JP2023005818A - 作業機の監視システム - Google Patents

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▲祥▼仁 飯田
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亮 池田
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Abstract

【課題】 作業機の監視を、作業機側にて任意に開始、及び/又は、解除することができる作業機の監視システムを提供する。【解決手段】 作業機101の監視システムは、第1信号を受信した場合に作業機101がエリア内にいるか否かを監視し、第2信号を受信した場合に監視を解除する監視装置100を備える。作業機101は、少なくとも、第1信号及び第2信号を、監視装置100に送信する通信装置45Aと、操作されることで第1信号を送信するよう通信装置45Aに指示する第1指示部材と、監視装置100が作業機101を監視している場合に操作されることで、第2信号を送信するよう通信装置45Aに指示する第2指示部材と、を備えている。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、農業機械、建設機械等を含む作業機の監視システムに関する。
従来、農業機械等の作業機を監視するためのシステムとして、特許文献1の監視システムが知られている。特許文献1の監視システムは、第1通信装置と、第2通信装置と、を備えている。第1通信装置は、作業機に設けられるものであり、ビーコンを出力可能となっている。第2通信装置は、作業機の保管場所等に設置されるものであり、第1通信装置からのビーコンを受信可能となっている。第2通信装置は、ビーコンを受信している状態から受信できなくなった場合に、外部に警報を出力する監視部を有している。
特許第6401002号(請求項5等)
特許文献1のシステムでは、監視中において、例えば、作業機が保管場所から移動して、監視部がビーコン受信できなくなったことを受け、外部に警報が送信される。これにより、作業機の盗難防止が期待できる。しかしながら、盗難ではなく意図的に、原動機を始動させずに作業機を保管場所から移動させる場合もある。この場合、作業機が監視されていると、盗難されてない場合であっても警告が送信されることがあり、誤って盗難と判断され易い。従って、盗難発生と混同させてしまう可能性が高く、また、ユーザが警告に慣れてしまうと、実際の盗難を看過する恐れがあり、セキュリティが低下する可能性も高い。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、作業機の監視を、作業機側にて任意に開始、及び/又は、解除することができる作業機の監視システムを提供することを目的とする。
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。作業機の監視システムは、第1信号を受信した場合に作業機がエリア内にいるか否かを監視し、第2信号を受信した場合に前記監視を解除する監視装置を備え、前記作業機は、少なくとも、前記第1信号及び前記第2信号を、前記監視装置に送信する通信装置と、操作されることで、前記第1信号を送信するよう前記通信装置に指示する第1指示部材と、前記監視装置が前記作業機を監視している場合に、操作されることで、前記第2信号を送信するよう前記通信装置に指示する第2指示部材と、を備えている。
前記作業機は、更に、原動機を備え、前記通信装置は、前記原動機が停止中で且つ、前記第1指示部材が操作された場合に前記第1信号を出力する。
前記作業機は、更に、原動機と、前記原動機の始動又は停止の操作を行う原動機操作部材と、を備え、前記通信装置は、前記原動機操作部材による停止の操作中に、前記第1指示部材が操作された場合に前記第1信号を出力する。
前記作業機は、更に、前記原動機により駆動する作業装置と、前記原動機が駆動中に前記作業装置を操作する作業装置操作部材と、を備え、前記作業装置操作部材は、前記原動機が停止中に操作した場合は、前記第2指示部材として、前記第2信号を送信するよう前記通信装置に指示する。
前記作業機は、更に、前記原動機により駆動する作業装置と、前記原動機が駆動中に前記作業装置を操作する作業装置操作部材と、前記作業装置操作部材の操作によって前記作業装置が作動しないように操作するロック操作部材と、を備え、前記ロック操作部材は、前記原動機が停止中に操作した場合は、前記第2指示部材として、前記第2信号を送信するよう前記通信装置に指示する。
前記作業機は、更に、前記原動機により駆動する走行装置と、前記走行装置の変速を行う変速操作部材と、を備え、前記変速操作部材は、前記原動機が停止中に操作した場合は、前記第2指示部材として、前記第2信号を送信するよう前記通信装置に指示する。
前記作業機は、更に、作業装置と、前記作業装置に動力を伝達するPTO軸への動力を変更するPTO操作部材と、を備え、前記PTO操作部材は、前記原動機が停止中に操作した場合は、前記第2指示部材として、前記第2信号を送信するよう前記通信装置に指示する。
本発明によれば、作業機の監視を、作業機側にて任意に開始、及び/又は、解除することができる。
第1実施形態の作業機の監視システムを示す全体図である。 作業機が備える電子機器の機能ブロック図である。 作業機が備える昇降装置の斜視図である。 作業機が備える車体の運転席及び運転席周辺を示す平面図である。 作業機が備える車体の運転席におけるアームレスト及び操作部材を示す側視図である。 コンピュータの表示部に表示される設定画面の一例を示す図である。 監視装置のエリア設定部にて設定されるエリア情報の一例を示す図である。 作業機に対応して設定されたエリアの一例と、エリアの内外に作業機がそれぞれ位置する状態を示す図である。 作業機を車載可能なトラックに搭載する様子を示す図である。 作業機の監視システムによる作業機101の監視開始、監視解除、及び、監視による通知の流れを示すフローチャートである。 他の異なる形態における作業機の監視システムによる作業機101の監視開始、監視解除、及び、監視による通知の流れを示すフローチャートである。 作業機に対応して設定されたエリアの一例と、エリアの内外に作業機がそれぞれ位置する状態を示す図である。 第2実施形態の作業機が備える車体の運転席下部及び油圧ロックレバーを示す斜視図である。 第3実施形態の作業機が備える車体の運転席におけるアームレスト及び変速レバーを示す側視図である。 第4実施形態の作業機が備えるPTOスイッチの作動を示す図である。 エリアの設定と削除との関係を示す図である。 作業機の全体図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、作業機の監視システムを示している。監視システムは、監視装置100を備えている。監視装置100は、作業機101の監視を行う装置である。作業機101は、トラクタ、コンバイン、田植機等の農業機械101aと、農業機械101aに連結可能なインプルメント101bと、を含んでいる(図16参照)。監視装置100は、サーバ等の設置型のコンピュータ、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン等の携帯型のコンピュータ等である。この実施形態では、監視装置100は、サーバであるとして説明を進める。なお、当該作業機101は、農業機械101aに代えて、建設機械等であってもよい。
