に対して作用する。電動弁17は、その開度を調整可能な開度調整弁であり、熱サイクル内での冷媒の流量制御に使用される。すなわち、電動弁17の開度を大きくすれば冷媒の流量を増やすことができ、開度を小さくすれば冷媒の流量を減らすことができる。尚、ポンプ16および電動弁17は、液相の冷媒に対して作用させるため、本システム内での低い位置、少なくとも蒸発器11よりも低い位置に配置されていることが好ましい。
また、本システムでは、冷媒中の水分を除去するためのドライヤ19や、冷媒中のゴミを除去するためのフィルタ20が備えられていてもよい。さらに、本システムでは、熱サイクル内の所定の箇所で冷媒の温度や圧力を検知する温度センサTや圧力センサPが適宜備えられている。
以上が本システムの基本構成であるが、続いて、本システムにおける特徴的な制御方法について、以下の実施の形態1ないし4において説明する。
〔実施の形態1〕
本実施の形態1では、本システムの起動性を改善する制御方法について説明する。図1に示すように、本システムは、ポンプ16に対して、冷媒流れ方向の下流側直下(ポンプ16と蒸発器11との間)に電動弁17が配置されている。本実施の形態1に係る制御方法としては、本システムの起動時に電動弁17の開度を小さくする。具体的には、電動弁17の開度を小さくした状態でポンプ16の運転を開始し、ポンプ16の回転数が上昇してから電動弁17の開度を大きくする。尚、電動弁17の開度を大きくするタイミングは、ポンプ16の回転数を反映するパラメータ(例えば駆動周波数)が所定の基準値に到達した時点とすることが好ましい。あるいは、ポンプ16の運転を開始してから所定時間経過後に、ポンプ16の回転数が十分に上昇していると見なして、電動弁17の開度を大きくするものであってもよい。
図2は、本実施の形態1に係る起動性改善制御の一例を示すタイミングチャートである。ここでは、ポンプ16の最大駆動周波数が60Hzであるとする。尚、ポンプ16は、駆動周波数が大きくなるにつれて回転数も上昇する。図2の例では、本システムの起動時に、電動弁17の開度が20%と小さくされた状態でポンプ16の駆動が開始され、ポンプ16の駆動周波数を徐々に上げていく。そして、ポンプ16の駆動周波数が50Hzに到達すると電動弁17の開度を100%とし、さらにポンプ16の駆動周波数を60Hzに上げていく。
この起動性改善制御により、本システムの起動時におけるポンプ16のサージングを回避できる。ここで、ポンプのサージングとは、ポンプの吐出し量の少ない(ポンプの回転数が小さい)状態で運転した際に、ポンプや配管に振動が生じる現象を指す。本実施の形態1に係る制御では、本システムの起動時に電動弁17の開度を小さくし、ポンプ16の出口側圧力を高めることで起動直後のポンプ16の回転数が小さい状態においてもポンプ16のサージングを回避することができる。そして、ポンプ16の回転数が(サージングが発生しない程度に)十分に上昇すれば、電動弁17の開度を大きくして、冷媒の流量を必要なレベルにすることができる。尚、ポンプ16の回転数が上昇した後は、電動弁17の開度を大きくして冷媒の流量を増大させることで、ポンプ16の消費電力を抑制できる。
また、本実施の形態1では、本システムの停止時においても、起動時と逆の制御を行うことでポンプ16のサージングを回避することができる。すなわち、本システムの停止時には、最初に電動弁17の開度を小さくした状態でポンプ16の駆動周波数を下げていき、ポンプ16が完全に停止してから電動弁17を閉じる。この場合は、ポンプ16が完全に停止するまでの間、電動弁17の開度を小さくすることで、運転停止までのポンプ16の回転数が小さい状態においてもポンプ16のサージングを回避することができる。
また、本システムの起動時および停止時における電動弁17の開度制御は、ポンプ16と電動弁17との複合制御としてもよい。すなわち、電動弁17の開度を、図2に示す例よりも多段階の開度制御、もしくは連続的な開度制御により、ポンプ16の駆動周波数が大きくなるにつれ電動弁17の開度を大きくする制御としてもよい。
