JP2023006278A - 半導体装置、及び、半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置、及び、半導体装置の製造方法 Download PDF

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桜子 田村
Sakurako Tamura
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Abstract

【課題】冷却効果を高めやすく、しかも薄型化させやすい半導体装置及びその製造方法を提供する。【解決手段】電極端子が形成された第1の表面と前記第1の表面とは逆側の第2の表面とを有する半導体チップと、前記第2の表面上に、もしくは、前記第1の表面上に設けられたペルチェ素子と、を備え、前記ペルチェ素子は、複数の熱電半導体素子を含む熱電半導体層を有し、前記熱電半導体素子は熱電半導体材料を含む組成物の塗膜の焼成体である、半導体装置。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置、及び、半導体装置の製造方法に関する。
近年の半導体装置においては、高周波化、高密度化、大電力化が一層進んでおり、従来の放熱対策では放熱特性が不足し、半導体チップの温度が上昇して所期の特性が得られなくなるという問題があった。そこで、吸熱特性を有するペルチェ素子を半導体装置に設けることが提案されている。
例えば、特許文献1には、複数のフェースダウン型半導体チップを封止キャップで封止した半導体パッケージにおいて、半導体チップ裏面の封止キャップ上、又は、回路基板の裏面にペルチェ素子を設けることが記載されている。なお、特許文献1には、ペルチェ素子の詳しい構成や材質、また、その形成方法等についての記載はない。
特開2002-198476号公報
ペルチェ素子による半導体チップの冷却効果をより高めるためにはなお改善の余地がある。また、ペルチェ素子を備えながらも、半導体装置全体を薄型にすることが求められておいる。さらに、複数の半導体チップが積層される、いわゆる三次元実装型の半導体装置においても、できるだけ薄型化できる構成が求められている。
本発明は、上記問題を鑑み、冷却効果を高めやすく、しかも薄型化させやすい半導体装置及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、半導体チップの所定面に、熱電半導体材料を含む組成物の塗膜の焼成体である熱電半導体素子を含むペルチェ素子を設けることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[6]を提供するものである。
[1]電極端子が形成された第1の表面と前記第1の表面とは逆側の第2の表面とを有する半導体チップと、前記第2の表面上に、もしくは、前記第1の表面上に設けられたペルチェ素子と、を備え、
前記ペルチェ素子は、複数の熱電半導体素子を含む熱電半導体層を有し、
前記熱電半導体素子は熱電半導体材料を含む組成物の塗膜の焼成体である、半導体装置。
[2]前記半導体チップの第1の表面に対向し、前記半導体チップに電気的に接続された被接続層をさらに備え、
前記半導体チップは、前記第1の表面上の電極端子により前記被接続層と電気的に接続し、前記ペルチェ素子は、前記第2の表面上に設けられている、半導体装置。
[3]隣り合う前記熱電半導体素子同士が互いに離間し、隣り合う前記熱電半導体素子間の空隙に補強材が充填されている、上記[1]又は[2]に記載の半導体装置。
[4]前記熱電半導体材料を含む組成物は、重合体成分、イオン化合物及び熱電半導体粒子を含む、上記[1]~[3]のいずれか一つに記載の半導体装置。
[5]半導体装置の製造方法であって、
(i)半導体チップの、電極端子が形成された第1の表面上に、もしくは、前記第1の表面とは逆側の第2の表面上に、熱電半導体材料を含む組成物を塗布して塗膜を得る塗布工程、及び、
(ii)前記塗膜をアニールして、前記ペルチェ素子を構成する熱電半導体層を得るアニール工程、を含む、半導体装置の製造方法。
[6]前記塗布工程においては、前記半導体チップと、前記半導体チップの第1の表面上の電極端子により電気的に接続している被接続層とを備える半導体装置用部品の、前記半導体チップの第2の表面上に、前記熱電半導体材料を含む組成物を塗布して塗膜を得る、上記[5]に記載の半導体装置の製造方法。
本発明に係る半導体装置は、冷却効果を高めやすく、しかも薄型化させやすい半導体装置及びその製造方法を提供することができる。
半導体装置の一例を示す断面模式図である。 半導体装置の他の一例を示す断面模式図である。 半導体装置の他の一例を示す断面模式図である。 半導体装置の他の一例を示す断面模式図である。 三次元実装型の半導体装置の一例を示す断面模式図である。 半導体装置の製造方法の一例を示す模式的な工程図である。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」と称することがある)について説明する。
[半導体装置]
本実施形態に係る半導体装置は、電極端子が形成された第1の表面と前記第1の表面とは逆側の第2の表面とを有する半導体チップと、前記第2の表面上に、もしくは、前記第1の表面上に設けられたペルチェ素子と、を備え、前記ペルチェ素子は、複数の熱電半導体素子を含む熱電半導体層を有し、前記熱電半導体素子は熱電半導体材料を含む組成物の塗膜の焼成体である、半導体装置である。
フェースアップ型半導体チップの場合、回路面は上向きに形成されており、通常、ワイヤーボンディングにより基板と半導体チップを電気的に接続する。そのため、ワイヤーを包み込む分、封止材が半導体チップの上方に厚く形成され、ペルチェ素子と発熱体である半導体チップとの距離が大きくなる。
これに対して、フェースダウン型半導体チップ等の、被接続層(基板の回路面等)と対向する表面に形成された電極端子により被接続層と電気的に接続する半導体チップでは、ワイヤーボンディングは行わないため、半導体チップの近位にペルチェ素子を配置することが可能である。また、塗膜から形成される熱電半導体素子は、半導体チップとの絶縁さえ図ることができれば、接着剤層や支持体を介することなく、フェースダウン型半導体チップ等の裏面(被接続層に対向する面とは逆側の面)に、塗布により直接形成することができる。
このため、上記半導体装置は、ペルチェ素子の冷却面と半導体チップの距離が近く、効率的に半導体チップの冷却を行うことが可能である。また、塗膜から形成された熱電半導体素子の採用により、熱電半導体層の薄型化が容易であり、薄型化の要請の大きい半導体装置への適用に適している。
以下、半導体チップの「電極端子が形成された表面」を「第1の表面」ということがある。また、半導体チップの「電極端子が形成された表面とは逆側の表面」を「第2の表面」ということがある。フェースダウン型半導体チップの場合、上記第1の表面は、被接続層に対向する面であり、上記第2の表面は、被接続層に対向する面とは逆側の面である。
半導体装置の構成としては、例えば、後述する図1に示す半導体装置100Aのように、上記半導体チップの第1の表面に対向し、上記半導体チップに電気的に接続された被接続層をさらに備え、上記半導体チップは、上記第1の表面上の電極端子により上記被接続層と電気的に接続し、上記ペルチェ素子は、上記記第2の表面上に設けられているものとすることができる。
なお、ペルチェ素子は、半導体チップの上記第2の表面上に直接又は介在層を介して設けられており、上記介在層としては、粘接着剤層、絶縁体層、封止材層等が挙げられる。
また、ペルチェ素子が、半導体チップの上記第1の表面上に介在層を介して設けられている場合、上記介在層としては、封止材層又は回路基板が挙げられる。
<半導体チップ>
半導体チップとしては、マイクロプロセッサ、メモリー、高周波電力増幅器等の集積回路に用いられる、従来公知のものを用いることができる。
本実施形態に係る半導体装置に含まれる半導体チップは、一つでもよいし、複数であってもよい。つまり、モノリシックのものであってもよいし、マルチチップで構成されるものであってもよい。
半導体装置に複数の半導体チップが含まれる場合、複数の半導体チップが平面方向に所定配列で並んでいることが好ましい。
上述の被接続層と対向する表面に形成された電極端子により被接続層と電気的に接続する半導体チップとしては、フェースダウン型の半導体チップのほか、貫通電極を有するいわゆるTSV(Through Silicon Via)チップが挙げられる。
<被接続層>
上記被接続層としては、回路基板の回路面を含む層のほか、上記TSVチップの電極形成面を含む層などが挙げられる。
被接続層には、半導体チップの第1の表面に設けられたバンプと電気的に接続するための接続用ランドとなる端子、外部機器との間で信号を送受信するための端子、上記半導体チップやペルチェ素子に供給するための電力を受けるための端子等が含まれる。
被接続層が回路基板の回路面を含む層である場合、上記半導体装置は、上記被接続層を備える回路基板を備えている。上記回路基板としては、半導体チップを収容する凹部が設けられ、当該凹部の底面に、半導体チップとの接続用端子が設けられたものであってもよい。この場合、半導体チップが回路基板の凹部に収容され、必要に応じて半導体チップと回路基板の間を封止材によって封止することにより、基板埋込み型の半導体装置となる。
また、被接続層は、再配線層として半導体チップ上に設けられていてもよく、この場合、半導体装置は、ファン・アウト型半導体装置となる。ここで、ファン・アウト型半導体装置とは、半導体チップの第2の表面に加えてその側面も封止材によって封止し、この封止材で構成される封止材層の形状に合わせて、被接続層となる再配線層を半導体チップのサイズよりも大面積で形成し、再配線層の、半導体チップと接続している面と逆側の面にバンプ(突起状電極)が形成されている半導体装置である。