<作業機>
図16は、農業機械101aの1つであるトラクタと、トラクタに装着可能なインプルメント101bとを示す側面図である。以下、トラクタの運転席10に着座した運転者の前側を前方、運転者の後側を後方、運転者の左側を左方、運転者の右側を右方として説明する。また、トラクタの前後方向に直交する方向である水平方向を車体幅方向として説明する。
図16に示すように、トラクタは、車体3と、原動機4と、変速装置5とを備えている。車体3は、走行装置7を有していて走行可能である。走行装置7は、前輪7F及び後輪7Rを有する装置である。前輪7Fは、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。また、後輪7Rも、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。原動機4は、ディーゼルエンジン、電動モータ等であって、この実施形態ではディーゼルエンジンで構成されている。変速装置5は、変速によって走行装置7の推進力を切換可能であると共に、走行装置7の前進、後進の切換が可能である。車体3の後部には、運転席10が設けられている。運転席10の前方には、ステアリングホイール11が設けられている。
また、車体3の後部には、3点リンク機構等で構成された連結部が設けられている。連結部は、作業装置(インプルメント)101bを着脱可能且つ、作業装置(インプルメント)101bを走行可能とする昇降装置8である。インプルメント101bを昇降装置8に連結することによって、車体3によってインプルメント101bを牽引することができる。なお、連結部は、インプルメント101bを昇降しない牽引装置であってもよい。インプルメント101bは、耕転する耕転装置、畝立を行う畝立装置、作物を植え付ける植付装置、肥料を散布する肥料散布装置、農薬を散布する農薬散布装置、収穫を行う収穫装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置等である。
図2に示すように、変速装置5は、主軸(推進軸)5aと、主変速部5bと、副変速部5cと、シャトル部5dと、PTO動力伝達部5eと、前変速部5fと、を備えている。推進軸5aは、変速装置5のハウジングケース(ミッションケース)に回転自在に支持され、当該推進軸5aには、原動機4のクランク軸からの動力が伝達される。主変速部5bは、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。主変速部5bは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、推進軸5aから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
副変速部5cは、主変速部5bと同様に、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。副変速部5cは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、主変速部5bから入力された回転を変更して出力する(変速する)。シャトル部5dは、シャトル軸12と、前後進切換部13とを有している。シャトル軸12には、副変速部5cから出力された動力がギア等を介して伝達される。前後進切換部13は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によってシャトル軸12の回転方向、即ち、トラクタの前進及び後進を切り換える。シャトル軸12は、後輪デフ装置20Rに接続されている。後輪デフ装置20Rは、後輪7Rが取り付けられた後車軸21Rを回転自在に支持している。
PTO動力伝達部5eは、PTO推進軸14と、PTOクラッチ15とを有している。PTO推進軸14は、回転自在に支持され、推進軸5aからの動力が伝達可能である。PTO推進軸14は、ギア等を介してPTO軸16に接続されている。PTOクラッチ15は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によって、推進軸5aの動力をPTO推進軸14に伝達する状態と、推進軸5aの動力をPTO推進軸14に伝達しない状態とに切り換わる。
前変速部5fは、第1クラッチ17と、第2クラッチ18とを有している。第1クラッチ17及び第2クラッチ18は、推進軸5aからの動力が伝達可能であって、例えば、シャトル12の動力が、ギア及び伝動軸を介して伝達される。第1クラッチ17及び第2クラッチ18からの動力は、前伝動軸22を介して前車軸21Fに伝達可能である。具体的には、前伝動軸22は、前輪デフ装置20Fに接続され、前輪デフ装置20Fは、前輪7Fが取り付けられた前車軸21Fを回転自在に支持している。
第1クラッチ17及び第2クラッチ18は、油圧クラッチ等で構成されている。第1クラッチ17には油路が接続され、当該油路には油圧ポンプから吐出した作動油が供給される第1作動弁25に接続されている。第1クラッチ17は、第1作動弁25の開度によって接続状態と切断状態とに切り換わる。第2クラッチ18には油路が接続され、当該油路には第2作動弁26に接続されている。第2クラッチ18は、第2作動弁26の開度によって接続状態と切断状態とに切り換わる。第1作動弁25及び第2作動弁26は、例えば、電磁弁付き二位置切換弁であって、電磁弁のソレノイドを励磁又は消磁することにより、接続状態又は切断状態に切り換わる。
第1クラッチ17が切断状態で且つ第2クラッチ18が接続状態である場合、第2クラッチ18を通じてシャトル軸12の動力が前輪7Fに伝達される。これにより、前輪7F及び後輪7Rが動力によって駆動する四輪駆動(4WD)で且つ前輪7Fと後輪7Rとの回転速度が略同じとなる(4WD等速状態)。一方、第1クラッチ17が接続状態で且つ第2クラッチ18が切断状態である場合、四輪駆動になり且つ前輪7Fの回転速度が後輪7Rの回転速度に比べて速くなる(4WD増速状態)。また、第1クラッチ17及び第2クラッチ18が切断状態である場合、シャトル軸12の動力が前輪7Fに伝達されないため、後輪7Rが動力によって駆動する二輪駆動(2WD)となる。
図2及び図3に示すように、昇降装置8は、リフトアーム8a、ロアリンク8b、トップリンク8c、リフトロッド8d、リフトシリンダ8eを有している。リフトアーム8aの前端部は、変速装置5を収容するケース(ミッションケース)の後上部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。リフトアーム8aは、リフトシリンダ8eの駆動によって揺動(昇降)する。リフトシリンダ8eは、油圧シリンダから構成されている。リフトシリンダ8eは、制御弁34を介して油圧ポンプと接続されている。リフトシリンダ8eは、制御弁34の開度によって接続状態と切断状態とに切り換わる。制御弁34は、例えば、電磁弁付き二位置切換弁であって、電磁弁のソレノイドを励磁又は消磁することにより、接続状態又は切断状態に切り換わる。制御弁34にて接続状態とされたとき、油圧ポンプによりリフトシリンダ8eが駆動(伸縮)し、切断状態とされたとき、リフトシリンダ8eの駆動が規制(ロック)される。
