JP2023007607A - オゾン発生体及びオゾン発生器 - Google Patents

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Masayuki Segawa
貴之 大谷
Takayuki Otani
剛 上山
Go Kamiyama
崇広 横山
Takahiro Yokoyama
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Abstract

【課題】オゾン発生体における電極の消耗を抑制する。【解決手段】オゾン発生体3は、第1電極10と、第1電極10を覆う第1誘電体11と、第2電極30と、第2電極30を覆う第2誘電体31と、を有する。オゾン発生体3は、第1誘電体11と第2誘電体31との間に形成される放電空間DSに誘電体バリア放電を生じさせる。【選択図】図5

Description

本発明は、オゾン発生体及びオゾン発生器に関する。
特許文献1には、放電空間に誘電体バリア放電を生じさせることで原料ガスからオゾンを発生させるオゾン発生方法が開示されている。放電空間は、2つの電極と、片方の電極上で且つ2つの電極の間に配置された誘電体と、によって形成されている。
WO2017/098575
この種のオゾン発生方法では、電極が誘電体に覆われずに露出する部分を有するため、放電の際に酸化して気化し、消耗することが懸念される。
本発明は、オゾン発生体における電極の消耗を抑制することが可能な技術を提供する。
[1]本発明のオゾン発生体は、第1電極と、第1電極を覆う第1誘電体と、第2電極と、第2電極を覆う第2誘電体と、を有する。本発明のオゾン発生体は、第1誘電体と第2誘電体との間に形成される放電空間に誘電体バリア放電を生じさせる。
この構成によれば、放電空間に誘電体バリア放電を生じさせることで、酸素からオゾンを発生させることができる。しかも、第1電極は第1誘電体に覆われており、第2電極は第2誘電体に覆われているため、第1電極及び第2電極の酸化による消耗を抑制することができる。
[2]本発明のオゾン発生体は、第1誘電体及び第2誘電体を、第1誘電体及び第2誘電体の並び方向に対して直交する直交方向の一端側で片持ち支持する支持部を有してもよい。
この構成によれば、第1誘電体及び第2誘電体が同じ側で片持ち支持されるため、直交方向の他端側において、第1誘電体と第2誘電体との間を開口させることができる。このため、第1誘電体と第2誘電体との間に形成される放電空間に気体が入り込みやすくなり、その結果、オゾンの発生効率を向上させることができる。
[3]第1誘電体と第2誘電体との間隔である誘電体間ギャップが、0.15mm以上であってもよい。
この構成によれば、放電空間へ気体が流入しやすくなり、放電空間から気体が排出されやすくなる。
[4]第1誘電体と第2誘電体との間隔である誘電体間ギャップが、0.20mm以上であってもよい。
この構成によれば、より一層、放電空間へ気体が流入しやすくなり、放電空間から気体が排出されやすくなる。
[5]第1誘電体と第2誘電体との間隔である誘電体間ギャップが、0.25mm以上であってもよい。
この構成によれば、より一層、放電空間へ気体が流入しやすくなり、放電空間から気体が排出されやすくなる。
[6]第1電極と第2電極との間隔である電極間距離が、1.1mm以下であってもよい。
この構成によれば、放電に起因する電磁ノイズの発生を抑制しつつ放電空間に誘電体バリア放電を生じさせ、酸素からオゾンを発生させることができる。
[7]第1電極と第2電極との間隔である電極間距離が、0.90mm以下であってもよい。
この構成によれば、より一層、放電に起因する電磁ノイズの発生を抑制しつつ、放電空間に誘電体バリア放電を生じさせ、酸素からオゾンを発生させることができる。
[8]第1電極と第2電極との間隔である電極間距離が、0.80mm以下であってもよい。
この構成によれば、より一層、放電に起因する電磁ノイズの発生を抑制しつつ、放電空間に誘電体バリア放電を生じさせ、酸素からオゾンを発生させることができる。
[9]本発明のオゾン発生器は、気体の流路と、流路の吸気口側から排気口側に向けて気体を送り込むファンと、[1]から[8]のいずれかのオゾン発生体と、を有する。オゾン発生体は、吸気口から吸い込まれた空気を原料として、流路にオゾンを発生させる。
この構成によれば、上記オゾン発生体をオゾン発生器に適用することができる。
[10]ファンは、オゾン発生体よりも上流側に配置され、所定の回転方向に回転することで流路に回転方向の旋回流を生成してもよい。オゾン発生体における第1誘電体は、第2誘電体と対向し、且つ第2誘電体との間に放電空間を形成する第1面を有してもよい。オゾン発生体における第2誘電体は、第1面と対向する第2面を有してもよい。オゾン発生体は、流路の壁面側に配置されてもよい。第1面及び第2面は、下流側に向かうにつれて回転方向に傾斜するように配置されてもよい。
この構成によれば、ファンから送られる気体が第1面及び第2面の間に形成される放電空間に入り込みやすくなるため、オゾン発生体によるオゾンの発生効率を向上させることができる。また、第1面及び第2面が下流側に向けて傾斜しているため、排気口側から流路内を覗いた人の目に、誘電体バリア放電によって生じた紫外線が入ることを抑制することができる。
本発明によれば、オゾン発生体における電極の消耗を抑制することができる。
図1は、オゾン発生器の斜視図である。 図2は、オゾン発生器の断面の斜視図である。 図3は、図2とは異なる切断面におけるオゾン発生器の断面図である。 図4は、オゾン発生体の斜視図である。 図5は、オゾン発生体を短手方向から見た図である。 図6は、オゾン発生体を並び方向から見た図である。 図7は、オゾン発生体の分解斜視図である。 図8は、オゾン発生体のホルダを取り付ける前の状態を示す斜視図である。 図9は、図6のA-A線断面図である。 図10は、オゾン発生体が保持部に保持された状態を示す斜視図である。 図11は、オゾン発生器の電気的構成を示すブロック図である。 図12は、第1電極及び第2電極の先端部分の拡大図である。 図13は、オゾン発生量に関する実験結果を示す説明図である。 図14は、ノイズに関する実験結果を示す説明図である。 図15は、オゾン発生量及びノイズに関する実験結果を示す説明図である。
