JP2023003714A - 硬化性樹脂組成物及び硬化性樹脂組成物の製造方法並びに粘度調整剤、硬化物、電気・電子部品 - Google Patents

硬化性樹脂組成物及び硬化性樹脂組成物の製造方法並びに粘度調整剤、硬化物、電気・電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】低粘度でハンドリング性が高く、曲げ強度や破壊靭性、接着強度が高い長期信頼性に優れた硬化物を与える硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】下記式(1)で表されるプロペニル基含有化合物及びエポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物を含む硬化性樹脂組成物。TIFF2023003714000019.tif52140(Xは、直接結合、-SO2-、-O-、-CO-、-C(CF3)2-、-S-又は炭素数1~20の脂肪族炭化水素基。R1及びR2は、水素原子、炭素数1~10の炭化水素基又はハロゲン原子。)【選択図】なし

Description

本発明は硬化性樹脂組成物及び硬化性樹脂組成物の製造方法並びに粘度調整剤、硬化物、電気・電子部品に関する。より詳細には、本発明は、プロペニル基含有化合物及び特定の構造を有するエポキシ化合物を含む硬化性樹脂組成物並びにその製造方法、粘度調整剤、硬化物及び電気・電子部品に関する。
熱硬化性を有する樹脂組成物は、その硬化性を利用し、熱硬化性成形材料等として様々な分野に使用されている。例えば、電気・電子部品における接着剤や封止材等が挙げられる。
熱硬化性を有する樹脂組成物としては、マレイミド樹脂やエポキシ樹脂にアリルフェノールやアルケニルフェノール、アルケニルフェノールエーテルなどを混合した樹脂組成物が提案されている。
例えば、特許文献1や特許文献2には、ビスマレイミドとアミン、アルケニルフェノール、アルケニルフェノールエーテルなどの混合物からなる組成物が開示され、このアルケニルフェノールは、フェノールのアリルエーテルの転位によって製造されることが開示されている。
また、特許文献3には、耐熱性に優れ、吸水性が低く、硬化物のボイドを抑制できる樹脂組成物として、プロペニル基を有するベンゼン環又はナフタレン環を有する特定のプロペニル基含有樹脂と、1分子中にマレイミド基を2以上有するマレイミド化合物を含有する樹脂組成物が開示されている。
特開昭62-181335号公報 特開平4-227931公報 特開2019-019149号公報
従来、半導体はLSIなどの比較的小さな電流や電力で使用されるものが大半であったが、近年、モーターや照明などの制御や電力の変換に半導体を使用する、パワー半導体等の開発が急速に進んでいる。これに伴い、従来よりも高い電力や電流にも使用可能な半導体並びに半導体封止材が希求され、半導体封止材にあっては、従来よりも、低粘度、高い機械強度並びに長期信頼性が求められている。
特許文献3に記載のプロペニル基含有樹脂とマレイミド化合物を含有する樹脂組成物を硬化してなる硬化物では、上述したような用途に使用される半導体封止材としての低粘度、高い機械強度並びに長期信頼性の点において満足いくものではなかった。
また、プロペニル基含有化合物を用いた硬化性樹脂組成物や硬化物を工業的に製造するにあたり、粘度やゲルタイム等が制御し難く、工業的なハンドリング性が低いという問題があった。
更に、プロペニル基含有化合物を用いた硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物は、曲げ強度や破壊靭性、及びその硬化物の金属に対する接着強度が低いという問題あった。
そこで、本発明は、低粘度で工業的なハンドリング性が高く、硬化した際の曲げ強度や破壊靭性、金属に対する接着強度が高い、長期信頼性に優れた硬化物を与えることができる硬化性樹脂組成物と、そのための粘度調整剤、その硬化物及び電気・電子部品を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のエポキシ当量のエポキシ化合物とプロペニル基含有化合物とを混合した硬化性樹脂組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の要旨は以下の[1]~[6]に存する。
[1] 下記式(1)で表されるプロペニル基含有化合物及びエポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物を含む硬化性樹脂組成物。
Figure 2023003714000001
(上記式(1)中、Xは2価の連結基であって、直接結合、-SO-、-O-、-CO-、-C(CF-、-S-又は炭素数1~20の脂肪族炭化水素基である。R及びRは、水素原子、炭素数1~10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
[2] 前記式(1)で表されるプロペニル基含有化合物及びエポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物の合計100質量部に対し、更にマレイミド樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂、ラジカル重合性の官能基を有する樹脂、イソシアネート樹脂、酸無水物樹脂及びカルボジイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を0.01~1000質量部含む、[1]に記載の硬化性樹脂組成物。
[3] [1]又は[2]に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
[4] [3]に記載の硬化物を含む電気・電子部品。
[5] エポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物と、マレイミド樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂、ラジカル重合性の官能基を有する樹脂、イソシアネート樹脂、酸無水物樹脂及びカルボジイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む粘度調整剤。
[6] エポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物と、マレイミド樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂、ラジカル重合性の官能基を有する樹脂、イソシアネート樹脂、酸無水物樹脂及びカルボジイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種とを予め混合した後、該混合物に下記式(1)で表されるプロペニル基含有化合物を混合して硬化性樹脂組成物を得る硬化性樹脂組成物の製造方法。
Figure 2023003714000002
(上記式(1)中、Xは2価の連結基であって、直接結合、-SO-、-O-、-CO-、-C(CF-、-S-又は炭素数1~20の脂肪族炭化水素基である。R及びRは、水素原子、炭素数1~10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
式(1)で表されるプロペニル基含有化合物及びエポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物を含む本発明の硬化性樹脂組成物、更にはマレイミド樹脂などを含む本発明の硬化性樹脂組成物は、曲げ強度や破壊靭性などの機械強度及び金属への接着強度に優れた信頼性の高い硬化物及び電気・電子部品を提供することができる硬化物を与えることができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、低粘度であり、ゲルタイムも適度に長いため、工業的規模におけるハンドリング性にも優れる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は本発明の実施の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
本発明の硬化性樹脂組成物は、式(1)で表されるプロペニル基含有化合物を含むことを特徴とする。なお、式(1)で表される構造は、繰り返し構造を含むものではなく、単分子構造ではあるが、当業界では式(1)で表されるプロペニル基含有化合物を含むものを「フェノール樹脂」、「プロペニルフェノール」或いは「プロペニルフェノール樹脂」として表現されることもある。また、「フェノール樹脂」として販売されることもある。また、当業界では、式(1)で表されるプロペニル基含有化合物を含む硬化性樹脂組成物は「フェノール化合物(硬化していないもの)」と呼称されたり、「フェノール樹脂」と呼称されたりすることもある。
