JP2023004392A - 検査装置及びレーザー加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】SiCインゴットのFacet領域の検査結果の誤りを抑制することができること。【解決手段】レーザー加工装置1は、SiCインゴットを保持面11で保持するチャックテーブル10と、チャックテーブル10に保持されたSiCインゴットに検査光を照射する検査光照射部と、検査光で励起され発生する蛍光を集光して受光する受光部53と、を備えるFacet検査ユニットと、を備え、チャックテーブル10の保持面11のSiCインゴットの外周縁に対応する領域には、保持面の蛍光が受光部に集光されるのを抑制する散乱部111が形成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、検査装置及びレーザー加工装置に関する。
IC、LSI、LED、パワーデバイス等のデバイスは、Si(シリコン)やAl(サファイア)、単結晶SiC(炭化ケイ素)を素材としたウエーハの表面に機能層が積層され分割予定ラインによって区画されて形成される。デバイスが形成されたウエーハは、切削装置、レーザー加工装置によって分割予定ラインに加工が施されて個々のデバイスに分割され、分割された各デバイスは、携帯電話やパソコン等の電気機器に利用される。
デバイスが形成されるウエーハは、一般的に円柱形状のインゴットをワイヤーソーで薄く切断することにより生成される。切断されたウエーハの表面および裏面は、研磨することにより鏡面に仕上げられる。しかし、インゴットをワイヤーソーで切断し、切断したウエーハの表面および裏面を研磨すると、インゴットの大部分(70~80%)が捨てられることになり不経済であるという問題がある。特にSiCインゴットにおいては、硬度が高くワイヤーソーでの切断が困難であり相当の時間を要するため生産性が悪いと共に、インゴットの単価が高く効率よくウエーハを生成することに課題を有している。
そこで本出願人は、単結晶SiCに対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点をSiCインゴットの内部に位置づけてSiCインゴットにレーザー光線を照射して切断予定面に剥離層を形成し、剥離層が形成された切断予定面に沿ってSiCインゴットからウエーハを剥離する技術を提案した(例えば、特許文献1参照)。
しかし、SiCインゴットの内部には、Facet領域と称される結晶構造が異なる領域が存在する場合があり、Facet領域は非Facet領域に比べて屈折率が高いと共にエネルギーの吸収率が高いため、レーザー光線の照射によってSiCインゴットの内部に形成される剥離層の位置および出来具合が不均一となり、Facet領域と非Facet領域との間でウエーハに段差が生じてしまうという問題がある。
このために、本発明の出願人は、SiCインゴットに所定波長の励起光を照射し、SiC特有の蛍光の輝度を検出することで、Facet領域を検出する検出装置を提案している(例えば、特許文献2参照)。
特許第6399913号公報 特開2020-077783号公報
しかし、ウエーハの剥離を繰り返すことによって、SiCインゴットが薄くなると、チャックテーブルの保持面からの蛍光の影響で、Facet領域の検査結果を誤るおそれがあるという課題が有った。特に、SiCインゴットの外縁付近では、チャックテーブルの保持面からの蛍光が大きくなり、SiCインゴットの外縁付近にFacet領域があっても、非Facet領域と検出してしまうおそれがあった。
本願発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、SiCインゴットのFacet領域の検査結果の誤りを抑制することができる検査装置及びレーザー加工装置を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の検査装置は、SiCインゴットの不純物濃度が異なるFacet領域を検査する検査装置であって、SiCインゴットを保持面で保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたSiCインゴットに検査光を照射する検査光照射部と、該検査光で励起され発生する蛍光を集光して受光する受光部と、を備えるFacet検査ユニットと、を備え、該チャックテーブルの該保持面のSiCインゴットの外周縁に対応する領域には、該保持面の該蛍光が該受光部に集光されるのを抑制する散乱部が形成されていることを特徴とする。
前記検査装置において、該散乱部は、チャックテーブルの該保持面より低く形成された領域、又は凹凸面でも良い。
前記検査装置において、該チャックテーブルの該保持面はガラスで形成されても良い。
本発明のレーザー加工装置は、SiCインゴットに剥離層を形成するレーザー加工装置であって、SiCインゴットを保持面で保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたSiCインゴットに検査光を照射する検査光照射部と、該検査光により発光する蛍光を集光して受光する受光部と、を備えるFacet領域検査ユニットと、該チャックテーブルに保持されたSiCインゴットに、SiCインゴットに対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点をSiCインゴットの上面から生成すべきウエーハの厚みに相当する深さに位置づけてレーザー光線を照射し、クラックが伸長した剥離層を形成するレーザー加工ユニットと、該Facet領域検査ユニット及び該レーザー加工ユニットを、該チャックテーブルに対して該保持面の面方向に相対移動させる移動ユニットと、を備え、該チャックテーブルの該保持面のSiCインゴットの外周縁に対応する領域には、該保持面の該蛍光が該受光部に集光されるのを抑制する散乱部が形成されていることを特徴とする。
本発明は、SiCインゴットのFacet領域の検査結果の誤りを抑制することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係るレーザー加工装置の構成例を示す斜視図である。 図2は、図1に示されたレーザー加工装置の加工対象のSiCインゴットの平面図である。 図3は、図2に示されたSiCインゴットの側面図である。 図4は、図2に示されたSiCインゴットの一部分が剥離されて製造されるウエーハの斜視図である。 図5は、図1に示されたレーザー加工装置のチャックテーブルの平面図である。 図6は、図5中のVI-VI線に沿う断面図である。 図7は、図1に示されたレーザー加工装置のFacet検査ユニットを模式的に示す断面図である。 図8は、図1に示されたレーザー加工装置がチャックテーブルにSiCインゴットを保持した状態を一部断面で示す側面図である。 図9は、図8に示されたSiCインゴットのFacet領域の一例を示す平面図である。 図10は、図8に示されたSiCインゴットを保持したチャックテーブルの要部の断面図である。 