ロアリンク8bの前端部は、変速装置5の後下部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。トップリンク8cの前端部は、ロアリンク8bよりも上方において、変速装置5の後部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。リフトロッド8dは、リフトアーム8aとロアリンク8bとを連結している。ロアリンク8bの後部及びトップリンク8cの後部には、インプルメント101bが連結される。リフトシリンダ8eが駆動(伸縮)すると、リフトアーム8aが昇降するとともに、リフトロッド8dを介してリフトアーム8aと連結されたロアリンク8bが昇降する。これにより、インプルメント101bがロアリンク8bの前部を支点として、上方又は下方に揺動(昇降)する。リフトシリンダ8eの駆動が規制されると、インプルメント101bの昇降もロックされる。
図2に示すように、トラクタは、測位装置40Aを備えている。測位装置40Aは、D-GPS、GPS、GLONASS、北斗、ガリレオ、みちびき等の衛星測位システム(測位衛星)により、自己の位置(緯度、経度を含む測位情報)を検出可能である。即ち、測位装置40Aは、測位衛星から送信された衛星信号(測位衛星の位置、送信時刻、補正情報等)を受信し、衛星信号に基づいて位置(例えば、緯度、経度)を検出する。測位装置40Aは、受信装置41と、慣性計測装置(IMU : Inertial Measurement Unit)42とを有している。受信装置41は、アンテナ等を有していて測位衛星から送信された衛星信号を受信する装置であり、慣性計測装置42とは別に車体3に取付けられている。この実施形態では、受信装置41は、車体3に設けられたキャビン9に取付けられている。なお、受信装置41の取付箇所は、実施形態に限定されない。
慣性計測装置42は、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ等を有している。慣性計測装置42は、車体3、例えば、運転席10の下方に設けられ、慣性計測装置42によって、車体3のロール角、ピッチ角、ヨー角等を検出することができる。
図2に示すように、トラクタは、通信装置45Aを備えている。通信装置45Aは、測位装置40A、制御装置60、操作部材(レバー、スイッチ、ダイヤル等)、及び、センサ類と、車載用通信ネットワークN1を介して接続され、電気信号が入力されるようになっている。通信装置45Aは、車載用通信ネットワークN1とは異なる外部ネットワーク(外部)との通信が可能である。通信装置45Aは、例えば、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、LPWA(Lo w Power, Wide Area)、LPWAN(Low-Power Wide-Area Network)等により無線通信を行うことができる。また、通信装置45Aは、例えば、携帯電話通信網又はデータ通信網などにより無線通信を行うことができる。通信装置45Aは、測位装置40Aが検出した車体位置(トラクタの位置)を、監視装置100に送信する。また、通信装置45Aは、作業機101がエリア内にいるか否かを監視するための第1信号と、その監視を解除するための第2信号とを、監視装置100に送信する。
図2に示すように、トラクタは、制御装置60を備えている。制御装置60は、演算部(CPU等)や記憶部(メモリ)等を備えており、記憶部に記憶されたプログラムに基づいて所定の制御を実行する。より具体的には、制御装置60は、運転席10の周囲に設置された操作部材(レバー、スイッチ、ダイヤル等)を操作したときの操作信号や、車体3に搭載された様々なセンサの検出信号等に基づいてトラクタの走行系や作業系の制御を行う。
制御装置60は、車体3の前進又は後進を切り換えるシャトルレバー43aが前進に操作された場合、前後進切換部13を前進に切り換えることで、車体3を前進させる。また、制御装置60は、シャトルレバー43aが後進に操作された場合、前後進切換部13を後進に切り換えることで、車体3を後進させる。
制御装置60は、イグニッションスイッチ43b(原動機操作部材)がONに操作された場合、所定の処理を経て原動機4の始動を行い、イグニッションスイッチ43bがOFFに操作された場合、原動機4の駆動を停止させる。
制御装置60は、原動機4の駆動中に、PTOスイッチ43cが操作された場合、PTOクラッチ15の位置を、ニュートラル位置、ON位置、OFF位置の何れかに切り換えることで、PTO軸16の駆動を入切する。制御装置60は、PTO変速レバー43dが操作された場合、変速装置5に内蔵されたPTO変速ギアを切り換えることでPTO軸16の回転数(PTO回転数という)を変更する。
制御装置60は、変速切換スイッチ43eを自動変速に切り換えた場合、トラクタの状態に応じて主変速部5b及び副変速部5cのいずれかを自動的に切り換え、変速装置5の変速段(変速レベル)を予め定められた変速段(変速レベル)に自動的に変更する。制御装置60は、変速切換スイッチ43eを手動変速に切り換えた場合、変速レバー43fで設定された変速段(変速レベル)に応じて主変速部5b及び副変速部5cのいずれかを自動的に切り換え、変速装置5の変速段を変更する。
制御装置60は、アクセルレバー43gが操作された場合、当該アクセルレバー43gの操作量に応じて原動機4の回転数(原動機回転数という)を変更することで、車体3の車速(速度)を変更する。
制御装置60は、原動機4の駆動中に、油圧レバー43h(第2指示部材、作業装置操作部材)が上昇させる方向(上昇側)に操作された場合、制御弁34を制御することでリフトシリンダ8eを伸長させ、リフトアーム8aの後端部(インプルメント101b側の端部)を上昇させる。制御装置60は、原動機4の駆動中に、油圧レバー43hが下降させる方向(下降側)に操作された場合、制御弁34を制御することでリフトシリンダ8eを収縮させ、リフトアーム8aの後端部(インプルメント101b側の端部)を下降させる。なお、油圧レバー43hには、回動位置を検出する位置センサ43h4が設けられており、油圧レバー43hの操作が検出可能となっている。
制御装置60は、油圧ロックレバー43iがONに操作された場合、制御弁34にてリフトシリンダ8eを切断状態とし、リフトシリンダ8eの駆動をロックして、インプルメント101bの昇降もロックする。なお、制御装置60は、油圧ロックレバー43iがOFFに操作された場合、制御弁34にてリフトシリンダ8eを接続状態とし、上述したインプルメント101bの昇降を許容する。
制御装置60は、上記イグニッションスイッチ43bがOFFに操作中(原動機4の停止操作中)で、且つ、監視開始スイッチ43j(第1指示部材)が操作された場合に、上記第1信号を送信するよう通信装置45Aを制御する。また、制御装置60は、原動機4が停止中に、位置センサ43h4により油圧レバー43hの操作が検出された場合に、上記第2信号を送信するよう通信装置45Aを制御する。
図4に示すように、平面視にて運転席10の右方には、アームレスト50が設けられている。アームレスト50は、長手方向が前後方向を向き、短手方向が車体幅方向を向いて配置されている。アームレスト50の車体幅方向における右方には、サイドコンソール51が設けられている。サイドコンソール51は、その前端部が運転席10よりも前方に位置し、後端部は運転席10よりも後方に位置している。平面視にて運転席10の前方には、フロントコンソール52が設けられている。フロントコンソール52は、その後端部が運転席10よりも前方に位置している。上述した操作部材は、運転者により操作可能なように、アームレスト50、サイドコンソール51、フロントコンソール52等の運転席10近傍に設けられている。以下、主要な操作部材の配置について、説明する。