1.第1実施形態
1-1.オゾン発生器100の構成
図1に示すオゾン発生器100は、外部の空気を吸い込み、誘電体バリア放電により空気中の酸素からオゾンを発生させ、外部に排出させる装置である。オゾン発生器100は、図2及び図3に示すように、気体の流路1と、ファン2と、オゾン発生体3と、を有する。
流路1は、吸気口5と、排気口6と、を有する。吸気口5は、オゾン発生器100の外部の気体(例えば空気)を流路1内に取り込む。排気口6は、流路1内の気体を、オゾン発生器100の外部に排出する。流路1は、吸気口5から吸い込んだ気体を排気口6から排出させる。
流路1は、所定のZ方向(本実施形態では上下方向)に沿って延びている。吸気口5は、Z方向の一端側(本実施形態では下端側)に配置され、Z方向の一端側(本実施形態では下方)に開口している。吸気口5の吸気方向は、Z方向の他端側(本実施形態では上方)である。排気口6は、Z方向の他端側(本実施形態では上端側)に配置され、Z方向の他端側(本実施形態では上方)に開口している。排気口6の排気方向は、Z方向の他端側(本実施形態では上方)である。
吸気口5は、Z方向を軸方向とした環状(具体的には円環状)に沿って配置されている。排気口6は、吸気口5が配置される環状部分よりも内側に配置されている。排気口6は、円形状に配置されている。
流路1は、第1流路7と、第1流路7よりも下流側の第2流路8と、を有する。第1流路7は、吸気口5から排気口6側に延びている。第1流路7は、環状の吸気口5から吸い込まれた気体を吸気口5の内周よりも内側に誘導する。第2流路8は、第1流路7の下流側の端部から排気口6側に向けてZ方向の他端側(本実施形態では上方)に延びている。第2流路8の下流側の端部は、排気口6につながっている。第2流路8は、環状の吸気口5の内周よりも外形が小さく、第1流路7によって内側に誘導された気体を排気口6側(本実施形態では上方)に誘導し、排気口6から排出させる。
ファン2は、流路1に気流(具体的には旋回流)を生成する装置であり、本実施形態では軸流ファンである。ファン2は、流路1の吸気口5側から排気口6側に向けて気体を送り込む送風動作を行う。ファン2は、モータを有する。ファン2は、電力が供給されることでモータが駆動し、送風動作を行う。ファン2は、流路1(具体的には第2流路8)に設けられる。ファン2は、ファン2の軸方向をZ方向に向けた状態で配置される。ファン2は、Z方向を軸方向として回転する。
オゾン発生体3は、交流電圧が印加されることによって誘電体バリア放電を生じさせ、吸気口5から吸い込まれた空気中の酸素を原料として流路1にオゾンを発生させるものである。オゾン発生体3は、図4から図7に示すように、第1電極10と、第2電極30と、第1誘電体11と、第2誘電体31と、第1端子12と、第2端子32と、支持部50と、を有する。
第1電極10及び第2電極30は、金属製であり、本実施形態ではタングステン(W)を材料として形成される。なお、第1電極10及び第2電極30は、タングステンに限らず、例えばモリブデン(Mo)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)などを材料として形成されてもよい。第1電極10及び第2電極30は、薄い金属層として構成され、所定方向に長い形態をなしている。第1電極10及び第2電極30(金属層)の厚さは、密着強度を確保する観点から10μm以上であることが望ましく、厚過ぎることによる剥がれを抑制する観点から50μm以下とすることが望ましい。第1電極10及び第2電極30の幅と長さは、必要なオゾン発生量に応じて任意に設定される。第1電極10及び第2電極30の幅WE(図6参照)は、1mmとする。第1電極10及び第2電極30の長さは、放電を生じさせる部分の長さLE(第1電極10と第2電極30との間に支持部50が存在しない部分の長さLE)(図5参照)を基準に設定される。長さLEは、10mmとする。
第1誘電体11及び第2誘電体31は、本実施形態ではアルミナ(Al)を材料として形成される。なお、第1誘電体11及び第2誘電体31は、アルミナに限らず、ガラス(SiO)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化イットリウム(Y)等の別のセラミックやそれらの混合物を材料として形成されてもよい。第1誘電体11は、第1電極10を覆い、第2誘電体31は、第2電極30を覆う。第1誘電体11及び第2誘電体31は、それぞれ板状をなしている。
第1誘電体11及び第2誘電体31は、第1誘電体11及び第2誘電体31の厚さ方向に並んで配置される。つまり、第1誘電体11及び第2誘電体31は、第1誘電体11及び第2誘電体31の厚さ方向に対向する。第1誘電体11と第2誘電体31との間には、放電空間DSが形成される。第1誘電体11は、第2誘電体31と対向する第1面11Aを有する、第2誘電体31は、第1面11Aと対向する第2面31Aを有する。第1面11Aと第2面31Aとの間には、放電空間DSが形成される。互いに対向する面は、それぞれ平坦な面であり、矩形状をなす。互いに対向する面のうち一方の面は、他方の面に沿って延びる。互いに対向する面のうち一方の面は、他方の面に対して平行であってもよいし、平行でなくてもよい。第1電極10及び第2電極30の厚さ方向は、第1誘電体11及び第2誘電体31の厚さ方向と同じである。第1誘電体11及び第2誘電体31の並び方向を、以下では「並び方向」という。
第1電極10は、並び方向において、第1誘電体11内の第2電極30側に寄った位置に配置される。第2電極30は、並び方向において、第2誘電体31内の第1電極10側に寄った位置に配置される。第1電極10及び第2電極30は、薄く形成された誘電体層の上面に印刷等により配置される。その上に、更に厚めの誘電体層を形成することで第1電極10を覆う第1誘電体11及び第2電極30を覆う第2誘電体31が製造される。
