JP2023000779A - 自律走行型配達ロボット - Google Patents

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Akira Nakanishi
寛明 西小野
Hiroaki Nishiono
崇 藤原
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【課題】置き配または通常配送の何れの配達方法にも対応することが可能な自律走行型配達ロボットを提供する。【解決手段】自律走行可能な走行手段Tと、荷室を有するロボット本体1に搭載された置き配装置2と、置き配処理を実行する制御部Cとを備えた自律走行型配達ロボットRであり、荷物を収容可能な可動カゴ部3を荷室に収容される収容位置(3A)から可動カゴ部3の底板部31が配送先の床Fに接触する置き配位置(3B)までリフトダウンさせるリフトダウン機構4と、置き配非対象荷物を荷室内で押し上げる押し上げ機構6と、荷室の開口部を開閉可能な扉Dを開状態(DB)と閉状態(DA)との間で切り替える扉開閉機構7とを作動させて置き配処理を実行可能であり、且つリフトダウン機構4及び押し上げ機構6を作動させることなく通常配送処理を実行可能な構成にした。【選択図】図2

Description

本発明は、自律走行型ロボット(AMR;Autonomous Mobile Robot)に関し、特にロボット内部の荷室に収容された荷物を配達先である目的地に置き配可能な自律走行型配達ロボット装置に関するものである。
EC(electronic commerce)の普及・拡大、また新型コロナウイルス禍によるEC特需等を背景に近年は荷物数が急増しており、宅配便市場は活況を呈している。国土交通省によれば、緊急事態宣言が発令された2020年4月以降、宅配便の荷物数は前年を1割ほど上回った状況が続いている。一方で、宅配荷物の増加に伴い、宅配ドライバーの負荷は増大し、人手不足が物流業界で問題となっている。また、新型コロナウイルス禍で求められる非対面や非接触の配送需要も増大しており、新型コロナウイルス禍中及びアフターコロナでは非接触の配送需要は益々増大するものと考えられる。
このような宅配荷物の増加と宅配ドライバーの負荷増大、人手不足への対応の1つとして、宅配ドライバーの仕事の一部を自律走行型ロボット(AMR)に任せて、自動配達することにより、業務負荷の増大を抑えようとする国内実証が進んでおり、海外では実用化が進んでいる(下記、非特許文献1参照)。
また、宅配ドライバーの負荷増大、人手不足、さらには非接触配送需要への対応の1つとして、宅配ドライバーの仕事のうち置き配(配達員が受取人に荷物を直接手渡しするのではなく、指定された場所に荷物を置く配達方式)に関しては自律走行型ロボットに任せて、届け先において当該ロボットにより自動で置き配する実証実験が進められている(下記、非特許文献2参照)。置き配については、配達員が荷物を手渡しせず、在宅でも留守であっても指定された場所に荷物を置くことで配達が済むため、再配達の手間・時間を効果的に省くことで作業効率(配送効率)の向上に大きく貢献するという側面もある。なお、コロナ禍で外出自粛という状況下において再配達率が大幅に低下したことで、配送効率が改善しているという報告もある。
"配達ロボット・デリバリーロボット DeliRo(デリロ)",[online],[令和3年5月20日検索],インターネット,<URL:https://www.zmp.co.jp/products/lrb/deliro> "Amoeba Energy、日本郵便/ロボットによる連続置き配に成功",[online],[令和3年5月20日検索],インターネット,<URL:https://www.lnews.jp/2020/01/m0130401.html>
非特許文献1に記載の配達ロボットを利用すると、荷物の受取人は配達ロボットのボックスから荷物を取り出すことで荷物を受け取ることができる一方、配達先において受取人が不在の場合には、ロボットが配達先で一定期間待機し続けるか、拠点へと引き返した後に再配達しなければならない。
また、非特許文献2に記載の配達ロボットであれば、ロボット単体で自動置き配することができるため、受取人が不在の場合であっても、配達先で一定期間待機し続けたり、拠点へと引返した後に再配達するという事態を回避することができるものの、以下のような不具合がある。先ず、非特許文献2に記載の配達ロボットであれば、荷物の床置きに適するように荷物の搭載スペースを床付近に設定しているため、通常配送時であっても受取人は荷物を受け取るために一旦しゃがみこむ姿勢になることが強いられる。このことは、配送拠点等において配送する荷物を搭載スペースに出し入れする作業時においても同様であり、作業員による荷物搭載作業の効率性が低下する要因になる。また、非特許文献2に記載の配達ロボットは、走行手段として左右一対の専用のクローラー部を採用しているため、より実用的なタイヤ等を有する配達ロボットに適用・置換することは不可能または極めて困難であり、その点での自由度は低いといえる。
なお、人手不足をカバーしつつ非接触配送にも対応可能な配達ロボットの需要は、宅配業界に限らず、小売りや病院、ホテル業界等にもあるとみられ、ラストワンマイルの物流サービス(最終拠点からエンドユーザへの物流サービス)をどのような手段によって実現するのかということは、荷物の配送を必要とする業界にとっても重要な問題になっている。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、荷物を置き配または通常配送の何れの配送種別にも対応することができ、受取人が不在であったり、対面対応できない場合にも自動で置き配することによって再配送の手間を省くことができるとともに、受取人にとっても荷物受取に関する時間的・場所的な制約が大幅に軽減され、通常配送の場合には受取人がしゃがむ姿勢を強いられたり、配送拠点等においても作業員が荷物を出し入れする際にしゃがむ姿勢やかがむ姿勢を強いられることのない自律走行型配達ロボットを提供することである。
すなわち、本発明に係る自律走行型配達ロボットは、自律走行可能な走行手段と、内部空間の一部を荷室に設定した箱状のロボット本体と、ロボット本体に搭載された置き配装置と、少なくとも置き配処理を実行する制御部とを備えたものであり、置き配装置として、荷物を収容可能な可動カゴ部と、可動カゴ部を当該可動カゴ部全体が荷室に収容される収容位置から可動カゴ部の底板部の少なくとも一部が配送先の床に接触または近接する置き配位置までリフトダウンさせるリフトダウン機構と、荷室の開口部を開閉可能な扉をリフトダウン機構による可動カゴ部の移動を許容する開状態と荷室を外部からアクセス不能に閉止する閉状態との間で切り替える扉開閉機構とを備えたものを適用し、制御部によってリフトダウン機構及び扉開閉機構を作動させて実行する置き配処理と、リフトダウン機構を作動させずに開放された荷室の開口部を介して利用者による荷室の置き配対象荷物以外の荷物へのアクセスを許容する通常配送処理とを選択可能に構成していることを特徴としている。
このような本発明に係る自律走行型配達ロボットであれば、扉開閉機構を閉状態から開状態に切り替えて、リフトダウン機構による可動カゴ部のリフトダウン移動を許容する状態でリフトダウン機構を作動させて可動カゴ部を置き配位置まで移動(リフトダウン移動)させることによって、荷室に収容されていた置き配対象荷物を配達先の床に移動させることができる。また、本発明に係る自律走行型配達ロボットであれば、配送種別が置き配ではなく通常配送である荷物に対しては、荷室の開口部を開放することで、荷物の受取人に荷物へのアクセスを許容することができ、通常配送として荷物を受取人に引き渡すことができる。特に、収容位置にある可動カゴ部の高さ位置が、平均的な成人の腰あたりの高さ位置またはそれ以上の適宜の高さ位置となるように設定しておくことで、荷物の受取人はしゃがんだり、かがむ姿勢を強いられることなく荷物をスムーズに受け取ることができる。また、通常配送処理を行う場合には、通常配送対象の荷物が収容されている荷室だけを開放するように扉を開状態にすることで、荷物の受取人は直感的に受け取る荷物を認識することができるとともに、誤って他の荷物を受け取ってしまう事態を防止することができる。
加えて、本発明に係る自律走行型配達ロボットが、可動カゴ部を収容位置から置き配位置に向かってリフトダウンさせる方向に張り出した状態で床に接地部の先端部を接地させるアウトリガー機構を備えたものであれば、リフトダウン機構による可動カゴ部のリフトダウン移動時にロボット全体が重心移動に伴って傾倒する事態を防止することができる。
