JP2023003227A - インプリント装置、インプリント方法及び物品の製造方法 - Google Patents

インプリント装置、インプリント方法及び物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インプリント材のはみ出しを抑制するのに有利なインプリント装置を提供する。【解決手段】基板上にインプリント材を配置する動作の開始又は終了から型とインプリント材とを接触させる動作の開始までに要する時間を取得する取得部と、型と基板上のインプリント材とを接触させた状態でインプリント材に光を照射してインプリント材を硬化させる処理を制御する制御部と、を有し、処理は、インプリント材に光を照射することで第1目標粘度に硬化させる本硬化処理の前に、インプリント材が型の外に広がることを抑制するために、インプリント材の少なくとも一部に光を照射することで第1目標粘度よりも低い第2目標粘度に硬化させる予備硬化処理を含み、制御部は、取得部で取得された時間に基づいて、予備硬化処理においてインプリント材に照射する光の照射条件を決定するインプリント装置を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、インプリント装置、インプリント方法及び物品の製造方法に関する。
インプリント装置は、基板上に配置(供給)されたインプリント材に型を接触(押印)させた状態でインプリント材を硬化させることで、基板上にインプリント材の硬化物からなるパターンを形成する。インプリント装置では、基板上に配置されたインプリント材と型とを接触させる際に、インプリント材及び型に力を加える。これにより、基板上でインプリント材が広がり、かかるインプリント材がショット領域の外側や基板のエッジ領域の外側、即ち、型の外にはみ出す虞がある。
そこで、このようなインプリント材のはみ出しを防止するための技術として、型をインプリント材に接触させた状態で、型のメサ部を囲む周辺領域に対して、インプリント材の粘度を増加させるための光を照射する技術が提案されている(特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、型の周辺領域において、メサ部の中心からの距離が互いに異なる複数の領域に対して、インプリント材の粘度を増加させるための光を互いに異なるタイミングで照射する技術が開示されている。
特開2020-74446号公報
インプリント材は、基板上にインプリント材を配置してから型を接触させるまでの時間に応じて広がり、その広がりによって、インプリント材の充填に必要な時間(充填時間)が変動する。例えば、充填時間が短くなると、従来技術のように、インプリント材の粘度を増加させるための光を照射するときには、かかる光の外側にインプリント材が広がっている、或いは、インプリント材のはみ出しが既に発生している可能性がある。このような場合、インプリント材の粘度を増加させるための光を照射しても、インプリント材の粘度を十分に増加させることができず、インプリント材のはみ出しを防止する効果を満足に得ることができない。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、インプリント材のはみ出しを抑制するのに有利なインプリント装置を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としてのインプリント装置は、型を用いて基板上にインプリント材のパターンを形成するインプリント装置であって、前記基板上に前記インプリント材を配置する動作の開始又は終了から前記型と前記インプリント材とを接触させる動作の開始までに要する時間を取得する取得部と、前記型と前記基板上の前記インプリント材とを接触させた状態で前記インプリント材に光を照射して前記インプリント材を硬化させる処理を制御する制御部と、を有し、前記処理は、前記インプリント材に光を照射することで第1目標粘度に硬化させる本硬化処理の前に、前記インプリント材が前記型の外に広がることを抑制するために、前記インプリント材の少なくとも一部に光を照射することで前記第1目標粘度よりも低い第2目標粘度に硬化させる予備硬化処理を含み、前記制御部は、前記取得部で取得された時間に基づいて、前記予備硬化処理において前記インプリント材に照射する光の照射条件を決定することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、インプリント材のはみ出しを抑制するのに有利なインプリント装置を提供することができる。
本発明の一側面としてのインプリント装置の構成を示す概略図である。 インプリント処理を説明するためのフローチャートである。 予備硬化工程を詳細に説明するための図である。 インプリント材が広がる様子を説明するための図である。 経過時間と照射強度との関係を示す図である。 経過時間と照射時間との関係を示す図である。 照射領域の変更の一例を説明するための図である。 経過時間と照射領域との関係を示す図である。 インプリント処理を説明するためのフローチャートである。 インプリント処理を説明するためのフローチャートである。 物品の製造方法を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。更に、添付図面においては、同一もしくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、本発明の一側面としてのインプリント装置1の構成を示す概略図である。インプリント装置1は、物品としての半導体デバイス、液晶表示素子、磁気記憶媒体などの製造工程であるリソグラフィ工程に採用される。インプリント装置1は、基板にパターンを形成する、具体的には、型を用いて基板上にインプリント材のパターンを形成するリソグラフィ装置である。インプリント装置1は、基板上に配置(供給)された未硬化のインプリント材と型とを接触させ、インプリント材に硬化用のエネルギーを与えることにより、型のパターンが転写された硬化物のパターンを形成する。インプリント装置1は、本実施形態では、インプリント材の硬化法として光硬化法を採用する。