<ペルチェ素子>
ペルチェ素子は、交互に配列された、複数のP型熱電半導体素子及び複数のN型熱電半導体素子を含む熱電半導体層を有するものである。そして、第1組の隣り合うP型熱電半導体素子とN型熱電半導体素子の一端が電気的に接続され、この第1組のN型熱電半導体素子の他端と第2組のP型熱電半導体素子の他端とが電気的に接続され、この第2組のP型熱電半導体素子の一端と、第2組のP型熱電半導体素子と対になり、共に第2組を構成するN型熱電半導体素子の一端とが電気的に接続され、この第2組のN型熱電半導体素子の他端と第3組のP型熱電半導体素子の他端とが電気的に接続され、以下、同様の構成が繰り返される。そして、先頭の熱電半導体素子と最終の熱電半導体素子に通電することにより、電流の流れる方向がN→Pの順である電気接合部において吸熱現象が生じ、電流の流れる方向がP→Nの順である電気接合部において放熱現象が生じる。このため、ペルチェ素子は一方の面が吸熱し、他方の面が発熱することになり、冷却しようとする物体にペルチェ素子の吸熱側の面を近接又は接触させることで当該物体を冷却することができる。
本実施形態に係る半導体装置においては、ペルチェ素子としては、熱電半導体層を有し、当該熱電半導体層が熱電半導体材料を含む組成物の塗膜の焼成体であるものを用いる。
この場合、熱電半導体材料を含む組成物は、重合体成分、イオン化合物及び熱電半導体粒子を含むものであってもよい。
このような組成物を用いて形成される塗膜は、良好な熱電変換特性を有する熱電半導体層を、塗布により形成することに適している。
上記塗膜から形成された熱電半導体層は、上述した基材が不要であるため、薄型化が容易であり、薄型化の要請の大きい半導体パッケージへの適用に適している。
塗膜は、例えば、グラビア印刷等により形成され、インクジェット印刷等の手段により形成してもよい。
隣り合う前記熱電半導体素子同士が互いに離間し、隣り合う前記熱電半導体素子間の空隙に補強材が充填されていてもよい。補強材としては、後述する各種の絶縁体等を用いることができる。
熱電半導体層を形成するための材料や塗布による形成等については後述する。
ペルチェ素子には、必要に応じてその他の層を設けることができる。例えば、少なくとも一方の主面上の熱電半導体層を覆うように、単層又は複数層からなる被覆層を配置して熱電半導体層を保護するようにしてもよい。
また、被覆層は封止層を含むことができる。被覆層が単層であれば、被覆層自身が封止層を兼ねることができ、被覆層が複数の層からなる場合は、いずれかの層に封止層を含むことができる。被覆層が封止層を含む場合、大気中の水蒸気の透過をより効果的に抑制でき、ペルチェ素子の性能を長期間にわたり維持しやすくなる。
被覆層は、接着性を有する層(接着層)を含んでいてもよい。本明細書において、「接着性」は、接着性、及び、貼り付ける初期において感圧により接着可能な感圧性の粘着性、のいずれをも含む。感圧性の粘着性以外の接着性としては、感湿接着性、熱溶融による接着性等が挙げられる。
(被覆体)
半導体チップの少なくとも側面を覆う被覆体を設けることが好ましい。上記被覆体は、例えば、封止材で半導体チップを封止することにより形成される封止材層によって構成される。また、上記回路基板が、上記半導体チップを収容する凹部を備えるものである場合、上記凹部の壁面を構成しかつ上記半導体チップの側面に対向する縁部が上記被覆体を構成するものとすることもできる。
上記被覆体を設けることにより、半導体チップを封止しやすくなることに加えて、被覆体に貫通孔を設け、その内部に導電体を配置することにより、ペルチェ素子と上記被接続層との導通を図ることができる。貫通孔中に配置される導電体によって上記ペルチェ素子と被接続層とを電気的に接続することにより、ペルチェ素子への導電経路を太く短くすることができ、導電経路の抵抗を低下させることが可能である。また、金属線を用いたワイヤーボンディングに比べて、半導体装置のサイズ(パッケージサイズ)を小さくすることができる。
なお、凹部を有する回路基板に代えて、凹部を備えていない回路基板の周縁部に封止材層を形成し、この封止材層に貫通孔を設けるようにしてもよい。
<三次元実装型の半導体装置>
上記半導体装置は、上記単一又は複数の半導体チップを第1の半導体チップとし、さらに第2の半導体チップを有し、上記第1の半導体チップと第2の半導体チップとが積層されている半導体装置であってもよい。以下、半導体チップを含むユニットが複数積層された構成を持つ半導体装置を「三次元実装型の半導体装置」という。
例えば、後述する図5に示すような、フェースダウン型の半導体チップの裏面上に、回路基板上にDRAM等のフェースアップ型の第1の半導体チップが設けられた第1のユニットと、この第1のユニットの回路基板の裏面に、フェースダウン型の第2の半導体チップを含む第2のユニットが設けられ、さらに上記第1のユニットの半導体チップ上にペルチェ素子が設けられた構成とすることができる。
なお、三次元実装型の半導体装置の場合、上記第1の半導体チップを含むユニットと、第2の半導体チップを含むユニットの積層順序としては、上記第1の半導体チップを含むユニットが上記第2の半導体チップを含むユニットの上に積層され、第1の半導体チップの上にペルチェ素子が位置するように積層されていることが好ましい。
以下、本発明の実施形態に係る半導体装置の構成例を、図面を用いて説明する。図面は全て模式的なものであり、理解を容易にするため誇張している場合がある。
<実施形態1>
図1は、本実施形態に係る半導体装置の一例を示す断面模式図である。図1に示す半導体装置100Aは、基板埋込型の半導体装置において、塗布法によって熱電半導体素子を形成したペルチェ素子60が設けられた構成を有する。
そして、半導体チップ30の上面(第2の表面)と、封止材層20の上面と、回路基板10の縁部10aの上面が同一平面内に配置されており、この平面上にペルチェ素子60が設けられている。ペルチェ素子60の上面(半導体チップ30に対向する面とは逆側の面)には、放熱板92が設けられている。
半導体装置100Aにおいては、半導体チップ30が平面方向に2つ並べられているが、これに限るものではなく、1個でもよいし、3個以上でもよい。この点は、以下の図2~図5における各半導体装置についても同様である。
なお、図1及びそれ以降の各図において、同様の部材が複数存在する場合、図が見づらくなることを防止するため、代表的なものだけに符号をつけてある。
回路基板10は、表面(半導体チップ30に対向する面)に半導体チップを収容するための凹部を有し、裏面(半導体チップ30に対向する面とは逆側の面)に、回路基板10内に設けられた図示しないパッドに接続しているバンプ11を有している。
回路基板10の凹部の底面には電極12が設けられ、回路基板10の裏面に設けられた外部接続用のバンプ11、回路基板10内の図示しない内部配線等によって、上記被接続層である回路形成層13が構成されている。
回路基板10の凹部の壁面を構成しかつ半導体チップ30の側面に対向する縁部10aが上記被覆体を構成する。
半導体チップ30の下面(第1の表面)には、半導体チップ30内に設けられた図示しないパッドに接続するバンプ31が形成されている。そして、バンプ31を介して半導体チップ30が、回路基板10の電極形成層13に電気的に接続されている。
半導体チップ30の下面(第1の表面)とバンプ31と回路基板10の電極形成層13との間の空間にはアンダーフィル材が充填され、アンダーフィル層40を形成している。
2つの半導体チップの間、及び、回路基板10の縁部10aと半導体チップ30及びペルチェ素子60の側面との間には、封止材が充填され、封止材層20が形成されている。
上記被覆体10a(つまり、回路基板10の、半導体チップ30の側面に対向する縁部)には、貫通孔10bが設けられている。
貫通孔10b内には、貫通孔10b内を満たすように、導電体からなるビア80が配置されている。ビア80を構成する導電体としては、例えば、銅、金、銀等の金属が挙げられる。
図1において、ビア80は、ペルチェ素子60に対する電流の入力及び出力のために2系統設けられている。ペルチェ素子60の接続電極63のうち先頭の熱電半導体素子と最後の熱電半導体素子に接続するものは、外部接続用の一対の端子として、それぞれ対応するビア80の上部に電気的に接合されている。また、図1において、ビア80の下部は、回路基板10の裏面に設けられているバンプ11に接続されている。このような構成により、回路基板10の裏面のバンプ11を介してペルチェ素子60に電力供給することができる。
ペルチェ素子60に通電されると、上面が放熱側、下面が吸熱側となり、吸熱側の表面が半導体チップ30の第2の表面に接するか又は近接することで、半導体チップ30を冷却することができる。
図1に示す半導体装置100Aにおけるペルチェ素子60のように、ペルチェ素子を、単一又は複数の半導体チップに対して垂直方向から見たときの、上記単一の半導体チップの外周又は複数の半導体チップ全体の外周を超えて延在する外部接続用電極(接続電極63)を有するものとし、この外部接続用電極と貫通孔中に配置された導電体により、上記回路形成層と上記ペルチェ素子とが電気的に接続されるようにしてもよい。