図11は、図9に示されたFacet領域の外縁のXY座標の一例を示す図である。 図12は、図1に示されたレーザー加工装置がSiCインゴットに剥離層を形成する状態を示す斜視図である。 図13は、図1に示されたレーザー加工装置がSiCインゴットに剥離層を形成する状態を示す断面図である。 図14は、図1に示されたレーザー加工装置がSiCインゴットに剥離層を形成する際に集光レンズを昇降させる状態を示す断面図である。 図15は、実施形態1の変形例1に係るレーザー加工装置のチャックテーブルの断面図である。 図16は、実施形態1の変形例1に係るレーザー加工装置のSiCインゴットを保持したチャックテーブルの要部の断面図である。 図17は、実施形態1の変形例2に係るレーザー加工装置のFacet検査ユニット等の構成を模式的に示す図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るレーザー加工装置1を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係るレーザー加工装置の構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示されたレーザー加工装置の加工対象のSiCインゴットの平面図である。図3は、図2に示されたSiCインゴットの側面図である。図4は、図2に示されたSiCインゴットの一部分が剥離されて製造されるウエーハの斜視図である。図5は、図1に示されたレーザー加工装置のチャックテーブルの平面図である。図6は、図5中のVI-VI線に沿う断面図である。図7は、図1に示されたレーザー加工装置のFacet検査ユニットを模式的に示す断面図である。
(SiCインゴット)
実施形態1に係る図1に示すレーザー加工装置1は、図2に示すSiCインゴット200をレーザー加工する加工装置である。実施形態1に係るレーザー加工装置1の加工対象である図2及び図3に示すSiCインゴット200は、実施形態1では、SiC(炭化ケイ素)からなり、全体として円柱状に形成されている。実施形態1において、SiCインゴット200は、六方晶単結晶SiCインゴットである。
SiCインゴット200は、図2及び図3に示すように、円形状に形成されかつ上面である第1面201と、第1面201の裏面側の円形状に形成された第2面202と、第1面201の外縁と第2面202の外縁とに連なる周面203を有している。また、SiCインゴット200は、周面203にSiCインゴット200の結晶方位を示す第1オリエンテーションフラット204と、第1オリエンテーションフラット204に直交しかつSiCインゴット200の結晶方位を示す第2オリエンテーションフラット205を有している。オリエンテーションフラット204,205は、平坦な平面であって、SiCインゴット200の平面視において、直線をなしている。第1オリエンテーションフラット204の長さ204-1は、第2オリエンテーションフラット205の長さ205-1より長い。
また、SiCインゴット200は、第1面201の垂線206に対して第2オリエンテーションフラット205に向かう傾斜方向207にオフ角α傾斜したC軸208とC軸208に直交するc面209を有している。c面209は、SiCインゴット200の第1面201に対してオフ角α傾斜している。C軸208の垂線206からの傾斜方向207は、第2オリエンテーションフラット205の伸長方向に直交し、かつ第1オリエンテーションフラット204と平行である。
c面209は、SiCインゴット200中にSiCインゴット200の分子レベルで無数に設定される。実施形態1では、オフ角αは、1°、4°又は6°に設定されているが、本発明では、オフ角αを例えば1°~6°の範囲で自由に設定してSiCインゴット200を製造することができる。
また、SiCインゴット200は、一般的に、導電性を付与するために窒素等の不純物がドープされている。このために、SiCインゴット200は、このような不純物が一様にドープされることなく、SiC単結晶の成長過程において、Facetと称される結晶構造が異なる領域217(以下、Facet領域と記し、図2中に平行斜線で示す)が形成される場合がある。Facet領域217の不純物濃度は、その他の領域218(以下、非Facet領域と記し、図2中に白地で示す)よりも高い。このように、Facet領域217は、非Facet領域218と不純物の濃度が異なる。Facet領域217は、非Facet領域218に比べて屈折率が高いと共にエネルギーの吸収率が高い。
また、SiCインゴット200は、第1面201が研削装置により研削加工された後、研磨装置により研磨加工されて、第1面201が鏡面に形成される。SiCインゴット200は、第1面201側の一部分が剥離されて、剥離された一部分が図4に示すウエーハ220に生成されるものである。また、SiCインゴット200は、直径210が異なる複数の種類のものが存存する。
図4に示すウエーハ220は、SiCインゴット200の第1面201を含む一部分がウエーハ220として剥離され、SiCインゴット200から剥離された剥離面221に研削加工、研磨加工等が施されて製造される。ウエーハ220は、SiCインゴット200から剥離された後、表面にデバイスが形成される。実施形態1では、デバイスは、MOSFET(Metal-oxide-semiconductor Field-effect Transistor)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)又はSBD(Schottky Barrier Diode)であるが、本発明では、デバイスは、MOSFET、MEMS及びSBDに限定されない。なお、ウエーハ220のSiCインゴット200と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
図2及び図3に示すSiCインゴット200は、図3に示す剥離層211が形成された後、剥離層211を起点に一部分即ち生成すべきウエーハ220が分離、剥離される。剥離層211は、実施形態1に係るレーザー加工装置1により形成される。また、SiCインゴット200は、ウエーハ220が剥離された剥離面212が研削加工、研磨加工により鏡面に形成されて、剥離面212が第1面201に形成され、再度、剥離層211が形成されウエーハ220が剥離される。このように、SiCインゴット200は、ウエーハ220の剥離に伴って厚みが薄くなり、所定の厚みになるまで剥離層211が形成されてウエーハ220が剥離される。
(レーザー加工装置)
実施形態1に係るレーザー加工装置1は、SiCインゴット200に剥離層211を形成する加工装置である。また、実施形態1において、レーザー加工装置1は、SiCインゴット200のFacet領域217を検査する検査装置でもある。レーザー加工装置1は、図1に示すように、SiCインゴット200を保持面11で保持するチャックテーブル10と、レーザー加工ユニット20と、移動ユニット30と、撮像ユニット40と、Facet検査ユニット50と、制御ユニット100とを有する。