このような複合制御では、電動弁17の開度をポンプ16の駆動周波数に合わせてより適切に調節することが可能となり、ポンプ16のサージングを回避しながら本システムの起動性をより適切に改善することができる。尚、ポンプ16の駆動周波数と電動弁17の開度との関係は、予め実験的に求められたデータをLUT(Look-Up Table)として本システムの記憶部に格納し、本システムの制御部がこのLUTを参照して電動弁17の開度を調整すればよい。
〔実施の形態2〕
本実施の形態2では、本システムの起動性を改善する他の制御方法について説明する。本システムでは、蒸発器11における冷媒の加熱(蒸発器11への熱源媒体の供給)と、ポンプ16による冷媒の送液(熱サイクル内の冷媒の循環)とによって発電が行われる。ここで、ポンプ16は、ポンプ16の入口で冷媒が完全に液相となっていることで良好な送液性を得ることができる。本システムが安定して動作している状態であれば、熱サイクル内を循環する冷媒は、レシーバ14および過冷却熱交換機15の作用により、完全に液相化した状態でポンプ16に送り込まれる。
しかしながら、本システムの起動時には、ポンプ16の入口で冷媒が完全に液相化しておらず(気液混合状態となっており)、その状態でポンプ16の運転を開始するとポンプ16の送液性が低下して、本システムの起動性が悪化することが起こりうる。
このため、本システムでは、起動時において、蒸発器11における冷媒の加熱を先に行い、これに遅れてポンプ16による冷媒の送液が開始される制御を行う。この制御により、ポンプ16の運転開始前に蒸発器11に熱源媒体を供給することで熱サイクルにおける冷媒配管内の圧力を上昇させることができる。冷媒配管内の圧力が上昇すれば、これに伴って冷媒の過冷却度が大きくなるため、ポンプ16の入口で冷媒を完全に液相化することができ、ポンプ16の送液性が改善される。
上記制御において、ポンプ16の運転開始は、ポンプ16の入口で冷媒が完全に液相化されていることを確認して行われることが好ましい。冷媒が完全に液相化されているか否かは、冷媒温度(冷媒の過冷却度を含む)によって確認することができる。例えば、ポンプ16に対して冷媒流れ方向の上流側に温度計T1(図1参照)および圧力計P1(図1参照)を配置し、温度計T1および圧力計P1の出力から、ポンプ16の入口における冷媒温度(過冷却度)を算出することができる。すなわち、算出した冷媒温度が予め設定された基準値以上となってからポンプ16の運転を開始することで、上記制御を実現できる。
但し、上記制御において、ポンプ16の運転開始タイミングは、より簡易な方法で決定されるものであってもよい。例えば、蒸発器11に熱源媒体を供給する配管に温度計T2(図1参照)を配置し、温度計T2によって確認される熱源媒体温度が予め設定された基準値以上となってからポンプ16の運転を開始することで、上記制御を実現できる。この場合、ポンプ16の入口で冷媒が完全に液相化するときの熱源媒体温度を予め実験的に求めておき、その熱源媒体温度を上記基準値として設定すればよい。
〔実施の形態3〕
本実施の形態3に係る本システムは、発電機18の下流(出力側)に系統用インバータ(図示省略)を接続し、系統用インバータを介して電力会社の配電系統に接続されているとする。この場合、発電機18の発電によって得られる交流電流は、系統用インバータにて系統側に同期した電流(例えば、周波数60Hzで電圧200Vの交流電流)に変換して出力される。また、系統用インバータは、上述の出力変換に行うにあたって、交流電流を直流電流に一旦変換する必要がある。このとき、本システムでは、変換される直流電流において電圧が一定となるように、系統用インバータにて直流電圧一定制御が行われる。直流電圧一定制御では、蒸発器11に供給される熱源流体の温度に応じた発電量を得ることができる。このような直流電圧一定制御は、従来の廃熱発電システムにおいても一般的に採用されている。