また、本発明に係る自律走行型配達ロボットにおけるリフトダウン機構が、可動カゴ部のうち荷物が載置されている底板部(荷物載置面)を置き配位置に近づくにつれて荷物搬出方向に漸次傾斜させるものであれば、高い位置に搭載された荷物を配達先の床近傍に降下させる際に荷物の底辺が床に接触する位置まで荷物を自重で滑らせながらスムーズに移動させることができる。特に、可動カゴ部の底板部のうち少なくとも荷物と接触する領域に転動可能なコロを設けた構成であれば、底板部が傾斜した時点以降、荷物をより一層スムーズ且つ的確にコロ上を滑らせながら移動させることができる。
さらに、本発明に係る自律走行型配達ロボットが、荷室において可動カゴ部に収容された荷物が置き配対象荷物ではない場合に当該荷物(置き配非対象荷物)をリフトダウン機構による可動カゴ部の移動に影響を受けない位置に退避させる退避機構を備えたものであれば、荷室において可動カゴ部に収容された荷物が置き配対象荷物ではない場合に当該荷物(置き配非対象荷物)を退避機構によって可動カゴ部のリフトダウン移動に影響を受けない位置に退避させることで、置き配非対象荷物とリフトダウン機構との縁を切って、置き配対象荷物のみをリフトダウン機構による可動カゴ部のリフトダウン動作に伴って移動させることができる。ここで、上記非特許文献2に記載の配達ロボットであれば、複数の搭載荷物から任意の荷物を選択して置き配することが困難であり、荷物搭載時に置き配順序を確定しておく必要がある。したがって、配達順序や、希望された配送種別(置き配または通常配送の選択)が、配送出発後に変更された場合には対応することができない。このような不具合に鑑み、本発明に係る自律走行型配達ロボットは退避機構を備えることによって、荷室において可動カゴ部に収容された複数の荷物のうち置き配非対象荷物のみを退避機構によって可動カゴ部のリフトダウン移動に影響を受けない位置に退避させることで、置き配対象荷物のみを選択してリフトダウン機構による可動カゴ部のリフトダウン動作に伴って移動させることができ、可動カゴ部に荷物を搭載する際に置き配順序を確定しておく必要がなく、配達順序や希望された配送種別(置き配または通常配送の選択)が、配送に向けて出発した後に変更された場合にも柔軟且つ適切に対応することができる。本発明における退避機構としては、置き配非対象荷物を所定の退避位置(リフトダウン機構による可動カゴ部の移動に影響を受けない位置)まで持ち上げる持ち上げ機構や、置き配非対象荷物を所定の退避位置までスライド移動させるスライド機構を挙げることができるが、比較的簡単な構造であって且つ退避するための専用のスペースを荷室内に別途確保することなく省スペース化を実現するという観点では、置き配対象荷物ではない荷物をリフトダウン機構による可動カゴ部の移動に影響を受けない退避位置に押し上げる押し上げ機構を適用することが好適である。
本発明によれば、対象荷物を置き配または通常配送の何れの配達方法にも対応することができ、受取人が不在であったり、対面対応できない場合にも自動置き配することで再配送の手間を省くことができるとともに、受取人にとっても荷物受取に関する時間的・場所的な制約が大幅に軽減され、通常配送の場合には受取人がしゃがむ姿勢を強いられたり、配送拠点等において作業員が荷物を搭載する際にしゃがんだり、かがんだりする姿勢を強いられることのない自律走行型配達ロボットを提供することが可能となる。なお、本発明に係る自律走行型配達ロボットは、宅配分野に限定されず、小売りや病院、ホテル等の分野でも利用可能なものである。
本発明の一実施形態に係る自律走行型配達ロボットの全体概略図。 同実施形態において置き配完了時点の自律走行型配達ロボットを図1に対応して示す図。 同実施形態において開扉処理完了時点の自律走行型配達ロボットを図1に対応して示す図。 同実施形態において通常配送処理実行中の自律走行型配達ロボットを示す図。 同実施形態において収納状態にあるリフトダウン機構の全体斜視図。 図5のx方向矢視図(右側面図)。 図5のy方向矢視図(正面図)。 図5のz方向矢視図(平面図)。 同実施形態においてリフトダウン状態にあるリフトダウン機構の全体斜視図。 図9のx方向矢視図(右側面図)。 図9のy方向矢視図(正面図)。 図9のz方向矢視図(平面図)。 同実施形態におけるアウトリガー機構の全体斜視図。 同13(b)のx1,x2,y方向から視たアウトリガー機構を示す図。 同実施形態における退避機構の全体斜視図。 同実施形態における扉開閉機構及びアウトリガー機構の全体斜視図。 図16のz方向矢視図(平面図)。 同実施形態における置き配処理に関するフローチャート。 同実施形態においてアウトリガー接地処理及び置き配非対象荷物リフトアップ処理完了時点の自律走行型配達ロボットを図1に対応して示す図。 同実施形態においてリフトダウン処理中の自律走行型配達ロボットを図1に対応して示す図。 同実施形態においてリフトダウン処理完了時点の自律走行型配達ロボットを図1に対応して示す図。 同実施形態においてすえ切り処理完了時点の自律走行型配達ロボットを図1に対応して示す図。 同実施形態においてリフトダウン復帰処理完了時点の自律走行型配達ロボットを図1に対応して示す図。 同実施形態において置き配非対象荷物リフトアップ復帰処理及びアウトリガー復帰処理完了時点の自律走行型配達ロボットを図1に対応して示す図。 同実施形態において閉扉処理完了時点の自律走行型配達ロボットを図1に対応して示す図。 同実施形態においてすえ切り復帰処理完了時点の自律走行型配達ロボットを図1に対応して示す図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRは、図1及び図2に示すように、自律走行可能な走行手段Tと、内部空間の一部を荷室1Sに設定したロボット本体1と、ロボット本体1に搭載された置き配装置2と、選択された配送種別(配達方法)に応じて置き配処理または通常配送処理を実行するように当該自律走行型配達ロボットRの作動を制御する制御部Cとを備えたものである。なお、図1には、配達先到着時において配達処理を実行していない状態(ノーマル状態)の自律走行型配達ロボットRの全体外観図を示し、図2には、置き配処理を実行している自律走行型配達ロボットRの全体外観図を示している。
本実施形態では、走行手段Tとして、前輪T1及び後輪T2をそれぞれ2本ずつ備え、前輪T1及び後輪T2が並ぶ前後方向Xに進退移動が可能であり、停車した状態ですえ切り(前輪T1及び後輪T2をそれぞれ90度旋回させて進退移動方向を異ならせる処理)を行うことで横方向Yへの移動が可能なものを適用している。前輪T1や後輪T2の向きを変える(首振りする)ことで左折・右折することもできる。自律走行型配達ロボットRのうち、このような走行手段Tが設けられ且つロボット本体1を支持する部分を台車Bとして捉えることができる。
ロボット本体1は、走行手段Tによって自律的に目的地に移動可能なものであり、周辺状況を認識する機能を有する自律走行型ロボット(AMR;Autonomous Mobile Robot)である。本実施形態のロボット本体1は、箱状をなし、内部空間を開閉可能な扉Dを備えている。ロボット本体1の内部空間の一部を荷物Nを収容可能な荷室1Sに設定している(図2参照)。本実施形態では、前輪T1及び後輪T2が並ぶ前後方向Xに長尺な平面形状を有し、所定の高さ寸法を有する略直方体状のロボット本体1を適用し、ロボット本体1のうち一方の側面にのみ形成した開口部Kを扉D(右扉D1、左扉D2)によって開閉可能に構成している。具体的には、一対の扉D(右扉D1、左扉D2)を観音開き方式で開閉可能に構成している(図2参照)。本実施形態では、一対の扉Dを前後方向Xに並べて配置している。以下の説明では、前輪T1側の扉Dを左扉D2とし、後輪T2側の扉Dを右扉D1とする。
本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRは、図3に示すように、荷室1Sにセットされた可動カゴ部3に荷物Nを収容可能に構成している。そして、図4に示すように、左右の扉D(右扉D1、左扉D2)の少なくとも一方の扉Dが開状態(DB)にあればユーザ(荷物受取人P、あるいは荷分け作業員等)は開口部Kを通じて荷室1Sにアクセスすることができ、荷物受取人Pであれば荷室1Sにセットされた荷物Nを取り出すことが可能になり、荷分け作業員であれば荷室1Sに荷物Nを搭載(収容)したり、荷室1Sから荷物Nを取り出す(集荷)ことができる。
本実施形態では、図4に示すように、荷室1Sにセットされた可動カゴ部3に対して平均的な身長の成人Pがしゃがむことなくアクセスすることが可能な高さ位置に可動カゴ部3を実装している。すなわち、通常配送である場合に荷室1Sにセットされた可動カゴ部3に対して荷物受取人Pが荷物Nを取出し易い適正な高さ位置に可動カゴ部3を実装している。このことは、配送元において荷分け作業員が荷室1Sにセットされた可動カゴ部3に対して荷物Nを収容・集荷し易い適正な高さ位置に可動カゴ部3を実装しているということでもある。