なお、本発明の硬化性樹脂組成物に含まれる、プロペニル基含有化合物は、式(1)で表される化合物(以下、「プロペニル基含有化合物(1)」と記載することがある。)及び他の任意成分(例えば、後述の式(1A)で表されるプロペニル基含有化合物や微量の不純物)を含むことから、当該化合物の技術分野において、「プロペニル基含有化合物」は単一成分からなるもの以外でも、多成分よりなる「組成物」として取得されることがある。そのため、式(1)で表されるプロペニル基含有化合物は、当業界では「プロペルニル基含有組成物」(「プロペニル基含有樹脂」と呼称される場合もある。)と表現されたり、「プロペルニル基含有組成物」(「プロペニル基含有樹脂」と呼称される場合もある。)として販売されたりすることもある。
なお、以下において、式(1)で表されるプロペニル基含有化合物そのものを「プロペニル基含有化合物(1)」と称し、プロペニル基含有化合物(1)と後述の式(1A)で表されるプロペニル基含有化合物(以下、「プロペニル基含有化合物(1A)」と記載することがある。)などを含む組成物としてのプロペニル基含有化合物を「プロペニル基含有化合物(I)」と記載することがある。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、エポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物を含むことを特徴とする。なお、エポキシ化合物には、繰り返し構造を含むものと単分子構造のものとがあるが、当業界ではいずれのエポキシ化合物も「エポキシ樹脂」と表現されることもある。また、「エポキシ樹脂」として販売されることもある。また、当業界では、エポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物を含む硬化性樹脂組成物を「エポキシ樹脂」と呼称されることもある。
〔硬化性樹脂組成物〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、下記式(1)で表されるプロペニル基含有化合物及びエポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物を含むことを特徴とする。
Figure 2023003714000003
(上記式(1)中、Xは2価の連結基であって、直接結合、-SO-、-O-、-CO-、-C(CF-、-S-又は炭素数1~20の脂肪族炭化水素基である。R及びRは、水素原子、炭素数1~10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
前述の通り、プロペニル基含有化合物(1)は通常、プロペニル基含有化合物(I)として本発明の硬化性樹脂組成物中に含有される。
[プロペニル基含有化合物(I)]
<プロペニル基含有化合物(1)>
本発明に係るプロペニル基含有化合物(1)を表す前記式(1)において、Xの炭素数1~20の脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、特に好ましくは炭素数1~10の分岐を有していてもよいアルキレン基が挙げられる。Xは、好ましくは、直接結合又は炭素数1~10の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは直接結合、メチレン基、又はイソプロピリデン基であり、最も好ましくは、Xは直接結合である。
,Rのハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。また、R,Rの炭素数1~10の炭化水素基としては、炭素数1~10のアルキル基が挙げられる。好ましくは、R,Rは各々独立に水素原子又はメチル基であり、最も好ましくはR及びRは共に水素原子である。
式(1)で表されるプロペニル基含有化合物(1)は、2個のベンゼン環のぞれぞれに結合しているプロペニル基(1-プロペニル基)の二重結合のcis-trans異性体が含まれており、式(1)中の2つのプロペニル基がいずれもtrans型である「トランス体」と、いずれもcis型である「シス体」が含まれる。
プロペニル基含有化合物(1)におけるトランス体の割合は、特に限定されないが、20~95%であることが好ましく、より好ましくは30~85%であり、さらに好ましくは45~75%である。トランス体の割合が大きいほど、結晶性が高く、粉体での取り扱い性に優れる傾向にあり、小さいほど溶剤への溶解性が優れる傾向にある。
また、プロペニル基含有化合物(1)におけるシス体の割合は、特に限定されないが、30%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下であり、さらにより好ましくは10%以下である。シス体の割合が小さいほど、結晶性が高く、粉体での取り扱い性に優れる傾向にある。なお、シス体の割合の下限値は特に限定されないが、加熱時の融解性の観点から、1%以上であることが好ましい。
また、プロペニル基含有化合物(1)には、トランス体にもシス体にも属さない、その他のプロペニル基含有化合物(1)が含まれる。このものは、式(1)中の2つのプロペニル基の一方がtrans型で他方がcis型のものであり、通常、プロペニル基含有化合物(1)中に5~50%程度含まれる。
プロペニル基含有化合物(1)のトランス体とシス体の割合は、例えば、プロペニル基含有化合物(1)製造時のプロペニル化反応に用いる溶剤種を変更するなどの方法でその割合を制御することができる。
前述の通り、通常、プロペニル基含有化合物(1)はプロペニル基含有化合物(I)として本発明の硬化性樹脂組成物に含まれる。
プロペニル基含有化合物(I)は、特に限定されないが、プロペニル基含有化合物(1)を80.0~99.9質量%含むことが好ましい。プロペニル基含有化合物(I)中のプロペニル基含有化合物(1)の含有量が80.0質量%未満では、プロペニル基含有化合物(1)を含むことによる高耐熱性、低粘度及び長期信頼性の効果を十分に得ることができない恐れがある。プロペニル基含有化合物(1)100質量%からなるプロペニル基含有化合物(I)は実用上製造が困難であることから、通常、プロペニル基含有化合物(I)中のプロペニル基含有化合物(1)の含有量は99.9質量%以下である。プロペニル基含有化合物(1)の効果をより高める一方で、溶剤への溶解性の観点から、プロペニル基含有化合物(I)中のプロペニル基含有化合物(1)の含有量は、好ましくは85.0~99.8質量%であり、より好ましくは90.0~99.5質量%である。
プロペニル基含有化合物(1)を製造するためのプロペルニル化反応において、後述のプロペニル基含有化合物(1A)が残存することがある。プロペニル基含有化合物(I)中の後述のプロペニル基含有化合物(1A)の含有量は、特に限定されないが、例えば、プロペニル化反応の溶剤量を変更するなどの方法によって制御することができる。
また、プロペニル基含有化合物(1)を少なくし、プロペニル基含有化合物(1A)を多くするには、例えば、溶剤量を増やすことで制御でき、逆にプロペニル基含有化合物(1)を多く、プロペニル基含有化合物(1A)を少なくするには、例えば、溶剤量を減らすことで制御できる。
なお、本発明に係るプロペニル基含有化合物(I)がプロペニル基含有化合物(1)と後述のプロペニル基含有化合物(1A)とからなる場合、更にプロペニル基含有化合物(1)製造時に微量の不純物が含まれる場合もある。プロペニル基含有化合物(1)製造時の不可避不純物は、得られたプロペニル基含有化合物を水洗、クロマト分離、及び晶析等によって、精製することにより低減することができる。
<プロペニル基含有化合物(1A)>
本発明に係るプロペニル基含有化合物(I)は、下記式(1A)式で表される、2-プロペニル基(アリル基)を有する化合物(以下、「プロペニル基含有化合物(1A)」と記載することがある。)を含む場合があり、その場合、プロペニル基含有化合物(1A)の含有量は0.1~20.0質量%であることが好ましい。
Figure 2023003714000004
(上記式(1A)中、X、R、Rは、前記式(1)におけると同義である。)
本発明に係るプロペニル基含有化合物(I)は、プロペニル基含有化合物(1A)が多いほど、溶融粘度が低くなる傾向があり、少ないほど、このプロペニル基含有化合物(I)を含む硬化性樹脂組成物の硬化時間が長くなる傾向がある。このような観点から、本発明に係るプロペニル基含有化合物(I)中のプロペニル基含有化合物(1A)の含有量は好ましくは0.2~10.0質量%であり、より好ましくは0.3~5.0質量%である。
<プロペニル基含有化合物(1)の製造方法>
プロペニル基含有化合物(1)を製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、下記式(3)で表される二価のフェノール化合物(以下、「二価フェノール化合物(3)」と略記することがある。)をアリル化し、下記式(4)で表されるアリルオキシ基含有化合物(以下、「アリルオキシ基含有化合物(4)」と略記することがある)を得、次いで、アリルオキシ基含有化合物(4)のアリル基を転移させて前述のプロペニル基含有化合物(1A)を得、このプロペニル基含有化合物(1A)のアリル基を1-プロペニル基に変えて、プロペニル基含有化合物(1)とする方法が挙げられる。