但し、系統用インバータにおける直流電圧一定制御は、系統用インバータの出力と本システムにおけるポンプ16の回転数のバランスが崩れることによって、これを行えなくなる場合がある。このため、従来の廃熱発電システムでは、例えば下記(1)~(4)の状態となった場合に、直流電圧一定制御が不可になると判断し、直流電圧一定制御から受電電力一定制御に切り替えている。尚、ここでの受電電力とは、本システムを備える施設などが系統用インバータから受電する電力(自家消費電力)を指す。受電電力一定制御では、蒸発器11に供給される熱源流体の温度に関わらず、発電量を一定に抑制することができる。
(1) 受電電力の低下:受電電力が低下すると、発電量が自家消費分を超えて余剰電力が発生し、廃熱発電システムにおいて逆潮が生じる可能性がある。逆潮を防止するため、発電量を抑制する必要がある。
(2) 温度上昇:系統用インバータの温度が上昇した場合、インバータ保護のために発電量を抑制する。
(3) 電圧上昇:系統用インバータでの直流電圧が上昇した場合、系統用インバータに接続される系統保護のために発電量を抑制する。
(4) 電力超過:発電機18による発電量が系統用インバータの最大出力を超える場合、発電量を抑制する。
受電電力一定制御では、膨張機12におけるタービンの回転数制御(調速制御)を、ポンプ16や電動弁17によって行う必要がある。すなわち、ポンプ16の回転数を下げたりや電動弁17の開度を小さくすることで冷媒の流量を減らせば、発電量を抑制することができる。しかしながら、実際には、ポンプ16や電動弁17によって調速性を保つことは困難である。
このため、本実施の形態3に係る本システムでは、系統用インバータにおいて直流電圧一定制御が不可となる状態に近づいたことを事前に検知し、その状態に近づいたことを検知した場合は、系統用インバータにおいて直流電圧一定制御の状態を維持できるようするための出力抑制制御を行う。この出力抑制制御について以下に説明する。
<第1出力抑制制御>
第1出力抑制制御は、本システムにおいて直流電圧一定制御が不可となる前に(上述の(1)~(4)の状態に移行する前に)実施されるものであり、本システムの出力を抑制した状態で運転を継続する制御である。本システムの出力を抑制する方法としては、例えば、目標の過熱度を変更して運転を行う方法が挙げられる。通常、熱サイクルを用いた廃熱発電システムは、システムを効率良く稼働させるために過熱度の目標値を設定し、過熱度が目標値に維持されるように冷媒の流量制御を行う。例えば、通常運転時における加熱度の目標値が5℃であるような場合、その目標値を20℃に上げれば、本システムは過熱度を上昇させるために冷媒の流量を低下させ、その結果、本システムの出力が抑制される。尚、過熱度は、蒸発器11の下流側に配置される温度計T3(図1参照)および圧力計P3(図1参照)の出力から算出される。
また、第1出力抑制制御は、所定の閾値判定に基づいて開始される。例えば、上記(1)の状態が発生する受電電力に対し、これよりも高い値の受電電力を受電電力閾値として設定する。そして、受電電力が受電電力閾値を下回った場合に第1出力抑制制御を実施すれば、上記(1)の状態が発生する前に、本システムを通常運転から第1出力抑制制御による運転に移行させることができる。これにより、本システムの出力が抑制され、上記(1)の状態への移行が回避できるため、受電電力一定制御への切り替えも回避でき、直流電圧一定制御の状態を維持できるようになる。
同様に、上記(2)の状態が発生する系統用インバータの温度に対しては、これよりも低い温度を温度閾値として設定すれば、上記(2)の状態が発生する前に第1出力抑制制御による運転に移行できる。上記(3)の状態が発生する系統用インバータでの直流電圧に対しては、これよりも低い直流電圧を電圧閾値として設定すれば、上記(3)の状態が発生する前に第1出力抑制制御による運転に移行できる。上記(4)の状態が発生する発電機18による発電量に対しては、これよりも低い発電量を電力閾値として設定すれば、上記(4)の状態が発生する前に第1出力抑制制御による運転に移行できる。