インプリント材としては、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する材料(硬化性組成物)が使用される。硬化用のエネルギーとしては、電磁波や熱などが用いられる。電磁波は、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される光、具体的には、赤外線、可視光線、紫外線などを含む。
硬化性組成物は、光の照射、或いは、加熱により硬化する組成物である。光の照射により硬化する光硬化性組成物は、少なくとも重合性化合物と光重合開始剤とを含有し、必要に応じて、非重合性化合物又は溶剤を更に含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種である。
インプリント材は、スピンコーターやスリットコーターによって基板上に膜状に付与されてもよい。また、インプリント材は、液体噴射ヘッドによって、液滴状、或いは、複数の液滴が繋がって形成された島状又は膜状で基板上に付与されてもよい。インプリント材の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下である。
基板には、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂などが用いられ、必要に応じて、その表面に基板とは別の材料からなる部材が形成されていてもよい。具体的には、基板は、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、石英ガラスなどを含む。
本明細書及び添付図面では、基板の表面に平行な方向をXY平面とするXYZ座標系で方向を示す。XYZ座標系におけるX軸、Y軸及びZ軸のそれぞれに平行な方向をX方向、Y方向及びZ方向とし、X軸周りの回転、Y軸周りの回転及びZ軸周りの回転のそれぞれをθX、θY及びθZとする。
インプリント装置1は、図1に示すように、基板上のインプリント材14を硬化させる光9を照射するための第1照射部2と、型8を保持して移動する型保持部3(インプリントヘッド)と、基板10を保持して移動する基板保持部4(基板ステージ)とを有する。また、インプリント装置1は、基板上にインプリント材14を配置(供給)する供給部5(ディスペンサ)と、基板上のインプリント材14の粘度を増加させる光11を照射するための第2照射部6と、計時部7と、制御部15と、記憶部20とを有する。
第1照射部2は、インプリント処理において、ダイクロイックミラー及び型8を介して、基板上のインプリント材14に紫外線などの光9を照射する。第1照射部2は、本実施形態では、基板上のインプリント材14に光9を照射することでインプリント材14を第1目標粘度に硬化させる本硬化工程(本硬化処理)に用いられる。ここで、第1目標粘度は、例えば、基板上のインプリント材14を完全に硬化させたときの粘度である。第1照射部2は、例えば、光9を発する光源と、光源から発せられた光9をインプリント処理に適切な状態に調整するための光学系とを含む。
型保持部3は、型8を保持する型チャック13aと、型チャック13a(型8)を上下方向(Z方向)に駆動する型駆動部13bとを含む。型駆動部13bは、本実施形態では、型8を保持した型チャック13aを下方向(-Z方向)に駆動することによって、型8を、詳細には、型8のパターン領域8aと基板上のインプリント材14とを接触させる(押印)。また、型駆動部13bは、型8を保持した型チャック13aを上方向(+Z方向)に駆動することによって、基板上の硬化したインプリント材14から型8を引き離す(離型)。なお、型8のパターン領域8aと基板上のインプリント材14とを接触させてからインプリント材14を硬化させるまでの間、型保持部3は、型8が基板上のインプリント材14に一定の力(押印力)を与えるように、制御部15に制御される。
基板保持部4は、基板10を保持する基板チャック16と、基板チャック16(基板10)を少なくともX方向及びY方向に駆動する駆動部17とを含む。基板保持部4は、本実施形態では、少なくとも2軸(X軸及びY軸)に関して基板10を位置決めすることで、型8に対して基板10を位置合わせ(アライメント)する。
供給部5は、例えば、基板上でのインプリント材14の配置を示すドロップレシピに従って、かかる配置が再現されるように、基板上にインプリント材14を配置、供給又は分配する機能を有する。供給部5は、本実施形態では、インプリント材14の液滴を吐出して、基板上(のショット領域(パターンを形成すべき区画領域))にインプリント材14の液滴を配置する。
第2照射部6は、光変調素子12、ダイクロイックミラー及び型8を介して、基板上のインプリント材14に、インプリント材14が重合反応する波長の光11を照射する。第2照射部6は、本実施形態では、本硬化処理の前に、インプリント材14の少なくとも一部に光11を照射することで第2目標粘度に硬化させる予備硬化工程(予備硬化処理)に用いられる。予備硬化工程を設けることで、基板上のインプリント材14が型8の外に広がること、即ち、はみ出しを抑制することができる。ここで、第2目標粘度は、第1目標粘度よりも低い粘度であって、基板上にインプリント材14を配置したときの第1粘度(初期粘度)、及び、基板上に配置されたインプリント材14に予備硬化処理を開始するときの第2粘度よりも高い粘度である。
第2照射部6は、インプリント材14を第2目標粘度(所望の粘度)に重合反応させるために必要な光出力が得られる光源として、例えば、ランプ、レーザダイオード、LEDなどを含む。第2照射部6からの光11は、光変調素子12に導かれる。光変調素子12は、本実施形態では、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を含む。但し、光変調素子12は、DMDに限定されるものではなく、LCDデバイスやLCOSデバイスなどのその他の空間光変調素子を含んでもよい。本実施形態では、第2照射部6と基板10との間に光変調素子12を配置することで、第2照射部6から基板上のインプリント材14に照射される光11の照射強度や照射領域を任意に設定することができる。