Figure 2023003714000005
(上記式(3),(4)中、X、R、Rは、前記式(1)におけると同義である。)
二価フェノール化合物(3)をアリル化する方法としては、例えば、二価フェノール化合物(3)とハロゲン化アリルとを反応させ、少なくとも一部の水酸基をアリルエーテル化して-O-CH-CH=CHに変換する方法が挙げられる。
この反応において、ハロゲン化アリルは、二価フェノール化合物(3)に対して2.0~8.0倍モル、特に3.0~6.0倍モル用いることが、反応を効率的に進めつつ、生産コストを抑える観点から好ましい。
二価フェノール化合物(3)とハロゲン化アリルによるアリルエーテル化反応は、触媒の存在下で行うことが好ましい。
アリルエーテル化反応の触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属類、ジアザビシクロノネン、ジアザビシクロウンデセン、トリエチルアミン等のアミン類、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、リチウムジイソプロピルアミド、ケイ素-塩基性アミン、リチウムテトラメチルピペリジン等が挙げられる。これらの中でも、比較的安価であり、副反応が起こりにくい点で、アルカリ金属類、ジアザビシクロノネン、ジアザビシクロウンデセンが好ましい。触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アリルエーテル化反応の触媒の使用量は、ハロゲン化アリルの使用モル量に対して、0.7~2.0倍モルが好ましく、0.8~1.5倍モルがより好ましい。触媒の使用量が少なすぎると、反応速度が遅く、使用量が多すぎると、余剰のアルカリを除去しなくてはならなくなり、生産性が低下する。
また、アリルエーテル化反応は、溶剤の存在下で行うことが好ましく、アリルエーテル化反応の溶剤としては、後述のプロペニル化反応に用いる極性溶剤等が挙げられる。
アリルエーテル化反応の反応温度は、二価フェノール化合物(3)の水酸基とハロゲン化アリルとが反応する温度であれば特に限定されず、10~150℃が好ましく、40~130℃が好ましい。
アリルエーテル化反応後には、必要に応じて、反応生成物に対し、蒸留等による未反応の原料の除去、濃縮、精製(洗浄、カラムクロマトグラフィー等)等の処理を行ってもよい。
二価フェノール化合物(3)のアリル化で得られたアリルオキシ基含有化合物(4)のアリル基の転移は、例えば、アリル化反応後のアリルオキシ基含有化合物(4)を加熱することによるクライゼン転位反応で実施できる。クライゼン転位反応により、アリルオキシ基含有化合物(4)のベンゼン環に結合したアリルオキシ基(-O-CH-CH=CH)のアリル基が、アリルオキシ基が存在した箇所のオルソ位に転位する。
クライゼン転位反応は常法に従って行えばよく、例えばアリルオキシ基含有化合物(4)をカルビトール、パラフィンオイル、N,N’-ジメチルアニリン、N,N’-ジエチルアニリン等の高沸点溶媒の存在下または無溶剤下において加熱する。溶媒は、アリルオキシ基含有化合物(4)100質量部に対して、10~200質量部必要に応じて使用される。反応終了後、必要により使用した溶剤を除去してプロペニル基含有化合物(1A)を得ることができる。反応後、プロペニル基含有化合物(1A)は反応液を水酸化ナトリウム水溶液に滴下し、分離した水層を酸溶液中に滴下して撹拌することで回収することができる。
このクライゼン転位反応時の加熱温度は、150~220℃が好ましく、170~200℃がより好ましく、窒素等の不活性ガス存在下の転位反応がさらに好ましい。加熱温度が上記下限値以上であれば、アリル基の転位反応が起こりやすい。加熱温度が上記上限値以下であれば、アリル基の重合が起きにくい。
反応後、必要に応じて、反応生成物に対し、水洗等の処理を行ってもよい。
反応後の水酸化ナトリウム水溶液への滴下時間は、10分~30分が好ましい。滴下時間が上記下限値以上であれば、混和による発熱を抑え安全に製造できる。滴下時間が上記上限値以下であれば生産性が向上する。酸溶液への滴下後の撹拌時間は、15分~60分が好ましい。撹拌時間が上記下限値以上であれば、中和反応が進行し、続く分離工程での収率が向上する。撹拌時間が上記上限値以下であれば生産性が向上する。
プロペニル基含有化合物(1A)のアリル基を1-プロペニル基とする方法としては、プロペニル基含有化合物(1A)を溶剤に溶解させ、プロペニル化反応の触媒下に加熱する方法が挙げられる。
プロペニル化反応に用いる溶剤としては、プロペニル基含有化合物(1A)を溶解するものであればよく、典型的には極性溶剤が挙げられる。
極性溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフランが挙げられる。溶剤としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
溶剤は、プロペニル基含有化合物(1A)100質量部に対して20~900質量部、特に50~600質量部用いることが好ましい。
プロペニル化反応の触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属類、ジアザビシクロノネン、ジアザビシクロウンデセン、トリエチルアミン等のアミン類、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、リチウムジイソプロピルアミド、ケイ素-塩基性アミン、リチウムテトラメチルピペリジン等が挙げられる。なかでも、比較的安価であり、副反応が起こりにくい点から、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
プロペニル化反応の触媒の使用量は、プロペニル基含有化合物(1A)の水酸基の合計モル量に対して、0.4~6.0倍モルが好ましく、1.0~4.0倍モルがより好ましい。触媒の使用量が少なすぎると、プロペニル化反応が進みにくく、使用量が多すぎると、余剰のアルカリを除去しなくてはならなくなり、生産性が低下する。
プロペニル化反応の反応温度は、40~140℃が好ましく、70~120℃がより好ましい。反応温度が上記下限値以上であれば、プロペニル化反応が進行しやすい。反応温度が上記上限値以下であれば、プロペニル基の重合が起きにくい。
プロペニル化反応後には、必要に応じて、反応生成物に対し、蒸留等による未反応の原料の除去、濃縮、精製(洗浄、カラムクロマトグラフィー等)等の処理を行ってもよい。
上記のようにプロペニル基含有化合物(1)の製造において、プロペニル基含有化合物(1A)が残留することで本発明に係るプロペニル基含有化合物(I)が得られるが、本発明の硬化性樹脂組成物に、本発明に係るプロペニル基含有化合物(I)を含有させたい場合、本発明では、プロペニル化反応後のプロペニル基含有化合物(1)とプロペニル基含有化合物(1A)とを配合して本発明に係るプロペニル基含有化合物(I)としてもよい。
[エポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物]
本発明の硬化性樹脂組成物は、エポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物を含む。エポキシ当量が上記下限より低いと硬化反応速度が高く硬化過程を制御しにくいため、均一な硬化物が得られない。エポキシ当量が上記上限より高いと硬化物の耐熱性が低下する。このため、本発明で用いるエポキシ化合物のエポキシ当量は、90~220g/eq、好ましくは100~200g/eq、より好ましくは120~190g/eq、更に好ましくは140~180g/eqである。
本発明で用いるエポキシ化合物は、上記のエポキシ当量を満たすものであれば特に限定されず、市販のものエポキシ樹脂を使用することができる。好ましくは、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールC型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールG型エポキシ樹脂、ビスフェノールTMC型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラキスフェノールエタン型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、リン原子含有エポキシ樹脂などが挙げられる。より好ましくはビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂である。
