JP2023000946A - 湿式塗装ブース循環水の処理装置および処理方法 - Google Patents

湿式塗装ブース循環水の処理装置および処理方法 Download PDF

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Tsuneyuki Yoshida
秀揮 西田
Hideki Nishida
道雄 池松
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Abstract

Figure 2023000946000001
【課題】循環水によって捕捉した余剰塗料に処理を施して塗料汚泥(スラッジ)を効率的に得、得られた塗料汚泥を効率的に除去することができる、湿式塗装ブース循環水の処理装置および処理方法を提供する。
【解決手段】湿式塗装ブース1において発生する余剰塗料を循環水で捕捉し、捕捉した余剰塗料を含む循環水を循環水ピットに送り、循環水ピットに前記循環水を一時的に留め、循環水ピットに留められた循環水の中でマイクロナノバブルを含む水を噴射して、余剰塗料からなるスラッジを浮上させ、浮上したスラッジの全部若しくは一部を循環水から除去し、次いでスラッジが除去された循環水を循環水ピットから湿式塗装ブースに戻す構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、湿式塗装ブース循環水の処理装置および処理方法に関する。より詳細に、本発明は、循環水によって捕捉した余剰塗料を不粘着化、凝結、凝集などの処理を施して塗料汚泥(スラッジ)を効率的に得、得られた塗料汚泥を浮上させて、効率的に除去することができる、湿式塗装ブース循環水の処理装置および処理方法に関する。
湿式塗装ブースにおいて塗着しなかった余剰塗料を循環水で捕捉する。次いで循環水に捕捉された余剰塗料を除去し、余剰塗料の除去された循環水を湿式塗装ブースで再使用する。そのために、湿式塗装ブース循環水に捕捉された余剰塗料を除去する方法が種々提案されている。
例えば、特許文献1は、湿式塗装ブースから排出される、余剰塗料と水とを含んでなる循環水をピットに所定時間滞留させ、該ピットの上流域において、前記循環水に、フェノール樹脂溶液又は分散液、低分子カチオン性ポリマー溶液又は分散液、タンニンアルカリ溶液、ベンジル基を含む高分子カチオン性ポリマー溶液又は分散液、および高分子アニオン性ポリマー溶液又は分散液を添加し、これにマイクロナノバブルを添加して、塗料浮上スラッジを形成させ、次いで 循環水から塗料浮上スラッジの全部若しくは一部を除去する、ことを含む、湿式塗装ブース循環水の処理方法を開示している。
特許文献2は、湿式塗装ブースからピットの一方の端若しくはその近辺に向かって流れている循環水、およびピットの一方の端若しくはその近辺に流れ込んでピット内に溜まった循環水と混ざり合っている循環水からなる群から選ばれる少なくともひとつに、マイクロナノバブルを添加して、塗料浮上スラッジを形成させ、次いで循環水から塗料浮上スラッジの全部若しくは一部を除去し、次いで循環水をピットの他方の端若しくはその近辺から湿式塗装ブースに戻すことを含む、湿式塗装ブース循環水の処理方法を開示している。
特許文献3は、塗料を含む湿式塗装ブース循環水に、フェノール系樹脂のアルカリ溶液を添加して該循環水中の塗料を処理するにあたり、該循環水のpHを6.5~8.0に調整する方法であって、該循環水のpHが8.0以下の所定の値になった場合に、該フェノール系樹脂のアルカリ溶液の添加量を増加させることを特徴とする湿式塗装ブース循環水の処理方法を開示している。
特許文献4は、湿式塗装ブース循環水中の塗料の不粘着化、凝集ないしは浮上のための処理薬剤の該循環水への薬注制御方法であって、該循環水の発泡量(例えば、循環水槽における泡高さ)に基づいて、該循環水への該処理薬剤の添加を制御することを特徴とする湿式塗装ブース循環水処理薬剤の薬注制御方法。
特許文献5は、湿式塗装ブース循環水中の塗料の不粘着化、凝集ないしは浮上のための処理薬剤の該循環水への薬注制御方法であって、該循環水の濁度又は懸濁物質濃度に基づいて、該循環水への該処理薬剤の添加を制御することを特徴とする湿式塗装ブース循環水処理薬剤の薬注制御方法を開示している。
特開2020-93228号公報 特開2020-142177号公報 WO 2016/013586 A1 特開2019-202281号公報 特開2019-202280号公報
一般に、循環水ピットに留められている循環水に浮遊している余剰塗料からなるスラッジは、浮上させて除去する。しかし、浮遊している余剰塗料からなるスラッジは、粘着性が高く、管、槽などの内壁に付着しやすく、一旦付着すると除去が困難である。また、浮上させて除去した後も、固液分離の効率が低く、高含水率の汚泥廃棄物しか得られないことがある。一方、循環水ピットに留められている循環水に堆積してしまった余剰塗料からなるスラッジは、特に圧密状態になっていると、従来の方法では巻き上げが容易でなく、除去が困難であることが多い。堆積したスラッジの除去は、循環水ピットの使用を一時的に停止し、底を浚って、堆積したスラッジを取り出すという方法で行うことができるが、循環水ピットの使用を一時的に停止するなど、手間と費用が掛かる。
本発明の目的は、循環水によって捕捉した余剰塗料を不粘着化、凝結、凝集などの処理を施して塗料汚泥(スラッジ)を効率的に得、得られた塗料汚泥を浮上させて、効率的に除去することができる、湿式塗装ブース循環水の処理装置および処理方法を提供することである。
上記目的を達成するために検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
〔1〕 湿式塗装ブースにおいて発生する余剰塗料を循環水で捕捉し、
捕捉した余剰塗料を含む循環水を循環水ピットに送り、
循環水ピットに前記循環水を一時的に留め、
循環水ピットに留められた循環水の中でマイクロナノバブルを含む水を噴射して余剰塗料からなるスラッジの浮上を促し、
浮上したスラッジの全部若しくは一部を循環水から除去し、次いで
スラッジが除去された循環水を循環水ピットから湿式塗装ブースに戻すこと、
ならびに
循環水に水処理剤を添加すること、
循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHを計測すること、および
その計測値に基いて、循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHが所定の値の範囲内になるように、水処理剤の添加量および/またはマイクロナノバブルを含む水の噴射量を調節することを含む、
湿式塗装ブース循環水の処理方法。
〔2〕 湿式塗装ブースにおいて発生する余剰塗料を循環水で捕捉し、
捕捉した余剰塗料を含む循環水を循環水ピットに送り、
循環水ピットに前記循環水を一時的に留め、
循環水ピットに留められた循環水の中でマイクロナノバブルを含む水を噴射して余剰塗料からなるスラッジの浮上を促し、
浮上したスラッジの全部若しくは一部を循環水から除去し、次いで
スラッジが除去された循環水を循環水ピットから湿式塗装ブースに戻すこと、
ならびに
循環水に水処理剤を添加すること、および
湿式塗装ブースにおけるイベントに対応して、水処理剤の添加量またはマイクロナノバブルを含む水の噴射量を調節することを含む、