第1誘電体11のうち第1電極10よりも放電空間DS側の厚さ(第1電極10の放電空間DS側の面と第1誘電体11の放電空間DS側の面との距離)をD1とする(図5参照)。第2誘電体31のうち第2電極30よりも放電空間DS側の厚さ(第2電極30の放電空間DS側の面と第2誘電体31の放電空間DS側の面との距離)をD2とする(図5参照)。この場合、D1+D2の最小値は、下記式(1)によって求められる。
(D1+D2の最小値)=(オゾン発生体3に印加する電圧[kV])/(第1誘電体11及び第2誘電体31の材料の耐電圧(kV/mm)・・・式(1)
アルミナの耐電圧は15kV/mmであり、高圧の交流電圧のピーク値を4.5kVとすると、D1+D2の最小値は、0.3mmとなる。
他方、D1,D2が厚過ぎると、第1誘電体11及び第2誘電体31での損失が大きくなり、電力効率が低下する。このため、D1+D2の最大値は、D1+D2の最小値の2倍程度となる。具体的には、D1+D2は、0.3mm以上且つ0.6mm以下であることが好ましい。つまり、D1,D2は、それぞれ0.15mm以上且つ0.3mm以下であることが好ましい。本実施形態では、製造の容易さを考慮して、D1,D2をそれぞれ0.15mmとしている。
第1電極10及び第2電極30の延び方向(長手方向)は、第1誘電体11及び第2誘電体31の長手方向(以下、単に「長手方向」という)と同じである。長手方向は、「第1誘電体及び第2誘電体の並び方向に対して直交する直交方向」の一例に相当する。なお、第1誘電体11及び第2誘電体31の短手方向は、以下では、単に「短手方向」という。
第1誘電体11は、第1誘電体本体13と、第1張出部14と、第1凹部15と、を有する。第1誘電体本体13は、板状をなし、直方体形状をなす。第1誘電体本体13は、第1電極10を覆う。第1張出部14は、長手方向の一端側において、第1誘電体11の外側(第2誘電体31側とは反対側)に張り出した形態をなしている。第1張出部14は、第1誘電体11における短手方向全領域にわたって形成されている。第1張出部14は、第1誘電体11の長手方向の一端まで形成されている。第1凹部15は、第1誘電体11の外側(第2誘電体31側とは反対側)の面において、長手方向の一端側に形成されている。第1凹部15は、第1張出部14を凹ませた形態をなしている。第1凹部15は、第1誘電体11の長手方向の一端に開口している。
第2誘電体31は、第2誘電体本体33と、第2張出部34と、第2凹部35と、を有する。第2誘電体本体33は、板状をなし、直方体形状をなす。第2誘電体本体33は、第2電極30を覆う。第2誘電体本体33は、第1誘電体本体13と対向し、第1誘電体本体13との間に放電空間DSを形成する。第2張出部34は、長手方向の一端側において、第2誘電体31の外側(第1誘電体11側とは反対側)に張り出した形態をなしている。第2張出部34は、第2誘電体31における短手方向全領域にわたって形成されている。第2張出部34は、第2誘電体31の長手方向の一端まで形成されている。第2凹部35は、第2誘電体31の外側(第1誘電体11側とは反対側)の面において、長手方向の一端側に形成されている。第2凹部35は、第2張出部34を凹ませた形態をなしている。第2凹部35は、第2誘電体31の長手方向の一端に開口している。
第1誘電体11(具体的には第1誘電体本体13)と第2誘電体31(具体的には第2誘電体本体33)との距離である誘電体間ギャップGC(図5参照)は、空気の耐電圧が3.0kV/mm程度であることを考慮すると、オゾン発生体3に印加する交流電圧のピーク値を4.5kVとする場合、放電させるためには1.5mm未満とする必要がある。しかし、放電時間を長くし安定した放電を維持するためには、その3分の1以下、つまり0.5mm以下にすることが好ましい。他方、誘電体間ギャップGCが小さくなりすぎると、供給される空気が不足し、オゾン発生量が低下する。このため、ある程度の誘電体間ギャップGCを確保する必要がある。好ましい誘電体間ギャップGCについては、後ほど詳しく説明する。なお、誘電体間ギャップGCは、第1誘電体11及び第2誘電体31の互いの対向面が平行でない場合、第1電極10及び第2電極30の先端(長手方向の他端)の位置を基準とする。
第1誘電体11及び第2誘電体31の固有振動数Fn[Hz]は、第1誘電体11及び第2誘電体31が片持ち支持される構造において、それぞれ200Hz以上である。固有振動数Fn[Hz]は、実験結果から導き出すようにしてもよいし、演算式によって求めるようにしてもよい。固有振動数Fn[Hz]は、演算式によって求める場合、例えば、以下の式(A)によって求めることができる。
Figure 2023007607000002

Knは、定数であり、第1誘電体11及び第2誘電体31が片持ち支持される構造である場合には1.875である。E[Pa]は、第1誘電体11及び第2誘電体31のヤング率である。E[Pa]は、第1誘電体11及び第2誘電体31がアルミナである場合、280GPa程度である。I[m]は、第1誘電体11及び第2誘電体31の断面2次モーメントである。ρ[kg/m]は、第1誘電体11及び第2誘電体31の密度である。A[m]は、第1誘電体11及び第2誘電体31の断面積である。L[m]は、第1誘電体11及び第2誘電体31における支持部50によって支持される固定端から自由端までの長さである(図5参照)。
Lは、第1電極10及び第2電極30の長さLEよりも長いことが必要である。他方、Lが長すぎると固有振動数Fn[Hz]が小さくなる。このため、本実施形態では、Lは21.5mmとしている。この場合、固有振動数Fn[Hz]は、3500Hzとなり、200Hzを大きく超える。仮に第1誘電体11及び第2誘電体31の厚さを1.15mmとした場合、Lが90mm以下であれば、固有振動数Fn[Hz]が200Hz以上となる。また、第1誘電体11及び第2誘電体31の厚さをより厚くすれば、Lがより長くても、固有振動数Fn[Hz]を200Hzとすることができる。
第1電極10及び第2電極30は、互いに同一の大きさで且つ同一形状をなしており、面対称となる位置関係で配置される。第1誘電体11及び第2誘電体31は、互いに同一の大きさで且つ同一形状をなしており、面対称となる位置関係で配置される。