チャックテーブル10は、移動ユニット30の回転移動ユニット33に設置され、SiCインゴット200を水平方向と平行な保持面11で保持するものである。チャックテーブル10は、図1、図5及び図6に示すように、SiCインゴット200を吸引保持する保持面11を構成する円板状のポーラス板12と、ポーラス板12の外周を囲む基台13とを備える。
実施形態1において、基台13は、ステンレス鋼等の金属から構成され、非通気性を有する非多孔質体であるとともに、厚手の円板状に形成されている。基台13は、移動ユニット30の回転移動ユニット33上に設置される。基台13は、図5及び図6に示すように、外径がSiCインゴット200よりも大径に形成され、上面131の中央にポーラス板12が取り付けられる凹部132が設けられている。基台13は、凹部132内にポーラス板12が取り付けられると、上面131が保持面11と同一平面上に位置する。
凹部132は、平面形状が円形に形成され、外径がSiCインゴット200の外径よりも大きく形成され、基台13と同軸となる位置に配置されている。凹部132は、底面134に同心円状の複数の吸引溝133と吸引溝133同士を連通する図示しない接続用吸引溝が設けられている。これらの吸引溝133は、凹部132の底面134から凹に形成されている。また、これら吸引溝133は、凹部132の底面134に開口した連通路135が連通している。
連通路135は、エジェクタ等の吸引源14に接続されかつ開閉弁136が設けられた吸引路137と接続している。基台13は、開閉弁136が開いて、吸引路137に吸引源14からの負圧が作用することで、凹部132に嵌合したポーラス板12に吸引源14からの負圧を作用させて、ポーラス板12の保持面11を吸引する。また、基台13は、回転移動ユニット33上に設置されると、吸引路137から分岐し、開閉弁138を設けた分岐吸引路139が底面に対面する。基台13は、開閉弁138が開いて、分岐吸引路139に吸引源14からの負圧が作用することで、底面が回転移動ユニット33に吸引されて、固定される。
ポーラス板12は、外径がSiCインゴット200の外径よりも大きくかつ凹部132の内径と等しい円板状の通気性を有する多孔質体である。ポーラス板12は、凹部132内に固定され、下面が図示しない接着剤により基台13の凹部132の底面に固定される。ポーラス板12の上面は、SiCインゴット200を吸引保持する保持面11である。このために、チャックテーブル10の保持面11は、ポーラス板12により形成されている。
ポーラス板12は、基台13に固定され、保持面11が研削されて水平方向に平行に平坦に形成される。ポーラス板12の保持面11は、基台13の上面131と同一平面上に位置する。ポーラス板12は、基台13に設けられた連通路135及び吸引路137を介して吸引源14と接続されている。ポーラス板12は、開閉弁136が開いて、吸引源14からの負圧が作用することで、保持面11にSiCインゴット200を吸引保持する。
実施形態1において、ポーラス板12は、可視光に対して透明性を有するガラス材料であるソーダガラス(実施形態1では、ソーダ石灰ガラス)からなる複数のガラス粒を焼成し互いに連結することで構成されている。即ち、チャックテーブル10の保持面11は、ガラスで形成されている。各ガラス粒は、球状であり、粒径が概ね揃っている。ガラス粒は、気泡を有していない緻密な粒であることが好ましい。
ポーラス板12は、凹部132に取り付けられて、基台13が回転移動ユニット33に固定された状態で、吸引源14の吸引する圧力が-92.7kPa(ゲージ圧)である場合、保持面11になにも載置されないと吸引路137内の圧力が-65kPa(ゲージ圧)以上でかつ-50kPa(ゲージ圧)以下となる。また、ポーラス板12は、凹部132に取り付けられて、基台13が回転移動ユニット33に固定された状態で、吸引源14の吸引する圧力が-92.7kPa(ゲージ圧)である場合、保持面11に直径210が4inchのSiCインゴット200が載置されると吸引路137内の圧力が-84.2kPa(ゲージ圧)となり、保持面11に直径210が6inchのSiCインゴット200が載置されると吸引路137内の圧力が-87.9kPa(ゲージ圧)となり、保持面11に直径210が8inchのSiCインゴット200が載置されると吸引路137内の圧力が-91.5kPa(ゲージ圧)となる。
実施形態1では、ポーラス板12は、複数のガラス粒を互いに連結することで構成された多孔質体であるが、本発明では、例えばアルミナ等の砥粒である骨材と、骨材同士を固定するボンドとを備え、骨材とボンドの隙間に気孔を形成したポーラスセラミックス等の多孔質体であっても良い。
前述した構成のチャックテーブル10は、吸引源14により吸引されることで、回転移動ユニット33に固定されるとともに、保持面11上に載置されたSiCインゴット200を吸引保持する。実施形態1では、チャックテーブル10は、SiCインゴット200の第2面202を保持面11に吸引保持する。
また、チャックテーブル10は、移動ユニット30の回転移動ユニット33により保持面11に対して直交しかつ鉛直方向と平行なZ軸方向と平行な軸心回りに回転される。チャックテーブル10は、回転移動ユニット33とともに、移動ユニット30のX軸移動ユニット31により水平方向と平行なX軸方向に移動されかつY軸移動ユニット32により水平方向と平行でかつX軸方向と直交するY軸方向に移動される。チャックテーブル10は、移動ユニット30によりレーザー加工ユニット20の下方の加工領域と、レーザー加工ユニット20の下方から離れてウエーハ220が搬入、搬出される搬入出領域とに亘って移動される。
また、チャックテーブル10の保持面11のSiCインゴット200の外周縁に対応する領域には、散乱部111が形成されている。なお、チャックテーブル10の保持面11のSiCインゴット200の外周縁に対応する領域とは、保持面11に保持したSiCインゴット200の外周縁が重なる領域をいう。
実施形態1において、散乱部111は、平面形状が保持面11に保持するSiCインゴット200の外縁に沿い、かつ保持面11から凹の溝である。散乱部111は、底面112が、チャックテーブル10の保持面11と平行であるとともに、保持面11から低く形成されている。このために、散乱部111は、チャックテーブル10の保持面11から低く形成された領域である底面112を含んでいる。散乱部111は、内周面113が保持面11に保持したSiCインゴット200の外周縁よりもSiCインゴット200の内側に配置され、外周面114が保持面11に保持したSiCインゴット200の外周縁よりもSiCインゴット200の外側に配置されている。実施形態1において、チャックテーブル10は、散乱部111として、直径210が6inchのSiCインゴット200に対応した散乱部111と、直径210が8inchのSiCインゴット200に対応した散乱部111とを備えている。