ペルチェ素子60は、(a)各熱電半導体素子及び絶縁体層65の下面に位置するものであって、隣り合う熱電半導体素子の同じ面を電気的に接続し、また、外部と電気的に接続するための接続電極63、及び、このような隣り合う一対の接続電極63の間に位置する粘接着剤層64、(b)P型熱電半導体素子61、N型熱電半導体素子62、及び、それらの間に位置する絶縁体層65、及び、(c)各熱電半導体素子及び絶縁体層65の上面に位置する、接続電極63及び粘接着剤層64を備えている。そして、上記(b)が熱電半導体材料組成物を塗布して形成された塗膜の焼成体である。各熱電半導体素子及び接続電極63と、半導体チップ30の間の熱の移動を速くし、又は、各熱電半導体素子及び接続電極63と、放熱板92との間の熱の移動を速くする観点から、粘接着剤層64は熱伝導性を付与した粘接着剤から形成されることが好ましい。
上記粘接着剤層をペルチェ素子に設けることに代えて、半導体チップ30の上面等を含む上記平面上に、例えば、必要に応じてパッシベーション膜を設け、被着体の表面上に直接に、又はパッシベーション膜上に下面側の接続電極を形成し、さらに、上記(b)を塗布法によって形成することにより、汎用のペルチェ素子に必要とされるような基材は不要となる。このため、半導体装置全体の厚さを小さくすることができる。なお、上記(a)~(c)の形成方法の詳細については後述する。
また、上述したように構成すると、ペルチェ素子60の、外部接続用の接続電極63と、半導体チップ30の側面を覆う被覆体である回路基板の縁部10aに設けられた貫通孔10b内に配置された導電体であるビア80との接続が容易になり、導電経路を太く短くすることが可能で、延いては抵抗を低下させることが可能である。また、ワイヤーボンディングのように金属細線を引き回す必要がないため、半導体装置のサイズを小さくすることができ、薄型化にも有利である。さらに、金属細線を用いたワイヤーボンディングによる接続に比べて、耐衝撃性の観点からも有利である。
<実施形態2>
図2は、本実施形態に係る半導体装置の他の一例を示す断面模式図である。図2に示す半導体装置100Bは、ファン・アウト型の半導体装置において、半導体チップ30に、塗布法によって熱電半導体層を形成したペルチェ素子60を設けた構成を有する。
半導体チップ30の第1表面には、電極12及びパッシベーション層14からなる再配線層である回路形成層13が設けられている。回路形成層13の下面(半導体チップ30に対向する面とは反対側の面)には、回路形成層内の電極に接続するバンプ11が設けられている。
半導体装置100Bは、図1に示す半導体装置が備えている回路基板を有していないため、半導体装置全体を薄く簡素な構成とすることができる。
半導体装置100Bにおいて、半導体チップ30の第2の表面及び側面は封止材によって覆われ、封止材層20が形成されている。
封止材層20の周縁部20aが、半導体チップ30の側面を覆う被覆体を構成する。封止材層20の周縁部20aの下面、及び、半導体チップ30の第1の表面は同一の平面内に配置されている。そして、回路形成層13は、半導体チップ30の第1表面と同一の平面内に位置する、封止材層20の周縁部20aの下面に延在している。
封止材層20の周縁部20aには貫通孔20bが設けられており、貫通孔20b内には導電体であるビア80が配置されている。ビア80は一対設けられており、それぞれがペルチェ素子60に設けられた一対の端子に電気的に接続される。
回路形成層13に含まれる電極12のうち少なくとも一対の電極が、一対のビア80の下面と電気的に接続している。
回路基板10の第2表面には、封止材層20の薄肉部を介してペルチェ素子60が積層されている。
封止材組成物を塗布した後に、封止材の乾燥及び硬化のうち少なくとも一方を行う前にペルチェ素子60を封止材組成物層上に設置し、その後、封止材組成物の乾燥及び硬化のうち少なくとも一方を行うことで、他の接着剤層を設けることなく、ペルチェ素子60を半導体チップ30上に接着固定することができる。
後述する粘接着剤層を、ペルチェ素子60の一方の面又は半導体チップ30の第2の表面上に設け、この粘接着剤層によってペルチェ素子60を接着してもよい。この場合、半導体チップ30の第2の表面上に封止材層20があってもよいし、無くてもよい。
なお、ペルチェ素子60の上面(半導体チップ30に対向する面とは逆側の面)には、例えば、図1の放熱板92のような放熱部材が設けられていてもよい。
<実施形態3>
図3は、本実施形態に係る半導体装置の他の一例を示す断面模式図である。図3に示す半導体装置100Cは、図1に類似する構成において、ペルチェ素子と回路形成層との接続を金属線で行った構成を有する。
半導体装置100Cにおいては、平坦な回路基板10の表面に形成された電極12に、半導体チップ30のバンプ31が接続され、半導体チップ30の第1の表面と回路基板10との間にアンダーフィル材が充填されてアンダーフィル層40が形成されている。また、2つの半導体チップ30の第2の表面にペルチェ素子60が積層され、ペルチェ素子60の接続電極63と回路基板10の回路形成層13の電極12とが金属線66で接続されている。そして、2つの半導体チップ30の間と、金属線66を含む、2つの半導体チップ30及びペルチェ素子の積層体全体の周りに封止材が充填されて封止材層20が形成されている。さらに、封止材層20の上面には放熱板92が設けられている。
半導体装置100Cは、薄型化という点では、図1及び図2の半導体装置よりも不利であるが、図1及び図2の半導体装置と同様に、熱電半導体素子が塗布法で形成されるため、ペルチェ素子60自体を薄くすることができる。
また、ペルチェ素子60と半導体チップ30との積層体全体を封止材で封止しているので、両者を絶縁するための層を別途設けることが不要になる。
<実施形態4>
図4は、本実施形態に係る半導体装置の他の一例を示す断面模式図である。図4に示す半導体装置100Dは、回路基板の、半導体チップが実装されるのとは逆側の面に、塗布法によって熱電半導体層を形成したペルチェ素子を設けた構成を有する。
半導体装置100Dにおいては、平坦な回路基板10の表面に形成された電極12に、半導体チップ30のバンプ31が接続され、半導体チップ30の第1の表面と回路基板10との間にアンダーフィル材が充填されてアンダーフィル層40が形成されている。半導体チップ30の第2の表面と側面は、封止材で封止され、封止材層20が形成されている。
回路基板10の、半導体チップ30に対応する面とは逆側の面には、ペルチェ素子60が積層されている。換言すれば、半導体チップ30の第1の表面上に、介在層としての回路基板を介して、ペルチェ素子60が設けられている。
ペルチェ素子60の接続電極63は回路基板10の回路形成層13の電極(半導体チップ30に対向するのとは逆側の面上に形成された電極)にコンタクトし、電気的に接続されている。そして、ペルチェ素子60の裏面(半導体チップ30に対向する面とは逆側の面)には放熱板92が設けられている。
半導体装置100Dにおいても、熱電半導体素子が塗布法で形成されるため、ペルチェ素子60自体を薄くすることができる。また、図1~図3のように、ペルチェ素子60と回路形成層13とを接続するために、ビアやボンディングのための金属線が不要であり、構成が簡素化される。ただし、回路基板10の、半導体チップ30に対応する面とは逆側の面は半導体装置の被搭載部との接続のためにバンプ11を設けるため、ペルチェ素子60を設ける余剰領域が少ない場合もあり、このような場合には図1~図3のように、半導体チップ30の回路形成層に対向する面とは逆側にペルチェ素子60を設ける実施形態が、設計上の制約が少なく好ましい。
<実施形態5>
図5は、本実施形態に係る三次元実装型の半導体装置の一例を示す断面模式図である。図5に示す半導体装置200は、フェースダウン型の半導体チップ30Aを有するユニットの上に、フェースアップ型の半導体チップ30Bを有するユニットが積層された構成を持つ半導体装置である。そして、上側の半導体チップ30Bの上にペルチェ素子60が位置するものである。なお、フェースアップ型の半導体チップとは、半導体チップの電極端子形成面が、回路基板に対向する面とは逆側となるように設けられた半導体チップを意味する。
半導体装置200は、フェースアップ型の半導体チップ30B、半導体チップ30Bの電極端子形成面と反対側の面(第2の表面)を回路基板10Bに接着する粘接着剤層45、及び、半導体チップ30Bの電極端子形成面(第1の表面)と回路基板10Bの回路形成層13の電極12Bとを接続する金属線66を備えており、これらが、封止剤層22によって封止されている。
封止材層22の上面には、図1等で説明したのと同様のペルチェ素子60が配置されている。封止剤層22の上面は、ペルチェ素子60を設ける前に、研削や研磨を行うことにより平面性や平滑性を高めた加工面としてもよいし、ペルチェ素子60が備える接続電極63の密着性を高めるための加工が施された面であってもよい。
封止材層22の、半導体チップ30Bの側面に対向する縁部22aに貫通孔22bが形成されている。また、回路基板10Bの、貫通孔22bに対応する位置にも貫通孔10Bbが設けられている。そして、貫通孔22b、10Bb内に配置されたビア80によって、ペルチェ素子60の、外部接続用の接続電極63と回路基板10Bの回路形成層13とが電気的に接続されている。
下側ユニットにおいては、回路基板10Aの回路面にフェースダウン型の半導体チップ30Aが実装されている。半導体チップ30Aの下面に設けられたバンプ31は、回路基板10Aの表面に形成された電極12Aに電気的に接続されている。半導体チップ30Aの下面、バンプ31、及び回路基板10Aの回路面の間の空間にはアンダーフィル材が満たされてアンダーフィル層40が形成されている。また、半導体チップ30A及びアンダーフィル層40の側面は封止材層20によって覆われて封止されている。
半導体チップ30A及び封止材層20の上面には粘接着剤層46が設けられ、上側ユニットの回路基板10Bの下面に接着固定されている。