可動カゴ部3は、図2、図3及び図5に示すように、荷物Nを置くことが可能な底板部31と、底板部31のうち前輪T1側の縁部及び後輪T2側の縁部からそれぞれ起立姿勢で配置された一対の起立板部32とを備えたものである。本実施形態では、図2に示すように、一対の起立板部32同士の間に荷物Nの収容スペースを仕切るパーティション33を設けている。このパーティション33によって可動カゴ部3における荷物収容スペースを右扉D1が開状態(DB)の場合に外部からアクセス可能な荷物収容スペース(右側荷物収容スペース)と、左扉D2が開状態(DB)の場合に外部からアクセス可能な荷物収容スペース(左側荷物収容スペース)とに区切っている。なお、図5ではパーティションを省略している。可動カゴ部3の底板部31のうち荷物Nに直接接する所定領域に回転可能なコロ34を複数列状に配置している(図5参照)。本実施形態では、底板部31のうち右側荷物収容スペースに載置した荷物Nが接する領域と左側荷物収容スペースに載置した荷物Nが接する領域にそれぞれコロ34を前後方向Xに直交する横方向Yに所定ピッチ複数列(図示例では3列)並べて配置している。起立板部32の上端部同士は棒状の連結部35によって連結している。可動カゴ部3は、置き配装置2を構成するものであり、リフトダウン機構4によって移動可能なものである。
置き配装置2は、荷室1Sにセットされている可動カゴ部3を床Fに接触または近接する位置までリフトダウンさせる機能を発揮するリフトダウン機構4と、ロボット本体1の側方に張り出して転倒を防止する機能を発揮するアウトリガー機構5と、荷室1Sにおいて可動カゴ部3に収容されている荷物Nを配送種別に応じて退避位置に退避させる機能を発揮する退避機構6と、扉D(右扉D1、左扉D2)を開閉する機能を発揮する扉開閉機構7とを備えている。本実施形態では、制御部Cによって台車Bの走行及び各機構(リフトダウン機構4、アウトリガー機構5、退避機構6、扉開閉機構7)の作動を制御可能に構成したものである。なお、制御部Cは、自律走行型配達ロボットRにおける適宜の位置に搭載されるものであり、図1にのみ模式的に示している。
本実施形態の自律走行型配達ロボットRは、台車Bの上部に、前記4種類の機能を持つアセンブリ(リフトダウン機構4、アウトリガー機構5、退避機構6、扉開閉機構7)からなる置き配装置2とその制御部Cを実装している。
リフトダウン機構4は、図2、図3、図5乃至図12に示すように、可動カゴ部3を当該可動カゴ部3全体が荷室1Sに収容される収容位置(3A)から可動カゴ部3の底板部31の少なくとも一部が配送先の床Fに接触または近傍する置き配位置(3B)までリフトダウンさせるものである。なお、図5は、収納状態(可動カゴ部3を収容位置(3A)にセットした状態)にあるリフトアップ機構4の全体斜視図であり、図6、図7、図8はそれぞれ図5のx方向矢視図(側面図)、y方向矢視図(正面図)、z方向矢視図(平面図)である。また、図9は、リフトダウン状態(可動カゴ部3を置き配位置(3B)に移動させた状態)にあるリフトアップ機構4の全体斜視図であり、図10、図11、図12はそれぞれ図9のx方向矢視図(側面図)、y方向矢視図(正面図)、z方向矢視図(平面図)である。
本実施形態では、平行リンク機構41を用いてリフトダウン機構4を構成し、平行リンク機構41を作動させることで、可動カゴ部3を収容位置(3A)から置き配位置(3B)までリフトダウンさせるように構成している。
平行リンク機構41は、一端部を駆動入力軸42(平行リンク第1軸42)に取り付けた第1リンクアーム43と、平行リンク第1軸42に比較的近い位置に固定された平行リンク第2軸44に一端部を取り付けた第2リンクアーム45とを備え、第1リンクアーム43の他端側の所定箇所を可動カゴ部3の起立板部32に軸(平行リンク第3軸46)を介して取り付けるとともに、第2リンクアーム45の他端部を可動カゴ部3の起立板部32に軸(平行リンク第4軸47)を介して取り付けたリンク機構である。このような平行リンク機構41は、第1リンクアーム43及び第2リンクアーム45が起立姿勢(所定角度傾斜した起立姿勢)で略平行に並んだ姿勢でロボット本体1の内部空間に収納される収納姿勢(4A)(図5乃至図8参照)と、荷室1Sから可動カゴ部3をロボット本体1の開口部Kを通じて荷室1S外へ放り出す方向に第1リンクアーム43及び第2リンクアーム45を傾倒させてこれら第1リンクアーム43及び第2リンクアーム45が横向きの姿勢(所定角度傾斜した横向き姿勢)で高さ方向に重なるリフトダウン姿勢(4B)(図9乃至図12参照)との間で切り替わる。このような平行リンク機構41を収納姿勢(4A)からリフトダウン姿勢(4B)に切り替えることで、可動カゴ部3を収容位置(3A)から置き配位置(3B)までリフトダウンさせることができ、荷室1Sに収容された荷物Nを配送先の床Fの近傍まで降ろすように構成している。
特に、本実施形態では、図5及び図9に示すように、平行リンク機構41の所定箇所(図示例では第1リンクアーム43の他端部)にベアリング48を設け、平行リンク機構41が収納姿勢(4A)からリフトダウン姿勢(4B)に切り替わる過程でベアリング48が可動カゴ部3の起立板部32に設けた底板傾斜レバー49の一端部を押圧し続けることで、底板傾斜レバー49に上端部を枢支した引っ張りアーム40が徐々に上方へ引っ張り上げられ、この引っ張りアーム40の下端部に取り付けた可動カゴ部3の底板部31が荷物Nを可動カゴ部3から放り出す方向に徐々に傾斜するように設定している。なお、ベアリング48が可動カゴ部3の起立板部32に設けた底板傾斜レバー49の一端部を押圧しない限り、可動カゴ部3の底板部31は水平または略水平の姿勢に維持され、ベアリング48が底板傾斜レバー49の一端部を押圧し始めた時点から底板部31が徐々に傾斜する。ここで、可動カゴ部3の底板部31が傾斜し始める位置(底板部31の傾斜開始位置)については、置き配時であれば、リフトダウン中に荷物Nが慣性で飛び出さないようにある程度低い位置で傾斜することが肝要である。また、荷物の集荷時であれば、ロボットRをベルトコンベアに直結して荷物を入れたりする場合にベルトコンベアの高さ(人の腰部より低いぐらい)を考慮して底板部31の傾斜開始位置を設定することができる。底板部31が傾斜し始める位置(底板部31の傾斜開始位置)は、引っ張りアーム40の長さを変更することで調整可能である。このような平行リンク機構41、底板傾斜レバー49、及び引っ張りアーム40の組をロボット本体1の内部空間であって且つ可動カゴ部3を挟む位置(起立板部32のうち荷室1Sに臨まない面側、つまり起立板部32の外向き面側)にそれぞれ配置している。
リフトダウン機構4は、平行リンク機構41を収納姿勢(4A)とリフトダウン姿勢(4B)との間で駆動させるリフト駆動用モータ4Mを備えている(図7及び図8等参照)。本実施形態では、リフト駆動用モータ4Mを駆動させることで、駆動出力軸(ギヤヘッド出力軸)の回転が各平行リンク機構41に関連付けて設けた減速ギヤ列を介して、平行リンク機構41のうち第1リンクアーム43の下端部に取り付けた入力軸(平行リンク第1軸42)が回転し、その結果、平行リンク機構41が収納姿勢(4A)とリフトダウン姿勢(4B)との間で姿勢変更するように設定している。
リフトダウン機構4は、平行リンク機構41を構成する第1リンクアーム43または第2リンクアーム45のうち少なくとも何れか一方の絶対角度を検出するリフトダウン角度エンコーダ4Eを備えている(図6乃至図8等参照)。本実施形態では、何れか一方の平行リンク機構41のうち第1リンクアーム43の下端部にリフトダウン角度エンコーダ4Eを設けている。リフトダウン角度エンコーダ4Eによる検出値(検出角度)に基づいて、平行リンク機構41を予めセットされる目標角度範囲(0度乃至目標角度)で往復動(収納姿勢(4A)とリフトダウン姿勢(4B)との間での往復動)するように設定している。
また、リフトダウン機構4は、可動カゴ部3が図5に示す収容位置(3A)に戻る際の物理的なストロークリミットを検出する収容位置側リミッタ4LA(フォトセンサ)を備えている(図8参照)。収容位置側リミッタ4LAは、可動カゴ部3が収容位置(3A)にある場合に遮光し、収容位置(3A)にない場合に透光することで、可動カゴ部3が収容位置(3A)に到達していることを検出するものであり、可動カゴ部3が収容位置(3A)に戻る際の物理的なストロークリミットを検出することができる。収容位置側リミッタ4LAで可動カゴ部3が収容位置(3A)に到達したことを検出した時点でリフト駆動用モータ4Mを停止するように設定している。なお、リフトダウン角度エンコーダ4Eによる検出角度よりも収容位置側リミッタ4LAによる検出(可動カゴ部3の収容位置(3A)到達の検出)の有無を優先して制御部Cによる制御(リフトダウン機構4の作動制御)を実行するように構成している。