尚、第1出力抑制制御は、冷媒の流量を低下させることでシステムの出力を抑制する制御であり、上記説明では過熱度に基づく冷媒の流量制御を例示した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、冷媒の流量を反映するものであれば、過熱度以外のパラメータに基づいて第1出力抑制制御を行うことも可能である。例えば、流量計で冷媒の流量を直接検出し、検出された冷媒の流量に基づいて(冷媒の流量が通常運転時よりも少なくなるように)第1出力抑制制御を行うことも可能である。
<第2出力抑制制御>
本システムでは、通常運転において上述の(1)~(4)の状態に近づくと、第1出力抑制制御に移行することで本システムの出力が抑制される。基本的には、第1出力抑制制御に移行すれば(1)~(4)の状態からは遠ざかるが、場合によっては、第1出力抑制制御への移行後も(1)~(4)の状態に近づくことも考えられる。このような場合、本システムは、第2出力抑制制御によって、系統用インバータが上述の(1)~(4)の状態に移行する前に停止シーケンスに移行し、本システムの出力を一旦停止させる。
また、第2出力抑制制御は、第1出力抑制制御と同様に、所定の閾値判定に基づいて開始される。この場合、第2出力抑制制御に移行するための閾値は、上記(1)~(4)の状態となる前であって、第1出力抑制制御の後に発生する閾値とされる。例えば、系統用インバータの温度に関し、(2)の状態となる温度が90℃であり、第1出力抑制制御に移行する温度閾値が80℃であるとすれば、第2出力抑制制御に移行する温度閾値は、その間の温度(例えば85℃)に設定される。
本システムでは、第1出力抑制制御に加えて、第2出力抑制制御を行うことで、系統用インバータにおける受電電力一定制御への切り替えを完全に不要とすることができる。すなわち、受電電力一定制御への切り替えを行わなくても、本システムの安全性を確保することができる。しかしながら、本システムはこれに限定されるものではなく、第1出力抑制制御のみを行い、第2出力抑制制御を実施しない構成としてもよい。この場合は、第1出力抑制制御への移行後に(1)~(4)の状態となった場合は、受電電力一定制御への切り替えが行われる制御シーケンスとすればよい。但し、第2出力抑制制御を実施しない構成であっても、第1出力抑制制御の実施時に、本システムの出力抑制度合いを大きくすれば、直流電圧一定制御から受電電力一定制御への切り替えをほぼ確実に回避することも可能である。
〔実施の形態4〕
本実施の形態4では、本システムの停止時において、部品保護のために出力を低減してからシステムを停止する制御方法について説明する。具体的には、膨張機12については、過回転になるとスクロール刃の接触などが懸念されるが、本実施の形態4のシステム停止制御を用いることで、そのようなスクロールの損傷を抑制することができる。また、系統用インバータについては、過回転になると整流器やIPMなど電装部品に高電圧がかかり、過電圧による故障が懸念されるが、そのような電装部品の損傷を抑制することができる。
上記実施の形態3でも説明したように、本システムは、通常運転時に過熱度の目標値を設定し、過熱度が目標値に維持されるようにポンプ16や電動弁17によって冷媒の流量制御を行っている。本実施の形態4に係るシステム停止制御では、過熱度の目標値を通常運転時から上げることで冷媒の流量を下げ、本システムの出力が低い状態になったことを確認してからシステム停止を行うことで、部品保護を行うことができる。例えば、通常運転時の過熱度の目標値を5℃とし、システム停止制御時は過熱度の目標値を50℃とする。これにより、システム停止制御において過熱度が目標値の50℃に到達した時点で、本システムの出力が低い状態になったことが確認できる。