レーザー加工ユニット20は、チャックテーブル10に保持されたSiCインゴット200に、SiCインゴット200に対して透過性を有する波長のパルス状のレーザー光線21の集光点22(図13に示す)を、SiCインゴット200の第1面201から生成すべきウエーハ220の厚み222(図4に示す)に相当する深さ213に位置付けて、レーザー光線21をSiCインゴット200に照射し、SiCがSiとCとに分離すると共に、c面209に沿ってクラック215が伸長した剥離層211を形成するものである。
なお、SiCインゴット200は、レーザー光線21に対して第2オリエンテーションフラット205に沿って相対的に移動されながら、SiCインゴット200に対して透過性を有する波長のパルス状のレーザー光線21が照射されると、図12及び図13に示すように、パルス状のレーザー光線21の照射によりSiCがSi(シリコン)とC(炭素)とに分離し次に照射されるパルス状のレーザー光線21が前に形成されたCに吸収されて連鎖的にSiCがSiとCとに分離する改質部214が、第2オリエンテーションフラット205に沿ってSiCインゴット200の内部に形成されると共に、改質部214からc面209に沿って延びるクラック215が生成される。こうして、レーザー加工ユニット20は、SiCインゴット200に対して透過性を有する波長のパルス状のレーザー光線21が照射されると、改質部214と、改質部214からc面209に沿って形成されるクラック215とを含む剥離層211をSiCインゴット200に形成する。
実施形態1では、レーザー加工ユニット20は、図1に示すように、装置本体2から立設した立設壁3に支持された支柱4の先端に支持されている。レーザー加工ユニット20は、SiCインゴット200を加工するためのパルス状のレーザー光線21を出射する発振器と、チャックテーブル10の保持面11に保持されたSiCインゴット200に発振器から出射されたレーザー光線21を集光して剥離層211を形成する集光器23とを含む。
集光器23は、チャックテーブル10の保持面11とZ軸方向に対向する位置に配置された図示しない集光レンズを備えている。集光レンズは、発振器から発振されたレーザー光線21を透過して、レーザー光線21を集光点22に集光する。また、実施形態1では、集光器23は、図示しない集光点移動ユニットによりZ軸方向に移動自在に設けられている。
移動ユニット30は、Facet検査ユニット50及びレーザー加工ユニット20を、チャックテーブル10に対して保持面11の面方向であるX軸方向及びY軸方向に沿って相対移動させるものである、実施形態1において、移動ユニット30は、チャックテーブル10をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向と平行な軸心回りに相対的に移動させるものである。X軸方向及びY軸方向は、保持面11即ち水平方向と平行な方向である。X軸方向は、レーザー加工装置1がSiCインゴット200にレーザー加工を施す際にチャックテーブル10を加工送りする所謂加工送り方向である。Y軸方向は、X軸方向と直交し、レーザー加工装置1がSiCインゴット200にレーザー加工を施す際にチャックテーブル10を割り出し送りする所謂割り出し送り方向である。
移動ユニット30は、チャックテーブル10をX軸方向に移動させるX軸移動ユニットであるX軸移動ユニット31と、チャックテーブル10をY軸方向に移動させるY軸移動ユニットであるY軸移動ユニット32と、チャックテーブル10をZ軸方向と平行な軸心回りに回転する回転移動ユニット33とを備える。
Y軸移動ユニット32は、チャックテーブル10と、レーザー加工ユニット20とを相対的に割り出し送りするユニットである。実施形態1では、Y軸移動ユニット32は、レーザー加工装置1の装置本体2上に設置されている。Y軸移動ユニット32は、X軸移動ユニット31を支持した移動プレート5をY軸方向に移動自在に支持している。
X軸移動ユニット31は、チャックテーブル10と、レーザー加工ユニット20とを相対的に加工送りするユニットである。X軸移動ユニット31は、移動プレート5上に設置されている。X軸移動ユニット31は、チャックテーブル10をZ軸方向と平行な軸心回りに回転する回転移動ユニット33を支持した第2移動プレート6をX軸方向に移動自在に支持している。
X軸移動ユニット31、及びY軸移動ユニット32は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ、ボールねじを軸心回りに回転させる周知のパルスモータ、移動プレート5,6をX軸方向又はY軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレールを備える。
また、レーザー加工装置1は、チャックテーブル10のX軸方向の位置を検出するためのX軸方向位置検出ユニット34と、チャックテーブル10のY軸方向の位置を検出するためのY軸方向位置検出ユニット35と、レーザー加工ユニット20に含まれる集光レンズのZ軸方向の位置を検出するZ軸方向位置検出ユニットとを備える。各位置検出ユニット34,35は、検出結果を制御ユニット100に出力する。
なお、実施形態1では、レーザー加工装置1のチャックテーブル10のX軸方向の位置、及び、Y軸方向は、予め定められた図示しない基準位置に基づいて定められる。実施形態1では、X軸方向の位置、及び、Y軸方向の位置は、基準位置からのX軸方向、及びY軸方向の距離で定められる。実施形態1において、レーザー加工装置1のX軸方向とY軸方向とから表されるXY座標(X軸方向の位置を示す基準位置からのX軸方向の距離と、Y軸方向の位置を示す基準位置からのY軸方向の距離とにより示される座標)は、チャックテーブル10の保持面11に保持されたSiCインゴット200のX軸方向とY軸方向の任意の位置を示すことができる。
撮像ユニット40は、チャックテーブル10に保持されたSiCインゴット200を撮像する撮像素子を複数備えている。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。撮像ユニット40は、チャックテーブル10の保持面11に保持されたSiCインゴット200を撮像して、SiCインゴット200とレーザー加工ユニット20との位置合わせを行うアライメントを遂行するための画像を取得し、取得した画像を制御ユニット100に出力する。実施形態1では、撮像ユニット40は、支柱4の先端に支持され、レーザー加工ユニット20の集光レンズとX軸方向に並ぶ位置に配置されている。
Facet検査ユニット50は、SiCインゴット200の第1面201から所定波長の検査光562をSiCインゴット200に照射してSiC固有の蛍光563の光子数を検出するものである。
Facet検査ユニット50は、図7に示すように、支柱4の先端に支持されたケース51と、検査光照射部52と、受光部53とを備える。ケース51は、第一の波長域(例えば、750nm)以上の波長の光を遮断するとともに、下方に開口を設けた箱状に形成されている。