湿式塗装ブース循環水の処理方法。
〔3〕 湿式塗装ブースにおけるイベントが、湿式塗装ブースの起動若しくは停止、塗装の開始若しくは停止、塗料若しくは塗料洗浄液の循環水への廃棄、捨て吹き若しくは下塗り、中塗り、または上塗りである、〔2〕に記載の処理方法。
〔4〕 マイクロナノバブルを含む水の噴射を循環水ピットの底に向けて行う、〔1〕~〔3〕のいずれかひとつに記載の処理方法。
〔5〕 循環水ピットの底に堆積した余剰塗料からなるスラッジを探索し、
その探索結果に基づいて、マイクロナノバブルを含む水を噴射する位置若しくは方向を調節することをさらに含む、〔1〕~〔4〕のいずれかひとつに記載の処理方法。
〔6〕 循環水ピット、
湿式塗装ブースから循環水ピットに向けて循環水を流すための排出路、
マイクロナノバブル発生装置、
循環水ピットから湿式塗装ブースに向けて循環水を流すための供給路、
水処理剤を循環水に添加するための機構、
循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHを計測するための計測装置、および
計測装置で得られた計測値に基いて、循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHが所定の値の範囲内になるように、水処理剤の添加量またはマイクロナノバブルを含む水の噴射量を調節するための制御アルゴリズムを有する、調節装置を具備し、
マイクロナノバブル発生装置は、マイクロナノバブルを含む水の噴射口が、循環水ピットに留められた循環水の中でマイクロナノバブルを含む水を噴射できるように設置されている、
湿式塗装ブース循環水の処理装置。
〔7〕 循環水ピット、
湿式塗装ブースから循環水ピットに向けて循環水を流すための排出路、
マイクロナノバブル発生装置、
循環水ピットから湿式塗装ブースに向けて循環水を流すための供給路、
水処理剤を循環水に添加するための機構、
湿式塗装ブースにおけるイベントに対応して、水処理剤の添加量またはマイクロナノバブルを含む水の噴射量を調節するための制御アルゴリズムを有する、調節装置を具備し、
マイクロナノバブル発生装置は、マイクロナノバブルを含む水の噴射口が、循環水ピットに留められた循環水の中でマイクロナノバブルを含む水を噴射できるように設置されている、
湿式塗装ブース循環水の処理装置。
〔8〕 マイクロナノバブルを含む水の噴射口が、循環水ピットの底に向けてマイクロナノバブルを含む水を噴射できるように設置されている、〔6〕または〔7〕に記載の処理装置。
〔9〕 循環水ピットの底に堆積した余剰塗料からなるスラッジを探索するためのセンサをさらに有する、〔6〕~〔8〕のいずれかひとつに記載の処理装置。
〔10〕 マイクロナノバブル発生装置は、マイクロナノバブルを含む水の噴射口の位置若しくは方向を調節するための機構を有し、
調節装置は、マイクロナノバブルを含む水の噴射口の位置若しくは方向を調節するための制御アルゴリズムをさらに有する、〔6〕~〔9〕のいずれかひとつに記載の処理装置。
本発明の湿式塗装ブース循環水の処理装置および処理方法によれば、循環水によって捕捉した余剰塗料を不粘着化、凝結、凝集などの処理を施して塗料汚泥(スラッジ)を効率的に得、且つ塗料汚泥(スラッジ)を浮上させて、効率的に除去することができる。また、本発明の湿式塗装ブース循環水の処理装置および処理方法は、好気性微生物によるスラッジ中の有害物質・有機物の分解の促進を期待できる。本発明によると、湿式塗装ブース循環水の処理における、水処理剤およびマイクロナノバブルを含む水の無駄な添加および噴射が減り、運転コストを低減でき、低含水率のスラッジを得ることができるので廃棄物の処分コストを低減できる。本発明において、自動制御を採用することによって、作業の安心度、安定度、もしくは安全度が上昇し、人件費を削減することができる。
本発明の処理装置の構成例を示す図である。
本発明の湿式塗装ブース循環水の処理方法は、湿式塗装ブース1において発生する余剰塗料を循環水Aで捕捉し、 捕捉した余剰塗料を含む循環水を循環水ピット25に送り、 循環水ピットに前記循環水を一時的に留め、 浮上したスラッジの全部若しくは一部を循環水から除去し、次いで スラッジが除去された循環水を循環水ピットから湿式塗装ブースに戻すことを含む。
また、本発明の湿式塗装ブース循環水の処理装置は、循環水ピット25、湿式塗装ブースから循環水ピットに向けて循環水を流すための排出路、および循環水ピットから湿式塗装ブースに向けて循環水を流すための供給路を具備する。
本発明の湿式塗装ブース循環水の処理装置および処理方法を適用可能な湿式塗装ブースとしては、例えば、水膜状の循環水により余剰塗料を捕捉する水流板式(水膜式)塗装ブース、シャワー状の循環水により余剰塗料を捕捉するシャワー式塗装ブース、水膜式とシャワー式とを組み合わせた水膜・シャワー式塗装ブース、渦巻室における遠心力により分離された余剰塗料を水膜状の循環水に捕捉するベンチュリー式塗装ブース等を挙げることができる。
湿式塗装ブースにおいては、種々のイベントが行われる。例えば、コンベアで車24が湿式塗装ブース1に入ってくると塗料の噴霧(塗装)を開始し、塗装完了によって塗料の噴霧(塗装)を停止し、塗装済みの車が湿式塗装ブースから出ていく。このようなイベントにおいては、余剰塗料が湿式塗装ブースで間欠的に発生することがある。また、主なイベントである塗装には、捨て吹き若しくは下塗り、中塗りまたは上塗りなどの態様があり、それら態様ごとに、塗料の性状、使用量、余剰塗料の発生量などが異なることがある。さらに、イベントとして、塗料若しくは塗料洗浄液の循環水への廃棄などが行われることがある。昼間だけ塗装ブースを稼働させる場合、または塗装ブースの保守・点検のための作業を行う場合には、湿式塗装ブースの起動または停止のための非定常運転が行われる。非定常運転においては、定常運転に対比して、塗料の性状、使用量などが異なったり、薄め液、洗浄液などの異なる物質を使用したりすることがある。本発明の一実施形態の方法は、湿式塗装ブースにおけるこのようなイベントが行われたことに対応して、水処理剤の添加量またはマイクロナノバブルを含む水の噴射量を経験則、エキスパートシステム、学習済みAI等によって調節することをさらに含む。また、本発明の一実施形態の装置では、湿式塗装ブースにおけるイベントに対応して、水処理剤の添加量またはマイクロナノバブルを含む水の噴射量を調節するための制御アルゴリズムを有する、調節装置をさらに具備する。湿式塗装ブースにおける上記のようなイベントの実行情報を、調節装置に送信し、後述する自動制御に利用することを含むことができる。
湿式塗装ブースにおける余剰塗料の捕捉によって得られる、余剰塗料と水とを含んでなる循環水(未処理循環水Au)は、湿式塗装ブースから循環水ピットに向けて排出路内を流れ、排出路出口と循環水ピット内に溜まった循環水の水面との間に距離(落差)がある場合は排出路の出口から循環水ピット内に溜まった循環水の水面に向かって移動し、循環水ピット内で且つ排出路の出口から流れ出た循環水が循環水ピット内に先に留められていた循環水と混ざり合い、次いで循環水ピットに一時的に留められる。循環水が循環水ピットに留められている間に循環水から余剰塗料からなるスラッジを取り除き、循環水を清澄化処理する。次いで処理済循環水Atは、循環水ピットから湿式塗装ブースに向けて供給路内を流れ、湿式塗装ブースに戻され、湿式塗装ブースにおいて余剰塗料の捕捉に再使用される。循環水ピットにおける循環水の滞留時間は、特に制限されないが、例えば、好ましくは1~20分間、より好ましくは2~5分間である。