第1端子12及び第2端子32は、それぞれ金属製であり、板状をなす。第1端子12は、第1凹部15に配置され、第2端子32は、第2凹部35に配置される。第1端子12は、第1電極10に電気的に接続され、第2端子32は、第2電極30に電気的に接続される。第1端子12及び第2端子32は、それぞれ短手方向から見てL字型をなす。
第1端子12は、第1接続部21と、第1突出部22と、第3接続部23と、を有する。第1接続部21は、図5及び図6に示すように、第1誘電体11に設けられた第1導電部24を介して第1電極10に電気的に接続される。第1導電部24は、本実施形態では、第1誘電体11に形成されるビアである。第1導電部24は、第1電極10から第1誘電体11の外側(第2誘電体31側とは反対側)の面まで延びている。第1誘電体11の外側(第2誘電体31側とは反対側)の面には、第1導電部24が露出しており、第1導電部24の露出部分にランドが形成される。このランドに対して、第1接続部21がロウ付けされる。これにより、第1端子12が第1電極10に電気的に接続される。第1突出部22は、第1接続部21の一端に連なり、第1誘電体11の端部よりも一端側に突出している。第3接続部23は、第1突出部22の先端(一端側の端部)から屈曲して並び方向に延びている。
第2端子32は、第2接続部41と、第2突出部42と、第4接続部43と、を有する。第2接続部41は、第2誘電体31に設けられる第2導電部44を介して第2電極30に電気的に接続される。第2導電部44は、本実施形態では、第2誘電体31に形成されるビアである。第2接続部41は、上述した第1接続部21と第1電極10との接続と同様に、第2電極30に接続される。第2突出部42は、第2接続部41の一端に連なり、第2誘電体31の端部よりも一端側に突出している。第4接続部43は、第2突出部42の先端(一端側の端部)から屈曲して並び方向に延びている。第3接続部23及び第4接続部43は、互いに反対方向に延びている。
支持部50は、第1誘電体11及び第2誘電体31を支持する。支持部50は、第1誘電体11及び第2誘電体31を長手方向の一端側で片持ち支持する。つまり、支持部50は、第1誘電体11及び第2誘電体31を同じ側で片持ち支持する。支持部50は、第1誘電体11及び第2誘電体31のいずれよりもヤング率が低い。支持部50は、樹脂(例えば、ポリカーボネート(PC)、ABS、PVC、PPなど)を材料として形成される。PCなどの樹脂材料のヤング率は、1から2.5GPa程度であり、アルミナのヤング率280GPaと比較して非常に小さい。このため、アルミナで形成される第1誘電体11及び第2誘電体31の振動を、支持部50によって吸収しやすい。支持部50は、スペーサ51と、ホルダ52と、を有する。
スペーサ51は、長手方向の一端側において第1誘電体11と第2誘電体31との間に配置され、長手方向の他端側において第1誘電体11と第2誘電体31との間に放電空間DSを形成させる。スペーサ51は、板状をなしている。スペーサ51は、厚さ方向を、第1誘電体11及び第2誘電体31の並び方向に向けて配置される。スペーサ51は、第1誘電体11と第2誘電体31との間に配置されるスペーサ部53と、スペーサ部53から長手方向の一端側に延びて第1突出部22と第2突出部42との間に配置される延設部54と、を有する。
スペーサ部53は、板状をなす。スペーサ部53は、短手方向において、第1誘電体11及び第2誘電体31の範囲内に収まる。スペーサ部53の長手方向の一端は、第1誘電体11及び第2誘電体31の長手方向の一端よりも他端側に配置され、スペーサ部53の長手方向の他端は、第1張出部14及び第2張出部34の他端よりも一端側に配置される。
延設部54は、板状をなす。延設部54は、スペーサ部53よりも厚さが小さい。なお、延設部54は、スペーサ部53よりも厚さが小さくなくてもよく、例えばスペーサ部53と同じ厚さであってもよい。延設部54は、短手方向において、第1端子12及び第2端子32の両側の端部よりも外側まで延びている。延設部54は、長手方向において、第1端子12及び第2端子32の一端側の端部よりも一端側に延びている。
オゾン発生体3は、スペーサ51に、第1誘電体11及び第2誘電体31を接着させる両面テープ55を有する。第1誘電体11及び第2誘電体31は、それぞれ両面テープ55によってスペーサ51のスペーサ部53に接着される。
ホルダ52は、スペーサ51を挟んだ第1誘電体11及び第2誘電体31を保持する部材である。ホルダ52は、環状(具体的には角筒状)をなしており、スペーサ51を挟んだ第1誘電体11及び第2誘電体31の外周を囲むように配置される。なお、ホルダ52は、円環状であってもよいし、円環状以外であってもよい。ホルダ52は、ホルダ本体56と、係止部57と、第1切欠部58と、第2切欠部59と、を有する。
ホルダ本体56は、環状(具体的には角筒状)をなしている。なお、ホルダ本体56は、円環状であってもよいし、円環状以外であってもよい。ホルダ本体56は、並び方向の両側に配置される一対の第1壁部56Aと、短手方向の両側に配置される一対の第2壁部56Bと、を有する。
係止部57は、ホルダ本体56における長手方向の他端側の内面から内側に突出する形態をなしている。係止部57は、一対の第1壁部56Aの内面からそれぞれ突出している。係止部57は、第1壁部56Aにおける短手方向全領域にわたって形成されている。
第1切欠部58は、第1端子12及び第2端子32を露出させるように切り欠いた形態をなしている。第1切欠部58は、一対の第1壁部56Aにおける長手方向の一端側の端部を切り欠いた形態をなしている。
第2切欠部59は、放電空間DSを露出させるように切り欠いた形態をなしている。第2切欠部59は、一対の第2壁部56Bにおける長手方向の他端側の端部を切り欠いた形態をなしている。第2切欠部59の長手方向の一端は、第1切欠部58の長手方向の他端よりも他端側に配置されている。第2切欠部59の幅(並び方向の間隔)は、誘電体間ギャップGCよりも大きいことが好ましい。