リフトダウン機構4は、可動カゴ部3を図9に示す配達先の床F付近まで降りた置き配位置(3B)に移動させた際の物理的なストロークリミットを検出する置き配位置側リミッタ4LB(フォトセンサ)を備えている(図11及び図12等参照)。置き配位置側リミッタ4LBは、可動カゴ部3が置き配位置(3B)にある場合に透光し、置き配位置(3B)にない場合に遮光することで、可動カゴ部3が置き配位置(3B)に到達していることを検出するものであり、可動カゴ部3が置き配位置(3B)に移動させた際の物理的なストロークリミットを検出することができる。置き配位置側リミッタ4LBで可動カゴ部3が置き配位置(3B)に到達したことを検出した時点でリフト駆動用モータ4Mを停止するように設定している。なお、リフトダウン角度エンコーダ4Eによる検出角度よりも置き配位置側リミッタ4LBによる検出(可動カゴ部3の置き配位置(3B)到達の検出)の有無を優先して制御部Cによる制御を実行するように構成している。
このようなリフトダウン機構4は、イニシャル動作後にリフトダウン角度エンコーダ4Eの値(絶対角度)が0度(原点位置)であるか、収容位置側リミッタ4LAが遮光されている(可動カゴ部3が収容位置(3A)にあることを検出している)。この状態で、リフト駆動用モータ4Mを駆動させると、駆動出力軸(ギヤヘッド出力軸)の回転が各平行リンク機構41に関連付けて設けた減速ギヤ列を介して、平行リンク機構41のうち第1リンクアーム43の下端部に取り付けた入力軸(平行リンク第1軸42)が回転し、その結果、平行リンク機構41が収納姿勢(4A)からリフトダウン姿勢(4B)に姿勢変更する。この際、リフトダウン角度エンコーダ4Eによる検出値は増加する。そして、平行リンク機構41が収納姿勢(4A)からリフトダウン姿勢(4B)に姿勢変更する過程で、平行リンク機構41に設けたベアリング48が底板傾斜レバー49を押下し、可動カゴ部3の底板部31が傾斜する。底板部31のうち荷物Nとの接触部分に複数のコロ34を設けているため、荷物Nは底板部31が傾斜していることと相俟って回転するコロ34の上を滑りながら搬出される。リフトダウン角度エンコーダ4Eによる検出値が予め設定された目標値に到達するか、置き配位置側リミッタ4LBが遮光となった時点(可動カゴ部3が置き配位置(3B)に到達したことを検出した時点)でリフト駆動用モータ4Mによるリフトダウン動作を停止する。リフト駆動用モータ4Mを停止した後は、リフト駆動用モータ4Mに内包されている無励磁作動型の電磁ブレーキにより平行リンク機構41はリフトダウン姿勢(4B)を維持する。なお、可動カゴ部3を置き配位置(3B)から収容位置(3A)に移動させる場合は、リフト駆動用モータ4Mを駆動させて平行リンク機構41をリフトダウン姿勢(4B)から収納姿勢(4A)に姿勢変更(リフトダウン復帰)する。この際、リフトダウン角度エンコーダ4Eによる検出値が0度または収容位置側リミッタ4LAが遮光となった時点(可動カゴ部3が収容位置(3A)に到達したことを検出した時点)でリフト駆動用モータ4Mによるリフトダウン復帰動作を停止する。
アウトリガー機構5は、図2、図3、図13及び図14に示すように、リフトダウン機構4による荷物Nの昇降時に自律走行型配達ロボットRが転倒しないように支持するための機構である。アウトリガー機構5は、可動カゴ部3を収容位置(3A)から置き配位置(3B)に向かってリフトダウンさせる方向に張り出した状態で先端部が床Fに接地する接地アーム51(本発明の「接地部」に相当)を備えている。本実施形態では、接地アーム51の先端部に設けた補助輪52が床Fに接地するように構成している。接地アーム51は、可動カゴ部3の起立板部32の外側(外向き面側)において外部に露出しない図13(a)に示す収納姿勢(5A)と、収納姿勢(5A)からロボット本体1の開口部Kを通じて先端部の補助輪52が床F接地する角度まで傾倒した図13(b)及び図14に示す接地姿勢(5B)との間で切り替わる。なお、図14(a),(b),(c)はそれぞれ図13(b)のy方向矢視図、x1方向矢視図、x2方向矢視図である。可動カゴ部3の各起立板部32の外側に設けた接地アーム51の基端部同士を回転軸53に連結し、回転軸53を中心に一対の接地アーム51が収納姿勢(5A)と接地姿勢(5B)との間で回動する。アウトリガー機構5は、接地アーム51の収納姿勢(5A)から接地姿勢(5B)までの回動角度を検出するアウトリガー角度エンコーダ5Eを備えている(図14(a),(c)参照)。接地アーム51を収納姿勢(5A)から接地姿勢(5B)まで回動させた際のアウトリガー角度エンコーダ5Eによる検出値(検出角度)をリフトダウン機構4の目標角度(置き配位置(3B)の角度)の設定に利用することができる。本実施形態では、イニシャル動作後において接地アーム51を収納姿勢(5A)に位置付けた際のアウトリガー角度エンコーダ5Eの絶対角度が原点位置(0度)にあるように設定している。
アウトリガー機構5は、アウトリガー駆動用モータ5Mを備え、接地アーム51が収納姿勢(5A)にある状態で、アウトリガー駆動用モータ5Mを駆動(FW)させると、ギヤ列を介して回転軸53(例えば減速比1/200)が回転し、アウトリガー駆動用モータ5Mに関して接地検出相当の電流を検出したらアウトリガー駆動用モータ5Mを停止し、この時点におけるアウトリガー角度エンコーダ5Eの検出値を記録する。アウトリガー駆動用モータ5Mの停止後はアウトリガー駆動用モータ5Mに内包される無励磁作動型の電磁ブレーキにより接地アーム51を接地姿勢(5B)に保持する。
このようなアウトリガー機構5は、リフトダウン機構4の動作前に補助輪52が床Fに接地することで、リフトダウン機構4の動作に伴うロボットRの重心移動に起因するロール方向への転倒を防止することができる。接地アーム51を接地姿勢(5B)から収納姿勢(5A)に戻す場合は、リフトダウン機構4によって可動カゴ部3を収容位置(3A)に移動させた後にアウトリガー駆動用モータ5Mを駆動(BW)させて、アウトリガー角度エンコーダ5Eの検出値が0度に達した時点(接地姿勢(5B)となる原点位置に到達した時点)でアウトリガー駆動用モータ5Mを停止する。この際、前回のアウトリガー動作時に記録したアウトリガー角度エンコーダ5Eの値(アウトリガー駆動用モータ5Mに関して接地検出相当の電流を検出してアウトリガー駆動用モータ5Mを停止した時点におけるアウトリガー角度エンコーダ5Eの検出値)をクリアすることで、次回のアウトリガー処理実施時における接地アーム51の収納姿勢(5A)から接地姿勢(5B)まで回動させた際のアウトリガー角度エンコーダ5Eの値を新たに記録することができる。
アウトリガー機構5は、アウトリガー角度エンコーダ5Eによる接地アーム51の収納姿勢(5A)時の検出値の誤差を考慮して、接地アーム51の先端部に設けた補助輪52の位置(接地アーム51の収納姿勢(5A)時における補助輪52の位置または接地アーム51の接地姿勢(5B)時における補助輪52の位置を検出する第1サブセンサ(図示省略)を備えることもできる。第1サブセンサによって設計上の接地姿勢(5B)時の補助輪52の位置より少し高い位置に補助輪52が到達したことを検出して電流検出モードへの切り替え判断に使用することも可能である。また、アウトリガー機構5は、補助輪52が接地して大きなトルクが必要になった瞬間を検出してリフト駆動用モータ4Mを停止する第2サブセンサ(図示省略)を備えたものであってもよい。補助輪52が接地して大きなトルクが必要になった瞬間を第2サブセンサで検出し、当該検出時点でリフト駆動用モータ4Mを停止するように設定することができる。第2サブセンサとしては、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)に電流検出機能を発揮するものを挙げることができる。なお、自律走行型配達ロボットRが斜めになっているとき、アウトリガー機構5及びリフトダウン機構4も斜めになっているため、IMUによる目標角度の補正が不要であれば第2サブセンサを省略することもできる。
アウトリガー機構5は、図13及び図14に示すように、左右一対の接地アーム51の基端部近傍にそれぞれベースプレート54を設け、一方のベースプレート54にアウトリガー駆動用モータ5Mを取り付けるとともに、他方のベースプレート54にアウトリガー角度エンコーダ5Eを取り付けている。一対のベースプレート54同士は連結プレート55によって連結され、これらベースプレート54及び連結プレート55によってベースフレーム5Fを構成している。上述の第1サブセンサ,第2サブセンサもベースプレート54の適宜の箇所に取り付けることができる。