計時部7は、例えば、CPUやメモリなどを含むコンピュータ(情報処理装置)で構成され、インプリント装置1の各動作時間や各処理時間を計測する。計時部7は、本実施形態では、基板上にインプリント材14を配置してからの経過時間を取得する取得部として機能する。計時部7は、基板上にインプリント材14を配置する動作の開始又は終了から型8とインプリント材14とを接触させる動作の開始までに要する時間(経過時間)を実測して取得する。なお、このような計時部7の機能は、制御部15で実現することも可能である。
制御部15は、例えば、CPUやメモリなどを含むコンピュータ(情報処理装置)で構成され、記憶部20などに記憶されたプログラムに従ってインプリント装置1の各部を統括的に制御する。制御部15は、インプリント装置1の各部の動作などを制御することで、基板上のインプリント材14を型8で成形してインプリント材14のパターンを形成するインプリント処理を行う。
図2を参照して、インプリント装置1の動作について説明する。図2は、インプリント装置1の動作、即ち、本実施形態におけるインプリント処理を説明するためのフローチャートである。インプリント処理は、上述したように、制御部15がインプリント装置1の各部を統括的に制御することで行われる。ここでは、基板上の1つのショット領域(対象ショット領域)に対して行われるインプリント処理を例に説明する。
S101では、基板上にインプリント材14を配置する配置工程を行う。具体的には、基板保持部4により、供給部5に対して基板10を移動させながら、供給部5からインプリント材14の液滴を吐出することで、基板上の対象ショット領域にインプリント材14(の液滴)を配置する。
S102では、計時部7により、基板上にインプリント材14を配置してからの経過時間の計測(実測)を開始する。ここでは、基板上にインプリント材14を配置した時刻を記憶する。なお、S102は、S101の直前に実施してもよい。
S103では、基板上の対象ショット領域が型8の下の位置(押印位置)に位置決めされるように、基板10を保持した基板保持部4を移動させる。
S104では、基板上にインプリント材14を配置してからの経過時間に基づいて、基板上のインプリント材14を第2目標粘度に硬化させる予備硬化処理においてインプリント材14に照射する光11の照射条件を決定する。具体的には、基板上にインプリント材14を配置してからの経過時間として、計時部7により、S102で記憶した時刻からの経過時間を取得する。そして、かかる経過時間を少なくとも用いて、基板上のインプリント材14の粘性を増加させて第2目標粘性にするために必要となる光11の照射条件を制御部15で決定する。なお、基板上にインプリント材14を配置してからの経過時間に加えて、型8を用いて基板上にインプリント材14のパターンを形成するインプリント処理に関するインプリント条件も用いて、第2照射部6から照射する光11の照射条件を決定してもよい。ここで、インプリント条件は、例えば、基板上のインプリント材14に型8を接触させる際の型8と基板10との相対的な姿勢、型8が基板上のインプリント材14に与える力(押印力)、型8とインプリント材14とを接触させている時間(接触時間)を含む。また、インプリント条件は、基板上でのインプリント材14の配置を示すドロップレシピ、基板上のショット領域の位置や処理順番なども含む。なお、S104は、第2照射部6から基板上のインプリント材14に光11を照射するまでに、即ち、予備硬化工程を開始するまでに実施すればよい。
S105では、基板上に配置されたインプリント材14と型8とを接触させる接触工程を行う。具体的には、型保持部3により型8を下方向に移動させ、型8と基板10とを近づけることで、型8のパターン領域8aと基板上のインプリント材14の液滴とを接触させる。
S106では、基板上のインプリント材14を第2目標粘度に硬化させる予備硬化処理を行う。具体的には、型8のパターン領域8aを基板上のインプリント材14に接触させる際に、S104で決定した照射条件に従って、第2照射部6から型8のパターン領域8aを囲む周辺領域(基板上のインプリント材14の一部)に光11を照射する。なお、S106は、S105と並行して実施される。
S107では、基板上のインプリント材14に光9を照射することで第1目標粘度に硬化させる本硬化処理を行う。具体的には、型8へのインプリント材14の充填が完了したら、型8とインプリント材14とを接触させた状態で、第1照射部2から型8のパターン領域8a及び周辺領域(基板上のインプリント材14)に光9を照射して、インプリント材14を硬化させる。
S108では、基板上の硬化したインプリント材14から型8を引き離す離型工程を行う。具体的には、型保持部3により型8を上方向に移動させ、型8と基板10とを遠ざけることで、基板上の硬化したインプリント材14から型8のパターン領域8aを引き離す。
このようにして、基板上の1つのショット領域に対するインプリント処理が終了し、かかるショット領域にインプリント材14のパターンが形成される。図2に示す各工程を基板上の全てのショット領域で繰り返し、基板10に対するインプリント処理を終了する。
図3(a)及び図3(b)を参照して、予備硬化工程(S106)について詳細に説明する。予備硬化工程では、図3(a)に示すように、第2照射部6からの光11を、型8のパターン領域8aの外周部である側面8bを含む周辺領域(照射領域18)のみに照射する。第2照射部6から照射する光11は、上述したように、インプリント材14が重合反応する光であればよい。但し、第2照射部6からの光11を照射することで基板上のインプリント材14が完全に硬化してしまうと、接触工程(S105)において、型8と基板10とのアライメントを行うことができない。従って、予備硬化工程では、基板上のインプリント材14を硬化させずに、型8のパターン領域8aの近傍のインプリント材14の粘性が高くなる程度の光11を照射する必要がある。