図4及び図5に示すように、アームレスト50の長手方向前側に、前方部分50aが設けられている。前方部分50aは、前後方向において、運転席10の背もたれ部10aの前方に配置され、座部10bとオーバーラップしている。前方部分50aの最前部には、回転ダイヤル式のアクセルレバー43gが、設けられている。前方部分50aにおけるアクセルレバー43gの後側には、変速レバー43fが設けられている。変速レバー43fは、把持部及び揺動軸を有し、アームレスト50の上側に突出する揺動操作型のレバーである。前方部分50aにおける変速レバー43fの後側には、油圧レバー43hが設けられている。
油圧レバー43hは、回転体43h1と、摘み部43h2と、ロック部43h3とを有している。回転体43h1は、アームレスト50の上面から側面視にて上向きに凸の円弧状に突出している。摘み部43h2は、回転体43h1の上面から突出している。回転体43h1は、アームレスト50の内部に配置された横向き(水平方向)の支軸回りに回動可能に取り付けられている。アームレスト50の内部においては、回転体43h1の回動を検出する位置センサ43h4が設けられている。
摘み部43h2を摘んで前方又は後方に移動させることにより、回転体43h1が支軸回りに回動する。摘み部43h2を前方に移動させると、昇降装置8のリフトシリンダ8eが短縮してインプルメント101bが下降する。摘み部43h2を後方に移動させると、昇降装置8のリフトシリンダ8eが伸長してインプルメント101bが上昇する。
ロック部43h3は、摘み部43h2の車体内方側(運転席10側)に配置されており、軸部に対して前方、後方又は上方に揺動可能である。ロック部43h3が軸部に対して前方又は後方に位置した姿勢にあるとき、摘み部43h2の位置が固定され、摘み部43h2の移動操作が阻止される。図5では、ロック部43h3が軸部に対して前方に位置した(前方に倒れた)姿勢にある状態を示している。図5に仮想線(二点鎖線)で示すように、ロック部43h3を軸部に対して上方に向けた(直立させた)姿勢とすると、摘み部43h2の位置の固定が解除され、摘み部43h2の移動操作が許容される。
また、原動機4が停止中に、摘み部43h2の移動操作により回転体43h1が回動した場合に、回動が位置センサ43h4により検出されて、車載用通信ネットワークN1に向けて信号が送出される。制御装置60は、当該信号を受けて油圧レバー43hが操作されたと認識する。
図4に示すように、サイドコンソール51の長手方向略中央部に、中央部分51aが設けられている。中央部分51aは、アームレスト50の前方部分50aよりも後側に位置している。中央部分51aには、PTOスイッチ43cが設けられている。PTOスイッチ43cは、ニュートラル位置と、ON位置と、OFF位置との3つのポジションに切換可能である。PTOスイッチ43cを、ニュートラル位置、ON位置、及び、OFF位置に操作することにより、PTOクラッチ15の位置が、ニュートラル位置、ON位置、及び、OFF位置に、それぞれ切り換わる。
フロントコンソール52の車体幅方向略中央部に、コラムカバー52aが設けられている。ステアリングホイール11は、コラムカバー52aの上部にて支持されて、運転席10の前方に対向するよう設けられている。フロントコンソール52の後側であって、コラムカバー52aの右側及び左側には、イグニッションスイッチ43b及び監視開始スイッチ43jが、それぞれ設けられている。
イグニッションスイッチ43bは、押圧により操作を行うプッシュボタンである。原動機4が停止している状態において、イグニッションスイッチ43bをONに押圧操作することにより、原動機4が始動する。原動機4が駆動している状態において、イグニッションスイッチ43bをOFFに押圧操作することにより、原動機4が停止する。イグニッションスイッチ43bがOFFに押圧操作されていることを示す信号は、車載用通信ネットワークN1に向けて、それぞれ送出される。制御装置60は、当該信号を受けてイグニッションスイッチ43bがOFFに押圧操作中であると認識する。
監視開始スイッチ43jは、押圧により操作を行うプッシュボタンである。監視開始スイッチ43jが押圧操作されたことを示す信号は、車載用通信ネットワークN1に向けて、それぞれ送出される。制御装置60は、当該信号を受けて監視開始スイッチ43jが押圧操作されたと認識する。
ステアリングホイール11の下部であって、運転席10の座部10bにおける前方には、油圧ロックレバー43iが設けられている。油圧ロックレバー43iは、把持部及び揺動軸を有し、座部10bの前側に突出する揺動操作型のレバーである。
<監視装置>
図1に示すように、監視装置(サーバ)100は、エリア設定部110Aと、エリア記憶装置111と、を備えている。エリア設定部110Aは、監視装置100に設けられた電気電子回路、監視装置100に格納されたプログラム等で構成されている。エリア記憶装置111は、不揮発性のメモリ等で構成されている。エリア設定部110Aは、作業機101のエリア150を設定する。具体的には、図1に示すように、監視装置100とは異なる設置型のコンピュータ105が、監視装置100に接続され、設置型のコンピュータ105において所定の操作が行われると、図6に示すように、設置型のコンピュータ105のモニタ等の表示部105Aに、設定画面M1を表示する。なお、この実施形態では、コンピュータ105は設置型であるが、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン等の携帯型のコンピュータ等であってもよい。
設定画面M1は、作業機101を入力する作業機入力部121と、地図を表示する地図表示部122と、地図の任意の点を選択するポインタ123と、距離を入力する距離入力部124とを含んでいる。作業機入力部121は、作業機101を識別する識別情報を入力することができる。識別情報は、作業機101のシリアル番号、名称、型番、型式、製造番号などの様々な情報を入力することができる。地図表示部122は、道路、農道、圃場等の作業場、建物などを含む地図を表示する部分である。地図表示部122に表示する。地図は、例えば、地図のデータを提供する地図提供会社から取得した地図であってもよいし、設置型のコンピュータ105等によって作成した地図であってもよいし限定されない。
設定画面M1において、作業機識別情報、中心O1及び距離L1を入力することで、作業機101に対しエリア150を設定することができる。なお、上述した実施形態では、ポインタ123によって、エリア150の中心を選択していたが、ポインタ123によって地図上の複数の位置(点)を選択できるようにしてもよい。この場合、エリア設定部110Aは、複数の位置(点)によって囲まれるエリアをエリア150に設定する。
図7に示すように、エリア設定部110Aによって、設定したエリア情報(作業機識別情報、エリア150を示す情報)は、エリア記憶装置111に記憶される。なお、図7に示したエリア情報は一例であり、限定されない。