循環水ピット25は、循環水を貯留することができるものであれば、その形状によって特に限定されず、例えば、直方体形状の貯留スペースを有するもの(長方形ピット)、円柱形状若しくは円環柱形状の貯留スペースを有するもの(円形ピット)などが用いられる。そして、未処理循環水が処理済循環水と混ざり難くするために、循環水ピットへの未処理循環水の供給口、すなわち、排出路の出口は、循環水ピットからの処理済循環水の抜出口、すなわち供給路の入口とできるだけ離れた位置になるように、設置することが好ましい。例えば、循環水ピットへの未処理循環水の供給口と循環水ピットからの処理済循環水の抜出口とを貯留スペースの対角位置に設けることができる。より具体的に、例えば、排出路の出口は循環水ピットの一方の端若しくはその近辺に設けることができ、供給路の入口は循環水ピットの他方の端若しくはその近辺に設けることができる。なお、ピットの端とは、長方形ピットにおいては長方形の対向する二つの辺の少なくとも一カ所を意味し、円形ピットにおいてはセンターウエル(内周)の縁の少なくとも一カ所と外周の縁の少なくとも一カ所を意味する。端の近辺とは、実際の運用上必要な設備などの大きさなどを考慮し、当業者がピットの端と認識する範囲の箇所である。
浮上したスラッジの全部若しくは一部を循環水から除去する。浮上スラッジの全部若しくは一部の除去は、好ましくは、浮上スラッジと水とを含んでなる表層水を取水装置にて取水することによって、行われる。取水装置としては、フロート堰、フロートポンプなどの表層液排出装置を挙げることができる。
取水装置で取水された取水液に、浮上処理、好ましくは加圧浮上処理を施すことが好ましい。浮上処理を施すことによって、凝集された浮上スラッジを浮上させることができる。なお、加圧浮上処理は、浮遊物を含む液(常圧)に、空気の過飽和溶液(加圧)を注入することによって、空気の気泡を発生させ、浮遊物を浮上させるための処理方法である。加圧浮上処理において発生する気泡の平均直径は、好ましくは120μm以下、より好ましくは30μm以上120μm以下である。加圧浮上処理において発生する気泡の平均直径は、後述のマイクロナノバブルの平均直径よりも大きいことが好ましい。
加圧浮上処理の施された取水液に、濾過処理および/または脱水処理を施すことができる。濾過処理においては、ウェッジワイヤスクリーン、ロータリースクリーン、バースクリーン、フレキシブルコンテナバッグなどを用いることができる。
脱水処理においては、サイクロン、遠心分離機、加圧ろ過装置などを用いることができる。取り出されたスラッジは、焼却したり、埋め立て処分したり、コンポスト化したりすることができる。
また、取水液の濾過処理および/または脱水処理によって得られる水は、循環水として再使用することができる。
一方、浮上スラッジの全部若しくは一部の除去された循環水(処理済循環水At)を供給路を介して湿式塗装ブースに供給して、余剰塗料の捕捉に再使用する。スラグ、スラッジ、フロックなどが循環水に同伴して抜き出され難くするために、循環水ピットからの処理済循環水の抜出口またはその近傍には、堰、フィルタ、網などを設けることが好ましい。
本発明の一実施形態の湿式塗装ブース循環水の処理方法は、循環水に水処理剤を添加すること、 循環水ピットに留められた循環水の中でマイクロナノバブルを含む水を噴射して余剰塗料からなるスラッジの浮上を促すこと、 循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHを計測すること、および その計測値に基いて、循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHが所定の値の範囲内になるように、水処理剤の添加量および/またはマイクロナノバブルを含む水の噴射量を調節することをさらに含む。
また、本発明の一実施形態の湿式塗装ブース循環水の処理装置は、水処理剤を循環水に添加するための機構、マイクロナノバブル発生装置、循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度、または循環水のpHを計測するための計測装置、および計測装置で得られた計測値に基いて、循環水中の泡の量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度、または循環水のpHが所定の値の範囲内になるように、水処理剤の添加量またはマイクロナノバブルを含む水の噴射量を調節するための制御アルゴリズムを有する、調節装置をさらに具備する。
水処理剤としては、不粘着化剤、凝結剤、凝集剤、pH調整剤、消泡剤などを挙げることができる。
不粘着化剤は、余剰塗料の表面の粘着力を低下させることができるものであれば、特に制限されない。例えば、アルミナゾル、セピオライト、フェノール樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンジシアンジアミド縮合物、ベントナイト、ヘクトライト、直鎖型カチオン性ポリアミン、亜鉛酸ナトリウム、カルボン酸系重合体、タンニン、タンニン系化合物、タンニン基剤重合体、酢酸セルロースなどを挙げることができる。これらのうち、フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂は、水性塗料を捕捉した表面泡末の多い循環水または表面電位がほとんどゼロの有機溶剤塗料を捕捉した循環水における、水処理に好適であるので、湿式塗装ブースにおけるそのようなイベントに対応して、不粘着化剤としてフェノール樹脂を選択することができる。
フェノール樹脂は、水との親和性の高い溶媒若しくは分散媒に溶解若しくは分散させてなる、フェノール樹脂溶液又は分散液(以下、フェノール樹脂含有液という。)の形態で、添加することが好ましい。
フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類との縮合物またはこれの変性物であって、架橋硬化させる前の物若しくは架橋硬化させた後の物である。フェノール樹脂の具体例としては、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物、クレゾールとホルムアルデヒドとの縮合物、キシレノールとホルムアルデヒドとの縮合物などを挙げることができる。変性物としては、アルキル変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノールなどを挙げることができる。これらのフェノール樹脂はノボラック型であっても、レゾール型であってもよい。また、該フェノール樹脂は、分子量その他物性によって特に制限はなく、湿式塗装ブース循環水処理用として一般に使用されているものの中から適宜選択して使用することができる。フェノール樹脂は1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明に用いられるフェノール樹脂は、重量平均分子量が、好ましくは10000以下、より好ましくは7000以下である。