本発明で用いるエポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物において、当該エポキシ化合物中の加水分解性塩素量は2500ppm以下が好ましく、より好ましくは2000ppm以下であり、更により好ましくは1700ppm以下であり、特に好ましくは1000ppm以下である。この値が小さくなるほど、電子材料の電気的信頼性を向上させることができる。なお、エポキシ化合物中の加水分解性塩素量は、後述の実施例に示される測定方法で測定できる。
なお、エポキシ化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上のエポキシ化合物を混合して用いる場合、混合物としてのエポキシ当量が上記範囲を満たすものであればよい。
[プロペニル基含有化合物(1)とエポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物の含有割合]
本発明の硬化性樹脂組成物中のプロペニル基含有化合物(1)とエポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物の含有割合は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物中における(プロペニル基含有化合物(1)の水酸基の物質量)/(エポキシ化合物のエポキシ基の物質量)の値が0.1~10.0の範囲にあることが好ましい。この値はより好ましくは0.2~5.0、特に好ましくは0.5~2.0である。この比が上記上限値以下であれば硬化性樹脂組成物の曲げ強度、破壊靭性に優れ、上記下限値以上であれば耐熱性に優れる傾向がある。
ここで、プロペニル基含有化合物の水酸基とは、本発明の硬化性樹脂組成物に含まれるすべてのプロペニル基含有化合物、即ち、通常、プロペニル基含有化合物(1)とプロペニル基含有化合物(1A)との合計の水酸基である。また、物質量とは、硬化性組成物中における当該官能基を含む化学構造の質量を分子量で除した値に化学構造中の当該官能基数を乗じることによって算出される。
なお、本発明の硬化性樹脂組成物には、プロペニル基含有化合物(1)の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。また、前述のとおり、エポキシ化合物についても、1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
[硬化成分]
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述のプロペニル基含有化合物(1)(プロペニル基含有化合物(I)であってもよい。)及びエポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物の合計100質量部に対し、更にマレイミド樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂、ラジカル重合性の官能基を有する樹脂、イソシアネート樹脂、酸無水物樹脂及びカルボジイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、これらを「硬化成分」と称す場合がある。)を0.01~1000質量部含むことが好ましく、これらの硬化成分の含有量はより好ましくは、0.1~500質量部であり、更によりが好ましくは1.0~300質量部である。硬化成分の含有量が上記下限値以上であれば、耐熱性に優れる硬化物が得られる。硬化成分の含有量が上記上限値以下であれば機械強度に優れる硬化物が作製可能ある。
<マレイミド樹脂>
マレイミド樹脂は、1分子中にマレイミド基を平均1以上有するマレイミド化合物である。マレイミド樹脂としては、例えば、1分子中にマレイミド基を2つ有するビスマレイミド類、ポリフェニルメタンマレイミド等が挙げられる。
ビスマレイミド類としては、例えば、アルキルビスマレイミド、ジフェニルメタンビスマレイミド、フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド等の4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド、1,6’-ビスマレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサン、4,4’-ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’-ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-マレイミドフェノキシ)ベンゼンが挙げられる。
ポリフェニルメタンマレイミドは、マレイミド基が置換した3以上のベンゼン環がメチレン基を介して結合した重合体である。
マレイミド樹脂としては、本発明のプロペニル基含有組成物との相溶性に優れる点、及び比較的安価である点から、上述したマレイミド樹脂の中でも4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミドが好ましい。
マレイミド樹脂は、市販品を用いてもよい。マレイミド樹脂の市販品としては、例えば、大和化成工業社製の製品名「BMI-1100」(4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド)、製品名「BMI-2300」(ポリフェニルメタンマレイミド)が挙げられる。
マレイミド樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<フェノール樹脂>
フェノール樹脂としては、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノールなどのフェノール類及び/またはα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレンなどのナフトール類と、ホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドなどのアルデヒド基を有する化合物とを、酸性触媒下で縮合または共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;フェノール類及び/またはナフトール類とジメトキシパラキシレンまたはビス(メトキシメチル)ビフェニルとから合成されるフェノール・アラルキル樹脂;ビフェニレン型フェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂などのアラルキル型フェノール樹脂;フェノール類及び/またはナフトール類とジシクロペンタジエンとの共重合によって合成されるジシクロベンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトールノボラック樹脂などのジシクロペンタジエン型フェノール樹脂;トリフェニルメタン型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;パラキシリレン及び/またはメタキシリレン変性フェノール樹脂;メラミン変性フェノール樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂;ならびにこれらのうち2種以上を共重合して得られるフェノール樹脂などが挙げられる。ただし、ここでいう、フェノール樹脂としては、プロペニル基含有化合物(1)及びプロペニル基含有化合物(1A)は含まない。
フェノール樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<ベンゾオキサジン樹脂>
ベンゾオキサジン樹脂としては、例えば、6,6-(1-メチルエチリデン)ビス(3,4-ジヒドロ-3-フェニル-2H-1,3-ベンゾオキサジン)、6,6-(1-メチルエチリデン)ビス(3,4-ジヒドロ-3-メチル-2H-1,3-ベンゾオキサジン)等が挙げられる。ベンゾオキサジン樹脂は、そのオキサジン環が開環重合した構造を含んでもよい。
ベンゾオキサジン樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<シアネートエステル樹脂>
シアネートエステル樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート(、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン(ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。
シアネートエステル樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<活性エステル樹脂>