上側ユニットに含まれる回路基板10Bと下側ユニットに含まれる回路基板10Aとの電気的接続はバンプ81によって行われる。
三次元実装型の半導体装置では、概してペルチェ素子と回路形成層との間の距離が長くなりやすい。このため、ワイヤーボンディングによりペルチェ素子と回路形成層とを接続する従来の技術では、高抵抗の課題がより大きくなる。しかし、図5に示す半導体装置200のように、貫通孔中に配置されている導電体によってペルチェ素子と回路形成層とを電気的に接続することにより、導電経路を太く、短くし、抵抗を低下させることができるため、三次元実装型の半導体装置であってもペルチェ素子による冷却能力を十分発揮させやすくなる。
三次元実装型の半導体装置200においては、一つのペルチェ素子60で上下に配置された2つの半導体チップ30A、30Bを効率よく冷却することができる。
なお、図5に示す例では、半導体チップ30Bは単層のものとしているが、複数の半導体チップが多段に積層されたものであってもよい。この場合、階段状に露出された各半導体チップの端部に端子を設け、各端子にワイヤーボンディングすることができる。
また、ペルチェ素子60の上面(半導体チップ30Bに対向する面とは逆側の面)には、例えば、図1の放熱板92のような放熱部材が設けられていてもよい。
次に、ペルチェ素子を構成する各部の材料等について説明する。
[熱電半導体素子]
上記ペルチェ素子に用いられる熱電半導体素子は、熱電半導体材料を含む組成物の焼成体である。
熱電半導体素子は、好ましくは、熱電半導体材料を含む熱電半導体組成物を、支持体等の表面に塗布して形成した塗布膜の焼成体である。熱電半導体素子が、熱電半導体組成物の塗布膜の焼成体であることにより、シート状の熱電変換モジュールを容易に製造することができ、柔軟性が向上された熱電半導体素子も得られ易い。
熱電半導体素子の厚さは、25μm以上、より好ましくは50μm以上、更に好ましくは75μm以上であり、また、好ましくは800μm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは300μm以下である。熱電半導体素子の厚さが上記範囲にあると、良好な熱電変換性能を示す熱電半導体素子を生産性よく製造しやすい。
<熱電半導体組成物>
熱電半導体層を作製するために用いる熱電半導体組成物は、少なくとも熱電半導体材料を含み、好ましくは熱電半導体材料からなる熱電半導体粒子と樹脂とを含み、より好ましくは熱電半導体粒子と重合体成分とイオン化合物とを含む。イオン化合物としては、イオン液体及び無機イオン性化合物のうち少なくとも一方を含むことが好ましい。
後述するように、熱電半導体粒子と重合体成分とイオン化合物とを含む熱電半導体組成物を用いて塗布法により熱電半導体層を形成することができる。
(熱電半導体材料)
P型熱電半導体素子及びN型熱電半導体素子に含まれる熱電半導体材料としては、温度差を付与することにより、熱起電力を発生させることができる材料であれば特に制限されず、例えば、P型ビスマステルライド、N型ビスマステルライド等のビスマス-テルル系熱電半導体材料;GeTe、PbTe等のテルライド系熱電半導体材料;アンチモン-テルル系熱電半導体材料;ZnSb、ZnSb、ZnSb等の亜鉛-アンチモン系熱電半導体材料;SiGe等のシリコン-ゲルマニウム系熱電半導体材料;BiSe等のビスマスセレナイド系熱電半導体材料;β―FeSi、CrSi、MnSi1.73、MgSi等のシリサイド系熱電半導体材料;酸化物系熱電半導体材料;FeVAl、FeVAlSi、FeVTiAl等のホイスラー材料、TiS等の硫化物系熱電半導体材料、スクッテルダイト材料等が用いられる。
これらの中でも、高い熱電変換性能が得られ易いという観点から、ビスマス-テルル系熱電半導体材料、テルライド系熱電半導体材料、アンチモン-テルル系熱電半導体材料、又はビスマスセレナイド系熱電半導体材料が好ましい。
また、これらのうち、地政学的な問題から供給が不安定なレアメタルを含まないという観点からは、シリサイド系熱電半導体材料が好ましく、高温環境で熱電変換モジュールを機能させることを容易とすることができるという観点からは、スクッテルダイト材料が好ましい。
また、低温環境での熱電変換性能が高いという観点からは、熱電半導体材料は、P型ビスマステルライド又はN型ビスマステルライド等のビスマス-テルル系熱電半導体材料であることが好ましい。
P型ビスマステルライドは、キャリアが正孔で、ゼーベック係数が正値であり、例えば、BiTeSb2-Xで表わされるものが好ましく用いられる。この場合、Xは、好ましくは0<X≦0.8であり、より好ましくは0.4≦X≦0.6である。Xが0より大きく0.8以下であるとゼーベック係数と電気伝導率が大きくなり、P型熱電変換材料としての特性が維持されるので好ましい。
また、N型ビスマステルライドは、キャリアが電子で、ゼーベック係数が負値であり、例えば、BiTe3-YSeで表わされるものが好ましく用いられる。この場合、Yは、好ましくは0≦Y≦3(Y=0の時:BiTe)であり、より好ましくは0.1<Y≦2.7である。Yが0以上3以下であるとゼーベック係数と電気伝導率が大きくなり、N型熱電変換材料としての特性が維持されるので好ましい。
熱電半導体層に用いる熱電半導体材料は、所定のサイズを有する粒子状のものであることが好ましく、例えば、ボールミル等の微粉砕装置を用いるなどして、所定のサイズまで粉砕された熱電半導体粒子であることが好ましい。
熱電半導体粒子の熱電半導体組成物中の配合量は、好ましくは、30~99質量%である。より好ましくは、50~96質量%であり、更に好ましくは、70~95質量%である。熱電半導体粒子の配合量が、上記範囲内であれば、ゼーベック係数(ペルチェ係数の絶対値)が大きく、また電気伝導率の低下が抑制され、熱伝導率のみが低下するため高い熱電性能を示すとともに、十分な皮膜強度、及び、適度な柔軟性を有する膜が得られ好ましい。
熱電半導体粒子の平均粒径は、好ましくは、10nm~200μm、より好ましくは、10nm~30μm、更に好ましくは、50nm~10μm、特に好ましくは、1~6μmである。上記範囲内であれば、均一分散が容易になり、電気伝導率を高くすることができる。
熱電半導体材料を粉砕して熱電半導体粒子を得る方法は特に限定されず、ジェットミル、ボールミル、ビーズミル、コロイドミル、コニカルミル、ディスクミル、エッジミル、製粉ミル、ハンマーミル、ペレットミル、ウィリーミル、ローラーミル等の公知の微粉砕装置等により、所定のサイズまで粉砕すればよい。
なお、本明細書において、熱電半導体粒子の平均粒径は、レーザー回折式粒度分析装置(CILAS社製、1064型)にて測定することにより得られ、粒径分布の中央値で表される値である。
また、熱電半導体粒子は、事前に熱処理されたものであることが好ましい(ここでいう「熱処理」とは本発明でいうアニール処理工程で行う「アニール処理」とは異なる)。熱処理を行うことにより、熱電半導体粒子は、結晶性が向上し、更に、熱電半導体粒子の表面酸化膜が除去されるため、熱電半導体材料のゼーベック係数(ペルチェ係数の絶対値)が増大し、熱電性能指数を更に向上させることができる。熱処理は、特に限定されないが、熱電半導体組成物を調製する前に、熱電半導体粒子に悪影響を及ぼすことがないように、ガス流量が制御された、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、同じく水素等の還元ガス雰囲気下、または真空条件下で行うことが好ましく、不活性ガス及び還元ガスの混合ガス雰囲気下で行うことがより好ましい。具体的な温度条件は、用いる熱電半導体粒子に依存するが、通常、粒子の融点以下の温度で、かつ100~1500℃で、数分~数十時間行うことが好ましい。
(重合体成分)
上記熱電半導体組成物に含まれ得る重合体成分は、熱電半導体材料(熱電半導体粒子)間を物理的に結合する作用を有し、熱電変換モジュールであるペルチェ素子について、塗布等による薄膜の形成を容易にする。
重合体成分としては、耐熱性樹脂、又はバインダー樹脂が好ましい。
耐熱性樹脂は、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理等により熱電半導体粒子を結晶成長させる際に、樹脂としての機械的強度及び熱伝導率等の諸物性が損なわれず維持される。
上記耐熱性樹脂は、耐熱性がより高く、且つ薄膜中の熱電半導体粒子の結晶成長に悪影響を及ぼさないという点から、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂が好ましく、屈曲性に優れるという点からポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂がより好ましい。
上記耐熱性樹脂は、分解温度が300℃以上であることが好ましい。分解温度が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、バインダーとして機能が失われることなく、屈曲性を維持することができる。
上記耐熱性樹脂は、熱重量測定(TG)による300℃における質量減少率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。質量減少率が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、バインダーとして機能が失われることなく、熱電半導体材料のチップの屈曲性を維持することができる。