フェノール樹脂含有液に使用され得る溶媒若しくは分散媒としては、アセトン等のケトン、酢酸メチル等のエステル、メタノール等のアルコール、アルカリ水溶液、アミン等を挙げることができる。これら溶媒のうち、アルカリ水溶液が好ましい。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などを挙げることができる。フェノール樹脂をアルカリ水溶液に溶解ないし分散させてなる物は、アルカリ成分の濃度が好ましくは1~25質量%であり、フェノール樹脂の濃度が好ましくは1~50質量%である。
不粘着化剤の添加は、湿式塗装ブース内に在る循環水、湿式塗装ブースから循環水ピットに向けて流れている循環水、循環水ピットに流れ込んで循環水ピット内に溜まった循環水と混ざり合っている循環水、循環水ピット内に溜まった循環水または循環水ピットから湿式塗装ブースに向けて流れている循環水に対して行うことができ、湿式塗装ブースから循環水ピットに向けて流れている循環水、循環水ピットに流れ込んで循環水ピット内に溜まった循環水と混ざり合っている循環水、循環水ピット内に溜まった循環水または循環水ピットから湿式塗装ブースに向けて流れている循環水に対して行うことが好ましい。
凝結剤は、水中の微細微粒子の荷電を中和して凝結させる作用を有するものである。凝結剤は、有機凝結剤と無機凝結剤とに大別される。
有機凝結剤としては、アルギン酸ソーダ;キチン・キトサン系凝結剤;TKF04株、BF04などのバイオ凝結剤;カチオン系高分子凝結剤などを挙げることができる。カチオン系高分子凝結剤としては、例えば、重量平均分子量が、好ましくは1千以上100万以下、より好ましくは5千以上30万以下のカチオン性ポリマー(以下、低分子量カチオン性ポリマーという。)からなるものを挙げることができる。
無機凝結剤としては、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、ポリアルミニウムヒドロキシクロライド、擬ベーマイトアルミナゾル(AlO(OH))、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、などのアルミニウム系凝結剤;水酸化第一鉄、硫酸第一鉄、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、鉄-シリカ無機高分子凝結剤などの鉄塩系凝結剤;塩化亜鉛などの亜鉛系凝結剤;活性ケイ酸、ポリシリカ鉄凝結剤などを挙げることができる。
本発明において用いられる凝結剤として、低分子量カチオン性ポリマーが好ましい。低分子量カチオン性ポリマーは、水との親和性の高い溶媒若しくは分散媒に溶解若しくは分散させてなる、低分子量カチオン性ポリマー溶液又は分散液(以下、低分子量カチオン性ポリマー含有液という。)の形態で、添加することが好ましい。
低分子量カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、カチオン変性ポリアクリルアミド、ポリアミン、ポリアミンスルホン、ポリアミド、ポリアルキレンポリアミン、アミン架橋重縮合体、ポリアクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド(DADMAC)重合物、アルキルアミンとエピクロルヒドリンとの重縮合物、アルキレンジクロライドとポリアルキレンポリアミンとの重縮合物、ジシアンジアミドとホルマリンとの重縮合物、DAM(ジメチルアミノエチルメタアクリレート)の酸塩又は四級アンモニウム塩のホモポリマー又はコポリマー、DAA(ジメチルアミノエチルアクリレート)の酸塩又は四級アンモニウム塩のホモポリマー又はコポリマー、ポリビニルアミジン、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとの共重合物、メラミンとアルデヒドとの重縮合物、ジシアンジアミドとアルデヒドとの重縮合物、ジシアンジアミドとジエチレントリアミンとの重縮合物などを挙げることができる。なお、アルキルアミンとエピクロロヒドリンの重縮合物におけるアルキルアミンとしては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミンなどを挙げることができる。メラミン・アルデヒド縮合物およびジシアンジアミド・アルデヒド重縮合物におけるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ホルムアルデヒドの3量体であるパラホルムアルデヒドなどを挙げることができる。低分子量カチオン性ポリマーは1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
低分子量カチオン性ポリマー含有液に使用され得る溶媒若しくは分散媒としては、水、アセトン、メタノールなどを挙げることができる。
凝結剤の添加は、湿式塗装ブース内に在る循環水、湿式塗装ブースから循環水ピットに向けて流れている循環水、循環水ピットに流れ込んで循環水ピット内に溜まった循環水と混ざり合っている循環水、循環水ピット内に溜まった循環水、または循環水ピットから湿式塗装ブースに向けて流れている循環水に対して行うことができ、湿式塗装ブースから循環水ピットに向けて流れている循環水、循環水ピットに流れ込んで循環水ピット内に溜まった循環水と混ざり合っている循環水、循環水ピット内に溜まった循環水または循環水ピットから湿式塗装ブースに向けて流れている循環水に対して行うことが好ましい。凝結剤の添加によって、循環水中の余剰塗料の荷電を中和して微細なフロックを形成しやすくすることができる。
不粘着化剤と凝結剤とは、それぞれを別々に若しくは混ぜ合わせて、循環水に添加することができる。不粘着化剤と凝結剤との併用添加若しくは混用添加にとって、低い粘着性の微細なフロックを形成しやすくすることができる。
凝集剤は、粗大フロックの形成のために、添加することができる。凝集剤の添加は、凝結剤の作用によって得られる余剰塗料の凝固フロックを凝集させて、粗大フロックを形成させるので、沈降分離や遠心分離を促進させ、低含水率の汚泥廃棄物を得ることができる。
凝集剤としては、アニオンポリマー、カチオンポリマー、両性ポリマーなどからなる高分子凝集剤を挙げることができる。係るポリマーは、重量平均分子量が、通常、100万超、好ましくは500万以上のものである。
アニオンポリマーからなる高分子凝集剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ソーダ・アミド誘導体、ポリアクリルアミド部分加水分解物、部分スルホメチル化ポリアクリルアミド、ポリ(2-アクリルアミド)-2-メチルプロパン硫酸塩などを挙げることができる。
カチオンポリマーからなる高分子凝集剤としては、ポリアミノアルキルアクリレート、ポリアミノアルキルメタクリレート、ポリエチレンイミン、ハロゲン化ポリジアリルアンモニウム、キトサン、尿素-ホルマリン樹脂などを挙げることができる。
両性ポリマーからなる高分子凝集剤としては、アクリルアミドとアミノアルキルメタクリレートとアクリル酸ナトリウムの共重体などを挙げることができる。
カチオンポリマーからなる高分子凝集剤として、高分子量カチオン性ポリマー溶液又は分散液(以下、これらを併せて「高分子量カチオン性ポリマー含有液」と記すことがある。)を用いることが好ましい。