今回開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
11 蒸発器
12 膨張機
13 凝縮器
14 レシーバ
15 過冷却熱交換機
16 ポンプ
17 電動弁
18 発電機

Claims (10)

  1. 廃熱を用いて発電を行う廃熱発電システムであって、
    廃熱によって冷媒を加熱し、冷媒を気相化させる蒸発器と、
    前記蒸発器で気相化された冷媒を膨張させる膨張機と、
    前記膨張機で膨張された冷媒を凝縮し、冷媒を液相化させる凝縮器と、
    前記凝縮器と前記蒸発器との間に配置され、冷媒を循環させるポンプと、
    前記ポンプと前記蒸発器との間に配置され、開度を調整可能な電動弁と、
    前記膨張機に接続され、膨張する冷媒から動力を発生させて発電を行う発電機とを備えており、
    当該廃熱発電システムの起動時には、前記電動弁の開度を小さくした状態で前記ポンプの運転を開始し、前記ポンプの回転数が上昇してから前記電動弁の開度を大きくする制御を行うことを特徴とする廃熱発電システム。
  2. 請求項1に記載の廃熱発電システムであって、
    当該廃熱発電システムの起動時には、前記蒸発器が加熱されてから前記ポンプの駆動を開始する制御を行うことを特徴とする廃熱発電システム。
  3. 請求項2に記載の廃熱発電システムであって、
    当該廃熱発電システムの起動時における前記ポンプの駆動は、冷媒温度が予め設定された基準値以上となった時点で開始されることを特徴とする廃熱発電システム。
  4. 請求項2に記載の廃熱発電システムであって、
    当該廃熱発電システムの起動時における前記ポンプの駆動は、前記蒸発器に廃熱を供給する熱源媒体の温度が予め設定された基準値以上となった時点で開始されることを特徴とする廃熱発電システム。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の廃熱発電システムであって、
    前記発電機の出力側に直流電圧一定制御を行う系統用インバータが接続されており、
    前記系統用インバータにおいて直流電圧一定制御が不可となる状態に近づいたことを事前に検知した場合は、当該廃熱発電システムの出力を抑制する第1出力抑制制御を行うことを特徴とする廃熱発電システム。
  6. 請求項5に記載の廃熱発電システムであって、
    前記第1出力抑制制御は、前記系統用インバータからの受電電力が所定の受電電力閾値を下回った場合、前記系統用インバータの温度が所定の温度閾値を超えた場合、前記系統用インバータでの直流電圧が所定の電圧閾値を超えた場合、および、前記発電機による発電量が所定の電力閾値を超えた場合の少なくとも1つが発生したときに行われることを特徴とする廃熱発電システム。
  7. 請求項5または6に記載の廃熱発電システムであって、
    前記第1出力抑制制御は、通常運転時に比べて冷媒の流量を低下させて運転を行う制御であることを特徴とする廃熱発電システム。
  8. 請求項7に記載の廃熱発電システムであって、
    前記第1出力抑制制御は、冷媒の過熱度の目標値を通常運転時よりも上げて運転を行う制御であることを特徴とする廃熱発電システム。
  9. 請求項5から8の何れか1項に記載の廃熱発電システムであって、
    前記第1出力抑制制御の実施後、前記系統用インバータにおいて直流電圧一定制御が不可となる状態にさらに近づいたことを検知した場合に、当該廃熱発電システムの出力を停止させる第2出力抑制制御を行うことを特徴とする廃熱発電システム。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の廃熱発電システムであって、
    前記ポンプおよび前記電動弁は、前記蒸発器よりも低い位置に配置されていることを特徴とする廃熱発電システム。
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