図3(b)は、型8を介して基板上に照射される光11の照射領域18と、型8の側面8b(周辺領域)との関係を示している。図3(a)及び図3(b)に示すように、第2照射部6からの光11の照射領域18は、型8のパターン領域8aの側面8bを含む領域である。図3(a)及び図3(b)に示すように照射領域18を設定することで、基板上のインプリント材14と型8とを接触させた際に、インプリント材14が型8のパターン領域8aの外側にはみ出すことを抑制(防止)することができる。
図4(a)乃至図4(b)を参照して、予備硬化工程において、基板上のインプリント材14(の液滴)が広がる様子について説明する。図4(a)に示すように、型8と基板10とを近づけることで、型8のパターン領域8aと基板上のインプリント材14とを接触させる。この際、型8のパターン領域8aを基板10に対して凸形状に変形させてインプリント材14と接触させてもよい。型8と基板上のインプリント材14とを接触させると、インプリント材14は、図4(b)に示すように、型8のパターン領域8aの中心付近から外側(外衣週部)に向かって広がり始める。そして、図4(c)に示すように、インプリント材14の気液界面14bが光11の照射領域18に到達すると、光11が照射されたインプリント材14の部分(気液界面14b)で重合反応が開始され、かかる部分の粘度が増加する。型8のパターン領域8aの周辺領域に存在するインプリント材14の粘度が増加することで、パターン領域8aの外側に向かって広がるインプリント材14の気液界面14bの速度が低下するため、インプリント材14のはみ出しを抑制することができる。従って、予備硬化工程では、インプリント材14の粘度を第2目標粘度に増加させるために必要となる光11の照射強度、照射時間、照射領域などを含む照射条件を適切に決定(設定)する必要がある。
本実施形態では、予備硬化工程において基板上のインプリント材14に照射する光11の照射条件として、インプリント材14に対して照射する光11の照射強度、照射時間及び照射領域のうちの少なくとも1つを含む。以下では、インプリント材14に対して照射する光11の照射強度、照射時間及び照射領域のそれぞれを例として、予備硬化処理においてインプリント材14に照射する光11の照射条件を決定する工程(S104)について詳細に説明する。
予備硬化処理においてインプリント材14に照射する光11の照射条件として、インプリント材14に対して照射する光11の照射強度を決定する場合を説明する。まず、基板上にインプリント材14を配置してから型8とインプリント材14とを接触させるまでの経過時間と、インプリント材14に照射する光11の照射強度とを変更しながら、それに対応するインプリント材14のはみ出し量(はみ出しの有無)を求める。インプリント材14のはみ出し量は、インプリント装置1に設けられている撮像部(不図示)で基板10を撮像して得られる画像を画像処理することで求めてもよいし、外部の計測装置を用いて求めてもよい。図5は、基板上にインプリント材14を配置してから型8とインプリント材14とを接触させるまでの経過時間と、インプリント材14に対して照射する光11の照射強度との関係を示す図である。図5では、横軸を経過時間T、縦軸を光11の照射強度とし、型8と基板上のインプリント材14とを接触させた際に、インプリント材14のはみ出しが発生しなくなったときの光11の照射強度をプロットしている。かかるプロットから近似曲線を求めることで、経過時間Tに対して必要となる光11の照射強度を示す関数F_int(T)を得ることができる。本実施形態では、図5に示すように、線形近似を用いているが、非線形近似を用いてもよい。また、記憶部20にプロットデータを記憶させ、制御部15が関数F_int(T)を算出するようにしてもよいし、外部装置で算出した関数F_int(T)を制御部15が取得するようにしてもよい。本実施形態では、関数F_int(T)に経過時間Tを代入することによって、予備硬化工程において基板上のインプリント材14に照射する光11の最適な照射強度を決定する。これにより、基板上にインプリント材14を配置してからの経過時間Tが長いほど、インプリント材14に対して照射する光11の照射強度が強くなるように、照射条件が決定されるため、インプリント材14のはみ出しを効果的に抑制することができる。
予備硬化処理においてインプリント材14に照射する光11の照射条件として、インプリント材14に対して照射する光11の照射時間を決定する場合を説明する。まず、基板上にインプリント材14を配置してから型8とインプリント材14とを接触させるまでの経過時間と、インプリント材14に照射する光11の照射時間とを変更しながら、それに対応するインプリント材14のはみ出し量(はみ出しの有無)を求める。図6は、基板上にインプリント材14を配置してから型8とインプリント材14とを接触させるまでの経過時間と、インプリント材14に対して照射する光11の照射時間との関係を示す図である。図6では、横軸を経過時間T、縦軸を光11の照射時間とし、型8と基板上のインプリント材14とを接触させた際に、インプリント材14のはみ出しが発生しなくなったときの光11の照射時間をプロットしている。かかるプロットから近似曲線を求めることで、経過時間Tに対して必要となる光11の照射時間を示す関数F_time(T)を得ることができる。本実施形態では、図6に示すように、線形近似を用いているが、非線形近似を用いてもよい。また、記憶部20にプロットデータを記憶させ、制御部15が関数F_time(T)を算出するようにしてもよいし、外部装置で算出した関数F_time(T)を制御部15が取得するようにしてもよい。本実施形態では、関数F_time(T)に経過時間Tを代入することによって、予備硬化工程において基板上のインプリント材14に照射する光11の最適な照射時間を決定する。これにより、基板上にインプリント材14を配置してからの経過時間Tが長いほど、インプリント材14に対して照射する光11の照射時間が長くなるように、照射条件が決定されるため、インプリント材14のはみ出しを効果的に抑制することができる。