退避機構6は、図2、図3及び図15に示すように、荷室1Sにおいて収容位置(3A)にある可動カゴ部3に収容されている荷物Nが置き配対象荷物Naではない場合に当該荷物N(置き配非対象荷物Nb)をリフトダウン機構4による可動カゴ部3のリフトダウン移動に影響を受けない位置に退避させる機構である。本実施形態では、カム機構61を用いた押し上げ機構によって退避機構6を構成している。以下の説明では、退避機構6である押し上げ機構に関して退避機構6と同じ符号6を付している場合がある。カム機構61は、可動カゴ部3の底板部31よりも下方の領域に設けられ、底板部31に載置されている荷物Nをカム62によって持ち上げて、置き配対象ではない荷物N(置き配非対象荷物Nb)をリフトダウン機構4による可動カゴ部3の移動に影響を受けることなく荷室1Sに残すための機構である。このようなカム機構61を、可動カゴ部3における荷物収容スペースの数及び形成箇所に応じて配置している。本実施形態では、右扉D1が開状態(DB)の場合に外部からアクセス可能な右側荷物収容スペースと、左扉D2が開状態(DB)の場合に外部からアクセス可能な左側荷物収容スペースにそれぞれ対応させて2つのカム機構61(右側カム機構、左側カム機構)を配置している。
本実施形態のカム機構61は、図15に示すように、複数(図示例では4つ)のカム62と、これら4つのカム62を一体回転可能に取り付けたカム回転軸63と、カム回転軸63を回転させるカム駆動用モータ6Mと、これらの部品を内蔵するケース64を備え、カム62がケース64の上向き面に形成したスリット64aを通じて外部に突出していない(ケース64内に収容された)非リフトアップ位置(6A)と、カム62がケース64のスリット64aを通じて上方に突出したリフトアップ位置(6B)との間で切替可能なものである(同図(a)参照、なお、同図(b)はケース64のうち前カバー641を除く部分を省略したズである)。本実施形態では、カム機構61を非リフトアップ位置(6A)からリフトアップ位置(6B)に切り替えることによって、可動カゴ部3の底板部31のうち荷物Nが載置されている部分31a(リフトアップ底板部31a、図2及び図8等参照)のみを一時的に押し上げ、リフトアップ底板部31a上の荷物Nをリフトアップするよう構成している。なお、可動カゴ部3の底板部31に、リフトアップ底板部31aを設けずに、カム62の非リフトアップ位置(6A)からリフトアップ位置(6B)への回転移動を許容する適宜のスリットを形成し、カム62が荷物Nを直接リフトアップする構成を採用することもできる。
本実施形態のカム機構61は、図15(b)に示すように、平面視においてカム駆動用モータ6Mを跨ぐ位置に2本のカム回転軸63を設け、各カム回転軸63にそれぞれ2つのカム62を所定間隔で一体回転可能に配置している。カム駆動用モータ6Mが駆動すると、カム駆動用モータ6Mの出力軸であるカム回転軸63に固定したカム62が回転して、荷物N(置き配対象荷物Na)をリフトアップしない非リフトアップ位置(6A)と、荷物N(置き配非対象荷物Nb)をリフトアップするリフトアップ位置(6B)との間で移動する。カム機構61は、カム62が非リフトアップ位置(6A)にあることを検出するカム非リフトアップ位置センサ(図示省略)と、カム62がリフトアップ位置(6B)にあることを検出するカムリフトアップ位置センサ(図示省略)とを備えている。カム非リフトアップ位置センサは、カム62が非リフトアップ位置(6A)にある場合に透光し、非リフトアップ位置(6A)にない場合に遮光することでカム62が非リフトアップ位置(6A)にあることを検出するものであり、カムリフトアップ位置センサは、カム62がリフトアップ位置(6B)にある場合に透光し、リフトアップ位置(6B)にない場合に遮光することでカム62がリフトアップ位置(6B)にあること検出するものである。また、カム機構61は、カム62をリフトアップ位置(6B)でロックするブレーキ手段(カム駆動用モータ6Mに内蔵または別体)を備えている。
扉開閉機構7は、図16及び図17に示すように、荷室1Sの開口部Kを開閉可能な扉D(右扉D1、左扉D2)を閉状態(DA)と開状態(DB)との間で切り替えるものである。図16は、右扉D1及び左扉D2が閉状態(DA)と開状態(DB)の間の中途状態にある時点の扉開閉機構7及び退避機構6(押し上げ機構6)の斜視図であり、図17は、図16のz方向矢視図である。なお、図1乃至図4、及び後出の図19乃至図24では開閉機構7を省略している。閉状態(DA)は、荷室1Sを外部からアクセス不能に閉止する状態であり、開状態(DB)は、荷室1Sを外部からアクセス可能に開放する状態であり、特に、本実施形態では、右扉D1及び左扉D2を開状態(DB)にすることで、リフトダウン機構4による可動カゴ部3のリフトダウン移動を許容する状態になる。
扉開閉機構7は、右扉D1を開閉する右扉開閉用モータ71と、左扉D2を開閉する左扉開閉用モータ72と、右扉D1が閉状態(DA)にあることを検出する右扉閉状態検出センサ74と、右扉D1が開状態(DB)にあることを検出する右扉開状態検出センサ73と、左扉D2が閉状態(DA)にあることを検出する左扉閉状態検出センサ76と、左扉D2が開状態(DB)にあることを検出する左扉開状態検出センサ75とを備えている。右扉閉状態検出センサ74及び左扉閉状態検出センサ76は、右扉D1及び左扉D2がそれぞれ閉状態(DA)にある場合に遮光し、閉状態(DA)にない場合に透光することで右扉D1及び左扉D2が閉状態(DA)にあることを検出するものであり、右扉開状態検出センサ73及び左扉開状態検出センサ75は、右扉D1及び左扉D2がそれぞれ開状態(DB)にある場合に遮光し、開状態(DB)にない場合に透光することで右扉D1及び左扉D2が開状態(DB)にあることを検出するものである。具体的には、右扉開状態検出センサ73及び左扉開状態検出センサ75は、右扉D1及び左扉D2がそれぞれ閉状態(DA)から90度回転して開状態(DB)にあることを検出するように設定している。
本実施形態では、図17に示すように、右扉D1に固定した右扉固定フレーム77に、右扉開閉用モータ71の駆動によって正逆方向に回転する右扉回転軸77aを一体回転可能に組み付け、右扉開閉用モータ71、右扉閉状態検出センサ74、右扉開状態検出センサ73及び右扉回転軸77aを共通の右扉用ブラケット78に実装し、右扉用ブラケット78をアウトリガー機構5のベースプレート54(右側ベースプレート54)に取り付けている。同様に、左扉D2に固定した左扉固定フレーム79に、左扉開閉用モータ72の駆動によって正逆方向に回転する左扉回転軸79aを一体回転可能に組み付け、左扉開閉用モータ72、左扉閉状態検出センサ76、左扉開状態検出センサ75及び左扉回転軸79aを共通の左扉用ブラケット70に実装し、左扉用ブラケット70をアウトリガー機構5のベースプレート54(左側ベースプレート54)に取り付けている。
このような構成を有する扉開閉機構7は、後述するように、通常配送時には荷物受取人Pが荷物Nを荷室1Sから引き取るために扉D(右扉D1または左扉D2の何れか一方)を開状態(DB)にし、置き配時にはリフトダウン機構4による荷物Nのリフトダウン処理S4を可能にするために右扉D1及び左扉D2の両方を開状態(DB)にする機構である。
本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRは、以上の各機構(リフトダウン機構4、アウトリガー機構5、カム機構61(右側カム機構、左側カム機構)、扉開閉機構7の作動を制御部Cによって制御する。また、走行手段Tの作動も共通の制御部Cによって制御している。
次に、本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRが行う配達処理について図18に示すフローチャートに基づいて説明する。以下では、荷室1Sにセットした可動カゴ部3に2つの荷物Nを収容した状態で、1つ目の荷物N(例えば可動カゴ部3の左側荷物収容スペースに収容した左側の荷物N)を1件目の配送先に置き配し、2つ目の荷物N(例えば可動カゴ部3の右側荷物収容スペースに収容した右側の荷物N)を2件目の配送先に通常配送する場合について説明する。