活性エステル樹脂としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。活性エステル樹脂は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル樹脂が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル樹脂がより好ましい。
該カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
該フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
具体的には、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル樹脂、ナフタレン構造を含む活性エステル樹脂、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル樹脂、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル樹脂が好ましく、中でもナフタレン構造を含む活性エステル樹脂、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル樹脂がより好ましい。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン-ジシクロペンタレン-フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<ラジカル重合性の官能基を有する樹脂>
ラジカル重合性官能基を有する樹脂としては、炭素-炭素二重結合を有するエチレン性不飽和基を分子中に1個以上有すること樹脂が挙げられる。エチレン性不飽和基は、アクリル基、メタクリル基、スチリル基、オレフィン基及びマレイミド基からなる群より選ばれる1以上の基であることが好ましい。オレフィン基の好ましい例としては、アリル基、ビニル基、プロペニル基が挙げられる。よって、好適な一実施形態において、ラジカル重合性官能基は、アクリル基、メタクリル基、スチリル基、アリル基、ビニル基、プロペニル基及びマレイミド基からなる群から選択される1種以上である。ただし、ここでいう、ラジカル重合性官能基を有する樹脂は、プロペニル基含有化合物(1)及びプロペニル基含有化合物(1A)は含まない。
ラジカル重合性官能基を有する樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<イソシアネート樹脂>
イソシアネート樹脂としては、分子中に1個以上のイソシアネート基を有する樹脂が挙げられる。イソシアネート樹脂は、分子中にイソシアネート基を2個以上有することが好ましい。イソシアネート樹脂としては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
イソシアネート樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<酸無水物樹脂>
酸無水物樹脂としては、分子中に1個以上の酸無水物基を有する樹脂が挙げられる。酸無水物樹脂としては、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’-4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-C]フラン-1,3-ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、スチレンとマレイン酸とが共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物などが挙げられる。
酸無水物樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<カルボジイミド樹脂>
カルボジイミド樹脂としては、分子中に1個以上のカルボジイミド基(-N=C=N-)を有する樹脂が挙げられる。カルボジイミド樹脂は、分子中にカルボジイミド基を2個以上有することが好ましい。カルボジイミド樹脂の具体例としては、日清紡ケミカル(株)製の「V-03」、「V-07」等が挙げられる。
カルボジイミド樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、硬化成分としては、マレイミド樹脂が好ましい。また、マレイミド樹脂を用いる場合、マレイミド当量120~300g/eqのマレイミド樹脂であることが好ましい。
[他の成分]
本発明の硬化性樹脂組成物は、プロペニル基含有化合物(1)、エポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物及び上記の硬化成分に加えて、その他の成分を1種類以上含んでいてもよい。他の成分としては、硬化促進剤、無機フィラー、溶剤、離型剤、表面処理剤、着色剤、熱可塑性の高分子、有機充填材、難燃剤等が挙げられる。
硬化促進剤としては、プロペニル基含有化合物(1)とマレイミド樹脂との硬化反応を促進する硬化促進剤(以下、「硬化促進剤(P)」ともいう。)、硬化促進剤(P)以外の、プロペニル基含有化合物(1)とエポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物との硬化反応を促進する硬化促進剤(以下、「硬化促進剤(Q)」ともいう。)が挙げられる。
硬化促進剤(P)としては、例えば、イミダゾール類、有機過酸化物類が挙げられる。硬化促進剤(P)としてイミダゾール類を用いれば、プロペニル基含有化合物(1)とエポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物との硬化反応も促進される。
イミダゾール類としては、例えば、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、2-ウンデ__シルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、1-ビニル-2-メチルイミダゾール、1-プロピル-2-メチルイミダゾール、2-イソプロピルイミダゾール、1-シアノメチル-2-メチル-イミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾールが挙げられる。
有機過酸化物類としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステルが挙げられる。
硬化促進剤(P)としては、高温で比較的安定で、溶剤溶解性が良好で、取り扱いが容易なものが好ましく、イミダゾール類では2-エチル-4-メチルイミダゾールが、有機過酸化物類ではジアルキルパーオキサイドのジクミルパーオキサイドが好ましい。
これらの硬化促進剤(P)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物が硬化促進剤(P)を含む場合、その含有量は、マレイミド樹脂に対して0.1~5.0質量%が好ましい。
硬化促進剤(Q)としては、特に限定されず、例えば、リン系化合物、第3級アミン、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。
リン系化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリス-2,6-ジメトキシフェニルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、亜リン酸トリフェニル等が挙げられる。
第3級アミンとしては、2-ジメチルアミノメチルフェノール、ベンジルジメチルアミン、α-メチルベンジルジメチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7等が挙げられる。
硬化促進剤(Q)としては、硬化性、耐熱性、電気特性がより優れる点、耐湿信頼性が低下しにくい点で、リン系化合物、特にトリフェニルホスフィンが好ましい。
これらの硬化促進剤(Q)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物が硬化促進剤(Q)を含む場合、その含有量は、エポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物に対して0.1~5質量%が好ましい。