検査光照射部52は、チャックテーブル10に保持されたSiCインゴット200の第1面201に検査光562を照射するものである。検査光照射部52は、SiCインゴット200にレーザー加工を施さない程度の低出力(たとえば0.1W)の励起光561を発振する光源65と、光源65から発振された励起光561のうちSiCインゴット200に吸収される第二の波長域(たとえば365nm~375nm)の波長の光である検査光562を反射すると共に第二の波長域以外の波長の光を透過するダイクロイックミラー54と、ダイクロイックミラー54で反射した検査光562を集光してSiCインゴット200の第1面201に照射する集光レンズ55とを備える。
光源65と、ダイクロイックミラー54と、集光レンズ55とは、ケース51内に配置されている。光源65は、例えば、GaN系発光素子を有し、SiCインゴット200に吸収される波長(例えば、365nm)の光を含む励起光561をダイクロイックミラー54に向けて照射する。
なお、SiCインゴット200は、第二の波長域の検査光562が照射されると、この検査光562を吸収し、検査光562で励起され蛍光563を発生する。例えば、検査光562の波長が365nmであれば、SiCインゴット200の第1面201から深さ10μm程度まで検査光562が侵入する。そして、SiCインゴット200の第1面201側の厚さが約10μmの板状の領域から蛍光563が生じる。
受光部53は、検査光562でSiCインゴット200が励起され発生する蛍光563を集光して受光するものである。受光部53は、ケース51内に配置されたフィルタ57と、受光ユニット58とを備える。フィルタ57は、集光レンズ55と、受光ユニット58との間に配置され、SiCインゴット200が発生し集光レンズ55を透過した蛍光563のうちの第一の波長域の波長の光564を透過させ、第一の波長域以外の波長の光を遮断するIRフィルタを備える。
受光ユニット58は、SiCインゴット200から発生し集光レンズ55を透過した蛍光563のうちのフィルタ57が透過した第一の波長域の波長の光564を受光し、受光した光564の光子数を示す信号を生成し、生成した信号を制御ユニット100に出力する。ここで、光子数は、SiCインゴット200の検査光562が照射された位置の不純物の濃度が高い領域ほど少なくなる。即ち、Facet領域217からの光564の光子数は、非Facet領域218からの光564の光子数よりも少ない。
また、図示していないが、Facet検査ユニット50は、ケース51を昇降させて検査光562の集光点のZ軸方向の位置を調整する集光点位置調整手段を含み、この集光点位置調整手段が、例えば、ケース51に連結されZ軸方向に延びるボールねじと、このボールねじを回転させるモータ等を備えている。
制御ユニット100は、レーザー加工装置1の上述した構成要素をそれぞれ制御して、ウエーハ220に対する加工動作をレーザー加工装置1に実施させるものである。なお、制御ユニット100は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット100の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、レーザー加工装置1を制御するための制御信号を入出力インターフェース装置を介してレーザー加工装置1の上述した構成要素に出力して、制御ユニット100の機能を実現する。
また、制御ユニット100は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される表示ユニット110と、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる図示しない入力ユニットとが接続されている。入力ユニットは、表示ユニット110に設けられたタッチパネルと、キーボード等の外部入力装置とのうち少なくとも一つにより構成される。
次に、前述した構成のレーザー加工装置1のSiCインゴット200に対する加工動作即ち、SiCインゴット200の検査動作を説明する。図8は、図1に示されたレーザー加工祖プチがチャックテーブルにSiCインゴットを保持した状態を一部断面で示す側面図である。図9は、図8に示されたSiCインゴットのFacet領域の一例を示す平面図である。図10は、図8に示されたSiCインゴットを保持したチャックテーブルの要部の断面図である。図11は、図9に示されたFacet領域の外縁のXY座標の一例を示す図である。図12は、図1に示されたレーザー加工装置がSiCインゴットに剥離層を形成する状態を示す斜視図である。図13は、図1に示されたレーザー加工装置がSiCインゴットに剥離層を形成する状態を示す断面図である。図14は、図1に示されたレーザー加工装置がSiCインゴットに剥離層を形成する際に集光レンズを昇降させる状態を示す断面図である。
レーザー加工装置1は、オペレータにより、加工条件が制御ユニット100に登録され、チャックテーブル10を回転移動ユニット33に載置され、SiCインゴット200の第2面202がチャックテーブル10の保持面11に載置される。このとき、SiCインゴット200は、保持面11と同軸となり、外周縁が散乱部111に重なる位置に配置される。レーザー加工装置1の制御ユニット100は、オペレータから加工動作の開始指示を受け付けると、開閉弁138を開いて、チャックテーブル10を回転移動ユニット33に固定し、加工動作を開始する。
加工動作では、レーザー加工装置1の制御ユニット100は、開閉弁136を開いて、図8に示すように、チャックテーブル10の保持面11にSiCインゴット200の第2面202を吸引保持する。加工動作では、レーザー加工装置1の制御ユニット100は、移動ユニット30を制御して、チャックテーブル10を撮像ユニット40の下方に移動させ、撮像ユニット40でSiCインゴット200を撮像させる。
レーザー加工装置1の制御ユニット100は、撮像ユニット40が撮像して取得したSiCインゴット200の画像に基づいて、回転移動ユニット33でチャックテーブル10の軸心回りの向きを調整することにより、図9に示すように、第2オリエンテーションフラット205をX軸方向と平行にし、傾斜方向207と直交する方向をX軸方向と平行し、傾斜方向207をY軸方向と平行にする。
次いで、レーザー加工装置1の制御ユニット100は、移動ユニット30を制御して、Facet検査ユニット50とチャックテーブル10とを相対的に移動させながらチャックテーブル10の保持面11に保持されたSiCインゴット200の第1面201に所定の間隔毎に検査光562を照射して、SiCインゴット200の第1面201の蛍光563のうちフィルタ57を透過した光564の光子数を所定の間隔毎に受光ユニット58で検出する。この際、光源65から発振された励起光561は、第二の波長域の検査光562がダイクロイックミラー54で反射して集光レンズ55に導かれ、集光レンズ55において集光されSiCインゴット200の第1面201に照射される。