監視装置100は、通知部112Aを備えている。通知部112Aは、監視装置100に設けられた電気電子回路、作業支援装置100に格納されたプログラム等で構成されている。通知部112Aは、作業機101に対して定められたエリア150内に、当該作業機101が位置するか否かに基づいて、作業機101の通知を行う。図8(a)に示すように、トラクタTに対してエリア150が設定されているものとする。このエリア150は、車庫Gが中心に位置するよう、中心O1及び距離L1が設定されたものである。通信装置45Aにより送信された車体位置(トラクタTの位置)を、監視装置100が受信すると、通知部112Aは、車体位置がエリア150内であるか否かを判断する。
図8(a)に示すように、作業機101の監視中である場合において、通知部112Aは、車体位置がエリア150内(例えば、車庫Gの位置)である場合、通知を行わない。一方、図8(b)に示すように、作業機101の監視中である場合において、例えば、トラクタTを車庫Gから移動させ、トラクタTの位置がエリア150外へ逸脱する場合がある。この場合、通知部112Aは、車体位置がエリア150外であるとして、設置型のコンピュータ105などに、「トラクタTがエリア150から出ている」旨を通知する。つまり、通知部112Aは、作業機101が当該作業機101に対応して定められたエリア150にいるか否かを、設置型のコンピュータ105などに通知することで、作業機101の監視を行っている。なお、作業機101が長期間にわたってエリア150外である場合は、作業機101が盗難された可能性があると判断することができ、作業機101の監視を行うことで作業機101の盗難を防止できる。
<監視の開始及び監視の解除>
さて、上述の作業機101においては、盗難ではなく意図的に、作業機101をエリア150外へ位置させる場合もある。例えば、エリア150が、作業機101の車庫Gを包含するよう設定されている場合において、停止状態の作業機101が、車庫Gから遠く離間した場所であって、エリア150外の場所へ運搬される場面が存在する。具体的には、作業機101を貸与する場面や、作業機101をディーラへの持ち込む場面等が挙げられる。
この場合、図9に示すように、例えば、エリア150内において、トラクタT(作業機101)を駆動して車庫Gから移動させて、停車中の車載可能なトラック102の車載台102aに搭載する。その後、作業機101の原動機4を停止させて、トラック102が目的地に向けて移動する。トラック102が、エリア150内から外に逸脱すると、トラック102と一体的に作業機101もエリア150外に位置することになる。ここにおいて、作業機101が監視されていると、盗難されてない場合であっても、上述の通知が実行されることになる。このように、盗難ではなく意図的に、作業機101をエリア150外へ位置させたときにも、誤って盗難と判断され易い。従って、盗難発生と混同させてしまう可能性が高く、また、ユーザが上述の通知に慣れてしまうと、実際の盗難を看過する恐れがあり、セキュリティが低下する可能性も高い。
以上のことから、作業機101の監視を、作業機101側にて任意に開始、及び、解除できると好適である。このため、本実施形態においては、作業機101の通信装置45Aより、第1信号及び第2信号が、監視装置100に送信されるようになっている。監視装置100は、監視開始部112B、及び、監視解除部112Cを備えている(図1参照)。監視開始部112B及び監視解除部112Cにより、監視フラグがON及びOFFにそれぞれ切り替わるようになっている。監視フラグがONである場合に、作業機101がエリア150内にいるか否かが監視され、監視フラグがOFFである場合には、作業機101がエリア150内にいるか否かが監視されない。即ち、監視フラグがOFFからONに変更されると、作業機101の監視が開始される。一方、監視フラグがONからOFFに変更されると、作業機101の監視が解除される。
監視開始部112B、及び、監視解除部112Cは、監視装置100に設けられた電気電子回路、作業支援装置100に格納されたプログラム等で構成されている。監視開始部112Bは、監視フラグがOFFの状態にあるとき、通信装置45Aから送信された上記第1信号を受信した場合に、監視フラグをONとする。監視解除部112Cは、監視フラグがONの状態にあるとき、通信装置45Aから送信された上記第2信号を受信した場合に、監視フラグをOFFとする。このように、第1信号を受信した場合に、監視フラグがONとなって、通知部112Aによる通知が許容されるよう監視が開始される。一方、第2信号を受信した場合に、監視フラグがOFFとなって、通知部112Aによる通知が規制されるよう監視が解除される。
<実際の作動>
図10Aは、作業機101の監視開始、監視解除、及び、監視による通知の流れを示すフローチャートであり、作業機101及び監視装置100の作動フローを示すものでもある。エリア設定部110Aによって、作業機101に対しエリア150が予め設定されているものとする。図8と同様、このエリア150内に、作業機101の車庫Gが中心にて包含されるものとする。また、監視フラグがOFFの状態にあるものとする。
図11(a)に示すように、上記エリア150外の圃場等にて作業を終えた作業機101は、自走により上記エリア150内の車庫Gへ移動する(S1)。車庫Gにおいて、運転者は、運転席10に着座した状態で、イグニッションスイッチ43bをOFFに押圧操作する。運転者は、イグニッションスイッチ43bの押圧操作中に監視開始スイッチ43jを押圧操作する。運転者は、運転席10より離席して作業機101を車庫Gにて保管する(S2)。この操作により、上記第1信号が、通信装置45Aから監視装置100へ送信されて、監視装置100にて受信される(S3)。監視開始部112Bは、監視フラグがOFF状態であって、第1信号が受信されたか否かを判定する。現時点では、監視フラグがOFFであり、且つ、第1信号が受信されたので「Yes」と判定される(S4)。監視開始部112Bは、監視フラグをOFFからONとし、通知部112Aによる通知が許容されるよう監視が開始される(S5)(図8(a)参照)。なお、上記S4にて「No」と判定された場合、監視フラグがOFFのまま維持されて、通知部112Aによる通知が規制される。
測位装置40Aが検出した車体位置が、通信装置45Aから監視装置100へ送信されて、監視装置100にて受信される(S6)。通知部112Aは、受信した車体位置がエリア150外であるか否かを判定する。車体位置がエリア150外である場合「Yes」と判定される(S7)(図8(b)参照)。通知部112Aは、設置型のコンピュータ105に「トラクタTがエリア150から出ている」旨を通知する(S8)。なお、図8(a)に示すように、車庫Gでの通常の保管がなされている場合には、上記S7にて「No」と判定されて、上記通知はなされない。
ここにおいて、図11(b)に示すように、作業機101をエリア150外へ運搬する事情が生じた場合、作業機101は、自走により車庫Gからエリア150内に停車中のトラック102に移動し、作業機101を、トラック102の車載台102aに搭載する(S9)(図9参照)。上記S6及びS7と同様に、車体位置の送信(S10)、車体位置がエリア150外か否かの判定(S11)が実行される。この場合、作業機101及びトラック102は、エリア150内に位置しているため、上記S11にて「No」と判定されて、上記通知はなされない。なお、トラック102への搭載時に、例えば、作業機101がエリア外へ逸脱する場合、上記S11にて「Yes」と判定されて、上記通知がなされる(S12)。