無機フィラーとしては、結晶性シリカ粉、溶融性シリカ粉、石英ガラス粉、タルク、ケイ酸カルシウム粉、ケイ酸ジルコニウム粉、アルミナ粉、炭酸カルシウム粉等が挙げられる。これらのうち、結晶性シリカ粉、溶融性シリカ粉が好ましい。無機フィラーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物が無機フィラーを含む場合、その含有量は、硬化性樹脂組成物全体に対して30~90質量%が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物を、封止材を形成するための熱硬化性成形材料として用いる場合、本発明の硬化性樹脂組成物は硬化促進剤と無機フィラーを含有することが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、溶剤を配合してマレイミド樹脂、ラジカル重合性の官能基を有する樹脂等の硬化成分を溶剤に溶解させることで樹脂ワニスとすることができる。溶剤としては、プロペニル基含有化合物(1)、エポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物、硬化成分等を溶解するものであれば特に制限はなく、典型的には、極性溶剤が用いられる。極性溶剤としては、プロペニル化反応の説明で挙げたものと同じものが挙げられる。溶剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂ワニスは、プロペニル基含有化合物(1)及びエポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物と、マレイミド樹脂等の硬化成分と、溶剤とを必須成分とするが、この樹脂ワニスを用いて、後述の通り、例えば銅張り積層板等の積層板を製造することができる。
樹脂ワニス中の溶剤の含有量は、樹脂ワニスの固形分濃度に応じて適宜設定される。樹脂ワニスの固形分濃度は、用途によっても異なるが、30~80質量%が好ましく、40~70質量%がより好ましい。
なお、樹脂ワニスの固形分濃度は、樹脂ワニスの総質量に対する、樹脂ワニスから溶剤を除いた質量の割合である。
樹脂ワニスは、マレイミド樹脂、ラジカル重合性の官能基を有する樹脂等の硬化成分と、プロペニル基含有化合物(1)及びエポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物と、必要に応じて配合されるその他の成分と溶剤とを混合することで製造できる。各成分の混合は、常法により行うことができる。
離型剤としては、例えばカルナバワックス等の各種ワックス類等が挙げられる。
表面処理剤としては、公知のシランカップリング剤等が挙げられる。
着色剤としては、カーボンブラック等が挙げられる。
熱可塑性の高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、シリコーン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。
有機充填材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、シリコーン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂等よりなる均一構造の樹脂フィラー、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、共役ジエン系樹脂等よりなるゴム状態のコア層と、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、芳香族ビニル系樹脂、シアン化ビニル系樹脂等よりなるガラス状態のシェル層とを持つコアシェル構造の樹脂フィラーなどが挙げられる。
難燃剤としては、例えば、臭素や塩素を含有する含ハロゲン系難燃剤;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、リン酸エステル系化合物、赤リン等のリン系難燃剤;スルファミン酸グアニジン、硫酸メラミン、ポリリン酸メラミン、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤;シクロホスファゼン、ポリホスファゼン等のホスファゼン系難燃剤;三酸化アンチモン等の無機系難燃剤等が挙げられる。
[硬化性樹脂組成物の製造方法及び粘度調整剤]
本発明の硬化性樹脂組成物の製造方法については、上述した化合物や樹脂をそれぞれ別々に混合してもよいが、エポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物と、マレイミド樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂、ラジカル重合性の官能基を有する樹脂、イソシアネート樹脂、酸無水物樹脂及びカルボジイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の硬化成分とを予め混合した後、該混合物にプロペニル基含有化合物(1)(プロペニル基含有化合物(I)であってもよい。)を混合して硬化性樹脂組成物を得ることが、得られる硬化性樹脂組成物の粘度調整やハンドリング性向上の観点から好ましい。
即ち、エポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物と、マレイミド樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂、ラジカル重合性の官能基を有する樹脂、イソシアネート樹脂、酸無水物樹脂及びカルボジイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の硬化成分とを含む混合物は、硬化性樹脂組成物の粘度調整を行う粘度調整剤として使用することができる。また、この中でもエポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物とマレイミド樹脂を含む混合物を含む粘度調整剤が好ましい。
この場合、マレイミド樹脂等の硬化成分及びエポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物の混合割合には特に制限はないが、混合物中における(マレイミド樹脂等の硬化成分の質量)/(エポキシ化合物の質量)の値が0.01~100.0の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1~10.0、特に好ましくは0.2~5.0である。この比が上記上限値以下であれば、粘度調整剤としての混合物の粘度が過度に上がることがなく、上記下限値以上であれば、得られる硬化物の耐熱性の低下を防止することができる。
特に、プロペニル基含有化合物(1)(プロペニル基含有化合物(I)であってもよい。)は単独の状態よりも、この混合物を粘度調整剤として加えることで、粘度低下や粘度制御を行うことが簡便にできるので、好ましい。
エポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物とマレイミド樹脂等の硬化成分とを混合する際には、室温では各成分の粘度が高く、上記硬化成分との混合に時間がかかる、もしくは、均一に混合しないために加熱溶融することが好ましい。この加熱溶融は、40~150℃で1~60分程度行うことが好ましい。
エポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物とマレイミド樹脂等の硬化成分の混合物よりなる粘度調整剤の150℃における溶融粘度は、0.01~1.6Pであることが好ましく、より好ましくは0.05~1.2P、さらに好ましくは0.1~1.0Pである。溶融粘度が上記上限値以下であれば、低粘度のため、プロぺニル基含有化合物(1)等との混合が容易となる。溶融粘度が上記下限値以上であれば、金型等に成形するときにブリードアウトが起こりにくい。
なお、この溶融粘度は、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される。
また、エポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物とマレイミド樹脂等の硬化成分の混合物よりなる粘度調整剤の175℃におけるゲルタイムは100秒以上であることが好ましく、より好ましくは120秒以上、さらに好ましくは180秒以上、最も好ましくはゲル化しないことである。ゲルタイムが上記下限値以上であれば、他成分との混合が容易になり、生産性の向上に寄与する。
なお、このゲルタイムは、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される。
なお、粘度調整剤に用いる硬化成分は、中でもマレイミド樹脂が好ましく、マレイミド樹脂としては、前述の通り、マレイミド当量120~300g/eqのマレイミド樹脂が好ましい。
[硬化性樹脂組成物の硬化・用途]
本発明の硬化性樹脂組成物の硬化は、硬化温度を150~250℃に制御して行うことが好ましい。硬化操作の一例としては、一旦前記の好適な硬化温度で30秒間以上3時間以下の硬化を行った後、さらに、前記の好適な硬化温度で1~20時間の後硬化を行う方法が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物の用途については後に詳述するが、例えば、半導体等の電子部品の封止材、電気絶縁材料、銅張り積層板用樹脂、レジスト、液晶のカラーフィルター用樹脂、各種コーティング剤、接着剤、ビルドアップ積層板材料、繊維強化プラスチック(FRP)等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、これらの用途に対して硬化後に使用してもよく、これらの用途に適用する製造工程で硬化させて用いてもよい。