検査光562がSiCインゴット200の第1面201に照射されると、検査光562の波長とは異なる波長(たとえば750nm以上の波長)の蛍光563をSiCインゴット200が発生し、蛍光563がSiCインゴット200から放出される。蛍光563は、集光レンズ55およびダイクロイックミラー54を透過した後、第一の波長域の光564のみがフィルタ57を透過し、フィルタ57を透過した光564が受光ユニット58に受光され、光564の光子数が受光ユニット58によって検出される。受光ユニット58は、受光した光564の光子数に応じた信号を制御ユニット100に出力する。
なお、検査光562がチャックテーブル10に保持されたSiCインゴット200に照射されると、SiCインゴット200の厚みによっては、チャックテーブル10も蛍光563を発生し保持面11から蛍光563を放出することもある。この場合、実施形態1に係るレーザー加工装置1のチャックテーブル10は、保持面11のSiCインゴット200の外周縁に対応した領域に散乱部111を設け、散乱部111が保持面11から凹の溝であるために、図10に示すように、散乱部111の底面112が放出した蛍光563が散乱部111の内周面113と外周面114とで反射されるなどして散乱することとなる。このために、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、散乱部111が、チャックテーブル10が発生し保持面11から放出された蛍光563の光564がFacet検査ユニット50の受光ユニット58に受光されるのを抑制する。
制御ユニット100は、記憶装置に各位置検出ユニット34,35が検出したチャックテーブル10の位置等に基づいて、チャックテーブル10に保持されたSiCインゴット200の検査光562が照射された位置のXY座標を算出し、算出したチャックテーブル10に保持されたSiCインゴット200の検査光562が照射された位置のXY座標と光564の光子数とを対応付けて記憶する。
制御ユニット100は、記憶装置に記憶したチャックテーブル10に保持されたSiCインゴット200の検査光562が照射された位置のXY座標と光564の光子数とのうち光564の光子数が所定値以下となる領域、即ちFacet領域217の外縁の図9に示す各位置217-1,217-2,217-3・・・217-NのXY座標(X217-1,Y217-1)、(X217-2,Y217-2)、(X217-3,Y217-3)・・・(X217-N,Y217-N)を例えば図11に示すように算出する。なお、図11に示す各位置217-1,217-2,217-3・・・217-Nは、図9に示す位置217-1,217-2,217-3・・・217-Nである。制御ユニット100は、例えば、図11に示すように、算出したFacet領域217の外縁の各位置217-1,217-2,217-3・・・217-NのXY座標(X217-1,Y217-1)、(X217-2,Y217-2)、(X217-3,Y217-3)・・・(X217-N,Y217-N)を記憶装置に一旦記憶する。
加工動作では、レーザー加工装置1の制御ユニット100は、撮像ユニット40で撮像したSiCインゴット200の画像に基づいて、移動ユニット30を制御して、SiCインゴット200とレーザー加工ユニット20の集光器23との相対的な位置を調整して、実施形態1では、SiCインゴット200の第2オリエンテーションフラット205寄りの外縁部と集光器23とをZ軸方向に沿って対面させる。この際、レーザー加工装置1の制御ユニット100は、第2オリエンテーションフラット205をX軸方向と平行にし、傾斜方向207と直交する方向をX軸方向と平行し、傾斜方向207をY軸方向と平行にする。
加工動作では、レーザー加工装置1の制御ユニット100は、集光点移動ユニットで集光器23のZ軸方向の位置を調整し、SiCインゴット200の第1面201から生成すべきウエーハ220の厚み222に相当する深さ213にレーザー光線21の集光点22を位置づける。レーザー加工装置1の制御ユニット100は、図12に示すように、X軸方向即ち第2オリエンテーションフラット205に沿ってX軸移動ユニット31でチャックテーブル10を所定の加工送り速度で加工送りしながら、SiCに対して透過性を有する波長のレーザー光線21を集光器23からSiCインゴット200に照射する。
SiCインゴット200は、図13に示すように、レーザー光線21の照射によって、SiCがSi(シリコン)とC(炭素)とに分離し次に照射されるパルス状のレーザー光線21が前に形成されたCに吸収されて連鎖的にSiCがSiとCとに分離した改質部214と、改質部214からc面209に沿って延びるクラック215とを含む剥離層211が形成される。
レーザー加工装置1の制御ユニット100は、SiCインゴット200の第2オリエンテーションフラット205寄りの外縁部のX軸方向の全長に亘って剥離層211を形成すると、Y軸移動ユニット32でチャックテーブル10をレーザー加工ユニット20の集光器23がSiCインゴット200の第1面201の中央に向かう方向に所定の移動距離24、第1オリエンテーションフラット204に沿ってY軸方向に移動(以下、インデックス送りと記す)する。レーザー加工装置1の制御ユニット100は、X軸移動ユニット31によるチャックテーブル10をX軸方向に移動させながらのレーザー光線21の照射と、インデックス送りとを交互に、第1面201の下方の全体に剥離層211が形成されるまで繰り返して、加工動作を終了する。
これにより、SiCインゴット200は、インデックス送りの移動距離26毎に、第1面201からウエーハ220の厚み222に相当する深さ213に、SiCがSiとCとに分離した改質部214とクラック215とを含む他の部分よりも強度が低下した剥離層211が形成される。SiCインゴット200は、第1面201からウエーハ220の厚み222に相当する深さ213に、第1オリエンテーションフラット204と平行な方向の全長に亘ってインデックス送りの移動距離毎に剥離層211が形成される。
なお、加工動作において、レーザー加工装置1の制御ユニット100は、各位置検出ユニット34,35の検出結果からチャックテーブル10に保持されたSiCインゴット200のレーザー加工ユニット20がレーザー光線21を照射している位置を算出し、記憶装置に記憶したFacet領域217の外縁の各位置217-1,217-2,217-3・・・217-NのXY座標(X217-1,Y217-1)、(X217-2,Y217-2)、(X217-3,Y217-3)・・・(X217-N,Y217-N)に基づいて、Facet領域217にレーザー光線21を照射するか否かを判定する。
加工動作において、レーザー加工装置1の制御ユニット100は、Facet領域217にレーザー光線21を照射すると判定すると、非Facet領域218にレーザー光線21を照射する際のレーザー光線21のエネルギーと集光器23の位置に対して、Facet領域217にレーザー光線21を照射する際のレーザー光線21のエネルギーを上昇させると共に集光器23の位置を上昇させるように、集光点移動ユニットを制御する。