耐熱性樹脂の熱電半導体組成物中の含有量は、0.1~40質量%、好ましくは0.5~20質量%、より好ましくは、1~20質量%、さらに好ましくは2~15質量%である。前記耐熱性樹脂の含有量が、上記範囲内であると、熱電半導体材料のバインダーとして機能し、薄膜の形成がしやすくなり、しかも高い熱電性能と皮膜強度が両立した膜が得られ、熱電半導体材料のチップの外表面には樹脂部が存在する。
バインダー樹脂は、後述するアニール処理後の、熱電半導体素子の作製時に用いるガラス、アルミナ、シリコン等の基材からの剥離も容易にする。
バインダー樹脂としては、焼成(アニール)温度以上で、90質量%以上が分解する樹脂を指し、95質量%以上が分解する樹脂であることがより好ましく、99質量%以上が分解する樹脂であることが特に好ましい。また、熱電半導体組成物からなる塗布膜(薄膜)を焼成(アニール)処理等により熱電半導体粒子を結晶成長させる際に、機械的強度及び熱伝導率等の諸物性が損なわれず維持される樹脂がより好ましい。
バインダー樹脂として、焼成(アニール)温度以上で90質量%以上が分解する樹脂、即ち、前述した耐熱性樹脂よりも低温で分解する樹脂、を用いると、焼成によりバインダー樹脂が分解するため、焼成体中に含まれる絶縁性の成分となるバインダー樹脂の含有量が減少し、熱電半導体組成物における熱電半導体粒子の結晶成長が促進されるので、熱電半導体材料層における空隙を少なくして、充填率を向上させることができる。
なお、焼成(アニール)温度以上で所定値(例えば、90質量%)以上が分解する樹脂であるか否かは、熱重量測定(TG)による焼成(アニール)温度における質量減少率(分解前の質量で分解後の質量を除した値)を測定することにより判断する。
このようなバインダー樹脂として、熱可塑性樹脂や硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、ポリビニルピリジン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のポリビニル重合体;ポリウレタン;エチルセルロース等のセルロース誘導体;などが挙げられる。硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、光硬化性アクリル樹脂、光硬化性ウレタン樹脂、光硬化性エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、熱電半導体材料層における熱電半導体材料の電気抵抗率の観点から、熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネート、エチルセルロース等のセルロース誘導体がより好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
バインダー樹脂は、焼成(アニール)処理工程における熱電半導体材料に対する焼成(アニール)処理の温度に応じて適宜選択される。バインダー樹脂が有する最終分解温度以上で焼成(アニール)処理することが、熱電半導体材料層における熱電半導体材料の電気抵抗率の観点から好ましい。
本明細書において、「最終分解温度」とは、熱重量測定(TG)による焼成(アニール)温度における質量減少率が100%(分解後の質量が分解前の質量の0%)となる温度をいう。
バインダー樹脂の最終分解温度は、通常150~600℃、好ましくは200~560℃、より好ましくは220~460℃、特に好ましくは240~360℃である。最終分解温度がこの範囲にあるバインダー樹脂を用いれば、熱電半導体材料のバインダーとして機能し、印刷時に薄膜の形成がしやすくなる。
バインダー樹脂の熱電半導体組成物中の含有量は、0.1~40質量%、好ましくは0.5~20質量%、より好ましくは0.5~10質量%、特に好ましくは0.5~5質量%である。バインダー樹脂の含有量が、上記範囲内であると、熱電半導体材料層における熱電半導体材料の電気抵抗率を減少させることができる。
熱電半導体材料中におけるバインダー樹脂の含有量は、好ましくは0~10質量%、より好ましくは0~5質量%、特に好ましくは0~1質量%である。熱電半導体材料中におけるバインダー樹脂の含有量が、上記範囲内であれば、熱電半導体材料層における熱電半導体材料の電気抵抗率を減少させることができる。
(イオン液体)
熱電半導体組成物に含まれ得るイオン液体は、カチオンとアニオンとを組み合わせてなる溶融塩であり、-50℃以上400℃未満のいずれかの温度領域において液体で存在し得る塩をいう。換言すれば、イオン液体は、融点が-50℃以上400℃未満の範囲にあるイオン性化合物である。イオン液体の融点は、好ましくは-25℃以上200℃以下、より好ましくは0℃以上150℃以下である。イオン液体は、蒸気圧が極めて低く不揮発性であること、優れた熱安定性及び電気化学安定性を有していること、粘度が低いこと、かつイオン伝導度が高いこと等の特徴を有しているため、導電補助剤として、熱電半導体材料間の電気伝導率の低減を効果的に抑制することができる。また、イオン液体は、非プロトン性のイオン構造に基づく高い極性を示し、耐熱性樹脂との相溶性に優れるため、熱電半導体材料の電気伝導率を均一にすることができる。
イオン液体は、公知または市販のものが使用できる。例えば、ピリジニウム、ピリミジニウム、ピラゾリウム、ピロリジニウム、ピペリジニウム、イミダゾリウム等の窒素含有環状カチオン化合物及びそれらの誘導体;テトラアルキルアンモニウム系のアミン系カチオン及びそれらの誘導体;ホスホニウム、トリアルキルスルホニウム、テトラアルキルホスホニウム等のホスフィン系カチオン及びそれらの誘導体;リチウムカチオン及びその誘導体等のカチオン成分と、Cl、Br、I、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、ClO 、NO 、CHCOO、CFCOO、CHSO 、CFSO 、(FSO、(CFSO、(CFSO、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、F(HF) 、(CN)、CSO 、(CSO、CCOO、(CFSO)(CFCO)N等のアニオン成分とから構成されるものが挙げられる。
上記のイオン液体の中で、高温安定性、熱電半導体材料及び樹脂との相溶性、熱電半導体材料間隙の電気伝導率の低下抑制等の観点から、イオン液体のカチオン成分が、ピリジニウムカチオン及びその誘導体、イミダゾリウムカチオン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
カチオン成分が、ピリジニウムカチオン及びその誘導体を含むイオン液体の具体的な例として、4-メチル-ブチルピリジニウムクロライド、3-メチル-ブチルピリジニウムクロライド、4-メチル-ヘキシルピリジニウムクロライド、3-メチル-ヘキシルピリジニウムクロライド、4-メチル-オクチルピリジニウムクロライド、3-メチル-オクチルピリジニウムクロライド、3、4-ジメチル-ブチルピリジニウムクロライド、3、5-ジメチル-ブチルピリジニウムクロライド、4-メチル-ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、4-メチル-ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1-ブチルピリジニウムブロミド、1-ブチル-4-メチルピリジニウムブロミド、1-ブチル-4-メチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。この中で、1-ブチル-4-メチルピリジニウムブロミド、1-ブチルピリジニウムブロミド、1-ブチル-4-メチルピリジニウムヘキサフルオロホスファートが好ましい。
また、カチオン成分が、イミダゾリウムカチオン及びその誘導体を含むイオン液体の具体的な例として、[1-ブチル-3-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムブロミド]、[1-ブチル-3-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムテトラフルオロボレイト]、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムブロミド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、1-デシル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、1-デシル-3-メチルイミダゾリウムブロミド、1-ドデシル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、1-テトラデシル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフロオロボレート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフロオロボレート、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムテトラフロオロボレート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1-メチル-3-ブチルイミダゾリウムメチルスルフェート、1、3-ジブチルイミダゾリウムメチルスルフェート等が挙げられる。この中で、[1-ブチル-3-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムブロミド]、[1-ブチル-3-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムテトラフルオロボレイト]が好ましい。