〔硬化物〕
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、本発明の硬化物を得ることができる。本発明の硬化性樹脂組成物を硬化してなる本発明の硬化物は、耐クラック性、機械強度、金属に対する接着性において優れた特性を有するものである。
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させる方法については特に限定されないが、通常、加熱による熱硬化反応により硬化物を得ることができる。熱硬化反応時には、用いた硬化成分の種類によって硬化温度を適宜選択することが好ましい。例えば、マレイミド樹脂を用いた場合、硬化温度は通常80~250℃であり、ラジカル硬化性を有する硬化成分では通常100~200℃である。またこれらの硬化成分に硬化促進剤を添加することで、その硬化温度を下げることも可能である。硬化反応の時間は、0.5~20時間が好ましく、より好ましくは1~18時間、さらに好ましくは2~15時間である。反応時間が上記下限値以上であると硬化反応が十分に進行しやすくなる傾向にあるために好ましい。一方、反応時間が上記上限値以下であると加熱による熱劣化、加熱時のエネルギーロスを低減しやすいために好ましい。
[用途]
本発明の硬化性樹脂組成物は硬化性に優れ、本発明の硬化性樹脂組成物を用いた硬化物は、機械強度、金属に対する接着強度に優れる。
従って、本発明の硬化性樹脂組成物及びその硬化物は、これらの物性が求められる用途であれば、いかなる用途にも有効に用いることができる。例えば、光学材料、自動車用電着塗料等の自動車用塗料、船舶・橋梁用重防食塗料、飲料用缶の内面塗装用塗料等の塗料分野;複合材料、積層板、半導体封止材、液状絶縁封止材、絶縁粉体塗料、コイル含浸用等の電気電子分野;橋梁の耐震補強、コンクリート補強、建築物の床材、水道施設のライニング、排水・透水舗装、構造・車両・航空機用接着剤の土木・建築・接着剤分野等の用途にいずれにも好適に用いることができる。これらの中でも特に電気・電子部品に有用である。
[積層板]
本発明の硬化性樹脂組成物を用いる積層板の製造方法としては、繊維質基材に本発明の硬化性樹脂組成物よりなる前述の樹脂ワニスを含浸させたプリプレグを含む積層物を加熱加圧して硬化させて積層板を製造する方法が挙げられる。
より具体的には、樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させて乾燥し、溶剤を除去してプリプレグとする。このプリプレグと、必要に応じて使用する他の基材とを積層して積層物を形成し、該積層物を加熱加圧して硬化させ、積層板を得る。
該積層物におけるプリプレグの積層数は、1層であってもよく、2層以上であってもよい。該積層物においては、プリプレグ以外の他の基材を積層してもよい。他の基材としては、例えば、銅箔等の金属箔が挙げられる。
繊維質基材を構成する繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ステンレス繊維等の無機繊維;綿、麻、紙等の天然繊維;ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の合成有機繊維が挙げられる。これらの繊維は、いずれか1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
繊維質基材の形状は、特に限定されず、例えば、短繊維、ヤーン、マット、シート等が挙げられる。
繊維質基材に含浸させる樹脂ワニスの量としては、特に限定されず、例えば、含浸させる樹脂ワニスの固形分量が、繊維質基材(100質量%)に対して30~50質量%程度となるようにする。
積層物を加熱加圧する際の加熱温度は、前述の硬化温度が好ましい。加圧条件としては、2~20kN/mが好ましい。
このようにして製造される積層板は、繊維質基材と樹脂ワニスの硬化物とを含む繊維強化樹脂層を備える。積層板が備える繊維強化樹脂層の数は1層でもよく2層以上でもよい。前述の通り、積層板は、銅箔等の金属箔層を有していてもよい。
[封止材]
本発明の硬化性樹脂組成物を封止材として用いる場合、本発明の硬化性樹脂組成物が適用される封止材の形状は、特に限定されず、例えば、公知の半導体等で採用される形状と同様の形状を採用できる。
本発明の硬化性樹脂組成物を用いて封止材を形成する方法としては、例えばトランスファー成形法、圧縮成形法等を用いて半導体を封止する方法が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限または下限の値と、下記実施例の値または実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
[使用材料]
以下の実施例及び比較例で用いた化合物、樹脂は以下の通りである。
なお、用いたエポキシ樹脂の加水分解性塩素量は、以下の方法で測定した。
<加水分解性塩素量>
0.5gのエポキシ樹脂を20mLのジオキサンに溶解し、1NのKOH/エタノール溶液5mLで30分還流した後、0.01N硝酸銀溶液で滴定して定量した。
・マレイミド樹脂:下記構造式で表されるポリフェニルメタンマレイミド(大和化成工業社製「BMI-2300」、マレイミド当量:179g/eq)
Figure 2023003714000006
・プロペニルフェノール樹脂:下記構造式(1-1)で表されるプロペニルフェノール(合成例1により製造)
Figure 2023003714000007
・エポキシ樹脂:下記構造式で表されるビフェノール型エポキシ樹脂とテトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂の混合物(三菱ケミカル社製「jER(登録商標)YL6121HA」、エポキシ当量:170g/eq、加水分解性塩素量:700ppm)(表1,2中、「YL6121HA」と記載する。)
Figure 2023003714000008
・エポキシ樹脂:下記構造式で表されるビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「jER(登録商標)YX8800、加水分解性塩素量:600ppm」、エポキシ当量:179g/eq)(表1,2中、「YX8800」と記載する。)
Figure 2023003714000009
・エポキシ樹脂:下記構造式で表されるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂とビフェノール型エポキシ樹脂の混合物(三菱ケミカル社製「jER(登録商標)YL6677」、エポキシ当量:161g/eq、加水分解性塩素量:700ppm)(表1,2中、「YL6677」と記載する。)
Figure 2023003714000010
・エポキシ樹脂:下記構造式で表されるアミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「jER(登録商標)630」、エポキシ当量:97g/eq、加水分解性塩素量:1700ppm)(表1,2中、「630」と記載する。)
Figure 2023003714000011
・エポキシ樹脂:下記構造式で表されるテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「jER(登録商標)YX4000」、エポキシ当量:186g/eq、加水分解性塩素量:400ppm)(表1,2中、「YX4000」と記載する。)
Figure 2023003714000012
・硬化促進剤:トリフェニルホスフィン
[合成例1:プロペニルフェノールの製造]
<アリル化>
10LのオートクレーブにN,N-ジメチルホルムアミド840mL、アリルクロライド575g(7.51mol)、炭酸カリウム1245g(9.01mol)、ビフェノール280g(1.50mol)を加えて密閉し、40℃まで加熱した後、1時間かけて65℃まで昇温した。65℃で5時間熟成した後、室温まで冷却してオートクレーブを開放した。ここに、水1678gとメチルイソブチルケトン1600gを加えて無機塩と結晶を溶解させ、分液操作にて水層を除去した。残ったメチルイソブチルケトン層に水1678gを加えて60℃で水洗する操作を3回繰り返した後、メチルイソブチルケトンを留去し、下記式(A)で表される化合物(以下、「化合物(A)」と称す。)を得た。
Figure 2023003714000013
<クライゼン転位反応>