ホルダ52は、図8に示すように、スペーサ51を挟んだ第1誘電体11及び第2誘電体31に対し、長手方向の他端側から挿し通される。ホルダ52は、係止部57が第1誘電体11の第1張出部14及び第2誘電体31の第2張出部34の長手方向の端部に接触することで、位置決めされる。なお、図9に示すように、並び方向において、スペーサ51を挟んだ状態の第1誘電体本体13及び第2誘電体本体33の外面同士の間隔をL1とし、スペーサ51を挟んだ状態の第1張出部14及び第2張出部34の外面同士の間隔をL2とし、ホルダ52の一対の第2壁部56Bの内面同士の最小の間隔をL3とし、ホルダ52の一対の係止部57の内面同士の間隔をL4とした場合、以下の式(2)及び式(3)が成り立つ。
L1≦L4 ・・・式(2)
L4<L2≦L3 ・・・式(3)
オゾン発生器100は、図2及び図3に示すように、流路構成部60と、周壁部61と、底部62と、天井部63と、フィンガーガード64と、吸気部65と、拡散板66と、を有する。
流路構成部60は、流路1を構成する部位である。流路構成部60は、周方向に複数(本実施形態では2)の分割体に分割される構造となっている。具体的には、流路構成部60は、周方向に分割された第1分割体60A及び第2分割体60Bを有し、第1分割体60A及び第2分割体60Bを連結させることで構成される。
周壁部61は、環状(具体的には筒状、より具体的には円筒状)をなしており、流路構成部60及び流路1の外周を囲む形態をなしている。オゾン発生器100の外周の直径(周壁部61の外径)は、225mmであり、オゾン発生器100の高さは、204mmである。
底部62は、載置面に載置される部位である。底部62は、上側に配置される流路構成部60を支持する。底部62は、環状に配置される吸気口5の内側に収まる形態をなしている。また、底部62は、周壁部61の内周よりも小さい外形をなしている。
天井部63は、オゾン発生器100におけるZ方向の他端側に配置され、Z方向を軸方向とした環状をなしている。天井部63の内側には、排気口6が形成されている。天井部63は、外周が周壁部61の他端側の端部(本実施形態では上端部)に連結されており、周壁部61と一体に形成されている。周壁部61及び天井部63は、フィンガーガード64を間に挟んで流路構成部60の上側に配置され、流路構成部60に支持される。周壁部61は、載置面から浮いた状態で支持される。
フィンガーガード64は、複数の貫通孔が形成された平面状(本実施形態では円板状)の部位である。貫通孔は、スリット状に形成されている。フィンガーガード64は、流路1内の排気を許容しつつ、外部からの異物(例えば指など)の侵入を抑制する機能を有する。フィンガーガード64は、流路構成部60及び天井部63とは別部材として構成されている。フィンガーガード64は、拡散板66よりも下流側に配置される。
吸気部65は、吸気口5を形成する部位であり、環状をなしている。吸気部65は、周壁部61の下端側の内周側と、底部62の上端側の外周側との間に配置され、流路構成部60に対して係止される。吸気部65は、複数の吸気口5が形成されている。複数の吸気口5は、環状の吸気部65に沿って環状に並んで配置されている。吸気口5は、径方向に長い形状をなしている。
拡散板66は、オゾン発生体3が発生させたオゾンを流路1内に拡散させるものである。拡散板66は、流路1のうちオゾン発生体3よりも下流側に配置される。拡散板66は、流路1の壁面1Aから内側に突出した形態をなしている。拡散板66は、壁面1Aの周方向の一部から突出している。拡散板66は、壁面1Aから離れるにつれて幅が小さくなっている。拡散板66は、扇形状をなしている。拡散板66は、Z方向の他端側から見た場合に、オゾン発生体3と重なる位置に配置される。拡散板66は、流路構成部60(具体的には第1分割体60A)と一体に形成されている。
オゾン発生器100は、図3及び図10に示すように、保持部70と、第1相手側端子71と、第2相手側端子72と、ねじ73と、交流電源74と、を有する。
保持部70は、オゾン発生体3を保持する部位である。保持部70は、第1収容部75と、端子固定部76と、第2収容部77と、を有する。第1収容部75は、底面と、底面から突出してホルダ52の外周を囲む囲み部と、を有する。第1収容部75には、ホルダ52における長手方向の一端側が収容される。ホルダ52の少なくとも一部は、第1収容部75の開口端から突出する。第1収容部75は、オゾン発生体3の第1端子12及び第2端子32が嵌まる切欠溝75Aを有する。端子固定部76は、第1端子12及び第2端子32のそれぞれに対応して設けられている。端子固定部76は、雌ねじ部を有する。第1端子12の第3接続部23は、一方の端子固定部76に対し、ねじ73によって第1相手側端子71と共締めされる。第2端子32の第4接続部43は、他方の端子固定部76に対し、ねじ73によって第2相手側端子72と共締めされる。第1相手側端子71及び第2相手側端子72は、それぞれ交流電源74に電気的に接続される。
第2収容部77は、第1収容部75に収容されたオゾン発生体3における長手方向の一端側を収容し、少なくとも第1端子12及び第2端子32の全体を収容する。第2収容部77の内部は、少なくとも第1端子12及び第2端子32の全体が埋まる位置まで樹脂モールドされる。ホルダ52の少なくとも一部(具体的には、少なくとも第2切欠部59の長手方向の一端よりも他端側)は、モールドされた樹脂から突出した状態となる。
保持部70は、流路構成部60の外側面に対して固定される。保持部70は、図3に示すように、流路1の壁面1Aの外側に配置され。壁面1Aの外側でオゾン発生体3の支持部50を保持する。流路1の壁面1Aには、オゾン発生体3を内側に突出させる開口部1Bが形成されている。オゾン発生体3の第1誘電体11及び第2誘電体31は、開口部1Bから壁面1Aの内側に突出した状態で配置される。第1電極10の少なくとも一部及び第2電極30の少なくとも一部は、壁面1Aよりも内側に配置される。また、ホルダ52も、開口部1Bから壁面1Aの内側に突出した状態で配置される。