配送元において配送作業員等のオペレータによって荷物Nが荷室1Sの可動カゴ部3に搭載された時点以降であって、1件目の配送先(目的地)に到着した時点(図1参照)で、本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRは、置き配装置2を起動させる信号(置き配対象荷物の指定情報を含む)に基づき、制御部Cが置き配装置2の扉開閉機構7を作動させて閉状態(DA)にある右扉D1及び左扉D2を開状態(DB)に切り替える(開扉処理S1、図3参照)。具体的には、扉開閉機構7の右扉開閉用モータ71及び左扉開閉用モータ72を駆動(扉開閉機構7を起動)させることで右扉D1及び左扉D2をそれぞれ閉状態(DA)から開状態(DB)に切り替えることができる。この状態において、右扉開状態検出センサ73及び左扉開状態検出センサ75によって右扉D1及び左扉D2がそれぞれ開状態(DB)にあることを検出し、この検出信号(右扉D1,左扉D2が開状態(DB)にあることを確認した旨の信号)に基づいて、制御部Cがアウトリガー機構5を作動させて当該アウトリガー機構5の先端部(補助輪52)を床Fに設地させる(アウトリガー接地処理S2、図19参照)。
アウトリガー接地処理S2は、アウトリガー機構5のアウトリガー駆動用モータ5Mを駆動(アウトリガー機構5を起動)させることで接地アーム51を収納姿勢(5A)から接地姿勢(5B)に切り替える処理である。本実施形態では、接地アーム51を収納姿勢(5A)から接地姿勢(5B)まで回動させた時点のアウトリガー角度エンコーダ5Eによる検出値(接地角度に関するエンコーダ情報)を取得し、この検出値をリフトダウン機構4の目標角度(リフトダウン時の目標角度)の設定に利用する。
アウトリガー接地処理S2と同時にまたは時間差で、本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRでは、制御部Cがカム機構61(右側カム機構、左側カム機構)を必要に応じて駆動させて、今回の配達処理で置き配対象となる荷物N(本実施形態では左側の荷物N)以外の荷物N、すなわち右側の荷物N(置き配非対象荷物Nb)とリフトダウン機構4との縁を切る処理(置き配非対象荷物リフトアップ処理S3)を実行する。置き配非対象荷物リフトアップ処理S3は、可動カゴ部3における置き配非対象荷物Nbの収容位置に応じて起動させるカム機構61を選別し、当該選別したカム機構61のカム62を非リフトアップ位置(6A)からリフトアップ位置(6B)に切り替える処理である。置き配非対象荷物Nbが右側の荷物Nである場合には、右側カム機構のカム駆動用モータ6Mを駆動させることで非リフトアップ位置(6A)にある複数のカム62(本実施形態では4つのカム62)を同時に、カム62がケース64のスリット64aを通じて右扉D1及び左扉D2側から突出するように回転させてリフトアップ位置(6B)に切り替えることができる。置き配非対象荷物リフトアップ処理S3を実施することにより、置き配非対象荷物Nbである右側の荷物Nは可動カゴ部3の底板部31のうち当該荷物Nを載置している部分(リフトアップ底板部31a)ごとリフトアップされ、以降、リフトダウン機構4の作動に影響を受けることなく荷室1S内に留まる(図19参照)。この状態において、右側カム機構のカムリフトアップ位置センサによって右側カム機構のカム62がリフトアップ位置(6B)にあることを検出するとともに、左側カム機構の非リフトアップ位置センサによって左側カム機構のカム62が非リフトアップ位置(6A)にあることを検出する。
本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRは、これらの検出信号(右側カム機構,左側カム機構のうち選別したカム機構61によって置き配非対象荷物Nbをリフトアップしている状態にあることを確認した旨の信号)に基づいて、制御部Cがリフトダウン機構4を作動させて、置き配対象荷物Naである左側の荷物Nが底板部31に載置された状態のまま可動カゴ部3を収容位置(3A)から置き配位置(3B)に移動させる処理(リフトダウン処理S4、図20及び図21参照)を実行する。リフトダウン処理S4は、リフト駆動用モータ4Mを駆動させることで、リフトダウン機構4の平行リンク機構41を収納姿勢(4A)からリフトダウン姿勢(4B)に姿勢変更し、可動カゴ部3を配送先の床F面まで降下させる処理である。本実施形態では、平行リンク機構41を収納姿勢(4A)からリフトダウン姿勢(4B)に姿勢変更する過程で平行リンク機構41に設けたベアリング48が底板傾斜レバー49を押下することによって可動カゴ部3の底板部31が傾斜するように設定しているため、置き配対象荷物Naである左側荷物Nは、自重で底板部31の傾斜方向31x(図10参照)に滑り、底板部31のうち荷物Nとの接触部分に設けたコロ34によってスムーズに滑りながら底の一部(底の一辺)が床Fに接触する位置まで移動する(図21参照)。なお、リフトダウン角度エンコーダ4Eによる検出値が予め設定された目標値(接地アーム51を収納姿勢(5A)から接地姿勢(5B)まで回動させた時点のアウトリガー角度エンコーダ5Eによる検出値(接地角度に関するエンコーダ情報)を参照して設定された目標値)に到達するか、置き配位置側リミッタ4LBが遮光となった時点(可動カゴ部3が置き配位置(3B)に到達したことを検出した時点)でリフト駆動用モータ4Mを停止し、リフトダウン機構4によるリフトダウン処理S4を終了する。上述したように、本実施形態では、平行リンク機構41を収納姿勢(4A)からリフトダウン姿勢(4B)に姿勢変更する過程において、ベアリング48が可動カゴ部3の起立板部32に設けた底板傾斜レバー49の一端部を押圧しない限り、可動カゴ部3の底板部31は水平または略水平の姿勢に維持され(図20参照)、ベアリング48が底板傾斜レバー49の一端部を押圧し始めた時点から底板部31が徐々に傾斜するように設定している(図21参照)。
次に、制御部Cが自律走行型配達ロボットRの台車Bの走行手段T(前輪T1、後輪T2)をすえ切りする処理(すえ切り処理S5、図22参照)を実行して、台車Bを横方向Yに移動(カニ歩き)させると、図2に示すように、置き配対象荷物Naは可動カゴ部3から配送先の床Fに完全に搬出される。以上の手順により置き配対象荷物Naである左側の荷物Nを目的地に置き配することができる。
置き配完了後は、制御部Cがリフトダウン機構4を作動させて荷物Nが載置されていない可動カゴ部3を置き配位置(3B)から収容位置(3A)に移動させ(リフトダウン復帰処理S6、図23参照)、次いで、リフトアップ位置(6B)にあるカム62を有するカム機構61(本実施形態では右側カム機構)を作動させてカム62をリフトアップ位置(6B)から非リフトアップ位置(6A)に切り替える(置き配非対象荷物リフトアップ復帰処理S7、図24参照)。また、置き配非対象荷物リフトアップ復帰処理S7と同時または時間差で、アウトリガー機構5を作動させて接地アーム51を接地姿勢(5B)から収納姿勢(5A)に切り替え(アウトリガー復帰処理S8、図24参照)、これら各機構(リフトダウン機構4、カム機構61、アウトリガー機構5)をロボット本体1の内部空間であって荷室1Sに露出しないスペースに収納し、最後に、扉開閉機構7を作動させて扉D(右扉D1、左扉D2)を開状態(DB)から閉状態(DA)に切り替える(閉扉処理S9、図25参照)。この状態において、右扉閉状態検出センサ74及び左扉閉状態検出センサ76によって右扉D1及び左扉D2がそれぞれ閉状態(DA)にあることを検出し、この検出信号(右扉D1,左扉D2が閉状態(DA)にあることを確認した旨の信号)に基づいて、制御部Cが置き配処理を完了した旨の信号(置き配完了信号)を出力する。最後に、すえ切りした状態にある走行手段T(前輪T1、後輪T2)を元に戻して(すえ切り復帰処理S10、図26参照)、置き配処理を完了する。
本実施形態の自律走行型配達ロボットRは、置き配完了信号に基づいて2件目の配送先に向かって自律走行を開始し、2件目の配送先に到着した時点で、2つ目の荷物N(右側の荷物N)に関する配送種別が当初の通常配送から置き配に変更されていた場合、上記の手順と略同様の手順(異なる点は、置き配非対象荷物リフトアップ処理S3が右側カム機構ではなく左側カム機構のカム62を待避位置からリフトアップ位置(6B)に変更する点のみ)で右側の荷物Nを置き配対象荷物Naとして置き配装置2によって置き配することができる。