レーザー加工装置1は、非Facet領域218の屈折率よりもFacet領域217の屈折率の方が高いところ、上述のように制御することで、図14に示すとおり、Facet領域217と非Facet領域218とにおいて集光点22の深さ213を実質上同一にすることができ、Facet領域217と非Facet領域218とに形成される剥離層211の深さを実質上均一にすることができる。また、Facet領域217は非Facet領域218に比べてエネルギーの吸収率も高いが、Facet領域217に照射するレーザー光線21のエネルギーを、非Facet領域218に照射するレーザー光線21のエネルギーよりも上昇させることにより、Facet領域217と非Facet領域218とに形成される剥離層211の出来具合を均一にすることができる。
以上説明したように、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、チャックテーブル10の保持面11のSiCインゴット200の外周縁に対応した領域に散乱部111を形成することで、SiCインゴット200の厚みが薄くなりFacet領域217が保持面11と近づいても、SiCインゴット200の下面である第2面202と散乱部111の底面112との間に高さの差がある。このために、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、特に、SiCインゴット200の外周縁近傍の保持面11の蛍光563の光564を受光ユニット58が受光することを抑制でき、SiCインゴット200の外周縁近傍の保持面11の蛍光563の影響を抑制することができる。その結果、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、SiCインゴット200のFacet領域217の検査結果の誤りを抑制することができるという効果を奏する。
また、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、チャックテーブル10の保持面11を形成するポーラス板12がガラスポーラス(即ち、ガラス)で形成されているので、チャックテーブル10のポーラス板12加工用のレーザー光線21を透過しやすい。その結果、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、チャックテーブル10をレーザー光線21で加工してしまう事も抑制することができる。
また、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、ポーラス板12の気孔率が体積比で5%以上40%以下であり、吸引源14の吸引する圧力が-92.7kPa(ゲージ圧)である場合、保持面11になにも載置されないと吸引路137内の圧力が-65kPa(ゲージ圧)以上でかつ-50kPa(ゲージ圧)以下となり、保持面11に直径210が4inchのSiCインゴット200が載置されると吸引路137内の圧力が-84.2kPa(ゲージ圧)となり、保持面11に直径210が6inchのSiCインゴット200が載置されると吸引路137内の圧力が-87.9kPa(ゲージ圧)となり、保持面11に直径210が8inchのSiCインゴット200が載置されると吸引路137内の圧力が-91.5kPa(ゲージ圧)となる。
その結果、レーザー加工装置1は、ポーラス板12の外径よりも小径な種々のサイズのSiCインゴット200をレーザー加工になんら支障を生じさせることなく、保持面11に吸引保持することができる。
〔変形例1〕
本発明の実施形態1の変形例1に係るレーザー加工装置を図面に基づいて説明する。図15は、実施形態1の変形例1に係るレーザー加工装置のチャックテーブルの断面図である。図16は、実施形態1の変形例1に係るレーザー加工装置のSiCインゴットを保持したチャックテーブルの要部の断面図である。なお、図15及び図16は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態1の変形例1に係るレーザー加工装置1は、チャックテーブル10の散乱部111-1が溝ではなく、図15に模式的に示すように、保持面11と同一平面上に形成され、表面粗さ(変形例1では、算術平均粗さ)Raが保持面11の表面粗さRaよりも大きく形成されている事以外、実施形態1と同じである。
変形例2に係るレーザー加工装置1のチャックテーブル10の散乱部111-1は、保持面11の一部にサンドブラスト加工が施されて形成される。また、変形例1では、散乱部111の表面粗さRaは、10μm以上でかつ100μm以下である。
変形例1に係るレーザー加工装置1は、チャックテーブル10の保持面11のSiCインゴット200の外周縁に対応した領域に散乱部111-1を設け、散乱部111-1の表面粗さRaが保持面11の表面粗さよりも大きいために、散乱部111-1が放出した蛍光563が散乱部111-1の表面で散乱することとなる。このために、変形例1に係るレーザー加工装置1は、チャックテーブル10が発生し保持面11から放出された蛍光563の光564をFacet検査ユニット50の受光ユニット58が受光することが抑制される。
変形例1に係るレーザー加工装置1は、チャックテーブル10の保持面11のSiCインゴット200の外周縁に対応した領域に散乱部111-1を形成しているので、実施形態1と同様に、SiCインゴット200の外周縁近傍の保持面11の蛍光563の影響を抑制でき、SiCインゴット200のFacet領域217の検査結果の誤りを抑制することができるという効果を奏する。
また、変形例1に係るレーザー加工装置1は、散乱部111-1が保持面11と同一平面上でかつ表面粗さRaが100μm以上に形成されているので、散乱部111-1が蛍光563を散乱させるので、Facet検査ユニット50の受光ユニット58がSiCインゴット200の外周縁近傍の保持面11からの蛍光563の光564を受光することを抑制することができる。
〔変形例2〕
本発明の実施形態1の変形例2に係るレーザー加工装置を図面に基づいて説明する。図17は、実施形態1の変形例2に係るレーザー加工装置のFacet検査ユニット等の構成を模式的に示す図である。なお、図17は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態1の変形例2に係るレーザー加工装置1のFacet検査ユニット50-2は、図17に示すように、支柱4の先端に支持されたケース51と、検査光照射部52と、受光部53とを備える。
変形例2において、検査光照射部52は、光源65と、ミラー59と、集光レンズ55とを備える。ミラー59は、ケース51内に収容され、光源65が発振した励起光561を集光レンズ55に向けて反射する。集光レンズ55は、ミラー59により反射された光源65からの励起光561を検査光562として集光してSiCインゴット200の第1面201に照射する。