上述したファン2は、オゾン発生体3よりも上流側に配置され、所定の回転方向に回転することで、流路1にその回転方向の旋回流を生成する。本実施形態では、所定の回転方向は、排気口6側(Z方向の他端側)から見て時計回りの方向である。オゾン発生体3は、流路1の壁面1A側に配置されている。第1誘電体11の第1面11A及び第2誘電体31の第2面31Aは、下流側に向かうにつれて上記所定の回転方向に傾斜している。このため、ファン2から送られる気体が、第1面11A及び第2面31Aの間に形成される放電空間DSに入り込みやすくなっている。第1面11A及び第2面31A(第1誘電体11と第2誘電体31との間に形成され、ファン2から送られる気体を導入する気体導入口の開口方向)のZ方向(オゾン発生体3が配置される円筒状の流路1の中心軸)に対するファン2の回転方向への傾き角度は、0°より大きく80°以下であることが好ましく、0°より大きく50°以下であることがより好ましい。
交流電源74は、トランスを有し、交流電力を供給しうる。交流電源74は、オゾン発生器100の外部の商用電源から供給される電力に基づいて所望の交流電力を生成し、オゾン発生体3等に供給する。
オゾン発生器100は、図11に示すように、制御部80と、操作部81と、オゾン検出部82と、表示部83と、音出力部84と、を有する。制御部80は、オゾン発生器100の動作を制御する。制御部80は、マイクロコンピュータを主体として構成され、CPU、ROM、RAM、駆動回路等を有する。
操作部81は、例えば押圧によってオンオフ状態が切り替わるスイッチであり、例えばタクトスイッチである。操作部81の操作結果を示す信号は、制御部80に入力される。オゾン検出部82は、オゾン発生器100の外部の空気のオゾン濃度を検出する。オゾン検出部82の検出値を示す信号は、制御部80に入力される。
制御部80は、交流電源74を介して、オゾン発生体3の動作を制御しうる。制御部80は、オゾン発生体3に印加する交流電圧を制御することで、オゾン発生体3が発生させるオゾンの量を調整しうる。制御部80は、操作部81の操作結果に基づいてオゾンの発生量を調整しうる。制御部80は、オゾン検出部82で検出されたオゾン濃度に基づいて、オゾン濃度が目標値に近づくようにオゾン発生体3の動作をフィードバック制御しうる。
制御部80は、ファン2の動作を制御しうる。制御部80は、ファン2にPWM信号を与えることで、ファン2をPWM制御する。これにより、制御部80は、風量を調整しうる。
制御部80は、表示部83の動作を制御しうる。表示部83は、例えばLEDランプである。表示部83は、LEDの点灯状態によって、電源のオンオフ状態や、ファン2の動作状態、外部のオゾン濃度などを示す。
制御部80は、音出力部84の動作を制御しうる。音出力部84は、音を出力するものであり、例えばブザーである。音出力部84は、例えばオゾン発生器100に異常が生じた場合に警報音を出力する。
1-2.誘電体間ギャップGC及び電極間距離GEについて
誘電体間ギャップGCは、図5に示すように、第1誘電体11と第2誘電体31との間隔(具体的には、第1面11Aと第2面31Aとの間隔)である。誘電体間ギャップGCは、第1電極10及び第2電極30の長手方向の他端(先端)の位置を基準に測定される。電極間距離GEは、図5に示すように、第1電極10と第2電極30との間隔(具体的には、第1電極10と第2電極30とにおける長手方向の他端(先端)同士の間隔)である。
図5に示すD1及びD2を一定とすると、誘電体間ギャップGCが大きくなるにつれて、電極間距離GEも大きくなるため、放電のために必要な電圧も大きくなる。放電のために必要な電圧が大きくなると、放電に起因する電磁ノイズが大きくなること、昇圧するためのトランスが大型化すること、などが懸念される。これらの問題を解消するために、誘電体間ギャップGCを小さくすることが考えられるが、誘電体間ギャップGCを小さくすると、放電空間DSで生じたオゾンが放電空間DSから放出されにくくなることが懸念される。なお、ファン2から放電空間DSに送る風量を増やすことで、オゾンを放電空間DSから放出させやすくすることが考えられるが、この場合、ファン2が発生させる騒音が大きくなること、ファン2の消費電力が大きくなること、など別の問題が生じうる。そこで、発明者は、適切な誘電体間ギャップGC及び電極間距離GEを探るべく、実験を行った。
実験条件は、以下のとおりである。オゾン発生体3に対する印加電圧は、20kHzの周波数で、VPP(Voltage peak to peak)が4.5kVの矩形波で、デューティ(「オゾン発生体3に印加する交流電圧の周期に対するオン時間の比率」)が20%である。第1誘電体11及び第2誘電体31は、それぞれ長手方向の長さが31mmで、短手方向の長さが10mmで、厚さが1.3mmである。図5に示すD1、D2は、それぞれ0.15mmである。第1誘電体11及び第2誘電体31の材料はアルミナである。
図5に示す第1電極10及び第2電極30における放電を生じさせる部分の長さLEは10mmである。図6に示す第1電極10及び第2電極30の短手方向の長さWEは、0.6mmである。第1電極10及び第2電極30の材料は、タングステン(W)である。第1電極10及び第2電極30は、図12に示すパターンで形成される。第1電極10及び第2電極30は、図12に示すように、第1直線部91と、第2直線部92と、直交部93と、交差部94と、を有する。第1直線部91及び第2直線部92は、長手方向に沿って延び、短手方向に並んで配置されている。直交部93は、第1直線部91及び第2直線部92に対して直交する方向に沿って延び、第1直線部91及び第2直線部92を結ぶ。直交部93は、第1直線部91及び第2直線部92の長手方向に等間隔で複数設けられている。交差部94は、第1直線部91と直交部93との交点P1と、第2直線部92と直交部93との交点P2を、長さ方向の一端側から他端側に向けて交互に繋いでいる。第1電極10及び第2電極30のパターンを描く線幅は、0.1mmである。
ファン2に対する印加電圧は、24Vで、20kHzの矩形波で、デューティ(「ファン2に印加するPWM信号のオン時間の比率」)が30%である。ファン2の風速は、2.3m/sである。
オゾン発生体3は、直径100mmの図示しない実験用流路内に配置される。実験用流路の出口側には、図示しない実験用フィンガーガードが配置され、実験用フィンガーガードの中央から150mm離れた位置を、オゾン濃度を測定する対象の位置とした。オゾン濃度は、測定装置(オゾン測定器、荏原実業株式会社製、型番EG-3000F)により測定した。