予備硬化処理においてインプリント材14に照射する光11の照射条件として、インプリント材14に対して照射する光11の照射領域を決定する場合を説明する。まず、基板上にインプリント材14を配置してから型8とインプリント材14とを接触させるまでの経過時間と、インプリント材14に照射する光11の照射領域とを変更しながら、それに対応するインプリント材14のはみ出し量(はみ出しの有無)を求める。インプリント材14に照射する光11の照射領域の変更は、例えば、図7(a)及び図7(b)に示すように、型8のパターン領域8aの側面8bを含む照射領域18の幅を幅18aや幅18bに変更することで実現することができる。図8は、基板上にインプリント材14を配置してから型8とインプリント材14とを接触させるまでの経過時間と、インプリント材14に対して照射する光11の照射領域との関係を示す図である。図8では、横軸を経過時間T、縦軸を光11の照射領域とし、型8と基板上のインプリント材14とを接触させた際に、インプリント材14のはみ出しが発生しなくなったときの光11の照射領域をプロットしている。かかるプロットから近似曲線を求めることで、経過時間Tに対して必要となる光11の照射領域を示す関数F_area(T)を得ることができる。本実施形態では、図8に示すように、線形近似を用いているが、非線形近似を用いてもよい。また、記憶部20にプロットデータを記憶させ、制御部15が関数F_area(T)を算出するようにしてもよいし、外部装置で算出した関数F_area(T)を制御部15が取得するようにしてもよい。本実施形態では、関数F_area(T)に経過時間Tを代入することによって、予備硬化工程において基板上のインプリント材14に照射する光11の最適な照射領域を決定する。これにより、基板上にインプリント材14を配置してからの経過時間Tが長いほど、インプリント材14に対して照射する光11の照射領域が広くなるように、照射条件が決定されるため、インプリント材14のはみ出しを効果的に抑制することができる。
このように、本実施形態では、基板上にインプリント材14を配置してからの経過時間と、かかる経過時間に対応してインプリント材14が型8の外に広がるのを防ぐために必要となる照射条件との関係を示す情報を記憶部20に予め記憶させる。そして、制御部15は、計時部で実測された経過時間と、記憶部20に記憶された、経過時間と照射条件との関係を示す情報とに基づいて、予備硬化処理においてインプリント材14に照射する光11の照射条件を決定する。
なお、本実施形態では、基板上にインプリント材14を配置してからの経過時間に基づいて、インプリント材14に対して照射する光11の照射強度、照射時間又は照射領域(1つの照射条件)を決定しているが、これに限定されるものではない。例えば、インプリント材14に対して照射する光11の照射強度、照射時間及び照射領域のうちの複数の組み合わせ(複数の照射条件)を決定してもよいし、照射強度、照射時間及び照射領域の全て(全ての照射条件)を決定してもよい。
また、図5に示す関数F_int(T)、図6に示す関数F_time(T)、図8に示す関数F_area(T)などの、経過時間と照射条件との関係を示す情報は、インプリント材14の種類(材料、性質など)によって異なる。従って、基板上にインプリント材14を配置してからの経過時間と、インプリント材14のはみ出しを防ぐために必要となる照射条件との関係を示す情報は、インプリント材14の種類ごとに求めるとよい。
図9を参照して、基板上の複数のショット領域にインプリント材14(の液滴)を一括して配置し、インプリント材14が配置された複数のショット領域に対して連続的に行われるインプリント処理について説明する。
S201では、基板上の複数のショット領域にインプリント材14を配置する配置工程を行う。具体的には、基板保持部4により、供給部5に対して基板10を移動させながら、供給部5からインプリント材14の液滴を吐出することで、基板上の複数のショット領域に続けてインプリント材14(の液滴)を配置する。
S202では、計時部7により、基板上の複数のショット領域にインプリント材14を配置してからの経過時間の計測(実測)を開始する。ここでは、基板上の複数のショット領域にインプリント材14を配置した時刻を記憶する。なお、S202は、S201の直前に実施してもよい。
S203では、インプリント材14が配置された基板上の複数のショット領域のうちの対象ショット領域が型8の下の位置(押印位置)に位置決めされるように、基板10を保持した基板保持部4を移動させる。
S204では、基板上の複数のショット領域のうちの対象ショット領域について、かかる対象ショット領域にインプリント材14を配置してからの経過時間に基づいて、予備硬化処理においてインプリント材14に照射する光11の照射条件を決定する。具体的には、基板上の複数のショット領域のうちの対象ショット領域にインプリント材14を配置してからの経過時間として、計時部7により、S202で記憶した時刻からの経過時間を取得する。そして、かかる経過時間を少なくとも用いて、基板上のインプリント材14の粘性を増加させて第2目標粘性にするために必要となる光11の照射条件を制御部15で決定する。なお、S204は、第2照射部6から基板上の対象ショット領域に配置されたインプリント材14に光11を照射するまでに、即ち、予備硬化工程を開始するまでに実施すればよい。
S205では、基板上の複数のショット領域のうちの対象ショット領域に配置されたインプリント材14と型8とを接触させる接触工程を行う。具体的には、型保持部3により型8を下方向に移動させ、型8と基板10とを近づけることで、型8のパターン領域8aと対象ショット領域に配置されたインプリント材14の液滴とを接触させる。
S206では、基板上の複数のショット領域のうちの対象ショット領域に配置されたインプリント材14を第2目標粘度に硬化させる予備硬化処理を行う。具体的には、型8のパターン領域8aを対象ショット領域に配置されたインプリント材14に接触させる際に、S204で決定した照射条件に従って、第2照射部6から型8の周辺領域(基板上のインプリント材14の一部)に光11を照射する。なお、S206は、S205と並行して実施される。
S207では、基板上の複数のショット領域のうちの対象ショット領域に配置されたインプリント材14に光9を照射することで第1目標粘度に硬化させる本硬化処理を行う。具体的には、型8へのインプリント材14の充填が完了したら、型8とインプリント材14とを接触させた状態で、第1照射部2から型8のパターン領域8a及び周辺領域(インプリント材14)に光9を照射して、インプリント材14を硬化させる。