変形例2において、受光部53は、ケース51内に配置されかつ内側に反射面61を有する円環状の楕円鏡60と、フィルタ57と、受光ユニット58とを備える。楕円鏡60は、集光レンズ55よりもチャックテーブル10の保持面11寄りに配置され、反射面61が、鉛直方向に延在する長軸と水平方向に延在する短軸とを有する楕円62を、当該長軸を中心に回転させた回転楕円体の曲面の一部に相当する。
楕円鏡60は、2つの焦点63,64を有し、その一方(例えば、焦点63)から生じた光を他方(例えば、焦点64)に集光する。楕円鏡60の一方の焦点63は、集光レンズ55の焦点に概ね一致するように設計される。楕円鏡60の他方の焦点64は、受光ユニット58に設定されている。楕円鏡60は、チャックテーブル10に保持されたSiCインゴット200が生じた蛍光563を反射面61で反射し、フィルタ57を透過させた後、受光ユニット58に受光させる。
変形例2に係るレーザー加工装置1は、チャックテーブル10の保持面11のSiCインゴット200の外周縁に対応した領域に散乱部111を形成しているので、実施形態1と同様に、SiCインゴット200の外周縁近傍の保持面11の蛍光563の影響を抑制でき、SiCインゴット200のFacet領域217の検査結果の誤りを抑制することができるという効果を奏する。
次に、本発明の発明者は、溝である散乱部111の幅を1mmから3mmとし、散乱部111の深さを0.5mm~2.0mmとして、深さ213に幅2mmでレーザー光線21をSiCインゴット200に照射して、剥離層211を形成したところ、問題いなく剥離層211を形成できることを確認した。具体的には、発明者は、溝である散乱部111に沿ったSiCインゴット200の沈み込むことなく剥離層211を形成できることを確認した。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、前述した実施形態では、チャックテーブル10の基台13をステンレス鋼等の金属により構成したが、本発明では、素ステンレス鋼等の金属に限らず、非通気性の非多孔質材であれば、基台13は、ガラス材料であるソーダガラス(ソーダ石灰ガラス)、ホウケイ酸ガラス又は石英ガラスなどの各種のガラスにより構成しても良く、セラミックスにより構成しても良い。この場合、レーザー加工装置1は、チャックテーブル10がポーラス板12に加え、基台13もガラスにより構成されているので、チャックテーブル10が加工用のレーザー光線21を透過しやすいためチャックテーブル10をレーザー光線で加工してしまう事を抑制することができる。
また、本発明では、レーザー加工装置1は、チャックテーブル10のポーラス板12の少なくとも保持面11が検査光41を吸収する色に形成されているのが望ましい。検査光41を吸収する色とは、従来から用いられてきたチャックテーブルの外表面の色である白色、茶色及び銀色よりも検査光41の吸収率の高い色である。検査光41を吸収する色は、無彩色の暗い灰色又は黒を含んだ明度の低い暗い有彩色である所謂暗色であることが望ましく、濃暗色であることが望ましく、黒色であることが望ましい。このように、検査光41を吸収する色は、暗色、濃暗色及び黒色を含む。ポーラス板12は、例えば、カーボン粉等の黒色の顔料又は鉱物の粉がガラス粒等に混入されて、全体が検査光41を吸収する色である黒色に形成される。
また、本発明では、レーザー加工装置1は、チャックテーブル10の基台13の外表面も検査光41を吸収する色に形成されているのが望ましい。
これらのように、レーザー加工装置1は、チャックテーブル10のポーラス板12や基台13が検査光41を吸収する色に形成されている場合には、チャックテーブル10が発生する蛍光563を抑制することができ、SiCインゴット200のFacet領域217の検査結果の誤りをより一層抑制することができるという効果を奏する。
また、前述した実施形態では、検査装置でレーザー加工装置1が、レーザー加工ユニット20を備えて、SiCインゴット200に剥離層211を形成している。しかしながら、本発明では、検査装置は、レーザー加工ユニット20を備えることなく、剥離層211の形成と、Facet領域217の検査とのうちFacet領域217の検査のみを実施しても良い。
1 レーザー加工装置(検査装置)
10 チャックテーブル
11 保持面
20 レーザー加工ユニット
21 レーザー光線
22 集光点
30 移動ユニット
50 Facet検査ユニット
52 検査光照射部
53 受光部
111,111-1 散乱部
200 SiCインゴット
201 第1面(上面)
211 剥離層
213 深さ
215 クラック
217 Facet領域
561 励起光(検査光)
562 検査光
563 蛍光

Claims (4)

  1. SiCインゴットの不純物濃度が異なるFacet領域を検査する検査装置であって、
    SiCインゴットを保持面で保持するチャックテーブルと、
    該チャックテーブルに保持されたSiCインゴットに検査光を照射する検査光照射部と、該検査光で励起され発生する蛍光を集光して受光する受光部と、を備えるFacet検査ユニットと、を備え、
    該チャックテーブルの該保持面のSiCインゴットの外周縁に対応する領域には、該保持面の該蛍光が該受光部に集光されるのを抑制する散乱部が形成されている検査装置。
  2. 該散乱部は、チャックテーブルの該保持面より低く形成された領域、又は凹凸面である請求項1に記載の検査装置。
  3. 該チャックテーブルの該保持面はガラスで形成されている請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
  4. SiCインゴットに剥離層を形成するレーザー加工装置であって、
    SiCインゴットを保持面で保持するチャックテーブルと、
    該チャックテーブルに保持されたSiCインゴットに検査光を照射する検査光照射部と、該検査光により発光する蛍光を集光して受光する受光部と、を備えるFacet領域検査ユニットと、
    該チャックテーブルに保持されたSiCインゴットに、SiCインゴットに対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点をSiCインゴットの上面から生成すべきウエーハの厚みに相当する深さに位置づけてレーザー光線を照射し、クラックが伸長した剥離層を形成するレーザー加工ユニットと、
    該Facet領域検査ユニット及び該レーザー加工ユニットを、該チャックテーブルに対して該保持面の面方向に相対移動させる移動ユニットと、を備え、
    該チャックテーブルの該保持面のSiCインゴットの外周縁に対応する領域には、該保持面の該蛍光が該受光部に集光されるのを抑制する散乱部が形成されているレーザー加工装置。
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