車載台102aに搭載した作業機101の運転者は、運転席10に着座した状態で、イグニッションスイッチ43bをOFFに押圧操作し原動機4を停止させて、油圧レバー43hの回転体43h1を回動操作する。そして、運転者は作業機101をトラック102に残し、運転席10より離席する(S13)。この操作により、上記第2信号が、通信装置45Aから監視装置100へ送信されて、監視装置100にて受信される(S14)。監視解除部112Cは、監視フラグがON状態であって、第2信号が受信されたか否かを判定する。現時点では、監視フラグがONであり、且つ、第2信号が受信されたので「Yes」と判定される(S15)。監視解除部112Cは、監視フラグをONからOFFとし、通知部112Aによる通知が規制されるよう監視が解除される(S16)。
図11(c)に示すように、作業機101を搭載したトラック102は、エリア150内から外へ移動する。このとき、上記S16により作業機101の監視が解除されており、通知部112Aからの通知は実行されない。なお、上記S15にて「No」と判定された場合、監視フラグがONのまま維持されて、通知部112Aによる通知が許容されることになる。
[第2実施形態]
上記第1実施形態においては、監視フラグがONであって、原動機4が停止中に油圧レバー43hの操作が検出された場合に、通信装置45Aから上記第2信号が監視装置100へ送信される。これにより、監視装置100にて監視フラグがOFFとされて、作業機101の監視が解除されるようになっていた。第2実施形態は、第2信号の送信に際し利用される操作部材が油圧ロックレバー43i(第2指示部材、ロック操作部材)である点のみ、第1実施形態と異なる。以下、第2実施形態の第1実施形態と異なる点について説明する。
図12に示すように、運転席10の座部10bは、支持部10b1にて下方から支持されている。支持部10b1は、座部10bの前後位置、背もたれ部10aのチルト位置等が、レバーにより調整可能に構成されている。支持部10b1の下端と、フロア53との間には、ケース53aが介装されている。ケース53aは略直方体状の筐体であり、座部10bの先端側を向く前面53a1が規定されている。前面53a1は、フロア53に対して略垂直に立設している。前面53a1の車体幅方向における略中央部に、油圧ロックレバー43iが設けられている。油圧ロックレバー43iは、ステアリングホイール11の下部であって、運転席10の座部10bにおける前方に位置する。
油圧ロックレバー43iは、揺動軸43i1と、把持部43i2とを有している。揺動軸43i1は、ケース53aの前面53a1から前方に突出している。把持部43i2は、揺動軸43i1の前端から上方に向けて突出している。揺動軸43i1の後方は、ケース53aの内部に配置された縦向き(鉛直方向)の支軸回りに揺動可能に取り付けられている。すなわち、油圧ロックレバー43iは、座部10bの前側に突出する揺動操作型のレバーであり、車体幅方向に揺動可能となっている。ケース53aの内部においては、第1実施形態の位置センサ43h4に代えて、揺動軸43i1の揺動を検出する位置センサ43i3が設けられている。
把持部43i2を把持して右方又は左方に移動させることにより、揺動軸43i1が支軸回りに揺動する。把持部43i2を右方に移動させると、リフトシリンダ8eの駆動をロックして、インプルメント101bの昇降もロックする。すなわち、油圧ロックレバー43iがONとなる。把持部43i2を左方に移動させると、リフトシリンダ8eの駆動を許容して、インプルメント101bの昇降も許容する。すなわち、油圧ロックレバー43iがOFFとなる。
また、原動機4が停止中に、運転者が運転席10に着座した状態で、把持部43i2を把持して右方又は左方に移動させることにより、揺動軸43i1の揺動が位置センサ43i3により検出されて、車載用通信ネットワークN1に向けて信号が送出される。制御装置60は、当該信号を受けて油圧ロックレバー43iが操作されたと認識する。
第2実施形態の制御装置60は、原動機4が停止中に、位置センサ43i3により油圧ロックレバー43iの操作が検出された場合に、上記第2信号を送信するよう通信装置45Aを制御する。
[第3実施形態]
上記第2実施形態においては、監視フラグがONであって、原動機4が停止中に油圧ロックレバー43iの操作が検出された場合に、通信装置45Aから上記第2信号が監視装置100へ送信される。これにより、監視装置100にて監視フラグがOFFとされて、作業機101の監視が解除されるようになっていた。第3実施形態は、第2信号の送信に際し利用される操作部材が変速レバー43f(第2指示部材、変速操作部材)である点のみ、第1,第2実施形態と異なる。以下、第3実施形態の第1,第2実施形態と異なる点について説明する。
図5に対応する図13に示すように、変速レバー43fは、揺動軸43f1と、把持部43f2とを有している。揺動軸43f1は、アームレスト50の上面から側面視にて上向きに突出している。把持部43f2は、揺動軸43f1の上端に設けられている。揺動軸43f1は、アームレスト50の内部に配置された横向き(水平方向)の支軸回りに揺動可能に取り付けられている。アームレスト50の内部においては、第1,第2実施形態の位置センサ43h4,43i3に代えて、揺動軸43f1の揺動を検出する位置センサ43f3が設けられている。
把持部43f2を把持して前方又は後方に移動させることにより、揺動軸43f1が支軸回りに揺動する。手動変速に切り換えられている状態において、把持部43f2を前方又は後方に移動させると、揺動位置に応じた変速段となるよう変速装置5の変速段が切り換わる。
また、原動機4が停止中に、運転者が運転席10に着座した状態で、把持部43f2を把持して前方又は後方に移動させることにより、揺動軸43f1の揺動が位置センサ43f3により検出されて、車載用通信ネットワークN1に向けて信号が送出される。制御装置60は、当該信号を受けて変速レバー43fが操作されたと認識する。
第3実施形態の制御装置60は、原動機4が停止中に、位置センサ43f3により変速レバー43fの操作が検出された場合に、上記第2信号を送信するよう通信装置45Aを制御する。
[第4実施形態]
上記第3実施形態においては、監視フラグがONであって、原動機4が停止中に変速レバー43fの操作が検出された場合に、通信装置45Aから上記第2信号が監視装置100へ送信される。これにより、監視装置100にて監視フラグがOFFとされて、作業機101の監視が解除されるようになっていた。第4実施形態は、第2信号の送信に際し利用される操作部材がPTOスイッチ43c(第2指示部材、PTO操作部材)である点のみ、第1,第2,第3実施形態と異なる。以下、第4実施形態の、第1,第2,第3実施形態と異なる点について説明する。
図14に示すように、サイドコンソール51の中央部分51aに設けられたPTOスイッチ43cは、回転部43c1と、支持部43c2とを有している。PTOスイッチ43cは、押し込みと回転とを行うことが可能なスイッチである。回転部43c1は、平面視で円形状であって、支持部43c2によって回転自在に支持されている。支持部43c2は、サイドコンソール51の内部から外部へ突出しており、外部にて支持部43c2の一端部が回転部43c1に接続されている。