上記のイオン液体は、電気伝導度が10-7S/cm以上であることが好ましい。イオン伝導度が上記範囲であれば、導電補助剤として、熱電半導体材料間の電気伝導率の低減を効果的に抑制することができる。
また、上記のイオン液体は、分解温度が300℃以上であることが好ましい。分解温度が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、導電補助剤としての効果を維持することができる。
また、上記のイオン液体は、熱重量測定(TG)による300℃における質量減少率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることが更に好ましい。質量減少率が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、導電補助剤としての効果を維持することができる。
イオン液体の熱電半導体組成物中の配合量は、好ましくは0.01~50質量%、より好ましくは0.5~30質量%、更に好ましくは1.0~20質量%である。イオン液体の配合量が、上記範囲内であれば、電気伝導率の低下が効果的に抑制され、高い熱電性能を有する膜が得られる。
(無機イオン性化合物)
熱電半導体組成物に含まれ得る無機イオン性化合物は、少なくともカチオンとアニオンから構成される化合物である。無機イオン性化合物は400~900℃の幅広い温度領域において固体で存在し、イオン伝導度が高いこと等の特徴を有しているため、導電補助剤として、熱電半導体材料間の電気伝導率の低減を抑制することができる。
上記無機イオン性化合物を構成するカチオンとしては、金属カチオンを用いる。
金属カチオンとしては、例えば、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、典型金属カチオン及び遷移金属カチオンが挙げられ、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンがより好ましい。
アルカリ金属カチオンとしては、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs及びFr等が挙げられる。
アルカリ土類金属カチオンとしては、例えば、Mg2+、Ca2+、Sr2+及びBa2+等が挙げられる。
上記無機イオン性化合物を構成するアニオンとしては、例えば、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO 、NO 、ClO、ClO 、ClO 、ClO 、CrO 2-、HSO 、SCN、BF 、PF 等が挙げられる。
熱電半導体層に含まれる無機イオン性化合物は、公知または市販のものが使用できる。例えば、カリウムカチオン、ナトリウムカチオン、又はリチウムカチオン等のカチオン成分と、Cl、AlCl 、AlCl 、ClO 等の塩化物イオン、Br等の臭化物イオン、I等のヨウ化物イオン、BF 、PF 等のフッ化物イオン、F(HF) 等のハロゲン化物アニオン、NO 、OH、CN等のアニオン成分とから構成されるものが挙げられる。
上記の無機イオン性化合物の中で、高温安定性、熱電半導体材料及び樹脂との相溶性、熱電半導体材料間隙の電気伝導率の低下抑制等の観点から、無機イオン性化合物のカチオン成分が、カリウム、ナトリウム、及びリチウムから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。また、無機イオン性化合物のアニオン成分が、ハロゲン化物アニオンを含むことが好ましく、Cl、Br、及びIから選ばれる少なくとも1種を含むことが更に好ましい。
カチオン成分が、カリウムカチオンを含む無機イオン性化合物の具体的な例として、KBr、KI、KCl、KF、KOH、KCO等が挙げられる。この中で、KBr、KIが好ましい。
カチオン成分が、ナトリウムカチオンを含む無機イオン性化合物の具体的な例として、NaBr、NaI、NaOH、NaF、NaCO等が挙げられる。この中で、NaBr、NaIが好ましい。
カチオン成分が、リチウムカチオンを含む無機イオン性化合物の具体的な例として、LiF、LiOH、LiNO等が挙げられる。この中で、LiF、LiOHが好ましい。
上記の無機イオン性化合物は、電気伝導率が10-7S/cm以上であることが好ましく、10-6S/cm以上であることがより好ましい。電気伝導率が上記範囲であれば、導電補助剤として、熱電半導体材料間の電気伝導率の低減を効果的に抑制することができる。
また、上記の無機イオン性化合物は、分解温度が400℃以上であることが好ましい。分解温度が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、導電補助剤としての効果を維持することができる。
また、上記の無機イオン性化合物は、熱重量測定(TG)による400℃における質量減少率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることが更に好ましい。質量減少率が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、導電補助剤としての効果を維持することが容易である。
無機イオン性化合物の熱電半導体組成物中の配合量は、好ましくは0.01~50質量%、より好ましくは0.5~30質量%、更に好ましくは1.0~10質量%である。無機イオン性化合物の配合量が、上記範囲内であれば、電気伝導率の低下を効果的に抑制でき、結果として熱電性能が向上した膜が得られる。
なお、無機イオン性化合物とイオン液体とを併用する場合においては、熱電半導体組成物中における、無機イオン性化合物及びイオン液体の含有量の総量は、好ましくは0.01~50質量%、より好ましくは0.5~30質量%、更に好ましくは1.0~10質量%である。
(熱電半導体組成物の調製方法)
上記熱電半導体組成物の調製方法には特に制限はなく、超音波ホモジナイザー、スパイラルミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパーサー、ハイブリッドミキサー等の公知の装置を用いて、熱電半導体材料、耐熱性樹脂、及び、必要に応じて用いられるイオン液体及び無機イオン性化合物の一方又は双方、その他の添加剤、更に溶媒を加えて、混合分散させ、当該熱電半導体組成物を調製すればよい。
熱電半導体組成物を調製する際に、溶媒を用いてもよい。用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アルコール、テトラヒドロフラン、メチルピロリドン、エチルセロソルブ等の溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。熱電半導体組成物の固形分濃度としては、該組成物が塗工に適した粘度であればよく、特に制限はない。
[半導体装置の製造方法]
半導体装置の製造方法の一例として、塗布型のペルチェ素子を有する半導体装置の製造方法について説明する。
<熱電半導体素子の形成>
塗布型のペルチェ素子を有する半導体装置を作製するに当たって、上記熱電半導体素子は、特に制限はないが、例えば、ガラス、アルミナ、シリコン、樹脂フィルム等の基材上、又は後述する犠牲層を形成した側の基材上に、上記熱電半導体組成物を塗布し塗膜を得、乾燥することで形成し、適宜、該基材と分離することにより得ることができる。このように形成することで、簡便に低コストで多数の熱電半導体素子を得ることができる。樹脂フィルムとしては、耐熱性を有する物がよく、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂等からなるフィルムが好ましい。
熱電半導体組成物を塗布して塗膜を形成する方法としては、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、スプレーコート法、バーコート法、ドクターブレード法等の公知の方法が挙げられ、特に制限されない。塗膜をパターン状に形成する場合は、所望のパターンを有するスクリーン版を用いて簡便にパターン形成が可能なスクリーン印刷法、スロットダイコート法等が好ましく用いられる。
次いで、得られた塗膜を乾燥することにより、熱電半導体素子が形成されるが、乾燥方法としては、熱風乾燥法、熱ロール乾燥法、赤外線照射法等、従来公知の乾燥方法が採用できる。加熱温度は、通常、80~150℃であり、加熱時間は、加熱方法により異なるが、通常、数秒~数十分である。
また、熱電半導体組成物の調製において溶媒を使用した場合、加熱温度は、使用した溶媒を乾燥できる温度範囲であれば、特に制限はない。
上記熱電半導体組成物からなる塗膜の厚さは、特に制限はないが、熱電性能と皮膜強度の点から、好ましくは100nm~1000μm、より好ましくは300nm~600μm、さらに好ましくは5~400μmである。
熱電半導体組成物の塗膜は、さらにアニール処理を行って焼成体とすることが好ましい。アニール処理を行うことで、熱電性能を安定化させるとともに、薄膜中の熱電半導体粒子を結晶成長させることができ、熱電性能をさらに向上させることができる。アニール処理は、特に限定されないが、通常、ガス流量が制御された、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、還元ガス雰囲気下、または真空条件下で行われ、用いる樹脂及びイオン性化合物の耐熱温度等に依存するが、100~500℃で、数分~数十時間行われる。さらに、アニール処理では、熱電半導体組成物をプレスして、熱電半導体組成物の密度を向上させてもよい。
上記犠牲層として、ポリメタクリル酸メチルもしくはポリスチレン等の樹脂、又は、フッ素系離型剤もしくはシリコーン系離型剤等の離型剤、を用いることができる。犠牲層を用いると、ガラス等の基材上に形成された熱電半導体素子が、アニール処理後に上記ガラス等から容易に剥離できる。