ノイズは、CISPR14-1規格に基づく試験によって測定した。
本実験では、誘電体間ギャップGCを0.10mm、0.15mm、0.20mm、0.25mm、0.37mm、0.50mm、0.60mm、0.80mm、1.00mmとしたときのオゾン濃度を測定した。また、電極間距離GEを0.40mm、0.45mm、0.50mm、0.55mm、0.67mm、0.80mm、0.90mm、1.10mm、1.30mmとしたときのノイズを測定した。
オゾン濃度の測定結果は、図13に示すとおりである。ノイズの測定結果は、図14に示すとおりである。オゾン濃度及びノイズの総合評価は、図15に示すとおりである。
評価は以下のようにした。
<オゾン濃度(ppb)>
「×」…30未満、50以上(オゾン濃度が高いことによる悪影響を考慮して50以上を「×」としている)
「○」…30以上35未満
「◎」…35以上40未満
「☆」…40以上50未満
<ノイズ(dB)>
「×」…30以上
「○」…29以上30未満
「◎」…28以上29未満
「☆」…28未満
<総合評価>
「×」…オゾン濃度及びノイズの少なくともいずれか一方の評価が「×」
「○」…オゾン濃度及びノイズの評価に「×」がなく、且つ少なくともいずれか一方の評価が「○」
「◎」…オゾン濃度及びノイズの評価に「×」「○」がなく、且つ少なくともいずれか一方の評価が「◎」
「☆」…オゾン濃度及びノイズの両方の評価が「☆」
図13に示す評価結果から明らかなように、誘電体間ギャップGCは、0.15mm以上であることが好ましく、0.20mm以上であることがより好ましく、0.25mm以上であることがより好ましい。このように構成することで、放電空間DSへ気体が流入しやすくなり、放電空間DSから気体が排出されやすくなる。このため、放電空間DSにてオゾンを効率的に発生させ、発生させたオゾンを放電空間DSから排出させることができる。
また、図14に示す評価結果から明らかなように、電極間距離GEは、1.1mm以下であることが好ましく、0.90mm以下であることがより好ましく、0.80mm以下であることがより好ましい。このように構成することで、放電に起因する電磁ノイズの発生を抑制しつつ放電空間DSに誘電体バリア放電を生じさせ、酸素からオゾンを発生させることができる。
また、図15に示す評価結果から明らかなように、誘電体間ギャップGCが0.15mm以上で且つ電極間距離GEが1.1mm以下であることが好ましく、誘電体間ギャップGCが0.20mm以上で且つ電極間距離GEが0.90mm以下であることがより好ましく、誘電体間ギャップGCが0.25mm以上で且つ電極間距離GEが0.80mm以下であることがより好ましい。このように構成することで、放電に起因する電磁ノイズの発生を抑制しつつ、且つ効率的にオゾンを発生させ、発生させたオゾンを放電空間DSから排出させることができる。
1-3.第1実施形態の効果
第1実施形態では、支持部50が、第1誘電体11及び第2誘電体31のいずれよりもヤング率が低い。このため、第1誘電体11又は第2誘電体31が振動しても、支持部50が支持する部分に応力がかかりにくい。ゆえに、第1誘電体11及び第2誘電体31が破損しにくい。
更に、第1誘電体11及び第2誘電体31が同じ側で片持ち支持されるため、長手方向の他端側において、第1誘電体11と第2誘電体31との間を開口させることができる。このため、第1誘電体11と第2誘電体31との間に形成される放電空間DSに気体が入り込みやすくなり、その結果、オゾンの発生効率を向上させることができる。
更に、支持部50は、第1誘電体11と第2誘電体31との間に配置されるスペーサ51を有する。このため、第1誘電体11と第2誘電体31との間隔を、スペーサ51によって容易に設定することができる。
更に、支持部50は、スペーサ部53から延びて第1突出部22と第2突出部42との間に配置される延設部54と、を有する。このため、第1端子12と第2端子32とをより確実に絶縁させることができる。
更に、第1端子12の第3接続部23は第1突出部22の先端から屈曲して延びるため、第1突出部22の突出方向への第1端子12の広がりを抑えることができる。また、第2端子32の第4接続部43は第2突出部42の先端から屈曲して延びるため、第2突出部42の突出方向への第2端子32の広がりを抑えることができる。
更に、支持部50は、スペーサ51を挟んだ第1誘電体11及び第2誘電体31を保持するホルダ52を有する。このため、支持部50のスペーサ51とホルダ52とによって、第1誘電体11と第2誘電体31との間隔を一定に保持することができる。
更に、ホルダ52は、スペーサ51を挟んだ第1誘電体11及び第2誘電体31の外周を囲む環状をなしている。このため、ホルダ52の孔に、スペーサ51を挟んだ第1誘電体11及び第2誘電体31を挿し通すことで、容易に組み付けることができる。
更に、ホルダ52は、第1端子12及び第2端子32を露出させるように切り欠いた第1切欠部58を有する。このため、第1切欠部58を通して、第1端子12及び第2端子32を樹脂で埋めやすくなる。
更に、ホルダ52は、放電空間DSを露出させるように切り欠いた第2切欠部59を有する。このため、ホルダ52によって第1誘電体11及び第2誘電体31の外周を囲みつつも、第2切欠部59を通して、放電空間DSへの気体の流入を許容することができる。ゆえに、ホルダ52を設けることによる放電空間DSへの気体の流入量の低下を抑制することができる。
更に、第1誘電体11及び第2誘電体31は、セラミックであり、支持部50は、樹脂製である。このため、第1誘電体11及び第2誘電体31をセラミックで形成しつつも、振動が加わった際に支持部50による支持部分に応力がかかった場合に、第1誘電体11及び第2誘電体31が破損することを抑制することができる。
更に、第1電極10及び第2電極30の固有振動数Fnが、200Hz以上である。このため、輸送時など外部から振動が加わる状況において、共振に起因する振動を小さく抑えることができ、その結果、振動時に第1誘電体11及び第2誘電体31に及ぶ応力が小さくなるため、破損しにくくなる。
更に、支持部50は、スペーサ51に、第1誘電体11及び第2誘電体31を接着させる両面テープ55を有する。このため、第1誘電体11及び第2誘電体31のスペーサ51に対する接着が容易である。