回転部43c1が、サイドコンソール51の上面から離間した上部位置にある場合、PTOスイッチ43cは、ニュートラル位置の状態となる。これに応じて、PTOクラッチ15がニュートラル状態となる。ニュートラル位置から回転部43c1を押し込んで、回転部43c1が、サイドコンソール51の上面に近接した下部位置に到達すると、PTOスイッチ43cは、OFF位置の状態となる。これに応じて、PTOクラッチ15がOFF状態に切り換わる。OFF位置から回転部43c1を回転させて、予め定められた所定位置にすると、PTOスイッチ43cは、ON位置の状態となる。これに応じて、PTOクラッチ15がON状態に切り換わる。ON位置から回転部43c1を放すと、当該回転部43c1は自動的に下部位置を経由して上部位置に戻る。即ち、PTOスイッチ43cは、OFF位置から自動的にニュートラル位置に戻るモーメンタリスイッチである。
支持部43c2は、回転部43c1と一体的に上部位置から下部位置の間を変位する。サイドコンソール51の内部においては、第1,第2,第3実施形態の位置センサ43h4,43i3,43f3に代えて、支持部43c2の変位を検出する位置センサ43c3が設けられている。
また、原動機4が停止中に、運転者が運転席10に着座した状態で、回転部43c1を把持して押し込むことにより、支持部43c2の変位が位置センサ43c3により検出されて、車載用通信ネットワークN1に向けて信号が送出される。制御装置60は、当該信号を受けてPTOスイッチ43cが操作されたと認識する。
第4実施形態の制御装置60は、原動機4が停止中に、位置センサ43c3によりPTOスイッチ43cの操作が検出された場合に、上記第2信号を送信するよう通信装置45Aを制御する。
<変形例1:第1信号の送信操作>
上記各実施形態における第1信号は、監視フラグがOFFであって、イグニッションスイッチ43bがOFFに操作中(原動機4の停止操作中)で且つ、監視開始スイッチ43jが操作された場合に、送信されるようになっていた。これに代えて、例えば、監視フラグがOFFであって、原動機4が停止中(イグニッションスイッチ43bのOFF操作が完了した後に、原動機4が停止している状態)で且つ、監視開始スイッチ43j(第1指示部材)が操作された場合に、制御装置60が、第1信号を送信するよう通信装置45Aを制御してもよい。
<変形例2:第2信号の送信操作>
上記各実施形態における第2信号は、監視フラグがONであって、原動機4が停止中に、油圧レバー43h(第1実施形態)、油圧ロックレバー43i(第2実施形態)、変速レバー43f(第3実施形態)、又は、PTOスイッチ43c(第4実施形態)が操作された場合に、送信されるようになっていた。これに代えて、例えば、監視フラグがONであって、原動機4が停止中に、油圧レバー43h、油圧ロックレバー43i、変速レバー43f、及び、PTOスイッチ43cのうちから選択される1つ、又は、2つ以上の操作部材が操作された場合に、制御装置60が、第2信号を送信するよう通信装置45Aを制御してもよい。この場合、各操作部材の操作を検出するために、対応する位置センサは複数個数設けられる。
<まとめ>
作業機101の監視システムは、第1信号を受信した場合に作業機101がエリア150内にいるか否かを監視し、第2信号を受信した場合に監視を解除する監視装置100を備える。作業機101は、少なくとも、第1信号及び第2信号を、監視装置100に送信する通信装置45Aと、操作されることで第1信号を送信するよう通信装置45Aに指示する第1指示部材と、監視装置100が作業機101を監視している場合に操作されることで、第2信号を送信するよう通信装置45Aに指示する第2指示部材と、を備えている。これによれば、作業機101が備える第1,第2指示部材の操作により、第1,第2信号が作業機101より送信される。このため、作業機101の監視を、作業機101側にて任意に開始、及び/又は、解除することができる。例えば、盗難ではなく意図的に、作業機101をエリア150外へ位置させる場合であっても、予め監視を解除することができるため、誤って盗難と判断されることが抑制できる。また、監視の解除後であっても、必要に応じて監視を開始できる。
作業機101は、更に、原動機4を備える。通信装置45Aは、原動機4が停止中で且つ、監視開始スイッチ43j(第1指示部材)が操作された場合に第1信号を出力する。これによれば、監視の要求が大きい保管時等に備え、作業機101の監視を適切且つ容易に開始できる。
作業機101は、更に、原動機4と、原動機4の始動又は停止の操作を行うイグニッションスイッチ43b(原動機操作部材)と、を備える。通信装置45Aは、イグニッションスイッチ43bによる停止の操作中に、監視開始スイッチ43jが操作された場合に第1信号を出力する。これによれば、監視の要求が大きい保管時等に備え、作業機101の監視を適切且つ容易に開始できる。また、第1信号を送信するには、原動機操作部材の停止操作中という限られたタイミングにて、第1指示部材の操作が必要となる。このため、第1信号の誤送信を抑制できる。
作業機101は、更に、原動機4により駆動するインプルメント101bと、原動機4が駆動中にインプルメント101bを操作する油圧レバー43h(作業装置操作部材)と、を備える。油圧レバー43hは、原動機4が停止中に操作した場合は、第2指示部材として、第2信号を送信するよう通信装置45Aに指示する。これによれば、農業機械等が一般に備える作業装置操作部材を活用でき、第2信号の送信専用に操作部材を新設する必要なく、また、運転席に着座したまま第2信号送信の操作が可能となる。このため、作業機101の監視を適切且つ容易に解除できる。
作業機101は、更に、原動機4により駆動するインプルメント101bと、原動機4が駆動中にインプルメント101bを操作する油圧レバー43hと、油圧レバー43hの操作によってインプルメント101bが作動しないように操作する油圧ロックレバー43i(ロック操作部材)と、を備える。油圧ロックレバー43iは、原動機4が停止中に操作した場合は、第2指示部材として、第2信号を送信するよう通信装置45Aに指示する。これによれば、農業機械等が一般に備えるロック操作部材を活用でき、第2信号の送信専用に操作部材を新設する必要なく、また、運転席に着座したまま第2信号送信の操作が可能となる。このため、作業機101の監視を適切且つ容易に解除できる。特に、ロック操作部材は、安全確保のために、他の操作部材の設置場所から独立した場所(例えば、座部10bの下部等)に設置される場合が多い。従って、ユーザにより操作場所を特定し易く、確実な第2信号送信の操作が可能となる。
作業機101は、更に、原動機4により駆動する走行装置7と、走行装置7の変速を行う変速レバー43f(変速操作部材)と、を備える。変速レバー43fは、原動機4が停止中に操作した場合は、第2指示部材として、第2信号を送信するよう通信装置45Aに指示する。これによれば、農業機械等が一般に備える変速操作部材を活用でき、第2信号の送信専用に操作部材を新設する必要なく、また、運転席に着座したまま第2信号送信の操作が可能となる。このため、作業機101の監視を適切且つ容易に解除できる。
作業機101は、更に、インプルメント101bと、インプルメント101bに動力を伝達するPTO軸16への動力を変更するPTOスイッチ43c(PTO操作部材)と、を備える。PTOスイッチ43cは、原動機4が停止中に操作した場合は、第2指示部材として、第2信号を送信するよう通信装置45Aに指示する。これによれば、農業機械等が一般に備えるPTO操作部材を活用でき、第2信号の送信専用に操作部材を新設する必要なく、また、運転席に着座したまま第2信号送信の操作が可能となる。このため、作業機101の監視を適切且つ容易に解除できる。