高分子量カチオン性ポリマー含有液は、水との親和性の高い溶媒に高分子量カチオン性ポリマーを溶解ないしは当該高濃度の溶解液を疎水性液体に分散させてなるもの(W/O型エマルション)等である。高分子量カチオン性ポリマーは、例えば、重量平均分子量が、好ましくは100万超、より好ましくは500万以上、さらに好ましくは600万~1,100万である。
高分子量カチオン性ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルの第四級アンモニウム塩由来のカチオン性構造単位を有するポリマー(例えば、アクリルアミド/[2-(アクリロイルオキシ)エチル]ベンジルジメチルアンモニウムクロリド/[2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリドの共重合体、アクリルアミド/[3-(アクリロイルオキシ)プロピル]ベンジルジメチルアンモニウムクロリド/[2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリドの共重合体、アクリルアミド/[2-(アクリロイルオキシ)エチル]ベンジルジメチルアンモニウムクロリド/[3-(アクリロイルオキシ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリドの共重合体、アクリルアミド/[3-(アクリロイルオキシ)プロピル]ベンジルジメチルアンモニウムクロリド/[3-(アクリロイルオキシ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリドの共重合体など)、ポリアミノアルキルアクリレート、ポリアミノアルキルメタクリレート、ポリエチレンイミン、ハロゲン化ポリジアリルアンモニウム、キトサン、尿素-ホルマリン樹脂などを挙げることができる。高分子量カチオン性ポリマーは、1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
高分子量カチオン性ポリマーの添加によって、フロック(浮上スラッジ)の再分散を防止することができ、また、加圧浮上処理後に行うことがある濾過処理および/または脱水処理(沈降分離や遠心分離など)の効率を高めることができ、より低い含水率の汚泥廃棄物を得ることができる。
アニオンポリマーからなる高分子凝集剤として、アニオン性ポリマー溶液又は分散液(以下、これらを併せて「アニオン性ポリマー含有液」と記すことがある。)を用いることが好ましい。
アニオン性ポリマー含有液は、水との親和性の高い溶媒にアニオン性ポリマーを溶解ないしは当該高濃度の溶解液を疎水性溶媒に分散させてなるもの(W/O型エマルション)等である。
アニオン性ポリマーとしては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ソーダ・アミド誘導体、ポリアクリルアミド部分加水分解物、部分スルホメチル化ポリアクリルアミド、ポリ(2-アクリルアミド)-2-メチルプロパン硫酸塩などを挙げることができる。アニオン性ポリマーは、1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。アニオン性ポリマーはアニオン化度が10~30モル%であるものが好適である。アニオン性ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは100万超、より好ましくは500万以上、さらに好ましくは800万~1500万である。
両性ポリマーからなる高分子凝集剤として、両性ポリマー溶液又は分散液(以下、これらを併せて「両性ポリマー含有液」と記すことがある。)を用いることが好ましい。
両性ポリマー含有液は、水との親和性の高い溶媒に両性ポリマーを溶解ないし高濃度の溶解液を疎水性溶媒に分散させてなるもの(W/O型エマルション)等である。
両性ポリマーとしては(メタ)アクリルアミドと4級アンモニウムアルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸ナトリウムとの共重合体などを挙げることができる。両性ポリマーのアニオン/カチオンのモル比は0.2~2.0が好適である。両性ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは100万超、より好ましくは500万以上、さらに好ましくは800万~1000万である。
凝集剤の添加は、湿式塗装ブース内に在る循環水、湿式塗装ブースから循環水ピットに向けて流れている循環水、循環水ピットに流れ込んで循環水ピット内に溜まった循環水と混ざり合っている循環水、循環水ピット内に溜まった循環水、循環水ピットから湿式塗装ブースに向けて流れている循環水、表層水または取水液に対して行うことができるが、表層水または取水液に対して行うことが好ましい。
高分子量カチオン性ポリマーは、表層水(浮上スラッジを含む循環水)に添加することが好ましい。
アニオン性ポリマー溶液又は分散液は、取水液(表層水から取水した循環水)に添加することが好ましい。
両性ポリマー溶液又は分散液は、取水液(表層水から取水した循環水)に添加することが好ましい。
pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの水溶性アルカリ金属化合物;塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸;などを挙げることができる。なお、循環水のpHは、不粘着化剤、凝結剤、凝集剤などの他の水処理剤によっても、変動することがあるので、それらも、pH調整剤として機能することがある。
pH調整剤の添加は、湿式塗装ブースから循環水ピットに向けて流れている循環水、循環水ピットに流れ込んで循環水ピット内に溜まった循環水と混ざり合っている循環水、循環水ピット内に溜まった循環水、循環水ピットから湿式塗装ブースに向けて流れている循環水、湿式塗装ブース内に在る循環水、表層水または取水液に対して行うことができる。
水処理剤は、それぞれ、タンク13等において、事前に調製し、貯留しておくことができる。水処理剤の貯蔵量を、タンクに取り付けた液レベル計14などによって計測し、計測値を制御系に組み込んで、水処理剤の不足、欠乏などの警告を発することができる。
マイクロナノバブル発生装置16としては、超音波、衝撃波等により発生する急激な圧力変化を利用する方式(圧壊方式)の発生装置、気体と液体が混合した状態でベンチュリー管、高速旋回ロータなどにより発生する乱流によって気体を千切る様にして気泡化する方式(せん断方式)の発生装置、圧壊方式とせん断方式とを組み合わせた方式の発生装置、筒に供給される気体と液体とを混合圧縮して気泡を含む液を得、これを気泡拡散孔に通して外に放出する方式の発生装置、コンプレッサー等による加圧によって液中へ強制的に気体を溶解させる方式の発生装置、ターボ型ポンプにて液体と気体とを混合して気体を液体に溶解させる方式の発生装置などを挙げることができる。
本発明に用いられるマイクロナノバブルを含む水(以下、マイクロナノバブル水ということがある。)は、20℃、1気圧における、水に対する空気の体積比が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上である。該体積比の上限は、マイクロナノバブル発生装置に応じて定まる。