犠牲層の形成は、特に制限されず、フレキソ印刷法、スピンコート法等、公知の方法で行うことができる。
<絶縁体の充填>
得られた熱電半導体素子間の絶縁性を確保するため、熱電半導体素子間に絶縁体を充填する。N型熱電半導体素子上記絶縁体は、P型熱電半導体素子とN型熱電半導体素子との絶縁性、P型熱電半導体素子同士もしくはN型熱電半導体素子同士の絶縁性を確保するとともに、それらを一体化物にした時に機械的強度が維持できるようにする補強材としての役割を果たす。絶縁体としては、絶縁性と強度維持が行えるものであれば特に制限はないが、例えば、絶縁性樹脂、セラミックス等が挙げられる。
絶縁性樹脂としては、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、マレイミド系樹脂又はエポキシ系樹脂等が挙げられる。耐熱性、機械的強度の観点から、好ましくは、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、マレイミド系樹脂及びエポキシ系樹脂から選ばれる。絶縁性樹脂としては、硬化性樹脂や発泡性樹脂であることが好ましい。
絶縁性樹脂には、さらにフィラーを含んでいてもよい。フィラーとしては、中空フィラーが好ましい。中空フィラーとしては、特に制限されず、公知のものを用いることができ、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン、金属ケイ酸塩等のバルーン(中空体)である無機物系中空フィラー、また、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂等のバルーン(中空体)である有機樹脂物系中空フィラーが挙げられる。中空フィラーを用いることで、絶縁性樹脂の熱伝導率を下げ、熱電性能がより向上する。
セラミックスとしては、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、炭化ケイ素等を主成分(セラミックス中で50質量%以上)とする材料が挙げられる。なお、前記主成分以外に、例えば、希土類化合物を添加することもできる。
絶縁体を充填する方法としては、公知の方法で行うことができる。例えば、液状樹脂を用い、P型熱電半導体材料のチップとN型熱電半導体材料のチップとが交互に配置された支持体面上に、スキージ等の塗布部材を用いて樹脂を塗り広げ充填する方法、また、支持体の略中心部から外側にわたり滴下した後、スピンコート法により充填する方法、さらに、支持体ごと液状樹脂の貯留槽等に浸漬させた後、引き上げることにより充填する方法、さらにまた、シート状の絶縁性樹脂を用いて、P型熱電半導体材料のチップとN型熱電半導体材料のチップとが交互に配置された支持体面上にシート状の絶縁性樹脂を貼付し、加熱及び/又は加圧によりシート状の絶縁性樹脂を溶融させ充填する方法等が挙げられる。充填後は、熱硬化等を行う。
支持体としては、特に制限はなく、ガラス、シリコン、セラミックス、金属、又はプラスチック等が挙げられる。好ましくはガラス、プラスチック及びシリコンから選ばれる。アニール処理等を高温度下で行う場合は、ガラス、シリコン、セラミックス、又は金属が好ましい。
上記支持体の厚さは、プロセス及び寸法安定性の観点から、100~1200μmが好ましく、200~800μmがより好ましく、400~700μmがさらに好ましい。
なお、当該支持体は、複数の熱電半導体素子とそれらの間に位置する絶縁体との一体化物が得られた後、剥離される。
<接続電極の形成>
次に、一対の熱電半導体素子の接続、又は、外部接続のために用いる接続電極を形成する。
接続電極は、好ましくは蒸着膜、めっき膜、導電性組成物及び金属箔からなる群より選ばれる少なくとも1種の膜で形成される。
接続電極に用いる金属材料は、特に制限されないが、銅、金、ニッケル、アルミニウム、ロジウム、白金、クロム、パラジウム、ステンレス鋼、モリブデン、ハンダ又はこれらのいずれかの金属を含む合金等が挙げられる。
接続電極を形成する方法としては、前述した、複数の熱電半導体素子及び絶縁体層との一体化物上に、パターンが形成されていない電極を設けた後、フォトリソグラフィー法を主体とした公知の物理的処理もしくは化学的処理、又はそれらを併用する等により、所定のパターン形状に加工する方法、または、上記金属材料等を含む導電性組成物からなる導電性ペーストを用い、スクリーン印刷法、インクジェット法等により直接電極のパターンを形成する方法等が挙げられる。
パターンが形成されていない電極の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD(物理気相成長法)、もしくは熱CVD、原子層蒸着(ALD)等のCVD(化学気相成長法)等のドライプロセス、又はディップコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、ドクターブレード法等の各種コーティングや電着法等のウェットプロセス、銀塩法、電解めっき法、無電解めっき法、金属箔の積層等が挙げられ、電極の材料に応じて適宜選択される。金属箔の積層には、はんだを用いて熱電材料等と接合してもよい。
上記接続電極には、熱電性能を維持する観点から、高い導電性、高い熱伝導性が求められるため、めっき法や真空成膜法で成膜した電極を用いることがより好ましい。高い導電性、高い熱伝導性を容易に実現できることから、真空蒸着法、スパッタリング法等の真空成膜法、および電解めっき法、無電解めっき法が好ましい。形成パターンの寸法、寸法精度の要求にもよるが、メタルマスク等のハードマスクを介し、容易にパターンを形成することもできる。
上記接続電極の層の厚さは、好ましくは10nm~200μm、より好ましくは30nm~150μm、さらに好ましくは50nm~120μmである。接続電極の層の厚さが、上記範囲内であれば、電気伝導率が高く低抵抗となり、接続電極として十分な強度が得られる。
<粘接着剤層の形成>
熱電変換モジュールであるペルチェ素子の少なくとも一方の面に粘接着剤層を設ける。すなわち、隣接する熱電半導体素子の一端同士を接続する接続電極を第1電極とし、隣接する熱電半導体素子の他端同士を接続する接続電極を第2電極としたとき、隣接する第1電極間の空隙、及び隣接する第2電極間の空隙を含め、第1電極及び第2電極上の双方に、又はいずれか一方に粘接着剤層を設ける。そして、この粘接着剤層によって、例えば、ペルチェ素子を被着体である半導体チップに接着することにより、ペルチェ素子を容易に設置することができる。また、第1電極間の空隙や第2電極間の空隙を含めることにより、耐候性を向上させることができる。さらに、被着体とペルチェ素子の接続電極との間の絶縁性を確保することができる。
なお、粘接着剤層は、予め被着物の表面に形成してもよい。
粘接着剤層は、冷却対象物である半導体チップ等の被着体に容易に接着できれば特に制限されないが、接着性樹脂を含むものであることが好ましく、所望により、架橋剤、粘着付与剤、重合性化合物、重合開始剤等の粘着剤用添加剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、充填材、屈折率調整剤、着色剤等を含有してもよい。これらのうち、粘接着剤層の熱伝導性を向上させる観点から、充填材として窒化ホウ素フィラー、アルミナフィラー等を用いてもよい。
なお、本明細書において、「粘接着性樹脂」とは、粘着性を有する樹脂と、接着性を有する樹脂と、の両方を含む概念であり、例えば、樹脂自体が粘接着性を有するものだけでなく、添加剤等の他の成分との併用により接粘着性を示す樹脂や、熱又は水等のトリガーの存在によって接着性を示す樹脂等も含む。
粘接着性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイソブチレン系樹脂等のゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、及びポリビニルエーテル系樹脂等が挙げられる。
粘接着剤層の厚さは、特に限定されないが、1~50μmであることが好ましく、2~30μmであることがより好ましい。
粘接着剤層は、粘着性樹脂を含む粘着剤組成物から、公知の方法で、直接、上記一体化物上の電極上に形成してもよい。粘接着剤層の形成方法として、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ロールナイフコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。
粘接着剤層の少なくともいずれか一方の面が、被着体に接着されるまでの間、剥離フィルムによって覆われていてもよい。剥離フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、取り扱い易さの観点から、剥離フィルムは、剥離基材と、剥離基材の上に剥離剤が塗布されて形成された剥離剤層とを備えることが好ましい。また、剥離フィルムは、剥離基材の片面のみに剥離剤層を備えていてもよいし、剥離基材の両面に剥離剤層を備えていてもよい。剥離基材としては、例えば、紙基材、この紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、並びにプラスチックフィルム等が挙げられる。紙基材としては、グラシン紙、コート紙、及びキャストコート紙等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、並びにポリプロピレン及びポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等が挙げられる。剥離剤としては、例えば、オレフィン系樹脂、ゴム系エラストマー(例えば、ブタジエン系樹脂、イソプレン系樹脂等)、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂、及びシリコーン系樹脂が挙げられる。