また、2件目の配送先に到着した時点で、2つ目の荷物N(右側の荷物N)に関する配送種別が当初の通常配送から変更がない場合に、本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRは、置き配装置2を起動させる信号(通常配送対象荷物Nbの指定情報を含む)に基づき、制御部Cが置き配装置2の扉開閉機構7を作動させて閉状態(DA)にある右扉D1または左扉D2のうち今回の通常配送対象荷物Nbが収容されている荷物収容スペースに対応する扉D(本実施形態では右扉D1)を開状態(DB)に切り替える(図4参照)。具体的には、扉開閉機構7の右扉開閉用モータ71を駆動(扉開閉機構7を起動)させることで右扉D1のみを閉状態(DA)から開状態(DB)に切り替える。この状態において、右扉開状態検出センサ73及び左扉閉状態検出センサ76によって右扉D1が開状態(DB)にあって且つ左扉D2が閉状態(DA)にあることを検出する。荷物Nの受取人Pは、開状態(DB)にある扉D(右扉D1)によって開放されている開口部Kを通じて外部からアクセス可能な荷物収容スペースに収容されている荷物N(右側の荷物N)を受け取る(取り出す)ことができる。この際、可動カゴ部3に収容されている通常配送対象荷物Nbの高さ位置は、平均的な成人が腰を屈めたり、しゃがむことなく受け取る(取り出す)ことが可能な高さ位置にあるため、受取人Pは楽な姿勢で荷物Nを受け取る(取り出す)ことができる。また、可動カゴ部3の荷物収容スペースのうち荷物受取人Pがアクセス可能な荷物収容スペースは、当該荷物受取人P宛の荷物Nが収容されているスペースのみであるため、誤配達を防止することができる。このように、本実施形態の自律走行型配達ロボットRでは、置き配処理を行う場合には扉開閉機構7によって全ての扉D(右扉D1,左扉D2)を閉状態(DA)から開状態(DB)に切り替えることでリフトダウン機構4による可動カゴ部3のリフトダウン移動を許容することができ、通常配送処理を行う場合には、通常配送対象の荷物Nbが収容されている荷室だけを開放するように扉D(図4では右扉D1)を開状態(DB)にすることで荷物Nbの受取人Pに荷物Nbへのアクセスを許容することができる。
本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRは、通常配送対象荷物Nbを受取人Pに受け渡した旨の信号(荷物収容スペースから荷物Nが取り出されたことを検出した信号であってもよいし、受取人Pによる操作(適宜の受取受領操作)に基づく信号であってもよい)に基づき、制御部Cが扉開閉機構7を作動させて開状態(DB)にある扉D(右扉D1)を閉状態(DA)に切り替える。この状態において、右扉閉状態検出センサ74及び左扉閉状態検出センサ76によって右扉D1及び左扉D2がそれぞれ閉状態(DA)にあることを検出し、この検出信号(右扉D1,左扉D2が閉状態(DA)にあることを確認した旨の信号)に基づいて、制御部Cが通常配送処理を完了した旨の信号(通常配送完了信号)を出力する。
このように、本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRによれば、扉開閉機構7を閉状態(DA)から開状態(DB)に切り替えて、リフトダウン機構4による可動カゴ部3のリフトダウン移動を許容する状態でリフトダウン機構4を作動させて可動カゴ部3を置き配位置(3B)までリフトダウン移動させることによって、荷室1Sに収容されていた置き配対象荷物Naを配達先の床Fに移動させることができる。さらに、本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRであれば、荷室1Sにおいて可動カゴ部3に収容された荷物Nが置き配対象荷物ではない場合に当該荷物N(置き配非対象荷物Nb)を退避機構6によって可動カゴ部3のリフトダウン移動に影響を受けない位置に退避させること、具体的には、押し上げ機構6によって可動カゴ部3のリフトダウン移動に影響を受けない位置に押し上げることで、置き配非対象荷物Nbとリフトダウン機構4との縁を切って、置き配対象荷物Naのみをリフトダウン機構4による可動カゴ部3のリフトダウン移動に伴ってリフトダウンさせることで置き配処理を実行することができる。
そして、本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRによれば、荷物Nとリフトダウン機構5との接続状態を継続するか一時的に切断(遮断)するかの選択・切替を退避機構6(押し上げ機構6)で行うことができ、配送種別が置き配ではなく通常配送である荷物Nに対しては、退避機構6(押し上げ機構6)を作動させることなく、荷室1Sの開口部Kを開放することで、荷物Nの受取人Pに荷物Nへのアクセスを許容することができ、荷物Nを通常配送として受取人Pに引き渡すことができる。特に、収容位置(3A)にある可動カゴ部3の高さ位置が、平均的な成人の腰あたりの高さ位置またはそれ以上の適宜の高さ位置となるように設定しておくことで、荷物の受取人Pはしゃがんだり、かがむ姿勢を強いられることなく荷物をスムーズに受け取ることができる。また、通常配送処理を行う場合には、通常配送対象の荷物Nbが収容されている荷室1Sだけを開放するように扉Dを開状態(DB)にすることで、荷物の受取人Pは直感的に受け取る荷物を認識することができるとともに、誤って他の荷物を受け取ってしまう事態を防止することができる。
このように、本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRによれば、通常配送処理を行う場合には、通常配送対象の荷物Nが収容されている荷室1Sだけを開放するように扉Dを開状態(DB)にすることで荷物Nの受取人Pに荷物Nへのアクセスを許容することができ、置き配処理を行う場合には全ての扉Dを開状態(DB)に切り替えることでリフトダウン機構4による可動カゴ部3のリフトダウン移動を許容することができる。したがって、複数の荷物Nを荷室1Sに搭載した状態で1件目の配達先へ向かう途中で配達時間の変更要請等によって配送する順番が変更になった場合であっても、当初2件目の配達先を1件目の配達先に、当初1件目の配達先を2件目の配達先に変更してそれぞれの配達先にて通常配送または置き配することができる。
このようにな本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRを利用することによって、一度の巡回配送で複数の配達先に荷物を配達することができ、通常配送と置き配配達を柔軟に組み合わせた運用を実施することが可能になる。したがって、荷物の増加や配達ドライバーの負荷増大、ドライバー不足、非接触の配送需要といった現状の問題点を悉く解消することができる。
加えて、本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRは、可動カゴ部3を収容位置(3A)から置き配位置(3B)に向かってリフトダウンさせる方向に張り出した状態で接地部(接地アーム51)の先端部52が床Fに接地するアウトリガー機構5を備えたものであるため、リフトダウン機構4による可動カゴ部3のリフトダウン移動時にロボットR全体のロール方向への倒れる負荷をアウトリガー機構5で受けることができ、リフトダウン機構4による可動カゴ部3のリフトダウン移動に伴うロボットの重心移動に起因する転倒を防止することができる。特に、本実施形態では接地アーム51の先端部に設けた補助輪52が床Fに接地するように構成したアウトリガー機構5を採用しているため、比較的簡単な構成でありながら補助輪72を床Fに接地させることで床Fの不陸にも柔軟に対応することが可能な安定した接地状態を確保することができる。
また、本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRでは、リフトダウン機構4として、可動カゴ部3のうち荷物Nが載置されている底板部31を置き配位置(3B)に近付くにつれて荷物搬出方向に漸次傾斜させる構成を適用しているため、床Fから例えば1m程離れた高さ位置(平均的な成人がしゃがむことなくアクセス可能な高さ位置)に搭載された荷物Nを配達先の床F近傍に降下させる処理に伴って荷物Nの底辺が床Fに接触する位置まで荷物Nを自重で滑らせながら移動させることができる。特に、本実施形態に係る自律走行型配達ロボットRは、可動カゴ部3の底板部31のうち少なくとも荷物Nと接触する領域に転動可能なコロ34を設けているため、底板部31が傾斜し始めた時点以降、荷物Nをスムーズ且つ的確にコロ34上を滑らせながら移動させることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、可動カゴ部の底板部がリフトダウン処理実行中に傾斜リンク機構(平行リンク機構のベアリング48、底板傾斜レバー49、引っ張りアーム40を備えた傾斜リンク機構)によって漸次傾斜する構成により置き配対象荷物を配送先の床に送り出す機構(荷物送り出し機構)を採用したが、リフトダウン処理完了時点では水平または略水平姿勢にある可動カゴ部の底板部を、リフトダウン処理完了後に電動または適宜のリンク機構等によって傾斜させることで、置き配対象荷物を配送先の床に向かって送り出す機構(荷物送り出し機構)を採用してもよい。