マイクロナノバブル水の製造に用いられる水は、系外から供給される水であってもよいし、処理済循環水であってもよい。例えば、処理済循環水(スラッジが除去された循環水)Atの一部を湿式塗装ブースに戻さずに、分流路などを経て、マイクロナノバブル発生装置に供給してもよい。
マイクロナノバブル発生装置は、マイクロナノバブル水の噴射口を有する。該噴射口は、循環水ピットに留められた循環水の中でマイクロナノバブル水を噴射できるように、設けられている。マイクロナノバブル水の噴射口は、循環水ピットの底に向けてマイクロナノバブル水を噴射できるように、設けることが好ましい。循環水ピットの底に向けてマイクロナノバブル水を噴射することによって、循環水ピットの底に堆積していたスラッジを巻き上げ、循環水中に浮遊させ、マイクロナノバブルの付着によってスラッジに浮力を持たせて、浮上させることができる。
循環水に噴射されたときのマイクロナノバブルの数平均直径は、好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。循環水に噴射されたときのマイクロナノバブルの数平均直径の下限は、特に制限されないが、好ましくは0.1μm、より好ましくは0.5μm、さらに好ましくは1μmである。
マイクロナノバブル水の噴射速度は、好ましく0.1m/秒以上、より好ましは0.2m/秒以上である。噴射速度が高くなるほど、循環水ピットの底に堆積したスラッジを巻き上げやすい。噴射速度は、噴射口のサイズが小さいほど、噴射量が多いほど、高くなる。マイクロナノバブル水の噴射量は、ポンプの吐出量または吐出圧の調節によって変更できる。噴出口はノズルに設けられていることが好ましい。マイクロナノバブル水の噴射は、連続して行ってもよいし、一定周期若しくは不定周期にて断続して行ってもよい。
本発明においては、循環水ピットの底に堆積した余剰塗料からなるスラッジの探索を含むことが好ましい。この探索によって、スラッジの堆積箇所と堆積量を把握する。探索は、肉眼、センサなどによって、行うことができる。探索のためのセンサ21としては、例えば、界面計を挙げることができる。界面計は、検出方式において特に限定されず、例えば、光式界面計、超音波式界面計、インピーダンス式界面計、静電容量式界面計などを挙げることができる。一般的に、スラッジの管理においては、超音波式界面計が多用されている。ところが、超音波式界面計は、検出値が気泡の影響を受けやすい。検出値が気泡の影響を受けやすい界面計を用いる場合は、気泡による影響を検出値からノイズフィルタなどで除去するか、他の検出方式の界面計を併用するか、またはマイクロナノバブル水の噴射の時期と界面計による測定の時期とが重ならないようにするか、などして、気泡の影響が少なくなるような方法で探索することが好ましい。
本発明においては、マイクロナノバブルを含む水を噴射する位置または方向を調節することをさらに含むことが好ましい。噴射位置または方向は、所定の経路に沿って変更してもよいし、探索結果に基づいて変更してもよい。噴射位置または方向には、スラッジの堆積量が上限値を超えやすい場所を含めることが好ましい。噴射位置または方向の変更のための機構は、特に制限されず、例えば、可動アームからなるもの、滑車とレールとの組み合わせからなるものなどを挙げることができる。
循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHの計測は、公知の方法で行うことができる。
循環水の発泡量は、例えば、循環水ピットの側面に設けたスケール、泡レベル計にて計測することができる。泡レベル計は、検出方式において特に限定されず、例えば、光式レベル計、超音波式レベル計、インピーダンス式レベル計、静電容量式レベル計などを挙げることができる。これらのうち、静電容量式レベル計が、好ましい。小さいサイズの循環水ピットにおいては循環水ピットの液の全表面に泡が発生することが多いので、泡レベル計を少なくとも一つ、設けることが好ましい。大きいサイズの循環水ピットにおいては循環水ピットの液の一部表面に泡が発生することがあるので、泡レベル計を少なくとも一つ、泡の発生しやすい場所に設置することが好ましい。大きいサイズの循環水ピットにおいては循環水ピットの液の全表面を監視するカメラなどを設置し、それによって泡の発生の分布を把握し、それに応じて、泡レベル計を、適所に、設置してもよい。液レベル計11と泡レベル計10とを組み合わせて用いることによって、泡と液との界面のレベルと、泡の表面のレベルとを、把握することができる。
発生した泡の膜の強度が強いほど、発泡量が多くなると、推測できる。泡は、循環水の、温度、表面張力、粘度などの条件が絡み合って発生する。表面張力は塗料中のアニオン界面活性剤やノニオン界面活性剤などによって変動する。そのため、循環水に含まれる水処理剤の量、余剰塗料の量などが、発泡量の変動に影響すると考えられる。
循環水の濁度は、例えば、濁度既知の標準液との視認対比にて、または濁度計にて、計測することができる。懸濁物質濃度は、例えば、SS計にて、計測することができる。SSとはSuspended Solidの略で懸濁物質のことである。濁度は、JIS K 0101「工業用水試験方法」において、視認濁度、透過光濁度、散乱光濁度、および積分球濁度に区分されている。濁度計若しくはSS計13は、検出方式において特に限定されず、例えば、(1)散乱光・透過光法 (2)表面散乱光法(3)透過光法 (4)散乱光法 (5)積分球法 (6)微粒子カウント法などを挙げることができる。濁度とSSの相関式によって、擬似的にSS濃度を表示するものもある。
本発明においては必要に応じて循環水の色度を計測してもよい。循環水の色度は、例えば、色度計にて計測することができる、色度は、例えば、白金・コバルトによる色度と、刺激値Y 及び色度座標x、y による色度がある。白金・コバルトによる色度は、試料に溶存又はコロイド状で存在する物質による淡黄色から黄褐色系の色の場合に、適用される。その他多様な色の試料を測定する場合に刺激値Y 及び色度座標x、y による色度が用いられる。なお、濁色度計を用いると、相互干渉の影響を補正した、濁度および色度の値を得ることができる。
濁りは、懸濁物質の量、大きさ、色によって、左右される。循環水に懸濁する物質としては、余剰塗料のフロックまたはスラッジの他に、水難溶性成分からなる水処理剤を挙げることができるので、これらの量が濁度の変動に影響すると考えられる。
循環水のpHは、例えば、リトマス試験紙、pH計12にて、計測することができる。pHは、機器の腐食、水棲動植物の生活、農作物や水産物の育成に影響する。また、pHは、前述した水処理剤の効果、具体的には、余剰塗料のフロックまたはスラッジの生成量、沈降速度、沈降量、浮上速度、浮上量などに影響する。循環水に溶解する様々な物質がpHの変動に影響すると考えられる。
循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHの計測は、種々の位置にて、行うことができる。
循環水の発泡量の計測は、通常、循環水ピットに在る循環水に対して行うことができる。循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度の計測は、湿式塗装ブース内に在る循環水、湿式塗装ブースから循環水ピットに向けて流れている循環水、循環水ピットに流れ込んで循環水ピット内に溜まった循環水と混ざり合っている循環水、循環水ピット内に溜まった循環水、循環水ピットから湿式塗装ブースに向けて流れている循環水、表層水または取水液に対して行うことができる。