上述した各実施形態では、第2指示部材が操作された場合に、作業機101から監視装置100へ第2信号を送信し、監視装置100が第2信号を受信したときに、監視の解除(エリア150から作業機101が出ても通知しない)を行っていたが、これに代えて、監視装置100が第2信号を受信した場合に、エリア150の設定の解除、即ち、エリア150の削除を行ってもよい。つまり、監視の解除とは、エリア150が設定されている状況下において、作業機101がエリア150から出たとしても通知を行わないこと、又は、エリア150の設定自体を削除することを含む。
以下、作業機101の監視の解除として、エリア150の削除を実行する場合について、上記各実施形態と異なる点のみ説明する。この場合、監視装置100では、監視フラグをON/OFF切換えするのに代えて、第1信号及び第2信号を受けてエリア設定部110Aにより、エリア150が設定及び削除される点において、上記各実施形態と異なる。
図10Bは、図10Aとは異なる作業機の監視システムによる作業機101の監視開始、監視解除、及び、監視による通知の流れを示すフローチャートである。図15は、エリア150の設定と削除との関係を示す図である。図10Bにおいては、図10Aにて示したステップと同じものについては、同じ符号を付すことにより説明を省略する。また、開始時には、エリア150が設定されていないものとする。
上記S4(図10A参照)に対応するS17では、エリア設定部110Aは、エリア150が設定されておらず、且つ、第1信号が受信されたか否かを判定する。上記S5(図10A参照)に対応するS18では、上記S17にて「Yes」と判定されると、エリア設定部110Aがエリア150を設定し、作業機101の監視が開始される。即ち、通知部112Aによる通知が許容される。なお、上記S17にて「No」と判定された場合、エリア150が設定されないまま維持されて、作業機101の監視は開始されない。
エリア設定部110Aによりエリア150が設定されると、図15(a)に示すように、トラクタTがエリア150内に位置する場合には、通知部112Aによる通知がなされない。図15(b)に示すように、トラクタTがエリア150内から外に移動した場合には、通知部112Aによる通知がなされる。
上記S15(図10A参照)に対応するS19では、エリア設定部110Aは、エリア150が設定されており、且つ、第2信号が受信されたか否かを判定する。上記S16(図10A参照)に対応するS20では、上記S19にて「Yes」と判定されると、エリア設定部110Aがエリア150を削除し、作業機101の監視が解除される。即ち、通知部112Aによる通知が規制される。なお、上記S19にて「No」と判定された場合、エリア150が設定されたまま維持されて、作業機101の監視は解除されない。
エリア設定部110Aによりエリア150が削除されると、図15(c)に示すように、例えば、トラクタTがトラック102に搭載されて、元々設定されていたエリア150に相当する領域内から外に移動する場合であっても、エリア150そのものが存在しないため、通知部112Aによる通知がなされない。
以上のように監視装置100が第2信号を受信したときに、エリア150の削除を行った場合は、作業機101から遠隔して、コンピュータ105の設定画面M1から、再びエリア150を設定してもよいし、作業機101側から第1信号を送信することで、再びエリア150を設定してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
4 :原動機
7 :走行装置
16 :PTO軸
43b :イグニッションスイッチ
43c :PTOスイッチ
43f :変速レバー
43h :油圧レバー
43i :油圧ロックレバー
43j :監視開始スイッチ
40 :測位装置
45A :通信装置
60 :制御装置
100 :監視装置
101 :作業機
101a :農業機械
101b :インプルメント
110A :エリア設定部
112A :通知部
112B :監視開始部
112C :監視解除部
150 :エリア
G :車庫
N1 :車両用通信ネットワーク
T :トラクタ

Claims (7)

  1. 第1信号を受信した場合に作業機がエリア内にいるか否かを監視し、第2信号を受信した場合に前記監視を解除する監視装置を備え、
    前記作業機は、少なくとも、
    前記第1信号及び前記第2信号を、前記監視装置に送信する通信装置と、
    操作されることで、前記第1信号を送信するよう前記通信装置に指示する第1指示部材と、
    前記監視装置が前記作業機を監視している場合に、操作されることで、前記第2信号を送信するよう前記通信装置に指示する第2指示部材と、
    を備えている作業機の監視システム。
  2. 前記作業機は、更に、
    原動機を備え、
    前記通信装置は、前記原動機が停止中で且つ、前記第1指示部材が操作された場合に前記第1信号を出力する請求項1に記載の作業機の監視システム。
  3. 前記作業機は、更に、
    原動機と、
    前記原動機の始動又は停止の操作を行う原動機操作部材と、
    を備え、
    前記通信装置は、前記原動機操作部材による停止の操作中に、前記第1指示部材が操作された場合に前記第1信号を出力する請求項1に記載の作業機の監視システム。
  4. 前記作業機は、更に、
    前記原動機により駆動する作業装置と、
    前記原動機が駆動中に前記作業装置を操作する作業装置操作部材と、
    を備え、
    前記作業装置操作部材は、前記原動機が停止中に操作した場合は、前記第2指示部材として、前記第2信号を送信するよう前記通信装置に指示する請求項2又は3に記載の作業機の監視システム。
  5. 前記作業機は、更に、
    前記原動機により駆動する作業装置と、
    前記原動機が駆動中に前記作業装置を操作する作業装置操作部材と、
    前記作業装置操作部材の操作によって前記作業装置が作動しないように操作するロック操作部材と、
    を備え、
    前記ロック操作部材は、前記原動機が停止中に操作した場合は、前記第2指示部材として、前記第2信号を送信するよう前記通信装置に指示する請求項2又は3に記載の作業機の監視システム。
  6. 前記作業機は、更に、
    前記原動機により駆動する走行装置と、
    前記走行装置の変速を行う変速操作部材と、
    を備え、
    前記変速操作部材は、前記原動機が停止中に操作した場合は、前記第2指示部材として、前記第2信号を送信するよう前記通信装置に指示する請求項2又は3に記載の作業機の監視システム。
  7. 前記作業機は、更に、
    作業装置と、
    前記作業装置に動力を伝達するPTO軸への動力を変更するPTO操作部材と、
    を備え、
    前記PTO操作部材は、前記原動機が停止中に操作した場合は、前記第2指示部材として、前記第2信号を送信するよう前記通信装置に指示する請求項2又は3に記載の作業機の監視システム。
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