剥離フィルムの厚さは、特に限定されないが、通常、20~200μmであり、25~150μmであることが好ましい。
剥離剤層の厚さは、特に限定されないが、剥離剤を含む溶液を塗布して剥離剤層を形成する場合、剥離剤層の厚さは、0.01~2.0μmであることが好ましく、0.03~1.0μmであることがより好ましい。
剥離基材としてプラスチックフィルムを用いる場合、当該プラスチックフィルムの厚さは、3~50μmであることが好ましく、5~40μmであることがより好ましい。
剥離フィルムを有する粘接着剤層は、例えば、次のような工程を経て製造される。
まず、剥離フィルム上に粘着剤組成物を塗布し、塗膜を形成する。次に、塗膜を乾燥させて、粘接着剤層を形成する。次に、剥離フィルム上の粘接着剤層と、上記一体化物上の電極とを貼り合わせることにより製造できる。
<ペルチェ素子の設置>
上記粘接着剤層によって、ペルチェ素子を半導体チップ等の被着体に接着することにより、ペルチェ素子を半導体チップの裏面に設置する。
[半導体装置の製造方法の他の例]
上記アニール処理を行わない場合、又は、アニール処理の温度が高くない場合(例えば、180~300℃程度)は、熱電半導体素子の作製を上記基材上ではなく、被着体上で行うこともできる。
この場合、下記の工程(i)及び工程(ii)を含む半導体装置の製造方法とすることができる。
(i)半導体チップの、電極端子が形成された第1の表面上に、もしくは、前記第1の表面とは逆側の第2の表面上に、熱電半導体材料を含む組成物を塗布して塗膜を得る塗布工程、及び、
(ii)前記塗膜をアニールして、前記ペルチェ素子を構成する熱電半導体層を得るアニール工程
より詳しくは、上記粘接着剤層をペルチェ素子に設けることに代えて、必要に応じてパッシベーション膜を被着体に形成した後、被着体の表面上に直接に、又はパッシベーション膜上に下面側の接続電極を形成し、又は、回路基板の、半導体チップが実装されるのとは逆側の面上に上面側の接続電極を形成し、さらに、熱電半導体材料組成物を塗布し、必要に応じて乾燥やアニール処理を行って、熱電半導体素子を作製する。そして、熱電半導体素子間に上記絶縁体を充填した後、すでに形成した側とは逆側の接続電極を形成する。その後、必要に応じて、後に形成した側の接続電極上に粘接着剤層を形成する。この場合、粘接着剤層が硬化性のものであれば、粘接着剤層を硬化させることで、後に形成され、露出している側の粘接着剤層の接着性を消失させることが容易である。
上記塗布工程においては、上記半導体チップと、上記半導体チップの第1の表面上の電極端子により電気的に接続している被接続層とを備える半導体装置用部品の、上記半導体チップの第2の表面上に、上記熱電半導体材料を含む組成物を塗布して塗膜を得るようにしてもよい。ここで、半導体装置用部品とは、半導体装置が完成する前の半導体チップを含む半製品を意味し、例えば、ペルチェ素子が設けられる前の、半導体チップが実装された回路基板が半導体装置用部品に該当する。
このように、被着体上で塗布法によって熱電半導体素子を形成することにより、半導体チップを含む被着体を準備する工程に続けて、ペルチェ素子の形成と配置を行うことができる。このため、半導体装置の生産性を向上することができる。
図6は、上記工程(i)及び工程(ii)を含む半導体装置の製造方法の一例であり、図1の半導体装置100Aに類似する構成を有する半導体装置100Eの製造方法の一例を示す模式的な工程図である。
図6に示す半導体装置の製造方法においては、まず、図6(a)に示すように、予め既知の製造方法に従って、回路基板10の凹部内に半導体チップ30が実装された半導体装置用部品を準備する。上記半導体装置用部品において、半導体チップ30の下面(第1の表面)とバンプ31と回路基板10の電極形成層13との間の空間にはアンダーフィル層40が形成され、2つの半導体チップの間、及び、回路基板10の縁部10aと半導体チップ30及びペルチェ素子60の側面との間には封止材層20が形成されている。そして、半導体チップ30の上面(第2の表面)、封止剤層20の上面、及び、回路基板10の縁部10aの上面が同一平面内に配置されている。
回路基板10の縁部10aに形成された貫通孔10b内には導電体からなるビア80が配置されており、ビア80の上面は縁部10aの上面に露出し、上記平面内に含まれている。
次に、図6(b)に示すように、絶縁性物質を塗布することにより、上記平面上に、パッシベーション膜として絶縁薄膜69を形成する。この際、ビア80の上面はマスク等を設けるなどして、絶縁薄膜69が形成されないようにする。絶縁性物質としては、上述した絶縁体層65と同様にポリイミド樹脂等の絶縁性の樹脂等を用いることができるが、絶縁薄膜69に用いられる絶縁性物質は熱伝導率が低いものである必要はなく、むしろ、熱伝導性フィラーの添加等により、熱伝導性を高めてもよい。
次に、図6(c)に示すように、上記絶縁薄膜69上に、下面側の接続電極63を上述した手順でパターン形成する。このとき、ビア80の上面にはんだ等の導電体を配しておき、外部接続用の端子となる接続電極63を、ビア80の上面の導電体に重なる位置に形成することで、接続電極63とビア80とが電気的に接続される。なお、絶縁薄膜69の形成は省略し、上記平面上に、直接に接続電極63を形成してもよい。
次に、図6(d)に示すように、上述した手順により、熱電半導体組成物を接続電極63上に塗布し、必要に応じて乾燥やアニール処理を行って、熱電半導体素子61、62を形成する。また、隣り合う熱電半導体素子間、及び、端部に位置する熱電半導体素子の周囲に、上述した手順によって絶縁体を配置して絶縁体層65を形成する。
最後に、図6(e)に示すように、熱電半導体素子61、62の上面に、上述した手順で上面側の接続電極63を形成する。そして、接続電極63及び絶縁体層65の上面に、粘接着剤を配置して粘接着剤層64を形成する。これによって、ペルチェ素子60が半導体チップ30の第2の表面に形成されるとともに、半導体装置100Eが得られる。
なお、必要に応じて、放熱板92等の放熱部材を粘接着剤層64上に設けてもよい。また、粘接着剤層64を硬化させて粘接着性を消失させてもよいし、粘接着剤層64以外の被覆層を設けるようにしてもよい。
本発明の半導体素子は、冷却効果を高めやすく、しかも薄型化させやすい半導体装置及びその製造方法を提供することができる。このため、高い出力が求められる用途や、面積が限られている場所や狭い場所へ設置することが求められる用途に用いられる半導体装置とすることができる。
10、10A、10B:回路基板
10a:回路基板の縁部(被覆体)
10b、10Bb:貫通孔
11、31、81:バンプ
12、12A、12B:電極
13:回路形成層(被接続層)
14:パッシベーション層
20、22:封止材層
20a、22a:封止材層の周縁部(被覆体)
20b、22b:貫通孔
30、30A、30B:半導体チップ
40:アンダーフィル層
45、46:粘接着剤層
60:ペルチェ素子
61:P型熱電半導体素子
62:N型熱電半導体素子
63:接続電極
64:粘接着剤層
65:絶縁体層
66:金属線
69:絶縁薄膜
80:ビア(導電体)
92:放熱板
100A、100B、100C、100D、100E:半導体装置
200:三次元実装型の半導体装置

Claims (6)

  1. 電極端子が形成された第1の表面と前記第1の表面とは逆側の第2の表面とを有する半導体チップと、前記第2の表面上に、もしくは、前記第1の表面上に設けられたペルチェ素子と、を備え、
    前記ペルチェ素子は、複数の熱電半導体素子を含む熱電半導体層を有し、
    前記熱電半導体素子は熱電半導体材料を含む組成物の塗膜の焼成体である、半導体装置。
  2. 前記半導体チップの第1の表面に対向し、前記半導体チップに電気的に接続された被接続層をさらに備え、
    前記半導体チップは、前記第1の表面上の電極端子により前記被接続層と電気的に接続し、前記ペルチェ素子は、前記第2の表面上に設けられている、半導体装置。
  3. 隣り合う前記熱電半導体素子同士が互いに離間し、隣り合う前記熱電半導体素子間の空隙に補強材が充填されている、請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記熱電半導体材料を含む組成物は、重合体成分、イオン化合物及び熱電半導体粒子を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 半導体装置の製造方法であって、
    (i)半導体チップの、電極端子が形成された第1の表面上に、もしくは、前記第1の表面とは逆側の第2の表面上に、熱電半導体材料を含む組成物を塗布して塗膜を得る塗布工程、及び、
    (ii)前記塗膜をアニールして、前記ペルチェ素子を構成する熱電半導体層を得るアニール工程、を含む、半導体装置の製造方法。
  6. 前記塗布工程においては、前記半導体チップと、前記半導体チップの第1の表面上の電極端子により電気的に接続している被接続層とを備える半導体装置用部品の、前記半導体チップの第2の表面上に、前記熱電半導体材料を含む組成物を塗布して塗膜を得る、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
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