循環水のpHの計測は、湿式塗装ブース内に在る循環水、湿式塗装ブースから循環水ピットに向けて流れている循環水、循環水ピットに流れ込んで循環水ピット内に溜まった循環水と混ざり合っている循環水、循環水ピット内に溜まった循環水、循環水ピットから湿式塗装ブースに向けて流れている循環水、表層水または取水液に対して行うことができる。
本発明においては、水処理剤の添加量および/またはマイクロナノバブル水の噴射量は、循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHの計測値に基いて、循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHが所定の値の範囲内になるように、調節する。
この調節は、ON-OFF制御法、P制御法、PI制御法、PID制御法、PD制御法、ファジー制御法などで行うことができる。ON-OFF制御法では、例えば、計測値が所定値A以上になったときにその値を下げることが解っている水処理剤の添加開始若しくは増量またはその値を上げることが解っている水処理剤の添加停止若しくは減量に調節し、計測値が所定値B以下になったときにその値を上げることが解っている水処理剤の添加開始若しくは増量またはその値を下げることが解っている水処理剤の添加停止若しくは減量に調節する。
P制御法、PI制御法、PID制御法、PD制御法、ファジー制御法では、計測値Xmと目標とする値XTとの差(ΔX)に基いて、水処理剤の添加開始若しくは増量または添加停止若しくは減量に調節する。PはΔXに比例する分ΔFPだけ添加量Fを増減させ、IはΔXの積分値に比例する分ΔFIだけ添加量Fを増減させ、DはΔXの微分値に比例する分ΔFDだけ添加量Fを増減させる、制御アルゴリズムである。例えば、PID制御法は、PとIとDとを組み合わせてなるものである。
ファジー制御法は、例えば、「条件A1のときは出力B1とする」「条件A2のときは出力B2とする」「条件A3のときは出力B3とする」のようなルールを集め、メンバシップ関数によって、状態量Xの各条件(A1、A2およびA3)への適合度を算出し、条件に対する出力(B1、B2およびB3)の関数のうち適合度を超える出力部分をカットし、カットされた各出力の関数を重ね合わせて、最大面積を求め、その重心に対応する出力を操作量として決定するものである。
本発明は、水処理剤の添加量および/またはマイクロナノバブル水の噴射量(操作量)を、前述の計測値に基づく調節に替えてまたは組み合わせて、湿式塗装ブースにおけるイベントに対応して、調節することを含む。イベントに対応しての調節は、循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHが所定の値の範囲内になるように、行うことができる。例えば、或る湿式塗装ブースにおける、車一台の塗装によって生じる余剰塗料の量は、ほぼ決まっているので、単位時間当たりに塗装した車の台数の情報を、制御系に伝達して、操作量の調節をどの程度行うかの決定をすることができる。また、湿式塗装ブースの起動若しくは停止に伴う非定常運転における余剰塗料の発生量なども、経験的に把握可能であるので、湿式塗装ブースの起動若しくは停止するというイベントに対応して、イベント制御系3が制御信号26を発信し、操作量の調節をどの程度行うかの決定をすることができる。
本発明の水処理装置は、水処理剤の添加量および/またはマイクロナノバブル水の噴射量(複数の操作量)と、循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHならびに必要に応じてイベント(複数の状態量)とが、入力と出力とになる多変数プロセスである。本発明における調節は、古典制御理論による分散型多変量制御法(例えば、多重ループ制御、カスケード制御、相互干渉補償など)で操作量を決定してもよいし、現代制御理論による集中型多変量制御法で操作量を決定してもよい。制御系の不具合を把握しやすく、一部の制御系が故障や障害によって動作しなくなっても、残された制御系が補って、比較的に安定した制御が可能という観点から、分散型多変量制御法を用いることができる。具体的には、イベントに対応する制御信号26、マイクロナノバブル水噴射量制御信号17、pH計測値に基づく制御信号18、泡発生量計測値に基づく制御信号19、および濁度計測値に基づく制御信号20を、中央制御装置において情報処理し、各水処理剤を貯蔵しているタンクの供給ポンプ若しくはバルブに、供給量の指令を送信する。水処理剤の供給量は吐出センサ15などで監視して、故障などの異常を検知して警告できるようにしてもよい。外乱によって、発泡量が、循環水ピットにおける許容量を超える恐れが予測される場合には、所定の消泡剤を、手動で若しくは自動で、添加することができる。
本発明において行う制御系は、多変数プロセスの前段で計測若しくは観測した状態量の値に基づいて、制御を行う方式(フィードフォワード制御法)であってもよいし、多変数プロセスの後段で計測若しくは観測した状態量の値に基づいて、制御を行う方式(フィードバック制御法)であってもよい。両者を組み合わせた制御系は、制御の安定性と制御の迅速性とを兼ね備えることがある。
本発明においては、分散型多変量制御法における各制御系に優先順位を設けてもよい。例えば、優先順位一位の制御をイベントに対応してのフィードフォワード制御法によって行い、優先順位二位の制御をpHが所定の値の範囲内になるようにするフィードバック制御法で行い、優先順位三位の制御を発泡量が所定の値の範囲内になるようにするフィードバック制御法で行うことが、プロセスの、安定性、低廉性などの観点から、好ましい。
また、制御系の状態は、制御盤などによる表示によって現場にて監視することができ、通信手段による情報伝達によって遠隔地にて監視することができる。
水処理剤の添加量および/またはマイクロナノバブル水の噴射量(操作量)は、上述したような制御系によって調節されるが、当該調節によって実現される操作量は、例えば、以下のようである。
マイクロナノバブルの供給量(空気供給量)は、余剰塗料(固形分)1gに対して、好ましくは0.005~0.30g、より好ましくは0.05~0.15gである。
不粘着剤の添加量は、例えば、フェノール樹脂(固形分)の場合、循環水1Lに対して、好ましくは1mg以上、より好ましくは5mg以上である。過度の発泡および運転コストの上昇を抑えるという観点から、フェノール樹脂(固形分)の添加量の上限は、循環水1Lに対して、好ましくは1000mg、より好ましくは200mgである。また、フェノール樹脂(固形分)の添加量は、余剰塗料(固形分)に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上である。また、フェノール樹脂(固形分)の添加量の上限は、余剰塗料(固形分)に対して、好ましくは100質量%、より好ましくは10質量%である。
凝結剤(固形分)の添加量は、例えば、低分子量カチオン性ポリマーの場合、循環水1Lに対して、好ましくは0.1~100mg、好ましくは0.3~30mgである。また、低分子量カチオン性ポリマー(固形分)の添加量は、余剰塗料(固形分)に対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは2質量%以下である。低分子量カチオン性ポリマー(固形分)の添加量の下限は、余剰塗料(固形分)に対して、好ましくは1質量%、より好ましくは5質量%である。