化合物(A)165g(620mmol)とN,N-ジエチルアニリン825mLを2Lの四つ口フラスコに入れ、200℃で6時間加熱した後、室温まで冷却した。続いて2Lのセパラブルフラスコに水495mLと50質量%水酸化ナトリウム水溶液149mL(1.86mol)を入れ10℃に冷却したところに、先のN,N-ジエチルアニリン溶液を滴下し、30分撹拌した後静置し、上層と下層をそれぞれ抜出した。次に2Lのセパラブルフラスコに水495mLと濃硫酸93.1g(1.86mol)を入れ10℃に冷却した後、前の操作で抜き出した下層を滴下し、1時間撹拌した。析出した固体をろ過によって回収し、水洗した後減圧乾燥したところ、灰色固体としてプロペニル基含有化合物(1A)である下記式(1A-1)で表される化合物(以下、「化合物(1A-1)」と称す。)を148g(1.19mol、2段階収率80.4%)得た。
Figure 2023003714000014
<プロペニル化>
化合物(1A-1)100質量部、メタノール100質量部を反応容器に仕込み、撹拌、溶解後、粒状の水酸化カリウム(純度85%)79質量部を添加した。添加後、加熱しながらメタノールを留去し、内温を100℃に保持しながら4時間反応を行った。次いでメチルイソブチルケトン203質量部を加え、硫酸で中和を行った後、水洗を繰り返した。次いで油層から120℃の加熱減圧下においてメチルイソブチルケトンを留去することにより、プロペニル基含有化合物(1)である前記式(1-1)で表される構造の化合物(以下、「化合物(1-1)」と称す。)を含むプロペニル基含有化合物(I)(プロペニルフェノール)95質量部を得た。
[実施例1~5、比較例1]
表1に示す割合で、エポキシ樹脂とマレイミド樹脂とを秤量し、100℃にて15分加熱、溶融処理を行い、それぞれ粘度調整剤を得た。得られた粘度調整剤に対して、以下の方法で溶融粘度(ICI粘度)及びゲルタイムを測定した。結果を表1に示す。
<ICI粘度>
粘度調整剤について、150℃に加熱したコーンプレート粘度計(東亜工業(株)製CV-1)を用いてICI粘度を測定した。
<ゲルタイム>
粘度調整剤を、ゲルタイムテスター((株)井元製作所製BIG HEART)で175℃に加温し、熱板上でゲル化するまでの時間を測定した。
Figure 2023003714000015
[実施例6~10、比較例2]
表2に示す割合で、エポキシ樹脂とマレイミド樹脂とを混合してそれぞれ粘度調整剤を得た。
別に、合成例1で製造したプロペニルフェノールに硬化促進剤を加え、プロペニルフェノール含有組成物を得た。
その後、粘度調整剤とプロペニルフェノール含有組成物を混合し、硬化性樹脂組成物を得た。
この硬化性樹脂組成物をアルミの注型用の型に流し込み、120℃で2時間、その後200℃で6時間硬化反応を実施して硬化物を作製した。
得られた硬化物に対して、以下に示される方法で曲げ強度、破壊靭性値を測定し、算出した。
また、得られた硬化性樹脂組成物を用いて、以下に示される方法で金属(銅及びアルミニウム)に対するせん断接着試験片を作製し、接着強度を測定した。
これらの結果を表2に示す。
<硬化物:曲げ強度>
曲げ強度は、JIS K6911に従って矩形試験片(60×10×3mm)を作製し、材料万能試験機((株)島津製作所製オートグラフAGS-X)を用いて、荷重速度1.5mm/分、支点間距離48mm、3点曲げ法で測定した。曲げ強度(σ)と曲げ弾性率(E)は、下記の式に従って算出した。
σ=3PL/2Wh
E=(L/4Wh)×(F/Y)
P:最大荷重
W:試験片の幅
h:試験片の厚み
L:支点間距離
F/Y:応力―歪曲線における初期の直線部分の傾き
<硬化物:破壊靭性値>
破壊靭性値は、ASTM D5045-93に従って矩形試験片(46×10×3mm)を作製し、材料万能試験機((株)島津製作所製オートグラフAGS-X)を用いて、3点曲げ法で測定した。試験片に予めカッティングマシーンで溝を入れ、溝の底にミクロトームの刃を当てハンマーで叩いて切り欠きクラックを入れた。測定は、荷重速度1mm/分、支点間距離40mmで行い、下記の式に従って臨界応力拡大係数(KIC)を算出し、破壊靭性値とした。
KIC=(PS/BW3/2)×f(x)
f(x)=3x1/2{1.99-x(1-x)(2.15-3.93x+2.7x)/{2(1+2x)(1-x)3/2
x=a/W(0.45<x<0.55)
P:最大荷重
S:支点間距離
B:試験片の厚み
W:試験片の幅
a:クラック長さ
<硬化性樹脂組成物:金属に対するせん断接着強度>
JIS K6850に準拠して実施した。すなわち、幅25mm×長さ100mm×厚み1.6mmの金属片2枚の間に、硬化性樹脂組成物を幅25mm×長さ12.5mm、厚み100μmとなるように塗布した。塗布後、恒温槽に投入して120℃で2時間、200℃で6時間硬化させて剥離試験片を作製した。
せん断接着試験に使用した、金属片は、銅板(両面サンドブラスト加工)、銅板(両面平滑加工)、アルミ板(両面サンドブラスト加工)、及びアルミ板(両面平滑加工)であり、いずれもユタカパネルサービス社製のものを使用した。
作製した剥離試験片を、材料万能試験機((株)島津製作所製オートグラフAGS-X)を用いて5mm/分の速度により試験数n=3で引張せん断試験を実施し、引張せん断強度を測定し、その平均値を求めた。
Figure 2023003714000016
[結果の評価]
表1より、実施例1~5の粘度調整剤は、比較例1のマレイミド樹脂単独に比べて流動性が向上し、ゲル化時間が長いことから、エポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物とマレイミド樹脂を混合することで、工業的なハンドリング性が向上する利点があることが分かる。この結果から、マレイミド樹脂以外の硬化成分と混合する際にもゲル化が進行せず、製造方法においても有利な特性になることが予測される。
また、表2より、実施例6~10において、エポキシ当量90~220g/eqのエポキシ化合物を含む粘度調整剤とプロペニル基含有化合物(1)を用いた硬化物は、比較例2のエポキシ化合物を用いていない硬化物に比べて、曲げ強度及び破壊靭性、金属に対する接着強度において優れていることが分かる。

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表されるプロペニル基含有化合物及びエポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物を含む硬化性樹脂組成物。
    Figure 2023003714000017
    (上記式(1)中、Xは2価の連結基であって、直接結合、-SO-、-O-、-CO-、-C(CF-、-S-又は炭素数1~20の脂肪族炭化水素基である。R及びRは、水素原子、炭素数1~10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記式(1)で表されるプロペニル基含有化合物及びエポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物の合計100質量部に対し、更にマレイミド樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂、ラジカル重合性の官能基を有する樹脂、イソシアネート樹脂、酸無水物樹脂及びカルボジイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を0.01~1000質量部含む、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  4. 請求項3に記載の硬化物を含む電気・電子部品。
  5. エポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物と、マレイミド樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂、ラジカル重合性の官能基を有する樹脂、イソシアネート樹脂、酸無水物樹脂及びカルボジイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む粘度調整剤。
  6. エポキシ当量が90~220g/eqのエポキシ化合物と、マレイミド樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂、ラジカル重合性の官能基を有する樹脂、イソシアネート樹脂、酸無水物樹脂及びカルボジイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種とを予め混合した後、該混合物に下記式(1)で表されるプロペニル基含有化合物を混合して硬化性樹脂組成物を得る硬化性樹脂組成物の製造方法。
    Figure 2023003714000018
    (上記式(1)中、Xは2価の連結基であって、直接結合、-SO-、-O-、-CO-、-C(CF-、-S-又は炭素数1~20の脂肪族炭化水素基である。R及びRは、水素原子、炭素数1~10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
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