更に、オゾン発生体3の支持部50は、第1誘電体11及び第2誘電体31を、長手方向の一端側で片持ち支持し、且つ流路1の壁面1Aよりも外側で保持される。そして、オゾン発生体3の第1誘電体11及び第2誘電体31は、壁面1Aよりも内側に突出して配置される。このため、オゾン発生器100は、両持ち支持する構成又は互い違いに片持ち支持する構成と比較して、オゾン発生体3を固定する構造や配線を集約することができるため、構造を簡素化できる。
また、第1実施形態のオゾン発生体3は、第1電極10と、第1電極10を覆う第1誘電体11と、第2電極30と、第2電極30を覆う第2誘電体31と、を有している。そして、オゾン発生体3は、第1誘電体11と第2誘電体31との間に形成される放電空間DSに誘電体バリア放電を生じさせる。このため、放電空間DS内の酸素からオゾンを発生させることができる。しかも、第1電極10は第1誘電体11に覆われており、第2電極30は第2誘電体31に覆われているため、第1電極10及び第2電極30の酸化による消耗を抑制することができる。
更に、オゾン発生体3は、第1誘電体11及び第2誘電体31を、第1誘電体11及び第2誘電体31の長手方向の一端側で片持ち支持する支持部50を有する。これにより、第1誘電体11及び第2誘電体31が同じ側で片持ち支持されるため、長手方向の他端側において、第1誘電体11と第2誘電体31との間を開口させることができる。このため、第1誘電体11と第2誘電体31との間に形成される放電空間DSに気体が入り込みやすくなり、その結果、オゾンの発生効率を向上させることができる。
更に、第1実施形態のオゾン発生器100は、気体の流路1と、流路1の吸気口5側から排気口6側に向けて気体を送り込むファン2と、オゾン発生体3と、を有する。ファン2は、オゾン発生体3よりも上流側に配置され、所定の回転方向に回転することで流路1に回転方向の旋回流を生成する。そして、オゾン発生体3は、流路1の壁面1A側に配置されている。そして、第1面11A及び第2面31Aは、下流側に向かうにつれて回転方向に傾斜するように配置されている。これにより、ファン2から送られる気体が第1面11A及び第2面31Aの間に形成される放電空間DSに入り込みやすくなるため、オゾン発生体3によるオゾンの発生効率を向上させることができる。また、第1面11A及び第2面31Aが下流側に向けて傾斜しているため、排気口6側から流路1内を覗いた人の目に、誘電体バリア放電によって生じた紫外線が入ることを抑制することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述した実施形態や後述する実施形態の様々な特徴は、矛盾しない組み合わせであればどのように組み合わされてもよい。
上記実施形態では、Z方向が上下方向であったが、上下方向に限らない。例えば、Z方向は、上下方向に対して傾斜する方向であってもよい。
上記実施形態では、支持部が第1誘電体及び第2誘電体を片持ち支持する構成であったが、両持ち支持する構成であってもよい。
上記実施形態では、支持部が第1誘電体及び第2誘電体を同じ側で片持ち支持する構成であったが、同じ側で片持ち支持する構成でなくてもよく、例えば互い違いに反対側の端部で片持ち支持する構成であってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1…流路
1A…壁面
2…ファン
3…オゾン発生体
5…吸気口
6…排気口
10…第1電極
11…第1誘電体
11A…第1面
30…第2電極
31…第2誘電体
31A…第2面
50…支持部
100…オゾン発生器
DS…放電空間
GC…誘電体間ギャップ
GE…電極間距離

Claims (10)

  1. 第1電極と、
    前記第1電極を覆う第1誘電体と、
    第2電極と、
    前記第2電極を覆う第2誘電体と、を有し、
    前記第1誘電体と前記第2誘電体との間に形成される放電空間に誘電体バリア放電を生じさせるオゾン発生体。
  2. 前記第1誘電体及び前記第2誘電体を、前記第1誘電体及び前記第2誘電体の並び方向に対して直交する直交方向の一端側で片持ち支持する支持部を有する請求項1に記載のオゾン発生体。
  3. 前記第1誘電体と前記第2誘電体との間隔である誘電体間ギャップが、0.15mm以上である請求項1又は請求項2に記載のオゾン発生体。
  4. 前記誘電体間ギャップが0.20mm以上である請求項3に記載のオゾン発生体。
  5. 前記誘電体間ギャップが0.25mm以上である請求項4に記載のオゾン発生体。
  6. 前記第1電極と前記第2電極との間隔である電極間距離が、1.1mm以下である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のオゾン発生体。
  7. 前記電極間距離が0.90mm以下である請求項6に記載のオゾン発生体。
  8. 前記電極間距離が0.80mm以下である請求項7に記載のオゾン発生体。
  9. 気体の流路と、
    前記流路の吸気口側から排気口側に向けて気体を送り込むファンと、
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のオゾン発生体と、を有し、
    前記オゾン発生体は、前記吸気口から吸い込まれた空気を原料として、前記流路にオゾンを発生させるオゾン発生器。
  10. 前記ファンは、前記オゾン発生体よりも上流側に配置され、所定の回転方向に回転することで前記流路に前記回転方向の旋回流を生成し、
    前記オゾン発生体における前記第1誘電体は、前記第2誘電体と対向し、且つ前記第2誘電体との間に前記放電空間を形成する第1面を有し、
    前記オゾン発生体における前記第2誘電体は、前記第1面と対向する第2面を有し、
    前記オゾン発生体は、前記流路の壁面側に配置され、
    前記第1面及び前記第2面は、下流側に向かうにつれて前記回転方向に傾斜するように配置される請求項9に記載のオゾン発生器。
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