凝集剤(固形分)の添加量は、例えば、高分子量カチオン性ポリマーの場合、余剰塗料(固形分)に対して、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.2~3質量%である。高分子量カチオン性ポリマーの添加量は、例えば、循環水に対するコロイド当量値として、好ましくは0.001~1meq/L、より好ましくは0.002~0.5meq/Lである。高分子量カチオン性ポリマーの添加によって、フロック(浮上スラッジ)の再分散を防止することができ、また、加圧浮上処理後に行うことがある濾過処理および/または脱水処理(沈降分離や遠心分離など)の効率を高めることができる。凝集剤の一種である、アニオン性ポリマー(固形分)の添加量は、余剰塗料(固形分)に対して、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.2~3質量%である。凝集剤の一種である、両性ポリマー(固形分)の添加量は、余剰塗料(固形分)に対して、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.2~3質量%である。
1:湿式塗装ブース
2:車台数カウンタ若しくは時計
3:イベント制御系
4;中央制御装置
5:通信網
6:リモートコントロール
7:pH制御系
8:泡発生量制御系
9:濁度制御系
10:泡レベル計
11:液レベル計
12:pH計
13:水処理剤調製タンク
14:液レベル計
15:吐出センサ
16:マイクロナノバブル発生装置
17:マイクロナノバブル水噴射量制御信号
18:pH計測値に基づく制御信号
19:泡発生量計測値に基づく制御信号
20:濁度計測値に基づく制御信号
21:堆積物探索センサ
22:水処理剤供給量調節機構
23:SS計
24:車
25:循環水ピット
26:イベントに対応する制御信号
A:循環水
Au:未処理循環水
At:処理済循環水

Claims (10)

  1. 湿式塗装ブースにおいて発生する余剰塗料を循環水で捕捉し、
    捕捉した余剰塗料を含む循環水を循環水ピットに送り、
    循環水ピットに前記循環水を一時的に留め、
    循環水ピットに留められた循環水の中でマイクロナノバブルを含む水を噴射して余剰塗料からなるスラッジの浮上を促し、
    浮上したスラッジの全部若しくは一部を循環水から除去し、次いで
    スラッジが除去された循環水を循環水ピットから湿式塗装ブースに戻すこと、
    ならびに
    循環水に水処理剤を添加すること、
    循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHを計測すること、および
    その計測値に基いて、循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHが所定の値の範囲内になるように、水処理剤の添加量および/またはマイクロナノバブルを含む水の噴射量を調節することを含む、
    湿式塗装ブース循環水の処理方法。
  2. 湿式塗装ブースにおいて発生する余剰塗料を循環水で捕捉し、
    捕捉した余剰塗料を含む循環水を循環水ピットに送り、
    循環水ピットに前記循環水を一時的に留め、
    循環水ピットに留められた循環水の中でマイクロナノバブルを含む水を噴射して余剰塗料からなるスラッジの浮上を促し、
    浮上したスラッジの全部若しくは一部を循環水から除去し、次いで
    スラッジが除去された循環水を循環水ピットから湿式塗装ブースに戻すこと、
    ならびに
    循環水に水処理剤を添加すること、および
    湿式塗装ブースにおけるイベントに対応して、水処理剤の添加量またはマイクロナノバブルを含む水の噴射量を調節することを含む、
    湿式塗装ブース循環水の処理方法。
  3. 湿式塗装ブースにおけるイベントが、湿式塗装ブースの起動若しくは停止、塗装の開始若しくは停止、塗料若しくは塗料洗浄液の循環水への廃棄、捨て吹き若しくは下塗り、中塗り、または上塗りである、請求項2に記載の処理方法。
  4. マイクロナノバブルを含む水の噴射を循環水ピットの底に向けて行う、請求項1~3のいずれかひとつに記載の処理方法。
  5. 循環水ピットの底に堆積した余剰塗料からなるスラッジを探索し、
    その探索結果に基づいて、マイクロナノバブルを含む水を噴射する位置若しくは方向を調節することをさらに含む、請求項1~4のいずれかひとつに記載の処理方法。
  6. 循環水ピット、
    湿式塗装ブースから循環水ピットに向けて循環水を流すための排出路、
    マイクロナノバブル発生装置、
    循環水ピットから湿式塗装ブースに向けて循環水を流すための供給路、
    水処理剤を循環水に添加するための機構、
    循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHを計測するための計測装置、および
    計測装置で得られた計測値に基いて、循環水の発泡量、循環水の濁度若しくは懸濁物質濃度および/または循環水のpHが所定の値の範囲内になるように、水処理剤の添加量またはマイクロナノバブルを含む水の噴射量を調節するための制御アルゴリズムを有する、調節装置を具備し、
    マイクロナノバブル発生装置は、マイクロナノバブルを含む水の噴射口が、循環水ピットに留められた循環水の中でマイクロナノバブルを含む水を噴射できるように設置されている、
    湿式塗装ブース循環水の処理装置。
  7. 循環水ピット、
    湿式塗装ブースから循環水ピットに向けて循環水を流すための排出路、
    マイクロナノバブル発生装置、
    循環水ピットから湿式塗装ブースに向けて循環水を流すための供給路、
    水処理剤を循環水に添加するための機構、
    湿式塗装ブースにおけるイベントに対応して、水処理剤の添加量またはマイクロナノバブルを含む水の噴射量を調節するための制御アルゴリズムを有する、調節装置を具備し、
    マイクロナノバブル発生装置は、マイクロナノバブルを含む水の噴射口が、循環水ピットに留められた循環水の中でマイクロナノバブルを含む水を噴射できるように設置されている、
    湿式塗装ブース循環水の処理装置。
  8. マイクロナノバブルを含む水の噴射口が、循環水ピットの底に向けてマイクロナノバブルを含む水を噴射できるように設置されている、請求項6または7に記載の処理装置。
  9. 循環水ピットの底に堆積した余剰塗料からなるスラッジを探索するためのセンサをさらに有する、請求項6~8のいずれかひとつに記載の処理装置。
  10. マイクロナノバブル発生装置は、マイクロナノバブルを含む水の噴射口の位置若しくは方向を調節するための機構を有し、
    調節装置は、マイクロナノバブルを含む水の噴射口の位置若しくは方向を調節するための制御アルゴリズムをさらに有する、請求項6~9のいずれかひとつに記載の処理装置。
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