また、可動カゴ部の底板部に電動の搬送コンベアまたはローラコンベアを設けることで置き配対象荷物を配送先の床に向かって送り出す機構(荷物送り出し機構)を実現することもできる。本発明は、荷物送り出し機構をリフトダウン機構の一部として備えた態様、または荷物送り出し機構をリフトダウン機構とは別体の機構として備えた態様、何れも含むものである。荷物送り出し機構が電動の搬送コンベア等によって置き配対象荷物を配送先の床に向かって自動で送り出す機構である場合には、上述の実施形態で言及した走行手段のすえ切り処理(走行手段による横移動(カニ歩き)処理)は不要とすることも可能であり、横移動機能を備えていない走行手段を適用したり、可動カゴ部の底板部を傾斜させる構成を省くこともできる。このように、本発明に係る自律走行型配達ロボットでは、可動カゴ部のリフトダウン移動時に可動カゴ部の底板部を傾斜させる構成を採用せずに、別途電動機を増設して底板部上の荷物を電動で水平移動させて配達先の床に向けて搬出する構成を採用することもできる。
可動カゴ部の底板部に電動の搬送コンベアまたはローラコンベアを設けた構成を採用する場合には、搬送コンベアやローラコンベア等に無励磁ブレーキを接続しておくことでロボット本体の傾斜や、走行中の各方向の加速度発生により荷物が荷室で移動したり、可動カゴ部における荷物収容スペースを区切るパーツ(起立板部、パーティション等)に衝突する事態を防止・抑制することができる。
また、可動カゴ部のパーティションによる荷物収容スペースの分割数を3以上に増やしたり、パーティションを設けずに荷物収容スペースの数を減らすこともできる。荷物収容スペースの数に応じてカム機構や扉の数も適宜増減させた構成にすればよい。可動カゴ部と一体にパーティションが移動するように構成してもよい。
また、押し上げ機構をカム機構以外の機構を用いて構成することもできる。例えば、高さ方向に突没動作可能なピストン部と、ピストン部を非リフトアップ位置(置き配対象荷物,置き配非対象荷物をリフトアップしない位置)とリフトアップ位置(置き配非対象荷物をリフトアップする位置)との間で作動させるピストン駆動部とを用いて押し上げ機構を構成することができる。また油圧式のリフトによって押し上げ機構を構成することも可能である。
上述の実施形態では本発明における退避機構として押し上げ機構を例示したが、押し上げ機構に代えて、置き配非対象荷物を所定の退避位置(リフトダウン機構による可動カゴ部の移動に影響を受けない位置)まで持ち上げる持ち上げ機構、または置き配非対象荷物を所定の退避位置までスライド移動させるスライド機構によって退避機構を実現することもできる。なお、構造の簡素化を図りつつ荷室内に専用の退避スペースを確保する必要のない省スペース化も図るという点では押し上げ機構、特にカム機構が有利である。上述の実施形態では、押し上げ機構による処理を「置き配非対象荷物リフトアップ処理」、「置き配非対象荷物リフトアップ復帰処理」としたが、これらの処理は退避機構による処理であることから、「置き配非対象荷物退避処理」、「置き配非対象荷物退避復帰処理」と捉えることができる。なお、本発明において、複数の荷物を搭載しないタイプの自律走行型配達ロボットや、重量が軽い荷物を搭載するタイプの自律走行型配達ロボットを構成する場合は、荷物を所定のスペースに退避させる処理不要であるため、退避機構を備えていない構成にすることもできる。
扉開閉機構によって開閉する扉は、観音開きタイプの扉に限定されず、シャッタータイプの扉、折り畳み動作可能な扉、或いは閉状態にある扉の上端部に水平姿勢で設けた作動回転軸を中心に回転させることによって開状態に切替可能な扉(アッパータイプの扉)を適用するとこもできる。
本発明では、リフトダウン機構として、可動カゴ部を収容位置と置き配位置の間で昇降移動させる油圧式のリフトを適用しても構わない。なお、油圧式のリフトによって可動カゴ部を収容位置と置き配位置の間で昇降移動させる場合には、可動カゴ部を昇降移動させるアクチュエータと、荷室から開口部を通じて外部に向かう方向へ可動カゴ部を移動させるアクチューエタが必要であり、部品点数を考慮すると上述の実施形態で説明した平行リンク機構を適用することが有利である。
本発明におけるロボット本体は箱状のものであればよく、内部空間や荷室の大きさは仕様等に応じて適宜変更することができる。また、扉によって開閉可能な開口部の大きさも適宜変更することができる。特に、上述の実施形態では、ロボット本体の一方の側面にのみ開口部を設定し、当該開口部を扉によって開閉する態様を例示したが、ロボット本体の内部空間や荷室の大きさ等に応じてロボット本体の両方の側面にそれぞれ開口部を設定し、それぞれの開口部を扉によって開閉する態様を採用してもよい。この場合、各開口部を通じて可動カゴ部をリフトダウン機構によって収容位置から置き配位置へ移動可能に構成すれば、荷物の搬出方向の選択肢が増え、置き配作業の効率化に貢献することが期待できる。また、ロボット本体の前面または背面の何れか一方あるいは両方に開口部を設定し、扉によって開口部を開閉する態様を採用することもできる。
ロボット本体または置き配装置にカメラを実装し、置き配処理を完了した証拠写真を撮影する構成にしてもよい。また撮影した写真を荷物受取人に配信するように構成すれば、荷物受取人も置き配完了の状態を把握することができ、本発明に係る自律走行型配達ロボットによる配達システムを安心して利用することができる。
ロボット本体または置き配装置にカメラを実装し、自律走行中や置き配時に、荷室及びその周辺部を撮影・記録するように構成すれば、配達事業者側において遠隔地からの荷物の状態監視や盗難監視を行うことが可能になる。
また、上記実施形態における各種センサの具体的な仕様(構成)や配置箇所は適宜選択・変更することができ、センサの一部を省略することもできる。また、発明に係る自律走行型配達ロボットによって、1件の配達先に複数の荷物を同時にまたは時間差で置き配または通常配送することも可能である。
本発明に係る自律走行型配達ロボットには、ロボット本体に複数の置き配装置を搭載した構成や、複数のロボット本体にそれぞれ置き配装置を搭載した構成も含まれる。このような構成により、置き配装置の数を増大させることで、配達先の対応数の増加(配達対象荷物の増大)にも対応することができる。
また、本発明に係る自律走行型配達ロボットにおいて、荷物積載時に積載拠点の積み込み用ローラコンベアの高さ位置や、集配用自動車の荷室の高さ位置に合うように可動カゴ部の高さ位置を調整可能に構成することで、可動カゴ部に対する荷物の積載処理をスムーズに行うことができる。更に、拠点におけるロボットの集荷や積載の自動化も容易に対応可能である。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1S…荷室
1…ロボット本体
2…置き配装置
3…可動カゴ部
31…底板部
(3A)…収容位置
(3B)…置き配位置
5…アウトリガー機構
4…リフトダウン機構
6…退避機構(押し上げ機構)
7…扉開閉機構
C…制御部
D(D1,D2)…扉(右扉、左扉)
(DB)…開状態
(DA)…閉状態
R…自律走行型配達ロボット
T…走行手段

Claims (4)

  1. 自律走行可能な走行手段と、内部空間の一部を荷室に設定した箱状のロボット本体と、前記ロボット本体に搭載された置き配装置と、少なくとも置き配処理を実行する制御部とを備えた自律走行型配達ロボットであり、
    前記置き配装置は、
    荷物を収容可能な可動カゴ部と、
    前記可動カゴ部を当該可動カゴ部全体が前記荷室に収容される収容位置から前記可動カゴ部の底板部の少なくとも一部が配送先の床に接触または近接する置き配位置までリフトダウンさせるリフトダウン機構と、
    前記荷室の開口部を開閉可能な扉を前記リフトダウン機構による前記可動カゴ部の移動を許容する開状態と前記荷室を外部からアクセス不能に閉止する閉状態との間で切り替える扉開閉機構とを備えたものであり、
    前記制御部によって前記リフトダウン機構及び前記扉開閉機構を作動させて実行する置き配処理と、前記リフトダウン機構を作動させず開放された前記開口部を介して利用者による前記荷室の置き配対象荷物以外の荷物へのアクセスを許容する通常配送処理とを選択可能に構成していることを特徴とする自律走行型配達ロボット。
  2. 前記可動カゴ部を前記収容位置から前記置き配位置に向かってリフトダウンさせる方向に張り出した状態で床に接地部の先端部を接地させるアウトリガー機構を備えている請求項1に記載の自律走行型配達ロボット。
  3. 前記リフトダウン機構が、前記可動カゴ部のうち荷物が載置されている底板部を前記置き配位置に近づくにつれて荷物搬出方向に漸次傾斜させるものである請求項1又は2に記載の自律走行型配達ロボット。
  4. 前記荷室において前記可動カゴ部に収容された荷物が置き配対象荷物ではない場合に当該荷物を前記リフトダウン機構による前記可動カゴ部の移動に影響を受けない位置に退避させる退避機構を備えている請求項1乃至3の何れかに記載の自律走行型配達ロボット。
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