S208では、基板上の複数のショット領域のうちの対象ショット領域の硬化したインプリント材14から型8を引き離す離型工程を行う。具体的には、型保持部3により型8を上方向に移動させ、型8と基板10とを遠ざけることで、対象ショット領域の硬化したインプリント材14から型8のパターン領域8aを引き離す。
S203からS208までをインプリント材14が配置されたショット領域の数分繰り返すことで、複数のショット領域に対する連続的なインプリント処理が終了し、かかる複数のショット領域のそれぞれにインプリント材14のパターンが形成される。
図2及び図9に示すインプリント処理では、基板上にインプリント材14を配置してから型8とインプリント材14とを接触させるまでの経過時間を実測している。但し、基板上にインプリント材14を配置してから型8とインプリント材14とを接触させるまでの経過時間は、例えば、インプリント条件などから、制御部15で予測することも可能である。この場合、制御部15は、基板上にインプリント材14を配置してから型8とインプリント材14とを接触させるまでの経過時間を予測する予測部としても機能する。
図10を参照して、基板上にインプリント材14を配置してから型8とインプリント材14とを接触させるまでの経過時間を予測する場合におけるインプリント処理について説明する。ここでは、図9で説明したように、基板上の複数のショット領域にインプリント材14(の液滴)を一括して配置し、インプリント材14が配置された複数のショット領域に対してインプリント処理が連続的に行われるものとする。
S301では、基板上の複数のショット領域のそれぞれについて、ショット領域にインプリント材14を配置してから型8とインプリント材14とを接触させるまでの経過時間を予測する。
S302では、基板上の複数のショット領域のそれぞれについて、S301で予測された経過時間に基づいて、予備硬化処理においてインプリント材14に照射する光11の照射条件を決定する。なお、S302は、第2照射部6から基板上の対象ショット領域に配置されたインプリント材14に光11を照射するまでに、即ち、予備硬化工程を開始するまでに実施すればよい。
S303では、基板上の複数のショット領域にインプリント材14を配置する配置工程を行う。具体的には、基板保持部4により、供給部5に対して基板10を移動させながら、供給部5からインプリント材14の液滴を吐出することで、基板上の複数のショット領域に続けてインプリント材14(の液滴)を配置する。
S304では、インプリント材14が配置された基板上の複数のショット領域のうちの対象ショット領域が型8の下の位置(押印位置)に位置決めされるように、基板10を保持した基板保持部4を移動させる。
S305では、基板上の複数のショット領域のうちの対象ショット領域に配置されたインプリント材14と型8とを接触させる接触工程を行う。具体的には、型保持部3により型8を下方向に移動させ、型8と基板10とを近づけることで、型8のパターン領域8aと対象ショット領域に配置されたインプリント材14の液滴とを接触させる。
S306では、基板上の複数のショット領域のうちの対象ショット領域に配置されたインプリント材14を第2目標粘度に硬化させる予備硬化処理を行う。具体的には、型8のパターン領域8aを対象ショット領域に配置されたインプリント材14に接触させる際に、S302で決定した照射条件に従って、第2照射部6から型8の周辺領域(基板上のインプリント材14の一部)に光11を照射する。なお、S306は、S305と並行して実施される。
S307では、基板上の複数のショット領域のうちの対象ショット領域に配置されたインプリント材14に光9を照射することで第1目標粘度に硬化させる本硬化処理を行う。具体的には、型8へのインプリント材14の充填が完了したら、型8とインプリント材14とを接触させた状態で、第1照射部2から型8のパターン領域8a及び周辺領域(インプリント材14)に光9を照射して、インプリント材14を硬化させる。
S308では、基板上の複数のショット領域のうちの対象ショット領域の硬化したインプリント材14から型8を引き離す離型工程を行う。具体的には、型保持部3により型8を上方向に移動させ、型8と基板10とを遠ざけることで、対象ショット領域の硬化したインプリント材14から型8のパターン領域8aを引き離す。
S304からS308までをインプリント材14が配置されたショット領域の数分繰り返すことで、複数のショット領域に対する連続的なインプリント処理が終了し、かかる複数のショット領域のそれぞれにインプリント材14のパターンが形成される。
ここで、基板上の複数のショット領域のそれぞれについて、ショット領域にインプリント材14を配置してから型8とインプリント材14とを接触させるまでの経過時間を予測する工程(S301)について詳細に説明する。
例えば、経過時間が、基板上の各ショット領域に対して接触工程が実施される順番(以下、「ショット順」と称する)に依存する場合、ショット順nを用いて経過時間Tprを予測(計算)することが可能である。基板上のn番目のショット領域にインプリント材14を配置してから型8とインプリント材14とを接触させるまでの経過時間Tpr_nは、以下のように予測される。(n-1)番目までのショット領域に対してS304、S305、S307及びS308に要する時間(合計時間)と、n番目のショット領域に対してS304に要する時間とを足し合わせることで得られる時間を、経過時間Tpr_nとして予測する。なお、S306は、S305と並行して実施されるため、S306に要する時間を足し合わせる必要はない。
基板上のk番目のショット領域に対して、S304、S305、S307及びS308に要する時間を、それぞれ、T304_k、T305_k、T307_k及びT308_kとすると、経過時間Tpr_nは、以下の式で表される。
Figure 2023003227000002
かかる式を参照するに、経過時間Tpr_1を計算することができれば、経過時間Tpr_2を計算することができ、経過時間Tpr_2を計算することができれば、経過時間Tpr_3を計算することができる。このように、経過時間Tpr_1の値から順に、基板上の全てのショット領域について、経過時間Tpr_nを計算することができる。なお、経過時間Tpr_1の値は、T304_1と同じである。
基板上のk番目のショット領域に対してS304に要する時間T304_kは、(k-1)番目のショット領域からk番目のショット領域までの距離と、基板保持部4の加速度、最高速度及び整定時間とから計算することができる。なお、k=1の場合は、(k-1)番目のショット領域からk番目のショット領域までの距離を、配置工程の終了時の位置から1番目のショット領域までの距離とすればよい。
基板上のk番目のショット領域に対してS305に要する時間T305_kは、型8を基板上のインプリント材14に近づけて接触させるまでに要する時間と、型8へのインプリント材14の充填に要する時間(充填時間)との和となる。型8を基板上のインプリント材14に近づけて接触させるまでに要する時間は、型8の初期位置からインプリント材14までの距離と、型保持部3による型8の下降の加速度、最高速度及び整定時間とから計算することができる。充填時間は、インプリント条件として、各ショット領域に対して予め設定された値(時間)を用いることができる。
基板上のk番目のショット領域に対してS307に要する時間T307_kは、第1照射部2から基板上のインプリント材14に照射される光9の照射時間を用いることができる。
基板上のk番目のショット領域に対してS308に要する時間T308_kは、型8を基板上の硬化したインプリント材14から引き離して初期位置に戻すまでに要する時間となる。型8を基板上の硬化したインプリント材14から引き離して初期位置に戻すまでに要する時間は、型8の初期位置からインプリント材14までの距離と、型保持部3による型8の上昇の加速度、最高速度及び整定時間とから計算することができる。
なお、型保持部3や基板保持部4の駆動に関する加速度、最高速度、整定時間、及び、第1照射部2からの光9の照射時間は、装置設定として一定値としてもよいし、ショット領域ごとに設定してもよい。
このように、本実施形態では、基板上にインプリント材14を配置してからの経過時間に応じて、予備硬化工程において、第2照射部6から基板上のインプリント材14の一部に照射する光11の照射条件を最適に決定することができる。これにより、予備硬化工程において、基板上のインプリント材14の粘度を十分に増加させ(第2目標粘度にして)、型8とインプリント材14とを接触させた際に発生するインプリント材14のはみ出しを抑制(防止)することができる。
インプリント装置1を用いて形成した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは、各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型などである。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMなどの揮発性又は不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAなどの半導体素子などが挙げられる。型としては、インプリント用のモールドなどが挙げられる。
硬化物のパターンは、上述の物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入などが行われた後、レジストマスクは除去される。
次に、物品の具体的な製造方法について説明する。図11(a)に示すように、絶縁体などの被加工材が表面に形成されたシリコンウエハなどの基板を用意し、続いて、インクジェット法などにより、被加工材の表面にインプリント材を付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材が基板上に付与された様子を示している。
図11(b)に示すように、インプリント用の型を、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材に向け、対向させる。図11(c)に示すように、インプリント材が付与された基板と型とを接触させ、圧力を加える。インプリント材は、型と被加工材との隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギーとして光を型を介して照射すると、インプリント材は硬化する。
図11(d)に示すように、インプリント材を硬化させた後、型と基板を引き離すと、基板上にインプリント材の硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型の凹部が硬化物の凸部に、型の凸部が硬化物の凹部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材に型の凹凸のパターンが転写されたことになる。
図11(e)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材の表面のうち、硬化物がない、或いは、薄く残存した部分が除去され、溝となる。図11(f)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材の表面に溝が形成された物品を得ることができる。ここでは、硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子などに含まれる層間絶縁用の膜、即ち、物品の構成部材として利用してもよい。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
1:インプリント装置 2:第1照射部 3:型保持部 4:基板保持部 5:供給部 6:第2照射部 7:計時部 8:型 10:基板 15:制御部

Claims (14)

  1. 型を用いて基板上にインプリント材のパターンを形成するインプリント装置であって、
    前記基板上に前記インプリント材を配置する動作の開始又は終了から前記型と前記インプリント材とを接触させる動作の開始までに要する時間を取得する取得部と、
    前記型と前記基板上の前記インプリント材とを接触させた状態で前記インプリント材に光を照射して前記インプリント材を硬化させる処理を制御する制御部と、
    を有し、
    前記処理は、前記インプリント材に光を照射することで第1目標粘度に硬化させる本硬化処理の前に、前記インプリント材が前記型の外に広がることを抑制するために、前記インプリント材の少なくとも一部に光を照射することで前記第1目標粘度よりも低い第2目標粘度に硬化させる予備硬化処理を含み、
    前記制御部は、前記取得部で取得された時間に基づいて、前記予備硬化処理において前記インプリント材に照射する光の照射条件を決定することを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記照射条件は、前記インプリント材に対して照射する光の照射強度、前記インプリント材に対して照射する光の照射時間、及び、前記インプリント材に対して照射する光の照射領域のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記制御部は、前記取得部で取得された時間が長いほど、前記照射強度が強くなるように、前記照射条件を決定することを特徴とする請求項2に記載のインプリント装置。
  4. 前記制御部は、前記取得部で取得された時間が長いほど、前記照射時間が長くなるように、前記照射条件を決定することを特徴とする請求項2に記載のインプリント装置。
  5. 前記制御部は、前記取得部で取得された時間が長いほど、前記照射領域が広くなるように、前記照射条件を決定することを特徴とする請求項2に記載のインプリント装置。
  6. 前記基板上に前記インプリント材を配置する動作の開始又は終了から前記型と前記インプリント材とを接触させる動作の開始までに要する時間と、当該時間に対応して前記インプリント材が前記型の外に広がることを防ぐために必要となる前記照射条件との関係を示す情報を記憶する記憶部を更に有し、
    前記制御部は、前記取得部で取得された時間と、前記記憶部に記憶された情報とに基づいて、前記照射条件を決定することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  7. 前記取得部は、前記基板上に前記インプリント材を配置する動作の開始又は終了から前記型と前記インプリント材とを接触させる動作の開始までに要する時間を実測する計時部を含むことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  8. 前記取得部は、前記基板上に前記インプリント材を配置する動作の開始又は終了から前記型と前記インプリント材とを接触させる動作の開始までに要する時間を予測する予測部を含むことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  9. 前記予測部は、前記型を用いて前記基板上に前記インプリント材のパターンを形成するインプリント処理に関するインプリント条件に基づいて、前記時間を算出することを特徴とする請求項8に記載のインプリント装置。
  10. 前記型は、パターンが設けられたパターン領域と、前記パターン領域を囲む周辺領域と、を含み、
    前記予備硬化処理では、前記周辺領域のみに光を照射し、
    前記本硬化処理では、前記パターン領域及び前記周辺領域に光を照射することを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  11. 前記第2目標粘度は、前記基板上に前記インプリント材を配置したときの前記インプリント材の第1粘度、及び、前記基板上に配置された前記インプリント材に前記予備硬化処理を開始するときの前記インプリント材の第2粘度よりも高く、
    前記第2粘度は、前記第1粘度よりも高いことを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  12. 前記基板上の複数のショット領域のそれぞれに前記インプリント材を配置して、前記複数のショット領域のそれぞれに前記インプリント材のパターンを連続的に形成する場合において、
    前記取得部は、前記複数のショット領域のそれぞれについて、前記時間を取得し、
    前記制御部は、前記複数のショット領域のそれぞれについて、前記取得部で取得された前記時間に基づいて、前記照射条件を決定することを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  13. 型を用いて基板上にインプリント材のパターンを形成するインプリント方法であって、
    前記基板上に前記インプリント材を配置する動作の開始又は終了から前記型と前記インプリント材とを接触させる動作の開始までに要する時間を取得する第1工程と、
    前記型と前記基板上の前記インプリント材とを接触させた状態で前記インプリント材に光を照射して前記インプリント材を硬化させる処理を制御する第2工程と、
    を有し、
    前記処理は、前記インプリント材に光を照射することで第1目標粘度に硬化させる本硬化処理の前に、前記インプリント材が前記型の外に広がることを抑制するために、前記インプリント材の少なくとも一部に光を照射することで前記第1目標粘度よりも低い第2目標粘度に硬化させる予備硬化処理を含み、
    前記第2工程の前に、前記第1工程で取得された時間に基づいて、前記予備硬化処理において前記インプリント材に照射する光の照射条件を決定する第3工程を更に有することを特徴とするインプリント方法。
  14. 請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載のインプリント装置を用いてパターンを基板に形成する工程と、
    前記工程で前記パターンが形成された前記基板を処理する工程と、
    処理された前記基板から物品を製造する工程と、
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
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